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1957-02-21 第26回国会 参議院 運輸委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年二月二十一日(木曜日)    午後一時二十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     戸叶  武君    理事            江藤  智君            三木與吉郎君            大倉 精一君    委員            植竹 春彦君            平島 敏夫君            相澤 重明君            柴谷  要君            中村 正雄君            松浦 清一君            市川 房枝君            岩間 正男君   国務大臣    運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君   政府委員    運輸省港湾局長 天埜 良吉君    運輸省航空局長 林   坦君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸省港湾局港    政管理官    見坊 力男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査の件  (航空行政に関する件)  (港湾行政に関する件)   —————————————
  2. 戸叶武

    委員長戸叶武君) これより運輸委員会を開会いたします。  まず、運輸事情等に関する調査中、航空行政に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は御質疑を願います。
  3. 柴谷要

    柴谷要君 航空関係につきまして、航空局長に少しくお尋ねをいたしたいと存じます。  その前に、本委員会へ御出席委員皆さんに一応御了解をいただきたいと思います点がございますので申し上げたいと思いますが、過般運輸委員会から四班に分けて各地を視察いたしました。私どもは第四班として北陸方面を担当いたし、つぶさに実情を見て参りましたが、いまだ調査報告をする段階に来ておりませんので、これは後日にゆっくり調査報告をいたしたいと存じます。このことについてあらかじめ御了承いただき、私ども北陸調査した中で一件、小松飛行場の問題が急拠取り上げられなければならぬ情勢にあるというふうに考えましたので、この点を質問をし、運輸当局の態度をお聞きいたしたい、かような点で質問いたしますことをお許しをいただきたいと存じます。  まず、最初お尋ねをいたしたいのは、民間航空が、特に定期航空路開設ということについて非常に各地で活発に準備をされているようであります。特に小松飛行場は、御存じの通り裏日本におきまして非常にりっぱに整備された飛行場であるということを私どもは見て参りました。特に裏日本におきまする飛行場としましては、新潟並び小松、この両所しかないように私どもは見ておる。特に最近小松飛行場は、関西を結ぶいわゆる金沢—大阪間というものの航空路を設定いたしました。しかし今日まだ定期航空路という形にはなっておりませんけれども、冬期をはずしては旅客輸送をやっておられる、こういう事情でありまして、私ども現地を視察いたしましたときに、非常にりっぱな飛行場があり、その飛行場の活用が、小松市並びに石川県としては、急速にこの飛行場を有利に利用いたしたいという点から、民間定期航空路開設ということについて、非常に熱意を示されておる。ところが、三十二年度予算案説明を過日お聞きいたしましたが、小松に対する運輸当局関心がさらさら現われていないというふうに私ども観察いたします。そこで現地要望されておりますこの飛行場の取扱いについて、運輸当局は今後どのようにやられようか、また将来どのように考えておられるか、この点をまず最初にお伺いいたしたいと存じます。
  4. 林坦

    政府委員林坦君) お答え申し上げます。  地方都市空港を整備することにつきましては、それらの都市を、中心的な重要都市である東京あるいは大阪、福岡、札幌等と結びつけるということが最も大事なことであると存じております。そのような観点におきまして、航空当局といたしましては、裏日本に関連いたしましては東京—新潟—小松—大阪と、あるいは名古屋の間に航空路を設定することを一応計画いたしておりまして、実は来年度につきましても、航空当局といたしましては、来年度予算新潟及び小松を加えるべく計画いたしまして、財政当局とも折衝を続けて参ったのでありますが、の総額的な制限もありますし、また新潟小松とが現在なお米軍接収下にある関係もありまして、そこに工事をすることには、なおそういう面との関係を調整してやる必要があるというよ4な点も多少考慮いたしまして、来年度予算には、ついにこれを省かざるを得なかったのであります。しかしながら御指摘がございましたように、裏日本方面は現在、小松飛行場もりっぱな飛行場でございまするけれども施設が何分にもないということのために、それをこの次には整備するような段階に持っていきたい。従って次の計画としては、決してこれを無視しておるわけではないのでございますが、一まず来年度の中には加え得なかったのでございます。
  5. 柴谷要

    柴谷要君 ただいまの説明を聞きますというと、小松に対しても十分な関心は持っておるけれども米軍の使用というような関係もこれあり、施設等については、本年は省いた。しかしながら将来の問題としては十分考えていきたいという答弁かと思いますが、そのように承知してよろしゅうございますか。
  6. 林坦

    政府委員林坦君) さようでございます。
  7. 柴谷要

    柴谷要君 そこで重ねてお尋ねいたしますが、ややもいたしますと運輸省方針、あるいは国鉄方針等を見ましても、どうも表日本には重点的に施策を施して非常に、何といいまするか、進んでおる。航空路にいたしましても、また国鉄にいたしましても、非常に進んでおる。ところが、これは居住されておる皆さんとしては、悪い言葉かもしれませんが、裏日本はややもすると置き去りになっているという現実、これが今日に現状ではないかと思います。特に輸送等の面においても、北陸の滞貨が非常にはなはだしいということは、長い間国鉄の面においても、線路を単線のままにしておいたということが理由になっておる。また、そのような事情の上から、輸送等も非常に山間を縫っていくために時間がかかっておる。今日のような経済事情のもとに、非常に北陸に求めるものがたくさんある。こういう地域の交通をすみやかに結んで、早く北陸方面との連係をとるということは非常に重大じゃないか。そのために大阪なり名古屋小松間というような航路を早急に設定をして、裏日本各県との連係を密にする、こういうような面から、特にこの飛行場の建設に当っては、小松市が全員の勤労奉仕で作り上げた、そういう歴史を持っておるりっぱな飛行場なんです。しかも市民の魂がこもった飛行場になっておる。それだけに特に小松人たちが切望しておるのは、一日も早く運輸当局においても施設を十分していただいて、すみやかに定期航空路開設を願いたいという非常な要求なんです。特にこの点につきましては、石川県知事からも国会に対して、そのような申し入れもあり、かつ、これに備えて十分地元民としても対処しておるようでありますので、本年度多少なりと予算をさいて施設の面に回す気持があるかどうか、重ねて一つお願いをしたいと思うのです。
  8. 林坦

    政府委員林坦君) 今御指摘のございました点につきましてはまさに裏日本方面がともすれば置き去りになりがちであるというお話でございますが、小松飛行場は、実はまだその表側の飛行場に比べましても、少くとも滑走路でありますとか、そういう基本的なものについては、相当整備されておるのであります。そして、あそこにはビーコンも米軍のものでございますけれどもございますし、従って現在は、先ほど御質疑の中にもございましたように、夏場日本ヘリコプター株式会社が不定期として運航を毎日一回いたしております。今年におきましても夏場になりますれば、これを計画としてはやはりやるように指導していきたいと思っております。冬になりますと、いろいろと気象が、特別にあの地方は高い山に囲まれたりなどしております関係上、その使用します飛行機等にも、いろいろと考慮を加えませんと、冬場の定期運航のようなことはなかなかやりにくい面がございます。従って飛行場施設を多少加えるという程度で、これが直ちに改善できるかどうかについては、さらに検討を要するかと思いますが、私どもとしては、ととしも名古屋または大阪との間の運航をやらせるように、もちろん指導していくつもりでございます。予算の面につきましては、実はきわめて少額な予算を、新規飛行場に新しい場所に手をつけるようにしか組むことができませんでしたので、現在の益ところ、小松飛行場に来年度予算の中からさくということは、ただいま考えておりません。
  9. 柴谷要

