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1957-05-14 第26回国会 衆議院 本会議 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十四日(火曜日)     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第三十三号   昭和三十二年五月十四日    午後一時開議  第一 公立小学校正常授業解消促進臨時措置法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  第二 有線放送電話に関する法律案内閣提   出)  第三 法務省設置法の一部を改正する法律案(   内閣提出)  第四 小型船海運組合法案木村俊夫君外二名   提出)  第五 輸出水産業振興に関する法律の一部を   改正する法律案農林水産委員長提出)  第六 農業災害補償法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第七 農業災害補償法臨時特例法を廃止する法   律案内閣提出)  第八 農業災害補償法第百七条第四項の共済掛   金標準率改訂臨時特例に関する法律案(   内閣提出)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  労働大臣松浦周太郎不信任決議案淺沼稻次   郎君外四名提出)  漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件  原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件  更生保護事業審議会委員任命につき国会法第三   十九条但書規定により議決を求めるの件  中央更生保護審査会委員任命につき同意を求め   るの件  技術士法案内閣提出参議院回付)  日程第一 公立小学校正常授業解消促進臨時   措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 有線放送電話に関する法律案内閣   提出)  日本放送協会昭和三十年度財産目録貸借対照   表及び損益計算書  日程第三 法務省設置法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  日程第四 小型船海運組合法案木村俊夫君外   二名提出)  船舶職員法の一部を改正する法律案内閣提出   、参議院送付)  日程第五 輸出水産業振興に関する法律の一   部を改正する法律案農林水産委員長提出)  日程第六 農業災害補償法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第七 農業災害補償法臨時特例法を廃止す   る法律案内閣提出)  日程第八 農業災害補償法第百七条第四項の共   済掛金標準率改訂臨時特例に関する法律   案(内閣提出)  中小企業の資産再評価の特例に関する法律案   (内閣提出)  造幣局特別会計法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一   部を改正する法律案内閣提出)  合成ゴム製造事業特別措置法案内閣提出)  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関   する法律案内閣提出)  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、   放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求   めるの件    午後一時四十八分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————  労働大臣松浦周太郎不信任決議   案(淺沼稻次郎君外四名提出)      (委員会審査省略要求案件
  3. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、淺沼稻次郎君外四名提出労働大臣松浦周太郎不信任決議案は、提出者要求通り委員会審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。(拍手
  4. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  労働大臣松浦周太郎不信任決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。滝井義高君。(拍手)   〔滝井義高登壇
  6. 滝井義高

    滝井義高君 ただいま議題になりました松浦労働大臣不信任決議案につきまして、日本社会党を代表して、その趣旨弁明を行いたいと思います。  まず、最初に主文を朗読いたします。  本院は、労働大臣松浦周太郎君を信任せず。   右決議する。   〔拍手〕  今日、政府労働行政として特に全力を傾注しなければならない問題は、まず第一に、吉田内閣以来、国家公務員法地方公務員法、破防法、公労法スト規制法等、一連の法律に基いて奪ってきた労働基本権を早急に労働者の手に回復し、みずから労働基本権を尊重し、これに対する侵害を断固として排除する態度を堅持するということであります。第二には、わが国における最も大きな課題である雇用問題解決のために、生産力を増強し、経済の規模と構造とを拡大して、雇用の増大をはかり、失業を絶滅するという問題であります。第三には、勤労大衆生活水準を高めつつ、国民全体の生活水準を相関的に高めていくという、この三点に要約されると思うのであります。  石橋内閣岸内閣を通じて、これらの事柄は国民の前に大きく公約をされて参りました。ところが、内閣が言っている事柄と、やっていることとは、全く正反対の方向に事態が進みつつあるということを、ここに私たちは黙視することができないのであります。(拍手労働者を不逞のやからと呼び、貧乏人は麦を食えと言った吉田内閣、そして、その吉田内閣のあとを受けて、政権たらい回しに次ぐたらい回しを通じてでき上った、鳩山、石橋、岸内閣に、そうした公約が守られるとは、われわれも国民もひとしく期待はしていなかったものの、時が過ぎるに従い、政権たらい回しが続いて行われるに従って、ますます反動的な性格を露骨化していく状態は、私たちのがまんできないところでございます。(拍手政権たらい回しを通じて成立した岸内閣は、すでにその出発点において誤まりを犯したものであると申さなければなりません。同時に、その閣僚の人事についても、派閥抗争の明け暮れの果てにでき上ったことを考えるとき、岸内閣性格と、そこから生まれ出る政策に、われわれは何らの期待も持てないことは、当初より明らかであったのであります。今日、松浦労働大臣不信任決議案が本院において取り上げられるに至った原因は、単に偶発的事件に由来したものでなくて、そうした、岸内閣の本質的な、反動的な性格及び派閥人事に基く労働政策無為無策に深くその原因があったことを、まず指摘しておきたいと思うのでございます。(拍手)  私は、これから、具体的事例に基いて、松浦労政のいかに無能であったか、さらに、その性格がいかに反動的なものであるかを指摘してみたいと思うのでございます。  まず第一は、昭和三十二年度予算に現われた松浦労政無能ぶりと、その反動的な性格でございます。松浦労相は、その就任に際して、国民の前に完全雇用の実現を約束いたしました。ところが、三十二年度予算に盛られた内容を見ますると、その公約を裏づける何らの予算も計上しておらないのでございます。もちろん、われわれとしても、完全雇用の実現ということがいかに至難な問題であり、一朝一夕にして解決し得ない問題であるかということを十分認識いたしております。また、その問題が、単に労働政策のみで解決できるものではなくして、総合的な経済政策の裏づけがあって初めて達成できるものであることも、十分承知いたしておるものでございます。しかし、わが国雇用問題の解決は、特に早急を要する緊急の課題でございます。政府が言っておるごとく、産業の振興生産力の増強、貿易の振興などといったごとき、きわめてオーソドックスな、言葉をかえていえば、緩慢な政策だけでは解決できない幾多の要素を含んでおるのでございます。ちまたには六十万をこえる完全失業者が依然として存在し、それに加えて一千万に上るといわれる潜在失業者がひしめき合い、さらには、国の政策の転換に基いて発生し、また発生せんとしておる駐留軍特需関係労務者の首切り、失業就労の機会ないしは就労日数が確保できない日雇い労務者諸君、低賃金労働者諸君、要生活保護者が依然として跡を断たず、これらは、政府政策の貧困を嘆きながら、明日の、いな、今日の生活に脅かされておるのでございます。働く意思と働き得る健康な肉体を持ちながら働くことのできないほど、みじめなことはありません。そして、そうした層に属する人々が現実に多数存在するのでございます。労働大臣は、このことを十分御承知のことと思います。ところが、現実に現われてきた政策は、これに対する何らの回答も用意できなかったのが、ほかならぬ労働大臣政策だったのであります。あなた方のきわめて緩慢な政策が浸透するまで、こうした人たちは、一体、何日、何カ月、いや、何カ年食わずに待てばいいというのでしょうか。完全雇用がある程度達成されておる国の雇用政策失業政策をあなた方に考えてもらっているのではないのであります。今日、明日の生活に困っておる人たち生活を保障する道を考えていただきたいのでございます。そのためには、すでにおそまきながら、少くとも三十二年度予算において、大幅な国家投資による雇用拡大直接的施策を講ずべきが当然であったのでございます。ところが、事実は全く逆で、失業対策吸収人員を昨年度より二万三千人も減らすという暴挙を平気で行なっておるのでございます。雇用問題解決のための何らの抱負、方針を持たず、もっぱら逆にこの問題を悪化に導く以外になすべきことを知らぬ労働大臣は、この一点だけで不信任される十分な理由があると思うのでございます。(拍手)  次に、同じく昭和三十二年度予算において、政府は過去三カ年間据え置いてきた公務員給与引き上げを断行いたしましたが、その引き上げも、労働者要求である一律二千円のベース・アップではなく、俸給表改正による六・二%の上昇という方法をとったのであります。私は、そうした労働者要求を無視した一方的処置に大きな不満を持つ一人であります。額の問題、引き上げの方法はともかくとしても、今回の俸給表改正は、岸内閣ないしは松浦労政反動的性格を遺憾なく発揮したものであると思うのであります。(拍手)すなわち、政府は、俸給表改正に当って、従来の行政職俸給表十五級区分を七等級に圧縮し、それぞれの等級に、次官以下下級職員に至る職階を完全に結合させ、昇給期間との間差の関係においても、上位の等級ほど有利に定めることによって賃金による身分差の思想を助長し、他方において職制による支配の強化を企図したのでございます。また、行政職の二分割、すなわち、中央と地方俸給表の適用を異にし、その等級格づけの上においては、地方行政機関の実情に即したものといいながら、明らかに中央行政機関優位の方向を打ち出し、俸給表細分化身分差をねらったのでございます。このことは、給与の上昇をえさにした、きわめて悪質な手口と申さなければなりません。ここにも松浦労働大臣反動性が顔を出したことを指摘することができるのでございます。(拍手)  第二には、公労協に関する仲裁裁定をめぐってとった、政府、なかんずく松浦労働大臣態度がきわめて不当であった点でございます。仲裁裁定予算化に当って、政府は、仲裁裁定書主文第一項に示された趣旨を故意に歪曲し、公労法公社法並びに現業における職員給与に関する特例法等によって、適法に団体交渉に基いて支給されたものをやみ給与と称し、一方的に千二百円の中から差し引くという暴挙を行い、仲裁裁定完全実施をはばみ、かつ、予算総則の変更を企図して、給与総額内における基準内、基準外の流用に際しては大蔵大臣承認を必要とすることとし、従来公社総裁自由裁量にまかされていた給与総額内における流用措置に重大な制約を加えたのでございます。