○
政府委員(
井上清一君) せんだって、この本
委員会におきまして、
海野委員から、山形県においてセイロン大使のフォンセカ氏が演説をされた、そのときに、
日本の商人の不徳と申しますか、商業道徳に反している点について
お話があったということでございまして、さっそくセイロン大使館と、本件に関しまして打ち合せをいたしました。そうしてそれにつきまして、セイロンの二等書記官のクールメーヤー氏から詳細な連絡がございました。
それによりますと、フォンセカ大使は、先般山形市において、山形県下の実業家たちの開催いたしました同大使歓迎の午餐会に出席をいたしました際に、テーブル・スピーチをやった、そのときにこういうことでございます。
山形県の産物をセイロン市場に紹介してもらいたいということです。そのときに、いろいろの話が出たそうでございますが、そのときに、
日本とセイロンとの貿易は、十対一の非常なアンバランスがあるけれども、
日本品のセイロン進出はまだ余地ありと
考えるので、自分としては、紹介の労をとることにやぶさかでない。しかし、貿易上のクレームが非常に多数発生しておって、その処理に在京大使館として非常に苦労している。たとえば、見本
通りの品物が輸出されない場合がある。また、納期が非常におくれる場合がある。また、セイロンにあるエージェントに対する手数料の支払いがおくれるというような、数々のクレームが提起されている。また、いかがわしい貿易商社の名前が貿易商社一覧名簿に掲載されておって、その名簿には、信用が非常にあるように書いてあるけれども、実際はそうでなかったものがあった。で、
日本とセイロンとの貿易増進のためには、このような悪徳貿易商を排除して、クレーム問題が発生しないよう
措置をとるということが先決問題であるということを、そのとき大使が強調したようであります。ただ、ちょっと誤解があると困るからということがつけ加えられておりましたが、それは、同大使個人が買物をして、代金が支払ってあったにもかかわらず、品物が送られなかったというような話は間違いであるというようなことをつけ加えてありました。
そのようなことがございましたので、私どもといたしましては、経済局の方にも連絡すると同時に、通産省の方にも、こうしたことが
国会において問題になったということを連絡して、十分今後の貿易に際して、貿易業者に対しても注意を喚起するようにということを一応いたしておきました。この点、御了承を願いたいと思うのでございます。
なおまた、先ほど御質問のありました
インドから
日本に絵画を紹介するために
展覧会を開きたいとか、またビルマの舞踊団派遣というような点について
お話がございましたが、
日本との
文化交流というような点から、まことに私はけっこうな話だと思います。しかし、いろいろ
計画は非常にけっこうでございますけれども、どういう
団体が、どういう意図をもってやるのかというような点についても、十分確かめなければいけませんし、もしこれをやるにつきましては、
相当の
経費を伴うわけでございまして、こちらの方の主催者がどうした
計画でもってやるのか、あるいは有料でやるのか無料でやるのか、有料でやった場合に、あるいは商業的な採算が可能であるかどうかというような点について、十分
考えてやりませんと、せっかく参りましても、そうした点でおかしな問題が起りますというと、かえって
親善の意図に反して、トラブルをあとに残すというようなことではいけませんので、十分
計画を確かめました上で、
政府として後援すべきものは後援し、また
民間でおやりになるものに対して、ある
程度の助力を与えるというような点について、どの
程度やるかというような点も十分考究して、これらの問題を具体的に
一つ取り扱って研究して参りたいと、かように
考えております。