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1957-05-14 第26回国会 参議院 決算委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十四日(火曜日)    午後三時三十七分開会   —————————————   委員の異動 五月十三日委員大谷贇雄君辞任につ き、その補欠として榊原亨君を議長に おいて指名した。 本日委員白川一雄君死去された。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三浦 義男君    理事            中野 文門君            久保  等君            鈴木  一君            奥 むめお君    委員            江藤  智君            後藤 義隆君            谷口弥三郎君            平島 敏夫君            堀本 宜実君            松岡 平市君            相澤 重明君            赤松 常子君            阿具根 登君            大倉 精一君            島   清君            高田なほ子君            大竹平八郎君            岩間 正男君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君    建 設 大 臣 南條 徳男君   政府委員    内閣総理大臣官    房会計課長   土屋  昇君    警察庁長官官房    会計課長    後藤田正晴君    調達庁総務部会    計課長     梅村 知躬君    北海道開発庁企    画室主幹    柏原益太郎君    自治政務次官  加藤 精三君    自治庁長官官房    会計参事官   石渡猪太郎君    自治庁財政部長 小林與三次君    科学技術庁長官    官房会計課長  杠  文吉君    法務大臣官房経    理部長     竹内 壽平君    法務省刑事局長 井木 臺吉君    大蔵省主計局次    長       宮川新一郎君    大蔵省主計局司    計課長     柳澤 英藏君    文部大臣官房会    計参事官    天城  勲君    厚生大臣官房会    計課長     堀岡 吉次君    農林大臣官房経    理厚生課長   川戸 孟紀君    通商産業大臣官    房会計課長   川崎 立太君    運輸大臣官房会    計課長     佐藤 光夫君    郵政省経理局長 八藤 東禧君    労働大臣官房会    計課長     松永 正男君    建設大臣官房会    計課長     關盛 吉雄君    建設省計画局長 町田  稔君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省住宅局長    事務取扱    鬼丸 勝之君    建設省営繕局長 小島 新吾君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    大蔵省銀行局検    査部長     福田 久男君   —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選 ○本委員会運営に関する件 ○昭和三十年度一般会計予備費使用総  調書(その2)(内閣提出衆議院  送付) ○昭和三十年度特別会計予備費使用総  調書(その2)(内閣提出衆議院  送付) ○昭和三十年度特別会計予算総則第十  条に基く使用調書内閣提出、衆  議院送付) ○昭和三十年度特別会計予算総則第十  一条に基く使用調書内閣提出、  衆議院送付) ○昭和三十一年度一般会計予備費使用  総調書(その1)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十一年度特別会計予備費使用  総調書(その1)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十年度一般会計国庫債務負担  行為調書内閣提出) ○昭和三十一年度一般会計国庫債務負  担行為調書内閣提出) ○継続審査要求の件 ○継続調査要求の件 ○委員派遣承認要求の件 ○昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  (内閣提出) ○昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  (内閣提出) ○昭和三十年度国税収納金整理資金受  払計算書内閣提出) ○昭和三十年度政府関係機関決算書  (内閣提出)   —————————————
  2. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ただいまから第二十九回決算委員会を開会いたします。  まず、委員の変更を御報告申し上げます。  五月十三日大谷贇雄君辞任に伴いまして、榊原亨君が補欠として選任されました。   —————————————
  3. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ただいま御報告申し上げました通り理事大谷贇雄君委員辞任されましたので、理事に一名の欠員が生じました。つきましては、この際、皆さん理事補欠互選についてお諮りするのでありますが、従来の慣例もこれあり、理事補欠互選については、委員長の指名に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  4. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 御異議ないと認めまして、私から指名いたします。平島敏夫君を理事補欠として指名いたします。   —————————————
  5. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 本日の理事会において申し合せました事項について御報告申し上げますが、まず、本日の日程でございますが、第一は、三十年度、三十一年度予備費使用調書、同じく国庫債務負担行為調書、第二といたしまして、決算、都道府県の会計経理に関する件、これは福岡県の問題であります。第三は決算太田川の河川改修工事に伴う補償金に関する件でございます。  その次に、五月十七日金曜日が定例日でございますので、その日程について御相談したのであります。御承知のようにもう会期も切迫しておりまして、ほかの委員会も非常に立て混んで参りましたので、十七日の金曜日は決算委員会は休みにしようということになりました。  第三は、継続審査及び継続調査要求に関する件でありますが、第一、昭和三十年度決算、第二として昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書、第三といたしまして、同じく昭和三十年度国有財産無償貸付状況計算書、第四といたしまして国家財政経理及び国有財産管理に関する調査、これらの点につきまして要求をする件でございます。  それから第四といたしまして、閉会後の長期の日程について御相談申し上げたわけでありますが、これはお手元に六月以降の日程ということの表を一応差し上げておいたのでありますが、かねて御相談申し上げておりました通りに、休会中にある程度まとめて審査をしよう。それは六月の十日前後から六月末にかけて、大体十回程度審議をやろうということにきめてございましたのでありますが、その具体的の問題として六月の十日から六月の十四日まで、すなわち月曜日から金曜日まで詰めて毎日審議をしょう、それから十五日から二十三日までは休みまして、二十四日の月曜日から二十八日の金曜日まで五日間、これも詰めて審議をしよう、こういうことに理事会では話し合ったわけであります。それから九月ないし十月という問題もかねて御相談申し上げてあったのでありますが、これは六月のうちに委員会も数度にわたって開きますので、そのときに一応はっきりした日時はとりきめましょう、こういうことにいたしました。それで一応これでどの程度まで審議が進捗するか、三十年度決算が進捗するだろうかという目安を立ててみたのでありますが、過去の経験から申しまして、会計検査院から御報告を受けたその批難事項につきまして、過去の経験から割り出してみますというと、大体二十六回程度やればよろしいのじゃないかという一応の目安が立つのであります。立つのでありますが、三十年度の決算として委員会に取り上げた事項は、御承知通りに福島県の関柴ダム工事に関する問題、あるいは全購連の問題、太田川の河川改修に関する問題、あるいは福岡県の会計経理に関する問題、あるいは国有鉄道経理及び財産管理状況に関する件、これは主として民衆駅の問題でありますが、そういう問題、日本銀行経理状況に関する件、これは主として宿舎の問題でありますが、そういうことを考えますというと、とうてい今後二十六回から先ほど申し上げましたこの十五回程度のものを差し引いただけのものが休会後に残るのだという勘定にはなりませんので、これに相当プラスをした回数をやらなければならないだろう、こういう相談をし合ったわけでございます。これは一応参考に申し上げたのでありますが、前から申し上げてありましたように、六月の十日から十四日まで、六月の二十四日から二十八日まで審議をやるということについて、それからこの調査案件もほかに相当ございますのと、それから恒例の閉会中に地方に視察に出て参るという関係もございますので、五月の末から六月の終りにまでかけまして、視察の班を二班ないし三班を作って視察をいたそうという話が出ましたのでありますが、これらにつきましては、各会派の御都合もありましょうし、また皆さんの御都合もございましょうと思いますので、各会派にお諮りを願って、また私どもとしても各派へ相談をいたしまして取りきめたいと思いますが、そういうことを話し合いましたのでありますが、大体今申し上げました事項について、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 三浦義男

    委員長三浦義男君) じゃ以上御報告申し上げましたように、理事会での申合せ通り決定することに取りきめたいと思います。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  7. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記をつけて。  昭和三十年度一般会計予備費使用調書(その2)  昭和三十年度特別会計予備費使用調書(その2)  昭和三十年度特別会計予算総則第十条に基く使用調書  昭和三十年度特別会計予算総則第十一条に基く使用調書  昭和三十一年度一般会計予備費使用調書(その1)  昭和三十一年度特別会計予備費使用調書(その1)、  以上六件並びに  昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為調書  昭和三十一年度一般会計国庫債務負担行為調書  を一括して議題といたします。  ただいま御出席の方は池田大蔵大臣宮川主計局次長大蔵省主計局柳澤司課長末広主計官会計検査院から大澤第一局長、そのほかに各省庁から担当の経理部局長会計課長等が見えております。  それでは質疑を続行しますが、質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 松岡平市

    松岡平市君 大蔵大臣が御出席になりましたので、大蔵大臣の御所見を簡単に聞きたいと思います。実はこの委員会でしばしば問題になりましたが、政府決算委員会に対する熱意が従来はなはだ足りない、こういうことであります。と申しますのは、決算委員会は、当委員会としては非常に重大な委員会として審議をしておるにもかかわらず、政府が、まず端的に申しますれば、大臣出席等が非常に得られない。また決算の各事項について委員会質疑に対する政府答弁、それらのものが熱意を欠いておる、こういうことがしばしば論議されまして、現にただいま議題になりました予備費に関する三十年、三十一年度の決算状況について、前回の委員会におきましては大臣が一人も見えない。また各省予備費使用あるいは繰り越しというようなものについての委員質問に対して、各省政府委員答弁が必ずしも十分でないということで、委員会を打ち切りまして、きょうやるというような事態になってきております。で、委員会といたしましては、ぜひ決算予算と同時に非常に重大な事柄であって、少くとも参議院決算委員会は、これを非常に重大な事柄として、もっと政府熱意をもって委員会に当られたいという希望を持っておるわけであります。決算について一番万般関係を持っておられる大蔵大臣が、その事態についてどういうふうなお考えを持っておられるか、一つまず、委員会においてその点についての大蔵大臣の御所見を承わりたい。
  9. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 松岡さんのおっしゃることはまことに同感でございまして、私も長い間政府委員をいたしておりまするが、常にそういうことをお聞きいたしておるのでございます。決して政府として各委員会において差等を設ける考えはございません。ことに予算決算というものは、いろいろな問題のうち最も重要なものであることは十分承知いたしておるのであります。ただ何と申しまするか、今までのあまり望ましくない慣例と申しまするか、しょせん、私が予算委員会決算委員会大蔵委員会は直接の関係でございまするが、何と申しましても、予算委員会にずっと引きずられるのが慣例になっておりまして、実は大蔵委員会も、衆議院では今国会きょう午前中ちょっと出たのが、これは二回目でございます。大蔵大臣が、決して大蔵委員会をおろそかにしておるわけでもございません。また参議院大蔵委員会も、一回か二回であったと思います。決算もきょうでお恥かしいながら、二回、衆議院決算はまだ一回しか出ておりません。しかし大蔵大臣がそれじゃ委員会に行かずにどうこうしているというわけのものでもないのでございます。実はきょうは世界銀行の総裁が、あした最後の打ち合せをいたしますので、日本政府考え方も出したいと思って帰っておったのでございますが、お申しつけがございましたので参りましたが、決しておろそかにしておるわけでございません。事の重要さは十分わきまえておる。ことに予算審議ということよりも、それがいかに使われたということが、これがたての半面を見るものでございまして、非常に重要なことであり、そういうことの審議によって、今日の予算の編成が行われるべきものであるということは、十分存じ上げておるのでございまするが、従来の何と申しますか、あまり望ましい例ではございませんが、そうなっておることは、今後改めて参る、まあ改めていきたいという気持を持っておるのであります。松岡さんの御意見全く同感で、今後そういうふうな方向で進んでいきたいと思います。
  10. 松岡平市

