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1957-03-26 第26回国会 衆議院 本会議 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十六日(火曜日)     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十号   昭和三十二年三月二十六日    午後一時開議  第一 日本住宅公団法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第二 航空業務に関する日本国スイスとの間   の協定締結について承認を求めるの件(参   議院送付)  第三 日本国ブラジル合衆国との間の航空運   送協定批准について承認を求めるの件(参   議院送付)  第四 日本国ドイツ連邦共和国との間の文化   協定批准について承認を求めるの件(参議   院送付)  第五 日本国インドとの間の文化協定批准   について承認を求めるの件(参議院送付)  第六 国会議員選挙等執行経費基準に関   する法律の一部を改正する法律案内閣提   出)(参議院送付)  第七 信用保証協会法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第八 公営企業金融公庫法案内閣提出)  第九 公衆衛生修学資金貸与法案内閣提出)  第十 結核予防法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  第十一 母子福祉資金貸付等に関する法律の   一部を改正する法律案内閣提出)  第十二 原子爆弾被爆者医療等に関する法律   案(内閣提出)  第十三 防衛庁設置法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第十四 自衛隊法の一部を改正する法律案(内   閣提出)     ━━━━━━━━━━━━━ ●本日の会議に付した案件  日程第一 日本住宅公団法の一部を改正する法   律案内閣提出)  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣   提出)  日程第二 航空業務に関する日本国スイスと   の間の協定締結について承認を求めるの件   (参議院送付)  日程第三 日本国ブラジル合衆国との間の航   空運送協定批准について承認を求めるの件   (参議院送付)  日程第四 日本国ドイツ連邦共和国との間の   文化協定批准について承認を求めるの件(   参議院送付)  日程第五 日本国インドとの間の文化協定の   批准について承認を求めるの件(参議院送   付)  日程第六 国会議員選挙等執行経費基準   に関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出)(参議院送付)  日程第七 信用保証協会法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第八 公営企業金融公庫法案内閣提出)  市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案   (第二十五回国会内閣提出)  昭和三十一年度分として交付すべ地方交付税   に関する特例に関する法律案内閣提出)  日程第九 公衆衛生修学資金貸与法案内閣提   出)  日程第十 結核予防法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第十一 母子福祉資金貸付等に関する法   律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十二 原子爆弾被爆者医療等に関する   法律案内閣提出)  失業保険法の一部を改正する法律案内閣提   出)  日程第十三 防衛庁設置法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第十四 自衛隊法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改   正する法律案内閣提出)  中小企業信用保険特別会計法の一部を改正する   法律案内閣提出)  漁船再保険特別会計における給与保険の再保険   事業について生じた損失をうめるための一般   会計からの繰入金に関する法律案内閣提   出)    午後一時二十一分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 日本住宅公団法の一部   を改正する法律案内閣提出)  住宅金融公庫法の一部を改正する   法律案内閣提出
  3. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、日程第一とともに、内閣提出住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を追加して、両案を一括して議題となし委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  4. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第一、日本住宅公団法の一部を改正する法律案住宅金融公庫法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。建設委員会理事大島秀一君。   〔大島秀一登壇
  6. 大島秀一

    大島秀一君 ただいま議題となりました日本住宅公団法の一部を改正する法律案及び住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、日本住宅公団法の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。  本法案は、日本住宅公団業務範囲拡大等につきまして必要な改正を加えようとするものであります。その内容のおもな点について申し上げますと、第一に、従来公団が行なって参りました住宅用地造成に加えまして、新市街地造成上必要と認められる場合には、公団が学校、病院、商店、工場等用地をも造成できるようにしたことであります。  第二に、最近の宅地取得が困難である状況にかんがみまして、水面を埋め立て新しい宅地造成いたしますことを考慮し、公団が新たに水面埋立事業をも行うことができるようにしたことであります。第三に、最近、技術援助に関する国際的な取りきめに基きまして、東南アジア等からわが国技術研修を受けに参ります者が多くなっておりますが、これらの者に対する適当な居住施設がありませんために、研修に差しつかえるような場合もあるのであります。そこで、そのような場合に、公団の本来の業務に差しつかえのない範囲で、公団がこれらの海外からの研修生のための住宅の供給を行うことができるようにいたしました。  本法案は去る二月二十一日本委員会に付託されましたが、審議に当りましては、参考人として日本住宅公団総裁加納次期君を招致してその意見を聴取する等、慎重なる審議を重ねて参りましたが、審議途上において問題となりましたおもなる点は、第一に、住宅公団新規事業であるところの水面埋立事業実施いたしますに当っては、地方公共団体等実施しようといたしております埋立事業との競合、港湾区域内において埋立事業を行おうとする場合の港湾施設整備計画との調整など、関係機関との調整についてよほど慎重な措置を講じなければ、事業の迅速かつ円滑な実施はむずかしいのではないかということ、第二に、新市街地造成を行います場合、既存都市郊外地図画整理を行うには、必然的に農地転用を伴うこととなるのでありますが、この際に耕作者に対する既得権補償は十分に考慮されておるか、また、今後新たに予想されます埋立事業に際しては、漁業権者に対する補償を十分に行う用意があるか等の諸点でありましたが、その詳細につきましては速記録を御参照願いたいと存じます。  