運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1957-05-16 第26回国会 衆議院 本会議 第42号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十二年五月十六日(木曜日)
—————————————
昭和
三十二年五月十六日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
国家公安委員会委員任命
につき
同意
を求めるの 件
岸内閣総理大臣
の
アジア諸国
及び
アメリカ合衆
国訪問
についての
発言
及びこれに対する
質疑
南方同胞援護会法案
(
床次徳二
君外四名
提出
)
トランプ類税法案
(
内閣提出
)
準備預金制度
に関する
法律案
(
内閣提出
)
医師国家試験予備試験
及び
歯科医師国家試験予
備試験の
受験資格
の特例に関する
法律案
(野
澤清人
君外八名
提出
)
宅地建物取引業法
の一部を改正する
法律案
(瀬
戸山三男
君外七名
提出
) 農業又は水産に係る
産業教育
に従事する
国立及
び公立
の
高等学校
の教員に対する
産業教育手
当の支給に関する
法律案
(
赤城宗徳
君外七名
提出
)
教育職員免許法施行法
の一部を改正する
法律案
(
永山忠則
君外八名
提出
) 盲
学校
、聾(ろう)
学校
及び
養護学校
の
幼稚部
及び
高等部
における
学校給食
に関する
法律案
(
参議院提出
)
公立学校
の
学校医
の
公務災害補償
に関する
法律
案(
参議院提出
) 午後一時二十九分
開議
益谷秀次
1
○
議長
(
益谷秀次
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
国家公安委員会委員任命
につき
同意
を求めるの 件
益谷秀次
2
○
議長
(
益谷秀次
君) お諮りいたします。
内閣
から、
国家公安委員会委員
に
高野弦雄
君を任命したいので、
警察法
第七条第一項の規定により本院の
同意
を得たいとの
申し出
があります。
右申し出
の
通り同意
を与えるに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり]
益谷秀次
3
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
同意
を与えるに決しました。
————◇—————
アジア諸国
及び
アメリカ合衆国訪
問についての
岸国務大臣
の
発言
益谷秀次
4
○
議長
(
益谷秀次
君)
内閣総理大臣
から
アジア諸国
及び
アメリカ合衆国訪問
について
発言
を求められております。これを許します。
内閣総理大臣岸信介
君。(
拍手
) 〔
国務大臣岸信介
君
登壇
〕
岸信介
5
○
国務大臣
(
岸信介
君) 私は、来たる五月二十日
東京
を
出発
、
ビルマ
、
インド
、
パキスタン
、
セイロン
、タイ、中華民国の
諸国
を歴訪し、六月四日
帰国
の後、さらに六月十六日
東京出発
、七月一日
帰国
の予定をもって
米国
を
訪問
することとなりましたが、これら
諸国歴訪
の途につくに当りまして、本日ここに所懐の一端を申し述べたいと存じます。(
拍手
) 私は、かねてより
東南アジア諸国
を
訪問
したい強い
希望
を抱いていたのでありますが、それは、
アジア
に対し深い
関心
と共感を持っており、
アジア諸国
との
友好関係
の
増進強化
を
念願
しているからにほかならないのであります。(
拍手
)
わが国
は、
アジア
の一国として、
アジア諸国
とは地理的、
歴史
的、
文化
的に深いつながりを持っており、
アジア
の
繁栄
と平和なくしては、
わが国
の
繁栄
は望み得ないのであります。
さき
に、当
国会
の劈頭、
施政方針演説
で申し述べました
通り
、
アジア諸国
との
善隣友好関係
の確立は
政府
の
外交方針
の
基調
とするところであります。
東南アジア
の
地域
は、今や
独立
を達成して十有余の
独立国
となり、困難な
国際情勢
のもとにあって、幾多の障害を排しつつ、それぞれ、政治的に、経済的に、
独立
の完成と
国民生活
の
近代化
に向って非常な
熱意
を持って邁進しているのであります。これらの
建設
が進むことは、
アジア
の自由と安定、ひいて
世界
の平和と人類の
繁栄
をもたらすものでありまして、私はこれら
諸国
の
建設
がすみやかに完成されることを
念願
するものであります。
アジア諸国
は、一昨年の
バンドン会議
により、
世界
の
平和維持
のために大きな貢献をなしたのでありますが、
国際社会
においても、
アジア諸国
の
発言
は著しくその力を増すに至りました。今日、
国際政治
の分野において、
アジア諸国
は重要なる要素であるとともに、
世界
平和の
維持促進
の上にきわめて大きい使命を持つに至ったのであります。
わが国
は、今後ますます
アジア諸国
と協力し、
世界
の
繁栄
と平和に貢献したいと存ずるものであります。(
拍手
) 多年の
念願
たる
独立
をかち得た
アジア諸国
が当面している
最大
の問題は、いかにしてその
政治的独立
に
経済的裏づけ
をするかということであります。これらの
諸国
は、
各国
とも、
産業開発計画
を立てて、その実施に鋭意努力をいたしているのでありますが、
産業開発
には多額の資金と
技術
を必要とし、これらが十分でないことが険路となっている現状であります。
わが国
としては、
アジア諸国
の
経済建設
には深い
理解
と同情の念を有するものでありまして、あらゆる面からこれら
諸国
の
経済開発
に大いに協力したいと
考え
ます。(
拍手
)
アジア諸国
の
経済開発
が
促進
されることは、とりもなおさず、
アジア諸国
間の通商を
促進
し、
アジア
全体の
経済発展
をもたらすのみならず、
世界経済
の
発展
に寄与するところが大きいのであります。 私は、今回
アジア諸国
の
首脳者
と親しく会って、これら
諸国
が戦後苦難の道を歩みつつあった
わが国
に対し終始与えられた好意と支援、特に
わが国
の
国連加入
についての支持に対しまして深厚の謝意を伝えたいと思いますと同時に、
アジア人
としての
立場
に即して、
わが国
とこれら
諸国
との
親善友好関係
の
増進
、
経済協力
、
文化提携
の
促進
について
話し合い
、
アジア
の興隆と
世界
の平和について隔意なき
所信
の
交換
を行い、
わが国
今後の
アジア外交
の積極的な展開に資したい
考え
でございます。(
拍手
) なお、今回の
旅行
はきわめて短時日をもってする
関係
上、
アジア諸国
全部を
訪問
することができないのはまことに不本意でありますが、私としては、
訪米
後なるべく早く他の
諸国
の
訪問
を実現する機会を得たい
考え
であります。 次に、
米国訪問
につきまして申し述べたいと思います。
自由民主主義
を堅持せんとする
日本
が、志を同じくする他の
自由民主主義諸国
と協調を保ちつつ
世界
平和の
増進
に努めることを
外交
の
基調
とすべきことは、申すまでもないところであります。私は、
アジア
の一国である
日本
にとって、
自由世界
の
主導的地位
にあると同時に、
アジア
の平和と
繁栄
について重大なる
関心
を有する
米国
との
協力関係
が重要であると信ずるものであります。(
拍手
)
米国
との
協力関係
を
維持
増進
することは、
サンフランシスコ平和条約
により
日本
が
独立
を回復して以来、
歴代
の
内閣
が踏襲してきた一貫した
外交政策
であり、また、現
内閣
においても、この
基本方針
にいささかも変るところはないのであります。しかしながら、
日本
が昨年
ソ連
との
国交
を回復し、さらに
国連
に加盟して、完全なる
国際社会
の
一員
となった今日においては、
日米
の
関係