    松岡平市君 大蔵大臣から、決算委員会について、十分今後政府としては注意をして、委員会審議に当るように、対応するようにしたいという御答弁を得まして、もとよりそうでなければならぬと思いますが、大蔵大臣じきじきそういう御答弁、大へんけっこうなことと思います。実は先般委員会で、総理大臣にも他の委員から質問がありまして、総理大臣もそういう御答弁をすでになさったのであります。しかしながら実際においては、少くともこの会期中に、政府が、決算に対して、非常に決算委員会を重要視して、熱意を示されておるという具体的な事例を見ることができなかった、これはわれわれが申すまでもなく、政府、特に大蔵大臣は非常に多忙をきわめておられる。会期中、一つ委員会に長くおられるというようなことも困難であること、われわれ十分承知いたしております。従って、この委員会では、先ほど来委員長が当委員会でお諮りになりましたが、会期中ではとうてい満足な決算委員会審議ができない。従って大へんお互い忙しいけれども閉会中も引き続いて決算審議に当りたいということで、出席の全委員が賛同したわけであります。おそらくスケジュールもすでに組まれておりますから、閉会中に決算審議は相当回数を重ねるような取り運びになろうかと、われわれ委員考えておりますが、ぜひ一つ大蔵大臣閣議その他の適当な場所で、参議院決算に対する参議院決算委員会が、今私が申し上げておりますような決算に対しての非常な重要性、これの審議についてもっと政府も熱を入れてもらいたいという希望をお取り次ぎ下さいまして、閉会中の委員会等におきましても、大臣はもとより政府委員になられておる方々、それらの人々が委員会出席はもとよりのこと、委員会審議に十分こたえられるような万般準備をととのえていただきたい。大臣おいでになれないときは、政務次官でもけっこうでございます。今までの私ども経験からいたしますれば、政務次官は、多くは決算の詳細な内容について御答弁おできにならない。これはまことに残念なことでありますけれども、御出席されてもほとんどみずから内容について御答弁になった事例はきわめてまれであります。こういうことは大へん残念なことであります。ぜひとも各省大臣おいでにならないときには、政府代表者として政務次官がみずから責任をもって応答がおできになれるよう準備をしていただきたい。別段御答弁は必要といたしません。希望いたします、私の質疑はそれだけであります。
  11. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 松岡さんの発言私了承いたしました。なお、閣議の方にもそういうふうに申し伝えます。
  12. 久保等

