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1957-03-18 第26回国会 参議院 大蔵・建設委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月十八日(月曜日)    午後一時二十四分開会   —————————————  委員氏名   大蔵委員    委員長     廣瀬 久忠君    理事      木内 四郎君    理事      西川甚五郎君    理事      江田 三郎君    理事      平林  剛君    理事      天坊 裕彦君            青木 一男君            泉山 三六君            岡崎 真一君            木暮武太夫君            塩見 俊二君            高橋進太郎君            土田國太郎君            苫米地英俊君            宮澤 喜一君            武藤 常介君            天田 勝正君            大矢  正君            栗山 良夫君            椿  繁夫君            野溝  勝君            杉山 昌作君            前田 久吉君            鮎川 義介君            野坂 参三君   建設委員    委員長     中山 福藏君    理事      石井  桂君    理事      岩沢 忠恭君    理事      西田 信一君    理事      田中  一君            稲浦 鹿藏君            井上 清一君            小山邦太郎君            斎藤  昇君            酒井 利雄君            中野 文門君            松野 鶴平君            武藤 常介君            内村 清次君            大河原一次君            坂本  昭君            重盛 壽治君            山口 重彦君            北 勝太郎君            村上 義一君   —————————————  出席者は左の通り。   大蔵委員    委員長     廣瀬 久忠君    理事            西川甚五郎君            平林  剛君            天坊 裕彦君    委員            青木 一男君            木暮武太夫君            高橋進太郎君            土田國太郎君            苫米地英俊君            宮澤 喜一君            大矢  正君            杉山 昌作君   建設委員    理事            石井  桂君            岩沢 忠恭君            西田 信一君            田中  一君    委員            稲浦 鹿藏君            小山邦太郎君            斎藤  昇君            中野 文門君            武藤 常介君            大河原一次君            北 勝太郎君   政府委員    大蔵省主計局法    規課長     中尾 博之君    大蔵省管財局長 正示啓次郎君    建設省河川局長 山本 三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    大蔵省管財局国   有財産第一課長  天野 四郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○国の庁舎等使用調整等に関する特  別措置法案内閣送付予備審査) ○国有財産特殊整理資金特別会計法案  (内閣送付予備審査) ○特定多目的ダム建設工事特別会計法  案(内閣送付予備審査)   —————————————    〔大蔵委員長廣瀬久忠委員長 席に着く〕
  2. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) これより大蔵建設委員会連合審査会を開きます。前例によりまして大蔵委員長の私が本日の会議を主宰いたします。よろしくお願いします。  国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法案、  国有財産特殊整理資金特別会計法案、  特定多目的ダム建設工事特別会計法案、  以上三案を便宜一括して議題といたします。  三案につきましては、すでに大蔵委員会におきましては政府提案理由説明を聴取いたしておりますが、この際各案の内容につきまして、さらに政府説明を聴取いたしたいと存じます。
  3. 天野四郎

    説明員天野四郎君) まず国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法案について御説明申し上げます。  この本法律案のねらいといたしますことは、使用調整庁舎計画的整備ということに二つの重点がございます。使用調整と申しますのは、たとえば、ある省で非常にその財産が、最近機構が縮小されまして、非常にゆったりと使っている、と同時に、隣りの方では、ほかの省では非常にスペースが狭くて、狭く使っていまして、そういう場合に、その狭くて困っている省が、広くゆったり使っている省に向いまして、少しその庁舎を譲ってくれないかという話を持ちかけまして、そして、もしその省がいいということになれば、大蔵大臣にさらに了解を求めまして、そして使えるようなふうになっております。これはまあテクニカル・タームで申しますと所管がえと申しております。それからまた同じ省の中におきましても、部局等の、庁との間におきまして、たとえば、あの局では非常にゆったり使っている。それをよその方に回すとか、そういうことは所属がえと言っておりますが、まあ、そのようにいろいろなスペースをコントロールいたしますこと、そういうようなことを使用調整と言っておりますが、その使用調整を今後計画的にやっていきたい、これが第一のねらいでございます。  それからもう一つのねらいは、平面的な庁舎使用立体化いたすことでございます。と申しますのは、現在全国庁舎等について見ますと、建坪と延坪との倍率が一・五倍になっております。と申しますのは、全国的に見まして建物が二階建てあるいは平面一階建てのものが多いというような状況でございます。ことに、それが市街地のような所にあります場合、平面的で、しかも非常に広大な面積を占めている。町の発展を非常に害している、あるいはまた公衆利便から申しましても都合が悪いというような場合が多々あると思います。しかもその平面的な庁舎木造が大部分でございまして、たとえば全国庁舎のうちの三分の二は木造というような状況でございまして、しかもその木造建物は大部分更新期に来ております。約三分の一は、建設いたしましてからもうすでに三十年経過している。また、あとの三分の一は戦後建てましたものでございますが、これは当時の資材の粗悪なときに建てたものでございますから、相当いたんでおるというような状況で、木造建物もそろそろ更新しなければならない時期に至っております。  まあ、このように、非常に平面的なそういう建物が市の中心を占めておりまして、しかもその建物がいたんでおるというような情勢にわれわれは着目いたしまして、これを一つ高層化いたしまして、そこにそれらの機関を収容いたしますと、相当土地があいて参ります。他方、現在住宅地の問題が非常にやかましくなっておりますが、そういうような、あきます所を、住宅地とか、あるいはその他都市計画上必要な方面にそれを提供いたしまして、土地の効率的な使用をはかりたいというようなことも考えるわけでございます。で、これらの事情によりまして、この際、平面的な建物立体化いたそう、と同時に、まあこれと同じような考え方でございますが、これはたとえば中野通信大学警察学校等がございますが、あの辺は住宅地にしたらよかろうというような要請があるとすれば、これを郊外の方に移転いたすとか、あるいはまた適当な場所に移転いたしまして、その跡をそのような住宅地に活用いたしたい、これをまあわれわれ再配置と申しておりますが、このような立体化とか再配置によりまして庁舎の効率的な使用をはかりますと同時に、そのような都市計画方面等に、あいた土地を提供いたしまして、国全体として有効な活用をはかっていきたいというようなねらいから、この法律案を提出いたした次第でございます。  それで、第一条にその目的が書いてございますが、これにございます通り、「この法律は、庁舎等使用調整及び特定庁舎等整備計画的に実施して適正かつ効率的な使用を図り、公務の能率の向上と公衆利便の増進に資する」ということで、今申しましたことが要約されております。  それで、まず第一に使用調整でございまするが、どのようにして行われるかと申しますと、第三条、第四条がその関係でございます。まず使用調整をいたします場合にも、それを計画的にいたしますためには、相当資料がなければならないわけでございます。われわれ現在各省資料もございますけれども、毎年度末現在の庁舎使用状況、あるいは将来いろいろな見込みがございますが、たとえば自分の方は庁舎が狭いからあの建物自分の方に所管がえしてもらいたいとか、あるいはあの建物を交換でもらいたいとか、また予算でこういうような建物を作りたいとか、いろいろ将来の見込みがございます。そういうような見込みも、これを一括いたしまして、庁舎使用現況及び見込報告書と言っておりますが、こういうような調書を毎年度各省各庁の長から大蔵省に出しているわけであります。そしてそれに基きまして、四条の方にいきまして、そういうような資料を基礎といたしまして、大蔵大臣の方で必要と認めますときには、その使用調整計画を作成するわけでございます。そして、それを各省各庁の長に通知いたします。各省各庁の長は、それに従っていろいろと使用調整が行われるのでございまして、このことは、この四条の四項にございますように、大蔵大臣はその使用調整計画に基きまして、庁舎等使用調整を行うため、関係各省各庁の長に対し、庁舎等所管換、所属替、用途の変更その他、必要な措置を求めることといたしまして、その関係が掲載になっておるようなわけでございます。これは使用調整でございまして、その次は立体化関係の問題でございますが、これは五条、六条に書いてございます。  まず五条でございますが、これはその一項の一号、二号に書いてございますように、一号の方はただいま申しました立体化の方でございまして、二号の方は中野電信隊跡の例を申し上げました再配置の問題でございますが、この一号あるいは二号、こういうことの計画をとりまとめまして、特定庁舎等特殊整備計画というものを大蔵大臣が作るわけでございまして、そして案を作りまして閣議決定を求めるわけでございます。  この際その計画は新たに建物を作るべき必要がございまするので、その建設方に関しましては建設省の方にお願いする建前になっておりますので、その間の関係が、この五条の四項、五項に書いてございます。大蔵大臣がそのような案を作りましたときには、建設大臣に通知いたしまして、建設大臣が通知を受けますと、その計画によって建築あるいは建設すべき建物、あるいはまた付帯施設につきまして、位置とか規模、構造等に関する計画を作りまして、大蔵省特定庁舎等特殊整備計画の案にあわせまして閣議決定を求めることになっております。このようなのが大体特殊整備計画内容でございます。  六条の方にいきまして、そういう計画の実施によって処分された特定庁舎等に係る収入は、その計画により取得すべき特定庁舎等取得に要する経費財源に充てなければならないとして、はっきりその経理関係を明らかにしております。そして、このようなことを行いますためには、大蔵大臣が選考いたすわけではございませんで、第七条にございますように、庁舎等調整審議会というものを設けまして、この委員会には、各省各庁の職員、また学識経験のある方々、そういう方々委員になっていただきまして、大蔵大臣諮問機関といたしまして、この法律施行に関する重要事項を調査審議いたすことになっております。  以上概要を申し上げました。何とぞ早く御審議せられますことをお願いする次第でございます。
  4. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) 国有財産特殊整理資金特別会計法案について、あわせて御説明を申し上げます。  ただいま御説明がございましたように、今回国有財産関係につきまして、国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法案をお願いいたしておる次第でございまするが、その法案の中の一環といたしまして、同法案の第五条に、特定庁舎等特殊整備計画という計画が、ここに書いてございまするような手続を経ましてきめられることになっておるのでございます。その内容につきましては、ただいま御説明がありましたから省略いたします。  要は、今ある庁舎を、価格としては必ずしもこれに新しい財政負担を加えるものではないが、ただその内容といたしまして、これを合理的なものにしていくということのねらいが一つ。それによって庁舎能率上り一般公衆の便益もふえる。しかも、なおその際に、従来専有いたしておりましたものを民間用途に開放できるならば、これもまた一石二鳥と申しますか、あわせた効果としてねらっておるものでございます。  第二の計画の柱は、先ほども御説明がございましたように、現在ございます庁舎が必ずしもその位置になくてもよろしい、もっと郊外なら郊外の方に移転しても何ら差しつかえないものである、しかも、もしこれが移転いたしまするならば、現在使っておりまするところの敷地、建物その他は、これを民間に、特に住宅でございますが、御承知のように払底いたしまして、その対策に腐心をいたしておりまする住宅用途を主として考えまして、これらに向けられるならば、そういう移転を考えるということを考えておるわけでございまして、これが一つ目的でございます。  こういうような関係で、現に使用いたしておりまするところの国有財産、それは決して不要の国有財産ではないのでありまして、現に使用いたしておりますところの国有財産を合理化いたすという計画がございます。その計画は、先ほども御説明がございましたように、関係各省、それから建設営繕関係あるいは都市計画関係、いろいろ調整を加えまして、これを確定していくわけでございます。これが確定いたしますと、これに伴いまして新しく庁舎建てる。そのためには土地も買ったりいたしまするし、建物建てたり直したりすることになると思いますが、そういう関係と、それから要らなくなりました分、あるいは、あえて民間に開放いたしまするために要らなくいたしまする分を、これを処分することになります。そこで、こういう処分の関係と、それによって得ました国の収入金を、この計画のもとに必要とするところの新しい庁舎取得に充てるために、国有財産特殊整理資金というものを設けることにいたしたのでございます。  これがこの特別会計を設置いたしました主たる理由でありまして、これを資金といたしましたのは、これは売ったものを収入といたすのでありまするから、本来ならそれを普通の歳入にとっておけばいいのでありまするが、これをそういう目的のために充てたい。しかも、処分する年度と、それからこれを支出いたしまして新しい用途に向けまする年度とは必ずしも一致いたさないわけでございまするので、当該年度歳入にとり、当該年度歳出財源に充てないお金といたしましてこれをとっておきまして、建設の方の計画に従ってこれを使っていくというために、これを資金にいたしておるものでございます。そういう関係でございますから、この特別会計は右の資金の受け、すなわち、処分いたしました代金が国に入りますというと、この資金になるわけでございます。それから、この資金の払いは、これを営繕に充てるときでございますが、充てる関係は、これはこの特別会計関係ではございませんで、一般会計におきまして営繕予算といたしまして計画されるものでございます。で、その計画一般会計で立ちました場合に、その計画先ほど申し上げました特殊整理計画に基く営繕でございまする場合には、この資金から一般会計にその財源繰り入れるということをいたすわけでございます。で、この会計は、この資金中心といたしまして処分いたしましたところの収入歳入に立て、それから一般会計に対するその財源繰り入れ歳出に立てるのを主たる構造といたしております。従って、この会計歳出におきましては、営繕費予算は直接組まれておりません。単なる一般会計に対する財源繰り入れでございます。あえてこの勘定を特別会計といたしまして一般会計と区分整理いたしまする理由は、今申し上げました年度を越えまして特定財源を持ち越す関係にございます。  この会計につきましては、以上申し上げたような次第でございまして、なお昭和三十二年度におきましては、この法案が御承認をいただきまして、特定庁舎等整備計画等政府において樹立し得る場合に、大体どういう計画が立つかということの的確なる見通しは、現在においては困難でありまするが、一応そういう計画がもしできるとすれば、この程度のものは処分できるのではないかというほんの見込みによりまして、特別会計予算におきまして八億円余り歳入予算を組んでおります。しかしこの八億円余りは、かりにこの法案手続によりまして具体的にこれが歳入に入れられるといたしましても、三十二年度営繕計画に組み入れる計画にはなっておりません。従って歳出予算は組んでございません。従いまして、三十二年度におきましては、この会計法予算の運用によりまして歳入になりました金は、資金として持ち越されまして、少くとも三十三年度以降に必要に従いまして一般会計繰り入れられるべきものの財源として留保されることになります。  以上が大体この会計概要でございます。よろしくお願いします。
  5. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 特定多目的ダム特別会計法案、それも一緒に説明して下さい。
  6. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) では特定多目的ダム建設工事特別会計法案について御説明を行います。  従来、国が直轄で行なっておりましたいわゆる多目的ダム建設工事に関する経理につきましては、その事業のうち発電あるいは上水道等用水確保目的といたしまする事業分につきましては、これを受託工事として取り扱いまして、そういう工事事業主体からの受託によりまして、その工事を行います。従ってその工事受託にかかわるものを取り扱いまする場合の受入金と払出金の関係は、これを国の経費ではないという建前から、歳入あるいは歳出外で取り扱っておりました。また治水、それから農業の関係利水等目的といたしまするところの公共事業の分につきましては、全額まず国費でこれを支弁いたします。国費と申しますのは、一般会計当該年度一般財源をもちまして当該年度経費を支弁いたしました上、地方公共団体負担分につきましては、別途その事業当該年度が終りましてから、国の歳入といたしましてこれを地方公共団体から支弁するというような子算の経理、あるいは事業施行をやっておったのでございます。すでに申し上げましたところでもおわかりでございまするように、一つ工事につきまして支払われる金が、このようにいろいろな手続をもって行われますということは、とかく非常に不便でもあり、また間違いも起しやすく、取扱いが煩瑣でございます。しかもその工事の全貌については予算の御審査、あるいは決算といったような関係でごらん願いましても、なかなか批判がむずかしいというような関係もございましょう。このような取扱い上のいわば欠点と申しますか、あまり工合のよろしくなかった点を是正いたしまして、これらの関係事業のうち、経費は全部歳出に立てる、その代りそれの財源とするところの受け取りになる金は全部歳入に立てるという姿にいたしたいということが一つ。それから従来いずれは財源……国民税負担にはならないという部分工事費につきましても、従来は一般会計歳出に一応立てまする関係上、当該年度国民財政負担を、これを見合せて予算の編成をいたしてきたわけでございまするが、今回はそれをやめまして特別会計を設置することにいたしまして、財政負担を伴うところの経費一般会計より繰り入れることにいたしました。同時にそういう特定財源と申しますか、経費分担といたしまして、ほかから入る分につきましては、これを借入金の道を開くということにいたしました。その分は借入金として歳出源を用意するという形をとりますことによりまして、事業竣工促進をはかるということを狙っておるのでございますが、この二つの狙いに基きまして、昭和三十二年度から特定多目的ダム法案というものをお願いいたしますとともに、これの経理につきまして特定多目的ダム建設工事特別会計というものを設置いたしたいと考えまして、この法案をお願いしておる次第でございます。  この法案内容は以上をもって申し上げましたようなものでございまして、特別なこともあまりございませんが、概要についてあらましを申し上げます。  第一に、この会計におきまして処理いたしますのは、特定多目的ダム法に規定するところの多目的ダム建設工事、それからその工事によりまして建設いたしました施設でございまして、多目的ダムに属すべきものの建設工事が完成前でございまして、しかも部分竣工をしておるというものにつきましての災害復旧工事に関する経理でございます。完成いたしました後の多目的ダムの維持、修繕、災害復旧等の管理につきましては、先ほど来申し上げましたような現在の欠陥あるいは工事促進といったような関係がございませんので、この会計の処理するところではございません。なお北海道の区域で行われておりますところの多目的ダム建設工事等に関する経理につきましても、この会計の対象から除外いたしております。これは地方負担がございません関係で特に複雑なる関係を生じませんためと、促進する方法が今回の措置によっては得られないからでございます。  第二に、この会計におきましては、一般会計からの繰入金、都道府県の負担金及びその利子、それにかえて入って参りますところの地方公共団体負担金の納付の特例に関する法律の規定により納付された地方債証券償還金及び利子ダム使用権設定予定者負担いたしまするところの負担金建設大臣法律により徴収いたしまするところの受益者負担金、それから借入金、(これは地方負担の前借になる分です)借入金、それから付嘱雑収入をもって歳入といたします。歳出といたしましては、多目的ダム建設工事に要する費用、それから事務取扱い費、これは直接費に近いところの取扱い費であります。それから借入金償還金及び利子ダム使用権設定予定者負担金還付金、これは法律に還付いたす場合がございます。その還付金並び付属諸費をもってその歳出として処理することになっております。  第三に、この会計におきましては、この会計の設置の趣旨にかんがみまして、歳入歳出、それから資産、負債の整理、それから予算配賦というものを工事別等の区分に従って行うことといたしております。これはすでに申し上げましたようなそういういろいろな財源関係が混合いたしまして、仕事が行われるのは各工事別でございまして、その混合関係によって、あるいは負担割合分担割合というようなもの、みんな工事によって違いますし、それから負担する当事者も違います。その違った経済がおのおの借金をしたり返していったりするということになりますので、その間の入り組みがわからなくなると思われますから、それは区分して整理いたしておくということになっております。もちろん予算といたしましては流用というようなことは自由でございます。問題は経理の実行に関することでございます。  第四に、この会計におきましては、多目的ダム建設工事に関する費用のうち、都道府県の負担金相当するものの財源に充てるため必要があるときは、国会の議決を得た金額を限度といたしまして、この会計工事別等の区分に従いまして借入金をすることができることにいたしております。この借入金の趣旨につきましては先ほど申し上げましたところでございます。なおこの会計におきましては、従来なら一般会計一般財源をもって支弁いたしておりました地方負担の分を、借入金をもって今度はまかなうということになったのでございますが、借入金をもってまかなうということになりますと、この借入金には当然金利がつくわけです。なるべくそういう金利は軽くした方がよろしいということから、たとえばこの会計におきまして、これは実行上の問題でありますが、まず一般会計から繰り入れた金をもって工事を行いまして、借入金の利息のつく期間はなるべく短かくするというような配慮が必要であろうと思いますが、なお予算が何らかの事情によりまして消化し切れませんで、これが翌年度に繰り越すという場合を考えますと、従来でございますれば、その財源をそのまま繰り越しておけばよろしいわけです。しかしこの会計におきましては、財源一般会計からの繰り入れ、あるいは借入金といったようなものでございますので、この一般会計からの繰り入れにつきましても問題は若干ございますが、特に借入金を借り入れておいて繰り越すということは、まことに金利負担の点からいいまして不経済な話でございます。そういうような事態に備えまして、借入金は限度を毎会計年度予算でもって御承認を願うのでございますが、それの限度の繰り越しの規定を設けております。借入金の権限の形で繰り越して参ります。それをもって繰り越し予算財源にするという、これはいささか新しい制度でございますが、そういう道が開いてございます。  大体以上のようなことでございまして、あとは設置に伴いますところの技術的な運営に関する規定でございます。なおこの会計の設置に伴いますところの経過措置といたしまして、この法律施行の際におきまして、一般会計におきまして建設大臣直轄で施行されておりました特定ダム建設工事に関する経理は、この会計法施行になりました以後はこの会計で行うというような経過的な規定を入れるとともに、これらの工事に伴いますところの資産、負債というようなものを、この会計に引き継ぐというような技術的な規定が若干ございます。大体以上申し上げましたようなところでございます。
  7. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) これより三案について質疑を行います。なお質疑は建設委員の諸君に優先的に許可いたして参りたいと存じますので、この点あらかじめ御了承を願っておきます。どうぞ御質疑を願います。
  8. 西田信一

