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1957-03-07 第26回国会 参議院 地方行政委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十二年三月七日(木曜日) 午前十時四十九分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
本多
市郎
君 理事 大沢 雄一君
小林
武治君 加瀬 完君
委員
伊能繁次郎
君 小柳
牧衞
君 吉江 勝保君 占部 秀男君 久保 等君 鈴木 壽君 成瀬
幡治
君 岸 良一君
国務大臣
国 務 大 臣
田中伊
三次君
政府委員
自治庁財政部長
小林與三次
君
自治庁税務部長
奧野
誠亮
君
事務局側
常任委員会専門
員
福永與一郎
君
説明員
運輸省自動車局
業務部長
國友
弘康君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣送付
、
予備審査
) ○
公営企業金融公庫法案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
地方行政
の改革に関する
調査
の件 (
基地交付金
に関する件)
—————————————
本多市郎
1
○
委員長
(
本多市郎
君) これより
委員会
を開きます。 本日はまず
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
、
公営企業金融公庫法案
、以上
予備審査
の二
法案
を便宜一括して議題に供します。 まず
政府
より
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
田中伊三次
2
○
国務大臣
(
田中伊
三次君)
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 御
承知
のように、
昭和
三十一年度においては、
地方行財政制度
について各般の
改正
が行われ
地方財政再建
の
方途
が開かれたのでありますが、
政府
は、これに引き続き
昭和
三十二年度におきましても、更に
地方財政
を健全化する
ため
に
各種
の
方策
を講ずることにいたしたのであります。 その
方策
の
一環
として、
地方交付税
の率を
現行
の百分の二十五から百分の二十六に引き上げ、その
総額
の増加をはかるとともに、これに伴い、
単位費用
について、
給与改訂等
に伴う
改訂
、
投資的経費
の
算定
の
適正化等
をはかり、また、
測定単位
の新設、
補正方法
の
合理化等
、
基準財政需要額
及び
基準財政収入額
の
算定
の
方法
について、その
合理化
と
明確化
をはかり、
地方交付税
の適正な
算定方法
を通じ増加された
財源
を、合理的かつ適正に
配分
する必要があるのであります。これがこの
法律案
を提出する
理由
でございます。
改正
の
内容
につきましてその
概要
を御
説明
します。 第一は
地方交付税
の
総額
に関する
事項
であります。
地方財政
の情況にかんがみ、
国税所得税
の減税に伴い
地方交付税
に生ずる減収を可及的に回避する
ため
、現在、
所得税
、
法人税
及び
酒税
の
収入額
の百分の二十五となっております
地方交付税
の率を百分の二十六に引き上げることとしたのであります。これにより、
昭和
三十二年度において
交付
すべき
地方交付税
の
総額
は、
昭和
三十年度分の
精算額
六億円余を控除して、一、八六七億余円となるのであります。 第二は
基準財政需要額
の
算定方法
に関する
事項
であります。 その一は
単位費用
の
改訂
であります。すなわち
地方財源
の増強、
歳入構成
の
是正
ともにらみ合せ、
投資的経費算定
の
適正化
をはかることを
中心
とし、(1)
職員配置
及び
職員構成
の
適正化
、
給与単価
の
是正
、
給与改訂
、
期末手当
の
増額等
に伴う
所要
の
修正
を行うこと、(2)
各種委員
の報酬、旅費、庁、
単価
の
合理化
を図ること、(3)
建築物
及び
機械類
の
償却期間
の
合理化
、その他投資的、
建設的事業費
の充実をはかること、(4)
地方道路譲与税
、
軽油引取税等特定財源
の
算入額
を
適正化
することなどとあわせ考えて、
単位費用
の全般に亘り
改訂
を加え、その
合理化
をはかったのであります。 その二は
基準財政需要額
の
算定方法
の
明確化
及び
合理化
であります。すなわち(1)
投資的経費
を充実する
方法
の一として、
道路費
及び
橋梁費
について、新たにその
延長
を
測定単位
に加え、(2)
道府県
の「その他
教育費
」及び
市町村
の「
産業経済費
」については、
種別補正
を廃止しそれぞれ独立の
測定単位
を設けて、その
算定
の
合理化
と
明確化
を期するとともに、(3)
道府県
の「
土木費
」等に係る
態容補正
の
方法
及び
道府県
の
投資的経費
に係る
態容補正係数
の
連乗方法
を改める等、
補正方法
の
合理化
をはかることとしたのであります。 第三は
基準財政収入額
の
算定方法
に関する
事項
であります。今般
改正
を予定しております
地方税制度
の
改正
において、特別とん
譲与税
が創設せられ、また、
入湯税
を
目的税
とすること等が予定せられておりますので、これに伴い、特別とん
譲与税
の
収入額
はこれを
基準財政収入額
に算入し、
入湯税
の
収入額
はこれを除外することとしたほか、
地方税法
の
改正
に伴い必要な
修正
を加えたのであります。 第四は、目下別途御審議をお願いいたしております、
昭和
三十一年度分として
交付
すべき
地方交付税
に関する
特例
に関する
法律案
の
規定
により、
昭和
三十一年度分の
地方交付税
の一部が、
昭和
三十二年度分の
交付税
の
総額
に加算されることとなった場合の
特例
に関する
事項
であります。すなわち右の
特例法
が成立し、
昭和
三十一年度分の
地方交付税
の一部が
昭和
三十二年度分の
地方交付税
として
交付
せられることとなった場合においては、その額は、同法の
立法趣旨
に基き、
昭和
三十二年度における
地方債
の
元利償還費
の一部に充てるように
配分
することとなるのでありまして、これが
ため
昭和
三十二年度の
特例
として「特別の
措置
として
発行
を許可された
地方債
に係る
元利償還金
」と、「
公共事業費等特定
の
事業費
の
財源
に充てる
ため
発行
を許可された
地方債
に係る
利子
」の二を
基準財政
要需額の
測定単位
として設け、これに必要な
単位費用
を定めることとしたのであります。 以上のほか、なお、
地方交付税
の
交付
時期及び
普通交付税
の
算定
に関する
錯誤
の
取扱い等
について
規定
の
整備
を行うことといたしております。 以上が
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
の
趣旨
でございます。 続いて
公営企業金融公庫法案
について、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
地方公共団体
が
経営
しております
公営企業
は、
水道
、交通を始め多岐にわたっておりますが、これが
整備拡充
は、民生を安定する
ため
にも
地方産業
を振興する
ため
にも、きわめて緊要と存ぜられ、
政府
といたしましても、一段とその積極的な
推進
をはかりたいと存ずるのであります。すなわち
地方債
につきまして、
一般会計分
は
公債費対策
の
一環
としてこれを漸減し、必要な
限度
にとどめる一方、
公営企業債
は可能な限り増額することといたしましたのもこの
ため
でございます。しかしてこれら
地方債
につきましては、できるだけ
政府資金
で処置することが望ましいのでありますが、
政府資金
の
原資
の
関係
もあり、或程度はいわゆる
公募資金
に依存せざるを得ないのであります。 しかしながら、
公募地方債
の消化につきましては、一部の
地方公共団体
を除き、必ずしも容易でなく、またその
条件
も必ずしも
低利
かつ安定したものとは申せないのでございます。従いまして、
公営企業
の
推進
の
ため
には、これが
ため
必要な
資金
のワクを拡大するとともに、その調達を容易にし、その
資金
を
低利
かつ安定した
条件
で供給することがぜひとも必要であります。このような要請に基いて、
公営企業
のうち特に
低利
、かつ安定した
資金
を必要とする
地方公共団体
の
公営企業
の
地方債
につき、
当該地方公共団体
に対し、その
資金
を融通する
公営企業金融公庫
を設け、
公営企業
の健全な
運営
に資し、
住民
の
福祉
の
増進
に寄与したいと存じます。これがこの
法律案
を提出する
理由
でございます。 次にこの
法律案
の
内容
の
概要
を御
説明
