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1957-04-25 第26回国会 参議院 地方行政委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月二十五日(木曜日)    午後二時十八分開会   —————————————   委員異動 本日委員椿繁夫君及び森田豊壽君辞任 につき、その補欠として江田三郎君及 び吉田萬次君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     本多 市郎君    理事            大沢 雄一君            加瀬  完君            成瀬 幡治君    委員            小林 武治君            小柳 牧衞君            館  哲二君            安井  謙君            吉江 勝保君            吉田 萬次君            久保  等君            鈴木  壽君            中田 吉雄君            森 八三一君   国務大臣    国 務 大 臣 田中伊三次君   政府委員    自治庁行政部長 藤井 貞夫君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   説明員    自治庁行政部公    務員課長    角田礼次郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○市町村職員共済組合法の一部を改正  する法律案内閣提出)   —————————————
  2. 本多市郎

    委員長本多市郎君) これより委員会を開きます。  委員異動がございました。本日、椿繁夫君が辞任されまして、江田三郎君が補欠選任せられましたので報告いたします。   —————————————
  3. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 次に、市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案を議題に供します。本案の提案理由説明はすでに聴取いたしておりますが、この際さらに内容について政府委員より説明を聴取いたします。
  4. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 市町村職員共済組合法の一部改正法律案内容につきまして、概略御説明を申し上げたいと思います。  今回の改正の第一点は健康保険法改正に伴うものでございます。その内容一つは療養の給付につきまして、健康保険の例にならって組合員にその費用の一部を負担させようとすることでございます。健保改正につきましてはいろいろ国会においても御論議があったのでございますけれども、同じ社会保険制度一環としてやっております市町村職員共済組合につきましても、健康保険が変って参りまするならば、これと歩調を合せまして改正をする必要があるというふうに考えられるからでございます。ただし市町村共済組合につきましては、その建前掛金その他の操作におきまして、赤字を出さないという仕組みになっております。従いまして、一部負担制度をとりますると、これによって余裕財源を生ずることに相なるわけであります。その範囲内で一部負担金払い戻し等制度を、それぞれの組合において措置することができるという便法を開くことにいたしておるのであります。  その第二点は、詐偽その他不正の行為によりまして給付を受けた者があるという場合におきましては、組合はその者から給付に要しました費用の徴収をできるようにしようといたしたことでございます。なおこの場合におきましては、その給付保険医の虚偽の診断書によって行われるというような場合もあり得ることでございますので、その場合にはその保険医に対しても連帯責任をもって支払わせることができるということにいたしておるのであります。その第三は、今度健康保険法によりまして医療担当する医療機関制度と、その医療機関の内部におきまして、医療等に従事する保険医等規定の区分を明確化することになるに従いまして、若干の規定整備を行うことにいたしたのであります。なおこれに伴いまして従来の罰則規定を緩和をいたすことにいたしているのであります。  その改正の第二の点は、従来の市町村職員共済組合運営並びに国家公務員共済組合運営等に照応いたしまして、改善を加える点がございまするので、これらの点について一部の改正をお願いをいたしたいと考えておる次第でございます。  その第一点は退職給付についてでございますが、従来退職年金に至らないで退職一時金の支給を受けました者が、再就職をして組合員となりまして、それからもう一度退職をしたと、こういうような場合におきまして前後の組合員であった期間合算をいたしまするならば、年金を受ける権利が発生するという場合におきましては、これは前後の組合員であった期間合算をすることによりまして、年金支給の道を開きますることが組合員自身の利益にも相なります。また恩給等取扱い基準にも合致することでもございまするので、この措置一つ新たに認めたいということが第一点でございます。それから第二といたしましては、退職年金について弱年停止規定がございますが、弱年停止中の者が廃疾状態になったという場合におきましては、弱年停止を解除する道を開きたい。第三点は、退職年金額改訂をいたした場合におきまする改訂年金額につきましては、従来従前の年金額に対しまして再就職期間中の部分について加算を認めておらないのであります。そういう点につきましてはこれは不合理でございまするので、加算を行なった額を下らないというふうな措置を講じたいということでございます。  第三は廃疾給付に関する問題でございますが、この内容のおもなるものは、廃疾一時金を受けました者の廃疾一の程度が、退職をいたしましたときから五年以内に非常に悪くなる、廃疾程度が増進をする、そのために廃疾年金を受けることができる状態となりました場合においては、廃疾年金支給する道を開くことがその第一点でございます。それから第二は、退職一時金なりあるいは廃疾一時金の支給を受けました者に対して、廃疾年金支給する場合におきまする廃疾年金の額は、前に一時金の支給を受けておる場合におきましては、これを返還をいたしました場合を除けば、退職一時金あるいは廃疾一時金の額を基準として定めました額を控除した額とするということで均衡を保たしめる、不公平のない取扱いにしたいということがこのおもなる内容でございます。  その他ごく事務的なものといたしましては、組合の方からまだ支払っておらない、支払うべき原因がありながら支払いを終っておらない遺族給付がございまするときには、当該遺族が死亡いたしました場合のみ他の遺族に支払うものとするというような点、それから直系姻族養子となりました場合におきましては、遺族年金受給権を失わないようにすると、これはたとえば組合員の奥さんが遺族年金を受けるということになっておりました場合におきまして、そのままその家に居ついて、組合員死亡等がありましても、その家に居ついて実際上養子となるという場合におきましては、これを遺族年金受給権を奪うということは実情に即しませんので、これにつきましては遺族年金受給権を失わないことにしようというような点について、改正を行いたいと考えておるのであります。  なお現在組合規約につきましては、すべてその変更について自治庁長官認可を要することに相なっておりまするが、ごく軽易なものについてまで自治庁長官認可を受けなければならぬといたしますることは、いたずらに事務手続を煩瑣ならしめるゆえんでございますので、ごく軽易な事件につきましては自治庁長官認可を要しないことにしようとすること、さらに共済組合福祉事業を行う場合におきましては、市町村職員恩給組合と共同して行うこととすると、市町村職員福祉を増進するための事業が総合的に、効果的に行われることに努めなければならない、という点についての注意規定を設ける等、現在までの組合運営実績にかんがみまして、改善を要すると認められる点について改正案提案をいたしておるような次第でございます。  以上が市町村職員共済組合法の一部改正法律案内容のあらましでございます。
  5. 本多市郎