    西田信一君 国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法案の中で、特定庁舎に関連しまして、「公営住宅その他の住宅又はその敷地の用に供することが適当であると認められる場所にあるものを、」云々ということがございますが、住宅に限った理由はどういうところにあるのか。要するに住宅敷地用として転用することが適当であるというのはわかりますが、場所によりましては住宅以外の目的に使うことが適当であるものも相当あろうと思います。そういうものを除いておる理由はどこにあるか。まずそれを伺いたい。
  9. 天野四郎

    説明員天野四郎君) 先ほど概括説明いたしましたときに申し上げましたように、現在住宅地の問題が非常に深刻になっておりまして、何とかして住宅地を適当なところに提供いたしたいというようなことがこの法律案の裏の目的でございまして、そのためにここに掲げたわけでございます。これは一例といたしまして、先ほど申し上げましたように、たとえば中野駅近くに旧電信隊の跡に広大な六万坪に及ぶ土地がある、そこに現在警察大学あるいは警察学校がございますが、あのような所はいろいろ都市計画の観点その他から住宅地が適当といたしますれば、これをどこかよその方に移転さしていただきまして、これは移転先はいろいろある、たとえば郊外とかあるいはほかの適当な所がありましょうけれども、ともかくそこをどいていただいて住宅地にする。そうすれば都心に近く格好の所でございますから、そういうところから特にここに住宅ということをあげておりますけれども、もし住宅地に適当でないものがありますれば、たとえば大手町かいわい、あのあたりをもし整理する場合、あの跡が住宅地に適当かどうかという問題、いろいろございますが、そういう場合にはほかの方に使うわけでございますが、なるべく現在問題になっております住宅に重点をおきたいということで特にここに処置いたした次第であります。
  10. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 政府委員にちょっと言いますが、部屋が大きいから少し声をしっかりとやっていただきたい。
  11. 西田信一

    西田信一君 住宅用地として活用したいという気持はわかるのですが、この法律案によりますと、「公営住宅その他の住宅又はその敷地の用に供する」とございまして、それ以外のたとえばその地区が非常に商店街として利用することが適当であるというような場合に、この法律の適用を受けないように思うのですが、その点はいかがですか。
  12. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。西田委員の御趣旨は、特定庁舎等特殊整備計画ということをここに書いておりますように、住宅目的にだけ限定するということは法律の形としてもどうかというような御趣旨からの御質問のようでございますが、これは特定庁舎等特殊整備計画という特別の名前をつけましたが、官庁の営繕というのは御承知のように一般会計でやっております。今年の予算におきましても建設省予算に約二十億計上されておることは御承知の通りであります。今回こういう法律を作りましたのは、まあ特別の意味において作ったわけでございまして、特定庁舎等特殊整備計画というような、特、特ということを並べておりますのもその趣旨でございます。そこで、こういうふうな計画の中に入れます場合は、いわゆる超重点主義と申しますか、何かここに何をねらいとしておるかということをはっきり出すことが必要である、こういう考え方から、ここで住宅問題を大きく一応あげておるわけで、すなわち本法律案は、第一条で一応目的をうたっておるのでございますが、実はこれは大蔵委員会でもすでに御説明申し上げたのでございますが、住宅政策に寄与する——国の持っております土地を今日非常に重要視されておる住宅政策に幾分なりともお役に立てたいという私どもの念願でございますが、これは法律技術的に、一条の目的の中にうたうべきものではないであろうということから一条にはうたっていないのでございますし、また私どもの第一課長が御説明申し上げましたように、それが非常に大きな実はねらいなのです。そういうことが五条の中に表われておるので、ごらんをいただきたい。それじゃ、今御質問のように、商店街というようなものにやれないかということでございますが、これは御承知のように別途都市計画その他いろいろと問題がございますので、さような点につきましては、これは官公庁施設建設等に関する法律によりまして、建設省の系統においてもそれぞれ委員会、審議会等もございますから、さような点から官庁の営繕計画というようなものも出されております。われわれはそういう一般的なことの上に、さらにこういう超重点的の住宅問題を取り上げた、かような趣旨でございますので、御了承を賜わりたいと思います。
  13. 西田信一

    西田信一君 次に、これは庁舎の敷地を住宅用地として転用することをねらいとしておるということでありますが、その逆な場合があると思うのでありますが、これについてお考えがあるかどうか。と申しますことは、たとえばこれは非常に住宅地として不適当である。当然総合庁舎等建てるのに適当な場所に平屋の住宅がたくさん並んでおる、こういうようなものを、むしろ両方の目的から、住宅地としては不適当であり、それはむしろ適当な所に移す方が適当である。また役所の建物建てる場合には適当であるという場合が相当あると思うのです。また現実に起きている問題です。こうしたものはこの法律の上では考えておらないように思われるのですが、あるいはこの一号のところに含まれておるのかどうか、この点についてお伺いいたします。
  14. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいまの御質問につきましては、それは実は入っておりません。現在たとえば役所の公務員宿舎が建っておる。そうすると、公務員宿舎は特定庁舎等特殊整備計画には入らないのでございます。それはどうするかといいますと、公務員宿舎の整備計画で、今回予算におきまして前年度より五割増加の十五億円お認めいただきまして、ただいま本院において御審議を願っておるのでございますが、これはどこまでも、先ほど申しました一般的な公務員宿舎の整備計画によってやっていくべきである。従いまして、たとえば東京都内にやはり終戦直後に応急的に作られました公務員宿舎があちこちございます。これは西田委員御指摘の通りでございます。かようなことを整備いたしますのに、やはり公務員宿舎整備計画の一環といたしまして、これを立体化あるいは再配置するということでやっていきたい。ここにございますのは、どこまでも、第二条の第四項でございますか、特定庁舎等とは、庁舎等のうち特別会計に属するもの以外の、いわば大体庁舎というような観念でやられているものということで御了承を賜わりたいのでございまして、公務員宿舎のごときは入っておらないのでございます。
  15. 西田信一

    西田信一君 次にお尋ねしたいのは、審議会の構成ですが、委員は、各省各庁の職員及び学識経験者、こうございます。こういうような各省間にまたがるところの庁舎調整を行うという場合、各省の職員に限った委員とした、これは何か特別な理由があるのかどうか、適当でないのじゃないかということからお尋ねしたいのですが。
  16. 天野四郎

