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1957-02-28 第26回国会 参議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年二月二十八日(木曜日)午 後二時六分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三浦 義男君    理事            大谷 贇雄君            中野 文門君            西岡 ハル君            久保  等君            奥 むめお君    委員            大谷藤之助君            後藤 義隆君            松岡 平市君            吉江 勝保君            荒木正三郎君            島   清君            高田なほ子君            杉山 昌作君            岩間 正男君   政府委員     郵政政務次官 伊東 岩男君      郵政省電気      通信監理官 松田 英一君   事務局側       常任委員       会専門員 池田 修藏君   説明員    会計検査院事務    総局第五局長  上村 照昌君      日本電信電      話公社総裁 梶井  剛君     日本電信電話     公社総裁  靱   勉君     日本電信電話     公社業務局長 吉澤 武雄君     日本電信電話     公社施設局長 米澤  滋君     日本電信電話     公社経理局長 秋草 篤二君     日本電信電話     公社建築局長 中田 亮吉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会の運営に関する件 ○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第二十五回国会継続) ○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第二十五回国会継続) ○昭和二十九年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出)(第二十五回  国会継続) ○昭和二十九年度政府関係機関決算書  (内閣提出)(第二十五回国会継続)     —————————————
  2. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ただいまから第十二回決算委員会を開会いたします。  本日の理事会において申し合せました事項について御報告申し上げます。  第一は、日程に関する件でありますが、その主要な日程の変更は次の通りでございます。  従来の日程のうちで、審議が残っておりますものは、厚生省、建設省、国鉄、民衆駅、政府関係機関でございますが、それをそれぞれ別紙、日程表通りきめました。従って三十年度決算審議は、この前の日程表のときには、二十五日から始めるということでございましたが、その日が不幸にして流れてしまいましたので、いろいろやり繰りしてみましたが、どうしても三月十二日以降に審議することよりほか日程が組めませんので、そういうふうにいたしました。  それから第二は、視察の件でございますが、これは、かねてお話がございました池袋民衆駅の視察でございます。日時は三月の二日土曜日午前十時にいたすことにしたいと思って理事会ではそうきめたのでございます。それから集合場所は、本院の正面玄関に集合する。  それから第三は、日本銀行の経理状況に関する件でありますが、本件のうち、日銀の宿舎問題に関して審議することについて、調査事件の一部として取り扱うこと、それから参考人として当局者出席を求めること、これをきめました。  第四は、三月五日火曜の懇談ということに書いてございますが、これはこの日の懇談というのは、三月八日に予定しております二十九年度決算総括質疑方法を打ち合せること、で、この日は、八日の日のこの総括質疑が、いろいろな問題が多岐にわたっては困りますので、質疑をする件名、それから簡単な内容と、出席要求大臣を御通告願えれば非常にけっこうであります。そういうふうにきめました。  それから次は、二十九年度審査報告書作成についてでありますが、決算の議決に当って、警告決議を出すか出さないか、出す場合にはどの省に、どの政府機関に出すかということを協議する。それから審査報告書内容として、問題点を発表し合って、それを打ち合わせるということでございます。  第五は、政府関係機関等役職員出席要求に関する件でありますが、これは二十四国会でも、また二十五国会でも決定したことでございますが、今後は二十九年度決算、三十年度決算及び調査事件のために、参考人として政府関係機関及び会計検査院法に基いて会計検査院検査の権限を有する機関役職員出席を求むる必要がある場合には、随時委員長から出席を求むることとして、あらかじめその扱いを委員長に御一任を願いたいということも、先ほど理事会決定をみたわけでございます。従いまして、先ほど第三項で申し上げました日銀参考人出席要求についても、この決定に基いて、委員長に御一任を願いたいということにお諮りをして、理事会としては御決定をいただいたわけでございますが、以上、御報告申し上げた理事会の申し合せ通り決定することに御異議ございませんでしょうか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ではさよう決定いたします。     —————————————
  4. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ではこれから  昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。きょうは日本電信電話公社の部を審議いたします。検査報告書批難事項は、第二千二百二十四号から第二千二百四十二号まででございます。本件に関し御出席の方は、会計検査院上村第五局長郵政省松田監理官電電公社梶井総裁靱副総裁辻畑監査局長秋草経理局長米澤施設局長和気資材局長吉澤業務局長の諸君であります。  まず、検査院から説明をお願いいたします。
  5. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 御説明いたします。三百六十七ページのところに予算経理ということで書いてございますが、これは二十九年度中に、公務員人員整理に伴いまして、同じような措置公社においてとられたわけでございますが、その場合に、人員整理によりまして退職しました職員優遇措置として、実際上は仕事をするわけではございませんが、臨時嘱託ということにしておかれまして、臨時嘱託手当ということで四億四千万円余り管理共通費等から出しておられるわけでございます。これにつきまして、かようなことは制度的に必ずしも明確になっておりませんので、果してこれが職員であるか、職員でないかといういろいろな考え方はございますが、公務員に準じた取扱いでおやりになったといろ考え方から見た場合に、これを給与総額でまかなうということにいたしますと、給与総額相当オーバーするという結果になるということが書いてあるのでございまして、特に批難という意味で記載したわけではございません。  次は建設工事のことでございますが、建設工事進捗状況が記載してありますほかは、あとで御説明いたします個別の事項に記載してありますので、そのところで御説明いたします。  次は資材調達管理及び運用でございますが、二十九年度におきます貯蔵品回転率は必ずしも良好というわけではございません。しかしその後におきまして、回転率相当向上いたし、年度末の貯蔵品も、従いまして在庫量相当減少するというふうに好転してきておる次第でございます。  なお物品調達時期と工事施行上の所要時期とのずれを調整するために、物品を納入させないで共同倉庫株式会社に保管させたものがありまして、それに対する保管料を三千百万円ぐらい払っておられるわけでございますが、この点につきましては、計画を綿密にして、できるだけ保管料節約をはかることが適当ではないか、かように考えているわけでございますが、この点につきましても、その後公社において相当是正措置が講じられている状況でございます。  次は、個別事項について御説明いたします。記載してありますのは、工事に関するものが十二件、物件に関しますものが六件、不正行為が一件、合計十九件となっております。  まず、工事計画施行が適当でなかったものでございますが、十件ございます。  最初、二千二百二十四号でありますが、これは青山分局を二万端子局とするなどのため、一億三千七百余万円で青山電話局増設工事施行したものでございますが、本件工事着工当時、青山分局端子数が一万で、収容加入者に申込積滞を加えても五千六百名程度でありました状況でありますから、現局舎相当の余裕がある状況でありますから、取り急いで施行する必要はなかったのではないか、かように考えます。  二千二百二十五号は、横浜中央電話局鶴見分局既設充放電用二十キロワット電動発動機二台を取り除きまして、新たに予備一台を加えて、四十キロワット三台を設置したものでございますが、充放電用といたしましては、二台を交互に使用して所要の電流を十分まかなえるものであります。予備の一台は約百九十万円になるのでありますが、不必要であったと考えるのであります。  二千二百二十六号は、館林電報電話局が狭いということと、交換方式磁石式から共電式に改め、終局の加入者を二千名と見込み、延五百三十三坪の鉄筋コンクリート三階建の局舎を新築されたのでありますが、公社局舎設置基準によりますと、公社が当初認証されている約三百八十七坪の局舎で十分でありまして、これによらない大きなものを作られたため、約千二百万円が過大施設となっているものであります。  二千二百二十七号は、中継線または市外ケーブルを収容する目的で、管路二十条を敷設したものでありますが、うち十条については、既設の幹線からケーブルを移設する目的で敷設されたものでありまして、既設の十条については移設しなければならない特別の事情もないのでありますから、二十条でなく、その十条だけを敷設すれば十分でありまして、そういたしますれば十条分約四千六百万円を節約できたものと考えられます。  二千二百二十八号は、千代田分局電力設備増設工事でありまして、設備容量を二十八年三月の電力日誌基礎として工事をなされたものでありますが、工事着工三ヵ月前の二十八年十一月の記録によりますれば、設備容量は少くて済むことが判明したのに、古い資料によって工事施行されたために、電動発電機百六十キロワット一台、約千百七十万円が過大施設となったものであります。  次は、二千二百二十九号から二千二百三十二号の四件でありまして、温湿度調整装置の問題であります。岐阜電話局名古屋中央電話局東分局及び同南分局には、この施設の大きさを決定する基礎数値過大に見積ったため、合計約九百七十万円が過大施設をしたこととなっております。また大阪北三宮、浜町の各分局につきましては、この施設自動交換機器の保護を目的とするものでありますのに、交換機器のないすべての部屋まで設備せられたのでありますが、これをやめることにいたしますれば、合計約五千七十万円が節約できたものと考えます。  二千二百三十三号は、勝山極超短波無線中継所新設工事のうち、道路工事についてでありますが、請負人が設計通り工事しないで、結局出来高が約二百万円不足しておるのに、請負金全額を払ったものでありまして、その不足額請負人からその後返納になっております。  次に、「工事契約にあたり一番札を排除して、二番札と契約したもの」であります。これは四国電気通信局富岡電報電話局新築その他工事を、公正協議により契約するに当りまして、一番札の清水建設を排除し、百四十万円高い二番札の大林組と契約したもので、これは公正協議の際、一番札の清水建設工事費算出明細書即時提出ができなかったので、契約の厳正を期するため排除したもので、一応の理由も考えられますが、一番札も広く信用もあるものでありまして、二番札との差が百四十万円もあるものでありますから、多少協議の時間は延ばしても、経費節減をはかる配慮が必要ではなかったかと考えるのであります。  二千二百三十五号は、局舎建設費決定の問題でありまして、三宮電話局建設当りまして、公社予算不足を補うため、二十八年五月公共建物株式会社と協定を結びまして、同会社資金局舎会社一般事務室との総合ビルディング工事施行させまして、この建物のうち、公社建設費は約数年間に会社に支払うこととしたものであります。公社支払額は、工事費四億二千五百余万円で、その管理費二千三百余万円及び二十八年十月から二十九年の十月までの間に、会社公社の保証によりまして金融機関から借り入れました四億二千万円の二十九年十二月十五日までの金利決定して、二十九年度中に九千五百万円余りが支払われたものであります。しかし金利負担について考えてみますと、借入金四億二千万円は、会社におきまして何回にも借り入れておりますが、この借入金と、会社が実際工事費に支払った金額を、公社の分と会社の分に分けて対照して考えてみますと、借入金の一部が会社支払い分支払い資金に回っておる結果となっているものであります。従いまして、借入金金利全額公社負担とすることは不合理と考えられる次第でありまして、今、実情に応じまして負担することといたしますれば、公社としては約四百万円の負担軽減ができるのではないかと思うのであります。  次は物件で、価格決定の問題であります。二千二百三十六号は、A型度数計を一個当り千三百六十六円または千三百四十九円で買っておられますが、販売価格下請価格を調査した結果、大体一個当り千百八十一円ぐらいのものでありまして、総額で約四千万円が高価であると考えられます。  二千二百三十七号は、五億六千余万円の鋳鉄直営購入でありますが、これも十分原価計算がなされていなかったため、私の方で調査いたしました結果、総額で約四千万円ぐらいが高価となっておると考えられるものであります。  二千二百三十八号は、四号型電話機購入につきまして、その荷作り梱包が、実際は木箱を使用していないものでありますのに、木箱を使用しておるということで予定価格を積算された点があったり、あるいは運賃を過大に積算せられたようなために約二千万円が不経済になっておると考えられるものであります。  二千二百三十九号は、各種端子函購入するに当りまして、二千二百三十八号と同様に実情に即しない荷作り梱包費予定価格に積算いたしましたため、約七百十万円が高価となっておると考えられます。  次は二千二百四十号の小型電話番号簿購入でありますが、この購入当りまして、印刷原版写真植字によることとしたのでありますが、印刷の基本となります保存原版が、プルーフ原版でありますが、使用し得る状況にありましたものでありますから、これを利用することといたしますれば、約四百万円が節約し得たものと考えられます。  次は二千二百四十一号でありますが、搬送端局装置購入する際に、仕様書改訂のため、購入の必要がなくなった三号A型電話機盤百二十九個と付属して購入せられたために、約三百六十万円が不経済となっておるものであります。  次は二千二百四十二号の不正行為でありますが、特に御説明することはございません。  なお、電電公社検査につきまして、二十九年度には相当検査報告案件が載っておるわけでありますが、その後検査しておる感じその他から申しますと、公社におきまして熱心に経理改善に努められまして、検査院の方でいろいろの示唆をしますと、できるだけすみやかに改善するというような方法をとっておられるので、非常にこの点、検査する面からいいましてけっこうなことだというふうに考えておるわけでございます。なお、それかといいまして、全然その後不当の事項がなくなるといったわけではございませんが、相当電電公社の方々が熱心にやっておられて、不当経理をなくするというような努力に対しては敬意を表しておるわけでありますが、なお一そう努力を望んでおる次第でございます。
  6. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 次に電電公社からの説明をお願いいたします。
  7. 梶井剛

