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1957-03-27 第26回国会 参議院 商工委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十七日(水曜日)    午前十一時五十九分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松澤 兼人君    理事            西川彌平治君            阿具根 登君            近藤 信一君    委員            大谷 贇雄君            小幡 治和君            小西 英雄君            白井  勇君            阿部 竹松君            藤田  進君            豊田 雅孝君            大竹平八郎君   政府委員    大蔵省理財局長 河野 通一君    中小企業庁長官 川上 為治君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    大蔵省大臣官房    財務調査官   大月  高君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○商工組合中央金庫法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○信用保証協会法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) これより商工委員会を開会いたします。  本日の議題は公報でお知らせしてありまするような各種の法案でございますが、とりあえず先日来審議しております商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案信用保証協会法の一部を改正する法律案、この二法律案中心として審議を進めたいと存じます。  なお、大蔵省からは、理財局長河野君、財務調査官大月君が出席しておられます。
  3. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 昨日、中小企業庁長官に、商工中金関係のことに金利の問題を中心にしまして、いろいろ質問をいたしたのでありますが、その結果明らかになりましたところによりますと、今回の政府出資増等によりまして、商工中金金利が、長期資金について申しますと、平均一割三厘まで下っておるということでありまして、これを従来から最も金利の比較上問題になっておりました中小企業金融公庫貸出金利九分六厘に比べてみますと、なおかつ七厘の開きがあるわけであります。御承知のように中小企業金融につきましては、中小企業対策根幹組合制度にあるという点からいたしまして、組合金融金利上も優先的な待遇をすることによって、初めて組合組織というものが漸次完璧を期し得るようになるのでありますが、今回の政府あるいはその他関係方面の御努力によりましても、なおかつ中小企業金融公庫貸出金利、要するに個人に出す金利の方が組合に出す金利よりも安いということによりまして、実質的に組合がだんだん崩壊をするということに相なるのであります。これに対しまして大蔵当局としてはどういうふうにお考えになり、また、今後どういう対策考えておられるか、お伺いしたいと思います。
  4. 大月高

    説明員大月高君) 政府機関でございます中小企業金融公庫と、商工組合中央金庫との金利につきまして若干の違いがあることは事実でございまして、商工中金金利も逐次低下せしめたいというとこで、各般措置をとっておりますことは、御承知通りでございます。ただ組合金融の方が金利が高くて、個人に対する金利が低いのは、どうも矛盾するじゃないかという御意見でございますが、やはりこの二つの金融機関にはそれぞれ特色がございまして、一方は組合金融というものを中心にし、一方は一般中小企業者中心にして、両々相待ちまして中小金融の疎通に努める、こういう趣旨でございます。必ずしも金利について同じである必要はないと思うわけでございまして、一つ組織を通ずるという一つの利点もあり、別に組合組織による中小企業育成強化という面もございますので、若干の相違はやむを得ないだろう。特にその資金構成の面におきまして、一方は民間資金が入り、あるいは出資が入る、こういうようなこともございますので、資金源コストの面からもある程度やむを得ないのじゃないかと思っております。
  5. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 その点が非常に問題なんでありまして、御承知だと思うのでありますが、組合資金を借りた場合には、さらに組合員に転貸するという場合が相当あるわけであります。従って同じ金利で借りても、組合から組合員に転貸するときは、さらに金利が高くなるというわけなんでありまして、その面からいえば組合から借りる金利の方が安くなければ、最終金利は当然高くなるということになるので、さらに組合として全体的に借りる場合も、組合で借りると個人で借りるよりも金利が高いというのでは、組合を作る妙味がないので、しかもこれが一般金融機関からなら別でありますが、中小企業対策根幹組織にあるのだということを強く打ち出されて、総理の演説にまで出、いわんや大蔵大臣演説、あるいは通産大臣答弁等にははっきり現われており、また、文書にもそういうふうに現われておるにもかかわらず、実際上の金利では、逆に個人の方が有利である。しかもそれが政府自身がやっているのだというところに非常に問題があるのであります。これについては、池田大蔵大臣でも少くとも同等のところに持っていかなければならぬと自分は思っているということを、予算委員会などでもはっきり答弁されておるのでありますが、同一でなくてもいいということをはっきり言われたのでは、これは中小企業対策根幹をもう一度政府全体で再検討してもらわなければならぬということになるわけでありますが、中小企業庁の方はどうですか。
  6. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私の方としましては、中金の金利公庫金利はなるべくこれは同じようなところでなくては、やはりよくないのではないか。これは先生もおっしゃいますように、商工中金の系統である組合強化という点からいいましても、やはり矛盾している点もありますので、できるだけいろいろな方策を講じて、金利が同じ程度になっていくように努力をしたいというふうに、私の方はそういうふうに考えております。
  7. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 従来中小企業庁の方は絶えずそう言われ、また、政府も閣僚のところではそういうことになっておるのでありますが、その点大蔵省事務当局としてどういうふうにお考えでしょうか。
  8. 大月高