    柴谷要君 航空局長には大へん関心をお持ちになっておられるというかたわら、どうも関心がないように思われるのですが、現地実情をいろいろ調べて参りました結果、大体最少限度施設をしていただければ、日ペリ等航空が非常に今よりも一段と強化されて、北陸の方々に利便を与えるというふうに見て参りましたが、私どもが概算的に計算してみますと、三千万ないし三千五百万の資金を投入すれば、非常に、飛行場として一応使い得る情勢にあると思います。これを簡単に申し上げますと、土木工事で一千五百万円、あるいは建物、照明あるいは受信設備、こういったようなものであと二千万円もかけていただきますと、相当りっぱな飛行場として活用できると思います。そういう金を——三千五、六百万の金でありますから、割愛して施設をするという、本年度気持になっていただけないかどうか、重ねてお願いをいたしたいと思います。
  10. 林坦

    政府委員林坦君) ただいまお話のございましたように、荘千万程度の金をこれにかけるということは、かけます場合には、最小限そういう程度のものはかけなければならぬかと思っております。ところが、実は明年度新規場所につきましては、大体高知、松山、広島に約五千万円をもって充てるという程度予算でございまして、その他のローカルの分一億五千万円は、これをすでに着手して、工事の途中にありますものにつぎ込まなければならない現状でございますので、今度これをここにかけるということは、まことに私どもとしては心苦しいのでございますけれども、分けることができないという実情でございます。
  11. 柴谷要

    柴谷要君 大体本年度予算として、ローカル空港整備費は二十億ほどの金ですが、内容を聞いてみますと、無理からぬことだと思う。ただ私ども航空関係の面から見ましても、裏日本置き去りにするというような考え方を持たずに、将来これら地元の要望あるいは地理的条件その他を十分お考えいただきまして、運輸当局は、すみやかにこれらの要望にこたえられるように、次年度あたりには相当の考え方を織り込んで一つ予算を組んでいただくというふうに切に私どもとしては要望して、本問題の質問を打ち切りたいと思います。   —————————————
  12. 相澤重明

    相澤重明君 きょうは運輸大臣も御出席ですから、運輸大臣並びに港湾局長に、港湾関係の問題についてお尋ねをしたいと思うのです。  前国会からの継続中の問題でありますが、横浜湾における米軍貨荷役をめぐって、非常に大きな問題が提議をされ、本委員会においても十分討議をされたのであります。年末に入って、港湾荷役をいつまでもストップするということは非常に大きな問題でありますから、これを早く正常化しようということで、実は私ども運輸委員として江藤さんらを初め、皆さんでこの問題に真剣に取り組んで、輸送正常化をはかったわけであります。つまり労働組合の方は、なかなか米軍貨荷役の問題が本質的に解決しないうちはストライキをやめないという強い意思であったけれども運輸委員会のそういう仲裁なりあっせんというような形における中で、港湾局長担当者としての誠意をもくんで、何とか一つそれでは善処をしようと、こういうことでストの中止を行なってもらったわけですが、そのときに、港湾の建前から、この問題については、日米合同委員会において十分一つ話合ってみたい、こういうようなことも言われておったのでありますが、その後のこの日米合同委員会における経過はどうなっておるか、この点を最初に御報告を願いたいと思います。
  13. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 日米合同委員会に対するその後の経過を申し上げます。  米軍の軍費の問題につきまして、昭和三十一年の十二月一日に、日米合同委員会にこれを横訂するように、外務省から申し入れをいたしました。次いで昭和三十一年十二月十五日に、再び外務省にかけてくれということをさらに依頼いたしております。次いで三十一年の十二月二十四日、外務省は、この問題を特別委員会を作って検討をするようにということを、日米合同委員会に提出いたしました。そこで昭和主十二年の一月二十三日、これに対するアメリカ側から承諾したという通知が参っております。次いで昭和三十二年一月二十四日、日米合同委員会第百五十四回におきまして、この旨を承認をしております。で、特別委員会を設置いたしまして検討することとしたのでございますが、委員構成は、日本側といたしましては、議長に新納克巳、この方は、元外務省通商局長でありまして、契約調停委員会議長外務省から委嘱されておる方でありまして、この方を議長にする。それから委員といたしまして、菊池武之介、これは調達庁調停官としておる方でございます。さらに委員といたしまして、松木岩吉、これは労働省雇用安定課長でございます。それからさらに委員として見坊力男、これは運輸省港政管理官でありまして、以上四人をもちまして、日本側委員構成いたします。アメリカ側は、議長コーネル・T・E・コーツ、これは極東陸軍調達課長であります。座間にいる人であります。委員といたしまして、コーネル・E・M・ツエナー、これは参謀G5の参謀次長でありまして、労務関係をやっております。応問にいる人であります。なおアメリカの方は委員として、コーネル・C・M・レイン、これは在日米軍調達本部——横浜にございますが、ことの人でございます。さらにミスター・フランク・デュークというのが委員でございまして、これは座間におりまして、トランスポーテーション・レプレゼンタティブということになっております。さらに不特定の人で、ジャッシ・アドボケート・ホーム、これは座間にいる人でございます。それからコンマンダー・C・F・レイ、これはチェホアの司令部調達官で市ケ谷におります。これは海軍の人であります。さらにコンマンダー・R・A・ジョーンズ、これも極東海軍調達課長と申しまして、横須賀にいる人でございます。以上の七人をもってアメリカ側構成をいたします。このようなメンバーで、二月八日金曜日に第一回の協議をすることになっておりました。それが前日になりまして、先方から都合が悪いから延ばしてもらいたいということで、一月十二日火曜日に会合することになっておりました。これも前日になりまして、米軍側都合で延ばしてもらいたいということを言って参りました。一月十九日に会合することになっておりましたが、これも前日になりまして延ばしてもらいたいということで、今日になっているわけでございます。これの関係は、はなはだ困るので、早くやってもらいたいということを申し入れているのですが、察するに、向うの方はかなり委員の数も多いので、これが集まるのに時間がかかるのじゃないかというふうに思っております。今度は早くやってもらいたいということを申し入れている次第であります。
  14. 相澤重明

    相澤重明君 今の港湾局長お話ですと、合同委員会に持ち込むことについては一応成功し、それから構成についてもきまったけれども、未だに第一回の協議も持たれておらない、こういう御発言だと思うのですが、これに対して、運輸省自体としては、なぜこういうふうに延期をされるかという理由をお聞きになりましたか。
  15. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) はなはだ私の方としても困りますので、米軍側の方で都合が悪いというだけじゃ困るので、早くやってもらいたいということを申し出た。なぜこういうことになるのだということを聞きましたところでは、米軍側としても早くやらなくちゃならぬのだが、どうも構成メンバー都合の悪いのがあって、なかなかその日にちに集まれないのだということを言っておりました。
  16. 相澤重明

    相澤重明君 そういたしますというと、結局合同委員会は、前回の国会においても御説明があったように、いずれの国からも、一方から、こういう問題について審議をしたいということについて、お互いにこれは相手があることですが、誠意をもってこの問題を処理をするということになっておると思うのですが、日米行政協定のこの条文から考えてみましても、これだけ大きな国際的な問題であるのに、まあ自分の方のメンバー都合だということで、実は昨年の十一月以来の、むしろそれ以上三年来の懸案事項になっておるのに、なおかつ開かないということに対して、運輸大臣は一体どういうふうにこの問題をお考えになっておるか、運輸大臣の御答弁を願いたいと思います。
  17. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) ただいま港湾局長から申し上げた通り経過でありまして、はなはだ遺憾でありますが、これはまあ外務省とも話しまして、強く押してみますが、それよりほか申し上げられないのであります。
  18. 相澤重明

