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1957-09-11 第26回国会 参議院 大蔵委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年九月十一日(水曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   委員の移動 七月三日委員大矢正辞任につき、そ の補欠として藤原道子君を議長おい て指名した。 七月六日委員小林孝平辞任につき、 その補欠として田畑金光君を議長にお いて指名した。 七月八日委員野溝勝辞任につき、そ の補欠として小林孝平君を議長おい て指名した。 七月十六日委員田畑金光辞任につ き、その補欠として野溝勝君を議長おいて指名した。 七月二十五日委員小滝彬辞任につ き、その補欠として津島壽一君を議長おいて指名した。 八月十五日委員藤原道子辞任につ き、その補欠として大矢正君を議長おいて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     豊田 雅孝君    理事            木内 四郎君            西川甚五郎君            江田 三郎君            平林  剛君            天坊 裕彦君    委員            井上 清一君            岡崎 真一君            木暮武太夫君            塩見 俊二君            田中 茂穂君            土田國太郎君            苫米地英俊君            宮澤 喜一君            小林 孝平君            椿  繁夫君            杉山 昌作君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君   説明員    大蔵省大臣官房    財務調査官   大月  高君    日本専売公社副    総裁      舟山 正吉君    日本専売公社生    産部長     西山 祥二君    日本専売公社生    産部生産課長  榎園 光雄君    日本専売公社塩    脳部長     三井 武夫君   参考人    国民金融公庫副    総裁      石渡忠四郎君    中小企業金融公    庫理事     江崎 千準君    商工組合中央金    庫理事     加藤 八郎君   —————————————   本日の会議に付した案件租税及び金融等に関する調査の件  (専売事業に関する件)  (金融問題に関する件) ○派遣委員報告参考人出席要求に関する件   —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) これより委員会を開会いたします。  議事に入るに先立ちまして、委員の異動につきまして御報告をいたします。去る七月三日付をもって大矢正対が辞任藤原道子君が委員選任され、六日付をもって小林孝平君が辞任田畑金光君が委員選任。八日付で野溝勝者辞任小林孝平君が選任。十六日付で田畑金光君が辞任野溝勝君が選任。二十五日付で小滝彬君が辞任津島壽一対が選任。八月十五日付をもって藤原道子君が辞任補欠として大矢正君が委員選任されました。   —————————————
  3. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それではまず派遣委員報告に関してお諮りをいたします。  先般、北海道、近畿、四国の各地に委員を派遣いたし、それぞれ租税行政金融事情専売事業の実情について調査をお願いいたしたのでありますが、本件調査報告に関しまして、理事会におきましては、特に問題とすべき事項につきましては、関係案件審議の際関連いたしまして御質疑をお願いすることとし、別途文書による報告会議録に掲載することに申し合わせたのでありますが、本件理事会申し合わせ通り決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。よってさように決しました。   —————————————
  5. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたしまして、専売事業に閲する件を問題に供します。政府側から村上日本専売公社監理官専売公社側より舟山総裁西山生産部長三井塩脳部長が出席いたしております。まず提出されました資料について簡単に説明を聴取いたします。
  6. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 本日の委員会には松隈総裁をお呼び出しをいただいたのでございますが、あいにく、かねてからの日程によりまして、きょうから全国の地方局長会議を開催いたしております。松隈総裁としては初めての全国民会議でございますので、はなはた申しわけございませんが、私がかわって出て参ったような次第でございます。委員長の御命令によりまして、資料について御説明申し上げるのでございますが、担当者から説明させることにいたします。
  7. 榎園光雄

    説明員榎園光雄君) それではお手元に配付してございます「昭和三十二年葉タバコ収納価格について」ということで御説明いたしたいと思いますが、本年産価格につきましては、八月二十六、二十七日の両日価格審議会を開催いたしまして、公社原案諮問いたしまして、その最終日の二十七日答申が出て参りました。公社といたしましては原案につきまして若干修正いたしまして、最終的な決定をみまして、八月三十日に官報で本年産価格を公示をいたしたのであります。内容について御説明いたしたいと思います。  一ページの「葉タバコ価格算定」という欄について御説明いたしたいと思いますが、従来、葉タバコ価格につきましては、農業パリティ指数基準にいたし、その他、生産費事情あるいは耕作事情等を勘案いたしまして価格決定いたしておりましたが、本年も同様の方式に基きまして価格算定方式を採用いたしたのであります。たとえば一ページの上にございます通り算式といたしましては、基準年価格すなわち二十五年、六年のそれぞれの種類の一キロ当り平均価格に本年五月のパリティー指数を乗じまして、そのほかに、そのほかの農産物との価格バランスを考慮いたしまする調整係数を乗じまして、本年の算出の水準価格を出しまして、その出しました水準価格につきまして、耕作事情なりあるいは収支の関係なりいろいろな関係を考慮いたしまして、最終的の一番右の欄から二番目の欄にございます、昭和三十二年諮問価格という欄の価格に基きまして審議会諮問いたしたわけでございますが、これにつきまして、一番終りの方に書いてございます答申書が出て参りまして、それに基きまして公社として再考すべき点を再考いたしまして、黄色種在来種全体につきましては、それぞれ諮問案価格通り決定いたしましたし、黄色種バーレー種につきましては若干修正いたしまして、三十二年諮問価格黄色種につきましては三百十円六十四銭を三百十一円九十一銭に、バーレー種につきましては百六十五円五十一銭を百六十七円六銭というような価格を最終的に決定をいたしまして、先ほど申し上げました通り、八月三十日官報告示いたしたわけであります。  ちなみに、その下の方に参考といたしまして、前年の算式がございますが、この場合におきましても、農業パリティ指数に基いて決定いたしたのでありますが、本年と異なります点は、昨年におきましては麦との価格バランスのみを考慮いたしたのでありますけれども、本年につきましては、昭和三十年度内閣に設けられました農産物価格対策協議会内閣に対する答申に基きまして、あらゆる農産物の、ほかの農産物との価格バランスを考えろというような答申もございましたので、本年の価格算定におきましては、麦だけではなくて、米、麦、繭、カンショと、それらの四種の農産物価格バランスを考慮いたしたのでありますが、なぜ四種の農産物を採用いたしたかということにつきましては、政府が現在農産物価格に直接タッチいたしております農産物といたしましては、ただいま申し上げました米、麦、繭、カンショのほかに、大豆なりあるいは菜種なりございますのですけれども、主としてタバコ競合関係にあるもの、あるいは農家自身生産しておる中で相当なウエイトを占めるものというような点を考慮いたして参りますと、米、麦、繭、カンショ、それらの四種農産物につきましての価格調整するということが、最も現状に適当した価格関係バランスをとる作物として考えられるのじゃないかと思いまして、四つの農産物をとったわけでございます。  第二ページがそれらの農産物との調整をばかる係数でございますが、この考え方といたしましては、まず政府買上米価との関係におきましては、過去三年間の、二十九、三十、三十一年の農家の手取り一石当り米価が、三十二年に決定されました米価との関係を見まして、それらの関係におきましてタバコとの調整を、タバコパリティから出ます価格に対して調整を要すべき係数算定いたすわけであります。それと同様な方式によりまして、政府買上麦価につきましても同様な計算をいたし、繭につきましては実効価格を採用いたしまして調整係数を算出し、それからカンショにつきましては、本年の安定価格自身はまだ農林省決定いたしておりませんけれども、諸般の情勢につきましては農林省に聴取して参りますと、本年の安定価格も昨年の安定価格とほとんど同様だということでありますので、カンショにつきましては安定価格を採用いたしまして、調整係数を算出したわけでございます。それらの四種の農産物調整係数は、二ページの左から二番目の区分、調整係数という欄にございますように、米につきましては一〇一・三五%、麦を三菱加重平均いたしますと、加重平均の欄にございますように、一〇二・九七%、繭との関係におきましては九〇・一五、カンショにつきましては九二・一七、これらの四種農産物のそれらの調整係数をば、三十一年度農業生産所得の構成によりまして加重平均して参りますというと、調整係数の計平均という欄にございますけれども、一〇〇・三七と、〇・三七だけをパリティ指数の上に調整係数といたしまして積み重ねる額になって参るわけであります。かようにいたしまして最終的な価格決定したわけであります。  それらの具体的な等級別価格といたしましては、三ページにございますのですが、三ページの資料といたしまして、種類が第一在来種からバーレー種までそれぞれ欄が、ございまして、一番上の昭和三十一年と書いてございますのが昨年産のそれぞれ等級別価格でございます。その下の昭和三十二年諮問、これが公社原案といたしまして、葉タバコ収納価格審議会諮問した案でございますが、この案におきましては、在来第一種につきましては三等を十円上げ、四等を十円上げ、三百三十円と二百七十円にしたわけでございます。第三在来種につきましては三、四、五等をそれぞれ十円上げる、在来第三種につきましては四等と五等をそれぞれ十円上げる。黄色種につきましては四等を十円上げる、バーレー種にきましては三等を十円上げる、こういうように諮問案を出しまして、これの加重平均した額が一ページのそれぞれの種類に書いてございます通り平均額でございます。こういうような諮問案に対しまして別紙の方にくっつけてございます答申番が出て参りましたので、公社といたしましては、黄色種及びバーレー種につきましてそれぞれ一カ等を追加いたしまして、すなわち黄色種につきましては四等のほかに五等をもう一カ等十円上げる。それからバーレー種につきましては三等のほかにもう一カ等十円上げるというようなことを最終的に決定いたしましたような次第でございます。  なお答申書につきましては、お手元に配付してございます資料によりましてお汲みとり願いたいと思いますが、答申書の中で特にわれわれが考慮いたしました関係といたしましては、三十一年産価格につきまして、黄色バーレー種につきまして、共葉巻という、従来わらで巻いておりましたのをそれぞれの種類の葉っぱで巻くというふうに、巻き方を改めた関係上、それらの製造をスムースに実現させるために、共葉巻奨励金というものを三十一年産に限り支出することにいたしました。しかも三十一年限りの措置ということで実施いたしましたので、本年は価格諮問を出す場合におきましては、約束通り共葉巻奨励金を一たんはずしておりましたけれども、答申書の五ページにございます三番目の、「共葉巻による労力増投は、今後継続されるものであるから、これによる生産費増加部分を特に価格の中に織りこむこと。」この部分答申書の中から採用いたしまして、黄色種バーレー種につきまして、それぞれ一カ等を再考いたしまして原案を修正いたして決定いたしたような次第であります。  以上が簡単でございますけれども本年の価格決定のあらましでございます。
  8. 三井武夫

    説明員三井武夫君) それでは次に塩の状況につきまして御説明申し上げます。お手元に「最近における塩需給状況及び国内生産状況」という資料をお配りしてございますので、大要資料に基きまして御説明申し上げまして、なおそれにつけ加えまして、その資料から出て参りますいろいろな問題につきまして、ただいま公社として考えておりますところの大要を申し上げます。  第一表に、塩の需給昭和二十五年以降本年度までの大要を一表にしてございまするが、この表にございまするように、国内生産は最近の年度におきましては急速に上昇いたしております。本年度予定に九十二万一千トンと書いてございまするが、その後、公社地方局から報告をとりました集計によりますると、本年は九十万トン以上の生産が予想されるというような状況になっております。昨年度は六十七万トンでございましたので、九十万トンにいたしましても二十三万トンの増産ということになります。これに対しまして輸入の方は、現在では主としてソーダ工業用塩、それからどうしても国内塩ではまかなえない食料用塩の一部を輸入しておりますので、あまり近年におきましては顕著な増加をいたしておりません。それから需要の力は、食料塩は大体最近におきましては年に百万トン前後、それからソーダ用塩はだんだんとふえておりまして、本年度は二百万トンということに一応予定しております。  それから第二表は、二十五年度から昨年度までの、ただいま第一表にお示しいたしました需要のうちで一般用塩需要内訳を詳しく示しましたものでございます。  それから第三表は、三十二年度本年度以降三十六年度までの五カ年度間におきます一般用塩消費見込みを推計いたしたのでございます。この表の一番最後、三十六年度総計欄にございまするように、三十六年度におきます一般用塩需要見込みを百十万トンと押えてございます。これが後に申し述べまするすべての考え方の基礎になって参るわけでございます。  第四表は、第一表の三十五年度から三十一年度までの国内塩生産内訳を示しましたものでございます。最近におきましては塩田製塩の中で真空式生産高が圧倒的にふえております。また一番上の海水両君製塩が次第に数量を増しておるという状況をごらんいただきたいのであります。  そこで第五表に、今後におきます国内塩生産見込み高を推計いたしてみたのでございまするが、三十六年度におきましては、この表によりますると百四十五万トンという推計になります。地方局から集計いたしました数字をそのまま出しますると、百四十九万トンということになっておりましたが、これを本社におきまして調整いたしましたものがここにお示ししてございまする百四十五万トンということでございます。つまり第三表の昭和三十六年度におきます一般用塩消費見込み百十万トンに対比いたしますと、三十六年度におきましては三十五万トンだけは食料塩以上の生産が予想されておるという状況になっております。  それから第六表は、昭和二十七年度以降本年度までにこの塩田改良あるいは災害復旧等のためにどのくらい援助をいたしてきたかということを表にいたしてございます。二十七年度ないし三十二年度累計で塩田改良あるいはその他の災害復旧等事業のために総事業費二百四十一億円を使ったのでありまするが、それに対しまして二十九億六千万円、約三十億円の補助金を交付いたし、また八十七億、約九十億円に近い農林漁業資金を融資して援助いたしておるという状況をお示ししてございます。  それから第七表は、今後におきまする塩田改良状況を予想したのでございます。二十七年以降の過去の塩田改良状況と、それから本年度以降三十六年度までの塩田改良状況を一応予想いたしたのでございます。これによりますると、御承知の流下式転換工事がだんだんと進んで参りまして、この予定では三十三年度中に流下式転換を終了いたしまして、入浜式として残りますものがわずかに二百九十二町歩、そのほかに岡山県で行なっております錦海塩田が完成いたしますと、新たに四百四十町歩流下式塩田ができ上る、なお流下式転換等に伴いまして枝条架の面積が非常にふえてきた、ことに最近におきまして相当急激に枝条架の拡張が行われておるという状況を示してございます。  第八表は現在の塩売り渡し価格一貫表を掲げましたのでございます。  それから第九表には塩収納価格の今日までの推移を示してございまするが、この表にございまするように、昭和二十八年度の九月に、塩の収納価格は一トンにつきまして一万三千六百円でありましたのが一番高かった時期でございまして、これを昭和三十年度におきましては、価格は据え置きましたけれども一、品質基準を上げまして、実質上、塩の収納価格引き下げをいたしたのでございます。続きまして、昨年度は六百円の引き下げをいたしまして、現在は塩の価格は一万三千円になっておるという状況でございます。で、従来の方針は、塩田改良を助長いたしまして、増産を実現させまして、食料塩の自給というかねて定められております目標に一日も早く到達しようとすると同時に、その増産状況に応じまして生産費が下って参りますので、その塩生産費の低下の状況に応じて、今後とも塩収納価格引き下げを実現していきたい。かような方針であったのでございますが、ところが第五表にごらんいただきまするように、ただいまやっておりまする状況をそのまま放置いたしますと、昭和三十六年度におきましては百四十五万トンというような非常に大きな国内生産が期待される状況になったのであります。こういう状況になりましたのは、従来奨励いたしておりました流下式転換が着々と効を奏して参りましたほかに、ただいま申し上げました枝条架のの増設ということが最近急激に行われたのでありまして、この枝条架の効率というものが非常に成績を上げて参ったということによるのであります。従って、最近におきましては塩業者はきそってこの枝条架の増設をいたす。専売公社援助をいたしております枝条架の割合は、塩田面積に対しまして五%という割合基準にいたしておったのでありますが、最近におきましては、塩業者自己資金をもってどんどんこの枝条架をふやしまして、一〇%あるいは一〇%以上の枝条架を増設して参るということで、最近におきます急激な生産増加の有力な原因をなしておるのであります。  こういう状況でございまする一方、食料塩需要は、第三表にございまするように、三十六年度におきましても百十万トンでございますので、そうなりますると、このまま放置いたしますれば、ただいま申しましたように三十五万トンの塩が余って参ります。これをどういうふうにいたしたらいいかということが、ごく最近になりまして新らしく出て参りました問題でございます。従来の目標は、ただいま申しまするように、何とかして食料塩全量国内塩で自給したいということであったのでありますが、この今日の状況を放置いたしますると、この目標はおそくとも明後年には実現できるのでありまして、それ以後は、食料塩としての必要昂以上に塩が出て参るということになって参るのでありまして、これは新しく出て参りました新しい事態と申さなければならない。  そこでこれに対しましていろいろと考究をいたしたのでありまするが、余りました塩を食料用塩以外に振り向けるということになりますると、やはり工業用塩に使うということを考えざるを得ない。現在、第一表にもございまするように、ソーダ用工業用塩全量輸入しておるのであります。一年に二百万トンを必要とし、今後もさらにその需要量は増して参るという状況でありますので、国内塩生産の一部をその方に振り向けることができますれば、十分この余剰塩はまかなえるということに相なるのでありまするが、ただその場合に問題は、一つは国内塩価格の問題であります。品質の問題は、何とかして今後品質の向上あるいは改良を加えることによりまして解決できると考えておるのでありまするが、価格におきましては、現在の国内塩収納価格一万三千円という、これは現在ソーダ工業輸入して使っておりまする輸入塩価格に比べまして非常に高いのでありまして、これを何とか現在の輸入価格に匹敵できるような価格まで下げることができるのであれば、価格の面からも国内塩ソーダ用塩に使える、かように考えられるのであります。そこで現在一万、二千円の収納価格を、今後の増産経営合理化能率化というようなことによりまして、どこまで下げ得るかということが問題でありまするが、従来も国内塩収納価格の将来の目標を、塩一トン当り一万円以下にしたいということを考えて、いろいろと助長をいたして参ったのでありまして、現在の情勢から考えましても、ほぼ昭和三十六年度くらいには一万円以下になし得るであろう、かように考えられるのであります。そこで一万円以下に何とか生産費を下げることにして、それ以上に、優秀な設備を持ち、あるいは能率的な経営をいたしておりまする塩業者生産塩の一部を一万円以下の価格にいたして、できるだけ輸入塩価格に匹敵できるところまで下げ得る方法はないかということを、ただいまいろいろと塩業者折衝をいたしておるのであります。その考え方といたしまして、ただいま申しました国内塩生産の一定の基準までは食料用塩として収納する。そしてその総量というものは、第三表にお示ししましたような、食料塩の全需要量百十万トンを確保するに足る数量ということにいたしておきまして、それ以上の部分だけ、個々に申しますれば、優秀な能力を持っておりまする塩業者生産塩の一部を、食料用塩収納価格とは区別をいたしました。別の工業用塩収納価格というようなものを設定いたしまして、その値段でもって買い上げることにして、この方もなかなか初めから目標通りには参りませんので、初めは相当高いところから始めまして、だんだんと下げて参りまして、できれば五千円程度の、現在の輸入塩価格に匹敵できるようなところまで下げていくことができますれば、それをその価格でもってソーダ用塩に供給するということが可能ではないか、かような考えを持ちまして、ただいまいろいろと塩業者との折衝をいたしておる段階でございます。つまり従来は一本の収納価格というものを、今後は、いわば食料用塩収納価格と、ソーダ工業用塩収納価格との二段制を採用いたしまして、それぞれの数量の範囲内で収支償うような価格を採用していくことはできないか、その基準をどういうふうにしたらいいかというようなことを、ただいま塩業者折衝をいたしておるのでございます。そうしてそれによりまして、一方では、かねてから望んでおりましたところの、収納価格を二万円以下に引き下げるということを実現いたしたいのでありまするが、ただその場合に、できるだけ今後の生産量能率のいいところだけを認め、あるいは現在相当の成績をおさめているものだけを優先させることにいたしまして、非能率塩田というものを何とか能率のいい塩田に統合するなり、あるいは場合によりましては、その一部を整理するというようなことで、かたがたもって収納価格引き下げに役立てたい。かような点につきましてもいろいろと塩業者折衝し、意見も求めておる次第でございます。  先ごろからこの塩業者との折衝をいろいろといたしておりまして、塩業者の方でも今後のいき方としては、ある程度の生産制限と申しまするか、この収納価格を三段階制にいたしまして、それによりまして、放置いたしますれば百四十五万トンというような、将来の生産を何とかそれよりも内輪目に抑えたいということにつきましては、塩業者の方でも現在の事情を十分に了承しまして、協力をいたしてくれるように大体話し合いが進んでおるのであります。その具体的な方法等につきまして、今まだ折衝を継続しているような段階でございます。
  9. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 質疑をお願いいたします。
  10. 江田三郎