します。 第一章は総則でございまして、
公庫
の
目的
のほか事務所、
資本金
その他必要な
規定
を設けております。即ち
公営企業金融公庫
の
賃本金
は五億円とし、
政府
が
産業投資特別会計
からその
全額
を出資することといたしております。なお
公庫
の
対象
とする
公営企業
は、
地方公共団体
が行う
事業
のうち、主としてその
経費
を
当該事業
の
経営
に伴う
収入
をもって充てるもので
政令
で定めることといたしております。 第二章
役員
及び
職員
に関する
規定
でございまして、
役員
の数、職務、権限、任命及び任期など
必要規定
を設けております。いずれも既存の他の
公庫
と同様な
規定
を設けているのでありますが、その機構はできるだけ簡素を旨といたしております。 第三章は
業務
に関する
規定
でございます。
公庫
の
業務
は申すまでもなくその
目的
に即応し、
公営企業
の
地方債
につき
資金
の貸付を行うとともに、必要な
限度
においていわゆる
起債
の前貸
資金
を貸し付けることといたしております。
公庫
は
地方
の
機関
を設けることを避け、その
業務
の一部は
地方公共団体
及び
金融機関
に委託できる
方途
を講じております。このほか
業務方法書
、
資金計画
及び
事業計画
は、他の
公庫
と同様、
主務大臣
の
認可事項
といたしております。 第四章は
公営企業債券
に関する
規定
でございます。
公庫
の
発行
する
公営企業債券
については、
政府
がその
元利
の支払を保証するものとし、
昭和
三十二年度におきましては七十億円の
発行
を予定しております。 第五章は
会計
でございまして、この
公庫
には
公庫
の
予算
及び決算に関する
法律
の適用がございますほか、
利益金
の
国庫納付
、
余裕金
の運用、
資金
の
交付
などについて必要な
規定
を設けております。
短期借入金
は、
公営企業債券
の前借として必要な場合に
限り金融機関
から借入できるものとしております。 第六章は
監督
の
規定
でございまして、一般的な
監督
、
役員
の解任、報告及び検査が
内容
でございます。 第七章は補則でございます。
公庫
の
主務大臣
は
内閣総理大臣
及び
大蔵大臣
とし、
公庫
の
職員
につきましては、短
恩給年限
に達しない者について
恩給通算
の道を開くことといたしております。 第八章は罰則でございまして、この
公庫
は、
地方公共団体
を
対象
といたします
関係
上、
必要最少限度
の
規定
にとどめております。 以上のほか、
付則
におきまして設立の
手続
を
規定
するとともに、
各種
の
税法
、
設置法
など
関係法律
の
改正
を行うことといたしております。 以上が
公営企業金融公庫法案
の
趣旨
でございます。
本多市郎
3
○
委員長
(
本多市郎
君) 次に両案について
政府委員
より
補足説明
を聴取いたします。
小林與三次
4
○
政府委員
(
小林與三次
君)
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
の
要綱
をお手元にお配りしてございますが、その
要綱
に基きまして御
説明
を申し上げたいと思います。
交付税法
の一部を
改正
する
法律
の第一は、
交付税
の
総額
に関する
規定
でございまして、「
地方交付税
の
総額
は、
所得税
、
法人税
及び
酒税
の
収入額
のそれぞれ百分の二十六」と改める。これはただいま
大臣
から
説明
のあった
通り
でございまして、特に御
説明
申し上げることはないと思います。
規定
は簡単でございますが、今度の
改正
の一番眼目でございまして、この
改正
を
中心
にいたしまして、これに伴う必要な
規定
を
整備
したといってよろしいと思うのでございます。 第二は
基準財政需要額
及び
基準財政収入額
の
算定方法
に関する
事項
でございます。
交付税
の
総額
がふえることになりますのでこの
配分方法
を適正に行う必要がある。これが
ため
に
基準財政需要額
及び
基準財政収入額
の
算定方法
につきまして、それぞれ必要な
改正
を加える必要がございます。その
一つ
は
単位費用
でございまして、「
単位費用
について、
給与改訂等
に伴う
所要
の
改訂
を行うとともに、
投資的経費
と
算定
の
適正化
を図ること。」
交付税
の
総額
が増加いたします場合に
単位費用
を
改訂
する必要がございます。この
単位費用改訂
の
考え方
の重点といたしましては、
一つ
は
職員
のベース・アップが今度
国家公務員法
に準じて行われることになろうと思うのでございまして、これに伴いまして各
人件費
について
給与改訂
に伴う
改正
を加える。なお
所要
の
定期昇給
その他のものも組み入れた
改正
を加えることが
一つ
でございます。それから〇・一五分とか
薪炭手当
とか、そうした
改正
が従前行われておりますので、そういうものも加味いたしまして
単位費用
を
改訂
いたしたい。それからもう
一つ
は、この
交付税
は、
単位費用
の
算定
に当りましてはできるだけ投資的、建設的な
事業
を充実させることを考えたい。消費的な
経費
をできるものなら抑制をいたしまして、できるだけ
投資的経費
に金を回すように考えるべきじゃないか。そういう
意味
で
投資的経費
の
算定
を
合理化
するということを根本にいたしたのでございます。 そこで
投資的経費
につきましては二番に書いてございますが、「
投資的経費
に係る
基準財政需要額
の
算定方法
を
合理化
する
ため
、新たに
道路費等
について
測定単位
を設けること。」これはあら
ため
てこれにつきましては
資料
をお配りいたしまして、各
行政項目別
の
単位費用
の
測定単位
の
基礎
を明らかにいたしまして、詳しく御
説明
申し上げたいと思うのでございますが、まずその大きな問題といたしまして
道路費
につきまして、従来は
測定単位
として
道路
の
面積
を
基礎
にして
単位費用
を計上しておったのでございますが、
維持修繕
の問題につきましてさらに手を加える必要から、むしろ未
改良
の
道路
の
改良建設
という問題をもう少し積極的に考える必要がある。この際
財源
が増強されました機会に、一番不足に考えられておりましたその
費用
を、十分ではありませんけれどもできるだけみたい、こういう
考え方
で
道路
の
面積
のほかに、
道路
の
延長
、
橋梁
の
面積
のほかに
橋梁
の
延長
を新たに
測定単位
として立てることにいたしまして、
道路橋梁
の
面積
につきましては
維持補修費
をみよう、それから
延長
を
基礎
にいたしまして今後の
建設改良費
をみよう、こういう
考え方
で
単位費用
を立てることにいたしたのでございます。それが一番
中心
でその他
港湾費
その他につきましても
所要
の
改訂
を加えているのでございます。 それから三番目は「
道府県
の『その他の
教育費
』、
市町村
の『
産業経済費
』等について
種別補正
を廃止して新たに
測定単位
を設け
算定方法
の
明確化
を図るとともに、
測定単位ごと
の
補正方法
を
合理化
すること。」
道府県
の
教育費
につきましては「その他の
教育費
」で、
小中学校高等学校
以外の
教育費
は一本で、人口を
基礎
にして
測定単位
を立てておったのであります。そして盲学校、
ろう学校
、
養護学校等
の
特殊学校
につきましては、
種別補正
の
制度
を活用して
総理府令
で
按配
をしておったのでございますが、むしろこれははっきりさして、できるだけ
種別補正
を簡素にして
単位費用
を立てるものは立ててはっきりさしていった方がよかろう、こういう
考え方
で今後新たに
盲ろう学校
、
養護学校
につきまして
単位費用
を立てまして、これに必要な
経費
をはっきりみる。それからなお同様なことで
市町村
の
産業経済費
につきましても従来十分でない、
産業経済費
一本でみておったのでございますが、これは必ずしも
実情
に合わん点が従来の
実態調査等
の結果明確になりましたので、これを
農業行政費
、
商工行政費
、それからその他の
産業経済費
、林業、
水産業
、
鉱業等
のその代の
産業経済費
との三つに
種類
を分けることにして、それぞれにつきまして必要な
単位費用
を計上して
市町村
間の
産業経済費
を
実情
に合うようにみたい、こういう
種類
の
改正
を加えることにいたしたのでございます。 その他
地方税制
の
改正
に即応いたしまして、
財政収入額
の
算定方法
を
合理化
する。これは先ほど
大臣
の
説明
にもございましたが、今度
入湯税
が
目的税
になりますし、それから今のとん
譲与税制度
の
改正
がございますので、その
改正
に伴うて
収入額
の
算定方法
をこれは変えたのでございまして、これは技術的にその
改正
に伴う整理といってよろしいかと思うのでございます。 大体
項目
としてはそういうことでございますが、
単位費用
