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1957-05-14 第26回国会 参議院 外務委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十四日(火曜日)    午前十時四十三分開会   —————————————   委員異動 五月十日委員石黒忠篤辞任につき、 その補欠として河野謙三君を議長にお いて指名した。 五月十一日委員河野謙三辞任につ き、その補欠として石黒忠篤君を議長 において指名した。 五月十三日委員佐野廣辞任につき、 その補欠として西岡ハル君を議長にお いて指名した。 本日委員西岡ハル辞任につき、その 補欠として佐野廣君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     笹森 順造君    理事            佐野  廣君            鶴見 祐輔君            曾祢  益君            梶原 茂嘉君    委員            黒川 武雄君            重宗 雄三君            杉原 荒太君            津島 壽一君            永野  護君            野村吉三郎君            海野 三朗君            加藤シヅエ君            森 元治郎君            石黒 忠篤君            佐藤 尚武君   政府委員    外務政務次官  井上 清一君    外務省条約局長 高橋 通敏君    外務省国際協力    局長      宮崎  章君    外務省情報文化    局長      近藤 晋一君   事務局側    常任委員会専門    員       渡辺 信雄君   説明員    水産庁生産部海    洋第一課長   木田  繁君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選特殊核物質賃貸借に関する日本国  政府アメリカ合衆国政府を代表し  て行動する合衆国原子力委員会との  間の第二次協定締結について承認  を求めるの件(内閣送付予備審  査) ○特殊核物質賃貸借に関する日本国  政府アメリカ合衆国政府を代表し  て行動する合衆国原子力委員会との  間の協定第一条の特例に関する公文  の交換について承認を求めるの件  (内閣送付予備審査) ○日本国エジプトとの間の文化協定  の批准について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付) ○日本国イランとの間の文化協定の  批准について承認を求めるの件(内  閣提出、衆議院送付) ○千九百二十四年八月二十五日にブラ  ッセルで署名された船荷証券に関す  るある規則統一のための国際条約  の批准について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付) ○南西諸島在住者等に関する在外公館  等借入金整理準備審査会法特例法案  (内閣提出衆議院送付) ○千九百四十六年十二月二日にワシン  トンで署名された国際捕鯨取締条約  の議定書批准について承認を求め  るの件(内閣提出衆議院送付) ○北太平洋のおつとせい保存に関す  る暫定条約批准について承認を求  めるの件(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず委員異動について報告いたします。五月十日石黒忠篤君が辞任せられ、河野謙三君が補欠となりました。五月十一日河野謙三君が辞任せられ、石黒忠篤君が補欠となりました。五月十三日佐野廣君が辞任せられ西岡ハル君が補欠となりました。五月十四日西岡ハル君が辞任せられ、佐野廣君が補欠となりました。
  3. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 委員異動に伴い、当外務委員会では、ただいま理事が一名欠けておりますので、理事補欠選挙を行います。互選の方法は慣例によりまして、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それでは私より佐野廣君を理事に指名いたします。   —————————————
  5. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第二次協、定の締結について承認を求めるの件、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定第一条の特例に関する公文交換について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。  まず政府から提案理由説明を聴取いたします。
  6. 井上清一