    説明員梶井剛君) 昭和二十九年度決算につきまして一言御説明を申し上げたいと存じます。  説明書にも書いてあります通り昭和二十九年度は異常なデフレ経済に際会しましたが、当公社におきましては、予定収入に対し減収の形勢が察知されましたので、種々の増収対策経費節約強化措置を講ずるなど、各部門が真剣な努力を傾注しました結果、前年度に比べてかなりの利益を上げることができた次第でございます。  しかしながら今後の見通しを大ざっぱに申し上げますと、財産除却費減価償却費などが、施設の取りかえや増加に伴って増大して参りますし、また、電信電話債券利子支払いも増加してきますので、現在程度利益率の維持についてはかなり懸念もありますが、今後も収支差額改善には一そうの努力をする所存でございます。  建設工事は、電信電話拡充五ヵ年計画の第二年度として、各部門の総力をあげて工事計画の達成に努めました結果、検査院よりも進捗率は良好であるとのおほめの言葉をいただいておる次第でございます。  しかしながら、何分工事量が膨大で、かつ、多種多様にわたっておりまする関係上、検査報告指摘されましたような事例も発生した次第でありまして、この点、はなはだ遺憾に存じておる次第であります。  指摘されました事項は、実質的な内容の問題と手続の問題に分けられると存じます。実質的な内容の問題といたしましては、さらに過大とか、必要性、時期等の問題に分けることができると存じます。一、過大の問題としましては、二千二  百二十六号の館林電報電話局舎、二  千二百二十九号から二千二百三十一  号までの温湿度調整装置などの件で  あります。二、必要性の問題としましては、二千  二百二十五号の鶴見分局電動発動  機、二千二百二十八号の千代田分局  の電動発電機、二千二百三十二号の  全館温湿度調整などの件でありま  す。三、また、おもに時期に関する問題と  しましては、二千二百二十四号の青  山分局局舎増築、二千二百二十七  号の横浜市内地下管路の件などで  あります。四、手続の問題としましては、契約の  締結、履行に関するものでありまし  て、二千二百三十三号の勝山中継所  の道路工事、二千二百三十四号の富  岡電報電話局入札などの件であり  ます。このような御指摘を受けまし  たことはまことに申しわけないこと  と存ずるのでありまして、特に二千  二百三十号及び二千二百三十一号の  名古屋東分局及び南分局温湿度調  整装置過大、二千二百三十三号の  勝山中継所道路検査の不適正など  につきましては、担当者の不注意に  よるものでありまして、全く御指摘  の通りであります。五、しかしながら、工事関係で御指摘  を受けました十二件のうちにも、公社としまして、当時相当慎重に検討して決定したものではありますが、遺憾ながら御指摘を受けるような結果となったものもございます。たと  えぱ、二千二百三十四号の富岡電報  電話局入札などの件であります。  次に資材調達管理及び運用についてでありますが、貯蔵品在庫量の減少、整理品事業品の活用については前年度より努力を傾注いたしました結果、検査院よりもお認めにあずかりましたことは、検査報告書に記載されておりまする通りでございます。  しかしながら、通信資材購入価格につきましては、御指摘をいろいろと受けている次第でありまして、まことに遺憾とするところであります。  この通信資材と申しますのは、電線類にいたしましても、一・六ミリの銅線より二千四百対のケーブルまでございますし、機械類にいたしましても、小は交換機のランプのような部品より、大はディーゼル・エンジンなどに至るもので、何分、多種多様で、三万点余の種類にわたっておりまして、適正な価格の把握には努めて参ったのでございますが、今後は特に毎年度多額購入する物品につきましては、原価構成要素を一そう十分に検討いたしまして、改善をはかる所存でございます。  実は公社といたしましても、資材問題につきましては量的な問題が一応合理化されましたので、今後価格に重点を置くべく、三十年八月より資材局原価調査課を設けまして、もっぱら調査改善に当らせておる次第でございます。  指摘されました事項はほとんど価格の問題でありまして、ただいま御説明申し上げましたことによりまして、御了承をお願いいたす次第でございます。  なお、必要性の問題といたしまして、二千二百四十一号の電話機盤購入の件がございますが、これは部門間の連絡が不十分によるものでありまして、まことに遺憾であります。  最後に不正行為についてでありますが、このような事故職員の中より起きましたことはまことに申しわけございません。  御指摘を受けました八件のうち、内部監査自治監査等内部牽制組織により発見いたしましたものは五件、外部よりの申告または注意によりまして発見いたしましたものは三件であります。  このように、内部牽制組織の活動によりまして事故を発見し、以後の発展を食いとめたものもかなりありますので、今後は内部監査監察等をますます強化いたしまして、このような事故の絶滅を期する次第でございます。また、本件の当事者はもちろん、監督者も厳重に処分いたしますとともに、鋭意損害の回収に努めておる次第でございます。  はなはだ簡単でございますが、概略を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
  8. 三浦義男