かくて、討論に入り、自由民主党を代表して久野忠治君、日本社会党を代表して三鍋義三君より、それぞれ賛成意見開陳があり、採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法案に対しましては、次のような附帯決議が付されたのであります。     附帯決議   宅地造成については、これに農地転用を伴う場合、食糧の確保、農家経済の安定に重大なる関係をもつものといわねばならない。   よって政府は、今後住宅建設に当っては、農地保護の見地より、農地転用を極力さけるよう充分なる配慮をなすべきである。  次に、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。  本法案は、住宅金融公庫の行います業務を拡充いたしまして、その目的達成をさらに推進しようとするものであります。  改正のおもなる点について申し上げますと、第一に、災害復興住宅に対する融資制度を新たに設けたことであります。風水害あるいは火災等による被害を復旧いたします際の住宅金融公庫融資につきましては、従来も償還方法等について若干の特例を認める等の措置はいたしておりましたが、今回新たに災害復興住宅に対して公庫資金貸付を行う道を開き、特に復興住宅の新設の場合のみならず、罹災住宅の補修に対しましても貸付をすることといたしたのであります。  第二に、中高層耐火建築物に対する融資制度を新たに設けたことであります。住宅金融公庫におきましては、従来も耐火構造住宅に対する貸付条件の優遇あるいは多層家屋建設に対する貸付等措置を講じて参ったのでありますが、今回これらの制度をさらに拡充強化いたしまして、中高層耐火建築物に対する融資制度を新設し、原則として相当の住宅部分を有する地上三階以上の耐火構造または簡易耐火構造建築物、すなわち中高層耐火建築物建設に対しまして、資金貸付を行うことといたしたのであります。  第三に、公庫宅地造成事業をする者に対する貸付を、最近の宅地取得難実情にかんがみまして、公庫融資住宅以外の住宅のための宅地造成する場合においても貸付をするように拡張いたしたことであります。  以上が今回の改正のおもなる点であります。  本法案は、去る三月四日本委員会に付託され、慎重に審議をいたしましたが、審議途上において問題となりました点は、第一に、災害復興住宅に対する融資制度につきましては、「この制度は何といっても災害の発生に対処して迅速に貸付を行うという点に最大のねらいがあるといわねばならぬが、原案のごとく住宅金融公庫貸付決定を行うのでは、従来の経験からいって迅速な貸付を行うことは望めないのではないか。地方公共団体保証をする場合には、貸付決定地方公共団体にまかすようにして、貸付の迅速なる実施をはかるべきである」という点であります。この点については、「審査等事務については、これを大幅に地方公共団体に委託するとともに、貸付決定については、公庫出先機関を督励して、できる限り迅速に行いたい」との答弁があり、地方公共団体公庫貸付金償還保証するという点に関しましては、田中自治庁長官より、「地方自治法その他現行法令に照らしても、地方公共団体がそのような保証を行うことは何ら差しつかえないと思う。自治庁当局がこれを禁止したり押えたりするようなことはしないようにする。なお、再建整備団体に対しては、財政再建計画を著しく阻害しない限り、一般団体と同様の扱いをする」旨の答弁がございました。  第二に、中高層耐火建築物に対する融資につきましては、「この制度によると、住宅以外の部分に対しても建設費貸付が行われるが、この場合、あるいは不要不急用途のものや、さらには風紀上好ましからぬ用途のものにまで融資がなされるおそれがあるのではないか。さらにはまた、この中高層耐火建築物に対する貸付が利権を伴って不当に利用されるおそれはないか」との占についてであります。これに対しましては、「住宅以外の部分に対する貸付については、公庫業務方法書等において明細に規定するとともに、貸付審査に当っては不正不当の生ずることのないよう厳重に注意する」旨の答弁がございました。  なお、質疑の詳細につきましては速記録を御参照願いたいと存じます。  かくて、討論に入り、日本社会党を代表して小川豊明君より賛成意見開陳が行われ、採決に入り、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  続いて、三鍋義三君より次のような附帯決議案提出され、採決の結果、全会一致をもって本法案附帯決議とすべきものと決定した次第であります。  附帯決議内容は次の通りであります。     附帯決議   政府は、本法制定主旨に鑑み、住宅金融公庫新規事業実施に際しては、特に左の点について遺憾なきを期すべきである。  一、災害復興住宅に対する貸付については、業務の迅速なる処理によりその目的達成に遺憾なからしめるとともに、特に地方公共団体公庫よりの借入金について保証を行う場合には、貸付決定を特に迅速ならしめるよう格別の配慮をすること。  二、中高層耐火建築物に対する貸付については、住宅部分以外に対しても貸付を行う点に鑑み、店舗、事務所等部分についてはその用途等につき適当なる規制を行うとともに、貸付審査に当っては特に慎重を期し、公庫本来の主旨を逸脱するような不当な貸付を行うことのないよう措置すること。  右、御報告申し上げます。(拍手
  7. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。   〔須磨吉郎登壇
  9. 須磨彌吉郎

    須磨吉郎君 ただいま議題となりました、航空業務に関する日本国スイスとの間の協定締結について承認を求めるの件、日本国ブラジル合衆国との間の航空運送協定批准について承認を求めるの件、日本国ドイツ連邦共和国との間の文化協定批准について承認を求めるの件、日本国インドとの間の文化協定批准について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、航空業務に関する二協定について申し上げます。  わが国は、航空業務に関する協定締結するために、スイス及びブラジル交渉をいたしておりましたところ、幸い意見一致を見ましたので、昨年五月二十四日にスイスとの間に、また、十二月十四日にブラジルとの間に、それぞれ航空協定署名調印が行われました。  この二協定は、いずれもわが国当該国との間の民間航空業務を開設し、かつ運営することを目的といたしておりまして、協定附表に定める路線に従い、業務運営開始の手続及び条件双務的基礎において規定しているもので、その内容においては、さき締結されました日米日英日加日豪等航空協定とほぼ同一なものであります。この協定実施によりまして、わが国航空企業が、当該国と双務的に、かつ平等の条件相手国に乗り入れできるようになる次第であります。  次に、文化に関する二協定について申し上げます。  わが国は、文化協定締結するために、ドイツ連邦共和国及びインド交渉をいたしておりましたところ、幸い意見一致を見ましたので、本年二月十四日にドイツ連邦共和国との間に、また、昨年十月二十九日にインドとの間に、それぞれ文化協定署名調印が行われました。  