    政府委員井上清一君) ただいま議題となりました、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第二次協定締結について承認を求めるの件、につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  一昨年十一月十四日に署名されました、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定国会の御承認を得て同年十二月二十七日に効力を発生し、一方研究用原子炉の設置のため国内における諸措置も着々と整備されて参りました。すでに御承知のごとく、政府は、ききに茨城県東海村原子力研究所に設置される溶液型研究用原子炉に使用するための濃縮ウラン賃借に関し、前日の日米原子力協定に基き、客年十一月二十三日米国政府との間に第一次協定締結し、同協定は客年末国会の御承認を得て十二月十四日に効力を発生いたしました。  前述溶液型研究用原子炉についで、第二号炉として重水型研究用原子炉も客年十月発注されておりまして、来春には完工を見る予定であります。よって政府は、右の重水型研究用原子炉に使用するための濃縮ウラン賃借を取りきめるため、一昨年締結されました日米原子力協定に基き、先般来ワシントンにおいて米国政府との間に交渉を行なって参り、このほどその協定案文について妥結に到達いたしましたので、五月八日在米下田臨時代理大使米国政府を代表する合衆国原子力委員会代表ジョン・A・ホールとの間で署名を行なった次第であります。  この協定において、わが国は四キログラムをこえない量の同位元素U二三五を含有し、一九・五%ないし二〇%に濃縮されたウラン約二十キログラム及び補てんのため必要なウラン追加量を、米国原子力委員会より賃借することができることになっております。  賃借に関する経費といたしましては、濃縮ウラン使用料、消耗及び濃縮度低下補償料、及び再処理料金原子力委員会に支払うこととなっておりますが、そのほかにわが国が負担する経費としては、濃縮ウラン加工業者に支払う加工料輸送料梱包料または分析検査費用等があります。  その他この協定は、濃縮ウラン引き渡し及び返還の手続、引き渡し後においてわが国が引き受けるべき責任等について定めております。  前述重水型原子炉は本年度中に組み立てを終り、来春には運転を開始する予定になっており、その成否は、将来のわが国原子力開発計画の進展に大きな影響を持つものでありますので、その予定に間に合うよう濃縮ウラン加工が終り入手できるよう発注するため、特に会期末にもかかわらず今次国会に提出して、本第二次協定締結について御承認を求める次第でございます。  何とぞ事情御了察をいただきまして、慎重御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことをお願いいたす次第でございます。  次に、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定第一条の特例に関する公文交換について承認を求めるの件、につきまして提案理由を御説明申し上げます。  この協定の第一条は、合衆国委員会溶液型研究用原子炉の燃料として日本国政府に賃貸する濃縮ウラン規格について、同位元素U—二三五において一九・五%ないし二〇%の濃縮度であるべき旨定めております。  しかしながら、前記原子炉のためのフィッション・チェンバー原子炉の始動に際し必要な装置)に装填される極微量ウランについては、その濃縮度前記規格を若干下回るものであっても原子炉の操作に支障がないことが判明いたしましたので、協定第一条に定める濃縮度は、特に右の原子炉フィッション・チェンバーについては必ずしも適用するものでないこと、及び協定の両当事者は、右のフィッション・チェンバー用ウランについては二〇%をこえない範囲で随時合意することができるよう協定第一条の特例を設けることといたしました。五月八日ワシントンにおいて、在米下田臨時代理大使合衆国原子力委員会ジョン・A・ホールとの間に、右に関し公文交換いたしました。  前記原子炉運転開始を目睫に控えておりますので、特に会期末にもかかわらず、今次国会に提出して本公文交換について御承認を求める次第でございます。  なにとぞ慎重御審議の上、本件についてすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第でございます。
  7. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 両件についての質疑は後日に譲りたいと存じます。   —————————————
  8. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、日本国エジプトとの間の文化協定批准について承認を求めるの件、日本国イランとの間の文化協定批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。両件について質疑のおありの方は順次御発言願います。ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  9. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 速記を始めて下さい。別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。日本国エジプトとの間の文化協定批准について承認を求めるの件、日本国イランとの間の文化協定批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して問題に供します。両件をそれぞれ承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  13. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 全会一致でございます。よって両件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 ————————————————
  14. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、千九百二十四廣八月二十五日にブラッセルで署名された船荷証券に関するある規則統一のための国際条約批准について承認を求めるの件を、議題といたします。本件について質疑のおありの方は順次御発言を願います。……別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に内ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。千九百二十四年八月二十五日にブラッセルで署名された船荷証券に関するある規則統一のための国際条約批准について承認を求めるの件を問題に供します。本件承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  17. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 全会一致でございます。よって本件全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。   —————————————
  18. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、南西諸島在住者等に関する在外公館等借入金整理準備審査会法特例法案議題といたします。本件に対し質疑のおありの方は順次御発言願います。……別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。南西諸島在住者等に関する在外公館等借入金整理準備審査会法特例法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  21. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 全会一致でございます。よって、本案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。   —————————————
  22. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、千九百四十六年十二月二日にワシントンで署名された国際捕鯨取締条約議定書批准について承認を求めるの件、北太平洋のおっとせい保存に関する暫定条約批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。両件について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。なお、おっとせい条約は後に農林水産委員会連合審査をいたすわけでありますが、捕鯨条約の方は質疑が尽きれば採決いたしたいと存じております。
  23. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 これはあるいは農林省の方に伺ったらいいのかもしれませんけれども、北太平洋ですね、北洋関係における捕鯨の状況と、この条約との関連がどういうふうになるかということをちょっとお伺いしたいのです。
  24. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ちょっと申し上げますが、関係の係官としては水産庁から木田海洋第一課長が出席しております。
  25. 木田繁