    委員長本多市郎君) これより質疑を行います。質疑のおありの方はこれより順次御発言願います。
  6. 加瀬完

    加瀬完君 いろいろ行政部長さんの御説明がございましたが、この前お述べになりました提案理由の御説明の中にも、国家公務員あるいは都道府県公務員と同じような共済給付を保証することを目的としておるのだという御説明があるわけです。これはまあ一昨昨年か制定されましたときにも、国家会務員都道府県公務員との共済給付内容がどうだ、ということがだいぶ論議されたのでございますが、現状におきましてその両者の違いといいますか、今度改正を意図した点、あるいは意図しましてもまだ国家公務員都道府県公務員との共済保障の点で、まだまだ市町村共済保障が足りないといったような点がございますか。
  7. 角田礼次郎

    説明員角田礼次郎君) 現在の市町村組合給付につきましては、国家公務員共済組合給付内容と全く同じでございます。ただ経過的には国家公務員共済組合より一部よい給付、つまり付加給付が認められておりますが、法定給付の面におきましては全く同じであります。
  8. 加瀬完

    加瀬完君 国家公務員並びに都道府県公務員であれば、これは共済組合に入っておらない者は全然ないはずだと思うのです。市町村では全部共済組合法によりまして共済組合を組織しておりますか。
  9. 角田礼次郎

    説明員角田礼次郎君) これは市町村共済組合法ができます前には、市町村職員健康保険法適用を受けておったわけであります。従いまして、健康保険法から現在市町村共済組合法に切りかえますときに、職員の選択によりましてその団体職員の多数が賛成をいたしました場合には、健康保険組合を引き続き組織することができるという規定に現在なっておりますので、市町村職員のうちのある一部は健康保険組合に入っております。従いまして、全体としては健康保険組合に入っているか、あるいは市町村職員共済組合に入っておるか、いずれかに入っておるという状態になっております。
  10. 加瀬完

    加瀬完君 市町村によりますと、職員共済組合法による退職給付といいますか、あるいは廃疾などになった場合の給付といいますか、こういうものは今までの市町村の条例などできまっておった給付内容より悪いというので、共済組合に入っておらないという現実はございませんか。
  11. 角田礼次郎

    説明員角田礼次郎君) 市町村職員共済組合法に基きまして、給付いたしますものには、御承知のように短期給付長期給付というのがございますが、今御指摘の点は長期給付という、いわゆる退職に伴う給付のことをおっしゃったのだと思いますが、これは市町村職員共済組合長期給付をやりますのは、いわゆる雇用人に対するもののみでございます。雇用人に対しましては従来退職給付は全然なかったのでございます。むろん一部の大都市あたりでやっておったものはございますが、市町村職員のうちの雇用人につきましては、退職給付というものがなかったのであります。従いまして、この共済組合法によりまして、ゼロから出発しまして長期給付ができるようになったのでございますが、今御指摘のようなことはないということを申し上げて差しつかえないと思います。
  12. 加瀬完

    加瀬完君 それから法律案内容の第一点で、御説明でございますが、一部を健康保険法と同様に負担させる、それから今度は一部負担金払い戻しという措置もする、この間がまだどうもはっきりしておらないのですが、もう一度御説明下さいませんか。
  13. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 御承知のように健康保険法改正によりまして、一部負担金制度改正になったわけでありますが、同じく社会保険一環として経営をいたさなければならないものでございますので、市町村職員共済組合につきましても、これは同列に健康保険と同様の一部負担制採用するということになるわけでございます。ただ市町村職員共済組合の場合におきましては、これは財源計算その他から申しまして、掛金率決定をいたしまする際に、建前上今までの実績なり年間の見通しというようなものを考え合せて、その率を決定をいたして参りまするので、特殊の例外を除いては赤字というものは出ない、実は建前になっておるわけであります。従いまして共済組合運営自体の面から参りまするならば、これは別に健康保険法の方で一部負担制改正があったとしても、それに直ちにならう必要がないとも言い得るわけであります。ただしかしながら一部負担制というのは、これは社会保険全般の立場からその適正化と健全な発展をはかるために採用された制度でございますので、この関係が一、二になっておりますると、保険医取扱いにいたしましても、あるいは社会保障診療報酬基金支払い制度運営にいたしましても、きわめて事務が不円滑になりまするし、また全般的にいって社会保険制度として統一のある仕組みにはならないということから、やはり右へならえをせざるを得ないということになるわけでございます。そこで前段申し上げましたような建前から、組合自体にはおそらくこういう一部負担をやって参りますと、余裕財源が出てくるはずでございます。その点につきましては、組合自体において何もこれをむだに使う必要もないわけでありますので、それぞれの組合実情に合いまして規約で定めて、その一部の払い戻しその他の措置を講じてもかまわないという建前にいたしておるわけでございます。
  14. 加瀬完