    ○江田三郎君 まず、たばこの方からお尋ねいたしますが、この収納価格について価格審議会というものが置かれておるわけですが、こういう価格審議会というものは、これは法律できちんときまっている分は、たとえば米価審議会その他あって、あるいは審議会の議を経て何々をしなければならぬとか、あるいはそれぞれ審議会によって多少性格が違っておるわけであります。ただこのたばこの方の審議会は、そういう法制化されたものではないと思うのですが、しかし一応あなた方がここへお出しになる国会提出資料の中にも答申案が出るほどですからして、載せられているほどでありますからして、相当尊重をなさっておると思うのですが、将来やはり私どもは、こういうものが法制化されてこなければいかぬのじゃないか、ただこういう任意にあるのではいかぬのじゃないか、こう思いますが、ただ問題は、一体審議会というものの決定がどこまで尊重されるかということが問題になる。そこで一体、今公社の方では、この審議会答申というものはどういうようにお扱いになるわけですか、それをお伺いしたい。
  11. 西山祥二

    説明員西山祥二君) 現在設置いたしております収納価格審議会は、公社内部の機関といたしまして、去る昭和二十七年以来設けておるものであります。その審議会における意見並びに答申書に盛られました意見につきましては、あらためて慎重なる検討を加えまして、でき得る限りその趣旨を尊重するように努めておるのでございますが、不幸にして見解の相違のために、結果におい答申案そのものが全部修正、実現を見ない場合もあるのでございます。従いまして、今後といたしましては、すでに御承知のごとく、去る国会に政府案といたしまして専売法の中に盛られました収納価格審議会によりまして、その構成も現在の構成とは趣きを異にいたしまして、ひとり生産者の代表のみでなく、学識経験者あるいは消費者的立場において、一般、広い見地から適正なる価格の検討をするという委員の構成をもちまして、今後の価格決定当りたいと考えておる次第でありますが、不幸にして前国会において改正案が審議未了となりましたので、今回は従来通りの方法によりまして価格決定をいたした次第であります。
  12. 江田三郎

    ○江田三郎君 この前の二十六国会へ出たように、あるいはその通りであるか、もっと違ったものになるかわかりませんが、かりにこれが法制化されたところで、結局今のお話のように、審議会答申案は出たけれども、不幸にして意見を異にする部分は使うわけにはいかぬ、こうなってくると、一体何の役にそういうものが立つのか、こうなってくるのでして、これは一つ生産部長でなしに、副総裁の方から、根本問題ですからして、一体あの二十六国会に出された審議会というあの構想によれば、審議会決定というものは、この現在ある審議会の取扱いと同じように、つまり公社と意見を異にする部分は、残念なことだけれども、聞くわけにはいかぬ、意見の一致する部分だけを取り上げていくのだ、その程度の考えでお出しになっておったのですか、どうですか。
  13. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) ただいまございます葉たばこ収納価格審議会は、ただいま生産部長から御説明申し上げましたように、公社内部の機関といたしまして、総裁諮問機関となっております。従来にしましても、そういうふうな外部の意見を収納価格決定の際に反映さしていくことは重要なことであろうと考えておる次第でございますが、さらに一歩進めまして、ただいま説明いたしましたように、法律上の制度といたしまして、なおその構成メンバーにつきましては、単に耕作者代表ということのほかに、学識経験者その他公益を代表するという方々も加えまして、一つの審議会をこしらえた方が望ましい状態である、こう考えて改正法律案を用意した次第でございます。さて、現在の審議会につきまして、その答申をどの程度総裁価格決定の際に取り入れるかという問題につきましては、やはりこの立場の相違による考え方もございます。しかし公社側といたしましては、できるだけ審議会答申の精神というものは尊重していきたい。しかし立場の相違による考え方の違いや、あるいは公社内部の経理問題等も出て参るのでございまして、全部が全部これを受け入れるというわけには参らないのが最近の実情でございますが、これがまあ法制上の審議会となりまして、各方面から委員もお加わりいただくということになりますれば、なお一そう公正な結論も出、また公社も十分にこれを尊重して参るということで、まことに望ましい状態じゃないかと期待しておる次第でございます。
  14. 江田三郎

    ○江田三郎君 だから審議会は今後法制化されて、この構成が変れば別問題だ、今までとは扱いが違うのだというようなお答えですから、私はその点はあまり触れませんが、一体ここに出ておるこの答申の中で、先ほど説明を聞きますというと、諮問案と、それから公社の最終的決定との価格が違うわけですが、それは主として「共葉巻による」云々と、第三番目のこの条件をとってやられたので、あとのところは意見が違うと、こういうことになりますか。
  15. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 当初、公社諮問案として出しました案は、値上げの度合いにおいても、決定されました案よりも低い点があったのでございますが、審議会のお気持も考え、さらにこの共葉巻に関しまする答申の趣旨も十分に破り入れまして、諮問案とは違った決定をいたしておる次第でございます
  16. 江田三郎

    ○江田三郎君 だからその建った決定をされたのは、主として、共葉巻に関連して違った決定が出た、そのほかの条件は大した考慮の上に上っていない、こういうことなんでしょう。
  17. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 共葉巻につきましては、昨年、戦前に行われておりましたものを復活いたします際に、特に新しい手数をかけるというので、キロ当り一円の奨励金を出したのでございます。今度の値上げは、その共葉巻奨励金の額を上回っております。ですから、単に共葉巻奨励金分を組み変えたというだけではないのでございます。
  18. 江田三郎

    ○江田三郎君 いやしくも公社の方で諮問案を出されるというのも、相当の根拠を持っておられたと思うのです。さらに最終決定をされるのも、諮問案を動かされるということになると、やはりはっきりした根拠が私はあったものだと思います。そういう根拠なしに、こういう重要な同額を軽々しくきめられるはずはない。そこで、しからば公社の出しておったところの諮問案が、こういうように最終的に変ったのは、共葉巻の分は一キロ一円程度のものだということになるなら、そのほかの値開きの原因は、答申の中のどことどことを尊重したから違ってきたのですか。腰だめというわけではないのでしょう。
  19. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 共葉巻奨励金に見合います分を引き上げましたほかにプラス・アルファを引き上げておるのでございます。その計数につきましては、生産課長から補足いたさせます。
  20. 榎園光雄

    説明員榎園光雄君) 最初原案を出しまして、その後修正いたしたのでありますが、その場合に黄色種及びバーレー種につきましては、それぞれ一円ずつの共葉巻奨励金を出しておったのでございますが、答申書の中にございますように、「価格の中に織りこむこと。」というのがありましたので、一円の相当の部分をそのまま織り込めばよろしいのですけれども、価格そのものは十円刻みにいたします関係もございますので、そのままぴったり一円が入らない。そのこえる部分だけにつきましては、十円刻みにする関係上、ある程度プラス・アルファが出たということになるかと思うのであります。
  21. 江田三郎

    ○江田三郎君 それは十円の中ではっきりしておる分が一円であって、あとは計数上の関係があるからはっきりはしないけれども、プラス・アルファだ。それは十円の分ではっきりしておる分が六円とか七円であって、あとは計数上の関係、あるいはプラス・アルファだというなら、これはわれわれしろうとでもわかりますよ。しかし十円の中の一円がはっきりした部分であって、あとは計数上の整理やプラス・アルファだというのでは、これはちょっとわかりませんね。
  22. 平林剛

    ○平林剛君 今の江田委員の質問に関連してお尋ねをしますが、あなたに答えてもらいたいのは、審議会で検討して、新しい各等級の値段が変更になったわけであります。当初諮問をされた公社の案を、答申をされて変更になった。三等、四等、五等等において十円ずつ上った、その差ですね。予算上で一つ説明してもらいたい。つまり三等、四等、五等等において、それぞれ十円ずつ価格を変えた結果、専売公社は幾らの予算増になったのか、こういうことを数字で示してもらいたいと思います。同時にこれは共葉巻による労力に対し、昨年までは若干の援助費を出しておった、それが廃止をせられたわけであります。去年その共葉巻に対する労力報償として与えていた予算は幾らあるか。これを比較をいたしますとどういう工合になるかということで、江田委員の質問のポイントは明瞭になると思います。副総裁のお答えによりますと、その差額は上回っておるというが、幾ら上回っておるかという数字は、その数字で現われてくると思うのであります。私どもが指摘しておりますのは、結局価格を三等、四等、五等で十円ずつ上げたといたしましても、共葉巻の分を差し引けば幾らも収納価格を変えたというようなことにはならんじゃないだろうかという心配をしておる。加えて優等、一等、二等、その他の等級におきましては、共葉巻の分だけ今年から削られたのですから、耕作者にとってはその分だけ価格引き下げられたということになりはしないか。まあそういうことが、われわれとしては指摘できるのではないか。その点が疑問でありますので、数字で一つ説明をしていただきたい。
  23. 西山祥二

    説明員西山祥二君) ただいまお尋ねの、今回修正によりまして予算上どれだけの増となったかという問題でありますが、概計によりますれば、今回の価格引き上げによります予算増は、総額約四億七千万程度でありまして、そのうち、修正によります分が約一億二千万円程度と考えております。なお、昨年実施いたしました共葉巻奨励金黄色種並びにバーレー種に限って実施いたしたものでありまして、これが総額は約九千万円程度でありますので、それとの差額は三千万円程度と相なるわけでございます。なお優等から三等までは価格が据え置きであるので、奨励金を排除することによって実質上それだけの減少になるのではないかという御意見につきましては、耕作者は、優等から八等まで各等級について生産をいたしておりますので、全般を平均して考えれば、必ずしも上位等級だけが減少を見たという結果にはならないと考えております。
  24. 江田三郎

    ○江田三郎君 そこで、そう開きますと、価格が修正になったのは、昨年まで出ておった共葉巻奨励金を振りかえた部分が大部分ということになるのですか、あとは大したことはないということなんですか、どうなんですか。聞いておってよくわからんのですがね。だからね、共葉巻以外にこの十円、三等、四等が上っているのを、そのほかの、答申案に五つ問題が出ておるのを、ほかの部分も尊重しておるのか。もうほかの部分は尊重の余地なしという観点でおやりになっておるのか、その辺プラス・アルファだと言わんで……ちょっとやくざの仲裁と違うのですからね、はっきりしてもらわんと困るのですがね。
  25. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 計数につきましては、ただいま御説明いたしましたように修正増によりまして、修正増の金額は一億二千万円程度、昨年出しました共葉巻奨励金は九千万円であります。ところがこの共葉巻奨励金というのは、昨年、価格決定の際に、昨年度限りこの制度を復活する。当初、なれない点もあるから、一年度限り出すというふうに業者も了解しておると公社では考えておるのであります。今年になりますと、業者の方では必ずしもそれを肯定されませんけれども、そういういきさつでできておるものでございます。それですから、これを当然今年の価格の中に入ってくるものだと考えますことは、公社といたしましては前の約束と迷うというふうに考えておるのでございます。それから、なお等級を上げましたので、計算の技術上、この端数は生じまするけれども、そういったようないきさつもありますので、今回の価格決定を円滑ならしめますために、当初の原案を修正したような次第でございます。
  26. 江田三郎

    ○江田三郎君 あなたの方は、この前行管の方でいろいろ文句をつけられたということを聞いておるのですけれども、今のような答弁をせられておったら、行管でなくてもこれは文句をつけますよ。何かさっぱり言われることがわからぬので……。十円の中の一円が何で、あとはプラス・アルファだというようなそんな説明をしたり、これはちょっと聞いておっておかしいですがね。私が言っておる方がおかしいかもわかりませんから、あとでよく速記録をごらんなさい。その点はあまり言いませんよ。言いませんが、他の五つの答申案で要望されておる事項は、いずれも意見を異にし、尊重するに足らずという御認識ですか、どうですか。
  27. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 先ほども申しましたように、価格決定方式につきましては、これをいわば俗な言葉で言えば、売る方の立場の耕作者と、それから公社の立場と、いろいろ考え方も違い、考え方に入って参ります要素も違うことはけだし当然であります。そこで、耕作者の御意向が価格審議会に反映しておるのでございますが、それをそのまま全部取り入れると必ずしも限らないのであります。しかし審議会答申の精神は十分尊重してやっておるつもりであります。
  28. 江田三郎

    ○江田三郎君 だから、答申を尊重しておるなら、そのほかの五つの部分はどういうように尊重しているんですか。この一円だけでははっきりするけれども、あとはプラス・アルファだというようなことでなしに、共葉巻以外の分を尊重しているというのならば、しからば、第一の算定方式については、これはすぐに答えが出てくる問題じゃなしに、将来の問題でしょうが、その他の第二のパリティ方式の適用の問題、あるいはその他の問題は、直接本年度収納価格関係のあるような答申なんですね。それはどの程度にこれをお認めになったのか。ここに書いてある中のどういうところが、この答申は意見を異にすると言われるのか、それをはっきりしていただきたいというのです。
  29. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) この答申の各項目につきまして、第一の算定方式について、生産費方式を採用してくれという答申につきましては、公社はこれは採用いたしかねるということをかねて申しておるのでございます。それについてなお説明をせよということでございますればいたしますが、これはこの審議会の前から、公社としてはこれを採用いたしかねるという態度をはっきりしておる次第でございます。  それから第二点のパリティ方式の計算方法につきましては、今回審議会の中心題目として論議されたところでございます。公社といたしましては、結局公社考え方が合理性があると主張いたしまして、これを採用した次第でございまして、この点につきましてもお尋ねがあれば御説明申し上げたいと存じます。  それから「種類間の価格均衡を考慮すると共に、原料事情の積極的な打開を図ること。」これは公社おいてもこの趣旨は十分同感でございまして、現在及び将来にわたりましてこの趣旨にのっとってやっていきたいと考えております。  「納付運搬費の実態に検討を加え、実状に即した引上げを行うこと。」これらにつきましても、かねて公社からの要望でございますけれども、納付運搬費の見方につきまして公社は異なった見解を持っておりますので、今直ちにこの答申にのっとって措置をするというところまでいっておりません。検討を続けることについては公社としても努力したいと考えております。  それから「年を越して収納するものに対しては、越年加算金を支給すること。」これも将来にわたりまして公社としては研究したいと考えております。
  30. 江田三郎

    ○江田三郎君 そうしますと、第一の生産費方式はこれは反対と、それから第二のパリティの問題についても、これは聞くことができぬ、公社の立てた原則の方が正しいと、それから運搬費や越年加算金についても取り入れないということなら、あとはっきりしたのは、共葉巻の一円だけですね、十円の中の一円だけがはっきりしたわけです。そういうことで一体説明がつくのでしょうか。私はどうも合点がいかぬのですが、そうじゃなしに、もう少しはっきりおっしゃったらいいのじゃないですか。結局私がこうじつと聞いておるというと、パリティ方式について相当論議があった、これが中心になった。しかしこれについては公社の立場をとったのだと言われるけれども、プラス・アルファということの中には、このパリティ方式公社のとった行き方について考慮をすべき点があったので、プラス・アルファという形をおとりになったのじゃないですか、どうなんです。そうでないと言われるのなら、もっと私たちが納得できるように合理的な説明をしていただきたいと思うのです。
  31. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 答申にいろいろ出て参りましたことは、公社としても検討中のこともございますし、また時期を見て措置すべきこともございますし、全体としては審議会答申の精神は十分傾聴しておるわけであります。今回の価格決定に入らなかったから、審議会答申を尊重しなかったということは申せないと思います。  それから第一、第二の項目等につきましては、これはいわば見解の相違とでも申しましょうか、公社としても審議会の主張する方式を採用いたしかねる主張を持っておる次第でございます。
  32. 江田三郎