この二協定は、わが国とそれぞれの相手国との間に伝統的に存在しております密接な文化関係を一そう緊密なものとし、また、その文化交流を一そう活発にすることを目的といたしておりまして、その内容においては、さき締結されました日仏日伊日メキシコ日タイ等文化協定とほぼ同一なものであります。この協定実施によりまして、相手国との文化関係を通じて両国民間の相互理解は一そう深められ、ひいては両国間の友好関係の増進に資することが期待される次第であります。  この航空業務に関する二協定は二月十八日に、また、文化に関する二協定は三月一日に、それぞれ国会提出され、予備審査のため本委員会に付託されましたが、これら四協定とも、三月十五日参議院において承認の後本院に送付され、同日本委員会に付託されました。  本委員会においては、政府側提案理由説明を聞き、質疑を行いましたが、その詳細は会議録により御了承を願います。  かくて、以上四協定につきましては、三月二十日、討論を省略し、採決の結果、全会一致をもっていずれも承認すべきものと議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  10. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 四件を一括して採決いたします。四件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、四件は委員長報告の通り承認するに決しました。      ————◇—————  日程第六 国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)(参議院送付
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第六、国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。公職選挙法改正に関する調査特別委員長石坂繁君。   〔石坂繁登壇
  13. 石坂繁

    石坂繁君 ただいま議題となりました国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案について、委員会審議経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  本案は、最近の地方公務員給与の実態、鉄道旅客運賃及び電信電話料金の改訂、物価の変動その他現行法施行状況にかんがみ、国会議員選挙等執行について国が負担する経費で、都道府県及び市区町村選挙管理委員会に交付するものの基準改正する必要があるというのであります。  本案内容を簡単に申し上げますると、第一は、超過勤務手当人夫賃嘱託手当旅費通信費及び用紙費の単価を改訂するとともに、都道府県事務費について、有権者数による段階をさらに細分し、選挙事務執行実情に即するように基準を改めること、第二は、投票管理者及び開票管理者並び投票立会人開票立会人及び選挙立会人費用弁償額を引き上げること、第三は、最近の都道府県行政組織合理化のための地方事務所の廃止に伴いまして、支庁及び地方事務所以外の出先機関において選挙事務を行うもので、自治庁長官が認定したものに対し経費を交付するものとし、その基本額を定めるともに、これらの機関のない都道府県については本庁経費を若干額加算し、また、旅費及び通信費の加算の基準となる距離を改めること等であります。  委員会におきましては、三月十四日田中国務大臣より提案理由説明を聴取した後、慎重に審議を進めましたが、その詳細につきましては速記録によって御承知願いたいと存じます。  かくて、三月二十二日採決の結果、全会一致をもって本法案はこれを原案の通り可決すべきものと議決いたしました。  次いで、青木正君より提議された附帯決議は、全会一致をもってこれまた可決せられました。  附帯決議を朗読いたします。     附帯決議   選挙民主政治基盤であって、選挙が公明適正に行われることは絶対的の要件である。   従って選挙執行経費については、その必要額を十分に確保する必要があるにもかかわらず執行経費基準額は著しく実情に即しないうらみがある。よって左記の点について検討の上、実情に即するよう速かに改正措置を講ずべきである。      記  一 立会演説会氏名掲示等選挙公営経費については、公営趣旨にかんがみ、完全な実施を可能ならしめるよう経費増額を図ること。  二 投票開票管理者及び同立会人並び選挙立会人費用弁償の額並びに人夫賃嘱託手当の額は実情に比し低額に過ぎるので増額を図ること。  三 補欠選挙等執行経費基準額の三分の二とするは不合理であるからこれが是正を図ること。   右決議する。 というのであります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第七 信用保証協会法の一部   を改正する法律案内閣提出
  16. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第七、信用保証協会法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。商工委員長福田篤泰君。   〔福田篤泰登壇
  17. 福田篤泰

    福田篤泰君 ただいま議題となりました信用保証協会法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査経過とその結果の概要を御報告申し上げます。  信用保証協会は、中小企業信用力を補完する機関でありまして、現在おおむね都道府県区域として設置されており、その数は五十二となっております。  信用保証協会が創立されまして以来の債務保証承諾額の累計は現在までに約三千五百億円に上り、中小企業に対する金融円滑化のために重大なる役割を果して参ったのでありますが、協会経営基盤地方公共団体等財政援助のみに依存しておりまして、中小企業、特に零細企業に対する金融の疎通をはかるために信用保証協会の機能をますます強化しなければならない今日において、同協会経営に対する援助地方公共団体のみにゆだねることはできませんので、ここに政府の積極的な財政援助が必要となって参ったのであります。このため、政府におきましては、昭和三十二年度に、中小企業信用保険特別会計を通じまして、十億円を信用保証協会融資すべく、これが予算措置を講ずることとなり、これに伴って本改正案提出されたわけでございます。  次に、本案内容について御説明いたします。第一は、政府は、信用保証協会に対して、保証能力拡充のために必要な資金を融通することができることとすることであります。第二は、この貸付金の利率を年三分五厘以内において政令で定めることであります。第三は、この貸付を行うに当り、融資制度目的達成するために必要があるときは、条件を付することができることといたした次第であります。以上が本案内容であります。  本案は、二月二十六日本委員会に付託され、三月一日に通商産業大臣より提案理由説明があり、両日にわたり質疑を行い、二十二日採決を行いましたところ、全会一致をもって本案は可決すべきものと決した次第であります。  なお、自由民主党及び日本社会党共同提案による附帯決議案提出されまして、社会党松平忠久君の趣旨弁明自民党阿左美廣治君の賛成討論の後、これまた全会一致をもって附帯決議を付することに決しました。  質疑内容並びに附帯決議につきましては会議録を御参照願うことといたしまして、これにて御報告を終ります。(拍手