    加瀬完君 これは自治庁にお尋ねする筋合いではないかもしれませんが、保険法といいますか、社会保障という広い意味から考えてもよろしいのでありますが、一部負担制度というものを、今御説明のようにいろいろ保険法適用してみたけれども赤字が出て、運営上保険法適用そのものをも阻害すると、だからこれを一部を負担させて、本質的には負担をさすべきものではないが、この場合一部を負担させて、保険法のさらに大きい活用をこいねがおうと、こういう筋ではなかったかと思う。あくまでも保険法性格が一部負担制度でなければならないというものでは私はないと思う。その前提には今までの実績から通して、どうしても一部負担給付を受ける者の方にかけなければやっていけないということが、一部負担制度という声の生じた原因なんでありますが、その原因である、赤字を生ずるという原因がこの共済組合の方にはないのに、原因によって生じた結果だけを逆に今度は共済組合にも歩調を同じにさせようということは、私は保険制度そのものからいってこれは逆になろうと考えるのです。そういう必要はないじゃないか。少くとも市町村共済組合においてはそういう必要はないじゃないかと、こう思うのですが、それはいかがですか。
  15. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) なるほどごもっともな点が実はあるわけでございます。ただ健康保険につきましても、一部負担制採用されましたのは、もちろん当面の赤字解消ということが非常に大きな動機となったことは、これは申すまでもないところであろうと思いまするが、それと並行いたしまして医療給付自体を高度化していくと、あるいは医療機関整備等をはかって参らなければならぬと、そういうようなことに相応ずるものとしてこのような制度採用されたというふうにわれわれば伺っておるのであります。そういう意味から医療保険体制の確立を終局には目ざしていこうという目的を持っておるものであろうと思います。そこで共済組合でございますが、これは医療給付等につきましては、先刻も申し上げておりまするように、健康保険の代行をしているものでございまして、わが国の医療保障制度上重要な一環を形成いたしておるものでございます。今回健康保険制度改正をせられましたので、これに照応いたしまして、統一的な運営をはかりまするために必要な改正を行うこととしたわけでございます。ただ先刻申し上げましたように、財政的には赤字を出さない仕組みになっておるのに、こういうことをやるのはおかしいじゃないか、という議論は一応ございまするけれども、今申し上げましたように、社会保険として統一的な処理をして参ることが必要である。また事務手続その他にいたしましても、同じ保険医のところへ参りましても一方は一部負担金を払う、一方では一部負担金を払わないというようなことでははなはだ不均衡になり、また事務手続上も煩瑣でございまするので、この際同様に一部負担制採用をいたすことが適当であるというふうに考えたわけでございます。  なお参考に申し上げますると。財政的な見地から見まして、共済組合と同様の状況にございまする、これは御承知通りだと思いまするが、組合管掌健康保険につきましても、同じように一部負担制採用をすることになっておるわけでございます。
  16. 加瀬完

    加瀬完君 それは一部負担制というものを結果だけ合せた、という形に私には受け取れるのです。そこで逆に伺いたいと思うのですが、社会保険の広い意味掛金といいますか、税その他いろいろありましょうが、社会保険に対する掛金共済組合掛金というものは同じですか。
  17. 角田礼次郎

    説明員角田礼次郎君) 市町村共済組合掛金法律では直接きめておりませんで、各組合規約で定めることになっております。従いまして一定はいたしておらないわけでございますが、大体平均いたしまして掛金使用者負担と合せまして千分の八十四ということになっております。これは健康保険の場合も、健康保険組合がそれぞれ規約で、ある一定範囲内においてきめることになっておりますので、一がいにまあ比較はできないわけでございますが、数字としては大体そういう八四という数字になっております。
  18. 加瀬完

    加瀬完君 健康保険の方と共済組合の方と規約でいろいろきまっておるのでございましょうが、概観して共済組合の方が掛金は高いのじゃないですか。よけい負担をしておるのじゃないですか。
  19. 角田礼次郎

    説明員角田礼次郎君) ちょっと今、私正確な数字を記憶しておりませんので、恐縮でございますが、御指摘のように市町村共済組合の場合は若干高いようでございます。今の平均の八四の数字よりは。
  20. 加瀬完

    加瀬完君 そうすると一部負担というその結論の出たものだけの一部負担を合せても、その前の掛金そのものは違っておるわけですから、行政部長のようなお考えをすれば、これは掛金そのもの前提から合せていかなければおかしいということになるだろうと思うのですよ。掛金はよけいかけると、一部負担だけは同じようにするということでは、共済組合の方が結局反対給付の受け方が率が下る、ということにも見ようによってはなるわけです。そこでその共済組合は今御説明のように健康保険の方もそうでございますが、掛金はそれぞれの団体によってまちまちです。だから何も一部負担というものも最後だけ合せる必要はないじゃないか。そこで健康保険のようにどうしてもそういうふうにしなければ年間赤字が解消できない、経費のつじつまが合わないというのならばともかくも、やっていけるのです、やっていけるところから一部負担をとれば、あとで今度はそのかわりに負担金払い戻しをする。こんなややこしことまでして一部負担というところにつじつまを合せる必要はないじゃないか。また保険というものは一部負担をさせないということが前提なんで、掛金で全部の給付が受けられるということが前提なんだから、いい制度を悪い制度の方に逆戻りさせる必要はないじゃないか、こういうふうに考えられますが、この点はどうなんですか。
  21. 角田礼次郎

