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1957-04-09 第26回国会 参議院 逓信委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月九日(火曜日)    午後一時四十分開会     ―――――――――――――   委員異動 四月四日委員井野碩哉君辞任につき、 その補欠として野田俊作君を議長にお いて指名した。 四月五日委員藤原道子君及び野田俊作辞任につき、その補欠として森中守 義君及び前田久吉君を議長において指 名した。 四月六日委員横川正市君辞任につき、 藤原道子君を議長において指名した。 四月八日委員前田久吉辞任につき、 その補欠として野田俊作君を議長にお いて指名した。 本日委員藤原道子辞任につき、その 補欠として横川正市君を議長において 指名した。     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    理事            手島  栄君            最上 英子君            鈴木  強君            長谷部ひろ君    委員            石坂 豊一君            新谷寅三郎君            中山 壽彦君            前田佳都男君            宮田 重文君            横川 信夫君            三木 治朗君            森中 守義君            山田 節男君            横川 正市君            奥 むめお君   国務大臣    郵 政 大 臣 平井 太郎君   政府委員    郵政大臣官房電    気通信監理官  松田 英一君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    自治庁行政部振    興課課長補佐  中村 啓一君    農林省振興局振    興課長     庵原 文二君    郵政省電波監理    局法規課長   石川 義憲君    日本電信電話公    社総裁     梶井  剛君    日本電信電話公    社業務局長   吉澤 武雄君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○公衆電気通信法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (船舶無線等に関する件)     ―――――――――――――
  2. 手島栄

    理事手島栄君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。去る四日井野碩哉君辞任され、野田俊作君が、五日藤原道子君及び野田俊作君が辞任され、森中守義君及び前田久吉君が、六日横川正市君が辞任され、藤原道子君が、また八日前田久吉君が辞任され、野田俊作君がそれぞれ委員に選任されました。また本日藤原道子君が辞任され、横川正市君が委員に選任されました。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続いて、質疑を行います。
  3. 鈴木強

    鈴木強君 私は、前の委員会大臣から説明になりました提案理由説明に対しまして質問したのですが、どうも納得できないので、今日は総裁もお見えになっていますから、大臣総裁から基本的な問題について一つ御回答願いたいのであります。今度の法律改正内容は、単独電話共同電話電話回線に接続する付属機器についても自営の道を開こうと、こういうことでありますが、前回質問で私は公衆電気通信法の第一条、第二条、これらの精神を考えてみても、当然電電公社責任をもってこれらの設備をやるのが妥当であるし、正しいという解釈はいささかも変っていないのです。もちろん今までも一部自営の道が開かれておったことはこれは事実でありますが、そういう立場に立ったときに、なおかつ、さらに他人に依存をしていくというような、こういう考え方については、私は絶対納得できない。いろいろ質問して、それでは公社能力がなくてやるのかと言ったら、能力がないわけではない、能力はある、そう言っている。それなら公社でおやりになればいいのです。にもかかわらず、どうしてやるのか、この自営の道を拡大するかということに対する回答がきわめて不明確なんです。ですから、この点について大臣は、電電公社事業を監督する立場に立って現在定められている法律というものを考えた場合、まず第一条、第二条に明確に義務があるわけです。定義があるわけです。目的があるわけです。ですから、そういう精神からいって、現状自営をさらに拡大していこうという考え方はこの第一条、第二条に逆行するものだと考えるのです。そういう点はきわめて不明確ですから、この際、大臣から明確に一つ、どうして自営拡大しなければならぬかということの事由をお聞きしたいのです。私はその点を、まだ前回委員会では私たちの納得できる答弁がないから、今日は重ねてその点を御質問してみたいと思うのです。ですから、大臣総裁から明確に御答弁願いたいと思うのです。
  4. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 御質問の点は十分われわれとしても当然の事柄であると考えておるのでございます。しかしながら、今日の電話の需要並びに電話に対する一般加入者は非常にたくさんな数にも相なりまして、それに関連いたしましてまた加入者加入者としていろいろ問題を提起して参っております。従いまして、今回のこの公衆電気通信法の一部を改正する法律という内容に盛り込んだ本問題につきましては、公社並びに自営という両々相待った一つの行き方で加入者にも一つサービスをして、十分加入者要求に応じていこう、それがまあ今後とるべき道じゃないかという事柄において考えたのでございまして、お説のような精神は決して曲げられておらないということに相なっておると思います。
  5. 梶井剛

    説明員梶井剛君) すでに御承知の通りに、先般構内交換電話設備につきましては、公社もやり、また一般自営をも認めるという精神法案改正されましたのであります。その構内交換設備に比べまして今度の付属電話機は、さらに企画的に見まするとむずかしくないものであります。従って、構内交換電話設備自営を認める以上は、やはりこの付属電話機についても自営を認めても差しつかえないのじゃないだろうか、ただし、われわれ公社といたしましては、当然自分らのやることでもありますので、公社はもちろん構内交換設備並びに付属電話機につきましてもへ加入者の求めに応じて供給するということもやりますが、同時に、自営を望む加入者に対しましては、その使う機器並びに設備等につきましては、あらかじめ基準をきめておきまして、その基準にのっとってやる限りは、加入者が負担して自営をするということに対しては、妨げないという趣旨でこの法案改正ができているわけでありまして、決してわれわれがわれわれの仕事をなおざりにするという意味では毛頭ないのであります。従って、これは戦前におきましては、一般構内交換設備等については、広く自営を認められておったのでありまして、それが戦後一時混乱しておりましたために、公社が積極的に全部自分でやるというふうにやっておりましたのですが、漸次今日におきましては、民間の方でもそういう準備ができて参っておるのでありますから、極端にわれわれが自分でなければできないというふうに消極的に考えないで、もし、やりたいし、またやるところの資格を持っているという人がやる限りにおいては、これは認めざるを得ないのではないかと考えておるわけであります。
  6. 鈴木強

    鈴木強君 もちろん現在の百五条ですか、構内交換の場合は、これは法律でもきめられておりますが、私はそのことも確かに問題は残っているが、法治国家ですから、そういうことを今言ってもしょうがない。問題はさらにそういう第一条、第二条において、電気通信機器設備というものがすべてあまねく公平に公社が提供しなければならぬ義務、が第一条、第二条によってこれは明確に基礎づけられております。そういう精神からいって、どうしても公社でやる能力がなくて一部民間の協力を得る、こういうことであれば私は筋が通ると思うのですね。しかしながら、あくまでも第一条、第二条の精神を考えた場合に、少くともそういう精神に近づけるように公社が努力し、また郵政省としては、それを監督していかなければならぬと私は思うのです。ところが、今度は逆にだんだんだんだん自営を強化していくという形になると、公社本来の使命というものはどこへ行くのかわからなくなってしまうと私は思うのです。で、大臣趣旨においては私の言っておることを認めているのです。けれども、私はなぜ自営の道を開かなければならないかということですよ。公社でやった方がどうも公衆から苦情が来たり、非常に不便な点があって、むしろ民間の人にやってもらった方が都合がいいのか、その設置について。あるいは料金単価がどうなっておるか私知りませんけれども、自営でやった方が安くいって、公社はどうもまずいのだ、こういうことであるのかどうか、その辺もきわめて不明確であるし、なぜ自営でやらなければならぬかというその理由がわからぬのですよ。公社能力があるならおやりになったらどうですか。やらしたらどうですか。そこのところが、両方やった方がいいということだけであって、この第一条、第二条の精神からいうならば、矛盾しないですか、そこを明確に一つ大臣は少くとも監督される責めにあるのですからね。それを私たちに納得できるように説明してくれれば私は率直に従いますよ。しかし、理屈がどうもわからぬ、あの答弁では。もう一回一つはっきりして下さい。
  7. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 公社のこの問題に対する能力は十分あると私は認めております。またサービスの点においても、十分でき得ると、かように考えております。しかし、過去の実績また現状を十分考え、加入者などの意見も聞き、いろいろ勘案いたした結果が、公社もやる、また一般加入者自営ということも認めるならば、両々相待って公社ぎりでやるよりも、むしろ一般大衆に対しての十分なるサービスができ、万全を期せられるのじゃなかろうかというような趣旨でこの法律案を出したのでございます。
  8. 鈴木強

    鈴木強君 そうするとあれですか、サービスの面で加入者が独自にやりたいということは、公社でやってもらうよりか民間会社でやってもらった方がいいんだと、こういう要望にこたえてやったんですか。
  9. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) この問題は、いろいろ過去には問題もございますし、加入者といたしましては、やはりいろいろ加入者立場がございまして希望もある、こうしてもらった方が一番簡単にいけるだろうという事柄も、公社に対して注文も出ておると、かように存じます。そこで、公社といたしましては、過去の実績というものも十分検討をいたしまして、こういう事柄においてやることがほんとう加入者大衆の利便になるというような観点に立ってこの法律案を出したと、かように私は解釈いたしております。なお、この点につきましては、公社側事務当局者から説明さすことにいたします。
  10. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと、大臣に事務的な話をしても私はしょうがないと思うのです。だから根本的な立法精神に違反するのではないかということを私はお尋ねしているのです。それはあなたは第一条、第二条は認めておるのですが、私の言っているのは、立法精神に反するようなやり方を逐次拡大していくということはおかしいじやないかということを聞いている、端的に言うと。で、加入者がそれでは民間会社にやってもらった方が非常に便利がいいということは理由があると思うのです。そういう点は大臣から答弁していただかなくても事務当局からでもけっこうですが、そうすると、大体民間でやってもらった方がいいというその理由理由一つ聞かしてもらいたいのです。大体半々くらい自営と直営とやられているようなんですよ、今までの実績を見ると。しかも、基準とか規格とか、そういうようなものは確かに民間もいいと思う、その点は私も認めるのです。だが現状のそのくらいの、要するに構内交換機設備をやっていただく程度でいいのではないか。今度付属設備については、総裁はそれ以上簡単だと言われるのですが、大事なスイッチの問題もありまして、この切りかえをどうするかという問題は前にも質問したのですが、これは自営の方に入ってしまう、そうすると一週間に一ぺんか、一月に何べんかしらぬが、検査をやるらしいのです。巡視をするらしいのですが、それで果して設備故障等に対して、それだけではなくほかの電話にも大へん影響を来たしてくると思うのです。そういうことを考えると簡単ではないと思うのです。この付属の問題を自営させるということはそう簡単ではないと思うのです。ですから、そういう意味でも問題があるし、なおかつ、公社能力があっておやりになっているのですから、今それをするのには何か理由があると思うのです。私はその理由がはっきりすればいいが、わからぬから聞いておるのです。ですから、そういったことまで、事務的な問題まで関連しなければわからぬから大臣質問しているのですけれども、大臣から事務的なことを答弁しろと言っても無理だと思うから、その精神をあなたはどう理解されておるか。どうも逆行されておる形を提案されることは、当事者の、責任を持つ大臣として、どうも提案理由を見ておると、付属設備加入者設備させる必要を認める、必要があると言っているが、その必要があるというその理由がよくわからぬので聞いておるのです。その立法精神について、大臣のはっきりした考え方を聞けませんか。まずいけれどもやるのだという、精神には反するけれどもやるというのか、精神には反しないからこれはいいんだと、その点をはっきりしてもらいたいのです。
  11. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 御指摘立法精神はあくまで私は尊重いたします。また今後も当然のことで、そこで御指摘自営を認めるか認めないかという事柄が対象になっていると思いますが、精神というものは、やはり国民大衆のためのものでございまして、それが非常によりよい立場において一般公衆のためにもなり、またその法も曲げられないというようなものがあればよろしいのではなかろうか、かように存じます。
  12. 山田節男