    ○江田三郎君 私はしつこく申しませんがね、ただ言ったとききますけれども、先ほど来の答弁をあとで副総裁の方で議事録をお読みになれば、副総裁としても筋が立った説明はしていないということは御了解していただけると思うのです。そういう点があるから私どもは、たばこ専売法というものはもっと根本的に変えなければならぬということを言っておるので、しかもこの前にあなた方の方でお出しになった。ところが参議院の本委員会おいて、それがたった一時間も、一分間も審議の対象にならなかった。政府が出した法案で、少くとも長い国会において、一分間も審議の対象にならなかったというのは、私もこういう前例を知りません。そこで、これは政府の、あるいは公社考え方というものは、根本的に考え直してもらわなければ困るのだということを申して、大蔵政務次官も、次の国会までにはそれはそうするということを言われましたが、今聞いておると、どうも専売公社の問題というのは、よほどこれは根幹に触れて再検討をしないと、私どもが納得できない問題が多々あるように思うのです。だからもうそれ以上のことは、今の問題については答弁を求めませんが、もう一つお聞きしておきたいのは、調整係数の中に繭とカンショを新しく入れたのは、これは繭と競合関係にある作物で、しかも政府が今価格決定に関与しておるところのものだからこれを入れたんだ、こういうことでありましたが、ただそれだけでございますか。重ねて聞いておきます。
  33. 西山祥二

    説明員西山祥二君) 調整係数に加えました作物の種類につきましては、いろいろの見解があるかと考えますが、従前からタバコの対抗作物、対抗産業として最も重要視せられて参りましたものは、繭並びにカンショでございます。従いまして今回は主要農作物である米、麦のほかにその二品目を加えることによりまして農家の農業所得のおよそ六五%まではこの四種目の収入によって得られておるという実情等から考えまして、最も当を得た選定であると考えておる次第であります。
  34. 江田三郎

    ○江田三郎君 対抗作物であるということであるなら米は対抗作物ではないですね。米を調整係数に入れるのはどういうわけですか。
  35. 西山祥二

    説明員西山祥二君) 御説のごとく米は水田の作物でもあります。また対抗性から考えましても必ずしも当らないかと考えますが、何と申しましても今日農家作物の主要なものであり、また農作物あるいは一般物価の基準として米価が考えられております実情から見まして、あえてこれを取り入れた次第であります。
  36. 江田三郎

    ○江田三郎君 だから対抗作物だから入れるという建前と米という建前とは、これは違う建前ですね。違う次元の上に立っているのでしょう。そこで、そういうことなら今まで米というものを取ってきておるなら今度新しく追加しておるのですから、これは重大なる条件の変化です。重大なる条件の変化というのはよくみなに納得できるような立場でなければならぬのでして、それがたまたまここに出ておるのは九〇・一五、九二・一七というまことに低い調整係数のものばかりしか、故意か偶然か知らぬが、ここに出ているわけでして、その説明もなぜこれに入ったかというと、対抗作物であるから入れたというなら、それなら米は対抗作物ではないのではないかという疑問がすぐ大きな矛盾として、ここに出てくるのではないか。私は対抗作物だから入れるというのでは説明がつかないと思うのです。しかも繭にいたしましても、御承知のように日本農業が戦後安定した二十五年以来をとってみると、おおむね四割ふえているはずです。カンショにしましても、これは反収はなんぼふえているかわかりませんが、大へんなふえ方であって、これは常識論としてカンショの反収をたとえば四百五十貫というけれども、その実態はそんなものではないのだということが常識論として言われているわけです。ところがタバコの場合には葉の一枚交々に至るまできっちり出てくるわけでして、そんなところに生産上昇率の非常に大きいようなもの、また把握の正確でないものがここに出てきて、しかもそれが九〇なり九二というような数字で出ているということは、これはよほど詳細な説明を聞かないと私どもは、おそらく耕作者諸君も同じだろうと思いますけれども、納得できません。ほかにも作物はあるわけです。さらにここには出てきませんけれども、政府価格支持の対象になっていないといえばそれまででありますけれども、最近の果樹生産というものがどうなっておるか、蔬菜生産というものがどうなっておるか、そういうものを考えると唐突に今までなかった繭とカンショだけがぼっとここに出てくる。しかもそれが九〇・一五、九二・一七というように、非常に調整係数というものとしてはその係数の強いものを突然お出しになるというのは、公社としてはかねがね監理官あたりが親心ということを盛んに言うが、まことに親とすればまま母かなんかひどい親ですね。(笑声)もうちょっと説明をして下さい。
  37. 西山祥二

    説明員西山祥二君) 江田先生の仰せのごとく繭あるいはカンショを加えることによりまして、調整係数が下回る結果となったのでございますが、これはただいま申し上げましたごとく、純然たる対抗作物という見地あるいはまた政府の支持価格あるいは実効価格という点を勘案いたしまして、これを採用いたしたのでありまして、もしこれに加えるに菜種を入れますと九九・四六、また菜種と野菜を加えますと九八・八八になるのであります。また全農産物につきまして計算を行いますと九九・四二という調整係数が出ておるのであります。ことに野菜その他の工芸作物につきましては当年の作柄によりまして価格の変動がはなはだしく、従ってこれらのものを品目のうちに加えることは安定を欠くという見地もございまして、当初申し上げました品目に限定をいたした次第であります。
  38. 江田三郎

    ○江田三郎君 まあきょうはいろいろな問題がありますから、私がたばこの問題だけであまりやっちゃいけませんからやめますが、最後にちょっと申しておきますけれども、たとえばカンショのごときは今澱粉の生産過剰になって、食糧庁の買い上げ手持ちが五千万貫といわれ、六十万貫といわれ、まことにどうしたらいいかというデッド・ロックに乗り上げている品物です。繭についても生産制限をしなければならないというようなそういう問題にぶつかっている次第でありまして、そういうように非常に行き詰まってしまった作物、しかも制度上は行き詰まっているが、その実態を考えるとカンショあたりは表面に出ている反収とは全く違った実収が出ているということが常識になっている作物、そういうものが唐突に調整係数に出てくるということは、これは私は少しおかしいと思う。しかしいずれたばこ専売法の根本問題をやることになっておりますから、私はそのときにやりますけれども、とにかく先ほど来聞いているあなた方の答弁というのは、これでは行管ならずとも少し文句が言いたいという感じがしますよ。それを申しておきます。
  39. 平林剛

    ○平林剛君 私は初めに公社資料の要求をしておきたい。  結局本委員会で審議中のたばこ専売法の改正に関係がございますが、今指摘をせられておりましたように、葉たばこ収納価格審議会が今日までどういうふうに運営され、それからまたその答申案がどういう工合に尊重され処理されてきたかという実態が今後の法改正の中でも議論の対象になると存じます。それでありますから、昭和二十七年から発足いたしましたこの審議会答申案と今日までそれに対して処理をして参りました実績との比較を一つまとめていただくようにそれをお願いをいたしたいのであります。お忙しいときでありますから、急ぎはしません。今月の末にまたこの問題についての検討を行うことになっております。なるべく早くということで御提出を願うようにお願いをいたします。  それからもう一つお手元になければこれはやむをえませんが、昭和二十八年から葉タバコの収納に要した予算をお持ちでしょうか。二十八年、二十九年、三十年、三十一年のもしわかりましたら、この場でお答えを願いたい。それから質問を続けます。
  40. 西山祥二

    説明員西山祥二君) ただいま御要求の購入代金の予算についての資料は持ち合せをいたしておりません。
  41. 平林剛

    ○平林剛君 それでは次回でけっこうであります。ただ私はこれで知りたいと思うことを申し上げておきます。それは昭和二十八年から今日まで葉タバコ生産量はかなり増大しておるはずであります。とくに三十年、三十一年は豊作の影響もあってかなり増大しております。これと比較をしてタバコの収納に要した予算が伸びているかどうか、私はこれがやはり問題になると思います。つまり平均をした話でありますから、単純比較そのままにいかないにしましても、生産された葉タバコの量に比較をして、歴年の葉タバコの収納予算がふえていないといたしますと、どこかで操作をしなければならぬことになります。つまり葉タバコの標本を変えて行って予算に合せて買う、こういうことを実際上の運営としてやらざるを得ないことになりはしないか、今ことしの葉たばこ収納価格審議会で検討されておりまして、それぞれ在来種バーレー種黄色種等におい価格がきめられまして、三等、四等、五等等については昨年よりも十円高めたといたしましても、総体の予算がもし生産量に比較して上らないとすれば、どこかにそのしわ寄せが行っているはずになるわけであります。かねがね疑問に思っておりまして、きょうはすぐに資料をいただければなお質疑で明らかにすることができましたのに、用意がないようでありますから次回に譲りますが、そのことを私は知りたいのであります。次回までに一つ整えていただきたい。  そこできょう私がおもにお尋ねいたしたいことは、葉タバコの減反問題についてであります。先般主要な新聞にも報ぜられましたように、葉タバコ耕作面積が全国で七万六千町歩ある中で、その約一割を減反をするという方針専売公社おいてきめられたと伝えられておりますが、一つきょうはその実状と減反の理由について御説明を願いたいと思うのであります。
  42. 西山祥二

    説明員西山祥二君) ただいま平林先生よりお話のございました最初の購入予算の問題につきましては、いずれ詳細なる資料を提出いたす考えでございますが、記憶によりますれば、三十年並びに三十一年はいずれも大豊作でありまして、従って当初予算に比べますと、支出いたしました購入代金は大よそ四十億程度上回っておるのであります。これが財源の捻出につきましては、公社内部においても始終苦心をいたしまして、ようやくその要求を満たしたのであります。いつの年におきましても予算に拘束せられまして、収納の際、鑑定の等級を左右し、予算につじつまを合せる等の事実はかつてないことは御承知おきを願いたいと思います。  次に、いわゆる減反の問題につきまして、簡単に御説明を申し上げたいと考えますが、タバコ耕作面積は戦後製品たばこの需要増加に伴いまして、年々増反を続けて参りました。しかる三年前までは天候不良のために、計画を下回るところの生産に終ったのでありますが、三十年以降幸いにして天候に恵まれ、また漸次耕作気勢が高まって参りましたのと、一方におきましては耕作技術の指導が漸次浸透いたしまして、いわゆる末端の低位耕作者の技術が向上し、従って成績が改善いたされまして、平均水準が高まって参ったということがまた増産の一つとなっております。また一つには最近試験の結果、その効用を認めて広く産地に普及いたしております農薬の結果、それは主としてわき芽を抑制するために使用するものでありますが、このために収量の増加は、試験場等の結果によりますれば、大よそ一割に相当する大量のものであります。これらの要素が加わりまして、三十年以降毎年千五百万キロないし二千万キロを上回るところの増収を見て参っておるのであります。しかるに他方におきましては、製品たばこの需要がこの面積計画を立てました当時考えておりましたほど売れ行きの増を見ておりませんので、製造数量の方面におきましては、逆に計画に下回るところの実績を見ておるのであります。従いまして今日の段階において、ある程度の需給調整をはかりませんならば、今後原料葉タバコの手持ち過剰のために、一方におきましてはその葉タバコ品質を悪変し、使用価位を減ずるとともに、他面におきましては、これら過剰葉タバコの貯蔵、保管のために、相当莫大な経費を別に費消しなければならないこととなりますので、大局的の見地から見まして、できる限り早い機会に需給調整をはかる必要があると考えるに至ったのであります。  これを計数について少しく申し上げますと、今年末におきまする国内葉の在庫数量は約三億五千万キロに達しまして、それは製造の二十六カ月分に相当するものでございます。なかんずく黄色種のごときは三十一カ月分となりまして、標準在庫の二十四カ月分に対し、実に七カ月分の過剰を見ることとなるのでございます。これがためにもし明年度一年においてこの生産過剰を規制するといたしますれば、約九千五百町歩程度の面積を減少いたさなければならないのでございますが、半面におきましては、タバコ生産農家の経済に非常に大きな影響を及ぼすことを考えますと、急激なまた無理な減反を実行することは公社としても考えられない点でございます。従いまして明年度といたしましては、最も過剰を擁しております黄色種につきまして、大よそ一割を目途といたしまして反別の縮小をはかりたいと考えておるのでございますが、在来種につきましては、比較的過剰面積がわずかでございます。またその栽培農家の実情も黄色種産地のいわゆる商業的農業を営んでおる地域に比較いたしますと、タバコ耕作に依存する程度が比較的大きいものと認められますが、その地域に対して減反を実施することは極力これを避けたいと考えておるのであります。これに対しましてバーレー種は昨年来海外輸出が急激に増加いたしまして、今後ある程度は引き続き輸出可能の見込みもございますので、大よそ七百町歩程度の増反を必要とする数量でございますが、このバーレー種の増反は、産地の構成もほぼ似通っておりますので、在来種の産地より転換により和してこれを補充することといたしまして、新規の増反を差し控える考えでございます。なお、今後われわれの心がまえといたしましては、でき縛る限り減反による農家への迷惑、支障を軽減いたしますために、一方においては国内製品たばこの販売の増進並びに海外葉タバコの輸出の増進に努めますとともに、明年以降の生産計画につきましては、明年度タバコの作柄あるいは製品たばこの販売、葉タバコの輸出状況等を勘案いたしまして、慎重検討を加えたいと考えておる次第でございます。
  43. 平林剛

    ○平林剛君 まだ減反の全貌についてはっきりいたしませんが、質問を続けます。あとで私の見解を申し上げるつもりでありますが、今のお答えで総括的なことはわかりましたが、私の調べたところでは黄色種の場合四万八千五百町歩、それの明年度一割減反をすることになりますと、四千八百五十町歩ぐらいに相なります。第一在来種、第二在来種、第三在来種、それぞれタバコ種類によって公示面積が異なっておりますけれども、それらの地域に対してはどういう割合の減反が行われるのか、これが第一にお答えを願いたいことであります。  それからそれにいたしましても、この減反の政策は明年度だけで終らしてしまうものか、それとも何年かに計画を立てて漸減をしていく方針であるのか、この点が明瞭でありません。これを第二にお答えを願いたいと思います。  第三には、たとえ葉タバコ種類にそれぞれの割合で減反が示されるにいたしましても、その要領はどういうふうにやるつもりでおるのか、たとえば耕作者といいましてもいろいろある。一町歩耕作している者もあれば五反の者もあれば、二反の者もある。これらの農家に対して一律に一割あるいは何分ということで減反をしていくのか、それとも一定以上の耕作面積を持つ農家に対して減反をするのか。あるいはごくわずかな耕作面積しか持たない者に対してこの際整理を行うのか、いろいろ方法はあると思います。その要領について御説明を願いたいのであります。これが第三。  第四が一体在来種にいたしましても黄色種にいたしましても全国に散布いたしております。全国的に栽培がされているわけです。地域別に差等をつけるつもりか。たとえば岡山県あるいは香川県等におきましては、黄色種の多く、しかも他の地方、特に鹿児島とか東北等に比べまして耕作者の経済的地位というものが差等があります。そこでこの減反についての重点をそれらの地方に向けるとなりますと、なかなかむずかしい問題が派生をしてきます。それも一つの考え方かもしれませんが、地域的にはなかなか専売公社も運営上むずかしい結果にならないとも限らない。そこで一体地域別に差を設けるのか、全般で目標に達するような減反をするのか、このことも明らかでありません。  大体今思いついたことを四つばかり並べましたが、それぞれについて専売公社は、この減反を行うに当って、どういう考え方を要領をもって実施されようとしているか。もう少し一つ説明をしていた、たきたいと思います。
  44. 西山祥二

    説明員西山祥二君) お尋ねの最初の在来種の減反の方法につきましては、当初御説明を申し落しましたが、在来種並びに黄色種を通じまして、従来の実績によりますれば耕作者が自己の都合、すなわち畑の病害発生の多少あるいは労力関係等からやむを得ず廃作をする者、あるいは面積を縮小する者が年々おおよそ三ないし四%現われておるのでございます。従いまして先ほど黄色棟につきましてはかりに一割程度の減反を目途とすると考えておると申し上げたのでありますが、この耕作者の自然減反を考慮いたしますと、実質的な減反は六%内外に達するものと予想いたしております。さらに在来種につきましてはおおよそ三%程度の自然減反、廃作をいたしておりますので、今回の減反計画におきましても、在来種は千五百五十五町歩ほどを縮小する必要がございますが、うち七百八十町歩程度はバーレー種への転換をいたしますので、残りの反別につきましてはおおよそ三%程度に相当し、これは農家の自然減反によっていわゆる強制的な減反をすることなく調整がはかられるものと考えております。  次に、将来の減反計画につきましては、先ほども申し述べましたごとく、明年度タバコの作柄並びに製品たばこの販売情勢、あるいは海外葉タバコの輸出の模様等を勘案いたしまして、あらためて検討いたしたいと考えておりますので、現在において的確な将来の計画は持ち合せておりません。  次に、減反の実行の方法についてでございますが、公社の立場から考えますれば、従来増反の際にやむを得ずわずかな反別を広い範囲に広げまして、それがためにいわゆる不経済産地を構成しておるところもあるのでございますが、減反のためにさような不経済産地を廃止し、あるいは経済化をはかるということは、農家に及ぼす迷惑を考えましてこの際全然考慮いたしておりません。また耕作面積の階層別に減反の程度を考慮するということも一案であろうかと考えますが、何分農家に及ぼす影響を考えました場合に、公社の一方的な見解によってこれを実施することは不適当であろうと考えますので、今後地方局の第一線におきまして、それぞれ関係耕作組合、あるいは耕作代表者と協議をいたしまして、最もその地域に適した方法をとらせることにいたしたいと考えております。また地域的に減反の程度を異にするかいなかという点につきましては、それぞれ理由のあることでございまして、一がいに地域的に差別を設けるということはきわめて困難でございますので、われわれといたしましては全国一律に縮小を求めたいと考えております。
  45. 平林剛