このことは、各国においてその例を見ない、公社総裁の権限に対する重大な制約であり、また、一方、労使間における自主的な協定、協約の効力に対する不当きわまる拘束以外の何ものでもないのでございます。(拍手)同時に、また、公企業体制度のあり方を根本的にゆがめ、かつ、労使の紛争の処理を労使の友好的な団体交渉によることとしておる公労法の精神を完全に踏みにじる行為であると申さねばなりません。私は、今回の仲裁裁定をめぐっていろいろな紛糾が発生した原因は、一に政府労働大臣の責任であると考えるのでございます。(拍手やみ給与ということについても、労働大臣は、これが、委員会審議を通じて、決してやみではないことが明瞭になったにかかわらず、それを閣議などにおいても明確にせず、新聞、世論にまで、いかにもやみ給与があるかのごとき錯覚を起させる原因を作り出したのでございます。今回の仲裁裁定がそれ自体明瞭さを欠いたきらいがあったことは認めますが、そうした際に、労働大臣としては、世間がその問題をめぐって紛糾する前に、それを明瞭にする努力を真剣にやるべきであったと思うのでございます。  さらに、公労法を尊重し、これを擁護すべき立場にある労働大臣は、団交権を制限し、ないしは、それを骨抜きにするごとき予算総則の変更については、断固として反対立場をとるべきはずであったのでございます。さらに、争議権を奪われた公社現業職員にとって、団交による労使の協定、協約が、自己労働条件を決定する第一のよりどころであり、第二の段階が調停、仲裁制度であるとするならば、労働大臣としては、団交の結果あるいは仲裁の結果に対してはこれを全面的に支持し、かつ、これに協力する態度を堅持しなければならなかったと思うのでございます。この点、政府態度はもちろんのこと、労働大臣のとった態度は、労働大臣としての自覚を失った、きわめて不当な態度であったと断ぜざるを得ません。(拍手)このことが労働大臣不信任する第二の理由でございます。  第三には、行政機構の改革に名をかりて総理府設置法の一部を改正し、本来中立機関たるべき現在の人事院総理府の一外局とし、政府支配下に統合することによって公務員労働条件を一方的に押しつけんとする体制を確立せんとしている点でございます。公社現業職員労働条件を公正に判断する機関仲裁委員会であるとするならば、人事院公務員のそれに当る機関にほかならず、それが争議権剥奪の代償として与えられたものであることは、今さらここで述べるまでもないのであります。人事院は、時の政府政党に支配されず、厳正中立立場にあってこそ、初めて存在価値があり、その機能を十分発揮することができるのでございます。そうした人事院の機能を、時の政府政党のもとに隷属せしめ、あってなきがごときものにする改正は、これを反動と言わずして何と言いましょうか。(拍手松浦労政反動性はこうした点にも明らかに現われていると申さなければなりません。  こうした政策面に現われた松浦労政反動的性格と相待って、最近における委員会その他公けの席での松浦労働大臣の発言には、きわめて不穏当なるものがあるということでございます。たとえば、公労法改正して刑事罰を設けるとの談話を発表したり、また、総評運動方針はけしからぬと言ったり、その他こまかい点をあげれば切りがありませんが、去る四月十八日の日経連第十回総会において行なった松浦労働大臣のあいさつは、労働者を敵視するもはなはだしいものがあったといわなければなりません。(拍手)すなわち、労働大臣は、日経連総会の席上において、「今度の春闘で、どうも政府勤労団体の強力な力にやられたという批判があるようであるが、われわれはまだやられたという自覚は持っていない」と言い、その理由としてやみ給与を根絶したことをあげている。そしてさらに言を続けて、「マホメットのように、左手にコーラン、右手に剣を持つという考えで、誤まった点をあくまで直してもらおう」と言っているのでございます。私は、この労働大臣の言葉の解説をこの席上で試みるつもりはございません。ただ、労働大臣は、自己立場を忘却し、資本家にこびへつらう余り、労働者自己闘争相手と考え、場合によっては労働者に剣を持って立ち向う用意があることをみずから表明したものであることを、この際指摘しておきたいと思うのでございます。(拍手)この労働大臣考え方は、かつての警察国家へ通ずる考え方であり、戦前のおそるべき思想に通ずるものであると断ぜざるを得ないのでございます。(拍手)  松浦労働大臣は、果して労働省設置法という法律を御存じでしょうか。労働大臣は、深夜静かに一人労働省設置法第三条をお読みになって下さい。右手に握るところの剣というものは、これは私は裁判所や警察にまかすべきものだと思います。労働大臣が握るところの右手のものは、愛情豊かな労働政策でなくてはならぬと思うのでございます。(拍手)一言にしてこれを申し上げるならば、労働条件の向上及び労働者保護ということなのでございます。労働者の福祉の増進なのでございます。そうした任務を持つ行政機関の長である労働大臣が、労働者と戦って勝ったとか負けたとか言うがごときは、労働大臣の職責を忘れるもはなはだしいといわなければなりません。(拍手)私は、そうした労働大臣態度不信任を受けるに足る十分な理由となると信ずるものであります。  さらに、最近における佐賀県教組に対する弾圧に至っては、松浦労政の極端な反動性をいよいよ露骨に現わしてきた最もよい事例の一つであります。休暇闘争という労働者にとって最後に残された合法闘争も、地方公務員法三十七条、六十一条の一方的な発動によってこれを非合法化し、労働者警察権をもって逮捕するがごときは、反動どころか、戦時中のファシズムに通ずる行為と申さなければなりません。さらに、去る五月三日名古屋において行なった春季闘争の処分に対する労相の談話は、内容的にきわめて不穏当なもので、労使間の紛争に政治権力を介入せしめ、事態をますます混乱せしめる結果を招来した、はなはだしい越権行為だと申さなければなりません。(拍手)事ここに至り、もはや、松浦労働大臣は、労働大臣の任にふさわしからぬ、きわめて反動的な人物であることが歴然としたばかりか、民主的政治家としての適格性を持っていないことが明らかになって参ったのでございます。  私は、以上あげましたいろいろな理由によって、松浦労働大臣を本院が不信任することを希望し、私の趣旨説明を終る次第であります。(拍手
  7. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 討論の通告があります。順次これを許します。大坪保雄君。   〔大坪保雄登壇
  8. 大坪保雄

    大坪保雄君 私は、ただいま議題となっております松浦労働大臣不信任決議案に対して、自由民主党を代表して、絶対反対の意見を表明せんとするものであります。(拍手)  ただいま提出者滝井君の述べられた趣旨弁明を伺っておりますと、いろいろと、もっともらしい理由があげられておるようでありますが、いやしくも国務大臣であり一省の最高責任者である者をその地位から去らしめるごとき政治上の効果をもたらす不信任理由としては、一つとして納得のいくものがないのを、まことに遺憾とするものであります。(拍手理由にもならぬ理由を無理にこじつけて作り上げたという感じであります。  昨年の第二十四国会においては、社会党諸君暴力ざたを初め、牛歩戦術動議戦術とともに、各国務大臣に対する軒並み不信任案提出という戦術によって、議事の正常なる運営がはなはだしく阻害され、国民のきびしい批判を受けたことは、私どもの記憶になお新たなるところであります。(拍手)今国会は、これまでのところ、幸いに、さようなこともなく、平穏であったと人も称し、国会正常化成るかとわれわれも喜んでおったところでありますが、会期末の今日になって、突如として、それこそ抜き打ち的に松浦労働大臣不信任案提出され、さらにまた、新聞紙の伝うるところによれば、次々と他にも不信任案が用意されているかに聞きますことは、まことに唐突、奇異の感にたえず、その真意の那辺にあるかを疑わざるを得ません。(拍手)  世上では、社会党は去る一月の大会で運動方針を大修正して大きく左旋回をしたが、それは総評要望書によったのである、その社会党であるから、国会らしい正常な国会運営で全会期を終ったのでは、総評のきらう議会主義的傾向とも見誤まられるおそれがあるし、それに、国鉄など公労協処分反対闘争に対する支援という点からも、会期末に一波乱起すべしとの総評要望があってのことであろうと見る向きもあります。(拍手)ただいまの滝井君の趣旨弁明を聞いて、ますますその感を深くするのは、私一人ではなかろうと思うのであります。(拍手)  滝井君は、労働政策に見るべきものがないというのが松浦労相に対する不信任理由一つであるとされたのでありますが、諸君も知られる通り、現代は政党政治の時代であります。政党政策を掲げて国民に訴え、国民批判と支持をもって内閣を組織するのであります。内閣閣僚の一人一人に特別の政策のある必要はございません。その政党政策を体得しておる者であれば資格は十分であります。わが党の労働政策は、明らかに国民に訴えてあります。国内に産業を興し、労使の協力によって生産を増強し、規模を拡大し、国民経済を豊かにして、よって雇用を増大し、すなわち、あらゆる勤労者に職場を提供し、その生活向上し、福利を増進し、もって平和にして文化的な生活を享受させることにあるのであります。わが党の完全雇用生活向上を達成するための経済五カ年計画策定理由と基礎はここにあるのであります。わが松浦労働大臣は、わが党のこの経済政策、この労働政策体得者であります。この基本政策に基いて行う労働行政が、総評の気に入らないから、また、社会党諸君の希望に沿わないからといって、政策がないなどと誹誇することは当らないのみならず、はなはだしく礼を失するものであろうと思うのであります。(拍手)  滝井君は、労働政策を明らかにする予算面の不足があることをあげておるようでありますけれども、社会党諸君が好んで用いる神武以来の景気とかの昨年以来、完全失業者の数は減っております。失対事業における登録人夫求職数は減っております。一般経済界の好況は、これら求職者に就業の機会を多く提供しており、また、その今後の見通しも大きいのであります。しかるに、失業対策事業に吸収する人員は、建設省の行う臨時就労対策事業を含めれば、前年より上回っておるのであります。のみならず、本年度の予算においては、失業対策事業労働賃金を一日平均二十円引き上げ、また、失業保険給付金額を大幅に引き上げてあることは、諸君承知通りであります。これらは、ことごとく松浦労働大臣努力のたまものでありまして、その失業対策に関する見識と熱情を表わすものにほかなりません。(拍手)  滝井君は、さらに、今年の春闘における公労協関係仲裁裁定について非難めいたことを申しておられますが、これは全く当りません。三公社、五現業に対する労働委員会仲裁裁定は、現内閣は、最初から言明していたように、誠意を持ってこれを実施したのであります。去る四月二十六日の本院の予算委員会で、藤林仲裁委員長は、わが党の小坂善太郎委員の質問に答えて、政府のやった措置も勧告を含めて相当誠意が認められるし、仲裁をやった者として満足である旨申されておるのであります。仲裁裁定実施については、社会党諸君総評諸君と一緒になってかれこれ言っておられますが、仲裁裁定をなした当事者である労働委員会委員長は満足であると言っておられる。(拍手仲裁裁定が、裁定を下した当事者から満足と言われるほど十分に実施されたのは、松浦周太郎君が労働大臣をしておる現岸内閣において初めてであります。(拍手)この点を社会党諸君は明らかに認識してもらいたいと思います。しこうして、このことは、労使関係に良識ある慣行を作ろうという念願から、松浦労働大臣が、終始、しかも日夜非常なる努力をされた結果であるのでありまして、よいことはよいこととして、私は、このことは社会党諸君からもほめてもらってよいことだと思っておるのであります。(拍手)  公労協関係労働者罷業権を失っているから、これを回復せしめねばならぬと言われるが、公企業体は、国民経済国民生活にきわめて重大な関係を持つもので、その公共性からいってさらにまた組合の現状からして、きわめて危険なりといわざるを得ません。総評は、今年も、年中行事の春季闘争実施しました。その結果は、国民経済上大きな損失をもたらし、国民に深刻なる迷惑をかけたのであります。そうして、これを成功であったと称しておる。