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1957-03-29 第26回国会 参議院 地方行政委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十九日(金曜日)    午前十時三十九分開会   —————————————   委員の異動 本日委員前田佳都男君及び新谷寅三郎 君辞任につき、その補欠として森田豊 壽君及び鈴木万平君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     本多 市郎君    理事            大沢 雄一君    委員            伊能繁次郎君            伊能 芳雄君            小柳 牧衞君            鈴木 万平君            館  哲二君            安井  謙君            占部 秀男君            久保  等君            鈴木  壽君            成瀬 幡治君   衆議院議員    亀山 孝一君   政府委員    自治政務次官  加藤 精三君    自治庁財政部長 小林與三次君    自治庁税務部長 奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   参考人    一橋大学学長  井藤 半弥君    地方財政審議会    委員      荻田  保君    茨城県知事   友末 洋治君    栃木県足利市長 木村 浅七君    日本トラック協    会常務理事   小野 盛次君    全国鮨商組合連    合会副会長   篠原耕一郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○地方交付税法の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査) ○市町村職員共済組合法の一部を改正  する法律案内閣提出) ○公営企業金融公庫法案内閣提出、  衆議院送付) ○連合審査会開会に関する件   —————————————
  2. 本多市郎

    委員長本多市郎君) これより、委員会を開きます。  本日、前田佳都男君、新谷寅三郎君が委員を辞任されまして、森田豊壽君、鈴木万平君がそれぞれ補欠選任されましたので御報告いたしておきます。   —————————————
  3. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 昨日、地方税法の一部を改正する法律案衆議院から修正の上、本院に送付されて参りましたので、本日はまずこの修正点について衆議院側より説明を聴取いたします。
  4. 亀山孝一

    衆議院議員亀山孝一君) 地方税法の一部を改正する法律案に対しまする衆議院修正理由を申し上げます。  軽油引取税は昨年御承知のごとく揮発油税に対する課税との均衡上、道路費に充てるための目的税として創設せられ、その税率は一キロリットルにつき六千円とされているのでございますが、今回政府からその税率を一キロリットルにつき三千円を引き上げて九千円とする改正案が提出されたのでありまして、その改正理由揮発油に対する課税額引き上げに対応して引き上げるということにあるのであります。しかるところ揮発油に対する揮発油税及び地方道路税税率は、政府原案にあります六千五百円の引き上げを、目下のところ五千三百円の引き上げにとどめるよう修正されるような状態でございます。つきましては軽油自動車の最近における増加にかんがみますれば、揮発油燃料とする自動車と、軽油燃料といたします自動車との間に負担均衡をとるため、軽油税引き上げ揮発油課税に準じて行うことも必要でありますので、揮発油課税を五千三百円引き上げると同じ引き上げ割合といたしますと、軽油引取税につきましては二千四百四十六円の引き上げと相なるのであります。よって二千四百四十六円につきまして、端数を整理いたしまして二千四百円引き上げることが適当と考えるのでございます。従いまして政府原案の一キロ九千円を八千四百円に修正をいたしました次第でございます。  以上が衆議院におきます地方税法の一部を改正する法律案に対します修正理由でございます。
  5. 本多市郎

    委員長本多市郎君) ただいまの御説明に対する質疑は、法律案に対する質疑の際にあわせて、行うことにいたします。  次に、本日の参考人各位の御意見を伺うことといたします。  なお議事の進め方について委員各位に申し上げまするが、午前は地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の両案につきまして、ただいま御出席の方は三名でありますが、午前中四名の方の御出席の予定でありまして、その方々の御意見をお伺いいたし、質疑をお願いいたしたいと存じますので、この点あらかじめ御了承願っておきます。  これより御意見を伺うわけでございますが、その前に参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用のところ当委員会のために御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。私どもといたしましては、各位のそれぞれ専門的な立場からの御意見を十分に拝聴いたしまして、今後の法律案審議に資したいと考えておる次第でございます。どうか忌憚なき御意見開陳をお願いいたしたいと存じます。  なお最初に、大体お一人十五分程度で御意見をお述べ願い、その後委員から種々質問を申し上げますから、その際は簡単にお答えをいただいて議事に協力をお願いいたしたいと存じますので、この点またあらかじめお含みおき願います。  それではまず一橋大学学長井藤半弥君より御意見を伺います。
  6. 井藤半弥

    参考人井藤半弥君) 一橋大学学長井藤半弥であります。地方税法の一部を改正する法律案並びに地方交付税法の一部を改正する法律案を中心といたしまして、地方税に関する卑見を開陳いたします。学校教員であります関係上現実問題に関する知識が不足しておりますので、申し上げますことはとかく一般的であり、多少教科書風になりますきらいがございますのもあらかじめ御了解願います。実は三十五、六分間の原稿を作って参りましたが十五分、大いにその辺は心得ておりますので、十五分で何とか終るようにいたします。  まず、ちょっとやはり学校教員一般論をやりますので、これはやはり各論に関係ございますので、お許し願いたいのでありますが、現在の地方財政特性であります。現在地方財政には、もちろん日本のことでございますが、現在日本地方財政には次の二つ特性があると思います。一つ公債費の累増であります。これについてはここで触れません。それから二番は地方独立税地位が低いということであります。三十年度の決算を見ましても、全国地方団体歳入のうち、地方独立税はわずかに三三%であります。ことにそのパーセンテージは府県において特に低いのでございまして、昭和三十年度では府県では二四%であります。ある統計では二五%でありますが、大体二四〜二五%。それから市町村が四五%、こういうふうに低いのであります。ところが由すまでもなく、資本主義社会における典型的な歳入は何かと申しますと、申すまでもなく税金であります。ところが資本主義社会におきまして、こういうふうに税金がその地方団体歳入において占めておる地位がかくも低いということは、何といっても変態現象であるということは申すまでもないことであります。これは全国平均でありますが、これも皆さん御案内のことでありますが、個別的に見ると、この不均衡というものはこの状態がかなりはなはだしいものがあるのでございまして、たとえば昭和三十年度の決算申しますと、東京都はやはり金持ちが多いのであるか、税金地方歳入に占める地位が五三%、大阪府が五〇%であります。ところが貧乏府県では非常に少くて、最低を取りますと、鹿児島県と徳島県はともにわずかに九%であります。それはなぜこうなったか、これは申すまでもないことでございますが、富の力に大差があるからでありまして、昭和二十九年の分類所得全国一人当り平均を一〇〇といたしますと、金持ちの多い東京都は一人当り一五五、大阪府は一五三であります。一番貧乏なのは鹿児島県でございましてわずかに五四であります。こういうふうに富の力が違うために税金収入は少いのであります。ところが経費の方はどうかと申しますと、現在の地方団体には次に述べる二つ特性がございますために、経費というものはとかく各地方団体同一であって弾力性が少いのであります。二つ事情とは何かと申しますと、地方団体のローカル・カラーがなくなったということで、交通の発達あるいは大企業全国支配力の強化その他同じ全国同一の原因によって、地方行政経済が左右されますために、地方団体特性が減ってきたのだ。それから二番は地方行政事務最低限を確保する要求、たとえばデモクラシーの発展のために国民としてどうしてもなすべき、また国民のためにどうしても行うべき最低限度がございます。こういう二つ特性がございますために、地方団体経費というものはどの団体を見ても、貧乏な所でも金持ちの所でも大体同じような傾向を持っております。それからもう一つ弾力性が消えまして、節約せよといっても節約することができない。これが現状であります。  そこでこれの対策でございますが、対策抽象論といたしましては地方独立税を強化する。これはまあ望ましいことでございますけれども、富の力が違いますので、地方独立税を強化するだけではとうていこの地方団体財政難を打開することはできない。そういたしますと結局は中央政府による調整の必要ということがやむを得ぬことであります。昔のような身分相応地方自治身分相応のこの行政事務をやってなるべく独立税でやれといってもやれないような事情になっております。これはやはり中央政府による調整の必要が大であります。それで以上申しましたことを前提といたしまして二つ改正法案について申します。  ます順序を逆にいたしまして地方交付税の問題に触れますが、結論だけを申しまと、現在日本では地方財政中央政府による調整のための手段が非常に多過ぎるのであります。次の五つのもの、と申してもこのうちもちろん特別とん税譲与税のようにまだ審議中のものもございますが、それを入れますと五つ地方財政調整方法が現在むしろ併立しておるのであります。一番に、申すまでもなく地方交付税、第二番に入場譲与税、第三番は地方道路譲与税、四番は審議中の特別とん税譲与税であります。そのほかに都道府県並びに市町村たばこ消費税というものは、税法では地方独立税の中に入っておりますけれども、私はこれは実質はやはりこの交付税ないしは譲与税の性質を帯びておると思うのであります。と申しますのはたばこ消費税納税義務者専売公社でありまして、各地方団体が勝手に税率と上げ下げはできないのであります。これは名前は消費税になっておりますけれども、私はこれは譲与税と考えております。こうしてみますと、現在日本には特別とん税譲与税を入れまして五つ調整財源があります。非常に複雑なんであります。私はこれを講義する前に前夜下調べをしていかないといつも間違える事ほどさように複雑でございまして、複雑であるということは、制度が複雑の場合にはやはり複雑になるのはこれはやむを得ないのでありますけれども、この複雑であってしかも五つ併列するためにその間の統一がとれない。一つにまとめますとうまくでこぼこ調整ができるのでありますが、五つが併列しておるために不統一であるということ、そのほかに地方交付税を除きまして残りの四つは、この収入地方団体に配分する標準が、人口であるとか面積であるとか、道路面積などきわめて粗野な一、二の基準をもととして配分いたしましたために、地方財政難打開の方策としては必ずしも当を得たものでないと思うのであります。私は多少空論申しますけれども、この五つ調整財源地方交付税一本に統一するのが望ましいと考えております。ところがこの一本に統一した場合に現在日本交付税制度には欠陥がないかと申しますと、私は、いろいろございますが、次の二つの点において大きな欠陥があると思います。  まず第一番は交付税の総高を全額で地方団体に幾ら出すか、その総額でありまして、これが所得税法人税、酒税という三つ国税収入一定割合、現在は二五%と法定されておる制度自体が私はよくないと思うのであります。私は結論申しますと、昭和二十八年度まで実施されておりました昔の地方財政平衡交付金制度の方が、制度としてよかったと現在では考えております。この変更のときも私はそういうふうに考えておりましたが、現在も考えております。といいますのは地方団体のこの財政を幾ら調整すべきかということは、この種々雑多の事情によって決定されるものでありまして、三つ国税収入のある一定割合にするということは、便宜ではありますけれども事実にどうしても適合しない。それで論より証拠でございまして、昭和二十九年からこれを実施いたしまして、毎年この交付割合を変更すべき法案国会に出ております。これは建前としては容易に変えないということであるにもかかわらず、毎年この修正の必要があるということは、やはりこの制度に無理があることを事実によって証明しておるのであります。だから私はこの交付税を昔の地方財政平衡交付金制度に変える方がいいと考えております。そこで交付税税率を、現在問題になっております案は、二五%を二六%に引き上げようというのでありますが、私はこの案に賛成であります。これは毎年変えなくてはならぬのですから、毎年変えるぐらいだったらば平衡交付金の方が私はいいと考えております。この方がより合理的です。  それから二番の欠点は、やはりいろいろございますが、多く言われておることは、基準財政需要基準財政収入差額を補給するとかいうことになっております。あるいは基準財政収入の方が基準財政需要よりも多い場合は、この交付税はもらえないで、その差額で自治的な仕事をせよということになっておるのでありますが、東京都や大阪府やその他大都市のような財力の豊かな所ではそういうことができるのでございますが、貧困都市でかりに基準財政収入の方が多い所でありましても、それでいろいろ自治的な活動をしようといっても、絶対額自体が少いのでございますので無理があるのではないか、こういうふうに考えております。地方交付税はそれだけ。  今度地方税について申しますと、御案内通り国税地方税を通算いたしますと、それの国民所得に対する割合は、昭和三十二年度は一九%、これは政府発表の数字、これが日華事変の前の昭和十年は一四%でありますが、それらの国民所得に対する割合から見ますと、国税地方税を通算いたしまして一・三六倍になっております。三割六分ふえております。ところが租税負担能力に対する割合負担能力と私がここで申しますのは、私はたえず国会公聴会や各委員会で申し上げておることでありますが、国民所得から食費をとって、これが最小生活費を現わすと仮定いたしまして、それで国民所得から食費をもって代表される最小生活費を除いた残り、これを負担能力と解しまして、租税負担能力に対する割合をやはり同じその年度について計算をいたしますと、昭和三十二年度で三四%であります、十年は一九%であります。両方比較しますと、昭和十年に比べて一・八倍、すなわち八割だけ重くなっておるのであります。租税国民所得に対する割合を考えますと三割六分重くなっております。租税負担能力に対する割合から申しますと八割重くなっているということになっておるのであります。われわれ一般論といたしまして、この現在の税金は確かに重いのでありますので、この国税地方税を一通じて減税する必要があるということは、争うことのできない事実であります。それから地方団体におきましても常に減税し得るところは大いに減税をやってもらいたいですが、先にも私が申しましたように、国家の場合と地方団体の場合とは事情が違いまして、国家の場合は大いに減税しようといっても、地方団体の場合は、税金地方団体歳入において占めておる地位がきわめて低いために、この減税要求は一方にあるのでございまするけれども、また他面におきまして、もっとこの税金収入地方団体歳入において占めておる地位を高めるということが、どうしても必要になってきて、おるのでございまして、ここにやはりこの地方税の改革のむずかしさ、また人民による人民側の抵抗というものが出るのであります。  そこで個々の税金について私の意見だけを申し上げますと、まず住民税であります。すなわち所得割り課税標準や、制限税率引き上げでありますが、私はこれはやむを得ないと考えております。簡単に申しますと賛成であります。国家の場合と違って、ある部分の人たち国税地方税を通じまして増税になります。大臣の提案理由説明によりますと、千三百万円以上の人は増税になる。これはやむを得ません、これは金持ちだ。ただしそれはやはり全体からは減税になるのであります。しかしながらこの制度改正はかりにいいといたしまして、この富裕府県富裕都市は、やはり実質的にうんと減税に努力すべきであることは、言うまでもないことであります。  そこで、現在の住民税制度欠陥として、私は上げなければならぬことは、次の事実だと思っております。それは、同じ府県における府県民税が、しかも同じ府県における同一額の同じ種類所得者、たとえば一年に五十万円の勤労生活者で、夫婦子供三人、二人でもどうでもよろしいが、同じ額の同じ種類所得者府県民税が、同じ府県でありながら市町村ごとに違うということ、これはどうしても理論的におかしいのであります。今度の改正によりまして、この市町村間の違いは緩和されましたけれども、市町村民税について五つ課税方式が行われて、しかも市町村でまとめて府県民税をとる限りは、どうしてもこういう現象は起るのでありますが、しかしながら、やはり理屈といたしましては、府県民税はやはり府県がかけるべきである。そして同じ府県市町村の間に差ができるということは、理屈として変だと思っております。  次は事業税、これを今度は軽減されるというのでありますが、これに私は賛成であります。ただ申し上げたいのは、事業税というのは、事業税地租家屋税、この三つが寄って収益税体系が、従来日本にでき上っておりました。ところが地租家屋税固定資産税という形へ変りまして、事業税収益税体系の解体後も残っております。そのために日本租税体系からいうと、どうもこの収益税というのはすわりの悪い地位にあるのであります。そこで、もしこの事業家減税をするならば、法人税所得税減税をせなんで、事業税減税をやるのが望ましい。法人税所得税について負担を軽くいたしますと、ほかの種類所得との間に不均衡が起りますので、もし事業者負担を軽減するならば、事業税負担を軽減するのが一番いいと考えております。  そこで、現在事業税制度の一番の欠陥は、農業事業に対する非課税、これは臨時税制調査会の答申で、農業事業税をかけるようにという案がありました。私はこの案は賛成でありますが、これが今度の改正案に見送られたということは遺憾に思うのであります。それは農業者負担がきわめて低い。そのために地方住民税所得割りを見ますと、非常にでこぼこがあって農民の負担が不当に軽くなっております。計数については時間の関係で省きます。そしてまたこの事業税についての今度の政府改正案で反対したいことは、地方鉄道及び軌道事業課税標準を、収入金額より所得に改めたということ、私はこれはむしろ逆行である、改悪であると考えております。私は、事業税というものは、各事業地方団体から受ける判益に対する報償という意味をも加味いたしまして、課税するのが望ましいと考えております。わが日本では御案内通り電気ガス保険事業や、今申しました地方鉄道軌道事業におきましては、外形標準が行われておって、これは例外になっておるのでございますが、私はこの例外原則にする方が望ましいと考えております。ところが今度は、またこれが地方鉄道軌道事業課税標準所得に改められたということは、私は改悪じゃないかと考えております。しかし事業税外形標準によって課税すると申しましても、これは損をした場合も税金はかかるのでございますので、税率は低率でなくちゃならぬ。  それから今度は遊興飲食税であります。あれについて、問題は芸者花代三〇%が一五%に下った。私はこれは学校教員空論のようかもしれませんけれども、芸者花代というものは、何といっても典型的な奢侈税で、こういうこの典型的な奢侈税を三〇%から一五%に下げるということは、やはりいろいろ事務当局におかれては、この芸者芸者以外、そういうものと類似のものとの間の均衡とか、いろいろなことを考えておられると思いますけれども、その方は何とか御努力願って、やはり下げないようにしていただきたい。もっと私ははっきりしたことを言うと、両方そろえるなら、現在一五%かかっている人を上げる方がいいのじゃないかと考えております、三〇%の方に皆平等にさせるのだったら。少し乱暴かわかりません。  今度は電気ガス税でありますが、また電気ガス税がかからないような産業や団体がふえるのであります。ところが御案内通り租税特別措置がいろいろ負担均衡上弊害があるというので、国税がだいぶ整理が行われたのでありますけれども、地方税では必ずしも十分な整理が行われておりません。むしろこれはふえるということであります。ふやすことについては理屈はあることでありますけれども、しかしながらこれは一般の考え方と少し逆行するのではないかと考えております。  次は固定資産税の問題、大規模償却資産に対する特例として、府県でも固定資産税を課することになっておりますが、あのために制度が非常に繁雑になっておりまして、私は前から主張しているのでございますが、固定資産税は、本税は府県がかけて、市町村付加税を取るようにする方がいいのじゃないかと考えております。こうすることによりまして、制度がきわめて簡素化されます。それからまたこの評価の統一ということが行われますので、私はこの府県税を本税として、市町村税付加税とするのがいいと考えております。もちろん本税と付加税と比べまして、付加税の方の税率を本税よりも重くしなければならないというようないろいろな事情がございますが、制度といたしましては、固定資産税国税から府県税に移す方がいいと考えております。  それから入湯税でございますが、これについてはあまり私は言うこともないのでありますが、近ごろの地方財政の動向をみますと、目的税が非常にふえる傾向があるのです。現在府県には御案内通り軽油引取税水利地益税共同施設税国民健康保険税、これにまた入湯税が新たに加わる分でありますが、私は、目的税というものにももちろん意味はございますけれども、これは会計統一原則に反するのであります。ちょうど一般会計に対して特別会計があまり多くなるということが、国庫統一原則に反するのと同じように、目的税がふえるということは、会計統一原則に反するのでありまして、目的税をふやすということは、増税をするのには便利なんです、取った金はひも付でこういうふうに使うのだからというので、便利でございますけれども、しかしながら会計統一原則に反するのでございます。ちょうど特別会計がふえるのと同じこと。それで私はやはり目的税はむしろ減らしていただきたいのであって、ふやすことは反対であります。これをもって私の意見開陳を終ります。
  7. 本多市郎

