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1957-02-26 第26回国会 参議院 地方行政委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年二月二十六日(火曜日)    午前十時四十五分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     本多 市郎君    理事            大沢 雄一君            小林 武治君            加瀬  完君    委員            小柳 牧衞君            館  哲二君            安井  謙君            鈴木  壽君            成瀬 幡治君            岸  良一君            森 八三一君            白木義一郎君   国務大臣    国 務 大 臣 田中伊三次君   政府委員    自治政務次官  加藤 精三君    自治庁財政部長 小林與三次君    自治庁税務部長 奧野 誠亮君    大蔵政務次官  足立 篤郎君    大蔵省主計局次    長       村上  一君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   説明員    調達庁不動産部    次長      鈴木  昇君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方行政改革に関する調査の件  (今期国会における提出予定法律案  に関する件)     —————————————
  2. 本多市郎

    委員長本多市郎君) それでは、これより委員会を開会いたします。  本日は、地方行政改革に関する調査中、今期国会における提出予定法案に関する件を議題に供します。本件につきましては、すでに政府説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行いたいと存じます。質疑のある方は、どうぞ御発言を願います。
  3. 小林武治

    小林武治君 当委員会として、過日、基地等交付金関係もありまして、横須賀を視察したのでありますが、今回、基地等交付金が設けられることになったことは、きわめて適当な措置と、こういうふうに思うのでありまして、その金額は、とにかく初年度五億円が計上されておるのでありますが、これについては、何か積算根拠があるかどうかということを、まずお伺いしたいと思います。
  4. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 基地交付金につきまして、大蔵省主計局といろいろ話し合いをして参りました過程におきまして、三十二億円とか、あるいは十五億円とかいった数字もあったわけでありますが、現在、国有資産等所在市町村交付金に関する法律に基きまして、交付金対象になるようなものを限定して参りますと、十五億円というふうな数字になるじゃないかというふうな考え方を持っておりました。しかし、その中から、特に倉庫で、企業施設だと思えないようなものを除いていきますと、十億円くらいになるじゃないだろうかというようなことから、自治庁としては、十億円くらいあれば、問題の解決に当り得るじゃないだろうかというふうに考えておったわけであります。大蔵省としては、いろいろなお考え方をお持ちだろうと思いますが、そういう過程におきまして、この問題の解決に当りまして、十億円あればできるというふうに存じておるわけであります。
  5. 小林武治

    小林武治君 そうすると、自治庁は、この五億円は大体半年分と、こんなふうに了解されていますか。
  6. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) その通りでありまして、大蔵省との間で、完全に意見が一致しております。
  7. 小林武治

    小林武治君 そうすると、年額十億円でありまするが、自治庁あるいは大蔵省考えておる、この交付金対象となる土地物件は、どういうものを予定しておりますか。
  8. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 交付金配分につきましては、なお、大蔵省当局といろいろ話し合いをいたしております。話し合いをいたしておりますが、自治庁として考えておりますのは、住宅関係施設あるいは厚生慰安関係施設企業関係施設あるいは飛行場演習場土地、こういうものを考えておるわけであります。
  9. 小林武治

    小林武治君 そうすると、大体まあ平年度十億円と、私どもは、この額は必ずしも適当でない、こういうふうに思っておりますが、十億円をまあ平年度とすれば、これの積算根拠を、たとえば価格がどのくらいで、それに対して、何分の一に対してどのくらいの比率で課税するような形式を取る、こういうふうなお考えがあろうと思いますが、それはどうですか。
  10. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 積算基礎といいましょうか、大体十億円くらいあれば、この問題の解決ができると考えましたのは、先ほど申し上げた通りであります。これをどのような形で関係の町村に交付していくかというふうな問題につきましては、なお政府部内で話し合いをいたしておる最中でありまして、近いうちに、いい方法話し合いがつくというふうに考えております。現在のところでは、まだ話し合いをしている最中でございますので、いましばらくお待ちいただきたいというふうに存じております。
  11. 小林武治

    小林武治君 今のようなお考え方だと、これは、大蔵大臣が非常にお使いになる、いわゆるつまみ金、あるいはつかみ金の中に入ると、こういうようなふうに思いますが、この金額が適当だと言うからには、少くとも具体的に積算基礎がなければ、こういった金額が出てこない、そうでなければ、やはりいわゆるあてがい扶持にすぎない、こういうふうに思いますが、どうですか。
  12. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お話のような、あてがい扶持になるということは避けたいというふうに、終始考えているわけであります。また、話し合い過程におきまして、大蔵省側では、飛行場土地まで税的な対象にされることは、いろいろと他の行政施設にも広がっていくことを考えた場合に困る、こういうお考え方もあるわけでありまして、両方の考え方を合せながら、支障のない、地方団体としても予測のできる、自主的な財源として与えられる方法をとりたいということの話し合いをいたしておるわけであります。御指摘になりましたようなことはぜひ避けて、今申し上げましたように、市町村が受け取った形で配分できるようにしたいというふうに存じております。
  13. 小林武治

    小林武治君 今のようなお話だと、今後たとえば配分方法、あるいは積算を具体的に定めるにつれて、金額にも増減を来たす、こういうことがあり得ると思いますが、どうですか。
  14. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 土地関係施設が非常にふえていく場合には、自治庁考え方からいたしていきますと、増額を必要とするのではないだろうかというふうに思います。しかし、一応大きな変化は、この一年の間に見られないようでありますから、そういう状態でありますと、大体十億円ぐらいあれば、問題は解決していけるというふうに思っております。今までの経過から、特に違った問題が起って参りますれば、御指摘のようなことになろうかと思いますが、現状では、大体支障がないのじゃないだろうかと存じます。
  15. 小林武治

    小林武治君 自衛隊関係は、どの程度対象考えておりますか。
  16. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 現在、自衛隊の職員の使っております住宅は、すでに交付金対象になっているわけであります。従いまして、自衛隊関係で、特に問題になりますのは、飛行場演習場土地ではなかろうかと思っております。
  17. 小林武治

    小林武治君 次の点は、大臣に伺いたいのでありますが、この交付金の支給に当りましては、何らかの法的手段を必要とすると思いまするが、これをどういうふうに法制化しようとお考えか、お聞きしておきたい。
  18. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) 今のお尋ねでございますが、大へん重要な点であると存じますので、お答えを申し上げます。  予算折衝の一番当初から、この問題が念頭にございまして、法制上どんな内容法律を作るべきか、法律を作らないとしても、いかなる基準でこれを配分していくことが最も適当であろうかという問題でございます。そこで、私の考えといたしましては、基地所在地市町村に渡しております交付金——この法律に基く交付金に準じた方法によって配分をすることが適当ではなかろうか、こう考えておるわけであります。そこで、具体的にどんな法律を作るか、あるいはこれを作らないでいくかという問題につきましては、ただいま大蔵省と盛んに折衝をしております最中であります。ここ、もう二、三日の間には、これについての意見も両省庁の間でまとまるものと考えます。今朝も、大蔵大臣話し合いをしたわけでありますが、もう一息というところに参っておりますので、できるだけ早い機会に、ただいまのお尋ねに対します答弁を申し添えることにしたい、こう考えます。
  19. 小林武治