    ○平林剛君 大体専売公社の考えはわかりましたけれども、今日の実施されようとされている減反政策が、私は今御説明なさった以上に深刻な様相を帯びてくるものと判断をしておるわけです。なぜかといえば、今御説明のように、黄色種おいては一割であるが、自然減があるから六%程度にとどまるであろう、第一在来種あるいは範二、筋三在来種等におきましては、これまた自然減が毎年三%ないし四%あるから、実際の減反というのは三%程度にとどまろう、こういうお話でありますが、自然減というものをこまかく分析いたしてみますと、これはただそう耳に入るだけの自然減として取り扱うわけにいかないものがかなり多いということを私は考えなきゃいかぬと思う。特に去年から専売公社が新規耕作を認めないで自然減の方式をとられてきましたけれども、地方へ参りますというと、かなりそれでも農家経営にとっては手ごたえがある損害となっておるわけです。たとえば病害があった場合にいたしましても、これは本人が望んでやめるというのではなくて、災害の結果やめざるを得ないことになります。そういう意味では自然減の中にもし病害ということがありとすれば、その人の欲せざることで耕作を中止しなきゃならぬということになる、他のところに申請をいたしましてもそれを許可しないということになりますから、これはいわば強制的にやめさすということとあまり変らないことに相なっておるのであります。  それから労力の関係で自然減があるとお話がありましたが、これとても、たとえばそこの耕作の許可を申請しておった人がなくなられて、新たに今度は子供、あるいは妻の名儀で申請をいたそうといたしましても許可にならない。そうなると、おやじさんがなくなった、今度は妻、子供が新たにその家の経済を保つためにタバコ耕作を希望いたしましても許可されないということになりますと、その一家にとってはすなわち生活上の基盤を奪われたことになります。これがかなり多い。そうなりますと、自然減というものも今日の状態におきましては、やはり自然減と言葉通りに受け取れないことになるのではないか。実際のお調べがどうなっているかわかりませんが、私は地方へ出かけて参りまして直後そういう声を聞くことが多いのであります。そこでそうなると、自然増を勘案いたしましても、かなり膨大な耕作面積を失うことになりまして、全国の耕作者に与える経済上の損失というものはかなり大きい。  そこでその原因を今私一通りお聞きしたのでありますが、豊作の影響と言われます。しかし、私はこれを昭和二十八年九年、三十年、三十一年、三十二年、と歴年調べてみたのであります。ところが、たとえば昭和三十年のごときは、大体におい予定されておった葉タバコ生産目標が九千四百七十万四千キロであったのに対し、一億四千四百四十九万四千キロと約五割の増量になっている。昨年三十一年において同様に、予定されておった一億五百四十二万二千キロに対し、実収は一億四千二百六十一万、これも四割ぐらいの増収になっている。本年はどうかというと、これは見込みでありますが、予定の一億九百三十四万五千キロに対し、一億三千三百四十六万五千キロと三割に近い実収見込みになる。こう三年間続けて参りますと、いかに豊作が続いたからといって、やはりこの間においては専売公社は自分の予定に対しそれぞれの行政指導があったろうと思うのです。天候はどうすることもできないにいたしましても、今日約一割の減反を示さないような指導計画がこの中において立てられなかったかどうか。もしこの間におい専売公社の行政指導が今日の事態を予想して指導をされれば、いわゆる血を見ないで済んだのではないかということも言い得るわけです。そうだとすれば、単に豊作だけにこの責任がいくのではなくて、専売公社としても相当程度指導の責任に当ったものとしては考えなければならぬ事態にあると私は思うのです。そういう意味からいくと、今日おやりになろうとする減反だけで済まされないのじゃないだろうか。問題は国家にかわって専売公社がこの行政をあずかっておるわけであります。今日生産量が増大し、ストックが二億数千万キロになったからといって、直ちに多数の国民に影響を与えるような減反政策を実行することは、政治の面として見ていかがであろうか、責任として見た場合にどうだろうかということは、はっきり指摘できることだと思うのです。これは私は専売公社だけの責任を追及しようとは思いませんけれども、この際減反によらざる方法で処理することは全く考えられないものか。私はその点をお尋ねをしたいのであります。なぜかといえば、これは来年も豊作になるかどうか何人も保証できない。今日最近は台風でもってわれわれは悩んでおりますけれども、台風が葉タバコ生産のとても大事なときに来年はこないと保証できない。台風による損害をだれもはかることができないといたしますと、まあ三年豊作が珍しいことで、四年五年続かないということも言えませんけれども、やはりいざという場合のことも考えておかなければならぬ。それをことしは減反し、来年はまた計画が違ったからさらに増反をするなんということは大へんぶざまなことであり、無責任なことであり、農家経済を混乱させることになります。そういうことを考えるというと、明年減反を強行しないで、もう一年様子を見るということもあり得ることではないだろうか、私はそう考えるのであります。そうしてこれをもう少し時期をみて、二年なり、三年の情勢の中で、実質上血をみないで、専売公社の考えていることが解消できないだろうか、私はそう思うのであります。さらにこの理由を申し上げるといろいろありますけれども、一応私は専売公社の方で減反によらざる方式を考えたことがあるか。もちろん十分お考えの上だと思いますけれども、それならば、どういうことを考えられたかということを、この際明らかにしておいていただきたい。
  46. 西山祥二

    説明員西山祥二君) 第一のいわゆる自然減反の問題でありますが、これが原因につきましては、ただいまお話のような点が大部分であろうと考えます。そうして実はこの減反の問題は昨年すでにその必要を痛感いたしたのでございますが、何分突如として面積を縮小することは、産地に反ぼす影響が甚大でございますので、また引き続いて豊作が必ずくるものとも考えられませんので、昨年はいわゆる消極的な面積の規制にとどめまして、耕作の許可に当りまして、自己の都合によって廃作し、あるいは減反をいたした面積は、そのままこれを吸収して、他の新しい方面、あるいは増反希望の者に振り向けるということを抑制する程度にとどめたのでございます。これがために、御指摘のごとく、農家の個人ごとに考えますと、いろいろ無理や不満の点が出て参ります。従いまして、明年作につきましては、地方局に県別の耕作面積を示しました以後は、それぞれの現地におきまして、最も実情に即した方法によって、その面積の計画生産をはかるという方針にとどめたいと考えているのでございます。また減反計画がおくれました事情は、ただいま申し述べました理由でございますので、重ねて申し述べることを省略さしていただきますが、減反以外の方法として考えておりますことは、何と申しましても、製品たばこの販売数量を伸ばすことが、原料の消費を増すこととなり、減反を抑制する最も正当な道であると考えますので、部内におきましても、あるいは新製品の創製、あるいはまた将来いわゆるキング・サイズと称する大型のシガレットの製造も計画いたしまして、できる限り製品たばこの売り上げ増に努めている状況でございます。また原料葉タバコの海外輸出につきましては、従前もできる限りの努力をいたして参りましたが、いろいろの原因、事情のために、その成績はきわめて不振でありました。しかるに三十一年度におきましては、海外の葉タバコ需要状況が急変いたしました事情もあって、前年までに比べますと、飛躍的な輸出数量の増をみているのでございます。すなわち三十年度におきましては約八十三万キロの葉タバコでありましたものが、三十一年度におきましては、百六十万キロに達しているのであります。さらに今年度におきまして、四月以降七月までにすでに百十三万キロを輸出いたしまして、なお、今後の見込みといたしましては、年間約四百六十万キロ程度の海外輸出が可能であろうと考えているのでございます。今後あらゆる施策、努力を尽しまして、これら輸出の増進にも努め、かたがた葉タバコの消化によりまして、減反を最小限度に食いとめたいと考えているのがわれわれの現在の心がまえでございます。
  47. 平林剛

    ○平林剛君 私は今の専売公社の減反を最小限に食いとめたいという気持は了としますまれども、実際これが進展をした場合に、はなはだ重大な政治問題になるということはやはり頭に入れておいていただかなければならぬことだと思うのであります。特に専売事業の運営に当っても、当局者としてはもう少し真剣に考えてもらわなければならぬ、なぜかといえば、つい三、四年前は増反をするということで、末端の公社の職員はなかなかタバコを作らない農家に対して、できるだけこれを作らせようとして、苦心をして探し回った時代もあるのですよ。それが今日、二、三年豊作だからといって、今度はそれを削るなんていうことを、一人の職員が、また末端の機構が、どういう顔をしてできるかということを考えると、これは政治全般として十分考慮しなければならぬことです。専売事業の運営が末端において渋滞を来たすことになりますというと、税収その他わが国の専売事業に重大な影響を与えることにもなるわけです。だから単に現在のストック量の増大に驚いてしまって、いきなり血を見るというようなやり方をとるのは賢明ではないだろう、だからできるだけそのために公社も減反の率を少くする努力は私は了としますけれども、まだできないことはない、もっと減反によらない方法でできるのではないかという考えを私は持つのです。あなたよりは私専門家でありませんから、多少の食い違いがあるかもしれませんが、少くとも現在のストックが二億数千万キロあって、二十六カ月分だとこう言われますけれども、かつてアメリカの余剰農産物を受けて、黄色種の場合には三十六カ月分のストックをかかえたことがおありでしょう、専売公社の意思でないにしても……。政府は政策上必要があれば、三十六カ月分のストックをかかえた時代もあるのです。そういう意味からいえば、弱い者にしわ寄せして血を見るというやり方よりも、いま少しストックの増大にたえるやり方も、味は落ちるかもしれませんけれども、やるのが政治ではないか、特に専売公社の工場へ行ってごらんになればすぐわかる、先般大蔵委員が各地方工場を視察なさったときの状況を私聞きました。今専売公社の工場で、たるをこわして葉タバコの製造に使っておる材料がいつ生産をした葉タバコであるかということを調べてもらいたい、去年の葉タバコを使っています、ということになれば、あなたが二億五千万キロであって、そうしてそれが二十六カ月分であると言われますけれども、もっと前のやつをすでに使っているのですよ、ということになると、私は専売公社説明を疑うわけではありませんけれども、実際に調査した、現在使用しておるための生産期日と合わないという点で疑問を生じておるわけです。そういう意味では、これはもう少しストックをかかえる余力があるのではないか、その分だけ減反を減らすことができないかということは、当然考えられる帰結です。  それからもう一つ申し上げますが、昨年のように新規耕作を認めないといういわゆる自然減方式をなぜ取り入れないのか、私はこの自然減について先ほど指摘をいたしましたが、去年耕作者の代表はこれを了承したのでありますから、まあ自然減方式ならばやむを得ないとみられる人はかなりあるでしょう。今お話のように例年三%ないし四%の減反があるとすれば、二年計画、三年計画を立てれば一割に達するということになるわけですね。そうすれば、来年、再来年は台風がくるか、あるいは凶作か、あるいは冷害がくるか、はかり知れない段階においては、できるだけ弱い者をいじめないで解決する方法をもっと研究していただけないものかどうか、そういうことが私は言えると思うのであります。  それからもう一つ重大なことは、それなら専売公社は今年の外国葉の輸入についてどういうことをやるか。昭和三十年、三十一年度における葉タバコ輸入は、確かに前年度に比較しますとかなり減らした努力は認められますが、今年はどうするか。少くとも黄色種四万八千五百町歩の中で約一割、実質は六%にいたしましても、かなりの耕作面積を削るときにおいて、外国葉の輸入がどういうふうに考えられていくか。これはあなたの方の立場から言うと、ピースその他の材料にうまいものを入れなければたばこが売れないという理由はありましょう。しかし、今日の時限において、何も外国から高いタバコの葉を買って、そうしてうまいピースばかり吸うのが国民の考えではないと思います。耐乏生活、あるいは敗戦後の今日においては、やはりそういう国内産の優秀なものを作ってなるべく外国葉を抑制するという考えがほんとうの立場でなければならぬということからいけば、個々についてのうまいタバコを作るという考えからいくと、サービスの点ですが、全般からしてがまんをするという感じを打たせることも大事だし、そういう指導も政治としては必要になってくる。そういうことを考えますと、私は減反をしないでやっていける方法があるのじゃないかとこう思うのでありますが、もう一度一っ副総裁、あなたから私の見解についてお答えを願いたいと思うのであります。
  48. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 来年度減反を実施いたしたいと考えておりますことは、これは真にやむを得ざる措置でございまして、在庫の過剰等の点につきましては、先ほど来御説明申し上げているところでございますが、まあ公社といたしましても、できるだけこういうことはいたしたくない。純粋に経済的見地から見れば、あるいは今年度あたりもやっておらなければならなかったことかもしれませんけれども、それも諸般の事情を考えてこれをやらなかった。  それから、これは終戦直後以来若い葉を使いましてのんでもらっておったわけであります。のんでのめないこともないのでありますけれども、これを最大限度二年分というくらい、これ以上置いておいたならば非常に味が落ちる、そのぎりぎり一ぱいのところまで在庫も持とう。しかしこれ以上放置いたしますと何ともしかたがなくなる、こういう事情で減反ということを打ち出した次第でございます。一面国内販売につきましては、実は需要が一通り満たされまして、飛躍的な増加ということは望めないのでありますけれども、新製品の工夫とか、あるいは販売方法の改善とかというようなことで売上げを増大しょうとつとめております。葉タバコの輸出につきましても、今年度非常に見込みがございますので、これを端緒としてなおこれを伸ばしていきたいということももちろん考えておるのであります。  それから原料葉の輸入でありますけれども、今年度は最小限度にとどめる。これはすでにお話のありましたように、高級タバコの味つけ用に真に必要やむを得ざるものというものだけを輸入する計画でおります。まあこういったあらゆる努力を払い、あらゆる考慮をいたしました後、どうも減反はやむを得ないというところに追い詰められておるのでございます。減反と申しますけれども、あるいはこれは休反と申しますか、休作と申しますか、一つここで反別を減らしたいが、将来需要がどんどん起り、また耕作面積もふえることを希望もしている、そういう際には、今度やめられた分につきましては優先してその復活を認めるといったようなことでお報いしたいというようなことで考えておりまする次第でございますので、まあ減反自体の真にやむを得ないことは一つ御了承願いたいと存じます。
  49. 平林剛

    ○平林剛君 私が指摘した各条項について解明がされない限り、おそらく多数の耕作者はこれを了解はしないだろうと思います。また、その了解の上に立って減反をするのでなければ、専売公社に対する耕作者の考えというものも変ってくるでありましょう。同時に、この十一月までの間に新しく肥料も買わねばならぬ、麦まきの用意もせねばならぬということになる。二カ月間の間にもっとこの実情がわかって参りますというと、私は、専売公社の数学に基く計画で減反をするだけでなく、政治上の考慮を払わなければならぬ事態が必ず来ると思う。それほど深刻なものだと思うのでありまして、私が先ほど指摘したことについてはまた適当な機会にゆっくり解明をしていただくとして、納得の上において減反が進められるということを布望いたします。同時に、先ほど言われました輸出や消費量の増大によってある程度減反が防げるというお話もありまして、ではそれが一体どういうふうに減反を処理するために織り込まれておるかということについても、なお、検討する必要があるのではないか。特に専売公社もだいぶ販売の方式については苦心をなさっておるのでありますから、明年は販売数量の増大、消費量の増大ということもある程度予想せられるわけであります。そういうことも考えて、強制減反でない方法によってこれが実行に移されることを私は強く希望しておきます。  最後に一つだけお尋ねしておきますけれども、結論を得るまでに専売公社耕作者の意向を受け入れるためにどういう努力をされるか。私の希望は、今日たばこ専売法ができ上っておりませんために、先ほど江田委員が指摘をしたように、審議会答申の域を脱しない。しかも、これらについてしっかり話し合おうという機関も公式にはないわけであります。しかし、専売法を提出した精神というものは生きておるわけでありますから、そういう意味では、相当理論的にも、実情的にも、全般の耕作者が納得した形で行われることを希望いたしますけれども、公社としてはどういう努力を尽すつもりか、このお考えをお尋ねしておきたいと思う。これは責任者として副総裁からお答えをいただきたい。生産部長からもお答えがあればけっこうですけれども。
  50. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 減反の真にやむを得ない事情は先ほど来申し上げておる通りでございまして、これは資料等に基いても公社といたしまして十分御納得がいただけることと考えております。それで中央、地方を通じまして耕作者の方々にこの辺の事情を御説明して御了解を得ていきたいと思っております。
  51. 平林剛

    ○平林剛君 資料が整っておって納得できるものだというお話がありました。一つ私にもその資料を提出していただきたい。これは本委員会に一つ提出をしてもらって、十分今後重大な問題の起らないように納得のある行政を行なっていくためには、私ども検討いたしたいと思いますから、その納得ができるような資料をさっそく提出を願うようにお願いをいたします。
  52. 舟山正吉

    説明員舟山正吉君) 資料と申し上げましたのは、先ほど来生産部長からも申し上げております諸般の事情その他の計数でございます。特に公社だけが握っておるというような資料があるという意味ではございません。
  53. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  54. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をつけて。
  55. 江田三郎

    ○江田三郎君 今減反の問題で副総裁事もなげに皆さんから御納得してもらえると思いますというようなことを言っておられたのですけれども、これはなかなか平林君の言うようにそう簡単にいくものではないと思います。やはりあなた方がそういうことをあっさりお片づけになるというのは、従来の専売公社が権力を持った専売事業としてのいわば非民主的な運営をやられておったというところに、私どもは非常な問題があると思うのです。そうでないと、もう少し事態というものをお考えになれば、もっと深刻な問題で、いずれ関係者に御了解していただけるということじゃないと思うのでして、そういう点は平林君からいろいろありましたので、あとにも問題がありますので私くどく言いませんけれども、よほどこれは考え方を従来とは切りかえてもらわないと、特に私はせんだってたばこ問題の小委員会をこちらで開いたときに、監理官がお出でになりましたが、監理官あたりのおっしゃることを聞いていると、まるでこれは時代が違うのだというような、違った時代の人だというような印象を受けましたので、よほど頭を切りかえてやっていただかなければならぬということだけを注文をしておきます。
  56. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 塩の問題で一、二伺いますが、大体終戦後の塩の飢餓に困って、塩の増産をやったのだ。ところがなかなか増産ができなくて、多分おととしのこの委員会だと思いますが、増産対策どうしているのだというよううな問題も質問したと思うのです。ただいま伺うと、二、三年のうちには塩がもう余ってしまうのだ、食料塩が百十万トンしか要らないのに百四十何万トンかできて、食料塩は全部自給ができるのだ。余ったものは工業塩に持っていくのだというようなことで、数量的にはまことにけっこうなことですが、一番ここで考えなければならぬのは、日本の塩は高いですよ。どうしても今一万三千円している。外国の塩は大体五千五百円くらいで今来ているのじゃないかと思います。そういたしますと、なるほど食料塩は絶対必要品ではあるけれども、これは非常時のことなんで、ふだんから五千五百円の塩がじゃんじゃん入ってくる時世に、一万三千円の塩を全部使わせるということでは消費者が困る。従って食料塩を全部自給をするのだということを今、今後の方針としてということをおっしゃったのだが、食料塩は全部自給しなければならぬということは、安全からいえば全部自給しておけば非常にいいのでしょうが、しかし安い塩のかわりに高い内地塩をなめさせられるということになっては困る。一体そこいらの価格の問題をどうするのか。それからもう一つは内地塩といいますけれども、用途によっては外塩の方がいいものがあるのじゃないかと思います。ことに長い間外塩を使え使えといって使わせて、しょうゆ屋さん等では一部外塩を溶かすのに都合のいいような装置をしているところがある。あの装置は内地塩では使えないのではないかと思います。そういうことになると安くもあるし使いよくもあるしということになると、百十万トンの食料塩のうちのある部分はやはり依然として外塩で供給する方がむしろベターだということが技術的にも価格的にもあるのじゃないかと思う。それにもかかわらず、一切がっさい今生産量がふえているから、今後は百十万トンの食料塩は全部自給するのが今後の塩業対策の方針ですということだが、こういう今の値段の問題その他からいって、一体そういうふうなことについての一応の根本的な御見解を伺いたい。
  57. 三井武夫