    委員長三浦義男君) なお補足説明があればお願いいたします。——ありませんようですから、以上をもって説明は終りました。御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
  9. 久保等

    久保等君 二十九年度だいぶ指摘事項が多いのですが、最初総括の、指摘事項ではないのですが、概括的な会計検査院指摘をせられております問題についでちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、三百六十八ページの半ばごろにある電報中継機械化についての問題ですが、二十九年度末で、二十九年度実施する電報中継機械化の問題で、非常に進捗予定よりもおくれたということで、それに対して今後大いに努力する必要があるというように会計検査院指摘をされておるのですが、これは実は若干決算事項の問題としては問題が横へ発展して参るかと思うのですが、電電公社で今やっておられます電報中継機械化の問題は、非常にいろいろ問題が内包されておると思うのです。最近はさらに加えて特に電話局自動化といった問題等によりまして、非常に人員配置の問題、あるいは実質的な首切りといったような問題が出てきておるようでありまして、おそらく、この検査報告内容の中に指摘されておりませんけれども、やはり人員の問題が非常に機械化工事そのものと相伴わなかったところに、予定よりも非常におくれた原因があったんじゃないかと推測されるんですが、私、特に今、電電公社が当面しておりまする問題は、電報の場合においては機械化中継、それから電話の場合には自動化の問題、これが非常に年間数百億の建設費を便ってやっておりまする問題であるだけに、単に一、二の特殊な例じゃなくて、全国的に問題が非常に多いわけでありますし、またそのことによって、非常に全従業員にとっても大きな不安といいますか、一体将来落ちつく先はどうなるかというようなことで問題にしているようでありますが、こういったような点について、今後電電公社としていわゆるオートメーション化という問題に対して、どう人員配置等の問題についての配慮を行われているか、特に私、最近聞いた話でありまするが、九州における最近出ております八幡、門司、折尾、こういったところの中継、この場合は電話自動化でありますが、それに伴って約五百名程度人員配置転換、ないしはそのうち約二百五十名くらいの首切りを実質的に行わなければならぬというような事態があることも聞いているんですが、こういう問題に対してどういうふうに対処しておられるのか、この点お伺いをしておきたいと思うんです。と申しまするのは、ここに指摘せられている問題が、この文面に書かれておりまするように、単に三行程度で済まされる問題じゃなくて、非常に今後も、また現在も大きな問題になっておりまするだけに、そういう点についての十分な対策というものが立てられない限り、やはり当初の予定が、常に年度末に至って十分な進捗を示さないという結果になって参ると存じますし、非常に重要な問題になって参りますので、公社当局の方での見通し、また対策等をお伺いしたいのであります。
  10. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答え申し上げます。二十九年度におきまする電報中継機械化は、ここに御指摘通り、かなり私ども五ヵ年計画を立ててその後の経過を見ましても、予定よりおくれております。来年度、すなわち三十二年度をもちまして五ヵ年計画を完了するわけでございますが、この間に二十七局全国で中継機械化するという計画を二十八年に立てておりますが、ただいままでの実績を見ましても、十二局あるいは十五局程度ということになっております。  そこで、今、久保委員の御質問は、電気通信につきまして非常に自動化機械化の問題がだんだんと大幅になっていくと、これに対して当然要員の問題が出てくるが、これに対して公社としてはどういう考えを持っているかという御質問でございますが、これは申し上げるまでもなく、電気通信といたしましては、機械化自動化ということが、利用者の方に便宜を考えますと同時に、また経営上からも、進歩した技術を採用していくということが、すべての経費を安くするということで、どうも電気通信におきましては、それが本質的のものであるということは、これはどなたも疑わないところであると存じます。ただ、どうしてもその結果、人というものがそうよけい要らなくなってくる、これは当然の帰結なのでありますが、私どもこの五ヵ年計画を遂行するに当りましては、必ずしもこの要員の問題について、それほど重大化するとは考えていなかったのであります。と申しますのは、この五ヵ年間に二千七百億余りの投資をいたしまして、電話の増設、すべて電気通信施設の設備というものを非常に増大する。従いまして人手も要するということで、年々増員は必至の状況にあったのであります。ただ、それは全体論でございまして、部分的に申しますれば、何もこれは最近起った問題でなく、戦前においても問題はありましたが、手動の電話、あるいは人を用いまして電報中継したのが、機械化ということになりますれば、当然その人が要らなくなる。特に女子の方たちの問題は、ある地域におきまして要らなくなりますと、これを他の地域に転用するということが簡単にできない。また電話の交換事務をやっておった人たちを機械、その他女子をもってもできるような仕事に転換するということも、場所的に、また仕事の量から見てもなかなか困難である。過去におきましては女子の職員はあるいは三年、あるいは戦前におきましても七年くらいの勤続率でありましたが、最近におきましては十年くらいの勤続率になってきている。これは確かに私どもは大きな問題と思っているのでありまして、目下、三十三年度以降の第二次の五ヵ年計画、これはかなり第一次五ヵ年計画で需要に応じた施設をいたしておりますが、まだとうてい国民の需要に応じ得ないというような情勢でありますので、さらに第二次、第三次——第五次の五ヵ年計画も作っていかなければならぬ情勢にありますが、その際、久保委員のただいま御指摘のように、これらの要員というものについて適切な措置ができるように、長期計画のもとにこれを考えていかなければならぬということで、目下いろいろな面から検討いたしております。現在までに行なっておりますのは、やはり男子の職員等におきましては、再訓練をいたしまして、他の職種に転用していく。それから比較的男子の人は身分あるいは住居の移転も自由でありますので、宿舎等の設備等をもちまして、他の不足している面の方に転勤をしてもらう、まあ配置転換と申しますか、職種転換、配置転換を実行していく、その間、女子の方におきましては、先ほど申したようななかなか困難な問題もございますが、電気通信のサービスとしましては、なお女子の人の新たな仕事というものもできるだけ考えて、それが結局利用者の方にも便利になり、公社の経営にも支障ない、こういう点をにらみ合せてやっておるのでございますが、これは私ども率直に申し上げまして、全般的に完全にできるというような簡単な問題ではないと思っておりまするので、今後十分その点についてはさらに検討を加えていかなければならぬ、こういうような考えに立っております。現在までにおきまして無理に強制的に退職をしてもらうというような事例はほとんどなかった、こういうふうに考えております。
  11. 久保等