    説明員天野四郎君) 今のお尋ねの件でございますが、委員各省各庁の職員のほかに学識経験のある人も含まれております。と申しますのは、役所関係だけで勝手なことをいたさないように、民間学識経験のある有力な方にいろいろな御意見を承わりましてやりたいと考えておりまして、各省各庁の職員とはどういう方を予定しておるかといいますと、各省の次官クラスの方にお願いいたしたいと思っております。それから民間の方でございますが、これはまだきまっておりませんけれども、各界にいろいろ関係のある方、たとえば都市計画の方の権威の方とか、あるいは建築の方の権威ある方、そういうような方も一緒に入っていただきまして、大いに衆知を集めてやっていきたいというような構想でございます。
  17. 田中一

    田中一君 これは現在ねらっているものはどういう範囲のものでございますか、ちょっと例示していただきたい。
  18. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) まず御質問の御趣旨は特定庁舎等特殊整備計画の方でございましょうと思いますが、それでよろしゅうございましょうか……。これは法律の条文にもございますように、この問題につきましては、ただいま西田委員から御質問のありましたように、第七条によりまする審議会、これに付議をいたしまして、なおその前には各省各庁の長からいろいろの御計画を拝見いたしました上でこの審議会に付議するわけでございます。それによってきまることでございますが、一応今の田中委員の御質問は、具体的にたとえばどういうものかということの御質問といたしましてお答えをいたします。これが審議会において、あるいはそういうものがずっと一部分あるというふうな結論になることも想像されるのでありますが、われわれ事務的に考えております場合に、たとえばこの大手町地区——ただいまもちょっとお話が出ました大手町地区をとってみますと、あそこは御承知のように財務局あるいは国税局、あるいは労働省、さらに進みますと気象庁、こういうような昔からの役所があり、あるいは戦後に応急的に建てられた役所がございます。労働基準局でございますか、ああいうものがございますが、これが大体都心部におきまして相当平面的に土地を使っているわけでございます。そこで、こういうものを立体化する場合を考えますと、大体あそこに相当の余剰の土地が出て参る、これは当然都市計画その他の見地から、この審議会なりあるいは都市計画関係委員会等におきまして御審議をいただくことはもとよりでございますが、その結論といたしまして、余剰の土地はむしろ民間の一般国民経済の方から活用をお願いいたすべきであるということになりますれば、相当部分が余剰の土地民間に払い下げられることに相なろうかと存じます。これがいわば立体化の場合の一つの例でございます。  それからもう一つの例は、先ほどもお話がありましたが、たとえば中野の電信隊のごときは、これはまあ再配置と申しましょうか、もう少し——あそこにも相当土地の上に平面的に今日警察の庁舎が建っているわけでございますが、これは古い軍の施設を活用しておられますけれども、今日すでに中野のあの辺と申しますのは相当都心に近く最も便利のいい住宅用地ではないかというふうなことが一般常識として考えられるかと思うのであります。かようなものは思い切ってこれを再配置いたしまして、あそこを住宅用地に開放する、これがまあいわば第二の例かと思います。  こういうふうなことは、木挽町の古い通産省の庁舎でございますとか、さらに千駄ケ谷の通産局の庁舎でございますとか、また竹橋の古い連隊の跡地でございますとか、さらに大阪に参りますと、大阪の杉山町にございまするもとの兵舎を使っておりまする財務局、国税局、あるいは地方建設局、これらの土地がやはりそれらの例かと思います。さらに広島、札幌、名古屋その他にも類似のような都心部におるもの、あるいはやや都心を離れておりますけれども、きわめて住宅用地として適当なところに昔の軍用の建物がそのままあるものという事例は相当あろうかと存じます。大体そういうものを予定しております。
  19. 田中一

    田中一君 どうも局長の説明は長くてしようがないです。もう少し簡潔にやって下さい。  そうしますと、結局第二の問題の立体化をはかって宅地を求めるのだということが前提なのか。目的の第一条にある使用調整という面が主要目的なのか。むろん両方あげてあるから両方でしょうけれども、今の御説明は全部使用調整の問題じゃないのです。たとえば人事院ビルというものを見ても、人事院ビルというものが無駄か無駄じゃないか、使用の限度というものは、あるいはあなたの方で今使っているところの今の大蔵省庁舎というものは外務省と一緒に使っている。こういう使用調整という問題と、それから新しく立体化して宅地を造成するのだ、余裕を求めるのだというふうなものは従来もやっておるのです。その宅地を求めるとか、立体化の問題は、従来もやっておるのです。合同庁舎のできたのも一つの例でございます。広島でも合同庁舎ができると思う。中央官庁の出先機関としての……従ってそういうことを、常に宅地を造成するとかなんとかということをやるから、われわれが非常に理解に苦しむようになってくるのですが、問題は、第一条に規定しているように、合理的にむだをしないで、また無理をしないで、みんなが同じような環境で高能率的な行政事務をとらせようというところに問題があるのじゃございませんか。
  20. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 最初にお答え申し上げる前にもお断わりを申したのでございますが、使用調整のことと、両方の御質問か、あるいは特殊庁舎特定庁舎等特殊整備計画の方の御質問かと迷いまして、あとの方に限定をしてお答えをしたわけであります。もう一度最初からお答えを申し上げますが、本法の目的は、使用調整庁舎立体化、再配置ということと、二つあるわけであります。使用調整の対象としてたとえばどういうものを考えておるか……。
  21. 田中一

    田中一君 これに該当するものが使用調整の場合にはこれこれという工合に説明して下さい。それから立体化の場合——立体化の場合はわかりました。
  22. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 立体化、集約化は御説明した通りです。  使用調整の場合を申し上げますと、ただいまおあげになりましたのはまさにその適例でございまして、今日、中央官庁、地方官庁を通じまして非常にでこぼこがあるわけであります。私どもの資料でちょっと申し上げますと、昨年の三月三十一日現在でございますが、庁舎等に入っております人員を中央、地方を通じて一応調べますと、二十七万四百三十一人の職員を収容いたしておりますが、その建物の面積が百三万五千四百六十一坪ということになっております。これを各省各庁別にずっと見て参りますと、今の平均で参りますと、定員一人当りの事務室が一・五坪でございますが、これがたとえば一番ひどいところになりますと、パーカピタ一・一坪、それが一番余裕のあるところに参りますと、一・九坪、あるいは二坪、四坪というふうな、これは非常に稀なケースでございますが、これはスペースの立て方にでこぼこがございます。おあげになりました人事院ビルなんかはまさに非常に窮屈な例かと存じます。しかもこの人事院ビルの中でもお話のように各省各庁の間になお非常にでこぼこがございます。こういうふうなところを私どもは今日ぜひとも毎年々々計画をとりまして、そうしてその間のでこぼこを調整していくような努力をしていくべきである。そうして、どうしても、そこから努力いたしましても、なんとかネット・プラスのスペースを確保しないと解決できないというときに、初めて立体化なり、集約化なり、あるいは再配置なりという問題が起ってくる、こういうふうなことを大体考えております。
  23. 田中一

    田中一君 そうしますと、現在の事務室は事務を扱う場所ですね、今の一・五坪というのは。
  24. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ええ。
  25. 田中一

    田中一君 そうすると、結局一・五で、これは非常に狭い。従ってこれを広くするのだという前提のもとに立体化をはかって、言いかえれば新しい庁舎をたくさん作って、そうしてでこぼこがないようにするのだということなんですね。
  26. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 大体の傾向はそういうことになろうかと思いますが、ただ先ほども申し上げましたように、少くとも土地使用面積は、これは、かりに私どもはむしろ減るのじゃないかと思う。先ほど申し上げたように、用地に対する建物の倍数は一・五倍ということになっておりますから、非常に用地の使い力は不経済であるというような考え方をとっております。それから今、田中委員から御指摘がありました事務室の面積一・五坪と申し上げましたが、ここに交通部分と申しますが、これは建設省の方でお教えいただいた専門用語でございますが、こういうものを相当セーブする余地があるのじゃないか。新らしい建物の工夫によりまして……。これはもっぱら建設省の方でいろいろ御研究を願うわけであります。従いまして全体としてスペースの坪数が、交通部分その他を入れたものでも相当倹約できる坪数の余地はあるものと存じます。大体の傾向といたしますれば、やはり新らしいものを建てまして、今のような土地、その他のスペースのむだを排除して行く、こういう傾向にあると御了解いただいてけっこうでございます。
  27. 田中一

    田中一君 一・五というのは土地ですか。それとも事務室の……。
  28. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは事務室のスペースでございまして、ただ共用部分と申しますか、交通部分と申しますか、そういうものを除外しておりますので、そういうところに相当むだがありますので……。
  29. 田中一

    田中一君 当然です。事務室は事務室、廊下は廊下なんですからね。そこで、一・五というものは、もう少し……。むだなところはどのくらい使っていますか。一番余分に使っている部屋というのはどのくらいですか。
  30. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 四坪くらいのところがございます。
  31. 田中一

    田中一君 それはどこです。
  32. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) それは参議院です。どうも、まことに申しわけございませんが、たまたま参議院でございます。
  33. 田中一

    田中一君 参議院のどこです。
  34. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 参議院の事務室でございます。
  35. 田中一

    田中一君 問題は、そうすると大体の官庁の建物はこれに入るわけですね。というのは、使用調整する場合にも、国有財産として登録されている、まあ、ある一定の規模のもの、それ以上のものは全部これの対象になるんだというふうに理解していいですか。
  36. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) さようでございます。さように御了解いただいてけっこうでございます。
  37. 田中一

    田中一君 一定規模というのはどの程度をさしていますか。私の今、申し上げた一定規模という概念では……。
  38. 天野四郎

    説明員天野四郎君) 使用調整と、それから立体化、再配置と、対象が違いまして、使用調整の場合には庁舎すべて入るわけでございます。だからどの特別会計に属そうと、あるいは一般会計に属そうと、すべての庁舎が行われるわけでございます。  それから立体化、あるいは再配置特殊整備計画の対象の庁舎でございますが、これはまず第一に特別会計に属するものが除かれます。と申しますのは、特別会計では、それぞれ特別会計をとった上でございますので、その会計でおやり下さいということで、それを除きます。それから一般会計でも、国家行政組織法に言います第八条機関の中で、たとえば、わかりやすく申し上げますと、研究所とか試験所というふうなものは入りますけれども、しかしたとえば自衛隊の庁舎とか、こういうものは国防計画から考えるべきものでございますから、そういうものは入っておりません。従ってつまりこの特殊整備計画の対象のものは、一般会計に属するもので、最初から特に適当でないものを若干除いたものでございます。
  39. 田中一

    田中一君 一番小さい庁舎は、どんなものをさしていますか。
  40. 天野四郎

    説明員天野四郎君) それは現在庁舎は全部入ります。小さな庁舎も入りますけれども、大蔵大臣が、それについて使用調整を言うか、言わないかは別問題でございますが、対象としてはどんな小さいものも入ります。
  41. 田中一

    田中一君 一番小さいものはどんなものですか、教えて下さい。
  42. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 国有財産になっておりますものは、たとえば皇宮警察のおまわりさんの詰所、あれも一種の庁舎でございます。こういうものも対象に入ります。
  43. 田中一

    田中一君 従来でも困難性のあったのは使用調整の問題なんです。一番おそらくわがままに使っているのは、予算をもっている大蔵省が、やはり一番優なるものだと思うのです。おそらく全国的に見まして、大蔵省が一番ぜいたくをしているのじゃないかと思います。もうこういう制度はぜひとも、一日も早くあった方がいいと思うのです。そこで、先年、そこに建設省の山本君もおられますが、かつて、建設省営繕局で、この官庁営繕と申しますか、庁舎の管理公社的なものを作りたいというような構想があったのは御承知の通りです。これはおそらくあなたの方に御相談があったと思います。これは立ち消えになっております。そこで、そういうものを作って、現在の実態というものはわれわれは知らないのですけれども、維持管理というものはどこの責任においてあらゆる庁舎の責任を持っておるのですか。たとえば人事院ビルというものは、人事院ビルという名前があるから、おそらくこれは人事院があの維持管理権を持っておるのじゃなかろうかと考えますけれども、そこには北海道開発庁とか、あるいは建設省とか、ほかの役所も入っておりますので、その部分はだれが一体持っているのか。なぜあそこは人事院ビルと言うのか。そういう点が私は明快じゃないのです。明確につかんでおらぬものですから、御説明願いたいと思います。維持管理の問題はどうなっておるか。
  44. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは田中委員御指摘のように非常に込み入っておりまして、非常に今までも、公社を作るとか、あるいは人事院ビルを共同で管理すべきであるか、あるいは人事院の手から建設省の管理に移すべきかというような議論のあったことは御承知の通りであります。端的に申し上げますと、人事院ビルはただいまは一応人事院の管理ということになっておるのでありますが、しからば人事院が全体の予算を組んでおるかと申しますと、これは組んでおりません。これはしばしば、予算を人事院に移すべきであるか、あるいは建設省という技術的な知識経験を持っておられるところの役所の管理にすべきであるかということをよく議論いたしたのでありますが、今日まだその点についてはっきりした結論もなしに、今まで通り管理は一応人事院にいたしておりますが、予算はそれぞれあそこを使っておられますところの各省庁に組んでおるわけであります。そこで非常にこの点は込み入っていることは御指摘の通りでありますが、これらの点につきましても、今回この法律をお認めいただきましてスペース・コントロールということを計画的にやっていくならば、私は一つのむしろ結論が出るのじゃないか。この点から、今仰せのごとき込み入った関係をもう少し簡潔明瞭なる形にできるならば、むしろ一つの大きな進歩じゃないか、かように考えております。
  45. 田中一

