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1957-02-19 第26回国会 参議院 大蔵委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年二月十九日(火曜日)    午後一時四十九分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬 久忠君    理事      西川甚五郎君    委員            岡崎 真一君            木暮武太夫君            左藤 義詮君            高橋進太郎君            苫米地英俊君            宮澤 喜一君            天田 勝正君            大矢  正君            栗山 良夫君            椿  繁夫君            野溝  勝君            前田 久吉君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君   政府委員    大蔵政務次官  足立 篤郎君    大蔵省主計局長 森永貞一郎君    大蔵省主計局次    長       宮川新一郎君    大蔵省主計局法    規課長     中尾 博之君    食糧庁長官   小倉 武一君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○所得税法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○法人税法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○印紙税法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○食糧管理特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査)     —————————————
  2. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) それではただいまより委員会を開きます。  まず、所得税法の一部を改正する法律案  法人税法の一部を改正する法律案  印紙税法の一部を改正する法律案  以上、いずれも予備審査の三案を便宜一括して議題として、政府より提案理由説明を聴取いたします。
  3. 足立篤郎

    政府委員足立篤郎君) ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案外二法律案について提案理由説明いたします。  政府は、国税及び地方税を通じて、わが国の最近の諸情勢に即応すべき合理的な租税制度を確立するために、一昨年八月以来、臨時税制調査会を設けて、税制改正の諸方策について鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末その答申を得、その後さらに検討を重ねた結果、租税及び印紙収入について多額自然増収の見込まれる昭和三十二年度を期して、所得税を中心とする直接税の大幅な減税を行い、あわせて最近の経済情勢に即応するよう租税上の各種特別措置整理合理化をはかるとともに、道路整備の財源に充てるため揮発油税税率を引き上げる等、税制全般的整備を行うことといたしたのでありまして、さしあたりここに所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。  まず、所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。  所得税につきましては、まず第一に、低額所得者負担軽減に留意しつつ、税率累進度の緩和に重点を置いて、所得税負担一般的軽減をはかることとしております。すなわち、基礎控除額を八万円から九万円に、一人目の扶養親族についての扶養控除額を四万円から五万円に引き上げるとともに、給与所得控除については、年収四十万円から八十万円までの給与についても新たに一割の給与所得控除を認め、その最高限度額を八万円から十二万円に引き上げることとしているのであります。また、税率につきましては、新たに百分の十の最低税率と百分の七十の最高税率を設けるとともに、各税率の適用される課税所得最高限度現行の五倍ないし七倍に拡大して、大幅な負担軽減をはかることとしているのであります。  以上に申し述べました控除及び税率改正により、別途租税特別措置法の一部改正において予定されております概算所得控除の廃止を考慮に入れても、所得税負担は著しく軽減されることになるのであります。たとえば、給与所得者について申し上げますと、月収一万五千円の独身者は、現在の七百九十一円の所得税が三百八十五円になって、五一・三%の軽減となり、月収二万円の夫婦者は、現在の八百七十四円の所得税が三百五十一円になって五九・八%の軽減月収三万円の夫婦及び子二人の者は、現在の一千六百八十七円の所得税が八百四十八円になって四九・七%の軽減月収五万円の夫婦及び子三人の者は、現在の六千九百三十二円の所得税が三千五百八十七円になって四八・二%の軽減となるのであります。また、たとえば、夫婦及び子三人の事業所得者について見ますと、平年度におきまして、年所得二十五万円の場合には、現在の九千円の所得税が四千五百円になって五〇%の軽減年所得四十万円の場合には現在四万七千円の所得税が一万六千七百五十円となって四三%の軽減年所得七十万円の場合には現在の十四万七千円の所得税が八万六千五百円になって四一・一%の軽減となるのであります。  これを観点を変えまして、夫婦及び子三人の給与所得者が賞与をもらった場合にどれだけの所得税負担をするかについて見ますと、月収二万円の場合には、現在の一四%の所得税負担率が六%に軽減され、月収三万円の場合には現在の二四%の所得税負担率が一四%に、五万円の場合には三六%の負担率が二〇%にそれぞれ軽減されることとなるのであります。  次に、貯蓄の奨励に資するため、生命保険料控除限度を引き上げ、年一万五千円をこえ三万円までの払込保険料についても、その半額に相当する金額生命保険料控除として控除することとしております。  右の改正は、本年四月から実施することとしておりますので、昭和三十二年分の所得税につきましては、減税程度が四分の三となるように定めておりますが、給与所得に対する源泉徴収については、四月以降、この改正後の平年度税額によることとしているのであります。  さらに、配当控除制度合理化をはかるため、課税所得一千万円までに該当する配当所得については百分の二十、一千万円をこえる課税所得に該当する配当所得については百分の十の配当控除率を適用することとし、また、不動産所得配当所得等資産所得に対して実情に即する課税を行うため、資産所得世帯合算課税制度を創設することといたしております。  このほか、税制簡素合理化に資するため、簡易税額表適用範囲を拡張し、予定納税額少額の場合には予定納税の義務がないものとする等の改正を行うこととしているのであります。  次に、法人税法の一部を改正する法律案についてその大要を申し上げます。  法人税につきましては、まず第一に、中小法人負担軽減に資するため、軽減税率適用範囲を拡大し、年所得五十万円から百万円までの所得についても、百分の三十五の軽減税率を適用いたすこととしております。  また、重要物産免税制度につきましては、国民経済上重要な新規産業育成のための制度であることを明確にし、一定の期間内に新増設された設備の所得について、新増設の事業年度及びその後三年間免税を行うとともに、免税所得額一定限度を設けることとしているのであります。  このほか、人格のない社団または財団で収益事業を営むものに対して、その収益事業所得について新たに法人税課税することとし、外国税額控除制度合理化する等、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上、申し上げました措置による所得税及び法人税減収は、所得税一般的減税により、初年度約一千九十二億円、平年度約一千二百五十四億円の減収法人税軽減税率適用範囲の拡大により、初年度約十五億円、平年度約二十二億円の減収合計初年度約一千百七億円、平年度約一千二百七十六億円の減収が見込まれるのでありますが、租税特別措置法等による改正分をも含め増減収を通算いたしますと、昭和三十二年度におきまして約九百五十一億円の所得税減収、約七十一億円の法人税増収が見込まれるのであります。  次に印紙税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  改正の主要な点は、約束手形及び為替手形について階級別定額税率により課税することといたしたことであります。  印紙税におきましては、現在、約束手形及び為替手形に対し定額十円で課税しております。しかしながら、現行法上、これらの手形と同様の経済的機能を有する借用証書等について階級別定額税率が適用されております結果、これらの証書手形との間に税負担の不均衡が生じているのであります。過去においても手形に対して階級別定額課税を行なった実例もあり、諸外国においても階級別定額課税または定率課税を行なっておりますこと等をも勘案いたしまして、今回手形に対しても記載金高に応じ二十円から千円までの経度の階級別定額課税を行うこととした次第であります。しかし、一覧払手形外貨表示手形及び金融機関相互間の手形については、その手形性格等にかんがみ二十円の最低税率課税するとともに、現行課税最低限を三千円から二万円に引き上げることとし、少額手形については負担軽減をはかることといたしております。  以上の改正の結果、印紙税において約二十億円の増収が見込まれるのであります。  以上が所得税法の一部を改正する法律案外二法律案提案理由でございます。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げる次第であります。
