○
政府委員(
小林與三次君) これは国の
予算に伴うものに全く右へならえでございます。
それから次の2は国庫補助負担金を伴わない建設事業費でございます。これは、
地方はもちろん国庫補助金を伴う仕事だけが
地方の仕事じゃないのでございまして、その他にもたくさんの仕事があります。従来はまあ単独事業という言葉を使っておりましたが、単独事業という言葉を使うと、いかにも
地方団体が勝手にやっているという印象がありましたので、その言葉をやめまして、やはり普通の建設事業であるが補助金を伴うか伴わぬだけの差別だ、こういう
考え方で一応こういう表現にしたのでございます。その
経費が五十四億、その内訳は、下水等、環境衛生施設等の
経費に六十億を計上いたしました。それから(ロ)が収益的建設事業への移りがえによる減十二億、これは、この両方をあわせて御
説明申し上げた方がいいと思いますが、(イ)の方はいわゆる都市的施設が中心でございまして、下水とか清掃とか汚物処理とか、あるいは火葬場とか、その他の都市的な環境衛生施設というものははなはだ不備でございます。これはどうしても充実させる必要がある。そこでまあわれわれは行政水準確保のためにも、片一方では道路、河川等の維持補修費が足らぬし、片一方ではこうした主として都市を中心とした環境衛生その他の施設費が足らぬ、この施設費を
相当増強すべし、こういう
考え方でおったのでございますが、まあ不十分ではございますが六十億を新たに計上することができたのでございます。それでまあ合せまして百四十億が行政水準確保のために従来よりプラスすることができたのでございます。それからこの(ロ)の収益的一建設事業というのは、このうちで簡易水道とか、それから港湾の埋立事業とか屠場というふうな仕事がございまして、これはそれぞれ収益が上っておりまして、独立採算が可能な、あるいは独立採算的に経営すべき
経費なのでございます。そこで、そういう
経費はむしろ一般の
財政計画からはずして、独立採算的に経営した方が事業の運営も合理化されるのじゃないか、こういう
考え方でそれをはずすことにいたしたのでございます。その
経費がまあ前年度比の計画では十二億減っておる、本年度といたしましては総体五十億を考えております。そのかわり、もうこれは全部起債でさばきをつける、起債で建設的な企業
関係として五十億を考えております。でありますから五十億は実質的に
地方財源として別ワクでふえる、こういうふうに御承知願いたいのでございます。でありますから、単に六十億がふえるだけでなしに、十二億減ってほかに五十億というのをワク外に置いておりますから、まあ差額の
経費でありますが、この建設事業としてはふえる
計算になるわけでございます。大体そういう
経費でございます。
それから最後に、
地方交付税の不
交付団体における
平均水準をこえる必要
経費三十一億、これはまあ不
交付団体に対する
経費で、主として大
府県、大郷市になりましょうが、これは当然に、交付税をもらわぬからといって、よけいな仕事をやっているわけじゃもちろんない。それだけの行政需要があるわけでございまして、そういう
経費を一応交付税の税の自然増に見合って、この差額を計上してあるわけでございます。それで、歳出は全体として一千四億の増になっております。
歳入は、
地方税の問題で、これは税の方でいろいろお聞きだろうと思いますが、普通税における自然増収、税制
改正による増減で、差し引き五百七十二億、目的税においては自然増と税制
改正の増を合せて五十五億、合せて六百二十八億増、
地方譲与税では六十億の増と、こういうことになりまして、結局税におきましては、百億減税をやりましたけれども、差引六百八十八億の増と、譲与税を合せましてこういう
計算になるのであります。つ
まり約七百億弱の税の増収があると、こういうふうに概括して言えると思います。それと、交付税がこの率を一%
引き上げましたのと、自然増に伴いまして三百三十九億ふえまして、それから三十一年度に
地方交付税の繰り越し見込額として七十六億、その七十六億は、第一次補正
予算において組まれました百億のうちで、三十二年度に繰り越しを予定しておる
金額でございます。このほかになお、まだきまっておりませんが、第二次補正において約十億見当
増加するはずでございまして、その場合には
財政計画をもう一ぺん修正する必要はございますが、この七十六億が八十六億にふえる。こういう第二次補正さえ通れば、そういう見当になるわけでございます。それで、合せまして交付税で三百二十五億ふえるという