    山田節男君 今の鈴木君の質問に関連してですが、こういう見解は――大臣がもし御答弁できなければ松田監理官でもいいし、梶井総裁でもいいけれども、今鈴木君の言うことを裏からいえば、いわゆる公衆電気通信法の第一条、第二条、この第二条ですが、この公衆電気通信役務、これは英語でコンモン・キャリア、これが第一条、第二条にうたってあるのです。公衆電気通信役務とは何であるか、「電気通信設備を用いて他人通信媒介し、その他電気通信設備他人通信の用に供すること。」、しかも、一条によって公社あるいは国際電電株式会社は、これには「合理的」となっております。これは国際的には公平にして妥当な料金料金を取って通信媒介をし、電気通信設備を使用させる、これが国際通念でいえば公衆通信――コンモン・キャリア、これは英米法の格好からすれば、料金を取る建前です。それから電電公社として公社を作ると同時に、こういう有線電気通信法公衆電気通信法を作った。この第一条、第二条は、いわゆる国際通念であるコンモン・キャーリアです。金を取っておる。そして通信媒介あるいは電気設備を使用させる、これは今公社がやっておるわけです。ところが、百五条になると、今までPBXとか、その他構内電話程度のものは、これは自営をしていいということになって、これは前の法律もそうであった。ところが、これはあとで私、公社にも聞きたいと思うのですが、これは、いわゆる今申し上げたのは公衆通信役務というのですね、ところが、将来自営のものができて、有線放送電話というものがどんどんできてくるわけです。しかも、これは村内においては交換機をもって自由に話ができる、しかも、料金を取っております。ただの所もあろけれども、整理する意味で五円あるいは十円取っておる。そうすると、こういう法律があるにかかわらず、今の第百五条のこれの拡張解釈によって電話設備をやらせる、しかも、基準それから設備も、いわゆる一定の基準に適したものをやらせるということになると、公衆通信役務という概念、が変ってくるのではないか。今鈴木君の言うのは、裏からいえはそうなんですね。今まではいわゆる公衆通信役務というものは公社しかやっていないものだ。行く行くは、将来は民間でも料金を取ることができる、従来の公衆電気通信法にいう第一条、第二条というものが、解釈が変ってくるのではないかということなのです。ですから、私は、この今のやはり必要があってこういうことになるのだから、これは電話電電公社に拡張しろと言ったところで、大体、年じゅう一生懸命やっておるのでありますが、二十万くらいしかふえない。ですから、まだまだ今日の資金をもってしては普及しないから、必要があってこういう有線放送電話をかねてやっておる、これは私はいいと思うのですが、根本のそこの解釈はどうなるかということですね。これはもし大臣が御答弁むずかしければ、だれか一つ監理官でもいいし、公社当局の人でもいいですが、この二点をどういうふうに解釈するかということをお聞きしたい。
  13. 松田英一

    政府委員松田英一君) ただいま公衆電気通信法一条、二条に関連して今度の百五条の改正の問題、あるいは現在問題になっておりまする有線放送設備を利用する電話等の問題に言及されまして御質問でございますが、私ども、この公衆電気通信法解釈いたしますと、またさらに日本電信電話公社法等もあわせ考えまして、まず、公衆電気通信法で言っております公衆電気通信役務の提供のことでございますが、これは「電気通信設備を用いて他人通信媒介し、その他電気通信設備他人通信の用に供すること。」というふうに書いてございまして、大体通信サービスを提供するということを主にして書いてあるわけであります。それで百五条の今回の改正によって考えております件、あるいは従来からやっておりました構内交換設備自営の問題といいますのは、通信サービスの面として考えましては、あくまでも公社通信サービスでございまして、その公社通信サービスをする設備を設置するとき、あるいはまたそれを維持していくとき、つまりサービス裏側に入るような事柄について、若干の国民の、あるいは加入者要望というものを考えあわせて、この程度のことはやった方が加入者要望に沿う、あるいは国民要望に沿うという点で認められているのではないか。従いまして、公衆電気通信法の中にも、すでに百五条そのものによりまして、ある限られた場合においてはそういったサービスのいわば裏側のような仕事についてはそういうものにやらせて、公社もやるが、そういう加入者自営というものもあって、それでもってかゆい所に手の周くような国民に対するサービスができるというふうな意味で、全体としてほんとう国民の役に立つというふうに法律的には処理されているのだと考える次第でございます。また公社法の中にも公社法の第一条に「公衆電気通信事業の合理的且つ能率的な経営の体制を確立し」ということがございまして、日本電信電話公社日本全国電話というもの、電気通信というものをほんとうにりっぱにやっていくためには、やはり全体的に能率的に動かなければならない。巨大な事業の能率的な運営という点では、やはりそういったごく末端な点、微細な点にわたっての加入者自営というふうな助けをそこに借りていくことは、決してこの精神とは矛盾しないのではないかというふうにも考えられるわけであります。ただ現在問題になっております有線放送電話の問題にいたしましても、やはりこういう精神と矛盾しない限度において、一体そういう必要性がどの程度にあるかというふうなところを考えあわせて事柄を解決しなければならない問題ではないかというふうに考える次第でございます。
  14. 山田節男

    山田節男君 どうも私ははっきりしないのですがね、政府が近く出すという有線放送電話法案、私、この内容を知りませんけれども、先ほど申し上げたように、いわゆる公衆通信役務という、コンモン・キャリアという概念が、百五条の追加によって、公衆通信役務という意味がこの法に示してあるのと実質上違ってくるのじゃないか。と言うのは、先ほど申し上げたように、実際に各農村等有線放送電話設備をしておるものはサービスをやって対価を取っておるのですね、料金を取っておるのです。取らない所もありますが、取る所も多い。また現在取ってない所も将来整理上次第に料金を取るようになるということは、これは私必然だろうと思うのです。そうなってきた場合、この第二条の第三号の意味が非常に拡張解釈される、拡張解釈と言うよりか、むしろ新規の公衆通信役務というものが生じてくるのじゃないか。ですから、今政府が出そうとする有線放送電話法案というものでこの公衆通信がこれで矛盾しないようにしてあればいいが、そうでない場合には私は非常に矛盾してくるということを申し上げた。今の監理官の御説明では、断定の御答弁がない。これは英米ではコンモン・キャリアということは精細に説明してある。日本ではきわめて簡単な文字になっておるが、精神からいえば、このコンモン・キャリアというものは、そう簡単なものでないと思う。ですから、有線放送電話法案でそれをカバーするようなものを出すのかどうか、この点はどうなのですか。
  15. 松田英一

    政府委員松田英一君) お答え申し上げます。現在の法律体制といたしまして、公衆電気通信法のほかに有線電気通信法がやはり電気通信規律につきましての基本法になっておりまして、その法律公衆電気通信規律につきましての基本法になっておりまして、その法律公衆電気通信法と両方総合的に考えまして、私ども日本電気通信体制を考えておる次第でございますが、そこで、一方公社といたしましては、公衆電気通信というものをできるだけここに第一条に書いてございますように、そのサービスを公共の福祉に適用するように提供していかなければならないわけでございますけれども、一面、公衆電気通信法の中には、たとえばその第四条のところに書いてございます例外規定、あるいは第十条に書いてありますような例外規定、そういったところでもってある非常に限られた場合の特殊性を持っている事柄の解決のためには、こういったことも可能であるという面を同時に書いておるわけでございます。そこで、そういった事柄公社、が本来本筋公衆電気通信事業をやっていくという面とが両方かみ合わされまして、日本全体の公衆電気通信規律体制というものができ上がっておりますので、もちろん本筋といたしましては、日本電信電話公社公衆電気通信というものを大いに便利になるようにやっていかなければならないわけでございますけれども、末端の点あるいはごく特殊なケースにおいては、そうでない面というものも生じ得る、しかも、その限度をどういうふうに考えていくかということは、これは非常に私どもとして注意をしていかなければならないむずかしい問題でございますけれども、しかし、そういう面が全然ないというわけではないということも一つ御理解をいただきたい。
  16. 山田節男