につきましては全部の
単位費用
につきまして、先ほど申しました
通り
、
給与改訂等
を
一つ頭
におき、並びに
投資的経費
をできるだけ充実したいということをもう
一つ
の頭におきまして、昨年一年
市町村
の
実態
を精細に調べまして、その
調査
の結果必要だと思われる
経費
につきまして、それぞれ
所要
の
単位費用
の額を
改訂
する、こういうことにいたしたのでございます。その詳細は追って
資料
で御
説明
申し上げたいと思います。 それから次は第三の「
昭和
三十二年度の
特例
に関する
事項
」でございまして、
一つ
は「
昭和
三十一年度分として
交付
すべき
地方交付税
の一部が
昭和
三十二年度分として
交付
すべき
地方交付税
の
総額
に加算されることとなった場合においては、
昭和
三十二年度分として
交付
すべき
普通交付税
の
総額
は加算される前の
地方交付税
の
総額
の百分の九十二に相当する額に当該加算された額を加えた額とし、
特別交付税
の
総額
は加算される前の
地方交付税
の
総額
の百分の八に相当する額とすること。」これはちょっと
表現
がおわかりにくいのでございますが、さきに
提案
の
予備審査
で御
説明
がありました
昭和
三十一年度分として
交付
すべき
地方交付税
の
特例法案
がございまして、これに基きまして、今度第一次の
補正予算
で計上されておる
地方交付税
百億の中の一部、大体七十数億を予定しておるのでございまして、情勢によってなお一部加わるかもしれませんが、その
金額
が一部三十二年度分の
公債費
の
償還費
に充てる含みで繰り越されることになるのでございまして、その繰り越される
交付税
の
扱い
を明確にいたしたい。そこでこの
交付税法
の
改正
の
付則
で三十二年度の
特例
を設けることにいたしたのでございます。それでこれが
ため
に必要な
規定
は、
一つ
はその繰り越される
金額
が、
普通交付税
になるのか
特別交付税
になるのか、その
計算
をどうするのか、こういう問題が
一つ
。それからその金はどういう
方法
で使うか。そういう二つの問題がございまして、この一番目の問題は、これは
普通交付税
として配りたい。そこで
普通交付税
の
計算方法
といたしましては、その加算される、繰り越される前の本来の、三十二年度の
交付税
につきまして、この百分の九十二と百分の八で、その
通り普通交付税
、
特別交付税
を分けることにして、その
普通交付税
の上に今の額が加算されるのだ、こういうことをまあ書いてあるのでございます。 それからその
配分
の
方法
が次に書いてございまして、「前項の場合においては、
昭和
三十二年度分の
基準財政需要額
の
算定
については、
経費
の
種類
に
特別地方債償還費
を、
測定単位
に
特別措置
として
発行
を許可された
地方債
に係る
元利償還金
及び
公共事業費等特定
の
事業費
の
財源
に充てる
ため
発行
を許可された
地方債
に係る
利子
を加えるものとすること」。これの配り方を明らかにする
ため
に
特別地方債償還費
、こういう柱を
一つ
立てることにいたしまして、この
特別地方債償還費
の中には性質の違った
公債償還費
が二つあるのでございます。
一つ
は御
承知
の
通り
、
給与等
の
財源
に充てる
ため
に
発行
された、誰が考えても国の責任で始末をすべきと認められる
地方債
のかかるものでございまして、それにつきましては
元利
の
償還
の一〇〇%を
単位費用
でみる、それが
一つ
でございます。それが前段に、なかなか
表現
がむずかしいものですから、
特別措置
として
発行
許可された
地方債
、こういう
表現
を使ったのでございます。それにつきましては
単位費用
一円につき一円、こういう
表現
で
全額元利償還
をみる。それからもう
一つ
の
公共事業
とか
失業対策事業
とか、
義務教育施設
の
建設事業
に充てる
ため
に
発行
された
地方債
につきましては、
利子
の半分をみることにいたしまして、
測定単位
としてそうした
地方債
の
利子
をあげ、
単位費用
として一円につき五十銭、その
計算
の
基礎
を明らかにすることにいたしたのでございます。これは今申しました
通り
、三十二年度限りの一応の
措置
としてきまったものでございますから、
付則
におきまして、そういう
趣旨
を明らかにして
規定
をすることにいたしたのでございます。 それから「第四その他」といたしまして、「
地方交付税
の
交付
時期及び
錯誤
に関する取扱その他
規定
の
整備
を図ること。」これは実質的なことはあまりございませんで、むしろ
規定
の
整備
、ものによっては従来の
規定
に少しミスがあったといってもいいというようなものを直したものもございます。多少
意味
がありますのは、
交付税
の
交付
時期の
特例
について
規定
を設けたのでありますが、これは御
承知
の
通り
、
普通交付税
につきましては、
交付
時期が
法律
で特定されております。ただ
制度改正
とか
予算
の
扱い
などの
関係
で、どうも動きがつかぬときには
総理府令
で
特例
を設ける、こういう
規定
があるのでございます。そういう場合はもちろん
特例
の必要があるのでございます。それと同時にもう
一つ
考えられますのは、非常に
災害
があった場合には、
地方団体
は非常に
資金
に困る、こういう事情がございまして、そういう場合には、特別にその
団体
について
交付
時期の
特例
を考えた方がいいのじゃないか。
現行法
でも読めるか読めないか
相当議論
がこれはあるのでございますので、むしろこれをはっきりさせて、
災害
の事態に応じて当然
当該団体
にいくべき
交付税
ならば
交付
時期は
按配
をしてやってもいいのじゃないか。こういう考えで、そういう
災害
の場合には
特例
を設け得るという
趣旨
を明らかにいたしたのでございます。 それからあとは
錯誤
に関する
規定
の
取扱い
で、これは技術的な
錯誤
の場合の異議の申し立ての
手続
の問題とか、それから
錯誤
のあった場合の、この超過、よけいやった金の還付を命ずる
手続等
を書いたものでございます。特に重要な問題でもございません。大体以上が
交付税法
の一部を
改正
する
法律案
の
内容
でございます。 それから引き続きまして、
公営企業金融公庫法案
の
要綱
につきまして御
説明
を申し上げたいと思います。
公営企業金融公庫法
は
目的
といたしまして、「
公営企業金融公庫
」「は、
公営企業
の健全な
運営
に資する
ため
、
地方公共団体
に対し、特に
低利
、かつ、安定した
資金
を必要とする
地方公共団体
の
公営企業
(
地方公共団体
が行う
事業
のうち、主としてその
経費
を
当該事業
の
経営
に伴う
収入
をもって充てるもので
政令
で定めるものをいう。)の
地方債
(
地方自治法
に基き許可を受けた
公営企業
に係る
地方債
で、
政府資金
による引受が行われないものをいう。」「につき、その
資金
を融通し、もって
地方公共団体
の
公営企業
を
推進
し、
住民福祉
の
増進
に寄与することを
目的
とするものとすること。」
公営企業金融公庫
の
目的
をまず前に書いてあるのでございます。これはここに書いてあります
通り
、「
公営企業
の健全な
運営
に資する
ため
、」にその
資金獲得
の
方法
として、
政府資金
とそれから
一般市中銀行
から借りるいわゆる
公募債
と二つあるのでございまして、われわれは
公共団体
が必要とする
資金
につきましては、できるだけ
政府資金
を充てることを旨といたしたいと考えておるのでございますが、これは
資金
の、
原資
の
関係
もございまして、なかなか思うようにいかない。特に
一般会計
におきましては、全くそういう方向でいきたいのでございますが、
公営企業会計分
につきましては、必ずしもそういうわけにもいかないものもございますので、
公募債
を認めざるを得ない。この
公募債
につきましては、大きな
団体
などならまだそれほど苦労もいたしておりませんが、小さな
団体
におきましては、たとえば
市町村水道
の
起債
を入手したり、あるいは
公営住宅
の
起債
を入手するのにどうしても高い金で借りざるを得ない。おまけに高い金でもなかなか苦労いたして、
公営企業
がなかなか円滑に進んでおらぬのでございます。で、そうした
団体
でどうしても
低利
かつ安定した
資金
をなかなか独自では入手しがたいという
団体
が多いのでございまして、そういう
団体
の
ため
に
公募債
を、
公庫
から金を貸し付けまして
資金
の融通を円滑にしたい。そういうことによって
企業
も十分に伸ばし、
企業
を利用する
住民
の
使用料
、あるいは
料金等
をできるだけ低廉にして、
住民
の
福祉
も
増進
する。こういう
考え方
を明らかにいたしてあるのでございます。そこでこれは主として
公営企業
だけに一応限るという建前をとっておるのでございますが、これはまあ
一般会計
にも現に
公募債
を出している以上は、その