    説明員大月高君) ただいま申し上げました現状資金構成等から見まして、具体的に同じにすることは、現状におきましてはできないわけでございまして、これを一挙にできるだけ同じように持っていくということは望ましいと思いますし、いろいろな手段を講じておるわけでございますが、現状において異なった金利水準が出るということは、ある程度やむを得ないのだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
  9. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 現在のことでなく、将来これを同一金利、あるいはできればあとう限り組合貸出金利の方を安くしていくように努力せられるという、その努力せられる方針及びその具体的な対策について伺いたいと思います。
  10. 大月高

    説明員大月高君) 組合金融金利をできるだけ安く持っていきたいということは、ごもっともでございまして、大蔵省の方といたしましても、特に異論があるというわけではございませんが、そういう方向努力いたしたいと存じますが、現状におきまして資金源関係等もあり、すぐに同一金利水準というわけには、なかなかむずかしいのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。将来この商工組合中央金庫、あるいは中小公庫、この関係をどうするかというような問題もあると思うのですけれども、今のところ、具体的な案はございません。今後十分慎重に検討いたしたいと思います。
  11. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 理財局長にお尋ねしたいと思うのでありますが、資金運用部資金運用法を改正することについて、従来から問題が出ておるのであります。御承知のように戦前資金運用部資金運用法に当る預金部資金運用法によって、商工中金に対して特別の低利資金を直接貸し方法でやっておったわけでありますが、要するにああいう制度でいくということのために、当時商工組合中央金庫というものが特別法によって作られたわけでありまして、資金運用部資金の直接貸しが認められるということになると、債券については興業銀行等と、全く民間金融機関と同じ待遇であることになりまするし、何ら特別に恩典というか、そういう特色というものが、沿革的に見ても、抹殺せられてきたということになるわけなんでありますが、これについて御見解はどうなんでございますか。
  12. 河野通一

    政府委員河野通一君) 資金運用部資金法を改正して、商工中金低利資金貸し付けるということについての御意見は、たびたび拝承いたしておることであります。この点につきましては、私どもはかように考えておるのであります。簡単に結論的に申し上げますならば、商工中金というものの性格をどういうふうに考えていくかという問題であろうと思います。戦前におきましては、お話しのような時代、があったことは、もちろんでありますが、各金融機関における金利ができるだけ安いものが低くあることが、それが対象といたしておりまする企業のために、非常にいいということは、これは申すまでもないことであり、これは一商工中金に限りません。同じような性格を持っておる農林中金についても同じようなことが言えるものではないかと私は思うのであります。戦後従来の預金部法律を直しまして、資金運用部資金法というものに直って以来、この運用対象というものは国、あるいは公団、公庫、そういったあるいは特別会計政府あるいは政府に準ずる公共的な性格の強いものを対象にしていくということに方針をはっきりいたした。その唯一と申しまする例外は、民間金融機関に対して金融債といわれている、発行された債券資金運用部で持つということが、唯一例外になっておるのであります。ある立場から申せば債券を引き受けておるのだから、その債券を引き受けておる対象に対して貸し付けをするのは、何も差しつかえないじゃないかという議論がすぐ起ってくると思うのであります。この点は私は非常に重要な点だ。なぜ債券の引き受けを認めて、これらの機関貸し付けを認めなかったかというところは、非常に重要な問題だと思うのであります。と申しますのは、債券の発行につきましては、その債券市中で消化されると同じ条件でなければならないという一つの大きな制約がついておる。従ってこれらの民間機関に対しては、資金の供給はするけれども、特に民間のこれらの機関に対して低利でもって、市中で調達できるよりも、特別に低利資金を供給することは、すべきでないという原則に立っておると思うのであります。従いましてその原則を貫きますならば、商工中金にかりに貸し付けをいたすといたしました場合においても、市中で調達されると同一条件であることが必要であるという問題になってきます。そういたしますと、今ここで非常に強く要望されておるコストを下げ、金利を下げていくために、資金運用部から低利貸し付けを受けるということが望まれておるわけでありますが、つまり金融債であれば、市中と同じ条件、ことに興銀とかそういった金融機関と同じ条件でしか資金の調達ができない。従ってそのことによってはコストを下げることができないから貸し付けという形をとって、特別な、市中で調達できるよりも安い金利資金を調達しなければならん、こういう点に今問題になっております事柄の重点があるといたしますならば、先ほど来申し上げましたような見地からいたしますると、なかなかそこが、今資金運用部でとっておりまする建前から見まして、踏み切りがつきにくい、こういうふうなことになるわけであります。いろいろな考え方は私あると思いますが、これ要するにやはり商工中金あるいは農林中金というものの性格をいかように考えていくかという問題、これはある意味におきましては、金融制度全体の問題であると思うのでありますが、そういう点から、やはりほぐしていかないと、なかなか問題の解決はむずかしいというように考えております。
  13. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 農林中金の例を出されたのでありますが、農林中金の方は、御承知のように供米制度によって自然に低コスト資金が寄るようになっておるんですね、しかも莫大な……。だからそういう点で組合に対しては優遇措置を講じようという特別の政府の施策がなくとも、自然に事が解決するようになっておるのですね。ある意味ではあの供米制度が最も大きな農林中金資金の低コスト化政府としての特別措置だと、それもきわめて強力な特別措置だというようなことすら言えると思うのであります。そういう点で農林中金には従来から低コストでいける道があるのですから、特にこの際どうということはないと思うのですが、同じ組合金融機関である商工中金の方には、そういう特別の環境にないだけに、政府の方ではいやしくも中小企業対策根幹組織においていこう、組織の推進によってやっていくんだと、あれだけはっきり言っておる以上は、組合金融機関に対して資金コストを安くする方法を何か考えなければいかんと思うのですが、これを白紙の状態でお考えになって、どういうふうに考えておりますか。
  14. 河野通一