    小林武治君 この交付金は、私は、決していわゆる政府の恩恵的な措置ではない、こういうふうに考えております。従って、これだけの予算が計上されておるものを、法律によらないで、何らかの内規等によって交付するということは、私は適当でない、こういうふうに思える。従いまして、少くともこれを法制化する……現在も国有財産所在市町村に対する法律がありまするが、この中に入れるつもりか、何らかの立法をするつもりか、こういうことについて、大蔵省はともかく、自治庁はどういうふうに考えておりますか。
  20. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) 自治庁考え方といたしましては、ただいま御指摘の、国有財産所在市町村交付金法という法律に基いて、これを配分することができますように、付則その他の改正を行なって、これを適用したい、こういう考え方を持っております。
  21. 小林武治

    小林武治君 なお、金額の問題でありますが、これは、少くとも自治庁においては、十五億円のいわゆる復活要求をした、こういうことになっておりますが、一体かような金額で適当な配分ができるかどうかということを心配しておりますが、その点はどうですか。たとえばこの五億円にしましても、これが年額の三分の一、こういうふうにすれば、ちょうど十五億円になりますし、先ほどお話のように、半年分とすれば十億円、こういうことで、非常に大きな影響があるのでありますが、私は、自治庁の十五億円の復活要求には相当の根拠があった、こういうふうに思いますが、それを簡単に引っ込めるということになれば、きわめて不十分かつ不適当な配分方法をとらざるを得ない、あるいは交付金対象となる土地物件についても、非常な制限を受ける、こういうふうなことになって、いわゆる立法化する場合に、ワクにまとまりがつかなくなる、入らなくなる、こういう心配があるのでありますが、その点はどうですか。
  22. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) 御説の通りでございまして、大体交付金対象となる、ただいま部長からお話を申し上げました、住宅関係とか、慰安施設とか、あるいはその他の企業施設であるとか、あるいは飛行場演習場のようなものを大づかみに、広範囲につかんで参りますと、どうしても十四、五億の予算を必要とするのじゃないか、こう最初は見たわけでございますが、漸次対象となるべきものを整理して参りますと、何とか十億程度で、年間やれるのではなかろうか、こういうふうに考えましたので、ここで、平年度においては十億という話し合いで落ちつけることにしたわけであります。そういう事情でございますが、自治庁考え方といたしましては、本年とりあえず、その配分基準となるべきものを明らかにいたしまして、これによって配分をやってみる。そうしてこれが五億では、半年分としても、どうしても五億では足らない。どうしても十億を越えること幾らということの見通し根拠に基いて明確になりました際は、十億とはなっておりますけれども、平年度においても、これが必ずしも十億でこらえていく必要はないのではないか。この点については、新たなる予算の計上に際しましては、さらに大蔵省と別個の交渉で、御趣旨に沿い得るように、いわばあまり対象額を削ることに無理をしませんように、努力をすることが可能ではなかろうか、こういうふうな見通しを持って、とりあえず十億ということで押えていく方針をきめたわけでございます。
  23. 小林武治

    小林武治君 重ねて申しておきますが、私は、この交付金はあくまで恩恵的なものでない、従ってこれは、地方一つの権利として確定する必要がある、そういう趣旨からいいまして、内規とか通達とかでやったのでは、どうしてもこの内容が不確定になる、また安定しない、こういうことを考えまするので、いずれの方法にしろ、ある程度具体的に法律で規定する必要がある、そういうことをなさる、こういうことを期待してよろしゅうございますか。それの返事を一つ
  24. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) そういう努力を、最善を尽して参ります。
  25. 鈴木壽

    鈴木壽君 今、お話を聞いておりまして、ちょっとわからない点がございますが、当初、自治庁の方では三十二億の要求をなさった。その後削られましてから、十五億何がしの復活要求をした。それが最後には五億の査定になった。こういうことなのですが、しかもその五億は半年分、年間十億、大体まあこう見てよろしいというお話でございます。これがはっきり、大蔵省との間にそういう取りきめができておるのですか。それをまず一つお伺いしたい。
  26. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) 半年分ということで取りきめをしておるわけではないのであります。財政上の事情ということがただ一つ事情でございますが、そういう事情によって、今年は五億ということで措置をしよう、ただこういうこと以上に意味はないわけでございます。そうすると、いかにもつかみ金のような形になるのでありますが、つかみ金ということでは、御心配をいただいておりますように、これは、地方の当初予算を盛ります上からいいましても、そういう不安定な、幾らかというようなことがわからないようでは困るということをこちらの方では考えております。これは、極力率を定めて、配分のできるように措置をすべきものである、こういう考え方に立っておりますので、結局五億ということになりますと、半年分ということよりは、対象となるものの標準になる価額を二分の一なら二分の一に落す、こういうことで、やはり三十二年度はこの措置をする。三十三年度は、その配分をする基準となるべき基準価額倍額にする。これによって倍額予算を必要とするというふうなやはり行き方をしていくより仕方がないと思います。
  27. 鈴木壽

    鈴木壽君 さっきのお話とはちょっと違ってきたように感じますので、先ほど部長さんのお話では、小林委員からのお尋ねに対するお話では、五億円は大体半年分と見ていいかと言うと、そうだと、そうすると、もう年間は十億円必要だというふうになるが、どうかと言ったら、その通りだと、しかもそれは、大蔵省と完全に意見が一致しておるのだと、こういうお話一つありますし、それから、長官お話の中に、たとえば平年度五億円であって、どうしても十億ぐらいかかる、しかも、十億から、もっといろいろ配分方法なんかを率をきめたりなんかしておる間には、この十億ぐらいでは足りない場合があるのではないか、さらに、そういう場合には、大蔵省話し合いをして、多少もらうようにするのだ、こういうふうに私は聞いたところがあるのですが、もし私がそういうふうに聞いたとすれば、今のお話と違ってきておると思うのですが、この五億円は、これはあくまで半年分でなくて、今年一年分で、将来十億円、あるいは十何億になるかしれませんが、今年予算として、そうして配分の額としては五億円しかないのだ、こういうことになると思うのですが、そこら辺、先ほどお話とはっきりしないので、私は、配分方法とか、交付の率の決定とか、そういうことを今お尋ねしておるのではなくて、総額は、年間どのくらい交付するつもりなのか、三十二年度ではどうするのかと、こういうことなんです。
  28. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) ちょっとこれは、今私が申し上げたのは、配分方法としては、そういう方法によるよりいたし方がなかろう。二分の一年だけ渡そうということよりは、基準価格を二分の一に落して渡す以外の方法はなかろうということを申し上げたわけでございます。それで、やはり十億を五億でがまんしたのはどういうわけかと、こういう仰せをいただきますと、やはり今年は二分の一と、こういうことになったのだと、こういうことが事実のようでございます。そこで、その二分の一をどういうふうにして配分するかと、こういうことになりますと、基準価額を二分の一に落して渡すより方法はなかろう、こういう事情を申し上げたわけであります。
  29. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは、話が変ってきておると思うのですが、私は繰り返しますが、部長先ほど、これは半年分だ、もう五億あるようなことを言っておるのです。これは、あとから速記をはっきり調べてみれば……私は先ほどそういうふうにお聞きした。それから長官お話では、そういうふうに私は聞いて、なお十億で足りなかったら、場合によってはもっと取るのだ、こういうようなことまでおっしゃったように私は聞いたのです。そこの違いを、もし私の聞き違いであればいいわけですけれども、その辺はっきりしていただきたいと思うのです。
  30. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 誤解があるようでありますから、もう一ぺん説明さしていただきます。  大蔵省との間で、平年度十億円、初年度五億円、こういうことで、この数字がきまっておるわけでございます。三公社課税に当っても、初年度二分の一という線を出しておるわけだから、それにならってやろうじゃないかという話し合いがございました。なお、十億円の根拠でありますが、これは、もとより話し合いで妥協したということになるのでございましょう。しかし、妥協するについては、自治庁としても、十億円あればやっていけるというふうに考えたからでございまして、私たちが十五億円と言っておりましたのを大まかに分けてみますと、住宅関係厚生慰安関係施設が三億円、企業関係の……
  31. 鈴木壽