公募債
の引き受けも考えるべきじゃないかという
考え方
も一方にございまして、われわれもそういう主張も持っておったのでございますが、
一般会計
につきましては、今後
政府資金
を原則として貸すことにしよう、こういう大蔵省の方針もあるようでございますので、とりあえず問題を
公営企業
に限る。こういうことにいたしたのでございます。 それから
公庫
の性格及び
資本金
といたしまして、
公庫
は
全額
政府
出資、
産業投資特別会計
から出資する法人とし、
資本金
は五億円とする、
資本金
はとりあえず発足に当りまして五億円といたしまして、今後さらにその増加を期していきたいという考えでございますが、この場合は五億になっています。 それから三は
役員
及び
職員
でございまして、「
公庫
に、
役員
として、理事長一人、理事三人以内及び監事一人を置くものとすること。」、「理事長及び監事は、
主務大臣
が任命し、理事は、理事長が
主務大臣
の認可を受けて任命すること。」、「
役員
の任期は、四年とし、再任されることができること。」、「
役員
及び
職員
は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する
職員
とみなすこと。」、この
公庫
の役
職員
の
考え方
につきましては、われわれといたしましてはできるだけ機構を簡素にしたい、他の
公庫
、公団等いろいろございますが、その例も考えましたけれども、この
公庫
といたしましては、要するに
公共団体
の
公募資金
で困っているものに世話をする仕事でございますから、そう
地方
において大きな組織、機構は要るわけじゃございません。仕事はもっぱらこの
発行
する
公営企業債券
をどうさばくか、こういうところが重点でございまして、債券をさばいて
資金
があれば、その
配分
につきましてはむしろ府県の協力も得ることにして、
公庫
自体としてはできるだけ機構を簡素にして、そうしてコストを引き下げたいという
考え方
でございます。そこでまあ
役員
は一応頭でっかちで下が小さい、こういう形に性質上ならざるを得ないのでございまして、
職員
は今のところ
予算
では十八人くらいだけ予定いたしまして、
公募債
券を売りさばくというところが重点でございますので、そういうところで問題を簡素に考えたいと思っておるのでございます。任命その他の
手続
、任期、それから公務に従事する
職員
とみなす点等は全部ほかの
公庫
、公団と同様でございます。 それから
業務
は、「
公庫
は次の
業務
を行うものとすること。」、「
地方債
の
資金
の貸付又は証券
発行
の
方法
による
地方債
の応募」、「前号に掲げる
業務
に附帯する
業務
」、要するに
公募債
の
ため
の
資金
の貸し付け、これが重点になっておるわけでございます。この場合にもう
一つ
は
公共団体
が必要とする一時借入金、いはゆる一時融資の
資金
の貸付もむしろ考えたらどうだ、こういう強い要望が
地方団体
側にもあり、われわれもそういうことも考えたわけでございますが、これは大蔵省といろいろ話しました結果、そういう
資金
につきましては
政府資金
をできるだけ円滑に融通しよう。まあそれは
政府資金
の方は六分五厘で、これよりはるかにやすいわけでございますから、われわれといたしましても
政府資金
の融通さえ円滑にいけば何も
公庫
でやる必要はごうもないのでございます。そこでそうした
資金
の円滑なる融通を期待することにいたしまして、
公庫
といたしましてはもっぱら
公募債
の
ため
の
資金
の貸し付け、あるいは
公募債
証券の
交付
、こういうことに一応限ろう、こういうことにいたしたのでございます。 それから「
公庫
は、前項第一号の場合において、当該
地方債
について
地方自治法
第二百五十条の
規定
による許可があるまでの間において特別の必要があり、かつ、当該許可があることの見込が確実であるときに限り、当該許可に係る
地方債
の額を
限度
として、
資金
の貸付をすることができる」、まあ原則として一時融資はやらぬことにいたしたのでございますが、ここに書いてありますように、その
公募債
、
地方債
の許可があることがはっきりしておって、
資金
の前貸しをする必要がある場合がある、
事業
の必要上とりあえず
事業
が始めたい、こういうことがありますので、その
資金
前貸しの場合だけはこれを認めよう。これは
公募債
の貸付引受と
実態
的に一緒でございますので、それだけ明らかにすることにいたしたのでございます。 それから五は、
公営企業債券
の
発行
で「
公庫
は、
公営企業債券
」「を
発行
するものとすること。」「
政府
は、国会の議決を経た
金額
の範囲内において、債券の元本の
償還
及び利息の支払について保証するものとすること。」「
公庫
は、
主務大臣
の認可を受けて、債券の
発行
に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委任するととができるものとすること。」まあ
企業
債券の
発行
が
公庫
の主たる
業務
でございます。つまり、弱小の
団体
で自力でできないものをかわって
政府
保証による
公営企業債
を
発行
して、その
資金
を元とにして
地方
に貸付をやるということが
公庫
の仕事でございます。この
公営企業債券
につきましては、今回は
予算
総則に書いてございますまあ七十億、
政府
保証の
限度
を、七十億を三十二年度におきましては
限度
にして
発行
して、これについて
政府
保証をやる、こういうことになっております。七十億はわれわれの目から見るとこれは少し少な過ぎるのでございまして、明年度の
公募債
総額
の予定が二百三十億ということにこれはなっております。まあそれから見ますと七十億は僅少に過ぎるのでございますが、これは
公庫
発足の
ため
に多少準備期間のズレもございますので、発足の際でもあるしまあとりあえず七十億と、こういうことにいたしたのでございます。それからまあ公募、
発行
の
手続
、これは普通の例でございまして、特に御
説明
申し上げるまでもないと思います。 六は
業務
の委託。「
公庫
は、特別の必要がある場合においては、
地方公共団体
に対し、
資金
の貸付に関する
調査
事務の一部を委託することができるものとすること。」「
公庫
は、
金融機関
に対し、
資金
の貸付、
元利
金の回収その他貸付及び回収に関する
業務
(ただし、
資金
の貸付の決定を除く。)を委託することができるものとすること。」これは仕事の組織は先ほど申しました
通り
できるだけ簡素にして、
地方
に出先など作るまい、
地方
出張所の
考え方
はほかの
公庫
、公団にございますが、これをやめまして、まあ
資金
の貸付の
調査
関係
の仕事は県に委託をする。現実の
資金
の授受の仕事は
金融機関
を使う。こういう
考え方
でそ委託の根拠を置いたのでございます。 それから七、
会計
でございまして「
公庫
は、債券を
発行
して
資金
の調達をしようとする場合において、
発行
までの間の
資金
繰上必要があるときは、当該債券の引受契約が成立し、又はその引受契約の成立の見込が確実である場合に限り、かつ
発行
しようとする当該債券の
金額
の
限度
において必要な
限度
を限り、当該債券の
発行
により調達する
資金
の前借として、
主務大臣
の認可を受けて、
金融機関
から
短期借入金
をすることができるものとすること。」「
公庫
は、
業務
上の
余裕金
を国債の保有及び
資金
運用部への預託のほか、銀行への預金についても運用できるものとすること。」「
会計
検査院は、必要があると認めるときは、受託者につき、当該委託
業務
に係る
会計
を検査することができるものとすること。二番目の
規定
は、これは
公庫
が他の
金融機関
から借入金をすることができる
規定
でございまして、これはまあ一般的には認める必要はないのでございますが、この
資金
調達の
資金
繰り上どうしても必要がある場合がこれはあり得ますので、そういう場合には
資金
の前借りとして短期借り入れの道を開くことにしたのでございます。それから
業務
上の
余裕金
の運用につきましては、これはもう特別に申し上げる必要はございません。それから
会計
検査院の検査の
規定
でございまして、これもまあ他の
公庫
、公団と同様な
規定
でございます。 それから
監督
は「
主務大臣
が
監督
する」「
主務大臣
は、この
法律
を施行する
ため
必要があると認めるときは、
公庫
に対し、
業務
に関し、
監督
上必要な命令をすることができるものとすること。」「
主務大臣
は、必要があると認めるときは、その
職員
に
公庫
若しくは受託者の事務所に立ち入り、
業務
の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができるものとすること。」
監督
の
規定
も普通の
公庫
、公団の
規定
に準じております。ただ、こちらは
公共団体