計算でございます。
それから国庫支出金は百七十七億増で、これは国の
予算に伴うものでございますから特に申し上げません。
地方債は百九十五億の減、この
地方債につきましては、従来から
財政計画をできるだけ健全化するために、一般財源の増強に見合いまして一般会計の起債はできるだけ減らしたい、今度
相当収入が伸びますので、こういう機会に
財政構造を合理化したいという
考え方をとったのでございまして、そのうちで、特に前年度では御承知の通り借換債の八十億があり、退職債の六十億があり、そういう
経費は、
財政計画上見るのはこれは適当じゃない、そういう
考え方でこれは全部はずしちゃう。その他事業もできるだけ一般財源に振りかえることにして、百九十五億減らすという
考え方をとったのでございます。
それから雑収入は十二億の増、これは高等学校生徒増に伴う授業料の増でございます。これは授業料の値上げという問題ではなしに、自然増に伴うものでございます。
それから「その他」と書いてあります五億は、基地所在
市町村の財源付与対策として、これは常にこの
委員会で問題になっております
経費でございますが、これはどういう形で出るかきまっておりませんので、一応「その他」として計上してあるわけでございます。それで、歳入も大体一千億ふえるという
計算でございます。
要するに、つ
まり税が約七百億弱――六百九十億余りふえ、交付税が三百二十億ふえているので、それの結果何が出たかと申しますというと、
給与改訂その他の義務的な
経費並びに国の
予算に伴う当然重要施策というものをまかなうほか、
一つは従来足らなかった行政水準を少しでも充実するために百四十億余りの金を見ることができ、片一方では起債を約二百億減らしまして、起債による歳入構成をできるだけ是正することができた、こういうことが大観して言えるのでございます。
それからその次のページは、これはもう前年度との比較でございますから、申し上げる必要はないと思います。
それから七ページに、本計画における歳入歳出の構成
比率と、三十一年度
財政計画との比較を載せてございます。税収入の構成
比率が三十一年度、三十二年度にどう変ったか。たとえば
地方税で見ますというと、去年三八%であったものが四〇%にふえる。譲与税も二・三%から二・六%にふえ、交付税は一五・六から一七%にふえる。国庫支出金は、額ふえておりますが、総体的に率が減る。
地方債が六・八から四・五になる。これでごらんになります通り、税がふえ、
地方交付税が伸びて、
地方債のようなものは総体的に減って、歳入構成が去年に比してやや堅実になったと、こういう姿が見られるわけでございます。
それから歳出の方は、消費的
経費が六五・八から六五、公債費が六から六・七、維持補修費が一・七から二・三、投資的
経費が二六・五、から二六と、公債費の増がここに目立っておるわけでございます。維持補修費は、新たに立てましたので、こういう
数字が出てきております。これがまあ大観でございます。
それからその次に「歳出の概要」というものがございまして、ここにそれぞれの
経費算定の
基礎を書いてございます。これは、それぞれお読み願えばおわかり願えることだと思います。第一番が
給与費でございまして、一般
職員及び義務制以外の教員の
給与費の算定の
基礎を交付、不交付に分けて書いてございます。その中心は、
昇給率を見込んで、その他
給与改訂を見込み、〇・一五とか薪炭手当とかを見込んだ結果であるというゆえんをここに書いてあるわけでございます。警察
職員につきましても似たような問題で、ただ警察
職員につきましては、従来警察
職員は数年にわたって
整理をすると、こういう問題がございまして、三十二年度はその最終年度に実はなっておったのでございます。これにつきましては、三十一年度の計画通りという
数字になっております。それは警察官につきましては、その後のいろいろな情勢の変化によりまして、ある
程度増員の必要があるという警察庁の強い要望もあったのでございますが、増員の必要はない、ともかくも従来の
整理を一応据え置くと、こういうことで十分間に合うのではないかという結論に最後になりまして、そこで三十一年度の計画上の人員をそのまま三十二年度においても固定するという
考え方で
職員数がき
まり、
あとは
給与費の
増加要因をつけ加えまして算定いたしたものでございます。義務教育につきましても同じような問題でございますが、これにつきましては、教