    久保等君 今松岡委員の言われたこと私も全面的に同感なんですが、閉会中の、実は来月十日間ばかり予定をして決算報告審査をやろうという実は態度を当委員会としてはきめておるのですが、当初に大蔵省自体の問題、三十年度の決算報告、これについてもおそらく審査がなされると思っておりますし、私いずれまあ大蔵大臣大蔵省所管の問題についていろいろとお聞きしたいことがあるのですが、前から問題になっておりまする国有財産管理の問題、あるいはまた日本銀行財産管理の問題、これらの問題についても、六月の決算委員会ではぜひ一ついろいろと詳細にわたってお考えなりまた方針なりをお聞きしたいと思っておるのです。ぜひ一つその点についても御配慮を願いたいのであります。予算の問題と決算の問題がよく比較されるのですが、一体予算執行が適正であるかどうかという問題は、これは非常に私重要な問題だと思うのです。予算がとにかくきまるまでは、全力をあげて非常に集中的に政府当局はよく努力をされるのですが、それがきまってしまったあとの執行という面については、非常にその点われわれ日ごろから痛感をしておるととですが、今度の昭和三十二年度の予算一体執行状況を見ても、まだ三十二年度に入ったばかりなんですが、大蔵大臣が大なたをちょっとふると、仲裁裁定の問題に関連しても七十億の金が浮び上ってきたかのような形になっているのです。私は一体、ああいうようなことが一週間や十日ぐらいで簡単にひねり出せるようなものなら、一体三十二年度の予算というものはどういう形で編成されておったかということに、国民が非常に大きな疑惑を持つ。しかも会計検査院がほんの一部を検査しただけでも、その結果から出てくる不当あるいは不正といったようなことで指摘される金額は年間約百億近くも出ておるというようなことになってくると、決算という問題については私はよほど当面の問題として政府当局、わけても大蔵当局は私は十分に考えて参らなければならぬ問題があるのじゃないか、全般的な予算執行の問題についてはもちろん大蔵当局責任があるんですが、私がさっきちょっと申し上げたことは、財産管理の問題は大蔵省が直接手がけておる問題ですが、終戦後十余年たって日本国有財産というものがどれだけあるのかという話になると、帳面にも載っておらぬ、調査も十分やっておらぬ、やみからやみ国有財産がどういうふうに処分されていったかということがわからないという実情にある。従って私は大蔵当局に、わけてもみずから直接管理しておる問題そのものについても、これは非常な努力を願わなければならぬのじゃないかと思っております。そういうことについては、私ども決算委員会として協力しなければならぬ面においては、十分協力していかなければならぬというふうにも実は考えております。従って委員会における運営については、これは私大臣みずからが当然陣頭の指揮に当って積極的にまた委員会審議協力を願うという態勢がなければならぬと思う。そういう点から今松岡委員も御指摘になったと思います。かねがね当委員会として非常に大きな関心を持っておる問題であります。従ってきょうは予備費支出調査の問題でございまするが、私特にこの点をきょうお見えになった大蔵大臣に直接お耳に入れておいて、今後の運営については全面的に積極的な御協力を私の方からもお願いしておきたいと思います。
  13. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記をとめて。    〔速記中止
  14. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記をつけて。  ほかに御質疑のある方はありませんか。御質疑はないと認めます。質疑を終局いたします。  ではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は予備費承認することについて、また国庫債務負担行為については異議がないかの旨を明らかにしてお述べを願いたいと思います。  ほかに御意見がないようでございますので、御意見がないと認めまして、討論は終局いたしたものと存じます。  それではこれから採決に入ります。まず、  昭和三一十年度一般会計予備費使用調書(その2)  昭和三十年度特別会計予備費使用調書(その2)  昭和三十年度特別会計予算総則第十条に基く使用調書  昭和三十年度特別会計予算総則第十一条に基く使用調書  昭和三十一年度一般会計予備費使用調書(その1)  昭和三十一年度特別会計予備費使用調書(その1)  以上六件を問題に供します。  昭和三十年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件はいずれも承認を与うべきことに賛成の方は挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手
  15. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 多数でございます。よって昭和三十年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件は、いずれも多数をもって承諾を与うべきものと可決されました。   —————————————
  16. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 次に、  昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為調書  昭和三十一年度一般会計国庫債務負担行為調書を問題に供します。  昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為調書昭和三十一年度一般会計国庫債務負担行為調書異議がないと議決することに御賛成の方の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手
  17. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 全会一致でございます。よって昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為調書昭和三十一年度一般会計国庫債務負担行為調書は、全会一致をもって異議がないと議決されました。  なお、以上八件に関し本院規則第百四条により、本会議における口頭報告内容、第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  それから報告管には多数意見者署名を付することになっておりますから、八件を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名    〔昭和三十年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件〕     松岡 平市  中野 文門     平島 敏夫  谷口弥三郎     堀本 宜実  江藤  智     久保  等  阿具根 登     鈴木  一  相澤 重明     奥 むめお  高田なほ子     大竹平八郎  赤松 常子     島   清  後藤 義隆    〔昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為調書外一件〕   松岡 平市  中野 文門   平島 敏夫  谷口弥三郎   堀本 宜実  江藤  智   岩間 正男  阿具根 登   久保  等  相澤 重明   鈴木  一  高田なほ子   奥 むめお  赤松 常子   大竹平八郎  島   清   後藤 義隆
  19. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 御署名漏れはございませんか。——御署名漏れはないと認めます。  速記をとめて。    〔速記中止
  20. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記を始めて。  継続審査及び継続調査要求についてお諮りいたします。当決算委員会においては第二十六国会中、一、昭和三十年度一般会計歳入歳出決算昭和三十年度特別会計歳入歳出決算昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十年度政府関係機関決算書、二、昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書、三、昭和三十年度国有財産無償貸付状況計算書、四、国家財政経理及び国有財産管理に関する調査審議及び調査をして参ったのでありますが、会期も切迫し、会期中に審査及び調査を終了することが困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして、右四件につき継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の内容及びその手続等は委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたしました。   —————————————
  23. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。昭和三十年度決算審査のため及び国家財政経理及び国有財産管理に関する調査を行うため委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、本院規則第百八十条の二により、委員派遣承認要求書を提出しなければならないことになっておりますので、その内容及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  速記をとめて。    〔速記中止
  26. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記を始めて。  次に、  昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十年度政府関係機関決算書  を議題といたします。  本日は、都道府県の会計経理に関する件、特に福岡県の会計経理について政府から説明を聴取いたします。  本件に関し御出席の方は、自治庁から加藤政務次官、小林財政部長、大蔵省福田銀行局検査部長の諸君であります。  それでは政府の説明を願います。
  27. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 私より、自治庁が所管いたしております部面につきましての概要の御報告を申し上げたいと思います。  福岡県における本件の問題は、結局われわれの立場から申しますというと、県の公金の管理、保管というものについて誤りがあったかなかったか、本件については、それがどういう形でどう処理されたか、そういうところが自治といたしましての問題の重点であり、まあ全部であると言ってもよろしいのでございます。福岡県におきましては、従来歳計現金の保管方法につきましては、原則は金庫銀行に預け入れているのでございますが、場合によりましては、金庫銀行以外の銀行に預託いたしておるのでございます。その実際の扱いは、御承知通り、現金の出納、保管の全責任は特別職である出納長の責任であり、権利であり、義務である絶対権限になっているのでございますが、出納長におきまして、公金の出納、保管上支障がない場合におきましては、金庫銀行以外に預託する扱いがございまして、その場合には知事部局と協議をいたしまして、その了承を得て、相手方の銀行なりその金額なりというものをきめる扱いにいたしておるのであります。この扱いは、これは全国各地方団体ともやっておりまして、自治庁もそういう方針を示しておるのでございます。  そこで、問題の本件の場合は、昭和三十年の十二月に一億円の金を、県に福岡県庁信用組合という職員の相互共助のための組合がございまして、その組合に預託されたのでございます。その際の預託の目的がもう一つ福岡県に住宅協会という独立の法人がございます。この福岡県の住宅協会と申しますのは、県の住宅政策の一環といたしまして、自己資金のない住宅困窮者に対して住宅を建設供給するということを組合の主たる目的といたしておるのでございます。その住宅協会が昭和二十五年以来設立されておりまして、一方におきまして住宅金融公庫から資金を借り入れ、頭金に相当する部分は県の補助金を得まして住宅建設をやって参っておったのでございます。その住宅協会が住宅建設のための資金を必要とする。こういうことで住宅協会から資金預託の注文があったのでございまして、それが建築部長を経由して知事部局に要請があったのでございます。そこで従来からこの住宅協会に対しましては、県の公金の管理上余裕があります場合におきましては、その住宅政策を円滑に運転させるために預託を行なっておったのでございますが、これは金融機関でございませんので、直接預託するわけにはいかない。そこで先ほど申しましたこの県庁の信用組合を経由して、ここに資金を流すという扱いをずっと前からやっておったのでございます。本件の場合にも従来の扱いに準じまして一時資金の融通を受けたい。こういうことで問題が起ったのでございます。そこでその当時の住宅協会の必要性なり県の住宅政策の建前から考えまして、一億円の預託が必要であろう。こういう判断で県の執行部局、知事4承認をいたしまして、出納長の手元から県庁の信用組合に対して一億円が預託されたというのが事実でございます。ところが預託をされたのでございますが、実際においては県の住宅協会に金が入っていないというのが事実なのでございます。そこでその入っていない金が信用組合からどこにどう流れたかと、そういう流れたことによってその間にいかなる問題が起ったかというようなことが、本件の刑事事犯として検察当局が調べておられる問題になってくるのでございます。  自治庁といたしましては、この預託が、住宅協会に対する住宅建設資金として預託するということが一体いいのか悪いのか、そういう問題が一つと、預託すると言いながら、その目的通り預託されていない。そこに一つの問題があるのでございまして、それは事実でありまして、公金の預託というものは預託制度そのものは、私は、行政の目的上、公金の管理上支障がない限りは、これは当然行われていいのでございますが、こういう預託の趣旨が達成していない事実があるということは、これは非常にわれわれといたしましても遺憾な事件だと存じておるのでございます。  そこで、しからばその預託された金がその後一体どうなっているか。昭和三十年十二月に預託されたのでございます。それによって県自体にいかなる損失が与えられておるか。その金がかりに回収不能になっておりまして、県の公金に穴があいておるとすれば、これはまた大きな問題でございまするが、その金はその後昭和三十一年の二月、三月に入りまして信用組合から県に戻っておりまして、県庁といたしましては、公金上現在におきましてはつじつまがあっておる。こういうのが事実でございます。ただそれに関連しまして、その後信用組合から金が県の方に戻っておるが、昭和三十一年の三月ごろに別途金額が福岡の相互銀行と、それから西日本の相互銀行に金が流れていっておるじゃないか。その金がそのまままた問題になっておる第一相互に流れて入って、そこで資金繰り回しで焦げついておるじゃないかということが一つの新しい問題点に、これはなっておるのでございます。これにつきましては、その実情もわれわれの方で一応調べたのでございまして、最近に至りまして福岡相互銀行とそれから西日本相互銀行に合計九千万円の金が預託されておるのも、これは事実でございます。しかしながら、これは三カ月の定期になって預託されておるのでございまして、三カ月といえばまあ六月まででございますが、六月には当然これは回収するということになっておりまして、この回収はもちろん福岡相互銀行と西日本相互銀行、この信用上にも、そこから考えましても、何ら心配のない問題だろうと存じておるのでございます。それからまた従来ともこの両相互銀行に対しましては、中小企業金融等の立場からしばしば預託が行われておるのでございまして、そのことを特別に批判するというわけにもいくまい。それといわゆる第一相互との間において牽連関係ありやなしやという、いろいろな議論がございますが、われわれといたしましては、特別に牽連関係があるという実証を握っておるわけじゃないのでございます。要するにその金が問題なく回収されて、県の公金の管理として問題がないということの確証だけを握っておる次第でございます。  それで、もう一つの問題は、この県庁の信用組合に対して一体そういう一億円もの預託というものが行われた、そのことが一体まあいいのか悪いのか、こういう問題が実はこれは一つございます。これにつきましては、この県の信用組合は大正十一年に設立せられておりまして、そうして県庁職員の相互共助と申しますか、共済関係の活動を営んできておるのでございまして、これにつきましては、職員の厚生の立場で、県としてでもできるだけの援助、協力をやろうと、こういうのが従来からのしきたりになっておるのでございます。盆、暮とか、年末等の資金が必要なようなときには、それぞれ順次、公金にゆとりがあれば預託をいたしておる。その他信用組合は脆弱な組合でございますので、運転資金等につきまして支障がある場合におきましては、公金に余裕がある限りは、この信用組合を通しまして運転をいたしておりまして、そうして信用組合の運営を円滑ならしめて参っておったのでございます。そこで、本件の場合におきましても、一億円などという多額の金を信用組合にという問題があるのでございますが、これはまあいいか悪いか別問題といたしまして、従来から県に、いわゆる何と申しますか、この公金だけでなしに、例の雑部金と申しまして、これはまあ今はもちろんそういう問題ございませんが、かつて国のまあ補助金などが出た場合におきまして、なかなか補助金がおくれるものだから使いきれない。こういうようなときに、一応受け取った形にして工事執行の場合にこれを業者に支払う、こういうのを雑部金経理としてやっておったことがあるのであります。これはすべての団体がやむを得ずやっておりたのでございまして、現在はもちろんそういう弊風はございません。要するにそういう金もゆとりがあれば信用組合に預託いたしまして、そうして信用組合の運転を合理的ならしめる。そういう金は、今日におきましては補助金適正化法その他の関係でもうきちんといたしまして、その元もないということもありまして、この金額が預託されるということは、まあそのことがほんとうにその目的達成で行われておれば、必ずしも全くでたらめだということも言えないのじゃないかというふうな見方もできるわけなのでございます。  いずれにしろ、そういうものを通じて本件の問題が起ったのでございまして、われわれといたしましては、そうした預託の目的が公正に行われなかったということは、はなはだ遺憾な事件である。自治庁といたしましても、一体そもそもこういう公金の預託方法が正しいのか正しくないのか、これは国会の各委員会におきましても、いろいろ議論になっておるのであります。で、御案内でございましょうが、従来地方自治法の関係におきましては、金庫銀行にすべての公金を、出納だけでなしに、保管も全部まかすべきものとされておったのでございますが、一つの金庫銀行だけで全部の公共団体の金が集中的に積み重ねられるということは、いろいろ地方の行政上支障がある。それからまたいろいろ県の中小企業対策とか、あるいは労働者に対する金融対一策とか、その他各種の行政目的を達するために、もし公金にゆとりがあったら、それが活用する道もあってもいいじゃないか、その間に不確実とか不安定とかいうことがあっちゃいけませんが、そういうことで、現在の法律の建前では金庫銀行以外の金融機関に対しても預託の道が実は開かれておるのでございます。そこで、そもそもそういう道を開いておるところに、こういう問題が起り得る発端があるのじゃないか、そこの元を正すべきじゃないかというふうな実は議論も一つあるのでございます。  われわれといたしまして、本件は非常に遺憾な事件でございますが、この預託方法自体というものを、一体根本的にそれならばもうそういうものをみんなやめてしまって、金庫銀行に集中した方がいいのかどうか。集中するとなれば、またあんまり集中し過ぎて動きがつかぬという問題もある。しからばそうでなければ、むしろ予算等ではっきりきめて預託をすべきじゃないか。現に県の場合にも、予算に計上した預託金というものが相当ございまして、そこで運転しておる実情でもあるのでございます。しかしこの予算というものになれば、一年間継続的に動かさなければならないのならば予算に載せることができるが、ほんとうに短期で、臨時応急に資金を活用させるという必要も行政上これはあり得るわけでございまして、全部が全部そうやるということにもまたそこに問題がある。そうなれば、そういうものをコントロールするためにはどういう方式をとるか。いろいろな条件を考えたり、手続を考えたりして、何かそこに指導をやるべきじゃないか。制度の改正までいくか、しからずんば運用の方法をもう少し合理化するか、そういうような問題につきまして、これは検討すべき問題があろうと存じまして、早速全地方団体につきまして、こういう公金の管理保管の状況等の資料を集めて、その状況を見まして、誤まりのないような対策を講ぜなくてはならないと、こういうふうに存じておるのでございます。  大体この問題につきまする自治庁として考えなくてはならない問題点を、以上御報告申し上げる次第でございます。
  28. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 政府の説明は終りました。  この説明に関し御質疑のある方は順次御発言を願います。
  29. 阿具根登

    ○阿具根登君 井本刑事局長が見えておられるようでありますが、その後相当発展があっておると思いますし、新聞等でも相当発表が出てきておりますが、局長の方から詳しく御説明を願いたいと存じます。
  30. 井木臺吉