    久保等君 まあ最初総括的なところですから、あまり突っ込んだ質問をすることも避けたいと思いますが、ただ、今の問題は、繰り返して申し上げるようになりますが、ぜひ一つ五ヵ年計画を作る場合、またさらに五ヵ年計画そのものの一年ごとの実施計画、これを具体的に立てられる場合には、どうしてもこの機械化という施設関係、設備関係、これらの計画をある程度見通しをつけてやられますが、従来からおりまする現在人員に対する問題をどう処理して参るかということについては、どうも結果から見ると、その面に対する対策が立てられないままに局舎が建てられ、また機械化されて、工事がどんどん進捗していくということになって、いざ何月ごろに開通しなければならぬ、あるいは開局しなければならぬという事態に立ち至って、非常にトラブルなり、どうもいろいろと開局あるいは開通が予定よりもおくれるという結果に従来においてもままなっておるわけでありますし、二十九年度においても、電報関係の問題がここにも指摘されておるのですが、特に最近、顕著に電話局関係の問題が出て参っておるようでありまして、私はそういう人員の要員対策という問題、それがこまかく一人々々の身の振り方、対策というものがはっきりしなければ着工もできないということで、これまた非常に支障があろうと思うのですが、しかし少くとも大まかな大体の人の問題についての見通しが立たなければ、これはどうも実際工事を始めていってみたところで、現実に開局をすることはできないという事態にもなって参るでありましょうし、ぜひその点については十分一つ見通しと対策を立てられ、また立てられる過程においては、当然その現場におけるあるいは出先におけるまあ従業員等との話し合いも十分にしていただいて、スムーズに当初の予定が遂行されるというような配慮を、これは十二分に一つお願いをしたいと思うのです。  先ほどちょっと一例としてあげた北九州の問題については、まあ私個人の考え方からしますならば、ぜひ一つその次年度の建設計画については、それに関係した人員の対策というようなものは、やはり工事計画と同じような形で事前に大体大まかな見通しはつけられるというような方法で対策を立てられていく必要があるのじゃないか。たとえばどんどん既定事実として工事関係だけは進めていく、その過程において人員問題を取り上げていくということでは、結果的にどうしても人員問題があとに残るというまあ結果になっているのだろうと思います。また現実に対象の人員にならない従業員そのものにとっても非常に労働不安というか、落ちついて仕事もできないというような結果になって、おのずからここに能率の低下ということにもなって参るでありましょうし、ぜひ一つ人の問題というものを、機械が近代化されていく、あるいはまたオートメーション化されていくということは、電通事業にとってはある程度これはまた宿命的な事情にも置かれていると思うのですが、しかしぜひ一つそういう機械設備等と同時に、あるいはむしろそれ以上に従業員という問題をどうするかということを念頭に置いて、計画をお立て願う必要があるのじゃないかというふうに考えておりますし、まあその点について一つ格段の御努力と御配慮を願いたいと思うのです。これは要望になりますが、その点、特に一つお願いを申し上げておきたいと思うのです。  それから次に、不当事項の中へ入って参りまして、この青山電話局の増築工事の問題が二千二百二十四号のところで指摘せられているのですが、これはまあ確かにこの文面に書かれておりますところを見ると、非常に不急局舎を増築したということでまあ不経済になっておるということが指摘されているわけなんですが、これはすでに一、二年、この当時から経過していると思うのですが、その後これをどういう形で活用してきているのか、現状についておわかりの範囲内で御説明を一つ願いたいと思います。
  12. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいまの御質問についてお答え申し上げます。  現在の使用状況につきましては、現在温湿度調整機械室を地下に設けまして、一階には試験室と倉庫、それから二階、三階、四階には自動機械室を置くというような使用計画を立てまして、これに対しまして現在使用いたしておりますのは、地階は温調機械室を置いております。それから一階には事務室、倉庫、それから二階、三階、四階には職員の休憩室とかあるいは事務室を用意しておるのでありますが、今後の使用計画といたしまして、この一階の試験室には主配線盤を置き、地下ケーブルをここへ引き上げるようにいたしております。それから四階の機械室は、三十二年度におきまして旧局からタンデムの中継機をそこに移送するように考えております。それから三十三年度からは二階、三階に加入者を収容するというふうに考えております。全般といたしまして、最近好景気を反映いたしまして需要の増加が非常に多いので、最初は、この当時は相当あきになっていると思っておりましたが、割合に早い機会にこれらのものが使われるという状態に変っております。
  13. 久保等

    久保等君 この青山分局は二万端子の電話局にするという計画で新局舎を作ったようですが、この指摘されておりまする当時は加入者三千九百五名、それから積滞が一千六百二十八ということで、申し込み積滞を全部解消いたしましても、これで五千五百名程度だと思うのですが、二万端子局という点から見ますとギャップが非常に大きいわけなんですが、この収容加入者数が今日どの程度になっているのか、御説明願いたい。
  14. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 現在の旧局の状況を申し上げますと、設備端子数が八千八百でありまして、加入限度が八千五百六十三、これは全部入れるわけにいきませんので、やはり多少余裕をとっておきまして、いわゆるトラフィク上の余裕が必要なもので八千五百六十三ということになっております。三十一年度にはそれを八百端子だけ端子増設をいたしまして、それから三十二年度にはなお千二百と、それから三十三年度には千四百端子、加入端子を増すということになっております。  それからなお先ほど申しましたようにタンデム局になりまして、他の分局との間に通話をはかすために必要な装置を移送しなければならないので、そのために旧局から中継機その他の移送を三十二年度にやりたいというふうになっております。
  15. 久保等

    久保等君 それから二千二百二十六号のところですが、館林の電報電話局の問題ですが、これに関連してちょっとお尋ねしたいと思うのですが、電報電話局局舎の建築基準というようなものが、ここで指摘されておりますのは、三百八十七坪ということですが、どういう具体的な根拠に基いて積算をした数字かよく知りませんが、この当時とそれから今日と比較をして考えてみた場合の建築といいますか、局舎、ここでいう局舎基準というものに変更がなされているのかどうか、その変更はふえているのか減っているのか、その経緯を実はお聞きしたいと思います。というのは、私も地方へときどき参ってよく聞かされることなんですが、非常に局舎が一応せっかく新らしくりっぱにできたものの非常に狭いというような点、非常に不満なり不平をよく聞かされるのですが、やはり建築基準なんかにどうも最近——これはまあ特に最近聞く話なんですが、無理があるのではないかという印象を持つのですが、これは果して館林局の指摘された当時の建築基準とは一体どういう関係になっているのか、この点お聞きしたい。
  16. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいまの御質問につきましてお答え申し上げます。館林局を作りました場合には、当初本社といたしましては、共電式の局を予定いたしまして、そして中間期の収容を考えて坪数を認証いたしました。ところがこれは大へん遺憾なことであったのでありますが、その共電式というのを将来これは自動にするかもしれないということを考えまして、自動局の坪数でそれをはじきましていったわけでございまして、過大となった部分が出た次第であります。現在におきましては、この館林局の状態というよりも、作った局舎基準を変更いたしまして、たとえば終局期十五年といったような際に必要な坪数よりも、将来増築できるならば、それをたとえば八年間で切るといったような方法等によりまして、合理的にするようにいたしております。
  17. 久保等

    久保等君 機械室等の建築基準といいますか、そういったようなものよりも、むしろ私がお伺いしたいのは、それに関係した付属室、もちろん事務室あるいはまた試験室といったようなところも入るでありましょうが、そういったところの、そこの職場の人員数に対する坪数、そういったものが、この当時と合日との間でどういう変化を見ておるか、そういった点を一つ端的に御説明願いたいと思うのですがね。
  18. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 事務室につきましては、一般的にいいまして、機械室として十五年で作った場合に、そこに人が入る余地があるといたしますと、その十五年分の機械室を仕切りまして、そこに事務室を作るというふうな方法を現にとっております。それからまた従来そこに旧局がありまして、新しい局を作るというような場合には、新局の方を機械室にして、そうして旧局の方にいろいろな事務関係に必要な部屋をとるということにいたしております。なお、基準といたしましては、一人当りのスペースそのものについては、そのもの自身としてそう変化をいたしておりません。ただ、階段であるとか、その他いわゆる人が住まない空スペース等につきましては、むしろできるだけ節減するという方法をとっております。
  19. 久保等

    久保等君 それからその次の二千二百二十七号のところなんですが、これどうもちょっとよくわからないのですが、もう少し詳しく御説明を願いたいと思うのですが、もちろん、管路過大設備となったということなんでしょうが、神奈川県での電車の軌道計画そのものがあまり具体的にはっきりしておらない、軌道の移設計画があまりはっきりしておらないという状態の中で、それを予想して敷設したので、過大敷設となったという御指摘だろうと思うのですが、ここのところをもう少しわかりやすく御説明を願いたいと思うのですがね。三百七十三ページの後段の方ですが、どうですか。
  20. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいまの横浜の神奈川局と、それから港局の間の地下管路の問題でありますが、これは全体の長さが約三千八百メーター近くあるに対しまして、問題の区間が千三百メーターであります。この千三百メーターの中でここへまあ電車が移転するかどうかというととが問題になりまして、当時横浜市とそれから電信電話公社の間でいろいろ打ち合せ会を持ったのでありますが、市の方ではその計画がはっきりしないうちにこの管路の敷設に着手いたしまして、そうして現在あき管路ができている、こういった工合になっております。
  21. 久保等

    久保等君 その市電の軌道移設計画というものは、現在でも全然ないんですか、それとも時期が不明だという程度なんですか、どの程度なんですか。
  22. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 打ち合せいたしましたときは、大体やるという話を聞いておったのでありますが、その後は予算が削減されたりいたしまして、まだはっきりしていないというふうに聞いております。
  23. 久保等

