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1957-05-08 第26回国会 参議院 商工委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月八日(水曜日)    午後一時三十二分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     松澤 兼人君    理事            古池 信三君            西川彌平治君            阿具根 登君            近藤 信一君    委員            青柳 秀夫君            小幡 治和君            後藤 義隆君            白井  勇君            高橋進太郎君            高橋  衛君            阿部 竹松君            島   清君            相馬 助治君            藤田  進君            加藤 正人君   政府委員    内閣総理大臣官    房審議室長   賀屋 正雄君    調達庁労務部長 小里  玲君    防衛庁装備局長 小山 雄二君    通商産業政務次    官       長谷川四郎君    通商産業省通商    局長      松尾泰一郎君    通商産業省企業    局長      徳永 久次君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    調達庁総務部調    達協力課長   小宮山 賢君    外務省アメリカ    局第二課長   東郷 文彦君    大蔵省管財局国   有財産第二課長  市瀬 泰蔵君   参考人    特需自動車工業    会理事長ビクタ    ーオート株式会    社社長     藤田 譲次君    関東地方特需労    働組合協議会事    務局長     近藤  誠君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○経済の自立と発展に関する調査の件  (特需産業対策に関する件) ○小委員会の設置に関する件   ―――――――――――――
  2. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 委員会を開会いたします。  日程といたしましては、特需産業対策に関する調査を行うことになっております。本件に関しまして、特に参考人に御出席願って、その御意見を伺うことになっており、その人選を委員長に一任されましたので、委員長は、理事諸君とも御相談の結果、公報記載通り特需自動車工業会理事長藤田譲次君、関東地方特需労働組合協議会事務局長近藤誠君にお願いすることとし、すでに御出席になっております。この点、御了承を願いたいと存じます。  参考人の方には、御多忙の折にもかかわらず、本委員会のためにわざわざ御出席下さいまして、ありがとうございました。参考人の方に御意見を伺いたいことは、特需産業、ことに、御関係車両修理特需についての実情と、その安定方策についてであります。  御承知のように、特需産業と申しますのは、終戦わが国に生じました全く新しい、しかも、臨時的、特殊的な産業であります。これが、現在わが国におきましては好むと好まざるとにかかわらず、すこぶる重要な産業分野を形成しているのであります。ことに、外貨獲得という面においては、きわめて重要な地位を占め、これあるがために、国際収支はようやくバランスを保っている現状であります。ところが、この産業が臨時的、特殊的なものであるために、決して安定していない。そこに大きな問題があると思うのであります。  国会におきましても、この問題につきましては、問題が発生するたびに取り上げられまして、論議されて参ったのでありますけれども、いずれも根本的な対策を確立するというところまで至っておらず、未解決状態に今日まで放置されているのであります。これらの問題を十分に審議いたしまして、解決の一歩を前進させたいと、こういう考えで、実は本日参考人方々の御出席を得たのであります。そこで、その実情対策について忌憚ない御意見を伺いたい、こういうことになっておるのであります。  これより順次御発言を願いますが、まず藤田参考人からお願いいたします。時間は、お一人大体十五分程度でお願いできれば好都合と存じます。
  3. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) 私は、ただいま御紹介にあずかりました藤田譲次でございます。私は、ビクターオート社長と同時に特需自動車工業会理事長をいたしております。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は当委員会におかれまして、私ども業界のために問題をお取り上げ下さいましたことを、まず非常に感謝いたす次第でございます。と同時に、私ども業界実情その他希望について陳述の機会を与えていただきましたことを感謝いたす次第でございます。  私ども会員各社は、米軍車両を主といたしまして、建設機械、戦車、砲、タイヤ、航空機等修理再生及びこれらの受け入れ、保管、出荷等作業に従事いたしておる次第でございます。現在八つの会社がメンバーとなっておりまして、従業員は、約二万人を有しておるのでございます。  次に、今日までの事業の推移について、ごく簡単に述べさしていただきたいと思います。御承知通り昭和二十年九月、米軍わが国に進駐いたして参りまして、翌年の十一月に主として駐留軍用車両修理を当時の三井物産、現在の弊社ビクターオートに命を受けたのでございまして、これがわが国におきまする特需の始まりかと存じます。その後、米軍は、わが国工業技術労働力等に着眼いたしまして、昭和二十三年ごろから、前述各種作業を多くのわが国民間企業に請け負わせ実施させたのでございます。こうしました事情で、私どもは、それぞれ契約業者として今日に及んでいる次第でございますが、その当時の調達方式は、財源終戦処理費でございました関係から、日本政府を通じていわゆる間接調達をいたしておりました。昭和二十五年になりますと、御承知朝鮮動乱が勃発いたしまして、私ども修理再生いたしました車両兵器類朝鮮等に送られた模様でございまして、二十五年の九月以降、大部分契約が、財源ドル貨契約形式間接調達ではなく、米軍と私ども業者との直接契約方式に改められたのでございます。朝鮮動乱時を頂点といたしまして、昭和二十八年秋になりましてから急激に減少の事態が現れまして、大量の人員整理問題が発生いたしまして、まことに遺憾ながら自後特需例年行事式人員整理問題を惹起いたしまして今日に至ったのでございます。ただ、昨年十月、会員会社の一部で米軍政府相互防衛援助計画に基きますいわゆる新特需と称せられます、従来の特需とは目的を異にいたしました再生修理作業を受注いたし、いずれは各種兵器部門にも及ぶことを仄聞いたしております。  以上がきわめてあら筋のいきさつでございます。私ども業者といたしまして自負いたしておりますことは、一つには長年にわたり私ども技術労働力の力で直接多くのドル貨を獲律することができましたことでございます。二つには、十年にわたる経験によりまして、特殊ではありますけれども、りっぱな一つ産業形態をなすまでに成長してきたという点でございます。最近伝うるところによりますと、防衛庁に対し米軍が供与いたしまする車両わが国産車が採用され、また防衛庁よりの返還車両及び東南アジア所在老朽車わが国において多量に再生修理される由でございます。以上二つの事柄は、いずれもわが国におきまする自動車両の製造及び修理能力、ひいてはわが国工業力優秀性を如実に証明するものでございまして、右の実現方につきましては、私ども会員一同懸命に努力いたしておりますが、各位におかれましても別段の御尽力をお願いする次第でございます。  次に私ども希望いたしておりますことにつきまして二、三申し述べさしていただきたいと思います。  第一に将来の作業量の確保並びに計画発注についてでございます。端的に申し上げますと、私どもは私ども作業がいつごろどのようにして収縮されるものか、あるいはまた反対に今後どのように進展いたして参りますものかにつきましては、明確に何ら承知してはおりません。ただ、事業的な感覚から、及び事業的触覚から、あるいは新聞紙の報道等から、米国政府東南アジア地域政策面に、わが国工業力を大いに活用しておるという意図を憶測し得るにすぎない状況でございます。私どもといたしましては、企業並びに従業員の生活の安定、完全雇用の維持のために、また日本工業発展ドル貨獲得のために、ぜひとも将来の作業量を確保いたしたく、この点につきまして各位格別の御援助を賜わりたいと願う次第でございます。なお、作業竜が確保されたといたしましても、数量、実施期間実施範囲などを、あらかじめ計画的に按分して発注が実施いたされぬ場合には、増員、解雇等米軍業者労働組合間に不必要な摩擦を生ずるおそれがございます。それゆえ発注が計画的に実施されることにつきましても、どうぞ各位の御尽力を賜わりたい次第でございます。  第二に、私ども作業輸出並みにお取扱いを願いたい。輸出所得控除制を私ども事業にも適用いたしたいということでございます。私どもは、一には、ドル貨を直接獲得いたしておるのでございます。また一には、前述通り、いわゆる新特需は従来の特需とはその性格を異にして、日本工業力の伸張という将来性のあるものになりつつあるということでございます。この二つの点から、私どもの行なっております事業に対しましても、輸出同様の保護を与えていただきたいと念願いたしている次第でございます。すでに御高承のところと存じますが、米国政府との契約は、米国民の税金を財源といたしておるということ、また、調達わが国法律商習慣を異にしております米国調達法規に基きまして実施いたされます関係から、許容される利益は非常に少いのでございます。この少い利益でもって、来たるべき作業の収縮に備えて事業転換等をはかりますことは、実情きわめて困難な次第でございます。もし東南アジア所在車両兵器等修理再生作業を確保できるならば、相当長期にわたり本作業が継続され、多額ドル貨が獲得できるのでございます。この点特に当委員会におかれまして、格別の御詮議をお願いしたいと思う次第でございます。  第三に、事業転換についてでございます。特需作業不安定性につきましては、たび重なる人員整理問題等で御高承の通りでございますが、私どもといたしましては、完全雇用をはかる上からも、事業転換については特需作業の継続、伸張問題と同様に絶えず頭を痛めておる次第でございます。しかしながら、事業転換には、多額の資金を必要といたす次第でございます。先ほども申し述べました通り、わずかの特需作業利益をもってこれをまかなうには、全く困難な次第でございます。各位におかれましては私ども事業転換に対しまして、特別の金融等援助も賜わりますよう御尽力をお願いしたい次第でございます。  最後に、間接調達の問題でございますが、私ども作業終戦処理費でまかなわれておりました時代の調達方式が、間接調達でありましたことは、前に申し上げた通りでございます。国情を異にし、従って法律商習慣労働条件等を異にいたしますわが国におきまして、米国政府が直接調達当りますことが、私ども業者のみならず従業員労働者にとりましても不利でございますことについては、今さら申し述べる必要もないところでございますが、加えまして現在一部会員会社が実施いたしております相互防衛援助計画に基く新特需、さらに新聞の伝うるところでこれが量的の増加が実施いたされますような場合には、所要部品材料等手当につきましては、わが国の全産業への影響もきわめて多大なりと信じます。この場合日本政府の計画的な御援助なしには、円滑に本作業が実施できぬことが予見されるのでございます。この点からも、また先にお願い申しあげた計画発注実現の上からも、間接調達必要性が痛感されるのでございまして、本問題についての私ども希望は、昭和二十六年以来一貫しておる次第でございます。私ども日米合同委員会契約調停委員会及び調達調整委員会日本側委員方々に、種々契約上の困難な問題の解決について御尽力を願って、何とか今日に至っておる次第でございます。本委員会におきましても、御検討の上善処をお願いしたい次第でございます。  大体以上のことが私ども業界実情であり、希望いたすところでございます。はなはだ不十分な陳述でございまして、しかも身勝手な申しようでございますが、何分よろしくお願いしたいと思います。本委員会におかれまして、今後とも私ども業界につきまして何分の御配慮を賜わりますよう、重ねてお願い申し上げ、私の陳述を終らせていただきたいと思います。本日は貴重なお時間を私ども業界のためにお与え下さいまして、まことにありがとうございました。業者一同にかわりまして厚く御礼を申し上げます。
  4. 松澤兼人