    相澤重明君 ただいま運輸大臣は、経過についてお話を聞いておったということで、なお外務省に強く要請をして早く開きたい、こういう御答弁だと思うのですが、この問題について、労働者にどうしてこの荷役を扱わせるかという問題について、運輸省ではこういうふうにしておるけれども合同委員会は開かれておらないけれども、他の省にそういうような問題が起きておるかおらないか、そういう点について、承知をしておるかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
  19. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) お話の点は今ございまして、その経過を申し上げます。アメリカの軍から調達庁に対しまして、六百三十二名の港湾作業労働者を募集したいので協力を求めて参りました。これは神奈川県の労働部を通じて申し入れて参りました。そこで昭和三十二年の一月一十三日に調達庁庁舎におきまして、調達庁労務部労働省職業安定局外務省欧米局運輸省港湾局、それから関東海運局神奈川県の渉外部というのが集まりまして、いかに対処するかということについて協議をいたしたのでございます。  アメリカ側のそれを要求する理由といたしましては、入札契約について、各方面からじゃまをされて迷惑をこうむった、昨年の秋から冬にかけてストライキがあって、荷役は兵隊を集めてかろうじて突破してきた、こういうようなわけで、以上の経験からすると、アメリカとしてはみずから作業に当る方が万事好都合で、不測事態に対して安心できるんだと、こういうふうな理由からでございました。ただ、契約者との契約を取り消すことはどうも悪いと思うから、とりあえず契約破棄を申し込んできた一社、これは宇徳運輸でございますが、これだけの分について、みずから作業がしたいんだと、こういうことを言っております。  この会議におきまして、運輸省としては次のような意見に従って交渉しているのでございますが、まず横浜港の港湾秩序について、一社分が契約がはずれて、その分を軍がやるということになりますと、それだけ契約量が減るので、特に下請業者にとっては、作業の削減となるからこの点は困るのだ、その結果、労働者の解雇を行わざるを得ないというような事態になるかもしれないし、たとえ解雇された労働者米軍に雇用されるとしても、将来の見通しがつかないので不安である、いつまた解雇されるかわからない、こういうりように考えられますので、事業者労働者の不安を醸成して、米軍と対抗するための不測事態が起きないと保障することさえ困難になるのだということを述べております。なお、直用作業は、技術的に見ても困難である、と申しますのは、商貨混載の場合は、商貨は取り扱えないのでありますが、混載の場合は、同一のハッチに混然と入っておりますので、その商貨を取り扱わずに軍貨だけを処理するということは困難なことだ、だから実際問題として、できないのじゃないか、それはアメリカ軍にとっては不経済になるであろう、事業者にまかせるならば、現実作業を行なった分について支払えばよいのに、直用の場合には、遊んでいるときでも賃金を支払わなければならぬ、こういうこともあります。なお、六百三十二名というような大量を募集することは、われわれの方としても、日本側としても非常に困難であるというようなことを強調して、できるだけそういうことにはしてもらいたくないということを述べております。  アメリカ軍との交渉は、これは直接調達庁がするのでございますが、調達庁米軍と数回にわたってその撤回をはかるように交渉を続けて参っておりましたが、アメリカ側が最終的な回答として要求しているのは、次のようなことでありまして、アメリカとしては、日本側意見は十分聞いて検討をしたんだが、その結果のものであると、こういうことでございます。われわれの方としては、合同委員会でも今との問題をかけておるのでありますが、だからよく話し合ってからきめた方がいいのではないかということで提案をしたのでありますが、その点は向うは断わってきております。そして第一次として、一月二十五日までに二十名を調達してくれ、第二次として、三月八日までに百二名を調達してくれ、第三次として、三月二十三日までに百二十四名を調達してくれ、それから第四次に、四月八日までに百四十名を調達してくれ、合計三百八十六名を調達してくれ、こういうような向うからの要請になっております。調達庁労務部外務省欧米局労働省職業安定局運輸省港湾局神奈川県の労働部等が集まっていろいろ協議をしたのでございますが、アメリカとしても、これがぎりぎりの線だということで言ってきておるのでありますが、従ってこれ以上緩和をしてもらうことはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えておりますが、事実上は労務者を募集するということについても、これはなかなかむずかしいので、との点は事実上うまくいかないのではないかというふうに考えておるわけでございますが、運輸省としましては、荷役の秩序不安ということを主張いたしまして、再度米軍に再考を促すように申し入れをいたしております。
  20. 相澤重明

    相澤重明君 これはもう非常に重要な問題に入ってきたと思うのですけれども大臣もこれは十分判断をされないと、日本の独立というものは一体どうなのかということをさらけ出しておる一つの場面だと思います。今のお話ですと、運輸省が監督すべき、あるいは指導すべき立場にあるこの事業について、特に日本立場合同委員会に持ち込んだのに、合同委員会は軍の都合で開かれない。ところが一方においては、日本業界あるいは日本労働組合、こういうふうなものを無視して、そして、米軍が直接にこの調達日本の側に申し込んでくる。一体この米軍貨問題——今日まで入っておる船が米軍側だけなのか、またはコンマーシャルであるのか、日本業界としては一体どういう立場をとらなければいけないのか、労働者はどういう立場をとらなければいけないのか、こういう基本的な問題に私は触れてくると思うのですが、一体こういうふうなあり方というものに対して、大臣はどういうふうにお考えになるか、お尋ねをいたしたい。
  21. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) 実は率直に申し上げますと、今のお話し、私初めて伺ったんであります。お話のように非常にこれは重大なことをいろいろ含んでおるように思います。この問題について一つよく関係当局とも話し、それから外務省もしくは外務大臣ともよく話しまして、考え方をきめてお返事申し上げます。
  22. 相澤重明

    相澤重明君 今の大臣の御答弁では、関係官庁とも相談をして、なおこの問題の解決のために努力したいということだと思うのですが、二十三百の日に、こういう関係官庁を集めて、そして米軍側が出されたということに対して、事前にこういう問題がわかっておったのか、おらないのか、この点は担当者としての港湾局長にちょっとお尋ねしておきたい。内閣がかわったばかりですから、大臣にそこまで突っ込むのは無理ですから、一つ担当官の港湾局長の方にお尋ねしておきたい。
  23. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 今のお尋ねの二十三日というのはどういう——月の二十三日のことだろうと思います……。
  24. 相澤重明

    相澤重明君 そうそう。
  25. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは一月二十三日の前に突如として向うから申し入れがあったのでありまして、アメリカ軍が直接に自分で荷役をするということにつきましては、労務を調達するということについては、日米行政協定によって拒み得ない事情がありますので、非常にめんどうな問題として協議を重ねておるわけでございます。
  26. 相澤重明

    相澤重明君 今の港湾局長の言うことは、つまり本年に入ってから、一月の二十三日に関係者が寄った。先ほどの合同委員会が前日になって延期されたというのは、三回まであるが二月八日、十二日、十九日ということですね。そうしますというと、すでに運輸大臣のいわゆる管轄の問題については、もう考える必要はない、率直にいえばね。それで主として外務省に対して米軍側ではこの問題についてけりをつけさせよう、そういう中に、まあ若干受け持つところがあるから運輸省の者も入ってもらおう、こういうような考え方が見られるように思うのだけれども、そういう点について、出席をした港湾局長はどういうふうに感じておったか。
  27. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 決してそういうことではないので、日米合同の特別委員会といたしましても、これは問題が運輸省の問題でありますけれども、折衝その他事務をとるのが調達庁外務省を通じてでございますから、そこでやるのであります、決して運輸省がその問題を離れたというような考えでは絶対にないのであります。なお、先ほどの労務の直用の問題でございますが、これも運輸省の直接の問題ではないのでありますけれども、非常に関連の深い問題でございますので、常に調達庁外務省と一緒になってやっておるわけでございます。
  28. 相澤重明