    説明員木田繁君) 北太平洋捕鯨につきましては、これもやはり国際捕鯨取締条約ワクの中でございます。現在、昭和三十二年度におきます許可といたしましては、ヒゲクジラを主といたしまするものは一船団、それからマッコウクジラだけを対象といたしますものが一船団、合せて二船団を出すことにいたしております。で、北太平洋につきましては、戦後におきましては昭和二十七年、昭和二十八年におきましてはそれぞれヒゲ中心といたしました一船団ずつが出ております。で、二十九年以降につきましては毎年二船団ずつを許可しておるわけでございます。現状におきましては、ヒゲクジラにつきましては、これは国際捕鯨委員会におきまして一九五五年大いに論議されたことでございますが、北太平洋におけるシロナガスクジラが非常に危険な状態にあるから、これにつきましては禁止をしてはどうかというふうなことで、一度これは現在禁止をするということが、国際捕鯨委員会におきましては決定されておりますが、日本といたしましては、そういう姿というものにつきまして承認ができないということで、これについて異議を申し立てまして、日本には適用がないということになっておりますが、自主的に日本といたしましては、シロナガス換算八百頭の制限をいたしております。  以上のような状態でございます。
  26. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 北太平洋におけるソビエト捕鯨計画なり現状はどうなっていましょうか。
  27. 木田繁

    説明員木田繁君) ただいま私どものところで承知いたしますところでは、千島の列島に根拠地を持ちまして、それで大体マッコウを中心にいたしまして大体千五百頭程度のものを捕獲しておるというふうに聞いております。なお別に母船で出すというような計画もあるやに聞いておりますが、現実母船が出ておるということにつきましては、操業の実態を把握はいたしておりません。このような状態でございます。
  28. 海野三朗

    海野三朗君 ちょっとお伺いしますが、こういうような条約を設けるということは、日本魚とりが腕が達者でとれ過ぎるというところから出てきているのですか。
  29. 木田繁

    説明員木田繁君) この国際捕鯨取締条約は、日本昭和二十六年に加入をいたしまして、それ以前に実はこういう条約ができておったわけでございます。で、捕鯨につきましては、捕鯨の歴史が示しております通りに、次第にこの全体的な捕鯨能力というものが、だんだんと強くなるに従いまして、鯨の資源というものは次第に枯渇していくという現状でございます。そこで鯨を温存し、しかも人類として最高捕獲をしていくということの矛盾したものの調和点をはかるためには、国際間におきまして統一的な取締りを実施をし、この基準に従っていくならば最高の持続的な生産性を保持することができるであろうということでございます。で、日本だけが特に捕獲能力が大になったから、従って日本がこれをしなければならぬものだという趣旨ではないと心得ております。
  30. 海野三朗

    海野三朗君 その割当というのは何を基本にして割り出してきておるのでしょうか。人口の割合ですか。どういうところからその割当を持ってくる、その基準はどういうところにあるのですか。
  31. 木田繁

    説明員木田繁君) ただいま御質問割合と申しますと、それは南氷洋あたりにおきまして何頭の捕獲割当があるかというふうな御質問かと思いますが、それでよろしゅうございますか。
  32. 海野三朗

    海野三朗君 ええ。
  33. 木田繁

    説明員木田繁君) 南氷洋におきましては、現況におきまして一万四千五百頭ということの制限がなされております。で、これは鯨におきましてヒゲクジラとそれからハクジラというものに大別できるわけでございますが、このうちヒゲクジラの部類に入りますものでシロナガスクジラナガスクジライワシクジラ、ザトウクジラ、こういうものが主たる対象になりますが、このものの資源というものが南氷洋におきましても次第にこれが逓減しつつある。特にシロナガスクジラ及びナガスクジラにおいてその姿がひどい。これについては世界全体でとる量というものを強く制限する必要がある。そういう立場から大体国際捕鯨委員会の中で科学小委員会という分科会がございますが、そこで生物学者の間で討議されました結果といたしまして、シロナガスで換算いたしまして大体一万一千頭から一万二千頭程度までこれを圧縮するのが、南氷洋においての鯨の最高生産性を持続的に上げていくために必要な制限頭数である、というふうに生物学者結論を出しておるわけでございます。現実には操業力というものと見合いまして、逐次これを下げていくというように努力したいということで、毎年これを切り下げるということに努力して参っております。現在は一万四千五百頭でございますが、これをとる上につきましては、各国船団といいまするものについては、業者間でキャッチャー捕鯨船の数を制限しようということはございますが、国際捕鯨委員会におきまして、各国のとり得る頭数は何頭であり、また各国で出し得る船団幾つである。またキャッチャー幾つにするというふうな制限はいたしておりません。結局頭としてかぶせました一万四千五百頭の捕獲制限頭数ワクの中で、各国船団がそれぞれ自由競争でとっておるというような現況でございます。
  34. 海野三朗

