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1957-03-14 第26回国会 参議院 外務委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月十四日(木曜日)    午前十時四十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     笹森 順造君    理事            佐野  廣君            鶴見 祐輔君            曾祢  益君            梶原 茂嘉君    委員            鹿島守之助君            津島 壽一君            野村吉三郎君            海野 三朗君            加藤シヅエ君            佐多 忠隆君            竹中 勝男君            森 元治郎君            吉田 法晴君            石黒 忠篤君            佐藤 尚武君   政府委員    外務政務次官  井上 清一君    外務省条約局長 高橋 通敏君    外務省情報文化    局長      田中 三男君    文部省調査局長 北岡 健二君   事務局側    常任委員会専門    員       渡辺 信雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本国ドイツ連邦共和国との間の  文化協定批准について承認を求め  るの件(内閣提出) ○日本国インドとの間の文化協定の  批准について承認を求めるの件(内  閣提出) ○航空業務に関する日本国とスイスと  の間の協定締結について承認を求  めるの件(内閣提出) ○日本国ブラジル合衆国との間の航  空運送協定批准について承認を求  めるの件(内閣提出)   —————————————
  2. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  前回に引き続き日本国インドとの間の文化協定批准について承認を求めるの件、日本国ドイツ連邦共和国との間の文化協定批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。前回に引き続き両件について質疑のおありの方は順次御発言を願います。なおこの際委員諸君に申し上げますが、政府側出席者として、外務省から井上政務次官高橋条約局長田中情報文化局長が出席されております。
  3. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 日本ドイツとの間の文化協定の六条ですか、「両国間の文化関係発展に資する文化団体設立」ということが特にうたわれておるのであります。もともと文化交流につきましては、官民の協力が大事でありますが、特に文化の性質からみて民間におけるこの施策に対する推進力と申しますか、が必要のように思われる。六条における文化団体設立及びその発展を奨励するということは、私もけっこうだと思いますが、何か具体的な構想があるのでありますか、単に趣旨をうたった程度なんでありますか、その点をちょっとお伺いしたいのですが。
  4. 田中三男

    政府委員田中三男君) 現在日本には財団法人日独協会、同じく財団法人日独文化研究所、同じく社団法人ドイツ東ア研究協会、こういう文化団体がございます。さらに財団法人独逸学園及び独協学園等教育機関も存在しておるわけであります。またドイツの方には日本との文化関係関係のある団体といたしまして、ベルリンに本部があります日独協会、これはフランクフルトにも支部がございます。さらに日本を含んだアジア諸国との文化関係を促進することを目的としておりまする東ア協会というのがハンブルグにございまして、いずれも相当活発な運動をいたしておるわけでございます。これらの団体に対しまして、さらに両国政府としてできるだけの援助をする、こういうのがこの第六条の趣旨でございます。
  5. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 日独関係においては、お話通り相当文化交流その他の面においても関係が長くかつ深いので、それぞれそういう団体がすでにあり、相当活動を持っておることも大体私は承知しておるのであります。私これを伺いましたのはインドとの関係にはこういう条項がないのであります。実際の現実必要性から見れば、むしろ日印の間にこういう条項趣旨とするところが必要ではなかろうか、こう思う。もちろんこの条項があるからどうこう、ないからどうこうという意味合いではないのでありますけれども、日本インドとの関係においては、これまでの日独等関係等に比べますと、こういう面において力をより一そう強くする必要がありはしないか、こう思うのでありますが、日印関係においてこういう条項にも相当するような現在の施策、あるいは今後この協定が成立して文化交流を促進する上において、具体的な何か構想がおありかどうか、この点をお伺いいたします。
  6. 田中三男