    相澤重明君 そういたしますというと、この問題は、米軍側としては、日本のいわゆる労働者がどうも米軍に協力してくれない、あるいはスト等があって、どうも思うように作業が進まない、こういうことで非常に迷惑をこうむったから、軍側が面接に雇用をしたいのだと、こういうことを申し入れてきたのだ、しかしそのお話の陰に出ておるのは、宇徳運輸が契約を破棄してきた。この一社の破棄をされたことについて、自分たちはそういうことも含んでやるのだ、こういうことだろうと思うのですが、そうですが。
  29. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) とりあえずは宇徳運輸が一つ断わってきたから、それに充当する分だけでも自分の方でやるというような考え方であるということを言っておるわけであります。
  30. 相澤重明

    相澤重明君 港湾局長一つなお聞いておきたいと思うのだけれども、それはこの三百八十六人という、宇徳運輸がやめたことによるかわりとして、新たな直用というものを考えたというのであるか、この三百八十六人でいわゆる軍貨の問題を処理でき得ると、こういうふうに米軍側として考えておるのかどうか、そういう点が見えたかどうか、ちょっとお尋ねをしておきたい。
  31. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) おそらくこの点は、米軍側としてはそれでいけるのじゃないかというふうに考えておると思います。われわれとしては、そういう労務者だけを集めておやりになったって、なかなかうまくいくものではございませんということを強調しているわけでございます。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと、運輸省の担当の港湾局長としては、実際問題として、そういうことをやってもむちゃなことであって、作業が思うようにいくものじゃない、こういうことについて主張をされた、まあ私もその通りであると、こう思うのです。それから同時にこの問題について、やはり日本の政府の態度というものがはっきりしないとこれは日本業界が幾ら一生懸命になろうとも、あるいは労働者が協力しようと思っても、これはできないのですね。われわれはもうすでに独立をしておる日本業界が各国とも提携をし、あるいはまた産業の発達のために邁進をしておるのに、こうした日本業界というものはもう要らぬ、日本の政府も何も形式的なものである、いわゆるアメリカ軍のために必要な日本の政府を作っておると、こういうような印象を与えられるようなことについては、これは非常に大きな私は問題だと思う。そういう点について、一つ運輸大臣に、この問題について、どうあなたはお考えになり、あるいは処理をされるか、こういう点について、再度お尋ねをしておきたい。
  33. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) お話のそのお考えの建前はごもっともだと思います。なお独立をしてきてだんだん数年たっておりますが、実は私どもの心がまえとしては、独立して後の数年間、やはり占領軍のしきたりに押されておったのであります。ここらで一つ、そういういろいろな問題を立て直していかなければいけない時期になってきておるように感じております。これらの問題につきましても、あるいは直ちに解決のできない点があるかもしれませんけれども、少くとも政府の態度としては、今あなたのお考えをもととしてこれは折衝していきたい、その点については一つ外務大臣ともよく話をしまして、またその他の当局者とも話して、そういう面で一つ押していって、一つ一つ解決していく。今日はこのくらいの問題は対等の立場で話し合いはできなければならぬと思っておりますが、そういうふうに進めたいと思っております。
  34. 岩間正男

    ○岩間正男君 ただいまの相澤委員質問は非常にまあ重大な問題だと思います。当委員会としても、二十五国会から継続して参っておる問題です。しかもこれは今話がありましたように、日本の独立の実態がどういうものだかということをこの問題は語っている問題としても非常に重要だと思うのです。そういうような建前から今大臣の決意のほどを伺ったわけでありますが、ここらで一つ対等の立場ではっきり交渉したい、こういう決意を伺ったわけでありますけれども、この点につきましては、これは衆議院におきましても、当委員会におきましても、元の運輸大臣もそういう決意を披瀝されたと思うのです。日本の現行法の港湾運送事業法をあくまで守る、その法規をどこまでも守り抜いていくと、これと抵触する分についての米軍の、何役の問題、この問題が発生しまして、あくまでこれは合同委員会で解決する益と、こういうことでこれは進んで参ったわけです。もっとも、そういう点では非常にまあ当事者の方々も、この合同委員会の組織がどういうものであるか、運営がどういうものであるか、こういうことについても非常に不明瞭であります。また、われわれ自身も非常に不明瞭な点があって、われわれこの点を相当明らかにして参りました。そうしてしかもその経過をただいま港湾局長から伺いますというと、まことにこれはわれわれ驚かざるを得ないのです。ようやくまあ特別委員会外務省の肝いりでできた、そこで会合を持つ、そういうことが決定された。そしてあす持つということがきまるというと、前の日になるというと、それを向うからこれをふいにしてくる。第二次にまたそういう約束をするというと、またふいにしてくる。第三回にまた同じように約束をすると、前日になってふいにしてくる。そういうことでは全然これは問題にならないと思うのでありますが、こういう点から考えまして、ただ一つ大臣に、私は基本的な立場としてここでお聞きしたいのですが、あくまで港湾運送事業法の立場を貫いて、この主張を通される決意を持っておられるのかどうか。それから現在の行政協定のいろいろな規定の中におきましても、これは相当私は米軍は制約されておると思うのです。そういうような点で、とにかくわれわれはこの行政協定には最初から反対の立場をとってきたものです。とにかくこれは現行行われて、いる立場におきましても、この条文の拘束する範囲内においても、私はこれは米軍は非常に不当なことをやっておるとしか思われない。そういう点からいって、大臣の今、国内法の立場をはっきり貫くか、それからこの合同委員会における今後の運営についてどういうふうにするのか、先ほどの御決意というのは漠然としています。もう少し具体的にこの点の決意をお聞かせいただきたいと思うのです。
  35. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) 今の私の考え方は実際の一つ一つの問題をまだよく聞いておりませんし、それに対して私ども立場でどの程度これを押し得るかということはまだはっきりしませんけれども、抽象的なお答えではありますが、基本的な態度は、先ほどお答え申した線で一つこの問題と取り組んでみて、そうしてその模様はまた経過を御報告申し上げたいと思います。
  36. 岩間正男

    ○岩間正男君 私のお聞きしているのは、港湾運送事業法を、その主張をあくまで貫いて、国内法を守るという立場をおとりになるのかどうか、この点伺っておきたい。
  37. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) そうでございます。
  38. 岩間正男

    ○岩間正男君 第二に、この行政協定にいろいろ規定されておりますね、この規定の面はあくまで実施させるという決意をお持ちになりますか。
  39. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) 具体的な問題になってどこまで押せるかわかりませんが、基本的な線では一つ当然それをやっていきたいと、こう考えております。
  40. 岩間正男