    田中一君 そうだと思います。全く不思議なものでありまして、人事院ビルを見ましても、人事院が使っているところは非常にきれいにやっておるのです。ところが一たび二階なり三階へ、建設省に行こうものなら、これはもう物置のような使い方をしているのです。これはもうひどいものです、実際。そこで今度のこの特別措置法ができたら、どこにそこがきれいになっていくということが書いてありますか。これはきれいになるのだ、スペース・コントロールができるのだ、これは一部うたっておりますけれども、実際に保証されるものはどこにあるのです。矯正されるものはどこに盛り込んでありますか。維持管理というのはどこに盛り込んでありますか。これは当然国有財産でありますから国が見るべきであって、正示さん、あなたの方がやるのがほんとうなんです。そうなると、これはどこで保証できますか。
  46. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは今、田中委員から仰せのように、国有財産でございまするから、国有財産の総括をやっております大蔵省が責任をもってその点についてはやるべきであります。現に国有財産法第十条におきましては、各省庁の管理いたしておりますところの国有財産につきまして、大蔵大臣はいろいろと、このお願いができるような規定を認めていただいておるわけであります。ところが今日までそれをいたしておりません。それはなぜかと申しますと、一方におきまして御指摘のように、非常にでこぼこのあるような使い方をしておられるのを矯正する道がなかったわけです。これはまあ第十条によりまして閣議決定を経るとか、いろいろの規定をいたせば、大蔵大臣としてもある程度介入できるような規定もございましたのですが、これをいわば今回の特別措置法によりまして一つのはっきりした規定をしていただき、毎年々々計画を拝見して、その計画に基いて使用調整をするという手続をお定めいただく、こういうことによりまして、私は、しからばその次にそれぞれのスペースについて当然各省庁の責任でどういうふうに維持管理していかれるかという問題に発展してくる、その前提として今回のようなスペース・コントロールの規定をしていただく、こういうふうに考えておるわけであります。それではその規定はどこにあるかという御質問でございますが、これは私は、もとよりこの規定はなくても、今も田中委員から御指摘の通り、当然国から国有財産管理の責任を負わされておりますところの各省各庁、これを総括する大蔵大臣といたしましては、最小限度に必要な予算なり、あるいは人事なりを確保してやっていく責任を負わされておる、かように考えておる次第でございます。
  47. 田中一

    田中一君 この官公庁施設建設等に関する法律、いわゆる官庁営繕法ですね、これを見ても、第二条の第二項に「この法律において『営繕』とは、建築物の建築、修繕又は模様替をいう。」こう言っているのですが、ここにはむろん維持管理の問題は含んでいないわけなんですね。そこで、現在審議中のこの特別措置法の中にも維持管理の責任というものは明らかになっておらない。どこにございます、それは。これは結局責任は大蔵大臣が見るのだといっても、現在それがばらばらなんでしょう。
  48. 天野四郎

    説明員天野四郎君) ただいまの御質問に対しまして、制度的には、行政財産につきましては国有財産法で各省各庁の長が責任者になっております。国有財産法の五条にこういう規定がございますが、「各省各庁の長は、その所管に属する行政財産を管理しなければならない。」とございまして、これで責任が明示してございます。  それから今お話の人事院ビルでございますが、これは合同庁舎でございまして、そういう場合には、おっしゃる通り各省各庁が非常に多くございますけれども、その中でだれがおやりになるかという、そういう点の責任が明確でございませんので、昨年この改正をしていただきまして、五条の二というのが入りました。それによりますと、大蔵大臣が統一的に管理する必要があると認めまするそういう庁舎につきましては、現に使っているうちからだれか一人を指定いたしまして、その人に責任者になっていただいて全体をうまくいくようにお願いをしたい。そういう規定を昨年入れておりまして、これによって制度的に明示されております。しかし今おっしゃったように、いろいろと、人事院ビルの一階はきれいですけれども、二階へ行きますときたないというのは、一般の理由としては、スペースが狭いから廊下に書類がはみ出ておるということもございますし、処理の仕方が悪いのではみ出ているということもございますけれども、要はスペースが足りないわけでございまして、この本法によりまして計画的に使用調整をいたしまして、その点はある程度きれいになるのではないかとわれわれ期待しておる次第でございます。
  49. 田中一

    田中一君 結局スペースが足りないということが前提ならば、今申し上げた官庁営繕法、これにくるのではないかと思うのです。官公庁施設建設等に関する法律、これにくるのではないかと思うのです。現在こうした法律を使わないでも必要なものは作っているのです。いたずらに大蔵省予算を抑制して、むだ使いするから、こういうものには来ないのであって、結局これに必要なものであるならば、金をつければ、予算をつければできてくるわけなんです。あながちこうした特別措置法を作らぬでも、スペース・コントロールというよりは、新しく生み出すスペースというものが現に予算をつけて計画的にやればできるのです。一面また本年度の官庁営繕に対する高層率なんというものを聞いてみましてもまだまだひどいものです。ことに耐火率なんというものは非常に十何パーセントも木造建築になっているのです。そうしてばらばらな小さいものがたくさん出ておったと思います。たとえば国と東京とが合同庁舎を作っても、この所有権というものは二つに分けることも可能なはずなんです。この法律ができたらそれがすっかり是正されるのだということは、はっきり自信を持って言えますか。
  50. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 先ほど私の方の第一課長がお答えいたしましたが、法律によりまして、この財政法の第九条の第二項、ここに、「国の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて、最も効率的に、これを運用しなければならない。」こういう規定がはっきりございます。私どもはこの精神によってやっていかなければならぬという点については、ただいま田中委員も御指摘のように考えておるのであります。たまたまいろいろの原因がありまして、一つスペースが非常に足りなくて、きれいにいたしたくとも、やむにやまれずみっともない格好のままになっておるという点もございましょう。また予算が非常に窮屈で、これは年々事務費の節約ということを予算でやられたことは御承知の通りでございまして、そういう場合に一番響いておりますのは、これらの維持管理の経費相当窮屈になっているということも事実かと思います。そこで、この財政法第九条第二項の精神に則りまして、その所有の目的に応じて、最も効率的に、運用していく、また常に良好の状態においてこれを管理していく、こういうことに適合して参りますためには、やはり乏しきを憂えず、ひとしからざるを憂えるというふうな考え方がどうしても必要ではないか、非常に庁舎先ほども申し上げましたように、大きいところは四坪、小さいところで一坪ぎりぎりというふうな形になっておりますと、とかくそういうふうにも参らないので、それらの点をも是正しつつ、結局ネット・プラスを付け加えることによりまして、全体の状況を改善しながら、一方で今お話のように、はっきりと責任者をきめて、そしてその責任者には必要最小限度の維持管理のための予算も考えていく、こういうことがなされなければならぬかと思うのであります。で、今御質問の御趣旨は、この法律を作ればそれは万全であるかという御趣旨でございますが、私どもは、少くともそれに対して非常に寄与するところ大きいものがある。そういうふうな状況へ持っていくための有力な一つの手がかりになっていく規定でございますので、ぜひともこれはお認めいただきたい、かように考えておる次第であります。
  51. 田中一

    田中一君 官庁営繕法によりますと、合同庁舎土地取得というものは建設大臣が行うのだということをきめてあるのです、この中に。結局国有財産ですから、大蔵省の中のあなたがこれを全部総覧して見ているのでしょう、そうでしょうが、このたとえば指定するにしても、官公庁施設建設等に関する法律の中には官庁営繕審議会ができている。それから今度新しくこの法律で、特別措置法では庁舎等調整審議会ができる、結局スペースが足りないという前提からくるならば、これは官庁営繕建設ということが目的なわけなんです。新しい官庁営繕ですね、新しい庁舎建設ということが主目的になるわけですね、ただ違っておるところは、売ろうという、まあ、まことに資本主義社会におけるところの一番いい例をあなたは出してくれたのであって、おそらく住宅の宅地に売るのだというけれども、どっちみち国のものを売るのじゃないのですか。売ろうとする。売るからこそこういう財政上の特別会計法が生まれてくると思うのですが、こういう形の二つ法律を対照してみますと、屋上屋を架すような点がたくさんあると思うのです。こういう点はどういう工合に調整しようとするのか、違っているところは、今言う通り、片方の方は建設しようという、片方の方は売ってもうけるかどうかしらんけれども、とにかく売って払い下げして金を取得するのだというところに違いがあるのですね、売ったものでまた建てるのだということなんですね。そういうことがこの二つの骨になってくるのです。こういう点、官庁営繕法との調整はどういう形で考えておるのか。全く屋上屋を架すようなものがたくさんあるのじゃないかと思うのです。ちょうど現在建設委員会でやって問題になっているところの高速自動車国道の問題とか縦貫自動車道の問題とか、二つの問題が競合する点がたくさんあって、妥協して一つの線に落ち着きそうな状態になっているのですね。これは、官庁営繕法は、本来なら議員提案の法律なんです。それを昨年、それじゃ困るというので、政府の意思も入れてこのように改正されたのでございますが、まだこれでも無駄があるのじゃないかと思います。どういう工合にこれを調整していくか、伺いたいと思います。
  52. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 建設大臣大蔵大臣との権限の問題、あるいは官公庁施設建設等に関する法律と、今回お願いをいたしておりますところの特別措置法との関係、ここで何かまあオーバーラップする面を御心配をいただき、あるいはそれの調整の問題についての御質問でございますが、この点につきましては、先ほど来、実は田中委員が非常にうんちくを傾けてお話になりまして、たとえばスペース・コントロールの面におきましては、先ほどお話のような、官公庁施設建設等に関する法律の第二条におきまして、「建築物の建築、修繕又は模様替」ということが主としてこの法律においてスペースの一環として行われておるわけであります。かようなことは、これは今回の法律において全然触れておらないわけでございまして、どこまでもこれは官公庁施設建設等に関する法律によって行われることであります。  その次に、従いまして、立体化なり再配置なりの問題になって参りますと、土地の選定その他の問題につきましてどういうふうなことになるかという御質問でございますが、この点につきましては、先ほども逐条的に御説明を申し上げましたように、第五条の四項というものを設けまして「特定庁舎等特殊整備計画の案を定めたときは、遅滞なく、これを建設大臣に通知しなければならない。」ということになっております五項におきましては、建設大臣がこの通知に基きまして建築または付帯施設、その位置、規模及び構造その他政令による計画の定めによりまして閣議決定を求めるということになっておるのでございまして、この点は建設省当局とも十分事務的に連絡をとりまして、決して相互に相重複することのないようにという考え方をこの法律案の中に盛り込んでおるわけでございます。  なお、審議会等につきましても、ただいま田中委員お話のように、この法律案によりまする庁舎等調整審議会は、あくまでも国有財産の管理及びその処分が適正に行われ、この法律あるいは国有財産法等に定められておるところの目的に適合するようにいたすということが、この審議会の主目的でございます。官公庁施設建設に関しまする審議会は、その法律の趣旨といたすところを実現することを眼目といたしまして審議されておることは申し上げるまでもないのであります。  かようなわけでありまして、相互にその期するところがおのずから別なのでございますが、しかし、結局において、それが法律といたしましては、国の庁舎その他の施設として、いわゆる公衆利便、また一般社会経済の要請にこたえるという点においては渾然一体をなすのでありまして、それぞれの分野におのずから法律によって明定された通りに動くもの、かように考えておる次第でございます。
  53. 田中一

    田中一君 審議会ができておりましても、大体同じ人が委員になるはずなんですね。これはおそらく先ほど言っているように、各省事務次官が入るだろうというお話ですけれども、この官庁営繕審議会にはどういう人たちが入っておりますか、委員に。
  54. 天野四郎

    説明員天野四郎君) 官庁営繕審議会の方におきましては、必ずしも各省各庁の職員全部が含まれておりません。たとえば関係のありますところの大蔵省関係だとか、あるいは国会とか、そういうふうに関係のある省庁に限られておりますし、さらに民間の有識者の方々、おもに建設関係あるいは不動産とか、そういう方面の人に限定されておるようでございまして、私の方は、広く金融あるいは産業界、あるいは地方団体とか各層にわたりまして、学界とかあるいは法曹界、そのような各界にわたるところの有識者の衆知を集めて得た結果から判定された計画を作っていきたいというような構想になっておりまして、これは構成がだいぶ違うのでございます。
  55. 田中一

    田中一君 財界人とか何とかという者は、使用調整の方に何も直接関係するものではないと思う。これは後段の売ったり買ったりというところに一番重要な、主要な目的があると思う。使用調整だけならば、これは当然一つの内閣が責任政治を現在やっているのですから、自分のところの行政機関事務をとっていく事務室のスペースは、話し合いがつかぬはずがないのです。従って今の売買という分には、売ったり買ったりの分だけには、やはり価格や何かのことを見なければならぬものだから、そういうことを考えるのでしょうけれども、どうも使用調整の方に限定してみますと、官庁営繕相当似通っているのではないか。もしできるならば、これは一緒にしてもいいくらいなんです。もともと、現在の官庁営繕というものは、新しく庁舎を作る場合には、初めから使用調整というものを考えながら、考慮されながら計画されるものだと思うのです。一庁だけの、一つの役所だけの手前勝手な希望でもって余分な……一人に二とか、二・五というスペースが与えられるものではないと思う。使用調整の趣旨というものを織り込んだ計画は私は各省庁では認めるのではないかと思う。またそれが官庁営繕審議会においても了承されるのではないかと思うのですよ。従ってこの法律の主眼とするところは、結局新しい敷地の造成とか、あるいは建物の売買とか、敷地、建物の売買等が一番大きな主眼になっている問題ではないかと考えるわけです。そこで、そういう解釈をしていいのですか。
  56. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、この官公庁施設建設等に関する法律におきまして、いわゆる建物につきまして建築、修繕、模様がえというふうなことをやっていただく上におきましては、これは当然この官公庁施設建設等に関する法律に基く審議会、この審議会において御審議をいただくわけであります。しかしながら、先ほどお話のように、財政法あるいは国有財産法に基くところの官公庁舎のこの維持、管理、こういう問題になって参りますると、これは違うのであります。そこで、たとえば先ほどもお話のように、官公庁の庁舎を最も効率的に、また清潔に管理していくということについて、どういうことが一番いいかという点につきましては、私どもは非常にやはり研究すべき余地が多いと思うのであります。現に、先ほどお話に出ておりました総合庁舎を一体どういうふうに管理、運営していくか——これは事務的な面であります。管理、運営していくかという面につきましては、今日もやはり相当いろいろのモデルが出ております。たとえば農林省の庁舎は、御承知のようにエレベーターは一切請負式でやっております。これに反しまして、大蔵省は直営方式でやっている。どちらが一体皆様方が便利とお考えになっておられるか。これらの点も私は大いに研究の余地はあろうかと思います。これは模様がえとか、建築の問題ではございません。もっぱら一種の予算の使い方の問題かと思います。同じ予算を使いました場合に、それを請負に出す方がいいか、それとも従来のように、役所が雇用人という形で人を使ってオペレートしていった方がいいかというふうな点になるのでございまするから、おのずからこの審議すべき対象も違ってくるわけであります。これらの点につきましては、先ほども申し上げましたように、決して両方は相犯すことのないように、それぞれの分野を守っていくということを重ねて申し上げておきます。
  57. 田中一

