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政府委員(
岡松進次郎君) 私から現在やっております監察、なお来年度四月からやります監察の現況につきまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。従来行
政監察の監察
方針といたしましても、いわゆる政府の重要施策に即応してやっておったのでございますが、本年度、昭和三十二年度におきましても、やはり政府の重要施策に即応して監察計画を立てることが必要だということで、本年度大体四つの柱を立てたわけでございます。それは、
一つは政府の重要施策として道路行政あるいは税務行政、あるいは社会保障行政等、重要施策について臨察して、その合理化をはかりたいということが
一つでございます。
一つは公団、公庫というものが、従来あまりなかったわけでございますが、この二、三年来相当公社、公庫というものがふえまして、大体事業を始めておる
状態に達しましたので、本年特にこの
方面にも監察をしたいということで、
一つの柱として立てたわけでございます。
なお三番目には、公共企業体、及び特別会計、これは御
承知のように食糧管理特別会計等も含めておるわけでございますが、そういうものの業務運営に関して、非常に国民的な関心が深いわけでございます。この
方面にも監察の計画を立てていきたい、こういうふうに考えております。なお、従来からもやっておりますけれど、あるいは調達問題につきまして、いろいろと会計検査院その他から非難を受けておるというような
官庁に対しまして、あるいは従来もやっておりました補助金の運用等につきまして、これは設備の合理的使用というものに
重点を置きまして監察をやりたいというふうに、一応の
方針を立てたわけでございます。ただ、この監察に関連をいたしまして、なお根本的には
官庁業務が
能率的に行われるということが必要でございまして、従来ややともすれば非
能率に行われるということを改善いたす上におきましても、こういった
方面にも留意をして監察をしていきたいというふうに考えております。なお官紀、綱紀の粛正ということも強く要請せられております際におきましては、監察に関連して各省がやっております執務体制の改善あるいは責任体制の確立という点につきまましても、特に監察計画の途上におきまして、これに留意して見ていこうというような
方針で、本年度監察計画を立てたわけでございます。ただ、私の方の役所は、あらかじめ一年間の計画を固定的にきめますということは、非常に、あまりに固定いたしましても……、やはり時々刻々の問題をとらえて監察をやっていくということも必要でございますが、一応一年間の重要な項目は、こういう項目をやりたいという予定は一応立てておるわけであります。その中で、第一四半期、つまり四月から四、五、六、第一四半期に考えております項目といたしましては、防衛庁の監察をやることにいたしております。これは今述べました第四の調達等につきまして、依然として各
方面から批判を受けておるという柱に該当する項目といたしまして取り上げたわけでございます。これは相当防衛庁は
機構も膨大でございますので、第一四半期だけではとうてい監察を完了することはできませんので、第二四半期にかけてやりたい。とりあえず第一四半期といたしましては、陸幕
関係の調達という点に
重点を置きまして監察いたしたい。第二四半期に空幕、海幕というふうに進んで参りたく考えております。
それからもう
一つの一四半期の項目といたしましては、食糧管理行
政監察、いわゆる食管の実態を調査いたしまして、その運営の改善に資するわけであります。これは御
承知のように、先般の国会におきましても、相当論議された問題でありまして、また別の
意味におきまして、内閣に特別調査
委員会というものが設けられているようでございますけれ
ども、私
どもの方の
立場といたしましても、それとは別個に、食管行政につきまして、
事務的改善の余地があるかどうかという点に
重点を置きまして、監察をいたしていきたいと考えております。大体食管の赤字の分析により、赤字の実態がどこにどういうふうな赤字が発生するのかという点が、今の食管会計というものが非常に複雑でございまして、非常に不明朗であるというような声もありますので、これを各項目に
分けて、赤字の所在、実態というものを監察して参りたい、また従事いたしておりまする
職員の、本庁並びに食糧
事務所の
事務の管理
状況、いわゆる
事務量に対してどの
程度の
人員というものが、つまり
事務の
増減に応じて、
人員が適当に配分されているかどうかという点についても見て参りたい。それから食糧の保管管理の