    ○岩間正男君 これを守らないのは、これは米軍の明らかな不当な事実と思いますけれども、その点についてはどうお考えになりますか。
  41. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) 明らかな不当な線であるかどうか、今のお話しから、大体今までのしきたりから、そういうことをこっちが押されておるのだと思いますけれども、それを是正することは一つ今日の、ことに御承知の通りども自由民主党内閣としても、鳩山内閣は一般的なことをやってきて、今度はそういう具体的な問題と取り組んでいかなきゃいけない、こういう心がまえでやっておりますから、いずれこの問題は一つよく事実について私どもも調べまして、その上で自分も納得する線において一つやっていきたいと思っております。
  42. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは納得せぬとかという主観的な判断ではなくて、少くともこの行政協定ほこれは今行われているのです。これはもう国民の反対もずいぶんあった。われわれも反対しました。社会党さんも反対したはずです、この行政協定につきましてはですね。しかし、とにかく国会にもかけられずに行政協定というものは残念ながらきまったものです。いわば国会にもかけられないところの、公然としたものではない。ここにこそれわわれは問題があったと患ったから、当時においては、国会にかけるべきだ、当然国会の審議においてやるべきだということを極力主張した。ところが当時は強引に、これはとにかく与党の、吉田内閣の与党の諸君ほこれを振り切りまして、行政協定は国会にかけない。そうしてこれがこういう格好で今日運営されておる。ところが国政全般に対して与えている影響は、港湾の問題でもありますけれども、全般的にこれはたくさんあるわけです。今、とにかく当面する港湾の問題に関しまして、非常に不当に行われている点がはっきりしていると思うのです。従ってこの行政協定の線を、現実においてはとにかくこの線の拘束ですね、法規的な部面を貫くという御決意がなければ、主観的な判断で酌量してどうだというようなことでは、私はとても貫けないと思うのでありますけれども、これはいかがですか、この点を伺っておきたい。
  43. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) お尋ねの趣旨に沿って一つ貫くように努力したいと思います。
  44. 岩間正男

    ○岩間正男君 それでは要点でございますが、もう少しこまかに私はお聞きしたいのでありますが、第一に、この前、これは直ちに合同委員会に提訴するか。それについて港湾局長が、その時期その他についてはわかりません、というような返答をされました。そのとき委員長がこの行政協定二十六条の条項を引かれたのであります。それはこういう条項です。「合同委員会は、日本国又は合衆国のいずれか一方の代表者の要請があるときはいつでも直ちに」、「いつでも直ちに」ですよ、「会合することができるように組織する。」、こういう条項を委員長からはっきり指摘されまして、まあわれわれも委員長の賢明な指摘に、よりまして、これは即刻やるべきじゃないか、年内にこれはこの問題を解決するように努力すべきじゃないか、しかもこれはずっと長年かかってこの問題は発生しておるのだから、これは早期にやるべきじゃないかということで、そういうことにいったわけです。それでそれがまあ相当私たちから見ますと順延して参りまして、そうして特別委員会がとにかく置かれた。そうして開会の日取りさえもきまった。それが三次にわたって——三回にもわたって一方的に破棄された、こういう点については、先ほど相輝委員からも指摘がありましたけれども、一体こういうやり方はこれはこのままで、単に運輸省だけの問題ではないと思うのでありますが、国務大臣としてお聞きしたいのでありますけれども日本政府の立場として一体どういうことになりますか、こういうやり方について。こんなわがまま勝手な一方的な一体やり方によって引き下っておられるものでしょうか、どうでしょうか、との点いかがですか。
  45. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) 御質問の趣旨ごもっともと思いますから、よく政府において、おそらく、私どもほかは知りませんが、こういうことがあれば、ほかにもこういう種数のものがあるだろうと思います。基本的に当然やるべきことと思いますから、相談をして推し進めるようにしていきたいと思います。
  46. 岩間正男

    ○岩間正男君 第二にお聞きしたいのは、これは行政協定の第十六条です。この中に「日本国において、日本国の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動、特に、政治的活動を慎むことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務である。」、こういうことが第十六条にはっきりこれは規定されておるわけです。こういう点から見ますというと、明らかにこれは港湾運送事業法という日本の国内法があるわけです。しかも行政協定の発効したのを見ますと、これは昭和二十七年の四月になっております。この国内法——運送事業法の制定されましたのは二十六年であります。従いましてその後にこれはできたところの法律ではない。すでに行政協定を結ぶとき、かくのごとき国内法がある。この国内法を尊重するということをはっきり行政協定の明文の中にうたっておる。しかるにこれは国内法を完全に無視する形で行われておるということについては、これは非常に私は問題があることだと思いますが、大臣はこのような条項に対して、行政協定そのものの制約なんですから、そういう点から考えましても、当然現在やっておる米軍の行動というものは不当きわまるものだと考えますが、大臣はどうお考えになりますか。
  47. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) ただいまお話のように、私ども今伺って感じておりますので、これは政府全体の強い力に待たにゃならぬと思いますから、これはやはりこういう具体的な問題を取り上げて、解決していかにゃならぬと、こう考えておりますから、これは一つ真剣にやってみます。
  48. 岩間正男

    ○岩間正男君 第三に私お伺いしたいのは、行政協定の第十二条の一、二項であります。一項には「供給者又は工事を行う者の選択に関して制限を受けないで契約する権利を有する。」、こういう規定があります。こういう規定を彼らはこの問題の中で建前にしてきておるのかもしれませんが、しかしこれは条文の読み方が非常にかたわになっております。なぜかと言いますと、第二項にこれを制約するようなもっとはっきりした規定があります。それは「現地で供給される合衆国策隊の維持のため必要な資材、需品、備品及び役務でその調達日本国の経済に不利な影響を及ぼす虞があるものは、日本国の権限のある当局との調整の下に、また、望ましいときは、日本国の権限のある当局を通じて又はその援助を得て調達しなければならない。」というような、もっと明確にこれらの今度の港湾役務問題を制限するような条項がはっきり明文としてうたわれているわけです、ところがこういうような問題について、これは港湾局長御存じだったでしょうか。一体こういうような問題をはっきり建前として、私は、今までの折衝に当られたのかどうか、これはどうでしょう。
  49. 見坊力男

    説明員(見坊力男君) お答えいたします。この十二条の第二項の点で、調達の中に港湾運送事業の問題が入るかどうかという点につきましては、これは入るという解釈ももちろんございます。これは現在これによってリストができ上っておりますので、そのリストの中で通運事業、道路運送事業港湾運送事業はライセンスを受けたものでなければ契約しないというような取りきめが行われておりまして、この問題はそれに関係すると思いますが、そのリストの中に港湾運送事業の料金問題を入れるかどうかという問題があるわけであります。外務省の方としましては、この問題、まあわれわれの方は、外務省にもこの十二条で問題を取り上げてそのリストの中に入れるということも一つの方法ではないかというようなことを話しましたが、まあ外務省とも相談した結果でございますが、特に軍貨の問題は非常に重要な問題である、ですからここに入れる、入れないということは別にして、特別委員会を作ってやった方がいいんではないか、で、特別委員会を作って特別委員会でその問題がはっきりすれば、その結果について、その結果を十二条二項に基くリストの中に入れることも可能であろうと考えております。
  50. 岩間正男

    ○岩間正男君 リストなどというのはは、これは一時の覚書みたいなものでしょう。本文を拘束するものじゃないでしょう。そうでしょう、誰が考えても本文の解釈からいって、この本文を読んでごらんなさい。もう一回読みます。「現地で供給される合衆国軍隊の維持のため必要な資材、需品、備品及び役務」とはっきり規定しているでしょう。港湾のこの荷役の役務を一体入れるか、入れないかなんていうことは、これは疑う余地はないと思うんです、全然。この問題が論議になっているならば、これはまことにおかしいのであってれリストそのものがごまかしであって、そのリストをたてにして逆に本文を拘束するというような、一体条文解釈というものはあり得ないだろうと思うんです。これが論争の何になったんですか。特別委員会でこの問題を決定しなければ、これを役務の中に入れるか、入れないかということがまだ決定しないんですか。そんな段階では私はこの交渉は進むはずはないと思うんです。
  51. 見坊力男

    説明員(見坊力男君) 言葉が足りませんで申しわけございませんでした。そのリストと申しますのは、この第十一条によりまして、お互いのメモランダムがそこできまっておるわけですから、そのメモの中にはっきりと、ライセンスを持ったものでなければ契約をしないということがはっきり書いてあるわけであります。従いまして特別委員会でこの問題が討議されて問題がはっきりしたときには、当然これによるリストの中にこれを入れることは可能である、こういう意味でございます。
  52. 大倉精一

