○加瀬完君 私は、国と
地方とを見れば、国の方に税源が片寄り過ぎている。もっと税源の偏在というものを
地方の方へ持ってきていい
部面というものがあるのじゃないか。
地方自体から見ても、税源が偏向し過ぎておって、一部の富裕の団体はますます富裕になる。貧弱団体は、このような税の
改正をしても、それほどは暖まってこない。こういう偏在の問題というものを基本的に
解決をしていかなければ、税制の
改正という目的が達しられないのじゃないか。こういう点は、これからまた審議される
法案にも
関係があるわけでありますから、そのときに伺いたいと思います。そこで、こういう傾向がさっぱり今度の
改正で
是正されないという具体的な私は二、三の点について伺いたいと思うのです。たとえば、先ほどからも質問に繰り返されておるわけでありますが、船舶税というものを、客体の
評価を低くする、あるいは軌道
関係で、外形標準の課税をしておったんですけれども、これを
所得にする。とういうふうにして参りますと、結局
地方の収入が減ってくる。しかしこれは、税の不合理を
是正するという建前ですから、非常にそれは一面において不合理の
是正という点はいいと、それなら、他の面にも不合理
是正という線を一本貫かなければだめじゃないか。たとえば、このままでいくならば、私は、
地方の
住民税は、ある
程度均等割がふえてくるという傾向を捨てておけばたどらざるを得ないと思うのです。また、事業税などにしても、今度は六%下げられたわけでありますが、何といいますか、勤労を提供して、ほとんど勤労
所得と見た方がいいと思われるような、大工とか左官とか板金工とか、こういうものが若干の請負類似の行為をするからといって、これをやはり六%にしておくといったようなことは、不合理
是正という線を貫くなら、ここらにも若干不合理が残っているのじゃないか、もう少しあんばいのしようというものがあるのじゃないか。こういうことも私は
考えられるのじゃないかと思う。あるいは大衆普通飲食税と芸者の花代の問題は、きのうたびたび論ぜられましたが、それでもやっぱり不合理というものは、その中にもきのう御説明があったように若干残っている。不合理の
是正ということであるならば、不合理の
是正をどこまでも正していくということでなければ
意味がなくて、何かこう、一部の面には非常に不合理の
是正という名のもとに
減税の
措置、あるいは課税対象から除くという
措置を講じているけれども、一面では、当然この不合理の
是正がさるべき面をそのまま取り残しておる。こういう点がまだ残っておるのじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。具体的に伺いたい点は、たとえば、不合理の
是正をしたことは、それでけっこうです。それならば、見合って、事業税あるいは
住民税等、そういうところでも、不合理の
是正というものが当然行われるはずであるのに、こういう点が残されておる面がないかどうか、こういう点です。