もおのずから新たな
段階
に入ったと申さなければなりません。(
拍手
)私の今回の
訪米
は、このような新たなる
段階
に即し、あらためて、今後の
日米関係
のあり方について、
米国政府
の
最高首脳者
と率直な
話し合い
をなさんとするものにほかなりません。今後の
日米両国
がとるべき
政策
を論ずるに当っては、現在の
国際情勢
と今後の動向についての
認識
を一にすることがぜひとも必要であることは、申すまでもないところであります。 私は、また、
米国政府
の
首脳者
に対して、
戦争
の防止と
世界
平和の
維持
に対する
日本国民
の強い
希望
を
理解
せしめると同時に、
日米
の
協力関係
を
増進
するためには
両国
間に真の
相互信頼関係
を築くことが欠くべからざるものであることを強調する所存であります。(
拍手
)また、このような
相互信頼関係
を確立するためには、
両国
が基本的にいかなる
政策
をとるべきであるかについても、腹蔵ない
意見
の
交換
を行いたいと
考え
ている次第であります。私は、
米国
が究極の
目的
とするところは
世界
の平和と安全の
維持
であり、また、真の
独立国
としての
日本
との
協力関係
を
増進
することが
米国
の
念願
であることを信ずるがゆえに、
両国
間には基本的には何等の利害の
対立
はないと
考え
るものであります。私は、このような観点から、私の
所信
と
意見
を
米国政府
の
要路者
に開陳すると同時に、また、先方からも同様に率直なる
意見
の
表明
がなされることを期待しているものであります。 今や、完全なる
国際社会
の
一員
として、真の
独立国
としての
立場
を主張せんとする
日本
としては、みずからものを言うと同時に、
相手国
の言い分に対しても、堂々とこれに耳を傾ける襟度がなければならないと信ずるものであります。(
拍手
)それでこそ、初めて真の
平等関係
に立脚した
日米両国
の
協力関係
が実現するものといわなければなりません。私が
さき
に
日米関係
が新たな
段階
に入ったと申したのも、まさにその
意味
にほかならないのであります。 私の今回の
訪米
は、具体的問題についての
交渉
を
意味
するものでもなければ、また、
日米
間の
懸案
をこの際一挙に
解決
することを
目的
とするものでもないことは、申すまでもないところであります。(
拍手
)
日米
の
協力関係
は、今後の
国際情勢
の推移とも関連し、絶えず
発展
すべきものである以上、一回の
会談
においてすべてが
解決
すると
考え
ること
自体
が誤まりであると
考え
るのであります。しかしながら、基本的な問題について、
米国政府
の
最高首脳者
と直接忌憚ない
意見
の
交換
を行うことにより、よりよい
相互理解
が達成され、今後具体的問題についての
両国
の
協力関係
を
増進
するための
基礎
が築かれるであろうことを強く期待すると同時に、そのことが可能であることを、かたく信ずるものであります。(
拍手
)
————◇—————
アジア諸国
及び
アメリカ合衆国訪
問についての
岸国務大臣
の
発言
に対する
質疑
益谷秀次
6
○
議長
(
益谷秀次
君) ただいまの
発言
に対し、
質疑
の通告があります。これを許します。
勝間田清一
君。 〔
勝間田清一
君
登壇
〕
勝間田清一
7
○
勝間田清一
君 私は、ただいま行われた
岸総理
の
所信表明
に対して、
日本社会党
を代表して、若干の基本的な問題についての
質問
をいたしたいと思います。(
拍手
)
岸総理
がこのたび進んで海外を
旅行
し、それら
諸国
の人民や
指導者
と
友好関係
を
増進
し、重要な
外交
問題について
意見
を
交換
し、さらに
国際情勢
について認識を深めることは、きわめて有意義であると思うのであります。(
拍手
)特に、わが党再主張したごとく、
アメリカ
を
訪問
する以前に、まず
東南アジア諸国
を歴訪する順序をとったことは適切であります。しかし、
岸総理
が単なる
引き継ぎ政権
ではなく、
国会
を解散し、国民に信を問うて、権威ある
政権
の
代表者
として出発する手段がとられなかったことは、この
旅行
の成果と意義をきわめて減殺するものであります。(
拍手
)けだし、
政権
の
維持
や
選挙目当て
の
海外旅行
や
参観交代
に似た
屈辱旅行
は、いかなる
意味
においても相手の尊敬を受けることはあり得ないからであります。(
拍手
)また、今日の
アジア情勢
を観察するときに、賠償問題や
経済提携等
できわめて重大な
関係
のある
インド
ネシアや
フィリピン
を除外し、この際特に
台湾
を
訪問
することが果して妥当であるかどうかに疑いを持たんとするものであります。(
拍手
)何となれば、
日本
と
中華人民共和国
との
国交回復
問題は、
わが国
当面の
重大課題
でありまするが、目下の
中国
と
台湾
との
関係
は、
一つ
には、
中国
の第三次
国共合作
の呼びかけがあり、
一つ
には、
アメリカ
の
台湾
への
誘導弾
の持ち込み、第七艦隊の
原子兵器
による
装備等
によって、きわめて重要かつ微妙な
関係
にあり、新たな
緊張
さえ看取されるのであります。従って、今日、
岸総理
の日程について、
岸総理
は再考を要するものと
考え
るのであります。(
拍手
) 私の第一の
質問
は、
東南アジア
の問題についてであります。
東南アジア
は
SEATOグループ
と
AAグループ
との
二つ
に分れているといわれております。過般バンコックで開かれたエカフェの第十三回総会においても、中共の参加問題や総会の
主導権
をめぐって、この
二つ
の
グループ
は微妙な
対立
を見せたと、いわれております。この傾向は決して好ましいものというわけには参りません。何となれば、
東南アジア
はもちろん、
アジア
、
アラブ
の
諸国
においては、それぞれ異なった歴史と条件があるにいたしましても、共通の問題が数多く存在いたしているからであります。
緊張
を緩和し、平和を確立することにおいても、
植民地主義
を排撃し、
独立
を完成する点においても、また、経済的な
後進性
を克服して、近代的な
生活水準
を人民に保障することにおいても、すべて
アジア
は団結し協力し合わなければならないからであります。(
拍手
) しかし、これらの要請にもかかわらず、
アジア
を分裂させようとしている力が
アジア
以外から働きかけておるのであります。(
拍手
)
SEATO軍事同盟
はその最も具体的な例でありましょう。
アメリカ
は、去る二月キャンベラで開かれた第三回
SEATO理事会
においても、
ダレス国務長官
をして、「ここ三年間で
SEATO
はその
基礎
を確立し、極東の平和に積極的に貢献するようになった」と広言させましたが、
ダレス
は、この
理事会
で、
SEATO
に
軍事的筋金
を通し、
ハンガリー事件等
を契機として
アジア諸国
に起きてきた
ソ連
、中共に対する
不信感
を逆用して、
SEATO
の
拡大強化
をはかろうとしたのであります。朝鮮と同様に
台湾
を
中国
から引き離し、
台湾
に
原子兵器
や
誘導弾
を持ち込んでいる
アメリカ
の
政策
も、
南北ヴェトナム
の
統一
をおくらしている
やり方
も、また、
パキスタン
を
バグダッド条約
に参加せしめて、これに軍事的な
援助
を与え、カシミール問題を中心として
対立
しておる
インド
と
パキスタン
との
対立
を激化せしめておるという
やり方
も、すべて
アジア
を
二つ
に引きさく
政策
であることは共通いたしておるのであります。(
拍手
)
日本
の
保守党
が従来とってきた
政策
は、遺憾ながら、この
アジア
の分裂を助け、そのお先棒をかつぐ役割を果したことは、断じて承認せられぬことと思うのであります。(
拍手
)たとえば、南北朝鮮の
統一
を妨げる対韓国の
外交
について見ても、一千万足らずの
台湾
を承認し、六億の
中国