    田中一君 そうしますと、現在あなた方の構想としては、大蔵省と外務省と一緒に使っているというあの管理方式がいいのか、農林省の方式がいいのか、どっちがいいと思っているのですか。
  58. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 実はまだその結論は出ていないのであります。これらの点もなお民間その他の御意見等も拝聴しながら、大いに研究していくべきじゃないか、かように考えております。
  59. 田中一

    田中一君 この使用調整の問題を民間人を入れて相談しなければならんというほど弱体な、あなた方の——国の財産を預かっているあなた自身がどうしたら国の利益になるかを、根本的な考え方をしていないのですか。民間人に聞かなきゃならんということはどういうところなんでしょうね。
  60. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 私は根本的な考え方をいたしております。考究をいたしております。これを役人だけが判断をいたしまして、それが最善だというふうな考え方をすべきではないので、広く一般の意見を求むべきであるという一例として申し上げたのでございます。
  61. 田中一

    田中一君 特別会計の分は別だとおっしゃっていましたが、従って現業官庁の国鉄とか、その他のものは全然別でしょう。別でしょうが、こういうところに五現業その他に貸しておるところの国有物ですね、土地建物なんというものにも——これは別だとおっしゃるけれども、相当今言う使用調整しなければならない面もあるのじゃないかと思うのです。それからことに使っていない土地です。たとえば八重洲口とか、それから今度作ろうという池袋の駅とか、新宿の駅とかというものも、これは国有地に建つことになりますね。結局民有地で建つなら別ですけれども、そういうものには全然触れない。それは勝手にまかしておこうという考えなんですか。これは、それは貸したものだから、どういうふうにむだづかいしてもかまわないのだ、向うにまかしたものだからいいのだという考えでおりますか、その点は……。
  62. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいまの御質問は国有財産制度の根本に触れた、きわめて重要な問題でございます。私どもは国有財産制度は、今日の姿が最善とは考えておりません。しかしながら一応今日の姿は、御承知のように国有財産法におきまして、国有財産と申しますのは、国——この場合の国は国鉄、あるいは専売、電々というふうな、国以外の公社を除外しております。国の所有する不動産、あるいは動産、権利の一部ということに国有財産法において明定されておるのであります。そこでわれわれこの大蔵省の管財局としては、各省、各庁の長、か管理をいたしております国有財産は、この国有財産法上のいわゆる国有財産になるのでありまして、今回の、今お話のような国鉄その他の公社が所有しておるところの財産には及びません。国鉄その他の公社に対しましては、国は出資者としての持ち分を持っておるのに過ぎないのであります。で、今日国有財産法、その他の法律によりまして、国有財産の管理処分という場合は、それには及ばないのであります。しかしながら、これが果していいかどうかという点につきましては、たまたまこの国会におきましてもいろいろ御議論がございまするし、また先般大蔵省に設けられました国有財産審議会の答申が、去る十五日に大蔵省に出されたのでございますが、その答申の中にも、さような問題にも言及されまして、なお今後研究を要するということをはっきりと指摘されておるのであります。で、私どもといたしましては、将来ともそれらの点にさらに研究を進めて参りたいと思っております。  それから第二に、しかしながら国有財産法上の国有財産は、それらの機関に貸し付け、あるいは利用させておるような場合は、これは当然国有財産の管理処分の一形態でございまするから、これにつきましては厳正に管理監督の責任を持っていることは当然でございます。いやしくも国有財産を利用しておられる場合に、それが本来の目的に沿うていないということでございますれば、われわれといたしましては直ちに所有者としての権限を発動いたしまして、その適正なる使用等につきまして反省を求め、なお、これがどうしても聞き入れていただけないという場合におきましては、契約の解除、その他必要なる措置を講ずることはもとよりでございます。
  63. 田中一

    田中一君 ではそういう面についてもこの使用調整というものは、この法律ができ上ったあとには、これにならって独自な立場でもって同じような方向に向うであろうということを予想しておるわけですか。
  64. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) さきほど御説明いたしましたように、スペース・コントロールは一般会計及び特別会計の、すべての庁舎に及びますので、それぞれでこぼこのないように調整して参りたい。ただし、国以外の公社その他については、これは及ばないのでありますけれども、それは将来の制度改正の問題として、なお研究を要する問題かと、かようにお答えを申し上げた次第であります。それから立体化、あるは再配置という問題につきましては、これはどこまでも一般会計所属の庁舎等が対象になっておりますので、しかし、これらの点につきましても、一応この法律はさようなことになっておりますが、将来の一つの願わしい方向といたしましては、より一そうその範囲を拡げまして、国全体の財産の効率的な活用ということを、検討の対象にしていきたいという意欲は持っておる、かように御了解を願いたいのであります。
  65. 田中一

    田中一君 官庁営繕法の営繕計画ですね、これは年次ごとに出さなければならぬことになっておりますが、これと整備計画ですね、この特殊整備計画、これはどっちかどういうことになって先行するのですか。
  66. 天野四郎

    説明員天野四郎君) 特殊整備計画は、これは大蔵省建設省と事前によく連絡いたしまして、しかも、各省、各庁の職員の集まっておられます調整審議会に諮問いたしまして、十分そこで意見を調整いたしましたのち、閣議決定されるわけであります。閣議決定されたといって、直ちにそれが営繕できるわけではございませんでして、それは先ほど説明いたしました特別会計法で予算を計上いたしまして、予算が確定いたしましてから、それから実行されるわけで刈りまして、かように特殊整備計画というものが、関係者の間で十分議を経て出されるものでありますので、またあらためてこの第九条で申します営繕計画書を出す必要はございませんので、この営繕計画書のこの条文については特例ということになります。
  67. 石井桂

    石井桂君 私も田中さんの質疑を聞いておりまして、非常に疑問を深くするのですが、官庁営繕法の目的と、今度だされた国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法案、これとの関係をみますと、第一条の目的等においても、違うのは使用調整というのが含まれておることと、それから新しい法案の方には、もう少し広くいろいろなことが規定しておる、これとの違いのようでありまして、本来もし官庁営繕法の趣旨が十分大蔵省当局で納得しておられれば、それを育成して官庁営繕法の方の条文を練って、幾らか修正することによって、使用調整だけの法律案で事足りるように私は思うのです。いろいろの目的、いろいろの法律を出して、同じ対象のものを方々で取り締るということ、あるいは規制するということは、非常に国民あるいはこれを読む人に迷惑を私はかけると思う。結局今の、今度出される新しい法律によると、整備計画の方は主として立体化、効率化というようなことを考えるのだと、こういうことなんですが、そういうことを考えない官庁営繕法というものは、あるいは官庁営繕というものは今までないと思う。そればお金が——予算がつかないからやむを得ず木造でやっておるわけで、大蔵省が当然理解して、木造はいけないのだ、防災上、また能率上いけないから、よけい予算をつけて、そうして立体化しろという態度をとれば、今までの官庁営繕法でも私は十分目的が達せたのではないか、むしろ議員提案の官庁営繕法を抹殺する目的ではなかったかも知れないけれども、これは同じようなことをこちらへ規定するということは、どうも親切心が足りないように思うのですが、態度としてはどうですか。
  68. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) 実体法の関係でございまして、主計局の私は担当でございますから、ちょっとあるいは御納得がいかぬかもしれませんが、特別な事情がございますので申し上げます。官庁の立体化、もちろんこれはわれわれも進めなければならぬと思ってやっておるところでございます。しかし営繕にはいろいろございまして、立体化を進めるべきものは、これは立体化を進める。立体化でなくても、従来のものがもうぼろぼろになった、必ずしも立体化を要するような土地利用を必要とするところでないものもございます。それらのものもまた進めておるわけでございまして、今回の分は、立体化を必要とするような分につきまして、立体化のためのその経費は、これらの財源は、従来とも一般会計で、国民税負担として進めておるわけでございます。ことしもやっておるわけでございますが、そのほかに特にこの立体化の結果、今まで使っておりました土地なり建物なりが、これは別に役所のサービスを低下させる意味でもない、かえって便利になっておる、しかも要らなくなる分があるとすれば、これはそれを処分しました金は、さらにこの立体化につけ足しまして、立体化促進いたしたいというのがこの考え方でございます。この使用調整関係とちょっと違うのでございます。使用調整は、スペース・コントロールとしてもっと広い意味でございますが、この特定庁舎等の特殊整備に関する限りは、それが中心でございます。従いましてあくまでそういうことで立体化を促准しよう、そのためには今申し上げましたような関係で得られまするところの収入は、これをあげてここへほうり込みたい、しかもこれが財政法の原則から申しますと、一切の収入は、これは歳入になります。歳入当該年度歳出に用いるべきものになっております。ところがそういうことになりますと、これがほかの金に使われてしまう、どうしてもそれじゃ困るのでありまして、それを特定いたしましてとっておきたい。この計画の方の内容に合せまして、これを使いたいというところから出発いたしておりまして、この場合に、これを立体化するのである、その結果、その一部分があるいは不要になるという場合もございますし、これをある某建物立体化いたしますと、その結果、現にそこにおられる役所とか、そのほかこっちにおられる役所と合せてこっちに入ると、その合せて入る役所が、今住んでおるところが要らなくなる、あるいはそういうような連鎖反応と申しますか、そういうような関係がずっと複雑に計画に乗ってくるわけでございまして、これらの計画に従いまして、こっちの方で建てるということと、それに伴いまして今度要らなくなるという土地とは、こう計画に乗りますと関連がつくのであります。計画に乗りませんと、これはとんでもない関連のないものになるわけでありますので、これらのものを何らの計画というものが法律上の制度になりませんで、ただそういう趣旨でもってこれは売ったんだ、だからこっちに充てるのだ、これはそういうつもりで売ったんじゃないから、そういうものに充てないのだということになりますというと、これはもう恣意的になります。むろん御承知のことと思いまするが、特別会計を設けまするということは、財政法上非常な特例でございます。これを設けます場合に、その間の管掌区分というものは法律をもって定めるというのがこれは原則でございます。従いましてこれを区分いたします場合には、何となく、たとえば大蔵大臣がこのつもりで売ったからこっちへ入ってそのときはつもりがないから入らぬというのでは、実は制度にならんものでございます。こういうものを建てると、その経費に充てる財源というものは、一貫した計画がなければいかぬと、こういう趣旨でこの計画閣議決定ということにいたしまして、この閣議決定も通常の閣議決定でございますれば、事の重要なものは何でも閣議決定にかけるわけでございますが、この閣議決定はそうではないのでありまして、法律に基きます閣議決定でございます。そういう意味で計画的にこれはつかまざるを得ないのでございまして、非常に技術的な関係でおそれ入りますが、そういう関係でございます。これによって営繕の方の計画なり何なりというものにいろいろな理想がある、これに対して、これをネグレクトしようとか、その計画が適当でないからここで修正しようとか、そういう趣旨では決してございません。法案もこういう両制度がございまする関係になりまするので、その間におきましては、非常な調整をお願いいたしまして、管財当局、それから営繕の方の御当局と御相談になりまして、同一に閣議営繕関係についてのしっかりした計画をお立てになるということになっております。こっちは転換計画でございまして、それをあわせまして、しかも両方の手続でいくようにということにあわせておるわけでございます。その点は非常に技術的な問題でございまして、ちょっと横から申し上げたような関係になりましたが、御了承願いたいと思います。
  69. 石井桂