    政府委員河野通一君) 農林中金における資金の源が商工中金の場合と違って割合何といいますか、潤沢に資金が末端から上ってくるという事態があることは、これは私も十分よく承知いたしております。従ってその実情が農林中金におきます場合と商工中金におきます場合と違うということは、実は十分承知して今申し上げておるわけであります。その問題はさておきまして、商工中金自体金融機関としての金利をできるだけ安いものにしていくということが、中小企業者利益のために非常に重要なことであることは、これはもう否定することのできないことでありますし、私どもも先ほど大月君から御答弁申し上げましたように、できるだけこれを引き下げることができるように努力をして参りたい。もちろん、不十分でありましたけれども、そういうことの配慮から、このたびも十億の出資を一政府から出した、あるいはその他それに関連したいろいろな措置もあわせてとっていかなければならんということを考えておるわけであります。今後私はできるだけ金利を下げる方法においてどういうことをやっていくかということは、やはり私は一般金融機関、ことに中小金融専門にいたしまする各般民間金融機関、あるいは政府機関も含めて、それらの金利をできるだけ下げる方向努力をいたします中において、おのおのの持っておる役割なり、性格なり、それらにそれぞれ相応した措置をとっていかなければならん。ただ商工中金金利だけを、ほかとバランスをくずして下げていくということが適当かどうかということも、十分考えなければならんと思いますし、もちろん、これらの問題につきましては、それらの金融制度の中に占めておるその役割なり、地位なりというものを頭の中に置きながら、それぞれのそのおのおのに適して参るような措置を講じて参りたい。おそらくその点においてはほかの金融機関と同列の対策しかないということは申し上げておるわけではないのであって、その性格に応じたそれぞれの違った対策をとってしかるべきだろうと思います。今後具体的には、三十二年度の措置によってやりましたことが、ある程度今後の対策の示唆にはなっておるかと思うのであります。また、来年度以降どういうふうになるかということにつきましては、もう少し検討いたしまして申し上げたいと思います。
  15. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 もう一点伺ってみたいのでありますが、政府出資はできるんだと、しかし、資金運用部資金を直接貸の形で資金コストを下げることはできないということの、そんなに大きな理論的な制約があるということは、どうもわれわれわからぬ、その点はどうなのですか。
  16. 河野通一