    政府委員井木臺吉君) 福岡県庁と第一相互銀行関係の刑事事件でございますが、私どもといたしましては、去る四月の十七日に福岡県の副知事の山本兼弘という人を背任並びに収賄、それから出納長でありました岩佐秀盛という人を背任、それから第一相互銀行根橋武男という人を贈賄、向井定利という人を贈賄幇助という罪名で東京地方裁判所に起訴手続をとったのでございます。この関係事犯は東京地方検察庁におきまして、かねて第一相互銀行の経理に不正な点があるというので、これを取り調べておりました際に、福岡県の歳計現金がこの第一相互銀行に預託されておって、その預託の関係で千万円が根橋武男という方から山本兼弘という方にリベートという形で出されておるという点に嫌疑を持ちまして、関係者を検挙して取調べを進めてきたのでありまするが、ただいま申し上げましたようなことで、結局一億円を福岡県から東京の第一相互銀行に預託しました点は、これは背任行為である、そしてこの預託に関係いたしまして一千万円をリベートいたしました点は涜職罪であるということで、四月の十七日にそれぞれ起訴をいたしたのでございます。  次に、この第一相互銀行から出本兼弘という方に供与されました一千万円をめぐりまして、この金がどの程度にまかれておるかというような点をいろいろ調べを続けてきたわけでございましたが、現在までまだ詳細な結論は出ていないのでありまするが、去る、これも四月の二十六日に、福岡県会議長の小林喜利という方を収賄の容疑で福岡県の検察庁におきまして逮捕拘留いたしまして、目下鋭意取調べ中でございます。この被疑事実は、小林という方が福岡県の県会議長として在職中に、昭和三十年十二月末ごろ、当時同県の総務部長でありました山本兼弘という方から、福岡県会におきまして法案通過などに尽力した謝礼として供与されるという事情を知りながら三百万円を収受して職務上収賄したという点が被疑事実になっております。その点は容疑事実でありまして、ただいまこの関係をいろいろ取調べを続けておるわけでございまするが、いまだ終局的な結論には達していないわけでございます。  その他この一千万円の関係をめぐりまして、これがいかように使用されておるかという点を鋭意取調べを続けておるというのが実情でございます。
  31. 阿具根登

    ○阿具根登君 時間もありませんし、本問題については、衆議院並びに参議院の地方行政委員会においても、相当審議されておりまするので、簡単にお伺いをいたしたいと思いますが、いやしくも県の最高幹部である方々が、県民、国民の血税である金を不正預託をして、そうして一千万円からのリベートをとって、新聞等で見てみますならば、今度は議会の与党の議長である小林喜利君に対して三十万円の金を渡して、そうしてそれを与党工作に使った。県会議員の諸君で何人か調べられておるようでありますが、まことに驚くべきことが、いまだかつて聞いたことのないようなことが起っておる。そうするならば、私ども決算委員の一人として、そういうことができるようになっておるそのものについて、いま少し考えを持たねばならない、かように思うものでございます。  で、自治庁の方にお尋ねいたしますが、住宅協会に対して一億円の金を回すために信用組合に預託した、こういうことになっておりますが、住宅協会の理事長は県知事の土屋さんだと、かように聞いております。そうして建築部長が住宅協会から依頼を受けて、そうして一億の融資あっせんをお願いしたときには、これは一応拒否されておる、こういうことも聞いております。そこで私は結論を急いでおりますが、建築部長が一億の金を要請したのはいつであったか、知事がこれを決裁したのはいつであったか、その点と、それから信用組合の幹部に、副知事の、当時総務部長をしておりました山本兼弘君等が有力な地位におるということも聞いておりますが、信用組合の山本君の地位はどういうことになっておるか、そういう点について御答弁願います。
  32. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 住宅協会に県庁の職員が関係しておることは、おっしゃいました通りでございます。そこで本件は、この住宅協会の建築資金に必要として預託の要求があったのでございますが、その要求のあった日時、知事が決裁した等の日時等のお尋ねでございますが、これにつきましては、関係書類が検察当局に押収されておりまして、実はわれわれの方といたしましても調査したのですが、現物を確認することが、これはできないのでございます。それで正確な日時は、実はわれわれの方でつかめておりません。しかし、これは関係者はみな書類を扱った、判こも押したという事実は、もうみな認めておるのでございます。知事も決裁したことを認めておるのでございまして、その事実だけはもう間違いのない事実だと存じております。それからこの信用組合につきまして県の職員も関与いたしておりまして、副知事は、この信用組合に顧問の制度がございまして、副知事と県の出納長と商工部長が顧問の地位にございます。理事は今問題になっておりますこの池田というのが理事で、そのほか、各部課の課長諸君が十人余り理事になっておりま。
  33. 阿具根登

    ○阿具根登君 今お聞きいたしましても、まことに、少し悪い人がおったならば、どういうことでもできるようになっておる。日時が明らかになっておらないようでございますが、私も資料持っておるのですが、まあ日時を探すのに時間がちょっとかかりますから……。建築部長が一億の要請をしてから一年半たっております。その間、建築部長は直接の上司である知事に対してどういう要請をしたか、どういう催促をしたのか、あるいは却下されたことを知っておったのかどうか。それから知事は、自分が決裁して、しかも住宅協会に渡すべき金が、自分が住宅協会の会長である、それを住宅協会に渡すために信用組合に預託したのだといって、そのあとは知らないといっておるけれども、自分が住宅協会の理事長でありながら、自分が決裁した金が住宅協会に入っておらないということを知らないということはあり得ぬと私は思うのですが、そういう点についてどういうふうにお考えですか。
  34. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 今の申請してから一年たっているという意味は、今日に至るまで一年たっているという意味だろうと思いますが、建築部長が要請したのは、やはり本件で預託が行われましたのが十二月でございますから、十二月の初めか十一月か、その前後だろうと思います。そこでその当時住宅協会といたしまして、住宅の建築をやるために資金がどうしても必要で要求をしたのでございますが、その後協会が作っております住宅の建売、住宅を作りまして売っているわけでございますが、建売住宅が意外にはかどったり、それから金融公庫からの資金もきて、協会として資金の必要がなくなったのだ、こういうことを建築部長が申しておりまして、それで要求はしたけれども、この三十年度の年度末にはその必要がなくなって、そしてそのままそんなら、要するに要求したやつを取り消すべきじゃなかったか、これがわれわれといたしましても聞いたところでございますが、結局建築部長としては、自分たちに必要な建築の仕事さえできればいいので、資金が自力で目当てがついたものだから、そのままになっている。こういうのが建築部関係の諸君の供述でございまして、これは私は事実その通りだろうと存じております。  そこで、それならばそういう趣旨で預託されたものが、信用組合から直ちにどうして解消されなかったか、知事もそういうことを承認しておりながら、あとどうしたか、そういう問題はあろうと思いますが、この預託は県の従来の扱いによりまして、まあ三カ月という建前になって、すべての預託がそういう扱いになっております。そこで一億円の金は実は信用組合から県に三月に一度返っております。そうして、なおまた別口としてとの信用組合に金が出ているようにわれわれもみているのでございます。それが信用組合の運転資金という形で別途信用組合に預託されておりまして、そうしてそれがずっと続いて参ったというのが実情の、書類でわれわれのところに入りました資料から判断しますと見られるところでございます。
  35. 阿具根登

    ○阿具根登君 非常に現場のことは証拠書類もないからということで、衆議院の議事録を見てみましても、自治庁のお話がはっきりしておりませんので、当委員会としては現地を調査することになっておりますので、こまかいことはすべて省きます。  そこでお尋ねしたいのは、小林財政部長は、衆議院決算委員会においても、またただいまの御説明の中にも、一億円の金は第一相互から返ったのだということを言っておられる、確かに返ってはおります。検察庁の手が入ってから、大石検事が福岡へ飛ばれる前日か前々日、三月の二十一日か二十三日に二千万と八千万に分けて入っているところが、地方の新聞を見てみますと、この八千万円が、二千万円は返ったけれども、あとの八千万円が焦げついておった、その焦げついておったことは知事はそれを知っている。だから西日本四千万、福岡相互銀行に五千万依頼したのだ。また、西日本福岡相互銀行は、第一相互銀行からの依頼によって県に返すべき金が足りないからということでやっておられる。そうすると、実害はないわけなんですね。実害はないけれども、焦げつきというものはいつ返ってくるかわからない。ところが西日本福岡もこの六月には返すだろう。三カ月で返すだろうといっておられる。それは返すかもしれません。しかし、返すためにはまたどこかの銀行に、またそれに見合う金を貸していく。これも三カ月で返るでしょう。また今度三カ月たったらどこかの銀行に一億なり八千万なり九千万預けていく。こういうことを繰り返していくなら、実害はないといいながら、実害はどこかにあっているのです。それをずっとたらい回しをしているから、そういうことになるのであって、そういうことについてはどういうふうにお考えになっているか、一応その金が返ってくるまでは預託なんかは一応止めてみたらどうか、こういう点についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
  36. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 今の新しく福岡相互と西日本相互に先ほど申しました通り九千万円の金が預託されておるのは、これは事実でございます。その金はわれわれも調べましたところ、今の私が申しました通り、六月には必ず返る、これは心配要らぬということを、これは関係者は確言いたしておるのでございます。それから銀行の信用状況等から考えましても、その点の懸念はないかとわれわれ考えております。そこでそいつが返るために、またどこかぐるぐる回しに県の金が流れるのではないかというお話でございますが、私はそういうことはもうあり得まい、こういうふうに考えておるのでございます。県の当局もそういう点は、これは否定いたしておりますから、われわれといたしましては、その点を信用いたして、返ってくる状況は、これはむろん見守るつもりでおります。
  37. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、第一相互銀行は八千万の金を返す財源がない、返せない。第一相互銀行の内容は御承知通りです。ああいう非常に指弾された、指摘された第一相互銀行が、返す金がないから西日本相互と福岡相互銀行から八千万の金を借りておる。そしてそれを返すとするならば、これは自分が返してもらうために、西日本相互と福岡相互に金を貸したのだと、こういうことになるわけなんです。三カ月間の間に今度は第一相互があるいは作るかもしれません。作るかもしらぬけれども、その間にはこれはそういう不正のことがあるを承知の上でやったということは、これは肯定できますか。
  38. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) ここにまあ一つの問題がございまして、第一相互から金を返させるために、福岡相互と西日本に身がわりの金を預託したのじゃないかというか、それに関係があるかないか、こういうところが、これは一つの問題だろうと思うのでございます。時期をほぼ相前後してその点の金が動いているということは、これは事実でございますが、いずれにいたしましても、関係当事者はその間における牽連関係というものを、これは否定いたしております。そして両相互銀行につきましては、年度末等におきまして、従来でもやはり年度末の融資のために預託をやっておる実情もございまして、われわれといたしましては、関係者の陳述を信ずるよりほかない。事実が六月になりまして支障なく返る、返る以上は、もはやそういう疑いのあるようなことはしない、こういうことを言っておりますから、われわれといたしましては、その言を信用するほかないと思うのでございます。
  39. 阿具根登