    委員長本多市郎君) ただいまの御意見に対しまして、質疑がございましたら御発言願います。参考人の方は、最後まで聴取が終っての質疑の機会は困難かもしれませんから、ありましたらどうぞ。大へん長く待っていただくことになりますから、簡単な質疑ならば、一人々々終了してお帰り願った方がいいかと思います。……それじゃ質疑ありませんから、井藤参考人、まことにありがとうございました。  次に地方財政審議会委員荻田保君にお願いいたします。
  8. 荻田保

    参考人荻田保君) 両法案につきまして、私の考えました点をお述べ申し上げます。  地方税法及び交付税法につきまして、いろいろ改正がございますが、個々の問題につきましては私は大体妥当で、特に意見がないのでございますが、時間がありましたらその点はあとでつけ加えることといたしまして、それよりもむしろ根本の問題であります両法案を通じての地方財政との関係、これが私は最大の問題だと思いますので、この点につきまして申し上げたいと思います。と申しますのは、地方税交付税もいずれも地方団体歳入でありまして、結局こういうものがあるということは、つまり地方団体が行政をやってゆく上において金が要る。その金の財源をこの二つによって与えるということになりまするから、いずれにいたしましてもこの地方税法交付税法がよいか悪いか、つまり改正がよいか悪いかということは、この地方団体に財源を付与することが十分できているかできていないかということが大きな問題だと思います。従いまして、そういう意味におきまして総括的にお話を申し上げたいと思います。  まず、そういう意味で少し法案を離れますけれども、一体最近の地方財政の状況をどう見るかという私の考えから申してみたいと思います。この点につきましては、三十一年度におきまして政府及び国会のいろいろの御努力によりまして、かなり改善がされてきたと思いまするが、まだ三十一年度に行われました改正におきましては、多少残された問題があって、これを三十二年度において解決しなければならない、こういう状態にあるのだと私は考えておる次第でございます。そこで、その問題点がどこにあるかということでございまするが、時間がありませんので、きわめて大筋の点だけ申し上げますれば、私は二つあったと考えております。一つは、いろいろの制度において地方団体に対して与えられたこの財源が、そもそも十分であったかどうか、これを裏返して御説明申し上げますれば、結局地方財政計画によって認められておるところの地方財政の規模、これが一体現在地方団体に課せられているところの行政をやっていくのに十分なワクであるかどうか、この点が非常な問題だと思います。なおもう一ぺん言葉をかえて申しますれば、現在の与えられているところの地方財源つまり地方財政計画の総ワクによって、果して地方の行政水準というものが維持できるのか、この点が私は最大な問題だと思います。それからもう一つは、これは先ほど井藤先生も御指摘になりました地方債の問題だと思います。地方債の問題といたしましては、さらにこれを二つに分けますれば、一つはこの地方財政歳入構成におきまして、地方債をかなり見ておりまするが、これが果して正しいものであるか、この点でありまするが、これは結論申しますれば、私はまだ一般財源つまり税なり交付税、これをもって措置しなければならないものが、それが不足するがゆえにやむを得ず地方債におっつけられている、こういう部分があるように私は考えるのであります。もう一つの問題は、起債の償還費の問題であります。大体今一般会計におきまして五千八百億くらいの公債があると思います。その償還費が八百億近いもの、しかもこれがここ数年間は年々百五十億くらいのものが増加していくという傾向にあります。この償還費に対してどうするかという問題でございます。これは結局過去に起した地方債の償還をいたすのでありまするから、過去に起した地方債というものが正しければ何らこれは考慮する必要はない、つまり起債というものは申すまでもなく借金でありますから、起すときにその償還のことまで考えておかなければならぬ、従って、その趣旨によって今までの起債の政策が運用されておるならば、何らこれは問題にするわけではありませんが、遺憾ながら過去におきましてはそうでなかったのです。つまり国、地方を通じての財源の関係等から見て、現在国、地方を通じてやる行政についての税源、結局税だが、税が確保できない、そこで税が不足する、その不足額をやむを得ず公債に求めたのだ、しかもその公債に求めるために、国の方は一文も出さずに全部地方団体に押しつけておった、この地方債は御承知のように決して地方団体が好きこのんで勝手にやっているものではないのでありまして、全部総ワクといたしましては政府の作ります地方財政計画の中に入っております。個々の地方団体に対しまする許可も、これすべて全部政府の一件々々許可を受けておるのでありまするから、これは決して地方団体自体で勝手にやったのではなく、これは国の責任が半分以上であると申して過言でないと思います。このような政策によって行われました起債が、積り積ってきまして、今五千八百億円あります。この五千八百億円の中に、起債本来の趣旨から見て妥当なもの、これはもちろんあります。しかしその中の大きな部分、この部分を正確に私は今計算することはできませんけれども、かなり大きな部分が、先ほどから申しておりますような、一般財源が足りないからやむを得ず地方債によらしめておった、こういう額があると思います。従って、この償還が始まりますれば、この償還については、これは地方の責任だということでほうりっぱなしにすることはできない、やはりこれは政府が責任を負わなければならない問題だと思います。これは何も法律には書いてないと思いまするけれども、政治的、常識的に見て当然のことだと思うのであります。  で、私は、今申しますように二つの問題、これに対して三十二年度どう処置するかという問題になってくると思います。ところが幸いにしまして、地方歳入におきまして非常に自然増収が多いのであります。経済界の好況によりまして、税及び国税の増によりますところの交付税の増加、これによりましてかなりの額と思いますが、私の計算では、大体税で、これはもちろん税法の平年度化分が入っておりまするが、七百二十億円、交付税で三百八十億円、合計千百億くらいの自然増収がある、これだけの自然増収がありましてこれが確保できますると、先ほど申しました地方財政のワクの問題及び地方債処理の問題等がおのずから解決がつく、こう考えてもよいと思うのでありまするが、ところがここに一つ国税におきまして大幅な減税が行われ、その影響が地方財政に及んできたのであります。これは御承知のようにこまかい問題は別にしまして、大きな筋としまして、一つはこの所得税減税によりまして住民税が減ることであります。これはもっとも三十二年度の問題ではございませんで、三十三年度以降になりまするが、大体平年度で二百二十八億という数字を見ております。それからもう一つ交付税、この基礎にあります三国税減税によりまして大体二百二十億円、結局合計いたしますれば四百五十億円くらいのものが、制度をこのままにしておけば、それが減ってしまう。そうなりますると、残されておる地方財政の問題を解決するのに、せっかく期待しておりましたところの自然増収が半ば近くも取られてしまう、こうなりますれば、これは何とか他に別の手を打たなければならぬ。従いまして問題としましては、まずこの国税減税に伴いますところの地方財政へのはね返りを食いとめるということが第一点、それが食いとめられなければ、ほかのかわりの方法を打たなければならない、これによってようやく地方財政は健全なべースに戻るのではないかと、こう考えます。  そこで、その対策の問題でありまするが、一つはまず税の方から申しまして、住民税につきましては、結局これは国税については国庫財政の状況によりまして減税可能な部面、そのような状態が、当然に地方財政にくるとは考えられない、地方財政地方財政独自によって減税財源ありやなしやということを判断しなければならない、ところが今の制度がそのままでありますると、今申しましたように自動的に住民税が減ることになっております。ここに一つ制度的に問題がありまするが、その点は別にしまして、そのような制度になっている以上は、やはりこれは住民税国税減税によっても減収しないように、適当な措置をしなければならぬのであります。ところが御承知のようにこれをいたしますると、かえって増税になってくるというような人が出てきます。あるいはまた地方税につきましても、今の国民負担の状況から見まして、先ほど井藤先生もおっしゃいましたように、これをなるべく減税する、しかもそれは直接税において、ことに所得税系統のものにおいて減税することが望ましい、従いましてこれは必ずしも全部割り返して元通り取れるというふうにすることについては問題がありますが、具体的にはこの法案に組まれておりますような程度が最も妥当ではないかと思います。しかしそのかわり、そこにかなりの減収が、大体平年度におきまして百億をこえるくらいの減収をきたす、この改正案によりましてもなるのであります。そこで、そういうものをひっくるめまして、地方税全体を考えなければならぬのでありまするが、その場合に、やはりこの住民税と並びまして、直接税であります事業税につきまして、小額所得者に対する軽減が行われましたが、私はこれも適当だと思います。従いまして住民税なり事業税なりによりまして、そのような減税を行いますと、どうしてもその穴埋めが要る。その穴埋めを何に持ってくるかということでありますが、これも先ほど井藤先生のおっしゃいました意見と私同じでありまして、今ですら地方におきましてはつまり地方税の財源が足りないのであります。そのパーセンテージが非常に低いのであります。従ってこの穴埋めをするのに他の歳入をもってするということは、なるべく私は避けるべきであって、税の減収はもちろん税でもってふやして埋める。あるいは埋めるどころか、もしできれば他のいわゆる依存財源を税財源に振りかえるという、こういう方法すら考えていいのでありましょうが、遺憾ながら今度の改正案ではできていないという点があると思うのであります。  それから次に交付税に対する考え方であります。これは今申しますように、この国税減税をそのままにしておきますると、大体二百二十億からの減収になる。従いましてこれは交付税本来の趣旨からいたしますれば、私は国税制度改正によって生まれてきたところの減収額は、これはかぶらないように機械的に率を割り返してはね返す。もちろんほかの財源によって、先ほど申しましたように、これを税に振りかえて補てんするということももちろんけっこうでありますが、そのほかのことは別にいたしまして、交付税だけを考えれば、これは割り返してやるということは、これは当然のことだと思います。私は過去におきまして地方財政関係に従事しておったとき、もとの配付税制度、これが昭和十五年から昭和二十四年まであったと思いまするが、これが常にそういう気持でもって運営されてきた。配付税が交付税になっておりまするから、その点に差はありましょうけれども、この考え方は私は同じじゃないかと思うのです。なおこの点につきまして、現行制度から申しますればそういう結論になりまするが、私はこの制度根本につきましても、これもやはり私は井藤先生のおっしゃいましたと同じように、今のこういう状況のもとにおきまして交付税の率をきめれば、それだけが地方団体歳入なのだから、あとは勝手にしろ、いわゆるあてがい扶持というような言葉を使われておったと思いますが、そういう考え方に私は反対なのでありまして、このような国及び地方の行政及び財政関係が非常に錯綜しており、しかも、それが毎年度非常に激変するような、安定しない情勢のもとにあるときにおいて、この交付税の率を一ぺんきめてしまったらそれきりだという考え方に私はむしろ反対で、むしろ私はもとの地方財政平衡交付金の方がよかったと思っております。思っておりますけれども、現行制度はそうではなくて、交付税制度になっておるのでありまするから、これはその制度本来の趣旨によりまして、私は割り返しと申しますか、必ず確保できるようにしなければならぬと思います。ところがそのためには二八・〇五でありますか、そういうパーセントにしなければならないにかかわらず、わずかに一%ふやして二六%になっております。これによりましてやはり百五十億円程度の地方財源というものが奪われておるのでありまして、こういうことは最も好ましくないという感じがするのであります。そこで、その二つのこの減収というものが補てんされなかった、十分に補てんされなかったということが、先ほど冒頭に申しましたこの地方財政の総ワクの問題及び公債費の問題に重大な関係があると思うのであります。  そこで、そのような趣旨からもう一度考えてみますと、この地方財政規模の是正ということにつきましては、今申しますように、せっかくの自然増収のうち、かなりの部分がこの国税減税によって減収しっぱしになって、埋められなかったという点に、きわめて遺憾なところがある。従ってこの計算によりますると、三十一年度の財政計画から見まして、たしか二百億円くらいの改善ができておるのでありまするが、これではおそらく現在の地方団体の実情から見ても不足ではないかと思います。ことに今の数字は財政計画からの比較でございまするけれども、現状から申しますれば、すでに三十一年度におきましては、おそらくまあ税を通じてまあ三百億ぐらいの自然増収はあったのではないかと思うのであります。その三百億の自然増収は、もう現に地方団体が使っているのであります。使っておって、しかもそれで地方行政がうまくいっているかといいますと、私はかなりまだ足りない部分があるのじゃないかと思います。従いまして、財政計画上におきましては来年度二百億円ぐらいの財政規模の是正ができたとしましても、現状から言えば、そういう数字は出てきていないのじゃないか、従って来年度の財政というものが、本年度の現実と比べて、この財政計画のままでありますならば、かなりむしろ苦しくなっているのじゃないか、こういう感じがするのであります。  で、次にもう一つは、地方債の問題に対する考え方であります。これについては先ほど申しましたように二つの問題がある。一つは、この地方債の発行額の是正でありますが、この点は今の一般財源の増加によりまして、地方債の発行額がある程度減らされております。もちろん借りかえ債みたいな不健全なものはなくなっている、しかも一般事業についても変っておりますが、まあこの程度でいいかどうかは多少問題でありますが、この点改善されたことは私は認めなければならぬと思います。  第二の問題、公債費処理の問題でございます。この点がきわめてあいまいになっているのは、私どもは今度の改正で一番遺憾だと思います。この点につきましては、三十一年度本年度におきまする交付税の自然増加を、当然本年度で使わなければならないものを、わざわざ来年度に繰り延ばして、そうしてそれをもって来年度の公債費の増加に充てようというこれはきわめて便宜的な手段が講ぜられております。これでは私は適当でない、この公債費処理の問題について、私は二つ考え方があると思うのであります。一つは、先ほど来申しておりますように、このように公債費がふえますことは、過去における政府のこの地方債政策というものが誤まっておった、従ってこの部分につきましては、むしろこれは国の責任を完全に果すという意味において、簡単明瞭に申しますれば、これはもう総額国庫に肩がわりするというのが私は一番いいと思いますが、そこまでしなくても、元利補給というような措置、この特別の措置、こういう方法でやることがまあこれははっきりする、今後は、先ほど申しますように、地方債の発行額の是正によりまして、こういうふうな地方債は発行されないと思いまするから、問題は過去において起された問題だけでありますから、これは全然別ワクにして、特別の措置をする、これも一つだと思います。もう一つは、これはやはり地方財政のワクの中において解決していくという考え方であります。そうなって参りますると、交付税の率を一度きめたらそれはもう動かさない、その中において公債費も処理していくんだ、こういうまあ考え方ではいけないのでありまして、これはあくまで毎年度いわゆる地方財政計画を作って、プラスの金として考えていかなければならぬと思います。そういたしませんと、先ほど来申しておりますように、毎年百五十億ぐらいずつ数年間ふえますから、従ってふえたものだけはほかの自然増収がそれを償って余りあれば別問題でありますが、そうでない限りは、それだけは通常の経費に食い込んでいく、その経費を食って、つまり簡単に申しますれば、行政水準を低下することによって、過去の起債を償還するという結果になるのでありますから、交付税のワク内において操作するのでありますれば、この率について相当弾力性を持たして、毎年度の地方債の問題を、償還額を考慮に入れていかなければいけないと思います。今度の改正案に盛られている趣旨は、おそらく後者の考え方のようでありますが、しかしながら、その措置は先ほど申し上げましたように、その財源としては当然地方団体が三十一年度において確保しているところの金を、わざわざ来年度に回して使うとか、あるいは来年限りだと、三十三年度以降はどうなるかということはわからぬと、こういうことでは、地方団体としてもよりどころがありますんが、と申しますのは、多少つけ足して申しますれば、たとえば、先般来非常に地方財政再建団体というものができまして、非常に窮屈な財政でやっておりまするが、その最も困っておりますのは公債償還費であります。従って、これに対して、三十二年度はこれでやって措置ができたとしても、三十三年度以降どうなるかということがわかりませんければ、おそらく地方財政再建計画というものは、ほとんど書いただけのことでありまして、実行の見通しというものばないだろうと、こう思います。従って、この問題は、この際根本的にどちらで処理するのかということを明瞭にしてやられません限りは、地方団体のことに赤字団体の再建整備ということはできないと思います。  以下、地方税法交付税法について少し個々の問題を申し上げたいと思いましたけれども、時間がございませんので、総論だけにとどめました。
  9. 本多市郎