    海野三朗君 そこで、一万四千五百頭はよくわかりますが、日本幾らとかノルウエー幾らとか、あるいはソビエト幾らとかというのは何を基準にして割当をしておるのでしょうか。
  35. 木田繁

    説明員木田繁君) ただいま御説明いたしましたように、ソビエト幾ら、あるいは日本幾らノルウエー幾らというふうな制限はいたしておりません。
  36. 海野三朗

    海野三朗君 それではちょっとおかしいですよ。
  37. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ちょっと委員長から注意しますが、各国割当基準はどうしてきめたかということを、こういうことを最初からおっしゃっておられるのです。
  38. 海野三朗

    海野三朗君 そうなんです。
  39. 高橋通敏

    政府委員高橋通敏君) ちょっと補足さしていただきますが、そういうふうな各国別割当はなくして、全体として一万四千五百頭とると、従いまして、南氷洋でございますれば、各国締約国船団が行きまして、そうして各自由競争でとるわけでございます。そうして毎日とった頭数本部に通告するわけでございます。本部がそれを見ておりまして一万四千五百頭になりましたときに中止命令を出すわけでございます。そこで皆中止して帰って来る。従いまして、一万四千五百頭のワク内で各国能力に従って幾らでもとれる。しかしそれが全体として一万四千五百頭になったときには、やめなければならない。こういうふうな仕組みになっておる次第でございます。
  40. 海野三朗

    海野三朗君 そうしますとね、早くいってとり放題というわけですね。早くいって巧妙にがあっととった方の者が勝ちというわけですか。
  41. 高橋通敏

    政府委員高橋通敏君) 行く時期がもちろんきまっておりますし、それからとる鯨もいろいろ制限がございます。御承知通り、長さだとか大きさだとか、子供だとか雌鯨だとか、そういう制限がございますが、その制限外の鯨でございますれば、その国の能力によってとるということになるわけでございます。
  42. 海野三朗

    海野三朗君 そこが私が伺っておる点ですが、ぴんとこないので、日本はそれじゃ何ぼとってもいいということになりますか。私は、各国のとり方であるというけれども、おのずからそれに限度があると思う。その限度はどういうところを基準にして割当てておるのか、ということを私伺っておるのです。日本はとり次第、何ぼでもいいのですか。
  43. 木田繁

    説明員木田繁君) 南氷洋におきましては、一万四千五百頭というのが現在におきますヒゲクジラ制限頭数でございます。世界でとにかく国際捕鯨取締条約に加入しておる国であって、その国が出しておる船団でとる合計の数が一万四千五百頭、従いましてその中では能力に応じてとればいいということでございます。ただ、先ほど条約局長からも御説明いたしましたように、ヒゲクジラにつきましては期間の制限がございます。また鯨の尺についても制限がございます。あるいは子連れのものをとってはいかんとか諸種の制限がございますが、そういう制限に違反しない限り、一万四千五百頭の範囲においては、各国能力に応じてとっていいということでございます。一方におきまして、現在のところ、一九五六年から五七年の漁期にかけましては、世界船団総数は二十船団出ております。そのうちで日本が五船団出ておりますが、五船団でとります量は始めの時期がきまっており、かつ総体で一万四千五百という制限がございます関係で、それぞれいかに努力いたしましても、とり得る量の限度があるということで、各国結論としては幾らとったということ、だけでございます。初めから各国船団には幾らという割当てがあるわけではございません。
  44. 海野三朗

    海野三朗君 そうしますと、その船団は何ぼ出してもいいわけですか。五船団でなくても七船団でもいいわけですか。
  45. 木田繁

    説明員木田繁君) 船団の数につきましては、建前といたしましては条約上何ら制限はございません。ただ条約の精神といたしましては、一方におきまして鯨の取締りを行いますことによって、鯨に関係する産業育成発達をはかるという目的がございます。そういう関係から、一万四千五百頭をさらに一万二千頭にまで逐次捕獲制限頭数を下げようというときに、船団の数をふやすといいますことは、これは論理上は自由競争でありますから、従ってそれは自由であるというふうに考えられますけれども、世界総体鯨産業発展の上から、それは自由にふやすということでなくて現状の姿を守りつつ、その全体の発展をはからなければならぬというふうな考え方のもとに、新たにふやすことについては、それぞれ各国におきましては自粛されるような考え方を持っておるわけでございます。
  46. 海野三朗