    政府委員河野通一君) 私は、もっと言いかえますと、非常にこれは言葉が惑いので、あるいは語弊があるかと思いますが、出資というものに対する考え方が少し誤解されておるのじゃないかと思うのであります。現在、政府出資というものが非常に望まれておるのは、要するに、ただの、金利のかからない金を調達するというふうに考えられておる。従って、出資というものが補助金を出すと同じ意味にとられがちになっているという点は、私は、本来の政府出資というものの意味からいうと、決して正しいあり方ではないのじゃないかというふうに考えておりますが、まあその問題はさておいて、私は、出資というものは、決してただの金ではないと思うのであります。これは、それ相応のベースができた場合においては、やはりそれに見合うべき配当という、言葉はいいかどうかしりませんが、あるいは納付金の形において、あるいは配当の形において、出資者にやはり還元されなければならないものだと思います。ただ、仕事を始めたとたんにそういった果実がすぐ生じてくるような状態には、なかなかならぬと思いますから、私ども出資をいたします場合には、直ちにそれから何らかの配当を得ようというふうには考えておりませんが、本来、やはり出資であります以上は、それはいつでもただの金であるという考え方には立っておりませんし、その配当率がどの程度であったならばいいか、あるいは納付金がどの程度であったらいいかという問題は、いろいろあろうと思いますけれども、そういう意味で私ども出資というものを考えて参ります。そういたしますと、出資は、これはいろんな民間の、純粋な民間ではありませんけれども株式会社等に対しても政府出資をいたしております。そういったことの一面として、商工中金に対して出資をいたしますということも、政策的にそれが妥当である限りにおいては、私は差しつかえないのではないかと思うのであります。もちろん、この出資資金運用部から出資をいたすのでなくて、産業投資特別会計、その他そういった出資を行うことができる機関を通じていたすのでありまして、産業投資特別会計なら特別会計性格に似つかわしいものにしていきたい、こういう問題でありまして、資金運用部自身のとっております建前と、そこはおのずから違いがあっても差しつかえないのではないかと考えております。
  17. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 私が質問しておる根本の考え方は、商工中金という具体的な金融機関金利をどうこうするということじゃないのでありまして、中小企業対策として、組合制度というものを対策根幹にしていくのだという国策が打ち出されておる以上は、それに対する金利というものも、有利な、少くとも優遇する、個人で貸す場合よりも冷遇するというようなことのないようにするのが当然国策としてあるべきじゃないか。そういう場合に、資金運用部資金であるとか、あるいは一般政府資金であるとかいうが、大きく見れば、とにかく政府のワクの中の金であって、一方は政府出資ならばできる、それから資金運用部資金の直接貸しになると、もちろんこれも無利子ではないので、やはり利息を払うのでありますから、そういう点から見ると、政府機関であるとかないとかというようなことに、終戦後アメリカ方式が輸入せられて以来とらわれ過ぎて、あまりに観念的になり、形式的になっておるものをこの際清算し、また、最小限度、今申しまする通り組合金融に対する国策の線をできるだけ充足していくという上からはどうするのかということで、根本的に御研究をしてもらいたいと思うのであります。まあ、時間がだんだん迫るようでありますから、まだまだ議論したいと思いますけれども、今申しますように、商工中金という金融機関に対する金利という問題だけでなく、国策としての組合に対する金融面からの一つの奨励的な行き方というものがあってしかるべきじゃないかという線から、大きく今後御研究を願いたいと思うのでありますが、その点についての御見解を伺いたいと思うのであります。
  18. 河野通一

    政府委員河野通一君) 今御要望の点は、よく私もわかります。さらに研究は続けて参りたいと思いますが、やはり資金運用部制度をどういうふうにしていくかという問題も、もちろん検討しなければならぬのであります。また、そういった重要な使命を持っておる商工中金という機関を、どういうふうに性格づけ、位置づけていくかという問題も、やはりあわせて検討を要する点があるのではないかといったような気もいたすのであります。こういった点も並行して、私どもといたしましても今後検討は怠らないでいきたいと思います。
  19. 阿具根登

    ○阿具根登君 大蔵省の方が見えておりますので、この際、商工中金に関連いたしまして、相互銀行の点についてお尋ね申し上げたいと思います。  御承知のように、きょうの新聞で、福岡県の副知事が総務部長をやっていた時代に、経理部長と話し合って、一億の金を相互銀行に預けた。そうして裏利子を一千万取って、何か、政治資金かあるいは個人機密費に使った、こういうことで逮捕状が出ておるわけでございます。私どのが今まで耳にする非常にいやな声は、相互銀行等については再三聞いておる。ところが、こういう問題が起ってくるとしますと、私ども自体銀行に対して不安を持ってくる。今度も十五億の金を国から預けるということになっておる。ところが、県から一億預けた金も、これは県民の血税でございます。それを預けて、裏で一千万の金が入ってくるということになれば、これは銀行は相当な利益を取っておることになる。いつも銀行の問題が審議される場合には、利子が高いので、中小企業人たちは非常な苦しみをしておる。それでさえも利子は下げられないということを盛んに言われる。下げてもわずかなものです。ところが、その裏では、やみで一割からの利子が流れておるということになってくれば、私どもは、もっともっと利子というものは下げてもいいのだ、そう解せざるを得ない。そうでなかったならば、裏から一割のコミッションを握らせるということは、これは当然できるわけはない。そうなってくると、銀行自体について、私ども考え直さなければならぬのではないか、こういうような考えを持つのでありますが、今度問題になりました相互銀行について、銀行自体については、これは銀行の方をあるいは参考人に呼んでもらって私は質問しなければならないと思いますが、大蔵省のその関係にある方々の銀行に対する考え方、こういうことがなぜ行われるのか、行われるということについては、これは何かそういう利潤を別個に生んでおる、利潤がなくてこういうことをやったら、銀行はつぶれるはずです。だから、そういう抜け穴がどこにあるのか、そういう点を一つお教え願いたい、かように思います。
  20. 大月高