    説明員角田礼次郎君) ちょっと私の説明が不足しておりましたけれども、健康保険法におきましては今の掛金率負担金率はいわゆる標準報酬という制度をとっておりまして、これは原則として恒常的な給与の全額を含みまして率をかけていくわけでございます。なお最低額の定めもございます。ところが共済組合の場合におきましては、この本俸だけを基準といたしまして率をきめておるわけでございます。従いまして共済組合の場合八四というのが健康保険の場合は、大体七〇あるいはそれ以上の場合がございますが、それと果してどの程度実際の掛金率あるいは負担金率負担の上で一致しているかどうかというのは、ちょっと一がいには申し上げにくいのじゃないか。従いまして先ほど感じとして若干高いのじゃないかということを申し上げましたけれども、御承知のように市町村共済組合は非常にそれぞれ給付の率やなんか内容は一致しておりますが、病気になる率が違いますから高いものもありますし低いものもあります。これは先ほど申し上げた通りでございます。なお一部負担金をとることによってただいままあそれほど赤字でない場合には、それだけ余裕が出てくるわけでございます。そういたしますと、これは数字的にどういう程度になるかは別といたしまして、それだけの分、掛金率負担金率を下げるというようなことも当然この場合には考えられます。それから先ほどから御説明申し上げているように払い戻しをするというようなことも一応考えられるわけでございます。
  22. 加瀬完

    加瀬完君 保険制度建前負担したもので給付を受ける、それで負担した上に、具体的に言うならば、掛金だけできめられたところの給付が受けられるということが筋でなければならないと思うのですよ。掛金のほかにさらにまた事情によっては、条件によっては一部負担をしなければならないというのは保険制度としては、建前としては私は完全とは言えないと思う。そこでせっかく市町村共済組合掛金で全体の給付が受けられて、何もこれは独立採算制建前とする企業じゃございませんが、それでも採算が合っていくという、運営状態がベスト・コンディションにあるというのを、何もことさらに一部負担をさせてその分、金が余るから払い戻しをする、あるいは掛金の低減を考えるといった別のことを、ややっこしいことを考える必要ないじゃないですか。これは今までの制度一つの完全な、割合に完全な形で運営できているというふうに御説明だけからすれば受けられるわけですから、それでやっていったらいいじゃないですか。何も健康保険法というようなものに無理に合せなくたっていいじゃないですか。健康保険法でも初め考えた一部負担よりは、やはり一部負担というものが健康保険法性格にはずれるというので、だんだんその一部負担の濃度というものが薄められてきている。そういうときに負担させなくてもいいものに負担をさせて、またごめんどうにも払い戻しをするというようなことを特別とらなくたっていいじゃないですか。こうどうも思われてならない。
  23. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) その点の御疑問はごもっともでございますが、これは今まで申し上げておりまするように、当面赤字でない運用をいたしておりますることは事実でございまするけれども、やはり一般的な社会保険制度一環として行われるものでございますので、そこにやはり統一的な取扱いをするということが望ましいという点がございまするので、なお同一の状況にございまする組合管掌健康保険取扱いを異にする理由もこれはあまりないのではないか、さらに組合員につきまして、一般の健保取扱いと異なる取扱いをいたします場合におきまして、実際にかかって参ります保険医なり、あるいは支払基金の手数というものをいたずらに煩瑣ならしめる結果にもなるのじゃないかということで、同じような歩調を合せることが適当であるというふうに認めたわけでございます。ただ、これをやりますことによりまして、ある程度余裕財源が出るということも予想されるのであります。それらの点につきましては、制度制度として一応歩調を合していく、そのために余裕財源が見込まれまするので、その点については、規約でもって、それぞれ共済組合ごとに具体的にいいものを研究をしていただいて、払い戻しの点なり、あるいは全般的にいって、掛金自体改訂をしてもいいじゃないか、減らしてもいいじゃないかという結論が出れば、そういう方途も考えてもらうということが全般的に見て適当な方策ではないか、かように考えたわけであります。
  24. 加瀬完