    山田節男君 これはまあ大臣にも一つ御所見を聞きたいのですが、現在の公社としては、資金上の制限もあるし、また、ことに都市を中心とし、あるいは合併しました新町村地区における電話の統合の建設計画などを見ても、なかなかこれは時間もかかるわけです。しかし、一方からいえば電話普及ということは、これはもう今日の時代の要求であって、しかも、僻陬な農村等においては電話があるとないとによって、経済的な文化的な生活が非常に変ってくるわけです。ですから、私はこれはあえて反対するわけではない。ただアメリカの例をとってみますと、アメリカ電話発達史を見ますと、なるほど、今日はベル会社がほとんど七〇%ぐらい持っておりますけれども、なかなか電話普及はできないものなんです。各地に必要に応じていわゆる独立した電話会社を作ってしまって、電話事業をやっておる。それが次第に統合されて、まあ今日あれほど電話普及しておるし、また今日統合されましたけれども、ベル電話会社以外にかなり多数な、いわゆる自営といいますか、独立した電話会社、があるわけです。ですから日本も将来これはこういうように一つ基準をこしらえられて、電電公社のやっておられる電話設備基準に照らして、それと同等な設備をすれば、今後、現在はまだ規格に合っておりません。あるいは配線にいたしましても何にしましても、公社基準と全然違わないものをやるという建前になると私は思う。そうすると僻地にある農村に電話普及するということは、私は今回のこの法律の追加修正は非常にいいアイデアだと思うのです。しかし、政府としては、公衆通信役務というものは、電電通信役務というものは電電公社がやるという建前になっておる。ただ便宜上、必要に応じてそういう自営をやらしておるけれども、基準公社並みにしておいて、将来時期が来たならば統合せしめる。ただ電話普及せしめる一つの便宜といいますか、電電公社資金上、とてもそのスピードに乗れぬから、とりあえずこういうことでおやりになるならばまだお話がわかるわけです。しかし、今の必要があれば、ただ第百五条に第四号を加えてどんどんやらすのだ。農林省も自治庁もどんどんやらすのだ。現在すでにこの有線放送法に引っかかっているところが、電話だけでも約七万あるわけですね。ですからこれが一年たてば、あるいはこれは今年度におきましては二十万出るのではないかということになり、それがさらに五十万になりまして、現在私どものところに訴えてきているところをみますと、全国有線放送協議会というものができております。これは荷見君が会長でありますが、これらの人たちの話を聞くと、やはり私と同じような話です。現に電電公社じゃ追っつかない。金はかかるし、農林省、自治庁も助成金を下付することによって安く電話、が引ける、こういうことでやっておる。ですから、私最初に申し上げましたように、この公衆電気通信の第一条、第二条における公衆電気通信役務というこの国際的概念をこのままにしておけば、拡張解釈ということでは実質上意味が変って参るわけです。ですから大臣としては、この電話普及を安く、きわめて迅速に、しかも、新農村建設という時代の波に乗じてやらして、行く行くは公社の経営と同じような水準のものを作らしていただきたい。必要があればこれはもう統合などもさせるのだ、ただこれは普及の便宜上の手段としてやるのだ、こういう方針でこういうことをおやりになるのか。あるいはいやそうじゃない、もう自営で二つの線はやらせないのだ、一つの線だけでもって僻地だけでやらせるのだ、そういう御方針なのか、どっちなのか。これ一つ答弁できれば明らかにしていただきたいと思います。
  17. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) ちょっと公社総裁から一つ……。
  18. 梶井剛

    説明員梶井剛君) 今の有線放送事柄と、この問題と関連し、てお尋ねでございますけれども、私どもは有線放送とこれとは必ずしも同じものではないという考えであります。従って、今度の増設電話につきましては、公衆電気通信法の第一条の立法精神に必ずしも反するものではない、ただ加入者の希望をいれて、設備の一部分を普及せしめるというにすぎないのですが、従って、この規格そのものが十分一般公衆通信に適する限りは、それを接続しょう、一方有線放送につきましては、これは有線放送というものが、本来電話ではなくて、共同聴取という形で生まれたわけであります。ところが、有線放送にさらにくっつけて電話機をぶら下げて、そうしてそれを交換しておるというような事態が最近においてだんだん生まれてきたのであります。従って、これは今まで予想されなかった事態が発生したのでありますから、これに対しては、さらに公衆電気通信法から見ましてそいつを再検討する、どういう方針でもってこれを統合するか、どういうふうに規制するかということをやらなければならぬのだろうと思います。しかし、ただいま例に引かれましたアメリカ電話の事情は、アメリカ電話電信会社が、これは民間会社として電話事業を経営しておるのであります。従って、独占の権利を持っているわけではない。一方、独立電話会社の方は、またこれに対抗して相当の電話機の数を持っているわけであります。両方が相待って競争状態に置かれて初めて事業の運営が行われておるのであります。でありますから、アメリカにおける立法精神というものは、公社公衆電気通信法によって通信の役務を提供するところの、全面的の役務を提供するところの義務を負っているのとやや異なっておりますから、アメリカの例をもって直ちに日本の例を律することはできないと、こう思いますが、しかし一面において、有線放送が漸次それを拡大して参りまして、そうして自分で交換し、さらにわれわれの設備にまで接続を要求してくるという事態がだんだんに発生してくると予想されますので、これに対しては別に法律を作りまして、そうしてこれを善処するということを考えられておるようであります。いずれこの問題につきましては、法案を提出されることと思いますから、その法案が提出されました際に、この問題が公衆電気通信法に抵触するかいなやについてあらためて御検討を願いたいと、こう思います。
  19. 山田節男

    山田節男君 農林省振興局のだれか見えておりますか。それか自治庁来ておりますか。
  20. 手島栄

    理事手島栄君) 農林省は来ております。
  21. 山田節男

    山田節男君 農林省はどなたが見えておりますか。
  22. 手島栄

    理事手島栄君) 振興課長
  23. 山田節男

    山田節男君 この間、三十二年度の予算の審議に当って、来年度の予算に新農村建設の予算として農林省の方で相当な額の予算を要求されておったと思いますが、その中で有線放送設備設置、これは農林省は主として農業協同組合を主体に考えておられるように私は思いますが、三十一年度は大体対象地域を五百三十四、それに対す助成金を十三億円、三十二年度におきましては、十九億三千二百万円計上しておられるわけですが、これによって大体有線放送並びに有線放送電話施設を一体どのくらいやられるつもりなのか、その数字を一つお聞きしたいと思います。
  24. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) 農林省の振興課長であります。ただいま御質問のございました新農村建設事業一つといたしまして、農事放送施設をやっておりますが、内容有線放送施設でございます。ただ事業の運営といたしまして、農事関係の経営改善あるいは技術指導その他伝達あるいは市況の放送等に重点を置いてやっておりますので、農事放送施設とわれわれは称しているわけでございますが、三十一年度におきましては、ただいまお話のございましたように、新農村建設全体といたしまして十三億円の助成金で実施して、五百三十四地域の農山漁村を対象にしてやって参ったわけでございます。で、この五百三十四の農山漁村、正確に申しますと農林漁業地域でございますが、この農林漁業地域の中で有線放送を実施いたしました地域が百九十二ございます。それから来年度の予算につきましては、ただいまお話のように、新農村建設全体といたしまして約二十八億の補助金を計上いたしておりますが、この新農村建設の対象となります地域は全体で千五百を予定いたしております。この千五百の中には本年度実施いたしました約五百の地域が含まれることでございますので、新規に実施いたします、着手いたします地域は約千でございます。で、この中でどれくらいの有線放送事業が行われるかという点につきましては、この新農村建設事業の建前からいたしまして・当初から土地改良事業に幾らの補助金を割り当てる、あるいは農山漁村の共同施設に幾らの補助金を割り当てる、また生活改善とか農事放送等の生活施設に幾ら割り当てるというようなことをいたしておりません。各農山漁村で自主的に最も必要であり、経済効果も高いというものを選択してもらいまして、その選択した事業を中心に村作り計画をそれぞれの村で作ってもらうことになっております。この村作り計画は農山漁村振興計画と称しておりますが、そういう自主的に立てられました農山漁村振興計画というものが、村の段階から県の段階に上って参りまして、県の段階で審査をいたすわけでございます。で、この審査されました計画のうちで、国が補助の対象とすべきものにつきましては、これを農林省に打合せをすることになっております。そういう仕組みにいたしまして、農林省が適当と認めましたものについてのみ補助金を交付いたしておるわけでございますので、最初からどれくらいの事業が行われるかということは、ただいま明らにできないのでございまして、これは新農村建設事業のやり方からいたしました、かような次第になるわけでございます。
  25. 山田節男

    山田節男君 三十一年十二月末の現在の資料を見ると、放送通話兼用設備の中に、有線放送とテレホンと兼用しているわけですが、テレホン方式というこの設備が百四十四、それからスピーカー数――電話も含まれていると思いますが、電話設備は、これはカッコの中が電話として五万五千七百二十三、で・三十二年度の予算で、この予算もふえてきて、それから対象地域も昨年より倍以上になっているということになっておれば、やはり有線と電話との兼用の放送設備は相当ふえるのじゃないか。その数字はあなたの方でははっきりしないと言われますが、このテレホン方式の設備数百四十四、それからスピーカー数六万九千百五十七、カッコして五万五千七百二十三としてある、これはやはり農林省関係だけの助成金によって有線放送電話設備ができたのか、あるいはこの中には自治庁の有線放送の施設奨励の結果としての生まれたものが含まれているのか、この点はどうなっているのですか。
  26. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) 自治庁関係の方は私存じませんけれども、おそらくただいまの数字は、昨年度行われました有線放送全体の数字ではないかと想像いたします。御承知のように、非常な勢いでこの有線放送施設が普及しつつございまするので、農林省で助成の対象といたしますのは、その全部についてやるわけじゃございませんので、比較的交通、通信、連絡の不便な地域に助成を行なっているわけでございます。農林省が助成の対象といたしましたのは、先ほど申し上げました百九十二、個所数にいたしまして約二百七十くらいでございます。
  27. 山田節男