  5. 近藤誠

    参考人近藤誠君) 私、近藤誠でございます。  私たち役務特需と申しますか、経営者の方が、工場あるいは機械器具を持たない車両修理作業に必要な技術者を含めます一切の定められた定員を米軍側に提供する、そうして一時間当り幾らという契約コストでもって事業が運営される、そういう事業体昭和二十年終戦後十年間働らいて参りまして、たびたび間接契約にしてほしいという要望を各方面にいたして参りましたが、いまだにこれが実現を見ておりません。しかしながら、動乱以後相次ぐ人員整理によりまして、そういう非常に悲痛な人員整理の体験、あるいは日常作業環境におきます労働条件低劣性、そういうことを解決するためには、どうしてもこれは企業内で労使が話し合いをしても、米軍という非常に強い力を持った、政府対一業者の現在のような私契約では、これはとても解決ができない、常に私たち労働者が泣き寝入りをして一切のしわを負ってしまう、こういうことが独立以降数年にわたる日本国家としてこのまま放置されていいものかどうかということについて、非常にわれわれは悩んで参ったわけであります。もちろん、政府の方が申されますように、これは行政協定の十二条に示されておりますように、基地内における米軍業者選択権という、こういうものがある以上は、なかなか間接契約に改められない、こういうような理由もよくわかるのでありますが、しかしながら第二項に掲げておりますような、ことに日本経済に不利な影響を与える場合には、これを協議するというような一項もございますので、果して不利な影響を与えているかどうかという点についても、もっとこれは検討の余地があるのではなかろうかというふうに考えております。  以下、われわれが体験しました具体的な例を申し上げまして御参考に供したいと思います。かねて動乱の最中には契約条項の中に、すなわち米軍経営者側との間にかわされておりますところの契約条項、これが一切の規制をしますし、この契約条項の中に米軍の権利、業者の責任、義務、任務、そういうのが一切うたってありまして、これによってこれは運営されておりますが、問題はこの契約条項が果して対等の立場で結ばれたものであるかどうかという点に、大きな問題が語ると思います。この中に例年価格改訂条項というのがございまして、これは契約期間は一年でございますが、この契約の当初きめられたコストが、その後契約期間の途中におきまして物価の変動とか、あるいはベースアップとか、そういう事情が起った場合には、単価をきめ直すことができる、価格を再び上げるとか、あるいは下げるとかということを双方から言い出しで、そういう交渉をすることができるという条項がございました。私たちはこの条項があるなしにかかわらず、こういう条項があるということはあとから知ったのでありますが、例年やはり賃金値上げ要求して参りまして、この条項があるときには大体賃金値上げができ、そうしてその次の契約年度には経営者方々単価を引き上げるということに成功して参っておるようでございます。  ところが、これが三十年から価格改訂条項というものが削除されまして、米軍側の意向で削除されましてからは、一たび単価を結んだならば、その期間中は絶対単価を上げない、そのかわりに下げない、こういうことになりましてからは、私たち三十年度からは賃金が据え置かれまして、そこで三十一年度におきまして、これではとてもたまらぬということで、私たち特需関係労働者が全部で要求を出しまして、このときには米軍が大体契約コストの三宅以内の賃上げ、ないし定期昇給ならばそれを認めようという改訂をいたしたようであります。この改訂の三%以内という根拠がどこから来ているかということはよく知りませんが、われわれの推察によれば、これは同種環境に働いております直用労働者の方、すなわち駐留軍労務者の方は年に二回の定期昇給がございます。これは現在二回で約六百六十円、一回三百三十円という定期昇給がございますが、この額を基準にしたのではないかというふうに考えられます。そういうことで三十一年度私たち要求しました結果は、米軍の方も、その結果によるものかどうかはつまびらかにしませんが、改められまして、三%以内というきわめて狭い範囲でございますが、そういう賃上げができるというふうに契約の上でもなったのでございます。  しかし、今ここで駐留軍労務者の問題を出しましたが、これは私たち基地の中でこういう作業を行なっております者としましては、ほとんど同環境でございまして、同様に不安定でありまして、ほとんど同様に軍の監督を受ける。違うのは入門のときに差し出すいわゆるゲート・パスというものの様式と、それから作業場内においてつけておりますバッジ、これの色が違う、字が違う、こういう違いはありましても、ほとんど置かれている環境条件は、これは日本の敗戦によって起った所産でありまして、どちらも変らない。そういう点からいくと、どうしても必然的に私たち直用労働者方々労働条件というものを比較するようになります。そういう比較をして参りますときに、一方は調達庁が間に入って米軍に対して労働条件その他一切のことを交渉する、しかしわれわれの場合には会社側を相手にしますけれども、その背後に厳然と規定されておりますところの米軍業者という私契約契約によりまして非常に大きな差がある。こういうことで今回の公務員ベースアップ――労働の問題に触れてこれは恐縮ですが、今回の公務員ベースの場合でも年六百六十円の定期昇給のほかに駐留軍の場合には約六・二%、千二百円という賃上げがこれはきめられております。これは日本政府の方から出しております防衛分担金の額がきまったあと米軍の方の考慮がなされたということは、これは米国の予算の方からこういう値上げ額が考慮されたということでございまして、特需の一時間当りコストが高い安いというようなことと、これは密接な関係があると思います。  こういうことで改定条項にほぼ似たものは今日復活をいたしましたけれども、これもやはり直用労務者に対する労働条件とは非常に大きな差のある程度の配慮がなされたにすぎない、こういうことになっております。  それからさらに昭和三十年の春、私たち貸金値上げ要求をしましたときに、たまたまある会社におきまして、絶対に上げないということで、その組合は三十五日ほど部分ストライキを行いました。そうして経営者方々はロック・アウトを行いまして、非常に血で血を洗うような激しい闘争をしたのでございますが、なぜ一社だけがそういうふうに頑強に上げることができなかったのかどうか、こういう点をよく考えて参りますと、その会社はその前の年に、昭和三十年の秋に競争入札をされまして、契約の建前が競争入札になっておりまして、他の会社は大体指名入札ということで、前年度に引き続いて交渉を行い、そうして前年度の単価幾ら上げるかということで交渉を引き継がれましたが、たまたまその会社だけは、ほかの業者も現れましてどちらが安いか高いか、どちらが適格性を持っているかという競争入札によって次の契約を取ったために、幾分契約が前より落ちた、そういうような事態があったために、おれのところはとても出せないのだ、去年の秋に競争入札で値段を割られたのだから、よそのようなわけにいかないのだ、こういったような主張でございます。さらに、その会社は三十一年の一月に多くの人員整理を行なっておりまして、来たるべき四月、五月にもさらにまた人員整理がある、こういうような話が大体わかっておりましたから、人員整理がありますというと退職金支給額がこれも直用労働者に比べまして非常に低い、半額の状態になっております。そこで私たち予告手当というものを要求しまして、約一カ月分の賃金に見合う予告手当を獲得して、そうして退職金の低い差というものを埋めようということになります。ところが、この予告手当というものは経営者の方でもって米軍要求しましても、単価の中に認められない。ということは軍としては三十一日前に予告をしたのだから、日本基準法は三十一日前に予告すれば予告手当を支払わなくてもいいということになっている。従ってこの払った予告手当経営者が勝手に払ったものであるから、軍の方ではそれを単価に認めないという態度を変えておりません。そのために経営者の方はよけいに人員整理が出るという予想を持っておりますと、一そう財布を締めてしまう。今申しましたように一つは前年度の競争入札ということで単価を割られ、さらに人員整理の場合に同環境直用労働者よりはなはだしい低い退職金を埋めるための予告手当というものが、米軍の方から単価に認められない、こういう二つ理由によって激しい血で血を洗うような争いがその会社では起りましたが、もしも競争入札というような方式をとらずに、予告手当というものと労使の慣行を米軍が理解したならば、こういうものは未然に防げたのではなかろうかと考えまして、これもやはり現在の私契約からくる大きな矛盾、あるいは不合理であろうというふうに考えております。  それからいま一つ、われわれの方から申し上げるごとでないかもしれませんが、一時間当り修理コストが高いということをわれわれが要求を出しました次第でありますが、私ども米軍と直接交渉するのでないのですから、具体的にはわかりませんが、一体修理コストの高い、安いという基準は、一体どこにあるのだろうか、これは今後の日本修理産業の上に大きな問題になろうと思います。たとえば東南アジアに対しましても、あるいは今後中共に対しましても国際的な日本修理に携わる労働者賃金が一体どのくらいが妥当であるかどうかということは大きな問題と思いますので、申し上げますが、私たち会社側と軍との間に結ばれております一時間幾らという契約コストの九〇%は労務費でございます。そのほかにいわゆる経費、利益、そういうものによってこれは成り立っておりますが、少くとも一〇〇の契約コストのうち九〇%の労務費を含まれるコストというものは高いか安いかということになって参りますというと、これはその労務費が高いか安いかということになるのじゃないかと思います。しからば高いか安いかという問題の労務費は、先ほど申しましたように同環境直用労働者諸君に比べれば退職金貸金、一時金を比べまして非常に低い。さらに同種のいわゆる国内自動車産業労務賃金に比較しましても、これはさらにもっと大きな差があるということになりますと、この九〇%を占める労務費が低いということは、修理コストが低いということになるのじゃないかというふうに考えております。もちろん、これは工場設備であるとか、あるいは生産能率の問題というものが、これは付帯しますけれども、そういう設備とか、生産能率とか、生産工程とかいうものは、米軍管理下規制をされておりますから、これは経営者といえども労働者といえども、もっと生産を上げたいと思いましても、もっと修理コストを低くするために創意工夫をしたいと思いましても、これは基地における米軍管理下の実態ではどうにも動かぬということになりますと、やはり現在の修理コストの一番正しい基準のとり方は、九〇%を占めておるこの労務費が問題になろうというふうに考えております。時間が規制されておりますから……。  以上、契約の面からくる矛盾の一端ですが、私たちは過去十年間非常に苦しみまして、そしてどう交渉し、どう努力しても、思うようにならぬ。これが現在の基地内における実態である。これを政府方々にたびたびお話し申し上げましても、今日まで実らない原因について、あるいはひがみかもしれませんが、われわれの見解を申し述べますと、特需というものは近々なくなるのではないか、あるいは政府の方も一応米軍の方といろいろ折衝されたことと思いますが、なかなか思うようにいかない。昨年あたりの情勢では、もうどんどん減ってきまして、急減という情勢であるから、こういう情勢の間で無理をして間接調達しなくても、行く行くはなくなってしまうのではないか、こういうようなお考えがあったのではないかと考えております。しかしながら、最近の情勢によりますと、性格の違った新特需というものが導入されるとしますならば、われわれ二万の技術集団というものは、やはりこの仕事におきましては、日本において比類のない熟練者であるから、ここで働きながらなおかつわれわれの指向する方向に転換していきたい、こういう意向を持つのは当然のことでありまして、今後相当量、相当期間、来るのではないかというその事態に対しまして、新しい認識のもとに現在の私契約方式という非常に人道的にも、あるいは合理性の上からも矛盾きわまる実態を一日も早く改革されて、政府対策、保護というものを入れました間接受注方式に改めていただきたいということが、私ども二万人の労働者の念願でございます。  以上、簡単でございますが、参考意見といたします。
  6. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 以上で参考人の方の御意見は終りましたが、政府関係としましては、非常に関連するところが多いのでありますが、ただいま出席しておられる政府特需関係方々は、通産省では、徳永企業局長、松尾通商局長、伊東企業特需課長、新井重工業局自動車車輌課長、内閣の特需対策委員会関係者として賀屋内閣官房審議室長、大蔵省、市瀬管財局国有財産第二課長調達庁小里労務部長、小宮山調達協力課長労働省、松本雇傭安定課長、中村失業対策部企画課長防衛庁、小山装備局長、外務省、東郷アメリカ同第二課長、以上であります。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  7. 近藤信一

    近藤信一君 まず参考人に一、二の点についてお尋ねいたしますが、この資料によりますと、特需は工業機械や材料、備品、消耗品、こういうものを米軍が供給されておる、需品の特需と、それから労務を提供しておるところの役務特需二つがあるわけです。そこで私お尋ねしたいことは、役務提供は全面的に特需に依存しておるという立場におかれておりますから、ことに、これは基地内に修理作業会社があるわけです。そこでこの修理作業会社米軍側との契約がもし打ち切りとなった場合、事業所の閉鎖または事業所がその基地から立ちのくということになるわけであります。そういうような条件にありますので、米軍側契約する場合は、たとえばたたくだけたたいて、そして安く入札をさせる。こういうようなことが起ってきて、こういう点から泣き泣き事業者の方はこれを入札しなければならぬ。ところが、そういう関係からいくと、人員整理の問題もまた向うから強行に申し出がある。こういうようなことも、そこから生れてくると思う。もしそういうようなものを拒んだならば、次の契約が取れない。こういう点から無理にいろいろと入札をさせるわけです。しかし、こういうようなことは、無理と知りつつ事業者側は、もう毎年一年契約になっておりますので、これを契約していかなければならぬ、こういうようなことでは、私は事業に対する不安ということも非常に感ぜられるのではないかと思うのですが、この点事業者側としての参考人は、どのように考えておられますか。
  8. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) 終戦翌年から始まりました契約におきましては、御承知のように占領下にございましたものですから、かなり一方的なことも受けなければならないという点は、契約上もあったのでございますが、御承知のように二十五年に直接契約になりまして、直接契約になりましてからの初めのうちには、日本側にも、アメリカ側にも、双方に、日本側はアメリカの法律に明るくない、あるいはアメリカの会計検査方式というようなものに対して理解が少かったという点で、契約本文の意味がどういうことであるかというような点で、かなりの誤解は持っておりました、また、アメリカ側としても、日本商習慣というものを全然無視して、アメリカの商習慣一本でいったので、アメリカ側としても相当見てやっておると思われることが、われわれには非常に見ていないという点も多々あったのでございます。しかし、ちょうどそれ以来相当長い期間を続けて参りました現在におきましては、かなりその点は改良されて参った次第でございます。  ただ、特需というものが、契約が一年間、これはアメリカでも陸軍の特殊なるものを除きましてほとんど一年間でございまして、一年の契約ということに対しまして、先が非常に見えにくいという点と、それから話をいたしますと、どうしてもアメリカ側の希望とわれわれの希望の合わないときには、あとはどうなるかわからないというような点がございましたので、特需というものに対する皆さんのお考えというものにも、かなり先のないもののように受け取られたかと思います。しかし、最近に新特需というものが全面的に業者の上に打ち出されて参りまして、これには会員会社ではすでに二カ年の契約をすでにしておりますところもございます。そういう状態で相当いろいろのことに対して、われわれの意向も入れて参って来ておるようでございます。特に先ほども申しあげましたように、特別調達庁そり他の方の日米合同委員会におきましても、いろいろ御交渉をいただいて、それが早晩契約の上に、変るときにもってくるのではないか、そういう希望を持っておる次第でございます。  また、第二の基地内の問題でございますが、理論的に申しますと、基地でもう仕事がなくなったから、お前たちはだめだから出ていけ、こういうようなことを言われるのは当然だと思いまして、業者間でもこの豊富な技術陣というものを利用しまして、これが転換策をいろいろ考慮している次第で、実際に具現しておりますところも、少しずつ起ってきておるのではないか、こういうふうに思う次第でございます。
  9. 近藤信一

    近藤信一君 これは両参考人にお尋ねするのですが、これは労務特需は、昭和二十二年から二十四年にかけて始まったが、米軍所有の車両再生修理ということを予定して、最初の出発であったが、朝鮮動乱が起りまして、需要の規模が大きくなってきて増大してきた。ところが朝鮮動乱が終りまして普通の平時体制となって、大規模の人員整理が始まってきた。資料によりますと、非常に当時朝鮮動乱が終って、特需がとまった。だから人員整理が非常に大きく波を打って参りまして、各地に首切り反対の闘争が起ったわけなんです。これに対しては、当時政府部内に特需に対する対策委員会か、協議会というようなものができたようであったのでございますが、先ほど参考人も言っておられましたように、そういう特需が、朝鮮動乱が終って特需がだんだんと減って来た、そこへ毎年次次と首切りが始まって、当時の人員から比較いたしますると、二十八年から三十一年昨年までを見ますと、約半数ぐらい人員が淘汰されているわけなんであります。減少しているわけなんであります。こういうふうになってきますると、これはいつまた整理をしなければならぬということがはっきりしていない。なしくずしに、向うの都合によって、米軍の都合によってなしくずしに整理をしていかなければならぬ、こういうようなことでは、非常に事業者の方も不安であるが、労務者の方も非常にこの点は不安じゃないかと私は思うのです。従ってこういう面については、やはり長期計画というものが立てられ、そうしてその長期計画によって事業を行なっていかなければ、非常に不安だと私は思うのですが、この点両参考人はどのように考えておられますか。
  10. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。それはおっしゃる通り、まことに不安な状態が続いているのでございまして、先ほど申し上げましたように、この契約がたとえば十年というような確定的なものでございまして、また計画的に契約ができますれば、こういう不安というものは一掃できるのでございますが、何分にも契約がアメリカとの直接契約でありますために、ほとんどアメリカの契約法でございますか、政府契約法に従わなければならないという点で、いつも不安が起るわけでございます。しかし、幸いにして、今近藤参考人のお話がありました、特殊ないわゆる競争入札社というものが比較的少うございまして、現在先ほど申し上げました私の方の会員会社は八社ございまして、これはほとんど指名的に契約を続けている、こういう状態にまでなって参りましたから、現在のところでは、新しい新特需の姿にでもなりますれば、それほどの危険性もないようでございますが、おのおの皆で相談いたしまして、人々のために将来の企業を考えている次第でございます。
  11. 近藤誠