    鈴木壽君 ちょっと、もう少しゆっくり。
  32. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 住宅関係施設厚生慰安関係施設、合せますと、三億円程度であります。企業関係施設が十億円程度であります。飛行場演習場土地の分が二億程度であります。合計して十五億円になります。十五億円になりますが、今申し上げました企業関係施設の中には、倉庫がございまして、倉庫の分だけで七億円程度占めております。倉庫といいましても、たとえば兵器庫のようなものもあるかもしれない。そういうものは、普通の行政財産と同じような考え方をとれば、はずすべきであろう。でありますので、そこの中身を洗っていけば、大体十億円の線で押えることが可能になるのじゃないか、こういうような予想をしておったわけでありまして、もとより厳密に検討して参りますと、若干の増減は出るかも知れませんけれども、まあ今まで問題にされておったようなことを解決するのには、この程度でがまんできないことはないのじゃないか、こういうふうに存じておるわけであります。なお、将来の問題につきましては、大臣がお考えになっております方向で、もとより努力をすべきであろうというふうに存じております。
  33. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは、お願いみたいになりますが、どうでしょう。復活要求を出されました十五億円なにがし、これを出されました積算基礎とか根拠、それから十億という額に落ちついた、話し合いができた、これについてどのように考えるか。たとえば、今のお話のように、倉庫等の中には、これから除外してもいいものが出てくるのじゃないかというふうに考えておる、こういうようなお話でございますが、そういうものを一つ資料として出していただけませんか。今あるのでしたら、一つお示し願いたいと思います。
  34. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お話を申し上げてもよろしいと思うのでございますが、今申し上げましたような数字を簡単な表にしてお出しすることは差しつかえないと思います。どちらでもけっこうでございます。
  35. 鈴木壽

    鈴木壽君 それじゃ、あと資料としていただいてから……。
  36. 小林武治

    小林武治君 大蔵省主計局次長がお見えになっておりますが、あなた、先ほどから、自治庁お答えをすべてお聞きになっておりましたが、あれをそのまま了承されますかどうか、その点念を押しておきたいと思います。
  37. 村上一

    政府委員村上一君) きまりました五億につきまして、来年度はどうなるかというお尋ねでありまして、自治庁の方からそのお話がありましたが、その点につきましては、初年度でございます三十二年度は五億、平年度、三十三年度以降については十億ということが、はっきりお話し合いがきまっております。それから、三十二年度に計上いたしました五億につきまして、はっきりした配分方法が、これも先ほど説明がございましたように、今日の段階で、意見が完全に一致しておりません。この点、まことに申し訳ないと思いますが、私どもといたしましても、自治庁、それからこれは、特別、調達庁の御関係があるわけでございますが、この三者で至急話を進めまして、早くこれをきめるように努力しておるわけであります。今後の配分基準をどういうような考え方でいくか、あるいは、先ほどお話しが出ましたように、立法措置をとるかとらないかということに関連いたしまして、多少——予算がきまります折衝過程においてもさようでございましたが、私ども意見の食い違いと申しますと語弊がございますが、一致しない点があるのでございます。私どもはもともと、御承知のように、駐留軍に提供しております施設というものは、一括いたしまして、行政協定二十五条でございますかによりまして、駐留軍の使用に国が提供しておるわけでございまして、その意味から申しますと、全体が引っくるまって、完全に公用に供されていると考えるべきだと思います。従いまして、これに伴う対価収益というようなものは、初めから——これは協定にはっきりしておりますが、全然予想されていないものでございます。従いまして、そういった、完全に公用に供されまして、もともと初めから対価が全然ない、収益性がないというような資産施設につきまして、税という観念を適用することはいかがであろうかというふうに考えましたわけでございます。もともとそういった市町村につきましては、御承知のように、交付税である程度はすでに現状においてもみておったわけでございますが、これは、両院の委員会におきまして付帯決議の御趣旨もございますし、そういった市町村について、税ではございませんが、なにがしかの補助金を出してしかるべきであろうというふうな考えをもちまして、金額につきまして、自治庁折衝を重ねましたわけでございますが、きまりました金額は、先ほど来御説明もございましたが、税額というようなものをはじき出してきめたわけではございませんで、いわば総額でまるくきめられたわけでございます。  そこで、この配分の問題になりますが、やはり、今せっかく御相談を申し上げている段階でございますが、私どもとしましては、税が本来ならばこれらの資産にかかるべきである、それが現状においてかけられていないから、その分をそのまま特別の形で、交付金として当該市町村に渡すということは、一つは、先ほども申し上げました点と重複いたしますが、税本来の観念からいって適当ではあるまい。国と市町村相互に、いわば広い意味行政事務を分担しておりますわけでございますが、その相互課税体系が、いわば国の公用に供している施設について市町村の税がかかる、あるいは市町村の事業に国の税が本来ならかかるのだというような観念は、これは避けるべきじゃないかというふうに考えております点が一つでございます。それから、税額でそのまま当該市町村交付する、あるいはその場合、総額がまるくきまっておりますので、その税額ではじきましたものと、きまりました総額との割合で、按分するというような考え方一つあり得るかと思いますが、そういった場合に、当該市町村事情は、御承知のように、それぞれ非常に違うわけでございまして、古くから軍港というような形で発展して参った市町村もございますし、また、最近において、畑であったものが飛行場に変っているというような所とは、相当事情が違うのでございます。また、あります施設の種類から見ましても、演習場飛行場といったような場合と、宿舎といったような施設の場合とは、またそれぞれそれに伴う収入があるとかないとか、あるいはいろいろなその他の社会事情にどういう影響があるかというような点を考えましても、相当開きがあると思います。また、御承知のように、地方団体それぞれ財政の富裕の程度が違っておりまして、交付団体、不交付団体と、また、交付団体の中にもいろいろな段階がございますが、それらに、税額に比例いたしまして、つまり財政状況というものを全然考慮いたしませんで配分いたしますことも、簡単で公平のようでございますが、かえって実情にそぐわない点がありはしないかという点も考慮いたしております次第でございますので、そういった点を含めまして、何らかの適正な基準を定めたいと思っております。もちろん、先ほど来御質問にございましたように、まるくきまりました総額を、いわばつかみで分けようというようなことは全然考えておりません。はっきりした基準をあらかじめ決定いたしまして、それぞれの市町村は、大体どういう基準によって、どのくらいの金額が自分のところにもらえるかということは、これをはっきりいたしまして、また、非常に言葉は悪いのでございますが、ヤイヤイ言ってきたところがよけいもらうというようなことでは困ると思いまして、そういう点も、はっきりあらかじめ基準をきめますことによりまして、いわば公平にしたい、かように考えておりますが、具体的な配分基準につきましては、先ほどお話のように、目下自治庁と特別調達庁、この三者の間で、せっかく相談中であります。
  38. 小林武治