    委員長本多市郎君) ただいまの御意見に対して御質疑がございましたら御発言願います。なお、井藤参考人はまだおいででございますから、御両氏に対して御質問になってよいと思います。
  10. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 井藤さんにちょっとお伺いしたいと思います。  地方の自治の主体は、市町村に置くのか、あるいは県に置くのか、いろいろ意見があると思うし、また、地方自治でいくのをこいねがいたいそのときに、地方の独立財源が非常に少いということ、しかも非常にアンバランスだという点を指摘されたわけですが、それではその対策としてどうするんだというので、一つ交付税法のワクを広げる、しかしそれよりも平衡交付金の方がなおよかったんじゃないかという御意見だったようでありますが、一体先生たちがお考えになりますと、市町村の規模を大きくしたらいいんじゃないか、あるいは府県がそういうふうにアンバランスだったら、もう少し府県の統廃合等も考えたらいいんじゃないかというところに発展していくかと思いますが、そういう問題について、根本的なお考えと申しますか、なるほど非常に矛盾して悪いものだということは、私たちもよくわかるわけですが、対策を個々に立てていくということになると、なかなかいろいろな障害にぶつかるわけですが、そういうふうな点について、どういうふうにお考えになるか、伺いたいと思います。
  11. 井藤半弥

    参考人井藤半弥君) これは実は大問題でございまして、市町村をどうするか、それから府県制度をどうするか、実はこれにつきまして、今から二、三年前の第二回地方制度調査会の総会で卑見を申し上げたことがございます。それから、私自身が書きましたものもございます。きわめて簡単に申しますと、私は、やはり地方自治というものは強化すべきだ、その場合に、市町村が基本的な地方自治団体でなければならないという考え方、それはとっております。そういう意味で、いろいろ摩擦もありましたけれども、市町村の統合が行われたという根本方針は、私は賛成です。そこで問題は、府県がどうなるか、私は、府県はやはり統合すべきものだと考えております。その場合に、統合するといいましても、財政事情が中心になりますと、東京鹿児島を統合すればいいというようなことになりますが、そんなことは実現できませんことで、それで統合の場合にどういうふうに統合したらよいかということは、これは非常にむずかしい問題でございまして、これは私も地方制度調査会で大へん苦労いたしました。ほんとうは正直なところを申しますと、案は立てにくいのであります。しかしながら、現在のままではいけません。市町村が基本的な自治団体としてだんだん大きくなって参りまして、それからまた府県の仕事は、一部はやはり市町村におろす必要があると思います。そういたしますと、府県の性格をどうしてもそのままにしておくわけにはいかないので、やはりある程度の統合は必要だと。そこで府県といたしましては、よくいわれておることでありますけれども、総合行政に関するもの、補完行政に関するもの、それから連絡行政に関するものはやる。それでは、府県を現在の自治体にしておくのがいいのか、国家の出先機関にしておくのがいいのかという問題でございますが、私の私見では、やはり自治体にしておく方がいいと思っております。しかしながら、来来の府県とは多少違います。従って、自治体が主となりますと、やはり首長の選挙とか何とかいう問題でありましても、やはり私は選挙またはこれに準ずる制度をとる方がいいと、こういうふうに考えております。これはきわめて簡単で、私の考えていることを十分に言い尽すことはできませんが、結論だけ申し上げておきます。
  12. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そこでもう一点。目的税会計統一原則に反するからこれに反対だと、片一方では、何といいますか、納税に協力してもらうために——私も不勉強でよくよくわかりませんが——外国等におきましては、この費用のうちの何パーセントは何に使い、何パーセントは何に使うというようなことが、徴税令書と申しますか、納税通知書に書いてあるというようなことをした場合に、非常に協力を得られるということを言っておられるのですが、それですから、目的税にするのはなるほど増税としては非常に簡単なやり方で、反対がなかなかしにくい。だから、増税の場合にはこれを使うんだ。しかし、今申しましたような格好で、これは目的税ではございませんけれども、そういうような格好で、非常に、何と申しますか、徴税に対して協力を得る方法としては、なかなかいいこともあると思うのです。そこで、そういうような場合に、何か協力を求める方法として、住民税は何と何だ、これはどうだということになると、なかなか煩瑣だと思いますけれども、そういう納税に協力というか、納税義務と申しますか、あるいは納税の気風を国民に養っていくというような場合には、私は目的税というものはいいんじゃないかというふうに考えられるのです。ですから、そういうようなことについては、目的税は全部いかぬというふうにお考えなのか、その辺どんなふうにお考えですか。
  13. 井藤半弥

    参考人井藤半弥君) 私は、目的税全廃論ではございません。目的税がだんだんと増加する傾向がよくないと、一つ二つ私はあってもいいと思うのであります。それからもう一つ、住民の協力を得るという点からいいますと、これは非常にはっきりしております。ひもがついておりますので、協力を得やすいのであります。それだけに乱用される危険がある。それから、住民の納税意欲を高めるにはどうしたらいいかという問題でございますが、これは、私は結局学校教員らしい意見を言いますので、はなはだ恐縮でございますけれども、地方行政がきわめて良心的に行われるということが根本的な話で、出した金を変な方に使われるということであるならば、協力を得られません。地方行政は、良心的に理事者がこれを行うということ。それからもう一つは、地方財政について、住民によく徹底せしめること。私はある市に住んでおりますが、市報なんかによく出ております。だいぶわかりやすく説明しておりますが、そうなれば、国民の自治意識が高まれば、目的税でなくてもいけるのじゃないか。私が目的税がいかぬというのは、お金持の国でございますれば、目的税をいくら設けてもいいのでありますけれども、わずかなものを多くの行政事務に配分するのですから、どうしても無理がある。目的税ですと、余ったときにはよろしいが、足りないときがあるので、やはり貧乏世帯の場合には目的税原則として困るのじゃないかと考えているわけであります。
  14. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 次に、都道府県代表として茨城県知事友末洋治君にお願いいたします。
  15. 友末洋治

    参考人(友末洋治君) 今回政府国会に提出した地方交付税法及び地方税法の一部を改正する法律、案並びにこれに関連する事項について、意見を申し述べます。  昭和三十二年度における中央、地方を通ずる財政問題に関しましては、全国知事会としては、明年度こそ特に地方財政における未解決の諸問題を解決し、進んでその健全化の基礎を確立することにより、最低地方行政の水準を確保し、民生の安定向上をはかる絶好の機会であると考え、強くこれが実現を要請して参ったことは、御承知の通りであります。  すなわち、明年度においては、経済界の好況に伴い、国税においては約一千九百億円、地方税においては約七百億円、合せまして約二千六百億円の自然増収が予想され、この異常な全体の自然増収は、国と地方及び国民とにそれぞれ実情に応じて公正に配分さるべきものであり、しかも地方財政が国の健全財政国民の正常経済からひとり取り残され、きわめて不均衡な現状に置かれておる等の点にかんがみると、まず、これを地方財政の健全正常化に優先的に振り向け、しかる後、その残余のものをもって中央及び地方を通ずる減税と積極施策とを適正に調整あんばいすることが当然の筋道であると考えたからであります。  しかるに、中央におきましては、かかる正当なあと先の順序を顧みることなく、地方財政の健全化をあと回しにし、国税の自然増収のみをもととして、いわゆる一千億円減税、一千億円積極政策を決定せられ、ために地方財政は、主といたしまして地方の自然増収と、減税後における国税三税の伸びに伴う地方交付税のはね返り等、何ら合理的な基礎のない限られた財源でその収支のつじつまを無理やりに合せなければならない事態に立ち至ったばかりでなく、これに加えまして、国税減税のあおりを受けて、地方税についても実質上減税の措置を講ぜざるを得ない方向に追い込まれたことは、否定することのできない事実であります。  従って、右の事情が根本的な原因となりまして、明年度の地方財政には、その内容においてもまた制度改正等におきましても、幾多重要な欠陥を包蔵しており、地方制度調査会の答申の趣旨にもはなはだしく反する結果と相なっているものと考えられます。  以下、各項目について、その問題点とこれに関する意見を申し述べたいと思います。  まず、地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和三十一年度分として交付すべき地方交付税に関する特例に関する法律案でありますが、端的に結論から先に申し上げますと、一、交付税の繰入率二六%は、二八%  に改められるべきである。二、既発行の地方債にかかる特別措置  に関する取扱いは、いずれの面より  いたしまするも不合理、不徹底きわ  まりないものであり、これが是正の  ための措置といたしましては、当然  にその立法化の措置を講じて、方法  内容等を徹底明確化すべきであると  考えます。  地方交付税税率を二八%にすべきであるとする理由の第一点は、地方交付税法制定当時の諸事情からいたしますれば、法の趣旨は、税法改正に基く国税の増減に伴う地方交付税の増減額は、その率の変更により、機械的に増減すべきであると解釈いたしますることが至当であり、またそれが地方交付税制度本来の建前であると考えるからであります。  地方交付税税率を、政府案の二六%よりさらに二%引き上げるべきであるといたしまする理由の第二点は、自民党及び政府自体が、さきに、明年度の予算編成方針におきまして公約されました地方の行政水準を確保するためには、これがぜひとも必要な措置であり、その実現を見ない限り地方財政の安定正常化を期し得ないことはきわめて明らかであるからであります。  御承知の通り、最近まで悪化の一途をたどって参りました地方財政は、中央におきまする諸制度の改革措置と地方団体自体におきまする自主的な懸命な努力とによりまして、昭和三十一年度に至り、ようやくその危機を乗り越えて、再建の曙光を見出しつつあるのでありますが、地方財政の実情を検討いたしますと、赤字団体、黒字団体を問わず、人件費、物件費等の消費的経費を極度に切り詰め、道路、橋梁等の維持補修につきましては、必要最小限度の処置すらできない実情にありまするほか、建設的な公共事業費等の投資的経費につきましても、最低の水準を割って、辛うじて収支のつじつまを合せているにすぎないものが多いのであります。すなわち、地方財政の収支は、実質的には行政水準の切り下げによって保持されていると申しても過言ではないのでありまして、この水準が正常化されない限り、地方財政の健全化の基礎が確立されたとは、とうてい言い得ないのであります。  この点、先般国会に提出されました地方財政計画について見ましても、明らかに算入不足と認められまする重要な経費だけでも、最小限度約四百五十億円の多額に上るのでありまして、地方財政運営の基準となるべき国の計画自体が、最低の水準を下回り、その財政健全化の確保にほど遠い事態となっておりますることは、まことに遺憾とするところであります。  ちなみに、この間の事情を茨城県におきまするところの明年度予算の内容から御説明申し上げますと、明年度の本県分の基準財政需要額の伸びは、本改正法案によりまする新単位費用を基礎とし、これに本年度の補正係数を適用して推計いたしますると、六億二千万円程度となるのに対しまして、実需要額におきましては、引き続き相当の思い切った節約を行いながらこれを編成いたしましても、給与費及び公債費等の放置しがたい支出のみにおきましてすでに約六億円の需要の増となり、これに地方債のワクの縮小に伴う一般公共事業負担増、国庫補助金の増に伴う地方負担の増、及び道路、橋梁等に関しまする最小限度の維持費の増等を加えますと、実際の財政需要額は最低約十億円に達し、標準税収の二割相当額を加算いたしましても、過小算定は約三億四千万円の巨額に達するのであります。しかのみならず、もし、水準以下の経費につき、これを地方財政計画ないし国の例によりまする基準まで引き上げるものといたしますならば、さらに約六億円の財源不足と相なるのであります。  しこうして、県の行財政の現状から、右の水準の引き上げをさしあたって火急を要しまする最小限度のもののみにとどめるといたしますると、約三億円程度を要することと相なり、前述の三億四千万円と合せまして約六億四千万円に相当する行政水準の切り下げを避け得ない実情にあるのであります。  本県に対しまする交付税配分の実績から推計いたしまするに、その一%相当額は約一億五千万円でありますから、貧弱な本県財政を安定正常化いたしますためには、交付税税率はさらに最低四・三%余の引上げを要することと相なるのであります。  よって、地方交付税税率につきましては、これを二八%とすることが、理論的にも実際的にも当然の措置であり、不合理、不当に引き下げられておりまする政府案二六%はぜひ今国会におきまして修正さるべきであると考えるのであります。  次に、既発行にかかります地方債の不合理を是正し、地方財政に対しまする公債費の重圧を緩和する措置として、本年度に交付すべき交付税の一部を留保し、これを明年度に繰り越して公債費の財源の一部に充てさせようとする特例法案につきましては、その方法におきまして地方の既得の財源を中央のみの一方的な都合により流用してこれに充てしめ、しかもその補てんの保障を明らかにしないことはきわめて不合理であるばかりでなく、地方交付税に繰り入れてこれを行う結果、本来元利補給の方法によるべき公債費対策が、他の一般財源の補てん措置と何ら選ぶところがなく、また、その措置の範囲、程度においてなお不十分なものがありますので、政府案に対してはきわめて遺憾の意を表せざるを得ないのであります。  よって、これが改訂の方法といたしましては、本問題発生の経緯にもかんがみ、責任の所在に応じ、交付団体たると不交付団体たるとを問わず、いわゆる財政調整債につきましては元利の全額、特定事業債につきましては、利子の全額をそれぞれ補給するほか、以上によるも公債費の重圧から財政の再建が不可能であると認められる団体に対しましては、さらに元金の一部または全額を補給する等、われわれがかねてより要請して参りました公債費の合理化に関する内容によりまして、本国会において立法化の措置を講ぜらるべきであると考えます。  なお、将来発行する地方債については、さきに政府はその償還年限を平均三年延伸し、その利率を従来の六分五厘から六分三厘に引き下げることに決定を見たのでありますが、利率については地方制度調査会の答申にありますように、最小限六分程度に引き下げることとし、特に国の直轄事業に対する地方負担金として地方団体が起す交付公債については、本来国の全額負担とすべきものにかえて起すものであることにかんがみ、国と地方負担区分が是正せられるまでの間は、当然無利子とすることが至当と考えます。  次に、地方道路税法の一部を改正する法律案につきましては、道路、橋梁の現状が産業経済の発展にはなはだしい障害を与えている状況にかんがみ、軽油引取税税率引き上げとあわせ、その実現を強く期待いたすものであります。もし万一これが予定通り実現されないときは、道路の荒廃はますます深刻化して参ることが予想されるばかりでなく一面、地方財政計画におきましては、直ちに収入欠陥——すでに衆議院修正によりまするというと、約平年度四億円くらいになるかと思うのであります。さらに現在論議されておりまする入場税の引き下げでございまするが、これが実現いたしますると、なお四億円——八億円程度の歳入欠陥というものがすでに予想されておるのであります。これらにつきましては、はっきりしたそのかわり財源というものがありません以上、私どもといたしましては修正減額について絶対に反対せざるを得ないのでございます。従来の経験からいたしまするというと、法案修正され、地方歳入欠陥というものはそのまま見捨てられて参り、これが原因となって、地方財政というものが非常に窮乏した事情にかんがみますれば、ぜひさようなやり方は本年度で打ち切っていただきまして、修正の場合におきましては、それによって生ずるところの穴は、必ず税でもって埋めるという基本原則を確立願いたいのであります。  最後に、地方税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、改正案の趣旨は、国税減税に伴い、地方税についても、その一部につき減税の措置を講ずるとともに、税負担の不均衡または不合理を是正することにあると考えられます。もとより現行地方税の中には、ある程度の不均衡が存することは事実であり、これが是正はたばこ消費税等の自主財源をもって補填の措置が講ぜられるにおきましては、税務行政の合理的な運営を確保し、その執行を適正化する上からやむを得ないことかと考えるのであります。  しかしながら、地方財政における貧弱な自主財源の現状から考えれば、この際、積極的に減税してまでも、さらにそれを弱化せしめる根拠は何ら見つからないばかりでなく、不均衡是正による実質的減税をも含めて地方の税収減に対する補填の道すら講ずることを避け、地方財政における歳入構成の改悪を招来せしめんとする今回の改正案は、その趣旨において一貫性があり、その内容において、地方財政の健全化に役立つものとはとうてい考えられないのであります。  次に、おもな税目ごとに、改正法案の問題点を申し述べたいと存じます。  その一は、国税減税に伴う住民税の減収については、その約半額を税率等の調整によって補填するにとどまり、残余の平年度百十七億円については何らの措置がとられておらないことは不当と考えますので、これについてはたばこ消費税税率引き上げ等によって完全に補てんすることを明確にすべきであると存じます。  その二は、事業税中個人事業税につきましては、低額所得者にあっては、所得の大部分が勤労によって得ているものであること及び個人と法人との租税負担均衡をはかる必要があることなどから見て、税率を引き下げようとする今回の措置は、まず適当ではなかろうかと考えられるのであります。しかしながら、法人に対し、国税法人税において百万円以下の所得に対する税率を三五%に引き下げる上、さらに事業税においても五十万円以下の所得に対する税率を八%に、五十万円をこえ百万円までの所得に対する税率を一〇%に、それぞれ引き下げますことは、個人企業の税負担を軽減して、法人との均衡をはかろうとするせっかくの趣旨が貫かれないことともなりますので、法人事業税税率引き下げにつきましては、多大の疑問を持たざるを得ないのであります。  その三に、遊興飲食税につきましては、財源の貧弱な県に相当の減収を来たすこととなり、積極的な賛意は表しがたいのでありますが、これにより負担の合理化及び制度の簡素化がはかられ、徴税上の効果が期待できるものといたしますならば、やむを得ない措置であると考えられます。  また、旅館及び飲食店における税率を一率に一〇%とすることにつきましては、一部に異論もあるようでありますが、大幅な免税点の新設または引き上げが前提でありますから、免税点を超えるものに対し、一様に一〇%の税率を適用することもまたやむを得ないものと考えます。  もしその税率を、一率に五%、または現行法通り五%ないし一〇%とする場合においては、さらに相当の減収を来たし、特に貧弱県の旅館及び飲食店におけるこの税は皆無にひとしい結果となり、財政的にたえられないばかりでなく、他の業態における遊興飲食税負担との均衡からしても適当でないと考えます。  なお、現行の公給領収証制度は、徴収の面においても、また明朗公正な納税秩序の確立の上にも、相当の効果を上げていると認められますので、今後もこれを存続していくことが適当であると考えます。  その四に、大規模の償却資産に対する固定資産税の問題でありますが、市町村課税限度額を引き上げることは、府県分として課税し得る範囲がますます狭められ、財政調整のために設けられたこの制度意味は、実質的に失われる結果ともなり、特に大規模の償却資産の乏しい貧弱県においては、全く課税すべき部分がなくなることとなるので、これについては、よほど慎重を期すべきであると存じます。  以上をもって、各法案に関する意見開陳を終ります。
  16. 本多市郎