    参考人近藤誠君) 私たちも整理が始まりましてから、何とか一つ計画的に、特需というものが無限にあるということをもちろん考えておらないのですが、計画的に漸減というものを示してもらいたいということを、接触するあらゆる範囲方々に訴えて参りましたが、しかし、これは一つには、米軍の方の軍機の問題があるのだ、それから米国議会の予算の問題があるのだ、こういう二つ理由で、そういう具体的な計画というものは何ら明示されておりません。従いまして、人員整理の多く出た事業体従業員というものは、毎日非常に不安な状態で働いておりまして、こういう不安な状態ではやりきれぬ、むしろこれはもういない方がいいということで、どんどんやめて、みずからの新しい世界を求めて行った方も相当あります。事実こういう不安定なところには、いない方がいいのではないか、こういうような意見もございますが、しかし、大体十年と申しますというと、人間のかりに二十五才で入れ三十五才でございます、一番重要な時期をこの企業のために働いて参った者としては、今の日本の就職事情、受け入れ態勢の事情から申しましても、そう簡単ではございません。そこでできるならば総合的な技術集団という意識のもとに、何とか生き抜いていきたいんだ、こういう気持をそれぞれ持っております。われわれも昨年度のように相次ぐ人員整理のもとにおきますというと、確かに自信を失いました。これはどこへ行ってもだめだ、何とか考えなきゃならぬ、こういう時期もございましたが、本年の初頭あたりから出て参りました東南アジアの方の修理作業が相当来るというような報道が、単なる報道でないというような事態が、各会社の中の内部を聞いてみましても、六月という米国の会計年度を川前にしますというと、もしそういう従来の流れにおける縮小というような事態が来る場合には、もう一様に隠す二とができないくらい明瞭に感じられるのですが、本年の場合には米軍手持ちの作業量が非常に少いけれども、各社内の実態は少くとも悲観していない。むしろ先に向って相当続くというような、そういう情勢が一般に出てきている、こういうような状態で、それにしてもこれはあくまで特需は有期でありますが、残された期間が一体何年あるかということが具体的にわかれば、この期間にわれわれは経営者に対して次の特需がなくなった場合における転換をどうすべきかということを具体的に迫まれるわけですし、また政府がこれに大きな政治のもとに間接契約というような方法も実施するということができるならば、もっとこれは根本的に足を地につけた転換ということも可能であろう、そういうことによってわれわれの前途に対して現在は特需という非常に不安定なことであるけれども、将来こういうことであるという一つの目安ができてくる。その目安がつかめないという現状、これを解決するための一つの大きな方法として政府の強力な対策が必要である、こういうことになろうと思うのであります。
  12. 近藤信一

    近藤信一君 今、参考人も言っておられますように、非常に不安で仕事に従事していなきゃならぬということは、私はその契約の内容そのものも労務者に十分わからない、こういう点があるのではないかと思うのですが、その点いかがですか、近藤参考人にお尋ねします。
  13. 近藤誠

    参考人近藤誠君) これはやはり労使間の信頼関係の問題だと思います。契約の条文、契約書がどういうものであるかということを、労働組合として正式に経営者の方から示されておるものはきわめて少いのじゃないかと思います。まあわれわれの方の組合調査部を持っておりますから、いろいろそういう内容につきましてある程度の知識は持っておりますが、正式に現在の米軍会社との契約内容が、これこれしかじかの条文になっておるということを、全組合員に示すというふうにはなっておりません。また米軍会社の年数回にわたる交渉も、それが別に議事録を見るわけではございませんから、そのすべてをわれわれは知っておるというわけではございません。
  14. 近藤信一

    近藤信一君 会社が、事業者側が米軍契約されるわけなのですが、その契約は一般的には、いわゆる労務者に対しては公開しておりませんですか。
  15. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) 先ほど近藤参考人も言われましたように、私が特需自動車工業会理事長といたしますというと、その各社がございますから、これを一様に申し上げるわけにも参りませんし、まだどこがどういう御発表をなさっているかということはわかりかねますが、その中の数件はやはり相当深い程度に契約の内容を組合側の方にお話していることが多いと思うのです。特にいろいろな問題が起りますたんびにアメリカの制肘、あるいは契約上の問題が起ってくるものでございますから、自然に内容はほぼわかるのではないか、こういうふうに思う次第でございます。
  16. 近藤信一

    近藤信一君 これは調達庁にお尋ねするのですが、聞くところによりますと、何か米軍と事業者との契約内容については、これは秘密事項に属するからと、従って公開できないというようなことを事業者側は言っておられるところもあるそうですが、これは一体秘密事項になっているのかどうか、その点調達庁にお尋ねしたいと思います。
  17. 小宮山賢

    説明員(小宮山賢君) お答え申し上げます。調達庁におきましては現在本庁の総務部に私の所管しておりまする調達協力課というものがございます。それから今まで私の課に属しておりましたが、最近総務部の独立の班として契約調停班というのがございます。この契約調停班というのは、個々の特需契約の紛争調停を扱う委員会の事務局のような仕事をしておるのでございますが、私の所管しておりまする協力課には、まあ特需調達のやり方に対する啓発広報というまあ仕事を持っておりますんで、特需の一般の、需品、工事、役務ないしは逆特需と申し上げましてアメリカの物資の払い下げ等に関しまする一般的な事柄については、できるだけまあサービス業務といたしまして一般から御質問がありますれば、御説明申しておりますし、また、各局の方にもそういうふうに指導いたしております。  しかし、個々の会社にどう米軍側との間にそれぞれ秘密と申しますか、個々の会社と軍との関係のことでございますから、一般的な契約条件等につきましての説明はいたしておりますが、個々の会社の個々の契約の特殊な事項については、まあ私の方としてはそういうふうな情報をつかんでおりませんので、そのごく特殊な問題については、今のところ特に私の方から積極的に国民の皆様に公けにするというふうなことはいたしておりません。ただ、一般的な契約条件特需契約条件、その他こういう点は注意しろ、ああいう点は契約上注意しろというような問題については、極力末端まで通じまして啓発広報をやっております。
  18. 近藤信一

    近藤信一君 特需産業の問題は、これは毎国会論議されて、衆議院、参議院それぞれ担当委員会でいつも論議されるのです。で、政府はそのつどですね、その時の都合のまあ答弁をしておられるわけなんですが、一体政府はこれまでに特需に対する処置を何か考えたことがあるのかどうか。それでもしその御処置を考えられまして、今までどのような効果があったものかどうか、そういうような点についてその経過を説明願いたいと思います。
  19. 松澤兼人

  20. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) お答え申し上げます。御指摘の通り特需の減少に対する対策につきましては、政府部内といたしましては内閣に閣議了解をもちまして特需対策連絡会議というものを設けまして、およそこの問題に関して所管上関係のあります行政各部の方々のお集りを願いまして、そのときどきのいろいろな問題につきまして御協議申し上げておったのでございまして、この会議ができましたいきさつは、先ほど近藤委員のお話しにございましたように、特需昭和三十年の夏でございましたか、富士モータースの大量解雇に端を発しまして、これは調達方式そのものにも問題があるのではないかということでございまして、その点についての政府の考え方を一つまとめようということと、それから現実の問題といたしまして、特需が減りましたり、あるいは同時に、まあ原因は違いますが、形としては同じような形として現われて参るのでありますが、駐留軍、国連軍がだんだん引き揚げて参りますので、これに従事しておりました労務者が、やはり同じようにここに首を切られるということによりまして生じまする労働問題、これをどういうふうに解決していくかというその対策、大きく分けましてこの二つの点につきまして研究をいたすために設けられた次第でございます。  調達方式の点につきましては、先ほど参考人意見もございました通り、また当時国会の方におかれましても、根本的に考え直す余地がないかというような御質問もたびたび受けておりまして、直接調達方式間接調達方式にしたらどうかということが考えられたのでございまして、この点につきましては、当時数回会議を重ねまして、各省の意見を持ち寄りまして、内閣といたしましては、その意見の調整に当ったわけでございます。その後数年たっておりますが、まあ大体その当初に考えました考え方から大した進歩を見ておらないのでございまして、この問題につきましてのただいま持っております考え方を、結論的に申し上げますと、間接調達方式によりましても、米国側の調達が漸次減少していくということは、これは向うの予算の関係等がございまして、その点は日本政府としても、どうしても手の打ちようのないことでございますが、予算が減って人員が整理されるということは、どうしてもこれは、かりにこれを間接調達にいたしましても避けられないのではないか。同時に、米側の調達が完全に計画的に行われるという保障は、かりに間接調達にいたしても得られないのではないかというのが、一つの考え方でございます。これは間接調達にするということが、事態の根本的な解決にはならないのではないかという考え方でございます。それともう一つ間接調達方式にいたしますと、調達事務その他につきまして、日本側に相当の財政的にも負担がかかってくる。そのための機構も設けなければなりませんし、そのための人員も相当ふやす必要がございまして、財政上相当な大きな負担額が生ずるのではないかという点が考えられたのでございます。また、今ときどきクレームの問題等が起っておりますが、この問題につきましても、同じように政府に大きな負担がかかってくるのではないかという点があるのでございます。  大体そういうような考え方でございますが、しからば放っておいたらいいかというと、私どもといたしましても、この業務に従事せられます労務者の方々の立場等も十分よくわかるのでございまして、何とかこれが計画的に、かりに予算その他の関係から減るといたしましても、それに対処する手が打てるように、計画的に漸減されるということが望ましいことはもちろんございますので、米軍当局に対しましては、その将来の計画につきまして、でき得る限りの情報を与えてほしい。また、どうしても減らさなければならないという場合にも、できるだけ事前に通告をしてもらいたいということは、外務省当局からも、しばしば交渉をいたさせておるのであります。それからこの労働条件の点につきましても、先ほど来お話がございましたように、直接調達であるから、劣悪な労働条件に甘んじなければならないということがしばしば言われておるのでございまして、まあそういう面も確かにあろうかと思うのでございますが、契約条件、雇用の条件等につきまして、不合理な点がありますれば、政府といたしましても、しかるべき筋を通しまして、米側に極力強く交渉に当るということを決意いたしておりまして、現にこの契約調停委員会等もございますので、そこへしばしば話を持ち出しておるような次第でございます。大体この調遠方式の点につきましては、そのような考え方で今日まで参っておるのでございます。  それからもう一つの問題の、特需の減少に伴いまして解雇者が出ましたときの対策の点でございますが、これにつきましては、労働省その他関係省の御協力を得まして、一応閣議了解をとりつけた文書もございますが、個々の具体的なケースにつきまして、いろいろ各省の持ち腸持ち場に従って手を打っておるのでございまして、大体の大筋な基本的な方向といたしましては、これらの離職者に対しましては、できるだけ同一企業あるいは系列の関係にある企業の配置転換を行うように、これは通産省の関係だと思いますが、適当な機会をとらえて指導をしていただいております。また、労働省の関係におきましては、労務者の転換を可能にいたしますために、職業の補導、それから職業あっせんといったようなことについて力を入れていただいておるのでございます。また、離職者の自立更生をはかりますために、転換をせられまして、自分たちだけで一つ組合でも作って新しい仕事をしようというような意欲のあります場合におきましては、政府といたしましても、企業組合の育成、援助、指導等をいたす考えでおります。それから、何と申しましても、新しい仕事をいたしますにつきまして、先立つものは資金でございますが、この資金の関係につきましては、現状は必ずしも十分にはいっておらないようでございますが、御承知のように、中小工業関係の資金需要がきわめて多うございますし、また、国民金融公庫等で扱っております生活困窮者に対する資金の需要といったような毛のも非常に多いわけでございます。予算、財政全般の関係から申しまして、必ずしも潤沢な資金の割当ができない場合が多いのでございますので、その際に、特需関係者等につきましての特別のワクを作るという、これは強い御要望もございますが、なかなかそこまでは踏み切れないような政府実情でございまして、まあしかしそうは申しましても、こうした方々の資金需要に対しましては、まあ初めて仕事をなさいますので、信用という点につきましても、金融機関といたしましては、不安な点が多い場合が大部分でございますが、そういった点につきましても、なるべく便宜的に考慮してほしいというようなことを、大蔵省を通じまして、たとえば中小企業金融公庫でありますとか、国民金融公庫等に通牒を出していただきまして、できるだけの便宜をはかるということを申しておるようなわけでございます。幸い御承知のように、今年度予算におきましては、これらの中小企業金融公庫の資金につきましても、国民金融公庫の資金につきましても、相当資金量がふえたようでございますので、今後におきましても、そういったことについても多少見通しは明るいのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。まあ特需関係につきまして……。
  21. 島清

