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政府委員(
奧野誠亮君)
芸者の
花代を下げることに特に熱心だという御批判でございますが、私
たちはどちらかと言いますと、
時代の
環境によりまして、こういう
税率は思い切って下げたり、思い切って上げたりしていい性格のものではなかろうかと、こう思っているわけであります。
時代の
環境が、たとえば戦時に際しましては思い切って
税率を上げ、多少無理でありましても、そういう雰囲気というものがある程度
徴税を強行することができるかもしれません。しかしながら、他面、
業態がいろいろ変ってきているということもあわせて検討して行かなければならないのではないかと思います。そういう
意味におきまして、昔は上げることにも下げることにも、かなり割合に強く線を出しておったと思うのであります。しかしながら、今日におきましては、むしろ
遊びごとが和風から洋風に変ってきたというような表現もできるのでありますけれども、
実態が非常に違ってきたのじゃないだろうか。そうしますと、
芸者関係の
業態にだけ特にこういう
税率のきめ方をして行きますと、圧迫を加えるということになるわけでありまして、そのことが現在の
日本において必要かどうかということになりますと、これもまた
一つの問題だと思うのであります。抽象的に、私
たちも
芸者関係のような
消費につきましては、
相当な税を
負担してもらってよろしい、こう
考えます。ただしかしながら、
類似形態におきまして、
花代形式の
料金のきめ方が行われていない、税の面からこれを強制することにも無理があるのじゃないか、
芸者関係についてだけそれを強制する結果が、この
業態を特に強く圧迫するということにもなってくる、それの適否も
考えられなければならない。そうしました場合には、やはり
キャバレー業界におきまする
消費につきましても、
芸者関係におきまする
消費につきましても、同じような
租税負担を求めて行くことが、むしろ
負担の
均衡化、
合理化に合致するのじゃないか、こう思うわけであります。その場合に、どのような
税率において
負担を合わせて行くかということになりますと、その際に、
税務行政上円滑に行われるかどうかという配慮も加えて行かなければならないと思うのでありまして、そういう
見地を合せ
考えまして、今回の
措置を講ずることにしたわけでございます。
加瀬さんのおっしゃること、よくわかります。よくわかりますが、同時に今申し上げたような、
業態が非常に変遷してきておるという問題、
税務行政円滑化の
見地から
負担の
均衡化を講じて行かなければならないという点、そういう点から今回の
改正案になっておるわけでございます。なお御質問のございました三十年度の
花代課税分でございますが、
調定額は十四億五千七百万円でございます。
収入済み額はこれより若干少いわけでございますとが、ただいまその
数字を持っておりませんので、
調定額で一応御了解を願いたいと思います。