    久保等君 それから二千二百二十九号から二千二百三十二号に至る問題は、温湿度調整装置過大設計設備についての指摘事項になっておるのですが、この温湿度調整装置をつける場合の基礎になるいろいろ要素があると思うのですが、それはここで指摘されておりまするように、自動交換機器端子数だとか、電燈数だとか、そういったようなものを積算の根拠にしておるようですが、これはあくまでも機械室だけにこういうものをつけることを前提にしてそういった積算をしておるのか。私が現場等における状況から判断すると、ほとんど機械室その他交換室等で、それに若干の、一、二割くらいの事務室が付属しておるような場合には、そこらの事務室等についても若干の何かやはり温湿度といいますか、冬は暖房、それから夏は冷房といったような装置をやはりある程度つけていくことも、これはまあ直接機械そのものだけじゃなくて、従業員にもそういった点は多少考えていっても行き過ぎではないと判断せられるのですが、今のこういった温湿度調整装置というものの設置基準、そういったようなものはどういう方針でおやりになっておるのか、お伺いしたいと思うのですが。
  24. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいまの温湿度調整装置につきましては、機械室を特に主体にいたしまして、機械の湿度を調整するということと、それから同時にごみを吸収するという二つの要素を持っております。しかしながら、場所によりましては一時全館冷房をやったこともありますが、現在は特に、たとえば人がおるところで湿度が高いところ、あるいはまた外気の温度に対しまして特に温度が高いところ、たとえば場所でいいますれば高知のような非常に湿度が高かったり、あるいは温度が高かったりするようなところでは、人が住むところでもそこに温湿度調整装置をやるというふうにいたしております。一時は全館冷房ということもやりましたが、経費の節約その他で、特に冷房につきまして今申し上げた方法をとったのでありますが、一方暖房の方につきましては、人のおりますところ、全部含めまして暖房装置はつけるようにいたしております。
  25. 高田なほ子

    高田なほ子君 一、二点伺いたいのですが、この事業損益の面についてでございますが、電話事業は前年度に比べて逐次収入がふえておるけれども、なおかつ予定収入に比べると三十三億七千二百万円余の減収となっている、こういうふうに予定収入というものが一応あるけれども、大へんな金額の減収がここに明記されておるようでありますが、なぜこのような膨大な数字が減収という額になって現われてくるのか、その原因等についてお尋ねをしたい。
  26. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 私どのも電信電話事業は、過去におきまして、ほとんどこの予算に掲げました予定収入を下回るということは絶無とは申しませんが、なかったのであります。御案内のように、昭和二十九年は最近におけるきわめてまれなデフレ経済に逢着いたしまして、私どもの事業ばかりではなく、各産業においてもかなりこうした現象が起きたと思うのですが、非常に意外な減収に逢着したのであります。従いまして、この原因が直接私どもの事業活動の怠慢というようなものではなくて、大ざっぱに申せば、一般の産業界の不景気に原因したというよりほかはないと思います。従いまして、この間におきまして、これでも増収対策なり、あるいは収納率の向上を従業員諸君にお願いしまして、まあこの程度に持ちこたえたという次第でございます。
  27. 高田なほ子

    高田なほ子君 その原因は一般の不景気によることが、今明らかになったようでありますが、さらにそれと関連する問題だと思うのですが、減収であるにもかかわらず、設建改良費の投資額は二十七年度以降かなり大幅にふえてきているようでございます。二十七年度大体三百十一億、二十八年度は一躍六百六億、二十九年度から三十年度にかけては大体平均五百億をちょっとオーバーしているような数字に見受けることができるように思うのです。こういうふうに建設改良費の投資額がかなりふえてきておりますから、公社本来のサービス機関としての機能は、減収であるにかかわらず、発揮しなければならないもののように私どもは思うのですけれども、実際問題として、公衆電話の故障というのがかなり跡を断たない。公衆電話の故障が跡を断たないのについてはそれ相当の原因があるのではないかと思うのですが、一面、私は最近、日本のサービス機関の最もそのトップとして御賞讃申し上げたいのは、電話を店頭に出している公社のやり方です。あれはもう非常なサービス機関として最近のヒットだと思って、私も喜んでいるし、国民の皆さんも喜んでいるだろうと思う。それに比べてこの公衆電話の故障というものがなかなか直らないのですが、建設改良費の投資増に比べてボックス入りの公衆電話というものの故障と、それが直らないというのは、どういうところに原因があるのでしょうか、この際、一応お尋ねしておきたい。
  28. 吉澤武雄

    説明員吉澤武雄君) お答え申し上げます。今のお示しのように、赤電話は非常に数はふやしておりますが、街頭のボックス電話につきましては、やはり道路の整備その他、あるいは夜間のいろいろな監視の問題がございまして、盗難その他の関係もありますために、あまり数がふえないような状態でございます。そこで利用者にとりましては、夜間いつでも利用できるきわめて公衆的な電話のとの保守に当っては、十分注意いたしておるわけでございます。最近に至りまして公衆電話の機械につきまして改造をいたしたわけでございますが、と申しますのは、当初は一度通じまして、通話してから、向うの相手が出てから十円入れる、こういう方式でございます。それがやはり電話利用上から見ますと、非常に不便であるということから、最近には初めに十円入れまして、そうしてつながればそのまま接続しまして通話ができる。つながらぬというような場合は十円が戻ってくる、御案内の通りかと思います。その変え方につきまして、多少急ぎましたために、機械に十円入れましても、それが戻ってこない、それが途中でつまってしまう、こういうような機械の設計上の欠陥に基く障害が相当ございまして、それでございますがゆえに、さっそくそれをさらに改造をいたしまして、今日はその面の故障はほとんどなくなっているように思っております。  次の公衆電話の故障でありますが、これが何分にも一般の加入電話の何倍というように電話を利用します。ことに電話を利用される方が、きわめて乱雑に、乱暴に利用される方もあるのでございますから、どうも一般電話と違いまして、頻繁に利用することが多い、あるいはまた乱暴に扱うということから故障が起りやすいのであります。こういう点につきましては、実はほとんど毎日くらいに保守の巡回をいたしまして、故障があるかどうかということを積極的に見回りますが、なお故障があるかどうかというようなことで、局におきましても、毎日故障かどうかを点検いたすことによってそのような故障をなくすことを今努力いたしております。従って最近におきましては、だいぶ故障の率が減っております。なお、今後その点については努力いたしたい、こういうふうに考えております。
  29. 高田なほ子

    高田なほ子君 念のためにお尋ねしておきますが、故障の修理費とそれから電話料金とは、どういう率になっておりますか。修理費の方がかさむということは、よもやないでしょうね。
  30. 吉澤武雄

    説明員吉澤武雄君) こまかい計算は実は手元にございませんですが、公衆電話の利用が非常に多うございますから、修理費がそれに伴わないということはございません。やはり収入の多いものでございますから、ただいま申し上げましたように非常に一般の方にとって御利便なものですから、収入というものも当然多うございますとともに、修理にもう少し注意してやってもその点は差しつかえないというふうに考えております。
  31. 高田なほ子