    ○島清君 もっとはっきり言って下さらんとわからぬよ。
  22. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) 大体特需関係につきましては、そういったように、調達方式の問題と、それから解雇者に対する対策の問題との二つに分けまして、従来の経過はただいま申し上げたようなことでございます。
  23. 近藤信一

    近藤信一君 私は特需発注があると、政府はやれやれと言って、事業者のおしりをひっぱたいて、無理やり特需産業へ押しつけてきた。そうして特需がばったりとまると、あとは知らん顔をして、まあ勝手に転換しろとか何とかいう冷淡な態度……、非常にこういう点は、私は無責任だと思う。三十年の参議院の予算委員会で、西田労働大臣並びに石橋通産大臣が間接受注の方がよいとされて、閣議でもまたそういうふうに決定をされたように思います。そういうような発言があったわけなんです、閣議で決定しようと……。ところが間接受注方式がなぜできないか、こういう点について明確なる一つ御答弁を願いたい。
  24. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) お答えを申し上げます。調達方式の点は先ほど申し上げましたようなことでございまして、間接調達にいたしますことに上って、果してこの特需の減少ということに対する対策としては根本的な解決にはならないのではないかという点が一つと、また、間接調達にいたしますためには、財政的にいろいろ大きな負担がかかってくるというような点から、政府といたしましては、ただいまのところは、直接調達方式間接調達方式にする考えは持っておらないのでございます。
  25. 近藤信一

    近藤信一君 それから賃金ベースの点でも言えることは、直用労務者特需の労務者と比較いたしますると、非常に特需の労務者は賃金ベースが低い。そこで、これはどうしてそういうような結果になってくるか、また、この直川労務者は、これは政府で若干の保障がされておりますので、賃金ベース賃上げ闘争なんかにおいても、ある程度の要求がいれられるわけでございますが、特需産業の労務者は、賃上げ要求しても経営者利益というものは三%から六%で押えられておる。さらに要求をしてもその費用の出所がないというようなことで、賃上げ要求をしてもなかなかこれは困難であるわけなんです。それがいつも労務者の賃金闘争には大きな影響を与えておりまして、なかなか要求の半分にも満たないという場合がしばしばあるわけなんです。そこで、今年さらに直川労務者は千二百円のベースアップがあって、特需産業労働者賃金の格差がうんとまた開いてきた、こういうような結果が起ってくるわけなんです。こういう点、政府の方として何らかこれに対する対策でも立てておられるのかどうか、その点一点お尋ねいたします。
  26. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 近藤君、労働省の方の関係だと思うんだけれどもね。ここでは雇用安定課長と、失業対策の企画課長と二人しか来ていないんで、賃金格差の問題については責任ある答弁をする人がいないらしいんです。
  27. 近藤信一

    近藤信一君 それじゃそれはまた後に……。
  28. 島清

    ○島清君 関連質問、調達方式について、先ほどの説明に関連をして聞きたいのですが、これは新聞の報道なんでございますけれども、何か軍艦をですね。アメリカの方のドルの資金で、甘木で軍艦を作って防衛庁の方に貸与するんですか、などというような新しい特需が生れて、それは何か間接契約のように承わっておるのですがね。ただ、私は新聞の報道だけしか聞いておりませんので、詳しい事情についてはよく知りませんが、そこらはどうなっているんですか。
  29. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) ただいまのお話しにお答え申し上げます。実は先般両院の御承認をいただきまして、予算並びに法律を作りまして、特別会計でございますが、アメリカが資金を出しまして、総額約六十七億円、これをもって日本が駆逐艦を調達してアメリカに渡して、これをまたアメリカから相互防衛援助協定によって受けるということに相なったわけでございます。これは日本政府がアメリカ側の域外調達を受けようという形にいたしております。いわば、今の調達形式の問題としては間接調達でございます。どうしてこういう形をとりましたかと申しますと、船は総額も非常に多うございますし、検査期間も非常に長くかかる。これをやりますには設計から、監督から、検査から大へん多くの人手と金がかかるということで、向うとしてもなかなかやりきれない。また船等はアメリカがNATO諸国とやっております方式もそういう方式をとっているものですから、ぜひたれか信用あるものに頼んで調達をやりたい、そういう向うの申し出もありましたし、当方としても、いずれ当方で相互防衛援助協定によってもらうものでございますから、設計から、監督から、検査等をこちらでやらしてもらうということが、当方の便宜でもありますので、従って日本政府が請け負って造船会社に下請けさしてこれをアメリカ政府のために調達する、こういう形をとったわけであります。
  30. 島清

    ○島清君 この軍艦については、間接契約ができるならば、今まで既成の特需についても間接調達方式が採用されてよろしいはずなんでございますけれども、軍艦については間接、そうでないものについては直接というような、ここに矛盾が出てきておるわけですが、これは何か労働組合の諸君並びに事業家の諸君も、間接契約を非常に要望しておられるようでございまするので、軍艦がそういう形が出てきたのを機会に、間接調達方式政府は一歩強力に踏み出されてもよろしいように思えるのですが、どうなんですか、そこらは……。
  31. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) お答え申し上げます。ただいま軍艦の調達につきまして間接調達方式をとっておるから、ほかの調達につきましても、同様の方式がとれないはずはないではないかという御質問でございますが、軍艦の調達方式の点、私詳しいことは存じませんが、大体私の伺っておりますところでは、先ほど防衛庁から御説明がございましたような軍艦の建造という特殊な性格と、それから数量的にもそう多くはないといったような特殊性から、今回限りの例外的な措置として間接調達のような方式をとったということに承知いたしておりますので、これを全部に及ぼすということになりますれば、先ほど申し上げましたように、人員、機構等についても相当大きな規模のものを考えなくてはならないというようなことから、ただいま軍艦の場合は一つの例外的な措置というふうに考えまして、これを全部に及ぼす考えは持っておらないのでございます。
  32. 島清

    ○島清君 私は関連質問をしたのですから、私の時間あとでちょうだいすることにいたしまして……。
  33. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 関連。理事会ではきょう午後四時までこの委員会を開催するというようにきまったようにお伺いしましたが、ここで御説明を聞いておると、各省からそれぞれおいでになって御答弁をなさっておるようでありますが、二十分でも三十分でも、できれば通産大臣においでを願って、そこではっきりした御答弁をいただかなければ、各省で各個ばらばらな御答弁をいただいて、これはわかりませんというようなことでは、実に困るわけです。ということは、一つの砲弾を作るにしても、戦車のホイルを作るにしても、やはり労力費が幾らかかって、何が幾らかかっておるということで、やはり通商産業省は指導しておられるというように判断をしておるわけです。肝心かなめのところがわからぬで、まことに困るわけなんですから、もしできれば、通産大臣二十分でも三十分でもけっこうですから、一つ出席を願うというふうにお願いいたします。  そこで参考人の方が時間がなかろうと思いますので、近藤委員に御了解を願って、二つ三つお伺いしたいと思いますが、その前に政府の御答弁を願いたいことは、日米合同委員会の特別委員会というのがございますね、たとえば一九五六年の十月、これはアメリカさんの方はC・F・レイ海軍中佐、日本の方は新納さん、この外各四名ずつおいでになって特別委員会を開いておる特別委員会ですね、これは常設であるか、それとも問題によって開くのか、その点まず一つお伺いします。
  34. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) お答え申し上げます。先ほど御指摘ございました委員会は、特需調達に関連しまして起りますいろいろな問題を処理しようということでございまして、常設の機関でございます。そういたしまして原則的には二週間に一回開くということで、あとまあその間に随時問題が起れば開くというような段取りで取り運んでおります。
  35. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、三十一年の二月の二百ですね、本問題について閣議の三項目にわたる決定事項がございます。これに該当したところがあるか、該当したところがあれば、その内容についてお知らせ願いたいと思います。
  36. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 私直接会議に出ておるわけではございませんが、この今お尋ねがございました日米の委員会で、特需対策に関連して、先ほど内閣の賀屋さんからお話しになりましたような事項につきまして、日米間での折衝事項になりますようなことで、具体的に議題になったことを申し上げますれば、いろいろと問題になっておりますわけです。たとえば特需を、先ほど参考人からもいろいろお話がございました、なるべく計画的に出してもらいたいというようなこと、これは幾たびか問題になっております。それからあるいは先ほどまた参考人からお話が出ましたいわゆる車両特需といいますか、そういうようなものが出そうだということで、これはまあ業界も非常に望むといいますか、希望もしておられます。われわれとしましても、いつごろどの程度のものが、物になるのかならないのかというようなことも知りたいわけでございまして、そのことも幾たびか問題に出しております。また、日米間の慣習等の違いから契約条項等にいろいろトラブルが出て参っております。退職等の場合におきます解雇手当というようなことも、しきたりの違いから当初の間うまくいかなかった点もいろいろあったこともございますが、そういう問題が、その会議においてある程度出たというようなこともございます。まあ、一々出たわけではございませんが、この問題をめぐりまして設けられた委員会でございますので、いろいろ問題になっておりますことは、随時その日米相互間の委員会におきまして議題にし、少しでも事態の改善をはかろうというふうにやっております。
  37. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 私の二番目の質問は、日米合同委員会とか、特別対策委員会の内容は第一間だったんです。二番目は昨年の二月の三日に、特需の減少とそれから国連軍の引き揚げについて閣議で三つの対策を立てておるわけです。そして、それについてそれぞれ対策を立てておるけれども、ペーパー・プランに終ったのか、ペーパー・プランに終らなければ一体どういうことをやりましたかということをお聞きしておるわけです。それがもう一度御答弁を願いたいということ、それから最初参考人方々の開陳の中にもございましたし、政府委員の答弁の中にもありましたが、初めはとにかく一本でやったんですね、間接というのが一本であったのが、直接と間接と分れたということをお聞きしましたが、その分れた根本原因について、ただ片っ方は基地であるとか、片っ方は基地でないというようなばく然としたことでなくして、なぜ二つになったかということについて、一つ根本原因をお伺いいたします。
  38. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 先ほど賀屋さんからいろいろ御説明申し上げましたのですが、それがどの程度の成果を上げたかというお尋ねかと思います。問題によりまして、そうきちんとしてないのもございますわけでございますが、先ほどの説明にございました、発注をなるべく計画的にという問題につきましては、これはアメリカ側に、むろん日本政府側からも幾たびか要望もいたしておりましたのですが、先ほど参考人からもお話しございましたように、突き詰めたことといたしましては、結局アメリカは、発注をいたしておりまする、日本におりまする軍自身も、長期的なプランそのものを持たないという実態があるわけでございます。それが、アメリカの国会の予算の関係もありましょうし、アメリカ軍の機密事項になるというようなこともございましょうし、あるいはその他関連しまする外交問題といいますかというようなものもございましょうし、そういう複雑な要素からきまりますことでもありまして、五年、十年先の計画をどうこう示せと言いましても、向うも答えようがないような問題もございます。ただ、その結果としまして、従来非常に無計画と申しますか、あるケースの場合には人員削減を要求し、注文量も減ったから減らせと言って、数九月になりまして、注文がふえたから、また一つふやしてくれといったようなことが現実に起ったりいたしておりますし、それからさらに、解雇通知が非常に突如として来るというようなこともありまして、そういう点を、いろいろ実例に即し、こんなことをやられては仕事をしておられぬ、業者、労務者が困るというようなことを訴えまして、最近におきましては、今人員縮小等の場合の通知を三月前によこすといいますか、それはその後の事態の改善といいますか、三月前には出すというふうに最近はなってきているというのが、ある意味の進歩と言えば進歩でございます。しかし、究極の目的といいますか、長期間の、何年先の計画をどうこうというようなことにつきましては、われわれの希望通り目的を達していない。また、それは達し得ることは非常にむずかしい問題でもあろうというふうな状況に相なっております。  それから雇用者の不幸にして解雇が出ました場合の実際上の問題は、アメリカに対する要求といいますより、日本側の処置の問題がいろいろ多いわけであります。その問題につきましては、ある程度具体的なケースに即しては処置はいたしておるつもりでございます。参考人の要望にもございました万が一、事業転換なさるというような場合、そういう場合に、いわゆる民需転換をなさるという場合に、国家資金の援助といいますか、開銀なりその他政府機関の援助というようなもの、これも先ほど賀屋さんからきわめて抽象的に御返事がありましたのでございますが、政府部内としてはそのつもりで処置いたしておりまして、現実の例といたしまして、従来の特需をやっておられる方がほかの仕事に入ります場合に、開銀の資金の御援助設備資金をお手伝い申し上げるということを取り運んでおることもございまするし、あるいは転換労務者といいますか、転換労務者の関連につきまして、中小企業関係の資金なり、あるいは資材といいますか、トラックの入手とか、その他の面につきましてもお手伝いをしておることもございますし、それらは、実際のケースが出ました場合にそういう措置を取り運んでおるのであります。それからこの中で、これは皆さんも御承知でございますが、まとまって出ました場合は、ケースは前年の呉の例でございますが、呉の場合は、特需とはちょっと違いますが、駐留軍が大幅に一挙に引き揚げたというようなことから、大へんな問題が起りましたのでありますが、これに対しまして、呉地区におきまする全体的な失業対策、あるいは産業転換等につきましては、これも政府部内相互間でいろいろ処置をとりましたけれども、通産省関係で申しましても、呉地区につきまして産業的な更生をはかるというようなことから、あの地区におきまする新しい産業誘致のための必要な要素になりまする工業用水を急速に整備しまして、新しい産業が来やすい条件を整備し、あるいは今までありました産業が伸びやすい条件を作るというようなことをいたしましたこともございます。建設省その他で、公共事業費その他の配分につきましても、格別の優遇的な特別措置をとりましてやっておりますことも、皆様の御承知通りでございます。
  39. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 基地で働く、作業する人が、B方式によって特需ということになって、調達庁を通じないで直接ということになって、直接と間接と二つに分れておるのですが、行政協定の第十二条の二項によれば、日本経済に不利と判断される場合は、十分協議するような条項があるわけですね。そうしますと、さいぜん藤田さん、あるいは近藤参考人のお話を聞きますと、これは直接交渉でなく間接交渉にしてほしいというような意味の意見の開陳があるわけです。政府のさいぜんの答弁と今の御答弁を聞くと、アメリカさんが一切拒否して直接と間接と分れておるものか、あるいは日本の国家の予算がなくて、つまり金がなくて、アメリカさんの意向にかかわらず、直接と間接と分れておるか、ここがどうもあいまいもことしてわからぬわけです。そういう点について、どういう理由で間接と直接に分れておるかということをお聞きしたいわけです。アメリカさんが、第二条を引っぱり出して交渉しても、がんとして交渉に応じないのか、あるいは間接交渉をやれば、日本政府が持ち出しをやらなければならぬから、二つに分けておるのか、こういうことを明確に御答弁をいただかなければ、われわれとしてどうしなさい、こうしなさいという意見は申し上げることはできないので、この辺を簡単明瞭でけっこうですから、そのものずばりで御答弁願いたい。このことはまず政府にお伺いいたします。  それから藤田さんと近藤さんにお伺いしますが、さいぜんも若干意見の中で出ておるわけですけれども、今までやってこられたのよりも、今度は間接にしてほしい、間接にしていただきたいというような意見がありましたが、そういうことについて、つまり通商産業省とか、あるいは調達庁とか、あるいは外務省、こういうところにどういう働きかけをなされたか、その結果がどうであったかということを一つお二人にお伺いいたします。
  40. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 議事進行。皆さんが非常に御熱心な御質問をなさっておられますので、こういうことを申し上げることはちょっとどうかとも思いますが、きょうは参考人の方をお呼びになっておるのでありますから、なるべく参考人の方に一つ御質問をよけいに願って、そして政府当局には、また別の機会になるべく一つ御質問願いたいと私は希望を申し上げたいと同時に、政府当局も答弁は非常に懇切丁寧でけっこうでございますけれども、なるべく一つ簡潔に、要点をつかんで質問に対して答弁をしていただきたいということを、お願い申し上げておきます。
  41. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 西川君からただいま議事進行について御発言がありましたが、私も適当な御発言だと思うのであります。しかし、参考人意見の開陳を主として、その対策としてやはり政府側の意見も聞かなければならないということで、政府側への質問に対しては、政府側から答弁してもらうようにしております。あまりもう後日再び政府に対して質問して御答弁願うということも、もう時間がございませんので、その点でしんぼう願います。なるべく質問者も、あるいは答弁者も、簡便に要領を得た質問、御答弁を願うことは全く同感でございます。先ほど阿部君の御質問でありました直接と間接との契約方式がどうして分れたか、一方は直接があり、一方は間接があるという点につきましては、政府側のどなたから答弁願えますか……。
  42. 小宮山賢