    石井桂君 私の申し上げるのは、今課長の御説明によって、たとえば例を大手町にとりますね。そうすると、あそこに気象台があり、労働省があり、あるいは国税庁があり、こういうものを一つの合同庁舎建て計画をなさる。そのときに要らなくなったスペースをどうするか。それを特別会計にして次の年度に使わせるようにしたい。その趣旨はよくわかりますし、それは非常にけっこうだと思います。そういう規定だけで、あとの何か特定庁舎特殊整備計画ですか、そういうものだとか、いろいろな審議会というようなものは、官庁営繕法の運用によって、あるいはそれの一部改訂によってまかなえなかったか、そういうことを聞いてるわけなんですね。私の言うのは、同じようなことが書いてあるじゃないか、そういうものは官庁営繕法に譲って、それでまかなえないだけのことを規定すれば割に簡単じゃなかったか。ところが両方見ると同じように書いてあるのですね。官庁営繕法には目的は何と書いてあるかというと、「この法律は、国家機関の建築物の位置構造営繕及び保全並びに一団地の官公庁施設等について規定して、その災害を防除し、公衆利便と公務の能率増進とを図ることを目的とする」と書いてある。また、国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法案は、「この法律は、庁舎等使用調整」と、これは新しく加わった、「及び特定庁舎等整備計画的に実施して適正かつ効率的な使用を図り、公務の能率の向上と公衆利便の増進に資することを目的とする」、これで違ったところはどこかというと、新しい法律庁舎等使用調整ということが違っておる。あと違っているのは、新しい法律では防災的なことを考えるというようなことは書いていないから、意地悪く考えれば、新しい法律は防災は考えないでもいいのだというような政策になる、これは私のこじつけですがね、そういうふうになっている。で、まあ足りないところはあっても足りるところも、よけいなこともついているのですが、そういうことで、今度は田中さんがさっきおっしゃったように、官庁営繕法には営繕計画というのがある。ところがこちらの方には特定庁舎等特殊整備計画等と書いてある。それだけ書いてある。それからまた片方は、官庁営繕審議会というのが書いてある。こちらの方にはやっぱり庁舎等、等というのですから、庁舎以外のものもあるのでしょうが、調整審議会というのが書いてある。いずれも同じようなものをねらって、ただ何か違ったところを見出して同じようなものを規定するということは、私は非常に煩瑣にたえないように思うわけなんです。そこで、今課長の言われたように、どうしても新しい法律案を出さなければ工合が悪い条項だけに法を規定して、そうして、今までできている法律の改善で済むことは最小限度そちらにまかしたらどうだったか、そういう方法はありませんでしたか、こういう聞き方なんです、私は。
  70. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) 御質問の筋を聞き違えたものでございますから……。今局長からも御答弁があると思いますが、実は、それが検討いたしまして、制度をいたずらに重ねるという趣旨で決して考えたものではございませんので、十分考えたものでございますが、処分いたしまする分と、それから取得いたしまする分と、その間にまた順々に入れかえをいたします。こういうようなものの一連の計画でございまして、しかも、たとえば大手町なら大手町地区ということで何らかの操作が行われる、それから大阪は大阪の方で行われる、その分の財源だけでどうということではまことにうまみが少いわけです。従いまして、使用調整計画の方ではそういうものを全部つっくるみにいたしまして、どこからか金が出てきたらどこへでも入れられるようにするというような工合でございまして、営繕計画に比べますと、だいぶ初めから終りまで長くなっておる、内容も単なる営繕計画式のものが入っておるというわけでございますが、ちょっと営繕計画だけではまかない切れないという関係がこれは不可避でございます。どうしても国有財産使用調整という今度の新しい構想をそこに働かせませんというと、その計画も立ちませんし、それからその実効も期せられないという関係が出て参るわけでございます。
  71. 田中一

    田中一君 どうもおかしいんですよ。国有財産特殊整理資金特別会計法案、これを見ると、第四条に「建物の建築若しくは模様替又はその附帯施設建設工事代価」、これは官庁営繕建設ということなんですよ。これは官庁営繕建設資金ということなんですね。だから、一般財源から出さない、出してもうまみがないから、こういうもので適当にコントロールしてやっていくのだということになると、また汚職の温床になるんです、こういうものは。もう必ずそうなるものなんですよ。うまみがないという言葉を今法規課長が使ったが、なるほどそのうまみはありますよ、その方が。幾らで買って幾らで売ったかわからないようにして、適当にこんぐらかしておけばいいじゃないかということなんですが、第四条の「資金使用」ということは、第一項にあることは、これは営繕資金なんですね。官庁営繕建設資金ということを言っておるのです。一般財源から、先ほど説明があったように、三十二年度はどうやら二十億程度のものが官庁営繕に出てくる。各省にもむろん出てきます。この中にもまた売ったものの代金というものを官庁営繕資金として使えるのだということをここに規定しておるわけですね。たとえば、これから審議するというダム特別会計法、その通りなんです。地方からくる分担金というものを国庫の雑収入にしないで、そいつをもう一ぺんダム建設資金に入れて、少しは資金を伸ばすのだという考え方なんです。これも、一般財源資金はこれに投入されないのですね。売ったこの出てくる金だけが収入金として入ってきて、それを今いう一号では建設工事代金、それから第二号では敷地、第三号では移転料その他の補償金、こういうものになっておるわけなんですね。これは官庁営繕一般財源から見るところの官庁営繕費なんですね。だから、そういうことをなぜされるかということなんですね。そうして、これは全く汚職の温床です、こういうことは。あなた方は物々と言えば、適当に、かりにリベートがくるとするならば、坪百万円の物を八十万円にしてやることも可能なんですよ。こんな物八十万円で悪いなんて言いっこないですよ。それは、審議会の委員にも同じリベートがいくとすれば、百万円の物を八十万円でいいということになるのですよ。そういう機関はおやめなさいということなんです。私の考えているのは、まず第一に、官庁営繕と同じような資金がこの特別会計から出てくるのだという考え方は、これはやはりプラス・アルファというつもりでもって考えておるのか。先ほどの法規課長説明を聞くと、雑収入へ入るよりも、それよりも目的あるものにやった方がいいのじゃないか、こういたしますと、例の揮発油税と同じように、一般財源から事業費というものが出されなくなってくるのですよ。これでまかなえばいいじゃないか、何もある物を切り売りしていってその分だけやっていけばいいじゃないかということになるのです。これはガソリン税でもって、道路費でもってこりごりしておるのですよ。このような、同じような轍をもう一ぺん踏もうというのが今度の措置だと思うのですよ。
  72. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) だいぶいろいろ誤解がございますようで、実ははっきり申し上げておかなければいけないと存じます。今のこの関係資金立体化営繕関係になりますから、これは当然営繕費の財源に充てられますが、立体化営繕費全体はまた別に一般会計財源で、立体化の分もこの財源だけでやるのではございません。この財源はその促進に充てられる。そのためにこの会計から一般会計繰り入れまして一般会計歳入に入れます。これを一般会計では受けまして、一般会計の普通の一般財源と合せて新しいまた立体化計画に持っていくのです。立体化計画がこの金だけでできれば、これは非常にけっこうなことでありますが、必ずしもそういううまい工合に参るかどうかはわれわれにも実は見通しはないわけでありまして、従ってそういうぐるぐる回すような考え方でやっておるのではございません。これは一般会計負担を減らそうという法律ではないのでありまして、普通の税負担税負担でやっておって、なおかつこの操作によって促進していく、これはこういうことをやらなければ売れない土地なのだ、もともと不用なものを売ってその分をあげるということでは決してございませんですから、その点は大体御了承願えるんじゃないかと思います。それから売ったり買ったりということでありますが、要らないものは売る、要るものを取得するということは、これは適切迅速にやらざる限りは、やはり国有財産としての管理はできないわけでございまして、この場合に、売る場合買う場合、いずれも会計法の規定がございまして、最近いろいろと契約あたりでもゆるくせいという御要望もございますが、われわれとしては昔からのかたい制度でこれをやっておるのでございまして、特に本件に関してだけ特別に何かゆるい契約制度を設けるということは決して考えておるわけではございませんし、そのような条文は入っておりません。従ってその点も今のような契約その他の特例があるわけではないという点に御理解を願えれば誤解はおそらく氷解していただけるものであるとこう考えます。
  73. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 先ほど石井委員から重ねての御質問がございました。この点について私からちょっと……。  まず、主計局法規課長がお答えを申し上げましたように、「特定庁舎等特殊整備計画」と、この条文がないと特別会計を運営していくことができないというところから規定ができているのです。御質問の中にございましたように、官公庁施設建設等に関する法律の条文だけではできないか、あるいはその運営でできないかという御質疑でございますが、それはできないということを法規課長は最初にお答えしておるわけです。特別会計を作るについては、まずその実体法を規定いたしまして、国有財産をこういうものは売り払う、その収入をこの会計収入にする、そうしてどういう場合に支出する、こういう規定が要るわけでございまするから、この実体法としての国有財産一つの処分の場合を規定した特定庁舎等特殊整備計画というものの規定が必要であったのだと、これは実は御説明をしながらおわかり願えたと思ったのですが、重ねての御質問でございましたので、もう一度私から重ねてお答え申し上げておきます。  それから田中委員から国有財産の管理処分についてただいま非常に重要な御発言があったのであります。リベートとかうまみとか、まことにどうも驚き入ったお言葉でございまして、実は私どもが昨年四月以来国有財産審議会を作りまして、中央と各財務局に三十人の委員をお願いいたしまして、国有財産の管理、処分につきましては、従来とかく国会でもむろん御論議があり、また世間一般からも御批判を受けておりましたので、この適正化ということに非常に日夜尽瘁をいたしておったのでございます。おかげさまで審議会におきまして、いわゆるガラス張りの管理処分ということに努力をいたしまして、最近は相当私は実績をあげている、かように確信いたしております。今回の法律が何かさようなことをさらに逆行するようなことがあるというふうにお考えだとするならば、まことに私どもとしては心外でございまして、さようなことは決してございません。ただ法律については先ほど来、るる申し上げましたように、一般の民間土地は日進月歩まことによく活用されているわけで、昨年の東京と本年の東京はまさに面目を一新しておりまして、都心部の土地というものは非常に経済的効率が高まっておる。ひとり国有の土地が依然としてバラックの建物によって広範な面積を占拠されておる。かようなことではまことにどうも心外である。一方住宅用地の要請もきわめて強い。こういうところからむしろ建設省と積極的に協力していくという体制、これが今回の法律のねらいでございまして、官庁の営繕につきましても、先ほど田中委員御自身お話しになりましたように、従来一般会計で苦しい中を相当やっておる。ことしはお話のようにある程度ふえておるのでございますが、むしろそういう方面にこれをプロポートしていくという見地からプラス・アルファをぜひ捻出しよう、こういうことが今回の法律のねらいでございます。従ってこの管理処分がますます一般国民から注視と監視を受けまして適正になっていくということがねらいなんで、従来国有財産の管理処分がどうして不明朗であったかといいますと、一部の方々は非常に関心を持っておられたけれども、国民全体は関心を持っていなかった。また大蔵省の責任者、各省各庁は国民に関心を持っていただく努力が足りなかった。これが根本の原因だと思う。国有財産審議会を作り、また国会においてかような法律の御審議を願って、これによって国有財産のより一そう効率的な運用、管理をやっていきたい、こういうことが私どもの念願でありますから、その点につきましてはどうか御同情願いまして、さような誤解はすべからく御一掃願いたい、かようにお願いいたします。
  74. 田中一

    田中一君 そうすると、これはガソリン税相当額に見合う——ガソリン税の場合はガソリン税が目的税的なものであったのですが、現在はっきり目的税になってしまっておる。これも官庁営繕費の財源としてこれを充てるのだということになるのですね、これを見ますと……。そうすると、これによってプラス・アルファといいますけれども、アルファ部分というものはガソリン税の場合にもアルファになるのだといっておられながらアルファにならない。二十億はどこまでも二十億なんです。そうならば一般財源繰り入れて出すものは出してもらうということとちっとも変りない、どんどん処分したものを入れてもらって……。そうして一定の官庁営繕事業計画というものができれば、これは伸びないわけです。またこういうものの財源相当伸びてくると、なおさら官庁営繕は必要なものでも縮減されるのが大蔵省の今までの行き方なんです。ガソリン税はプラス・アルファである、一般財源の道路整備事業費というものがあって、これがアルファなんだといいながらアルファじゃない、逆になってしまって一般財源はだんだん縮まらざるを得ない。同じような傾向がここにあるのじゃないかということなんです。一般財源繰り入れて、一般財源から必要なものを売ったり買ったりすればいいのじゃないかということなんです。ただそこでさっきうまみと言ったのは、この特別会計の中で特定の操作ができるということなんですか。
  75. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) 今私がうまみと申し上げましたのを何か汚職的なうまみじゃないかというので、私としてはとんでもない、本人に信用がないということのほか言いようがないのであります。お聞きになる側で誤解がおありになるとすれば、これは容易ならぬことでありますから、今の表現は取り消します。ただ私が申し上げておるのは、東京なら東京の一連のそういう連鎖反応の計画というものがございまして、そこで相当な不用品ではない今まで使っておったものをこういう計画を立てることによって特に処分でき、金ができる。これは不用品であれば当然税金を安くするのに充てるべきで、特殊なものに充てるべきじゃない。しかしこういう計画の結果そういうものが上ってきたという場合に、これはもう余りであるということで、この立体化には関係のない経費に充ててしまうということである場合に、たまたま大阪なら大阪で別な計画がございまして、その分が、その計画の方から上る金では、新しく建てる場合には間に合わないという場合には、当然一般会計の方で負担をするのでありますから、その負担をする場合に、こっちの方で余った分をまたそれに付け加えてアルファにしてプラスにするということが全体として立体化促進することになるということを申し上げたのでございます。個々の個別の計画というものを考えますというと、その間に過不足があります。しかし立体化もなお全国を通じまして、主要な人口の集約的な都市にはこれを進めていくべきものと考えますから、それを全体の一つ計画といたしまして、新しい国民負担を伴わないところの収入をその操作から生み出した場合には、それもまたその計画のために還元するという道を講じようということを申し上げておるのであります。汚職とは全然関係がないのであります。
  76. 田中一