  18. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第八 公営企業金融公庫法案   (内閣提出)  市町村職員共済組合法の一部を改   正する法律案(第二十五回国会   内閣提出)  昭和三十一年度分として交付すべ   き地方交付税に関する特例に関   する法律案内閣提出
  20. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、日程第八とともに、内閣提出市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案及び昭和三十一年度分として歩付すべき地方交付税に関する特例に関する法律案を追加して、三案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  21. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第八、公営企業金融公庫法案市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案昭和三十一年度分として歩付すべき地方交付税に関する特例に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。地方行政委員長門司亮君。   〔門司亮登壇
  23. 門司亮

    門司亮君 ただいま議題となりました公営企業金融公庫法案につき、地方行政委員会における審議経過及び結果の概要を御報告申し上げます。  本法案は、公営企業の健全な運営に資するため、特に低利かつ安定した資金を必要とする地方公共団体公営企業地方債につき、当該地方公共団体に対しその資金を融通する公営企業金融公庫を創設することを目的とし、これに必要なその役職員、業務会計その他の所要事項を定めようとするものでございます。  法案内容をきわめて簡単に申し上げますと、本公庫は、資本金五億円、その全額を政府が産業投資特別会計から出資する法人とし、役職員については既存の他の公庫と同様な規定を設け、業務については、公営企業地方債につき資金貸付を行うとともに、必要限度において起債の前貸し資金貸付を行うことができることとし、公庫の発行する公営企業債券については政府がその元利の支払いを保証するものとし、その発行額は昭和三十二年度において七十億円が予定されております。また、会計については、公庫業務上の余裕金を国債の保有及び資金運用部へ預託のほか、銀行への預金についても運用できるものとし、短期借入金は債券の前借として必要な場合に限り金融機関から借り入れできるものとしております。監督については、公庫は、内閣総理大臣及び大蔵大臣を主務大臣として、その監督を受けることになっておるのでございます。以上が本案の骨子でございます。  本案は、去る三月四日本委員会に付託、翌五日田中国務大臣より提案理由説明を聴取し、自来、慎重審議し、同月二十二日質疑を終了いたしました。質疑内容会議録についてごらんを願うことといたしたいと思うのでございます。  次いで、討論に入り、亀山委員は自由民主党を、また北山委員は日本社会党をそれぞれ代表して賛意を表明され、採決の結果、賛成総員をもって本案は可決すべきものと決しました。  その際、自由民主党及び日本社会党両党の共同提案になる附帯決議を付すべしとの動議提出せられ、亀山委員よりその趣旨説明がありました。採決の結果、これまた賛成総員をもってこれを付すべしと決した次第でございます。  附帯決議の全文は次の通りであります。     附帯決議   本法の施行に当り、政府は左の諸点に留意して、その運営の適正をはかるべきである。  一、地方債一般会計分は、全額政府資金を以って充てること。  一、公庫の出資金及び政府保証による公庫債の限度額は、今後更に増額をはかるとともに公庫資金貸付については、できる限り低利にすること。  一、地方団体の公債費の負担軽減をはかるため、公庫において既発行公募地方債の低利借替を行うよう措置すること。  一、将来公庫において、地方団体に対する一時借入金の融通を行うよう措置すること。   右決議する。  次に、ただいま議題になりました市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案は、さきに、第二十四国会において、健康保険法及び国家公務員共済組合法の改正に照応した改正を行うべく政府より提出せられ、すでに本院において修正可決されたものでございますが、参議院において、御承知のように、健康保険法一部改正案とともに審議未了となり、第二十五国会において再び提出され、自来、継続審査となっておったものでございます。  本法案内容は、健康保険法の改正に伴い医療機関等の規定に所要の改正を行うとともに、療養の給付について組合員にその費用の一部を負担させることとし、ただ、この場合、組合は当分の間これにより生じた余裕財源で一部負担金の払い戻し等を行い得るものとすること、次に、国家公務員共済組合法の改正に伴い、再退職の場合における退職年金の期間の合算、金額の改訂のほか、廃疾年金支給の条件等につき規定の整備を行い、また、本法と船員保険法との適用関係調整することといたしております。その他、組合運営実情にかんがみ、組合の規約変更の手続を簡素化し、組合の福祉事業については町村職員恩給組合と共同する等、その事業を総合的に行うこと、市町村合併における組合と健康保険組合との関係調整することなどの諸点でございます。  本法律案は、十二月二十日本委員会に付託、三月二十日田中国務大臣より提案理由説明を聴取し、本二十六日質疑を終了しました。なお、質疑内容会議録にてごらんを願います。  次いで、施行期日につき必要な改正を加える内容の修正案が亀山孝一君より提出され、その提案理由説明を聴取した後、討論を省略、採決の結果、修正案は賛成多数をもって可決され、この修正部分を除く原案もまた賛成多数をもって可決すべきものと決しました。  次に、ただいま議題となりました昭和三十一年度分として交付すべ地方交付税に関する特例に関する法律案につき、地方行政委員会における審議経過及び結果の概要を御報告申し上げます。  本案は、本年度租税収入の自然増収により、所得税及び法人税の増収を財源として一般会計の予算補正が行われ、地方交付税が百十億円増額されることになりましたが、この増額分を含めて昭和三十一年度分として交付すべ地方交付税については、その総額から普通交付税、当初予算に基き算定した特別交付税及び期末手当〇・一五月分の増額に伴い交付すべき特別交付税の合算額を控除した額を限度として、当該限度内の額を三十一年度内に交付しないで、三十二年度の地方交付税の総額に加算して交付することができるようにすることを内容とするものでございます。その目的とするところは、今回の交付税の増額分の中から、今年度内に緊急措置を要する財源所要額を除き、これを今年度交付しないで、最近の地方財政における公債費重圧の状況にかんがみ、明年度の地方債の元利償還費の一部に充てることができるようにすることにあるのでございます。  本案は、去る二月二十一日本委員会に付託、同二十八日田中国務大臣より提案理由説明を聴取し、自来、慎重審議いたしました。  