    海野三朗君 それじゃつまりその五船団なら五船団で、とりほうだいというわけですね。勉強してよけいにとれば、その一万四千五百頭に達したときにストップをきれますから、それまでに急いでとってしまえばいいというわけですか。
  47. 木田繁

    説明員木田繁君) その通りでございます。
  48. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 今の北太平洋方面における鯨については、頭数制限があるのですか。
  49. 木田繁

    説明員木田繁君) 北太平洋につきましては、国際捕鯨条約できまっております最高限はございません。ただ一九五五年に鯨の委員会が東京で開かれました。その節カナダからの提案で、北太平洋におきます白ナガスクジラにつきましては、日付変更線より東の海域においては禁止をするという決定が下されておりますが、その節、日本としては白ナガスの資源状態を見て、そういうふうに禁止をする必要はないという観点から、これに異議の申し立てをいたしまして、ただ異議の申し立てをして自由にとるという考えでなしに、日本としても各国の要請もあることであるから、自主的にこの制限をして、結果をみた上でさらに検討を加えたい、こういう立場で自主的にヒゲクジラの白ナガス換算八百頭、という制限頭数を設けているわけであります。
  50. 曾禰益

    ○曾祢益君 これはもうすでに同僚委員からの御質問もあったと思いますし、また農林関係委員からの御質問の一つの中心点だと思うのですが、オットセイの条約なんです。これは簡単に言えば、日本近海ではとらない、そのかわりにオットセイをもらうというような条約になっておりますか。
  51. 井上清一

    政府委員井上清一君) 御質問通りでございます。詳しい点は説明員から御説明申し上げます。
  52. 木田繁

    説明員木田繁君) オットセイの条約におきましては、ただいまお話の通り、海上での猟獲といいますものは禁止をするということになっているわけでございます。で、そのかわりにこのオットセイをとります場所といたしましては、これは陸上の繁殖島でとることに限定をして、そこで年間ソ連とそれからアメリカの両国におきまして、その領有ないしは管理しております島の上でとりますものの一五%ぐらいを、カナダとそれから日本へ分けるという建前になっているわけでございます。
  53. 曾禰益

    ○曾祢益君 それでこれは、今度は暫定的な協約を作らなくても、敗戦後は自粛しておったのですか、日本捕獲を。
  54. 木田繁

    説明員木田繁君) 戦後におきましては、日本といたしましては、当初この銃砲火器類等の所持を禁止するという占領軍の指令に基きまして、これをやめるということで、その後それがさらに一部のものにつきましては、許可をするということになりましたが、オットセイにつきましては、これは前の条約の趣旨にかんがみ・オットセイはとっては相ならぬということになったわけであります。それがさらに平和条約の結ばれます直前に、吉田・ダレス書簡によりまして、これを新しい条約締結するまで行わないというように確認をいたしているわけでございます。
  55. 曾禰益

    ○曾祢益君 そこでとってはいけないことになっておったけれども、特に岩手県方面の漁民は、事実上はかなり密猟をしてそうしてやっておったらしい。しかもその漁民の生活からみてこれをやめることが非常につらい、現金収入の関係から。そこでこういう条約を作っていよいよ……条約を作らなくても禁止になったはずなんであるけれども、その補償をしてくれないと困るというような問題が起っているやに聞いているわけです。そこで今までも同じじゃないかといえばそれまでであるけれども、実際問題としてあの方面の漁民の生活の安定というような観点から、何らかこれに対する補償というようなことについて、農林省の方ではお考えになっているのか、その点について伺いたい。
  56. 木田繁