  4. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) ただいま説明を聴取いたしました三案の補足説明質疑は次回に譲りたいと存じます。     —————————————
  5. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案予備審査)を議題として、事務当局より補足説明を聴取いたします。
  6. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 御説明申し上げます。  特別会計借入金限度でございますが、これは来年になりますると三千五百億になるような法律になっておりますが、これを九百億円上げまして四千四百億円にしようとするものでございまするけれども、その算出の基礎について申し上げます。三十二年度の四月から十二月までの収支の実行見込みを立てまして見ますと、歳入で約三千九百二十一億円、歳出で約四千二百九十一億円でございまして、差引三百七十億円の借入金の増加に相なるのでございます。ところで三十二年四月一日現在の年度越し借入金の現在高は三千四百二十億円でございますので、昭和三十二年の十二月末現在におきまする借入金の現在高見込みは、先ほど述べました三百七十億円をこれに加えまして、三千七百九十億、こういうことに相なるのでございます。ところが今申しました計算見込みでございまするので、内地米買い入れ数量でありまするとか、輸入食糧買い入れ数量あるいは米麦の売り渡し数量、そういった数量は多分に変動する要素があるわけでございます。この見込みに従いまして、若干の異同がありました場合にも、この会計の取り扱いの数量金額多額に上ります関係上、資金繰りには相当の大きな影響を及ぼすというふうになることは申すまでもございません。たとえて申しますると、歳入面で約五%の歳入減があるというふうになりますると、先ほどの三千九百二十一億円の五%、百九十六億という歳入減になります。また同じように歳出面において五%の歳出減が生ずるというふうなことになりますると、また二百十四億といったような相当の金額影響を及ぼすのであります。で、こういう金額を考えてみますると、四百億程度資金が不足するということもここで予想し得ないこともございませんので、その程度の余裕を見込んでおく必要があろうかと、かように存じたのであります。  それからまた別の観点に立ちますると、先ほど申し上げましたように借入金限度は十二月末の計算で出しておるわけでございますが、借入金の現在高の最高は必ずしも十二月末きっちりではございませんで、年によって若干異同がございます。過去の例によりますと、昭和三十年度のことでございまするが、十二月末と、それから十二月中における最高のピークになりましたときの差額は二百億円の差がございましたので、こういう差額も見る必要があろうかと、こういうふうに存じたのであります。従いまして先ほどの冒頭に申し述べました三千七百九十億、これに歳入歳出見込みの狂いというのを四百億、それから十二月末の限度と十二月中における最高との開き、これを約二百億と、こう見まして、これらを合計しまして、まるくいたしまして、四千四百億というのが借入金限度として拡張をお願いしているものでございます。
  7. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) それでは先ほど提出された「昭和三十一、三十二年度事業内容」、これについて、食糧庁長官から説明を簡単にしてもらいましよう。
  8. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) ただいま委員長お話のございました「昭和三十一、三十二年度事業内容」という題目でお示ししました資料について簡単に御説明いたします。  初めの一ページのところに、あるいは記入してあるかもしれませんが、記入漏れがございますが、左の一番端っこの方でございますが、三十一年度見込みの「内地米」のところでございますが、これ以下は買い入れ数量価格を示したわけでございまして、買い入れ数量価格という表題をつけていただいた方がいいと存じます。「内地米」、「内麦」、それから「外国食糧」、「農産物等」というふうに、初めに買入数量価格と、これを示してあるのであります。左の方が三十一年度見込みでございまして、右の方が三十二年度予算を示してございまして、次のページ以下からはそういう年度区別を頭に書いてございませんが、同じ考え方で、左が三十一、右が三十二ということで示してあるのであります。それから三ページのところに、今度は売り渡し価格について同じように、「内地米」、「内麦」、「外国食糧」、「農産物等」という四つの区別をもちまして書いてございますが、これが計数的にごく事業内容の骨子を示したものであります。六ページ以下は、これは予算書にも載っておるものでございますが、初めのが三十二年度損益計算書予定見込みでございます。その次の七ページは「予定貸借対照表」、八ページが歳入歳出予算の概要、九ページは、その歳出歳入の中に入っておりまする食糧管理費農産物等管理費、これについての内訳が九ページであります。次の十ページは、年度が違いまして、三十一年度損益計算見込みを示してあるわけであります。同じく十一ページは三十一年度貸借対照表、それから最後の十二ページは、三十一年度と三十二年度損益物別に示したものであります。  大体内容はそういうことになっておりますが、戻りまして、一つ二つ注釈をいたしますと、三十一年度見込みのところの数量は、これはもう大体固まってきた数字でございまして、あまり今後も異同はなかろうと存じます。もっとも三十一年産米全体といたしまして、カッコで書いてございますように、二千八百五十万石というのは、必ずしも確定はいたしておりませんが、現在の進行状況からいいますと、二千八百五十万石の買い入れはほぼ間違いはないという見通しを持っております。そのうちの三十一会計年度で買います部分が二千八百三十六万八千石というのであります。価格は、これは三十年産米につきましては、これは本会計年度になってからの買い入れでございますが、早場とか申し込み加算金が除いてある部分であります。それから三十一年産米の九千九百七十円は、これは実効価格、実際の農家手取り平均価格見込み、こういうことであります。参考のために予算上のケースが掲げてあるわけでございますが、右の方に移りまして、三十二年度予算でございますが、三十一年産米買い入れ数量、これはほぼきまっておるというふうに見ていいわけですが、先の二千八百五十万石から本会計年度で買いますものを引いた残り、大体の見当でございまするけれども、十三万二千石、それから三十二年産米でございますが、これは全体といたしましては二千七百万石の集荷の目標を立てておりますが、そのうち三十二会計年度で買う部分が二千六百八十七万七千石、こういうことであります。それから価格でございますが、三十一年産米は、先ほどの左の方に書いてございます三十一年産の九千九百七十円、これから申し込み加算金早場を除いたもの、これが九千六百九十三円ということになっております。四月以降の買い入れでございますので、早場とか申し込み加算金のない計算にいたしておるのであります。三十二年産米は一万円、この計算考え方は、三十一年の農家手取り価格、これをベースにいたしまして、パリティ指数で修正したというのが一万円に該当するわけであります。  次は麦でございますが、これは過去の例、生産数量とか買い入れ数量の例を見まして推定をいたしておるのであります。麦についてはこれはほぼ固まった数字でございまするが、三十二年度はそういう過去の数字基礎にいたしまして推算をいたしたものであります。