    政府委員田中三男君) お説の通りでありまして、インドとの間にも今申し上げたような日独両国間にあるような団体を作り、またそういう団体ができた場合に、政府としてあらゆる援助をしていくということが、両国文化交流を促進する上に非常に有意義だと考えるのでありますが、日印文化協定の第三条にそういう規定がございまして、これは「文化施設設立について可能なあらゆる便宜を与える」こういうことになっております。この条項に基きまして、そういう運動民間に起れば、われわれも積極的に協力し、またそういう団体ができることをまたわれわれも機会を見て勧奨していきたい、かように考えておるわけであります。
  7. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 日印文化協定の第三条は、「自国の領域内における相手国文化施設」といいますか、それに重点をおいた規定のように思われる。たとえば日本においてインドに対する文化交流一つ活動推進するような団体といいますか、機関というのはきわめて微弱なのではなかろうかと実は思うのであります。やはり何か、もちろんこれは民間創意努力に待つわけでありますけれども、こういうものができますとすれば、政府においても特別のやはり施策努力がそういう面で望ましいのじゃないか、こう考えるわけであります。  なお一点私希望を申し上げておきたいのでありますが、一昨年のバンドンにおけるAA会議において、御承知のようにアジアアフリカ地帯における文化の問題が大きな一つのテーマとして取り上げられて審議されたのであります。この地帯は人類の文化宗教の発祥の地帯で、その中で植民地主義等関係もあってお互いの間の協力連携というものがとだえておって、ぜひ一つこれを復活交流して、アジアの本来もっておった伝統的な文化というものを一つ大きく再建したい、という趣旨の申し合せといいますか、話し合いがあり、当面具体的にいろいろの構想も出たわけでありますが、日本側からはややこれは思いつきの、熟さない案でありましたけれども、まあアジア地帯において何といいますかノーベル賞的なものを一つ考えてはどうか、というふうな提案もされて、相当な興味を参加国に与え、考え方はまだ具体的に熟さずに、結果として具体化しなかったのでありますけれども、日本役割相当これは評価されたと思うのです。その申し合せの一つの結果としては、できる限り相互一つ全体の協力はされることと思うが、相互にできる限りの文化交流一つはかろうじゃないかという結論になっていったように思います。特にこの日本インドとの関係は、従って単に日本インドというだけにとどまらずに、やはりアジア全体の文化交流一つの基準といいますか、規定といいますか、そういうふうな意味合いを持たして私は、特別に考えていく必要があるのじゃないか、日・独の関係とかあるいはその他の日仏関係というのと相当性格を違えた観点で、推進していく必要がありはしないか。言いかえれば目印の関係からやはりアジアの他の諸国にいろいろ好ましい影響を与えて、それがアジア全体の一つ文化交流動力線になるというような考え方が必要ではないか。それだけにこういう協定ができれば、これを具体的に動かしていくやはり一つ熱意施策というものが伴わないと、意味合いが少いのではないか。特にアジアアフリカ・グループでは文化面においても相当日本に実は期待している面が多いように思うのです。もちろん宗教関係があるとか教育文化関係等もありまし、ようけれども、いずれエジプトとの協定計画されておるようであります。ところが日印文化協定というものには特別の意味合いを持たして、私は施策推進していただきたい、こういう希望を実は持っておるわけであります。それだけをこの際申し上げておきます。
  8. 津島壽一

    津島壽一君 ただいまの梶原委員質疑なり御希望に関連しておりますから、一応外務当局に御質疑をしたいと思うのであります。  まずインドとの文化協定についての問題をお尋ねをしたいと思うのですが、外務省でこういう文化協定をなさいますが、この予算措置の面でこれはどうなっていましょうか。たとえばこういった文化協定によって相互に、教育センターとか図書館とか、あるいは美術館を設けるということについて、推進ないし便宜をはかる、こういう条約を結ぶわけですが、これは文章だけの問題ではなくて、現実にこういうものが実現されなければならん。それは政府予算でやるのか、または民間にもそれに相当した団体があるからそれらが適当な財源を得てやるという方針か、現在こういった文化協定がなされるのには、特にインドとの関係においてはよほど重点をおいて文化交流というか、協定実現ということに努力願いたいという梶原委員の御希望に、全然私は同調するものでございまして、そこで今申しました予算措置はこれの実行に必要なんですが、どうなっておるかをお伺いしたいのです。
  9. 井上清一

    政府委員井上清一君) お答えを申し上げます。文化協定締結をしますたびごとに、その文化協定の文の内容に盛られております内容を具体化するための予算措置が、これは必要だとも思うのでございますけれども、なかなかそうしたことで予算はとれませんような現状でございまして、文化事業実施のために要する経費として、一括した経費の中で、協定を一括した経費予算のワク内で実施することにしておるわけでございます。外務省といたしましては、昭和三十一年度では三千四百万円、三十二年度国会の御審議によって決定せられるわけでございますが、政府案といたしましては約五千万円計上されております。この中で彼此あんばいいたしまして、できるだけ効果があるように実施に当りたい、かように考えておる次第でございます。  また、先ほど御意見がございましたインドとの今後の文化的な協力関係をさらに一そう推進をしたらどうかという御意見、まことにごもっともなことでございます。AA諸国の中におきまして相当古代から古い文化を誇っている国もございますが、そういう国もやはり日本というものに対しても技術的な期待とともに、文化的な期待も非常に多いと思います。こうしたインドとの協定ができます機会に、さらに一そうこれらを一つ今後の軸として、AA各国との文化的な協力関係推進をはかっていきたい、こういうことを私たち十分留意いたして推進をはかりたい、かように考えております。
  10. 津島壽一

    津島壽一君 ただいまの政府側予算措置として、三千万円ないし本年度において五千万円、これは世界各国との文化協定上の関係全部それであるかどうかわかりませんが、総額はそうである。そこで民間団体というかそういうものに対して、文化協定に即応したような措置をとるべく勧奨し、またこれの経費を負担するようなことを外務省は勧誘する措置をおとりになっているのですか。またとられる方針なんですか。
  11. 井上清一

    政府委員井上清一君) 今お話のございましたように、文化協定を作りましても、全部が全部政府施策としてやっていきたいということではありませんで、一応日本インドとの間にこういう文化交流の道を開き、政府においてもこれが実施に当りますと同時に、民間の力というものをできるだけその線に沿って御協力を願いたい、ということが趣旨でございますことは申し上げるまでもございませんが、そうしたように民間協力体制というものを、これまでも文化協定を作りますたびごと民間協力体制を作ることに努力して参りましたのですが、今度インドとの間の文化協定ができまするならば、それと併行いたしまして民間の活発なる協力体制を作り、そうしてそれがうまく民間協力を得まして、協定目的を達するようにぜひやっていきたい、かように思っております。そのためには各団体に呼びかけますと同時に、あるいはまた新しい団体を作るとかいうようなことについて、今後とも十分検討して参りたい、かように思っております。
  12. 津島壽一