    ○大倉精一君 関連して。今メモランダムができておるというお話でございましたが、それはライセンスのあるものでなければ契約しないというメモランダム、これは私本調査をしてみましたが、一方的な解釈のように承わっておるんです、これは。たとえば運輸省の陸運関係でも、これは一方的な解釈である、今現に米軍の方では、基地内におけるところの業務ですね、あるいはこういう問題については、日本の法律の拘束を受けないのだ、こういう解釈が一部で行われておる。それでだんだん調査してみますというと、第何回かの合同委員会だかわかりませんが、この合同委員会の席上において、日本の政府がそういう希望的な意見を出した、そのときにアメリカの方としては、今までそういうライセンスのないものとは契約したことがないから、そんなこと必要ないじゃないか、当然じゃないかということで切れておる。だから今あなたがおっしゃるようにメモランダムができておる。だからライセンスのある人だけしか契約しないというのは、これは日本の政府の一方的な解釈であって、必ずしもアメリカの確認をとっていないのじゃないかと思うのですが、その点真相はどうですか。
  53. 見坊力男

    説明員(見坊力男君) そのメモと申しますのは、ここに持って参りませんでしたが、向うの、たしかルイスという海軍中将ではなかったかと思いますが、その人の名前で、この十二条の第二項に基いて、次のようなことを了承するということを、上紙をつけまして、いろいろな内容がずっとリストになっておるわけでございます。その中に第三部として通運事業、道路運送事業港湾運送事業については、その事業者はライセンスを持ったものでなければ契約はしない、ということが書いてあります。
  54. 大倉精一

    ○大倉精一君 この問題について、実際の問題が発生しておるんですよ。横浜においては、それは通運事業関係で発生しております。この問題について確かに運輸省の自動車局の方から、従来無資格業者が入札をして落札をしてそれに基いて免許する、こういうことで通運事業の秩序の維持ということが非常に支障を来たしておるから、そういうことがないように、入魂を理由に免許するというようなことがないようにという通達が行っておる。確かに行っておるのだが、現実に今あすこで小田原運輸というのが無資格業者でもって入札して、落札して無免許で現に仕事をやっておる。これは無資格だ。この問題がいろいろ浮び上って調査してみましたところが、運輸省が出した通牒というものが、これはそのメモランダムを信用して出したのであるが、しかしこの問題について、現存アメリカ軍の中においては、そういう基地の中においてはそういうメモランダムは適用されないのだ、そのメモランダムについても、これは承認を与えるものはこうこうこういうものだということが明らかになったわけです。ですから、あなたの方はそういう工合に解釈されておっても、現実にそのメモランダムと違ったことが発生しておる。こういう点はどういうわけなんですか、その点のいきさつをわかったら承わりたいと思います。
  55. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) ただいまの件は、直接港湾局の所管でないものですからよくわかりませんが、よく調べて御報告いたします。
  56. 大倉精一

    ○大倉精一君 港湾局の所管でないのですが、メモランダムの関係については、これは共通のものだろうと思うのです。でありますから陸運の方において、そういうことをやられておるとするならば、海運の方、あるいは港湾の方においても当然これがやられる、こういうことを考えなければならぬ。ですからこれは所管でないということは、私は陸運関係一つの例を引いただけであって、今あなたがメモランダムは適当とおっしゃるから、それは政府の一方的解釈じゃないか、アメリカ軍によってこういうふうに考えられておるのではないかということを指摘して、あなたの方の見解をただしておるわけです。
  57. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 港湾運送事業の点で、運送の関係アメリカのJPEはそのメモランダムに基いて、港湾運送事業の登録をとってないものについては、やらないということをやっておるようでございます。
  58. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうしますと、そのメモランダムというものは、港湾運送事業とそれから通運事業、道路運送事業、これは別々に考えてメモランダムは出ておるのですか。
  59. 見坊力男

    説明員(見坊力男君) それはみな一括して書いてございます。
  60. 大倉精一

    ○大倉精一君 一括して書いてあるとすれば、港湾関係にはこれがないというようなわけになって、現にこういうメモランダムを破られておる事実があるじゃないか。この事実は、所管関係は違っても同じ運輸省の中で私御存じであると思う。でありますから、こういうようなメモランダムができておるからということは、これは非常に危険な解釈じゃないかと思います。大臣、こういう問題について御存じありませんか。
  61. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) よく承知しておりませんが、今のお話を総合してさっそく一つ調べてみます。
  62. 岩間正男

    ○岩間正男君 ただいま大倉委員のそういう具体的指摘によりまして、メモランダムというものがいかにでたらめなものであるかということの正体がわかったと思う。都合のいいときは守られる、そうでないときは破棄する、これは覚書でしょう。そういう覚書によってこの条文が拘束されるというようなことになれば、まるでこれはさか立ちだ。そういう点で私はこれにもとるものだと思う、そういう点からどうしたってこれはこの第十二条の条項というやつは、今度のこの港湾運送事業法の建前を貢ぐためには、はっきり行政協定そのものの中にも、これは守らなければならないという根本精神がここに含まれておると思うのです。この点について私は、これは運輸大臣にお聞きしたいのでありますが、この点が具体的な向うとの論争になりますと、一番中心になってくるのじゃないかと思うのです。現実の行政協定を押す場合、こういう点でどういう決意をお持ちになるか、お聞きしたい。
  63. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) その行政協定にちゃんときまって、基くものは当然その規定に基いて処理するように進めていくのが当然だと考えております。今まで曲げられておる点があれば、これを是正することに相当強い決意をもってやっていきたいと思います。
  64. 岩間正男