    説明員(小宮山賢君) ではお答えいたします。今までの、講和条約発効になりますまでの間接調達と直接調達の経緯についてお答え申し上げます。  御承知通り調達庁の前身の特別調達庁と申しますのは、二十二年の四月、特別調達庁法によりまして、いわゆる占領軍の需要する工事であるとか、需品であるとか、役務であるとか、不動産であるとか、労務であるとか、そういうものを、駐留軍調達要求書を日本政府が受けまして、それを駐留軍がじかに日本政府から終戦処理費を、今の防衛分担金のように金をもらって直接買うという形式ではなく、日本政府要求を出す、そして日本政府日本の法規、習慣によりまして一般国内から調達しまして、占領軍へ納めるというために生まれた機関でございます。特別調達庁が二十二年九月から業務を開始いたす前は、これは外務省の外局ですか、終戦連絡事務局……、それから工事につきましては戦災復興院の特別建設局等でやっておりましたのが、占領軍側が日本側間接調達機関がきわめて多元的である、それを一元化したいという要望のもとに、特別調達庁がまず公法人として発足したわけでございます。従いまして当時におきましては、ずっと工事であれ、役務であれ、需品であれ、不動産であれ、全部間接調達方式終戦処理費によるいわゆる間接調達方式でまかなって参ったわけでございます。ところが、二十五年の六月に朝鮮動乱が勃発いたしました。そのとき在日占領車は、国連軍としての二重性格を持ったわけでございます。そして朝鮮動乱のために必要な物資、資材、労務というようなものは、当然建前上、終戦処理費日本の占領経費から出すべきものではございませんが、当時としては若干立てかえ払い、あとでドルでの償還ということが起りましたが、国連活動に必要なものは、米軍調達機関である第八軍の調達部が横浜でじかに日本業者から発注するというダイレクト・パーチェスを始めたわけでございます。その当時はいわゆる調達要求書に基いて、終戦処理費による調達ということになっておりましたので、アメリカがドル資金によって自分で買うというものを、何ら日本側として文句を言う筋合いはない。ただ、同じ石炭を買いますのに、同じ軍に納めるのに、調達庁が買う価格と米側が特需で直接買う価格の間に非常に差があったり、いろいろ混乱がありましたが、とにかく二十五年の朝鮮動乱間接調達と直接調達が二元的に並行して、その間にいろいろ問題が起きた時期であったのでございます。ところが、その翌年の二十六年五月に、リッジウエイ、前の最高司令官がこういう声明を発表いたしました。つまり、終戦処理費相当額の半額を二十六年七月のアメリカ会計年度以降負担する、そのかわり対日援助資金を削減するというふうな声明を発したわけでございます。従いまして終戦処理費による特別調達庁が扱っておりました調達量の約半分というものが、理屈の上では今度はアメリカが調達するという形になったわけでございます。そのとき間接調達を担当しておりましたわれわれは、その半額負担してくれる……これは特需と別の、国連活動とは別のものでございますが、つまり占領経費ということになるのですが、その半分をアメリカが、金は持つが、調達庁を通じて間接調達にしてくれるのか、それとも国連の調達と同様に、アメリカが直接に買うのかということについて、いろいろ米側と折衝したのでございますが、そのあとスキャッピンというのが出まして、今度はそうしたアメリカ側が半分負担する占領経費につきまして、それのサービスとサプライを、日本政府との契約に基いて調達することができるようにする。今までの調達要求書がいわゆる敗戦に基く公権力的な要求でしたが、国と国とのコントラクトに基いて調達を認めるようにする、そうしてその権限は調達庁が所管するというふうなスキャッピンが出たわけでございます。それによりまして、われわれといたしましては、半分になりました占領経費のうち、アメリカで負担する部分が、そのスキャッピンによって、当然間接調達されるというふうに考えておりました。そのために特に終戦処理費から七十五億の回転基金を作り、今の特別調達資金というものを作ったのでございますが、沿革的にいいますと、米側はそのスキャッピンによって一度も物や役務の提供の要求は、日本政府にいたしませんでした。ただ、労務者の提供だけをそのスキャッピンによって、契約に基いて日本政府でやれというふうな命令を出して参ったわけでございます。従いまして二十六年五月以降におきましては、占領経費の相当類の半分は、特別調達庁間接調達をやる、それから残りの半分につきましては、スキャッピンによって日本政府にやらせることができるようになっておりましたけれども、労務だけが間接調達の形態をとった。そうして国連に伴うもの、またその他沖縄とか、朝鮮復興資金とか、いろいろありましたが、そういうものについては直接調達の形態、それがそのまま講和条約にすべり込んだわけでございます。講和条約に切りかえますときに、いろいろその後の受注につきまして、防衛分担金ともからんで、間接受注か、直接受注かということに、いろいろ問題になったのでございますが、結果的に現在のように不動産と労務の提供は、調達庁間接調達をする。しかし、その基地の維持に必要なものは、工事やサービスは行政協定によりまして、米側が業者の自由選択権を得るというふうな現在の形に切りかわった歴史、経緯でございます。
  43. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 簡単にお伺いしますが、別に国家の予算に関係がないわけですね、二つになったということは。
  44. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 別にありません。
  45. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 参考人の方の御意見をお伺いします。
  46. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) 十六年の八月から二十七年の一月にかけまして要望書を政府に三回くらい出しておりますが、何ら実現はございませんでした。
  47. 近藤誠

    参考人近藤誠君) われわれの場合も、大きな首切りの場合とか、あるいはその他の場合におきましても、最初は公契約法の制定をしてくれ、そういうような表現でしたが、昭和二十七年前後から調達という表現を用いまして、政府あるいは国会、各省、あらゆるところに要請をして参りましたが、政府の内部のそれぞれの各省の御答弁には、各省なりのそれぞれのニュアンスの違いがあったようであります。先ほど政府の方から申されました間接調達にしても、実際的に何ら変りがない、こういうような見解がございましたが、もちろん特需が無限に続くということを考えておる者は一人もおりませんので、これがいつかはなくなるのだという前提は持っております。それから計画的な、たとえば今後の作業量を明示しろということは、間接調達になってもこれは変りない、こういうことを言われておりますが、この点については努力の結果いかんで、方向が変ってくるのではないかというように考えております。しかしながら、そういう一定の制約があっても、現在のように米国政府対一業者という、非常にもうこれは比較にならぬような大きな力の違いで契約をせられるような契約条項が、どういう結果をもたらすか、そういう点につきましては、たとえば人選の場合についても、直用労働者に対しまして調達庁が大きくにらんで、三軍の場合の雇用のそれぞれのデコボコを見渡して、適当な配置転換等によって、その犠牲者の数を緩和するという措置もとられております。もちろん、閣議了解にありますように、整理者をそれぞれ同一企業のところに配置転換を指導するとうたってありますが、しかし、それだけでは各企業の自由企業の建前から申しまして、配置転換ができるわけでもございませんし、一定の提供すべき定員も、これだけ削るという命令が一業者に来た場合には、これは横の連絡ではなくて、その業者企業内への犠牲をこうむってしまう。そういう点をもし間接調達として政府がにらんだ場合に、現在の特需の二万人という量の雇用の増減によって、これを調整するような努力も出てくるのではなかろうか、こういうことを申し上げて、いろいろお願い申し上げましたが、現在のところ依然として何の解決も見ておらぬということでございます。
  48. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 米軍の外地進駐には、日本ばかりではなくて、ドイツとかフランスのノルマンジーの大平原ですか、あすこへ北大西洋の条約によって米軍が進駐しておるわけですね。そこへ進駐しておって、今戦争がないから戦車がいたんだり、あるいは飛行機がそういたまんかもしれませんが、おそらく日本と同じように、向うでも労務者の提供を願ったり、あるいはそれぞれ戦車あるいはまた、その他の軍需物資の調達をやっておると思うのですが、そういう点と日本の現状との比較、それをちょっとお知らせいただきたいと思います。
  49. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 私ども、今日ちょうど外務省の人がいらっしゃいませんので、正確に存じているわけでございませんが、この問題政府内でいろいろ議論したこともございます。その際聞いておりますことによりますれば、米軍が世界の各地に駐留をいたしておりますわけでございますが、その際におきまする、それらの国々からの物資調達につきましては、ただいま日本がやっておりますように、米軍が自分で直接調達するという形であった。これがまあ一般の例でございます。まあ、これは少し立ち入ったあれになりますが、賠償におきましても、同じ方針をとっておりますわけでございます。結局、買う人が直接買いたい物を、その供給者側と契約してするということが最も簡単明瞭といいますか、いろいろなトラブルも、間接的なら間接的ないい面もあるかもしれませんが、たま、マイナス面もいろいろ出て参るというようなこともございまするし、これが国際上も一般の通例であり、また、実際問題として、最も適切な方法であろうというようなことできまっている。正確に日米行政協定ができましたときのその問題に対する議論の詳細な内容は存じませんが、何も日本が特別に変ったことをしているわけじゃない、きわめてありふれたことをしているというのが実情であります。
  50. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 最後に一つだけお伺いしたいと思います。内容は十分わかりませんけれども、経理内容等を見ましても、労務費が九四、五%を占めておるわけです。しかし、その一人当り賃金が高くて、九六%占めているのであれば、これは問題ないわけですが、ほかの一般産業と比較して非常に安いし、安いけれども九六%占めている、こういうことは、もう軍事修理工場とか、あるいはまた、何々会社ということでなくして、われわれ平たい言葉で言えば、人夫供給会社、こういうような、端的な言葉で表現すれば、ことになろうかと思います。従いまして、経営者労働組合と折衝するとか、あるいはまた、経営の配分について話し合うとか、こういう余地はおそらく毛頭ない。従って、やはり現在の発注している額を上げる以外には、もう生きていく方法がない、こういうような状態になろうかと思います。従いまして、今度は汽車賃も上る、あるいは電車賃も上る、小さく言えば風呂賃から豆腐の値段まで、おそらく七、八月になったら、主食の値段も上る、一千億円減税と言っているけれども、ここで働く労務者諸君はおそらく減税の対象になっている人は一人もおらない。従いまして、将来に対する確固たる見通しは、今二つに分れているけれども、将来一本にするなり、こういう政策が政府にあるかどうか、あるいはこれを一体どういうふうに持っていくか、こういう三つの点について、一つ明確に御答弁を願いたいと思います。そうでなければ将来は不安定であるし、現在の賃金は安いし、さいぜん近藤さんの答弁の中にもありました通り、といってなかなかよそへ行っても仕事がないということで、泣きの涙で働かなければならぬということで、まことに悲惨な状態なんであります。従いまして、政府当局において二本建てにいかなければならぬということになれば、しからば、それはどういうふうにして救済していくかという手を打たなければなりませんし、あるいは十二条の二項目によってアメリカと交渉して、そうして一本にするとか、あるいは競争入札ですか、そういうふうな方法についても、当然各省において、やはり指導しなければならぬでしょうし、そういう問題について明確な将来のあり方についての御答弁をお願いいたしまして、私の質問を打ち切ります。
  51. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 非常にむずかしい問題でございますが、そういう申し上げ方をすると、しかられるかもしれませんけれども、この問題、特需というものが本質的に、日本のまあ経済の中の一つの現象でございますので、これを非常に長続きするものとして、また、させたいものとして日本政府が考えるという、そういう態度は、必ずしも政府部内ではとっておりません。それはまあ御承知のように、いろいろな際に、日本経済自立の際には、特需はなくなっても、日本経済自立は達成できるようにというのが、政策の基本になっておる、そういうような事情もございます。それから問題自身のむずかしさ、ことに日本希望で長続させ得ないという点もあります。しかし、その間におきまして、現実に二万人の人が働いておられまして、それから今おあげになりました八社の仕事におきましても、量としまして本年二千三、四百万ドルの仕事をしていらっしゃるということ、この現実も日本経済を目先的に見ました場合に、非常に大きな問題であると思う。そこで、結局その間におきまして、政府のやっておりますことは、大局的に減ることを覚悟しなければならない仕事であるかもしれないが、しかし減るとしてもその減り方がショッキングに来ないことが望ましいし、もし、それが日本向けの仕事であるならば、長くではなくてもふえるチャンスがあるなら、ふえることは望ましいと言っては語弊がありますけれども、あっていいことだ、まあ、いわばそういう基本的な気持といいますか、のもとで現実の摩擦を極力少くする面に力を注いでいくといいますか、それがまあ政府の全般を通じましての対処の仕方であると思います。そういうことを考えております。従いましてお尋ねのように根本的にどうするか、ああするかと言われますと、そういう態度は、根本的にこうします、ああしますというような確たるものができていない。しかし、現実に特需作業を通じ、その作業を通じて起りまするいろいろな問題を少しでもよりよく、少しでもスムースに、少しでもトラブルが少く運ぶというようなところに、できるだけ政府としてもお手伝いをしよう、それがまあ政府の態度といいますか……、従いましてこれをつめて聞かれますると、根本対策がなっていないじゃないかというふうにも見られるかと思いますけれども、それがこの問題の問題の本質といいますか、むずかしい問題の本質が問題の性質上そこにあるのじゃないかという気がいたします。
  52. 阿具根登