    小林武治君 今の問題ですが、大蔵省は、これを法制化するとかどうとか、こういうことについては、どういう考えを持っておりますか。
  39. 村上一

    政府委員村上一君) ただいまの段階では、内容につきまして、以上概略を申し述べたような考えを持っておりますが、これを立法化するかどうかということにつきましては、私どもは、今日の段階では、立法化を必要としない。閣議決定ではっきりした基準をきめまして、配分をいたしたい、かように考えております。
  40. 小林武治

    小林武治君 自治庁長官は、先ほどああいうお話でありましたが、大蔵省は、今の御答弁の通り、これは私は、今のような取扱い方は適当でないと考えまするので、自治庁長官が言われるようなことを一つ貫徹してもらいたい、こういうことについて、一つ注文を申し上げておきます。
  41. 加瀬完

    ○加瀬完君 先ほど、税務部長説明の中に、五億というものは半年分で、三十二年度も十億であるといったように受け取れるような説明があったように、私ども聞き取ったのであります。長官は、そうでないと御答弁があったのですけれども、この際、十億というものについて、はっきりした点は、一体どういうことになるのですか。
  42. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) 先ほど申し上げましたように、初年度は五億、平年度は十億、こういうことなんでございます。それをどういうふうに配分するかということに着眼をして、だんだん考えて参りますと、これは、基準価額に適当なさじかげんを加える以外に、この金を持っていく道はなかろう。もとより、率をきめまして金を渡す、こういう行き方でいきたいというのでありますから、その基準となるべき価額をなぶるより以外に道はない、こういう考え方お答え申し上げたわけであります。
  43. 加瀬完

    ○加瀬完君 配分方法、その基準等については、これは、お説の通りになると思うのです。そうでなくて、一体三十二年度は五億なのか十億なのか、その点をはっきり……。
  44. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) 三十二年度は五億であります。三十三年度以降は十億にする見通しでございます。しかし、足らざれば、何も十億に限ることはない。情勢の変化もあるわけで、対象それ自体にも変化がございまするわけでございますから、そういう場合においては、何も十億に限ることはない。一応今日のところは、初年度五億、平年度十億という方針を内定しておる、こういうわけでございます。
  45. 大沢雄一

    ○大沢雄一君 初年度五億、平年度十億、こういうことでございますれば、まあ合理的にこれを配分する基準を出すとなりますと、どうしても私どもは、常識から申しまして、初年度は半年分ということにしなければ、まあ長官のおっしゃるように、基準価額を次年度倍にしなければならぬわけですが、しかし、およそ責任ある政府として、一つ施設の評価をするのに、何ら事情の変化もないのに、来年急に今年度の倍にするというようなことは、これは考えられないわけでございまして、私どもは、どうしてもやはり常識上、税務部長の言うように、初年度は半年分で五億と、こういうことでないと、合理的な説明がつきかねると思うのですが、いかがですか。
  46. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) そういうふうにお話を伺いますと、それがいいのではないかとも考えるのです。私は、ありのままを申し上げておるわけであります。
  47. 加瀬完

    ○加瀬完君 すると、税務部長先ほどの御説明も、初年度は半年分で五億だということだけで、三十二年度にもう五億が追加されて、結局十億になるということではないということなんですか。
  48. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 初年度は平年度の二分の一ということです。
  49. 加瀬完

    ○加瀬完君 何だか私ども、聞き違っておるようなことになってしまったのですが、先ほどの御説明では、そうではなかったように伺ったわけであります。しかし、それは、いずれ速記録を見れば明らかでございますから、それから伺うことにいたします。  第二の問題は、住宅、娯楽施設について三億、企業関係について十億、飛行場演習場等の土地関係で二億と、こういう形で、十五億というものを概算したそうでありますが、その概算した基準は、一体どういうことなんですか。たとえば三公社の納付金のように、固定資産というものをはっきりきめて、固定資産の何%というものできめていったのか、それとも別の方法をとったのか、それらの点について伺います。
  50. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 調達庁と防衛庁から、関係施設の見積り価格を聴取いたしまして、それを基礎にして、算定して参ったのであります。
  51. 加瀬完

    ○加瀬完君 三公社等の納付金と違っておるところはどこですか。
  52. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 同じ考え方で算定をいたしておるわけであります。ただ、三公社課税にのっとったといいますよりも、国有財産所在市町村交付金考え方にのっとったと申し上げた方がよろしいと思います。三公社課税の場合においては、平年度におきましても、価格を二分の一にしております。国有財産所在市町村の方は、台帳価格そのままを課税標準に使って参りますが、ただ、住宅につきましては、価格を二分の一に切り下げたものを算定基準に使うことにいたしております。この国有財産所在市町村交付金の例に従って計算をしてきております。
  53. 加瀬完

    ○加瀬完君 次に、配分方法は、まだ大蔵省との打ち合せが十二分に遂げられておらないということでありますが、配分方法基準というものが全体として明らかになっておらなければ、五億というものは、つかみで計算されるようにならざるを得ない。五億という初めの金から、配分方法配分基準というものをきめていくという形にならざるを得ない。そうでなくて、一応対象ははっきりしておるわけですから、市町村にどういう基準配分するかという点を明らかにすれば、従って、その金額も五億ではだめで、十億なければ最低いけないのかどうかということもきまってくると思うのです。どうも、つかみでない、つかみでないとおっしゃいますけれども、つかみにならざるを得ないという感じを受けるのですが、この点はどうですか。
  54. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) その点は、私からお答えを申し上げますが、つかみであるとかないとかいうことを上手にいろいろ答えをしてみましても、内容は同じことでございますから、ありのままに申し上げますと、金額がきまりましたのは、つかみできめたのであります。金額それ自体は。一体十億という、足らぬのですから、初年度五億といっても二分の一、何かわけがわからぬ。わからぬものですが、十五億どうしても要ると考えたのでございますが、平年度は、十億以上はどうしても今のところは話がまとまらぬ。初年度五億以上話がまとまらぬということで、まとめたのも、大蔵省も私の方も、つかみでまとまったということであります。しかし、まとまったその金をどうして配分するかということになりますと、その配分自体も、つかみはまかりならぬ、つかみは困る。とにかく金額がきまった以上は、金額の配り方としては、やはり交付金法に準じまして、率を定めて、見通しのつくようにして渡さないと、各市町村においても、当初予算の組み方もなかろう、こういうふうに考えて、努力をしておるということが真相でございます。金額をきめたのはつかみでございます。
  55. 加瀬完