なお価格は、これはパリティ価格そのままをとっております。そこでパリティ指数が十一月の指数をとっております。米についても同様でございます。  次は、外国食糧でございますが、三十一年度の方は現在実行中でございますので、その実行見込みを加えて書いてあるのであります。三十二年度の分につきましては、本米穀年度、それから来米穀年度を通じまして、それを会計年度で編み直しまして、どういうことになるかと申しますと、外米では約四十万七千トンの輸入、それから外国大麦では八十七万、外小麦では二百十四万七千という数字でございます。麦の方は需給計画会計年度と同じ四月から三月まででございますので、麦の需給計画、現在立てております需給計画のそのままの数字資料として掲げているのでございます。価格につきましては、輸入価格でございまするので、なかなか判定はむずかしいのでございますが、過去の値下りの状況が最近は鈍化して参っておりますので、そういう事情を織り込んでおります。船賃も最近の事情を織り込んでおるのでありますが、将来船賃が下るか上るかということについては、なかなか困難でございますので、特別上るというような要素は織り込んでおりません。  次は、農産物でございますが、これは三十二年度の方を申しますと、まず澱粉関係でございますが、価格安定法計算される必要な数量カンショ澱粉バレイショ澱粉と合せまして約一万三千貫の買い入れを予定しております。買い入れ価格は、農産物安定法で昨年の十月の末にきめました価格に、必要な金利等を加算したものであります。なお菜種、大豆等につきましても、さような澱粉に準ずるような計算をいたしておりますので、省略をさせていただきます。  次には「売渡価格」の方でございますが、三ページの「内地米」につきましては、これは主食用希望配給用とは違っておりますが、一万八十四円というのが、政府卸売り業者に対して売りまする価格基礎にした、これが基準価格であります。次は麦でございますが、麦につきましてはこの二月から若干値下げをいたしておりますが、そのままの態勢で七月までいきまして、七月から企業の整備合理化がなされるという前提で八月からは若干値上げをする、下げたケースでいえば若干の値上げをするという要素を加味して予算を組んでいるのであります。外国食糧売り渡し価格は、現在の価格そのままであります。農産物価格は、これはいろいろの時価等を参酌しまして、他の節約経費でできるだけ回収ができそうなものは見込んで計算してございます。  次は損益関係でございますが、六ページをごらんになっていただきますと、三十二年度損失見込みは百四十一億八千二百万円、これが約百四十二億、こういうことで、この物別のものが最後の表になっているわけであります。内地米の百七十三億、その他がその品物別内訳になっております。項目別経費の概略がこの予定損益計算書に相なっているのであります。  簡単でございますが、以上をもちまして御説明を終ります。
  9. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 質疑はございませんか。
  10. 野溝勝

    野溝勝君 大臣が見えませんから、その前に事務当局の方にご質問をしてみたいと思います。こまかいことのようでございますが、この食管会計は膨大な予算でございますが、無資本でこういう大きな事業をやるということは、全世界におそらく日本食管会計以外にはないと思うのであります。ほとんど資金も持たんで事業をやるというのでございますから、この保証のできた、確認のできた、そうして大丈夫という事業であると思っていました。ただいま、大臣が見えましたから、それはあわせてお伺いするのでございます。こんなうまい事業はないと思うのですね、食管会計という特別会計事業は。そこで、こういう事業に対して政府資金を出す、一般会計から出すにいたしましても、あるいは日本銀行の証券を出すにいたしましても、政府は完全なる事業であり、間違いのない事業であり、まあ黒字にならぬでも赤字に大したことはなるまいという気持があったと思うのであります。さもなければ、そう政府は、赤字々々というような事業に対して、いつまでも見込みのないことに対して、無策にそれを過すわけにいかぬから、そういう点で、たぶん今回の食管赤字穴埋めに対して意見も出たことと思うのでございますが、それならば今日まで一体、かような事業に対する検討も、あるいはこれに対する善後処置、そんなようなことに対して今までに考えたことがあるかどうか。この際、一つ大臣にお尋ねしておきたいと思うのであります。
  11. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 食管特別会計運営その他について、いろいろ御検討のようでございまするが、私も以前大蔵省におりましたときに、この問題につきましてある程度検討を加えたのでございます。その後におきましても、事業がだんだんふえて参ります。そして昔は外米外麦内地米よりも高かった時代もあったことでございます。最近ではこれが逆になりまして、内地米あるいは日本小麦等外国よりも高くなった。こういう関係食管赤字のうちにも、赤字を生ずる原因がかなり昔と変って参りました。昭和三十一年度赤字も、三十一年度予算を審議していただいたときとよほど事情が変ってきたようでございます。また、いろいろ食管運営につきましても、倉庫の問題、金利の問題、あるいは農産物価格安定法に基く損失の問題、またこまかく申しますると、米や麦の等級の問題等々、各般にわたって検討すべき問題があるのじゃないかということで、今回特別調査会を設けて、食管合理化について十分な検討を加えようということに相なったのでございます。昔からいろいろ問題はあったのでございまするが、三、四年、四、五年前とはまた赤字の問題も、様子がかなり変ってきたようでございます。この際、やはり十分検討をする時期ではないかと、こう考える次第でございます。
  12. 野溝勝

    野溝勝君 今、大臣から御答弁がございましたが、最近におきまして外国麦価格日本麦価格との格差の点、その後の影響等から見てやむを得ないというお話でございますが、いずれにせよ、百四十二億からの赤字純損が出ておるようでございますが、こういう赤字、今後も今までの制度のままでいくならば、赤字は累増するばかりなんですが、そういうようなことで消費者米価直上げということを考えて、この穴埋めにだんだん充てていこうという考え方らしかったのですが、それが取りやめになられたことはけっこうでございますが、今後この赤字を一体どういうふうに解決していこうとするのですか。この際考えなければならぬ時期だということを、今、大臣も言われましたが、どういう方向でこれを解決しようとして考えておられるのですか、その点を承わっておきたいと思います。
  13. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 大へんむづかしい問題でございまして、私は特別調査会の結論を待って、政府としても一応考え方を出したいという気持で、この問題をこういうふうに、ああいうふうにということは考えぬことはございませんけれども、個人といたしましても、責任の地位にありまして、いましばらく検討を自分でも加えると同時に、特別調査会の方々のりっぱな意見を聞いてからきめたいと思っております。
  14. 野溝勝

    野溝勝君 大臣はばかに消費者米価問題以来、非常に慎重になられまして、私の質問に対しても非常に発言を控え目にしておるらしいのでございますが、政府として当然考えていなければならぬ問題である。決定意見でなくても、構想の片りんだけでも聞きたいと思ったのです。たとえば、こういうふうな考えもあるし、こういうふうな考えもあるというような点だけでも、この際、お聞きしておきたいと思うのです。それから特にそれをお聞きしておきたいというのは、決定的なものでなくても聞きたいというのは、この資料の中には、赤字の補てん策として、この予算の中に現われておらない。むしろ変った点は、しわ寄せを農民に寄せておるような点が見えるのでございます。  それはどういう点かというと、三十一年度予算米価は一万七十円だったのが、三十二年度における予算米価が一万円となっておるのであります。してみると、結局、農民の方から安く買って、そのしわ寄せに充てていこうという考え方だけでございます。こういうものは、一体、食糧庁長官は、みずからの主管の事業であるから、この予算米価をここに引き下げるに至った理由を一つ食糧庁長官の方から聞いておきたいと思う。