    説明員大月高君) ただいまお尋ねのございました件につきましては、われわれ具体的には、けさの新聞で見ただけでございまして、その事実についてはまだお答えいたしかねるわけでございますが、今御質問のございましたようななケースにつきましては、相当あるということを申し上げざるを得ないと思います。具体的に申し上げますと、こういう事例は、ある金融機関がございまして、それに対して預金者預金をする、これに対して某々の会社なり個人に、これと同額を貸してほしいという条件をつけます。そうすると、表面上はこの預金者金利調整法という法律がございますので、預金最高金利が定められておりますから、法律上はその法定内の預金利息を受けとるのでございますが、その相手企業ないし個人、金を借りた方の企業ないし個人から余分の何らかの報酬を預金者が直接取る、こういう事例が最近相当あるわけでございます。われわれはこれを一般導入預金と申しております。こういうことが行われる結果は、弊害が非常に大きいわけでございます預金というものの性格上、一定の期限が、たとえば、六カ月定期でございましたなら、六カ月たてば、当然銀行としてはこれを払い戻さざるを得ない。ところが、貸し出し相手というものが必ずしも堅実ではない事例があるわけでございまして、そういたしますと、貸し出し自体は焦つく、あるいは貸し倒れになる、こういうことになるわけであります。そういたしますと、銀行立場から見ますと、預った金はどんどん払っていく、貸した金は取れないということで、経営がとたんに悪化する、こういうことになるわけでございまして、われわれといたしましても、非常にその現象を心配いたしまして、先般来、金融制度調査会にこの問題をどうしようかということでお諮り申し上げました結果、やはり刑法による取締りをやる必要があるだろう、こういう結論になりまして、今度の国会でそういう格好の預金、これの預金者、これを受けました金融機関の役員、それから、こういう事例には媒介をする人が入っているわけでございます、いわゆるブローカー、それで、どこどこの銀行にこういう預金をして下さい、そういたしますと、いわゆる裏利を差し上げるようにいたしますということを言って、積極的に勧誘をすることを仕事としている人もございます。そういう導入預金の媒介者、こういうものは罰則をもって取締りたいというので、今度国会に提案する準備をいたしておるわけでございます。そういう観点からいたしますと、なぜ銀行がそういうことをやるのか、そういうことをやる余地があるなら、金利を下げたらいいじゃないかというお話しでございまして、われわれといたしましても、そういう方針で今のような取締りをやりますし、行政指導といたしましても、金利調整法による金利以上の金利を払わない、それによってコストも下げる、その他、合理化もやるように努力をいたしておるわけでございますが、たまたま、第一相互がああいうふうな事件がございまして、問題が起きまして、再建の途上にあるわけでございます。銀行自体は再建は順調に進んでいるわけでございますが、過去の事例として、再建の途上にそういう事例がまた出てきた、こういうように考えております。御意見を十分拝聴いたしまして、そういう方向に努めて参りたい。現に、そういう問題も深刻にわれわれとしても考えまして、金融機関自体の浄化と申しますか、健全化と申しますか、そういう方向努力いたしたいと思っております。
  21. 阿具根登

    ○阿具根登君 そういたしますと、これは相互銀行にかかわらず、ほとんどの銀行がそういうことをやっておるということにとれるのですが、そういうことですか。
  22. 大月高

    説明員大月高君) これは必ずしも相互銀行特有の現象ではないと申し上げていいと思いますが、たまたま、相互銀行間にそういう事件例が、比較的世間の外に出るような事件、あったというように御了解願っていいと思います。それでは、一般の金融界にこういうものが非常に多く蔓延してしまっておるかといいますと、必ずしもそうではないと思います。必ずしも、この現象は特定の金融機関だけの問題ではなしに、むしろ、われわれの率直な観測からいたしますと、先般来、保全経済会問題というものがございまして、非常に高利で金を集めるという機関があちこちにあったわけでございます。これは政府の監督外のものでございましたのですが、ああいう事態になりまして、そのときにやはり取締立法がありましてこれを押えた。そういうような関係者がやはり利殖の道というものをいろいろ探しているうちに、今のような導入預金的な形態というものがあるということで、ある意味じゃ金融機関を利用しておるという場面もあるのじゃないか。ただ、この現象が次第にはびこっておるかと申しますと、今のように保全経済会的な金というものは、金融の正常化に伴いまして、だんだん減ってきておるとわれわれは考えますので、そういう導入預金の現象も、そう今後大きくなると考えませんし、現にわれわれが取締りを厳にするということから、次第に減ってきておりますから、今後こういう悪質な事例は生ずることはあるまいと考えております。
  23. 阿具根登

    ○阿具根登君 本国会にこういうことができないような法律案を出したいと、こういうことでございますが、そうなると、今まではそういうことが認められておったのだと、そうすれば、たとえば裏利を取って個人の私腹を肥やした連中は、これは当然刑罰を受けるでしょうけれども、そういう機構そのものを認めておったということになるならば、銀行の責任者そのものは処罰の対象にはならないような結果になるのじゃないか、そういうことはございませんか。
  24. 大月高