    ○加瀬完君 よくわかりました、その点は。そこで、そのつかみの金額を五億と押えて基準をきめるのか。そうでなくて、税務部長の御説明のように、これは平年度の二分の一、だから、十億というものを押えて基準をきめて、その二分の一として配付するような形をとるのか、いずれの方法をおとりになるお考えですか。
  56. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) これも、受け取ります方は、結果において同じなんでありますが、考え方としてはどうも十億を基準にして、そして初年度はその二分の一だから基準価額を二分の一にするという行き方をするよりは、やはりこの会計年度は会計年度の二分の一を渡すとか後半を渡すという考え方の方が、何だか説明がはっきりするように思いますから、そういう考え方に立つ方が、かりに閣議決定をするにしても、法律を作るにしても——私の方は法律でなければならぬというのですから、その方が作りやすいと思いますから、その方に賛成をすることになると思います。
  57. 加瀬完

    ○加瀬完君 五億というものを押えて、それを基準にきめるということになりますと、少くも三十三年度以降といいますか、平年度に十億という金額が押えられるという根拠が非常に薄くなると思います。まして法律できめるということになれば、平年度に対処する法律をきめるのでなかったら私はおかしいと思う。で、先ほど小林委員の御質問に対して、大蔵省は、これは閣議決定の線でやっていくので、法律できめる必要はないと思うと御答弁になっておる、自治庁長官は、これは法律でやっていこうとおっしゃるのですが、ここらに五億というものに執着がありますと、どうも閣議決定になって、来年もまた五億で押える、それがつかみで、一応積算をいたしました十五億、あるいは十五億を切った十億というものはこれは意味のない数字ということになってしまうと私は思いますが、この点どうですか。
  58. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) これは法律を先に作って、予算がその法律に基いてあとで盛られるということが常識なんですね。しかし本年の交渉をいたしましたこの初年度予算の盛り方という事情からいきますと、予算の方を先に盛って、その予算配分に適当なように法律あとからできるという逆の事情でございますので、どうしてもそういうことになるのです。五億を先にきめると、これを二分の一年分として法律を作るにはどういう法律を作るか、あるいは閣議決定をするにはどういう内容の閣議決定をするか、どうしても法律もしくは閣議決定というものがあとになるわけです。そういう事情になりますから、そこにいろいろ疑念が起るわけでございます。わけでございますが、平年度以降はどうなるかというと、法律なり閣議決定はできておるわけでありますから、できておるものに対して盛っていくと、こういうことになりますから、対象に変化があれば当然その金は多く盛らなければ予算の盛りようがないと、こういうことになっていくわけであります。もう一ぺん申しますと、初年度法律あとになって予算が先になる、これはっかんで言っておるわけです。二年度以降はそれに配分をする根拠となっております法律または閣議決定というものが基準になりまして、そして平年度以降における金が盛られていく、こういう順序になっていくわけであります。
  59. 村上一

    政府委員村上一君) 初年度五億という点は先ほど申し上げましたように、はっきりこれはお約束を申し上げておるわけでございまして、その点の御心配はないかと存じます。なお、基準をきめます場合に、しからば平年度できめるか、初年度のものについてきめるかということでございますが、これは、私ども基準ははっきりと平年度分についてきめるべきだと思います。法律を作る作らぬという議論は、先ほど来申し上げておるようにそこにまだきめていない点もございますが、基準ははっきり平年度についてきめまして、初年度は全体の総額関係でその配分をやるということは、はっきりさすわけでございます。
  60. 小林武治

    小林武治君 自治庁長官法律にしたい、こういうことを言っておるんです。あなたは政治力も強いという話だから、これは法律でぜひやってもらいたい。それをあなたが閣議決定にするか、法律にするかなんといういいかげんなことを言ってもらっては困る。法律にするということをあなたは言われておるし、その実現をわれわれは期待しておるわけですから、そういうことのないようにしてもらいたいのです。  それからこの際ついでに伺っておきますが、大蔵政務次官も出ておりますが、この法律問題については、さっき事務当局のお話を承わったが、大蔵省の首脳者としてどういうことをお考えになっていますか。
  61. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) 先ほどお答えを申し上げております通り、まだ政府内部におきまして慎重に協議中の問題でございますが、大蔵省側だけの意見を申せというお話でございますから、率直に申し上げてみたいと思いますが、配分の仕方等につきましては、地方の実情のよくわかっております自治庁の御主張を十分尊重していきたいというような腹で折衝をいたしております。法律立法の問題につきましては、大蔵省の態度は先ほど村上次長が申し上げました通りでございまして、将来の問題としては、これはあるいは法律という立法的な措置も必要かと私ども考えております。しかしながら初年度におきましていろいろな不確定な要素もございますし、またこういった軍事施設をその規模の大小によって直ちに律して配分するというような、きちんとしたきめ方を最初からやって、果してほんとうに公平にいくかどうか自信もないわけでして、そういう点をこの一年限りで十分実際にやってみて、その体験の上に立って、将来立法措置ということならば、これは私は考えられると思いますが、初年度におきましてはやはり行政措置でやりまして、そこに一つのレールを敷いて、その上に立って将来最も公平に措置ができるようにというふうに考えていきたいというのが現在大蔵省考えておる筋道でございます。
  62. 小林武治

    小林武治君 これは私は重ねて申し上げますが、大蔵省もこの交付金をやるということは一つの恩恵だなどというふうな、たやすい考え方をしておるんじゃあるまい、地方一つの当然の権利としてこの際確定するんだ、こういうお考えを持っておると思いますが、その点いかがでしょうか。
  63. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) 恩恵というような考え方はいたしておりません。ただ、先ほど来こまかな御答弁を申し上げました通り、初めてやることでございますから、固定資産税見合いということで、これは金額的にも最初からすっきりとは参らないということは、もうヴェテランの各位の御承知通りでございます。従って分け方も非常にむずかしいということで、先ほど申し上げたような考え方になっておるわけです。
  64. 小林武治

    小林武治君 私は重ねて申し上げておきまするが、こういうふうな金額交付する場合に閣議決定などという形式によるべきでない、こういうふうに考えておりますから、先ほど申したように自治庁長官一つ政治力に期待して、そうして先ほど大蔵省からお話のありましたように、これはもう平年度分で立法化を当然すべきものである、そして初年度は経過措置でやるべきだ、こういうふうに考えておりますから、重ねて申し上げておきます。
  65. 加瀬完