    委員長本多市郎君) ありがとうございました。御質疑がございましたらお願いいたします。なお荻田参考人もいまだおいででございますから、この際、御両所に対して御質問になってけっこうだと思います。
  17. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 友末さんにちょっとお伺いしたいのですが、地方行政水準を高めるとかあるいは水準に達するとか始終いわれることでありまして、その水準というものは何かということは、当委員会にもしばしば質問応答のあったことでございますが、あまりはっきりした概念を得られないのですが、これは、しかしむしろ見方によっては、はっきりわからぬところに一つの妙味があるんだという考え方もあるようでありますが、ただいまも行政水準の向上、あるいはこれに達するというようなこともしばしば繰り返されたのでありますが、いろいろ議論もありましょうけれども、大体、今地方行政の衝に当っておる方々が、どういう考えでこの行政水準というものを見ておられますか。それを、もしお聞きすることができれば幸いだと思います。
  18. 友末洋治

    参考人(友末洋治君) お手元に差し上げてございます資料四に、これは参考として出しておるのでございまするが、消費的経費最低水準、投資的経費最低水準というものを実は考えておるのでございます。消費的経費につきましては、この財政計画の基準財政上需要として算定がこまかく出ております。たとえて申しますると、宿直、日直の手当は、一般及び教職員につきましては三百六十円、警察につきましては二百八十円とはっきり出ております。で、時間外勤労につきましては、これは国もそうでございますが、財政計画におきましてもやはり六%というふうに出ております。なお教員の身分、旅費でございまするが、これは小、中学校四千円、高等学校六千三百円とはっきり出ており、また高等学校の需要費、これは生徒一人当り五百一円というふうに出ておるのであります。これらを基準といたしまして、それぞれ各県予算を組むのでありますが、その水準にはとうてい達し得られないのです。本県の事情から申しましてもそうでございます。それから砂利道の道路維持修繕費でございまするが、これは明年度から消費的経費と投資的経費の中間経費に入れられておりますが、一平方メートル当り砂利三センチというふうな基準になっております。単独事業につきましては、事業全体の五・二%を見ていくというふうに、ちゃんと出ておるのでございます。これで府県といたしましても予算を組むのでございますが、その水準ではとうてい組み得ないのでございます。本県の実例から申しまするというと、財政計画通りの水準でありますと、十三億ばかり要るのでありますが、どうしても組めないので、組んだ金は約六億九千万円、その間に六億以上のものがまだ足りないということになっておるのであります。で、これを財政計画通りの水準にしないで、せめてこのくらいにはしてやりたいというので考えてみましても、十億程度はどうしても要るというふうな実情でございます。地方といたしまして考える場合におきましては、まず財政計画で算定されておりまする基準に従って一応の最低水準ということで、一応進めてみておるわけでございます。
  19. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 そうすると、一つの役所内における各部局の平均、あるいはまた国と地方との比較と、こういうようなことであると思われますが、給与等についてはそういう点最もはっきりわかるのですが、公共事業につきましては、これはよほどむずかしい問題じゃないかと思うのですが、あるいは全国的な水準とか、要するに平均でいくと、こういうお考えでしょうか。
  20. 友末洋治

    参考人(友末洋治君) 道路の維持修繕費等につき、ましては、建設省の方面で、最小限度このくらい砂利を入れないと維持できないというふうな見解を持っておられまして、それを基準として、やはり自治庁といたしましても算定して、その半分ぐらいをとりあえず見ていこうというふうに、それをさらに引き下げた水準になりますので、この財政計画そのままで見ておられるのが、むしろ最低水準を割っているというくらいに私どもは考えている線でございます。  なお、単独事業等につきましては、従来からの実績をもとにいたしまして、公共事業に対しまする各地方の単独事業は、最小限度五%程度というものが適当であろう、これはおそらく戦前におきまするところの公共事業と単独事業の比率というものも参考になっていると思うのでありますが、大体従来の実績から見て、まずまずこの程度のものが必要であろうというところを自治庁としては押えておられるのじゃないかと、かように考えます。
  21. 本多市郎

    委員長本多市郎君) この際、私も荻田参考人にお尋ねしたいと思いますが、さいぜんの公述の中に、交付税率の改訂の問題、公債政策について御意見の御開陳がありましたが、まず第一の交付税率の引き上げの問題について、三・〇五ですか、国の減税に伴う減収見積額、この減収見積額は、地方団体の得べきものであったのだから、それを正確に逆算した率を引き上げるべきだという御意見だったと思いますが、やはり交付税率の改訂をやるとすれば、現在想像し得べき国、地方財政状況というものを総合的に判断して税率改正すべきものであって、三・〇五は、当然得べきものを失うその額から逆算した一つの目標ではあるけれども、それのみによって交付税引き上げの根拠とすべきではないというふうに思いますが、この点をどういうふうにお考えになるかということが一点。  もう一つは、公債費対策について、全く同感の点が多かったのでありますけれども、しかし、その地方の持っている公債の中には、それぞれ性格の違うものがありまして、中には荻田参考人の言われた通り、全く国の責任に属するもので、肩がわりしてもいいものも含まれているものとは思うのでありますけれども、今日までの公債全額を肩がわりすべきだとは、なかなか割り切って考えることができないように思います。こういう点につきまして、公債費対策は、全額国で肩がわりするか、その元利補給を国でやるべきものだということについては、少しく私は疑いを持っているのでありまして、この公債を地方が保有するについては、全く自主的な責任と、またその地方団体の利益のために消費したものがあるわけでございますから、そういうふうなものを考えると、そっくり肩がわりするとか、そっくり利子補給するということは行き過ぎのような感じがいたしますが、この辺について、お立場もあることでしょうけれども、一つ意見を重ねてお伺いします。
  22. 荻田保

    参考人荻田保君) 委員長のお尋ねでございますが、第一点の交付税率の割り返しの問題でございますが、これは先ほど私が申し上げましたように、私は実は交付税率をそのまま据え置くと、まあ一つこれによって地方のこの税源をもとできめてしまって、それきりだというような考えに、早々反対していたのでございますけれども、それが今できている、今そうなっておりますから、その制度の前提のもとに意見を申し上げたわけであります。その場合に、おっしゃいますように、この交付税の率だけで何もかも処理すると、こうは考えないのでございまして、これは交付税法の中にありますように、結局この結論的に申しますれば、財政計画を立てて、毎年その収支が不足する場合には、地方の行政及び財政制度について変革を行うか、あるいはこの交付税の率の改訂をして、財政の収支が合うようにしなければならないという法律がある、私はこの趣旨でけっこうだと思う。  そこで問題は先ほど来申しております地方財政規模そのものが、現在の三十一年度の財政計画のワクではとても足りない、これをふやさなければならないという状況にあります。そこでどれだけふやすかという問題になってきまして、その点から割り出して、国税減税に伴います交付税の減額分も、その中の計算で全部相対的に考えてしかるべきものだと思います。ただ非常に問題を簡単にしぼって申しましたので、委員長のおっしゃいましたような疑問をいだくと思いまするが、一応ほかの方法によってこれを補てんし、しかもその補てんする場合にただ減ったものを補てんするというだけじゃなくて、先ほど申しましたような合理的な財政計画の認められるところの、新しい三十二年度の財政の総ワクというものがあらゆる歳入によって確保できると、それが私は根本だと思いまして、ひとりこの交付税だけによるべきじゃないと思います。しかし先ほど来申しておりますように、交付税というものをきめた以上は、一応この目安として交付税率というものは大事な数字でございます。従いましてこれが他の国庫財政に存するところの理由によって、直ちにかえられてしまうという、こういうことがあっては私はならない。従って一応この割りかえしの二八・〇五でもございますか、この率に私は換算してそうして考えるべきで、その上でさらにたとえば地方財政のワクが大き過ぎればそれは削ってもよいのでございますが、一応はそうしなければならない。たとえば簡単な例を申し上げます。ことしの国税改正で、所得税を自然増収で減税するということだったからそれでよろしいと思いますが、かりにこのように自然増収がなくて、直接税を減らして間接税をふやすというようなかっこうで改正が行われたとします。そうすると交付税の対象になっている税をはずして、その対象外の国税をふやす、そういうことが考えられる。その場合にも地方団体はそれだけ減らされたままか、国税の方はちゃんとそのかわりは交付税の基礎にならない税でふやした、こういう場合が考えられるのでありまするから、こういうときには必ずそれは割りかえして、一応、と申しますか、第一の目標をそこにおき、それから先は全体的に考えて私はいいと思います。そういう趣旨で申し上げたのでございます。  それから第二の公債費の問題でございますけれども、これは十分言葉が足りなかったかもしれません。私が先ほど申しましたように、現在地方財政である五千八百億のワクの中でこれは全部とは申さない、これはどれだけかその計算はむずかしいのでございまするが、つまり一般財源が足りないから地方債によらしめた額が相当額含まれている。それで今度の特別措置によって取り上げられました対象がございまするが、あれはまあ今度の法律の原案としては、それが国庫の責任を負うべきもの、こういう趣旨でございますが、私は実はあの点につきましては、これはこまかくなりますが、実は必ずしもあのように種類ごとに割り切ってしまって、差をつけるという考え方は私は実はあまり賛成できない。もっとつまり地方債の許可の場合の問題になりますけれども、個々の団体財政の状況と申しまするか、将来の償還費、あるいはそのときの一般財源だとか、こういうものとにらみ合せて相対的にきまるものであって、ああいうふうに種類ごとに何々費の公債は全部国庫だ、こういう考え方は私は少しおかしいので、今後も起債許可の合理化をする場合にはあれだけでは割り切れないと思います。従いまして今お尋ねになりましたこの五千八百億からの起債全部が、国庫で当然負うべきものとは私は考えておりません。
  23. 占部秀男

    ○占部秀男君 友末さんにお伺いいたしたいのですが、今度の地方財政計画によると、税の伸びが六百二十何億という非常な伸びになっておる。現行制度そのままで行くと七百十億近い伸びであるというように地方財政計画では出ておるのですが、たしか昨年は決算は私忘れたのですが、地方財政計画では四百億ぐらいの伸びじゃなかったかと思うのですが、昨年度の三十一年度のやつですな、地方財政計画はそれに比べると三〇%もふえた計画になっておるわけなんです。で、これはまあ地方財政計画上の問題ですから、各県の予算面そのままというわけにはいかぬわけですが、茨城県の場合は明年度の地方税の伸びというものはどのくらいのパーセンテージに見られておるか。  それからさらに全国的に知事会か何かでそういう点について調べられたものでもあったら教えていただきたいと思います。
  24. 友末洋治