    説明員木田繁君) オットセイの関係業者といいますか、今までに、このオットセイを前にとっておりました者に、昭和十七年から戦争の終ります時期まで、日本といたしましてはこれに許可をいたしておったのでございますが、その後それを司令部の指令等によりましてずっと禁止の姿できております。現況におきましては、日本の国内法といたしましては、一応許可ができることになっております。しかしながら省令の方ではそういう許可のことにつきましては、取り扱わないといいますか禁止をするという建前でございます。それでオットセイが現実にきましたときに、ほかの漁業と関連をいたしましてとれるという可能性がありますのは、鉄砲を利用いたしましてイルカをとる漁業がございます。これが一番多いのが岩手県でございますが、岩手その他太平洋岸におきます諸県におきます、その関係漁船が百七十一隻でございます。この百七十一隻のものにつきましては、どうしてもオットセイをとらした方がいいというふうな考えのもとに、この条約の商議に臨んだわけでございますけれども、現状におきますオットセイに関する知識が非常に不十分であるから、その知識を十分にしてから後に海上でとるのをいいか悪いかを判定したい、こういう趣旨のもとに現況におきます保存条約ということで、海上における商業的猟獲は解除しない、かようになっております。他方この生物科学的な調査を十分に行いたい。そういう趣旨から委員会を設けて、毎年これを検討することにいたしておりますが、この科学的な結果を精密に得ますためには、どういたしましても違反でありますとか、あるいは過失によってとられるようなものでも、とにかくオットセイの海上におきます普通申します密猟というようなことを撲滅いたしたい。この点につきましてはイルカの漁業者もその趣旨には全く賛同であり、できるだけすみやかにわれわれとしてはこの海上における猟獲というものが自由になることを望むということから、自粛的にそういうふうな違反なり密猟のあることを防ぎたいということで、今までの漁業をやめたい。で、ただやめるだけではどうしても困るから、そこで政府に対しては、新しく漁業転換をしたいから、その転換の方の手当について応分の考慮をしていただきたいというような話がございまして、そこで現在このオットセイの百七十一隻のイルカの漁船のうち、三十トン未満のものにつきましてはこれを廃船いたします。そして新しく三十トン以上の船を作りまして、その船によりましてモウカザメのはえなわに転換をさせる、かような考えをいたしております。そのために三十トン未満の船につきましては、これを廃船いたしましたものに対する交付する金といたしまして、大体一億五千万円程度、それから新しく三十トン以上の船を作ります場合の建造のために二億五千万円程度、それからさらにモウカザメのはえなわに転換をいたしますので、その漁具の関係といたしまして、約一億円の予算を三十三年度に計上いたします。それで転換を促進さしたい、かように考えておるわけでございます。
  57. 曾禰益

    ○曾祢益君 それで転換さして、イルカもついでにやめてほかのものに転換する。そのために出すというのもけっこうですが、ことしはもう予算は組んでないわけでしょう。それからいま一つは、そうすると今大体総額五億ぐらいに考えておるわけですね。
  58. 木田繁

    説明員木田繁君) そうです。
  59. 曾禰益

    ○曾祢益君 従来アメリカ及びソ連からもらうオットセイとの値段の割合というか、大体それと見合っているのですか。
  60. 木田繁

    説明員木田繁君) アメリカ及びソ連からもらうオットセイの皮の純収入といたしましては、見込み大体十五億程度になろうかと考えております。で、これにつきましては販売の時期等の関係もございまして、直ちにその金が年々一定の額で入ってくるという見込みも立っておりませんが、さしあたり今の必要な金といたしましては、そのなま皮の代金がほとんど入らないにかかわらず、国の予算から五億を支出したい、こういう考え方でございます。  それから先ほどちょっと関連してお話のございました、今年におきましてはこれは予算的な措置が昭和三十三年度になるということから、金融措置によりまして転換をはかることを促進いたしたいということを考えておりますが、で、漁業者との間におきまして具体的な個別的な計画をそれぞれ審議いたしまして、農林漁業金融公庫等とも十分協議いたしまして支障のないようにして参りたい、かようなことで促進方をはかっておるわけでございます。
  61. 佐藤尚武

    ○佐藤尚武君 今の問題に関連して。それではアメリカなりソビエトからもらったオットセイは、どこでどういうふうに処理しておられるのですか、なめしの方は。
  62. 木田繁

    説明員木田繁君) 現在まだアメリカ及びソ連から皮をもらっておりません。と申しますのは、この条約におきましては、オットセイの皮を分ける効力は一九五六年の六月一日から発効することになっていたわけでありますが、現在におきましてはまだそういったことにつきましての打ち合せ等もする段階でございませんので、皮はもらってないわけでございます。戦争前の一九一一年の条約によってできておりました皮の配分がございますが、その当時のものはこれはアメリカからもらうものは、在米の大使館におきまして現金で受け入れまして、それを内地送金に移したわけでございます。
  63. 佐藤尚武

    ○佐藤尚武君 現金で受け入れた。
  64. 木田繁

    説明員木田繁君) はあ。
  65. 佐藤尚武

    ○佐藤尚武君 まるで取らぬタヌキの皮算用みたいな質問をいたしますが、そうしますと五六年の何月とか以降は、やはり戦前と同じようにアメリカなりソビエトから入ってくるわけでございますね。そうしますると、それの処理についてはやはり問題が残ると思うのです。戦前の通りにやはりアメリカならアメリカで現金に換算して受け取られるのか。あるいはその現物を日本へ持って来てなめして、そうしてそれをどういうふうに処理されるのか、外国の市場に出されるか、あるいは日本国内で処理されるのか、そういう点についてのお見通しはどうなんですか。
  66. 木田繁