その論議の中心となりましたのは、「税の自然増収による地方交付税増額は、当該年度分の決算の後、当然当該年度清算分として翌々年度分の地方交付税の総額に加算して配分せらるべきものであるから、この増額分は法律上当然な地方の自己財源であり、これを前年度に繰り上げて、しかも特定目的のために充当することを内容とする本案は、地方交付税制度の性格上いかがであるか」また「このような地方の自己財源の繰り上げ使用による先食い分の補てんはいかにするのか」さらに「政府が責任を有すると認められるような地方債の地方財政に対する重圧排除の方策、いわゆる公債費対策につき、政府は有効適切な方策を示すべきであるが、本案のごときもの以外に対策を早急に樹立すべきである」というような点でございましたが、政府当局は、これらの質疑に対しまして、「地方財政における公債費対策は、さらに将来、わが国経済事情の推移、税の自然増の傾向、地方財政の運営状況等にも考慮を払い検討すべきも、ともかく明年度において公債費対策の第一歩に着手すべく、本年度限りの特例として本案は立案した。また、本案により、本来は三十三年度分に繰り入れらるべき部分地方交付税の三十二年度繰り上げ使用分の補てんについては、さらに昭和三十三年度予算編成の際あらためて検討するも、本件は法律的にはともかく、実質的には何らかの方法をもってその補てん措置を講ずべき性質のものであるから、その実現に努力する」との答弁があったのでございます。  本日質疑を終了いたしまして、直ちに討論に入り、北山愛郎君は日本社会党を代表して本案に対する反対の意見を、また、鈴木直人君は自由民主党を代表して賛成意見を述べられました。  採決の結果、賛成多数をもって本案は可決すべきものと決した次第でございます。  右、御報告申し上げます。(拍手
  24. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより採決に入ります。  まず、日程第八につき採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。  次に、市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案及び昭和三十一年度分として交付すべ地方交付税に関する特例に関する法律案の両案を一括して採決いたします。両案中、市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案委員長報告は修正でありまして、他の一案の委員長報告は可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  26. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  日程第九 公衆衛生修学資金貸与法案内閣提出)  日程第十 結核予防法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十一 母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十二 原子爆弾被爆者医療等に関する法律案内閣提出)  失業保険法の一部を改正する法律案内閣提出
  27. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、日程第九ないし第十二とともに、内閣提出失業保険法の一部を改正する法律案を追加して、五案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  28. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第九、公衆衛生修学資金貸与法案日程第十、結核予防法の一部を改正する法律案日程第十一、母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案日程第十二、原子爆弾被爆者医療等に関する法律案失業保険法の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。社会労働委員会理事大坪保雄君。   〔大坪保雄君登壇
  30. 大坪保雄

    ○大坪保雄君 ただいま議題となりました公衆衛生修学資金貸与法案結核予防法の一部を改正する法律案母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案原子爆弾被爆者医療等に関する法律案及び失業保険法の一部を改正する法律案の五法案につきまして、社会労働委員会における審議経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。  まず、公衆衛生修学資金貸与法案について申し上げますれば、戦後におけるわが国の公衆衛生行政は飛躍的発展を見たのでありますが、公衆衛生行政の第一線機関ともいうべき保健所の基幹職員たる医師、歯科医師については、公衆衛生方面に対する関心の少いこと及び民間の医療機関に比べて著しく給与の低いこと等の理由により、その充足についてはすこぶる困難をきわめ、現在数は所要定員を大幅に下回る実情であり、公衆衛生諸施策の実施に重大なる支障を生ずることが懸念されますので、今回学資貸与の道を開くことにより保健所勤務医師等の質的並びに量的充実をはかろうとするのが、政府の本法案提案の理由でございます。  本案は、二月二十一日本委員会に付託せられ、同二十二日神田厚生大臣より提案理由説明を聴取し、本月十八日審議に入りましたが、二十日の委員会において質疑を終了し、同二十二日討論を省略して採決に入りましたところ、本案原案の通り全会一致可決すべきものと議決いたした次第でございます。  次に、結核予防法の一部を改正する法律案について申し上げますれば、現在わが国の結核死亡率は戦前の約四分の一近くまで減少いたしましたが、結核患者数はなお二百九十二万人の多数に上る実情で、一そう強力なる結核対策の実施を必要とするため、今回、現行結核予防法の一部を改正し、従来本法に基いて実施した健康診断、ツベルクリン反応検査または予防接種について受診者またはその保護者から徴収できることとなっておりました実費徴収を廃止し、その経費はすべてこれを公費負担とすることとして、健康診断、予防接種の徹底をはかろうとするのが、政府の本法案提出の理由及び概要であります。  本案は、二月二十一日本委員会に付託せられ、同二十二日神田厚生大臣より提案理由説明を聴取し、本月二十日審議を行い、同日質疑を終了いたしましたが、二十二日討論を省略して採決に入りましたところ、本案全会一致原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。  次いで、本案について滝井委員より附帯決議を付すべきであるとの動議提出せられ、その趣旨の弁明がございました。朗読いたします。     附帯決議   政府は、社会保障制度審議会の医療保障制度に関する勧告を尊重し、急速、抜本的に結核撲滅対策を樹立すべきであり、その過渡的措置とし、至急に結核予防法第三十四条及び第五十七条を改正し、結核医療費に対する公費負担の義務化とその負担率及び医療費並びに健康診断、予防接種に対する国庫補助率の引上げを図るべきである。  かくて、本動議について採決を行いましたところ、これまた全会一致をもって可決すべきものと議決いたした次第でございます。  次に、母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  現在、母子福祉資金について、国は都道府県貸付金の財源として計上する金額と同額の金額を都道府県に貸し付け、都道府県は、この合算額を財源として、母子家庭等に生業資金その他各種の貸付金を貸与いたしておるのでありますが、地方財政の窮乏等の事情もあり、貸付金の財源が十分でないため、母子家庭等からの借り入れ申し込みに対し十分応ずることができない実情にあるのでございます。