    山田節男君 この農林省に関する限りにおいての所見を伺いたいのですが、先ほど来いろいろ大臣からも、公社の当局者の答弁のありましたところからも、それからこの法律提案理由、それから近く政府が出すであろう有線放送電話法、この要綱なんかを見ましても、少くとも三十二年度から農林省並びに自治庁が有線放送の設置のために特別助成をするということになるからには、この施設というものがやはり何といいますか、一定の基準に合わしたものでなければならぬ。そうすれば従来よりも非常に費用がかかると思うのですよ。われわれが過日神奈川県下の伊勢原郡成瀬村という所へ行った。そこで約五百五十個の有線放送電話をやっているわけです。大体この資料を見ますと、一個当り四千五百円当りでできている。ところが、配線、電話のその他の施設を入れて、今度一定の基準、この法律改正が通れば、省令においておそらく基準をこまかく作るのだろうと思われる。そうすると、従来よりか費用が非常に高くなるのじやないか、私よくわかりませんが、少くとも倍くらいになるのじやないか、そういうふうになれば、現在対象にしておられる数というものが、基準というものを高くしないということになれば――今計画しておられる千五百の中で千くらいは有線放送、少くもその中で何%電話設備をやるか、これはわからぬと言われるけれども、おそらくわれわれの知っている限りにおいては、過半数、少くとも半分以上は電話要求します、そういったような場合に、従来の四千五百円でできたものが、今度新しい基準というものが示されてくるというと、相当コストが高くなる、そうしてこの助成をしていく対象が従ってこれは減らなくちゃならぬわけなんですね。そこらあたりはどういうふうに考えておられるか、考えを承わりたい。
  28. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) 農林省といたしましては、新農村建設事業として取り上げております事業が、おもなものをあげましても約三十くらいはございます。その中の一つに農事放送施設というものがあるわけでございますが、まあこの土地改良その他土地条件の整備でございますとか、あるいは農林水産物の流通改善に関するいろいろな共同施設でございますとか、気持といたしましては、国の助成の対象としてはそういうところに重点を置いて参りたいという気持を持っております。ただ有線放送施設というのは、農山漁村にとりましても非常に効果の大きい、いい施設でございますので、私どもこれが非常に普及して参るということは縁辺しておりますけれども、たた国の助成の対象とするかどうかという点については、若干限定して考える必要があるのじゃなかろうか。ただいま御指摘になりましたように、いろいろな規格や基準がきめられます結果、非常に経費が高くつくというお話でございますけれども、これはどういうふうな基準になりますかによりまして、いろいろ変るわけでございますが、農林省がただいま助成の対象にしておりますものは、比較的優秀なものをなるべくやってもらうように指導いたしております。それで現在程度基準なり、あるいは規格なりが行われましても、特に地域数が急激に減るということはなかろうと思います。ただその場合、繰り返して申し上げますけれども、有線放送を実施いたします地域と、それから国の助成の対象といたします地域と、私ども分けて考えておりますので、その辺で、お説のような規格、基準というものが非常に高度にきめられた場合、全体としての普及は減るのじゃなかろうかということは、あるいは私どもも想像いたしておるところでございます。
  29. 山田節男

    山田節男君 そうしますと、基準がきめられることによって単価が高くなる、そうすればこの法律ができる前に計画された数は三十二年度にできるということは、これは私は確定した事実だと思いますけれども、そこで、農林省としては、電電公社では、これは都市あるいは町、それから村にしましても、電話の十や十五ある所はある。ところが、あなたの所で助成費を出されて施設せしむる所はむろんこれは僻地だろうと思います。僻地といいますか、要するに電話のもうとても引ぱれないような、公社としても採算といいますか、普通の採算ではできないような所に普及させる、そういう意味なのか。これが千葉県あたりなんか見ると、必ずしもそうではないわけです。そこに今の電電公社も、自営の高い通信施設とこういう通信施設、これが競合するのではないか、そこに私が最初に言っておるいわゆる公衆電気通信法の第一条、第二条の精神が違ってくるのではないか、こういうふうに思うのですが、あなたの方の助成をする有線放送電話の施設をする所はどういう所を指定しているのですか。僻地といっても電話のある所もあるわけです。現に神奈川県下のわれわれの行った所の約六百五十戸の部落においては、電話が十三がある。その中に自営のが六百近くのものがあるわけです。そういうのが標準になるのかどうか。あなた方の助成の基準、標準に入る設置場所、これはどういう基準を置いておるのか、この点をお伺いしたい。
  30. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) ただいま御指摘になりました千葉県の例でございますが、御承知のように千葉県は早くからこの事業普及しておりまして、農林省が助成を始めます前から非常にたくさんできておるわけでございます。そういう前からできております所は別といたしまして、もう一つ例としておあげになりました神奈川県の成瀬農業協同組合、こういうような所は農林省は助成の対象とはいたしておりません。しかし、どういう所にやるのかというお尋ねでございますが、これはやはり都市近郊等で非常に通信も発達しておる、それから地元の負担力も相当にあるというような所では、私どもは助成の対象にはしない方針でございます。そういう所以外の農山漁村におきましてこういう施設をやることは、いろいろ農業の面から見ましても非常に効果的でございますので、助成を続けて参りたいという考えでございますが、具体的には、毎年およそ一千ぐらいの農業地域について、新農村建設がやられておるのでございますので、その一つ二つの地域の実態を調べまして、計画の内容等も審査いたしました上で決定いたすわけでございます。大体のところは、そういうような都市近郊を除く、一般通信の不便な所ということでございます。ただ通信等が不便だと申しましても、ただ電話が少しばかり入っているというだけで、もう通信設備があるということは言えないわけでございまして、こういうような非常に有効な施設が、広く農山漁家の人々にも文明の恩恵に浴するということは非常に好ましいことだと思いまして、そういうような所をむしろ横槌的に奨励をして参りたいというふうに考えております。
  31. 山田節男

    山田節男君 これは郵政大臣郵政省にお伺いしますが、今度国会に出される有線放送電話法、あるいはこの公衆電気通信法の第百五条の第四号を追加修正するというこの精神は、一町一村、だけの範囲内のものであるか。複数、すなわち二つ三つ四つ、そういう町村の複数にわたってこういう施設をすることは許す方針か許さぬ方針か。
  32. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) この問題は非常にむずかしい問題でございまして、現在事務当局においても検討中でございます。しばらくすれば大体郵政省といたしましても、これが決定を、基本方針を立て得る、かように存じております。
  33. 松田英一

    政府委員松田英一君) ただいまの御質問におきまして、ただいまここで問題になっております公衆電気通信法の第百五条の改正の方につきましては、これはどこの地域という制限をいたしませんで、全国どこでもこういった増設電話機というものの自営というものは認めるという方針、であります。有線電話の利用につきましては、ただいま大臣から御答弁のありました通りであります。
  34. 山田節男

    山田節男君 今の監理官の御答弁は、複数の町村には許さない、こういう御趣旨ですか。
  35. 松田英一

    政府委員松田英一君) 有線放送利用の電話の問題につきましては、大臣の御答弁になった通りで、われわれ慎重に検討中でございます。ただいまここで問題になっております公衆電気通信法改正といたしまして出しております増設電話機等の自営という問題につきましての範囲というものは、これはむしろ区域の制限をいたしておりません。
  36. 山田節男