  15. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 予算米価につきましては、先ほどの資料でもごらんいただきましたように、一ページのまん中でございますが、三十一年度産は九千九百六十円というのが予算米価でございます。これがまあ一万七十円という御説は、これはその後米価を決定したときの手取り見込みが一万七十円、現在の見込みと申しますか、去年暮れあたりの見込みといたしましては、九千九百七十円と見込んでおります。それに対しまして、三十二年の米価は、先ほど申しましたように、三十一年の手取りベースにいたしまして、パリティで修正いたしましたのを基礎にいたしまして一万としたのでございます。特に米価を引き下げるというふうな意図を持って予算米価をはじいたのではございません。
  16. 野溝勝

    野溝勝君 そういう抽象的なお話でなく、たとえばあなたの言われる米の算定の仕方ぐらいは研究をしております。それはここに掲げてある九千九百七十円というのは、見込米価といいますか、実績米価になっているのですが、もちろんそれはこの基本米価、時期別の問題、等級価格差、あるいは構想、あるいは申込加算、あるいは歩どまり加算というようなものが織り込まれて算定されておるという点はよくわかるのでございます。しかし、三十一年産が、この実績米価から見ても三十二年の方に、三十一年産が九千六百九十三円とある。一体これの数字から見ても、了解に苦しむのですが、三十一年の九千九百七十円と、これと違っているのはどういうわけなんですか。
  17. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 三十一年度見込み、左の方でございますが、これが九千九百七十円となっておりまして、それが右になりますと、九千六百九十三円となりますのは、まず四月以降に買うものでございますので、早場ということがすでに問題はなくなっておりますので、その百七十七円と、それから四月以降の売り渡しですから、おそらく申込予約に基くものではなかろう、従いまして百円も要らないということで、九千九百七十円から二百七十七円を引いたのが九千六百九十三円、こういうふうに算定をいたしたのであります。
  18. 野溝勝

    野溝勝君 そうすると、時期別と申込加算を除いた価格がこれに出ているといたしましての予算措置として出すことは、どうかと思うのですがね。たとえば時期別も残ると思うのです。ですから申込加算も全然ないということはないと思うのです。それだのにこういうものを決定的に組み入れるということは、私はこれは、やはり農村に対する買い入れ額全体にわたって押える、すなわちしわ寄せという気持があってかような案を作られたと思うのですが、そういう点に対する考え方は一体どうなんですか。時期別も申込加算もないと見てよろしいか。
  19. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) ただいまのお話は、本年産米と申しますか、この出来秋、今年の秋にできる米について、そういったものを全然廃止をするという考え方で申し上げたのではございませんで、三十二年度予算において、昨年の産米がまだ四月から多少は出てくる、こういった場合に、その価格がどうであるか、こういう見込みを立てたにすぎませんで、すでに決定をされておる米価のことでございまするので、そこをここで予算上無理に下げるというようなことは毛頭考えておりません。昨年の出来秋の米が四月以降買うというものについてはどういう価格であろうか、こういうことを想定をしただけであります。なおまた、三十二年産米につきましても、予算米価という名前の通り、予算米価でございまして、実際上の決定ということになりますれば、いろいろまた御審議も願わなければなりません。考え方といたしましては、三十一年度の手取りを基礎にいたしまして、パリティでそれを修正したと、こういうのが三十二年度でございます。それにどのような時期別、価格差等をつけますか、これについては、なお今後検討をして決定を要するのでございまして、時期別、価格差等を全然廃止をするという考え方は持っておりませんのであります。
  20. 野溝勝

    野溝勝君 その考え方は大体わかりましたが、次に、私は大臣からお伺いしてみたいのは、先ほど申しました私の質問に対し、記録をとるとかということではなくて、一つ消費者米価値上げ問題が失敗した、今後大臣としても、当局としても、これは食管に対する問題を何とかしなければならぬ、先ほども大臣が言われておるのですが、それに対して一つ考えておる方向あるいは見解、これを一つこの際、試案でけっこうですからお述べを願いたいと思う。速記はやめてもけっこうですから、これは大事なことですからお互いに国民として一つ考えていただきたい。
  21. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) いろいろ考えておったこともあるのでございますが、やはり各方面のいろんな御意見を承わりますと、私、今自分の意見として発表する段階の結論が出ておりませんので、今後十分に検討いたしたいと思います。
  22. 野溝勝

    野溝勝君 大臣がそういう卑怯な憶病の考えならばいたし方ないのですが、私どもも食管特別会計に対しましては、消費者米価値上げによって穴埋めするということについては、もちろん反対ですが、しかし何とかしなければならぬということは、これは考えておかなければならぬと思っております。  しかるに本年度食管特別会計の中にはおざなりで、何も考慮が現われていないので、まことにこれは遺憾な点だと思っております。たとえば、八千億からの予算、膨大なる予算を持っておるこの事業体でございますが、これに対して、あれほど問題になったにもかかわらず、それにかわるべき政策が織り込まれてないということは、これは私は政府としてまことに遺憾の点であると思っております。それでは、今後食管会計改変の参考に、事務的でございますが、大臣に一つお聞きしておきたいと思うのでございます。それは、渡された資料を見ますると、二ページの「外国食糧」、そのうち一番終りの方でございますが、大豆の輸入につきましても非常に問題があります。さらに家畜のえさでございまするふすまの輸入についても非常に問題があるのでございます。特にこのふすまは数量が四万五千トン、トン当りが二万七千三百八十一円が、そこでまあ大体これを一俵に換算すると、標準価格が、政府の示したる値が六百円だそうでございますが、かように犠牲を払って政府は安く売っておるにかかわらず、それが市場では高くあきないされておるのでございます。さらに本三十二年度の比較をしてみますると、このふすまが八万トン、約倍の輸入数量になっております。で、価格の方はどうかというと、価格の方はキロ二万七千六百三十一円ですか、政府の標準価格は一俵六百二十円だそうでございます。農林省の畜産局の調べでございますから間違いないと思うのですが、これが地方では一俵七百八十円に売られておるわけです。どうもいろいろちまたにうわさがあるのでございまして、そのうわさを全部承認することはどうかと思うのでございますが、特定の会社の手を経なければ、その飼料が手に入らないということなんでございます。それで結局飼料の価格は七百八十円、百七十円も一俵で暴利しているのでございますが、これじゃ百姓はこれはやっていけないわけなんです。それで牛乳が高いとか、肉が高いとか、たまごが高いとか言ってみても、こういうようにせっかく食管で犠牲を払った措置も、独占会社あるいはトンネル機関のマージンで市場価格が高くなったのでは、かえって食管が何か特殊のうまいリベートでも稼いでいるのじゃないかというようなことさえも言われておるのでございます。こういう点に対して、赤字がある、赤字があるといって騒がれておる際に、こういうようなことがあったのでは、部分だけ改革しても抜け穴があってはだめだ、この際大臣は農林省や事務当局だけにまかしておくだけじゃなくて、赤字問題について心配するならば、こうした疑惑のあるような問題に対しても、今後改める点がありはせぬかと思うのでございますが、この点に対し大臣に所見を聞いておきたいと思います。
  23. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 就任日も浅いのでございます。各会計価格操作その他につきまして、十分目を通すひまがなかったのでございまするが、今のふすまの、食管からの売り値、またそれがどういうルートを通じて最終消費者、農家等に行き渡るか、その点の問題、また価格が適正であるかどうか。売り渡し価格と一般の市価もやっぱり季節その他で相当動く点もあると思いまするが、十分検討をいたしまして、お話しのように、食管がそう損をしなくてもいいのに、損をするというようなことのないように努めていきたいと思います。いずれ調査をいたしましてお答えをすることにいたしたいと思います。
  24. 野溝勝

    野溝勝君 もちろんこれは食管の長官の責任もあると思うのでございますが、これらについて大豆、ふすま等の輸入について、これを検討したことがありますか。今のままで正しいと思っておられますか、あるいは検討しなければならぬと思っておりますか、この点一つお伺いしておきたいと思います。
