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政府委員(江下孝君) 実は政務次官から申し上げました点に尽きるわけでございますが、この総合補導所を始めましたときに、私
ども考えましたのは、総合補導所というのは、これは失業保険法に基く失業保険福祉施設でございます。従って、被保険者、つまり保険料を納めます被保険者がむしろ主たる
対象になるわけでございます。で、現在府県で
経営いたしております一般の職業補導事業は、
法律の
規定にありますように、その地
方々々の労務の需給に応じまして、失業した者を補導所に入れて訓練するという建前になっておりますが、失業保険の場合におきましては、これは被保険者を
対象にした失業予防あるいは福祉増進の施設を行うというのが建前になっているわけでございます。で、現在総合職業補導所としてやっておりますのは準備その他の
関係が整いませんために、現在やっております総合職業補導所では、一般の職業補導と同種の事業だけを現在取り上げてやっているわけでございます。従いまして、この
運営につきましては、取りあえず私
ども、府県の知事と民法上の委託契約を結びまして、そうして毎年、これは一年ごとに更新する建前になっております。で、今
お話のように、この知事の事前の了解を得なかったんじゃないかというような
お話でございましたが、もちろんこの総合補導所を設置いたしております県は二十二、三県でございまして、全国の知事
会議というようなものに正式にお諮りはいたしておりませんけれ
ども、
関係があります県の係の者、部長クラスには十分事前に話し合いはしておるつもりでございます。そういうことで民法上の委託契約で一年ごとに更新をするということでございます。まだ契約は解除いたしておりません。
それから今
お話がございました不
都合があったかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、特に非常な大きな不
都合があるということではございません。ただ現実の問題といたしましては、相当の府県におきましては、府県で負担を相当さしておるわけでございますが、この負担について困っておるというのが
実情でございます。自治庁でも府県に負担をさせるということは困るということでございます。しかしながら、各府県の熱烈な要望もございました
関係上、相当大幅に新設をいたしました
関係上、若干過去におきましては、この
運営費につきまして負担をしていただいたということもございますが、これについては各府県も相当困るということを申しておるわけでございます。それから、これは特に不
都合ということでもございませんけれ
ども、補導所で一番大事なのは、私は
指導員、つまり先生、これだと思いますが、現在府県によりましては、補導所の先生は正式の定員に組みこまないで、臨時職員という形で
運営しておるものが相当ございます。府県の経費の不足という点もございましょうが、要するに、これらの点につきましては、私
ども事業団の発足に当りまして、全国的な視野におきまして、人事交流等も行うことができますし、優秀な
指導員を置くということも相当
改善されていくのではないか。根本的には
最初に申し上げましたように、失業保険施設でございまして、被保険者の失業の予防、それから福祉の増進というのが建前になっておるという点を御了承願いたいと思います。