    参考人(友末洋治君) あとの御質問の、全国的に今調べておるかという問題でございますが、これは今のところまだ調査いたしておりません。茨城県ので申しますると、大体三十一年度と三十二年度の税の自然増収というものを一八%ばかり見ております。これは大体自治庁で見られている率の平均でございます。三〇%じゃなく大体一八%ちょっとこえておったかと思いますが、その程度に自治庁も抑えておるわけであります。これが果して適正であるかどうかという問題に実はなるわけでございますが、まず、まあ三十二年下半期が現在通り続いていくということでありますれば、まあいいところじゃないかというふうに実は、直感です、直感をいたしておりますが、茨城県で果して一八%みたのがいいかどうかという突き詰めた御質問でありますると、なかなかむずかしい問題でございまして、まあ自治庁がみておられる平均水準というものは、何がなんでも一つみなければつじつまが合いませんのでみたというふうに申し上げてよろしいかと、かように考えております。
  25. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 次に市町村代表の足利市長、木村浅七君にお願いいたします。
  26. 木村浅七

    参考人(木村浅七君) 私は、御指示を受けました地方税改正の問題と地方交付税の一部改正案について、意見を少しく述べさしていただきたいと思いますが、そうして地方財政の状況につきましては、すでにもう前述のそれぞれの諸先生から述べられておりまするし、特に友末知事さんから地方財政の現状については、るるお話があったのであります。そういうふうに地方財政が非常に窮乏をしておりまするので、累年地方税改正については市町村といたしましても重大関心をもっておるのでございます。ことに本年は大幅な国税の、所得税減税に伴う問題、すなわち地方交付税の問題、さらに住民税の問題というような大きな問題がございまするので、市町村といたしましては、これらの市町村が期待しておりまする財政欠陥の補てんをぜひ適正にされなければならない、という要望をいたしておるのでございます。  そこで私は市町村を代表いたしましてその二点について申し上げますが、まず第一点の地方税法の一部改正案につきまして、時間の関係もございまするので具体的に各それぞれの改正案につきまして申し述べたいと思いますが、地方税改正につきましては六つばかり要点を申し上げたいと思います。すなわち住民税改正につきましては、この大幅な減税をいたしますから、これが補てんの策としてたばこ消費税を充てていただきたいということ、第二といたしまして電気ガス税の非課税の範囲を拡大をするということはどうも逆行ではないか、かように考えておる点と、それと次に第三といたしましては、内航船舶に対する固定資産税減税の問題ですが、すなわち特別トン税の問題でございます。これらも相当に地方財政にも影響する問題でございまするので、これらも据え置きとしていただきたいということ。ついで第四点といたしまして、地方道路譲与税市町村にもこれを還元するような方策を講じていただきたいということ。次に第五点といたしまして、今年から基地に対する交付金を、固定資産税に見合うものとして交付されるようになっておるのでございますが、これらの扱い方につきましては、補助金の法案が提案されるやに伺っておるのでございますが、これらも特別の法律の規定によってこれを交付できるようにさせていただきたい。以上その要点の項目だけを申し上げたのでありますが、それに少しくつけ加えさせていただきたいと思うのであります。  地方税改正中、一番大きな地方としての主要財源であります、住民税改正が行われるのであります。すなわち課税方式五つございますが、第一の所得税に対する課税方式についても三十三年から税率引き上げる、三十四年の平年度においては百分の二十八というようなことになっておりますが、第二、第三課税方式にいたしましても、これらの課税額に見合う一つの率を作って住民税を賦課するというような改正の趣旨でございますが、実は市町村といたしましては、従来とも五つ課税方式を、それぞれの市町村の特定の事情に即応をいたしまして、選定をいたしておるのでございますが、ここに第一課税方式に準じて第二、第三も課税すべきであるという拘束的な考え方というものに対しましては、市町村といたしましては、むしろ地方の自主性を失うものであるということを考えておるのでありまして、これらの課税方式につきましては地方の実情に応じまして、一定の制限率を設けていただくことはけっこうではありまするが、それぞれの所得の段階においての課税の率を法定化するという問題につきましては、はなはだ迷惑千万である。ということはこれによって、こういう方式を採用しておる市町村におきましては、大きな財政欠陥を来たすのでありまして、むしろ従来の方式の方がよろしいということを考えておるのであります。しかして第二、第三の課税方式に対する課税標準率をきめた場合におきましては、現行法によりまするよりも四十九億円からの住民税収入減ということを来たすのでございまして、こういう欠陥については、政府においては考えておらないということは、地方財政に非常に大きな圧迫を与えるものだと考えるのでありまして、先ほど来論議をされました行政水準の問題から申しましても、建設的な事業がせれないのみならず、最低の行政水準を維持するということも、非常に困難な事態に陥るであろう、ということを心配しておるのであります。でありますので、これらの歳入欠陥に対しては、たばこの消費税をもってこれが歳入欠陥を補っていただきたいということであります。そこで四十九億の三十三年度減収ということが、一つ地方財政計画からも出ておるのでありますが、われわれが調べたところによりますると、さらに四十九億よりも相当大幅に歳入欠陥があるんではないか、ということが考えられるのであります。で本日も資料といたしまして、百八市ばかりの市に対する、改正案による住民税の減少の状況を概算いたしましたのでありますが、二十万以上の市が五、それ以下の市、百八市につきまして平均して千三百万円からの歳入が減少をするということであります。でこういうことを考えますると、おそらく市においては約四十億、町村においては六十億、合計百億の住民税による歳入減を生ずるのではないか、ということがおそれられておるのでありまして、もしもさようなことでありました場合においては、もう致命的な地方財政の破滅ということを申し上げてもあえて過言ではない。かように考えまするので、これに対しましては、ただこの消費税引き上げによってこれを埋め合していただく、というほか方法がないと考えるのであります。で第一課税方式にいたしましても、三十三年度においては約七十九億円、平年度三十四年度以降におきましては百十六、七億円の住民税歳入欠陥を来たす、かような一応の計算の見通しになっておるのであります。これを措置するということでなければ、市町村としての主要財源でありまするところの住民税というものが、大幅な減収を来たすということを、御承知を願いたいと考えるのであります。  次いで電気ガス税の非課税の範囲の拡大の問題でございますが、本案によりますると、特定の肥料製造用もしくは漁業関係の製氷、冷凍用の電気というものに対しては、これを非課税にするということでありますが、これによりましても八億からの財政欠陥を来たすのであります。事は必ずしも巨額ではございませんが、それだけ地方財政を圧迫するということになるのであります。あるいはまたさような措置というものについては、いろいろ産業政策上の議論のあるべき点だとは考えるのでございますが、場合によりましては事業上の差別あるいは不当競争というものをさえ惹起するおそれがないとは言えない。かようなことを考えるのでありまして、これを非課税範囲を拡大するということは、現在の段階においては妥当でない。所得税におきましても特別措置に対しては、相当これを整理する、というような段階に来ている時代におきまして、これに対しましても非課税範囲の拡大ということは、市町村としては賛成ができないのであります。  次いで内港船舶に対する固定資産税減税でございますが、いわゆる特別トン税の問題ですが、これにしましても市町村の約三億五千万円の歳入減になるということでございまするので、これらは特定の市町村といたしましては相当に、金額は少いのでありまするが、耐えがたい一つの問題であるのでございまして、これも据え置きとせられたいという強い要望をもってお願いをするのであります。  次いで地方道路譲与税の問題でございますが、これらは府県並びに五大市等は還元をされておるのでございますが、市町村といたしましても主要道路の維持修繕という面におきましては、現在の交通事情から見まして多額な費用を要し、しかも財政がきわめて窮乏化している現在におきまして、この施行を、市町村にも道路譲与税の還元ができるような方途を、現在においては処置をすべきであろうということを考えるのであります。この点につきましてもかねて要望しておる次第でございますが、この地方税改正の機会に改正方を要望をする次第でございます。  それともう一つ、基地の交付金の問題でございますが、これも五億円の予算を計上しておるのでございますが、これらも市町村といたしましては、それだけ固定資産税というものが期待をできないという面があるのでありまするし、基地のためにはいろいろ経費の増高の面もありまするので、これを三十二年度に限るということでなしに、三十三年度以降におきましても、特定の法律によって基地の交付金が交付せられるというような段階を通じて、地方の確実な財源となるような処置を講じていただきたい、こういうことでございます。  以上が地方税改正についての市町村としての主要なる要望点でございます。  次いで地方交付税の一部改正の問題について申し上げるのでありますが、これにつきましてはすでにもう三・五%を機械的に引き上ぐべきであるというような意見もすでに開陳をせられておるのでございまして、われわれも強くそういう点を要望しておるのであります。僅か二六というような一%でありましては、もう百四十余億円からの財政欠陥を生ぜしめるということであり、こういうことが先ほど申しまする地方行政水準の維持を困難ならしめるということでございまするので、この点についてはくどくどしく申しませんが、市町村といたしましてはこれは大きな期待をしているのでございます。この点については十分御検討を願ってさように改正をせられることを強く要望をいたします。  そこで地方交付税の問題につきまして、さらに詳しく申し上げて要望いたしておきたいことは、地方交付税の算定の基準についてであります。こういうことは従来算定基準がいろいろきまっているのでございますが、実情に即さない算定基準であるということ、道路の問題にいたしましても、教育の問題にいたしましてもそうであるのでございまして、特に投資的経費、現在の情勢に即応した地方の行政を執行していくという上から申しましては、相当大幅な単位費用の是正を願わなければならぬ、かように考えているのであります。  そういう点で特にまあ申し上げますることは、消防費等については、従来の測定単位の数値というものがまことに不合理千万である。こういう面につきましては建物の面積というような問題、そういうことが消防を充実する上におきまして、標準になるきわめて重要な要素でございまするので、そういう面のこの算定の基準を充実強化していただきたい、かように考えるのであります。  それとなお町村合併を政府の慫慂によって相当行われているのでございますが、合併の市町村に対する地方交付税交付というようなものが、合併町村の人口とか町村数に応じて、あるいは職員の数とか、あるいは消費的の経費の面に重点をおかれているようでございますが、もう少しく合併町村を育成するというような意味合いにおきまして、建設的な事業という面の経費について、交付税の測定の方法を改正をしていただきたい。かように考えることと、さらに地方交付税の従来の算定におきましては、市町村のたばこの消費税歳入というものを過大に算定をしているということであります。これが実際のたばこの消費税と比較しましても若干矛盾のある点が多いのでございまして、実際のたばこの消費税歳入を精算をして、それによって基準財政収入額に見合うということの方が公平であり、実際的である。かような立場からこの点も強く要望をいたしたいと考えるのであります。  次いで地方交付税に関連をいたしまして、起債の償還費の問題でございます。この問題につきましてもこれも前者から、るる申し上げたのでございまするし、年々大幅な償還費が増加しておりまするし、そういうことが赤字に地方団体が転落する大きな理由であったのであります。これつきましては、三十二年度に限っては地方交付税によって処置をされる、というようなことも考えられているのではございますが、三十三年度以降におきましてもこれを特別の処置を講じて、むしろ単独法を作っていただきまして、こういう特定の起債の償還、あるいは特別措置の起債すなわち義務教育あるいは災害、失対事業、こういうような起債の償還に対しましても、利子の全額を補給するという、三十三年度以降においても、法的な処置をしていただきたい。これによりまして地方財政をこれらの面から圧迫をせられるということを救済をしていただきたい。こういうことを強く要望をする次第であります。  時間がございませんので、それぞれの個々の問題につきまして、以上簡単に申し上げた次第でございますが、何とぞ現在の地方財政のあり方につきましては、もう議員の各位におかれましては十分御承知のことでございまするので、この地方財政改正を機会として、国税減税に伴う処置について、地方財政欠陥を生ずるようなことのないような方策、さらに財政を逐次改善のできるような方策を講じていただきたいということを申し上げまして、地方団体の強い要望でございまするので、町村会も私かわって代表して要望いたした次第でございます。
  27. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御質疑はございませんか。それでは午前はこれにて休憩いたします。参考人各位にはまことにありがとうございました。午後は一時三十分より再開いたします。    午後零時四十二分休憩    —————・—————    午後二時二十分開会
  28. 本多市郎

    委員長本多市郎君) これより委員会を再会いたします。  午前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案について、お二人の参考人の方より御意見を伺います。  参考人の方に申し上げますが、本日は、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。実は、午前中の委員会が長時間にわたりましたために、大へんお待たせいたしましたことをおわび申し上げます。これから、御意見開陳を願うわけでございますが、最初に、大体十五分程度で御意見をお述べをいただき、その後委員より質疑をいたします。委員質疑に対しましては、簡単に御答弁をいただいて、議事進行に御協力願いたいと存じますので、この点、お含みおき願っておきます。  それでは、まず軽油引取税関係について、日本トラック協会常務理事小野盛次君にお願いいたします。
  29. 小野盛次