相手の仕事でございますので、むしろほかの場合よりも簡単にしようというので、要らぬ
規定
は除いてございます。ここに
主務大臣
は、他の
公庫
、公団と同様に総理
大臣
と
大蔵大臣
の二人がこの
主務大臣
でございまして、まあ自治庁と大蔵省の共管、こういう形になるのでございます。 それから、その他。「
公庫
に関する
主務大臣
は、
内閣総理大臣
及び
大蔵大臣
とすること。」これは今申した
通り
でございます。一
公庫
の
職員
に関する恩給の取扱については、公団の
職員
の例によるものとすること。」これは
公庫
の事務
職員
は、先ほど申しました
通り
起債
の許可は大蔵省と自治庁とが
中心
になってやっておりまして、
起債
を許可する場合には、
政府資金
と預金部との割り振りもきめて許可をします。その
公募債
がついた
団体
について、必要なものについてこの
公庫
からの貸付を認めよう、こういうのでございますから、普通の
起債
の運用ときわめて密接にやっていく必要がある。おまけに、それぞれの
団体
の財政状況とかその他も頭に入れて問題を考える必要がありまするので、できるだけ
職員
につきましても役所の方と密接な連繋をやって、人も行ったり来たりできるようにしておいた方がいいじゃないかと、こういう
考え方
でございまして、この
恩給通算
の
規定
を普通の公団の例によりまして入れることにしたのでございます。
恩給年限
に達していない
職員
が
公庫
の
職員
になったという場合には恩給を通算すると、こういう建前でございます。公務員として
恩給年限
に達しておる者はもうそれで縁を切る、ただ、若い
職員
が行ってまたこちらへ来るようなことがあるような人につきましては、
恩給通算
の
規定
を認めよう、まあ公団の先例に従ったのでございます。その他は、これは
付則
で経過
規定
設立の
ため
の
手続
を書き、その他この
公庫
の設置に伴いまして他の
税法
、つまり登録税や印紙税のあるいは免税に関する
規定
とか、
所得税
、皆そうでございます。それから、その他、他の法令に、あるいは自治庁の権限の中へこれを入れる、そういった条文の整理でございます。 以上が
公営企業金融公庫法案
の
内容
でございます。
本多市郎
5
○
委員長
(
本多市郎
君) ただいま
説明
を聴取いたしました両案のうち、まず
公営企業金融公庫法案
についてこれより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言願います。
—————————————
小林武治
6
○
小林
武治君 今の
委員長
のお話の前に、差し迫っておる問題と思いまするから、
一つ
この前の
基地交付金
の
関係
を立法する、こういうことを自治庁長官はお約束なさっておりましたが、その後の状況はいかが相なっておりますか。
田中伊三次
7
○
国務大臣
(
田中伊
三次君)
基地交付金
の立法
措置
でございますが、
政府
部内でこの段階はまだ折衝、
政府
部内の折衝というのはおかしいですが、
政府
部内で意見を取りまとめ中でございます。昨夜、衆議院の
予算
委員会
の方が比較的時間が早く引き揚げができますれば、昨晩中にきめるという段階にまで、もう最終段階にきておりますが、昨晩少し事情がございまして今日に延びております。大体きょう中には自治庁の意向に近い線で
政府
部内の意見がまとまる。こういう傾向でございますので、私が希望をしておりますごとく、立法
措置
によって閣議決定ということでなしに、立法
措置
によりまして、率を定めました安定したものを
交付
できますような方向に運んでいけるものと大体の見通しを持っております。
小林武治
8
○
小林
武治君 そういうお話じゃ非常にけっこうだと思いまするが、もう
一つ
当面の問題としまして、自衛隊の飛行場とか演習場とかは、これは入るのか入らないのか、この点いかがですか。
田中伊三次
9
○
国務大臣
(
田中伊
三次君) 自衛隊の分につきましては、まあこれに類するものについて、ずっと文章がございまして、その文章の、及びこれに類するものについて
交付
ができるという
規定
の
内容
を実は案として立案をしておる次第でございます。この点も、これに類するものとして自衛隊
関係
分についても
交付
ができる
内容
の意見に落ちつくものと、こう見通しをつけておるわけでございます。ただし、その飛行場、演習場の問題と、これに類するという文言で
表現
をしております自衛隊分というものにつきまして、若干のまだ意見の一致をみない点がございますが、これは本日の午後に至りまして意見の一致をみるように努力をしたい、こう考えております。
小林武治
10
○
小林
武治君 そういたしますと、今年度分の五億円というものは、これは自治庁の
予算
として所管されると、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
田中伊三次
11
○
国務大臣
(
田中伊
三次君) 多少問題がございます。
予算
の建て方としましては大蔵省の便宜、これは便宜ということでやったわけでございます。便宜大蔵省のただいまは編成上は所管になっておりまして、国有提供施設所在
市町村
助成
交付
金という言葉を用いておりまして、あくまでも
市町村
の助成の
ため
の
交付
金だということに
予算
の建て方はなっておるわけでございます。しかしながら、
政府
部内の方では、これを調達庁の方の所管として、この
予算
の実施をしたいという相当熱心な御意見もございます。ございますが、そういうことに私が応ずるわけもございませんので、これは旧内務省時代からの海軍の
交付
金といったようなものも、内務省が所管をしておったものであるし、このいきさつはそもそも国有資産等所在
市町村
交付
金及び納付金関する
法律
という
法律
が一昨年できましたときに、昨年から実施に入りましたこの
法律
の当然適用を受けるものであったものが、その適用を除外したという事情になって、なぜ除外をするのかという運動が全国的なほうはいたる運動になっておるわけでございますから、当然これは自治庁において所管をすべきもの、こういう見解を強く貫いておるわけでございます。その方向に落ちつくものとこれも見通しを持っております。
小林武治
12
○
小林
武治君 そうすると、自衛隊の飛行場、演習場等も中に入るとすれば、当然これは調達庁の所管というわけには参らない。一括して私は自治庁が主体性を持って
配分
に当るべきだ、こういうふうに考えまするが、そういうふうに了解してよろしゅうございますね。
田中伊三次
13
○
国務大臣
(
田中伊
三次君) 私の現在の見通しは、そういうふうに意見をまとめ得るものと自信を持って見通しまして、最後の努力を本日払ってみたいと思っております。
本多市郎
14
○
委員長
(
本多市郎
君)
小林
君のただいまの質問は、
政府
部内においても取りまとめ中でありましたので、緊急質問として認めた次第でございます。
—————————————
本多市郎
15
○
委員長
(
本多市郎
君) それではさいぜん宣告いたしました
公営企業金融公庫法案
について、これより質疑を願います。
小林武治
16
○
小林
武治君 この金融
公庫
に関連しまして、私は
公営企業
というようなものは、性質上、おもに上
水道
あるいは下
水道
あるいは清掃
事業
、こういうふうな民間の
企業
に不適当であるものになるべく限定すべきである、こういうふうに思いまするし、特に最近におきましては、上
水道
、下
水道
の要望がもう非常に熾烈なものがあって、しかもこれは国民生活の上の保健衛生、これらの面から、ぜひこれを強く
推進
すべきものでありまして、
政府
も
資金
があるなら、むしろこういうところを重点的にやるべきものだ、こういうふうに思いますが、その点はどうですか。
田中伊三次
17
○
国務大臣
(
田中伊
三次君) 全くお説の
通り
政府
も、考えておりまして、上水、下
水道
の環境衛生、都市衛生に関するような重要な
事業
につきましては、これはお説の
通り
これを
推進
していくべきものと、こう考えております。
小林武治
18
○
小林
武治君 さしむき急ぎまするから、今の
水道
の問題ちょっとお聞きいたしたいのですが、今年の
水道
の
起債
は一体どのくらい考えておられますか。
田中伊三次
19
○
国務大臣
(
田中伊
三次君) 継続
事業
としての
水道
の
起債
のワクと、それから新規の分とこれを区別して取り
扱い
たいと考えております。数字の詳細を今部長から
説明
いたさせます。
小林與三次
20
○
政府委員
(
小林與三次
君)
水道
の
起債
は、三十一年度は百五十億でございますが、三十二年度の
地方債
計画におきましては、二百二十五億、七十五億ふやしております。このほかに、例の簡易
水道
というのがございまして、簡易
水道
につきましては、三十二年度におきましては四十億見たいと思っております。
水道
はもう全く画期的な拡充といってよいのでございまして、従来出てきている要望は、今までのところ——まだ今後出てくるかもしれませんが、大体充足し得るのじゃないか、今後出てくるものは、明年度以降さらにまたこれを引き続いていきたい、こういうふうな考えでおります。