状況が適正に行われて、そうしてむだな費用がかかっていないかどうかという点にも監察を進めていきたい。それから黄変米及び麻袋の
処理の
状況が不適正のために、国に非常な損失をかけているという点についても監察して参りたいというふうに考えております。
もちろんわれわれの監察の結果というものは、でき得る限りこの
委員会にも反映して
委員会としての結論の資料として反映さしていきたいというふうに考えております。別個にやりまするけれ
ども、その結果は
委員会に十分反映いたしたいというふうに考えております。その結果、非常に時期的にあまりおそくなりますと
意味がございませんので、六月末ぐらいまでには、一応の私の方の監察結果を取りまとめて参りたいというふうに考えております。
それからもう
一つといたしましては、これは現在御
承知のように政府
職員には
定員外の
職員が、常勤的非常勤
職員、それから常勤労務者、たしか来年度からは常勤
職員という名前にかわったと
承知しております。この二種類があるわけであります。これを将来適当な職種とし申しますか職務の者を
定員の中に繰り入れるという問題があるわけであります。この問題は、実は監察部ではなくして管理部で所掌する
事務でございますけれ
ども、その判断資料といたしまして、現在の常勤的非常勤
職員並びに常勤労務者がどういう
勤務状態にあって、これを
定員の中に組み入れる適当な職務態勢にあるかどうかという判断の資料を作るために、その実態を調査するということをやることになっております。
第一・四半期といたしましては、そのほか公共事業におきまして、各推計別にいろいろと総合的な
仕事が行われていまして、それが総合的にうまく行われてないような
現状が多々あるわけでございますが、これは全国的に申しますと非常に対象が多いのでございますが、人手の都合によりまして適当な規模の推計三カ所ぐらいを選びまして、われわれの方では技術監察と申しておりますが、主に技術者を主としましてその総合的運営というものについて監察いたしたいというふうに考えております。現在第一・四半期に予想しております監察は以上でございますが、先ほど申しました政府の重要施策に応じまして、今後なお取り上げなければならない問題が非常に多いわけでございますが、何分にも
人員その他の
機関等の都合によりまして、全部が全部一年間にやるわけに参りませんので、その他のことを勘案いたしまして、第二・四半期以後の計画をきめて参りたいと思っておるわけでございます。
御参考に今後こういうことはぜひやりたいと考えておりますのは、
一つは道路整備事業でございます。これはいわゆる道路公団を含めた
意味におきまして考えておるわけでございまして、道路公団発足以来すでに
仕事を始めておりまするが、その運営の
状況を兼ねて、あわせて一般的な道路の整備監察をやりたいというふうに考えております。
もう
一つは、やはり政府の重要施策である住宅対策事業の監察もやっていきたいと考えております。これはやはり
日本住宅公団及び住宅金融公庫、公団、公庫を監察するという
意味において、監察計画として考えておるわけでございます。
もう
一つは税務行
政監察でございますが、現在まだ今取まとめ中の税務行
政監察をやっておるわけでございますが、これはいわゆる徴税
方面の
事務能率化、
事務改善という
意味で現在実施いたしまして、ただいまその結果を取りまとめ中でございますが、今申し上げます税務行
政監察は、さらに課税の
方面におきまして適当な監察項目を考究いたしまして、いわゆる税務行政を一貫した監察に取りまとめていきたいというふうに考えております。
その他社会保障行政につきましてもいろいろ項目があるわけでございますが、まあそのうちの適当な一項目なり二項目なりを選んでやろうというふうに考えております。
なお公共企業体につきましては、一昨年ですか、国鉄の調査をやりまして勧告をしたのでございますが、その後、現在においても国鉄につきましてはいろいろ問題があるようでありまして、本年におきまして、従来勧告いたしました線の相当改善にも国鉄は努めておりますけれ
ども、なお勧告の線に沿って十分改善が行われているかどうかという実態を監察いたしまして、なお改善が十分行われなければ、さらに推進的にこの改善を促進するという
意味で取り上げて参りたいというふうに考えております。
その他なお監察項目としては相当考えておりますけれ
ども、
人員の都合、行政
機関の都合によりまして、またそのときのいわゆる重要施策のウエイトに従いまして、時々考えてやって参りたいというふうに考えておるわけでございます。
簡単でございますが、御質問ございますればなお御説明いたしたいと思います。