    山田節男君 これは郵政省にお伺いしますが、そういたしますと、今度相当基準の高い、いわゆる公社電気通信設備と変らない程度のものができて、その施設のしてある村落から交換台を通じて、たとえばそこから、神奈川県でいえば、東京とか大阪への電話をかける、かけられる、こういうふうになるのが私は理想形態じゃないかと思うのですがな。それをさらにいわゆる設備をしている人の便利からいえば、一町村に限るべきものではない、やはり複数の町村にまたがって範囲が広いほど利用者の便利がいいわけですから、だから趣旨からいえば、私は、その方がいいんじゃないか。しかしながら、この公衆電気通信法精神からいくと、僻地で、しかも、なるべく電電公社と競合しない場所に、しかも、複数の地域が拡大すれば拡大するほど、電電公社等の事業と競合しないじゃないか、これは私、しろうとだからわかりませんが、理屈からいえば、そういうことが考えられる。ですから今大臣としては、単数地域に限る、町村に限る、あるいは複数の町村にわたるかということもまだ検討中だとおっしやいますが、しかし、これはどちらかにきまるわけですが、一方複数にきまれば、私からいってみれば、公衆電気通信役務という、いわゆる概念が変ってくるわけです。しかしながら、利用者の利便という点から考えれば、たとえこの公衆電気通信法の一条、二条の精神を多少歪曲しても、複数町村に拡大をしてもかまわぬというのが正しいのじゃないか、これはいずれ有線放送電話法でその内容は私ははっきりするだろうと思いますが、この点は一つ私は重大な、極端にいえば、日本における将来電話の施設を急速に普及せしめるためには、これは手段としては決して悪いとは思いません。ただしかし、重ねて申し上げますが、いわゆるコンモン・キァリアという観念が従来のものではいかぬ、電電公社の独占事業ではない、こういう一つの革命的な立法になるのであって、省令あるいは政令あるいは他の単独法において、この公衆通信役務という基本概念、これがあいまいにならないように、これがあいまいになるということは、今申し上げたように、これが有線放送電話施設というものが五十万、六十万、八十万となった場合、これは公社に対する一つの大きな競合的な業態になるということは明らかな事実だ。先ほどアメリカの例を申し上げたが、今梶井総裁の言われたような答弁意味で言ったのではない。いわゆる早急に一つ必要があれば、早急に――アメリカでは方々電話会社ができておる。そして電話普及したのだから、日本では会社ではないけれども、こういう政府の援助のもとに電話施設の急速な一つ増加をはかるという結果になるのですから、それがためにはやはり基準を高くしておく。そうしておけばいざという場合には公社がそれを買収するなりすればいいのですから、日本に複数の電話会社電話公社並びに民間の経営ができて、今日のラジオやテレビジョンが公共放送と民間放送――商業放送が並立するということ、これは放送界においても大きな問題だ。電話においてこういうことになった場合、私、極端にいえば、収拾つかぬようになるというように考えますので、郵政大臣として、遠い将来をもおもんぱかって――ですから先ほど農林省に質問しましたように、いざという場合を考えて、あるいは利用する人が完全な通信サービスを受け、それから今日の公衆通信役務を妨害しないということにするためには、どうしてもコストが高くても、基準の高いものを今後やらせるということが、万全の措置として、目前の金はかかるかもしれないけれども、将来はほんとうの、電話の臨時借りものではなくて、個別に直結するものということも、政府としては考えておくべきではないかというので私は御質問申し上げたのです。で、こいねがわくは、有線放送電話法を出される場合、あるいはこの法律に基いて省令あるいは政令が出されるだろうと私は思うのですけれども、そこには十分にやはり万全な準備だけはしておかれないと、そう法律というものは朝三暮四するわけにはいかない。要望でありますけれども、この点は一つ特に郵政省として、まさに画期的なものである。しかも、時代の要求は、公社のみにまかしておったのではなかなか用をたさないという必要から生まれたもので、あえて私は反対するものではありませんけれども、その点は十分郵政当局が考えていただきたいということを強く一つ要望しまして、私の質問を終ります。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 さっきの質問答弁まだ残っておるのがあるのですが、さっきの民間設備を設置することに対して、非常に要望があるということなんですが、公社サービスというものは、今のPBXサービス基準はどうなっておりますか、その点を一つ答弁してもらいたい。  それから今の有線放送の問題は、これは後日に譲りたいと思いますが、せっかく農林省から来ておられるので、ちょっと課長さんにお尋ねしておきたいのですが、この有線放送をあなたの方では農村再建政策の中に取り上げておられるようです。補助金も出しておられるようですが、実際に有線放送の現在の運営の状況をお調べになったことがありますかどうか、その点を最初に御質問したい。
  38. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) まだ全国的な調査がまとまっておりませんが、今調査中であります。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 調査したところもあるわけですか。
  40. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) ございます。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 それでは今問題になっておりますのは、ただ単に有線放送設備であれば、これは放送法に基いて許可されて設置されておるわけですが、実態としては、あの有線放送有線放送でないのですね。成瀬の例を見ますと、千五、六百通話が、実際に電話媒介によって通話をやっておる。そうなりますと、今法律改正を考えておられるようですが、現在の公衆電気通信法からいうと、これは法律違反のような形になるわけです。ですからそういうことを農林省で知っておるとすれば、やはり法に基いて、単なる有線放送設備ですから、そういうふうに規制をしていただかなければならぬと思っておったのですが、現実には、名目は有線放送であって、実際には電話の通話をしておる。だから非常に便利だということを言っておられる。こういう矛盾が出ておるということを御存じですか、どうですか。
  42. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) 私どもの指導といたしまして、農林漁業関係に関する経営あるいは技術指導、そういったものを指導といいますか、啓蒙といいますか、そういったような生産水準を上げていく、生活水準を上げていくということがおもな目的でございますので、有線放送施設の使い方としましては、通話は、そういう一斉放送、伝達をやらないときに限って行うということを第一前提にしておりますのと、それからその時間割が問題になるわけでございますので、一斉放送あるいは伝達等をやる時間をこえてはいけないと、通話の方が少くなくてはいけないというようなことを指導いたしております。ただ御指摘のありました成瀬等につきましては、私実態を詳しく知りませんけれども、いろいろ放送すべき項目、政府のいろいろな新しい施策であるとか、予算の内容であるとか、技術的な指導境目であるとか、そういうようなものを随時いろいろ都道府県などを通じまして流すような方法をとっておるわけであります。
  43. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと考え方が私たち考え方と違うようですけれども、やはりあなたのお話ですと、時間を区切って、同時放送、周知をやらない場合には、通話をやってもいいというようにとれるのです。そこが問題なんです。そういうこと自体が、厳密にいうと公衆電気通信法違反になるおそれが多分にある。だから今度改正しようということが出ておるのです。少くとも農林省のそういうことを担当される課長が、公衆電気通信法を知らずに指導しておると思えないのですよ。そういう関連性があることを十分にこれは考えていただきたいと思うのです。これは要望ですが、いずれ有線放送の際に、詳細に皆さんの今まで指導されておることもお聞きしたいと思いますけれども、そういう矛盾があるのですよ。それを補助金まで出してやるところに、われわれ逓信委員会としては問題にしておったわけなんです。そういう点があることを一つ御銘記願たいと思います。
  44. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 鈴木委員の御質問の点でございますが、サービス基準が、公平でやるのと自営でやるのと、どんなふうに考えておるのか、こういう御質問と存じますが、御存じのように、構内交換電話自営を認める際におきましては、これは非常に大事な質問でございますので、考え方といたしましては、サービス基準は、やはり設備なり、方式なり、機会によって、それぞれの技術基準を的確に定めておくことが非常に大事だという観点から、公社のやっておりますと同じ技術基準を守っていただく、こういう基本の考え方でございます。従いまして、今回問題になっております付属電話機につきましても、公社が現在保守しておる、あるいは機械に対する用品の規格、こういう点につきましても、公社と同等というふうに考えていきたいと思います。
  45. 鈴木強

    鈴木強君 業務局長、そういうことでなしに、実際に公社がやる、自営と直営とやっているわけでしょう。自営の方を会社によってはやってもらいたい、こういう熱望があるから、あえて拡大するのだと言っておられますから、それでは公社がやっても、あるいは民間にお願いしても、同じ基準で、同じサービスを提供するならば、なぜ公社でなしに、民間にしてもらいたいという意見があるかということを聞いているのです。その際に、たとえば架設する料金、コストが非常に公社でやられれば安くて、その方がいいのかどうか。今度のこの法律改正によっで曲げてしまおうというようなところに問題があるのですが、それは別問題として、具体的に利用者が民間を選ぶという理由ですね、同じ基準、同じ設備であるなら、どうして公社にやってもらいたくない、民間会社にやってもらいたいという、その理由はどこにあるのですか。
  46. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 基本的な問題として、先ほど来郵政大臣並びに公社総裁からお答えしたと同じことだと思いますが、今回の付属電話機自営に移す理由というのは、ただいま申し上げました通り、すでに御説明があったのでありまして、私ども補足いたしますれば、現在の加入者においても、そういう希望があるということは実際あるのでございます。それは公社の方のサービスが悪くて、自営の方がサービスがいいと、こういう考え方から要望があるというふうに私は考えておりません。ただ公社電話機なり、あるいは機械の種類というものが、ある程度これは均一なものであります。従って、個々の加入者がいろいろな自分の希望というものがある程度ございましても、それはそれぞれの個々のものでございますから、一々それを公社が直営するという煩にたえない部分が実際問題としてあるわけです。たとえば電話機のパイロット・ランプでございますが、あれは公社はまだそこまで実際の規格としては提供しておりません。しかし、ある会社にあきましては、乙増にパイロット・ランプがつく、電話がかかればランプがつく、こういうような希望がございます。また公社といたしましては、色電話についましては、将来は色電話機もいろいろな種類を持ちたいと考えております。現在の段階におきまして、種々雑多の色の好みがあるといたしますと、やはり乙増あたりに自分は色電話をつけたい、端的にいえばそんなようなことがおいおい現われております。そういう意味におきましては、サービスの実態の比較でなくして、個々の希望というものがあるから、こういうようなことからもやはりPBXでなくて、乙増の自営を認めて、利用者が満足するようにサービスを提供して差しつかえないではないか、ただし私どもの考えといたしましては、先ほど申しました技術の基準なり、保守のサービスをあくまでも低下させない、これは完全に守っていただくという前提でございます。かつまた、公社もこれによって従来の付属電話機の販売なり、あるいはサービスの維持ということを決しておろそかにするわけじやありません。依然として、私どもとしましては、この利用者に、希望のある方に対しましては積極的に応ずるつもりでございます。また業者の方も今回の自営に移りまして、積極的にこの付属電話機を勧誘して歩くということが期待されます。その結果、全体的に電話の利用の度が増しまして、即公衆の利便を増すということになればけっこうじゃないか、こんなふうに考えております。
  47. 山田節男

    山田節男君 先ほど私、質問を打ち切りましたが、自治庁から説明委員、が見えておりますから、ちょっと質問をいたします。前の質問に関連しての質問ですが、今年度の予算に・町村における新農村建設という意味だろうと思うのですが、約十億円の予算が計上してあるわけですが、この中で有線放送電話を設置する対象としてあげられているものが何基くらいあるか、わかっておればちょっ-、O知らしていただきたい。
  48. 中村啓一

    説明員(中村啓一君) 僭越でございますがお答えをいたします。合併した町村に対しまして、昨年から合併後の経営の合理化なり運営の一体化に役立つようにということで、施設の補助金を出しております。三十一年度は平均六十万円で、全国二百町村にそういう施設の補助金を出しておりますが、そのうち、有線放送を選定をいたしました市町村は三十一ございます。従いまして、全体の施設補助対象市町村の一割五分見当が有線放送事業を選定をいたしております。三十二年度は、お話のように・平均二百万円で・約五百町村が補助予定に予定されております。おそらく三十一年度の実績見当は少くとも有線放送を熱望する新市町村があることだと存じております。
  49. 山田節男