    参考人(小野盛次君) 私は、日本トラック協会の小野盛次でございます。  本日、非常に先生方お忙しいところ、私たちをお呼び出しを願いまして、軽油引取税について、意見を聴取される機会を与えていただいたことを厚くお礼を申し上げます。時間の関係もございますので、簡単に、私たちの考え方を申し述べて、先生方の御参考に供したいと存じます。  政府は、三十二年度の予算編成に当りまして、揮発油税地方道路税軽油引取税と、大幅に引き上げて、道路整備費に充てるということに御決定されまして、揮発油税については、昨年の十一月の二十六日衆議院に提出されたのであります。これらの揮発油税の増徴に関しまして、われわれは幾多の疑問があるのであります。軽油引取税とは密接の関係のある揮発油税を先に申し述べまして、次に軽油税に移りたいと思いますので、はなはだ横道に入りますが、揮発油税についての御意見をお聞き取りを願いたいのです。  道路整備をするということは、現在の自動車運輸の面から見て、一日も早くしなければならぬことには異論がないのでありますが、これを揮発油税のみに依存する点において、相当に問題点があると思うのであります。政府の原案を見まするというと、現在の地方道路税を含む揮発油税のキロリッターあたり一万三千円を二万五千円にする、倍額に等しいような増税ということに対しては、われわれ絶対反対をしたのであります。反対の理由としては、大蔵当局が出された数字というものは、ほとんど児戯に等しいようなでたらめであるということを指摘しておるのであります。これは、時間の余裕がありましたら、後刻詳しく申し上げますが、これによって、われわれ衆議院において再三検討を願った結果、一月の十四日になりまして、一万二千円が八千円に下りました。さらに、一月の二十六日閣議決定によって六千五百円に修正され、昨日自民党から出された案を拝見しますと、第一次修正が八千円、第二次が六千五百円、第三次が五千三百円、かようになっておるのであります。なぜこのようなことになったかと申しますと、大蔵当局のいろいろ御説明される根拠が非常に薄弱であったということに尽きるのであります。従って、自治庁長官が国会において軽油引取税の増徴の提案理由説明の中にもありますように、揮発油税との均衡上、軽油引取税を上げる、こう申されておるのでありまして、その点は、われわれも了承するのでありますが、揮発油税がまだきまらん前に、衆議院において軽油引取税をきめたということは、少し矛盾があるではないか、かように考えるのであります。昨日衆議院の本会議において、軽油引取税政府原案のキロリッター当り三千円が二千四百円で御決定になったように承知しております。私たちがなぜかように政府の増徴案に反対するかと申しますというと、政府の御主張の一番眼目となるのは、二点に大体要約されるのであります。  日本揮発油税その他の税率は、諸外国から見れば非常に低いから、上げても不当でないという一点と、第二点としてあげておるのは、道路整備によって、この増税揮発油税は受益として還元される。十五年たてば四倍ないし五倍になって返ってくるということを、原主税局長は再三衆議院において申されております。この外国との税率均衡という点においては、全くわれわれ意見を異にしておるのであります。国民生活の水準と申しますか、所得領においても、日本ははるかに低い。あるいは生活状況においても相異なっておる。これを、税率のみを均等にしようというところに非常に無理があるんじゃないか。大蔵省で出された「日本財政」という本の中にも、明らかにこれをいっております。要約して申しますならば、かようなことをいっております。この本の六十二ページに、わが国のように、国民所得の低い国では、たとえばその割合が小さくとも、実質的な税負担はかえって重いものとなるのである。戦後の国民の税負担は、最近やや軽くなったというものの、戦前や諸外国に比べると、なおかなり重い。それで、国民所得との関係をいろいろいわれておりますが、アメリカ、イギリスの勤労者は税金負担がないのに、わが国では、所得の九・二%の所得税を納めることになっている。また、アメリカの事業所得者税金がかからないのに、わが国は、所得の二五%の税をかけられている。イギリス、西ドイツに比べて、それぞれ四・五倍ないし二倍の高い負担率となっておる、かように、大蔵御当局で出された書物の中にはっきりいっておられるにかかわらず、大蔵御当局は、税率を上げても不当でない、まだ負担力がある、かように言われる点において、私は相当の疑問を持つものであります。また、道路整備によって受益になる、この点も、一応はごもっともではありますが、現状からみて、受益というものがどのくらいになるか。大蔵当局からいろいろ示された数字もありますが、その反駁資料として、お手元に配付しております揮発油税地方道路税増徴に関する陳情書、日本トラック協会会長天坊の名前で出ておりますが、その中の二十一頁に参考表が出ておりますが、これをごらん願うと一番はっきりすると思うのであります。これは、上の表は、三十二年から三十六年までの五カ年計画によって揮発油税の増徴額を出しております。これは、当初でありますから、揮発油税一万円、地方道路税二千円、その揮発油税の一万円で換算した表でありますが、これが一千八百五十一億の税収になったのであります。これが目下衆議院で御検討されております五千三百円の税率になりますというと、一万円が三千八百円でありますから、これに換算いたしますと、ずっと数字が変って参ります。いずれにしても、道路整備によって受益が七円ないし十八円になるという大蔵御当局の説明であります。これを運輸省が、かりに十円上った場合と十五円上った場合において、ここに数字を掲げておるのであります。これらを見ましても明らかになるように、大蔵当局の出された数字というものは、どうしても私たちはのめない。五カ年間の計画において完成される道路というものは、一万二千二百九十一キロである。それで、この道路が完成すれば、受益として、この多額のものが還元されるということの大蔵当局は御説明でありますが、私たちはさようには考えないのであります。一万二千キロの道路がかりにできたとしても、全国道のほとんど三十分の一程度で、A県、B県の道路ができても、それを四十六都道府県人たちが、その道路上を走る直接の自動車において受益があるとしても、そうでないところにこの均等の課税をされるということは、税の公平を欠くではないか。また、七円ないし十八円の受益だということも、これも全くの机上論であって、さような数字にはならないのであります。  大蔵省案を一応検討して、私たちの意見を第三で述べておりますが日本乗合自動車協会で、三十年から三十一年、一年間五万キロ、舗装道路と砂利道の比較試験をした結果が、キロ当り四円八十五銭の受益という数字が計上されておるのであります。舗装されれば相当の受益になるが、日本の全国道がこういうふうになるには、少くとも二十年なり二十五年あるいは三十年、建設省では三十年と言われておるのであります。一年や二年で、この道路がよくなるものではないので、大幅の増税によって、これを受益者だということは当を得ていない。委員長さんも御承知の通り道路改修につきましては、私たち率直に言えば、この五カ年計画が完成するまでの間は、私たちは道路の被害者だと申し上げたいのであります。日本道路改修方式と申しますか、工事方式というものは、実に原始的のようなやり方で、アメリカのような機械設備でなく、わずかにブルトーザー等を使いますが、土盛り、切り取りをやり、砂利を敷いて、十トンか十五トンのロード・ローラーが形式的に走って、あとは自然のうちにさらすとか、その上を自動車を走らせて、一年くらいで地固めの済んだのちに舗装するというのが現実の姿であります。その間、片側の道路の工事のためには、一方交通もやらなければならぬ。また、全面的に土盛りができても、でこぼこ道を自動車が走って、ロード・ローラーのかわりをしておるのが真実の状態であります。その間一年余りというのは、非常に車両のいたみ、タイヤのいたみ、燃料の消費量、こういうものも多くなって、完全なる被害者であるということは、識者のよく承知されておるところであります。そういうことは全然触れずに、机上論で、道路がよくなるから大きな受益になるということで、数字を上げておられるのでありますが、これがまず第一の間違いである。  第二番目には、道路がよくなるから、お前たちそれだけの受益になるといって掲げたのが、私の意見書の一番最後の参考資料の四でございます。大蔵省が言われておるのは、現在の道路上の自動車の速度は十五キロだ。それを改良すれば二十五キロになり、舗装すれば四十五キロになる。そしてそこに受益率、燃料費だとか修繕費だとか油脂費だとかタイヤ、チューブ費だとかを掲げて、これをごらんになると、なるほど道路の受益というものはこんなに大きいものだというふうにお考えになられると思いますが、これはとんでもない誤まりで、現在の道路上の自動車の速度は、国道においては、四十キロぐらいの平均速度であります。二十五キロないし三十キロというのが普通の速度であります。都内のゴー・ストップの多いところは、十五キロもありましょうが、全くこれは、子供だましの数字で、低い数字の十五キロを基準にして、二十五キロ、四十五キロになる数字をここで出しておりますが、自転車ですら十五キロの速度であります。かようにして、数字をでっち上げて、受益が多くなるから、揮発油税を上げても不当でないということを国会で御説明になっておりますが、これは、賢明な先生方をごまかす一つの証拠として、十分検討の余地があるものだと私は考えるのであります。かような数字の羅列によって、大きな税をかけていく一つ説明資料になってはおりますが、衆議院においては、御承知の通り、原案に対してはもう第三回の修正をされて、今なお、今日も非常にもまれて、おるのは、なぜかと申しますと、大蔵省の数字が信用できないということに尽きるのであります。去る二十五日、大蔵、運輸、建設の合同委員会において、大蔵大臣、通産大臣、運輸大臣の三大臣の御答弁を拝聴いたしましたが、いずれも、大蔵大臣のお説に対しては賛成できない。たとえば、揮発油税を今度上げるについての需要量の策定について、当初は三百六十万、それが政調会において三百九十万に修正されて、現在に至っておるのでありますが、その後交通部会においては四百二十万、運輸省でも四百二十万、この三十万の食い違いがまだ未解決でありますが、常に寡小の数字を掲げて、そうして税率を高くして、そして税収をはかろうというのが大蔵省のやり方で、これは、徴税のためには手段を選ばない、かようなことは、昔、悪代官が農民を苦しめたということと同じことで、もう、自動車関係からもあるいは佐倉宗五郎のような者が出てくるのじゃないか、こういうので、悲壮な叫びをいたして、昨年来大会に次ぐ大会をやり、昨日五千人の自動車関係者が第一議員会館、第二、第三と集合いたしまして、衆議院に押しかけたような状態で、全くわれわれの血の叫びであります。  かような点から見て、揮発油税を一応正しい税率に直して後に、軽油引取税に入ってくるのが妥当ではないか、かように考えておるものであります。ことにアメリカの例を引かれ、あるいは欧州の例を引かれますが、欧州の例もさることながら、外国と日本と違う点は、アメリカの道路の発達史を見ますと、最初は寄付的行為から道路が建設されまして、自動車がふえていく。また、アメリカの自動車の使用者というものは、御承知の通り、オーナー・ドライブ、みずからハンドルを持って運転する者が大部分で、乗用車について見るならば、全体の二%が営業車であって、そのほかは全部自家用車である。数字を持っておりますが、省略いたしますが、トラックにおいても、営業車が一・八%、あとは全部自家用であります。バスだけが、これはスクール・バスが非常に多いために、四六%が営業車、日本においては、乗用車の一八%が営業車で、トラックの三七%九が営業車、バスは九五%が営業車、こういうふうに、自動車の使用状況が違います。従って、税の負担力というものは、アメリカあるいは欧州の人たちは、みずからハンドルを持つというので、快適ドライブと身の安全という点から、道路整備の金を自発的に出してきた。こういうことに大きな違いがあるので、それを、税率のみを一緒にしようということは、これはとうていわれわれの承服できないところであります。ことに自動車が全部の受益者であるかのごとく御説明されておるのでありますが、これも大きな誤りで、鮎川道路調査会の調査によりますと、道路から受ける自動車の利益というものは三四・二%で、その他は大体国全体の利益になるんだ、かように出されております。また、産業計画会議の松永安左衛門さんが、昨年の十二月十五日道路整備に関する勧告書を出されております。この赤い本は、衆参両院の先生方に配布になっておりますが、この中にも強く御説明をされておる。これは、道路というものは、国の産業経済に密接の関係があるんだから、揮発油税に依存しないで、国みずから年々二千億円の金を出せ、また、アメリカの調査団のワトキンスの報告にも、千八百億程度の金を国が出せ、かように言われておるのであります。この松永安左衛門先生の御意見は非常に飛躍した意見で、今直ちに国費をもって二千億の金を出せと言っても、これは容易ならぬ問題ではありますが、少くとも遠路という問題につきましては、国費も相当に出さなきゃならぬ。これにつきましては、自民党の政調会においてもそれぞれの御意見がありまして、今年の一月九日、衆参両院の自民党の政調会において御決定になったのが、次の申し合せをいたしております。一月九日、揮発油税は半額程度引き上げるが、これと同額程度を一般財源より支出する、これを一月十一日に修正しております。揮発油に対する課税は若干引き上げるが、別途これと同紙程度以上を一般財源より支出するものとする。かように修正して、軽油引取税については揮発油税に準じて税率をきめろと、かように政調会では結論が出ておるのであります。それを無視して、国がわずかに三十二年度において四十四億出すことになっておりますが、この四十四億に対しても、私たちは納得できない。というのは、三十二年度増徴額が百二十八億であります。それに対して政府は、百二十九億のわれわれが承服できない補助金とか、あるいは特別の支出をいたしておるのであります。昨日も、衆議院の大蔵委員会において問題となっておるのでありますが、相当にこの問題は追及されると思いますが、臨時就労に七十四億、失業対策に十五億、積雪寒冷地帯に十億、日本道路公団に三十億、合計百二十九億という金が揮発油税から出るのであります。失業対策というのは、労働者の一般財源から出すべきもので、ニコヨンの救済のために揮発油税を使うということは、われわれ承服できない。また、日本道路公団は、御承知のように、有料道路の建設である。この公団に三十億の金を出すということは、揮発油税の性格からいきましてもおかしいのではないか。理屈を申すならば、百二十八億の増徴をして、百二十九億の不当支出をするならば、増税する必要はないじゃないかという意見にもなるのであります。かようにして、揮発油税については、いろいろの角度から私たちは意見を持っておるが、不幸にして自民党は、五千三百円まで税率を下げて、本日あるいは明日あたりで押し切って、これを衆議院に回付すると意気込んでおられるのでありますが、これは、大蔵委員会の問題でありますが、これに関連いたしまして、軽油引取税の問題が出てくるのであります。  先ほども申し上げますように、揮発油税税率がきまってから、軽油引取税を御審議願うのが妥当だと考えますが、国会の期日関係から、先になったと思うのでありますが、軽油引取税について、まず第一にお願いしたいのは、昨年の付帯決議であります。衆議院地方行政委員会においては昨年の四月六日、参議院の地方行政委員会においては四月二十三日に、付帯決議をされております。軽油引取税については、次の国会において税率の軽減その他の適切なる措置を講ずる。これに対して太田自治庁長官は、その趣旨に沿って十分善処するということを公約されておるのであります。去る二十五日の衆議院におきましても、池田大蔵大臣は、国会の決議を尊重するかしないかということをいろいろ委員から御質問のときに、国会の決議は十分尊重するということを御答弁になっておられるのであります。しかるに、この揮発油税につきましても、昨年の十二月三日衆議院の運輸委員会、十二月四日参議院の運輸委員会で、与野党一致で反対の決議をされたのを、これも無視されておる。またここに、軽油引取税についても、付帯決議があるにかかわらず、また増徴しようとしておることについて、私たちは非常に割り切れないものがあるのであります。  なぜかように私たちは反対するかと申しますと、大きな角度から、第一に申し上げたいのは、日本のディーゼル自動車の発達あるいはこの産業的の立場において、保護育成しなければならぬ。石油の外貨を節約し、そして、経済的に走る自動車の普及というものは、国内に毎年ふえて参ります。また、輸出産業としても非常に優良であり、また、諸外国と比較しても、その性能、価格においても劣らない、かような点からワトキンスも、日本自動車工業の中で、ディーゼル自動車は、ドイツに負けないような優秀なものだと言っておるのであります。従って、年々の輸出がふえて、今年度は少くとも四千万ドル以上の輸出も有望であります。かようなときに、わずかばかりの軽油税をかけて、そして国内の普及をはばめば、その生産コストというものが高くなる。国内の消費を強めて、その生産数量をふやして、価格を落していく。いわゆるコストの軽減ということは、生産数量に準ずるのでありますから、ですから、経済企画庁がいうこの燃料経済面から見ても、ディーゼル自動車の普及を奨励しておる。また、運輸省も、これに対していろいろの角度から意見を出されておるのであります。運輸省の意見も、私の意見書の最後についておる——あとで御高覧を願えればけっこうですが、一面われわれトラック業者あるいはバス業者の立場から見ましても、現在のディーゼル自動車揮発油単との関係につきまして、欠点もあり、長所もあるのでありますが、できるだけ軽油車を使うということになっておるのであります。欠点と申しますのは、価格が高い。たとえば、五トン級の自動車で、ガソリン車は東京渡しでも百二十五万円、それに対して、ディーゼル車は百六十五万円、三〇%高いのであります。自動車の修繕費におきましても、大体倍額以上になっております。たとえて言うならば、三年経過したものについての修繕費、キロ当り、ガソリン車の三円七十銭に対して軽油車は六円八十九銭、これからいうと、六八%高い。償却費において、キロ当り、ガソリン車の八円三十三銭に対し軽油車が十一円、三二%、こういう、諸経費は高いが、燃料費が非常に安いということに魅力があり、また、日本のような山間僻地が多い所では、坂道に対して非常に力がある。こういうような利点が多いために、ディーゼル自動車が普及されておるのであります。従って、今後の自動車工業のあり方というものは、ガソリン車よりもディーゼル自動車の方が、国内の発達とともに、諸外国にもこれが普及されていくという点をまずお認め願いたいのであります。  かようにして、私たちは、ディーゼル自動車の普及と、また、国の経済という両面から見て、何とか軽油の値上りを防いで、国内において、われわれの理想とするディーゼル自動車を生産されるように、この軽油自動車の今度上げられるということに内定した衆議院の決議を見ますというと、三千円が二千四百円、こういうことになったようでありますが、昨年度におきまして、私たち、御臨席の奧野部長さんからもお話を承わったのでありますが、自治庁の昨年度のお考えは、三千円程度というふうに私たちは考えておった。また、私自身が伺った当時の政調会長水田さん、今の通産大臣でありますが、三千円程度で全面課税をしていきたいということを私にはっきり申されたのが、それが一部の反対があって、自動車用にのみ課せられて、そうして税率が六千円にきまったのであります。かような経緯もありますので、私たちは、この機会に全面課税に移して、そうして農林、水産の方には特別なリベート方式でもおとりになった方がいいのじゃないかということで、われわれ業界は、軽油税の引き下げと同時に、全面課税でいくように要望しておるのであります。  時間の関係で、もう少し言わしていただきますが、それならば、どういうことをお前たちは考えるかという御質問があると思いますが、私たちは、現在の六千円の課税で、自治庁の御予算は十分充足できるというふうに考えておるのであります。自治庁の今度の予算が五十五億一千四百万円であります。この改正前は、三十七億二千万円と承知しておりますが、この揮発油税に便乗させたと言っちゃはなはだ失礼ですが、非常に大きな数字を掲げておりますが、運輸省が調べた数字によりますというと、三十二年度の軽油の消費量が八十四万五千四百九十七キロリッター、これを価額に換算しますと、六千円で計算しまして、五十億七千万円、わずかに四億四千万円の差しかないのです。四億四千万円というのは、ほかの方法で、自動車以外の工業用の課税品で十分できる。従って自治庁のお考えになる二千四百円の値上げの必要はないと、かように考えるので、この点につきましては、私が数字を持ち出したのではありません。運輸省から出された数字をそのまま引用して申し上げるのでありますから、それについての御疑問等もありましたら、適当な機会に、運輸省の自動車局の責任者をお呼びになって、私が今申し上げました八十四万の消費量というものを再確認願って、どうか自治庁の予算にも狂いのないように、そうして、われわれの増税もこの際お取りやめを願うように、特段の御配慮を願えればありがたいのでございます。  時間の関係で、以上をもちまして、私の公述を終ります。
  30. 本多市郎