    津島壽一君 ただいまの御答弁では、あまり具体的にその問題が取り上げられていないような感じを受けたのですが、これはスポーツもこの文化協定の中に入っているようでございます。その他一般の教育美術といったことが入っておるようですが、もう少し外務省が活発にこの問題に動かれてはどうかという感じを深くするのです。私は外務省にも関係があったのですが、情報文化局予算も微々たるもので、これではとうてい名前は文化交流とかいっても、これは実行はできないのだろう、今の予算の計数もはなはだ私は少いと思うのです。  それでたとえば、この中でスポーツ規定もあるようですが、運動競技に対する協力というものがありますが、さしあたりアジア競技大会というものが明年ある。文部省関係では、スポーツのために競技場を作り、その他の施設のために約十三億の予算を今度来年度に計上しているわけでございます。これはアジア各国とのいわゆる大きい意味においての文化交流スポーツを介しての親善ということを具体化する一つ方策でもあり、いろいろな趣旨がここにあると思うのですが、そういった方面文部当局は非常に何というか、熱意を持って実現をはかっておるという現状なんです。ところが外務省はわずか五千万円を世界各国にばらまいて文化協定——こういうたくさんの条約を作って、私は実行が非常に困難だろうと思う。民間団体に対しても、今のおっしゃったところによると、まあ大いに推進するんだというくらいな程度であって、何ら具体的なものがないわけなんですね。で、梶原委員のおっしゃったように、インドに対しては、まずこちらでもってそういった組織があるべきじゃなかろうかということもその一例であると思うのです。私は、インド関係をまあこの主題にしたものですから申し上げます。たとえばスポーツ部面において、テニスということがある。インドは、しょっちゅう日本から選手を呼んで、向うの経費競技をしておる。これは、はなはだ微細なことであるけれども、その間における友好関係の促進というものは大きいものがあるんですね。最近には、十二月、一月に向って選手二名を呼んだ。そうしてインドの国民がどれくらいこれをまあ喜び、賞讃し、丁重なる礼状が来て、日本選手の態度、組織、それらについての非常な感銘をよこしてきている。われわれは、まだインドを呼んだことがないんです。昨年呼んだんですが、これはデビス・カップのためです。そういうことについても、これはスポーツですから、文部省関係かもしれませんが、それ以外においても……。そこで、私は申し上げたいんです、具体的に。明年の五月にはアジア大会で、二十二カ国の各国から皆選手東京に集まる。文部省では、十三億の予算を取ってこれを迎える。東京都も、約十億の予算を出そうと、こう言っている。現実にそういう予算が出ているわけです。まあそういったような事態においてですね、この外務省においては、特にこの文化交流というものをはかるために、相当予算措置をすべきではなかろうか。でなければ、民間団体にこのことを呼びかけて、具体化したところの一つのここに大きな運動を起さなくちゃならぬじゃないか。文部省は、スポーツ審議会というものを閣議の決定によって開いたわけです。これは、国際関係のものを主としたものであって、国内スポーツの問題と、両方合せておりまするが、私は、外務省では、この文化交流関係で、一つ中央審議会というものを作って、具体化して、実行策をこれにとられて、そうしてそれが予算化するように、これは、全体の力によって実現するような方向に向われてはどうかということをかねがね考えておるのでありますが、特にこのアジア関係においてそれが必要である。アジアの中でも、まあ中共の関係は、今ああいった国交の関係でありまするが、インドはどうしてもこれは重要であって、このインド関係は、まあたびたび引用しますが、梶原委員のおっしゃったように、これはアジア全体の問題につながるんです。大きな問題であろうと思うのです。そして来年は、このスポーツ競技という以外に、美術展覧会を開こうと、アーツ・エキジビションというものが、アジア大会にこれはちゃんと規定の上にやるわけです。この場合には、アジア各国、まあこれは、イスラエルまでいっているアジアという意味ですが、各国美術を皆展覧しようという計画を持っているわけです。これらについては、これはインドはどうしても大きな役割を占めていただきたい。というのは、アジア競技連盟を作ったのがインドである。ネール首相を初め、その他が非常に熱心で、これがそのいわゆる創始者なんです。そこで、第一回の大会を一九五一年に開き、また、一九五四年にマニラで開き、第三回が東京ということに相なっておるわけで、この機会には、どうしても美術展覧会各国のいろんな美術を集め、またスポーツ関係を含んで、それをやろうということになっている。これは一つ外務省にお願いしたいのですが、出先の大公使初め、外務本省も、こういった文化交流規定を設ける以上は、こういう部面についても、一つ具体的に計画を立てられて、そうして各国に呼びかけて、そうしてこのアジア親善関係を増すというようなことになさらなければならぬのじゃなかろうかという感を深くしておるのでございます。このためには、いろいろ案もある。具体的にはまた別の機会に申し上げますが、どうかそういった意味で、この証文だけじゃなくて、実行面においてこういったことが現われてくるように、方策を立てられるということが私は必要であろうと、こう思うのですね。そういった点において、一つ外務省当局はどうお考えになるか。また、よく一つ御相談下すって、その結果で、この委員会会期中に御答弁願ってもいいのでありますが、要は、こういう協定だけじゃいかぬので、これを実現すべきいろいろな具体的政策と、まあ半面においては予算措置資金関係も考慮されるということを私は特に希望いたしまして、今日ここで、どういうことをやるということをおっしゃることはあるいは不可能であろうと思いまするけれども、十分一つ考え下すって、この会期中に、本委員会において、こういう方針でやろうと思うということを一つ大臣とも御相談下すって、一つここで、そのまあ御意向というか、方針をここで表明願いたいということの希望を申し述べまして、私の質問を打ち切ります。
  13. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 先ほど、政府側出席者について報告申し上げましたが、その際は、外務省から井上政務次官高橋条約局長田中情報文化局長が出席しておる旨を申し上げたのでありますが、ただいま文部省から、北岡調査局長も見えておりまするから、付け加えて報告をいたしておきます。
  14. 田中三男