  25. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 飼料、とくにふすま、大豆等輸入につきましてはお説のように検討しなければならぬ点がございます。ふすまとして輸入したのがいいのか、あるいはその元の麦で輸入したのがいいのかといったような問題がありまして、これは食糧の関係、飼料の関係、また財政の関係、そういう点から基本的に検討しなければならぬ問題があると思います。しかしながら、ただいま組んでおりまする予算につきましては、輸入価格は一応ただいまの、これまでの輸入しておりましたようなふすまの価格をベースにいたしまして、一応試算でございまするので、これでもって必ず買うといった性質のものではございません。問題は売る方の価格でございますが、これはただいまお話の六百十円を基礎にいたしまして、国内のふすまとの品質、価格差等をつけまして売却をするということにいたしておりますので、ふすまについてはむしろ相当の、それだけ売れば損をするという、実は状況に現在あるのであります。そういう点においても、なお、できるだけ飼料源を有利に輸入するという工夫をしなければならぬと思いますが、そういうことに実はなっているのであります。
  26. 野溝勝

    野溝勝君 食管赤字が総計いたしまして三百三十七億円あるということが言われているのでございますが、とにかく今のままでは今後とも赤字は累増するばかりだと思います。何とかしなければならぬということは、これはまあ当然政府におきましても考えてもらわなければならぬことです。早急にこの具体的な案を考えたいという大臣の答弁でありますから、私はこれ以上は申し上げません。ただこの際、この赤字そのものが、単なる外国食糧価格変動やその他の外国事情のみで赤字があるものとは思いません。ただいま飼料の問題に対する内容、矛盾、誤っている点を指摘したのでございます。これは一つの例を上げたのでございます。ところが大臣食糧庁長官も、むしろ大臣の方が率直にかような点は検討して直そうと思うという言を吐かれております。食糧庁長官の方は言葉を濁しておるのでありまして、私はそれがよくないというのです。私は具体的の例を申すのであって、誰が聞いても見ても標準価格の六百十円が七百八十円——昨日秋田へ行って聞いてみましたところが、やみで八百五十円に売られているそうでございます。一体これで畜産振興がなりますか。これで自給自足の経営が成り立ちますか。これで物価が横ばいだといえますか。私はかような一つの例を上げてあなた方に反省をしてもらいたい、この食管特別会計についても一つこういう点もあるのであるから総合的に一つ考えてくれということを申したのであります。私は、きょう大蔵大臣が率直にこれに答える答弁をされましたので、これ以上は質問いたしません。特にこういう点につき、特にこういう問題になっておる会計は、だれが見ても不明朗であるというようなことが言われておるのでございます。八千億余円もの特別会計予算というものをわれわれは認めることさえ疑問があると思うので、むしろこれは食糧庁長官や農林大臣の責任だけでなく、大蔵大臣が、かような財政措置などについて、これを機会に大きく打ち出しておく必要がありはせんか、こう思うのでございます。  以上、大臣が具体的なこまかい問題に対しても善処するということを言われましたから、私の質問はこれで打ち切ります。
  27. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 大臣がお見えですから、何か大臣に対する御質疑がございましたら……。
  28. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 これは食糧庁長官にお伺いしたいのですが、集荷手数料が百二十円かかっている。ところがその集荷手数料のほかに、集荷奨励金、集荷協力費というものが出ておるのですが、これが年額十億円に達する。この性質は、集荷手数料を出して、さらにこの集荷奨励金とか集荷協力質とかいうものを出さなければならない理由はどこにあるのでしょうか。
  29. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 集荷手数料、これは俵当りいくらということでもちろん計算をいたしてございますが、通常の商業ベースと申しますか、そういうことで必ずしも計算して、集荷の諸経費が全部それでまかなえる性質のものでも必ずしもございませんということがある一方、他方集荷につきましては、やはり全体の集荷の目標が達せられますように、集荷の機関がいろいろ仕事があるわけでございます。そういう意味で、集荷を奨励する、供出でもって、何と申しますか、権力でもって集めるということのほかに、やはりいろいろ説得をし勧めるという意味での奨励的なことで配分した方がより集荷がうまくいくということもございますので、そういう意味での集荷奨励金を、これはもっぱら集荷機関でございますが、そういうものに渡すために計上いたしておるわけでございます。  なお、集荷協力費のことにつきましては、これは主として、そういう直接の集荷機関ではございませんで、集荷についていろいろの仕事をする、あるいは行政をやる、府県でありまするとか、あるいは市町村、そういったものに主として配分する、どちらかと申しますと、行政的な、事務費的なものでございまして、手数料とはだいぶ性格が違っているように存ずるのであります。
  30. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 今の説明を聞いておりましても、集荷の奨励金を出さなければならないと、これは予約制度であって、予約したものを集めるのであって、奨励金を集荷機関に出さなければ、普通の手数料だけでは集めてくれないというのは、これはどういうわけだか私わからないのです。それからして集荷協力費、これは市町村等の役所にかかるから、協力してもらう、説得してもらうと……、私はそういう問題までくれば、一体食糧を統制しておるということが、いたずらに経費を増すだけで、統制を今後解いてしまう方がいいのではないかと、こう考えられるのです。この点はいかがですか。
  31. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この食糧の集荷等に要します経費でございますが、この経費について、ただいま具体的なお尋ねは、集荷奨励金と集荷の協力費でございまするが、統制撤廃との関連において、統制のための諸経費がこんなにかかるのでは、むしろ統制しない方が経済的になるのではないかと、こういう御議論でございまするが、必ずしも現在の政府経理が全部合理的なものである、あるいは政府経理以外の配給上のその他の諸経費が全部合理的なものであって、一つも節約の余地がないというわけではもちろんございません。そういう点については、できるだけ節約をしなければならぬと存じております。  それから、ただいまお話の奨励金、協力費につきましても、前年度と比べていただきますと、前年度予算よりは相当削減を実はいたしております。予約制度がまだ始まりまして今年で三回目になるわけでございますけれども、その間やはり、ただ普通の自由な商品を予約して集めるというだけではございませんで、そこにいろいろ、予約によって契約をいたします場合にも、できるだけ量的なものを確保する、また予約した上で、その予約に応じて政府に売り渡す義務を遂行してもらう、こういったいろいろなやはり奨励的な、指導的な諸費用が要りますので、従来とも計上して参ったわけでございます。一つはこれは、米の需給の関係もございます。昨今のように非常な豊作でございますれば、何となくおのずから米が集まったようにも考えられないこともございませんが、それでもやはり必ずしも簡単にそうばかりとは言い切れないものがございまするし、一たん作柄が悪いと、あるいは経済情勢が少し不安になると、こういうことでございまするというと、なかなかこれまた自然に集まるという分量を待っておったのでは、基本配給の分量すらなかなか集荷ができないというおそれもございます。そういう意味で、経常的に最小限度要るものをできるだけ予算に計上しておくと、こういうつもりで計上しておるわけであります。諸経費合理化につきましては、これはお説を待つまでもなく、できるだけ節減と合理化に努めていきたいと、かように存じておるわけでございます。