    説明員三井武夫君) ただいま杉山先生からお尋ねがございました点は、塩の問題としては最も根本的な点だと思うのでありまして、私どもも非常にその点の検討をいたし、またいろいろと苦心をいたしておりますが、御承知のように従来公社が踏襲して参りました方針は、昭和二十五年に行われました閣議決定に基きまして、食料粗塩の全量国内で自給するという目標に対して全力をあげて努力をしてきたのでございまして、この二十五年当時の考え方の基本でやはりできるなれば食料用塩だけは国内全量を自給したい。それがまたよろしいのだ。しかしそれにはあまり輸入塩に比べて商い塩を供給するのではいけないので、塩の生産費もできるだけ下げなければいけない。そのためにはいろいろの援助方策も考えて塩業の合理化を行なって、そうして生産費の切り下げをやっていかなきゃならぬ。かような決定であったように私ども承知いたしております。この方針に基きまして、それ以来鋭意塩田改良あるいは煎熬方式改良を行いまして、先ほども御説明いたしましたように多額の補助金、国家資金をも投じまして、その点の援助をいたして参ったのでございます。ただいまお話しがありましたように、一昨年ごろはまだまだ全量自給できるというようなことは期待はできないというような状況で、何とかしてこの目標に到達したいということで努力をいたしておったのでありまするが、短く申せばこの一年間の間に状況が急激に変りましたのでありまして、先ほども申しましたような流下式転換の効果、これに組合せましたところの枝条架の効果というものがここ一年間ではっきりして参りました。従来は入浜式塩田生産量は全国平均いたしまして一ヘクタール当り百トンと言われておったのでありまするが、これを倍にできればもう大へんな成功であるというふうに舞えておったのでありまするが、それが最近の流下式塩田と枝条架の組合せによりますれば、放っておけばそれ以上の生産が十分できる、一年前は塩業者自身がそういうことは申しておらなかったのでありますが、今後は、この節では塩業者が二百五十トンは簡単でありますとか、あるいは三百トンも不可能じゃございませんとか、はなはだしい場合には三百五十トンはできますというような話を平気でするように、ほんとうにこの一年間の急激な変化というものが出て参ったのであります。それで先ほども葉タバコについて同じような議論ございましたけれども、私どもといたしましては、やはり内地の塩業を一方では保護してあげなければならないという点もございまするし、できますならば、内地の塩でもってこの二十五年の閣議決定通り食料塩はまかないたい。しかしそれには、ただいま申しましたように価格の問題がございますから、できるだけ価格を下げまして、安い塩を国内生産して、そうして国民に供給するのがよろしいのではないかというふうにただいまも考えておるのでございます。もちろん輸入塩も入れますれば、ただいまの場合でありますればさらにそれよりも安くなるということもございまするけれども、やはりわれわれといたしましては、内地の塩業保護という一方の見地からも申しまして、できるだけ内地の塩は安くするけれども、その安くした塩でもって全量をまかなうべきであるというふうに一応考えております。  それから品質の問題でありまするけれども、これは現状におきましては、お話のございましたように多年輸入塩になれておりまするので、業務用塩の一部の方面では内地塩でなしに輸入塩をほしい、輸入塩が使いよいのだということをただい兼でも申しております。しかしこの点は、内地塩の品質も着々と改良を加え、また需要によりましては、今まで生産しておらなかったような別の形の塩を生産するというようなことにつきましても、十分に研究を加えて参りますれば、これらの方面の需要にも応じ得るような塩を、現在は不可能でありましても、近い将来には必ず供給するようにいたし得るということで、その上は、食料に関する限り輸入塩によりませんで文字通り全量国内塩でまかなえるようにいたしたい。しかし、それまでの間は、やはり必要の最小限度は輸入をいたしまして一部の需要に充てることもやむを得ないというふうに考えておる次第でございます。
  58. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 今私の申し上げました内地塩と外塩との取り合せの問題で、まあおもな点は値段の同順、若干の技術上の問題があって、今お話しのように、技術上の点は何とかがまんしてもらうというようなこともあり、そのおもな値段の点が、今のお話によると、内地塩は全量供給してもそれは今後値段を下げるのだから、従って価格関係では外塩三分内地塩七分とか、内地塩入分外塩四分とかいうふうに供給している現在と変らないように、値段を下げるとこういうふうなことのようでありますが、それじゃあ結局、三十六年度全部を内地塩で供給するときの消費価格といいますか、これは大体現状よりはちっとも上らなくてもやれる。まあ品物によっては、品種間の権衡とかあるいは用途間の権衡であるとかという若干のでこぼこはあるとしても、大体消費者全体としての負担は今日とは大体変えないでやり得るということなのですか。
  59. 三井武夫

    説明員三井武夫君) ただいま御説明いたしましたように、内地塩の増産に伴いまして年々生産費が低下することが期待できますので、それに基きまして収納価格はできるだけ下げて参るという前提にわれわれとしては立ちまして、消費価格の方におきましては、国民に負担をこれ以上おかけするようなことのないようにいたさなければならぬというふうに考えて施策をいたしております。
  60. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 そういたしますと、大体今日の塩の値段を据え置きにするというと、専売公社の買入原価は、両方合わすとまあ一万円前後になるかと思います。外塩は五千五百円、内地塩は一万三千円。数量的に合せてみると一万円ぐらいの原価になっているのじゃないかと思います。そうしますと、三十六年全部を内地塩で供給するというときには、内地塩の買入原価を一万円にすると、生産価格一一万円だと、こういうことにしないと勘定が合わない。多少の半端はありましてもですよ。そうすると、現在の一万三千円の生産価格をここ三、三年のうちに一万円まで下げるのだというはっきりした見通しがなければ計算が出てこないのですが。あるいはそういう見通しがなければ計算が出てこないのですが。あるいはそういう見通しがあるのかないのか。それからそれ以上の、百十万トン以上のものは工業塩にもってくると、これは五千五百円。ですから百十万トンくらいまでは一万円です、百十万トンを越した分は五千五百円で買いますと、こういうことをいたしませんと消費者側は今日より重い負担になる。もし消費者側に負担をかけないということになると、塩専売の会計は赤字になるということをやらなければならないことになる。そこらの生産費をそこまで下げる見通しありやなしやの問題なんですが、これは非常にむずかしいので、ここらがあるいはさらにこの次の機会あたりに十分掘り下げてこれも伺いたいと思うのですが、大ざっぱでよろしゅうございますから、大体食料塩を自給するときには、生産価格一万円前後、それ以上のものは外塩価格の五千五百円前後、そういうことで次第に下げるだけの御見通しはあるでしょうかどうでしょうか。
  61. 三井武夫

    説明員三井武夫君) 大体ただいまお話の通りでありまして、私どもといたしましては、目標といたしましては、国内塩収納価格食料塩に関する限りは一万円以下にしたい。それから工業用塩につきましてば五千円前後のところに落ちつけたい。そうして食料用塩食料用塩として、工業用塩工業用塩として収支が償うようにいたし、従って塩会計全体の上におきましても収支が償うようにいたしたい。かように考えておる次第でございます。現在の塩業の状況をもとにいたしまして、いろいろとその生産費の今後の成り行きにつきまして検討いたしましても十分この点は可能であるというふうに考えておるんであります。しかし何分にもこの問題は相手の塩業者とも十分に意見を交換し協力をしてもらわなければならない問題でありまするので、今それらの問題につきましても、いろいろと塩業者折衝いたし検討を重ねておる段階でございます。
  62. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 大体ただいまの根本的なお考えはわかりましたが、最後の生産価格を二、三年のうちにそこまで下げ得るという見通しは、公社はそう思っておっても業者がなかなか——先ほどのタバコの反別減少と同じような非常にむずかしい問題であるかとも思いますので、本日は時間も大へんおくれていますししますので、それらの問題はさらに次の機会に詳細伺いたいと思いますが、まあ事によると、そういうようなことをするということになれば、塩田が少し余るということになって、いわゆる生産廃止ということまで手をつけなければ、とてもその切り回しがつかないということになるのじゃないか。そうすると、一体それは、現にまだ工事の途中にあってこれから金を使わなければならないという施設もあると思うのです。そういう施設をやらした方が将来のために得なのか。将来余るならそういう施設は今のうちにもうやめた方が得なのかということも一つの問題。それからまた現在ある塩田には相当今後改良しようと思っても、今お考えの一万円の生産価格ということまで生産費を下げ得ないようなところもありやせぬかと思う。それをどうするかというような問題、今の工事をやめさせるにしても今ある不良塩田を整理するにしても、これは人の職を奪うことになりますので、ただにぎりこぶしでやれるのだというわけにもいくまいと思う。そしてそれに対してどういう補償、どういう救済をするということも大きな問題になると思います。次の機会にそういう問題まで掘り下げたことを聞きたいと思いますので、そういうことについても一つ十分に御研究して、根本的なお考えとしてはまことにけっこうだと思いますが、円滑にやれるような一つ御努力を願いたいと思います。
  63. 江田三郎

    ○江田三郎君 今の問題、これは大へんな問題で、とにかく一万三千円の塩を将来の目標としては食用塩一万円、工業塩五千円以下にするのだ、おっしゃるように整理とかあるいは新規事業をどうするかとかいう問題も出てくる。これは非常に大きな問題で関心を持たざるを得んのですが、一体公社として業者との話はいつごろまでにつけるという目標でやっているのですか、それだけ一言。
  64. 三井武夫

    説明員三井武夫君) これは一日も早くと思って今連日やっているのです。
  65. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういうことなら、一日も早くというようなことなら、この際われわれとしても相当掘り下げた検討をやっておかなければいかんので、これが一カ月ぐらい先になるのだというなら、私はこの次の委員会でやったらいいと思いますけれども、もう一日も早くというような条件でこの問題と取つ組んでおられるなら、これは大きな問題ですから……。
  66. 三井武夫

    説明員三井武夫君) 公社の方では問題が問題でございますので一日も早くと思っておりますけれども、業者の方ではなかなかまだそれを受け入れる態勢になっておりませんので、その点で今いろいろと折衝を重ねているところでございます。
  67. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  68. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記を始めて。  他に御質疑がなければ、本件の質疑は本日はこの程度にとどめまして、午後一時半まで休憩いたします。    午後一時三分休憩    —————・—————    午後二時二十二分開会
  69. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 休息前に引き続き委員会を開きます。  この際、参考人についてお諮りをいたします。専売事業に関する件について参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。  なお、参考人の人選、出席を求める日時、出席要求手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。   —————————————
  72. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に租税及び金融等に関する調査のうち、金融問題に関する件を問題に供します。  この際、参考人に関しお諮りをいたします。本件に関し、国民金融公庫石渡副総裁中小企業金融公庫江崎理事商工組合中央金庫加藤理事の五名の御出席をお願いいたしたのでありますが、いずれも参考人として御意見を聴取することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。よってさように決しました。  それでは中小企業金融対策の実情等につきまして、三君より説明を聴取いたします。
  74. 石渡忠四郎

    参考人石渡忠四郎君) 国民金融公庫の現在金融引き締めの影響がどうなっておるかということをちょっと御説明申し上げます。  「最近の業務状況年度内貸出計画」というパンフレットをお配りいたしましたが、これの第一ページのところにございますが、三十二年度に入りまして、初めの第一四半期につきましては借入申込が特にふえたということはございませんでした。昨年度、三十一年度に比べますれば一〇%ふえておりまするが、大体一五%くらいの増加は毎年の自然増でございますので、節一四半期は影響がなかった。それから七月におきましては、借入申込七十八億円ございましたが、これはまあ昨年に比べれば二〇%多かった、この程度でしたら多少借入申込が少しよけいふえている。八月になりますと、六十六億円の申込がございましたが、これは昨年に比べると三一%ふえている。八月になりましてからは、かなりことに後半期におきまして、非常にふえてきたというふうな状態でございます。この下の方にございますが、第一四半期においては百二十九億円貸し出しいたしまして、昨年に比べると一七%増、七月は五十四億円貸して三五%増、八月は五十四億円貸して三八%増というふうな工合になっております。それで、この裏で第二枚目の紙の上の方にございますが、要するに当初の貸出計画——第一四半期は百二十九億円貸すつもりであったところが、計画通り百二十九億円貸した。それから第二四半期は当初の予定が百三十二億であったのが、その後変更増額になりまして百八十一億円貸す予定になっている、これは大体計画通りいく予定でございます。第三四半期は当初計画二百一億円のところが変更になりまして二百二十三億円貸す予定になった、これは相当不足する見込みである。それから第四四半期、当初の計画百三十一億円のところが、現行の計画では八十九億円になっている、これはかなりひどく不足するという見当になっております。  どのくらい資金の不足があるかということは、「本年度第三及第四四半期の貸付資金事情について」というのがございますが、要するに新しい資金を七十億円追加していただきたい。そうすれば、昨年に対して三割ぐらいよけい借入申込が——最低に押えても三割ふえる、貸出の方も最低三割ぐらいふえるようにしたい。そうするのにはどうするかと申しますと、昨年度第三四半期には百八十三億円貸しましたが、現在の計画では三百二十三億円でございますので、第三四半期に現在の状態では十五億円ぐらい不足する、それから第四四半期には、昨年は百十七億円貸したけれども、今年はせめて百五十二億円貸したい、現在の計画八十九億円では足りないので、六十三億円不足する、結局七十八億円ぐらいの金がほしい。それには追加資金が七十億円ぐらいほしい。これは十一月に臨時国会がございますれば、ぜひ七十億円ぐらいの補正をみていただきたい、こういうふうにお願いいたしたいのであります。要するに最低に押えても、現在のところ昨年より申込が三割ふえてくる、これから年末にかけて申込が非常にふえる、お客さんの需要が非常にふえるということは、これは三割どころではないと見当をつけておりますが、それは最低三割と認めても、なお相当不足するというふうな実情でございます。
  75. 江崎千準

