○島清君
大臣にお伺いしたいのは、同僚の議員諸君からいろいろとまあ
質問をされた問題に関連をするわけでありまするが、今阿部君が指摘しましたように、議会でいろいろと論議をして、半月もたたないうちに、
政府からそういうふうな
緊急対策を出さなければならなかったのだということに対して、政治責任をどうするのだという、まあ
質問に対して、道義的の責任を、まあ
大臣は十分にお認めになったわけでありまするが、私は
大臣は、
日本の
経済は健康である、そして、その健康であるけれ
ども、しかし腸カタルを起しているのだという、まあ一萬田やぶ医者の診断をそのまま言っておられるわけですが、私たちが
日本の国策を運営いたしまする場合に、一体そういう腸カタルはだれが起したのだ。まま母が憎いばかりに、腸カタルを起して、そして下痢でもさせようというので、いろいろな腐ったものを食べさせて、腸カタルを起させたのか。それとも、不可抗力で、その腸カタルとしてはどうしても避けられなかったのかということを
考えまする場合に、私はこの
政策を立案した側の方に、腸カタルを起させた最大な
原因があると思っているわけです。その
意味においては、私たちは赤信号が、
日本の国内においても在庫論争で有名でございましたが、もう論争も済んでおりまするから申し上げませんけれ
ども、今もって
大臣は、まあとにかく
外貨が物に変っているのだからいいじゃないかというようなお
考えのようで、これは論争も終りましたから、私は論議を繰り返したくはございませんけれ
ども、とにかく腸カタルを起したのは、起させたのは、
政策を立案いたしまする、私は時の
政府であったということには間違いないと思うのです。さらにまた責任を追及いたしまするなら、その次には私は日銀だと思う。オーバー・ローンというものが出ておる、赤信号が出ておるのでありまするから、日銀。さらに民間
銀行。さらに
企業者である。
企業者の諸君は、
銀行の方に金を借りにいきゃ
銀行は金を貸す、そこで
銀行の方はまた自分の手持高がなければ日銀の方に借りにいく、それはもっとまた問い詰めていきますると、貨幣に対する私は信頼感が非常に薄れているところにも
原因があると思う。いずれにいたしましても、そういったような、総合的な私は判断を誤まった最も一番の責任は、
政府にあると思う。しかし私は予算
委員会でもありませんので、
政府の責任を今さら追及しようとは思ってはおりませんけれ
ども、しからばこういう
事態に対して、一体この
外貨を物に変えて、今在庫しておるという連中は、これは一体
中小企業であるのか。今阿部君が指摘されたように、不渡り手形を出しておりまするところの
中小企業者の諸君であるかというと、
中小企業者の諸君じゃない。
神武景気を大
企業の諸君は謳歌をしておりますが、そうして
政府が笛、太鼓をたたいて大いに宣伝をいたしましたときに、それは多分に衆議院の解散を予測されて選挙に臨もうという一連の党利的な
政策もあったとは思いまするけれ
ども、その当時も私たちは国内的にもまた
世界的に見て赤信号が出ております、非常に危険であるということを私たちは指摘をいたしました。そこでこういったような
緊急対策のこの
しわ寄せが今
中小企業に来ておるということを阿部君が指摘された。ところが
大臣は、その
中小企業の
金融対策で自分は必ずしも阿部君と見解を同じうするものではない、こうおっしゃいましたけれ
ども、それは
大臣も私は
実情を把握されなさすぎると思うのです。と申し上げまするのは、いろいろの
中小企業の窓口の方に、
金融窓口の方に押し寄せたというようないろいろの事情はあるかもしれませんけれ
ども、今から
中小企業を対象といたしまする
金融を扱いまする方では需要に応じ切れない
状態であります。
一つの例を申し上げますると、
中小企業庁でこの業態は健全である、もう少し援助してやれば健全に
発展し伸びるものであるという認定のもとに融資をあっせんをしても、そういうものにすら融資が思うように回らないというような
実情なんです。そこで私はその
大臣に非常な期待を持っておりましたけれ
ども、何か知らないけれ
ども一本
一つたがが抜けているのじゃないか、こういうような感じを持って
一つ御答弁を拝聴したわけでありまして、冒頭のご