    加瀬完君 それは、保険制度としては考え方が逆だと思う。一部負担をさせないで、保険掛金といいますか、共済組合掛金だけで保険制度その他が運営できるという建前でいかなければおかしいと思うのです。また、保険制度というものは、そういうものだと思う。それを、社会保険の方が一部負担という制度を新しく作っても、その一部負担というものを、今度は逆に、健全に共済組合実績をあげているこの共済組合の方にまで一部負担というものを押し及ぼしてくるということでは、これは、共済組合制度というものの建前に立って、この共済組合制度というものを発展させようとする一体施策なのか、共済組合制度は薄めていこうという一体考え方なのかということに疑問を持たざるを得ないと思う。そこで、事務が煩瑣だとか、いろいろなことがございますが、事務は煩瑣でも何でもない。現在だって、健康保険法でたとえば医療を受けてる者もあれば、健康保険法のほかで医療を受けてる者もあれば、いろいろなんです。これは煩瑣でも何でもないと思う。むしろ煩瑣というなら、一部負担などという新しい考え方を持ち込むことの方が煩瑣なんだ。一部負担というものがなくなることの方が、くどいようですが、社会保険制度として私は完全なものだと思う。一部負担をさせなくてもやっていける。ここに社会保険制度が、市町村共済組合という形であるのに、これを逆戻りさせるようなやり方というのは、どう考えてもこれは妥当だと思われない。市町村共済組合制度というものをせっかく作って、あるいは国家公務員共済組合や、都道府県共済組合制度を作って、ここまで育ててきたのに、社会保険制度という立場から、赤字のやりくりがどうにもいかないで、一部負担をさせなきゃならないという、その好ましからざるやりくりを、せっかく育って完全な姿をとっておる共済組合にまで逆入させる必要はごうもないと思う。いろいろ御説明を承わりましたが、いかに御説明をいただきましても、どうもおかしいと思う。大臣は、この点、どうお考えになっておられますか。率直な御所見を一つ承わりたい。まずいと思うのです。
  25. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 繰り返してのことで、どうも恐縮でございまするけれども、先刻、非常に事務も煩瑣になると申し上げましたのは、保険医のところへ参ります。その保険医取扱いにおきまして、健保取扱いを受ける者、それから市町村共済の取扱いを受ける者、それぞれによって取扱いが異なって参ります。その点非常に、一々相手を選択しなければなりませんし、取扱いが区々になってきて、事務取扱い上むずかしい点も出てくるんじゃないか、さらには、支払基金の運用の点につきましても、市町村共済組合の場合はこうなんだと、一般健康保険の場合はこうなんだということを、いろいろ仕分けをしなければならぬというような点もございまして、やはり取扱いというものは、同一にやった方がいいのではないかというふうに考えておるわけでございます。なおこれは、加瀬委員も十分御承知でございましょうけれども、現在は、初診料につきましては、一部負担制度があるわけです。その初診料の一部負担制度につきましては、やはり共済組合においても、健康保険の例にならってやっておるわけでございます。今度、健康保険の点で、一部負担範囲が若干拡大をせらまれましたに伴いましては、同じようなやはり措置をとって参ることが適当ではないかと、かように考えたわけでございます。
  26. 加瀬完

    加瀬完君 社会保険制度としては、原則として掛金だけで給付を受けられるという建前の方がいいのか、そうではなくて、掛金のほかに、医療その他で特別、一部関係者が負担するという建前を加味しなければ、社会保険制度というものはいけないというお考えなのか、どちらですか。
  27. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 現在共済組合は、御指摘組合員からの掛金と、それから当該市町村からの負担金、それから初診料に当る一部負担金、これによって運営されておるわけでございます。そこで、負担金というようなものは取らない方が、組合運営上いいのではないかという点につきましては、これはいろいろ御意見もあると思います。なるべくならば、一部負担金といったものは、やはり掛金なり負担金で全般的に運営されていくことが望ましいことですが、これをあまり多くするということは適当でないと思います。ただ、一部負担金を何らかの形において、全然伴わないという社会保険医療制度というものはあまり例がないわけでありまして、問題はその程度でございまして、この程度のものでありまするならば、全体の構成としても、あり方といたしましても、適当なものではないかというふうに考えておる次第でございます。
  28. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 関連してお尋ねしますが、お話を聞いておりますと、どうも私も、加瀬さんと同じような気持になるわけですが、これは、一部負担の問題のあるべき正常な形は、こういう性質の保険に当って、当りまえだとしてとられるべき方法ではなくて、少くとも過去、現在までいろいろわが国でもやってこられたそれを見ますと、収支の面で工合が悪いのだ、もっとはっきり言うと、赤字が出たんだ、そうして最近健保の問題では、やむを得ない措置だと思うので、それを、話を聞いておりますと、いかにも当然であるかのようにお考えになっておられるところに、私は一つの問題があるのではないかと思うのです。そけで、これは健保法の改正によって、一部負担の額なり、あるいはその範囲なりというものが拡大されてきた、その一連の、それとあわせての改正だろうと思います。率直にそう言っていただけばいいのだが、いかにも保険そのものが一部負担を伴うことが当然であるというようなお話を聞きますと、どうにも私は納得できないと思うのです。そういう点、ほんとうにあなた方あれですか、こういうものの保険において、一部負担はやむを得ない、やむを得ないではなくて、当然そういうふうにあるべきだとお考えになっておられるのか、その点一つ。いま一つは、いかにも、私が申しましたような点からしますと、一部負担の額の引き上げなり、あるいは範囲の拡大ということは、これは当りまえであればとられるべきではないと、しかも一方に、今の共済組合の方では赤字を持っておるわけではないです。また、赤字を出さないような操作はできるということは、部長さんから先ほどお話しになった通り、そうしますと、極端に言えば、今回一部負担をさせようとする額が、まあいわば全部不要になって、あとから戻すのだというようなことにもなるわけなんです。私は、ここにもまた一つの問題があると思う。お話のように、取り扱う医療機関なり医者なりが、手続の上で異なる手続をしなきゃいけないという煩瑣という点はもちろんあります。しかし、それは、もともと健保その他の、すでに改正された、そういうことにおきましての不合理がもたらしたものであって、そのためにこういうことをしなければいけないということには、私はならぬと思うので。これは、そういう煩瑣な点からしても、もとになる健保の現在の一部負担なり、その他の保険におけるところの一部負担というものを正常な姿に戻す一つの私はきっかけにもなるのじゃないか。まあそれはそれとして、そういう点について、そういうことを取り上げて、こういうふうなことをすることの合理性を打ち立てようとするならば、私は、これは誤まった考えじゃないかというふうに思うのですが、先にお聞きしたいと思いましたこの二つの点について、お答えをいただきたいと思うのです。
  29. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 一部負担制範囲を拡張して、今度健保採用されることになりましたものは、当然これは正しいことであって、そうなければならぬというふうには、われわれも考えておらないのであります。この点は、健保の方が改正になりますので、それに伴ってやらなければならぬということは、率直に申し上げておきたいと思います。ただそこで、健保の方と歩調を合せるということは、これまた一つの要請でございますのと、他方におきまして、先刻来るる申し上げておりまするように、保険医なり、あるいは支払い金の事務的な問題、そういうような点を考え合せまするというと、やはり同じような制度採用いたしますることが適当であるというふうに考えておるわけであります。
  30. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 まあ、そう率直に言っていただけば、これ以上申し上げなくてもいいと思うのですが、私どもも、あなた方のこういうふうな今の改正案を作らなければいけないことは、それは、今あなた方のお話によってもわかります。それに賛成するかしないかは別にしてですね。ですから、そういうふうにやっていただけばいいのですが、いかにも聞いていますと、それが一つの合理的なような、当然の措置であり、従って、こちらもそういうふうにしなければいかぬというふうに聞えましたものですから、申し上げたのです。  それからもう一つ、現在の共済組合において、いわば健全な経理ができておりますが、今言った、先ほどもちょっと触れましたように、極端な場合は、全部返さなければいけないのじゃないかというようなこともいえると思うのです。現在、何も赤字が出ていないところに一部負担をやって、それだけ黒になる、黒になるのを、別に使う道もないとすれば、一部の払い戻しができるというのですから、当然払い戻さなければいけないわけですね。ですから、私は、その点については、これ以上言いませんが、こういうのは、不合理な、あるいは正しからざる形においてすでに法ができたために出てくる、そういう一つ措置であると思うのですが、もとを直すような考え方を、やはり私ども、別の機会に持たなければいけないのですけれども、その点を、あなた方が、今言ったような、合理化させるような御説明だけでありましたものですから申し上げたのですが、御答弁は要りません。それだけです。
  31. 大沢雄一