彼らは、春闘を準備するに当っては、その戦術目標を、敵に最高の打撃を与えることによって敵より大幅の譲歩を戦いとることに置き、実害ある戦術行使のみが戦いの有効なる手段たり得るという立場で戦ったと申しております。この場合の敵とは、これは国民になるわけであります。(拍手)また、多くの国鉄労働者が自発的に職場大会に参加し、ストライキ権は持っていないが、賃金を上げるためには汽車をとめなければならぬ、実力行使をやらねばならぬという確信を持ったとも称しております。この場合、敵というのは、独占資本、政府であるから——これは総評の言っておることですよ、敵というのは。——独占資本、政府であるから、これと対決するため、彼らの源泉となっている原材料、輸送力を長期的にとめることを戦術の重点とするそうであります。公企業体においては、資本は国民の税金であります。政府は、民主主義の国家においては国民の代表であります。すなわち、総評によれば国民が敵なのであります。(拍手)自分たちの利益のためには国民に迷惑を及ぼすことを一向に顧みないゆえんが明らかであります。かような国民生活、公共の福祉よりも自分たちの利益を重しとする思想の労働組合にスト権が与えられた場合の結果は、実に火を見るよりも明らかです。世俗に気違いに刃物と申す言葉があります。公労協が労働組合らしい労働組合に成長するのが先決問題でしょう。  去る十日、この議場で、社会党の淺沼書記長は、岸総理に対する質問で、三公社、五現業労働者春闘に関する過日の処分に対して、これを不当処分として、「われらの断じて承服できないことであり、断固反対をするものであります。」と申されておる。私は借問したい。社会党諸君は、ほんとうに心から今度の処分を不当として反対されるのでありましょうか。ことしの春闘における三公社、五現業の従業員たち公労法違反の行き過ぎ行為、特に国鉄労組の実力行使、職場大会と称するストライキでは、国民は非常な迷惑をこうむっておる。そこで、これに対して国民がひとしく憤激をいたし、その違反者の処分は、法律秩序維持の上からも、責任追及の点からも、当然としてこれを期待しておることは、いな、希望しておることは、各新聞紙の例外なき一致の論説や報道から、きわめて明らかなところであります。(拍手)およそ、文字を知り、ラジオを聞き得る耳を持っておる者であったとき、何人といえども否定することができないでありましょう。すなわち、これが国民の声なのです。国民の意思なんです。社会党は、この厳然たる事実を否認されますか。それとも、ごく一部の労働階級である総評と同調して、国民の声を無視して、あえて国民大衆に敵対されるのでありますか。(拍手)  私は、また、社会党諸君にあえて推問したい。諸君は法の秩序をいかにして維持せんとされるのでありますか。国民法律を守ることについてどんなお考えでございますか。諸君は私どもと一緒に立法の事に参画しておられるはずだ。国会で制定した法律は守らるべきものであるということに御異存はなかろうと思う。しかるに、明らかに国民経済が破られ、国民生活が害されるような法律違反がなされ、なお何らの処分もなされずして済ます、これが繰り返されたとすれば、社会の秩序はどうなるでありましょう。多くを言う必要はないと思います。滝井君は公労法を守れと政府やわが党に言われましたが、この言葉は、私はそのままこれを社会党に返上したい。(拍手)国鉄労働組合は、去る三月の春闘において、明らかに公労法第十七条に違反してストを決行したのです。職務に反して莫大なる損害を国民に与え、その憤激を買ったのです。責任を感じないというのは社会の常識に反します。しかるに、それどころか、処分をすればさらにストをもって対抗するぞとおどかしておる。かようなことは、法治国家では許されない。唯我独尊、ファッショに通ずる思想であります。  近ごろ、世上に、昔軍閥、今総評という言葉がはやっておる。なるほど、今の総評のあり方は、その膨大なる組織の力を乱用して、傍若無人、横暴の限りを尽しておる。昔、軍閥は、国民の声を聞かず、国民の利益を無視する横暴を行なって、ついに国を滅ぼさんといたしました。今、国民は、総評がこの軍閥の二の舞いをすることなきかを憂えておるのであります。社会党の良識が総評のかような考え方や行動に反省を促し、これを抑制してくれるものと私ども思っておったのに、あにはからんや、逆にこれを支持して、これとともに戦う態度をとられるのみか、労使関係の正常化を念願して八方努力しておられる松浦労働大臣をかえって曲解して、総評のおぼしめしに添わぬからとて、これを不信任せんとするがごときは、われらの最も不可解とするところで、断固反対せざるを得ません。(拍手)  去る三月十一、十二日の春闘第三波のスト、二十三日の抜き打ちスト、さらに今回の五月十一、十二日の処分反対の抗議ストによる客車や貨車の運休、遅着はきわめて大量に及んでおります。これが千波万波を生んで、国民のこうむった害、国民経済国民生活に及ぼした損害は、はなはだしいものがあります。  私どもの非常に不可解なことは、国鉄従業員のかかる違法行為応援のために現場に出かけられた社会党国会議員が相当あったということであります。(拍手社会党諸君が、これら国民のこうむった被害に対して償いの方法を考えてみたことがありますか。この考慮なくして、ただ責任をとるのはいやだ、処分反対だでは、国民は納得いたしません。いな、国民を敵とするといわれても仕方がないと思う。さような反省なくして、いたずらに他人を責めるのは、自分の顔のあばたを忘れて他人のえくぼをあざ笑うようなものであります。  滝井君は、さらに佐賀県教組処分問題にも触れられましたが、これは松浦労働大臣責任というのは少し無理でございましょう。(拍手)  松浦労働大臣の人となりは、社会党の皆さんも御承知通り、苦学力行、今日の地位を築いた人であります。いわゆる立志伝中の人である。世の常の人と異なり、苦心経営の中にその才幹をみがき、識見を高め、円満なる人格を養った人であります。政界に籍を置くことも長く、自然、政治家としての経験と見識に富む人であります。しこうして、その人柄は、社会党の淺沼書記長も、去る十日、この議場で賞揚されたごとく、まじめ性の人であります。反動性などみじんもない。しかも、愛情深く、情熱を持って事に当る人であります。人間としてこれ以上の徳性はないではありませんか。(拍手)これを不信任する理由は全くない。私が最初に、この不信案はこじつけの作り事のにおいがすると申したのは、このことであります。  以上、あらゆる角度から、私は松浦労働大臣を今日不信任する理由はごうまつもないことを明らかにいたしました。社会党諸君も良識をもって公正公明に物を判断せられんことを切望して、私の反対討論を終ります。(拍手
  9. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 下平正一君。   〔下平正一君登壇
  10. 下平正一

    ○下平正一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました労働大臣松浦周太郎君に対する不信任決議案に対し賛成の意を表せんとするものであります。(拍手)  すでに提案理由で明らかにされておりますように、松浦労働大臣不信任理由を一言で言うならば、その労働政策の貧困と、これを糊塗せんがための権力をもってする弾圧行政、反動労政という一言に尽きるものであります。(拍手)かてて加えて、松浦労働大臣政治力の欠除と、無定見きわまる挑発的性格が加わって、今日見られるがごとき異常な労働行政の混乱となり、労働者の犠牲はもちろん、日本の産業経済に重大なる支障を与えている点にあります。(拍手日本社会党は、先日の緊急質問の際も、この点に触れまして、岸総理に対し、すべからく松浦労働大臣の罷免をなすべしという要求を行なったわけでありますが、いまだに実現を見ておりませんので、日本経済の発展と労働者生活安定のため、重ねて松浦労働大臣のすみやかなる退陣を要求するものであります。(拍手)  以下、具体的な不信任理由を申し上げたいと思います。  まず第一は、提案理由でも申し上げました通り松浦労政の貧困であります。政府松浦労働大臣は盛んに完全雇用を宣伝しておりますけれども、問題の失業対策に見ましても、片一方には一千数百億円の税の自然増収を見込みながらも、失業対策の対象人員は、三十一年度の二十四万八千人から、三十二年度二十二万五千人と二万三千人も減らしているではありませんか。その根拠は、今年は景気がよいから失業者は減るだろう、こういう想定に立っているようでありまするが、同じ政府の資料でありますところの昭和三十二年度経済計画では、昨年同様の失業者約六十万人が見込まれているではありませんか。(拍手)さらに、政府中小企業に対する政策の貧困と、オートメーション化による大企業の首切りと相まって、ちまたには失業者が漸増しておるのが現実であります。(拍手)このことは、単に労働政策の貧困というよりも、明らかに労働者国民に対する欺瞞であります。また、一面、政府は、雇用を拡大するためには、経済規模を拡大して、そのための生産性も向上しなければならないと言っておりまするが、現状はどうでありますか。たとえば、経済の拡大は、三十年の七・四%から三十一年度は一一・七%と増加しているにもかかわらず、就業の増加数は二百二万人から六十一万人と、逆に減少しておるではありませんか。これら一、二の点を見ましても、政府労働大臣の言う完全雇用がいかに貧困なるものであるかが立証されるものであります。わが党は、かかる悪意に満ちた欺瞞政策を断じて許すわけには参りません。(拍手)  その理由の第二は、公務員給与改訂にからむ公務員制度の改悪であります。給与改訂については、昨年の七月出された人事院勧告をようやく政府が受けて、その一部を予算に組み入れたのでありまするが、それは、過去三カ年にわたる賃金ストップと、七回にわたる勧告無視から、当然のことであります。しかし、問題は、この賃上げに伴って、給与制度、賃金体系が著しく改悪されている点であります。その裏には、職階制の強化をめぐる反動きわまる労働政策を含んでいる点であります。わが党の反撃によって幾分緩和されたとはいいながら、人事院廃止等を含めて、その露骨なる反動態度の表われを、われわれは決して見のがすわけには参りません。(拍手)  理由の第三は、今次春季闘争に対する政府並びに松浦労働大臣の不当なる介入と、抜き打ち処分に見られる権力による労働者の弾圧労政にあります。(拍手)もともと、今春一斉に行われた公労協の闘争は、政府が過去数年間にわたって調停案を無視し、仲裁裁定をじゅうりんしてきた、その不誠実きわまる態度に対する公労協傘下の労働者の怒りであり、ぎりぎりまで追い詰められた労働者生活を守るための、きわめてささやかな抵抗であります。(拍手)憲法に保障された罷業権を剥奪された公労協労働者に対する唯一の救いの道は、仲裁裁定完全実施であります。過去数回にわたって仲裁裁定がじゅうりんをされました。かりに百歩譲って、今回の裁定完全実施であると仮定いたしましても、公労協労働者諸君の頭の中に深くしみ込んでいる政府に対する不信の念をぬぐい去ることは絶対に不可能であります。(拍手労使の間における正常なるあり方の根底をなすものは相互の信頼感であります。基本的権利であるところの罷業権の代償としての仲裁裁定は、誠意をもって実施するというがごときものでは絶対にありません。完全実施をすべきものであります。(拍手)当然やるべき義務を果さず、今回のごとき不完全なる裁定実施をなしながら、一方的に労働者責任のみを追及せんとする政府松浦労働大臣反動的な態度については、断じて許すことはできません。(拍手)  さらに、春闘の経過をしさいに見るならば、なおすべての責任政府当局にあることは明らかであります。組合側は、平和解決を念願して、公労委の示す調停案を不満ながら受諾したにもかかわらず、公社をしてこれを拒否せしめ、実際には調停案と何らその内容には変りないということがわかっていながらも仲裁裁定にまで持ち込ませたことは、調停案を無視し、公労法を軽視するのみならず、ことさらに紛争を長引かせて混乱を招いた最大の原因であります。(拍手)かかる政府あるいは労働大臣の無責任態度も、これまた断じてわれらの許すべからざる点であります。(拍手)  さらに、われわれが見のがしてはならない点は、松浦労政団交権否認の憲法違反の点であります。