    ○阿具根登君 自治庁の方でそういうように非常に善意に善意に解釈されておるのは、自治庁としてはあるいはそうかもしれません。しかしこれが福岡県であったにしろ、福岡県の予算の半数以上は、これは国から福岡県へ出しておる金だ。国の金だ。そうするならば、そういうようなことがこれは三カ月後にはもうないのだ、それを信用するのだ、まあこういうことを言っておられる。今までそういう信用されておったから、こういう問題が起きてきておるのであって、それでは、本問題が起って衆議院で問題になった場合に、直ちに事務官を現場に派遣された、そうしてその派遣された結果によっても、およそつかみにくい御答弁をしておられる、御説明をしておられた。それもまた事件のまあ進展の途中であるし、やむを得ないところもあるかと思います。それではですね、その後どういうような調査を自治庁としてはされておるか、だれかまた現場にやられたかどうか、それから非常に事件はあの後発展してきておる。先ほど申しましたように一千万の金が県議会の方にまで渡ってやっておる。西日本相互銀行も一福岡相互銀行も八千万の金は払えないから貸してくれというので貸したのだ、その前に県からは四千万、五千万の金をそれに回してくれと言わんばかりに言っておる。それについて御調査になっておるかどうか。またあるいは、その通りだとおそらく六月に返るだろう、こういうようなことを言っておられますけれども、またそのほかに九千万円も八千万円も別個から回せば六月だって五月だって返るのは当然ですよ。そういう点に対してはどういう指導をされているか、こういうことなんです。六月以後は絶対にそういう金は預託はできないのだということを考えておられるのか。私はそういうおそれがあると思いますが、どういうふうにお考えになっておられますか。
  40. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 自治庁といたしましては、山本調査官を派遣いたしましてから、人は派遣はいたしておりません。しかし総務部長なり税制課長なり監査員なり等にも会いまして、われわれといたしましても、その後実はできるだけ明らかにしておるつもりでございます。ただ、自治庁の立場は、要するに公金の管理保管の問題が中心でございますので、信用組合への預託の状況あるいは福岡相互なり西日本相互なりの預託の状況、それと県の財産上の利益の問題というものの結びつきを、これは徹底的に調べるつもりでございますが、それ以上の段階におけるいろいろな刑事事犯等につきましては、われわれといたしまして調べる限りではあるまい、こういう建前を堅持いたしておるのでございまして、その点は一つ御了承を願いたいのでございます。そこで本件につきましては、公金の預託がつまり正しいか正しくないか。その預託によって県に損失を与えておるか与えていないか。そこが問題でございまして、これは究極的におきましては、地方自治体のことでございますから、自治体自体が、責任自治体自体の判断で決定さるべき問題でございます。先ほど国庫の支出金も相当あるのであるから、国の金の面からも非常に関心があるのじゃないかというお話がございまして、国庫支出金も福岡県に相当多額に流れていることも事実でございます。しかしながら国庫支出金は、いずれも支出金の目的通り、これは使われておるのでございまして、その点につきましてはわれわれは格別心配をいたしておりません。いずれにいたしましても、その他自己の財源が福岡県は相当団体の規模が大きいのでございまして、予算総額から申しましても二百数十億ございますから、私は常時相当な現金が手元にあろうと思います。十億前後の金というものは、時期によっては、当然これはあり得るのでございまして、そうしてそれの管理保管というものをどうするか、これがあやまって行われてはいかぬということは、これはまことにその通りでございます。主体は金庫銀行にやっておりますが、そのほかの金融機関にも、これは従来から見ましても、たくさんの金融機関に実は預託いたしております。単に信用組合なり、西日本とか福岡相互だけでなしに、その他まあ県信連とか、その他の銀行とかそれから労働金庫とか、いろいろな金融機関に預託されておるのでございまして、これはそれぞれ私は行政上の一つの目的、資金管理上の目的で行われておると思うのでございます。問題は本件のような事件が起って、一億円が焦げついて穴になった。その穴になっておるやつを穴埋めするために、ぐるぐる回わしにするような預託方法をやるかやらぬか、こういうところに問題があるのでございまして、われわれといたしましては、もうすでにこういうふうな大事件になっているものに、かりそめにもそういう疑念を抱かれるような預託の方法は、私はこれは模しむべき問題でございまして、この点は県の当事者に申しております。県の当事者におきましても、そういう疑いのあるようなことは私はするはずがない。これはもう県民も批判をしておれば、当事者も戒心をいたしておりますし、そういうことは万あるはずがない、こういうふうに信じておるのでございます。
  41. 阿具根登

    ○阿具根登君 まあ信じられるのはけっこうでございますが、この事件ほど不明朗な問題はない。県知事が協会の会長をやっておって、副知事が信用組合の顧問をやっておって、そうしてその顧問の副知事と県知事の間で協会に金をやるというような話し合いをして、幹部が勝手に金を動かしておると、そういうことをやっておれば、私の言うような疑いも当然起ってくると、かように思うのです。  そこでもう一、二お尋ねいたしますが、こういう大県になれば歳計現金も相当な額があるのだということが言われたのですが、お手元に資料があったら、この事件の起った前後の歳計現金を一つお知らせ願います。
  42. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 歳計現金の現実の総額の資料は手元にございませんが、先ほど申します通り、歳入の総額が三十年度決算において二百六十五億に上っております。それでございますから、そのうち国庫支出金が九十六億でございまして、これはまあ中心が税金が多いのでございますから、納税期等におきましては相当の資金がある。出し入れが始終ありますから、毎月同じ山を続けておるわけではありませんが、これだけの県ならば十億や十数億あるということは私は想像されるのでございます。
  43. 阿具根登

    ○阿具根登君 数字は持っておらぬけれども、勘は当っております。参考のために私が教えて上げましょう。三十年の十一月に八億五百万円の現金があります。三十年の十二月に十一億九千五百万円の現金があります。三十一年の一月に十一億一千七百万円、三十一年の二月に十二億一千五百万円、こういうようにあるわけなんですね。ところがこれだけの歳計現金が手元にありながら、資金運用部資金からあるいは熊本郵政局から相当多額の金を毎月借り入れられておるのです。こういうことは、私は地方行政については非常に暗いのでわかりませんけれども、そういうことは当然でございますか。
  44. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは私はその借り入れの目的、趣旨はどういうのであるか知りませんが、当然これはあり得ると思います。その資金の流れと現実の現金が必要とする期間的な差異もありましょうし、財調資金と申しましても、各庁癖等たくさんの機関があるのでありますから、そこらで出し入れがありますので、資金上まとまった金が要るのは事実だろうと思います。それからまた率直に申しまして、最近財政状況がよくなっておるのでありますが、過去におきましては、大へん福岡といえども困っておることがあったということも事実であります。
  45. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  46. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記を始めて。
  47. 阿具根登

    ○阿具根登君 刑事局長は急に用がおありのようですから、一つだけ御質問申し上げますが、福岡県知事を召喚されたのは何月の何日でございますか。
  48. 井木臺吉

    政府委員井木臺吉君) 四月の十四日の日曜日に東京の検察庁の検事が調べたはずであります。なお福岡では東京の検事が福岡に参りまして、五月の初めに多少調べをしておるはずでございますが、正確な報告はまだ受けておりません。
  49. 阿具根登

    ○阿具根登君 四月の十四日に県知事を取り調べられたのは事実でございます。それで四月の十四日に上京するように召喚されたのかということをお聞きしたかったのです。こちらから、検事局の方から召喚されて上ってきたのであるか、それともみずから上ってこられたのであるか、召喚されたとするならばいつ召喚状を出されたか、それをお聞きした。
  50. 井木臺吉

    政府委員井木臺吉君) 正確な報告に接しておりませんが、とにかく四月の十四日に調べをしたことはその通り間違いありませんが、任意の取調べでありまして、正式に裁判所の召喚状のようなものは出していないと思っております。ただし、その連絡はどこでどうつけて本人にこちらへ来ていただきましたか、その間の事情は、もし御必要でありますれば取り調べまして、この次の委員会に御報告申し上げたいと思います。
  51. 阿具根登

    ○阿具根登君 非常に重要な問題にからんでおると私は思っておりますので、今国会中でもけっこうですから、簡単なものですから、お調べつきましたならばお知らせを願いたいと思います。刑事局長にはそれだけです。  小林財政部長にお尋ねいたしますがね、小林財政部長は、地方自治体に十数億の金があってもまだそれでも足らないんだ、昔はそうだったということを言われておりますが、昔の財政きわめて困難な時代のことを私は聞いておるのではなくて、私が申し上げましたように、この事件の起った前後の四カ月間をとってみました場合にも十数億の金がいつもあるわけなんです、毎月毎月。そうしておいて、たとえばこの歳計現金を預託する場合には四分一厘で預託しているわけなんです。四分一厘で預託している。そうして大蔵省の資金運用部資金あるいは熊本の郵政局から借りるならば六分何厘だと思いますが——六分何里か、わかりませんが、それは財政部長から教えてもらいますが、そうして、この間の四カ月間をとってみましても、十一月に十億、十二月に十二億、一月に十二億、二月に十二億、こういう金が借りられておるわけなんです。そういうことが常態であるとするなら、これは日本全国の各県が現金を手元に持っておりながら、わざわざ損をして政府から金を借っておる、こういう状態が当りまえだということになる。私は決算委員としてこの点をはっきりお聞きしたいと思うんです。
  52. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは預金部なり簡保なりから借りておる資金の性質を考えなくてはわからぬのでありまして、私もそこのところは、長期の資金ならば当然これは借りておると思います。でございまするから、資金が長期性のものか、短期性のものか、そこらの調査が私は必要だろうと思います。ほんとうに財政運用だけの資金ならば、手元に資金があるのに、利息を払って借り取るということは私はありようがないと存じております。ある程度長期にわたって寝かす必要があるものならば、それは当然起債その他の借り入れをやっておりますから、そういうことはあると思います。
  53. 阿具根登

    ○阿具根登君 それでは私から教えて上げます。三カ月の定期で借りております。これは長期といいますか、短期といいますか。
  54. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 三カ月の定期なら、それはもちろん長期というわけにも参らぬだろうと思います。
  55. 阿具根登

    ○阿具根登君 私はこういうことが各県で繰り返されておるならば、こういう非常に不正な事件の温床になりはしないかということを非常に懸念するわけなんです。こういうふうに十何億というような金がいつも手元にある。いつも歳計現金だから手元にある。これをあるいは必要に応じて預託にも出しております。ところが利子は四分一厘で、その上、今度は毎月々々十二億からの金を国から借りて、六分四厘ですか、この高い利子で借りておる。これが一つの政策をやる上での金ならいざ知らず、毎月見てもそうなっておる。これが常態であるとするならば、全国の都道府県がこれをやっておるということになれば、私はこの地方自治のあり方から考えなければならないのではないか、かように思うわけです。それをお尋ねしたわけですが、ただいまの話では、長期ならあり得るけれども、短期ならあり得ない。三カ月は短期ですか長期ですかと聞いたら、三カ月は長期とは言われません。こうおっしゃるから、私の資料では、三カ月間で借りておりますから、あり得べからざるものを短期で毎月々々十数億の金を借りておったと、こういうことになるわけです。そこでこれ以上の問題は、もう衆議院でもやられておりますし、時間も経過いたしましたので、私はこれで質問を打ち切りますが、委員長にもお願いいたしたいと思いますのは、私が短時間聞いただけでも、決算委員としては十分調査する必要もあると思いますし、先ほどの理事会でもおきめ下さいましたので、現場の調査を特にお願いいたしまして、私の質問はこれで終ります。
  56. 相澤重明