    ○岩間正男君 ただいま大臣のそういう御決意を承わったわけでありますが、とにかく事態は発生してからすでに久しい。問題は、これはずっと継続され、それがまあ刻々損害を与えておる、日本経済状態をいろいろ混乱させておる、こういう事態があるのですが、この例からもそうなのですが、とにかくこれは緩慢でしょうがないというのです、こういう折衝が。しかも二十六条の規定によりますと、これは一方からの要求があれば即刻、直ちに行わなければならない。こういうものをわざわざうたっておいて、うたった当人が破っておいたのじゃ話にならないと思う、実際。こういう乱脈きわまりない米軍のやり方に対して、はっきりした態度を政府が私はとるべきだと考えるが、こういう点で外務省並びに調達庁、こういう日本側のこれに関係するところの関係者が、要するに私は少しだらしがないのじゃないかと思う。もう少しやはり腹をきめて、大臣が今言われた、この辺で何とか対等なものに切りかえなければならないと言われておるのです。しかし果してあなたたちの下におられる官僚の諸君がこれを行うかどうか。事実これは大臣が乗り出して始めなければならないと思うのですが、大臣は、外務省運輸省交渉せられると言っておられますが、いつごろ当委員会における返答はいただけますか、大体。これは期限をつけなければ話にならぬ。
  65. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) これは幾日までにどうということも、申し上げられないこともないように思いますけれども、やはり一つ当ってみまして、そうして実態をよくつかんでそれから申し上げますが、ただ口先だけでなく、ほんとうにやってみたいと思います。
  66. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は、読むのをやめますけれども、吉野運輸大臣という方がいらっしゃいました。この中でやはりはっきり、とにかくこれは重大な問題でありますから、直ちに今合同委員会でそういうものを通したいと思います。こういうことを言っておるわけです。これはもうおそらく衆議院でも、速記録あたりを見れば、数回にわたって言っておる。で、なるほど政府は変りました。政府は変ってもやはり自民党の内閣です。そうしてやはり同じ連帯の責任は今日それは継続されておる。それがどうなろうが、こうなろうが、そういう論議は別にしましても、これは日本の独立とか何とか言っておりましても、こういうふうに侵犯されているわけですよ、運輸行政、港湾行政の面では、こういうふうに侵犯されているわけです。こういう問題について、ほんとうに大臣が決意を持って、少くともこういう問題を一つ一つ解決していかなければ、口でどんなに独立とか何とか言ったってこれは何にもならない。全くこれはばかにされている、米軍のやり方は……。こういう点について憤りを感じられますか、大臣はどうですか、
  67. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) 大体のお話の趣旨も私は同感しております。
  68. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかくこれはこれだけじゃなくて、実はこの前決算委員会あたりでもだいぶ問題が出てきているわけですが、どうもいろいろな合同委員会というようなものを持ったり、また分科委員会なんかを持たれても、全然開かれない盲腸みたいな委員会がたくさんあるんですね。こういうことは実は私たちうかつにしてわからなかった。ましてや、国民の方がこういう実態については何も知らなかった、ほとんど今でも何も知っていない、つんぼさじきです。しかも日本の政治の半分を占めるものですよ。米軍との関係において、一つのそういうような、何というか、全然国民の関知しないところに追い込まれている、暗箱の中に投げ込まれている政治だと、これはいうことができる。こういう事態では、とても私たちこれは黙っていることはできないと思うんです。従ってこの合同委員会の問題につきましては、今具体的に掛てきているわけですけれども、特に委員長に私は要望いたしたいのでありますが、外務省の責任者、それから調達庁の責任者、それから運輸省の責任者をこの問題についてやはり立ち会わしていただいて、もう少し、一体問題の所在はどこにあるのか、さらにこれをどういうふうに当運輸委員会としては追及して、そうして具体的に国民の利益を守る方向に進めるかということが、非常に私たちの責任じゃないかと思いますので、きょうは調達庁の方は見えておらぬようですが、またそういう機会でも持っていただいて、この問題はあらためて取り上げていただいていいと思うんですけれども、これは単に政党とか、そういうような問題じゃなくして、やはり一つの国民全体の、民族全体の問題だと思いますので、そういう決意で運輸大臣は当っていただきたいと思いますが、最後にその点の決意を伺って私の質問を終ります。
  69. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) ただいまの御質問の御趣旨の通り一つやっていきたいと思います。
  70. 大倉精一

    ○大倉精一君 資料を一つ要求したいと思うんですが、先ほどの米軍とのメモランダムについて、これはいつ合同委員会をやったか、そうしてその議事録があると思うんですが、その議事録を一つ御提出願いたいと思います。  それからこの際、二、三関連して御質問申し上げたいと思うんですが、米軍の入札制度はこれはやめなければなりませんが、しかしながらやはり入札制度が続く限りは、入札をしなければならぬ。そこで入札する者の資格ですね、これを無資格業者が入札に加わっておるのですが、こういうような問題については、大臣として、どういう工合にお考えになっておるのか。いわゆる資格業者でなければ契約をしない、こういうのですか。入札は勝手だ、こういう見解をとる人もあるやに聞いておるのですが、これはそういう工合に放置されると相当問題があると思うのですが、やはり入札も資格業者、いわゆるライセンスを持ったものでなければ入札参加しない、こういう工合に指導すべきじゃないかと思うのでずが、その点はいかがですか。
  71. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) 大体お話の趣旨のように進めていきつつあります。また横浜等における、現在懸案になっている問題も、お話の趣旨によって近く解決させたい、こう考えております。
  72. 大倉精一

    ○大倉精一君 行きつつあるのじゃなくて、運輸省としての指導方針として、あるいは対米関係においても、ライセンスを持ったものでなければ入札に参加できない、こういうことで推し進めていく、そういうふう益にするんだ、こういうようにお考えになるのかどうか、その点について。
  73. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) それはそういうふうにいたします。
  74. 大倉精一

    ○大倉精一君 なお、この際大臣にお伺いしておくのですが、御承知のように港湾運送事業というものは、今非常に乱脈な状態にある。特に今指定港が八十数港あるはずなんですが、その中で大体千八百七十八店ですか、これの七〇%は五百万円以下の零細業者であって、その零細業者は指名でやっておる。特に五大港——京浜、名古屋大阪、神戸、関門、これにおいては昭和二十四年当時において、一港一社制度が解体されて、現在では千二百五十一店というたくさんな業者がおる、こういうことを聞いているわけなんです。そこでこの登録について申請があれば、これは資格があれば何でも登録してしまうのだというようなお考えであるのか、あるいはやはり資格云々と同時に、港湾運送の秩序維持の方に重きを置いて、この登録についてお考えがあるのか、その点について御方針を承わっておきたいと思う。
  75. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) この点政府委員からお答えいたします。
  76. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これにつきましては、ただいま労働省にございます港湾労働対策協議会におきましても、労働問題ともあわせて研究中でございますが、現在の建前は、これは登録条件にかなっておれば受理するという方針でございます。
  77. 大倉精一

    ○大倉精一君 そこが問題であると思うのです。登録条件にかなっておれば免許をする、あるいは登録をするということになれば、港湾運送事業法の第一条の目的というものに少し違反する面が出てきはしないか。これは港湾運送事業法の第一条によりますと、港湾運送に関する秩序の確立、港湾運送事業における公正な競争の確保、こういうことが規定されておる。でありまするから、資格がそろっておれば何でも登録してしまうのだ、こういうことになれば、この港湾運送事業法の目的、いわゆる秩序の確立、港湾運送事業における公正なる競争の確保、この関係は一体どういうことになるのですか。
  78. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 登録の条件その他については、ただいま研究をしておりますが、しかし登録の条件にかなったものを受理しないというわけには参らないのでございまして、これは登録の要件にかなっておれば受理いたさざるを得ないのでございます。
  79. 大倉精一

    ○大倉精一君 そういうような方針でおやりになっておるとすれば、その後における秩序の確立並びに公正な競争の確保、これに対する具体的な指導はどういうふうにおやりになっておるのですか。
  80. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これはいろいろの面がございますが、登録を取り消すとかいうようないろんな面ではなしに、たとえば料金の是正といいますか、守らせるとか、あるいは公正な料金を確立していくようにするとかというような点でございます。なお登録要件の厳格な監査をして、これが守られておるようにというような点で行なっておるわけであります。
  81. 大倉精一

    ○大倉精一君 吉野運輸大臣の当時に、大庭は、無資格業者がおるというような場合には、あるいは運賃ダンピング等をやって秩序を乱すというような者がある場合には、これは勧告をして、聞かなければ登録を取り消す、こういう明確な御方針をこの委員会答弁なさったのですが、大臣はその点はいかがお考えですか。
  82. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) そのように進んでおるということで今局長も言っておりますが、当然それを進めていくつもりであります。
  83. 大倉精一

    ○大倉精一君 局長にお伺いするのですが、吉野運輸大臣がそういう御答弁をなさって以来、勧告なさった例、あるいは登録を取り消された例、そういう具体例があったら一つお聞かせ願いたいと思います。
  84. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) いろいろ監査を進めておりますので、まだその監査の結果、登録を取り消したり、勧告をしなければならないというような例は非常に少いのでございますが、御承知のことと思いますけれども、京浜港運につきましては、これは取り消しをしたいというふうに考えまして、ただいま運輸審議会に諮問をしているような状態でございます。
  85. 大倉精一