  32. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 この奨励金とか、集荷協力費とか、手数料とか、こういうものは地域が狭くて比較的いい条件のところも、条件の悪いところも差別してやることはできないと思うのです。みんな平等であると思うのです。そうすると、米どころで比較的簡単に集まるところは楽をしておって、うんともらう。そうしてむずかしいところは、米を売ってやはり同じだけしかもらえないということになりますというと、不利益な土地はこういう費用をよけいに要求して、よけいに要求する声が強くて、それによってまたこれがふえていくということになって、なかなかこれを減らすということは困難であろうと思います。ことに中間経費の中には、なかなか少なからざる経費がある。集荷協力費というやつはすでに九十五億、こういうものを加えてみるというと、非常な不合理のものになっておるように考えられるのですが、今でもおそらく集荷に困難なところ、地域の広いところ、そういうところでもっとふやしてくれというような要求がないのでありますか。
  33. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) これはお話のように集荷と申しましても、地域によりまして、あるいは作柄によりまして非常に困難をしながら、予約を遂行するところと、予想以上の作柄によって非常に集荷自体が円滑にいくというところがありまして、この間不公平があったり、あるいはそうでなくても、むしろ非常に集荷に困難のようなところがベースになって、そこによって経費の要求が出て参りまして、その辺からむしろ経費がふえてくるというような心配がないかというお尋ねでございましたが、もちろん地域によりましてあるいは災害等の関係がございまするというと、よけい事務的な手数がかかるということはございます。そういう点はもちろん原則としてあらかじめ予定をするわけではございませんけれども、協力費等の配分におきましてはそういう点は多少ながら勘案してやっております。  それからただいまの協力費、ないし奨励金もこの一両年、予約制度になりまして以来、漸次圧縮して今日に至っております。従いましてよほどの特別な事情のない限り漸増する、ふえるということはなく、できるだけ予約制度が軌道に乗りますとともに、圧縮を当然すべき性質のものである、そうまたできるものと考えております。
  34. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 予約制度ができてから、圧縮してきたというお話ですが、その圧縮はどの程度されたかお示しを願いたい。
  35. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 奨励金でございますが、これは三十年度は八億をちょっとこえておりましたが、三十二年度では七億になっております。それから協力費の方でございますが、三十年度では三億七千万でございましたが、三十二年度は二億五千万円というふうに、三十一年度は略しましたが、漸減をいたしておるのであります。
  36. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 それから外国から食糧を輸入するのが、どうも農林省は無責任というか、外国貿易を知らないで外国貿易をやっておるのか、その点について私ははなはだしい疑問を持っているのです。それは衆議院においてのお話であったのですけれども、ギリシャの船によって近東地区から日本に米を輸入するときに、その船が沈没してしまったという事件のときに聞いてみたところが、とんでもない見当違いの答弁をしているのです。損害があったら船会社に要求するといったような、これは全然もう外国貿易の知識を持っていない答弁で、私はあきれたのでありますけれども、その後改善されたことと存じますけれども、現在でも船荷証券を呈示すれば、概算払いをやる、こういう貿易の仕方はどこにもないので、これは国費であるから、そういうことをおやりになるだろうと思いますけれども、外国から黄変米などが入ってきて、その処分というようなものを見ておっても、私どもどうしても割り切れない気分がするのであります。こういう輸入手続については、私は改良すべき点がたくさんあるし、またこういう外国から食糧を輸入するのには、もう少し専門の知識のある人を使う必要があると思いますが、この点について、食糧庁長官はどういうお考えを持っておられますか。
  37. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) お話のように、外国食糧輸入します場合に、やり方によりましては経費を節減することもできますし、また他の貿易との関係において、貿易振興の一翼をになうことができるという面もございまするし、そういった面で貿易ということを考えまして、事柄を推し進める必要があるという御説は、まさににその通りでございまして、少しも異論をはさむ余地はございません。私ども必ずしもそういう貿易の専門家が部内にたくさんおりませんで、おしかりを受ける次第でございますが、そういう点についてはできるだけ今後充実をして参りたいと存じます。  なお、この外国食糧輸入の仕方その他まあ協定的な事柄につきましては、外務、通産等ともよく協議をいたしております。なお、実務につきましては、お話のように諸掛りにつきまして合理化すべき点はあるかと存じます。また適格なものを輸入するという意味において輸入の手続その他について改善を加えなければならぬ点もあろうかと存じますが、まだ必ずしも十分でないかと存じますが、たとえば病変米の検査等につきましては、一、二年来特段の力を入れて諸業務の改善を実は実施して参っておるような次第であります。
  38. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 この食糧の卸値段と小売値段のマージン、先ほども野溝委員からお話がありましたが、これについては単にふすまとか豆とかいうものに限らず、ほかのものについても、これには相当私ども疑惑を持っておるが、この黄変米処理あたりでも、先ほど野溝委員が言われたような疑惑を持たれる点が多々ありましたが、この卸と小売のマージンについてどういうふうにお考えになっておるか。今のままでいい、もしくは改良しなければならぬとお考えになっておるか、その点を食糧庁長官にお伺いしたいと思います。
  39. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 今のままでいいというふうには必ずしも考えておりません。これは営団が解体後今日まで、卸の、恒久的と申しますか、そういう長期的なあり方について必ずしも十分の検討がついていないままに、今日に及んでおるというような事態でございまするし、一方また米の配給量も、全般的に申しますれば、食糧事情がこの一、二年の間に非常に急変してきたというようなことも背後にあるのでございます。この間地域的な調整といったようなこともございますし、また卸、小売の間のマージンの調整といったようなこともあります。いろいろ改善もしなければならぬ点は多々あると存じます。ただその場合に、もとに戻るわけでございますが、卸、小売というもののあり方、あるいは機能と、それから今後の食糧の需給状況、特に米の配給壁といったようなもの等をにらみ合して、公正なマージンを設けるようにすることに努めたいと、かように存じておるのであります。
  40. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 私は、このマージン問題を解決するためには、いわゆるトンネル会社を廃止するということが一番先だと思うのですが、(「賛成だ」と呼ぶ者あり)いや、僕はそう思うのですよ。一体こういうトンネル会社が存在しておる限りは、これはどうもマージン問題は解決しないと思うのですが、これを廃止することについては、どういうお考えを持っておられますか。
  41. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) トンネル会社という意味合いがよくわかりかねますが、(笑声)おそらく卸の業務をやっておるものの中で、いわゆるトンネル会社的な役割しか果していないものがある。そういうものについて考えなくちゃいかぬ。こういう御質問だと思いますが、私どもも、現在の卸の企業がそのままで全面的にいいというふうには決して考えておりません。御指摘のようなトンネル会社的な機能しか果しておらぬ卸というものについては、これは是正すべきであるというふうに考えております。ただ、おしかりを受けるかもしれませんが、その実態についてもう少し検討する必要も実はあるように思っておりますので、そういう実態の検討とともに改善の方策も立てたい、かように存じておるのであります。
  42. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 トンネル会社の実態がおわかりにならなければ、これはお調べになればすぐわかります。それは農林省にごく近い人々が関係しておるから、民間にいけば、どうも、あそこを通さなければ払い下げができないとか、困難だとかいうことを、私どもしばしば聞かされるのです。どうもそれが、だんだん聞いてみると、事業のように考えられる。それからまた非常に政治勢力によって不当な払い下げなども行われておることも、私、耳にするのです。こういうことも、これはそういう政治勢力で食糧庁長官を動かすことはよくないけれども、同時に、動かされる方もよくない。あなたの時代じゃないだろうと思いますがね。しかし、こういうことについても、私はこの食管会計については、この際十分に反省していただきたいと思います。これは御答弁を要求はいたしません。私の意見だけ申し上げておきます。