    政府委員田中三男君) 今の津島委員の御意見、まことにもっともでございまして、われわれも、文化協定をかなり作っておるのでございますが、この十分な予算的措置がとられておらないということは、仰せの通りでありまして、極力努力をいたして参っておるわけでございますが、今、先ほど井上政務次官がおっしゃいました文化関係予算のほかに、実は外務省報償費があるわけでございます。この報償費をわれわれとしてはかなりこの文化方面に使うように、省内努力をいたしておるわけでございます。これは、ことしも約二千万円程度報償費から文化関係の費用に使っております。来年度は、もし予算通りますれば、報償費も何がしかふえるようでございますので、その相当部分文化関係方面に回してもらうというふうに、今省内でいろいろ手配をいたしておるわけでございます。  それからなお、このアジアアフリカ地域との各国相互間の文化交流につきましては、私どもも重点をこの地域に置いておるわけでございまして、文化協定も、インドができますればタイと、二カ国、さらに目下近く調印の運びになっておりまするのがエジプト、イラン、セイロンの三カ国がございます。この国会中に、この三カ国の協定も御審議を願うように運びたいと、こう思っておるのでございますが、こういうわけで、アジアアフリカ地域重点的にわれわれの仕事を考えておるわけでございます。ただ、このアジアの国は、独立の日が浅いので、なかなか文化関係の機構が相手国に整備しておらぬ国がございまして、私ども、機会のあるごとに、こういう協定を結ぶことによって、相手国の方も文化交流熱意を持つようにという工夫をしておるのでございますが、必ずしも相手国は、われわれの希望通りには応じてこない国もあるわけでございます。  なお、このスポーツの点でございますが、実はわれわれも、ごくわずかな予算でございますが、ことしは講道館にお願いいたしまして、柔道の先生を二名、東南アジア地域に回したのでございますが、これは非常に好評でございました。テニス選手インドあるいは他国から日本に呼ぶ、あるいは日本の優秀な選手東南アジア地域に回すということは、これは来年度計画として、私ども具体的に考えてみたいと、こう思っております。もっとさらに積極的な計画につきましては、いずれ相手国関係もございまするので、この委員会ができますれば、委員会具体案を練りたいと、こう思っております。
  15. 海野三朗

    海野三朗君 ただいま、津島委員からもちょっと触れられましたが、外務省文化協定予算が五千万円というような、ほんとうに鼻くそみたいなものです。そんな金で、文化協定に対して外務省はどう考えておられるのですか。そんな金ではとてもやれないと私は思うのですが、そういう際には、国庫の予備金からでも引き出すだけの御自信がおありになりますか、政務次官一つお伺いいたします。五千万円ばかりの金で何ですか。
  16. 井上清一

    政府委員井上清一君) 文化事業に対しまする経費が少いと、おしかりを受けたのでございますが、まことにごもっともでございまして、せっかくと努力いたしましたけれども、予算がこの程度で落ちつきましたことはまことに遺憾ですが、なおこのほかに、先ほど田中情報文化局長からお答え申しましたように、報償費から相当にこちらのほうに充てることもできると思うのでございますが、それにいたしましても、総額から見ますと、そう大した金額ではございません。明年度におきまして、特別な計画で、どうしても金を出さなければならないというようなことのもし必要がございますれば、あるいは予備金からということも考えられますけれども、なかなかこれは困難であろうと思いますが、具体的な問題に当りまして、せっかくと努力をいたしてみたいと思います。
  17. 海野三朗