あいさつにも、まあこれから勉強させてもらうのだということでございましたけれ
ども、私はそういうご
あいさつを額面
通りそのまま受け取っておりません。多分に非常に遠慮して、謙虚なお
気持からそういうご
あいさつをされたとは思いまするけれ
ども、しかし
中小企業に関する限り、何も
神武景気だと謳歌されても
中小企業が少しも恩沢に浴しなかったということは、これはもう隠すことのない事実なんです。しかしながらこの
緊急対策が
中小企業にまたぞろ
しわ寄せになっておる。これを私は
実情に即応した
中小企業対策、なかんずく
金融対策をやはり強力に推進をしてもらいたい、こう思うのですが、そこで大へん阿部君の御
質問に対する御答弁に対して屋上屋をかけるような
質問で恐縮でございまするけれ
ども、もう一段と掘り下げてもらった形における
中小企業の
金融対策をもう一歩強力に推し進められる
考え方はないかどうかということをお聞きしたいのです。
それからもう一点は、今ソビエトとの通商条約の問題が岡君から
質問がありましたけれ
ども、松尾君はまかしておけ、こういうことでしたが、私も岡君と同行いたしまして、裏
日本でソビエトとの
貿易を非常に待望される陳情に接したわけなんですよ。もちろんこれはおまかせをしなければならないことなんですけれ
ども、しかし岡君は陳情を受けられてそうして御
質問になったということを言っておられた。私もそうなんでございますけれ
ども、岡君の
質問に対して一体どこまでをいつごろまでに
通産省の作業を終えてそうしてこれを門脇大使なら門脇大使の方に渡すなら渡して門脇大使はこの
程度のことをやっているのだというような、内容的な問題じゃなくして時間的な問題をここでおっしゃることが
日本のこの通商条約を結ぼうとする場合にどのような一体不利をもたらすか、これは私はわかりませんので、不利をもたらすということであればまかしておけという一言で、これはおまかせする以外にはないのですが、私の良識によりますというと、一体
通産省の人がこの
程度の作業をこの時間でやって、そうしてそれぞれのまた
関係機関の方にもこうしたいと思うのだというようなことを一切おっしゃっても、私はいささかも不利になるようなことはないと、こういうふうに思っておるわけですが、そこではなはだ重複するようで恐縮ですけれ
ども、ここで議員の
質問に対する御答弁を不利になるからただまかしておけということだけで、不利になるからまかしておけとおっしゃるのですが、その不利になる点をお示しをいただきたいということ。
さらにもう
一つは、中共
貿易の問題でございますが、一億ドルくらい
輸出のワクを広げたいとおっしゃるのでございますけれ
ども、中共
貿易には片道一億の
輸出が期待できる、こういうことでありまして、岸
内閣も発足当時から
経済外交を推し進めて、
経済外交を看板にされたわけですけれ
ども、しかしながら中共に関する限りは、
相馬君が申されたように、どうもおっしゃることと、実際実行されようとする面とは食い違っておる。露骨な言葉で申し上げますならば、羊頭を掲げて狗肉を売っているのじゃないかという感すら深くするのであります。そこでその
原因がどの辺にあるかということを私たち検討してみまする場合に、何だか知らないけれ
ども、ここではちょっと言いにくいことでございますけれ
ども、中共
貿易の先鞭をつけたのは社会党である、そこで社会党が中共
貿易を非常に推進してきたので、ここらで
一つ主導権を自民党の方としてとらなければならぬというような党利的な立場から、中共
貿易に対しそういったような言うことと行うことがマッチしない面が出てきているのだ、というふうに、見てきたようなことを言う人もおるわけでありまして、私たちもそういったような情報が流れますというと、何だか知らないけれ
ども実際行なっている面と比較いたしまして、特に真実性があるような気がするのであります。そこで
大臣は中共
貿易をもっと積極的に進めたいという決意を御披瀝になって、私たちも敬意を表するわけでありますけれ
ども、公的な立場にそうとらわれないで、
通産大臣としてそういうものを超越して強力に推進をされるもちろんお覚悟だと思いますけれ
ども、もう一ぺんその決意のほどを承わりたい、こう思うわけです。