公労法上に認められたところの団体交渉権によって生じた労働協約の結論というものは、政府といえども侵すことのできない確定債権債務であります。(拍手)所定の手続を経て給与化された確定分に対して、あたかも公社と労働組合のなれ合いの結論のごとく宣伝をして、大蔵大臣、運輸大臣の承認なり協議なりを経たものに対しても、あえてこれをやみ給与と称して、今次裁定より差し引くがごときは、明らかに団交権の否認であり、憲法違反であります。 (拍手)  さらに、三月二十三日問題を起しました抜き打ちストライキというあの事件であります。三月二十三日に支給さるべき業績手当については、完全に国鉄労働組合と国鉄の経営者十河総裁との間において了解され、労働協約化された支払いであります。しかるにもかかわらず、政府は、いたずらにこれに介入をして、支払い停止を行わしめ、あの一大混乱を生ぜしめたのであります。(拍手)このことは、単なる労働行政の拙劣として葬り去る問題ではなくして、松浦労政の根底を流れる憲法無視、団交権否認を立証するものであります。(拍手)このことは、何も私が言うまでもなく、松浦労働大臣みずからが、名古屋におけるいわゆる放言で立証いたしております。(「たまに失敗もあるわ」と呼ぶ者あり)松浦さんは、たまに失敗するくらいならいいが、失敗だらけなんだ。いわゆる松浦言明なるもののうちに、三月二十三日の抜き打ちストは今回の処分の対象にしない、その理由は、政府、国鉄当局の責任を追及されては困るからであると明言をしていることを見ても明らかでありましょう。(拍手)さらに、松浦言明は処分の具体的方針にまで触れておりまするが、本来、労使間の処分の問題は、公社と労働組合との問題であります。本来公社対労組の問題であるべき処分問題に対してあの言明をするということは、だれが見ても、これは明らかなる政府の介入と言わずして何でありましょうか。(拍手)かかる団交権を否認して憲法に違反するような行為の数々ある松浦労働大臣を、私どもは断じて労働大臣として許しておくわけには参りません。  理由の第四は、事はそれでよろしいとして、これから一体どうするかという問題であります。今後の処置に関する松浦労働大臣なり政府態度であります。不当なる処分に対する労働者異議の申し立てに対しまして、松浦労働大臣態度は、これを報復ストライキときめつけ、ばかの一つ覚えではないが、断固処分するの一点張りであります。これほど固陋頑迷な労働政策がどこにありましょうか。(拍手)  一体、松浦労働大臣なり政府は、今日生じておる公労協紛争の根本的な原因をどう考えておられるか。それは基本的には三つであります。その一つは、労働者の基本的な権利であるところの罷業権を奪っておる点にあるということをよく考えなければなりません。(拍手)この際根本的な解決をするためには、公労協労働者に対しても憲法に保障されたる罷業権を与えるべきであります。(拍手)基本的権利を与えて、その上に立って事態解決をはかるということが、最も正しい今後のあり方ではないでしょうか。(拍手)その二つは、罷業権を剥奪したとしたならば、その代償としての仲裁裁定にもっと権威を持たせなければだめであります。紛争の最大原因というものは、いわゆる予算上、資金上から政府を拘束しないという公労法第十六条に明らかであることを認識すべきであります。(拍手)基本的権利の代償としての仲裁裁定が一方的な政府自由裁量にまかされておる点にあるということを、どうしても考えなければなりません。たとい理由はあろうとも、仲裁裁定に対しては完全にこれを実施するという形をとることが最大の問題であります。その第三は、公社の自主性の尊重であります。労使間におけるいろいろの問題は、原則として労使の話し合いにまかせるということが建前であります。これがためには、公社の経営者に対して自主性を与えることが一番肝心であります。今日、公社の経営者に、労使の問題に関して果して自主性がありましょうか。公社の経営者は、当事者能力を欠いた、極端に言うならば禁治産者であります。  さらに、今回の裁定実施をめぐる補正予算において、給与総則を改正して基準賃金基準外賃金との流用を禁止し、さらに、少い自主性を強く拘束するがごとき態度というものは、もはや公社としての性格を失わしめるものであります。かかる基本的な方策を樹立せずに、ばかの一つ覚えのように、いたずらに処分をする、処分をする。それで労働行政が完全といわれるでありましょうか。これを称して反動行政というのであります。(拍手)起った事柄を法に照らして処分する、それだけなら、政治は必要でありません。事務官僚があればたくさんであります。政治の要諦は、よって来たる原因を十分確かめ、未然にその防止対策を樹立するところにあると確信をいたします。(拍手)  正しい労使の慣行ということを政府石橋内閣以来公約をしておりまするが、今まで申し上げましたいろいろの問題というものは、政府みずからが法を無視して顧みるところなく、ただ一方的に労働者を大量に首を切って、これが正しい労働慣行と言えるでありましょうか。今日、政府は、国民感情を考慮して行なった処分と言っておりまするけれども、責任者の処分さえすれば、それで国民は納得すると思ったら、大きな間違いであります。(拍手)正しい労働慣行というものは、まず政府労働政策に対する謙虚なる反省から始められなければなりません。処分一本やりの強圧的労働行政を改めることから始められなければならないと思います。(拍手)それは、一つには、公務員法、公労法スト規制法等反動立法を廃止して、すべての労働者に対して労働者の権利である罷業権を与えるというところから始めていかなければならないと信じます。しかるに、みずからを顧みることなく、公労法の再検討と称して、行政罰のみならず、刑事罰を課するがごとき、公労法の改悪をはからんとする試みや、もしくは鉄道営業法の改悪、さらにはまた、公社の自主性を弱めて政府の権力的介入を正当化せんとする試みは、これまたわが党の断じて許すことのできない重大問題点であります。(拍手)  理由の第五は、松浦周太郎君個人の性格なりその言動が労働大臣としてきわめて不適格であるという点であります。提案理由にもありましたが、労働省は、そもそも労働者に対するサービス・センターでなければなりません。しかるに、松浦労働大臣の行動は、終始一貫、労働者を敵として資本家の側に立ち、労働者弾圧の先頭に立っているではありませんか。先の提案理由の中にありました、日経連における発言の内容、あるいは国会委員会における発言の内容等々を見ても、明らかに松浦労働大臣労働者を敵とみなしているわけであります。さらに、労使の間の紛争をまとめるべき役割である松浦労働大臣が、当然公社で行うべき処分問題に関し、名古屋における発言というものは何事でありますか。明らかに挑発であります。正しい労使の間における慣行というものは、たとえば、処分の問題にしろ、仲裁裁定の確立後において双方の責任を十分に確かめてから行なってしかるべきものであります。いわんや、仲裁裁定に対して、それが不完全実施であるという論争のまっ最中に処分を発表し、抜き打ち的にこれを行うということは、どう考えても、労働大臣として、労働者に対するサービス・センターの役割を果しておるとは断じて言われません。(拍手)みずから紛争を激化せしめているその責任を私どもは断固として追及いたします。もはや、私どもは、一日たりとも、松浦周太郎君、あなたを労働大臣の職にとどまらせることはできません。それは、ただ単に日本の労働者のためというばかりではありません。全国民の問題としてであります。  以上、不信任理由の一端を申し上げまして、私の賛成の討論を終ります。(拍手
  11. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。この採決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白票、反対諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。  氏名点呼を命じます。   〔参事氏名を点呼〕   〔各員投票〕
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。  投票を計算いたさせます。   〔参事投票を計算〕
  13. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。   〔事務総長朗読〕  投票総数 三百五十七   可とする者(白票) 百四十一   〔拍手〕   否とする者(青票) 二百十六   〔拍手
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 右の結果、労働大臣松浦周太郎不信任決議案は否決されました。(拍手)  淺沼稻次郎君外四名提出労働大臣松  浦周太郎君不信任決議案を可とする  議員の氏名    阿部 五郎君  青野 武一君    赤路 友藏君  赤松  勇君    茜ケ久保重光君 淺沼稻次郎君    足鹿  覺君  飛鳥田一雄君    有馬 輝武君  淡谷 悠藏君    井岡 大治君  井谷 正吉君    井手 以誠君  井上 良二君    井堀 繁雄君  伊藤卯四郎君    猪俣 浩三君  池田 禎治君    石田 宥全君  石野 久男君    石橋 政嗣君  石村 英雄君    石山 權作君  稻村 隆一君    今澄  勇君  今村  等君    受田 新吉君  小川 豊明君    大西 正道君  大矢 省三君    岡  良一君  加賀田 進君    加藤 清二君  風見  章君    春日 一幸君  片島  港君    片山  哲君  勝間田清一君    上林與市郎君  神近 市子君    神田 大作君  川俣 清音君    川村 継義君  河上丈太郎君    河野  正君  木下  哲君    木原津與志君  菊地養之輔君    北山 愛郎君  久保田鶴松君    久保田 豊君  栗原 俊夫君    小平  忠君  小牧 次生君    小松  幹君  小山  亮君    五島 虎雄君  河野  密君    佐々木更三君  佐々木良作君    佐竹 新市君  佐竹 晴記君    佐藤觀次郎君  坂本 泰良君    志村 茂治君  島上善五郎君    下川儀太郎君  下平 正一君    杉山元治郎君  鈴木茂三郎君    田中 武夫君  田中 稔男君    田原 春次君  田万 廣文君    多賀谷真稔君  高津 正道君    滝井 義高君  竹谷源太郎君    楯 兼次郎君  辻原 弘市君    戸叶 里子君  堂森 芳夫君    中井徳次郎君  中居英太郎君    中島  巖君  中原 健次君    中村 高一君  中村 時雄君    中村 英男君  永井勝次郎君    成田 知巳君  西村 榮一君    西村 彰一君  西村 力弥君    野原  覺君  芳賀  貢君    長谷川 保君  原   茂君    原   彪君  日野 吉夫君    平岡忠次郎君  平田 ヒデ君    古屋 貞雄君  帆足  計君    穗積 七郎君  細迫 兼光君    細田 綱吉君  前田榮之助君    正木  清君  松井 政吉君    松尾トシ子君  松岡 駒吉君    松平 忠久君  松原喜之次君    松前 重義君  松本 七郎君    三鍋 義三君  三宅 正一君    武藤運十郎君  門司  亮君    森島 守人君  森本  靖君    八百板 正君  八木 一男君    八木  昇君  矢尾喜三郎君    安平 鹿一君  山口シヅエ君    山口丈太郎君  山崎 始男君    山下 榮二君  山田 長司君    山本 幸一君  横錢 重吉君    横路 節雄君  横山 利秋君    吉川 兼光君  吉田 賢一君    和田 博雄君  渡辺 惣藏君    川上 貫一君  否とする議員の氏名    阿左美廣治君  相川 勝六君    愛知 揆一君  青木  正君    赤城 宗徳君  淺香 忠雄君    足立 篤郎君  荒舩清十郎君    有田 喜一君  有馬 英治君    五十嵐吉藏君  井出一太郎君    伊東 岩男君  伊藤 郷一君    生田 宏一君  池田 清志君    池田 勇人君  石井光次郎君    一萬田尚登君  稻葉  修君    犬養  健君  今井  耕君    今松 治郎君  宇田 耕一君    宇都宮徳馬君  植木庚子郎君    臼井 莊一君  内田 常雄君    