    ○加瀬完君 次の質問でありますが、今まで今度の基地交付税対象になる市町村には、特別交付税か何かで大体はかられておったという大蔵省の御見解でありますが、その特別交付税等はどのような方法で配付されておったか、それから今度新しい交付金ができますと、今までの特別交付税等の、恩恵という言葉はいけないんでございますけれども、いただいておりました権利というものは、結局新しい交付金の中に含まれて消えてしまうんです。これらの点についてどうですか。
  66. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 従来基地関係市町村につきまして、特別交付税を見ておったのは事実でございます。これは基地があると、いろいろの一般の基準財政需要で見ることのできない渉外関係その他の財政需要もございますので、その財政需要を見て、これを交付要因にして特別交付税を配っておったのでございます。それでございますから、今度の交付金がかりにどういう形か知りませんができ上ったとして、その問題がなくなるかといえば、収入の方はもちろん税収入に確保されますが、一般の財政需要に見足らぬ特別の財政需要があるとすれば、その部分につきましてはやっぱりこれは特別交付税交付要因として考えざるを得ないものがあるだろうと、こういうふうに存じております。
  67. 加瀬完

    ○加瀬完君 率直にお答えいただきたいのですけれども、今までの分にプラス・アルファーとして新しい基地の交付金が加わるのか、それとも基地交付金は税収入として計算をして、それは差し引きされて、それでも特別交付税をやらなきやならないという場合にのみ特別交付税が下ってくるという形になるのか、どっちなのですか。
  68. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは従来の特別交付税じゃ見足らぬ、見ようがない、見るべきでもない、こういう考え方で新しく制度ができるわけでございますから、この部分がプラスになることが多いのは当然でございます。
  69. 加瀬完

    ○加瀬完君 これは今度の交付金とは特別関係はないことかもしれませんけれども、たとえば固定資産のような形で娯楽施設なりあるいは駐留軍住宅なり、飛行場なり、演習場なりを持っておるところは、今度ある程度解決ができると思う。ところが演習場が海面であって、その市町村の税収入そのものには非常に影響があっても、やはりそれらの問題は今度の問題では解決されないというものがまだ残っておる。こういう市町村については特別交付税か何かで特別考慮をするという建前を、同じ基地交付税の精神で強化してくれるのか、どうなのですか。
  70. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 海面の問題でございますが、海面にそういういろいろな使用が行われることによって当該町村に特別の財政需要がかりに起れば、これは見てしかるべきだと思いますが、大ていしかし海面の場合はむしろ漁民との関係が多いのでありまして、直接町村になる場合とならない場合があると思います。だから町村自体について財政需要があれば、これは当然見るべきものだと考えます。
  71. 加瀬完

    ○加瀬完君 質問を二つに分けます。従前そういう町村に対してはどういう方法をとっておったかということを一つ。それから何か海面の演習場の場合は、町村財政にさっぱり支障が起らないような御認識のようでございますが、そうではないと思う。結局漁業などを主とした収入の道として生きておる市町村にとっては、漁業の収益が減るということは、税収入その他についてもいろいろ減ってくる、あるいは貧困階級がふえるとか、生活保護の階級がふえるとか、非常に町村の支出が多くなる。こういったような具体的な資料は出せと言えばいくらでもあると思う。こういう現実は、一つの漁民には直接には補償その他で調達庁関係が出しておったかもしれませんけれども、間接的な影響を受ける市町村というものはあまり考慮されておらなかったというのが現実じゃないか。基地の町村に対してこういう特別の方法考えられるというならば、何かやっぱり基地交付税によってはまたワクの中からはみ出してしまう町村には、特別の考慮というものを考えていただかなければならないと思うのですが、この点を重ねてお伺いいたします。
  72. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これはお話のような点があり得ると思います。しかし交付税は御案内の通りこれは町村に対してやるわけでありますから、町村自体の財政需要か収入を基礎にして考えざるを得ないと思います。それで、従来は、率直に申しましてあまり考えておらなかっただろうと思います。私も全部の町村のことをよく知りませんが、考えておらなかったものだと私は想像いたしております。しかしそれによってほんとうに町村に財政需要があるとすれば、これは考えなくてはならない、まあ一般個人の問題になればむしろ個人に対して補償の問題として別途考えなくちゃなるまいと、こういうふうに存じております。
  73. 加瀬完

    ○加瀬完君 私がこの問題で今のような質問をいたしますのは、この前の長官の太田さんのときに、同じような問題を私は質問した。そうしたときに、基地交付税というような問題もあるので、それとあわせて十二分に対策を講じたいと思いますと、こういうお答えがあった。そこで基地交付税という問題が今日浮び上ってきたのだから、今のような問題も自治庁として対策を当然講じられておると思いまして、伺っておるわけです。講じられておらないなら、交付税のワクの中で適宜の操作をしてもらいたいと思います。よろしゅうございますか、適宜な操作をしていただけると解釈して……。
  74. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 今申しました通り、それあることによって町村に特殊の財政需要があって、特別にほかの町村より金がかかっておれば、その分については特別交付税で当然考えていいと思いますが、現実にまあそういうものがあるかないか、どれだけあるか、こういう問題だろうと思います。
  75. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 この五億のことなんですが、これは駐留軍関係だけは明確になっておるのですが、自衛隊は除外されておるのですか。自治庁は初め要求しておる。で、除外されたいきさつ。大蔵省は切ってきた。あなたの方は要求されたと思うのですが、大蔵省の方は削ってきたわけですが、どういう理由で削ってきたか、いきさつを御説明願いたい。
  76. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) それは自治庁要求したのに大蔵省は削ったという事実はないのです。それは実際にないのです。ただ金額が都合上こういう金額になるということになったわけですね。それで、実際はこの部分も、今度の少い金額でございますが、その金額配分対象の中にはしたいと、こういう考え努力しておる。大蔵省が切ったという事実はございません。
  77. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうすると、大蔵省自衛隊も含めておるのですか。
  78. 村上一

    政府委員村上一君) その点はまだお話し合いが最終的についていないと存じます。
  79. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうすると、この予算書の中に、『「日米安全保障条約」に基く「行政協定」による国有提供施設等の所在する市町村に対し、助成金を交付するため必要な経費』とこうなっておりますね、説明が……。これでその中に自衛隊が入っておるという解釈はできますか。
  80. 村上一

    政府委員村上一君) 「施設等」と書いてございますが、私ども考えておりましたのは、施設のほかにいわゆる区域というものがございます。行政協定で「施設」、「区域」というふうな用語になっておりますが、それを引っくるめた意味でこういう説明を書いた次第でございます。
  81. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 自衛隊は入るのですか、自衛隊は入りますか。
  82. 村上一

    政府委員村上一君) 自衛隊について見るか、見ないか、先ほど申しましたように最終的にはお話し合いがついておりません。
  83. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私の心配するのは、安保条約に基く行政協定による提供施設区域になるわけですか、説明は……。そうすると、自衛隊は安保条約や行政協定に基かないと思うのだが、いいですか、それは心配ないですか。
  84. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 今大蔵省の方からお話しがありましたように、これも話し合いの問題の一つであります。私たちは駐留軍に使用させております飛行場ばかりでなしに、自衛隊飛行場演習場、これも対象にしたいと考えております。予算科目の問題でありますが、国有提供資産等でしたか、何か「等」が入っておるものですから、私たちは自衛隊のものも含んでおるというふうに了解をする。当時大蔵省としてはそれについては反対をしております。しかし「等」があります以上は、幅広く読めるわけでありますので、なお今後話し合いをして、円満に解決をしたいというふうに存じておるわけであります。
  85. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私はそういう解釈でいいと思うのです。いいと思うのですが、心配するのは、安保条約に基く行政協定による、あなたの言う国有財産施設等と、「等」というのが入っておるのですよ。ところが多くの前提が行政協定によるところの提供される国有財産ということになっておりますので、そこで念を押しておるわけです。そこで、そういうことは絶対に心配ない、自衛隊も入るという確たる御返事が大蔵省自治庁も言い得るかどうか、はっきりしてもらいたい。ですから、重ねて大蔵省にもう一度御答弁願いたい。
  86. 村上一