    ○大沢雄一君 私も、その問題に関連して二、三伺いたいと思いますが、一部負担を、余裕財源ができて、当分の間、払い戻しを行うこともできるというような状態において取るということについて、いろいろと御議論があることはもっともだと思いますが、他面、この市町村共済組合健保との関係、健保の代行をこれがやっているという関係で、統一処理をする関係から必要ということでございますが、さらに、その内容を検討してみますれば、結局一部負担を増さなければ、点数の改正とか、いろいろな問題に及んでくる。この市町村共済組合関係だけ点数をいじることもできないし、現在、医療機関の方で、非常に事務の面を重視して、社会保険に協力できるとかできないとか、いろいろな問題があるので、やむを得ない形で、必ずしも組合の財政は赤字になっておらぬけれども、こういうことに歩調を合せなければならぬ、こういうふうに私は理解しておったのでありますが、そうでないのですか。その点をちょっと伺います。
  32. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) この点は、そういうことの面も確かにあるわけでございますが、ただ、点数を上げるというような問題も、これは、市町村職員共済組合だけの医療についてやるわけには参りません。やはり全般の社会保険制度、特に、なかんずく中心になりまする健保等との関連において、統一的にやって参らなければならない事柄でございます。そういうことで、健保自体におきましても、財政の問題もございましたでしょう。赤字解消の点もございましたでしょうが、他面、今御指摘になりました、医療内容の高度化というようなことをはかって参るためには、とうてい現状ではやれないというような事柄も出て参りまして、このような改正が行われる運びに相なって参ったと思うのであります。従いまして、その点は、市町村職員共済組合の場合でも同様でございますが、ただ、財政的の見地だけから見まするというと、この点は、今までのやり方自体が赤字を出さない仕組みに相なっている、そういうことでありまするけれども、一面、全般的な医療給付内容を高度化していく、しかもそれを市町村職員共済組合だけには、だけというわけには参らないので、全般の総合的な見地から、統一的にやって参らなければならぬというような要請がございまするために、この制度採用せざるを得なかった、こういうことに相なるわけでございます。
  33. 大沢雄一

    ○大沢雄一君 次に私お伺いしたいのでございますが、この改正の第二点といたしまして、国家公務員共済組合改正に伴う改正が次に行われているのでございます。これにつきましては、国家公務員共済組合法は、まだ成立をしておらぬわけでございますが、先立って本法が成立いたしましても、組合に有利な改正のようでありますから、差しつかえないようでもありまするが、その余の関係はどういうことになりますか、その点お伺いしたいと思います。
  34. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) この点は、国家公務員共済組合給付内容というものとは、これは大体歩調は合せなければなりませんけれども、国家公務員共済組合の方がそういう改正ができなければ、市町村職員共済組合については改正ができないという筋合いのものではございません。大体、この案を立てまするに際しましても、国家公務員共済組合改正が論議せられておりましたので、それと照応して、大体同じような歩調をとろうということでやったものでございまして、彼此必然的に、国家公務員の方が改正をされなければこちらもやっていけないという筋合いのものではございません。そのように考えております。
  35. 大沢雄一

    ○大沢雄一君 そういたしますると、もし国家公務員共済組合法の方の改正が修正なり何なりで、現在の原案と違ってしまった場合には、できるだけ早い機会におきまして、市町村職員共済組合法の方をそれに合せて、さらに再改正をなさるというお含みでございますか。
  36. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) お説の通りでございます。
  37. 大沢雄一