  43. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私、今いただいた資料でちょっとお伺いいたしますが、この一番最初から二枚目、二ページにありまする外国食糧ですね。これはずっと既往の買付分も入っておるのですか。
  44. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この左の方は三十一会計年度のことでございまするので、どちらかと申しますと、既往の部分が大部分でありますが、右の方は、これは三十二会計年度に属しますもので、既往のものはほとんど入っておりません。ただ、タイ、ビルマ等から輸入するものについては、話し合いは進めておりまするが、それについては、既往と言えるかもしれませんが、大部分が今後の、特に到着ベースでやっておりますから、全部そういう意味では新しいものであります。ただ買入れのための話し合いの現に進行中のものが若干は入っております。
  45. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますと、左側が既往の分で、もうすでに在庫になっておる分で、右側の方がこれから新しく買付をする、そういう工合に解していいわけですね。そうしますと、この既往の分の中にいわゆる黄変米というやつはどのくらい数量が入っておりますか。
  46. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この左の方のは、既往と申しましても、全部がもう到着したわけではございませんで、まだ二、三ヵ月ございまするので、そういうものはもちろん着いておりません。そういうようにお考えいただいてよろしいと思います。黄変米はここには入っておりません。  この黄変米が昭和二十七、八年のころから出て参ったのでありますが、その後非常に多量になりましたのは、昭和三十年初めごろ十五万トンを超えた時代がございましたけれども、その後、輸出する国の方もそうでございますが、特に日本の方において輸入する際に、買付をする際にいろいろ苦心をし、また買付の方法について改善を加える等によりまして、その後は入ってきておりませんので、従いましてここには計上してございません。
  47. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その黄変米の、今特別会計の中で在庫になっておる絶対量はどれくらいありますか。
  48. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 二月一日でございますが、十一万七千トン在庫がございます。
  49. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これはその処分をする見通しは計画的に立っていますか。それとも立っていませんか。
  50. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 処分の見通しは漸次立てつつあるという段階であります。  簡単に申しますと、黄変米と申しましても、その中にいろいろ質的に違うものがございまして、非常に病原菌がたくさん付いておりまして、工業原料にしかならない分と、それからほとんど問題がなくて、加工食糧等に回し得るものと、そういうものの間の中間のものと、三通りあるということがその後在庫の調査でわかって参りました。もう一つは検査、検定の方法も、当初は肉眼では判定できなかったのでありますが、その後専門家が見れば、大体いいものと、非常に悪いもの、あるいは中間のものと、こういった大よその見当は、肉眼でも見当がつくといったような段階になりましたので、まず肉眼でそういう区分けをする、上中下の区分けをする。そうして、上に属するものにつきましては、菌検定をいたしまして、菌検定の結果、無菌と、はっきりとこういう証明がつきますものは加工食糧に回す。それから、初めからだめであるといいますか、下に属したものにつきましては工業原料に回すというふうな方針を立てております。中に属するもの、これにつきましては、なおサンプルのとり方、どういうふうにさらに区分けするかということについては、目下検討中でございます。
  51. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私どもこの黄変米については理論的に勉強しておるわけじゃありませんが、聞くところによりますと、カビの繁殖が長期に貯蔵すればするほど激しくなって、質が劣化していくということを聞いておるのですが、そういうことはありますか。
  52. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) これは一つには、保存、手入れ、管理のやり方によると思います。病変米の入っておる倉庫につきましても非常に注意をいたしておりますので、蔵入れ後、特にその病変菌が蔓延をしているという事実は私ども聞いておりません。
  53. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この十一万七千トンに対する倉敷料というのは一年にどれくらい要りますか。
  54. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 年に三億数千万円です。
  55. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これは前に草葉厚生大臣の時代に問題になったものでありますから、ずいぶん前の話であります。そうして、あのときも、こういう食糧の用に供し得ないような怪しげな外米輸入したことについて、先ほどお話のありましたトンネル会社との関係もあって、ずいぶん問題になったものです。これを食糧庁として、倉敷料が年にこれだけ要るということについても、国家に相当の負担をかけておるわけですから、私は、もう使えないものは使えないものとして緊急に処分をせられるよう、こういうところに食糧庁の特別会計について世論からとかく言われる、風評が出てくるわけです。私は、一番極端な風評を一つ御披露申し上げますと、私、長官の話で了解しましたが、こういうものを長く貯蔵しておくと、だんだんカビが蔓延をして程度が悪くなる。悪くなれば、そこで初めて捨て値のようにして処分してしまう。そこに相当のまた利権もからむんじゃないか。ここまでも極言する人が現実にあるわけです。従って、そういうことは、あなた方のお耳に入ってないことではないと思います。従って、そういうことを十分理解されればされるほど、緊急にこれは処分をして、そうして国家に対する損失を少しでも軽減するように最大限の努力をせられるべきだ、私はこう思いますが、そういうことについてどうも今まで努力をせられたという具体的の実績を私ども知らないわけです。  今お話になりました処分案につきましても、もう草葉厚生大臣から数年間たっておる今日においてお聞きをするのにしては、あまりにも具体性のない御答弁だと思います。従いまして、次回でよろしいから、この黄変米の処分等につきまして、要すれば省内の態度を御決定になってもよろしいし、あるいは閣議で御決定になってもけっこうですが、もう少し具体性のある態度というものをお聞かせ願いたい。こういうふうに私は思います。これは食糧庁長官いかがです。
  56. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  57. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 速記をつけて。
  58. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 食糧庁長官の、私の今の質問の途中から出てきました要請について、仰せられる用意があるかどうかということを、まずお聞きしておかないと、問題にならないと思います。