    説明員木田繁君) 詳細につきましては、もちろんアメリカ政府あるいはソ連政府との打ち合せを必要とするわけでございますが、アメリカの皮はプリピロフ島で取られまして、それが直接このシアトルに送られるわけでございます。それで条約の建前ではその繁殖島で分けるというのが建前でございますけれども、それを日本側といたしましてはわざわざ船を仕立ててプリビロフ島に取りに行くということよりも、むしろ話がつけばシアトルで分けるということの方適当ではないかと考えております。シアトルで分けるということになりますと、それを一度日本内地に持ち帰りまして、なめした上で出すということよりも、むしろアメリカ国内におきまして適当な商社との間になめし等をさした方がいいのじゃないだろうかというふうに考えております。  他方ソ連からもらうものにつきましては、これも現地でもらうということになりますと、それはむしろ日本内地に一度持ってくるのが適当であろうというふうに考えております。しかしながら絶対数といたしましてはアメリカからもらう数が非常に多いという関係で、一緒に処理する方が安上りではないかということで、ソ連からもらうものにつきましては一応内地に持ち運びますけれども、そのうち優秀な、適当なものにつきましては、それも一括してアメリカでなめした方が適当ではないだろうか、こう考えております。
  67. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 これまでのやはり農林省の考え方としては、まあ条約は別として、海上におけるオットセイの猟獲をしないと日本の漁業に害があるという考え方を従来通り持っておられるのか。若干調査をしてみなければそういう結論は出ないという態度になっておられるのか、その点を一つ伺いたい。
  68. 木田繁

    説明員木田繁君) 水産庁といたしましては、あくまで現況におきまして、この沿岸の漁業者にオットセイを取らした方が、沿岸漁業者自身のためでもあり、かつ沿岸その他の漁業者の漁業資源のためにも有効である、かように考える点につきましては変りはございませんわけでございます。ただ不幸にいたしまして、それを立証し得る調査の結果というものにつきまして、戦後の調査といたしましては、日本とそれからアメリカ、カナダとの三国の共同調査を昭和二十七年に行いましたわけでございます。そのときの三国の調査の結果としては、特に海域が狭かった関係と、それから猟獲をいたしました時期ないし場所等の関係もございまして、オットセイの胃袋から発見いたしました飼料の分析から得られた結果では、十分に日本の主張を通し得るものは得られなかったということでございます。そこで、これらのものにつきまして今後十分に資料を得た上で、それらの点につきましては初志を貫徹したい、かように考えておるわけであります。
  69. 曾禰益

    ○曾祢益君 大体この日本の三陸沖というのか、岩手県の方に回ってくるやつをかりに日本がとったとすると、その頭数と、まあコマンドル島とプリビロフ島で向うがとったやつをもらうのとは、大体数において見合っておるのですか。
  70. 木田繁

    説明員木田繁君) 陸上でとります分といたしましては、この数は割合少いものでございます。そのうちさらに一五%という数になりますと、一そう少くなるわけでございますが、日本の近海に参りますオットセイの数は、総体で二十万ないし三十万というふうにいわれております。ところで日本近海に参って遊よくいたしますオットセイの系統が、一つはプリピロフ系統のものと、それからコマンドルスキー、ロベン島の系統があります。そのものの存在しております比率というものは、プリピロフのものが三で、もう一つのコマンドルスキー及びロベンのものが七というふうに、二十七年の日米加三国共同調査の結果、米加の科学者の強い主張によりまして、一応そういう結論が出ております。そこで日本で、たとえば三万頭とるということになりますと、そのうちの七割、二万一千頭というものがこれがコマンドルスキーないしロベン島のものだということになるわけです。ところが、ロベン島及びコマンドルスキー島は両方合せましても十万ないし十一万程度しかいない。しかもソ連側の意見によりますと、コマンドルスキー群島のものは現在繁殖の過程にあって、その繁殖がストップしております関係は、日本の密猟に主としてその原因があるというふうな主張があるわけです。そこで日本側といたしまして、できる限り多くの数による調査を行いたいということに対しましても、ソ連側の強い反対があるということで、なかなか実現が困難でございます。この条約におきましては、一応初年度と次の年度におきまして、日本の近海におきます補獲の頭数は四千頭ということに相なっておりますが、そのうちで大体約千二百五十程度ソ連側はとるのだというふうな話でございます。残りますのが大体二千七百五十くらいでございますが、そういうもののほかに陸上でとりますもののうちの一五%が加わるということでございます。日本側といたしましては、この総体の数量といたしましてプリピロフからもらいます皮の数が、これが大体一万枚以上になると思います。他方ソ連側からの数は総体としましても七百枚をこえる程度でございます。で、見合う数といたしまして、とる量と言いますものは、どの程度とっていくという結論が、そういう状態ではっきりわかりませんものですから、ただいまの御質問にございました見合うかということにつきましては、必ずしも見合うというふうにもちょっと申しかねると思います。
  71. 曾禰益