    参考人(江崎千準君) 中小企業金融公庫の本年度に入りまして今日までの貸付の状況、特に金融引締措置がとられまして以降の公庫といたしましてとりました措置並びに今後の公庫といたしましての資金事情の見通し並びに公庫資金に対する需要関係等につきまして簡単に御説明申し上げます。詳細につきましてはお手元に配布いたしました「三十二年貸付計画の改訂経過と金融引締めの影響浸透に伴う今後の見透しについて」、こういうパンフレットがございますので、これをごらんいただきたいのでございまするが、私はごく要点を以下かいつまんで御説明申し上げたいと思います。  最初に五ページに、三十二年度改訂貸付計画という表がございまするので、これに基きまして御説明申し上げますると、三十二年度におきましては、当公庫といたしまして、当初年間四百十五億の貸付計画を年度の初めにおきまして立てたのでございます。ところがこの六月に、金融引き締め措置に伴いまする総合対策がとられることになりまして、その対策の一環と、いたしまして中小企業金融公庫につきましても、第四四半期の借り入れ分を、六月以降第二四半期及び第三四半期に繰り上げまして、貸付計画を改訂しようということになりまして、ここにございますような改訂計画を立てた次第でございます。第一四半期は、当初百二億の計画でございましたのを、六月に入りまして十九億ほどの増額をいたしまして、第一四半期全体といたしましては、百二十一億の貸付を実行いたした次第でございます。これがためには当初の借り入れ計画三十五億円を十億円増加いたしまして四十五億円の借り入れを認めていただいた次第でございます。第二四半期は、当初計画九十億円の貸付計画に対しまして四十五億円プラスいたしまして、百三十五億円の貸付計画を立てまして五割増しの大幅な増加の計画を立てた次第でございます。これがためには当初の私どもの借り入れ計画は五十六億円でございましたけれども、これを三十七億円増加いたしまして九十三億円借り入れることといたしました。その他回収金の増額等を足しまして、今日の見通しではこの百三十五億円の貸付計画は大体計画通りに実行できるものと考えております。  以上申し述べましたように、この六月以降九月までの間におきましては、特に政府資金の繰り上げと借り入れの措置をおとりいただきました結果、かなり大幅な貸付増の結果を見ることになったのでございまするが、これに対しまして公庫資金の需要関係はどのようなことであったかという点につきまして、以下簡単に申し述べたいと思います。  元へ戻りまして二ページになるのでございますが、今年度に入りましてから公庫資金の需要に対しまするところの資金の供給量の割合というものは、別表第一に示す通りに、まあ非常に低くなっておるということでございます。第一四半期の期の初めの資金需要は二百二十億円でございました。大体この数字は前年度の同期と比べてみますと四三%の増加になっておるということでございます。申し忘れましたが、ただいま御説明申し上げている数字は代理貸しの資金需要の数字でございます。直接貸付の数字につきましてはのちほど申し上げます。これに対しまして代理貸しに対する資金の供給は百十一億円でございましたので需要に対しまして五〇%充足という数字が出ておるわけでございます。第二四半期の期の初めに調べました資金の需要は二百六十八億円でございまして、この資金の需要は昨年の同期と比べて見ますと五六%の増加ということになっております。これを前期、すなわち三十二年度の第一四半期に比べて見ますと二二%の増加と、こういうことでございまして、二百六十八億円の需要に対しまして、供給いたしますところの資金は百十五億円でございまするので、充足率といたしましては四三%ということになっているわけでございます。第三四半期の資金の需要はどの程度でありまするかということは、今日のところまだ予想でございまするが、今日までの資金需要増加の傾向から考えまして、大体三百二十億円くらいの資金需要があるのではなかろうかというふうにまあ考えております。なお、第四四半期につきましては、二百二十五億円くらいの資金需要があるのではないかというふうに考えております。特にこの第三四半期につきましては年末を控えておりますので、かなり資金の需要は旺盛であろうというふうに考えておる次第でございます。これに対しましてどのような今後貸付の計画になっているかという点は、五ページの貸付計画の表に戻りまして御説明申し上げますると、第三四半期は当初百三十億円の貸付計画でございましたのでございまするが、総合対策のとられまするときに、借り入れの金額をさらに十億円ふやしていただきまして、さらに回収増等も見込みまして十六億円増加いたしまして、百四十六億円の貸付をする計画を今日立てているのでございます。ところが第四四半期は借り入れの当初予定されました五十七億円の、政府からの借り入れはすべて第三四半期以前におきまして繰り上げてお借りすることになりましたので、借り入れの計画は今日のところといたしましてはゼロでございまして、今日のところといたしましては第四四半期はもっぱら回収金の範囲内で貸付をせざるを得ないというような状況になっております。そういたしますると、大体四十億くらいの貸付ができるのではないかというふうに考えておるわけでございますが、以上御説明いたしましたような次第でございまして、改訂いたしました貸付計画によりますると、回収増等を含めまして大体四百四十二億円くらいの貸付ができるのではないかというふうに今日考えている次第でございます。  次に、直接貸付の資金需要の伸びにつきまして簡単に御説明いたしまするが、特に金融引き締め措置がとられましてから、公庫への直接の貸付の申し込みは、毎月二十億円を下らないところの申し込みをしていただいておるというような状況でございます。前年に比べますと約倍額の申し込みということになるのでございます。(「何ページですか」と呼ぶ者あり)これは三ページの中ごろでございます。今後も代理店からの面接貸付のあっせんでございますとか、あるいは下請企業から金繰りのために親企業によるところの貸付のあっせん等も加わってくると思いますので、直接貸しの申し込みはさらにますますふえるのではないかというふうに考えておるような次第でございます。  以上のような状況でございまして、当公庫といたしましては、今後第三四半期以降——先般総合対策によってとられました六十億円の繰り上げ措置によりまして、幸いにして六月以降九月までの間におきましては、かなり大幅な貸付の増加をすることができたのでございますが、第三四半期以降におきましては、十分な資金手当が今日までのところまだついていないというのが現状でございます。  そこで、公庫といたしましては、大体どの程度この資金需要に対しまして充足していったならばよかろうかということを大体考えましたのが、以下御説明いたしまするような案でございまして、十一ページにございまする「三十二年度貸付計画要望案」というのがございます。これは、第三四半期、ただいま御説明いたしました通りに、百四十六億円の計画でございます。内訳を申し上げますと、代理貸しが百二十六億円、直接貸しが二十億円というのでございまするが、これに、さらに二十五億円増加いたしまして、百七十一億円ぐらいの貸付をいたしたらどうかというふうに要望する次第でございます。この百七十一億円の内訳を申し上げますると、代理貸しに百五十一億円、直貸しに二十億円ということになるのでございまするが、大体さような貸付をいたしまするならば、さきに御説明いたしました第三四半期の資金の需要に対しまして、代理貸しにおきましては大体四八%程度の充足ができるのではないかというふうに考えます。特に、第三四半期は、年末を控えておりますし、また、先般でございました西九州なり、愛知、岐阜あたりの水害もございまして、当初考えなかったような資金需要も出ておるような次第でございます。第四四半期につきましては、ここにございますように、四十億円、代理貸し二十億円、直貸し二十億円というこの計画をさらに改訂いたしまして、七十五億円プラスいたしまして、百十五億円の貸付計画にいたしましたらどうであろうかというふうに考えておるわけでございます。内訳といたしましては、代理貸しが九十五億円、嵐貸しが二十億円ということでございまして、さようにいたしますれば、さきに御説明いたしました第四四半期の資金の需要予想といたしまして、二百二十五億円ぐらいあるのに対しまして、九十五億円の代理貸しの資金の供給といたしまして、四二%ぐらいの充足になるというふうな結果になるわけでございまして、年間を通じまして、結局、当公庫といたしましては、百億円の借り入れの増をお認めいただけるならば、はなはだ幸いであるというふうに考えた次第でございます。  公庫といたしましては、借り入れの限度は、当初の予算総則でおきめいただいておるわけでございまして、本年度におきましては、二百億という限度が当初からきめられております。ぜひこの二百億円という借入限度を補正していただきまして、増額していただきまして、特に、ただいま御説明いたしましたような、第三四半期以降の資金需要に対しまして、適切な貸付計画の改訂ができますように御措置あらんことをお願い申し上げる次第でございます。  つけ加えて申し上げまするが、もう一冊の配付資料の「金融引締の中小企業への影響」という冊子がございます。これは、詳細につきましてはごらんいただくことにいたしまして、簡単に御説明だけ申し上げますると、私どもの代理店の店舗に対しまして、七月二十五日に、取扱店舖千三百二十六店に対しまして、金融引き締めの中小企業への影響につきましてアンケート調査をいたしました。八月の半ばまでに回答がまとまりましたので、そのようなふうにまとめてみた次第でございまするけれども、その結論の概要を申しますると、金融引き締めの影響はかなり出ておるのでございまして、特に、大都市におきまして強く現われておるのでございまするが、今後さらにこれがその他の地方までも浸透して行くのであろうということになっております。そのような事情でございまするので、中小公庫の資金需要は非常にふえるであろうという結果になっております。特に、長期逆転資金の需要が非常にふえるであろうというのがこの調査の結果及びあらましの数字でございます。詳細につきましては、ごらんいただきましたら非常に幸いと存ずる次第でございます。  以上、はなはだ簡単でございまするが、私の方の資金事情を述べまして今後のお願いを申し上げる次第でございます。
  76. 加藤八郎

    参考人(加藤八郎君) 商工中金の事情を申し上げましていろいろお願いを申し上げたいと存じます。お手元昭和三十二年度の資金計画の修正要望案というのと、それを四半期別に分けました一枚の紙と二枚を差し上げてございますが、この内容を説明申し上げる前に、ごく簡単に最近の商工中金に対する資金の需要状況を申し上げてみたいと思います。  金融引き締めが行われましてから、中小企業者が、一般の金融機関からいろいろ選別融資の強化によりまして締め出しを受ける、あるいは商社等からいろいろめんどうをみてもらっておりまして、金融が、商社のほうが苦しくなって、中小企業の方にそのめんどうをみれなくなるというのもあるようでございますし、一番大きいのは、何と申しましても、中小企業は下請関係の仕事が多いのでございますので、親企業の支払条件がだんだん、悪くなってくるというようなことで、手持ちの手形が非常に多くなって、しかも、それが資金化できないというところに非常に悩みがあるようでございます。そういう手形をどうしたら資金化できるかというので、商工中金にそれを持ち込むというのが非常に多いのでございまして、そんな関係で、中金の貸し出しは、設備資金といったようなものは急激に減っておりまして、最近のあれは、手形の決済というような、非常に緊急な短期資金が多いのでございます。それで、この六月から八月までの貸し出しの実績をとってみますると、四百九十億ほどになっておりまして、昨年は四百五億でございましたので、大体二割五分程度の増加であります。これは実績でございますが、需要の方はまだまだ多いのでございまして毎月各支店から、その翌月の貸し出ししたいという見込みをとってみますると、四十億前後の貸し出しの増加、残高の増でございますが、四十億ほど増加してくるのでございます。それに対する資金が大体十億から三十億というような間で手当できるのでございまするので、その手当以外のものは貸し出しに応じられないというようなことで、各支店に対する資金の配分もずっと減らしておるのでございます。こんなような状況でございまして、今後第三四半期——最も資金の需要の多い第三四半期に向いまして、今後いろいろと政府の力からお助けをいただかなければとうていこせないというような実情でございますので、資金計画を申し上げていろいろお願い申し上げたいと存じます。  それでお手元に差し上げてございまする表をごらんいただきたいのでございますが、半ぺらの紙の方で申し上げます。この一番左の当初計画と申しますのは、最初に、年度初めに立てました計画でございます。これは出資金の方で申しますと二十億円、これは政府から今回産業投資特例会計から十五億円の増資をいただきましたので、それと組合の方も歩調をあわせて五億円を増資しよう、こういうことでありまして、二十億円を計上したのでございます。  債券でございますが、八十億円を予定いたしまして、そのうち利付債券は資金運用部二十億、これは年度初めに財政投融資計画が政府の方で二十億円を計上していただきましたので、それをここに載せましたのでございます。そして五十億円を市中でこれを消化するということで、五十億円をここに市中の消化として載せまして、あと割引債券は市中で十億ということで合計八十億の債券の増加、これは発行額でございませんで純増額でございます。八十億円の純増を予定したのでございます。  預金は二十四億円。借入金は三十億円の減少、そしてその他と申しますのは、これは利益金その他でございますが、こういうようなことで出資金の二十億円、債券の八十億円、それから預金その他で三十億円、これを合計いたしますると百三十億円になるのでございますが、借入金を三十億円返すということにいたしましたので、この返すということは、昨年の年末に資金需要が非常に多うございましたので、農林中金から六十億円を拝借したのでございます。それを三月の年度末までに二十七億お返しいたしましたけれども、年度末に三十三億残りましたのであります。これは臨時的に短期の資金を借りたのでございますので、どうしても返さなければならないというのでこれだけお返ししたのでございます。でございまするから、このことを別な表現で申しますならば、昨年が非常に資金の需要が多かったために本年の資金に三十億円食い込んだということになるのかと思うのでございます。そういうことで当初百億の固有資金の貸し出しということを計画いたしました。  それから公庫の代理貸しでございますが、その下に書いてございますような本年度から代理貸しを大幅にやらしていただくことになりまして、二十五億円のワクをちょうだいしたのでございます。でございますから、固有の貸し出しと公庫の代理貸しを合計いたしますると、百二十五億円というのが中金の貸し出しの計画であったのでございます。  それに対しまして修正案とございますのは、これはお願いを申し上げたい案なのでございます。出資金につきましては異同ございませんし、預金、借入金についても特に大きな異同はありませんので、おもに債券について申し上げる次第でございますが、利付債券の金額を四十五億円お願い申し上げたい。それから割引商工債券の引き受けを五十五億円お願い申し上げたいと、かように考えるのでございまして、これを合計いたしますると、資金運用部にお願いいたします利付債券の四十五億、割引商工債券の五十五億、合計百億ということになるのでございます。でございますが、当初の資金運用部の二十億の計画の後に先般六月十九日のいわゆる総合対策といわれております中に、商工中金に対しましてさらに二十億の債券の引き受けを増加していただきましたので、結局合計いたしますと四十億円を資金運用部においてお引き受け下さることになっております。さようでございますから百億との差額は六十億、すなわち今後六十億円をお引き受けいただきたいと、追加していただきたいと、これが私たちのお願いする根幹なのでございます。一方市中消化といたしまして五十億円を予定いたしました債券の消化が、金融引き締めのために引き受け銀行の方の手元が苦しくなりまして、予定通りの消化がなかなか困難になりましたので、それをやはり考慮いたしますと、五十億ほど発行いたしまして三十五億ほどの消化しか見込めないような状況になって参ったのでございます。そんなことで一方をふやしてもらいましても、市中の消化の方が減少するというようなことで、結局貸出資金の合計といたしましては群六十五億円を計上できる、かように考えておるのでございます。この四十億円を資金運用部においてお引き受け下さることになりましたが、さらにその使用の期間につきましても、なるべく繰り上げて使うことをお認めいただきまして、すでに九月までに利付債券において二十一億円、それから特に割引債券、これは従来お引き受けいただけなかったのでございますが、八月、九月の両月五億ずつ、合計十億円というものをお引き受けいただきまして三十一億円をすでにお約束いただいておるのでございます。従って十月以降に残りますのは結局四十億から三十一億を引きました九億でございまして、この九億で十月以降の資金をまかなうということは非常に困難でございます。もちろん大蔵省の方におかれましても、この資金がなくなったらあとをまた考えてやろうと、ただその状況を見てからというようなことでお話を承わっておるのでございますが、今後われわれといたしましては、年末金融としてどうしても第三四半期に、長い表にございますように、貸し出しの純増百三十億程度を見込まなければならぬと思うのでございます。百三十億と申しまする金額は、昨年の第三四半期の百二十三億から考えますると、まあそう大きな金額でももちろんございません。それでこれをまかなうために一つ第三四半期に大幅な資金運用部の資金をお願い申し上げたい。それでこの長い表にございますように、利付債券におきまして十二億、割引債券において四十五億、合計いたしまして五十七億円を第三四半期に一つ重点的にお願い申し上げたいというのがお願いの一つのおもな点でございます。かようにしていただきますれば年間において百六十五億の貸し出しができょう。昨年は一年間に百三十五億円の貸し出しの増加でありましたが、本年百六十五億円を一つめんどうみていただきたい、かようにお願い申し上げます。  なお、災害対策におきまして、代理貸付の方も十五億円だけ増加いただきまして、結局代理貸付の合計は四十億円になったのでございます。従いましてその修正案通りにお認めいただけるということになりますると、固有資金で百六十五億、中小企業金融公庫の代理貸しで四十億、合計いたしまして二百五億の貸出増ということになろうかと存じます。何とぞ第三四半期、第四四半期につきましても以上お願い申し上げたような金額を資金運用部においてめんどうを見ていただきたいというのが私のお願いの筋でございます。
  77. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 引き続き参考人及び政府当局について質疑を行います。政府側からは大蔵省より大月財務調査官、中小企業庁より今井振興部長が見えております。
  78. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 きょうは銀行局長はおいでになりますか。
  79. 大月高

    説明員(大月高君) 私が代理で出ております。
  80. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 先ほどから三者からいろいろ御意見を伺ったのですが、いずれも政府の決断を当委員会として要請しなきゃならぬ内容のものが参考人の御意見であったように思うのです。従ってこれは銀行局長なり大蔵大臣なりおいでの際にお話するのが適当かとは思うのですが、国民金融公庫の方をちょっとお尋ねいたしますが、地方でいろいろ話を伺いますのに、あなたの方に借り入れをお願いしてもなかなかその調査などが非常に時間をとって緊急の間に合わないという不平の声を至るところで聞くのですがね。ですから、この三四半期以後の御計画について何か七十億ばかりこれは資金量を拡大してもらいたいというお話なのですが、これは実際に逆転資金、手形割引等の緊急を要するものが多いのが現在の中小企業の現状でありますから、もう少し敏速な事務処理ができますれば、もっと私は需要というものは増大するに違いないと思うのです。このことは中小企業金融公庫の方についてもこれは言えることなのでありますが、どうなのですか、そういう逼迫した金融事情というものに対して現在の機構のままで対処できる自信があるのでございますか。
  81. 石渡忠四郎

    参考人石渡忠四郎君) 国民金融公庫の借り入れ申し込みから貸付までの期間が長いということ、これは実際申しわけなく、従来いろいろ御批判いただいておるところでございますが、一番の原因は、金がないために貸り入れ申し込みを受付して貸付通知をなかなか出せなかったのです、従来。で、償還金が入ってからそれと見合って貸付通知を出しておるものですから、それで非常におそくなるという部面も相当あったのです。毎年年末には資金を相当よけい出していただいておりますので、年末においては二週間ぐらいで貸し出しいたしております。年末においてはお金をいただいているので、割に早くやっております。お金がないもので従来は通知が出せなかった。そのために通知を出せないものですから、係もゆっくりやっていたということもございますが、要するに人手、旅費いろいろございますけれども、一番の問題は資金でございます。資金さえあればもっともっと早くできるわけでございます。
  82. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 先般も北九州の方へ当委員会から視察に参りました際にも、例のあの遺家族の年金の証書を担保として貸付の業務をお宅でやっておられる。ところがなかなかそれが間に合わぬものだから、とっさの利用ができないというので、各地で何か労働金庫がその業務を、あなたの方で当然おやりになるべき業務をやっておるというのを二、三北九州で伺ったのですが、貸し付けてあるものを回収しそれを資金として次の貸付を考える、こういうことでは現在の中小企業の状態からいいますと、なかなか予定されておる回収というようなことも漸次おくれてくることは、これはもう必至であります。そういう際に、これからの三四半期、四四半期の資金計画として七十億の追加補正を臨時国会でもやってもらいたいということなんですが、この程度で二カ月も三カ月もかかるようなことのない資金というものはいいというお考えなんですか、これは。
  83. 石渡忠四郎

    参考人石渡忠四郎君) 先ほど私が申し上げましたのは、これは普通貸付の中小企業者に対する事業資金の貸し出しについて申し上げたわけでございますが、今のお話承わりますと、恩給担保の借り入れ申し込みについてのことと存じます。大体今恩給が全国で一千億払われるわけでございますが、恩給担保の金融をやるとすれば、最低どうしても二割、二百億の資金を持っていなければ恩給担保金融をやりますという看板が本来上らないはずなんでございますが、現在としては大体六十億の資金で恩給担保の金融をやっておるのでございます。それで恩給担保の少くとも二百億要るところへ六十億でやっておりますので、これは実際とても今のところでは何ともお恥かしい次第でございますが、将来そっちの方のお金も十分ふやして——もちろん人手もありますけれども——お金も十分ふやしていただきますればできるのです。金融機関にお金のないくらい役に立たない、情ないことはないのでございまして、どうか一つそこを御了察願いたいと思います。
  84. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 その窮状をよく洞察して当委員会の審議を将来進めなければいかぬと思うのですが、中小企業金融公庫さんの方も、支店があるところはいいですけれども、そうでないところは市中銀行に貸付業務などの代理をやらしておいでになる。ためにその代理業務をやっておる金融機関のいいお得意さんの方へ土盛りをされる。こういうことではせっかく中小企業金融公庫を設立した目的から貸し出しが逸脱しておる、こういう評判を聞くのです。こういう点について何か改善策をお考えになっておりますか。
  85. 江崎千準