  59. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 先ほど申し上げたことは別段抽象的なことを申し上げたのではないので、非常に具体的なことを実は申し上げたと思っておるのでありますが、なおお尋ねによりまして、いろいろお答えをしてよろしいと思いますが、急速にやるという必要性のあることは、私どもも、もちろん当然しかるべきものと、かように考えております。同時に、おこがましいようなことでございまするけれども、できるだけ損は少くするということもまた考えなくちゃいけないわけでございます。従いまして、この病変の状況によっては、たとえばトン当り五万円以上に売れますものがあるかといえば、他方二万円程度にしか売れない。こういうことに相なりますものでありますから、そのへんの仕分け、五万円程度に売れるものと、工業用等に安くしか売れないものとに仕分けすることが一番大切なことになるわけであります。目下そういう仕分けの方法について検討を加え、ある程度のめどがついて参りましたので、そういう仕分けに応じて作業を進め、上質ものについては加工食糧等に、それから下のものについては工業用等に処分する。こういう方針を実は立てておるのであります。そういう方針のもとで昨年の秋ごろから漸次進めて参っておりまして、先ほど申しましたような在庫に実は現在はなっておるのであります。どの程度の需要が見込まれるかと申しますと、これは一般の工業用原料でありますと大量に捌けますけれども、一つは価格が安いという点と、もう一つは他のアルコール原料等を総合いたしまして、そこにやはりまたむずかしい問題が生じてきます。そういうこともありますので、一般の工業用アルコールというものに大量を期待するわけには参りません。加工用としましては、「のり」でありますとか、あるいは「しょうちゅう」の原料でありますとか、そういったものに向ける。それから良質のものは加工食糧として相当量のものがはける見込みでおるのであります。そういうことで漸次処分の方針が立って参っておりますし、一部実行に移しておるのであります。
  60. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私がお尋ねしておるのは、いまここで突然黄変米ということが問題になって、そうしてそれの処分方法などについて新らしい問題として提起しておるのならば、あなたの御説明程度で私は了解をしたいと思います。しかしもう数年前にこれは問題になって、その問題になったときに、あなたが今お述べになったと同じような構想で進むということが答弁にあったわけであります。しかも今日までこれをどういう工合に具体的にするということがきまっていないから、質問を繰り返しているのです。もし私の質疑に対してさらに親切に答えられるならば、草葉厚生大臣のときに問題になったときから直ぐに仕事に着手せられて、今日までどういうような作業をしてこられたか。全国的に倉庫がありますが、これは大体きまっておるでしょう。そのきまっておる倉庫を別にして、どういうふうな品質検査をして、どういう仕分けをして、そうしてその処分がどの程度に今まで済んだか、そういうことをやはりお聞かせを願う必要があろうと私は思います。今までの既往の具体的な努力はどうせられたか。十一万トンというような膨大な数量ですが、これは大体おそらく各港の倉に入っておるわけですが、最近、港の倉が大へん狭隘だというので、設備投資でどんどん倉ができております。こういうものを処分してしまえばその庫があくわけですから、むだな設備投資をして倉を作る必要がないわけであります。従って通俗的な言葉でいえば、農林省がもてあましておる品物がある。もてあましておる品物というものは一刻も早く処分すべきだと私は考えております。従って、ただいまの答弁だけでは私はちょっと具体性に欠けるので、了解いたしかねます。従ってこの法案の取扱いの途中において、黄変米が問題になりましてから今日までの、具体的な現品についての農林省の扱われた経過、それから今とられようとしておられる方法、これは全国の倉庫別に出していただけばわかると思います。しかも倉庫別にどういう仕分けにするか。今あなたは三つに分けられたが、三つはどういうふうに仕分けができるか、そういう細かい資料を出していただきたい。それによってさらに質問を続けていく、こういうことにいたしたいと私は思います。(「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり)
  61. 野溝勝

    野溝勝君 その資料の要求は、一つ次の機会に提示してもらいたい。  それから関連してちょっと聞いておきたいんですが、この渡された資料の中に、きょうは主計局長森永さんもいらっしゃるから、御両氏にお聞きしておきたいんですが、この四枚目に、「内麦」の次に「外国食糧」というのがあります。「外国食糧」という中に「準内地米」というのがありますね。これは実際われわれ日本人にはわからぬ。これは私どもは、戦争前には台湾米や朝鮮米のことを指定外米と言ったんですが、まあ準内地米のことは、やっぱり指定外米と言っているらしいんでございますが、指定外米と言うならわかるんです。しかし台湾などはもう日本の国じゃないんですから、準内地米という言葉がちょっとおかしいんです。ですから、この点は一つ私は改めた方がいいと思うんです。やはり外国食糧と書いてあれば、準内地米というのは何だか日本人にはわからない。そうでしょう。われわれの常識じゃわかりませんよ。だから、これはやっぱり指定外米というような、あなたたちがよく使われておる言葉ですね、その方がわかりがいいと思うんですが、説明を一々しなければわからぬようなことでない方がいいと思うんでございますが、この点一つ考える用意があるかどうか、お伺いしておきたいと思うんです。
  62. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 外米のうちに細長いものと丸いものとございまして、丸い方の、品質的にも内地米に近いものを指定外米、また準内地米、こういうふうに申しております。指定外米としても一向差しつかえないのでございますが、両方従来使っておりまするので、時たまいろいろ出て御迷惑をかけておると存じます。まあできるだけ御趣旨に沿うようにいたします。
  63. 野溝勝

    野溝勝君 まことに率直な御答弁でございまして、日本人にはわかりがいいんでございますから、さように一つ今後両官庁において御修正を願いたいと思います。これは私が言うんでなくて、あなた方のお役人の仲間でもそう言われておるんです。何とかこれを一つ整備して——整備といいますか、一つ統一してもらいたいということを言って、われわれも一々説明しなければならないのは骨が折れると言っていますから。小倉さんから御説明されたことについて、まことに私は満足です。
  64. 天田勝正

    ○天田勝正君 これは今お伺いして答弁をいただければそれでよろしいし、答弁がいただけなければ、さっき栗山君の資料要求とともに次の機会に資料を出していただきたい問題でありますが、それは、かねがね衆参両院ともに、農林委員会、決算委員会等で問題になり、また会計検査院等でも問題になりました麻袋の処理でありますが、あれが幾たびか注意されたにもかかわらず、一向われわれから見ればむだだと思われるほどの買い入れを行なっておる。この問題の処理は一体どうなっておりますか。もし今直ちに答弁ができなければ、これまた資料をもって一つ御提出賜わりたい。以上です。
  65. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) お話のように資料をもってお答えした方がいいと存じますが、当時問題になりました麻袋は、もうすでに全部処分し済みでございます。その後食糧庁といたしましては、じかに麻袋を買って調製をするということはいたしておりません。まあごく例外的に、保管、管理の試験をするために必要な麻袋をごくわずか買うということはございますけれども、一般の包装用の麻袋をみずから買うということはいたしておりませんので、現在麻袋の手持ちというものはないと申し上げてよろしいのであります。  経過につきましては、お話のように、あるいは資料でお出しした方がよろしいかと思います。
  66. 天田勝正

    ○天田勝正君 それが若干言葉は違いますけれども、必要最小限のものしか買ってないと、こういうことが当時でも言われておって、今は、長官の言葉では、多少のニュアンスは違うけれども、まあ試験用とか何とかいう言葉でやはりこれは買っておられる、そうすると、今まで御提出になった資料の中の諸経費二百七十九億ですか、こういう部分に多分それが入っておるのだと思いますので、そこで私は、次の機会に一つ資料の御提出を賜わりたい。要求しておきます。
  67. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) それではよろしゅうございますか。速記をとめて。   〔速記中止〕
  68. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) それでは速記をつけて。  本日はこの程度質疑をとどめまして、散会をいたします。    午後三時三十七分散会      —————・—————