を退け、 ココム、
チンコム
のきびしい
禁輸政策
をとっていることもその好例であります。(
拍手
)数億に上る
アメリカ
の
域外調達
は一見
日本経済
に好結果をもたらしているかに見えるが、事実は、
アメリカ
の
アジア
に対する
ひもつき経済援助
や
軍事援助
に結合し、
アメリカ
の野望とその
アジア
の
分裂政策
を助ける
政策
以外の何ものでもないのであります。(
拍手
) 吉田元首相は、
渡米
の際、
アメリカ
の
資本
、
日本
の
技術
、
東南アジア
の労力と資源、これを結びつけた
東南アジア
の
開発方式
を提唱いたしました。
岸総理
もまたこの
政策
を踏襲するかに見えるのであります。
岸総理
は、
所信表明
において、
経済協力
を推進するとか、
アジア
問題は
アジア各国
とともに解決するとか言われましたが、従来のこの
アメリカ資本
のそでに隠れて
アジア
への進出をはかるがごとき
帝国主義的政策
を一擲しない限り、私はその実現を見ることは困難であると思うのであります。(
拍手
)また、
アジア
を分裂せしめる
政策
を完全に改めない限り、
アジア
の平和や
アジア
のかけ橋を口にする資格は断じてないと思うのであります。(
拍手
)私は、これらの問題について、
岸総理
の
所見
を伺いたいのであります。
日本
は、今や、こうした
政策
を改めなければなりません。
アジア
、
アラブ
の精神に帰り、その国々の
独立
と
統一
に協力し、
対立
や
緊張
を緩和し、それぞれの国が自主的に立案している
経済開発計画
に
日本
の
技術
をもって
援助
協力する
政策
こそ、
日本
の平和と
繁栄
を保障するものであると確信して疑いません。(
拍手
)
松村謙三
氏は、過般、
岸総理
の代理として、
東南アジア
を
訪問
されました。
帰国
後、ある
週刊誌
に
感想文
を寄せて、私は
中立外交
を支持すると言い切りました。(
拍手
)これこそ、
アジア
の事態を冷静に見るものの当然の結論であります。
岸総理
の
所見
を伺いたいのであります。(
拍手
)そして、
岸総理
が、
インド
、
ビルマ
、
セイロン等
の視察において、また、今度は
訪問
されないけれども、あの
フィリピン
においてさえ、彼らが何を
考え
つつあるかという事実を、
松村謙三
氏と同様に、しっかりと把握ざれることを期待するものであります。(
拍手
) 私の第二の
質問
は、
中華人民共和国
に対する
岸総理
の基本的な
考え
方であります。(
拍手
)終戦以来十二カ年、いまだに
日本
と
中華人民共和国
との
国交回復
を阻害いたしているものは、
アメリカ
の
日本
に対する不当な圧迫であります。(
拍手
)また、これに追従してきた
歴代
の
保守党内閣
の
従属外交
の結果でもあります。(
拍手
) わが党は、過般、
親善使節団
を
中国
に送り、当面の貿易、漁業、文化、
技術
あるいは
行方不明者
や戦犯の釈放についても具体的な
交渉
をいたして参るとともに、
中国
との
国交回復
に関する
基本坊針
についても十分な
意見
の
交換
をなして参りました。そして、それらの成果はすでに
共同コミュニケ
を通じ発表するとともに、重要なる問題については
岸総理自体
に対しても報告をいたしたところであります。 日中の
国交回復
において特に重要な問題は、
無条件講和
が可能であるという点であります。すなわち、
安保条約
は
ソ連
、
中国
を
仮想敵国
とした
軍事同盟
にかかわらず、これが解消は
講和条約
の前提ではないということが明らかにされました。また、もし
安保条約
が解消ざれるならば、それと同時に中
ソ友好同盟条約
も解消され、さらに、
不可侵条約
あるいは
米ソ
を含む極東または
太平洋地域
の
集団的平和保障体制
を確立する用意のあることが明らかになりました。特にこの際指摘したいことは、
賠償等
の諸
懸案
は友好的に解決ざれることに
意見
の一致を見たことであります。
コミュニケ
の中で、「長期かつ積極的な
協力関係
を樹立することは、諸
懸案
を友好的に解決せしめる
基礎
であるとの
意見
の一致を見た」と明記してあります。賠償に対する
中国
の
態度
が、終戦以来ここに初めて表明されたのであります。 これによって、日中の
国交回復
は
無条件
で解決されるとの
中国
の
態度
が明らかにされました。(
拍手
)われわれが、日中の
国交
が全面的に回復するように、すみやかに
両国政府
間において
交渉
が開始されねばならない
段階
に来たと確認し合ったのは、当然のことといわなければなりません。(
拍手
)
岸総理
がこの日中の
国交回復
に対していかなる
考え
を持って
旅行
せられるか、ここに明白に答弁を要求するものであります。(
拍手
)もし、
総理
が、
国際情勢
を口実として、まだその時期でないと説明ざれるならば、何ゆえにイギリスや
インド
や
ビルマ等
の多くの
自由主義国家
までも
中華人民共和国
を承認しておるかを説明願いたいのであります。(
拍手
)また、
敗戦国日本
が
独立国
として十二カ年も
中国
と
戦争状態
を終結し得ない
理由
は一体どこにあるであろうか。平和を回復する当然の権利が不当に
アメリカ
に圧迫されておるのではないか。私はこれを
岸総理
は明らかにする必要があると思うのであります。 ひっきょう、掘り下げて
考え
てみると、
吉田内閣
によって
台湾
を承認し、これと講和を結んだことが、
日本
の
外交歴史
における
一大失策
であると
考え
るものであります。(
拍手
)また、がんじがらめにあって、対
米従属
から一歩ものがれることのできない現
保守党内閣
の
外交そのもの
によるものといわなければなりません。(
拍手
)この責任はすべて
保守政権
が負うべきものである。石橋前
総理
は、日中の
国交正常化
に熱意を示されるかに見えました。
岸総理
は、このたびの
渡米
に当って、当然
中国
問題はその議論のアイテムになるに違いない。私は
総理
の
所見
を聞きたいのであります。
共同コミュニケ
においてさらに重要なことは、われわれ
社会党
は、
二つ
の
中国
を認めず、
中国
は
一つ
であって、
台湾
は
中国
の内政問題であるとの
基本的態度
を表明いたしました。(
拍手
)このことは重要な
意味
を持っておるのであります。
一つ
は、
台湾
を
中国
から引き離し、
台湾
を
国連
の
信託統治
にするか、またはこれを
独立
せしめようとする国際的な陰謀を粉砕せんとしたからであります。(
拍手
)このことは、
日本
人の
中国人民
に対する唯一の義務であると思うのであります。
アジア
の平和をもたらす
基本的条件
であると確信するからであります。(
拍手
)また、
台湾
と
中国
との
関係
は、あくまでも内政問題であって、いかなる
理由
、いかなる手段にせよ、外国がこれに干渉することは、
国際秩序
を乱す、許すべからざる
侵略行為
であると確信いたすからであります。(
拍手
) 特に銘記すべきことは、最近、
アメリカ
は、
台湾海域
における第七艦隊を
原子兵器
によって装備したことを発表いたしました。また、
台湾
に
マタドール等
の
攻撃兵器
が到着した旨を公表いたしました。私は、
アメリカ
が
台湾
に対してこらした
行為
をなし得る正当にして十分なる
理由
を発見するに苦しむものであります。ひたすら平和を念願する
アジア
全民族の要望を裏切る
行為
であると確信いたすものであります。(
拍手
)
岸総理
は、こうした
二つ
の
中国観
に対して、また、
アメリカ
の
台湾
に対する最近の
軍事政策
について、
アジア諸国
の真の叫びを正確に把握してこられたいのであります。特に、
インド
を
訪問
した際に、私は
ネール首相
とこの問題に対する十分なる
意見
の
交換
を勧めんとするものであります。そして、
渡米
の際に、
一つ
の
中国
を主張し、
台湾
問題の解決については、あくまでもジュネーヴにおける