    相澤重明君 関連して。ちょっと小林財政部長にお尋ねしたいのですが、先ほどのあなたの阿具根委員に対する答弁の中で、いわゆる信用組合から住宅協会に融資をした。それから福岡、西日本の各相互銀行に預託をされておる。第一相互についてはどうなっているかという点については、どうもはっきりした答弁があなたはなかったように思うのですが、このことは、第一相互にはあなたの方では調査をする意思はなかったのか、それとも、そういうものは関係以外の問題である、こういう考えで御答弁されたのか、その点をお尋ねしておきたいと思います。
  57. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 第一相互のことは、お話の通り私も申し上げておりません。これはわれわれといたしましては、県の交付金がどういう形で県から預託されているかという事実は調べておりますが、信用組合自体の経理内容等につきましては、当時調査官も資料その他もありませんし、調べてもおりませんし、これは刑事事件にもなっておりますから、そこには立ち入っておりません。われわれとしても調べる権限もございませんので、特に調べるということは、われわれの方でも考えておりません。これは信用組合自体の問題として考えるべき問題だと心得ております。
  58. 相澤重明

    相澤重明君 私のさらにお聞きしたいのは、刑事事件になっているから、そういう問題については調べる必要は認めない。一応ごもっとものような感じはするんですが、国費というものが地方自治体に交付されている、あるいは預託されている。こういう場合に、その国費というものがどういうふうに使われているかということについては、自治庁としても当然深い関心を持たなければならぬと思うのです。そういう場合に、先ほどあなたの言われたことでは、そういう点については今事件になっているからということでありますが、先ほどの井本刑事局長の言われた答弁をみますというと、福岡第一相互銀行の問題についてはやはり、リベートとして一千万円の問題が出されているということになると、検察庁の方ではすでにそういう関連をもって調査をされている。しかし、これは検察庁と地方自治庁とは違うのだから、おれの方ではそういうことは幾ら税金であろうと何であろうと知らぬと、そういう考え方でいるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  59. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) われわれの考えておりますことは、県の金が信用組合に預託されたかされぬか、その預託されたものが県に戻っておるか戻っておらぬか、かりに預託されているとするならば、預託の趣旨通り使われているかどうかということは、私は当然自治庁として調べなくちゃならぬと思います。しかしながら、信用組合の全体の経理、運用がどうなっているかということは、信用組合自体に対する監督その他の問題として、これは別途それぞれ調べるべき問題でございまして、自治庁といたしましては、そこまで立ち入って調べるのはむしろ行き過ぎであろうと、こういうふうに考えております。
  60. 相澤重明

    相澤重明君 どうもそういうところがわれわれにはちょっと納得ができない。それは幾らあなた方の方が数を頼みとして、いわゆる自民党の上に政府としてあぐらをかいているといっても、それは絶対に納得できない。ということはなぜかというと、そういうところに根源があるわけなんです。私の方では、税金を政府から地方自治庁を通じていわゆる地方の自治団体に何億の金を貸した、その金を県が信用組合に幾ら今度は貸した、そこまでは一応国費としての交付の条件として調べることはできるけれども、あとはどうなったってそれは野となれ山となれ、私の方の知ったこっちゃない、こういうところにやはりいつも問題が出てくるんです。これは当決算委員会各省の問題を調べたときに、いつでも出てくるのはそこなんです。そういうことはほんとうの、政府が国民に対する義務を怠っているんじゃないか、国民に対するほんとうの考え方というものを持ってあなた方は真剣に取り組んでおらぬから、税金というものを甘く出し入れしているからこういうことになるのだと思う。なるほど会計検査法上の問題とか、あるいは自治庁の交付金の出し方とかいう扱い方をただ単に形式的に考えれば、そういう答弁でも私はいいと思う。しかしこれだけの大きな問題になったときに、問題がここに出されているときに、いや、そういうことは私の方では知りませんといって、いわゆる鼻をくくって、そうして国民の前に答弁されて、それで済みますか。そういうところがやはり、あなたが多数の上にあぐらをかいた、政府の権力というものを利用しているのだ、こういうことに私はなろうかと思う。いま少しやはり国民に対する答弁として、私はこの決算委員会においても答弁をしてもらいたい。だからもっと具体的に言うならば、私の方としてはそういう立場であるけれども、たとえば県の場合にはどういうふうにその後調査を進めているとか、あるいはまた、その関係の金融機関というものはどういうふうにやっているとかというくらいの親切気があって私はいいと思うのだ。それもなくて、ただ鼻をこすって答弁を形式的に終って、決算委員会なんて何でもないというような顔をされたのではもってのほかだと私は思うのです。そういう点どうなんですか。
  61. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは自治庁の立場を一つ御了承願いたいのでございますが、われわれは県の公金の保管管理というものにつきましては、これは県自体がまず全責任を持っておりますが、自治庁といたしましても当然所管をしておるのでございますから、調べるだけは調べなくちゃならぬと思います。しかしながら、県の金が信用組合にいった、これは信用組合でなしに、かりに金庫銀行を例にとってもいいのですが、金庫銀行に十億の金が入っておった。それならばその金庫銀行がその金融活動で何をやったか、あるいは県の職員が関与しておって犯罪が行われたか知れませんが、そこらの点は私は自治庁として関与すべき筋合いでないと思うのでございます。その金庫銀行自体の仕事のやり方がいいか悪いかという問題と、それからそこに個人的な犯罪がどう行われたか、こういう問題でございまして、これはまさしく自治庁の問題じゃないのでございまして、自治庁はそういうところに立ち入って調ぶべき筋合いじゃないだろうと私は思うのでございます。ほんとうに金庫との関係が適正に行われておるかどうか、それによって県に何らかの損失とか責任がかかってくるようなことがあるかないか、これだけは徹底的に追及しなければならぬのでございまして、そこのところが自治庁としては責任を持ってわかるだけのことはこれはやらざるを得ません。またやります。やって、自治庁としてし得る仕事があれば、これは主として制度の問題でございますが、自治庁としてやらなくちゃならぬ問題は、当然に私は考えなければならぬと思うのでございます。そこのととろを、けじめのあるところを一つ御了承を願いたいのでございます。
  62. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちょっと今の御答弁に関連して伺いますが、預託された金の経理運営の面については、自治庁としては責任がある、もちろんそうだと思うのですが、今度の事件を通して、預託された金の経理運営の面で制度上にどういう欠陥があるというような自治庁としての結論が出されたものか、一応ここで見解を承わっておきたいと思います。
  63. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) われわれとして本件につきましては、信用組合に預託がある目的で行われたが、目的通りには使われておらない、これは私は事実だと思います。だから目的通りに行われてないような預託をやることはこれは適当じゃないということは、私はその通りだと思います。そこで、自治庁といたしましては、それならば何ができるかといえば、預託制度というものは現在地方自治法の施行令できまっております。それが制度上欠陥があるのかないのか、あるいは運用上の問題なのか、そういう問題が実はあるわけでございまして、これはいろんな議論が実はございますが、その議論にそれぞれ理屈はありますが、それぞれ短所もあるのでございまして、全体的に全国の制度をどうするかということになれば、全国の実情も調べて考えなくちゃいかぬというので、今、全府県の公金の預託状況だけでなしに、全市町村も調べて、これは何らか措置すべき問題があるかないかということを検討いたしたい、そういう意味の調査中でございます。
  64. 高田なほ子

    高田なほ子君 今調査中ですか。
  65. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) そうです。
  66. 高田なほ子

    高田なほ子君 調査中の中で、知事の決裁だけで自由に使われるという——出納長から知事の決裁だけで自由に預託金が行使されるという、いわゆる地方議会の議決というものを抜きにしたその決裁方法等については、相当自治庁としても御研究になられつつあるのではないかと思いますが、こういう点についてはどうですか。
  67. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) お尋ねの点は研究の問題点の一つでございます。要するに、現在の建前は、現金の出納、保管が、法制上はこれは出納長の絶対権限になっておるのでございます。知事は全然権限を持っておりません。これは出納長という特別の地位をわざわざ作りまして、責任をわざわざ負わして、そういう制度をとっておるわけです。そうではありますが、実際の運用では——出納長が勝手に建前上やれるのでありますが、他の金融機関に預託することは、県政全般の大きな問題でもあるので、運用上知事に協議をする、こういう扱いにいたしております。この扱いは、自治庁といたしましても、そういう趣旨の通牒を出しまして、そして知事とも相談してやれということは申しておりまして、その通り各団体がやっておるはずでございます。  そこで、さらにその場合に、議会の議決を全部経るべきか、経るべからざるかということでございますが、団体によっては私は経ておるところもあるいはあるんじゃないかと思います。初めから予算にはっきり預託金として運用しておるところもこれはございます。福岡県のある一部の金はそうして運用しております。これは一年間を通ずる預託でございます。ある程度預託として長い期間でございます。そうでなしに、盆暮とか何とかのほんとうの短期の預託になってきますというと、一々議会の承認ということもいかがかというので、今は執行部局の責任でやっておるのだろうと思うのでございまして、そういう場合に手続以上に何かもっと考えるべき点があるんじゃないか、あるいは今のままでいいのか、そういう点につきましては、今仰せになりましたような点も含めて検討をいたしたいと存じておるのでございます。
  68. 高田なほ子

    高田なほ子君 いたしたいというのですか、いたしつつあるのですか。これは私は非常に重要な問題として質問をしているので、ただおもしろ半分に聞いているわけじゃない。
  69. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) われわれといたしましても、これは重要な問題であるだけに、あらゆる場面を想定して、遺憾のないようにしたいと思います。そういう意味で、大体現在は県の資料はおおむね集まっておりますが、これは県だけの問題じゃない、全市町村の問題でございますので、市町村の実情も調べて、きめるとすれば全国一斉の方針になってしまいますから、これはわれわれといたしましても慎重にやるべきものと心得ております。そう  いう意味で今資料を集めておる段階でございます。
  70. 高田なほ子