    高田なほ子君 やはり相当神武景気のようですから、この際、総裁もお見えになっているのですから、サービス機関としての使命を十分果せるように……、毎日見回っておるような御答弁ですが、私は毎日通っても、三日も四日も直らぬというのを個々に発見しておりますが、そういうのを一つ十分に御留意の上に、せっかくのよい評判を落さないようにお願いを申し上げておきたいと思います。  それからもう一点お尋ねしておきたいのですが、不当事項の問題の中で二千二百二十八号の問題です。これは設計が実情に即さないことが着工前に判明しておった、これは着工前に判明しておった、ところがそれにもかかわらずに工事を進めていってしまった、こういうことで結果としては千百七十万円がこういうそごのために不経済になってしまった、こういう指摘がされております。わかっておるのに工事を実施したということ。それからこれも同じケースであります。問題が違いますけれども同じケースでありますが、二千二百三十四号であります。一番札と二番札との間に多額の格差がある。この格差を何とか正しい方向に持っていくために、時間の猶予をほしいということを要請したのに対し、こういうことを認めておるにもかかわらず、二番札の方に指名をしてしまった。こういうような二つの問題があります。前もってそういうような不当事項が起るというようなことがわかりながら、それを実施してしまうというのには、担当機関の連絡が悪いのか、担当機関の系統の無理があるのか、ここらの消息についてはなはだ私は了解に苦しむものです。二千二百二十八号の場合と二千二百三十四号の場合はケースは違いますけれども、似て非なるものがあるようですが、この間どういうふうなことでこうなったのか、こういうことを排除していくためには、現在どういうふうな運営がされているものか、この点の御説明をわずらわしたいと思います。
  32. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 最初の二千二百二十八号の千代田の電力設備の過大の問題につきまして御説明申し上げます。  これは御指摘のように確かに実施段階、あるいは計画段階におきまして連絡が悪かったということと、それからまた調査の不十分であったというために過大設備になった次第であります。しかしながら現在の状態におきましては、最近東京の近郊の自動即時とか、あるいは東京で特に和田倉の局を千代田局に移すといったような問題が起りましたので、この設計の当時五千アンペア用意いたしましたものが過大と言われましたが、中間期において五千アンペアになるといったことになっておりまして、着工時期が早過ぎたという点におきまして大へんまずかったのでありますが、結果的に見ますと、さほど不経済にはならなかったのであります。しかしながらこういったことを今後なくすために、こういうように特に大きな電力設備の設計等につきましては、電流値を詳細に数字の上で十分検討した上で実施するというふうにいたしております。たとえばその局が自動局であるか、あるいはまた将来市外関係の設備が入るか、あるいはまたそこに事務関係のたとえば電灯とかあるいは暖房、照明とか、そういったいろいろなことに必要な電力をあらかじめよく調べまして、それがまたたとえば八年先にどの程度設備がふえるかということを予測いたしまして、こういった過大設備がないように十分注意いたしております。
  33. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 高田委員のその次の御質問でございますが、四国の問題でございますが、二千二百三十四号であります。ただいま米澤施設局長説明された問題と関連をもったところの御説明はなかなかむずかしいように存じ上げるのでありますが、もう少し補足さしていただきまして、内容を明らかにさしていただければ、あるいは御了解できると思いますが、この四国の問題はこういうことでございます。この局舎を建てるにつきまして、業者に見積りを徴して入札をやった。ところが予定価格の一千八百万円に対しまして、清水組の一番札が一千三百余万円、非常に安い価格でございます。御案内のように、非常に不景気時代におきましては、業者が競ってダンピングを強行するということは、一般会計の局舎契約において随分悪い弊害があったように国会においても問題になったように記憶しております。その問題がこれであります。私どもには建築契約はオープン・ビッドで、公開入札をするのが原則でございます。しかしながらきわめて明らかにこれはダンピングでないかと思われるときには、会計規程に公正協議としまして、全員公開の席上で札を公開しまして、明らかにその内容をお互いに説明しあうことという特別な規程を設けてあります。これは公正協議というような特異な例であります。お互いにガラス張りの中で見積りの公開をするわけです。ところがこの清水組は遺憾なことに何ら計算をしていなかったわけであります。ただ概算だけのトータル額だけを出してきまして、内訳明細書の持参がないということであります。従って二番札、三番札はそうした金額全体の内訳をすっかり積んで用意しておった。そこでとの契約担当官の処置でありますが、これは検査院などには随分、私などは逆に反駁して苦情を呈した一人でございますが、判断の問題でございます。こういうやり方をやることは、見方によっては正しい会計管理のあり方でもある。また見方によりましては、まことに融通のきかない頭の判断の鈍いやり方で、もう少し融通をきかして、まあ清水組に数時間を許してこの安い値段の内訳を書かして、そうして皆の前で説明させるだけの余裕をもたしたならば、もっと安く建物ができたのではないか。相手も清水組という天下の大きな会社であるから、まあそうダンピングをやっても粗雑な工事をやらなかろうというのが検査院の御指摘のところでございます。  そこでこれは結論としますと、私どもはこうした契約に対しては非常に契約担当官というものは、非常に慎重に勉強しなければならぬという一つの課題を提供されたものとして、非常に反省する問題だと思って、今後これを大いに研究して、こういうことの場合には、十分一つ慎重にやろう、こういうようなこれからの態度に資したいと思っておる次第でございます。
  34. 高田なほ子

    高田なほ子君 大体事情がわかりましたが、こういう問題にはえてして収賄、買収といったような疑惑があるので、今お話のように公正協議というものが行われると思うのですが、この場合あれですか、公正協議というのは、数時間でも待たれないというような、そんな厳格なものなのでしょうか。なぜ私がこういうことをお尋ねするかというと、どうも私は検査院指摘が正しくて、今の駁論がどうも私どもの常識としては納得できない。そこでもう少し了解がいくように、数時間も待つことのできないほどの時間的な、そんな制限さえもあるものかということについては、ちょっと了解ができない。でありますから、公正協議なる制度については、大へんけっこうだと思うのですけれども、あまりしゃくし定木になり過ぎたような気もするのですけれども、もう少し検査院に駁論した調子で私に納得させて下さい。
  35. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 駁論しておるわけではないのでございまして、結局は検査院の御指摘の点は非常に私どもは参考にし、反省しておるわけです。しかしお言葉でございますが、私どもの契約にはそれぞれ入札条件というのがございます。みだりに来まして無責任な入札をして帰られるのは非常に困るわけであります。それで入札の権限だけとりまして、あとでそれで内訳はというと、あした持ってくるなんということは、これは絶対に許されない。これは、入札の条件に告示されているわけです。そのときには入札内容を持参すべしということは告示されているわけであります。これはどの官庁でもそうであります。それでないと、ただそのときに入札権だけとって、あとでいろいろな陳情とか政治的圧力とか何かで、ごたごたさせるということは非常に不適正な、入札を不明朗なものにする、これは見方によって私は融通がきかないと申しますか、契約は、入札というものは厳正にしなければいかぬ、これが一面あるわけです。ただその判断がなかなかむずかしいところでございまして、その会社が非常に評判の悪い会社ででもあれば、そこにまた契約担当官はそうした判断を下すべきだけれども、相手がここで書いてございますように清水組というような会社であれば、おそらく入札を完全に、最後まで履行してりっぱな建物を建てるだろう、これは検査院もおっしゃるのでありまして、もしこれをお言葉のように、先生のおっしゃったように、たとえどんな人が来ても、二、三時間待ってやればというようなことで、要するに内容を書いて来れば許してやるというようなことであるならば、非常に見ず知らずの者が来て入札をとってやった、ところが途中で工事が頓挫する、そういう例はかなりあるのであります。その点では契約担当官はまじめ過ぎたといえばまじめ過ぎたというような点もあろうかと思います。結論的には検査院を論駁している意味ではないのでありまして、非常に参考に供して、今後の契約担当官のやり方に参考になろうと思っております。
  36. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうすると、やはりこれは判断ということになって、なかなかむずかしいことですね。まあうまくいけば表彰状ものだし、まずくいけばこれは相当左遷ものだということで、なかなかむずかしいですが、どうもやっぱりはっきりしませんが、会計検査院の方で私がはっきりしないというところをはっきりさせるようにして説明してほしいと思います。
  37. 上村照昌

    説明員上村照昌君) あるいははっきりさせる説明ができぬかとも思いますが、ただいま経理局長がお話になっておる気持は私の方で全然わからぬわけじゃございません。というのは、厳正にやらなければならぬということは、これはもちろんよくわかるわけであります。そういう意味で厳正にやるということであれば、ある程度何といいますか、しゃくし定木になるということも、それはそういう面から見てやむを得ぬ場合もあろう、おそらくこういう御趣旨じゃないかと思うのでありますが、厳正、公平にやって、いろいろ規定そのものがあるというと、規定のワクをはみ出すということは、これはいかがかと思うのですが、そういう規定のある趣旨というものは告示なり、その他公金を経済的に有効に使うというような点が趣旨になっておるのじゃないかというふうに考えますので、こういうふうな具体的な事態からみた場合には、多少しゃくし定木でなくてお考えになった方がやはりいいのじゃないか、こういうふうに考えます。
  38. 岩間正男