米中会談
を続行し、ここを通じて平和的な解決をはかるべきことを要請すべきであると確信いたすのであります。(
拍手
)
岸総理
はこの問題に対する用意があるかどうか、私は
所見
を承わりたいのであります。 最後に、
安保条約
並びに
行政協定
の
改廃
と、
日本
の
完全独立
の方策について、
総理
の基本的な
態度
をただしたいのであります。
歴代
の
内閣
は、今日まで、しばしば、
総理
、
外務大臣
あるいは特使を
アメリカ
に派遣いたしました。特に、
昭和
二十八年九月は、
吉田総理
の特使として
池田勇人
君が
アメリカ
に渡り、池田・
ロバートソン会談
が持たれたのであります。その
目的
は、
MSA援助受け入れ
を前提とする
日本
の
防衛計画
についての
話し合い
であったと思うのであります。次いで、二十九年十一月には、
吉田総理自身
で
アメリカ
を
訪問
いたしました。その
目的
は、
日米
間の
関係
を強化するといった抽象的なものであって、ただ
アメリカ
の
資本
と提携して
東南アジア開発
をはかるといった間違った
具体的提案
をなされたにすぎませんでした。そして、最も記憶に新たなところは、一昨年夏、
岸幹事長
みずからも参加した
通り
、
重光
・
ダレス会談
が持たれたのであります。そのときの声明は、「
日本
は
自国防衛
の第一次的責任を引き受け、そして西太平洋の
安全保障
に寄与する」というものでありました。この声明は、
日本
の
海外派兵
に触れるものとして、内外に重大なるセンセーションを巻き起したのであります。(
拍手
) これらの過去の経験に明らかなごとく、
歴代内閣
の
アメリカ訪問
は、あるものは無
意味
に終り、あるものは重大な失敗を繰り返しておるのであります。その最大の
理由
には、
アメリカみやげ
によって
政権
の
維持
、強化をねらった
歴代内閣
のいやしい
態度
を指摘せざるを得ません。(
拍手
)そして、さらに重大なことは、
日本
の
完全独立
を阻害し、従属化しておるところの
安保条約
並びに
行政協定
の
改廃
に対する明確な見通しと、これに対する準備の欠けておったことを指摘せざるを得ないのであります。(
拍手
)
岸総理
は、今
国会
において、これら両
条約
の
改廃
の意図あることを明らかにされました。また、対等な形で
日米関係
を調整すると言われたのであります。しかしながら、
安保
、行政両
条約改廃
の
基本的構想
は何ら表明せられていないのであります。(
拍手
)
ただばく然
と話し合うだけではなくて、
日本側
のしっかりした構想を持って話し合う
段階
にあると私は確信いたすのであります。しからざれば、
渡米
が無
意味
に終るばかりでなく、
重光
・
ダレス会談
のごとく重大な失敗となり、
改廃
どころか、かえって抜くべからざる
安保条約
の泥沼に引き込まれるであろうことは、今日懸念されるところであります。(
拍手
) 私は、この懸念を
二つ
抱いておるのであります。
一つ
は何か。両
条約
の片務性を改め、
双務性
へ切りかえるという方向をとる限り、
重光
・
ダレス会談
に見られるごとく、憲法に違反する
海外派兵
に引きずり込まれることは明らかであります。そらして、この
政策
は、
台湾
や南鮮と結ぶところの
NEATO協定
の締結か、
SEATO協定参加
への、最も好ましからざる方向に進むこともまた明白であります。(
拍手
)このことは、とりもなおさず、
安保
、行政両
条約
の
改廃
ではなくて、むしろ、その体制に強化され、
日本
の
独立
と平和を脅かす結果になることを指摘せざるを得ません。(
拍手
)
岸総理
は、両
条約
の
改廃
の問題と、この双務制の問題の起すジレンマをいかに解決せんとするのかを明白にせられたいのであります。(
拍手
) 第二の懸念は、両
条約
の
改廃
と
アメリカ
のニュー・ルック
政策
との
関係
の問題であります。周知のように、
アメリカ
は、そのニュー・ルック
政策
によって、全
世界
にまたがる軍事基地を
原子兵器
や
誘導弾
兵器によって装備がえせんといたしております。NATO
グループ
は、すでにこのことを承認しました。西欧連合は、去る七日、
誘導弾
並びに近代兵器の生産プール案を審議する閣僚
会議
開催を決議いたしました。西ドイツは、過般の英国のマクミラン首相との
会談
において、北大西洋軍を
原子兵器
で装備することに
意見
が一致したと発表しました。
SEATO
に対し、
台湾
、沖繩に対し、
アメリカ
は同様の
政策
をとりつつあることも、すでに明確にしたところであります。従って、
安保
、行政両
条約
の改正という美名に隠れて、
原子兵器
並びに
誘導弾
兵器の
日本
持ち込みにすりかえようとする意図のあることを懸念いたすのであります。(
拍手
)
岸総理
が、
訪米
を前にして、自衛のためなら核兵器の保有もまた違憲でないと重大な発表をいたしました。このことは一脈の
関係
を持った重大なる
発言
といわなければなりません。(
拍手
)原水爆実験に反対していることにきわめて熱心であるかに見えた
岸総理
大臣は、実はみずからの腹の中に最もおそるべき原子爆弾を貯蔵しておると断言することもはばからないのであります。
岸総理
は、
アメリカ
のこの要請を阻止し、しかも、
安保
、行政両
条約
の桎梏から
日本
を解放するという困難な問題を解決する責任があると確信いたします。 わが党は、
安保
、行政両体制のワクの中で、いかに巧妙に立ち回っても、
日本
をこの桎梏から解放することは断じてできないものと確信いたしております。(
拍手
)平和憲法を唯一の武器とし、
アジア
善隣友好の
外交
に
基礎
を置いて、両陣営を含む集団
安全保障
体制に切りかえることが、この桎梏からのがれ、この
日本
の
独立
と平和を守り得る唯一の道であると確信して疑いません。(
拍手
)
岸総理
の
訪米
に当って、これら諸問題についての
所見
を伺って、私の
質問
を終る次第であります。(
拍手
) 〔
国務大臣岸信介
君
登壇
〕
岸信介
8
○
国務大臣
(
岸信介
君) 勝間田君の御
質問
にお答え申し上げますが、勝間田君の御
質問
は、私に対する御
質問
よりも、従来の
社会党
の主張を強く主張されておりまして、私自身としては、全体として、この
外交政策
の根本に関して、われわれ自由民主党と
社会党
がかくも
考え
を異にしておるということは、
外交
上きわめて遺憾と
考え
ておるものであります。特に指摘されました数点に対して、私の
所信
をさらに明らかにいたします。 第一は、今回
インド
ネシア、
フィリピン
を
訪問
せずして、
台湾
を
訪問
することは不可である、日程を変える意思はないかということでありますが、私が先ほどの
所信
の
声明
のうちにも申しておりますように、さらに、私は、今回
訪問
しない
東南アジア諸国
に対しましても、なるべく早い時期にこれを
訪問
する意図でございます。
インド
ネシア及び
フィリピン
を今回たずねることのできないということは、私も遺憾でありますけれども、日程の
関係
上やむを得なかったのでございます。従いまして、私は、今日、日程を再考し、これを変更する意思は持っておりません。
アジア
の現状を分析して、
アジア
が二分した形になっておるということをお話しになりまして、そのことは非常に遺憾であるという御
意見
でございます。私も、全く、
アジア
の現状を見まして、そういうふうな二分したような傾向にあることは、
アジア
のために非常に遺憾と
考え
るものであります。その点におきましては、勝間田君と全然
意見
を同じくするものであります。ただ、その原因が、もっぱら
アメリカ
のこの
東南アジア
政策
がこれを二分せしめておる唯一の原因であるという判断に対しましては、私は遺憾ながら
意見
を異にするものであります。(
拍手
)と申しますのは、今日、国際の情勢が、東西両陣営といわれ、
アメリカ
と
ソ連