    委員長本多市郎君) ただいまの御意見に対して、御質疑がありましたら、この際発言願います……。  それでは、次に大衆飲食税関係として、全国鮨商組合連合会副会長篠原耕一郎君にお願いいたします。
  31. 篠原耕一郎

    参考人篠原耕一郎君) ただいま御指名になりました全国鮨商組合篠原耕一郎であります。今回お招きを受けまして、遊興飲食税に関し、われわれ業界の意見開陳する機会をお与え下さいましたことを、まずもって厚く御礼を申し上げます。  私ども、全国大衆飲食税対策協議会といたしまして、昨年の暮、国会に請願いたしました内容は、一、免税点、現行二百円を三百円に引き上げていただくこと、二、チケット制、一品の免税額を現行百円より二百円に引き上げていただくこと、三、税率、千円以上を一割以下、三百円までを五分という、三つの目標を掲げましてお願いをいたして参りました。  ところで、このたびの政府案によりますと、免税点現行二百円が、私ども請願と同様の三百円に引き上げを予定されておりまして、私ども昨年来のお願いがようやく実現に近づいて参りましたことは、ほんとうに喜びにたえない次第であります。この上は、国会の諸先生方の深い御理解と御同情によりまして、一日も早く達成されまするよう、ここにお願いを申し上げる次第でございます。  次に、チケット制の問題でありますが、請願と現行の中庸をとった百五十円を政府案としてお認め願いましたことは、やや不満足ではございますが、現段階としては、これまた御礼を申し上げるわけでございます。  さて、目下問題の最も焦点となっております、業界の深い関心を呼んでおる、税率変更の件でございます。現行法は、普通飲食の場合、三百円より五百円までは五分となっておりますが、今回の改正案は、一躍して倍額の一割に引き上げようというのであります。この発表は、業界に重大なショックを与えた結果となりまして、免税点三百円引き上げの喜びも、この一点に裏切られた感じが深いのであります。  では、なぜ私どもはこれに反対であるかと申し上げますと、この点に関し、しばらくの間、私どもの見解を述べさせていただきたいと思います。  まず第一に、今国会は、国税において一千億という大幅な減税方針を打ち出されております。その現われとしまして、免税点の引き上げ、また花代税率の引き下げ、あるいは旅館の基礎控除の引き上げなどと、一連の軽減措置が行われるものと存じます。しかし、そのうち特に普通飲食の三百円より五百円の間だけを五分から一割の倍額に引き上げようというのは、減税方針に一貫性が欠けているのじゃないかという、言いかえれば、減税に対する逆行であり、矛盾ではないかと考えておる次第であります。  その間の税率だけを倍額増税するには、特別の理由がなければなりません。では、果してさような理論的な根拠があるかという疑問であります。三百円より五百円までの飲食は、主として簡素な冠婚葬祭用並びに歓送迎会、クラス会など、きわめて庶民的な各種会合に最も利用されやすいものでありまして、今日の生活水準から見て、決して奢侈的な課税対象とは考えられません。と申しますよりも、国民生活の向上に歩調を合すならば、むしろ当然免税されてもしかるべきではないかとさえ考えるのであります。こういう低い普通飲食が、千金万金を投ずる遊興と同率の課税であって、しかも、逆に増税となるがごときは、低額消費者になおさら過重負担をしいるという印象を受けるのであります。芸妓の花代との比較において、花代は三割より一割五分と半減されましたが、大衆飲食は、逆に五分より一割と倍増されております。これでは、低い普通飲食より、高級面、遊興面を擁護すると申しますか、優遇するといいますか、いずれにいたしましても、国民に与える印象は暗く、大衆負担軽減の本旨にもとるものでありまして、その影響の及ぼすところはなはだ寒心にたえないのであります。これにつきましては、すでに各新聞その他報道関係方面もまた、一せいにその非を鳴らして、痛撃しておったようでありましたが、世論も一致して、これに痛烈な批判を加えておることは、諸先生もすでに御承知のことと思うのであります。  第四に申し上げますのは、政府案のねらいの一つに、税率の簡素化がうたわれておりまして、一割課税に一本化する模様でありますが、それは、原則的に反対は申し上げません。ただし、簡素化のしわ寄せが、花代や高級飲食を素通りして、実質的な消費、すなわち三百円より五百円の線に現われたということは、はなはだ不合理であり、見方によれば、花代課税半減の犠牲がここに集中されたとも考えられるのであります。  自治庁の御説明を伺いますと、二百円より三百円に免税点引上げをすると、減収は二十億円、三百円より五百円に一割課税をすると、その増収が八億円、その間の差引は十二億円となっておりますが、それだけが減収、すなわち大幅な減税に変りはないというお話でありました。もちろん、総括的な数字の上では、さようなことにはなると思いますが、それにいたしましても、三百円から五百円の間が増税であるという事実には一向変りはございません。私どもは、どこまでも消費者の立場を代弁するわけであります。総括的数字の上の議論は、徴税技術上の問題であって、消費者自体は、おそらく増税に対する弁明としては、納得しかねるものがあると存じます。徴税の技術といたしましては、このようなはなはだしいでこぼこのない公平妥当な方針をお立て願わなければ、お客様から納得していただくわけには参りません。  以上の点を要約いたしますと、この技術操作の点から見、また、矛盾を是正する上からも、三百円から五百円の間は、現行通り五分に据え置きをお願いする次第であります。これが最も自然かつ妥当な措置であろうと存ずる次第であります。  右に掲げました五点が大きな反対理由でありますが、次に、この間に対する公給領収証の点に論及したいと存じます。  第一に、公給領収証は、決して好ましい制度ではありませんが、私ども大衆業者としましては、ない方がはるかに気楽でございます。けれども、一方、税収確保の上から、どうしてもこれが必要であり、公領なしには免税点の引上げが不可能であるといたしますならば、その発行もまたやむを得ないという見解に立っております。なぜならば、公領を廃止しますと、税収の裏づけが危うくなりますので、勢い推定課税が復活するおそれが多分にございます。推定課税は、結局割当課税となりまして、税当局の一方的な見方を強制される結果となります。このために、業者対税当局との間に、毎月トラブルを起して、争い続けていかなければなりません。さような過去の苦い経験から、再びそれを繰り返したくないのであります。  第二には、公領の実施であります。公領の実施は、消費者から安心して納税していただけるという利点があるわけであります。公領実施以前は、この税に関し、世間一般が無関心でありましたために、業者として、顧客の了解を得るのにいろいろ困難がございました。その結果、消費者から税が徴収困難になりまして、やむを得ず出血納税をしなければならないという、むしろ不利な立場に追い込まれておったわけであります。言いかえますならば、公領実施は、私どもを出血納税から解放してくれた制度であるとも見られるのであります。  これを要するに、公領は、本来好ましいものではないが、これにかわるべき良策がない限り、ないよりはましである。ただし、公領の裏づけによって、免税点は時代の進展に応じた額に引上げていただくことに尽きるわけであります。三百円以上五百円までを五分にぜひお願い申し上げたいことは、一応大衆の飲食に関しまして、三百円以上五百円までに一割の税率が適用された場合、一般の消費者に納得してもらえないことであります。現在、二百円以上五分でありましても、この程度の飲食に飲食税がかかるのかというような、消費者からいろいろと問いただされまして、現在苦しんでいるようなわけでありますので、加えて五分が一割に上りました場合には、なおさら徴収困難になることは予想されるのであります。  最後に、結論を申し上げますと、最初に申し述べました請願が実現困難な場合は、現行税率の据え置き、すなわち、税率三百円以上五百円までを五分、五百円以上を一割という線をもって御採択を賜わりますならば、幸いと存ずる次第であります。
  32. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御質疑がございましたら、この際お願いいたします。  それでは、参考人の御両氏にはまことにありがとうございました。   —————————————
  33. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 次に、市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、第二十国会政府案として衆議院に提出され、今国会まで衆議院において継続審査を行い、修正の上、去る三月二十六日に本院に送付され、当委員会に付託されたものでございます。  これより本案について、政府より提案理由説明を聴取いたします。
  34. 加藤精三

    政府委員(加藤精三君) ただいま議題に供されました市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。  市町村職員共済組合法は、市町村職員に対しても、国家公務員及び都道府県の職員なみの共済給付を保障することを目的として一昨々年制定されたものでありますが、今回、健康保険法及び国家公務員共済組合法の改正が行われるに伴いまして、これに照応して必要な改正を行い、その他組合運営の実情にかんがみ、若干の改正を行う必要があると認めましたので、本法律案を提案した次第でございます。  次に、本法律案の内容の概略を申し上げます。  第一は、健康保険法の改正に伴う改正でありまして、療養の給付について、健康保険の例にならいまして、組合員にその費用の一部を負担させるものとし、組合は、当分の間、これにより生じた余裕財源の範囲内で、一部負担金の払戻しその他の措置で規約で定めるものを行うことができることとし、その他必要な改正を行おうとしております。  第二は、国家公務員共済組合法の改正に伴い、必要な改正を行おうとするものでありまして、その主なものをあげますと、その一は、退職一時金を受けた者が再び組合員となり、再退職した場合において、組合員であった前後の期間を合算すれば年金を受けることができる年数に達することとなるときは、恩給法におけると同様に、期間の合算を行い、年金を支給しようとするものであります。その二は、退職年金を受ける権利を有する者の再就職による年金の改定額は、従前の年金額に再就職期間にかかる部分についての加算を行った額を下回らないものとしようとするものであります。その三は、廃疾一時金を受けた者の廃疾の程度が退職の時から五年以内に増進し、廃疾年金を受けることができる程度となったときは、廃疾年金を支給しようとするものであります。その四は、船員保険の被保険者である組合員に対しては、原則として共済組合法による給付を行い、本人が選択した場合にのみ、船員保険法による給付を行うようにしようとするものであります。  第三は、その他組合運営の実情にかんがみ、必要な改正を行おうとするものでありまして、その一は、組合の規約の変更のうちで軽易な事項については、自治庁長官の認可を要しないものとし、その二は、組合が福祉事業を行うに当っては、町村職員恩給組合と共同して行う等市町村職員の福祉を増進するための事業が総合的に行われるように努めなければならないものとし、その三は、組合を組織している市町村とその他の市町村とが合併した場合における組合と健康保険組合との関係調整に関する規定を整備しようとするものであり、その四は、組合を組織しない市町村経費負担している団体から受ける長期給付に相当する給付についても、組合から受ける給付と同様に、非課税の措置を行おうとするものであります。
  35. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。   —————————————
  36. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 次に、公営企業金融公庫法案を議題に供します。  本案につきましては、すでに質疑の段階に入っておりますので、これより質疑を行います。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  37. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 速記再開。
  38. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 公営企業のことについて債券発行の計画であるとか、利率であるとか、償還であるとか、これに付随したいろんなことがあると思います。それらのことについて、一つ概略承わりたいと思います。
  39. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) あとから資料を差し上げますけれども、大体今の公庫の本年度の計画は、出資金五億のうち、一部は事務費に充てます。そのうちの四億と、それから債券が七十億、これは別途予算の審議と一緒で議決を経てお願いすることになっております。合せて七十四億をこの公庫のいわゆる融資に充てたいという考えでございます。それで、大体これの融資の条件は、七十億の債券が、金融公庫債がどの程度の形で市場に発行されるかという問題がございまして、これは市場の金融状況その他との関係をにらみ合せなければできませんが、普通の公団公社債と同様な条件でわれわれは発行いたしたい。これは、大体が七分の利率で従来やっておるわけでございます。七分で発行いたしておりまして、ただし、それにつきましては、債券発行のいろいろ手数料等がかかりますので、これをできるだけ安くいたしたい考えでおりますが、あるいは二、三厘はどうしてもかかるのではないか、三厘か四厘、普通の公社債は、実質的には七分二厘四毛という条件で発行になっておるようでございます。だから、そういう条件と見合いで発行いたしたい、そういたしますると、あとは公庫経営の事務費の問題で、事務費のコストとして、われわれは一厘予定いたしております。それでございますから、実際の発行額に一厘を加えた条件で、一般市町村その他府県に貸したい、大体そういう考えでございます。それでございますから、七分四厘か三厘、できるだけこれは安い条件で発行いたしまして、安い条件で貸そうという考えでございます。今まで出ております、この公募地方債の利率の状況でございますが、これは、三十一年度末の公募債の現債高が千二百六十九億、そのうちで公営企業関係が四百五十八億ございます。大体四百五十八億のうち八分以上で出しておるのが総計二百四十六億、それから八分未満がその他と、こういう大体割合でなっております。非常に高いのは一割以上もございますし、九分以上も相当にございます。九分以上は、合せますというと、二百億くらいの数字になります。大体こういう、きわめて過去のやつは相当高利で出ておるわけでございますが、最近はこの利率が、金利がやや低下の状況にありまして、率直に申しまして、二十八年、二十九年、三十年の趨勢を見ますというと、やや安く出ておるのが実情でございます。三十年度の実際の発行状況を見ますというと、府県では、八分未満で出しておるのが四八%でございます。それから五二%が八分以上。ところが市町村では、そんな有利に出すことができませんで、市町村では、八分未満がわずか二割、八分以上のものが八割、こういう状況で公募債を発行いたしております。そういうものは、今度の公庫によりまして、相当安い金利で融通ができることになる、こういう考え方でございます。大体七十億というのは、今まで議論がありましたが、非常に私は少い金額だと思いますが、できるだけ私は、公庫を早く設立いたしまして、そしてこの公募債の償還をはかって、七十億をできるものなら早く消化してしまいまして、そしてゆとりがあれば次の国会あたりに、もしもうみんな消化してしまうと、一つのワクの拡大をお願いするというふうにぜひ運びたいという気持でありまして、できるだけ公庫を早く設立して、店開きをいたしたいということがわれわれ事務当局の考えなのでございます。
  40. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 いつから発足なんですか。
  41. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは、この法律が公布になりましたら、すぐに関係政令等の準備もございまして、設立準備をやりまして、おそくとも六月一日には公庫を成立させたい。そして、それから公募債発行の手続きを進めたい。こういう考えでおるわけでございます。ただ、債券発行になりますと、これまた、いろいろ手続きがございますので、すぐに債券発行ができるかできぬかわかりませんが、とりあえず公募債——できますれば貸付を、この出資金の一部がございますから、出資金の一部の貸付等を早くやりまして、そしてあとは公募債発行の状況に応じてやりたい、どんなにおそくても、九月から当然に公庫として貸付をやらんといけない、こういうふうに存じております。
  42. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そういうふうにやろうということはよくわかるのでずが、七十四億ですか、全部で七十四億ですが、これはこのうちで幾ら公募債になるのですか、七十四億の……。
  43. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 御承知の通り、公営企業関係の公募債は、ことしの予定では、全体で百九十億あるわけです。公営企業全部の公募債が百九十億のうち、大府県とか、大都市等で、従来指定債といって、自由に相当安い利率で払っておったのが七十億になります。あと百十億、百二十億というものが一般府県市町村で割りと高い利率で払わせられておった。それを消化するために、公庫として約七十四億だけ引き受けろということだけが今度の国会でしていただけるわけでございます。七十億使いましても、あと公募債が三十億や四十億ございますから、そういうものをできるだけ早くこっちのワクを広げて、そうしてこっちでさばきをつけてやった方がよくないか、そういうのがわれわれの気持でございます。
  44. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 大へんけっこうなことだと思うのですが、実際問題として、七分三厘か、四厘になる程度でございますが、実際消化しきれますか。
  45. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) この公庫債の消化が、われわれといたしましても、一番気に病んでおるところでございまして、特に店開きをした早々でもありますし、それから、ほかの公団とか公社債と違いまして、都道府県に名前が出ているわけじゃございませんし、そう思うように右から左にいくかいかんか、これは、発行の条件とのからみ合いだろうと思います。われわれの計画では、大体九月から一月に十億ずつ一応やれればやろう、これは、大蔵省の銀行当局ともいろいろ打ち合せまして、政府のほかの公庫、公社債もたくさんございますから、それとにらみ合せて、この程度ならまあやれるだろうという見当をつけておるわけでございます。
  46. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 九月から十億ずつだとすると、あなたは、早く成立させて、ワクを広げようとおっしゃるけれども、実際九月ごろやれば、一ぱいになっちゃって、おっしゃることは納得がいかないのですけれども、計画は九月からおやりになるということは、私たちわかりますけれども、額面は一枚どのくらいですか。
  47. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) それですから、これは一応七十億の計画ですから、七十億としてそういう計画を作っているわけであります。これは、何も九月まで待っておる必要はございません。店さえ開いて、活動できるようになればやりたい。一部は市場公募もありますし、一部縁故募集も考えておりまして、縁故募集が大体二十億、市場公募が五十億、これは予定でございまして、これは公庫の人事その他、どうせこの方面に明るい人に一つ来ていただいて、公庫の運営をはからなければいかんと思っておりますから、そういう公庫の人事もきまって、そうした運用方針をそこでもう一ぺん再確認して、仕事を進めたい、こう考えております。
  48. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 縁故募集というのは、何か市町村ですか。あるいは県が取引をやっておる銀行に対して一つお願いする、そういうことなんですか。
  49. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 大体そういうこともこれはあると思います。一般の市場へそのまま出す場合と、それから、従来の取引しておるところにある程度持ってもらう。それから、これはもうすでに衆議院でもその話が出ておりましたから申し上げますが、院の方でも、いろいろ府県市町村で、共済組合とか恩給組合とかで、相当資金を持っておるものがあります。その資金をできるだけ活用して、また県市町村に還元をするという式も、これは一つの考え方で、ぜひそれを積極的に考えるようにという衆議院側でも御意見がありました。われわれも、そういうことをぜひ考慮をしたいと思います。
  50. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それから、対象事業ですね。何か衆議院の方で、公営企業金融公庫法に対して、何か下水ですか、これを対象にするとか何とかいうふうなことを答えられたそうですが、それはどういうことですか。
  51. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) この対象事業は、一応この法律では、主として経費を当該事業の経営によって得る収入をもって充てる、こういうことで、政令できめることにいたしております。これはわれわれは、こういうものに該当する限り、全部拾おうという考えで、下水が一つ問題になっているのですが、下水は普通、使用料を取っておりません。取っているのはほんの一部だけであるのですが、これはむしろわれわれといたしましては、これを政府資金でやらしたい。下水は、それだけで使用料をたくさん取るのが目的でありませんから、公募をつけずに、政府資金、安い金利のやつをつければこんな必要ありませんから、むしろ下水は全部政府資金をつけて、起債を消化した方が適当ではないか、こういう考えで今おります。
  52. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それから事務所は、第四条を見ますと、「東京都に置く」、こうなっておりますが、地方は、そうしますと、都道府県あるいは市町村というか、あるいは金融機関ですか、どういうところに大体事務を委託されるわけ、ですか。
  53. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは、地方の機構はなるべく簡素にという考え方で、支所、出張所は全然作らずに、二十一条に業務の委託の規定を置いてございまして、「貸付に関する調査事務」と一応書いてありますが、その貸付の調査に必要な資料を集めたり、意見を述べたりすることは、全部県に委託しまして、県の方では、どうせ個々の起債の許可をやっていますから、それから現実の現金の授受等は、これは銀行業務ですから、銀行に預けよう、こういう考えでおります。
  54. 鈴木壽