    ○大沢雄一君 それから、なおもう一点お伺ひしたいのでございまするが、健保改正案が御承知のように修正された関係から、これをここで成立せしめるといたしますれば、施行期日等について修正を加える必要が生じてくるように考えるのでございまするが、この点については、えらい技術的な問題も含んでおりまするので、その点について一つ政府側から御所見なり、あるいは御説明なり、そういうことをこの際、参考のために伺っておきたいと思うのです。
  38. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 健康保険法改正案につきまして、参議院において、施行期日等の点について修正がなされたわけでございます。現在までは、健康保険法の一部改正案は、公布の日から二月以内の範囲内において政令で定める日からやるということになっておったのでございますが、何分にも統一的に、しかもはっきりと画一的にやって参らなければならないという筋合いの事柄でもございまするので、参議院の修正では、これを原則的には五月一日から健康保険法の関係は動かせる、こういうことに相なりてきたわけでございます。現在、衆議院からこちらへ回っておりまするものにつきましては、その点、五月一日という期限については、その内容にうたい込まれておりませんので、当然全体としての社会保険制度一環の点から、歩調を合せる意味から申しまして、施行期日等については、やはり健保の関係については五月一日からということにお手直しをいただく必要が生じて参ったと、かように考えておるのでございます。  なお、一部負担金に関しまする健康保険法規定は、五月一日から施行はせられまするけれども、なおこの点については、若干の猶予期間を設ける必要がございまするので、六月三十日までの間は、一部負担金は従来通りでやっていくという建前になっておりまするので、本法の場合におきましても、これと同じような措置を講じていただく必要があるのではないか、かように考えておる次第であります。
  39. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 藤井さんにちょっとお伺いしますが、私ちょっとわからぬから教えていただきたいのですが、二十九条の二ですね、いわゆる不正受給者の費用を徴収する場合あるいは医者が診断書に虚偽の記載をしたもの、これは取るわけですが、組合が取るわけですね。その場合に、出す方が出さぬと、こういった場合に、心配をする点はこういうことなんです。お前は不正なことをやったのだから、出さないのだから、保険証を停止するとか、それから保険医を除外するとかなんとかいうような、そういうようなことに、金を取るためにいろいろなことをやるような、そういう運営の面で、つまらないトラブルが起きてくる。一番いけない点は、保険証を停止されるようなことは非常にお気の毒だと思うのです。やることは非常に悪いのですが、そういうようなことになりはしないかどうか。そこで、取る場合にどうやって取るのかという点が一つ。それからもう一つは、二十四ページの九十七条の罰則なんですが、一万円以下の過料に処すと、こういうことなんですが、この罰則は、どこが取るのかよくわかりませんが、どこがやるのかその点、二つお答えを願いたいと思います。
  40. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 不正受給者等からの費用の徴収でございますが、これにつきましては、実は強制徴収権というものはないわけであります。その点につきましては、やはり組合の方で努力して取ってもらうということになりまするし、また、悪いことをされたからと申しまして、そのために一面、営業自体ができないというようなことは、これは適当ではございません。そういうようなこともいたしませんし、法律上もまたできもいたしませんし、運用につきましては十分気をつけて、間違いのないようにいたしたいと思います。  それから第二の過料の点でございますが、これは、他の一般の例と同じように、裁判所の権限でございます。
  41. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 いわゆる強制徴収権がない、ところが徴収ができると、こういうふうになっておる。そこで組合事務の人なんかが、若い人が行って、お前、こうやっておったのだ、だから保険証を停止するぞと、こういうようなことをしておる。あるいは保険証を持っていらっしゃいと言って、取り上げてしまうというようなことがあった場合、これはやむを得ぬというようになるのか。その場合に、いわゆる取り上げられた人から今度は逆にいろいろな抗議が出たような場合、そういうことを何かチェックするか、指導するといえばそれでおしまいなんですが、何とかそこらあたりがうまく運営されないと、医師の方も非常に私はおかしなことが出てきやしないかという心配をしておる。その辺、どんなふうのお考えですか。
  42. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) これは、取り上げる規定がございませんですから、そういうようなことを申すものがかりにありましたら、保険医の方でそれは拒否していただけばいいわけであります。また具体的に、そうそう非常識なものはないと思いますけれども、かりにそういうものが出てくれば、われわれの方自体が、あるいは厚生省の方と連絡いたしまして、善処いたしたいと思います。   —————————————
  43. 本多市郎

    委員長本多市郎君) ただいま委員異動がございました。森田豊壽君が辞任されまして、吉田萬次君が補欠として選任されましたので、御報告いたします。   —————————————
  44. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 他に御質疑はございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御質疑がないようでありますから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正案等がございましたら、討論中にお述べ願います。
  46. 大沢雄一