よって、今回、国の都道府県に対する貸付率を現行の二分の一から三分の二に引き上げて、国は都道府県貸付金の財源として計上する金額の倍額に相当する金額を貸し付けることにより貸付金の財源を確保して、母子家庭の福祉を一そう増進いたそうとするのが、政府の本法案の提案の理由であります。  本法案は、二月二十五日本委員会に付託せられ、本月十五日厚生大臣より提案理由説明を聴取した後、審議に入りましたが、去る二十日の委員会において質疑を終了いたし、二十二日討論を省略して採決に入りましたところ、本法律案全会一致原案の通り可決すべきものと議決いたした次第でございます。  なお、山下委員より次の附帯決議を付する動議提出せられ、同委員より趣旨説明がありました。朗読いたします。     附帯決議   母子相談員に要する費用はその二分の一を国が負担する規定の存するにも拘らず現在その適用が停止されているため、母子相談員の手当の支給については事実上円滑を欠く場合が少くないので、政府は売春防止法における婦人相談員の場合におけると同様の予算措置を講ずることとして、母子相談員の活動の一層の充実を図るよう速かに善処されんことを要望する。  右決議する。  次いで、採決を行いましたところ、全会一致をもって附帯決議を付することに決したのであります。  次に、原子爆弾被爆者医療等に関する法律案について申し上げます。  原子爆弾による被爆者は、十余年を経過した今日、なお多数の要医療者を数えるほか、これら被害者の健康状態は今も医師の綿密な観察指導を必要とする現状であり、政府においても、昭和二十九年度以降、広島、長崎両県に居住する一部の人々に対し逐次精密検査及び研究治療を行なって参ったのでありますが、今回、これら被爆者の現状にかんがみ、全国的に必要な健康管理と医療とを行うこととし、その福祉をはかろうとするのが、政府の本法案提出の理由であります。  本案は、二月二十一日本委員会に付託せられ、同二十二日神田厚生大臣より提案理由説明を聴取し、本月二十五日の委員会において審議を行い、質疑を終了いたしましたところ、自由民主党及び日本社会党の共同提案による修正案が提出せられ、田中委員よりその趣旨説明がありました。その要旨は、附則に一項を加え、地方税法における法人事業税の課税標準の算定方法に関する第七十二条の十四の規定並びに個人事業税の課税標準の算定に関する第七十二条の十七の規定を改め、本法案に基く医療につき支払いを受けた金額は総益金または総収入金額に算入せず、また、本法案に基く医療にかかる経費は総損金または必要な経費に算入しないことといたそうとするものであります。  次いで、討論を省略し、修正案並びに修正部分を除く原案の他の部分について順次採決に入りましたところ、本案全会一致修正議決すべきものと議決いたした次第であります。  次いで、本案について、自由民主党及び日本社会党の共同提案で、次の附帯決議を付すべきであるとの動議提出され、佐竹委員よりその趣旨の弁明がございました。朗読いたします。     附帯決議  一、政府は、原爆被災者の更生のため必要あるときは、低所得階層対策費の世帯更生資金貸付を行わしむることとし、その予算的措置についても遺憾なきを期せられたい。  二、政府は、第二条の被爆者に関する政令の制定に当っては、現実の要治療者を逸しないように配意するとともに被爆時の胎児以外の被爆者の子についても罹病の有無を急速に調査の上、適切なる処置を講ぜられたい。  三、政府は、原子爆弾その他に因る放射能障害についての研究及び之に対する治療法の進歩を図るため、積極的施策を講ぜられたい。  かくて、本動議について採決を行いましたところ、これまた全会一致をもって可決すべきものと議決いたした次第でございます。  最後に、失業保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本改正案は、日雇い労働者に対する失業保険の給付内容を改善するとともに、失業保険事業の円滑をはかるため、失業保険金額の自動的変更等について合理化しようとするものであります。  次に、そのおもな内容について申し上げますと、第一は日雇い労働失業保険保険給付内容の改善でありますが、最近、日雇い労働被保険者の賃金水準が本制度創設当時に比して相当上昇しており、失業対策事業の就労者の賃金も昭和三十二年度より引き上げられる関係上、この失業保険金に二百円の日額を新たに設けて第一級とし、従来の百四十円を第二級としたことであります。第二は、日雇い労働者の失業保険制度の適用区域は従来市町村単位に定めておったのでありますが、最近、市町村合併によって市町村の区域に変動があり、山間僻地等においては実情に即しない個所も出て参りましたので、これらを適用区域から除外する道を開いたこと等であります。  本改正案は、去る二月二十日本委員会に付託せられ、同二十一日松浦労働大臣より提案理由説明を聴取した後、審議に入り、数回にわたり、きわめて熱心な質疑応答が行われたのでありますが、本月二十二日質疑を終了いたしましたところ、本日の委員会において、日本社会党八木一男君外十三名による修正案が提出せられました。その内容は次の通りであります。  第一に、失業保険金額の自動的変更並びに適用区域は現行法のままとすること。  第二に、日雇い労働被保険者に支払われた賃金日額が二百八十円以上の場合は第一級、二百八十円未満の場合は第二級とすることとなっているのを、基準となる賃金日額を二百二十円に引き下げること。  第三に、新たに日雇い失業保険については国庫負担を二分の一とし、また、失業保険金の支給における待期期間について、通算六日を五日とすること等であります。  次いで、原案並びに修正案を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表して五島委員より、修正案に賛成し、修正部分を除く原案賛成する旨の意見が述べられ、自由民主党を代表して田中委員より、原案賛成し、修正案に反対する旨の意見が述べられたのであります。  次いで採決に入り、まず八木一男君外十三名提出の修正案について採決いたしましたところ、賛成少数をもって否決すべきものと議決せられ、次いで原案について採決いたしましたところ、多数をもって可決すべきものと議決せられた次第であります。  なお、大坪委員より附帯決議を付すべき旨の動議提出され、全会一致をもって附帯決議を付することと決しました。朗読いたします。     附帯決議  一、政府は、社会保障制度の拡大という見地から、従業員五人未満の事業所についても、失業保険を適用し得るよう速かに実態調査を進められたい。  二、失業保険法第三十八条の十一第一項に規定する二百八十円の額については、政府改正法律の施行後における日雇失業保険制度運営の実態を勘案して、これを引下げるよう努められたい。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  31. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。五島虎雄君。   〔五島虎雄君登壇
  32. 五島虎雄