小林武治
21
○
小林
武治君 このうちの今の
公募債
はどういうふうになりますか。ありませんか。
小林與三次
22
○
政府委員
(
小林與三次
君)
水道
の
公募債
は、二百二十五億のうち、
政府資金
が百二十五億、公募が百億、こういう考えでございます。 それから、さっきの簡易
水道
の分につきましては、これはもう全部
政府資金
でやりたい、こういう考えでおります。
小林武治
23
○
小林
武治君 今のお話だと、百億は公募しなければならぬが、今後この
企業
金融
公庫
は
水道
の
関係
の方へ多く向けられる、こういうことは考えておられませんか。
小林與三次
24
○
政府委員
(
小林與三次
君) 今お話しの
通り
、
水道
はどうせ弱小
団体
——弱小というと語弊がございますが、中小
市町村
中心
が多いのでございますから、そういう問題につきましては、
公庫
では最重点に取り上げざるを得ない、こういうことでございます。
小林武治
25
○
小林
武治君 今言明されたことは非常にけっこうでありまして、とにかくこの
水道
の要望が非常に熾烈であるということは御
承知
の
通り
で、なるべくこういうものはできるだけ早く仕上げさせる、これが国民生活の改善の上に非常に役立つことは御
承知
の
通り
でありますから、この
企業
公庫
なども、
水道
関係
の
公募債
に優先して回す、こういうような
一つ
考え方
をぜひ堅持してもらいたい、こういうことを注文いたしておきます。 それで、その次のことでありますが、今私が申すような、こういうふうな方面に非常に熾烈な要望があるからして、できるだけ
企業
公庫
もそういう方面に重点的に使用してもらいたい、こういうふうに思うのでありますが、従って、自治庁がどんな
事業
でもこれを公営とすることを非常に力を入れて
推進
している、こういうような態度は必ずしも私は適当でない、こういうふうに思うのであります。ことに交通
事業
の中でもバス
事業
、こういうものは、おおむね今のところ民間の
企業
でもって
経営
されて、国民の、需要をある程度満している、こういうものについて、これと競合的な立場でもって新規に
公共団体
にバスなどを免許するということは適当でない、こういうふうに思いまするが、運輸省ではこれをどういうふうにお考えでございますか。
國友弘康
26
○
説明員
(
國友
弘康君) 今お話のございました
公営企業
等におきまして、
地方
自治
団体
において、
公営企業
の免許申請をいたします事例が最近もございますが、このバス
事業
等の免許申請がありました場合に、運輸省といたしましては、
道路
運送法第六条の免許基準に照しまして、
事業
開始の適切性の有無、また当該区間における需給
関係
等々を審査いたしまして、まあこれによります免許基準に適合すると認められます場合には免許するという
法律
の建前になっておりますが、最近既存業者の運行回数等もふえて参りまして、サービスも向上して参りましたので、一般的に申しまして、新規免許というものが、ここ三、四年非常に少くなって参っております。これは一般的に申しましたわけでございますが、既存のものが十分サービスを全うしております場合には、新しい免許申請がございました場合、ただいま申しました
道路
運送法第六条に
規定
してある免許基準に照してみますと、大体この基準に適合しないで、免許申請は却下ということになる場合が多いのでございまして、最近
公営企業
等におきましても申請がございまして運輸省で運輸審議会に諮りまして審査いたしました結果、免許のされましたものは、
昭和
二十八年以来四件ほどございますが、これは既存業者からの譲渡あるいは
事業
者のない地域に免許をされまして、その他二十八年以来八件ほど却下になっております。 大体このような状況でございます。
田中伊三次
27
○
国務大臣
(
田中伊
三次君) 今
小林
先生から御意向をいただきました
水道
事業
について力を入れなさいというお言葉でございますが、これに関連して、大事なことが
一つ
最近きまっておりますので、これをお答え申し上げておきたいと存じます。 お言葉の
通り
、わが
政府
は、上
水道
、簡易
水道
については思い切って力を入れて、
事業
量の上でも金の上でも助長したい、こういう
考え方
から、問題となりますのは継続
事業
分でございます。何年かかかって
水道
を完成する、こういう年度が続きます場合における継続
事業
分の
水道
起債
については、地元の目標というものもあろうかと存じますので、あらかじめ目標
起債
許可の予定額というものを、今年初めての
制度
でございますが、これをきめまして、そして予告をしてやる、そして何年度以内にこれを完成しろということの指示を与える方針をとりましたわけでございます。それを一口に申し上げますと、総
事業費
が一億までの
水道
は三年以内に完成さす。一億以上二億五千万までの総
事業
量を持つ
水道
計画はこれは四年ないし五年で完成さす。これはなるべく四年で完成さす見通しでございます。やむを得ない場合は五年で、四、五年で完成さす。それから三億以上を越えております場合はこれも最低六年間で完成することを基準にする。こういう基準によりまして年次別の
事業費
というものを、その個所その個所についてこれを指示を与えることにいたしました。その結果、三十二年度において
事業
量百億円までの
水道
でございますが、これは全国で百十七カ所を完成をいたします。三十三年度は六十五億円までの
事業
量の
水道
は七十二カ所、三十四年度は三十五億円までの
事業
量の
水道
は六十二カ所、三十五年度は二十億までのものを二十一カ所、これを合せましてその
総額
は二百二十億円、二百七十二カ所を完成いたします。こういう目標計画を立てまして、これを現地にそれぞれ指示を与えまして、
起債
の見通しはかくの
通り
、必ず
起債
を許可をするのだ、こういう見通しを通告いたしまして、この見通しのもとにしっかり
事業
をやれという方針をとっているわけでありまして、先生仰せをいただきましたような方針を極力胸におさめまして、この
水道
事業
についてはこれを進めて参りたいと存じます。なお、お言葉の中にも含まれておりますが、簡易
水道
につきましてもことしは二十億円増となっておりますので、簡易
水道
についても十分に力を入れて参りたいと存じます。
小林武治
28
○
小林
武治君 それで、バスの新規免許のことでありますが、このバス
事業
の採算というようなことについては、免許の際にどういうふうにお考えになっておられますか。たとえば
公営企業
というものはとかく能率が悪い、また採算というものをあるいは度外視すると、こういうふうな傾きがあるのでありますが、この点はどうですか、採算というようなことは、非常に大きな要素になっておるかということを伺っておきたい。
國友弘康
29
○
説明員
(
國友
弘康君) バス
事業
は
事業
でございますので、先生の仰せられます
通り
採算面はこれは絶対に見なければならない要素でございまして、免許基準の中にも
道路
運送法の第六条の三号に「
当該事業
の遂行上適切な計画を有するものであること。」ということで、採算を審査の中に入れてやっております。ただ、
公営企業
の場合には利益まで見る必要もないわけでございますので、その点は省いておりますが、その他の点におきましては、当然運賃の認可にも
関係
して参りますので、採算がとれるものでなければ適切な
事業計画
を有するものではないということになるであろうと考えております。
小林武治
30
○
小林
武治君 今のこの免許の問題でありますが、これは自治庁としてはもう一切運輸当局におまかせしておる、こういうことになっておりますか。
小林與三次
31
○
政府委員
(
小林與三次
君) 今の
法律
上の問題は、全部運輸省の専管になっておりますから、一応運輸省におまかせしておると、こういうことになっております。
小林武治
32
○
小林
武治君 これは
公営企業
というものだから、むろん独立採算制というものをとっておるのでありまして、
一般会計
に累を及ぼすというようなことは、自治庁としても非常な関心を持つべきであろうと思いまするが、これらのことは、すべて運輸省の見解にまかせておる、こういうことですか。
小林與三次
33
○
政府委員
(
小林與三次
君) 今のお尋ねの
公営企業
も、これは自治体の
会計
の
一つ
でございますから、
公営企業
の
運営
につきましては、われわれも非常に関心を持っておりまして、それでまあ一応
公営企業
でも、こちらの立場から一応制限をやっているわけでございます。ただ、免許の問題は運輸省の権限でございますので、運輸省の判断にまかせております。しかし
経営
につきましては、
公営企業
全般の問題として
経営
し、
合理化
すべき
趣旨
で、自治庁も指導の責任を持っているわけでございます。まあ
地方財政
法にも
公営企業
運営
の
規定