    ○大倉精一君 京浜港運のことは、あとで必要があれば質問をしますが、吉野運輸大臣の御答弁は、そう複雑なものではなかった。たとえば確定料金を守っていないような業者は、これは直ちに勧告をして、言うことを聞かなければ登録を取り消す、こうおっしゃったわけで、これは調査をするもへちまもなく、これはどっかの港湾へ行ってみればすぐわかる。であるからそう調査はかからないものと思いますが、大臣は何か勘違いをなさっておるのじゃないかと思います。
  86. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) この点につきましては、たとえば料金の面でございますが、これは各地に安定協会というのができて、非常に今守られてきております。これを勧告をしなければならぬようなふうには、ただいまのところないようでございます。
  87. 大倉精一

    ○大倉精一君 それでは今の京浜港運のことですが、これは運輸審議会にかかっているということですが、今まで審議会は開かれましたか、開かれませんでしたか。
  88. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 運輸審議会は毎週火曜日と木曜日と定例的に開いておりますので、おそらく運輸審議会において討議をされておることと思います。
  89. 大倉精一

    ○大倉精一君 では、この問題が運輸審議会で審議されたかどうかはおわかりにならぬわけですね。
  90. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 運輸審議会において、われわれは諮問をする建前から、しばしば説明をしております。しかし内部で、運輸審議会として論議をされておるかどうかということは、はっきりいたしませんが、おそらく相当されていることと思います。
  91. 大倉精一

    ○大倉精一君 京浜港運の問題は、今非常にあらゆる点で大きな問題になっておるのですが、それを所管の港湾局長が審議会の進行状態がきっぱりわからぬというのはどういうことなんです、どうもその点がはっきりしないのですが。
  92. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは運輸審議会の委員でありませんと、審議状況はちょっとわかりかねる次第でございます。
  93. 柴谷要

    柴谷要君 運輸審議会の審議状態が港湾局長にわからないのは当然だと思いますが、一つ私は角度を変えてお尋ねしたいと思います。全国港湾荷役振興協会というのが社団法人でできておりますが、これは運輸省とどういう関係を持っておるか、ちょっと内容を説明願いたいと思います。
  94. 見坊力男

    説明員(見坊力男君) 全国荷役振興協会、これは下請の業界の方たちが結成されました団体でございまして、運還省の運輸大臣の許可を受けました公益法人であります。
  95. 柴谷要

    柴谷要君 この協会の意思表示として、港湾局長並びにこれはもちろん運輸大臣にも提出されておると思いますが、全国各地の支部から、ただいまお話のありました京浜港運株式会社の免許取り消しの処分をしてほしいという強い要望が出ております。その中に、悪徳きわまりない反社会性と順法精神の欠除、こういったような極端な言辞を使って、この京浜港運の今日までとり来たった米軍荷役入札等に関して非常に強い反撃を示しておるわけです。もちろんこれらの問題が原因で運輸審議会に諮問されたと思うのですが、港湾局長としては、単に京浜港運の問題を簡単に運輸審議会で審議してくれというものではないと思う。少くとも京浜港連が今日とり来たった情勢その他については、少くとも運輸審議会に多少資料を出されていると思うのですが、その出された内容がもし明確にされるならば、お答をいただきたい。
  96. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 運輸審議会には取り消しの諮問をしてございまして、取り消しの諮問ということは非常に重大なものでございますから、いろいろ非常な資料を一々出しております。法的に合致しない点、なお秩序をいかに乱すことになるかという点その他を出しております。
  97. 柴谷要

    柴谷要君 ただ運輸審議会で取り扱う場合、これは軽微事項として扱われますか、重要事項として扱われますか、その点を明確にしていただきたい。
  98. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは私運輸審議会に説明する際に、これは運輸省としても非常に重要なことであるから、すみやかに、しかも慎重に審議をしてもらいたいというふうに申し出ております。
  99. 相澤重明

    相澤重明君 各委員から大へん港湾問題について質問がなされたわけでありますが、先ほど港湾局長からも回答のあった米軍貨の問題について、合同委員会における米軍側の意向というものが出されたわけです。従って先ほど大臣が、日米行政協定等の問題についても、改正すべき点については、そろそろこの辺で石橋内閣としてもやはり直していきたい、こういう非常な決意のほどもお話を承わって、私ども非常に喜んでいるわけですが、ここに問題になるのは、国内法に関する問題を全然無視されて、そうしてしかも日本業界にしろ、労働組合にしろ、問題にされないというような、こういうやり方については、これはどうしても一応早急に関係外務省なり労働省なりと打ち合わして、運輸大臣が措置をすべき問題だと思うのです。そとで先ほど米軍側の意向というものがあったけれども、これについては、なお国内の問題として、それが態度がきまらぬうちはやれぬだろうと私は思うのですが、大臣はどういうふうにお考えになっているか、お尋ねをしてみたい。
  100. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) ちょっともう一度よく伺いたい。国内問題としてと言いますと、どういう意味ですか。
  101. 相澤重明

    相澤重明君 国内の法の適用に支障のあるような問題が今谷委員から指摘をされているわけです。そこでこの横浜港の荷役の問題をめぐって、米軍側としては、日米合同委員会の分科会の中に、いわゆる直用調達申し入れてきている。しかしこれは明らかに今の日米行政協定等を先ほどから討議をしたように、この主文、あるいは該当事項というものを見れば、まさしく日本側立場が非常に不利になる、こういうことが明らかですから、大臣の御説明のように、これはここいらでそろそろ直さなければならない、そういう要素を含んでいるものをこの際ほおかぶりをしてしまって、ただ米軍の言うことだからというわけには私は参らぬだろうと思う。そこでこれらの問題について、早急にお話し合いをして後に日本側運輸大臣が中心になって、外務大臣なり労働大臣とも打ち合せをなさって、そうしてその結論を得なければ、先ほどの調達の問題についても着手すべきではないのではないか、こういう点を私はお聞きしておきたい、こう思うのです。
  102. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) お話のように、私がこの問題に関する限り所管でもあり、また全体の問題としても考えなければならぬと私思っておりますから、早急に外務大臣その他関係方面と話し合いまして、またそれが早急にすぐ解決できるかどうか、これは解決できるように努力するつもりでおります。その経過はいずれ委員会において漸次御報告申し上げます。
  103. 相澤重明

    相澤重明君 ただいまの御答弁で、私ども運輸委員としてはぜひそうあらなくてはならぬと思いますから、なるべく次回、早く開いていただいて、そういう点についてきめたものを報告をしていただき、またその後の処置について、私どもとしてもあらゆる点についての改訂の意見というものを申し述べたいと思うのです。ですから今日はまだ関係者の意見というものがきまっておらぬわけですから、それをきめてから後に問題に入っていきたい、こういうように思います。
  104. 戸叶武

    委員長戸叶武君) この問題の解決に当っては、日米合同委員会の運営というものに非常に期待が持たれておったのですが、今日の報告によると非常にスムーズに行っていないので、他の場合もかくのごとき状態であったとするならば、これはゆゆしき重大事で、この問題を中心として、日米合同委員会というものがいかように運営されているかということを、これは当委員会としても、外務当局者から承わらなければならない段階にも来ていると思いますから、次回には運輸大臣だけでなく、外務省人たち、あるいは調達庁の責任ある人に来てもらって、この問題に対する明確な報告を願いたいと、こう考えております。
  105. 宮澤胤勇

    国務大臣宮澤胤勇君) ただいまの次回というのも一日や二日でなく、私の方も誠意を持ってやりますから少しこちらからも準備ができたとき委員長に申し上げまして、御報告いたします。
  106. 戸叶武

    委員長戸叶武君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時三分散会