    ○五島虎雄君 ただいま議題となりました失業保険法の一部を改正する法律案に関しまして、日本社会党を代表して反対の討論をいたします。(拍手)  すでに言いふるされた言葉ではありますけれども、政府は神武以来の景気を謳歌しております。日本経済新聞の発表した大手各産業の昭和三十二年三月決算の業績予想によりますと、鉄鋼界は、三十五社平均利益は四億二千六百万円となっております。利益率は七割七分を示し、配当は一割二分七厘となっております。ことに、八幡製鉄は二十五億という莫大な利益を上げておるのであります。思い起せば、昭和二十九年ごろ、ドックには一隻の船影すら見なかったあの造船界が、今や四、五年先の注文量を持つに至っておるのであります。その利益は七社平均四億九千万円、利益率は五割四分。また、一方、食品関係では、その配当は一割八分一厘の高配当を示しておりまして、特に台湾製糖のごときは四割五分の高配当を行なっている状態であります。その他、各産業におきましても空前の伸びを示しておるのであります。一方、鉱工業生産指数は一体どうであるかといいますと、昭和九年から十一年を一〇〇といたしまして、昭和三十年は一二六・六、三十一年には一四八と伸びて、その伸びは二一・四を示しました。しかし、それに対して、労働者の実質賃金指数は、三十年から三十一年度まで、わずかに一一の伸びしか示しておりません。いかに賃金の伸びが少いかということを物語るものであります。また、雇用関係におきましては、大企業には見るべきものが全然ありません。その多くが中小企業に吸収されているのでありまして、比較的低賃金の部面に就労していることを物語るのであります。しかも、六十五万人に達する完全失業者、一千万人以上に及ぶところの潜在失業者を、われわれは忘れてはなりません。岸内閣は完全雇用の実現を公約をいたしました。ところが、宇田企画庁長官の言うように、年八十九万人程度の雇用であっては、年々に現われる稼働労働人口百万人として、これを雇用するだけでもとんとん以下であって、依然として潜在失業者や完全失業者は取り残されることになるのであります。(拍手政府の完全雇用は百年河清を待つにひとしく、その公約は全く国民を欺瞞したものであるといわなければなりません。(拍手)  今ここに注目を要する点は、政府の失業対策であります。まず、その賃金は、昭和二十九年からここ三年間、二百八十二円に据え置いたままでありますけれども、今回やっと二十円を引き上げて三百二円にいたしました。ところが、就労日数は、相もかわらず、月に二十一日にとどめております。おまけに、一日の吸収人員を、昨年度の二十四万八千人から、本年度は二十二万五千人と、二万三千人も切ってしまいました。今、全国平均を三百二円といたしまして、二十一日の就労とすれば、月に六千三百四十二円となります。これを一日にならすと二百十二円になるわけです。これを全国家族構成を四・五人といたしまして、一人に引き直すと、四十七円で生活する勘定になるのであります。全国市町村で、月二十五日の就労をするところは東京だけであります。ところが、大都市においても、最も就労日数の悪いのは京都市であります。月十六、七日しか就労日数がありません。その賃金を三百三十五円といたしますと、わずかに五千三百六十円となりまして、一日当りは百七十九円、一人当事は何と四十円以下で生活するということになるのであります。こういうように、いかに彼らの生活がみじめであるかということは明瞭であります。よく例にとられるのでありますが、野犬狩りでつかまったところの野良犬の食事代が保健所では五十円も取られるけれども、これらの野良犬以下の生活を人間がしているということを物語っております。  昭和二十七年八月、労働科学研究所が、東京都内三百八世帯を対象に経済、医学、心理の三点から、最底生活費の研究をいたしたのであります。この発表によりますと、生活費が一人三千円以下では目立って体力が落ちると発表しました。また、医学の面からは、三千円以下では血液のヘモグロビンの量が減少すると発表いたしました。四千円以下では、親の頭脳がどんなにすぐれていても、子供の知能は確実に悪くなると発表いたしたのであります。もし、この証明が正しいとするならば、日雇い労働者や低賃金労働者の子供たちの健康、知能に重大なる影響を与えるものであるといわなければなりません。これは政治的、社会的な重大なる問題であります。(拍手)しかも、一たび日雇い労働者となれば、半永久的に就職の機会はなくて、好むと好まざるとにかかわらず、日雇いという名の職業に陥っていくことを認識しなければなりません。憲法第二十五条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定しております。同二十七条では「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と規定しております。これは、最低生活の保障であり、完全雇用の規定であります。すべての国民は、勤労を喜びとし、かつ、最低限度の生活保障を希望するものであるにもかかわらず、生活するにも足りないところの低賃金労働者や、潜在失業者や、完全失業者があることは、まさに政府の責任であるといわなければなりません。(拍手)  以上の観点から、わが党は、社会労働常任委員会におきまして、失業保険法の一部を改正する政府原案に対して修正案を提出して修正を試みたのであります。その目的は、できる限り日雇い保険制度の充実をはかり、生活にあえぐ、みじめな日雇い労働者諸君の生活を救済するにありました。その過程においては、自民党の委員諸君とも相談し、譲歩し合うことによって、共同修正の努力もいたしたのでありますけれども、政府与党は、ついにこれに応ぜず、原案を押し通したものでありまして、故意に日雇い労働者の実態に目をおおう態度は憤激に値するものであります。(拍手)  政府原案改正の第一点は、日雇い失業保険制度において、適用区域の整備という名目で、市町村合併によって市町村の区域が拡大された結果、山間僻地、離島等を適用区域から除外しようとするものであります。これは全く政府の親心のなさを物語る証左でありまして、市町村合併によって同一行政地区となった以上は、あらゆる施策を講じて適切な措置を講ずべきでありまして、この条文は現行法通りとすることが、まさに妥当であろうと思われます。(拍手)  第二点は、失業保険金の日額については、二百円の日額を新たに設け、これを第一級とし、従来の百四十円を第二級としておりまして、九十円を廃止しました。保険料額については、六円を十円にし、三円を五円にいたしたのであります。最も問題なのは、この賃金区分を、百六十円から二百八十円に引き上げたことであります。二百八十円に引き上げる結果といたしまして、多くの低賃金の日雇い労働者諸君が失業をした場合に、二百円の給付をもらえないという現象が、たくさん現われるのであります。そこで、できる限り多くの労働者を二百円の給付に該当させて、そうして生活を救済してやるために、この二百八十円を、われわれは二百二十円に引き下げることを主張いたしました。これによりますと多くの日雇い労働者が救われるということになるのであります。  第三点は待期の問題であります。改正案はこれに触れてはいないのでありますけれども、保険制度の効果を拡大するために、待期通算六日を、一日減らしまして五日にしますと、東京のように二十四、五日の就労日数のところでも給付を受けられます。全国の日雇い労働者の受ける恩恵はまた大きなものとなり、生活を救済することができるのであります。わが党の修正案が合理的であるということを物語っております。  第四点は、失業保険金額の自動的変更、すなわちスライドの問題であります。現行法におきましては、毎月勤労統計における工場労働者の平均給与額の上昇または低下した比率が二〇%をこえるときは失業保険金額表を改正することとし、その改正前の時期のいかんを問わず、長短にかかわらず、すべてにこれを適用した規定でありまするが、今度は、改正の月前の十二ヵ月にこれを縛りつけようとするものであります。今やインフレのみ予想されるときに当りまして、この十二ヵ月において締めくくろうとすることは、保険給付金の削減をねらい、圧縮をするということを物語っておるのであります。たとえば、一九%平均賃金が一年の間に上ったといたしましても、労働者は、このスライドの問題にひっかかって、給付を受けられないことになるのであります。この不合理を是正するために、われわれは現行法にこれをとどめ置かなければならないと主張するのであります。  第五点といたしまして、日雇い失業保険制度は、その特殊性から一般失業保険と切り離して考え、ことに、その制度の拡充が必要でありまするから、三分の一の従来の国庫負担を、特にこの際二分の一に拡大いたしまして、諸施策を講ずることが適切であろうと思うのであります。この点を強く主張しておきたいと思います。(拍手)  なお、一般失業保険の被保険者は、従来は五人以上の工場、事業場の労働者にのみ適用しておりました。そうして、五人未満の工場、事業場の労働者にはこれを適用されておりません。そこで、われわれは、この際、五人未満の工場、事業場労働者にもこの失業保険法を適用すべきであるということを強く主張いたしまして、以上の観点に立って原案に反対する討論を終ります。(拍手