内海 安吉君  江崎 真澄君    小笠原三九郎君 小川 半次君    小澤佐重喜君  大久保留次郎君    大倉 三郎君  大高  康君    大坪 保雄君  大野 市郎君    大野 伴睦君  大橋 武夫君    大平 正芳君  大村 清一君    太田 正孝君  岡崎 英城君    荻野 豊平君  奥村又十郎君    加藤 精三君  加藤 高藏君    加藤常太郎君  加藤鐐五郎君    鹿野 彦吉君  上林山榮吉君    神田  博君  亀山 孝一君    唐澤 俊樹君  川崎末五郎君    川崎 秀二君  川野 芳滿君    川村善八郎君  菅  太郎君    菅野和太郎君  簡牛 凡夫君    木崎 茂男君  木村 俊夫君    木村 文男君  菊池 義郎君    岸  信介君  北 れい吉君    北澤 直吉君  北村徳太郎君    清瀬 一郎君  草野一郎平君    楠美 省吾君  倉石 忠雄君    黒金 泰美君  小泉 純也君    小枝 一雄君  小金 義照君    小坂善太郎君  小島 徹三君    小西 寅松君  小林  郁君    河野 一郎君  河本 敏夫君    纐纈 彌三君  佐々木秀世君    齋藤 憲三君  櫻内 義雄君    笹本 一雄君  笹山茂太郎君    薩摩 雄次君  椎名悦三郎君    椎名  隆君  首藤 新八君    白浜 仁吉君  周東 英雄君    須磨彌吉郎君  助川 良平君    鈴木周次郎君  鈴木 善幸君    鈴木 直人君  薄田 美朝君    砂田 重政君  瀬戸山三男君    田口長治郎君  田中伊三次君    田中 角榮君  田中 彰治君    田中 龍夫君  田中 正巳君    田村  元君  高岡 大輔君    高木 松吉君  高瀬  傳君    高橋 禎一君  高橋  等君    高見 三郎君  竹内 俊吉君    竹尾  弌君  竹山祐太郎君    千葉 三郎君  辻  政信君    徳田與吉郎君  徳安 實藏君    床次 徳二君  内藤 友明君    中垣 國男君  中島 茂喜君    中嶋 太郎君  中村 梅吉君    中村三之丞君  中村 寅太君    中村庸一郎君  中山 榮一君    中山 マサ君  永田 亮一君    永山 忠則君  夏堀源三郎君    並木 芳雄君  南條 徳男君    二階堂 進君  丹羽 兵助君    西村 直己君  根本龍太郎君    野田 卯一君  野田 武夫君    野依 秀市君  馬場 元治君    橋本登美三郎君 橋本 龍伍君    長谷川四郎君  畠山 鶴吉君    八田 貞義君  花村 四郎君    早川  崇君  林   博君    原  捨思君  平野 三郎君    廣瀬 正雄君  福井 順一君    福井 盛太君  福田 赳夫君    福田 篤泰君  福永 一臣君    福永 健司君  藤本 捨助君    淵上房太郎君  船田  中君    古井 喜實君  古川 丈吉君    古島 義英君  保利  茂君    保科善四郎君  坊  秀男君    星島 二郎君  堀内 一雄君    堀川 恭平君  眞崎 勝次君    前尾繁三郎君  前田房之助君    前田 正男君  町村 金五君    松浦 東介君  松岡 松平君    松澤 雄藏君  松永  東君    松野 頼三君  松本 瀧藏君    松山 義雄君  三浦 一雄君    三木 武夫君  三田村武夫君    南  好雄君  宮澤 胤勇君    村上  勇君  粟山  博君    森   清君  森下 國雄君    森山 欽司君  八木 一郎君    山口喜久一郎君 山口 好一君    山崎  巖君  山下 春江君    山中 貞則君  山村新治郎君    山本 粂吉君  山本 正一君    山本 猛夫君  山本 友一君    横井 太郎君  横川 重次君    吉田 重延君  米田 吉盛君    早稻田柳右エ門君渡邊 良夫君      ————◇—————  漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件
  15. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) お諮りいたします。内閣から、漁港審議会委員に鮫島茂君、井出正孝君、小田賢郎君、今津繁蔵君、堀部虎猪君、渡辺喜三郎君、尾形六郎兵衛君及び金沢藤吉君を任命したいので、漁港法第九条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。      ————◇—————  原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件
  17. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 次に、内閣から、原子力委員会委員に兼重寛九郎君を任命したいので、原子力委員会設置法第八条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。      ————◇—————  更生保護事業審議会委員任命につき国会法第三十九条但書規定により議決を求めるの件
  19. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 次に、内閣から、更生保護事業審議会委員に本院議員高橋禎一君及び参議院議員宮城タマヨ君を任命するため、国会法第三十九条ただし書きの規定により本院の議決を得たいとの申し出があります。右申し出の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、その通り決しました。      ————◇—————  中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件
  21. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 次に、内閣から、中央更生保護審査会委員に坂野千里君を任命したいので、犯罪者予防更生法第五条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。  技術士法案内閣提出参議院回付
  23. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) お諮りいたします。参議院から技術士法案が回付されております。この際議事日程に追加して右回付案を議題とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  技術士法案参議院回付案を議題といたします。—————————————————————
  25. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、参議院の修正に同意するに決しました。      ————◇—————  日程第一 公立小学校正常授業解消促進臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出
  27. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第一、公立小学校正常授業解消促進臨時措置法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。文教委員長長谷川保君。
  28. 長谷川保

    ○長谷川保君 ただいま議題となりました公立小学校正常授業解消促進臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審議の経過及びその結果を申し上げます。  本案は内閣提出にかかり、その要旨を簡単に申し上げますと、不正常授業を解消するため公立小学校校舎の建築費に対して国が補助を行うことができる坪数算定の基準日を、現行法では当該建築年度の五月一日としているのに対して、本案は、一定の集団的住宅の建設により新たに校舎の不足を生じた場合には、五月二日以降においても、文部大臣の定める日をその校舎の坪数算定の基準日としてとじ得るように、特別の規定を設けるものでございます。   〔議長退席、副議長着席〕  本案は、去る二月二十五日当委員会に付託されまして以来、各般にわたって慎重に審議を重ねて参りましたが、そのおもなる点を申し上げますと、すなわち、義務教育が国と地方公共団体との共同責任にかかる重要事項であるにもかかわらず、国は学校施設に十分な財源措置をとらない結果として、地方はやむを得ず乏しい財政で苦しみつつ校舎の建築、改築を行なっている。しかも、なお、学校の実情は、正常な授業を行うに必要な最低の施設すら足りないために、義務教育の正常な運営に支障を来たしている。従って、国はこれに対して強力な恒久的対策を講ずべきであると強く主張されたのでございます。これに対して、文部大臣も、率直に、同感である、大いに努力するとの答弁がありましたが、これらの詳細については会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて、五月十一日に至り質疑を終了、討論を省略して採決の結果、起立総員をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第でございます。  次いで、佐藤觀次郎君から、本法律案に対して、  一、義務教育が国と地方公共団体との共同責任にかかる重要事項たる点と、地方財政の実情とに鑑み、公立義務教育諸学校の施設、設備についても、政府は、すみやかに、義務教育費国庫負担法の精神に則り、これに必要な経費の二分の一を国が負担するために必要な措置を講ずべきである。  二、公立義務教育諸学校における教育効果の向上と教育財政の有効化を期して、多くの市町村が学校統合を企画しつつある現在、政府は義務教育の重要性と地方財政の実情とに鑑み、すみやかに、有効適切な措置を講ずべきである。 という附帯決議案が提出せられ、採決の結果、起立総員をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第でございます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  29. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 有線放送電話に関する法律案内閣提出)  日本放送協会昭和三十年度財産目録貸借対照表及び損益計算書
  31. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、日程第二とともに、日本放送協会昭和三十年度財産目録貸借対照表及び損益計算書を追加して、両件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  32. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第二、有線放送電話に関する法律案日本放送協会昭和三十年度財産目録貸借対照表及び損益計算書、右両件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。逓信委員会理事森本靖君。   〔森本靖君登壇
  34. 森本靖