職員数に異動がございます。それは、児童生徒数がやはり三十二年度に増減がございまして、小学校におきまして三十万ふえますが、中学校において二十万減る、こういうことで、差引三十二年度において児童生徒数が十万ふえますので、それに対応する教職責の
増加数を計上したものでございます。これはみな、国の義務教育職責の国庫負担
関係の
経費に対応いたしまして、そこに計上されたものに全部右へならえをして、必要な
経費を
財政計画で見ることにいたしたのでございます。
それから「議員
委員の報酬」等は、これは特別に申し上げることはございません。
恩給及び退隠料は、先ほど申し上げました通り、前年度の
実績への三%増に、文官恩給の是正等の実施に伴う平年度化に要する
増加見込み九億を加えたものでございます。
それからその他の
経費は、国庫補助を伴うものが
一つ。これは十ページにそのとまかい表がございます。先ほど申し上げましたことはみなここに載っております。国庫補助金、負担金を伴うものの
経費で、前年度との比較が書いてございますから、これで御了承願いたいと思います。このうちで、当
委員会に直接
関係がありますのは、新
市町村建設促進費というのが上の総理府所管にございます。これが三十二年度には二十七億、補助
予算が十四億五千四百万ありまして、
地方負担がふえまして、二十七億の金を
財政計画で見ることになっております。これは、二十七億しかないのかという誤解があってもいけませんが、これは、補助に伴いますものの部分だけでございまして、そのほかに、たとえばこの下に、農林省所管にあります農山漁村建設総合施設費、これは、いわゆる新農村建設
経費というのがございます。これは二十九億。その他学校統合に要する
経費、これは、
あとの補助のところに出ておりますが、その
経費とか、その他
財政計画の土台にそもそも
経費が入っておりまして、そういう
経費を全部通算いたしますと、直接合併の
対象としておる
経費が百二、三十億になるはずでございます。この
資料は、まとめて
国会の方へ提出するはずでございますので、きょうはちょっと持ってきておりませんが、すぐに、合併
関係の
経費は、まとめてごらんに供したいと思います。
その次の表が、国庫補助率の変更及び新設された普通補助金に関する調べで、明年度の
予算におきまして、国庫補助金で変更があったものをここに拾ってございます。新たに
増加したものも入ってございます。
それから次は、国庫補助負担金を伴わない
経費で、これは、先ほども御
説明申し上げたことでありますから、申し上げません。
その次に、第八表に、一般財源に振りかえられた国庫補助
経費に関する調べがございます。これは、いわば少額補助と申していいと思いますが、ここに書いてありますような
金額の補助制度がやめになりまして、一般財源で見る、こういう建前になった
経費でございます。総額二億三千八百万、全部で十八、九件あるのですが、総額二億三千万で、実に少額な補助でございます。これがともかくも補助金
整理という基本的な目標のために、来年度まあ、不十分でございますが、実現をした
経費の一部でございます。
その次は、公債費でございまして、公債費は、この内訳を書いてございます。三十年度までの借り入れ、三十一年度借り入れ、三十二年度借り入れ、合計、三十一年度の元利償還額として、元金三百十一億、利子が三百十二億、これは三十一年度ですね。それで、計六百二十三億であったものが、三十二年度では元金が三百九十九、利子が三百六十七、合計七百六十七で、百四十三の増になっております。これをごらん願えますと、おわかり願えると思いますが、つ
まり去年は、元金と利子がとんとんであったのが、明年度は――ことしはそうでありましたが、明年度は、元金の方が多くなっております。この傾向が当分続きます。利子がだんだん減って、元金の方が実はこれから多くなっていく傾向にございます。
それから三番目は維持補修費で、例の八十億でございますが、ここに算定の
基礎が書いてあります。さっき申し上げました通りで、道路、橋梁、河川等の維持補修費で、どうしても必要だとわれわれが一応考えられる
経費二百四十二億の三分の一を計上した。それでございますから、八十億ではまだ不十分で、あのでこぼこの道路は、まだまだこのままでは十分に解消しない、こういうことでございます。
それから次は投資的