    参考人(江崎千準君) ただいまの椿委員の御質問は、中小企業金融公庫の資金がほんとうに公庫資金としてほしい部面に十分流れていないではないかという趣旨の御質問であろうと思います。私どもの方の貸付は、御承知の通り代理貸しが大部分でございまして、今年度におきましても八九%までは代理貸しになって貸付をいたしておるというふうに考えております。代理店におきましては、今田の状況といたしまして、長期の金はなかなか貸し出しにくい状況でございます。長期の、特に設備資金なりあるいは長期の運転資金につきましては、公庫資金の方へたよるということになりまするので、その意味におきましては私どもは補完的な金融機関としての職能を果しておるというふうに考えるわけでございます。ただ先般石渡副総裁からお話のございましたように、私どもは各代理店に毎四半期ワクを通知いたしまして、そのワクの範囲内におきまして公庫資金の申し込みのありましたお客さんを取り上げていただいておるわけでございますが、石渡副総裁からお話がございましたような事情が当公庫にもあるのでございまして、申し込みをいたしまして、割当てられたワクは約三分の一程度であるというような事情に今日のところなっておる次第でございます。勢い代理店といたしましては比較的いいところのお客さんを先へ取り上げていく、特に代理店は八割の保証責任を当公庫に対しまして負います関係もございまして、さような傾向にあるのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。そこでそれでは公庫のできました趣旨からいいまして、ほんとうに市中金融機関から借りられない方々に貸すという趣旨が速成できていないのではないかという御意見もございまして、各地に支店を設けまして直接貸付を始めることにいたしまして、本年第三年目に相当するのでございますが、東京を含めまして九カ所の支店を持ちまして、大体今年度七十億くらいの直接貸付を実行いたしたいというふうに考えております。年度当初におきましては六十億円という計画でございましたけれども、大体七十億円くらいの貸付は資金の裏付けさえございまするならば、本年度できるのではないかというふうに考えるのでございます。ただそれにいたしましても地域的な制限もございます。また私どもの事務能力といたしましても制限がございまして、今日までの貸付の実際の実績を申し上げ益すると、直接貸付で取扱いまするところの貸付は、比較的中小企業者のうちで中以上の大口の申し込みを取扱うということになっておりまして、最近におきまする統計を見ましても、直接貸付の一件当り平均貸付の金額は、本年度におきましては七百四十一万円という数字でございます。七月にはこの金額が上りまして八百二十万円という数字になっております。比較的大口の方々の直接申し込みにつきまして処理をしておるというのが現状でございます。特に中小企業者のうちで中以下の方々に対しましては私どもの支店の状況並びに機構から考えまして、主として代理貸でお取扱いいただくというふうに考えまして、代理貸しの方で特に百万円以下の申し込みは小口貸付というふうな特別の簡易な貸付の制度も設けまして、比較的簡単に迅速に貸し出しをいたすような措置を昨年度からとっておる次第でございます。従って公庫全体の貸付金額といたしましては平均いたしまして本年度は二百三十六万円というのが現状でございます。そこでただいま御説明いたしましたような現状でございますけれども、中小公庫の支店をもう少しふやしまして、各地で直接貸付をもう少し拡大したらどうかという御意見が実は以前からあるのでございますけれども、私どもの方の事務能力もございますので、今年の五月からの商工中金さんにお願いいたしまして、ただいま加藤理事からも御説明がございましたような本年度四十億の資金を商工中金さんの本所並びに各支所におきまして、組合員でない方々に対しましてもお取扱いいただくという道を開きまして、できるだけ広く公庫資金を御利用いただくような制度を実は考えたのでございます。ただ今日までの状況といたしましては、ただいま石渡副総裁からもお話がございましたような資金量の足りないという制約面が代理貸しにはあるわけでございまして、この点はただいま配付いたしました資料の中で、六ページに若干その状況説明しておきましたのでございまするが、私どもといたしましては、大体資金繰りもございまするので、各四半期の貸付の資金を毎月月割りにいたしまして、その月割りの資金の範囲内で代理貸しの資金を流すような措置を実は講じておるのでございますが、第二四半期の実情から申しますると、すでに七月末現在で第二四半期のワクの約半分の四三・五%というものが各代理店から私どもの方の本店並びに支店に計数が現実に出ておって、早く資金を送ってくれというような御催促をいただいておるような状況でございます。八月十日現在で代理店からの増しワクの希望は、八十二億円に達しておるというような状況でございまして、その辺の数字を十五ページの別表第三に七月末現在におきまする貸付ワクの消化額、消化率というものの数字を並べまして、代理貸しにおきまするところの資金の需要が非常に急であるというところ々御説明いたしました次第でございます。資金量の増加に伴いまして、さような面はできるだけ改善していきたいというふうに考えますと同時に、ただいま椿委員から御指摘がございました、特に市中銀行から借りにくいという中小企業者に重点を置いて貸付を行なっていけという御意見に対しましては、今後直接貸付というものをできるだけ拡大するなり、もしくは店舗を設けられない地域におきましては、商工中金さんにお願いいたしまして、私どもの直接貸付と同じような趣旨におきまして、これを運用していただくというような方法によりまして、逐次改善していきたいというふうに考えております。
  86. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 金融公庫の方も非常な御努力の跡が見えるのでありますけれども、今の代理貸しの面ですね、零細な金融需要の方面に、中小企業金融公庫設立の目的である一番こういう層を、少額の需要を満たしていくというのがこの法の趣旨でもありますし、この努力がされておるのですけれども、なお、地方でそういうことをしばしば聞きますので、十分一つ御努力をいただきたいとお願いをいたしておきます。  これは大蔵省の方にお尋ねをするわけですが、今三参考人から中小企業の金融の逼迫の状況について御説明がありましたが、いずれもこれは財政資金の一部を重要な資金源としてこの金融業務をやっておられるわけでありますが、先ほどから指摘いたしますような欠陥がそれぞれの機関にございます。ですからほんとうの中小企業の金融逼迫の状況というものは、もっと、もっと深刻なものだというふうにお考えをいただかなければ私はならぬと思うのであります。盛んに政府はこういう方面への金融ワクの増額等を宣伝しておいでになるのでありますけれども、一こうにその実効が上っていない。これからお考えになるのだろうとは思いますけれども、これは非常に緊急を要すると私は思います。従いまして、当面政府がお考えになっておる中小企業への金融の緊急対策、倒産しております。至るところで倒産をしなくとも、倒産の寸前にある。従業員への賃金の遅払い等が起っております。こういうことを放置しておきますことは、ますます社会不安をこれは増大することでありますから、よほど緊急な対策を必要とすると思うのですが、政府の御見解を一つこの機会に承わりたいと思います。
  87. 大月高

    説明員(大月高君) ただいま三公庫の方からお話がございましたが、ただいままでに総合対策として政府がとって参りました中小金融の対策といたしましては、総額百五十億の資金の繰り上げ使用及び増額と、三百億円のワクによる信用保証協会の保証による中小貸し出し該当分の金融債の賢い上げ、資金運用部資金による金融債の買い上げ、これだけの措置でございます。具体的には国民金融公庫及び中小企業金融公庫におきましては、第四四半期に貸し出しを決定いたしております分から百三十億円を、第二四半期までを主にいたしまして繰り上げるという方針をとっております。その計画に基きまして、ただいままで貸し出しをやってきておるわけでございまして、ただいままでのお話も、今までの資金需要として非常に困っておるというお話ではなくして、こういうような繰り上げを実行いたしました結果、第四四半期の当初の計画から見まして、資金が非常に減っておりますので、今後何らかの増額の措置がなければ非常にむずかしいことになると、こういうお話だと思います。それから商工中金の力につきましては、当初政府から十五億を出資いたしますと同時に、金融債の資金運用部資金による引き受けを二十億予定いたしておりましたが、総合対策といたしまして、資金運用部の引き受けのワクを二十億増額いたしましたので、従いまして、先ほどの国民金融公庫と中小企業金融公庫の繰り上げ分百三十億と、それからただいま申し上げました商工中金の金融債の引き受けの増加二十億、これだけ合わせまして、少くとも第三四半期までに約百五十億だけの増加の資金がすでに流れる態勢になっておるわけでございます。それから二百億の金融債買い上げの問題につきましては、地方銀行、都市銀行、それから信用金庫、相互銀行、これを中心といたしまして、信用保証協会の保証による中小企業貸し出しをいたしました場合、それの該当の金額に相当する金融債を資金運用部で買い上げてやるという措置を決定いたしまして、現在実行中でございます。これはいつまでということはございませんが、おおむね本年末、十二月末ごろまでにこの措置は実行されるであろう、こういうように考えておるわけでございます。こういうような政府のとっております政府関係の中小金融機関の資金措置につきましては、大体今のところこの程度で対策としては支障なく実行されておると存じております。  今後の問題につきましては、今まで皆さんからお話がございましたようなことでございますので、このままではいけないのであろうということは考えておりますが、金額の具体的な問題、あるいはいつどうするかというような問題については、まだ時間的な余裕もございますし、十分検討して、資金需要の見通し、あるいは資金源の問題、そういうものをかみ合せて十分検討いたしたい、こういうように考えております。
  88. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 五月に公定歩合の引き上げが行われ、六月に金融の引き、締めが具体化いたしましてから、大阪ではコスモス・テレビというのが七月に不渡りを出してつぶれておる。八月には名古屋ではシルバーとかいうのがつぶれております。これなどは弱電関係の特徴だろうとは思うのですけれども、三菱、東芝、松下、日立、こういう一流メーカーが、電気洗濯機やラジオ、テレビなどの月賦販売を始めた。ところが金融機脚のあと押しがないものですから、それが原因となって、大体今回の倒産の原因をなしておるというふうに考えますと、金融の引き締めによる中小企業への実際上の影響は今後に現われるのであるというふうな、のんきな考えでは、私はその措置を政府は誤まることになると思うのです。そういう例が繁るところに今起っておるのです。ですから私は、三公庫の方面には財政資金を三百五十億だけ出して、そうしてこの範囲内でまかなえるだろうというような、のんきなことじゃなくて、もっと英断的な善処を望みたいと思うのですけれども、市中銀行の、あるいは全国の地方銀行の中小企業への融資ワクというふうなものを政府としてもお考えになって、行政指導などを行われる必要があるように思うのです。ただいま数字をつまびらかにいたしませんが、大きな銀行で、自分の会社の資本金を上回るような——準備金を含めてなお上回るような集中貸付を至るところでやっておる。こういうことを放置しておきますことは、預金者に対しても私は不安を持たせることにもなると思いますので、こういう市中銀行なり全国銀行の特定企業への集中融資を制限をして、そうして危機に当面しておる中小企業への金融ワクの拡大をはかっていく行政措置が必要じゃないかと私は思うのですが、こういう点について大蔵省はどういうお考えでございますか。
  89. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 関連して私からもお尋ねしておきたいのですが、先ほど大月調査官から説明がありました資金運用部資金をもって信用保証つき融資関係の金融債買い上げ二百億をするということでありましたが、巷間伝うるところによると、遅々として進んでおらぬというふうに言われておるのでありますが二百億予定しておる、そのうち、どの程度すでに買い上げられておるか、この点を明白にしていただきたいと思います。
  90. 大月高

    説明員(大月高君) 今回の金融引締めから総合対策に移りまして、相当金融はむずかしい状態になっており、非常に倒産もふえておるので、十分注意しなきゃいかぬというお話でありました。われわれといたしましても、今般の総合対策が、国際収支を改善するという大きな目的のためにやっております。そういたしますと、どうしても国内産業に対しては、従来三十一年度ごろより伸びております状況に比較いたしますと、相当無理が入るであろうということは当然、政策として予想されるところでございます。結局、国際収支が改善される、そういう度合いと、国内産業がどの程度つらいところへいくであろうか、発展のテンポがスロー・ダウンするに伴って、従来のように調子よくいかなくなる。そのいかなくなる程度との結局かね合いであろうと考えておるわけでありますが、そういう意味で、金融の面におきましても、どういうような現象が起こっておるかということにつきましては、毎日非常に細心に注意しておるつもりでございます。先ほどテレビのお話もございましたが、大体今度の総合対策を実行いたしましてから、産業面として、比較的金融的にむずかしい状況になっておる業界を考えてみますと、大体繊維が第一であろうと思いますし、その次に商社関係が相当影響がある。それから今お話のございました弱電関係にも相当影響があると思いますが、これはむしろ、われわれの見ておりますところでは、金融が非常につまったという問題よりも、業界における設備の増設が多過ぎたとか、あるいは競争が非常に激しい、そういうような現象がおもなんではあるまいか、こういうふうに考えておるわけでございます。テレビの具体的な問題につきましても、三十二年、今年の一月から六月までの生産が、台数が四万五千台という数字になっております。それに対しまして、出荷は四万四千九十三台、こういう数字でございます。昨年に比べまして、この数字は大体三七%ばかりふえておるわけでございます。そういう意味で、それと同じような数字をとってみますと、ラジオでも大体六七%ばかりは去年一—六に比べて、今年の一—六はふえておる。そうすると絶対数におきましては、それが消費の面でふえておるわけでございます。全体の状態としては、作ったものが大体売れていっておるわけでございますが、何分こういうように進歩の早い業界でございまして、強いところと弱いところというもので相当格差が——技術上の問題もあると思いますが、格差が出てきて、そういう現象がきておるのではあるまいか。むしろ黒字倒産というようなことが港間にいわれますが、企業として健全であり、収益を上げておって、金融がつまったために倒れておるということは、われわれの見ておる限りないと考えております。いろいろ倒産もございますけれども、それぞれ原因がございまして、過去の傷を負っておったものがこの際出てきておるというような状態が多いように考えておるわけでございます。そうして、こういうような特殊なものを除きまして、二十九年当時と比べてみますと、やはり倒産の件数はやや似たところにきておると思いますけれども、特に、二十九年ごろの経験もございますので、金融の面におきましても、産業界にいろいろな不必要な摩擦とか、あるいはいろいろな混乱が起きないように、それぞれ金融面の手を打って措置しておるような状況でございます。たとえば繊維商社で先般問題になりました、あのようなことが起きましても、それがどいうように波及するであろうかということを先を見てああいう整理をやっておるのでございまして、特に整理が、ある会社の整理が起きてそれが引き続きいろいろな方面に影響がないようにということは、細心の注意を払ってやっておりまして、ただいまのところ、金融的にどういうような現象が起きておるというようなところまではいっておらないものと判断いたしておるわけでございます。  それから一般の市中の金融機関に対しまして、中小金融のワクを作るかどうかという問題でございますが、この問題は、幾らワクを作りましても、政府機関でありませんので、その点は実行はなかなかむずかしい。もっぱら、やはり市中金融機関の中小企業に対する融資に対する熱意あるいは親切心、こういうものにたよるのが本来の姿であろうと思います。そういう意味で、大蔵省といたしましても、当時政府機関の資金を充実するということももちろんでございますが、資金の絶対量といたしましては、どうしても市中金融機関から出る金の方が多いわけでございますので、中小企業について最善の注意を払うことは、常時文章及び口頭をもって指導をいたしておるわけであります。  それから、大口融資を規制するという問題はごもっともな御意見でございまして、銀行業者の建前からいたしましても、とかく大口融資で事を起しますと、銀行自体の資産の系列にも影響があります。中小金融、こういう点からも障害があるということで、これも常時やかましく言っております。ただ何分この問題は、オーバー・ローンの問題もございまして、具体的に、何倍でこの貸付を上げろというようなことまでやかましく言うことはなかなかむずかしいという状況でございますので、御趣旨のところに従って銀行検査あるいは監督行政の面でもって努力いたしておる次第でございます。  それから委員長からお尋ねのござました信用保証協会の二百億の金融債の買上げの実行の状況、これは前月分に出て参りましたものを、翌月の二十五日実行いたしてやる、こういうことでございます。あの措置が始まりましたのは七月からでございますので、八月二十五日に実行した分がございますが、これが各金融機関を合わせまして約二十億足らずと、十数億ということであったと思います。それで、この信用保証協会の保証による中小企業金融の趨勢を例年とっておりますと、今ごろはあまり需要のない時期でありまして、十月、十一月、十二月と年末金融に近づくに従ってしり上りに大きくなるという数字でございますので、八月一カ月の計数だけでは先の見通しがつかない。われわれといたしましては、この消化の状況を見ておりまして、中小企業に役に立つように十分いろいろの措置は今後の情勢を見てやっていくつもりでございますが、一カ月の数字は今のような小そうございますので、今後についてはやや目標通りいくのではないかと考えております。
  91. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 市中銀行の大口融資、しかも集中融資というものを、行政指導によって制限を加えなければ、中小企業の金融ワクというものは拡大することは不可能であると私は思う。それについて大蔵省の方もだいぶ御心配のようでありますけれども、もう一つ、その実効が上っていない、今後の対策、一体どうすればお考えのような集中融資というものを制限して、そうして中小企業の金融源、融資源というものを拡大する、また預金者を不安なからしめるような措置を講ずることによって、貯蓄の増強などをはかっていくという、この国策の上からも私は必要だと思うのですが対策はどういうことをお考えになっておりますか。
  92. 大月高

    説明員(大月高君) 一つの企業に対しまして一つの銀行から集中的に金を貸すことは非常に問題であるというのは、一つの金融界の昔からの問題でございまして、これは各国でも非常に頭を痛めておる問題でございます。これは必ずしも社会的な意味で、大きな企業にだけこれを優遇するのだ、金融的に優遇するのだ、中小企業は虐待するのだ、そういう問題を離れまして、銀行の健全性という点から申しまして、融資は分散すべきものであるというのが、銀行経営の一つの理念になっておるわけでございます。これの現制の仕方といたしましては、両面あると思います。一つは借りる側に立ちまして、借りる者の、たとえば資本金の何倍以上は貸しちゃいけないという指導をやる方法が一つと、それから一つは、銀行の面から見まして、自己資本の何倍以上、あるいは何分の一以上を一つの企業に貸しちゃいけない、こういう考え方があると思います。アメリカでは、自己資本の十分の一以上の金額を一企業に対しては貸しちゃいかぬということが法律にございまして——これは法律でございますが、もちろん、いろいろ例外がありまして、短期の逆転資金あたりはそのワク外にするとか、いろいろこまかい例外はございます。ございますが、銀行の側から規制いたしてございます。それからドイツは、これもやはり銀行の側から規制をいたしておりまして、やはり自己資本の何倍以内、これは貸す方のワクとしてやはり規制しておるわけでございます。ただこれを法律で規制するか、行政的に指導していくかという点につきましては、非常な問題でございまして、大蔵省でも法的に規制するということを相当研究してみたこともございますけれども、具体的に相当大きな比率が現に出ておる現状でございますから、法律で一定のワクをきめてそう無理がないところに押しつけようといたしますと、相当高い比率に持っていかなくちゃならぬ。そうすると、実際に規制する意味がないので、それを非常に極端な比率にいたしますと、これはまた実際に動かない。産業界を殺してしまう、こういうことがございますので、これは漸進的に実情に応じて減らしていく、それである程度の段階に参りました場合に法的な規制を考える、こういうのが最も実情に合っているのではなかろうか。現在の銀行法を作ります場合にも、そういう議論がございましたが、やはり法的に規制することは実情に合わないだろう、こういうことで行政指導にまかされておりまして、行政的には非常に関心を持ってこの問題は取り扱っておる次第でございます。
  93. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 ちょっと関連して。私、今の御説明でよくわかりますが、大口貸付の問題です。私、統計的に見まして、今の金詰りというものはどうしても理解ができないのです。それは、予算をなるほど切りつめたということもありますけれども、昨年の予算に比べるとまだ上回っておるのですね。それから日本銀行の貸出を見るというと、十倍くらいのよけいに貸出がありますね、昨年に比べて。そうすると金融界には相当金が出ている。であるのに、どうして倒産だ、金詰りだ、動かないという点があるか、これをだんだん突きつめてみるというと、百億以上借りている会社が十幾つもある。その半数というのは名もない、と言っちゃ少し悪いのですが、非常に弱体な商社あたりに銀行から非常に金を貸している。これは、集中的に金額が大きいということは、大きな会社で、資金が大きいところに出ているのなら、これは問題ないと思います。そうでない、不健全なところへだいぶ出ているというようなことがあるわけですね。それが金融のいわゆる円滑を欠いているところの一番大きな原因じゃないか、私はこういうふうに見ているのですけれども、そうだとするというと、大蔵省がもう少し銀行あたりの行政指導とか監査とかということを、もっと前から十分にやられたら、こんなようなことはなかったのじゃないか。だから今度の金融の不円滑というものは、この二十八年、九年ごろと非常に性格が違っておって、金は出ているんだけれども、金が回らない、回るべきところへ回らない。それがせんじつめて言えば、大口貸付というところへしぼられていくのじゃないか。そこで、今の御説明は非常に納得できるのですけれども、これは大蔵省としては、今後銀行局あたりはもっと力こぶを入れて、こういう点を是正していかなければ、これは、こういったような変な金融の欠陥が出てきやしないかと思いますが、この点いかがでございましょうか。
  94. 大月高