    山田節男君 自治庁の方は、助成の団体は主として町村自治体だろうと思うのですね。農林省の方では農業協同組合が主体になっておるように私、見るのですが、そうした場合に、今度こういつたような法律改正ができて、一定以上の基準を持たなければいけないということになると、従来、町村直営のと農業協同組合の直営のと、これは私、実地に比較したことはありませんが・いろいろな点において差があるのじゃないか、いい所もあり、悪い所もある。ですから今度の法律改正趣旨からいっても・また将来国会に出されるであろう有線放送電話法・こういう精神から来れば・少くとも自治庁は町村自治体にだけにいいのだ・こういう考えじゃなくて、少くとも農業協同組合のやっているもの、あるいは公社直接のものが併存ということはないかもしらぬけれども・しかし・今私が申し上げたような、複数の町村にわたるということが私は理想の形態だと思う。法律がそれを許すかどうか、暫定的にはわかりませんけれども、そういった場合に・自治庁は自治庁だ、農林省は農林省だ、電電公社電電公社だ、こういうことでは、設備を使用する精神からいってまずいのではないかと思うのです。ですから、少くとも三十二年度において、こういう法律が通過して法制化するということになれば、自治庁としては、農林省とはやはり全国的な意味において緊密な連絡をとってやらないと・できたものにいろいろな何といいますか、格差というものができてしまうということになり・長い目で見ると・国家的に見て不利になる。今日までそういうことを注意してやっておられたかどうか。そうして昨年度の、三十一年度の有線放送は三十一地域、この中で電話を兼用しておるものが何地域あるか、それから電話の個数がどのくらいあるか・これがわかれば一つ三十二年度予算においても、どういう見込みを立てておられるか、電話までわかればその数字をお示し願いたい。
  50. 中村啓一

    説明員(中村啓一君) 実は、私ども自治庁で合併をさしていただいておるわけでございますが、おかげさまで大部分の町村が合併をなさったわけでございますが、合併町村で一番熱望いたしておりますのは、できるだけ合併町村の区域に見合って電信電話局の統合なり、あるいは回線の増ということを熱望いたしておるようであります。その点は郵政御当局の方の大へんな御努力で年々と充実していっておるようでございますので、自治庁として、合併町村に施設の補助金を出す、その場合、有線放送事業の対象にいたしておりますが、やはb考え方は、山間等の合併でどうしても町村の経営の上に、町村内としての一つの連絡施設が要るのだという町村を限定して出すようにいたしております。割合大きな規模の合併が山間僻地に多い実情でもございまして、有線放送を熱望する市町村も、昨年度の実績で一割五分見当になったわけでございまして、三十二年度もおおむねその見当になろうかと存じております。昨年設置をした町村の電話その他の状況の詳細な資料を持ち合わしておりませんで大へん恐縮でございますが・いずれにしても・三十一年度に実施をいたしました際も、郵政関係御当局の御指導をいただきまして、できるだけまあ効率的に全体を使うという考え方で進めておるつもりでございます。それから農林省でおやりになっております農協を一応事業主体としてやっております連絡施設でありますが、これも私どもの考え方としては、それぞれの地域社会が最もいい工合に運営されていくように役立ってくれればそれでいいのだという考え方に立っておりますので、自治庁で補助金を出して、事業主体が市町村になっているものと、それから農林省でおやりになって、事業主体が農協になっておるもの、そういう事業主体の別にあまりこだわらないで、できるだけ施設がそういうことで導入をされるなら・地域の一体経営に役立つように運営されるということを期待していきたいと存じておるわけでございます。
  51. 山田節男

    山田節男君 これは濱田電波監理局長、が来ておられるようでありますから、ちょっとこれに関連してお聞きしたいと思うのですが、今度こういう公衆電気通信法の一部改正、それから有線放送電話法案が出ますね、御承知のように、ラジオももちろんラジオの有線放送をやっておるわけですが、テレビジョンの有線放送、これは放送はもとから有線放送するのみならず、今の何といいますか、テレビジョンの受信できない地域、これはやっぱりいわゆるクローズド・サーキット・システム、これに自然的になる、こういった場合に、もうすでに電話でラジオ放送する、有線放送するというと、これは私どもが実は北海道に行って現実に作ったものを見たのですが、ここ数年にして改正しなければならない。さらに今日のテレビが今後非常に普及するようになり、テレビの有線放送というものは、これは将来工場とか学校放送もそういうふうになり、さらに商業とか公共放送も有線放送にするということも、これは私はすでに日本にあるかどうか知りませんが、しかし、近いうちにそうなってくるのではないか、そういうことを考えると、今、有線の電話とラジオ放送の有線という問題が起きて、将来テレビというものが有線放送こいうものになると、またもう一つ法律を変えなければならないと思うのですが、これはそういうここまで考えておられるかどうか私、知りませんが、たしか、これはこの法律を今審議されるに当って、テレビジョンの有線放送を-これはあなた有線の専門家だが、ラジオ放送では業務として成り立つようにやっておりますが、そういうふうになった場合、この法律に関連して、テレビの有線放送というものを規制する必要があるのではないか、将来はあると見ておりますが、この点、あなたの技術家としての一つ見解を承わりたいと思います。
  52. 濱田成德

    政府委員(濱田成徳君) 御指摘の問題は私どもも当然考えておるのでございまして、たとえば公共テレビとか医学テレビあるいは教育テレビ、そういう問題が将来起ってくる問題だと考えております。今後有線放送と関連しまして、私どもも考慮に入れまして研究していきたいと思います。
  53. 山田節男

    山田節男君 今の御答弁は、今度の有線放送電話法案といいますか、その中へ今あなたのおっしゃっているようなことが入るわけですか。
  54. 濱田成德

    政府委員(濱田成徳君) この問題には入らないのであります。
  55. 山田節男

    山田節男君 これは私も、テレビは今日四十万ぐらいしか普及しておりませんけれども、これが百万なり百五十万になりまして、どうしても商業放送でも公共放送にしても、設備資金の関係で、有線放送によらずんば受信できないという難聴地区、テレビの難視聴地域、これは有線放送にしなければいけないのだ。現にアメリカはそれで商売しているのが多い。日本は商売にはしないけれども、今の有線放送の方の電話あるいは放送と同じように、自治体あるいは農協あるいは公共団体で、有線放送でテレビを視聴するようになるかもしれぬ、これは私はもうそう遠い将来じゃないと思う。ですから今われわれがこういうことを審議しているのに対して、テレビの有線放送をどうするかということが頭に先に来るわけです。まだ、この問題については具体的には検討しておられぬという意味ですか、全然具体的には法制化するということは考えておらないのですか。
  56. 濱田成德

    政府委員(濱田成徳君) 目下具体的に法制化を考えておりませんけれども、そのような可能性も考慮してみまして、十分検討していきたいと思っております。
  57. 手島栄

    理事手島栄君) 他に質疑もなければ、これをもって質疑を終了し、討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして、順次御発言を願います。
  58. 鈴木強

    鈴木強君 私は、ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表して、以下述べる要望事項を付して、やむを得ず賛成をするものであります。  わが国の電気通信事業は、公衆電気通信法第一条及び第二条に明示されております通り電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備」は、日本電信電話公社が「迅速且つ確実な公衆電気通信役務を合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に提供することを図ることによって、公共の福祉を増進する」ことになっておるのであります。この定義は、確固不動のものであると信じます。しかるに、昭和二十八年、公衆電気通信法制定の際、いろいろ論議はあったのでありますが、結果的には前述の第一条、第二条に抵触するがごとき矛盾した第百五条が挿入されて、公衆電気通信設備の設置について一部自営の道が開かれていたことは、われわれの遺憾としておったところであります。このような経緯があるにもかかわらず、今回政府公社はさらに法律を改悪して、法の精神にますます相反するがごとく、自営手段を強化し、自営の範囲を単独電話または共同電話の回線に接続される付属電話機等にまで拡大せんとしてこの法律改正案を提案したことは、何といってもわれわれの納得できず、了解に苦しむところであります。法案審議の過程においても明らかなごとく、われわれの、なぜ自営を拡大するのか、公社自営能力がないのかとの質問に対して、政府委員答弁は、公社能力はあると言い、また原則的にはわれわれの主張を認めているが、最も重要な自営拡大の理由については、きわめて不明確となっておるのであります。ただ一点わかりましたことは、電話機の種類または付属品等において、公社より自営の方が利用者にとって多少便益の点があるようであります。しかし、これも公社における現在の企画の一部を変更することによって解決できるのでありまして、理由にはならないと思います。われわれは百歩を譲って、公社にもし能力がないというならば、法律精神を逸脱せざる範囲において、自営拡大によって民間の協力を仰ぐこともまたやむを得ないと考えるのでありますが、能力があるのなら、なぜ公社が全責任をもって設備しないのであろうか。改正理由は全くわからないのであります。私は、公社当局が自信と確信を持って法第一条及び第二条の精神を実践躬行すべきであると思うのであります。かくのごときあいまいな理由によっての改正案は賛成できがたいのは理の当然であると思います。しかしながら、すでに本案は、衆議院においても付帯決議をして通過をいたしております現状にかんがみまして、私は、この際、改正後の本法実施に当っては、政府並びに公社当局が技術基準の設定、設備の検査、工事担任者の認定、設備の保存者を異にする場合における保守責任の分界等につき、細心のい注意と関心を払い、いやしくも公衆電気通信設備の利用者による設置によって、事業運用に支障を来たすことのないよう、万全の措置を講ずるとともに、自営の道が拡大されても、公社は安易な気持を捨てて、でき得る限り責任を持って直営の方法により設備を設置するよう最大限の努力を尽し、熱意をもって実行するようにし、しかもまた、近い将来においては事業本来の使命と責任にかんがみ、公社の全責任において実施すべく法律改正を行うよう強く要望いたしまして、やむを得ず改正案に賛成するのであります。
  59. 手島栄

    理事手島栄君) 他に御意見ございませんか。――御意見がなければ、討論を終り、採決に入ります。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  60. 手島栄

    理事手島栄君) 全会一致と認めます。よって本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、本会議における委員長の口頭報告の内容議長に提出する報告書の作成その他につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 手島栄

    理事手島栄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  次に、本案を可とされた方は、順次御署名を願います。   多数意見者署名    最上 英子  鈴木  労    長谷部ひろ  石坂 豊一    新谷寅三郎  中山    前田佳都男  宮田 重文    横川 信夫  森中 守義    山田 節男  横川 正市    奥 むめお
  62. 手島栄