を中心として
二つ
の勢力が
対立
関係
にあることは、私は、
世界
の大きな大勢であって、これまた非常に遺憾とするところでありますが、現実であります。しこうして、この両勢力が
アジア
においても相
対立
し、拮抗しておるということは、
世界
の現状からきておるものでありまして、これら
東南アジア諸国
のうちにおきましては、自由を愛好する国々は、
ソ連
からの間接的あるいはいろいろな
意味
における侵略をさえ強く唱えております。私は、従って、これをただ
アメリカ
の
政策
が
分裂
せしめておるというような判断は、
国際情勢
の判断として適当でないと思うものであります。(
拍手
)私は、
所信
のうちにおいても述べたごとく、
アジア
・アフリカ・
グループ
の間におきましては、
歴史
的にも、あるいは思想的にも、地理的にも、きわめて緊密な
関係
があり、この間に
アジア人
として共通の意識を持ち、共通に
解決
しなければならぬ問題を持っておるという点においては、勝間田君と同じ
意見
でありまして、それをいかにして
解決
する方向に持っていくかということが、われわれ
AAグループ
に属しておる国々の責務であると同時に、
日本
としても最も大きな使命の
一つ
であると思います。(
拍手
)私は、
世界
的に見て、東西両陣営の
対立
を、国際連合の場において、いかにしてこの
緊張
を緩和するかということが、
外交
上わが
日本
の使命であると同様に、
AAグループ
と西欧
諸国
との間の
対立
や、あるいは
AAグループ
内におけるところの
分裂
の傾向を、いかにして
一つ
にまとめ、また、これらの
対立
している
関係
を緩和するかということは、
AAグループ
の
一員
としての
日本
の大きな使命であると思うのであります。(
拍手
) 次に、日中
国交回復
問題についての御
意見
でありましたが、これは、過般、
社会党
の方々が
中国
を親善使節として
訪問
されました際に
共同コミュニケ
が発表され、また、
日本
に帰ってこられてから、私も詳細に報告を聞いたのでありますが、私は、この日中
国交回復
に関する時期が今である、直ちに
両国
の
政府
間において
国交回復
についての
交渉
を始むべきであるという
社会党
の諸君のお
考え
とは、遺憾ながら
意見
を異にするものであります。(
拍手
)私どもは、現在はその
段階
ではない、現在においては、われわれは、貿易、経済
関係
においてはこれが
増進
について努力をすべきであるけれども、政治的な
関係
において、正常なる
外交
関係
を復活するとか、あるいは
中共
政府
を承認するということは、その時期でないということを申しました。これは、勝間田君もお話がありましたように、国際的情勢も
一つ
の原因であります。 それから、
台湾
政府
を認めたことは
失敗
である、
外交
上大
失敗
であって、これは単純な
中国
の内政問題であるという判断に対しましては、
日本
が正式にこれを認め、正式にこれとの間にわれわれは
条約
を結び、
友好関係
にあり、また、国際連合における有力なるメンバーとして
台湾
政府
が認められておる現状というものを無視しておる議論であると思います。 最後に、私が
アメリカ
を
訪問
する際に、
安保条約
や
行政協定
の問題についても御
意見
がございました。私は、すでに、この問題につきましては、しばしば私の
所信
を
国会
において明らかにいたしておりますが、私どもは、
社会党
の諸君と違って、
安保条約
体制を今日廃棄するという意思は持っておりません。しかしながら、この
条約
が締結せられた当時におきましては、御承知の
通り
、われわれは
日本
において自衛力というものは全然皆無である、また、国際連合にも加盟をいたしておらなかったのであります。しかるに、今日におきまして、われわれは自衛力の漸増に努めて参りまして、とにかく完全に
日本
を
日本
自体
の自衛力でもって防衛することはまだできませんけれども、少くとも
日本
の防衛について相当の責任を分担し得る程度の防衛力を持っております。また、国際連合にわれわれは加盟をいたしました。国際連合の
一員
としてのいろいろな義務や、また当然なさなければならぬことがございます。これらを
考え
てみますと、今日、
安保条約
や
行政協定
を根本的に再検討して、これを合理的
基礎
に置くということは必要であると私は
考え
ております。ただ、今おあげになりましたが、片務的である、これを双務的に改めるというふうな形式論でこれを論ずるというと、あなたが御指摘になったような
海外派兵
の問題が関連してきやしないかというようないろいろな疑惑が出ます。疑心暗鬼が生ずるのであります。私は、そういう
意味
において、そんな形式論理ではなくして、これは今申しましたような情勢の変化によるところの合理的な
基礎
にこれを置くということが最も適当であると思います。 なお、この問題に関しまして、過日、私が、
国会
において、憲法解釈論として、核兵器の問題と自衛権の問題との論議をいたしましたが、それは、詳しいことはすでに明らかになっておりますから、私は詳しくは申しませんけれども、今度の私の
訪米
に際して何らかの意図をもってかくのごとき解釈をしたとか、あるいは、
アメリカ
との
交渉
においてこういうものが
日本
に新たに課せられるとかいうようなことは絶対にございませんから、御安心を願いたいと思います。(
拍手
) それから、将来の
日本
の
安全保障
体制につきまして、
社会党
におきましては、現在の
日米
安全保障
条約
体制を廃止して、
日米
中ソを含む集団
安全保障
体制によって
日本
の安全を保障すべきだという御議論をなすっておいでになりますが、これまた、私は、
世界
の現状に即さない
一つ
の空論、と申し上げては、はなはだ御憤慨になるかもしれませんが、
一つ
の理想論にすぎないと思います。私ども、もしそれができるのであれば、国際連合
自体
の現状は、ああいう状況ではないと思うのであります。(
拍手
)こういう
意味
におきまして、私は、現状においては、
日米
安全保障
体制を、合理的な
基礎
、すなわち、さっき申したような変更により、
日本
の
独立
完成、自主
独立
の
立場
から
日米関係
を合理化することが必要であると信じておるのであります。(
拍手
)
益谷秀次
9
○
議長
(
益谷秀次
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
————◇—————
南方同胞援護会法案
(
床次徳二
君 外四名
提出
)
山中貞則
10
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を
提出
いたします。すなわち、この際、
床次徳二
君外四名
提出
、
南方同胞援護会法案
を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
益谷秀次
11
○
議長
(
益谷秀次
君) 山中君の動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
12
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。
南方同胞援護会法案
を議題といたします。委員長の報告を求めます。
内閣
委員会理事山本正一君。 〔山本正一君
登壇
〕
山本正一
13
○山本正一君 ただいま議題となりました
床次徳二
君外四名の
提出
にかかる
南方同胞援護会法案
につきまして、
内閣
委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本案は、沖繩や小笠原諸島の現状にかんがみ、それら
地域
の諸問題の
解決
の
促進
をはかるため必要な調査研究及び啓蒙宣伝を行い、かつ、それら
地域
の同胞に対して各種の援護を行なっておる財団法人南方同胞援護会を特殊法人といたし、
法律