の原則を明らかにいたしておりまして、
一般会計
に累を及ぼさず、こういうものは当然独立採算を建前にして、
事業
の
内容
も
合理化
すべきものという方針で指導はいたしております。
小林武治
34
○
小林
武治君 今のようなバス
事業
のような
企業
につきましては、
公共団体
がやるものは税金の負担がない、こういうふうなことから、普通ならば民間
企業
などに比べても運賃などもむしろ安くていい、安くなければわざわざ
公営企業
にする必要もないというふうに考えるのでありますが、この点は運輸省はどういうふうに考えておりますか。
國友弘康
35
○
説明員
(
國友
弘康君) 運賃の面につきましては、運輸省といたしましては、
道路
運送法の第八条の第二項にその認可基準が
規定
してございまして「能率的な
経営
の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」この基準に基きまして、業者からの申請がありました場合に、それを審査いたしましてきめるわけでございますが、同一地区に二業者等のあります場合に、不当な競争になりませんように、その運賃の調整をいたします。先ほど申し上げましたように、
公営企業
の場合にはこの中の「適正な利潤を含むものであること。」というのは一応除いてございますが、不当な競争が起りませんように、同一に調整をして合わせる、そういう形でやっております。ですから運賃については同一地区については差はない、こういう形で現在運用いたしております。
小林武治
36
○
小林
武治君 自治庁に伺いますが、この
公営企業
というものを
一般会計
の
ため
に大いに役立たせる、こういうふうなお気持はないか、すなわち大体収支とんとんでいけばいい、こういうふうなお考えではないかと思いますが、その点はどうですか。
小林與三次
37
○
政府委員
(
小林與三次
君)
公営企業
でも、普通の今問題になっておりますような
事業
は、もう基本的にそういう
考え方
でございます。その他特殊な、例の競馬とか競輪とかいうような話は別でございますが、一般の
住民
のサービスを
対象
にする
公営企業
は、われわれといたしましては独立採算の
企業
にして、むしろサービスの向上充実ということを前提にものを考えるべきものだと心得ております。
小林武治
38
○
小林
武治君 先ほどの運輸当局の話では、利潤というものは見込まない、こういうことであります。むろん利潤というものは見込む必要はない、しかも一方においては税金も負担もしておらぬ、こういうことで、しかも他の民間
企業
等の
関係
上、運賃も調整するということになれば、それならば当然ある程度の利益が出てくる、こういうことを言わざるを得ない。その際のこれの還元ですね、その利益の還元というようなものは、これは
一般会計
に戻すということよりも、むしろ
企業
の
整備
という方面に向けさせるべきであると思いまするが、その点はどうなんですか。
國友弘康
39
○
説明員
(
國友
弘康君) さようでございます。
小林武治
40
○
小林
武治君 いずれにいたしましても、先ほどから申し上げましたように、このバス
事業
というようなものに対して、この金庫その他から
起債
を認めるについては、私は、できるだけ既設の設備の
整備
改善と、こういうことに主として向けてもらいたい。従って、こういうふうな問題については、いろいろ問題がありまするからして、新規免許というふうなことは、なるべくこれは厳重に運輸省当局としても検討される必要があろうと、そして主としてこういうようなものは、民間の創意にまかしたらよかろう、工夫にまかしたらよかろう。ことに、既設のものとの競合というようなことについては相当の考慮を要すると、こういうふうに思いますが、その点について、あら
ため
てもう一度、
一つ
運輸当局のお考えを承わっておきたいと思います。
國友弘康
41
○
説明員
(
國友
弘康君) 先ほど、方針として申し上げましたように、
道路
運送法に基きまして審査をいたします。これは、一般的に申しましても、既存業者が十分なサービスをいたしております場合には、免許基準に照合いたしました場合には、免許基準にその新らしい申請は適合しない、こういうことになると考えております。
小林武治
42
○
小林
武治君
公庫
のことを少し伺いたいのでありますが、この
公庫
の
資本金
というものは、確定したものでありますか。
小林與三次
43
○
政府委員
(
小林與三次
君)
資本金
は、一応五億と
法律
で制定してございますから、
法律
を変えなければ、このままでございます。
小林武治
44
○
小林
武治君 私は、今後の見通しを聞いておるのでありますが、あなた方はこれで満足しておるのかどうか。こういうことです。
小林與三次
45
○
政府委員
(
小林與三次
君) われわれは、この
金額
で満足いたしておりません。まあほんとうは、ことし十億ほしいと思っておったのでございますが、
予算
のいろいろな
関係
から、五億になりまして、明年度は、どうしても十億にいたしたいと、こういう考えでおります。
小林武治
46
○
小林
武治君 今の問題について、何か話し合いがありますか。明年度の話し合い……。
小林與三次
47
○
政府委員
(
小林與三次
君) これは、明年度の問題につきましては、まあはっきりとした話し合いは、率直に言ってございません。われわれはそういうことを期待いたしておるし、まあそういうふうに話はしておりますが、大蔵省はまだ認めたとは、これは率直に申しまして、申しておりません。
小林武治
48
○
小林
武治君 本年度の
起債
の債券の予定額が七十億と、これは、
公募債
だけでも二百何十億あるのに対して、非常に僅少だと、これのワクの増大ということについてはむろん考えておられると思いますが、これは、来年度にはどんなふうな
考え方
をしておられますか。
小林與三次
49
○
政府委員
(
小林與三次
君) ことしの七十億も、実は少額過ぎると私は思っております。これも、
公庫
の発足の時期その他の
関係
で、やむを得ずこうしたのでございますが、これは、一応国会の議決できまるものですから、七十億ときめまして、われわれといたしましては、とうていこの
金額
じゃ満足はできません。それですから、どうしてもまあ二百億くらいあった方が実はこれはよいと思っております。ただ、この
公募債
でも、何と申しますか、大府県等が
発行
しております、いわゆる指定
地方債
と申しますか、そういうものにつきましては、必ずしもこの
公庫
の厄介になる必要は、これはないと思っております。それで、その他の
市町村
を
中心
にして、なお弱小の府県を
中心
に考えたい。それにいたしましても、七十億の
金額
ではとうてい物足らない。さらに考えますというと、まあ過去の
公募債
というものは、相当高利に借りておるやつがあるはずでございますが、こういうものの肩がわりも考えてやらなければ、ほんとうに行き届いたこれは
措置
に実はならないと思っております。それでございますから、この今度の
公庫
法の発足につきましては、非常にわれわれとしては不満な点が多いのでございまして、将来もう少し改善すべきことを積極的に考えなくちゃならない。そういう
ため
に、できるだけ努力いたしたい考えでおります。
小林武治
50
○
小林
武治君 この七十億の国会の議決というのは、どういう形で、いつおやりになるのですか。
小林與三次
51
○
政府委員
(
小林與三次
君) これは、
予算
書に、
公庫
、公団の
政府
保証の
発行
債の
限度
額が皆きまっております。それでございますから、
予算
の審議で一緒にきまることになっております。
小林武治
52
○
小林
武治君 そうすると、今入っておるのですか。
小林與三次
53
○
政府委員
(
小林與三次
君) そうです。
小林武治
54
○
小林
武治君 念の
ため
に伺っておきますが、今の
公営企業債
の既
発行
額はどのくらいになっておりますか。
小林與三次
55
○
政府委員
(
小林與三次
君) 既
発行
の
公募債
は、約九百億円でございます。
本多市郎
56
○
委員長
(
本多市郎
君) この際、他に御質疑ございませんか。
岸良一
57
○岸良一君 九百億の中で借りかえをしなければならないのは……どうですか。
小林與三次
58
○
政府委員
(
小林與三次
君) これは、あとから
資料
で、現在の
公募債
の利率の状況、
発行
した
資料
をお配りいたしたいと思います。
成瀬幡治
59
○成瀬
幡治
君 私もよくわかりませんですがね。この
業務
ですね。ここには、交通、
水道
と出ているわけですが、ほかは何か、
政令
で定めるということになるわけですか。その
政令
も、何か案がありましたら、ちょっとお知らせを願いたい。
小林與三次
60
○
政府委員
(
小林與三次
君) これは、
法律
では
政令
に譲っておりまして、
政令
では、今
小林
委員
からもいろいろお話がございましたが、われわれといたしましては、現在
公営企業
として、なるべく
政令
は、広くそれだけは取っておく必要はあろうと思うのでございますので、電気、