    理事手島栄君) それでは引き続き電気通信並びに電波に関する調査を議題といたします。
  63. 森中守義

    森中守義君 私は、ずっと以前に郵政大臣答弁を預けてある問題があります。それは電波関係の問題でありますが、あの当時、私は二、三の点を具体的に列挙して、郵政当局としては、電波機構について改革の意思はないか、こういう質問をいたしました。繰り返して申すようでありますが、近年急激に電波行政の業務は増大をして、かつ事業内容は複雑になっております。にもかかわらず、三十二年度における電波の予算は一億数千万円の増加にすぎない。また定員については二百七十二名を電波当局は要求したようでありますが、これは全然認められていない。従って、このように業務が増大をし、かつ複雑化した現状において、電波の機構について、郵政大臣としては、このままでいいとお考えになっておるかどうか。この点についてずっと答弁を私は保留してもらっておりましたので、まあその後かなり時間も経過しておりますし、郵政大臣電波当局の間で何分の検討が行われたと思いますから、その結果について御答弁を伺いたい。
  64. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) お答え申し上げます。まず、定員関係について申し上げますが、御承知のように電波関係の業務量は毎年増大をいたしておる実情であります。この情勢に対処するために、昭和三十年度には三十二人、昭和三十一年度には四十八人の増員を行なっております。ところで、電波監理業務の実情からいたしますれば、定員の増加も必要であります。一方、その業務の特殊性からいたしますれば、電波監理施設の整理強化、あわせて従業職員について電波科学技術の発達に即応する高度の知識、技能を修得きせることが業務の円滑な運営上の急務と存じております。つきましては、来年度においては電波監視及び検査等の設備について一そうの充実をはかり、機器の自動化等を実施いたしますとともに、一方、関係職員につきましても再訓練を行いまして、事務処理の能率化をはかり、増加する業務の運営に対処したいと存じておるのであります。従いまして、今回は一応増員を差し控えた次第でございますが、しかしながら、将来、三十三年度以降につきましては、先ほど申し述べました通り、なお人員の不足する場合、当然増員すべきものと考えておる次第でございます。  なお、次に予算的措置につきましては、以上のような実情を勘案いたしまして計上いたしました次第で、必ずしも十分とは申せないのでございます。しかし、一応当面の問題といたしましては支障のないものと考えております。  最後に、電波監理についての機構の措置でありますが、御承知のように、電波関係の行政事務はきわめて複雑、高度で、しかも、技術的、専門的な面が非常に多く、その上、先ほども申し上げましたように、事務量も逐年増加の一途をたどっておる現状でございまして、現行の行政機構は必ずしもこれで十分であるとは考えておりません。率直に申し上げますれば、国際的にも国内的にもきわめて重要である電波行政事務を完全に実施するためには、現在の機構をさらに一そう拡大強化する必要があるのではないか、かように存じております。
  65. 森中守義

    森中守義君 私は、今のように郵政大臣からしらを切られると、どうしても納得ができないのですよ。というのは、いわゆるその人をふやすよりも訓練をしなくちゃならぬ、こういうことですが、電波局は訓練所というものを持っているわけです。おそらく郵政省全体を通じて、例の職員訓練法か何かあるのですよ。これは何も今、にわかにこれをしなければならぬという問題ではありません。過去数年間の訓練をやっておる、それから電波ほんとう仕事をやっていくには、施設の拡充をやるとか、あるいは機械の改善、こういうものをしなければならぬということですが、一体今度の予算書の中に、通過した予算の中に、電波関係の機械をどの程度改善しようとするのか、どういう拡充をしようとするのか、たかだか一億五千万という金で、人件費もあり、旅費もあり、雑費もあれば庁費もある、一切のものを含めて一億五千万ですよ。こういうことで機械の改善をやるとか、あるいは拡充をやるとか、全くこれは事務的な答弁であって、いささか、郵政大臣がこういうようにやりますというふうにしらを切られるようではお話にはなりませんよ。そういう点、どうですか、一億五千万で何かできますか。
  66. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) いろいろこの電波行政につきましてはむずかしい場面もございますし、また政府からいただいておる予算の限度もございまして、最小限度一つ予算面で最大の効果を発揮いたしたいということで、常に心を痛めておるのでございます。従いまして、機械その他の問題につきましては、事務当局が十二分に検討いたし、これなれば大体本年度はやっていけるというような見通しのもとに、事務当局で自信を持った案が一つあるのでございます。これは後ほど監理局長から御説明をさせます。なおまた、人員その他の点につきましても、これもやはりわが監理局における職員は優秀な職員が多いのでございます。運営の妙を大いに発揮して本年は万全を期したい、かように存じておるのでございます。
  67. 森中守義

    森中守義君 大臣はですね、事務当局の書いたものを読んではだめですよ。あなたは大臣ですからね、だから率直に言って、繰り返すようですけれども、一億五千万では機械の保守も改善も設備も、あなたが言われるようなことはできないだろう。それからまた人の問題でも、二百七十二人というものを電波当局は要求しておる、これを削られておるのですよ。だから大臣らしく、事務当局が書いたものを読まないで、これはこうしたいとか、率直に電波行政というものは事業が拡大をした、あるいは内容が複雑になったから、これではいかぬならいかぬと、もうすでに予算も通った今日でありますから、予算を伴うようなことはさしずめ困難であろうけれども、補正の中で考えるなら考えると、こういう工合にもう少し大臣らしい答弁がほしいのですがね。書いたのを読んでは、向うさんが言う通りですからね。そういうところを一つ率直に聞かして下さい。
  68. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 率直に申し上げます。(笑声)御指摘のように電波行政は非常に重要な現在の課題でございます。従いまして、これの整備拡充ということについては、郵政大臣として十分意を注いでおります。従いまして、本年度はもうやむを得ません、だから来年度におきましては、十分御意に沿うような方向に向って努力をいたします。
  69. 森中守義

    森中守義君 わかりました。それで濱田局長に二、三お尋ねしたいのですが、今まで電波審議会の方に機構の問題を御相談になるとか、あるいは行政全体について、いろいろいわゆる局の運営に関する御相談があったと思うのですが、そいうことで今当面しているチャンネルの問題、これは別個の問題でしょうが、たとえばこの前に新谷委員が言われたオート・アラームの問題、ああいうことについて、非常に審議会あたりの意見で、今にでも電波監理局として手を打たなければならぬ、あるいは仕事をしなければならぬ、こういつたような問題はありませんか。逆に私の方からその内容を示してお尋ねをするのが妥当かわかりませんけれども、大体審議会あたりでお諮りになって、そういう問題について重要な事項を……。
  70. 濱田成德

    政府委員(濱田成徳君) 電波監理行政につきまして、電波監理審議会に郵政大臣が諮問いたしたことはございません。しかし、墾談会等において、随時そういうことは論じ合っております。
  71. 森中守義

    森中守義君 やはりこれは今大臣が率直に答えるということで言われたのでありますが、大体私もこの次の通常国会あたりに非常に期待しているのですが、特にこれは要望として、定員の問題、それから機械、それともう一つ抜本的な問題は、電波監理局の持っている権限の問題なんです、最大の問題は。この電波行政をこういう機構の状態のままでいいかどうか、この点について、私は、特に郵政大臣電波当局に御相談をいただいて、もう少し、ほんとう電波行政は少くとも電波国民電波になるような、そういう行政機構の改革等について十分、近々にでも意見を求めたいと思いますので、十二分に御検討をお願いしておきたいと思います。  それからもう一つ、この前、新谷委員の言われた例のオート・アラームの問題で、これは単なる風説であればいいのですが、船主協会あたりがかなり運輸省に働きかけて、それで通信士を減ずる、こういったような話を昨今私は聞きました。もちろんそういうことと新谷委員の言われるのとは全く別個の問題であると信じておりますが、もしもそういうある政治的な背景を持って日本の船舶通信士が減員されていけば、海上における人命と財産の安全ははかれない。いわんや外国に出かけて行く船に対しては、非常にこれは国としても重大な関心を払わなければならないのですが、そういう点で監理局長の方では船主協会あたりの動向をよくご存じありませんか。
  72. 濱田成德

    政府委員(濱田成徳君) 船主協会の方々から電波法を改正するように、ぜひ骨を折ってもらいたいという陳情を受けたことはございます。それだけであります。
  73. 森中守義

    森中守義君 それはおのおのの立場からおのおのの考えに基いて行動するのは一向差しつかえないわけでありますが、ただしかし、そういうことが正当な国の仕事をあずかる面において、いささかでも公正な判断を欠くということになれば、私は大へんな問題になると思うのです。それで運輸省の航行安全審議会ですか、こういうのに電話監理局長あたりも随時御出席をされておると思いますし、もう少し船主協会が無線の通信士を減らしてくれ、ついては電波法の五十条あたりを改正したらどうか、こういうような意見がくっついておるとすれば、このことこそ、私は電波の中正を欠くものとして、何も船舶職員の定数の問題のみならず、電波自体に非常に大きな問題点があると思いますので、こういう点について、もう少し航行安全審議会あたりで、船主協会がその立場からだけの電波の公平を欠くような意見があるとするならば、私は、電波監理局長あたりは慨然としてこれに反対をしてもらいたいと思いますし、それとこの前の新谷委員の御発言に対して、郵政当局は何分の答えを出すようになっておりますから、これについても、その節いろいろと私も意見を出したいと思いますが、いやしくも電波がそういうようにごく一部の人の利益のために公平を欠くということのないように、これは私は特に要望を申し上げておきたいと思います。
  74. 鈴木強

    鈴木強君 この前、電波監理局長にちょっと質問したのでありますけれども、私、新谷委員質問に関連をして、現在オート・アラームを製造している会社、それから実際に取りつけてみて、その実績はどうかということの資料の提出をお願いしておったのですが、まだでき上っておりませんか。
  75. 濱田成德

    政府委員(濱田成徳君) 目下調査中でございして、本日までに全部そろいませんので、詳細な書類等はこの次までお待ち願いたいと思います。御指摘のごとく、製造しております会社の名前、これは東京芝浦電気株式会社日本無線の三社でございます。それからこれを使いましてどういう結果になったかというようなことはただいま調べておりますので、それが全部そろいましてから……。
  76. 鈴木強