    鈴木壽君 今の、企業のどういうものがあるかというようなお尋ねがありましたが、政令に盛るのは、大体あなた方に、案があるのでしょう、どういう程度のものをやるのか。たとえば、今下水のやつはそうじゃないというお話がございましたが、大体準備されているのじゃないかと思いますが。
  55. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは、今別途御審議願っております財政法の一部改正で、従来の公営企業のほかに、収益的な事業も独立会計でやれるようにしまして、それで、特別会計を作るものを全部入れる考えでおります。大体公営企業では、電気、水道、交通、病院、市場、国際観光施設、ガス、公益質屋、それから簡易水道、港湾の埋立事業、屠場、大体実質的にそれに当てはまるものは皆入れよう、こういう考えでおります。
  56. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは、三十三年度からは、政府の出資が十億ということを予定しておられるわけですね、そうじやなかったですか。
  57. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは、われわれの希望でございまして、ぜひ十億にふやしてもらいたい、こういう考えでおります。ただ、これにつきましては、われよれも少し誤解しておりまして、従来、債券発行額が出資金の二十倍だ、こういう前提でございまして、二百億出すためには十億要るのだ、百億にすれば五億だ、こういう見当をしておったのでありますが、これは、われわれも誤解がありまして、政府の債務保証さえあれば、公庫債の信用はそこで与えられるので、出資金と必ずしも関係ない。出資金はどれだけでも、発行は可能であるということになりまして、また、事実そうでなければ、これは、この公庫は毎年々々百億か、そこら前後は発行していかなければならぬので、永久に続くわけでございますから、そういうことで、出資金と債券発行額が必ずしも関係ないことがわかったのであります。しかし、やはり公庫の信用力のためには、出資金もある程度なくちゃいかんので、来年は、ぜひ十億出資してもらうようにお願いいたしたいというのがわれわれの考えでございます。
  58. 鈴木壽

    鈴木壽君 この前のお話では、何か来年度からは十億ずつというようなことをちょっと聞いたように記憶しますが、そこまでの話はできておらないのですね。
  59. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 来年までの金額の約束は、それはできておりません。
  60. 鈴木壽

    鈴木壽君 ただ、ここで取扱われるいろいろの仕事というものは将来ますますふえていくであろうと想像されるものが、この中にみんなやってくるわけですね。そこで今のお話で必ずしも出資の二十倍とかなんとかいうことじゃなく、もっとワクを拡げることができるということで、まあ安心もされるわけなのですけれども、今申しましたように、これは各地方において相当のこれに該当するような仕事がふえるだろうということは、想像にかたくないわけでございますし、またふえることが望ましいとも言えるわけでございますから、そういう点でこれはワクを相当大きくしていかなければいかぬじゃないかと、おそらくこの三十二年度におきまして七十億といっても、ある意味におきまして、あなた方七十億に圧縮するのに、ちょっと頭を悩ますくらい、希望が集まってくるのではないか。さらにこういう公庫が創設されたということになりますと、なおさら一つ何というか刺激みたいなことにもなりはしないかということも考えられるのですしね。それから単にこういうこれから行う企業だけでなしに、過去のいろいろそういうことに対する何か借りかえ措置という言葉はちょっと当らないかもしれませんが、いずれそういうようなことさえも要望されるであろうし、考えなくちゃならない時代が来るのではないかとこういうふうに思うわけなのですから、そうしますと、今申しますようにワクの拡大といいますか、確保といいますか、非常にこれは大事な問題になってくると思うわけでございます。ですからお聞きしておきたいのは、昭和三十二年度以降どの程度までワクをふくらまし、それを確保するのかというような事柄、これはワクの問題、大きくなればなるに従ってちょっと私これは心配する点でございますが、市場に振り出すのですから、いろいろな他の公団とか何か公社とか、そういうものとのかね合いが将来起ってくるのではないか、というふうなことを私心配するわけです。起ってくれなければいいわけですが、何かそういうような仕事がふえるに従って、他の公庫等そういう性質のものにおきましても、仕事のワクがだんだんふえてくるというようなことから、市場がいわばせまくなるというようなことも予想せられますので、そういうことの見通しというか、対策申しますか、まあ対策という言葉はちょっと今のところ当らないかもしれませんが、見通しについて承わっておきたいと思うわけです。
  61. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) われわれといたしましては、先ほどちょっと申し上げました通り、ことしでも公営企業会計が百九十億、これは一部資料に載せてございます、資料の二十七ページにございますからごらん願いたいのですが、公営企業会計の公募債が百九十億ございます。この百九十億をおそらくやればこちらの方がはるかに条件がよろしゅうございますから、みんな希望してくることは明瞭でございます。そのうちで大府県とか、大都市等が指定地方債として、従来発行しておったのが大体七分三厘か四厘程度でやっておりまして、こういうものはここでさばきをつける必要はない、そのものが大体七十億くらいこの中に入ると思うのであります。そうするとやはり百十億か二十億というものが残りまして、そういうものはできるだけ引き受けてやった方がいいだろうというのがわれわれの気持でございます。今後明年度以降は、われわれ一般会計の起債をなるべく減して、公営企業会計をさらにふやそうというのが基本的な考えですから、今後公営企業会計の起債のワクがどれだけふえますか、ふえるに従ってある程度公募債もふえるかもしれない、考え方といたしましては公営企業会計でもできるだけ政府資金をとった方がいいと思いますけれども、ある程度ふえるかもしれませんので、やはり百億前後の公募債が発行できるようにしなかったら、とてもうまくいかぬだろうと思うのであります。それでございますから、どうしてもそういう見当でこれは明年からこの運営を考えたい。まあそれにしましても公募債の売れ行きの問題が基本にございまして、これはどうしてもやはり今のお話の通り公団、公社債ともぶつかることも事実でございます。大体政府の保証債は昭和三十二年度の計画では六百十五億になっております、全部の公団公募債は。六百十五億の中にこれも入って消化をしていかなければいかぬ、これは全般の金融事情とのからみ合いで問題はあろうと思いますが、大体の今大蔵当局その他の考えでは、この程度ならば十分にできる、三十一年度は計画上六百九億でございます、それよりまあ六億ふえておるわけです。この程度ならば十分できるだろうというのが今の見当でございます。ですから店を開いてその状況も見ながらこちらのワクも考えていくよりまあ仕方がない、それとともになお縁故募集も可能な限り道を開いていきたい、こう考えております。
  62. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうしますと、来年度はこれで三十三年度以降も大体百億程度と、こう押えてかかっておるのですか。ですから、そういう限りにおいては今のあなたのお話わかりますが、私申しましたのは、もっと大きくしなければいけない時代がくるのじゃないか、そうした場合のまた心配というものがあるのじゃないか、こういうことなんです。もっと大きくする時代がやがてくるのじゃないか、こういうことなのです。
  63. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) もっと大きくするということは、結局単に新規の発行だけでなしに、旧債の借りかえもまあ引き受けたらどうだと、これはもうわれわれも実はそういう希望をいたしております。せめてこの法律ができるときに最小限度その権限だけ与えたらどうだというので、実は大蔵当局ともずいぶん折衝した問題ですが、まあとりあえずの問題でここで発足しようということにしたわけで、私は公募債の消化が可能な限りはぜひそのうちに率の改正もお願いして、古い高い公募債を借りかえるためにこれも活用するようにいたしたい。これもこの資料にございますが、二十六ページをごらん願いますと、先ほどちょっと申しました千二百六十九億という公募債が現にございまして、それが八分以上のものが五百八十二億、これだけの多額の公募債がございます。こういうようなものがむしろ安く公庫で借りかえるようなことになったら、非常に公共団体が助かることになろうと思います。だからぜひそこまでいきたいのですが、まあとりあえず新規のやつだけでもせめて十二分に消化するようにいたしたい、という希望を寄せておるわけでございます。
  64. 鈴木壽

    鈴木壽君 重ねてお伺いしますが、私お聞きしたのは、今のあなたのお話のような過去のものの借りかえ、そういうことが一つと、それから事業そのものによって当然ワクがふえてくるのじゃないか。従来までのこういうことに対する仕事の地方における実施の状況というものは、まことに何といいますか微々たるものだと思うのです、まあ極端な表現でございますけれども。従っていわゆる投資的な形態を備えるそういう仕事というものは、いろいろな形においてこれはふえてくるのじゃないか。と同時にまた一つの公共団体における企業体めいたことがふえてくる傾向に私はあると思うのです。そういうことを考えてみます場合に、団体の借りかえに必要な、肩がわりに必要なそういうことだけでなしに、二つの面から、それはたとえば百億程度というようなことがありましたが、それは押え切れないのじゃないか、同時にそれはもっと広げなければいけない時代が当然やってくるのだ、こういうことの二つなのでございますので、そこらを、これはまあこれから遠い将来のことはお互いに見通しのつきにくい問題でございますけれども、しかしここ一、二年の間に私そういうことが相当出て、考えなければいけない時代が来るのじゃないか。特に今言ったように、こういう一つのものが設けられることによって、また何かそういうような仕事に対して仕事をしようとする意欲といいますか、そういう気分が出てくるために、当然やはりそういう時代がやってくる。こういうことがあるわけですから、そういうことに対する見通しですね。と同時に今言ったように、場合によっては、金融関係の公庫全体のそういう市場に出す額というものは、やはりふくれあがってくるということも考えられますから、そういった場合に、そこでいろいろぶつかったり窮屈になる可能性がありはしないかと思うのですが、これは、私は専門的に立証する何もありませんが、一つの心配としてそういうことも考えるわけなんです。
  65. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これはお尋ねの通りでございまして、われわれといたしましては、公営企業というものはもっと伸ばしてしかるべきであり、伸ばさなければいかぬ。また地方だって要望はわれわれの考えておる以上に多いと思います。そういうことでございますので、公営企業の起債のワクはむしろ年々ふえてこそおれ、減ることはありようがありません。今年だってふやしたことですからこの調子でふえていくと思います。そしてまずふえていくときに一つ政府資金もふやしたい。全部公募債にたよるわけにいかぬのでありまして、水道にしろ交通事業にしたって地下鉄など考えれば、公募債だけでは高くついてどうにもならぬので、政府資金のワクもできるだけふやしたい。しかし一応公募債もふえるだろうと思います。またふやしていって一向かまわぬと思います。そういう意味で一応は百億と申しましたが、百億から百五十億というのが、一応われわれが見当をつけておるわけでございます。そういうときになればほかの公団公庫債だって同じような問題で、やはりできるだけ債券をふやそうと思っていますから、その間のぶつかりは私はある程度当然出てくるだろうと思います。しかし全般的な経済の伸びとマッチしていくよりしようがございませんし、われわれといたしましてはそういうことも考えるとともに、先ほどちょっと申しましたが、いろいろ公共団体関係のそういう資金をぜひこれとリンクしまして、今は普通の金融機関に遊んでおる、といっては語弊がありますが、遊んでおる金額だけから今ちょっと概算しまして、百億や二百億の金がないわけではありません。そこでそのうちで活用できるものは公庫債も引き受けますれば、その金額もまた伸びていきますから、それを還元するというような方式に考えていきたいと思っています。ですからこちらの公庫だけでとても独走はできません。全部が公団公庫債とのからみ合いで仕事を伸していくよりしようがないと思います。こちら独自の世界もぜひ切り開いていくことを考えないといかぬ、こういうのが今のわれわれの考えでございます。
  66. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは別に私、直接にどうのこうのということではありませんが、今、私申し上げたような点から、実は参考のためにあればほしいと思ったのですが、たとえば昭和三十年と三十一年との、こういうふうな企業でどの程度あなた方へ持ち込んで起債がほしいとか何とかいうようなことの資料がおありでしょうか。そのうちどの程度あなた方が取り扱ってオーケーを与えたか、というようなことがもしあれば、と思ったのですが。
  67. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) この起債の希望額を拾えば出てきますから、明日でも一つ
  68. 鈴木壽

    鈴木壽君 何もそんなに急がなくてもよろしゅうございますけれども、できたら……。
  69. 本多市郎

    委員長本多市郎君) それではただいまの質疑はさらに継続することとして、この程度にいたしたいと思います。
  70. 本多市郎

    委員長本多市郎君) なおこの際ちょっと御相談いたしたいことがありますから、速記をとめてお諮りいたします。    〔速記中止〕
  71. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 速記をつけて下さい。それではこの際連合審査会の開会についてお諮りいたします。揮発油税法案につきまして、委員の希望により大蔵委員会に対して、連合審査会開会の申し出を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。なお連合審査会の開会日時等につきましては、両委員長において協議決定いたすこととなっておりますので、これらの取扱いにつきましては便宜委員長に御一任願いたいと存じます。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会