    ○岩間正男君 関連して。私は今のお話を聞いておりまして、予定の単価の価格が高すぎたのじゃないのですか、一千八百万に見積っていたという最初の見積りが。しかもこれは二番札で落ちたのが一千五百三十五万ですね。予定単価との開きが二百六十五万。それで第一番札と二番札の差額の方は百四十一万ですね。こういう点で、利はこの公平厳正というようなことがありますけれども、自分自身の予定単価が厳正公平じゃなかったのじゃないか。非常にこの点把握の仕方が不十分なところがら、この問題が起った原因があるように思いますが、その点はどうですか。
  39. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) これは結果からみれば、非常な開きがございますから、私どもの予定価格が世間から見た価格よりも非常に高くなっております。ただ一四国の問題じゃなくて、非常にビルのすべての注文が減って参りますと、業者というものは相当値段を切ってかかって参ります。ちょうどこのときなどは、非常に不景気で、割合にこうした入札はそうないというときでありますので、これは担当官としては、ダンピングと認定して、公正協議にかけた契約の規定を適用する。こういう措置をとった。私どもの予定価格につきましては、ことに建築につきましてはそれぞれ積算の根拠があって、そう大きな狂いはなく、たまにやる工事ではないのでありまして、しょっちゅうこういう工事をやっておりますから、予定価格をそう世間でみるより甘いということは今までもないのですし、また検査院もその点は御承知していただけると思いますが、この点この場合だけこうした非常に開いた現象が出たという、いつもこういうことがあるわけではないのであります。
  40. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは業者を保護しているというようなふうに聞えるのですけれども、そういう点はいいとしまして、余り開きがありすぎるのじゃないですか。それからこれは二番札で落ちたのもダンピングだと、今のお話だとそういうことになりますね。
  41. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 二番札もダンピングであったか、これは別としまして、二番札には正確な内容を書いた内訳明細書を、それぞれ公式資料として積んであるわけです。ですからそうした思い付きの入札ではないという判定をしているのであります。
  42. 岩間正男

    ○岩間正男君 私はさっき指摘しましたようにこれは一番札と二番札の差額は百四十一万円ですね。それで予定単価と二番札の差額が二百六十五万ということになるのですね。そうすると、予定額があまりに実際から離れたのじゃないか。しかも二番札が今お話のようにダンピングでないということになりますと、ずいぶんそこの開きがあったと思うのですが、あるいはこの事件だけだというようなお話ですけれども、こういう点でやはり最初予定価格というやつが何か非常にずさんであったという点は認めておられるか、認めておられないか。これは検査院の方にもお聞きしたい。今局長さんからお話を聞きましたが、会計検査院としてはどう考えておられるか。
  43. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 予定価格がずさんであったかどうかという点でございますが、実際問題として予定価格と、これは電々公社の場合でなくて、相当開く場合がございますが、この場合に果してずさんであったかどうかというところまで十分検討はしておりませんが、おそらく大体の基準でおやりになっておるのではなかろうかというふうに考えております。
  44. 中田亮吉

    説明員(中田亮吉君) 予定価格の積算に当りましては、このときも現在におきましても非常に慎重にやっておりまして、この予定価格につきましては、毎年やはり検査院予定価格の算出根拠というものを御検査願うのでありまして、これについては予定価格が非常に大きかったというふうには考えておりません。やはり第二番札でありましても、ある程度のダンピングの余地があるものだと考えました。
  45. 高田なほ子

    高田なほ子君 もう一つお尋ねしておきたいんですが、さっきの二千二百二十八の先ほど御説明いただいた分、これの責任部局はどこですか——工事着工前に再調査を実施しなかったために、こういう不経済を起したという責任の部局というのはどこですか。
  46. 米澤滋

    説明員米澤滋君) これは公社施設局が責任をもっております。
  47. 高田なほ子

    高田なほ子君 こういう場合は、かなりこれは多額な不経済の額が上ってきておるわけですが、私どもに言わせると、大へんな責任だと思うんですが、施設局長はこの責任を負うだけでなくて、具体的にこういうことがないようにどういうような方法が講じられておるのかということについて、先ほど御説明がなかったんですが、御説明して下さい。
  48. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいまのこういった電流値の違いによりましてよけいな電力設備ができないようにするために、まずトラフィックと申しますか、通話の将来に対する予想をはっきりつかむことが必要であります。その次には、こういった局の電流をきめる要素が何であるかと申しますと、その局に置かれます自動の端子の数が現在は幾らである、それが何年先にはどのくらいふえていくという要素、それからまたその局に市内関係以外に、市外のいろいろな設備が入るか入らないか、こういう見通しをつけるわけでございます。それで電力設備を最も経済的に施設いたしましていくためには、その最初設備いたしました装置に該当する電力設備だけを設けたといたしますと、もうすぐその次の年、あるいはその二年先にはまた増設しなければならないということになりまして、非常に不経済になりますので、たとえばそういった要素から勘定いたしました電流値が八年先にはどうなるか、あるいは五年先にどうなるかという見通しをつけまして、その数をはっきりつかんだ上で設計にかかるということが大事なんでありまして、そういった将来の電流値の予測というものを把握するような方法をとって処置するようにいたしております。
  49. 高田なほ子

    高田なほ子君 大体二千二百二十七から二千二百三十二に当るまでは大体過大設備になったということについての指摘が多いようでありますが、ただいまの御説明は、事業の見通しというものを、発展する見通しというものの上に立っての過大設備もあり得るような御説明だったと思うし、私どもは常識的にそういう見通しのもとに、こういうことも起り得るという観点をとるのが正しいようにも思うのです。しかしそれにしては検査院が御指摘されたのでありますから、こういう電信電話事業というものの発展性から考えて、ある意味の過大設備は了としなければなりませんが、これにはやはり相当の限度というものがあるのではないか、ただやたらに基準のない過大設備をしていく、また計画のない過大設備であるということになれば、これは当然指摘は受けなければならぬと思うし、予測する場合の限界というものはどんなふうにおきめになっていらっしゃるんですか、その期間はどんなふうなんですか。
  50. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 設備を最も経済的に建設するためには、ただいま御指摘のように見通しが非常に必要なんでありまして、たとえば自動機械をきめる場合には五年先、十年先、十五年先という三段階に対しまして、ある地区の電話の需要数がどうなるかという一応の推計をいたします。この推計をするのを発達調査といっております。その発達調査をまずやりまして、そしてそれがまたちょうど局を建て始めますと、大体大きな局では一年半とか、小さい局なら一年でできるという、今から一年先の必要な需要をまずきめます。それからなおまたそのサービスが開始する一年先、二年先といったのをこまかにしまして、たとえば地下の管路等につきましては、これは一ぺん埋めてしまいますと、相当長期間にわたりましてほじくり返すことができない、そういったところでは、たとえば十五年先の要素を入れる、それからまた局内等はじき増設ができますので、そういったところは、サービスを開始するときに必要な量と、さらに一年先二年先の量を入れるというふうにやっております。電力設備等につきましては、これはやはりこ刻みにふやすことができませんので、たとえば八年先なら八年先といった量を推計いたしまして、それによってきめるようにいたしております。ただここに上っておりますこの地下管路などにいたしましても、そういった推計が正確にできなかった点で過大設備になったのでありまして、われわれといたしましてこういった過大施設が起らないように十分注意いたしております。
  51. 高田なほ子

    高田なほ子君 十分注意いたしておりますというのはどういうふうに注意しておるのですか。そういうのはちょっとうまくありませんよ。どういう計画を出されて、その計画については、やはり会計検査院にその計画を明示して、そしてこういうことを未然に防ぎ、不当だとか、不正だとかいうことなしに、スムースにいくような方法が私は講じられるべきが当り前だと思う、そうじゃありませんか。
  52. 米澤滋

    説明員米澤滋君) ただいま御指摘がありましたように、そのどういった、何年先にどうするかという基準につきましては、会計検査院にお見せをいたしておりまして、たとえば局舎基準についてはどうする、あるいは線路基準についてはどうするということは、毎年説明いたしております。
  53. 高田なほ子

    高田なほ子君 会計検査院の方にお聞きしたいのですが、そういう計画をごらんになっても、なおかつ過大だと言われるのですか。
  54. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 私の方で計画過大だというようなことを考えます場合に、どういう点を一応基準として考えるかという考え方を一つ申し上げたいと思うのですが、たとえば十五年先を目標にされて、大体これくらいのスペースの建物が要るということで、一つの建物をお建てになるということであるならば、これは別に私の方はそう文句を言う筋合いでもないと、こういうように思います。それがまあ段階を区分してできるような場合であれば、これは別ですが、まあ一応そういうふうに考えます。ところが将来、十五年先に大きいものが要るのだということで、土地はある、ところが建物は二つになるという場合に、一つでも間に合うのに二つ建てておくというようなことは、これは資金を効率的に使用するというような観点からも、多少年度をずらしてやる方がいいのじゃないかというような大体の考え方から、過大であるかどうかというような点をみて参っておるわけでございます。
  55. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、会計検査院の御主張は私はまことに正しいことでもあると思います。やはり公社の経営者としては、毎年々々相当の建設改良費の投資額もふえ、また一般の需要もふえておるわけでありますから、公社内の全般を引き締めていかなければならないように考えられますが、この点について総裁の意見を承わっておきたいと思います。
  56. 三浦義男