    高田なほ子君 この際、私は自治庁に強く要望したいのですが、この問題だけではなく、関東近県においても他の部面においてこの預託金の行使の問題については相当の醜聞の私はいろいろ資料も集めております。従いまして、この預託金制度の運営の問題については、全購連問題その他もあるでしょうが、はなはだこれは重要な問題でありますから、どうか自治庁としては早急に資料を集められて、しかるべくこういうような事件が繰り返されないような緊急な態度、重要な態度で強い方針を打ち出されるように、私は要望してやまないわけであります。
  71. 松岡平市

    松岡平市君 小林君にちょっとお聞きしますが、先ほどからの各委員からの質疑応答の間に、たとえば、この次県が別な信用組合等に金を預託しないようにしろ、こういうような要望があったわけです。大体自治庁は、地方公共団体において、現在の段階で、お前のところの金を信用組合に預託するようなことは一切しちゃいかぬというふうな権能が自治庁におありかどうか、それをはっきりしてもらいたい。
  72. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 自治庁にはそういうことを指示、命令する権限は全然ございません。
  73. 松岡平市

    松岡平市君 私は、たとえば現在の預託というようなことも、あなたが今預託をどういうふうに直さなければならぬかというようなことは研究中だと言われるが、しかしこれは、あなたの方の研究だけで預託制度を変えるというようなことは、私は不可能だと考える。その点はどうですか。
  74. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは、現在の預託制度をとりましたのも、国会の各方面のいろいろな御要望もあってできたのでございまして、この制度を変えるということになれば、相当各方面のあらゆる問題を考えてやらなくちゃならぬのでございまして、それは片一方ということになれば、もう一つの金庫銀行以外には預けぬということにすれば問題ないのでございますが、こうするというと、かえって角をためて牛を殺すということもありまして、これはきわめて広範なものを考えて慎重に結論を出すべきものだと考えておるのであります。
  75. 松岡平市

    松岡平市君 私はちょっとお聞きしたい。先ほどの阿具根委員に関連してですが、自治庁の見解では、六月になれば第一相互銀行から金は返ってくる、こういうような話があって、県は別段の損失をこうむらない、こういうようなお話であった。それについては阿具根委員との間に再三の質疑応答が重ねられたのだが、結局するところ、第一相互銀行が福岡並びに西日本両相互銀行でしたか、それに返す財源がなければならぬと思う。第一相互銀行は問題を起しておる銀行であって、そういう金を返す財源が今日においては大体見込みがつくかつかぬか、幸いに銀行局の検査部長が来ておられるようだが、銀行局の監督下にある第一相互銀行が、今日建て直りつつあると思うのですが、六月ごろ八千万円かの金を返し得るような状況にあるかどうかということを一つお聞きしたい。
  76. 福田久男

    説明員(福田久男君) お答えいたします。第一相互銀行が、ただいまお話のように、西日本相互から四千万、福岡相互から三千万——七千万の三カ月定期を受け入れておるのであります。この定期預金を受け入れました事情は、端的に申しまして、第一相互銀行の資金繰りの関係からきているというふうに私どもは見ております。第一相互銀行は、三十一年の二月及び六月の検査の結果、非常に内容が悪いということがわかりまして、建て直しの計画を立てまして、各地の相互銀行並びに富士銀行から、合計二十億円の援助資金を借りることになりまして、再建に着々、一歩丸々進んでおるわけでございます。現在その二十億の中で四億か五億くらいまだ使っておらないのでございます。従いまして、この福岡県庁信用組合からの預り金を返しますためには、今の四億なり五億なりの金に手をつけるか、さもなければほかの方法で資金を調達するかというところに、経営の責任者はそういう立場に立ったわけです。そこで、なるたけその借り入れ余力の方は手をつけまいということで、西日本相互と福岡相互から、先ほど申しました合計七千万円の預金を受け入れたのであります。従いまして、八千万円返すために七千万円の預金を受け入れたこと、その点ははっきり断定的に申し上げてよかろうかと思います。資金繰りの状況から申し上げて、そう申し上げ得ると思います。そこで第一相互は払おうと思えば払えるわけでありますけれども、なるたけ資金繰りを有利な状態に置いておきたいというわけで、両相互銀行との間におきましては、三カ月の期限が参りますごとに七千万円のうち千五百万円ずつを減らしていくと、で一年たちますとそれがゼロになるわけでありますが、そういうことでだんだん三カ月ごとに減らしていこうという関係相互銀行間の約束になっておるということでございます。  他方、西日本相互と福岡相互は、先ほど自治庁からもお話がありましたように、日本の相互銀行の中でも非常に有力な相互銀行でありまして、御参考までに申し上げますと、西日本相互は本年の二月末におきまして資金量は二百八十億に上る大きな相互銀行であります。福岡相互銀行も百億をこえております。なお支払い準備といたしましても相当大きな金額を持っておりまして、たとえば他の金融機関に対する預け金が、西日本で申しますと十四億、金銭信託が十二億、コール・ローンが十七億、合計いたしますと四十億をこえる流動的な支払い準備金を持っております。そのほかに有価証券を入れますと、かなりの金額になるのであります。同時に福岡相互につきましても預け金が七億、コール・ローン一億、金銭信託五千万、合せますと八億をこえる流動的な形の余裕金を持っております。こういうように健全な姿で運営されておりますし、余裕金もかなり持っておるりっぱな相互銀行と申し上げていいと思うのであります。この両相互銀行から、先ほど申し上げたような預け金を、第一相互に資金的な援助の意味も加味いたしまして七千万円預金しておる。ところで福岡県から西日本が五千万、福岡相互が四千万の預託金を受けておるわけでありますが、この預託金は、その両相互銀行の責任者から聞いたところによりますと、三カ月で返すということで、はっきり三カ月たてば全額返すことになっておるそうであります。従いまして、もしも、まあ問題はたらい回しの感で、少し余談になりますが、ぐるぐると回したのかどうかという点になりますと、先ほど申しましたように、第一相互が県庁信用組合からの預かり金を返すために、両相互銀行から七千万円の預金を受けた。この点ははっきり私資金繰りから言えると思いますが、一方、西日本なり福岡相互銀行は県から預託がなかったら第一相互に預託ができなかったかということになりますと、今申しましたように、資金繰りからは、預託を受けなくても第一相互に預金ができる状態にあるということははっきり言えると思います。で、一方、両相互銀行の責任ある重役から説明を求めたわけであります。これは余裕金の一部を第一相互に預金したのであって、それとは関係はありませんということを説明いたしております。  それから同時に、先ほど申しました預金の最終的な支払いの期日の問題でありますが、県から預かりました預金は三カ月で返す。第一相互の方は千五百万ずつ三カ月ごとに減らしていく、その期限も必ずしも一致しておりません。従って形から見ますと、期日等の点から見ますと、いかにも何だかこう関連があるように見る見方も成り立ち得ると私思いますけれども、そういう関係相互銀行の説明、あるいは資金繰りの状況等から考えまして、両者の間に必ず関係があるのだと、はっきり断定するにはちょっと私も自信がないという実情でございます。従いまして、結論的にはそういうふうにたらい回しということは確信をもって申し上げることはできませんけれども、期日等の関係で誤解を招くような結果になるようなことがあったことについて、公けの信用ある金融機関としてとった措置としてはどうも穏当でないのじゃないかということで、十分今後気をつけるように、そういう誤解を世間から招くことのないようにというふうに、責任ある役員に対しまして注意を促しておいたようなわけであります。従いまして、県から受け入れました預託金については、西日本相互及び福岡相互が債務者でありますので、この預金が返るということについては、これは確信をもって疑問の余地はないというふうに申し上げていいと思います。  なお、ついででございますので、ちょっとつけ加えさしていただきますが、第一相互銀行も、先ほど申しましたように二十億円の援助資金がそれぞれの関係金融機関から出されることになっておるわけでありますが、現在十五億ばかりその中で使っておりますが、あと数億そういうふうに余力を持っております。で、いろいろ昨年の秋手入れ等がありましたために、一時新期契約等の募集において支障を生じたこともありますけれども、その後、漸次信用も回復いたしまして、三月期の決算におきましては、わずかながら黒字を出すという決算状況になって参っております。で、現在の新しく入りました経営陣も、これで再建の見通しがついたと申しますか、再建についての自信を持って仕事をしておるような状況でございます。何分にもああいった大きな問題が起りましたことにつきましては、監督の立場にある私どもといたしまして、非常に遺憾に思うのでありますが、幸いにいたしまして相互銀行業界、あるいは富士銀行等の御協力によりまして再建がこういうふうに軌道に乗って参ったということについては、まあせめてもの喜びだというふうに考えております。
  77. 松岡平市

    松岡平市君 大へんいろいろなことを詳しく調べておられるようだから、この点もおわかりだと思うのですが、問題になっておるからお調べになっただろうと思うのだが、新聞紙で私たちが承知しておるのは、問題になった一億円の金を、第一相互に資金を何人かの仲介で導入した。そうしてリベートとして一千万円の金を県の副知事がもらったと、こういうふうに言われておるのだが、第一相互をあなたの方でお調べになったところでは、その一千万円の金というものは、第一相互はいかなる形で支出しておるか。第三者に対する預金であるとか、貸付金であるとか、何か帳簿上、一千万円のリベートというものはどういう形で処理しておるのか。あなた方が相互銀行を検査された結果、どういうふうになっておるか。そこを一つお知らせ願いたい。
  78. 福田久男

    説明員(福田久男君) お答えいたします。この一億円の預金は、県庁信用組合からの通知預金になっております。で、この通知預金に対しまして、これをあっせんした人が——検査の当時の御説明でございまして、その後のことについてはもちろん詳しくわからない点もありますが、検査当時の状況から御説明しますと、向井某という人が一億円の預金をあっせんしてくれた。そのあっせんしてくれた向井某に対しまして一千万円の貸付けがなされておるわけであります。そこで、この一千万円の貸付金の資金の使途という問題になるわけでありますが、通常の金融機関の場合でありますと、資金の使途というものは、貸し出しの調査書類、あるいは関係者の説明等によりまして、こういうふうに割合にまとまった大きな金額でありますと、検査官にも関係書類なりあるいは関係者の説明によりましてよくわかるわけであります。当行の場合は、問題になりそうな貸付金につきましては、たとえば新聞にも出ておりましたスチール工業とか、そういうような問題になる貸付金につきましては、資金の使途がわからないわけです。で、端的に申しますと、一片の借入申込書によりまして、たとえば運転資金と書いてあるだけでありまして、資金の使途その他がはっきりつかめない。関係者の説明も得られないというようなことで、この一千万の資金がどういうふうに使われたかということは、検査官としても詳細承知するだけの資料なり説明なりは得られなかったというのが実情でございます。で、従いまして、この一千万円の貸付金は、あくまで貸金として考えておるようでありまして、公正証書に、検査当時なっておらなかったのでありますが、公正証書にするということで、その手続を進めておるという段階であったわけであります。で、その後公正証書にはっきりなっておるようでありますが、従いまして、これはあくまで貸付金だというふうに検査官は考えて帰っておりますし、債権の保全についても不十分でもありますし、今後の管理、回収については十分注意するようにという指示をして帰っておるのであります。
  79. 松岡平市