    政府委員村上一君) 実体は先ほど申し上げましたようにきまっておりません。至急お話しを進めたいと思っておりますが、実体を別にいたしまして、予算の科目につきましての説明書きだけについての解釈を申し上げますと、かりに自衛隊についても出すということがきまりますれば、その方から支出ができないということはないと思います。
  87. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それではあなたの方もそうすると出す、大蔵省としても大体自衛隊は同じものなんだから見ていこうという腹はあった、しかしたまさかこの説明に書いたのはこういうことで書かれたのだ、こういうふうに了承していいわけですか。
  88. 村上一

    政府委員村上一君) 実体につきましては、先ほど申し上げましたように私どもはまだお話し合いが最終的についていないのでありまして、自衛隊についても少くとも出すということをきめておるわけではございません。また折衝過程においても、そういう分も含めて考えるのだということで、今言ったような説明書きを、含みを持たしたというようなわけではございません。
  89. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それじゃ出さぬ方がいいのですか。自治庁はしっかりしなさい。あなたの方は含めて折衝しておいでになるのだが、しかし大蔵省はまだ自衛隊については出すとはきめていない、五億円の金については大体駐留軍関係には出そうということはわかっておる、しかし自衛隊については出すということは決して言わない、どうなっているのですか。
  90. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 話し合いがついた暁には、必ず出せるようになるだろうというふうに考えております。(笑声)
  91. 小林武治

    小林武治君 今の話は非常に大事な話でそんな両方でいいかげんなことを言うておったんじゃ困る。それから一体わずか五億円ばかりの金に対して、また自治庁がこれに自衛隊も入るなんというと、ますます各町村にいく交付金は小さくなる、こういう関係もあるからして、場合によったら次のことにして、この五億円は駐留軍だけとすれば自衛隊に対してはまた新たなものが計上できる。こういうこともあるので、こういう自衛隊まで押し込んでしまえばますます金は小さくなる、その点は一体どういうふうに考えておりますか。
  92. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 自衛隊関係は数千万円の問題だろうと思っております。従いまして金額的にそう大きな影響をどちらかに与えるというふうな問題じゃないだろうと思います。もう数日のうちに話が円満につくだろうと思っておるのですが、その前にこの委員会があるものですから、こういう醜状をさらし出しておるわけであります。なるたけ早急に話をつけたいと思っております。
  93. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これとは少し問題が離れるのですが、今地方自治体で基地が拡張されていくわけです。それに対しまして周辺補償という言葉が盛んに言われておるわけですが、たとえば道路を直すやらあるいは学校の移転も少し考えてみる、あるいは用排水の付けかえ、そういうようなことを考えてみるというような、いろんな問題が出ているでしょう、これはまあ特損法の関係からいうとできないことになっておるのですが、それについて一応最初に調達庁の方の見解で、特損の方も一部改正しようじゃないかという動きがあったかのように聞いておりますが、この点をお答え願います。
  94. 鈴木昇

    説明員鈴木昇君) 特損法関係法律を改正する意図があるかどうかということでございますが、これはただいま特損法によってカバーされておりますいろいろの事象は、ただいま御指摘がございましたように、学校の防音でございますとか、あるいは基地から流れ出す汚水でありますとか、油類のようなものの関係の農業、漁業の補償、それから演習等によりましての災害が起きました場合による災害防止の用排水工事というふうなものでございますが、私どもといたしましてはその法律の実施以来、そういうものにつきまして鋭意実施をいたしてきているわけでございます。なお、部分的には若干この改正を要すると申しますか、幅広くそれを適用していかなければならないというふうな面もございますので、運用上はなるべくそれを幅広く運用いたすことによりまして基地周辺の災害の防止、あるいは農業、漁業等の補償に当っているわけでございます。法律自体の改正につきましては、この国会に提出するというふうな考えは現在のところございません。
  95. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうすると、念を押しますが、たとえば基地ですね、ここまで拡張すると、一つの区域がきまりますね、そうしてそれからたとえば三百メートル、飛行機が上りおりをするというような危険区域、そういう所に対する補償をする権限は、今全然特損法じゃないわけですか。そういうものまでのことも、何といいますか、今度の国会と申しまするか、今のところ調達庁としては法律改正をする意思はないのですか。
  96. 鈴木昇

    説明員鈴木昇君) いろいろな事態があると思うのでございますが、基地の拡張によりまして起きる事態と申しましても、予見されるものもございます、あるいは予見し得ないで、拡張した後に起きるものもあるかと思いまするが、それらのものにつきましても、先ほど申し上げましたように現行の法律並びにこの法律で必ずしもカバーできないというふうなものにつきましては、予算措置におきまして逐次措置をいたしておりますので、どういう事例なのかよく存じませんが、大体御満足がいくようなことに措置ができているものと考えております。
  97. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これはちょっとここで質問するのは違うかもしれませんが、一つお許しを願いたいと思います。  それは見舞金、協力謝金というふうな費用は、あなたの方から出ているのか。出るとするならば、調達庁としては予算費目は何になるか、大蔵省で出るとするならば大蔵省の方は予算費目はどうなっているのか、大蔵省の方から直接いくのか、調達庁を通して金が出ているのだろうと思いますが、調達庁の方からお答えを願いたい。
  98. 鈴木昇

    説明員鈴木昇君) 御質問のありましたような特別損失補償の補償金は、防衛支出金になっております。所管といたしましては大蔵省でございますが、移しかえを受けまして調達庁を通じて支払いをするということになっております。
  99. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 自治庁の方にお尋ねしたいが——お尋ねというか、要望したいのですが、結局飛行場の拡張あるいは演習場の拡張が出れば、それに関連して地方自治体の方では道路をやらなくちゃならない、あるいは水道——簡易水道をやってくれ、そうすれば賛成しようじゃないか、あるいは学校の移転等も若干考えてほしいというようなことが、地元の要望として出るわけです。すると、それが特損法じゃ全然見れないことが多い、ただそれを農林土木の方の土地改良で見るとか、あるいは建設省の方で見るとか、いろいろなことをすればできるわけでありますが、ひいてはそれが全部地方財政の圧迫になってきている、そういうものに対して、自治庁としては相当自治体のめんどうを見てもらわなければならない。そのある所に、一つの橋梁予算へいってしまう、あるいは道路の予算へいってしまう、あるいは農林予算へいってしまう。そうするとよそができなくなっちゃう。そういうものに対して相当がんばってもらわなければならないと思いますが、そういう点に対してどのようにお考えになり、あるいは何と申しますか、そういうものに対しては、一応ちょっと聞いておりましたら、特別交付税で見るという話がありましたが、これはわずかなものだと思いますが、額を聞けば、どうも私はかえって五億の方に影響するだろうから遠慮したいと思いますが、こういうものに対してどんなふうにお考えになりますか。
  100. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) 今の御意見はまことにごもっともであり、また現実の問題としてはそういう事態があろうかと思います。これに対しましてはお説の通り独立した柱はございませんけれども、関連いたします措置において、水道にしても、道路にしても、橋梁にしても、道はあろうかと存じます。お説のごとく極力これに対しましては御要望に沿うように処置をしていきたいと思います。
  101. 小林武治