    田中一君 そうすると、これが官庁営繕財源になるということならば、一般財源から出そうが、ここから出そうが同じことじゃないですか。そうでしょう。一般財源から本年度は百億の官庁営繕をやるのだという出し方をして、この剰余金を向うへもっていってプラス・アルファになるのだということにならないのですよ。なるほど使ってくれればいいですよ。これが十億の剰余金が出たから十億を入れた場合には、一般財源は九十億になってしまう、これが今までの大蔵省の査定の方針なんです。何でもそうですよ。結局プラス・アルファ、プラス・アルファというからおかしいのであって、何も決して余分にはなりはしません。一般財源から百億ということであれば、これに十億の財源があれば、一般財源から九十億だけやって、ここからの剰余金を一般財源繰り入れて、その分が十億ということになるのですよ、今までの大蔵省の査定の方針というものは。そうじゃないですか。また法律によって特別にどうなるかわからぬけれども、一つの剰余金が出た場合には、こっちの計画的な、計画事業費以外に織り込むのだということが確約できますか。この法律ができたなるがゆえに、剰余金というものは、百億の計画のもの、けれども要求は百五十億だという場合に、百億に査定された。ここから二十億出れば、二十億足して百二十億にしようということ、これがプラス・アルファなんですよ。こういうことになることを確約できますか。
  77. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) この法律を作りました趣旨は、もちろん今お話しにございましたような方法で、財源の補足ができるという道を開くための法律をお願いしておる次第でございます。これによって普通財源を節約しよう、あるいは営繕に充てるべき金をほかにもっていこうという手段として、これを作った法律では決してないのでございます。現在も立体化のためには、一般の普通財源を用いまして、できるだけ実は努力いたしておる次第でございます。そのほかに単なる不用品処分ではございませんで、今要るものも新しく建てることによって要らなくなるものもある。その財源だけはさらにプラスして促進する道を開く、こういうことであります。これは道を開く法律でございますから、この運用によりまして、道が開かれていない場合と開かれておる場合を比較しますれば、この法律を使いまして、それに充てた分だけは必ずプラスになると思います。なおその結果は、全体が百億元来ならあるのだ、これに対して、たとえばこっちから二十億いく、それならば百二十億になるべきではないか、ところが予算を見ると八十億になっているということでは困る、こういうことはないかというお話しでございますが、これは私どもはこの法律を作りまして、この法律を作った結果、特別な財源ができまして、その財源だけを一般会計負担から軽くするという趣旨ではないのであります。この財源も含めまして、許す限りこの官庁営繕予算をよけいに組むように努力する、こういうことでございます。従いましてこの分だけある年度幾らこっちから入っていったということはわかりますけれども、その結果、その前の一般会計財源の分が幾らあるかというようなことは、なかなかこれは計算のできないことで、ただ精神的には一般会計で従来と同様な努力を払いまして、これだけ財源を放り込む、それにさらにこれをプラスして放り込む道を開くという、こういうことでお願いしておるのでございます。今後の政府の運用といたしても、当然こういう心がまえで運用して参ります。でき上る予算はその都度またそのときの状況によってもちろん編成されるわけでございますが、この会計並びに繰入金の運用の趣旨はあくまで今までお話したような次第でございます。促進、プラス・アルファでございます。
  78. 田中一

    田中一君 これはあとで審議するというダム特別会計と同じようなケースなんですね、伸びる伸びるといって、ほんとうは伸びていないのですよ。一般財源で出せばいいのです。特別にこういうものを作って、それでもって一応確保して、促進には多少なるかもしれませんけれども、われわれの通念からいって大蔵省というのは、真摯に自分の行政範囲の積算に基く事業費というものを要求しても、常にちょん切るというような先入観が割合にあるのです。がむしゃらに大蔵省がちょん切るのだという先入観があるものですから申し上げるのですが、あなた方の方でもって全部、総額千億の要求があった、そのうちざっと百億にへずった、そしてそれを決定しているうちに、この残余財産というものが隠してあったとかりにすれば、それが出てきたから百二十億になればいいのですが、そうではない、こんなものをやろうが何しようが、見込んでやっていますよ、今年このくらい剰余財産があるだろうというので繰り入れるのですね。  もう一つ立体化の問題をあなたはおっしゃったけれども、立体化することによって国が利益になるのです。何も決して特別に立体化するためにこれは財源が必要だというのではないのです。平面的なものを立体化することによって国が利益になるのです。それを売ったり買ったりすることは何もないのです。売らなければならないほど財源というものは、これは外国人に売るのはいいでしょう、高く……。けれども日本の土地は寸土たりとも外国に売ったらいかぬ、そうしたら国民に売るのは国内経済では同じことなのです。そして副産物としては地価を高騰さす手段になるのです。地価というものはだんだん上ってくるのですよ、売ったり買ったりすれば。国が土地を売ったり買ったりするたびに上ってくるのです。交換ならいいのですが、私どもは土地建物を売ったり買ったりすることによって、必ず絶対量が足りないのですから高くなるのです。必ず周辺の値が上ってくるのです。たとえば先ほど言っているように中野のもとの刑務所、今の警察ですか、あそこのあとのところをかりに解放したとすると、なるほど幾らで売ろうともそれの二倍や三倍には周辺の土地は上ってくるのです。これは現在常識です。これはもう、中野のあそこの駅前のいい土地ですから、あれを解放してごらんなさい、すぐに上っていく。どこへ売るか知らんけれども、売る必要は何もないのです。あれを高度に利用すればいい。土地というものは皆国が持って、利用権だけを国民に与えてやればいいのです。利用することによってのみ地価というものは生産と余剰価値を生むのです。そうして売ることによって周辺の土地が上ってくるのです。国民経済にマイナスになるのです。こういうことをよくお考えにならなければいかぬですよ。今日自由経済の時代ですから国有財産も値上りした方がもうかるのだという考えを持っては大きな間違いです。そういう考えを持つのではなくて、売らないで、利用する者に対して高度に利用させるということにのみ日本の国土というもの、ことに日本の国有地というものは利用さすべきであって、今言う立体化というものは土地によるのじゃないのです。立体化すれば国有財産がふえるのです。百坪に十階建てれば千坪の利用になるのです。従って売ったり買ったりできるところの財源というものを売るということになりますと、これはもう国民経済にひびが入り、やはりインフレになる傾向がずいぶんあるのですよ、私は信念として申し上げたいのは、国有財産というものは寸土たりとも売ってはならぬ、土地の所有によるところの価値というものはなるべく認めるようにしなければならない。しかし土地の利用によって生まれる価値というものは、十分にこれは尊重しなければならぬ、その傾向にいかなければならぬという基本的な土地に対する態度を私は持っておるのです。それを中野を売っちゃって云々というようなことになると、これはとんでもないことになるのですよ。こういう点について私はもう土地の売買、国有地の売買という点について、もう少し真剣にお考えにならないと、日本の経済は破綻します。積極的にそういう方法をとる、所有よりも利用によってのみ価値づけられるということを国は考えなければならぬのですよ。農地にしてもそうです。百姓はもし永代耕作権というものをもらえるならば、農地を持ってそれに対する税金とか災害の場合のいろいろな負担をするよりも、永代耕作権をもらうことになれば、土地は喜んで提供する、国に提供するという政治こそ、一番いい政治のはずです。あえて私は農地の国有なんて申しません。申しませんが、その傾向に移ることが今日の日本の場合に、制約された土地というものを考える場合には、これは一番いい政治なんです。所有権よりも利用権の方が日本の経済の面から見ても、実態から見てもその方が価値づけられる、尊いのだという考え方を持ちたいと思うのです。こういう傾向にいくことが、われわれがよく考えておるような、社会主義の一つの改良的な方針なんです。それをどこまでも不要なる土地、国が持っておるところの建物でも土地でも不要なものは一つもございません。残さず国が所有してよろしいのです。利用する面だけは国民に与えるということを考えなければならぬ。そういうことを考えてもらいたいのです。この点について局長はどうお考えになりますか。
  79. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいま国有の土地につきましての御意見はまことに一つのお考え方としまして拝承いたしておりました。今回お願いをいたしております法律案におきまして、今具体的に御例示になりました中野土地、これを必ずしも売るということは申しておりません。ただその利用が非常に平面的であって不経済でございまするから、これをより効率的に、特に今日焦眉の急務でございますところの住宅用地として活用する、こういうことを申し上げておるのであります。この場合住宅用地として活用する方法といたしましては、たとえば住宅公団において住宅建てる方法もございましょう。またいわゆる公営住宅といたしまして、地方公共団体をして住宅建てさせる方法もございますと存じます。これが必ずしも売るとかいうことには相ならないのでございまして、貸与する、あるいは出資をする、あるいは国におきましてみずから住宅建てるということも考えられるかと思います。それらの態様につきましては、ただいまのような御意見をも十分考慮いたしまして、この土地をいかにすることが国有財産の管理処分として最も適切であるかということにつきましては、先ほど来るる御説明を申し上げました審議会等の意見をも十分拝承いたしまして、最も妥当な線に決定をいたしたいと考えております。ただいま一つの経済の制度といたしまして、土地は国有の方向がいいのであって、売買というふうなことをいたしまするというと、それが地価の高騰を招き、国民経済に対して非常な大きな影響を与えるのであるという議論につきましては、今日時間の関係もございまするので、私はこれに対しましてお答えを申し上げませんが、さようなお考え方をもわれわれは広く御意見として拝承いたしまして、国有財産の管理処分の遺憾なきを期して参る、こういうことだけははっきり申し上げておく次第でございます。
  80. 田中一

    田中一君 ここにはっきりと「特定庁舎等の処分」ということはどういうことなのでございますか。
  81. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 処分と申しますると、必ずしも売ることではございませんので、現物出資あるいは地方公共団体に対しまして譲与するということもございます。またたとえば住宅公団、これは国の機関でございますが、一般の民間に売らずして住宅公団に買い取らせるという方法もあろうかと思います。処分する方法は今申しまするように、いろいろに分れておる次第でございますから、御了承願いたいと思います。
  82. 田中一

    田中一君 住宅公団は国有地をそのまま買うのじゃなくて、借りるのですか。
  83. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 住宅公団に有償で譲渡する場合もありまするし、住宅公団法に基き出資をする場合もございます。
  84. 田中一

    田中一君 そうしますと金銭では売らないと、特殊な場合には住宅公団に金銭で売るのだということに縮まって考えてよろしいのですか。
  85. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 住宅公団の用地に適当な場合におきましては、現物出資の方法あるいは住宅公団をして有償で買い取らせる方法、二つ方法があろうかと存じますが、具体的な事例に応じまして考えていきたいと思っております。
  86. 田中一

    田中一君 住宅公団にいたしましても、住宅金融公庫がいろいろ年度初めの融資を始めるとなりますと、土地を買いたい人が、一つしか当選しないというのにもかかわらず、四十人、五十人が一つ土地を探しに参ります。住宅公団が土地を買いあさっております、それから住宅金融公庫が貸付をするところの、融資をしておりますところの地方住宅協会等がまた買いあさる。公営住宅土地は、東京都の例をとりますと、もはや東京都が持っておらぬ場合にはまた買いあさる。それに輪をかけて相当大きな資本を持っている電鉄会社、足を持っている電鉄その他が、一万坪か二万坪安く売って、そうしてその背後にある数十万坪の地価を上げようという政策をとっている。これはすべて売買があるからです。私は考えておりますのに、正示さんは自分のお宅を持っているからいいかしらぬけれども、金も借りたいけれども、土地もないという人がたくさんあるのです。こういう地価というものは上っておるのです。国は少くとも、土地建物の売買をしてはならぬ。自分で、一般財源でお建てなさいということです。そうして今いったように、もし庁舎が足りないならば立体化なさいということですね。これは先ほど規課長にもちょっとお話したが、立体化すればいいんです。そう考えますと、今いう公団に売るにも、どのくらいの価格で売るか存じませんけれども、これも売るよりも、貸したり、または出資したりした方がずっといいと思う。そういう形式をとっていただきたい。少くとも金銭で売るということだけはしないというように私は言明してほしいのです。そうすれば、この法律全部がくずれちゃう。処分というものは、どういう見返りの収入があるか、交換した場合には、なるほど物件が入ってきますならば、これは資金じゃございませんからね。資金に見合う物件です。従ってこういう特別措置法を作るということは、結局金銭で売るということに主眼があるのじゃないかと思うのです。そういうところに非常に危険を感ずる。この点は一つ、まあ私が反対してもおやりになるでしょうから、やむを得ませんけれども、こういう形でもって、日本の局限された四つの島の地価というものを、資本主義経済によって、需要供給のバランスからどんどん伸びていくという、地価が高騰するということを、現在、もう誰も彼も困っておるのです。しかしそれに拍車をかけるような政策を政府がとるということに対しては、まことに残念であります。
  87. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ちょっと一言、私先ほどの答に付け加えさしていただきたいのでありますが、たまたま具体的に中野の場合をおあげになりましたので、私は住宅用地のことを申し上げたのでありますが、逆に先ほど来お話の出ております大手町の場合を考えますると、やはり私どもとしては、大手町における今日の状況というものは、あの都心部におきまして、国有の土地を活用する状況としては、今日の態勢は非常にいろいろと批判の的になっておる、こういうこともあわせて申し上げておかなきゃならぬと思います。田中先生の御意見はまことに一つのお立場に立たれた御意見かと思いまするが、さて、土地の地価の対策といたしまして、果して国は土地を売らないという対策をこの際ずばりと出すべきであるか、しからずして土地の売買という制度が今日のような制度をもって満足すべきであるのか、しからずして、利用権というものを転々とさせるような新しい制度を構成すべきであるのか。これらは私はきわめて複雑な問題で、なおきわめて慎重に研究を要する問題だと思います。国が土地を売りませんということが、果してこの狭い国土の中におきまして土地の価格を押えるゆえんでございましょうか。それとも需要供給の関係というお話がございましたが、供給をよりふやすような努力をするということが正しい方向でございましょうか。これらの点は私どもとしても十分研究をいたし、今後なお、本法律案によるところの審議会等におきましても、十分御研究を願わなければならぬ問題ではないかと思います。しかしここでさようなことを長々と申し上げる時間もございませんので、御意見は御意見として十分拝聴いたしまして、今後なお十分に慎重に研究を進めて参りたい、このことだけをつけ加えて申し上げておきます。
  88. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 多目的ダムについての御質疑を願います。
  89. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 多目的ダム建設工事特別会計法案ですが、これはむろん特別会計法案ですから、会計方面にだけ扱っておられるのですけれども、これができたときに、でき上ったものを民間に払い下げるとか、もしくは絶対払い下げるんじゃないとかいうことは、これは建設委員会の方できまるのかもしれないのですが、もし払い下げるということになれば、特別会計へ入ってくると思うのです。この点はどうなっているのですか。
  90. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) この特別会計建設いたしましたダムは河川の付属物といたしまして、河川管理者でありまする知事または建設大臣が将来とも管理して参ることになっております。
  91. 田中一

    田中一君 これは山本君にこの間からの問題で伺うのですが、結局この予算書に現われている十億円の増というのは、こういう工合に解釈していいんですか。十億円の増というのですね。百万円という仮定の数字は言いません、あなた間違うと困るから。再建整備の府県、これは十分の一でしたね、負担率が。それからその他の府県は三分の一ですか。
  92. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 四分の一です。
  93. 田中一