    海野三朗君 そういう際に、国家のつまり予備金から何億くらい金をもらい得るとお考えになっていらっしゃいますか、その御決意一つ承わりたい。ただ、金をもらえるだろうというふうな、ぼんやりしたことでは、私はいかんと思うのです。今、津島委員もるる述べられ、梶原委員も述べられました。結局予算がない。予算がないからやれぬというくらいであるならば、外務省の働きはどこにあるかと私は申し上げたい。そんなことで、五千万円くらいの鼻くそみたいなお金でもって文化協定、実にどうも外聞が悪いと私は思うのですがね。それでどれくらい準備金が入る。いよいよというときにはもらうだけの御決意がありますか、その御決意一つ承わりたい。
  18. 井上清一

    政府委員井上清一君) 御鞭撻を受けて恐縮でございますが、具体的な問題に当りまして考えるより仕方がない。その場合には、ぜひ御声援をお願いしたいと思います。
  19. 海野三朗

    海野三朗君 最近でありますが、国際スタジアムで、米軍から返還後、あそこにインド展をやりたいというような企てがあるわけでありますが、そういう際には、外務省はどういう態度でいらっしゃるか。  それからもう一つは、ビルマの舞踊、演劇をやる人たち二、三十人を、もし日本から受け入れる用意があれば、いつでも向うから日本に送ろうと、そうして日本とビルマとの親善をはかりたいという熱意があるという情報が入っておりますが、そういう際には、外務省はどういう態度でいらっしゃるか。この前、インドからもそういうのがありましたが、ビルマの国人も、やはり非常に日本に対しては、親善に対して熱意を持っておるのであります。私は、二、三年前にビルマに参りまして、いろいろお世話になってきたのでありますが、あのビルマ人というものは、皆さん御承知のように、ビルマの女の人は、日本の女の人とすっかり同じです。言葉なんかも非常に似通った言葉がありますし、日本の習慣と非常に似通うておる点が多々あるのであります。そういう点から考えまして、また、日本の兵隊があそこに駐屯しておる間に、ビルマ婦人と恋仲に落ちて、そこに生まれたところの子供が約三万人おるということも、ミヨウマ・スクールの校長さんが私に述べておったのであります。その三万人の子供らのうち、ミヨウマ・スクールを私が参観いたしました際に、十二、三ぐらいの子供らが、皆私のところに来て手を差し伸べた。何で手を差し伸べたかと思って、私はミヨウマの校長さんに、何だろうかと聞いたところが、彼らがいわく、口々に、日本のじいちゃん握手をしてくれと言うて、私のところにたくさんの十二、三の子供が寄ってきているのであります。それで私は、一々握手をいたしましたが、日本のじいちゃん握手してくれ、これは皆、日本人の子供でありますよと、私はミヨウマ・スクールの校長さんから言われた。向うにおります子供らのうちには、非常に多く日本人の血が流れております。それをまた、彼ら自身はさらに怪しまない、非常に名誉と心得ているのであります。そういうふうな国情でありまするビルマ、そのビルマから、日本に劇団を送ろうというような企てがあるし、日本で受け入れてさえくれれば、いつでもやりたいという話を私は聞いているのでありますが、そういう際には、外務省はどういう態度でお考えであらっしゃるか、それを承わりたい。  それからもう一つは、過日お伺いいたしました、セイロンとの貿易の関係におきまして私が伺ったこと、そのことについても御答弁をお願いいたしたい。
  20. 井上清一

    政府委員井上清一君) せんだって、この本委員会におきまして、海野委員から、山形県においてセイロン大使のフォンセカ氏が演説をされた、そのときに、日本の商人の不徳と申しますか、商業道徳に反している点についてお話があったということでございまして、さっそくセイロン大使館と、本件に関しまして打ち合せをいたしました。そうしてそれにつきまして、セイロンの二等書記官のクールメーヤー氏から詳細な連絡がございました。  それによりますと、フォンセカ大使は、先般山形市において、山形県下の実業家たちの開催いたしました同大使歓迎の午餐会に出席をいたしました際に、テーブル・スピーチをやった、そのときにこういうことでございます。  山形県の産物をセイロン市場に紹介してもらいたいということです。そのときに、いろいろの話が出たそうでございますが、そのときに、日本とセイロンとの貿易は、十対一の非常なアンバランスがあるけれども、日本品のセイロン進出はまだ余地ありと考えるので、自分としては、紹介の労をとることにやぶさかでない。しかし、貿易上のクレームが非常に多数発生しておって、その処理に在京大使館として非常に苦労している。たとえば、見本通りの品物が輸出されない場合がある。また、納期が非常におくれる場合がある。また、セイロンにあるエージェントに対する手数料の支払いがおくれるというような、数々のクレームが提起されている。また、いかがわしい貿易商社の名前が貿易商社一覧名簿に掲載されておって、その名簿には、信用が非常にあるように書いてあるけれども、実際はそうでなかったものがあった。で、日本とセイロンとの貿易増進のためには、このような悪徳貿易商を排除して、クレーム問題が発生しないよう措置をとるということが先決問題であるということを、そのとき大使が強調したようであります。ただ、ちょっと誤解があると困るからということがつけ加えられておりましたが、それは、同大使個人が買物をして、代金が支払ってあったにもかかわらず、品物が送られなかったというような話は間違いであるというようなことをつけ加えてありました。  そのようなことがございましたので、私どもといたしましては、経済局の方にも連絡すると同時に、通産省の方にも、こうしたことが国会において問題になったということを連絡して、十分今後の貿易に際して、貿易業者に対しても注意を喚起するようにということを一応いたしておきました。この点、御了承を願いたいと思うのでございます。  なおまた、先ほど御質問のありましたインドから日本に絵画を紹介するために展覧会を開きたいとか、またビルマの舞踊団派遣というような点についてお話がございましたが、日本との文化交流というような点から、まことに私はけっこうな話だと思います。しかし、いろいろ計画は非常にけっこうでございますけれども、どういう団体が、どういう意図をもってやるのかというような点についても、十分確かめなければいけませんし、もしこれをやるにつきましては、相当経費を伴うわけでございまして、こちらの方の主催者がどうした計画でもってやるのか、あるいは有料でやるのか無料でやるのか、有料でやった場合に、あるいは商業的な採算が可能であるかどうかというような点について、十分考えてやりませんと、せっかく参りましても、そうした点でおかしな問題が起りますというと、かえって親善の意図に反して、トラブルをあとに残すというようなことではいけませんので、十分計画を確かめました上で、政府として後援すべきものは後援し、また民間でおやりになるものに対して、ある程度の助力を与えるというような点について、どの程度やるかというような点も十分考究して、これらの問題を具体的に一つ取り扱って研究して参りたいと、かように考えております。
  21. 海野三朗