    ○阿具根登君 時間がないので簡単に質問いたしまするが、まず藤田参考人にお尋ねいたしますが、「米軍会社契約」というものを資料にもらっておりますが、会社とは何を指すのか。現在の七社を指すものであるか、それともそれ以外のあらゆる社も含めたものであるか、その点を一つ御質問申し上げます。
  53. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。私といたしましては会員の会社八社の意味で申し上げております。
  54. 阿具根登

    ○阿具根登君 八社となりますと、競争入札ということになっておりますが、先ほどの近藤参考人の御説明にもありましたように、ほとんど見積りの九〇%は人件費、いわゆる技術であります。ほかの競争入札というようなものは、原料から、資材から、あらゆる面を考慮して入札をするのでございますが、これは技術であり、人であるわけです。一番簡単な入札だ、かように思いますが、その点いかがですか。
  55. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。アメリカの特需の仕事と申しますのは、普通現在の状態では、経験のないところでは非常にむずかしい状態がございます。と申しますのは、アメリカの調達方式、あるいは部品供給その他の面でこの経験がないものには、簡単に競争入札をいたしましても、円満に進んで行くということはできないと思います。そういう意味からとまた仕事量とを合せまして、大体八社でやっておりますものが、ほぼその数量と見合うことになると思います。
  56. 阿具根登

    ○阿具根登君 その通りだろうと思うのです。一人一時間何セントというのが基礎になっておりまして、例が出ておりますが、これは例の書き直した方が間違っているのじゃないかと私は思うのです。一般管理費が一・七九、工場経営が二・〇六、利益が六%、労務費が九六・一五%、こういう例が出されているわけですね。そういたしますと、結局は労働力を、技術を一時間何セント縮めるということが競争になるとかように思うのですが、そうですか。
  57. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。アメリカの契約方式にはいろいろございまして、われわれの経験いたしましたる範囲におきましては、従来は単価契約と申しまして、車一台について幾らというような、アメリカで申しますとエンド・アイテム・コントラクト、こういうものが普通に行われておりました。ところが事実数量的な未確定要素が非常に多いということで、その損害をこうむります責任がアメリカにあるのか、日本にあるのかということに、非常にむずかしい問題が往々起りまして、特に最近の会員各社のやっておりますのは、タイム・アンド・マテリアル・コントラクトと、こう申しまして、一時間当り幾らという契約に変っております。この場合でございますと、部品だとか、供給の不十分な点がありました場合でも、そのまま直接これを取り得る、こういうことでやっております。ただ、業者間に別々に契約をいたしますものですから、内容においては幾分の違いが出てきております。しかし、現在のところでは、この問題で業者間に摩擦が起ってるということはございません。
  58. 阿具根登

    ○阿具根登君 業者間に摩擦が起っておらないということをお聞きしたのですが、私は起ればおかしいと思うのです。それよりも米軍会社契約の中において、そういう入札の方法をとるということでなくて、わずか七社か八社であるならば、これは窓口を一本にしぼると、業者自体にでもそのくらいの考えがあるかどうか。摩擦はないと言いながら、お互いが一時間の単価をきめる場合にはその大部分は人件費になっていると、こういうことになるならば、人間を減らすか、賃金を減らすかという以外にないと思うのです。きわめて単純なものであると思う。そうすれば非常に複雑なものでさえも、ほとんど業者は話し合ってやっておられるのに、米軍では窓口は一本で、会社は八木、そうして競争している。こういうことについて契約の変更を米軍とやるような考えがあるかどうか、その点についてお尋ねいたします。
  59. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) ただいまの御質問でございますが、現在契約者の間の競争入札という形ではございますが、地域がほとんどほぼ違ったところにございまして、各社異った状態の上にありますが、その労務費におきましては、大体そんなにひどい違いはないのでございます。もちろん、これを一本にまとめまして、一県でとか、一つの公団みたいな形にしまして、そうしてそれによって米軍交渉するということが、アメリカが許し得るものならば、それでもまことにけっこうだろう、こういうふうに思う次第でございます。
  60. 阿具根登

    ○阿具根登君 そういたしますと、向う様次第だと、こちらから積極的には考えておらない。そうして間接契約を、間接雇用を希望されておるということになれば、会社自体はちっとも責任はお感じにならないで、そうして間接雇用というものは失業があった場合に、あるいは米軍が引き揚げた場合にのみ考えられて、そういう場合には一つ政府さん見て下さい、政府が見るべきだと、こういうお考えですか。
  61. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。そういう考えではございません。会社は御承知のごとく、この八社の大部分が他の転業の仕事も逐次やっております。そういう状態にありまして、全部間接調達に関しましては、先ほどお話しましたように、二十六年八月から二十七年一月にかけて要望書は出しております。しかし、これが何ら実現を見ておりませんので、なおさら各社とも値こういうことに関していろいろ集り合いまして、そうして新しい道の方法はとっておる次第でございます。
  62. 阿具根登

    ○阿具根登君 その新しい道というのは、どういうものですか。
  63. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) これは各社によって違いますけれども、私の会社を例に引いて申しますと、エンジンをドイツの特許を購入いたしましてやっているとか、また自衛隊の仕事をやっております。そういう状態でございます。
  64. 阿具根登

    ○阿具根登君 政府側にお尋ねいたしますが、現在本国会においても中小企業団体法案等が出されておる、あるいは航空機製造事業法等が出されておりますが、これはいずれも過当競争を防ぐために一つのグループを作る、組合を作るという性格でやっておられると思うのでありますが、本問題については、通産省の立場としてはどういうお考えを持っておられますか。
  65. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 具体的に中小企業安定法とか、航空機製造事業法を適用し得るかといいますと、工場の現員、人数から見ましても、この点に当てはまらないと思います。従いましてあとそれを規律しますものは、ただいまの独禁法が問題になるということは、国内法問題になる。独禁法でいきましても、そのいずれの企業が危殆に瀕するほどの、存立が困難に陥るほどの過当競争になっておるというほどの実態ではないのではないかというふうに考えております。それからさらに、日米行政協定の文句に何も出ておるわけじゃございませんけれども日本の同業者間の談合といいますか、いうようなことは、これはほかの通商一般の際にも問題になりましたのですが、同様な意味におきまして、その形での事態の改善救済、同業者間の協定という形での改善救済ということは、国内法あるいは一般、日米通商航海条約とか、そういうもの等から見まして相当の困難があるのじゃないかというふうに考えます。
  66. 阿具根登

    ○阿具根登君 困難があるからということですが、困難は何とかして打開しなければできないのです。この業者方々の資料をいただきましても、藤田さんの方はよくわかりませんが、富士自動車等は五億数千万円の資本金でやっておられる。あるいは少いところでも三千万、多いところでは八億四千万からのこれは大企業です。だからこれは適用はできません。しかし、これは会社事業内零であって、本問題に関する限りは、これは人だけを出している、人入れ稼業である。先ほど阿部委員も言っておりましたけれども、それに適した人を提供しているだけの仕事だと私は思う。そうなりますと、独禁法その他の関係とはまた違った問題が出てくるのじゃなかろうか。先ほど数名の方から質問されておりますので、重複は避けますけれども、なぜこれを直接雇用にしなければならないかという問題は、もう解消しておるじゃないか。その後こういう問題を強力に交渉されたことがあるかどうか。これは昨年労働委員会で取り上げられております。その後の経過がわかっておったら、お知らせ願います。
  67. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) ちょっと御説明を要するかと思いますが、ただいまの問題は、むしろ正確には藤田参考人からお聞き願えればよろしいかと思いますが、契約内容が工数を見ながらきめているということでございますが、それは契約の原価計算といいますか、原価計算の見方としてそういうアメリカ式の詳細な行き方をすると、工数別にその仕事の内容をはじいてみて適正なる価格といいますか、対価というものを払うことにしておるということでございまして、全体的に見ました米軍と、それからその仕事を受けておられます各特需会社との関係は、人入れ稼業といいますか、そういう実態のものでは毛頭ないと私は考えますが、それは飛行機のオーバーホール等の場合でも、同じでございますけれども、仕事の複雑なものにつきましては、それの適正な原価計算の把握といいますか、ということのために、仕事の内容に即した工数をはじき出して見ておると、そして今の常識的なある工数分析した工数に応じまして、また労働の内容も違いますが、技術的なむずかしさ、単純労務など、いろいろむずかしさがございますので、それに応じた単価をかけ合せながら、適正原価を出しておる、そういうものではないかと思います。
  68. 阿具根登

    ○阿具根登君 それでは藤田参考人にお尋ねいたしますが、私どもが人入れ稼業というようなことを申し上げているが、徳永局長よりそうではないということを聞いたのですが、それでは単に人入れ稼業といえば昔のような考え方をされる、たとえば労働だけを提供するというこういうのを連想されるかもわかりませんけれども、その技術を持った人を入れておる。私はそれに対する資材とか、原料とかそういうものは、一切単価の中に含んでおらないと、かように思っておるのですが、その点はいかがでしょうか。
  69. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。契約のマン・アワー単価、一時間当り価格というものの構成は、今御質問を受けた通りの大部分労務費に当っております。ただし、これがいわゆる人夫的なものの構成ではございませんで、綿密に各技術を中心にして考え上げましたコストになるわけでございます。そういう意味で、これには材料費というものは一切含んでおりません。材料費は別途にいたします。
  70. 阿具根登

    ○阿具根登君 時間がありませんから簡単に質問いたしますが、そういたしますと、相当高等な技術を持っておる方でなければできない、こういうことになるわけなんですね。そうしますと、駐留軍労務者も相当な技術は要ると思うのでありますけれども、そういう方々以上に特殊な技術を持っておられる方だ、こういうことになると思うのですが、それが正しいとするならば、その人方の現在の給与問題は、当然その使用者の藤田参考人といたしましては、どういうようにお考えになっておられるか。
  71. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。非常に高度の技術を、特に御承知のようにエンジンだとか特殊なものをやっておりますところには高度の者もおりますし、また、雑役的な性格の者もその中には入っております。その意味でそこの間には相当の差もついております。われわれといたしましては、アリメカから、この仕事を始めましてから、順次定期的と申しますか、毎年賃上げを行なっておりまして、その実績に従いまして次の契約を実行している、締結している、こういうような状態にございます。ですからほかの工業と比べまして特に低いとも思いませんし、決して高いものとも思っておりません。
  72. 阿具根登