    ○森本靖君 ただいま一括議題となりました有線放送電話に関する法律案並びに日本放送協会昭和三十年度財産目録貸借対照表及び損益計算書に関し、逓信委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、有線放送電話に関する法律案について申し上げます。  本案は内閣提出にかかるものでありまして、これが提案の理由は、近時農山村等において有線放送設備に通話装置を付置した簡易な電話形態が急激に増加しているが、現行法によってはその規律が困難であるから、この法律を制定して運営の適正をはかり、もって有線電気通信に関する秩序の確立に資しようとするものであります。  法律案の内容の概略を申し上げれば、まず、有線放送設備を利用する電話業務を行うには郵政大臣の許可を要することとし、許可の基準としては、業務区域については、同一の市町村内であって、その住民が社会的、経済的に相互に比較的緊密な関係を有し、かつ、その相互間の電話連絡が不便な地域であること、業務を行うものとしては、その業務を営利の目的としないものであって、これを適確に遂行するに足りる能力を有するものであること、業務用設備については、もっぱら通話の用に供するための線路がないこと等の要件を規定しております。また、許可の有効期間は五年でありますが、申請によって延長することができることとし、ほかに、業務区域拡張の許可、契約約款の届出、許可の取消しと、これに伴う聴聞及び異議の申し立て、罰則等の規定を設け、附則において有線電気通信法の一部を改正して、有線放送電話業務の用に供する設備と、日本電信電話公社または国際電信電話株式会社の公衆電気通信設備との接続、及び、二以上の業務区域について許可を受けたものの有線放送電話設備相互の接続を禁止しております。なお、この法律は公布の日から起算して二カ月を経過した日から施行することとなっております。  逓信委員会におきましては、去る四月二十三日本案の付託を受けまして以来、数次にわたり会議を開き、まず政府より提案理由の説明を聴取し、政府並びに日本電信電話公社当局との間に質疑応答を重ねて、慎重審議を進めたのでありますが、その詳細は会議録に譲ります。  かくして、委員会は五月十一日質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決を行いましたところ、全会一致をもって本案を可決いたしました。  次いで、日本社会党森本委員より本案に次の附帯決議を付すべき旨の動議提出され、これまた全会一致をもって議決いたした次第であります。  附帯決議を朗読いたします。   日本電信電話公社は、全国あまねく、且つ、公平に、公衆電気通信役務を提供する使命を負うものであるから、有線放送電話に関する法律の制定施行如何にかかわらず、政府並びに公社当局は、向後一層、農山漁村等従来比較的通信の利便に恵まれていない地帯における公衆電信電話施設の拡充、サービスの改善に努むべきである。   右決議する。  以上でございます。  次に、日本放送協会昭和三十年度財産目録貸借対照表及び損益計算書について御報告いたします。  本件は、放送法第四十条第三項の規定に基き、会計検査院の検査を経て、内閣より本年三月七日に提出されたものであります。  本議案の内容を概略御説明いたしますと、昭和三十年度末現在における協会の資本総額は三十九億八千三百九万余円であり、これに照応する資産は八十二億五千百四十五万余円、負債は四十二億六千八百三十六万余円で、資本総額において、前年度末に比し約一〇・七%の増となっております。損益につきましては、事業収入は、ラジオ関係が百二億三千五百九十一万余円、テレビジョン関係が三億八千八百二万余円、事業支出は、ラジオ関係が九十三億五千九百二十三万余円、テレビジョン関係が九億四百六万余円で、ラジオ関係においては、差引当期剰余金八億七千六百六十七万余円、テレビジョン関係においては、差引当期欠損金五億一千六百四万余円となっており、協会の事業収支全体から見ますと、差引当期剰余金三億六千六十二万余円となっております。  なお、本件には、会計検査院においては特に記述すべき意見はない旨の検査結果が添付されております。  逓信委員会は、去る三月七日本議案の付託を受けたのでありますが、五月十三、十四の両日にわたり会議を開き、郵政省並びに会計検査院当局より説明を聴取し、質疑を行いましたほか、特に参考人として日本放送協会の役員等の出席を求め、慎重審議を重ねたのであります。質疑応答は広範多岐にわたって行われましたので、その詳述を避け、すべて会議録によって御承知願うことにいたしたいと存じます。  かくして、委員会は五月十四日質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決の結果、全会一致をもって本議案については異議なきものと議決した次第であります。  これをもって御報告を終ります。(拍手
  35. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) これより採決に入ります。  まず、日程第二につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。  次に、日本放送協会昭和三十年度財産目録貸借対照表及び損益計算書につき採決いたします。本件の委員長の報告は異議がないと決したものであります。本件は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  日程第三 法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出
  38. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 日程第三、法労省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事保科善四郎君。   〔保科善四郎君登壇
  39. 保科善四郎

    ○保科善四郎君 ただいま議題となりました法務省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案の改正点は次の二点であります。第一点は、連合国軍によって接収され、わが国の独立後も引き続き米軍の刑務所として使用に供して参りました施設が昨年九月に使用解除となりましたので、これに所要の整備を加えて、新たに中野刑務所を設けることであります。第二点は、現在浦和市に所在する豊多摩刑務所を浦和刑務所と改称することであります。  本案は、三月二十二日本委員会に付託され、政府の説明を聞き、五月十一日質疑を終了し、討論もなく、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  40. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第四 小型船海運組合法案   (木村俊夫君外二名提出)  船舶職員法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  42. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、日程第四とともに、内閣提出船舶職員法の一部を改正する法律案を追加して、両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  43. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第四、小型船海運組合法案船舶職員法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長淵上房太郎君。   〔淵上房太郎君登壇
  45. 淵上房太郎

    ○淵上房太郎君 ただいま議題となりました小型船海運組合法案並びに船舶職員法の一部を改正する法律案について、運議委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、小型船海運組合法案について申し上げます。本法案は、小型船海運業の現状にかんがみまして、小型船海運業者の経済的地位の改善をはかるために、小型船海運組合を結成することができるようにして、事業の安定をはかろうとするものであります。  本法案の内容のおもなる点を申し上げますと、第一は、組合員たる資格者は木船運航業者、木船貸渡業者、木船回漕業者並びに五総トン以上五百総トン未満の鋼船による運航業者及び貸渡業者であります。第二は、組合のおもなる事業は運賃回漕料、貸渡料等の運送条件、貨物の引受け、配船腹、保有船腹燃料等の購入等について調整事業を行おうとするものであります。第三点は、小型船海運業の安定が員外者の行為によって乱される場合は、運輸大臣が小型船海運業者のすべてに対して事業活動の規制に関する命令を発し得ることであります。  本法案は、四月二十四日本委員会に付託され、翌二十五日提出者の代表木村委員より提案理由の説明を聴取し、五月七日及び十三日質疑が行われましたが、その内容は会議録により御承知願います。  かくて、同十三日、日本社会党井岡委員より自由民主党並びに日本社会党共同提案による修正動議提出されましたが、その趣旨は、海運組合事業に労働関係事項の処理を加えること、団体協約の応諾義務を明確化すること、中小企業団体の組織に関する法律案及び環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律案との均衡上、関係条文を整理すること等であります。  次いで、修正案並びに原案について討論に入りましたが、何らの発言もなく、まず修正案について採決の結果、全会一致をもって可決、引き続き修正部分を除く原案について採決の結果、全会一致をもって可決され、本法案は全会一致をもって修正議決すべきものと決しました。  なお、自由民主党永山委員より、自由民主党並びに日本社会党共同提案による小型船海運業の振興対策の樹立、組合運営の適正化等について附帯決議案が提出され、採決の結果、これまた全会一致をもって可決されました。  次に、船舶職員法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行法は昭和二十六年に制定されたものでありますが、その後わが国経済の復興発展に伴いまして、商船界、漁業界は現行法立法当時に比較し予想外の情勢の変化を来たしまして、船舶職員に関する制度も幾多の点において実情に適しなくなったのであります。よって、これを実情に適応するように改めまして、船舶航行の安全を確保しようとするのが、本改正案の趣旨であります。  改正案の内容のおもなる点を御説明いたしますと、第一点は、船舶職員の資格定員表を実情に即応さぜるとともに、乙種船舶通信士及び丙種船舶通信士の免許年令を暫定的に二年、二十才から十八才に引き下げようとするものであります。第二点は、現行法によりますと海技従事者の免許は五年ごとの更新制度となっておりますが、従来の実績に徴しまして、これを廃止しようとするのであります。第三点は、海上における人命、財産の損失を防ぐ必要から、新たに運輸大臣の監督規定を設けようとするのであります。  本法案は、去る三月七日本委員会に予備付託となり、同十一日政府より提案理由の説明を聴取し、五月十三日本付託となり、翌十四日質疑が行われましたが、その内容は会議録により御承知願います。  同日討論に入りましたが、何らの発言もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと議決いたしました。  なお、日本社会党井岡委員より、本法案第二十九条の二の規定の運用に当っては慎重を期すべき旨の附帯決議案が提出され、採決の結果、全会一致をもって可決されました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  46. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 両案を一括して採決いたします。日程第四の委員長の報告は修正、船舶職員法の一部を改正する法律案委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  日程第五 輸出水産業振興に関する法律の一部を改正する法律案農林水産委員長提出)  日程第六 農業災害補償法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第七 農業災害補償法臨時特例法を廃止する法律案内閣提出)  日程第八 農業災害補償法第百七条第四項の共済掛金標準率改訂臨時特例に関する法律案内閣提出
  48. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 日程第五は、委員長提出の議案でありますから、委員会審査を省略するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。  日程第五、輸出水産業振興に関する法律の一部を改正する法律案日程第六、農業災害補償法の一部を改正する法律案日程第七、農業災害補償法臨時特例法を廃止する法律案日程第八、農業災害補償法第百七条第四項の共済掛金標準率改訂臨時特例に関する法律案、右四案を一括して議題といたします。趣旨弁明及び委員長の報告を求めます。農林水産委員長小枝一雄君。   〔小枝一雄君登壇