    海野三朗君 そういう際に、外務省はつまり極力好意ある態度を示すということをおっしゃるのでありますか。
  22. 井上清一

    政府委員井上清一君) もちろんこうした計画に対しては、十分一つ好意をもって御協力を申し上げていきたいと、かように考えております。
  23. 海野三朗

    海野三朗君 そういう際に、たとえば営利でやるのじゃないと、無料で見せるのだということで出てきました場合には、向うの往復の旅費は持つのでありましょうが、滞在の費用なんという際には、外務省はやはりそういうときには手伝ってくれますか。
  24. 井上清一

    政府委員井上清一君) これは先ほど申し上げましたように、計画の規模なりあるいはその内容なり、その目的なり、十分一つ研究した上に、具体的に御相談をいたしたい。もし適当だと思いまするならば、十分なる援助を力の及ぶ限りにおいてやりたいと、かように考えております。
  25. 海野三朗

    海野三朗君 もう一つ。この前伺った全日仏の中山君の方と局長お話になったと思いますが、あのインドのガヤ地方においてでありましたか、ベナレス付近でありましたか、今ちょっと忘れましたが、二万エーカーの土地を無償で提供するということを言ってきたのに対しましては、外務省はただ見送られたのでありますか、どうなんですか。
  26. 田中三男

    政府委員田中三男君) 海野委員の御質問がございましたので、さっそく全日仏教会の方にその後の事情を照会したのでございますが、私の方から。今お話のように、二万エーカーばかりの広大な土地を提供してもいいというような話があるので、それを実はそのとき全日本仏教会を通じまして、その利用方を研究していただいたのでございます。ところが全日本仏教会では、あまりに土地が膨大過ぎるので、その経費等もなかなか集めにくいというような関係で、そのまま放任して、今日まで具体的に話を進めておらないという報告を受けたわけでございます。
  27. 海野三朗

    海野三朗君 そういう際に、外務省としてはどういうお考えなんでありますか、ただそれは聞きっぱなしであるか。せっかく向うで好意あるそういうふうな申し出をして、無償提供しようというようなことを言ってきた際には、外務省としてはただそれを見送っておられたのでありますか。これはやっぱりものにしていこうというお考えでもなかったのですか、どうなんですか。
  28. 田中三男

    政府委員田中三男君) 私どもは、国際文化関係のいろいろの計画があります際には、もちろんこれをできるだけ具体化したいという気持で仕事をいたしておるわけでございまするが、ただ、計画によりましては、資金その他の面でとうていわれわれの手に及ばない問題も、仕事も多いので、結局民間の方々と相談して協力を仰ぎ、相協力して具体化していくというやり方をいたしておるのでございます。このインドの問題につきましては、そういうわけで仏教関係でもありまするので、全日本仏教会に連絡いたしまして、その検討を願っておるのでございますが、全日本仏教会でも具体的にお取り上げに今まだなっておちないので、われわれとしても、外務省だけでこの問題を処理する力が、予算等の面でございませんので、そのまま今日に至っておるわけでございます。
  29. 海野三朗

    海野三朗君 そういう際に、私は、全日仏の方に言うてきたんだから、宗教関係だからというふうに冷やかな眼で見られないで、表面上は全日仏であろうが何であろうが、内実やはり外務省あたりがもう少し片棒かついでやるというようなふうに、もう少し力を入れて、好意を示して、何とかそれを、そこにいわゆる日本人の足だまりを作るなり、あるいは文化交流の足だまりにするというような方向へお考え下さるのがほんとうじゃないですか。私はどうもその点に対して外務省は熱がないように思うのですが、局長どうなんですか。
  30. 田中三男

    政府委員田中三男君) この点につきましては、さらにインド側とも連絡をいたしまして、もう一度再検討いたしてみたいと思います。
  31. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 関連して。今の敷地の問題は、それは無償で提供なさるというんじゃないのでございますか。
  32. 田中三男