水道
、交通、病院、市場、ガス、公益質屋等いろいろな
団体
、
公営企業
をやっておりますもので、それで、
公募債
をつけるものはできるだけ広く指定いたしたい、こういうふうに考えます。
成瀬幡治
61
○成瀬
幡治
君 案がないのですか、まだ。
小林與三次
62
○
政府委員
(
小林與三次
君) 具体的に
政令
の案はありませんが、
公営企業債
を予定しているものを全部書くつもりでございます。
加瀬完
63
○加瀬完君 財政部長に伺いますが、今御
説明
の中に、一応
公庫
法案
が出たのだけれども、これはまあ、自治庁から考えれば、非常に満足なわけにはいかない。たとえば、既
発行
のものなども問題だが、こういうものまでめんどうを見てやらなければならないと考えるが、そこまでは今度の
法案
では及ばないというふうに解釈したのですが、そうなんですか。
小林與三次
64
○
政府委員
(
小林與三次
君) これは、新らしい今度の
法律
では、
公営企業
の
ため
に
発行
する
起債
でございますから、既
発行
の借りかえは、
法律
的には読めないわけでもないと思います。
公営企業債
に関する借りかえの部分だけならば、
法律
的には読めないわけじゃないと思います。しかし、今申し上げました
通り
、一応の債券
発行
限度
額が七十億になっておりますから、新規のやつまでとても足らない。とても今度のやつに及ぶゆとりがない、こういうのが
実情
でございます。
加瀬完
65
○加瀬完君 そこで、
地方
制度
調査
会あたりでも答申を出しております。自治庁の御見解もそうだったと思いますが、いわゆる
公募債
の処理というものをどうするかということが、一番まあ
地方財政
の諸問題の中でも
中心
の
一つ
だろうと思うのですよ。そうすると、今度の
公庫
法のようなものが出るなら、今まで——
公営企業
に限ってもいい、
公営企業
の中の問題の
公募債
というものを、何か
公庫
法案
の中に処理というものを含める。御
説明
によるならば、借りかえもある程度認めるという
内容
がなければ、
公募債
の処理に大きな役割をすることにならないと思う。私どもは、
公営企業
だけでなくて、との
公庫
法案
の構想を聞いておったときには、むしろ将来の
地方債
をどうするか、
起債
をどうするかということではなくて、今まで赤字の形で累積されたものをどう処理するかという
一つ
の処理の
機関
として、
公庫
というものを考えるのだというふうにも聞いておったのですが、今の御
説明
によりますと、そこまでは
事業
をふくらましては考えられないということになりますね。
小林與三次
66
○
政府委員
(
小林與三次
君) 今のお話しの
通り
でございまして、率直に申しまして、われわれといたしましては、そこまで手の及わぶものをできたら作りたいと考えておったのでございますが、
政府
部内でいろいろ折衝の結果、
公営企業
を
中心
に考える。そうして
公営企業
も、今後の
公営企業
の
推進
というか、発展に役立つ方向に考えるという形で、この案ができております。今の
公債費
問題を全部
公庫
でさばきをつけるということは、とてもできないのでございまして、
公債費
の問題の
一つ
は、
元利
償還
とか、そういう問題は別といたしまして、つまり利率を全般的にどう下げるかという問題がございます。過去の
地方債
は、
政府資金
が多いのでございまして、
政府
の
資金
は六分五厘でございますが、これをさらに下げたい。この問題は、大蔵省と折衝中の問題でございます。 それからもう
一つ
は、公債の
償還
期間を合理的に
延長
をしたい。これは
公営企業債
にももちろんあります。その他
道路
とか
橋梁
等にもございまして、これが従来の
償還
期間が、
事業
施設等の耐用年数にかんがみますると、適当でないのでございまして、それも
延長
したい。これはもう、今年度の
起債
につきまして、必ずしもそれは十分とは申せないかもしれませんが、相当な範囲で
償還
期間を
延長
いたしたのでございます。この問題も、既
発行
債の
償還
期間を
延長
しなければ、ほんとうはもう既
発行
の
地方債
について役に立たんのでございますが、そこまで話は進まずに、とりあえずのところ、今後のものについて
償還
期間を
延長
しよう、こういうことになったのでございますから、なお問題は相当残っておりまして、そういうものにつきまして手を打つということは、非常に必要な問題だろうと思います。ただ、この
公募債
の借りかえは、
地方団体
自体におきましても、一応は、現在のような高いのを借りておるものは、
団体
自体で独自に借りかえをやっております。これは自由にできる建前でございまして、府県などは、相当
低利
に借りかえを現にやっております。この勢いだけは、われわれもできるだけ
推進
してやりたい。府県はできるけれども、
市町村
になってくるというと、率直に申しまして、簡単にこれはできっこないと思います。そういうものの補強工作で、
公庫
というものは将来活躍できるように、私はもっていくことがきわめて必要だ。しかし、これにつきましては、大蔵当局は必ずしもすぐに賛成はいたしませんが、われわれとしては、そういう方向にもっていきたいと存じております。
加瀬完
67
○加瀬完君 御
説明
でよくわかったのですが、これからの
公営企業
の
公募債
というものについては、
公庫
というものは大きな役割をする。ですから、今までのような、この
地方債
についての悩みというものは、ある程度カバーされる。ですから、将来はそれで非常にいいと思う。しかし、今までいわゆる既
発行
債で苦しんでおる
団体
を、やはり何とか救済をしてやる
方法
が考えられなければ、ちょっとその間に段階がついてしまうと思うのですよ。早く進歩的な行政施策というものをしたところは、赤字をかかえてどうにもならない。おくればせながらやったところは非常に優遇されるということでは、どうも行政
措置
としては完全というわけには参らないというふうに心配されるのです。そこで、いろいろ御
説明
のように、公債の
償還
期間その他を合理的にするという
方法
もありましょうけれども、
公庫
法そのものの中で、将来に対する心配をするなら、既
発行
のものに対しても何か救済の
方法
を考えてやる。今御指摘のように、都
道府県
は何とかなるというなら、何とかならない
市町村
だけでも考えてやる。そういう御構想はございますか。
小林與三次
68
○
政府委員
(
小林與三次
君) これは、全くごもっともでございまして、われわれといたしましても、そういうことを実は考えたいのがやまやまでございます。ただ、今度の
公庫
法並びに今度きまる
資金
七十億のワクではとうていこれはできません。新規
発行
の
公募債
だって十二分に消化できないのでございますから、過去まで及びません。従いまして、それが
ため
には、
公営企業債
の
発行
限度
額というものを思いきって上げるということが必要だろうと思います。それが
ため
には、裏づけになる
資金
の増額ということも考えなければならないし、かりにそういたしましても、
公営企業債
そのものが
低利
で市場で消化できるという前提がなければいかんのでございまして、この問題が非常に問題だろうと思います。そう簡単に、二百億三百億の
公営企業債
が
低利
で消化できるかということになりますと、金融状況とのにらみ合せその他がございまして、われわれといたしましても、すぐに安受け合いをするわけには参らんと思うのでございまして、ともかくも長い間の念願であった
公庫
を発足させて、そうして運転を見ながら、逐次
公庫
の
事業
を充実さしていくことにできるだけ努力をいたしたいと、こういう
考え方
でございます。 それからもう
一つ
は、過去のものにつきましては、
一般会計
の場合と
公営企業
会計
の場合と、やはり多少性質が違いまして、
公営企業
会計
の場合は、その当時の
起債
の金利
計算
でおそらく
企業
の採算計画を立てておるだろうと思うのでございます。それですから、安くするにこしたことはないが、まあなお多少
計算
は成り立つ。しかし、
一般会計
の場合は、全部税金にはね返ってくるわけでございますから、この部分だけは、何としてでも押えることをわれわれは積極的に考えたい。過去の
地方債
につきましては、
利子
補給の問題を考えるとともに、その土台の金利を引き下げるということを努力いたしたいと思うのでございまして、
政府資金
の問題につきましては、
一般会計分
について、過去のものについても何とか利率を引き下げよう、こういう方向でせっかく努力いたしておりまして、これは、今月中にはどの程度までいくか、
資金
のコストの
関係
もございまして、そうこっちの希望
通り
には参らんと思いますが、
資金
のコストの許す限り、過去のものについても引き下げよう、こういうことで、大蔵当局と今せっかく折衝中でございます。
本多市郎
69
○
委員長
(
本多市郎
君) 残余の質疑は次回に譲りまして、本日はこの程度で散会いたします。 午後零時十七分散会