    松岡平市君 ちょっと最後のところ……。向井某という第一相互銀行から一千万金を借りた人間は、まあ今言うのに、貸し付けた使途については不明だが、向井某という者はその一千万の債務を弁済し得る能力があるような者であるかどうか。これはあなたの方では当然にはわからないのだが、問題になっておるからいろいろとお調べになったと思うのだが、そういう能力がある者ですか、ない者ですか。
  80. 福田久男

    説明員(福田久男君) 検査当時におきましては、三十一年六月に第二回の検査、第一回は二月にやったのですが、それを補充する意味におきまして、重ねて再検査的な検査を六月にやったわけであります。その六月検査の際に、二カ月ほど前の四月に帳簿上は貸付がなされております。従って検査当時は、貸付としてはまだ割に新しい貸付でありますので、今後、十分回収なり何なりについては最善の努力を払うようにというふうに指示をいたしておったのでありますが、現在までのところ、まだ回収はなされておらないようでございます。で、督促はしたという話でございますが、まだ回収するに至っておらないのであります。今後どうかという点につきましては、ちょっと私も判断というか、軽々に委員会で御答弁するのも差し控えたいと思うので御了承を願いたいと思います。
  81. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記をとめ  て。    〔速記中止
  82. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記を始めて。  本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめて、あらためて次の機会にやりたいと思いますが、御異議ござ  いませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ではさよう決定いたします。   —————————————
  84. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 次に、太田川の河川改修工事に伴う補償金に関する質疑をいたします。  ただいま出席の方は、南條建設大臣、山本河川局長、美馬河川局次長の諸君であります。まず、提出資料につきまして政府の説明を求めます。
  85. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) お手元に差し上げてございます資料につきまして御説明申し上げます。  まず、資料の目次でございますが、第一番目といたしまして、漁獲金額の内訳についての資料がございます。第二番目は、委任状の写しがございます。第三番目といたしまして、委員会の経費の内訳書、第四番目が、預金利息調書がございます。これについて御説明申し上げます。  第一番目は、漁獲金額の内訳でございます。漁獲金額は、昭和二十八年当時におきまする平均一カ年の漁獲数量にその当時の魚価を乗じまして算出したものでありまして、漁獲数量と魚価の認定につきましては、水産行政庁である広島県の水産課の意見、これは昭和二十九年の三月十八日に意見が出て参りまして、それに基いて行なったものでありまして、その概要は次の通りであります。  第一番目はカキでございますが、これにつきましては、漁場のうちで標準と認められる簡易垂下という漁法がございますが、それにつきまして実地調査を行なった結果、一反当りのカキを養殖いたします棚の数が平均いたしまして一二・六五ということでございまして、一つの棚には平均カキが四十四連が垂下されているということでございましたので、反当り五百五十六連程度と認定いたしたのでございます。そういたしまして、一連当りの生産量は、むき身にいたしまして八百匁でありますので、反当り生産量は四百四十四貫であり、坪当りにいたしますると一貫五百匁、こういうことが出て参りました。そうして、この坪当り生産量は一番良好な漁場の場合でございますので、これに各漁場の底質とかあるいは深さ等を勘案いたしまして、それぞれの地点の坪当り数量を認定いたしまして、これに漁業行使面積を乗じまして、その数量を三十八万五十貫と一年間の生産量を認定したわけでございます。そうして当時の魚価で、一貫目三百五十円をかけまして、一億三千三百一万七千五百円と算定いたしたわけでございます。これにつきましては、当時の中国新聞等で発表されました昭和二十八年中におきまする広島県全般のカキの生産量に照らしてみましても相当確実なものであり、また、昭和二十五年の新漁業法への制度切りかえに当りまして、免許料の算定基礎といたしまして認定されました当該地区の生産数量に徴しましても、その妥当性が裏づけされているのであります。第二番目は、ノリでございますが、ノリの漁業のやり方といたしましては、女竹、もう宗竹、浮ひびというような養殖の方法がございます。これを実地調査並びに既往の検査の資料に基きまして、その漁獲高を次の通り算定いたしました。(イ)といたしまして、女竹の方法によるものでございます。これは平均二坪に一本の割合でひびが立てられておりまして、一本当りの生産量が、昭和二十五年まで県が実施いたしました出荷検査の結果に徴しまして、一番ノリから四番ノリまで各二十枚程度とれる、これを合算いたしまして、一年間の生産量を八十枚と認定いたしまして、これに本数を乗じまして、一年間に百万枚の生産があるというふうな数量を得られたわけでございます。  次が(ロ)といたしまして、もう宗竹の方法によるものでございまして、これは平均四坪に一本の割合でひびが立てられておりまして、女竹に比べまして、収穫が若干多くありまして、既往検査の結果に徴しまして、一本当り百枚と認定いたしまして、これに本数を乗じて三十五万枚の数量を得たわけでございます。  次は(ハ)といたしまして、浮ひびの漁法によるものでございまして、該当の漁場に浮ひびが二百十四台ありまして、一台の大きさは六十尺に七尺のものでありまして、水産試験場の養殖の実績に照らしますると、一台当り二千五百枚ということになりまして、全部で五十三万五千枚の数量が得られたわけでございます。  以上によりまして、ノリにつきましては、女竹による百万枚と、もう宗竹による三十五万枚と、浮ひびの五十三万五千枚を合せまして、計百八十八万五千枚といたしまして、当時の魚価一枚当り六円と計算いたしまして、千百三十一万円と算定いたしたわけでございます。  次は三番目といたしまして、アサリでございますが、これにつきましては、実地調査を行なった結果、一坪当りの生産量は二貫目が相当のものであるということを認定いたしました。また種とり場のものにつきましては、実入りが悪いのでございまして、約一貫二百目というふうに認定いたしました。で、これらの漁業の行使面積を乗じまして、年間の生産量を五十五万五千余貫といたしまして、当時の魚価一貫当り四十円で、小貝があるのでございますが、川の部分に相当する部分につきましては貝が小さいのでございまして、その部分につきましては魚価一貫当り二十円といたしまして、これを積算いたしますると、年間生産額が千八百二十四万三千二百円と相なったわけでございます。  次の四番目といたしまして、一般漁撈の関係でございますが、これにつきましては、関係漁業組合の提出いたしました資料と、新漁業法への制度切りかえ、昭和二十五年でございますが、に当りまして、免許料の算定の基礎となりました数量を勘案いたしまして、次の通り算定したのでございます。  まず、共同漁業の第一種につきましては、当該漁業によりまする収獲高の内訳は別記の(1)というのがございますが、(1)の魚種別の金額表に示す通りでありまして、その金額は千四百八十三万四千八百五十円と相なりました。次は(ロ)の共同漁業第二、第三種及び漁獲届出漁業でございますが、この収獲高は別記(2)の漁法別金額表の示す通りでありまして、その全体の数量は三万六千七百貫余でありますが、これにそれぞれ漁法ごとの単価を乗じまして、一千六百六十九万一千四百七十円の金額を得たわけでございます。以上によりまして、一般漁撈の分が、(イ)及び(ロ)を合せまして、三千百五十二万六千三百二十円と相なったわけでございます。  次は五番目でありまして、これは全部の年間の漁獲高でございますが、一のカキ、二番目のノリ、三のアサリ、それから四番目の一般漁撈の各収獲量による年間の金額を換算いたしまして、一億九千四百九万七千二十円の年平均の漁獲金額が得られたわけでございます。別記(1)というのは、先ほど御説明申し上げました一般漁撈の共同漁業の第一種についての資料でございます。(2)は第二種及び許可、届出漁業の分でございます。  次は委任状でございます。委任状は、第一番目は、漁業組合長の委任状でございまして、このひな形に出ておりまするのは、広島市の漁業協同組合の組合長が竹本四万一氏に委任をいたしました委任状の写しでございまして、こういうふうな同文の委任状が、十五ページに書いてありますように、この漁業組合の組合長あるいは代理者から、ここに書かれてあります年月日におきまして委任状が提出されております。それから次は、漁業者の委任状でございまして、これは草津の川崎福一という人から、竹本四万一氏に対しまして委任した委任状の写しでございまして、そういうふうな委任状を、川崎氏以下出岡清外三百二十二名の記名がある委任状が提出されております。
  86. 松岡平市

    松岡平市君 ちょっと今の説明わからないのだが、川崎福一という人の委任状の写しがこれであって、あとは皆別々に同じものがあるのか、今の説明はそういうふうにも聞えるのだが、これでは全部連記してあるようなことになるが、どっちだかわからない。
  87. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) この名前の川崎福一氏のあとに連記してございます。  次は委員会の経費の内訳表でございます。これは竹本四万一氏から提出されてきましたので、委員会経費の内訳表をここに提出いたしたわけでございまして、総計が七百五十七万八千二百二十六円に相なっております。  次は預金の利息の調書でございまして、これは三十二年三月十二日現在でございまして、預金利息が九百五十七万八百六十円ということに相成っておりまして、各銀行ごとのあるいは信用組合ごとの利息が掲示してございます。  以上、簡単でございますが、資料の御説明を終ります。
  88. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 以上で資料についての説明は終りました。せっかく建設大臣がお見えになったから、時間もあまりございませんが、御質疑のある方は簡単に願います。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  89. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記をつけて。  本件につきましては、今回はこの程度にとどめておきたいと思いますが、いかがでございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 三浦義男

    委員長三浦義男君) では、さよう決定いたします。  以上をもって本日の審議を終了いたしました。  速記をとめて下さい。    〔速記中止
  91. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記をつけて。  次回は、五月十七日金曜日の予定でありましたが、会期末の現状から申しましてとりやめることを適当と認めますので、さよう御了承を願います。  ではこれをもって委員会を散会いたします。    午後六時十三分散会