    政府委員田中三男君) 無償でございます。ただ、これを一応もらうということになりますると、あとで向うの希望するような建物を建てるとか、いろいろ仕事をしなければならない当然義務が伴うわけでございますので、それについては十分な予算的裏づけを必要とするわけで、その面でわれわれの方では、仏教会の方も同様でございまするが、行き悩んでおるというのが実情でございます。
  33. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 政務次官に伺いますけれども、そういうような場合に、来年度予算の中に、民間の方でどのくらいとか、あるいは政府の方でこれに対してどのくらい補助するというような具体的な御構想のもとに、予算の裏づけというようなことをお考えになってしかるべき問題じゃないかと思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。
  34. 井上清一

    政府委員井上清一君) 計画が非常にはっきりしておりますならば、三十二年度であるいは組んでもよかったんじゃないかと思いますが、何分まだはっきり固まっておりませんでしたものですから、見送らざるを得なかったような状況でございます。
  35. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 それでは次の年度にはこれをもう少しお調べの上、具体化して、やはり予算についてお考えになる、こういうようなお考えでしょうか、いかがでしょうか。
  36. 井上清一

    政府委員井上清一君) 事態がもっとはっきりして参りますれば、お説のように予算的措置も研究してみたいと思います。
  37. 海野三朗

    海野三朗君 ちょっと、私は今の次官のお答えですね、事柄がはっきりしてくればとおっしゃるけれども、はっきりしているんですよ。土地を無償で提供しますということははっきりしているんですよ。それでありますからあとのあなた方の方の御決意いかんによるわけで、事がはっきりしてきたならば考えるじゃなくて、事ははっきりしているんですよ。無償提供いたしますから、これを日本インドとの文化交流の何かに使ってくれ、そうしてインドに巡拝にくる人たちの足場にするのもいいであろうし、これは御自由なんであるということは、これは向うからるるそのとき述べてきておる。それははっきりしているのです。私はその事実がはっきりしておるから、つまり外務省の御決意を伺いたいというのです。それで、これはどうしても次の年度において何とかしてやろうという御決意があるのかどうか、そこを私ははっきりしたことを承わりたい。
  38. 井上清一

    政府委員井上清一君) お示しのように、大体土地の提供についてお話があったことは、これははっきりしておるわけでございますが、そこへどうした施設をするのか、またインド側が計画するのに対して、日本側協力するのか、日本がそこへ施設を作るのか、また作った施設を世界の仏教徒の巡礼の足だまりにするのか、あるいは日本人が向うに行ったときに、それによってあれするのか、日本文化を紹介するのに必要な施設をやるのか、それらの点について話がきまっておりません。また、われわれとしても両方の意思が合致する程度にまで、事態が進んでおりませんために、そう申し上げたようなわけで、それがまたはっきりいたしましたら、予算的な問題は次に考慮すべき問題である。かように私は考えております。
  39. 海野三朗

    海野三朗君 それは詳しいことはるる述べてきておりますから、全日仏の中山理事からよく一つお聞き願いたい。無償提供です。全部御自由にしてくれ、こういうことはるる述べておるのですよ。ですから、そこは向うで友好の手を差しのべてきたときに、日本外務省としては、予算は五千万円しかないからというけちなことを言っておったのではしようがないと思う。どうしたってもう少しがんばってもらって、国家の予備金からでも出していただいて、何とか二万エーカーの土地を提供してくれるというならば、外務省としてもお考えなさってもいいのではないかというように私は思いますので、もう少しはっきりした話を中山理事の方からよくお聞きになっていただきたいと私は思います。そうして、来年度においては五千万円というけちな予算でなしに、もう少し自信のある要求をなさったらいいでしょう。忙しいからほかのことにかまっておられないというかもしれないけれども、五千万円じゃ何ともしようがないですよ、梶原委員津島委員も言われたように、文部省で十三億も組んでおるのに、外務省で五千万円というのは恥かしくてしようがない。どうかもう少し御決意をかためて下さるように、政務次官に特にお願いいたします。よろしゅうございますか。
  40. 井上清一

    政府委員井上清一君) 十分お話を承わりました。
  41. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 ちょっとお願いしたいのですが、このインド日本との文化協定の第二条のところに書いてございますが、「教授、学者、学生並びに科学的及び文化的の機関の構成員」云々ということがあるのでありますけれども、インドは、ガンジーイズムは数からいえば多いのでありますけれども、インドを初め、これらの東南アジアの国々の仏教の影響力というものは非常に濃厚であるということは、十分わかっておることだと思いますが、それらを考えて参りますと、これには宗教というようなことが全然上っていないと思いますけれども、宗教というような問題は、文化というような問題の中にどういうふうに考えていらっしゃるのですか。
  42. 田中三男