  50. 小枝一雄

    ○小枝一雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、趣旨弁明並びに御報告を申し上げます。  まず、輸出水産業振興に関する法律の一部を改正する法律案趣旨弁明をいたします。  この法律は、去る昭和二十九年制定され、自来二年有余を経過したのであります。この間、カン詰及び冷凍品等の輸出は飛躍的に増加して参ったのでありますが、多少改善すべき点が生じましたので、この法律案を提案いたした次第であります。  以下、簡単にこれが内容を御説明申し上げます。まず第一は、従来の製造施設の登録制度を事業場登録制度に改めるとともに、組合事業範囲を強化したことであります。第二は、組合の調整規程を届出制に改め、または共販機関についての規定を整備し、あるいは事業場登録の停止規定を設けたことであります。その他、指定機関の業務等の認可については通商産業大臣の同意を得ることにする等、条文の整理をいたした次第であります。  本案は、かねてから水産に関する小委員会において検討されておりましたところ、去る七日及び昨日の委員会において小委員長から報告があり、引き続き委員会においては全会一致をもって小委員会通りの成案を得たので、本案を委員会提出法律案として議院に提出することに全員の賛成を得て決定した次第であります。  何とぞ御可決下さるようお願いいたします。  次に、農業災害補償法の一部を改正する法律案について申し上げます。  昭和二十二年本法が制定されて以来、この法律に基き政府は年々百億円以上の財政支出を行なって、農家の不慮の災害による損失を補償し、農家経営の安定に寄与して参ったのであります。しかし、一面におきましては、農作物共済に対する農民の不満も少くないので、制度の根本改正が痛感され、国会においても、農林省においても、鋭意改正案を検討してきたのでありますが、その間、会計検査院、行政管理庁から、本制度をめぐって多数の不正不当の事項が指摘され、また、いわゆる多久島事件等の発生によって制度の立て直しは焦眉の急となり、ようやく今回内閣より改正法律案提出されることとなったのであります。  以下、そのおもなる内容について申し上げますと、まず第一に、制度、内容を合理化するために、一筆反建制を土地生産力の実態に即応する一筆石建制に改め、また、石当り共済金額の選択制の道を開き、料率の個別化を行い、さらに、強制加入制度の緩和措置として一定規模以下の農家の任意加入制を認め、なお、損害評価及び損害評価金等について規定の整備をはかるようにいたしておるのでございます。第二に、農家負担を軽減するために、従来は、共済掛金の国庫負担について、通常被害率のうち、全国最低の被害率に対応する部分につき、その三分の一を国庫が負担していたものを、二分の一を負担することとしているのであります。第三に、共済事業実施団体の特例としまして、農業共済組合事業規模が小さい場合その他の場合に、農業共済の必須事業を所定の手続を経て市町村に移譲できる道を開いたことであります。第四に、行政庁の農業共済団体に対する監督の強化をはかったことであります。  次に、農業災害補償法臨時特例法を廃止する法律案について申し上げますと、この法律は、昭和二十七年に制定せられ、同年六月から五カ年間に限り、水稲及び麦について全国から五%程度の組合を選定して、農家単位に減収石数を算定して共済金を支払う制度を試験的に実施して参ったのでありますが、農業災害補償法の一部改正法案に一部分その利点を取り入れたことと、農災制度の現状から直ちにこの農家単位方式に移行できない点もあること等の理由により、その期間満了とともに、同法附則第二項及び第三項の規定するところにより、この法律を廃止しようとするものであります。  次に、農業災害補償法第百七条第四項の共済掛金標準率改訂臨時特例に関する法律案につきましては、共済掛金標準率は五カ年ごとに改訂することになっており、米麦に対しては今年度がその改訂期に当っているのでありますが、農業災害補償法改正法によって制度そのものの変更が行われますので、掛金標準率改訂はこれを一年延長しようとするものであります。  三法案の骨子は以上の通りであります。  農業災害補償法の一部を改正する法律案は、事の重要性にかんがみ、慎重なる審査を行い、昨日一切の質疑を終了したのでありますが、採決に先だち、社会党足鹿委員より、本案に対し、自民社会党両党の共同提案によって、次の三点につき修正したい旨の動議がなされたのであります。すなわち、一、農業共済の必須事業組合から市町村に移譲する場合には組合総会の特別議決によって議決しなければならないこととなっているが、これを総代会の特別議決事項とすることができるように修正する。二、組合員が行政庁に対し農業共済団体の検査を請求する場合には総組合員の十分の一以上の同意を得なければならないこととなっているが、これを二十分の一の同意で請求することができるように修正する。三、必要措置命令及び監督命令に違反した農業共済団体の役員を一万円以下の科料に処するように修正する。以上のごとき修正案が提出せられ、この修正案及び修正部分を除く政府原案を採決の結果、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  次いで、芳賀委員より、自民社会両党の共同提案によって附帯決議を付すべき旨の動議提出され、可決されましたが、それは、基準反収の改訂、損害評価方法の改善等八項目にわたるものであります。  次いで、農業災害補償法臨時特例法を廃止する法律案について採決を行うことといたしました。足鹿委員から、この法律昭和三十二年五月一日から施行することになっているが、これを公布の日から施行するよう修正する旨の修正案が提出され、本案もまた全会一致をもって修正議決いたしました。  最後に、農業災害補償法第百七条第四項の共済掛金標準率改訂臨時特例に関する法律案の採決を行なったところ、全会一致をもって政府原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  51. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) これより採決に入ります。  まず、日程第五につき採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。  次に、日程第六ないし第八の三案を一括して採決いたします。三案中、日程第八の委員長の報告は可決でありまして、その他の二案の委員長の報告は修正であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  中小企業の資産再評価の特例に関する法律案内閣提出)  造幣局特別会計法の一部を改正する法律案内閣提出)  酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出
  54. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出中小企業の資産再評価の特例に関する法律案造幣局特別会計法の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  55. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  中小企業の資産再評価の特例に関する法律案造幣局特別会計法の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事横錢重吉君。   〔横錢重吉君登壇
  57. 横錢重吉

    ○横錢重吉君 ただいま議題となりました三法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず第一に、中小企業の資産再評価の特例に関する法律案について申し上げます。  本法律案の概要のおもなる点は、この法律に基いて再評価を行うことができる者の範囲は、企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法によって再評価を強制された会社以外の法人及び個人で、第三次再評価において減価償却資産の再評価限度額の八〇%以上の再評価を行わなかった者といたしております。また、今回の再評価の対象となる資産は、基準日から再評価日まで引き続き有していた減価償却資産とし、基準日は第三次再評価と同じ昭和二十八年一月一日といたしております。再評価日につきましては、法人の場合には昭和三十二年中に開始する事業年度開始の日とし、個人については昭和三十二年一月一日現在において再評価を行うことができることとしております。再評価税につきましては、本来その税率は再評価差額の六%が原則なのでありますが、今回は特に二%といたしております。また、その納付方法につきましては、二年間に均分納付することとし、延納、繰り上げ徴収等の制度を採用しない等、納付方法の簡素化をはかることといたしております。さらに、再評価の申告は、法人の場合には、再評価日を含む事業年度分の法人税の確定申告期限と同日までとして、その最終期限は昭和三十三年五月三十一日とし、個人の場合には、昭和三十三年一月十六日から同年三月十五日までといたしております。  本案につきましては、慎重審議の結果、本日質疑を終了しましたところ、本案に対して春日一幸君外三十九名提案による修正案が提出されました。その修正案の内容について概略を申し上げますと、一、今回の再評価税率二%とあるを一・五%とする、二、再評価税の納付方法二年間均分納付とあるを三年間均分納付とする、三、再評価の申告について法人の場合の最終期限を一カ月延長する、四、固定資産の課税標準の基礎となるべき価格は、地方税法の規定にかかわらず、三年間は再評価を行う前の価格とすること等であります。この修正によりまして、約四千万円程度の減収が見込まれるのであります。  なお、修正案につきましては、国会法第五十七条の三の規定により内閣の意見を聴取いたしましたところ、この程度の修正はやむを得ない旨の意見が述べられました。  続いて、討論を省略して直ちに採決に入りましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案につきましてはいずれも全会一致をもって可決され、よって、本法律案は修正議決されました。  次に、造幣局特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、造幣局特別会計の運営の合理化に資するため、次の諸点に改正を加えようとするものであります。すなわち、第一点は、従来特別会計に帰属していた引きかえ貨幣または回収貨幣は、これを補助貨幣回収準備資金に属せしめることとし、特別会計において貨幣製造のためこれを地金として使用する必要があるときは、このための所要量を特別会計に払い出すこと。第二点は、資産の評価益、固定資産の増減等、企業努力以外の要因によって生ずる資産の増減は、これをこの会計の損益勘定で処理することなく、直接この会計の固有資本の増減として処理すること。第三点は、固定資産の拡張及び改良が行われた場合、直ちにこれを資本の増加とすることなく、固定資産にかかわる支出額が当該年度の減価償却費に比して超過する場合にのみ、その超過する分を増資に充てるとともに、不足した場合には、その不足する分は資産勘定に減価償却費受け入れ未済金として特掲すること。第四点は、当該年度における純益は、補助貨幣回収準備資金に一部を編入する場合を除いては翌年度に繰り越すこととし、逆に欠損が生じたときは、前年度の繰り越し利益があれば、これをもって埋めることができるようにすること。第五点は、本法は公布の日から施行し、昭和三十三年度予算から適用することといたしますが、昭和三十二年度決算結了のときにおける一般会計に対する未納付益金、前受金及び補助貨幣回収準備資金に対する未編入益金は、この会計に属している引きかえ貨幣または回収貨幣等の地金を同資金に引き渡すことによって決済することとするほか、同年度末における決算上の損失は減資により処理することといたしております。  