    鈴木強君 さらに質問をしたいのですが、今船舶職員法、が運輸委員会にかかっておるようですが、あの内容を見ると、新谷委員のおっしゃることは、これは国際安全条約等の関連で、そういう設備が完全にでき上って、そのために通信士を減らすことができるということは確かです。その質問とは関係はないのですが、要するに現状はオートアラームをつけて実際にやってみたのだが、まだ私の知っている限りでは成績がよくない。たくさんつけたのだけれども、だんだん減ってしまって、三十ぐらいつけたのが、今十二・三しかないと思うのです。そういうように結果が悪いのです。そういうなかで、少くとも電波法第五十条に船舶の種類とそれからそこに配置すべき無線通信士の資格等が明確にきめられておるわけです。こういう電波法の第五十条があるにかかわらず、一方、設備が全然まだオート・アラームが実用化するところまでいっていないにもかかわらず、現に委員会にこの五十条を無視するような法案が出てきているということなのです。こういう点に対して、電波監理局は何か相談を受けたとか、その指示をどういうふうにやったのか、私は理解に苦しむのです。ですからその経過をちょっと質問しておきたいのです。
  77. 濱田成德

    政府委員(濱田成徳君) この件に関しまして、電波監理局の法規課長に説明してもらいます。
  78. 石川義憲

    説明員(石川義憲君) ただいまの鈴木委員の御質問に対しましてお答え申し上げます。私どもの存じております限り、現在参議院の運輸委員会に提出されております船舶職員法の改正案は、現在の電波法の定員を下回って規定されておるということはございません。ただそれだけでございます。
  79. 鈴木強

    鈴木強君 資料もまだ見せてもらいませんから、私はここで何とも言えないのですが、しかし、この問題は電波法の制定当時にも問題になった問題でして、私は新谷委員のおっしゃるように、ほんとうに国際海上人命安全条約がありますから、そこで確かにオート・アラームをつけて、そしてそのために人がもし減員されるなら省いてよろしいということはさまっているのですね。そういう精神を受けて電波法ができておる以上、あくまでも電波法を基礎にしてものを考えてもらわなければ困ると思うのです。相当いろんな動きが――今の御答弁で第五十条を下回るようなことは絶対にないということですからけっこうですけれども、しかし、いろんな動きがあると思うのです。ですから、そういう点に関連して、特に電波監理局長以下、要望しておきたいのは、少くともまだ日本においてはこのオート・アラームを実際に設置してみても実用に供せない点がたくさんあるのです。しかも、第一種の局になりますと、船舶になりますと常時通信しなければならないことになっておりますので、かりにオート・アラームを設置してみても、果して実情として、SOSだけを受けるために一名配置しておる人員を減らすことができるかどうかということについては、相当疑問があると私は思う。だから、ただ単に観念的にそういうことをやってみてもむだだと思うし、現に実情を見ると、空中雷が来ますね、そうすると、そういうことが原因して何回も警報が鳴っちゃうのです。そこで、非常に不便をかえってしておる点があると思うのです。だから、そういう実情を考慮して、船主協会の諸君は今出されておる船舶職員法をもっと変な格好にしようという動きがあるようですが、私はこの点はもっとお互いに、ただ単に人を減らすということでなしに、実際に航行の安全を確保することができるかということを主体にして考えてもらわなければ、本末転倒して変なことになると思います。これは船主協会のそういう動きに、少くとも監理当局が十分現在の実情を、さっき森中委員の言ったように、明確に知ってもらうことが必要だと思う。だから、そういう点は勇気を持って現状を明確に説明していただいて、むやみやたらに資格をおろしたり、配置人員を減らしたりするというような問題を、設備が完備しないうちにやるということについては、これは新谷委員といえどもある程度は賛成してくれると思う。だからそういうむちゃなことは毛頭ないと思いますけれども、いろいろな動きを、私たちが知る範囲内において伺うと、いろいろなむちゃな動きもあるようですから、そういう点は十分御関心宿願っておきたいと思います。  資料を出していただいたら、さらに質問したいと思います。きょうはこれで……。
  80. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 盛んに私の名前をお出しになるから、私は質問じゃありませんが、資料を要求することにして申し上げておきます。これは前からの問題で、御存じのように、船主協会それから海員組合がそれぞれの立場で陳情に来ておられる。これは数年前からです。これは今に始まった問題ではないのです。しかし、今度の職員法の改正を機会に、これは当然一応見直してみるのが私は当りまえの話だと思っておる。その意味でこの間も質問してみたのですが、鈴木君の言われたようないろいろな事象、現象が起ったかと思いますが、私の知っておるところでは、これは電波監理局長にもそういう資料を用意してもらいたいのだが、私の調べでは、昭和二十八年から九年にかけて、一番空電の妨害の多いペルシャ湾の方面とか、あるいはインドネシアの方面とか、それからニューヨーク航路のどこかでオート・アラームをつけて、電波監理局から――その当時電波監理庁と言ったかもしれませんが、技術官が乗り組んで、日本のオート・アラームの試験をしてみた。その結果、それでは大体世界水準に行くだろうという折紙をつけて、検定規則とかいうものによって、いわゆる形式承認を与えておるのですね。日本の東芝と日本無線だと思いますが、その二つの会社の製品に対して形式承認を与えておる。つまり折紙をつけておるわけです。折紙をつけておきながら――問題は、折紙をつけてそういうりっぱな製品ができてくれば、当然もうそこで世界水準並みに法律改正をすべきなんです。ところが、その法律改正をしないでおかれるものだから、おそらく私は鈴木君の言われるようなことが起ったと思うのですが、実際にオート・アラームをつけて、またやめたという例、が起っておる。そういう例が幾つくらいあるか調べて下さい。これはオート・アラームをつければ当然船舶職員、つまり無線通信士を減員されるというので、初めてオート・アラームをつけ、一方では電波法によって定員はちゃんときめてあるわけですね。ちゃんとウォッチをさせておる。そこでオート・アラームをつける。これは非常に二重負担になる。そんなことをする必要はないのですね、今の定員からいいますと。ですから、オート・アラームをつけたにかかわらず、なぜ電波法の改正というものについて、全然今日まで考慮されなかったかということですね。それから実際、船がオート・アラームをつけたけれども、これはやっぱり損だからというので、おそらくオート・アラームをつけなかったというのがたくさんある、だろう思うのです、やめたのが。そういうのはどのくらいあるか。それから最近御承知のように、日本で輸出船がたくさんできておる。この輸出船へ日本のオート・アラームをつけてどんどん出ていく船がたくさんあるわけで、す。そういう数が、つまり外国船で日本のオート・アラームをつけて出ていったそれらの船は、大体貨物船は無線士は一人です。そういう船がどのくらいの数あるか。これは最近一年間でも二年間でも、よろしゅうございます。そういった調べを一つ、この次に出していただきたい。私はそれによって、鈴木君と少し角度が違いますがね、皆さんと一緒に公平な判断をしたいと思うのです。今の資料を要求しておきます。
  81. 森中守義

    森中守義君 この問題はいずれ非常に大きな問題になるような気もするのですけれどもね。私もそういう意味電波局の方に資料を少しいただきたいのですよ。それは中波の五百KCを実際の、たとえば銚子とか長崎とか、こういう無線局が、当然これは電波法上常時聴取していなければならぬのですが、果してその実態はどうなのか。五百KCの実際の聴取の実情、それから船舶局の状態ですね、これが一つと、現在の法規による三局制下における船舶局内における勤務のほんとうの状態・こういうものを、法律通りだとは思いますが、具体的に船舶勤務の状態を表か何かで出してもらいたい。それからもう一つは、海外に出て、たとえばサンフランシスコであるとかあるいは貿易港あたりに日本の船が停泊中、あるいは寄港中における本国に対する電報の発信の数、そしてその発信の数が海外局を経由して日本の到着局に到着するまでの料金、一通に対して幾らかかるか、大体四つか五つくらいの主たる海外局あたりを推定してもらいたい。それから船舶局が直接銚子あるいは長崎に打ち込んでくる実際の料金、こういうものを表にして出してもらいたいと思います。それと今新谷委員の言われたように、オート・アラームをつけて、まずいから一回取り消してみた、こういう例も確かにあるのではないかと思いますので、そういう実情をもう少しこまかく、オート・アラームをつけて通信士はこうなる、そしてこの実情はこうである、こういったようなことを、電波監理局の方でかなり古い時代から――古い時代といってもむやみに古いというわけではありませんが、大体オート・アラームが発明をされて今日に至った中で、取りつけたが、やめた、そして通信士の配置の状況はどうか、こういうものを表にして出してもらいたい。
  82. 鈴木強

    鈴木強君 さっき新谷委員の言われておった日本無線と東芝、二つの会社があるそうですが、それに対して形式承認をしたというのですが、承認はしたん、だが、実際はやってみたらまずかったというのか、承認した以上はもう大丈夫だという確信を持ってやったと思うので、そうするとオート・アラームをつけるという法的な問題に対しての解釈は出てこないということがあると思うのです。ですからその辺はキー・ポイントだと思うのです。あなたは、この前私は持てないとおっしゃた、私もそう思うのですが、今のところでは、形式承認を与えたということでは、新谷さんの言っているように、すぐこれをつけてもらう、安全な。これは法律責任を免れるというところまでオート・アラームがほんとうに性脳を発揮しているのではないかと思うのです。そういう点はどうなんですか、重ねて質問して悪いですが。
  83. 濱田成德

    政府委員(濱田成徳君) 当時の事情はよく知りませんし、どういう実績で形式承認を与えたか、その後の使用の状況等におきまして、なるべく御要望に沿うように調べまして、次回にお答えいたしたいと思います。
  84. 手島栄

    理事手島栄君) ほかにありませんか。   本日は、これをもって散会いたします。     午後三時四十六分散会      ―――――・―――――