    政府委員田中三男君) 私どもは、直接宗教問題を取り上げることは、文化協定の中では考えておりません。しかしお説のように、仏教の関係国が東南アジア地方に非常に多いので、やはり仏教のオーソリティーを、できるならば来年度にも適当な語学の堪能な方を選んで、一、二名東南アジアの各仏教国を回っていただいて、そうして大学で講演をしていただくなり、またそういう団体、集まりで、いろいろ意見を交換していただく、そういうふうな文化人の交流を、来年度にぜひ実現してみたい、こういうふうに考えております。
  43. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 どうぞ今後東南アジアの国々と日本との文化交流を盛んにしていく点につきまして、これらの国国の宗教の問題について、いつもよく考えていただいて、ただときどき講演する方をお回しになるのもけっこうだと思いますけれども、なおこれらの国々の、ネパール、セイロン、ビルマ、インドというような国々をしょっちゅう回れるような、常設的な宗教アタッシェというのも、ちょっと言葉がおかしいかもしれませんけれども、そういうようなお仕事をなさる方を、どこかに常設的に置いておいて、しょっちゅう回っていただくというようなことを考えていただいて、その予算も来年度はぜひ取るように努力していただきたい。これだけの希望を申し上げて、私の質問は終ります。
  44. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ほかに御発言ございませんでしょうか。
  45. 海野三朗

    海野三朗君 この前御質問申し上げたのに対して御答弁がないのですが、ビルマにセンターを作る、輸出品の農機具や、そういうものを、つまり展示する場所を、ラングーンに設けるということで、この前予算も取ってあった。ところがそれが何かうまくいかないので、延び延びしておって、まだその店が設けられないというお話を聞いたのでありますが、あれはどうなっておりますか、何か外務省の方で、外渉関係の方ででもおもしろくない、すらすらといかないことが引っかかっているから、そんなふうになったのではないかというふうに、私らは懸念も持っているのであります。あれはどうなんでしょうか。
  46. 井上清一

    政府委員井上清一君) 私もはっきり詳しくは存じませんが、知っております程度で申し上げてみたいと思いますが、海外農業機械振興会という団体がございまして、ビルマに、あるいは賠償の一つの手段として、農機具をここに出すというようなことも考えたのだと思いますが、ビルマに農機具の見本市を開くという計画をやったようであります。ところが、どうもその振興会の計画自体が、ずさんなものであったために、どうも不成功に終ったというような事例を、私ども聞いておりますので、お尋ねの件は、おそらくそのことではないかと、かように思うのであります。  なおまた、この機会に申し上げたいと思いますが、来年度はバンコックに文化センターをぜひ作りたいと、私どもの方で計画を目下やっているわけであります。これができまするというと、東南アジア諸国文化的ないろいろな計画の中心にしたいということを考えているわけでありまして、日本とビルマとの文化関係を、海野先生のお説にもございましたように、さらに積極的に進めていく一助にもなるのじゃないかと、かように思っている次第でございます。
  47. 海野三朗

    海野三朗君 ただいまの井上次官のお話は、誠意ある御答弁であると私は存じますが、私の要求しておりますことは、もう少し、不徹底なんでありますが、その方面は通産省の方へ移るのでありますか、どうなんですか。
  48. 井上清一

    政府委員井上清一君) 海外農業機械振興会というのは、たしか農林省関係団体ではないかと思います。なおまた、この計画実施いたしますにつきましては、相当通産省関係協力もある程度得ながら、進めていったのじゃないかと思います。
  49. 海野三朗

    海野三朗君 このことにつきまして、この次の委員会に通産省の通商局長なりその方面に詳しい人を一つお呼び願いたいと思います。これは一昨年もうすでに予算も取って、それで土地を借りるばかりにしてあったのです。ところがそれがぐずぐずしてうまくいかないというようなことで、国内から見本市に出そうと思って、大阪にどっさり品物が寄っておる、それが、倉敷料を莫大に取られたというわけです。なかなかうまくいかないのでありますから、その点についてはどうか通産省の方面あるいは農林省方面の詳しい説明者をこの委員会にお呼びいただくことをお願いいたしておきます。
  50. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ほかに御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。  それではこれから討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。日本国インドとの間の文化協定批准について承認を求めるの件、日本国ドイツ連邦共和国との間の文化協定批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して問題に供します。両件をそれぞれ承認することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  53. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 全員一致でございます。よって両件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりましてこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、両件を承認することに御賛成下さいました方は、順次御署名を願います。
  55. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、航空業務に関する日本国とスイスとの間の協定締結について承認求めるの件、日本国ブラジル合衆国との間の航空運送協定批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。  この両件につきましては、すでに御質疑が終了したものとこの委員会において決定になっております。従って、これから討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。航空業務に関する日本国とスイスとの間の協定締結について承認を求めるの件、日本国ブラジル合衆国との間の航空運送協定批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題に供します。両件をそれぞれ承認することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  57. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 全会一致でございます。よって両件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりましてこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、両件を承認することに御賛成下された方は、順次御署名を願います。   多数意見者署名     佐野  廣  鶴見 祐輔     曾祢  益  梶原 茂嘉     鹿島守之助  津島 壽一     野村吉三郎  海野 三朗     加藤シヅエ  竹中 勝男     森 元治郎  石黒 忠篤     佐藤 尚武
  59. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次回は三月十九日午前十時開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午前十一時四十七分散会    —————・—————