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小笠原二三男君
教育委員会から
報告を受け、そうして一種の三十七条
違反であるという断定を下したりするのに役に立たせたりするのにはやるさかではない。
警察当局から
捜査しておるという
状況の
報告を受けられれば、それは、そうですかと聞きっぱなし、そうしてその
捜査の
状況が教育上どういう影響を
佐賀県下に与えておるかということについては、つぶさな
報告も受けなければ
調査もしておられない。どうもそういう点は、内藤さんにも似合わない、首尾が一貫しない、完備しておらない。うちの党で今度
調査に参った
状況を聞きますと、
授業中に
学校へ来て、
先生の
取調べというのでしょうか、
事情聴取というのですか、専門語はわかりませんが、その種のことがある、あるいは自宅に深夜たずねて行って
事情を聴取する、あるいは駐在所に呼ぶ、それらのことが広範に行われる結果、先ほどの竹トンボの話ではないが、どうも、何と申しますか、陰うつな教育環境としてはふさわしくない影響を子供に与えておるという事実はあったようです。否定できないようです。しかし、
警察当局としても、
石井長官みずから陣頭指揮しておやりになったのだから、相当慎重にこれはやっただろうが、それでもやはり広範に事が進めば、そういう教育活動の上で一面の悪影響が与えられる、その種の
捜査なんです。そういうものは、内藤さんの方で十分な御
調査がないということはまことに遺憾だと思う。これは、さっそく御
調査なすって、そしてその限りにおいては、教育上子供に悪影響を与えられないような、そういう
指導助言が文部省としてあってよかろうと思う。どうしても内藤さんの
お話は、片手落ちであると思う。
それから、もう時間がありませんから、要望だけ申し上げておきますが、文部省は、
灘尾文部大臣が
お話のような、非常に
学校を愛し、教育者を愛し、そしてその勤務条件その他について綿密な世話もすることによって
学校教育を発展させたい、まことにこれは当然のことでもありますが、心がけとしては、りっぱなものだと思います。率直に私は敬意を表します。しかし、そうであればあるほど、この種の問題が起った原因というものを尋ねられ、また、そういう
行為が起ったということであって、
警察権力までが介入せざるを得なかったという
事態があったとしても、文部省は司法
機関ではないのですから、そういうことがあればあったで、
佐賀県の教育界の発展向上ということについては、積極的に施策も考えなければならぬし、もしも今回の紛争事件が、
警察権介入という客観的なこういう事実があったことについては、文部当局も、それは責任を感じなければなりませんよ。それは、
法律に触れたお前たちが悪いんだ、それだけで、対岸の火災視しておるような文部省だったら、ない方がいい。占領下において、文部省が廃止されようとまでした事実もある。内藤さんたち、一生懸命でこれが存続に努めた。しかしそのことは、地方の教育
機関なり、あるいは
学校教育なりにサービスをする、助長していく、そういうことのために文部省というものが存在価値を認められたはずなんです。ところが、皆さんの方は、今やもう監督
機関、取締り当局、そういうような形にあなた方の内側の、あなた方の仲間である教育者自身に文部当局が思われるというような、そういう印象を与えるというようなことは、これはもう、教育行政庁としてまことに遺憾にたえないことなんです。そうじゃないですか。従来やってきたことは全部そうですよ。私があえて、教育
関係者出身の議員であるけれ
ども、文部
委員会に行かないのは、行ったことのないのはそこなんです。行けば、あなたたちに注文をしたいことばかり多い。他の同僚
委員の時間を取り過ぎるだろうと思うから、遠慮して行かない。しかし、あの二十一年以降一貫して、文部当局というものは何を教育者のためにしたのか。ほんとうに何を
学校教育のために積極的な援助を与えられたか。それは、教員組合というものはけしからぬというような話をしますけれ
ども、あの当時、教員組合のようなものを作り、教師が団結して子供をかかえなかったら、だれがあの当時子供を面倒見ることができたか。文部当局は、自分たちが温存されることにきゅうきゅうとして暮していたじゃないですか。父兄は、食糧
事情から、子供などの教育なんというものは目も与えない、世話も届かなかったじゃないか。すきっ腹をかかえてあの二、三カ年というもの、ようやく六・三・三の今回になる基礎までつないできたのは教師なんです。皆さんは、教師を行き過ぎがあるということを言われますが、事の起っている原因というものは、さまざまのことがあることは、内藤さん一番よく
承知なはずなんです。そういうものを積極的に打開さえしていくならば、文部当局がもっと積極的に仕事を進めていかれるならば、だれがあえて好んで、闘争だ、闘争だということをやりますか。黙っておっても、文部当局が
学校の世話を綿密に見、教師の地位なり、あるいは、勤務条件というものを良好なものに保つことについて、積極的な努力をしていただくなら、教師自身は、教育活動に専心できるんです。何を好んでよけいなことをしますか。だから、全部これは、原因結果がぐるぐるぐるぐる悪循環してきているんです。そういう点からいえば、私は、
警察当局と分離して、文部当局それ自身は直接の何ら責任者でないということは
法律上明らかです。明らかですが、少くとも教育行政を担当する者としては、遺憾であると同時に、責任をお感じにならなければならぬ。そうしてこの
事態が収拾せられる。そうして
佐賀県の教育環境というものが一段とよくなるということに努力願わなければならぬと思うのです。この問題については、文部大臣も、積極的に
佐賀県教育委員会、県当局にいろいろ
指導助言もせられ、自治庁の方とも御相談なすって
佐賀県の教育水準が低下しているということについて、これを防止し、引き上げる積極的なそういう施策をお講じになられて、できるならば、われわれにもその結果を御
報告願いたいと思うのです。大臣いかがですか、御所見は。