    田中一君 そこでそれらが大体三十二年度は十億程度のものが上ってくる。それが十億の算定数字だと。そこでこれは従来は一般雑収入として国庫に入ってくるのだ、それを本年度から国庫に入るものを新しく特別会計ができたのだから、これにそのまま融資として優先的にこの十億円の分だけ特別会計の中に受け入れる。そしてかりに五十億の三十二年度多目的ダム建設計画があるとするならば、五十億でもって、その十億が見合うか見合わぬか知りませんよ、これは総額五十億なら五十億とするならば、五十億というものを計上したもののほかに十億がプラスされるのだ、従って六十億になるのだ、そして五十億は三十二年度計画された工事を完成するための事業費であるが、その計画された五十億の事業費以外に十億分だけどこかの仕事が伸びるのだというように理解して間違いないのですか。
  94. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 今の先生のおっしゃるこの前のお話は非常に混乱いたしましたけれども、今の御了解のところで私はよろしいと思います。
  95. 田中一

    田中一君 もう一つ念を押しますが、三十二年度計画工事量というものは五十億であるが、どこかの工事に十億余分に事業が伸びるのだということでいいのですか。
  96. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) そういうことでございまして、これをもう少し具体的に申し上げますと、ダムが五、六年かかっておりますものが四、五年で完成すると、こういうことでございます。
  97. 田中一

    田中一君 そうしますと、こういう特別会計を作らないで、その地方負担分だけの問題を言いますよ。ほかのアロケーションの問題はその他別にしまして、この地方負担分だけ考えますと、それは雑収入で国庫に入れて、別に一般財政措置として十億のお金を出しても同じことでございますね。
  98. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 工事の遂行の面からは同じでございます。
  99. 田中一

    田中一君 私は先だってはそれを言っているのです。特別会計法をもっても、この今の地方負担の面についてはですよ、何ら事業量というものは、多少精神的な促進ということは考えられても、実質的の工事量が伸びないではないか、また電力会社その他が負担することも、これは伸びにはならないわけです。結局ただ伸びているのは伸びているという印象というかを与えるのは国庫に雑収入として還元される、還元ではない収入になるところの地方負担分だけが、この多目的ダム特別会計に入ることによって、全体の計画から見る場合には、その分だけは仕事が促進されるという見方も出ますけれども、雑収入に入れて一般財源から十億を出しても結論は同じではないかということをせんだって申し上げたのです。
  100. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) 先般の御質疑応答を私存じませんでちょっと失礼するかもしれませんが、今ちょっとあれしますと、地方分担金は当該工事を、たとえば三十二年度に行いますというと、それに伴いまするところの地方分担金は三十二年度にとっております。従いましてこれを三十二年度財源にあげることができません。ところがこの特別会計を設けましたその前提になります借入金の思想がございまして、それを一年繰り上げまして借入金でつなぐということでございまして、その借入金を行います場合に、これを工事別に入り組みがわからなくなると困りますから、ある工事のお金、ある工事のお金、これが別々にちゃんとわかっておるような経理をいたしますためには、一般の会計法財政法の原則によりまする一般会計の運用ではうまくいきません、どんぶり勘定になってしまいます。それで特別会計を作ったということになります。
  101. 田中一

    田中一君 よくわかりました。しかし、三十三年度に返ってくる十億という金をその分だけ証券か何かで融資しまして、一年前にそれを事業費に投入するということなんですね、今お話のやつは、そうでしょう。それですよ、そういう地方負担分を従来通りと同じように雑収入で国が収納する、しかし十億とするならば十億部分を一般財政措置から十億を出しても同じではないかと言っているのです、せんだっての話は。それは同じですね、山本君。
  102. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 工事の面から考えれば同じでございます。
  103. 田中一

    田中一君 特定多目的ダム特別会計というものは、ただほかの法律等からくる事務的の扱い方を明確化するために、この十億の地方負担というものを入れたということになるのであって、そのために事業量が伸びるという前提にはならないということをせんだっては申し上げておったのですが、今お話伺いましてはっきり私の解釈が間違いでなかったことを確認するわけなんです。
  104. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) 御質問ということでもないようでありますが、ちょっと御説明を許していただきたいのです。促進にはやっぱりなるのでございまして、分担金を、あとで入って参ります分を一般会計の普通財源でまかなおうといたしますれば、その年の税金でこれをとらなければなりません。とった計画によって予算に組まなければならぬわけです。しかしそれを一般の税負担からはずしまして、そして借入金財源に従ってつなぐということになりますれば、これはいずれは国民税負担になる金じゃないのですから、それを当該年度しいて税負担になる予算を組むよりも、その分だけ借入金でつないでおく方が実害もなく、しかも工事が進むという点がございますので、時間の観念を入れて考えていただきますと、促進ということにはなるわけでございます。
  105. 田中一

    田中一君 おっしゃる通りですよ、おっしゃる通りだけれども、もし十億よりも二十億別な一般財源から資金を出してやればもっと促進になるわけです。三十億出してくれればもっと促進になるのですね、と思うのですがね。促進には確かになりますよ。実際の工事量はどっちからいっても金を出すことは同じことだと僕は申し上げたのです。
  106. 西田信一

    西田信一君 関連して局長にお尋ねいたしますが、あなたの御答弁、私の考えとちょっと違うので、今田中委員のお尋ねは一般会計へ受け入れて、受け入れ分をそのまま出しても、それから借入金でその分を借り入れてそして十三年の償還ですか、償還というとおかしいのですが、十三年で分割納入するその場合と、その年の工事量は変りがないという御答弁であったけれども、私はそこに食い違いかあるのじゃないかと、こう思うのです。御答弁間違いではないかと思うのですが、ということは、工事は必らずしも十三年かかるものでなくて、工事は五年で仕上るものもあれば六年で仕上るものもある、その五年ないし六年間に必要な負担金相当分だけ、これを借り入れるわけなのでありまして、それと年々地方公共団体負担をして国庫に納入する納付金、それとは金額の上に相違があるのじゃないか。要するに借り入れてやりますれば、五年なら五年、六年なら六年の工事期間中に必要な、しかもそれが十三年間の全体の負担額に相当する部分を借り入れるわけです。それと実際の地方公共団体負担をして十三年間に納入するものとは差があるので、その差だけつまり年々の工事が進む、こういうことになるのじゃないかと私は考えるのですが、私の考え間違いでございますか。
  107. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) まさに今の御意見の通りでございまして、元来が国民税負担でない分を当該年度の税金でいわば立てかえておるわけですから、立てかえる金まで含めて一般財源を使うということよりも、それだけ使える金があるならば、それはほんとうに国の税負担になる分に全部あてちゃって、そしていずれ地方財源で入ってくる金は別途借り入れてやるということにいたしますれば、それだけ促進になるわけであります。従来は返ってくる方が長いのでありまして工事をやる方が短いのですから、今のような御意見によりましてその間の畳み込みの関係が出て参りまして、まさにそれはただ一般会計に取ってそれを財源にあてるという場合よりも、当然借入金をいたしました場合の方が促進になります。
  108. 西田信一

    西田信一君 そういたしますと、先ほど田中委員が数字をあげて御質問になった五十億プラス十億というのは、借り入れをやった場合でもあるいは直接公共団体が納入する負担金一般会計で吐き出しても、その年の工事量は六十億という数字には変りがないという御答弁は、私は少し今の御答弁とは食い違っておる、それだけ促進されのだ、こういうことになると思うのです。もしそうだとすれば、先ほどの御答弁は御訂正なすった方がいいのじゃないかとこう思うのです。
  109. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 先ほど私が御答弁申し上げましたのは、六十億を全部一般財源で出しましても、あるいは五十億一般財源で十億借入金でも同じ六十億になるから工事の量としては変らないということを申し上げただけでありまして、そのほかの点は先生のおっしゃる通りでおります。
  110. 田中一

    田中一君 何だか西田君が僕に対する答弁を修正されたようで、ちょっと山本君に伺いますが、ちっとも変っていないのでしょう。私の答弁に対する御答弁とはちっとも変っていないのでしょう。
  111. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) その通りでありまして、工事はやはり六十億である。いずれから金が出ましても六十億だということを申し上げただけであります。
  112. 田中一

    田中一君 そうですね。わかりました。
  113. 西田信一

    西田信一君 私はまだ納得がいきませんが、要するに田中委員のお尋ねは十三年なら十三年間に分割して国庫に納入するその負担金歳入として受け入れて、その額を工事に五十億プラス何がしという形で出した場合と、それから十億なら十億、十億というのは要するにその工事ダム建設期間に必要なものを六なら六で割るか、あるいは五で割るかしりませんが、割ったものを借り入れるのだと思うのです。そこに要するに工事の実施期間とそれから負担金の分割で納める納期との間に差があるから、それだけ工事借入金によって特別会計をやった場合の方が促進される、こういうふうに私は考えますので、先ほどの御質問がそこにあったように思いまするから、それならば少し御答弁が違うのじゃないか、こういうように考えておるのです。
  114. 田中一

    田中一君 どうも私の質問がだいぶ修正されるのは困るのですが、もう一ぺん確認しますが、僕の質問とあなたの答弁と間違いございませんね。
  115. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 田中先生に対するお答えは、私は工事を六十億やるにはどういうところから金が入ってきても同じだということを御答弁申し上げたわけであります。それから西田先生のは、十三年間で国庫に金が入ってくるから、その分だけを工事に入れたんでは少いじゃないかと、こういうことでございまして、いずれもごもっともなんであります。
  116. 田中一

    田中一君 その証拠がはっきりしているのですよ。この特別会計事業の中では北海道を除いているのです。北海道は全額国庫負担工事ですね。それでただ問題は、山本君に伺うのですが、問題は発電工事の方ですね。これは道のやるもの、あるいは北海道電力がやるものはあるのですか、ないのですか。
  117. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 北海道でもしダムをやりますれば、それは道営でやりましても、あるいは北海道電力がやりましても、いずれの場合も考えられるわけでございます。ただ現在においては、来年度におきましては北海道にはダム計画されておりません。
  118. 田中一

    田中一君 将来北海道にダム計画されるという場合、そうしてそれが特別会計のこの単行法のワク内に入るという場合を考えますと、やはりこれは同じ地方負担というものはございませんから、北海道の場合には。その場合にはこの特別会計の中に入れるのですか、入れないのですか。
  119. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) 今の地方負担のございます分につきまして、それをいかなる意味におきましても、これは税負担を伴わないものである。にもかかわらず、一応は税金の収入をもちまして見合せまして予算を組んでいかなければならないということが不合理である。これは本来の負担分だけを特別会計繰り入れまして、本来税金をもって負担しないで済む分は借入金でもっていくという関係が、これは主たる問題でございますから、その点に関する限りは全額国庫負担でありますれば、そういう余地はございません。その問題はないのです。従って、その点から考えますと、実益はございません。
  120. 田中一

    田中一君 北海道電力がこれを、発電をやった場合、やはり一元的に工事施行をやるのだろうと思うのですが、その場合にはこの特別会計に入れないでもいいんですか。山本君に伺います。
  121. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 一般会計でやってしまいまして、ダム負担金を北海道電力から取る、こういう方法で考えられるわけであります。
  122. 田中一

    田中一君 ですから、そういう場合でも、特別会計法を適用しないでいいのか。
  123. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) 今回の特別会計を設置いたしましたのは、主として借入金をいたしますので、その関係利子負担、あるいは将来の返済金をどういうふうになるか、あるいは不要物品の売り払い代金が出た場合、歳入歳出いろいろございますが、個々に整理されている場合、経理ということをはっきりするためにこれを考えた。もちろん結果としまして、こういう措置をとりますれば、借入金ができるということが根本でありまして、これが工事促進になることはもちろんですが、その場合には特別会計を要することになるのはそういう関係であります。そのほかに負担金等をとるということでございまして、それを従来は歳入歳出などでやっておった、これを歳入歳出を落すという関係は、これは一般会計でとっても何ら差しつかえないのでございます。特別会計を必要とする事項ではございません。
  124. 田中一

    田中一君 そうすると、特別会計にしたという理由は、地方負担分を前もって、何というか、起債というか、債券等でもって借金ができるから、特別会計法の根拠はそこにあるのですね。
  125. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) まあそういうことが大部分理由になっております。ただ借金すること自体何も特別会計に限らぬのですが、借金をしますと、やはり返済する計画を立てる必要があります。そのために経理を継続的にはっきりさしておくということが特別会計を必要とする主たる理由でございます。
  126. 田中一

    田中一君 従って、国は一般財源として多目的ダム建設促進をしようという意図がないから……、あるならば、一般財源からその地方負担分よりも二倍でも三倍でも出せば、もっと大きな工事促進になるのじゃないか。従って、そういう意図がないから、まあその分だけでもせめて、政治が貧困だから、そういう特別会計の制度を設けて、その分だけでも一つ促進させる方向に向おう、こういうことと、私は批判的に見ましても自由ですね。
  127. 中尾博之

    政府委員中尾博之君) その政治の貧困の方は別にいたしまして、(笑声)この一般会計負担すべきものと、そうでないものは、これは法律できまっております、割合が。その割合以上に上げることは、これは別途措置の問題でございまして、特別会計法の問題じゃございません。その割合につきまして一般会計から入れますのは、その割合で国が負担するときまっている分を入れるのでありますから、財政の事情が許せば、何ぼでも、これは入れられ得るわけであります。事情が許さなければ十分に入らないということになります。それは予算の問題であります。なお、仮定の問題として、十億なり三十億なり一般会計から入れるというお話でありましたが、それが現行の制度のもとで国が負担すべき分を入れるのでございますれば、それだけ伸びることは事実であります。しかし、もしこの会計法をお認め願いまするならば、それにさらにプラスしてそれに対応する地方負担分がその意味でできます。しかし、これがなければそれができません。
  128. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) よろしゅうございますか——。それでは本連合審査会はこの程度で終了いたすことにして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 廣瀬久忠

    委員長廣瀬久忠君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後四時八分散会