経費で、公共事業費でございます。この公共事業費の内訳は第十表にございます。これをごらん願いますれば、普通建設、災害復旧
関係の
経費全般で、どういうものがあるか、その増減がごらん願えると存じます。これは、大観いたしまして、災害
関係の
経費が減って、災害
関係は全体で五十六億減って、そして普通建設事業が二百十二億ふえておる。その一番ふえたのが道路整備であり、災害は幸いにして最近ありませんので、こういう形になっておるわけでございます。
それから、これはごらん願いまして、次は失業対策事業費でございます。失業対策事業費は、この
基礎もここに書いてありまして、国の
経費も減っておりまして、こちらも多少
金額は減っております。普通失対で十八万七千、特別失対で一万八千、計二十万五千人の三百十七日を前提にして、
経費が計上されております。そのうちで、一割は高率補助の適用を行う。特に失対事業が集中的に現われて、一般の事業に比してはなはだしく多い、
全国の
平均より見て多い、こういう所では、高率補助の適用をすることになっております。一割がそういう前提で
計算されております。
それから、国庫補助負担金を伴わない建設事業でございまして、そこに、下水等環境衛生施設等の整備、新
市町村建設事業の増十億、住宅公団に対する
地方団体出資金の減四億、収益的建設事業費への移しかえによる減十二億、災害復旧の減一億、合計五十四億の増になっております。実質的には、環境衛生等の整備六十億、それから先ほど申し上げましたが、国庫補助とかかわりのない新
市町村の建設事業を十億ぐらいふやすことにいたしておるのでございます。
次の交付税の不
交付団体における……これは申し上げるまでもございません。
それから第三は、歳入の概要でございまして、これは、税の方でもうすでに御
説明をお聞きのことと思いますので、申し上げません。
次は譲与税の収入見込み額等でございます。
それから十九ページに
地方交付税、
地方交付税の国税三税の
昭和三十二年度収入見込み額七千二百六億の二六%が千八百七十三億でございまして、これが
昭和三十年度の精算に伴う減六億を控除すべく、それを差し引いた
金額が
地方交付税の千八百六十七億七千二百万という金でございます。その上に、三十一年度
地方交付税の繰り越し見込み七十六億、それが第二次補正によってさらに十億ふえるであろう、こういう前提でございます。
国庫支出金が二千九百五十六億、前年度より百七十七億ふえておるのでございます。
それから次は、
地方債でございます。
地方債は、全体で五百二十億、去年の計画では七百十五億だったのが、そのうち五百二十億に減らしたわけでございます。そこで、このうちの
地方債計画の比較に関する
資料がございまして、その一般会計五百七十五億、それから収益的建設事業、退職手当債等で百四十億ございます。これは、三十一年度は、これは合したものが
財政計画で載っかっております。一般会計分に退職手当債をプラスして七百十五億、それを三十二年度の
財政計画では五百二十億に落すことにしたわけでございます。そうして収益的建設事業の五十億と退職手当債の三十億というものは一応ワク外に置いて、
地方債計画上これを予定する。要するに、一般財源を保持すべき
財政計画に、こういう不完全な要素を組み入れることはおかしい、こういう前提で、この五十億、三十億を購政計画外に置くことにいたしたのでございます。退職手当債は、去年六十億円組んでおりましたが、まあ大体におきまして、六十億円は
実情から考えて無理であろう、こういうので、三十億円に減らしたのでございます。
公営企業会計におきまして、そのかわりに、できるだけ起債をふやそうというので、三百六十五億を四百七十億にして、百五億ふやすことにいたしたのでございます。一般会計は、できるだけ一般財源でまかなう。しかしながら、
公営企業会計は、できるだけ
地方債を充足して
公営企業の充実をはかりたいという
考え方に立脚しております。この百五億の中で、一番大きいのが水道でありまして、水道の整備をできるだけ急速にはかりたい。なお、地下鉄等の交通
関係の
経費も一部ございます。
それから
財政再建債は、二百億計上しております。これは、もちろん要りませんから減らしております。なおこれは、二百億という計画に見ておりましたが、実際の計画は二百二十億、ちょっとふえておるはずでございます。
雑収入は、全体で千百三十四億、十二億の増でございますが、ここに
財政の内訳が書いてございます。
大体、以上が
財政計画の概要の
説明でございます。