本案につきましては、質疑及び討論の通告がありませんでしたので、本十四日採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。  最後に、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、最近における酒類の生産及び取引の状況並びに酒類業組合制度の運営の状況に顧みまして、所要の改正を加えようとするものでありまして、おもなる内容は次の通りであります。まず第一に、酒類業組合等の行う規制事業の前提条件及び規制の範囲等を、最近における組合制度の立法例に準ずる程度に整備することといたしております。第二に、酒類業組合中央会には評議員会を置くことができることとするとともに、二百名以上の組合員を擁する酒類業組合には、総会にかわるべき総代会を設けることができることといたしております。第三に、この法律施行後四年間の経験に顧み、検査員制度、中央会等の特別議決制度、交付金制度等につきまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。  本案につきましては、審議の結果、本十四日質疑を終了し、討論の通告がありませんでしたので、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  58. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 三案を一括して採決いたします。三案中、中小企業の資産再評価の特例に関する法律案委員長の報告は修正でありまして、他の二案の委員長の報告は可決であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  合成ゴム製造事業特別措置法案   (内閣提出
  60. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出合成ゴム製造事業特別措置法案議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  61. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  合成ゴム製造事業特別措置法案議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員長福田篤泰君。   〔福田篤泰君登壇
  63. 福田篤泰

    ○福田篤泰君 ただいま議題となりました合成ゴム製造事業特別措置法案について、商工委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  わが国のゴム需要は年々増大する傾向にありますが、一方、世界的に天然ゴムの供給はほとんど限界点に達しつつありますので、今後の需要増加分は合成ゴムの供給によって充足しなければならない情勢にあります。しかし、これを輸入のみに依存することは、諸外国の合成ゴム輸出余力から見て、きわめて困難でありますので、この際合成ゴムを国産化することが望ましいのであります。しかして、合成ゴムの国産化を行うに当りまして最も問題となりますのはその販売価格でありますが、その販売価格は天然ゴムより安価でなければならず、また、ゴム製品の輸出競争力を増強する見地からも、少くともその輸入価格並みでなければならないのであります。このような事情を考えますと、特殊ゴムは別として、普通の合成ゴムにつきましては、その生産規模を大規模化することによって、その生産費の低下をはかる必要があります。この場合における規模は、外国の例を見ましても年間生産能力四万五千トン程度が最低でありますが、大規模な設備には巨額な資金を要します上に、企業的に相当な危険性を伴うおそれがあります。従いまして、合成ゴムの国産化を早急に実現させるため、この際合成ゴム製造事業に対しては政府資金をもって特別の助成措置を講ずる必要があるとの見地から、本法律案が提案されたのであります。  法案の内容を簡単に申し上げます。第一は、合成ゴム製造事業を営むことを目的とし、その製造方法等について、大蔵大臣、通商産業大臣が承認した株式会社に対しては、日本開発銀行は、会社の発行済み株式総数の二分の一以内であり、かつ、十億円を限度として出資し得ることとしたことであります。第二は、同会社の設備資金等の調達について、政府がその確保に努めることとしたことであります。第三は、日本開発銀行による出資は、間接的には財政投資の性格を有すると同時に、一年後には政府の直接投資に切りかえることを予定しておりますので、出資を受けた会社に対する政府の監督に関する規定を設けたことであります。第四は、日本開発銀行の出資による方式は、この法律施行の日から一年を経過したときは、別に定める法律によって、遅滞なく政府の出資による方式に切りかえられねばならない旨を附則に規定しているのであります。  本法律案は、五月六日政府より提案理由を聴取し、同八日より質疑に入りました。質疑の詳細は速記録に譲ります。  五月十四日質疑を終了いたしましたので採決いたしましたところ、全会一致をもって可決すべきものと議決いたした次第であります。  なお、採決後、自由民主党並びに日本社会党共同提案による附帯決議案が提出せられ、佐々木良作君より趣旨の説明がありました後、採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって附帯決議を付することに決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  64. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律案内閣提出)  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件
  66. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律案地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件、右両件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  67. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律案地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。科学技術振興対策特別委員長菅野和太郎君。   〔菅野和太郎君登壇
  69. 菅野和太郎

    ○菅野和太郎君 ただいま議題となりました両案につきまして、科学技術振興対策特別委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  まず、核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律案について、その目的及び要旨について申し上げます。  本案の目的は、原子力基本法の精神にのっとり、核原料物質核燃料物質及び原子炉の利用が平和の目的に限られ、かつ、これらの利用が計画的に行われることを確保し、あわせて、これらによる災害を防止して、公共の安全をはかるために、製錬、加工及び再処理の事業並びに原子炉設置及び運転等に関して必要な規制を行わんとするものであります。  その要旨は、規制方法といたしまして、第一に、事業の主体については原子燃料公社が製錬、加工の事業及び再処理の事業を集中的に行うこととし、原子力研究所が原子炉設置を当然行うこととするほか、その他のものについては、製錬の事業については指定、加工の事業原子炉設置及び核原料物質の使用については許可制をとっております。第二に、平和的利用の確保については、特にその必要性ある原子炉設置及び核原料物質の使用を、平和の目的以外に利用されるおそれのないものでなければ許可を与えてはならないこととしております。第三に、災害の防止については、災害防止上十分なる設備のある場合のみに指定または許可を行い、設備の操作運転等については、保安規定を認可制とし、原子炉、再処理等、特に危険な場合は、国が検査を行いまたは事業者等に各種の措置を義務づけることとしております。なお、核燃料物質の流通の範囲を指定、許可等を受けた者に限定し、その利用の効率化をはかるとともに、各事業者について記録を保持させ、報告聴取、立ち入り検査等を行うことができることといたしております。  本案は、去る四月二十三日提案理由の説明を聴取、以来、参考人より意見を聴取するなど、きわめて熱心なる質疑が行われたのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて、五月十一日質疑を終了し、本日採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、自由民主党及び日本社会党共同提案にかかる附帯決議案が提出され、これまた全会一致をもって可決いたしました。  附帯決議を朗読いたします。   原子力開発の重大性に鑑み、政府は本法の施行にあたり、左記励行方努力すべきである。      記  一、原子力発電の実施にあたっては、特に原子力委員会の設定する開発計画に準拠し、原子力をして公共の福祉と国民生活向上に寄与せしめること。  二、原子炉の運転に伴う使用済燃料又はその処理の結果生ずる核燃料物質等については、軍事的利用に供せられる場合、これを外国に譲渡し又は輸出しないこと。    なお、原子炉の運転に伴う使用済燃料の処理に関しては、なるべく速かにその設備を完成すること。  三、原子力に関する内外の知見を摂取し得る機会を積極的に造成し、併せて技術者の大幅養成を図ること。  右決議する。  以上であります。  次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その要旨を申し上げます。  本件は、今国会において成立いたしました科学技術庁設置法の一部を改正する法律により科学技術庁の付属機関として設置することになりました放射線医学総合研究所を茨城県那珂郡東海村に設置しようとするものであります。  本件は、去る五月八日政府委員より提案理由の説明を聴取した後、本日採決に入り、全会一致をもって承認すべきものと決した次第であります。  以上をもって御報告といたします。(拍手
  70. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) これより採決に入ります。  まず、核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律案につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。  次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件につき採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。      ————◇—————
  73. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣         外 務 大 臣 岸  信介君         法 務 大 臣 中村 梅吉君         労 働 大 臣 松浦周太郎君         国 務 大 臣 宇田 耕一君  出席政府委員         大蔵政務次官  足立 篤郎君         文部政務次官  稻葉  修君         農林政務次官  八木 一郎君         通商産業政務次         官       長谷川四郎君         運輸政務次官  福永 一臣君         運輸省海運局長 粟澤 一男君         運輸省船員局長 森  巖夫君         郵政政務次官  伊東 岩男君         電気通信監理官 松田 英一君      ————◇—————