    ○大沢雄一君 私は、本法案に賛成の意見を申し上げたいと思います。  本法案の内容は、主として三点になりますが、第一点は、健康保険法改正に伴う改正でございまして、その主たるものは、療養給付について一部負担組合員負担せしめようとするものでございまして、本組合が実際上、健保の代行をしておる関係上、その統一的処理のために、この程度の一部負担はやむを得ざる措置として、賛成するものでございます。  改正の第二点は、国家公務員共済組合法の改正に伴う改正でございまして、いまだ国家公務員共済組合法の改正案は成立はしておりませんが、その内容は、組合員に必要、有利な改正でございまして、国家公務員に先んじてこの改正が成立するといたしましても、いわゆる善は急げでありまして、差しつかえないと思いますので、賛成でございます。  三点は、組合運営実情にかんがみまして、主として運営の健全化に資せんとする規定改正であって、賛成でございます。  以上の通り改正法案に賛成するものでありますが、ただ、本法案の施行期日に関しましては、立案者が提案当時予想した点と違いまして、本法案と密接な関連を持った健康保険法の施行期日が国会において修正をされまして、一般の規定は五月一日から、また、一部負担に関しましては、規定は五月一日から施行されまするが、六月三十日までの間の一部負担は従来通りとされたことに伴いまして、これにならって、本法の施行期日その他経過措置を定めた附則の規定を修正する必要が生じたわけでございます。私はこの際、本法案に対する修正案を提出いたすものでございます。案の内容は、ただいまお手元に御配付申し上げました通りのものでございます。何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げる次第でございます。
  47. 加瀬完

    加瀬完君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま審議をしております本案に対しまして反対をいたします。もちろん、大臣の提案説明の第二以降の問題、これは主として市町村職員共済組合の制定のときから、事務的にも問題になっておることでございますから、これを整理するという点については、あえて反対をいたすものでもございません。また、ただいま大沢委員提案になりました修正案も、事務的な手続の問題でありますから、こういうことにはもちろん賛成を惜しむものではございません。しかし、部分的な点は、同意を申し上げるのにやぶさかではありませんが、共済組合制度あるいは共済組合法というものの根本的な性格というものは、これは国と地方を問わず、公務員法の中に盛られております、公務員一つの保護法規と申しますか、保護規定というものがどこまでもその性格でなければならないと思うのです。そういう点から言うならば、より公務員に有利な運び方をするということが建前でなければなりませんが、特に大臣の提案説明の中の第一の問題、健康保険法改正に伴う改正、この点につきましては、どうもいかような立場から検討いたしましても、基本的な職員共済組合制度というものの性格と相反すると思いますので、この点、強く反対をいたしたいと思うのであります。具体的に申し上げますならば、部長も御説明の中に、一部負担をさせないことが望ましいのだと、こういう御説明がございました。で、市町村共済組合は、現状におきましては、国の健康保険制度とは違いまして、年間を見通しましても、赤字もなければ、あるいは一部負担によりましてこの赤字を解消しなければならない理由もないこの望ましい状態にある。望ましい状態にあるものを、望ましくない状態と同じように、一部負担をさせるという理由はどこにもないじゃないかということが反対の一点であります。  第二は、この改正によりまして、すなわち一部負担をさせることによって、医療給付を高度化するのだと、そのために改正するのだと、こういう御説明でございますが、医療給付は高度化されない。現状通りの医療給付をしておって、赤字が出たものを埋めるための一部負担制でありますから、一部負担制というものだけを乗っけましても、医療給付が急に高度化することにはならないと思う。こういう点、御説明内容がうなずけないのであります。  第三点は、この一部負担ということをもって特に医療給付の合理化をしようとしておるわけでございますが、一部負担というものを特別掛金をかけておる組合員負担をさせなくてもいいんじゃないか。わかりにくい言葉を申しますが、率直に申し上げますならば、一体組合員でも国民でも、これは皆税金を払っておる。その税金の使途というものが、税金がどう使われるかということがわれわれの大きな関心の一つです。少くともこの税金によりましてもこの一部負担ということが行われて、われわれの給付なりその他の問題が解決されるということでなかったらわれわれが税金を払う意味がない、税金はほかのところへ使われる、最低のわれわれが保障をしてもらいたい医療給付なんかは自分で負担をする、こんなばかげた話はないじゃないか、こういう建前からも、一部負担というものはもっと合理的に、財政政策の上から解決をされるべきもので、医療給付を受けなければならない個人だけに一部負担をさすべき筋合いじゃない。  こういう点を総合いたしまして、遺憾ながら私は賛成しかねる、こういう結論を打ち出したわけでございます。
  48. 森八三一

    ○森八三一君 私は、ただいま議題になっている市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、大沢委員の御提案であります修正を加えまして、原案に賛成をいたすものであります。ただ、特に、この改正運営に関しまして、質疑の過程でも明らかにされたし、さらにただいま加瀬委員の反対要旨の御説明にもありました一点、すなわち、健康保険法改正に伴う改正のことに関しまして、改正の第二点では、公務員の待遇が合理的に改善されるという内容を示しており、今申しまする第一点では、このままに遂行されますれば、逆の状態が生まれてくるということでありますが、しかし、法律の中には、そういうような結果になりませんような処置を規約等で定めるということがありますので、この規約で定める等の指導につきましては、最善を期せられまして、組合員負担がいたずらに過重になりませんように、最善の留意を希望をいたすのであります。
  49. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御発言もなければ、討論は終局したものと認め、市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案について、直ちに採決に入ります。  まず、討論中大沢君より提出されました修正案を問題に供します。本修正案に賛成の諸君の挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕
  50. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 多数と認めます。  よって、大沢君提出の修正案は可決せられました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案全部を問題に供します。修正部分を際く原案に賛成の諸君の挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕
  51. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 多数と認めます。  よって本案は、多数をもって修正議決すべきものと決定をいたしました。  なお本院規則第百四条による本会議における委員長の口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御  一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたしました。  それから、報告書には、多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を修正議決することに賛成の諸君は、順次御署名を願います。   多数意見者署名             大沢 雄一             吉江 勝保             安井  謙             館  哲二             森 八三一             吉田 萬次             小柳 牧衞             小林 武治
  53. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十九分散会