    ○曾祢益君 そうすると、完全に自由捕獲ということは、これは幾ら何でも乱獲になる、だからまあある程度制限の話がついて制限数は打ち合せて、そうしてその範囲内で遊よくしてくるやつを捕獲する、そういうふうにすれば皮をもらうより直接漁民にも潤うし、またある意味では、オットセイそのものがほかの魚類を食い荒すということのマイナスも助かる。だから完全に自由捕獲ということは考えてないけれども、ある程度合理的な全体のいわゆる最大持続生産ということを考えても、ある程度、これは幾らか知りませんけれども、遊よくしてくるやつを一万頭なら一万頭ぐらいは毎年とってもいいじゃないかというふうなことを主張し、またその根拠を立証しよう、それまでは一応これでとめておこうというようなところに問題があるのかどうか。
  72. 木田繁

    説明員木田繁君) ただいまのお話のように、日本側といたしましては、海上である一定の数を設けても自由にとれるということが望ましいと考えております。ところが、他国の主張といたしましては、海上におきますとり方は、これは陸上と違って特定のものだけを選んでとるということは、非常に困難ではないかという問題がございます。それで特定の選択的なとり方をしなくとも、資源全体としてそれについてはさほどの影響がない、少くともこの程度とっても影響がないというものが出れば、日本側としては満足だと考えております。
  73. 笹森順造

    委員長笹森順造君) おっとせい保存に関する暫定条約質疑はなお継続することといたします。
  74. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 国際捕鯨取締条約議定書に関して、御質疑の方はこの際御発言を願います。   —————————————
  75. 海野三朗

    海野三朗君 この捕鯨船団を指定するのは、やはりあなたの方で指定なさるのですか。
  76. 木田繁

    説明員木田繁君) その通りでございます。
  77. 海野三朗

    海野三朗君 新聞なんぞを見ると、捕鯨船団の指定の際に、あまり芳ばしからざる話を聞くのでありますが、今までの実績を基としてあなたの方で割り当てておられるのですか。船団に対し船団を認定するのはどうなっておるのですか。
  78. 木田繁

    説明員木田繁君) 現在、ただいまの御意見のように、実績を持っておるものから選ぶということを考えております。
  79. 海野三朗

    海野三朗君 その船団を指定する際に当っては、努めて公平に世の疑惑を招かないように一つしていただきたい。今日までずいぶん新聞なんぞで、その船団に対しては、いやどれだけの運動費を使ったとか何とかいう、芳ばしからざる話を聞くのであって、私は非常にその点については遺憾だと思うのですが、そういうことについての御所信を承わっておきたい。船団に対するあなた方の割当、非常に芳しからざる話を今まで聞いておる。たとえばこの前の農林大臣の河野君のときなんぞでも、北海道のごときはある船団から何百万円も金をとったとか何とかいう、まあデマであると思うのでありますけれども、非常におもしろからざる風聞を聞くのでありますが、そういう点に対してあなたの方の御所信を一つ承わっておきたい。
  80. 井上清一

    政府委員井上清一君) この捕鯨の問題については、かれこれうわさめいたようなことも実は聞いておりません。従来捕鯨につきましては船団を動かす場合に、従来の実績に基き、しかも確実なる業者に対してこれを認めておるわけであります。なお御指摘のような点につきましては、そういう点がもしございますれば十分注意して、十分疑惑のないように厳正公平にやらなければならぬ、かように思っております。
  81. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 国際捕鯨取締条約に関してほかに御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。  千九百四十六年十二月二日にワシントンで署名された国際捕鯨取締条約議定書批准について承認を求めるの件を問題に供します。本件承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  84. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 全会一致でございます。よって本件全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。なおただいま採決いたしました諸案件に関し、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりましてこれを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、これら諸案件に賛成された方は順次御署名願います。
  86. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  87. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 速記を始めて下さい。次回は明十五日午後二時に開会いたします。本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十六分散会