    ○阿具根登君 それじゃあ通産省の方に……、まあ調達庁でもけっこうですが、結論をお伺いいたしますが、先ほど阿部委員からの結論の御質問の場合に、非常にお答えにくいということでございましたが、このまま聞きっぱなしでは、これは去年労働委員会でやったのと一歩も出ないことになるわけなんです。ところが、政府自体もこのままはいけない。特需が永久に続くわけではなかろうし、これは人員の配置転換に莫大な金が要るだろうし、首を切るわけにはいかない、こういうことになってくると思う。そういたしますと、政府としてはこの問題はどう考えるのだということが出てくるわけなんです。たとえば会社米軍との契約を変えるとか、あるいは窓口を一本にするとか、あるいは間接雇用にするとか、何かの方法がなからねば、このまま業者労働者も非常に不安な状態に置かれておる、これは解消できない。それでこれをどういうようにお考えになっておるか。同じような質問になりましたけれども、まあ、結論としてお答え願いたいと思います。
  73. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 直接のお答えにならないで、しかられるかもしれませんが、先ほど参考人からもお話がございましたように、目先的に考えました場合に、この車両特需関係につきましては、今はある意味で小康を得ておるといいますか、むしろ希望がさしているといいますか、そういうような実は段階外でございます。ただし、その内容は正確に把握ができておりません。と申しますのは、新しい大きな特需が来そうだという動きを、はっきりと押えておりません。動きがありながら、これがいつどういうように具体的になるかということを、いろいろアメリカさんに問いただしておりますけれども、はっきりはなっていない。しかし、業界の人もそういう希望をいたしておりますし、私どもも、それが少しでも早く確実のものになるごとくあることがよろしいのではないかということで、この問題の方にまあできるだけのことをしつつあるという状況でございます。なおそれでも根本的な解決になるわけではございません。しかし、ここ数年分といいますか、相当今までよりいい仕事になるという意味におきまして、この問題も長い目で見まして永久に続くものではございませんけれども、それがものになれば、ある期間ある程度の安定感が得られる、それが一番いいお手伝いになるのではないかというようなことで、それに政府も期待し、同時にアメリカ側にもそれが早く実現するように頼んでおる。ところが現地でははっきりそれに対する権限を得ておりませんので、本国がきめることになっております。しかし、本国からいろいろな調査も来ておりまするし、若干のわれわれ望めない望みではないということで、それの方に今主力をあげつつある状況でございます。
  74. 阿具根登

    ○阿具根登君 私は通産省にそういうことをお尋ねしておるわけではないのです。通産省としては、これはそういうことじゃなくて、これは調達庁なら調達庁でやっていただきたいというようなお考えがないならば、これはいつまでたっても、たとえば特需がふえても、その特需がいつなくなるかわからない。今度は従業員が二万人から三万人になれば、三万人の人々が心配、不安の上に仕事をしなければならないことになると思う。私が期待しておったのは、通産省としては、これはやはり同じ駐留軍の仕事をしているのだということになるならば、これは間接と直接と二つに分けているのは困るからというお考えがあるかと思ったが、通産省自体がそういう考えなら解決できないと思う。  それで調達庁に今の問題につきまして、間接と直接と二つあるのを、調達庁としては、もうこれ以上はごめんだと思っておられるのか、同じような条件のもとに働いているならば、これは同じような雇用関係を結ぶべきであるというお考えを持っておられるか、これをお尋ねいたします。
  75. 小里玲

    政府委員(小里玲君) 労務者の問題につきまして、同じような仕事を、一方では調達庁という政府が中に入って間接雇用、使うのは米軍、こういうものを調達庁が一応雇用主ということになっていろいろなめんどうを見ている。一方、特需関係はそういう形をとっていない。現実はそういうふうに分れているのでありますが、特需関係の他のLSO、駐留軍労務者が、やはりアメリカ軍が順次撤退をして参りますそれに伴いまして、雇用しておりまする労務者の解雇問題というのがしょっちゅう問題になっているのでありまするが、これは軍がだんだん撤退して参りますにつれまして、使っている労務者が減るということは、これはやむを得ないということで、その減ること自体について、人員整理自体について、できるだけスムーズにいくようにということで現在までやっているわけでございますが、そういうことで解雇になりました労務者が、形を変えて特需、あるいは新特需といった方面にいくということが現実としてあるのであります。ただいま特需、新特需関係で働いておられる労務者の相当多数の方が、駐留軍労務者であった、LSOの労務者であったという方があるのであります。そこで先ほど来その労働条件の問題、あるいはいろいろな問題の解決に対処するについての問題等、いろいろ御討議がございましたが、調達庁といたしましては、一方そういうふうに軍がだんだん撤退をして参りますにつれて、人員整理が行われ、それがこの特需、新特需の方に行く。これが軍の直接使っております予算関係と、特需、新特需関係の予算関係は、私も詳しいことは存じませんが、これがなかなかアメリカ本国等にも関係を持ちまして、簡単ではないのであります。駐留軍関係としては、駐留軍の直接雇用者としては人員整理をするけれども特需、新特需の面として予算が出るという関係もございます。これをただいま御質問ございましたように、特需、新特需関係の労務関係を、調達庁でやっておりますような間接雇用の形式に持っていくということは、非常に困難、不可能なことだというふうに考えております。
  76. 阿具根登

    ○阿具根登君 最後に要望申し上げておきますが、もちろん非常に困難であるから、今日までできておらないと思うのです。また、相手が米軍であるから、非常に折衝される皆さんも御苦労が多いことだとは思うのですけれども、仕事をしているのは日本です。日本人が日本の国内で、日本法律の毛とで仕事をしているはずでございます。それをアメリカ予算の問題、アメリカの機構ばかりを考慮して、そうして日本人の同じような労務をやっている人が二つに分れてみたり、片一方は失業の苦労をいつもなめてみたり、片一方は政府が世話をしている、片一方は業者だと、こういうようなことは日本実情から見て、私は日本の立場から見て、是正しなければならない。それだけの考えがなかったらばですね、これは永久にこのままで、何回論議をやっても不可能である、むずかしいという一語に尽きてくると思う。こういうことになると思いますので、そういう点ははっきりと民主主義の国であるアメリカはわかるはずでございます。また、わからなかったにしたところで、あくまでも日本の立場、日本労働者の立場、日本経済の状況から考えて、これは十分突くべきところは突かなければ、交渉に当る皆さんが、最初から通産省は通産省でこれはむずかしいとおっしゃる、また調達庁調達庁でむずかしいと、こういうことになっておるならば、何年待っても、何年こういうことをやっても、決して解決策は出てこない、かように思いますので、その点は日本実情を十分考えられて、もっと強力に折衝していただき、会社等もまた、競争入札等で中にはさまれて御苦労も多いと思いますけれども、こういう契約会社米軍と直接やっておられるならば、もう少し私は強く米軍とも折衝して、そうして同じような労働者をかかえている八社の方々も、二万人の生活の上に思いを起すならば、もう少し米軍に対する契約の改正等も交渉できるのではないか、かように思っておりますので、そういう点一つ十分考えて折衝していただきたい、かように思います。以上要望いたしまして、私の質問を終ります。
  77. 近藤信一

    近藤信一君 関連質問が長びいて私側聞が中断されてしまったのですが、ごく簡単に二、三もう残っている問題について御質問いたします。  まず藤田参考人にお尋ねいたしますが、今車両特需契約を、事業者側と米軍側とは行政協定の第十二条の第一項で契約しておられると思うのです。従ってそこには政府が仲介してくれるとか、政府がうしろだてになってやつてくれるということがないので、事業者米軍の方との交渉だけで、いかれる。するとあなたの方はもう少し有利な交渉が、もう少し有利な条件を取ろうとするには、非常に私契約であるとその点が心細いじゃないか、そういう点で政府の方でしっかり仲介をしてくれるとか、もっとしっかりうしろだてになってくれるとか、こういうことがあれば、もっと有利な条件が取れるのじゃないかと思っておりますが、その点どのように考えておりますか。
  78. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。まことにごもっともだと思います。そのゆえに絶えず間接調達のことをお願いしてる次第でございます。
  79. 近藤信一

    近藤信一君 政府にお尋ねしますが、今藤田参考人も言っておられますように、やはり政府が中に入り、また政府が責任をもってやるということになれば、行政協定の十二条の第二項の適用、こういうことになるわけでありますから、それが困難だというその理由は、一体どういう点にありますか。調達庁から。
  80. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) ちょっと私質問を聞き漏らしました。もう一度お願いいたします。
  81. 近藤信一

    近藤信一君 今参考人も言っておられましたように、今行政協定の十二条の第一項で私契約ですね、ところがどうしても米軍のあれに押されてしまって、交渉場面なんかにおいても、非常に不利な交渉しかできないわけなんです。従って、もっと有利な条件を取るためには、政府が介在して、そうしてやれば、もっと有利な条件がとれるのじゃないか、そのためには、行政協定の十二条の第二項を適用しなければならぬ。それが適用できないということは、このどこかに書いてありますか。どういう理由で適用されないか、また、十二条の第二項を適用するように努力する考えはないか、こういう点。
  82. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) お答え申し上げます。結局先ほど来繰り返しお答え申し上げましたことと同じことになると思うのでございますが、現在の直接調達方式を、間接調達方式に改めるのは、なぜできないかということであるかと思いますが、行政協定の条文上の解釈がどういうふうになりますかの点につきましては、外務省が担当でございますので、私責任のあるお答えをいたしかねますが、実質的にそういう方向に政府として持っていけない、持っていく意思がないということは、先ほど来申し上げた通り、まあ大きな財政的な負担をしてこれをやることが、果して根本的な解決になるかどうかという点についての疑問がございますので、根本的な調達方式の切りかえはいたしませんが、さればといって、放っておいていいという考えは決して持っておりませんので、契約の締結に際して著しく不合理な点、あるいは労働条件が非常に悪くなるというような点は、従来も会社、あるいはその会社にお勤めの労務者の方からの陳情等もございまして、行政協定の下部の委員会には、契約調停委員会というようなものもございますので、しかるべき機関を通じまして、外務省あるいは通産省、調達庁等から、この会議に御出席になっておられる方々から、米側に発言をしていただく、要望をしていただく、こういうことによって、できるだけこの不利な条件を押しつけられるようなことがないようにということで政府は進んでいきたい、こう考えておるわけでございます。
  83. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 行政協定の問題について、外務省東郷アメリカ局第二課長から答弁があります。
  84. 東郷文彦

    説明員(東郷文彦君) ただいまの賀屋政府委員の御答弁にちょっと補足しまして申し上げますが、行政協定第十二条第二項は、できたときのいきさつからしまして、わが国経済に不利なる影響を与える場合と申しますのは、主として希少物資を頭に置いて作った規定でありまして、従って今の問題については労働力が不足しているという状態ならば、むしろ当てはまるわけなんですが、そういう規定の解釈からしまして、正面からこの第二条で処理するというのは、その第十二条第二項に合わないということになるわけであります。それで、現在直接雇用の、直接契約でやっておりまする以上、その状態で、なるべくこの労働条件、その他を改善するためには、先ほどからのお話しの調達調整委員会、並びに契約調停委員会、これらの合同委員会の下部の委員会で、問題のあるたびに、政府の方からも、アメリカ側には十分こちら側の要求を出しておるわけであります。
  85. 近藤信一

    近藤信一君 今の御説明を聞くとですね、わが国のその経済に不利な影響ということは、労働力が不足しておる場合には、そういう経済影響がある、こういう御説明ですが、私は全く逆じゃないかと思う。今余って、失業者が氾濫しておると、こういうような状態である場合には、なお日本経済に対しては大きな影響があるのではないかと、こういうふうに考えるが、今の説明を聞くと、何か逆のような考えがするのですが、その点いかがですか。
  86. 東郷文彦

    説明員(東郷文彦君) 今の行政協定第十二条第二項は、たとえば鉄鋼なら鉄鋼が、わが国に、はなはだ不足しておって、それを米軍が不当に大量発注すれば、わが国経済全体として大いなる、大きい不利益を受ける、そういう場合には勝手にやらないと、こういう趣旨でございます。(阿具根登君「それから役務は」と述ぶ)従いまして、私の申し上げようとしましたことは、現在の状態に対しては、その第二項は正面から当てはまるものではないと考えるということであります。
  87. 近藤信一

    近藤信一君 まあ、時間がありませんから、次に移りますが、先ほど藤田参考人が、今度東南アジアにおける、東南アジア向けの車両に要する特需、あるいは新特需、こういう問題で何か期待をしておられるようにも考えられるように言われたのですが、その新特需の内容や、それから期間、量というものについて何か御承知ですか。
  88. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) ただいまの御質問に対しましては、現在私たちの所沢でやっておりますのが新特需でございまして、その範囲のことしかまだわかりません。ただし、新聞その他われわれの仕事上の感覚から推定いたしますところのものは、相当大きなものが将来にあるのじゃないか、こういうふうに承知いたしております。
  89. 近藤信一

    近藤信一君 それじゃ、政府の方にお尋ねいたしますが、将来のその新特需、さらに東南アジア向けの車両に要する特需、こういうような問題はですね、一体どれほどの契約を予想しておられるのか。それからそれに対する財源契約の方法、こういうような点について簡単でよろしいから、お聞かせ願いたいと思います。
  90. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 具体的な内容は、それから規模というものは、何もわからないのが真相でございます。ただ、その可能性がありそうだということでございます。可能性の問題といたしまして、従来出ております特需というのは、まあ日本を中心としたものの車両修理等の仕事でございますわけであります。米軍東南アジア諸国にいろいろ出しておる、貸与しております車両関係でございますとか……、しかもそれが本国へ持って帰って、それを修理しようというても、しかも、本国では形式が変っておって、適当な修理場がないというようなこともあるようでございますです。従いましてそういうものの東南諸国にありますものがいたんでおりますものを、日本では工業力も十分ありますわけでありますから、修理すれば工合がいいだろうというようなことが、可能性として十分考えられます。また、そういうそれの可能性のよしあし等も、アメリカ側で研究しておるがごとくいろいろな動きで見受けられますが、そういうようなまあ希望を持っておるわけであります。しかしながら、これはこの東南諸国では、もらっております諸国が、こわれたままほったらかして、これを直してくれという希望がなければ、どうにもならぬというような要素もございまするし、それからアメリカとしては、それの予算上の措置の問題もございまするし、ここらのところで、まだそれを着々こういうスケジュールで運びつつあるというふうには、何ら根拠はないわけでございます。ただ本国、現地を離れまして、現地の手でなしに、アメリカ本国が直接その問題を調べつつあるという、調べつつあることだけはわかっているというようなことから、私ども希望を持っているのでありまして、しかし、それは理屈上ありそうなことであるというようなことでもございますものですから、希望を持っておるということでございますが、ただ遺憾ながら、アメリカ側の日本におりまする部隊関係では、もう権限を越えた問題でございますので、現地の軍にいろいろ問いただしてみましても、さっぱり真相がつかめないということであります。ただ、日本側からいろいろな希望を出しておりますから、この希望は本国の方に通じられておるのじゃないかということであります。
  91. 近藤信一

