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田中一君
新聞を見ても、町では現在の
政府がとっておるところの
行政措置がどのくらい悪影響をもって
国民生活というか、あるいは各
企業を脅かしておるかということはあなた御
承知の
通りでございます。従ってその
意味の一時的な
現象についえていくところの
国民生活というものを
考えますならば、無
計画な、年内には何とかもとに戻るであろうという仮定のもとにそれらの
人たちがついえていくということは黙過できない問題があるのです。従って、たとえば本
年度中には正常に戻るであろうという
見込みならば、
見込みのように、やはり全面的な三十二
年度のすべての政治というものはその線に乗って動かなければならぬと思うのです。今日の場合には
計画は、
神武景気のそのままの姿でもって組まれた
予算の上に立って事を行うというのであって、もはや
神武景気どころではございません。一番最初に倒れるのはやはり
中小企業その他です。大
企業の一方的な
意思で
自分の権利を侵害されるという連中が初めなんです。その
現象があなたとしてはいつまで続いて、そういう者が一人もなく救われていくという
見込みに立って今の御
答弁をしていらっしゃるのがどうか、私はその点については非常な疑問を持つわけです。従って本
年度を通ずるところの
計画をお
示しにならなければ、
行政上の権限だけでもってやっておるということでは
国民は納得しないわけです。
ほんとうにもしもそういうことをしなければならないならば、今言う
通り、
公共事業費にいたしましても全面的に
改訂をすべきであろう、何と言っても
公共事業は一番金を食いますから、そういう
考えを持つわけです。
それはさておいて、これは完全にやりましょうということでは
国民は納得いたしません。そこであなたの担当する面でない
質問が多いので御迷惑かもしれませんが、少くとももここで
公共事業費は前
年度に消化したもの以下には下らないのだ、絶対にこれを消化して見せる、今後あらゆる悪
条件がそろうとも一遂行するのだということ。それから
三つの
公団、
公庫、これらもできるだけ——私が
希望するところは、全部と言いたいのです。全部遂行しなくちゃいかぬ。三十二
年度に
国民に
示したるこの額だけは消化しなければならないのだということを主張していただきたい。ところが、先般も
道路公団の
岸総裁は、これは当然でございます、
繰り延べするのは当然でございますという意見を言っておりました。それから、
住宅公団の加納さんもそういうことを言っておりました。しかし、
政府のとっておる今日の
施策というものに対しては私は反対でございます、という
意思表示をしておりました。同時に、
住宅金融公庫の鈴木さんは、不本意ながら前
年度は五十九億の
繰り延べができた、初めて
繰り延べをした、今年も何とかしてこれは使いたいと思うけれども、
自分としては、できるだけ
政府にもお願いをして、
繰り延べをしないようにお願いしたいということを言っておりました。今
建設大臣は、
住宅金融公庫の場合にいたしましても、借主が不特定だからわからないのだということを言っておりますけれども、今までの
政府がずっと続けておる
住宅政策の一番大きな問題は、
住宅金融公庫の融資を受ける
希望者が何百倍にも上っておるということが唯一の
言葉であったわけです。最近、あなたの方の
建設省が出しました
国土建設の現況という白書を見ましても、三十二
年度当初における
不足数は、二百三十万戸だと言っておるわけです。それにかかわらず、九十億の
繰り延べをしようという
考え方が、
希望者がわからないからやむを得ないのだというように私は聞こえたのでございますけれども、この
三つの
団体に対しては、どの
程度まであなたは
大蔵省の
要求を入れようとするか、伺いたいと思います。