    説明員大月高君) 今度の立法によりまして、今のようないわゆる三角関係と申しますか預金者金融機関、貸出先、こういうはっきりした因果関係のあるものは、刑罰をもって取り締ることにいたします。ただ、従来から銀行行政の方針といたしまして、金融の一つの体系といたしまして、預金にそういうようなひもがつくということは適当でないという行政指導を、行政面におきましても、銀行検査の面におきましても、やっておるわけでございます。それから一面、貸し出し貸し出しとして見まして、いわゆる不良貸しというのもはやらないように、これはわれわれ銀行行政の主眼でございますので、銀行検査のつど、それを摘発してきておるわけでございまして、そういう問題はたび重なれば、結局経営者が不適任、こういうような問題になりまして、それぞれ処理を行政府にいたしておるわけでございます。今回刑罰をもって取締りますのは、そのうちの非常に悪質な特別な形をとっておる、これを刑罰をもって取り締る、こういうことでございます。
  25. 阿具根登

    ○阿具根登君 これは新聞の報道ですから、詳しいことは私もわかりませんが、この問題の発端は、地方でなくて中央だ、中央の銀行である。そういたしますと、地方の台帳はどうなっておるのでしょうか。地方で一億の金を受け取って、そうして受け取った客の手には一千万の金を渡しておる。そういうことが地方では帳簿にも何にも全然出ておらないというここになって、そうしてこれは二十六年、二十七年の問題でございます。そうして四年もたってから、中央の帳簿でこういうことが明らかになってきた。こういうことになってくれば、あなたがこういうことがあっておるのだということを認めておられる以外に、もっと悪質に何かやっているだろう、また、そういうことができる機構になっているのではないか、その点はどうですか。
  26. 大月高

    説明員大月高君) 先ほど御説明申し上げた全体のわれわれの感覚からいたしますと、金融の正常化というものが次第に浸透するということと、それから銀行内部におけるモラルというものが次第に確立してくるということから、今のような現象は次第になくなるべきものでございまして、本来、今のような格好が金融機関内部で行われておったということは、何と申しますか、金融自体を、金融機関というものの経営者として、非常に私は恥ずべきことだと考えております。しかし、従来から、金融機関の経営者というものは、相当高いモラルを持ち、公共的な立場に立って金を預かり、これを貸す、しかも、預金者には絶対迷惑をかけぬ、こういう一つの自律をもってやっておったわけでございます。こういうふうな現象が起きましたことは、われわれとしてもはなはだ遺憾に存じておるわけでございます。しかし、今のような事例がほかにもたくさんあるのではないかというお話しにつきましては、次第にこういう現象はなくなりつつあるし、またなくなることを期待している。また、それを契機として一そう取締りの励行を期したい、こういうふうに御了解願いたいと思います。  今の帳簿の問題につきましては、どういうことになっておるのか、事実を調べてみないとわからないと思いますが、少くとも預金の口座には入っておると思います。それから特定の何らかの貸し出しというものがあるのではないかというように考えております。帳簿外でそれを操作しておるということがございますれば、それは銀行の役職員のいわゆる浮き貸しということになりまして、個人の背任あるいは横領、こういう問題に発展する問題だと考えます。
  27. 阿具根登

    ○阿具根登君 そういう個人の浮き貸しで、かりになかったとしても、一割の裏利子ということが認められるものであるかどうか。今後はこれは法律をもってできないようにする。こういうことを言っておられるし、その前提としてこういうことはなくなりつつあるのだ、なくなるのだ、それは経済の状況が好転してくれば、悪いことはどんどん姿を消すことは当然でございます。しかし、悪くなればできるのだという抜け穴があるとするならば、これは厳重に取り締らねばならぬ、かように思うのです。おそらく今までこういうように公然とわかって、今からまた司直の手で調べられますけれども、それ以外のものは私どもはその衝にないからわからないけれども、うわさに聞くのは、ほとんどそういうことがやられておる、こういうことだったわけです。ちょうど副知事が総務部長をしておるころは、私はここの県会議員であったので、相当こういううわさを耳にしておったけれども、われわれには、悲しいかなしろうとであるし、そういうものを調査する権限もないので、これなんかもわからなかったわけです。四年もたった今日これがわかってきて、あのころのうわさがそうだったのかということを、われわれ今肯定するわけなんです。そのころはこれだけではなく盛んに聞いておった。そうするならばこれはわかったけれども、あのころのうわさは、ほとんどほんとうであったのではないか。今じぶんそういうことを調べてもわからないようになってきておるし、あるいは今でもそういうことがあっておるのではないか。こういうような考え方を私どもは持つわけなんです。今度国会に出されるといわれる法律は、そういうことが完全に防げるような法律であるのか、あるいは銀行として極端な言葉でいえば、今銀行がブローカーをやっておる。また手先にブローカーを使っておる。こういうことになると思うのです。そういうことも銀行としてあり得るのであるかどうか、一切こういうことができない、本人の良心でなくて法律でそれが完全に取り締られるかどうか、その問題です。
  28. 大月高