に規定しようとするものであります。 すなわち、同会に対する
政府
の監督を
強化
し、同会の行う事業を憲法八十九条の「公の支配」に属せしめ、慈善、教育もしくは博愛の事業と認められるものについても
政府
の補助金を支出できるようにしようとするもので、そのおもなる点は次の
通り
であります。第一は、同会の
目的
、業務についてはおおむね現在のものを取り入れ、会長、監事及び評議員は
内閣総理大臣
が任命することといたし、第二は、監督官庁としての
内閣総理大臣
は、必要があると認めたときは同会の業務または会計の状況を検査し、また業務上において法令や
行政
処分または定款に違反したときは必要な是正措置を命ずる等の監督権を行い得ることといたし、第三は、国は、この会に補助金を支出し、その他財政的
援助
をすることができるとするとともに、それに伴う必要なる監督の権限を持つことといたしたことであります。 本案は、五月十五日当委員会に付託せられ、本日提案者の説明を聞き、引き続いて
質疑
を行い、討論を省き、直ちに採決の結果、全会
一致
をもって原案の
通り
可決することに決定をいたしました。 右、御報告をいたします。(
拍手
)
益谷秀次
14
○
議長
(
益谷秀次
君) 採決いたします。本案は委員長報告の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
15
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。よって、本案は委員長報告の
通り
可決いたしました。
————◇—————
トランプ類税法案
(
内閣提出
)
準備預金制度
に関する
法律案
(内 閣
提出
)
山中貞則
16
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を
提出
いたします。すなわち、この際、
内閣提出
、
トランプ類税法案
、
準備預金制度
に関する
法律案
、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
益谷秀次
17
○
議長
(
益谷秀次
君) 山中君の動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
18
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。
トランプ類税法案
、
準備預金制度
に関する
法律案
、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事平岡忠次郎君。 〔報告書は
会議
録追録に掲載〕
—————————————
〔平岡忠次郎君
登壇
〕
平岡忠次郎
19
○平岡忠次郎君 ただいま議題となりました二
法律案
につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず、
トランプ類税法案
について申し上げます。 本案のおもな改正の第一点は、最近における税法の立法例にならいまして、骨ぱい税法の全文を口語体に改めるとともに、その名称をトランプ類税法とすることといたしているのであります。次に、現行骨ぱい税の印紙納付制度は課税の適正をはかる上に不備があると認められますので、これを他の間接税と同様に現金納付制度に改めるとともに、別にトランプ類税証紙制度を設け、移出の際トランプ類の包装にこれを張りつけさせることにより、納税が確実に行われるようにいたそうとするものであります。次に、トランプ類の製造者等が材料等を支給して下請業者にトランプ類の製造を委託する等の場合には、その委託者等を納税義務者とみなして、徴税の合理化をはかるとともに、製造工程中のトランプ類も、これを完成トランプ類とみなすことにより、課税上の取締りを充実する措置を講ずることといたしております。次に、象牙製及び牛骨製マージャン以外のマージャンにつきまして、その税率を現行の一組二千円から千円に引き下げることといたしております。 本法案につきましては、審議の結果、本十六日
質疑
を終了し、
社会党
を代表して石村委員より賛成討論があった後、直ちに採決いたしましたところ、全会
一致
をもって原案の
通り
可決いたしました。 〔
議長
退席、副
議長
着席〕 なお、本
法律案
につきましては、横山委員より次の
通り
附帯決議案が
提出
されました。その案文は次の
通り
であります。 現在の租税体系は、本
国会
における税制改正によって直接税については多くの改革がなされたが、間接税については多くの問題が残された。 間接税就中酒税、物品税については時代の変遷とともに課税物件の選択、課税物件間の税率の権衡、納税者の負担力について速かな検討と軽減が必要であると
考え
られる。
さき
に税制審議会においては、物品税について玉ラムネをはじめ中小企業
関係
の諸品目について税率引下げの答申案が提示されたが、諸般の事情から今
国会
には上程に至らなかった。しかし、これらのものは最小限のものであって、その他不均衡を生じているものを含めてこの際速かに税率の改正を加える必要がある。 一部には物品税について増税の
意見
もあるようであるが、本委員会は当面これはなさるべきでないと
考え
る。 よって本委員会は、
政府
が三十三年度において、如上の点を考慮し、間接税殊に酒税、物品税について根本的な検討を加え、全面的な改正を行うよう要望する。 次いで、本附帯決議案を採決いたしましたところ、全会
一致
をもって附帯決議を付すべきものと決しました。 次に、
準備預金制度
に関する
法律案
について申し上げます。 この法案は、通貨調節の
手段
として
準備預金制度
を確立し、
わが国
の金融制度の整備をはかろうとするものでありまして、その骨子は、金融機関に預金の一定割合の現金を
日本
銀行に預入させ、この割合を変更することによって通貨量の調節をはかろうとするものであります。
法律案
の内容を概略申し上げますと、第一に、本制度の対象となる金融機関は、さしあたり、銀行法で免許を受けた銀行、長期信用銀行及び外国為替銀行程度を予定し、第二に、対象とする預金については総預金をとることとし、第三に、
準備
の内容は
日本
銀行預け金とし、第四に、
準備
率の設定、変更または廃止は
日本
銀行の権限とし、その最高は一〇%として、最低は定めないものとする。第五に、金融機関の預金及び
日本
銀行に対する預け金は一カ月間の毎日の平均残高により計算するものといたしておるのであります。 本法案につきましては、本日
質疑
を終了し、討論の通告がありませんでしたので、直ちに採決いたしましたところ、全会
一致
をもって原案の
通り
可決いたしました。 以上、御報告申し上げます。
杉山元治郎
20
○副
議長
(杉山元治郎君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の
通り
決するに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
杉山元治郎
21
○副
議長
(杉山元治郎君) 御
異議
なしと認めます。よって、両案は委員長報告の
通り
可決いたしました。
————◇—————
医師国家試験予備試験
及び歯科医 師国家試験予備試験の
受験資格
の特例に関する
法律案
(野澤清 人君外八名
提出
)
山中貞則
22
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を
提出
いたします。すなわち、この際、野
澤清人
君外八名
提出
、
医師国家試験予備試験
及び歯科
医師国家試験予備試験
の
受験資格
の特例に関する
法律案
を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
杉山元治郎
23
○副
議長
(杉山元治郎君) 山中君の動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