    小林武治君 この際自治庁長官に念のために一つ伺っておきたいのでございますが、実は二十四国会におきまして地方公務員に定年制を設けるということを主とした地方公務員法が本院を通過して、衆議院で今継続審議中になっておりますが、あの地方公務員に定年制を設けるということについて、自治庁長官は反対だということをどこかの席で言うたという風説を聞いて、いろいろ誤解を招いておりますが、この点について長官は反対なのか賛成なのか、その点を一つはっきりさせていただきたいと思います。
  102. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) 誤解があるようでございますから一口だけ事情を御説明申し上げます。  私はだいぶ長く衆議院の人事委員長を務めておりました。そのころから定年制というものについては私、反対であった。今日もなお反対でございます。ところが私、はからずもそういう思想を持っておった男が、自治庁長官に任ぜられた、こういう事情でございます。そこでこの間衆議院の予算委員会でございますが、御質問がありまして、お前は在野中にはこういうことを言っておったじゃないかということのお尋ねがございました。私個人はそういう考えを持っておったが、それは自治庁長官という立場に立ってお話を申し上げるということになりますと、私の個人の意見に基く主張を熱心に私が誠意を傾けていたしまして、それを政府の意向として、あるいは党の意向として、これを発展せしめて参りまして、意見が十分調整されたところで御答弁を申すべきものであると思う。ここでは申し上げるべき筋のものではないと思うが、しかしお前個人がこう言ったじゃないかというお尋ねがあったので、私はお答えをするわけでございます。こういう前提に立って、私個人は在野時代には反対しておった事実はございます。今は政府意見、党の意見というものをここで表明申し上げる段階にまでは調整できておりませんということを、何べんも重ねて、記録にも出ておりますが、はっきりお答えをしたわけでございます。しかしながらその後そういう御質問もあり、それが表面に出ておりますので、大事なことでございますし、今も参議院を通過して衆議院で継続審査となっておる法案のことでございますから、この点については調整をしようと考えまして、今は政務調査会と私の間に意見の調整をしておる最中でございます。まだここでどういう結果になるということを申し上げる段階には至っておらないと思います。
  103. 小林武治

    小林武治君 今のお言葉は私には受け取れない。調整をするというのは何ごとか。これはわれわれ参議院の提案した法案ではありません。前鳩山内閣がそれを提出して、そのまま継承した法律でございます。従って自民党としては決定した意見である。また政府としても決定した意見である。これを今あなたが政調会と調整するということはとんでもない話である。これはそういう疑いがあるなら撤回されたらどうですか。むしろあなたは撤回されたらどうですか。これは政府意見としてきまって、国会に提案されて、しかも参議院を通過しておる法案です。この点についてまだ今後考え方をまとめようとか、調整しようということは、とんでもない話だと思いますが、こういうふうに思いますが、この点いかがですか。
  104. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) それは、私はそういうふうに実は思わないので、正直に申し上げますと、自治庁長官はやはり個人としての意向も持っておるわけでございます。しかし同時にそれは党の決定に従い、また参議院の御意向を尊重し、そうして政府の意向というものを取りまとめて、この法案を維持するかどうかということをきめることは当然のことで、内閣もかわっておることでございます。私は必ずしもこの定年制に反対の結論を導こうということを言っておるわけではないのでありまして、自分としてはこういうふうに考える。この法律案の取扱い方もいろいろあるわけでございます。現在の法律内容は、ただ無条件に地方の条例にまかせてある、こういう内容となっておる法案でもございます。そこで、参議院の御意向を尊重しながら、党あるいは政府は、この法案の扱い方についていかなる扱いをしていくかということは、当然協議をしないといけないのでございます。こういうふうに考えているのでございます。
  105. 小林武治

    小林武治君 これは私はそうは思わない。現にこれは継続審議しているのです。これは参議院の意向を尊重する問題ではない。政府の意向によってわれわれはこれに賛成をした、こういう建前にあるのです。現にこの問題は衆議院で継続審議しておる。だからして、すでにあなたも大臣になってから二カ月も、もっとたっていると思うのでございます。こういう調整をするとか何とか言っているのはおかしいじゃないですか。
  106. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) それは今ごろに問題が起ってきたからです。今ごろ参議院で質問がありまして、その質問に答えをしたという事態があるのです。そこで、これははっきりしておかなければいかぬではないかというので、どうすべきものかということの相談をしているわけで、これは相談をしないといけないというふうに考えまして、相談をしておるわけでございます。
  107. 小林武治

    小林武治君 今ごろ相談をしているなんてことがおかしな話です。あなたの意見にはどうしても同調できないということだけ……。自治庁長官としてはむしろ無責任ではないかと思う。なぜそういうことがあるなら……。今ごろこれを撤回するかどうか取扱いについて相談するなどというのはおかしな話で、内閣ができたときにおやりになるのが当然であります。その点はあなたの意見に同調できないということをはっきり言っておきます。
  108. 田中伊三次

    国務大臣田中伊三次君) ちょっと大事な点でありますから、もう一口だけ申し上げますと、これを撤回するとかせないとかというようなことを考えて、調整をしているわけでは全くない。御承知通り法律制度の上からも、いやしくも一院を通って参りましたものについては、撤回は許されない。また政府の立場においてこういうものをこういうふうな内容に修正をしたい、内閣がかわったから修正をしたい、こういうことを申しましても、その修正も法制上御承知通り許されない重要な法案になっておるわけでございます。問題は、やはり私がそういう考えを持っておった男としても、これが自治庁長官という立場になった以上は、いずれ委員会に呼び出されて答弁もしなければならない、答弁のいたし方が一々閣議できまっているわけでもなければ、党が公けに看板をあげてきめているわけでもない。私個人として、機関が答弁をすることになるわけでありますから、機関体たる私が答弁をするには、どういう態度で答弁をするかは、党の御意向も聞き、政府の御意向も聞き、参議院の速記録も読み、参議院の御意向がどういうことであるかということを詳細に頭に置いて、答弁をしていくということは当然のことで、むしろ強い責任感からこれを考えておるのであります。
  109. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 他に提出予定法案に関しまして御質疑のおありの方はこの際御発言願います。別に御発言がなければ、本件はこの程度にいたします。  本日は、これにて散会いたします。次回は公報をもって御通知申し上げます。    午後零時九分散会      —————・—————