    説明員大月高君) 今の導入預金を別といたしまして、今の預金金利についてどういう規正があるかということでございますが、臨時金利調整法という法律に基きまして、預金利子については最高限度がきめられております。この法律は、ただ若干例外的な法律でございまして、これの違反に対しては罰則がついておりません。この罰則がついておりませんのは、先ほど申し上げました金融機関の行動というものは、良識によってやるのだ、従って年利五分、年利六分ときめられたものは違反はしないのだという前提における、いわば紳士協定を法律化したという性格を持っておるわけでございます。従来も罰則がつくかつかないかは別といたしまして、いわゆる法律にきめられた金利以上の金利を払っておるのがある。裏利を払っておるのじゃないかという問題があったわけでございます。われわれも常に取締りをやっておるわけでございますが、その場合は先ほど申し上げました導入預金と別に、銀行自体法律にきめられておる金利以上の金利を払うという問題でございます。銀行経理そのものから、銀行経理自体に直接悪影響を及ぼす現象は、そういう特別に高い金利を払うことによって、コストを高めるという点にあると思います。それは今のような法律上の制度によって、少くともこれは違法だということを判定いたし、われわれの銀行検査のつど個々の問題について取締りを行なっておるわけでございます。  その次に、高い金利で、社会的にも悪であるという段階のものをかりに取るといたしますと、そういうことは普通の金融機関にはないと信じておりますけれども、たとえば月三十銭をこえを金利を取るというようなことでございましたならば、それは保全経済会問題のときにできました出資等の取締りに関する法律という法律がありまして、それを罰則でもって取り締っております。しかし、金融機関にそういうような罰則にかかるような高金利を取っておる。これはむしろ貸し付けに関連すると思いますが、そういうものはないと考えております。  その次に最も悪質な一つの典型をなすものは、今度の導入預金の形態でございます。これも取り締るといたしますれば法律的には全部穴としてはふさがる法律ができたからという問題ではないと思いますので、われわれとしてはむしろ日常の銀行検査で年一回ないし二回検査をしておりますので、それによってこの適正をはかっておるというのが、根本方針でございます。
  29. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると今国会に出される、そういうのをやめる法律というのは、導入預金は一切できないという法律ですか。
  30. 大月高

    説明員大月高君) 一切罰則によって取り締るという法律でございます。
  31. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 時間の関係上一言、大蔵省銀行経理の問題ですが、そこに河野理財局長がおられるが、河野さんが銀行局長時代に起きた問題です。われわれはあえて問題と言うのでありますが、名義が変更された銀行中小企業助成銀行というのがありますが、これは本法案に非常に関連のある銀行でありまして、その点についてお伺いするのですが、この中小企業助成銀行ができたということは、これは御承知通り、以前に亜東銀行という名前において、なくなられた児玉謙次、最近なくなられた村田省蔵、いわゆる財界のお歴々が中心になって、外資導入ということで最初に設立をされて、設立というよりも他の銀行を買収してその名義を変更せられてできた銀行であります。ところが、諸般の当時の情勢からいって外資もなかなか思うようには入ってこなかった。それは銀行自体が悪いのじゃない、当時の国の情勢がそうであった。しかし、在日華僑は相当の預金を持って将来の東亜貿易のために非常な飛躍を期待していたわけです。ところが、大株主である鮎川義理介という人が当時の日銀の総裁である一万田さんと話し合いをいたしまして、極端に言うならば、株主総会一つ開かず名義が亜東銀行の重役が全く知らない間に変更をせられんとしておったような事実があるのであります。こういうようなことについて、日本銀行の総裁の圧力によって、そうして監督的な立場である銀行局というものが、総会の決議事項も見ないで、一鮎川という人と日銀総裁との話しによって変更をしなければならないかということについて、まず私は一つ伺いたいのであります。
  32. 大月高