杉山元治郎
24
○副
議長
(杉山元治郎君) 御
異議
なしと認めます。
医師国家試験予備試験
及び歯科
医師国家試験予備試験
の
受験資格
の特例に関する
法律案
を議題といたします。委員長の報告を求めます。社会労働委員長藤本捨助君。 〔藤本捨助君
登壇
〕
藤本捨助
25
○藤本捨助君 ただいま議題となりました
医師国家試験予備試験
及び歯科
医師国家試験予備試験
の
受験資格
の特例に関する
法律案
につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 現在、医師または歯科医師になるためには国家試験に合格しなければならないのでありますが、
終戦
前に朝鮮、満州、
台湾
、樺太等の地において、その地の制度によって免許を得て開業していた者に対しましては、医師法または歯科医師法の附則等によりまして、選考または特例試験により内地の免許を得る措置が講ぜられ、また、別に国家試験の予備試験を受験する
資格
が与えられておったのでありますが、これらの選考及び特例試験の制度は、
昭和
二十八年三月以降の引揚者を除きましては、すでに期限が切れております。予備試験の受験制度も、昨年末をもってその期限が切れておるのであります。また、
終戦
前満州方面向けの医師の養成を
目的
として内地に設けられました医
学校
を卒業した者等につきましても、従来国家試験予備試験の
受験資格
が与えられておりましたが、これまた昨年末をもってその期限が切れておるのであります。従いまして、これらの制度によってなお
資格
を得ることができなかった者は、現在、医師または歯科医師となる道が閉ざされておるのでありますが、これらの該当者はなお相当数ありますので、今回、さらに、
医師国家試験予備試験
及び歯科
医師国家試験予備試験
の
受験資格
を
昭和
三十四年十二月三十一日までに与えることとし、これらの人々の将来に
希望
を持たせようとするのが、本法案
提出
の
理由
であります。 本案は、本日、本委員会に付託せられ、
提出
者野
澤清人
君より提案
理由
の説明を聴取した後、
質疑
、討論を省略して採決に入りましたところ、本案は全会
一致
原案の
通り
可決すべきものと議決いたした次第でございます。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
)
杉山元治郎
26
○副
議長
(杉山元治郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
杉山元治郎
27
○副
議長
(杉山元治郎君) 御
異議
なしと認めます。よって、本案は委員長報告の
通り
可決いたしました。
————◇—————
宅地建物取引業法
の一部を改正す る
法律案
(瀬
戸山三男
君外七名
提出
)
山中貞則
28
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を
提出
いたします。すなわち、この際、瀬
戸山三男
君外七名
提出
、
宅地建物取引業法
の一部を改正する
法律案
を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
杉山元治郎
29
○副
議長
(杉山元治郎君) 山中君の動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
杉山元治郎
30
○副
議長
(杉山元治郎君) 御
異議
なしと認めます。
宅地建物取引業法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。委員長の報告を求めます。
建設
委員会理事荻野豊平君。 〔荻野豊中君
登壇
〕
荻野豊平
31
○荻野豊平君 ただいま議題となりました
宅地建物取引業法
の一部を改正する
法律案
につきまして、
建設
委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本法案は、
昭和
二十七年に制定されました
宅地建物取引業法
につきまして、法施行土の経験並びに住宅事情、特に宅地事情が依然として窮迫している点にかんがみ、宅地建物取引業者の質を向上し、業務の適正なる運営をはかる
目的
をもって、次の諸点について改正しようとするものであります。 その第一点は、宅地建物取引業者は、その事務所に、都道府県知事の待ち
資格
試験に合格した宅地建物取引員を専任の取引主任者として一名以上置かねばならぬこととして、業務の適正なる運営をはかるようにしたことであります。 第二点は、従来、宅地建物取引業を営もうとする者は、法の定めるところにより登録を行えば営業をすることができたのでありますが、今回、これに加えて、営業保証金として、主たる事務所について十万円、その他の事務所については、その事務所ごとに五万円、合計三十万円までの金額を供託しなければ営業できないこととした点であります。 第三点は、宅地建物取引員に対する試験制度にあわせて、その資質の向上をはかるため、宅地建物取引員会及び宅地建物取引員会連合会を設けることができることとした点であります。 以上が今回の改正のおもなる点でありますが、その他、無登録業者に対する取締りの
強化
、既存の宅地建物取引業者に対する経過措置等について規定を設けております。 本法案は、去る五月十五
日本
委員会に付託され、五月十六日審議を行いましたが、格別の
質疑
もなく、採決の結果、全会
一致
をもって原案の
通り
可決すべきものと決定いたしました。 右、報告いたします。(
拍手
)
杉山元治郎
32
○副
議長
(杉山元治郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
杉山元治郎
33
○副
議長
(杉山元治郎君) 御
異議
なしと認めます。よって、本案は委員長報告の
通り
可決いたしました。
————◇—————
農業又は水産に係る
産業教育
に従事する
国立及
び公立
の
高等学校
の教員に対する
産業教育手
当の支給に関する
法律案
(
赤城宗徳
君外七名
提出
)
教育職員免許法施行法
の一部を改正する
法律案
(
永山忠則
君外八名
提出
) 盲
学校
、聾(ろう)
学校
及び
養護学校
の
幼稚部
及び
高等部
における
学校給食
に関する
法律案
(
参議院提出
)
公立学校
の
学校医
の
公務災害補償
に関する
法律案
(
参議院提出
)
山中貞則
34
○山中貞則君 議案上程に関する緊急動議を
提出
いたします。すなわち、この際、
赤城宗徳
君外七名
提出
、農業又は水産に係る
産業教育
に従事する
国立及
び公立
の
高等学校
の教員に対する
産業教育手
当の支給に関する
法律案
、
永山忠則
君外八名
提出
、
教育職員免許法施行法
の一部を改正する
法律案
、
参議院提出
、盲
学校
、聾(ろう)
学校
及び
養護学校
の
幼稚部
及び
高等部
における
学校給食
に関する
法律案
、
公立学校
の
学校医
の
公務災害補償
に関する
法律案
、右四案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
杉山元治郎
35
○副
議長
(杉山元治郎君) 山中君の動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
杉山元治郎
36
○副
議長
(杉山元治郎君) 御
異議
なしと認めます。 農業又は水産に係る
産業教育
に従事する
国立及
び公立
の
高等学校
の教員に対する
産業教育手
当の支給に関する
法律案
、
教育職員免許法施行法
の一部を改正する
法律案
、盲
学校
、聾(ろう)
学校
及び
養護学校
の
幼稚部
及び
高等部
における
学校給食
に関する
法律案
、
公立学校
の
学校医
の
公務災害補償
に関する
法律案