    近藤信一君 今の御答弁によると、はなはだこれは心細い問題ですが、ありそうだというような、まことに心細い御答弁ですが、そういうありそうだというような断定ですが、これはもし特需が、もうありそうだが、予想がはずれてなかった場合、その場合にどうしてもこれは産業転換しなきゃならぬと私は思うのですが、それに対する具体的な何か対策政府の方で考えておられますか。たとえば施設の払い下げをやるとか、この転業資金の問題、それから離職者の就職の問題、そういう点なども十分考えておられるかどうか。もしそれを考えていないとするならば、今ありそうだというような心細いことでは、ますますこれは労務者にとっても困る問題ではないか、こういうように思うのですが、その点どのように考えておられますか。
  92. 徳永久次

    政府委員(徳永久次君) 現在各社いろいろ仕事をしておられますが、ただいま申し上げましたのは、現在仕事をしておられますものの、同じ類似のタイプの仕事がもっと確定的になりはしないかという今希望を持っておるということでございます。まあ、現在あります仕事も、契約は一年々々でございますが、これは大局的に見ますれば、日本におりまする駐留軍が使っておりますスケールによりまして、縮小傾向にある。しかし、あしたからすぐなくなる、そういう、それほどのものではないというような現状でございます。で、今お尋ねの設備転換等のことにつきましては、あるいは資金、転換になります場合の資金あっせんとかいうようなことにつきましては、この会の最初に申されましたように、政府部内でできるだけその種の便宜ははかるということになっておりまして、今後具体的な問題が出ました場合には、私ども三者の手に負えます限りのことは、十分にお手伝いをいたしたいと思っております。
  93. 近藤信一

    近藤信一君 最後に、私防衛庁にちょっとお尋ねしたいと思うのですが、防衛庁特需として自動車やそれから艦船、武器、それから弾薬、こういうものを相当に今までやっておったわけなんですが、聞くところによると、それらが今日たまっておる、そういうようなことを聞くわけですが、そういたしますると、防衛庁はこれに対する何か変った特需というようなものを考えておられるかどうか、この点お聞かせを願いたいと思うのです。
  94. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 防衛庁は御存じのように、これらの装備は相互防衛援助協定によりまして、主としてアメリカから受けております。その補修部品、あるいはこれをリプレイスしていくためのものは国内の生産体制、あるいは技術的な体制、あるいはまた数量がまとまるかまとまらんか、経済ベースに乗るか乗らんかというような面から考えまして、できるだけ国産化して参りたい、今御指摘のたまでございますが、たまもこれは相当の分量をすでに供与を受けておりまして、なかなか備蓄等の関係もありますが、発注ができない。たまも特需の方がなくなりまして、特に専門のたまを作る機械を持っている、そのたましか作れないというような工場は、実は非常に仕事がなくて弱っているという実情でありますが、たまたま防衛庁が供与を受けております弾種の間に相当アンバランスがございますので、訓練用に使いまして、不足するようなものは今持っている分量を減らさないような趣旨で、範囲内で多少備蓄のことも考えまして、調達していこうということで、今年度は約九億ばかりの調達を初めてやることになっております。  それからこの車両の問題でございますが、車両修理はまさに先ほど申しましたような意味で、国内が技術的にも能力を持っているという種類のものでございますから、ことに、そういう装備品を有効に清川するということは、私どもも一番心がけなければならんことと思いますので、これは従来とも発注しておりますが、ただ米軍特需のように大きな分量、また自衛隊の現在の勢力並びに持っている車両等の関係からどうしても出ないということから、その分量が非常に限られておるということで、従来いろいろこの方面の仕事をやっていただいておる業界にも、分量がまとまらんという点で非常に御迷惑をかけておるわけであります。これは大体普通のベースでは逐次発注していくような段取りになっております。
  95. 島清

    ○島清君 一点だけお尋ねしたいのですが、特需の減少に伴って設備が遊休化するわけです。その遊休化された設備に対する転用、返還、これの要求がなされるはずでありまするが、これが障害になっておりまするのは、どういう理由であるか、あるいはアメリカ側の方からそうなのか、日本政府の方からそうなのか、こういう問題について御説明をいただきたいと思います。藤田参考人の方からお伺いいたしたいと思います。
  96. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) もう一度。
  97. 島清

    ○島清君 特需の減少に伴って労働者の首切りが行われる、そうすると設備が遊休化する、その遊休化した設備を他に転用するというので、転換なりあるいは転用の折衝をされるわけでしょうが、それがなかなか思うようにいかないようですね。それについては、その障害となっておるのはアメリカ側の方にあるのか、それとも日本政府側の方にあるのか、その障害の理由について御説明をいただきたい。
  98. 藤田譲次

    参考人藤田譲次君) お答えいたします。障害になっている点がアメリカでございますか、日本政府でございますか、その点に関しましては、われわれとしては申し出をするところは、日本政府の所有でございますから、日本政府にお話しする以外に、今までとっておりませんから、その点よくわかりません。
  99. 島清

    ○島清君 政府側の方から説明して下さい。
  100. 市瀬泰蔵

    説明員(市瀬泰蔵君) お答え申し上げます。  現在、車両修理工場等として米軍に提供しております施設は、国有のものと民有のものとがあります。私どもの方は国有のもりを担当しておりますが、その国有財産の米軍に対する提供は、米軍がこれを使用しない、使用しておらないという事実が出て参りますと、われわれはこれの返還を要求する。それからもう一つは、使用状態があまり活発でない、こういう場合に、国が行政目的、産業その他の目的で積極的に転用するという意思がありまするときは、あるいは米軍はなおそれを使用しておりたいという意図があるかどうかはわかりませんが、国有財産管理当局としては返還を要求する。そうしましてこれは合同委員会の下にあります施設特別委員会で論議せられるわけでございます。いずれにいたしましても、本件の車両修理工場が、作業が非常に低調になって参りまして、もはや米軍に提供するという必要性と申しますか、必然性がないと認められるに至りますときは、国有財産の立場から返還を要求する、そうしてもし返還された暁には、一般の国有財産管理処分の原則によりまして、積極的な転換措置をはかるということであります。
  101. 島清

    ○島清君 具体的に昭和飛行機なんかの場合は、どうなりますか。
  102. 市瀬泰蔵

    説明員(市瀬泰蔵君) ただいま昭和飛行機の問題、御質問ありましたけれども、私どもの方としましては、この米軍の使用しております施設、区域等につきましての需要関係は、調達庁その他の方から連絡がありますので、それと私どもの方としては積極的にそこを使用しようとする要望をまだ聞いておりませんので、大蔵当局から返還要求はいたしておりません。
  103. 島清

    ○島清君 それでは、労働組合関係から、整理される労働者の諸君の何かそれが転用の道を講じてもらうならば、こちらの方で自分たち技術を生かしたい、こういうような折衝をしたはずですが、ところがそれが、政府の三十一年の二月三日の閣議の了解事項の中にも、遊休施設の返還というようなものがうたわれておりながら、これが今日までもっとも具体的に実施されておらない。具体的には昭和飛行機の場合も、整理される労働者の諸君が転用を希望したのでありますけれども、今もってこれが返還、転用されてないんですね。こういう具体的な例について御説明をいただきたい。
  104. 市瀬泰蔵

    説明員(市瀬泰蔵君) その昭和飛行機の場合でございますが、まあ国有財産管理当局といたしましては、当該国有財産に対しまして積極的な転用の要望があると、こういう場合は、政府部内の連絡をとりまして合同委員会に返還の要求をします。それ以外に調達庁あるいは外務省その他で特別の事情がありまして、あるいは米軍から要望もございまして、米軍から返還するという通告を受けますと、私どもはそれを受領する、こういう体制をとっておるのでございます。
  105. 島清

    ○島清君 それはないというわけですか。昭和飛行機に限って、それはなかったというわけですか。
  106. 市瀬泰蔵

    説明員(市瀬泰蔵君) 私どもの方で……、私どもと申しますのは大蔵省、それからその下部機関であります財務局の方に対しまして、積極的な意向が出されたということは、私、あるいは勉強不足かもしれませんが存じておりません。
  107. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) ただいまの御質問につきまして補足的にお答えを申し上げます。昭和飛行機の例をおあげになったのでございますが、あそこの特需の減少による解雇の問題が起りました際に、政府側からも強くこの不要に帰した設備の接収解除を受けて、それを何か新しい仕事を始めるについて使いたいと、こういう御要望がございまして、私ども数回にわたって陳情を受けたのは事実でございまして、その際私ども申し上げましたことは、ただこの要らなくなったから、やみくもに返してほしいということを持ち出しましても、これは実際問題として、なかなかアメリカ側といたしましては承諾しにくいんじゃないかと、具体的にどことどこの建物なり、どこからどこまでの土地についてこれをどういうふうに扱いたいからという具体的な数量、根拠、理由等をあげまして向うに折衝しなければ、なかなかこの実現は困難であると思いまして、私どもといたしましては、会社当局の方にお話をいたしまして、そういったデータを出していただきたいということを申し上げておったのでございますが、もしそれが出ますれば、しかるべく政府の部内の相談をとりまとめまして、あるいは外務省を通ずるなり何なりいたしまして、米側に折衝する考えでおったのでございますが、それが出なかったような事情でございます。
  108. 島清

    ○島清君 昭和三十一年二月の一再の閣議の了解事項として、数項目にわたって話し合いがされているようですが、私が聞くところによりますと、これが具体的に実施されていないと……、今私がお聞きしたところで。この遊休化した施設の開放ですね、こういうようなこの願い出でといいますか懇請といいますか、そういうものがあった例があったかどうか、あってそれが実現しなかったならば、なぜ実現しなかったか、そういう例についてお話をいただきたいと思います。
  109. 市瀬泰蔵

    説明員(市瀬泰蔵君) 先ほど私答弁聞違えまして大へん恐縮でございますが、昭和飛行機の場合は国有でありませんで民有財産でありまして、先ほど来一般論ばかり申し上げて恐縮でございますけれども、民有の場合は調達庁の方でやっております。この点を先ほどの発言については、間違った個所は訂正していただきたいと思います。
  110. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) 遊休施設の払い下げにつきまして、具体的な例があったかどうかというお尋ねでございますが、私の記憶では、特需関係の方ではなくして、駐留軍あるいは国連軍の引揚げに伴いまして、向うが使っておりました施設を払い下げてもらいまして、それをこちら側が有効に使うというために、駐留軍あるいは国連軍当局に折衝いたしまして、払い下げを受けた例は、数回あるように記憶いたします。
  111. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ちょっと速記とめて下さい。    〔速記中止〕
  112. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) それじゃ速記とって下さい。  それでは本件の調査は、時間もだいぶ経過しておりますので、この程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 異議がなければさように取りはからいます。  本件の調査については、いろいろまだ問題が残っていると思われます。その一つは、今日特需関係当局者に多数御出席をわずらわしたのでありますが、所管があまりに分散し過ぎており、互いに譲り合われて明確な答弁が得られなかったことは、残念に思います。この問題につき国会においてしばしば論議をしてきたのでありますが、内閣においても特需対策委員会も設けられたのでありますが、その後著しい進歩の跡を見ておりません。政府当局者としては、それぞれ本日の会議の状態について上司に連絡の上、特需に関しては特に各官庁間の連絡を密にし、所轄の範囲内において、責任をもって迅速適切な措置を講じていただきたいと思います。それとともに、本日調査においても問題は種々提出されたのでありますが、それらの問題についても、積極的な御努力を要望したいと思います。たとえば特需が行われている限りにおいては、発注を計画的にするように発注者に要求して、事業の繁閑を防ぎ、完全雇用の道を開かなければならない。間接調達についても、これがすべてを解決する方法とも思われないが、特需がある限りにおいては、その特例もあることであるから、参考人の要望のあった通り、直接方式を間接方式に切りかえるよう努力していただきたい。さらに、発注価格も必ずしも適正ではないように思われるので、これが適正化の方法を講じなければならない。さらに、特需産業の永続的な存続は考えられないが、新特需の拡大、その見通しの確認等の措置をとること、契約減少の場合は、その転換資金のあっせん、労務対策についても十分に考えなければならない。特需がかなり輸出と類似している点があるので、輸出に許されている特典をできるだけ享受し得るように研究しなければならないなど、審議の過程において問題が出て参ったので、これが解決を迫られているのでありますが、政府当局としても、せっかくの御努力を要望する次第であります。  参考人方々には、御多忙のところ御出席下さいまして、委員の質問にお答え下さいまして、ありがとうございました。皆さんは、非常にむずかしい仕事に取り組んでおられます。特に経営者方々は、米軍相手の困難性は十分に了解できますが、日本人労務者二万人の雇用に関する問題でもあり、特需による外貨収入も、日本国際収支に重大な寄与もしておりますので、企業の社会的責任性を十分明確にして、雇用の減少に備え、あらかじめ、自主的に経理の万全を期する、あるいは、労務者の生活の将来に光明を持たせるように、何分の御尽力を願いたいと思います。長時間にわたって、本日はまことにありがとうございました。委員長よりあつくお礼を申し上げます。  それでは、本件に関する調査はこれまでといたします。   ―――――――――――――
  114. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  ただいま、本委員会には三百二十二件の請願が付託されているのでありますが、これら請願審査の便宜上、請願に関する小委員会を設けることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  なお、この小委員会の構成は、小委員五名といたしまして、その選定は委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 御異議がないと認めます。小委員につきましては、追って指名することにいたします。  別に御発言もなければ、次回は明日五月九日午前十時から開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十三分散会