    説明員大月高君) 銀行の称号の変更につきましては、銀行は株式会社でありますので、株式会社法の規定に基、きまして、当然変更すべきものだと思います。そういう意味で、当然総会事項になると思いますが、それに対しまして、大蔵省は称号の変更について認可権を持っておりますので、その変更について認可をするということでございます。従いましてお尋ねのように、一個人が話し合いで定款変更するということは、法律上できないだろうと思います。
  33. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 その点は、この前も川上長官にもお尋ねし、同時に銀行課長が来られたときにもお尋ねしたのですが、その点は私は追及はいたしません。別の機会に譲るといたしまして、それでは、せっかく中小企業助成銀行という名によって、一般中小企業者の金融のためにできたように思われたこの銀行が、これは無論いわゆる普通銀行法によって取り締まることなんでありましょうが、特にわれわれは、当時の話とすると、鮎川さんが日銀総裁から特別に中小企業の融資を三億円とか五億円を借りたということによって、中小企業助成銀行というものは、非常な中小企業全体の大きなホープになって現われた銀行だと、われわれはそう記憶しておるのでありますが、実際問題で、もうすでに数年になると思うのでありますが、果して中小企業が予期されておるような方針でこの銀行というものが経営せられておるかどうかということをお尋ねしたい。
  34. 大月高

    説明員大月高君) 中小企業助成銀行という名前をつけたことによって、すぐに性格が変るものではないと思います。一般銀行法に基いた銀行でございますので、融資方針等につきましても、普通銀行のワク内においてそれぞれ健全融資をやると、ただ、それぞれ銀行特色がございますので、中小金融を重点的にやるという方針をもって運営せられるということは、また非常に好ましく、また希望いたすところでございます。そういう名義を変更いたしました以上、もっぱらそういう方向にやる方針でまずやったものと了解いたします。現状が果して中小企業のために役に立っておるかどうかというお尋ねでございますが、まだこの銀行も規模は非常に小そうございまして、多分預金も二十億足らずではないかと思います。従いましてこの銀行中小企業に影響する程度というものは、そう大きくないと思いますが、その能力の範囲でやっております事業貸付け自体につきましては、そういう名義の変更の趣旨に従いまして、十分努力いたしておるようにわれわれは了解いたしております。
  35. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 今でもそうでありましょうが、当時銀行の新設というものはほとんど不可能に近かった。それから名義を変更火するということだけでもこれは大へんなことであった。それでその亜東銀行が、当時の高田農商銀行か何か、そういった名前のものを、とにかく一応株を買って、了解のもとに亜東銀行として出発をした、このときのいきさつでも大へんなことであったのであります。それで先ほど申し上げた通りに、財界のそうそうたる連中が、しかも東亜関係の貿易その他の金融に大いに貢献しようとして、大きな計画のもとに出発をしていたものが、わずか二年か三年でもって、ほとんどこの首脳部の人たちが知らない間に、この名義変更を一体大蔵省が許可をするということは、これはただいま言われた各銀行の中には、普通銀行の中にも特色がある、その特色というものが中小企業のための助成に役立つのだと、おそらくそういう見解において大蔵省はこれはまあ許したんじゃないかと思う。それがただいまのような答弁で、数年になるけれどもそう大した預金もなし、大した活動もないというようなことは、何かわれわれが追及していきますというと、この変更の中に、非常な政治的な問題が伏在しているのじゃないかというように考えざるを得ないのであります。その点はいかがでありますか。
  36. 大月高

    説明員大月高君) 中小企業助成銀行資金量が少いという点につきましては、私は根本的には店舗が少いというところにあると思います。特に政治的な面で預金が伸びないということではなくして、御承知のように赤坂に本店があるわけでありますが、店舗は多分数カ店しか今ないのではないかと思うのであります。そういう意味で、銀行の足がそう大きくない。本来高田農商以来そう大規模な銀行ではございません。全国的に見ましても、非常に小規模な銀行でございまして、やはりスタッフの問題、規模の問題、そういう点から徐々に伸ばしてゆくよりしようがないことだと思います。一挙に大規模な金融機関にするということは、もちろんいろいろ弊害がございますので、そういう意味で徐々に伸びていると、こういうふうに御了解願いたいと思います。
  37. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 当時中小企業助成銀行が出発するときに当って、鮎川、一万田氏の話し合いによって、まあ三億円というものを融資するとか、あるいは五億円融資するとかいうようなことを、われわれ聞いていたのでありますが、そういう融資は実際において行われたのでしょうか。
  38. 大月高

    説明員大月高君) われわれといたしましては、日本銀行総裁と鮎川さんとの間に、どういうお話が行われたか承知いたしませんし、また、銀行自体の問題でございますので、御承知のようにコマーシャルベースにおきまして、各市中銀行は日本銀行と取引を持っておりますから、それを一々審査を受けて借りたことはあるかと思います。しかし、具体的な数字では資料を持っておりませんから、はっきりいたしませんが、借りたといたしましても、それは日本銀行という中央銀行の機能から見て、はずれない筋において貸したのだろうと思います。
  39. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 まだ私は尋ねしたいことはありますが、時間がありませんから、保留して、終ります。
  40. 近藤信一

    ○近藤信一君 本日はもう時間もあれですから、これで散会したらどうかと思いますが……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  41. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十七分散会      —————・—————