、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文教委員長長谷川保君。 〔長谷川保君
登壇
〕
長谷川保
37
○長谷川保君 ただいま議題となりました農業又は水産に係る
産業教育
に従事する
国立及
び公立
の
高等学校
の教員に対する
産業教育手
当の支給に関する
法律案
、盲
学校
、聾(ろう)
学校
及び
養護学校
の
幼稚部
及び
高等部
における
学校給食
に関する
法律案
、
公立学校
の
学校医
の
公務災害補償
に関する
法律案
、
教育職員免許法施行法
の一部を改正する
法律案
につきまして、文教委員会における審議の経過及びその結果を申し上げます。 まず最初に、農業又は水産に係る
産業教育
に従事する
国立及
び公立
の
高等学校
の教員に対する
産業教育手
当の支給に関する
法律案
について申し上げます。 本案の要旨は、国立または公立の
高等学校
において農業または水産にかかる
産業教育
に従事する教諭、助教諭、常勤講師に対して
産業教育手
当を支給することとし、その支給額等については、国立
学校
の教員に対しては、その者の俸給月額の百分の十の範囲内で、文部大臣が人事院の
意見
を聞いて定め、
公立学校
の教員については国立
学校
教員の
産業教育手
当を基準として定めることを規定しております。 本案は
赤城宗徳
君外七名の
提出
にかかり、去る三月三十日当委員会に付託されて以来、
産業教育手
当支給の対象としては、さらに工業
高等学校
等の教員及び農工水産等の
高等学校
におけるその実習助手などをも含ましめるべきであることなどについて熱心に審議されたのでございますが、それらの詳細に関しては
会議
録によって御承知を願いたいと存じます。 かくて、五月十六日に至り
質疑
を終了、引き続いて本案に対し
内閣
の
意見
を聴取した後、討論を省略して採決の結果、起立総員をもって本案は原案の
通り
可決すべきものと決定した次第でございます。 次いで、辻原弘市君から本案に対する附帯決議案が
提出
せられました。すなわち、
産業教育
の重要性にかんがみ、
政府
は農業
高等学校
及び水産
高等学校
とこれら以外の
産業教育
をなす
高等学校
との間における均衡を保持せしめるため、特に工業
高等学校
及び商船
高等学校
に対しては、
昭和
三十三年度において、同種の教員に対する
産業教育手
当を支給し得るよう所要の措置を講ずべきである。 なお、
産業教育
をなす
高等学校
における実習助手の職務内容は、教員に準じ、極めて重要にしてかつ、特種の性格を有する点にかんがみ、
政府
は、
昭和
三十三年度において、前項記載のそれぞれの
学校
における実習助手をも、
産業教育手
当支給の対象となし得るよう所要の措置を講ずべきである。 以上の附帯決議案は、採決の結果、起立総員をもって原案の
通り
可決すべきものと決定した次第でございます。 次に、盲
学校
、聾(ろう)
学校
及び
養護学校
の
幼稚部
及び
高等部
における
学校給食
に関する
法律案
について申し上げます。 本案は
参議院提出
にかかるものでありまして、その要旨は、盲ろう
学校
及び
養護学校
における教育の特殊性にかんがみ、これらの
学校
の幼児及び義務教育
関係
以外の生徒に対しても
学校給食
を実施することとし、これに必要な施設、設備に要する経費及び
学校給食
の運営費のうち政令で定めるものは当該
学校
の設置者負担とし、これら以外の経費は保護者の負担とし、さらに、国は、食糧管理特別会計の負担において、
学校給食
用小麦等の代金を特別低廉に定めるとともに、関税定率法の適用により低廉な脱脂粉乳を供給することなどを規定しております。 本案は、五月十三日当委員会に付託されて以来、盲ろう
養護学校
の特殊性及び当該
学校
における給食の必要性等について熱心なる
質疑
が行われました。その詳細については
会議
録によって御承知を願いたいと存じます。 かくて、五月十六日
質疑
を終了、討論を省略して採決の結果、起立総員をもって原案の
通り
可決すべきものと決定した次第でございます。 次に、
公立学校
の
学校医
の
公務災害補償
に関する
法律案
について申し上げます。 本案は参議院の
提出
にかかり、その要旨は、
公立学校
の
学校医
の公務上の災害に対して療養、休業等の補償をすることとし、その補償の範囲、金額及び支給方法等は政令で定める基準に従い地方公共団体の条例で定め、さらに、市町村立の義務教育諸
学校
の
学校医
にかかる補償に要する経費は都道府県の負担とし、国はその二分の一を負担することなどについて規定しております。 本案は、五月十五日当委員会に付託されて以来、
学校医
の
公務災害補償
に関する実施基準について、また、これに関連して、児童、生徒の災害補償対策等に関して熱心に審議されたのでございますが、その詳細は
会議
録によって御承知を願いたいと存じます。 かくて、五月十六日
質疑
を終了、討論を省略して採決の結果、起立総員をもって原案の
通り
可決すべきものと決定した次第でございます。 最後に、
教育職員免許法施行法
の一部を改正する
法律案
について、審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、教育職員免許状の新旧の切りかえが適切を欠いていたと認められるいわゆる軍学歴者中、次に述べるものにつき教育職員免許状の授与
資格
について是正を行おうとするものであります。すなわち、旧陸軍士官
学校
、陸軍航空士官
学校
、陸軍経理
学校
、海軍兵
学校
、海軍機関
学校
及び海軍経理
学校
の卒業者で、現に一年以上小、中、
高等学校
に在職する者に限り、旧制高等、専門
学校
卒業者等と同等に取り扱おうとするものであります。すなわち、これらについては、従来中
学校
教員の臨時免許状のみが与えられましたのを、小、中、
高等学校
の教員の臨時免許状、二級普通免許状が授与ざれ得るように改めようとするものであります。 本案は、
永山忠則
君外八名の両党共同提案にかかるもので、五月十六日委員会に付託せられ、
提出
者よりの提案
理由
説明を聴取して審査に入りました。
質疑
のおもなものとしては、法案の対象を在職一年以上の者に限定した
理由
、この是正措置が現在まで遅延した
理由
等について、
提出
者及び
政府
当局に対し
質疑
がなされましたが、その詳細については
会議
録により御承知願いたいと存じます。 かくて、
質疑
を終了し、討論を省略して採決の結果、全会
一致
をもって原案の
通り
可決すべきものと決定した次第であります。 以上をもって御報告を終ります。(
拍手
)
杉山元治郎
38
○副
議長
(杉山元治郎君) 四葉を一括して採決いたします。四案は委員長報告の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
杉山元治郎
39
○副
議長
(杉山元治郎君) 御
異議
なしと認めます。よって、四案は委員長報告の
通り
可決いたしました。
————◇—————
杉山元治郎
40
○副
議長
(杉山元治郎君) この際暫時休憩いたします。 午後二時五十四分休憩
————◇—————
〔休憩後は
会議
を開くに至らなかった〕
————◇—————
出席
国務大臣
内閣総理大臣
岸 信介君 法 務 大 臣 中村 梅吉君 大 蔵 大 臣
池田
勇人君 文 部 大 臣 灘尾 弘吉君 厚 生 大 臣 神田 博君 農 林 大 臣 井出一太郎君 運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君 郵 政 大 臣 平井 太郎君 建 設 大 臣 南條 徳男君 国 務 大 臣 石井光次郎君 国 務 大 臣 大久保留次郎君 国 務 大 臣 鹿島守之助君 国 務 大 臣 小滝 彬君 国 務 大 臣 田中伊三次君 出席
政府
委員
内閣
官房長官 石田 博英君 大蔵政務次官 足立 篤郎君 厚生政務次官 中垣 國男君 運輸省鉄道監 督局長 權田 良彦君