    委員長三浦義男君)速記をとめて。  〔速記中止〕
  57. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記をつけて。
  58. 梶井剛

    説明員梶井剛君) まことに、過大であるという問題につきましては、会計検査院から御指摘になりました通りでありまして、とかくものをやりますときに、どうしてもあやまちを少からしめようと思いますると、とかく過大になります。むしろわれわれは事業そのものにつきましては、これは国民のものであり、国民に対してわれわれはサービスするのであるから、国民へのサービスを満足のいくようにするためには、できるだけ経済的にやらなければならないということを常に申しておるわけであります。これは電々公社が官庁から公社に移りました関係上、過去における官庁の習慣がなお多少残っております。で、そういう意味におきまして、かような御指摘を受けるような過大なことが起ったのでありまするが、こういうことにつきましては、十分に反省し、また皆に注意いたしまして、現在におきましてはかなり、こういう過大な設計をしないように、漸次改善して参っております。ことに局舎のごときは、当初は、さっき会計検査院局長からお話がありました通りに、十五年先まで一挙に建ててしまうというようなやり方をやっておりました。これでは実際資金の稼働率が非常に悪くなりますから、ちょうど十五年の半ば、七年半、大体八年でございますが、それくらいな程度の規模に現在は局舎を建てております。そうして敷地をなるべくあけておきまして、そうして縦に高くして、横へ建築を伸ばし得るように、そういうような設計に最近はみな改まって参りました。漸次御指摘の点につきましては、われわれは十分注意しまして改善の道を講じつつあります。
  59. 岩間正男

    ○岩間正男君 私も二、三の点についてお伺いしたいんですが、それは現在この電々公社の持っておる施設の中で、米軍関係のものですね、米軍が施設しておるものは、全体の施設のこれは何%に当っているんですか。
  60. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 御案内のように私どものたくさんの電信電話施設の中で、特に駐留軍の専用に供しておる財産がございます。私どもは勘定科目で、特別に特別専用施設という勘定科目を設けておりますが、その金額は六十一億五千八百余万円ほどの額に上っております。そこで電信電話の固定資産の総額は四千七百九十六億ほどでございます。従いましてパーセンテージにいたしますと一・二、三パーセントになるかと思います。
  61. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の六十一億五千何がしというのは、これは固定資産で見てですか。今のお話で……。施設価格ですか。
  62. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) そうでございます。
  63. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは安全保障費による建設ですか。庁舎なんかの場合は……。
  64. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 安全保障諸費、前の終戦処理費によるものは、これは私どものただ工事を通るだけであって、うちの財産にはなっておりません。これは私どもの金でやった私どもの財産であります。公社の金で作ったものであります。
  65. 岩間正男

    ○岩間正男君 次に伺いますが、公社としての一年の、二十九年度を言ってもいいし、最近でもいいですが、一年間の総収入はどのくらいですか。
  66. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 一番新しい三十二年度の予算を申し上げましょう。一千四百七十三億になります。
  67. 岩間正男

    ○岩間正男君 このうちで米軍の関係の収入はどのくらいになりますか。
  68. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 年々歳々減っておるのでありますが、昨今は六十億をちょっと切るという程度でございます。一時は、昭和二十七年でございますが、八十億でありました。
  69. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、これはだんだん公社と切り離して、米軍関係のものは独立しておるのですか、そういうことなのですか。
  70. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 御質問の御趣旨がよく了解できませんが、この収入は一般のわれわれの市民からいただきます収入と同じように、普通のダイアルを回した電話料金と、駐留軍に特に専用線を借して専用料金というものをいただいておる。この二口があると大ざっぱに申すことができると思います。
  71. 岩間正男

    ○岩間正男君 この専用線の場合、どこを通じて支払いになるのですか。米軍が直接支払うのじゃないのでしょう。調達庁かどこかで支払うのじゃないのですか。
  72. 吉澤武雄

    説明員吉澤武雄君) 今の六十億なにがしと申しましたのには、電話の専用、あるいは加入者としての支払い、こういう通話利用に伴うもの、それから工事を受託いたしまして、その受託工事を含んだものと、こう思うのであります。そこで年々減って参りますというののおもなものは、最近ご存じのように駐留軍がだんだん撤退しております。人の関係がおもな原因で減ってくるのでございまして、従って今まで専用線をずいぶん持っておったわけです。それが撤退に伴いまして、あるいは縮小に伴いまして、従来の専用線を公社に返還する、こういうことと、もう一つは軍自体の必要のために自分で施設を持つ、こういうような原因もありますが、この方の原因よりもただいま申し上げた縮小に伴う収入の減、こういうものがおもな理由でございます。
  73. 岩間正男

    ○岩間正男君 勘定の建前はどうなっておりますか。
  74. 吉澤武雄

    説明員吉澤武雄君) 勘定の建前と申しますというと、公社といたしましてはこの電話料収入という意味で一般の中に含めております。別に駐留軍の別会計でというわけではございません。従って先ほどのお答えになりますが、駐留軍から直接私の方へ金をもらっております。別に調達庁を介しては、電話料、あるいは電話関係の利用に伴うところの料金は、介しておりません。直接ちょうだいしております。
  75. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、建設関係で、この前安全保障諸費から出ている行政協定に伴う費用というのは、これは全然電々公社では関係のない部分ですね。つまり施設費として建設省が合同委員会によって決定されたものを施工する、こういう形になって、電々公社として全然関係がないですか。
  76. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) この問題は私も記憶ございますが、昨年の国会で、衆議院でしたか、建設省の決算委員会のときに、私ども傍聴したときに話題があったのですが、従来の一番終戦直後の終戦処理費の形のなりかわりとしまして、安全保障諸費という科目で、諸般のこうした軍の費用を政府の方から出すという科目ができたわけでございます。その一端として、電々公社の分で、約七億の金を昭和三十年の末に建設省の方から概算として受け入れた。ところが、その金が工事の実態に比べてやや過剰であったために、返還をしたらどうかという話がでたのでありますが、多分その問題だと思いますが、これは私の方の勘定からしますると、全然先ほど申し上げたのと違った別の会計をとっておるのであります。
  77. 岩間正男

    ○岩間正男君 その点わかりました。  では、労務の提供ですね。これはどのくらいになるのですか。つまり、電信電話の米軍施設に対して、こちらから労務を提供する、こういう関係があるでしょう。これはどういう、たとえば人数にしましてどれくらいになりますか。
  78. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 先ほどの業務局長説明のように、サービスの内容を分けますと三つあるわけでありますが、非常にはっきり特別電話局と称しまして、駐留軍専用の電話局がございます。これはまるがかえに駐留軍のために働いておる。それからまた非常に間接でありますが、この辺の市内の電話局でも一部分サービスしておるわけでありますが、これはほとんどないにひとしいのでありますが、もう一つは受託工事と申しまして、駐留軍の特別な工事を電信電話の技術を使うために請け負ってくれ、これは通り抜けで、先ほど申しました安全保障諸費のようなものの工事をやった場合、そこでどの程度の人が稼動しているか、人間数でございますが、ちょっと今ここに資料を持ち合せませんので、もしお許しいただけば、あらためて、たとえば特別電話局の数とか、その従業員の数とか、そういうものは御報告申し上げられると思います。
  79. 岩間正男

    ○岩間正男君 その程度でいいです。特別電話局の数、従業員の数、それからできたら給与の条件、そういうようなものを知らせてもらいたい。  これは朝鮮事変前後にだいぶ急激に需要がふえた。そういう場合に、国内の電信電話の需要を圧迫するというような事態はなかったですか。
  80. 吉澤武雄

    説明員吉澤武雄君) ただいま私どもの記憶でございますが、全体的に申し上げて、圧迫する事態はございませんでした。ただ特殊の地域で、公衆線の設備が足らないというようなところが、特に当時の軍として必要な場合というようなときに、多少区間的にはあったように記憶しますが、全体的にはそのようなことはございませんでした。
  81. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ほかに御質疑はございませんか。——では、日本電信電話公社の部、検査報告批難事項第二千二百二十四号から第二千二百四十二号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議はございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  以上で本日の審議を終ります。次回は、明三月一日金曜、午後一時から厚生省の部及び建設省の部を審議いたします。  これをもって本日は散会いたします。    午後四時十六分散会