    説明員(大月高君) ただいまの金詰りの原因をどこに見るかということは、非常にむずかしい問題でございまして、われわれも正確にこうであるというお答えを申し上げる数字的な根拠も持っておりませんが、われわれの見ておりますところでは、二十九年の場合と非常に違っておりますのは、若干皆さんのお感じと違うかもしれませんが、やはり中小金融の面で非常に問題があるのではなしに、大きな企業のむしろ金詰りという現象が非常に強いというふうに見ております。これは三十一年度からこういうような情勢の起りました一つの原因は、過剰投資ということにあったわけでございまして、それはむしろ国際的なレベルに追いつかなくちゃいかぬという近代的な企業の投資意欲にあったと思います。具体的には鉄であるとか、あるいは輸送の関係であるとか、あるいはいわゆる新興産業といわれている石油産業であるとか、あるいは合成化学というようなところに重点があったわけでございまして、そういたしますと、それらは巨大な資本を持って、相当大きな金を使って設備をやらなければ、実際に効率が上らないという産業でございますので、それらがきそって投資をやった。その結果、今のような国際収支の悪化という結果を招いたものだと思います。そういたしますと、その原因を押えていくのには、投資意欲の強い面を押えるということになると思いますので、その点が今の金融引き締めの中心になっている。それから資金審議会でお取り上げになっているものも、そういった大きな企業の設備投資を抑えるということになっているのであります。  それでは、そういうような状態になる前に行政的に押えたらどうかというお話でございまするが、これは銀行行政の面から申しますと、コンスタントに大口貸出をやらないようにという行政指導をやるのが建前でございまして、どのくらい金を貸していくかという問題になりますと、そのときの経済の情勢に応じた今度は金融政策、つまり金利政策とか、あるいは貸出政策、そういうような方面に問題が移ってくる、そういたしますといろいろ議論がございます。なぜ投資がどんどん伸びておったのを押えなかったかという議論になるわけでありますが、これはここで根本問題としていろいろ議論があるところだと思いますけれども、結局、今のお話の大口集中という問題を早く手をつけたらという点につきまして、もちろんできればいいわけでございますが、やや行政の面が違うものでございますから、今度の情勢に対処する意味で、今の大口融資の問題を取り上げることは若干むずかしかったろうし、なかなかむずかしい。ただ、今の金融の情勢からいいますと、大企業に対する金融という問題が一つの焦点になっておるように考えます。
  95. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 その今のお話の過剰投資のことは、予算審議の当時からしばしば繰り返し聞かされている。それも確かその通りだ。私はそれだけではこうはならなかったのではないかと思う。基幹産業を助けて日本の産業を伸ばしていく、そこへ政府が集中されても、今のような状態にならなかったと思われる。ただそうでない、比較的弱体な商社などに百億以上の金が出るところがずいぶんあるのですから、だからして——私は八、九社あると聞いておりますが、九社までは九百億という金が比較的弱体な商社に流れておる、こういうことが過剰投資になっている。むしろ過剰投資といわれる基幹産業の方は、あれだけの設備投資をやっても、他方でああいうことをやらなかったら、押えることができたら、こういうふうなことにはならなかっただろうという私は見方をしているのです。そこで、今もお話しのような、過剰投資と金融とは筋合いがちょっと違うので、大蔵省だけでも融資の指導はできたはずで、あれほど百億以上の金、合計して千億近くの金が小さな商社に流れないように、銀行に対し大蔵省は手が打てたのじゃないかと、私はこう考えるわけです。
  96. 大月高

    説明員(大月高君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、これは具体的には商社の問題であろうと思いますが、(「その通り」と呼ぶ者あり)これは従来商社は非常な大きな資本を持ち、自己資本で相当多額な商いをやっておった。ところがやはり戦争で、特に流通部門が非常に痛みまして、自己資本が非常に小さくなった。ところが商売の方はどんどん、こういう日本経済が伸びていくということで、どうしても借り入れに依存せざるを得なかった、こういう状況であろうと思います。資本の蓄積が商社の面でもずっと進んできますれば、これらの状況も逐次直っていくだろうと思いますし、また直す方向に持っていかなくちゃならぬ、こういうふうに考えますが、当面商社に対しまして、たとえば自己資本の何倍以上を借りちゃいかぬというようなことをかりに申しましても、実情に合わない。今の日本の経済の伸びている実態に合わないということになろうと思いまして、具体的に何倍以内というような非常に強い規制を加えることは、今のところ適当じゃないじゃないか。ただ大きな方向といたしましては、われわれとしても、そういう格好は適当じゃないので、なるべく自己資本を充実いたしまして、借り入れをしないでやってほしいというのが、今のところの限度じゃないかと思います。非常にわれわれとして頼りない、返事でございますが、それではほんとうにやってみまして、商社なり日本経済のためにプラスになるだろうかという点と比較考量をいたしてみますと、もう少し時間をかしていただきたい、こういう気がいたすわけであります。
  97. 土田國太郎

    土田國太郎君 関連で大月調査官にお尋ねいたしたいのですが、先ほどの椿委員に対する御答弁の中に、倒産者はあるが、それは経済関係の変化によったものではない、また金融関係でもないのだと、従来の欠陥がこの際暴露したので破産したものが多いように考えられる、こういう御説明であったと私は了解しておりまするが、私は、それは全面的に否定するものではないのでありまするが、中にはそういうあなたのおっしゃるようなものもありましょうが、大体におきまして、政府が三十二年度の予算を組みまするときの財政計画、それから民間の経済力の測定を誤まった結果、外貨の大減少を来たしたということ、これは事実であります(「その通り」と呼ぶ者あり)  それで、最近の経済新聞あたりの報ずるところによりますというと、神武以来の手形の不渡りだ、こういうふうに言われております。これは事実でしような。それがみなとは言わぬが、大体経済界の変化変動によって手形の不渡り、あるいは破産というような状況になったのでありまして、あなたのおっしゃるような意味では、少し現代の日本の経済界を楽観視しているのではないかというように、われわれ民間人としては実は憂慮にたえないのであります。つきましては、本日参考人の述べられた、年末資金の要望でありまするが、両公庫は補正予算を要するでありましょうし、中金の力は預金部資金関係になってきましょうが、いずれにしても、同時に政府の腹がきまらぬことにはどうしようもない問題でありますので、特にその衝に当っておられる大月さんあたりも、一つしっかりこの際ふん切ってもらいたいと思うのであります。それで、御承知かしれませんが、もちろん確定ではないのですが、臨時国会も十一月上旬に開いて、わずか五日か一週間でおしまいにするというようにも伝えられておるのでありまして、まごまごしておりますれば臨時国会に間に合わない。臨時国会にこういう補正予算を提出していただかなければ何もならない。これはもう十二月を過ぎてしまった金では、もうどうしようもないのでありますから、どうしてもこれは臨時国会に御提案を願うように御心配を願えるかどうか。これは責任を持ってどうこういう意味ではなく、あなた、大月さん個人のお考えだけでも私はけっこうなんですが、それによっては、明日大蔵大臣も出席されますので、よく大臣のお考えも聞きたいのでありますが、まずもって当面の責任者であるあなたの一つ御意見を伺いたい。  なお、この金融問題につきましては、去る六月下旬の当委員会開催の際にも、大月さんもたしか見えたはずだと思いまするが、そのとき私が、政府の金融措置については、中小企業の将来性につきましては、もっと資金を供給しなければだめだ、こういうことを申し上げたのでありまするが、そのとき、多分酒井銀行局長だったと考えられまするが、まあこの程度で一応やらしてみよう、もし悪かったら十分御相談もするということまでおっしゃったことは、大月さんもお聞き及びだろうと存ずるのであります。幸か不幸か、私の意見がとても足りないというようにそのとき考えておったのでありまするが、今日になりまして、三参考人の意見を聞きますると、六月中に私どもが心配した通りになってきておりまするので、どうかこの点一つ、銀行局長もせっかく骨を折って下すっておりますので、あなたもその当面の財務関係といたしまして、この際一つふん切りをつけていただいて、預金部の腹もきめ、それから補正予算を臨時国会で出してもらうというように一つ腹をきめてもらいたい。実は一昨日も自民党の中小企業対策委員会がありまして、金融問題につきましていろいろ懇談がかわされたのでありますが、いずれにしても、これは政府に一つふん切りをつけさせよう、こういうような話も進んでおりますし、この点について、十一月上旬に決定しなければ、年末資金に間に合わないのでありますから、どうか一つそれに間に合うように措置をとっていただきたいということ、これはあなたに対する私の要望でもあり、あなたの御意見を伺うことと、それから、先ほど椿さんからもおっしゃったように、この三参考人の貸付に関する取扱い上の日数のかかる問題、これを何らかの方法をもちまして、少くも十日以内くらいで片がつくようでないと手形が不渡りになりそうで、目の前にぶら下っておる。あなたの力は貸すといいながら、なかなかそれが実行に入らないというようなつらい面に中小企業は今あえいでいるのでございますから、どうかその点も一つ御考慮下さって、専務の簡素化、私は貸し倒れを勧めるのではなくして、貸し倒れになるようでは困るのですから、どうか堅実なものにはどんどん一つ貸し出しをしてもらうようにお願いする一面、政府も一つ、今私の申し上げたように、なるべくそういう手を打ってもらいたい。それに対するお考えはどうかということ、それだけをお聞きしたいと思います。
  98. 大月高

    説明員(大月高君) 両公庫と商工中金の資金源の充実の問題でございますが、先ほどの御質問にも申し上げましたように、第二四半期までの資金計画は、もちろん金は多きにこしたことはないと思いますけれども、繰り上げ措置をやりましたその措置の中に入っておりますので、これについてはまあまあこの程度で私はいいのじゃないか。先ほどのお話にもございましたように、むしろ十月以降の問題でございまして、特に繰り上げを実行いたしました第四四半期の問題といたしましては、昨年の実績よりも下回るというようなことは、私も適当でないと考えております。従いまして、金額及び時期等につきましては、いろいろ検討の要があると思いますが、何らかの措置は必要だ。ただ、これを臨時国会でやるか、あるいは通常国会の初めのころに補正をするかという問題になりますと、政府全体の方針もございますし、十分慎重にもう少し考慮しなければならない問題であろうと思います。いずれにいたしましても、国会の関係は、われわれといたしましては、十分いろいろな諸般の状況を勘案して考えなければならない問題でございますが、必ずしも臨時国会でなくてはいけないというようには考えておりません。
  99. 土田國太郎

    土田國太郎君 参考人にお伺いしたいのですが、どなたでもよろしゅうございますが、通常国会になりますと、年末資金にはもちろん間に合いませんし、それまで現状で食いつなぎができて、中小企業が路頭に迷わない方法を講じ得られる確信があるかどうか、それを一つお聞きいたしたい。
  100. 石渡忠四郎

    参考人石渡忠四郎君) 中小企業者が困らないようにできるかということは、そこがちょっと非常にむずかしいところでございますが、要するに、われわれの方では、今までのところ、第四四半期に借りる四十五億を第二四半期と第三四半期に繰り上げて借りてよろしいということだけを許されておるのでございますので、どうしても早く第三四半期の分と第四四半期の分についても早くきめていただきたいということは、これはもうわれわれは、ぜひお願いしたいと思っておるわけでございますと。申しますのは、第四四半期の半ば過ぎてからまだ話がきまらないと、非常にやりにくいのでございます。ことに第三四半期につきましては、今まで繰り上げて借りていいとおっしゃるよりももう十五億くらいほしい、せめて十五億くらいはよけいにしたいという熱望をいたしておるような次第でございまするので、一刻も早いということは、これはもうわれわれとして、ぜひお願いしたいと思います。
  101. 江崎千準

    参考人(江崎千準君) ただいまの点、私どもの要望だけ申し上げておきたいと思うのでございますが、先ほど御説明いたしましたように、資金事情も一つお考えいただきまして、国会、政府で適当な措置をお願い申し上げたいと思うのでございますが、なるたけ可能な限り早くおきめいただくことは、一番希望でございます。特に第三四半期につきましてふやしていただくという御措置をおとりいただきますならば、年末金融の関係がございまするので、特に私の方は代理貸しがかなりの部分を占めております。代理店に通知をいたしまして、代理店でも用意をする、お客さんの申し込みも受けなければならぬ、また、私の方から資金を送るのにも若干の日数を要します関係もありまして、年末金融は、ぜひ十一月中ぐらいにはその大綱をきめまして、数字が出る程度にまでしていただきまするならば、非常にありがたいというふうに考えるわけであります。要望でございまするので、一つよろしくお願い申し上げたいと思います。
  102. 加藤八郎

    参考人(加藤八郎君) 商工中金の方はちょっとおもむきが違うのでございまして、私の方は補正予算の関係はございませんので、資金運用部部において債券を引き受けていただくことは、資金運用審議会の御決議さえあれば、できると聞いておりますのでございますので、一つ分離いたしましてでも、なるべく早く見通しをつけてお出し下さるようにお願い申し上げたいと存じます。
  103. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 集中融資排除の問題にいたしましても、ただいまの国民金融公庫、中小企業金融公庫の要望にこたえるにいたしましても、これはただいまお話しの通り、だいぶん気がねをして御発言のようでありますけれども、通常国会にぼちぼち相談をしてというふうなことじゃとても年末の対策にはならぬです。これは一つお互いに話し合いをして、すみやかに実現するようにしなければならぬと思いますが、大月調査官だけにこれを言明せいと言ってみたところでこれは適当でないと思いますので、明日にでも大蔵大臣なり銀行局長に出てもらって、その上で一つ黒白をつけることにしたいと思いますので、きょうは留保いたします。  ところで大月さん、ちょっと今までは、市中銀行の貸付の範囲で中小企業への金融ワク拡大のことで話をしておったのですが、政府関係の金融機関の方、この方は、単なる行政指導じゃなくて、思い切った対策が私は立てられるのじゃないかと思いますので、ちょっと要望を申し上げておきたいのですが、政府資金を借りているような場合には、手形払いであるとか、あるいはその検収をやたらに引き延ばすというようなことによって、金融梗塞のしわを下請け企業なり中小企業なりにその犠牲を押しつけていくというようなことのないような指導ができるんじゃないかと思うのです。それから政府関係の発注など、相当公社などからもあるわけですが、これらにつきましてもやはり同様の指導対策が、ひとり大蔵省だけじゃなくて、次官会議等において問題にしていただいて、検収がおくれる、支払いがおくれる、その果ては給料が遅払いになるというようなことの起らないような政府としての対策を要望したいと思うのですが、機会あるごとに申し上げたいと思いますけれども、あなたのお考えも聞いておいて、一つ特段の強力な指導措置を講ずるよう要望をしたいと思います。
  104. 大月高

    説明員(大月高君) ただいまの、政府資金を借りておる企業に対して、下請企業にしわを寄せないようにというお話でございますが、これは政府資金のみでなしに、一般の金融機関の指導といたしまして、金融をいたします場合に下請企業に極力しわを寄せないようにするようにということは、常々強力に指導いたしておるわけでございます。やり方といたしましては、それぞれ銀行において措置いたしておりますけれども、下請企業の受領書を持ってこさすとか、あるいは受け取りの写しを見るとか、それから貸すときの条件についていろいろ具体的な措置をとっております。従いまして、これは必ずしも政府機関からの貸し出しということでなくても考えられることだと思います。それから政府機関は、主としてここにお見えになっております両公庫等、むしろ下請を相手にして金融していただく機関でございますので、もし問題になるといたしますと、たとえば開発銀行の借り入れ先、こういうことでございますが、これも一般市中と並んで、下請にしわを寄せないようにということは極力やっておる次第でございます。  それから、下請に対する支払いの遅延防止、これはまた法律もございまして、あるいは中小企業庁からお答え願う力が適当かと思いますが、公取でも公正取引というような面から具体的に監督、調査をやっていただいておりますし、企業庁自体からでもいろいろ御指導願っておるわけでございます。  それから公社等の発注の指導につきましても、やはり同じ精神でこれはやられておるわけでございますが、ただ何と申しましても、下請対親企業の関係は間接になりまして、それでは一体どうなったのかということについては、強制力がございませんので、金融面からする対策というものは、どうしても間接にならざるを得ない。やはり公取その他の直接の指導に待つ対策がさらに効果があるのじゃないかと思っております。
  105. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 お話を聞いておると、なるほどうまくいっておるようにならなければいかぬのですが、そういうふうにいっていないので、より一段と強力な指導対策をお願いするにきょうはとどめておきます。
  106. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 他に御質疑がなければ、本件の質疑は一応この程度にとどめまして、明日は午前十時より委員会を開きます。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時十三分散会