  33. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、日程第九ないし第十二の四案を一括して採決いたします。四案中、日程第十二の委員長報告は修正でありまして、その他の三案の委員長報告は可決であります。四案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認ます。よって、四案は委員長報告の通り決しました。(拍手)  次に、失業保険法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  35. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  日程第十三 防衛庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十四 自衛隊法の一部を改正する法律案内閣提出
  36. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第十三、防衛庁設置法の一部を改正する法律案日程第十四、自衛隊法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。内閣委員長相川勝六君。   〔相川勝六君登壇
  37. 相川勝六

    ○相川勝六君 ただいま議題となりました両法案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、防衛庁設置法の一部を改正する法律案の要点を申し上げます。  その第一点は、海上自衛官千四百三十人、航空自衛官五千四百九十一人、自衛官以外の職員千五百七十五人等、計八千四百九十八人を増加して、職員の定員を二十二万三千五百一人に改めることであります。しこうして、海上自衛官の増員は、新造または米国から引き渡される予定の艦艇の就役及び航空部隊の整備充実等のために充てるものであり、航空自衛官の増員は、航空集団司令部の新設及び二つの航空団の増設等のために充てるものであります。  その第二点は、技術研究所は、その事務に支障のない限り、部外からの委託を受け、技術の調査研究等を行うことができるといたすことであります。  次に、自衛隊法の一部を改正する法律案の要点を申し上げます。  その第一点は、海上自衛隊の乗艦訓練のため練習隊群を新設するほか、航空自衛隊に二航空団を基幹とする航空集団を新設するとともに、二つの航空団を増設することであります。  その第二点は、自衛隊が出動を命ぜられた場合、または海上における警備行動、災害派遣、訓練その他の事由により必要がある場合には、所要の部隊を他の指揮官の一部指揮下に置くことができるといたすことであります。  第三点は、当分の間、自衛隊の任務遂行に支障のない限度で、自衛隊以外においてはその施設がないと認められるときは、部外からの委託を受けて、一定の技術者の養成または教育訓練を実施することができるといたすことであります。  両法案は、二月十八日本委員会に付託され、岸総理大臣初め関係各閣僚に対し熱心なる質疑が続行され、昨二十五日質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して西村力弥君より反対、自由民主党を代表して保科善四郎君より賛成意見がそれぞれ述べられたのでありますが、これらの内容につきましては何とぞ会議録によって御承知を願います。  次いで、両案を一括して採決いたしましたところ、多数をもっていずれも原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  38. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。淡谷悠藏君。   〔淡谷悠藏君登壇
  39. 淡谷悠藏

    ○淡谷悠藏君 私は、ただいま議題となりました防衛二法案について、日本社会党を代表し、反対の討論を行わんとするものであります。(拍手)   〔議長退席、副議長着席〕  自衛隊は、わが国の防衛に名をかりて、憲法第九条の制約を無視し、敗戦前の旧軍隊の復活の意図を内部にはらむ武力組織であります。警察予備隊から保安隊へ、保安隊から自衛隊へと変るたびごとに、次第にその意図が明らかになりつつあるのであります。今や、二十二万余の兵員と、艦艇四百三十四隻、総トン数十一万余、航空機五百三十一機の現勢に拡張しようとするのが、この法案であります。  自衛隊が日本民族の血をもってあがなった平和憲法の精神に反するものであることは、しばしば指摘、糾弾されました。憲法に違反しているのに、違反していないとみずから欺いて積み上げてきたのが、今日の自衛隊であります。(拍手)国民に不安なからしめ、国力に応じて自衛力を増強するなどと言いながら、防衛庁予算は、この日陰の軍備のために国民の生活を極度に圧迫し、産業の基礎を危うくし、防衛六ヵ年計画と称して、年ごとに膨張しておるのであります。今や、かつての軍事費と同じ性格を持つに至り、国の防衛を全からしめる前に国家経済を破壊せんとしておることは、予算編成に当って惨たんたる苦労をした政府及び与党の諸君がます第一に痛感されていることでございましょう。(拍手)  そうした国防予算は取っておきながら、自衛隊は、今日、列強の軍備と対抗する実力とはなっておりません。今日の戦争形態に対して自衛隊ごときで自衛できるなんというのは、まさに時代錯誤であります。侵略に備え、治安に備えるといって、予算だけはふんだんに取っておきながら、いかに問い詰められても、具体的な軍備目標の明示は出てこない。国防会議はあってもなきにひとしく、少しも開いていない。めくら増強をあえてして、どんどんと伸びていくのが、すなわちこの違憲自衛隊の本質であります。(拍手)しかし、明示はできなくとも、この自衛隊の兵器の大部分はアメリカの供与を受けているものであります。この供与兵器は、乗組員もろとも海に突っ込むようなC46航空機をも含むアメリカのいわゆる時代おくれになりつつある兵器ではありますが、兵器の供与を受けるかわりに、共同防衛と称して人的資源を給する役割を勤めていることは、まぎれもありません。アメリカの資本主義の脅威をそのままみずからの脅威とする以外、どこに具体的な侵略のおそれがあり、何に備えての自衛隊の増強か、ついに法案審議を通じて確答は得られなかったのであります。  軍備の競争は、転落する石のごときものであります。過去の日本は、この転落する石に押しひしがれて、一たびは滅亡に瀕しました、十余年前の惨たんたる敗戦は軍隊がなかったから、とは、たとい自民党の諸君といえども、あえて言い得ないでございましょう。軍が政治に関与し、銃剣で作り上げた翼賛態勢で国を滅ぼしかけたのが、あの敗戦の姿であります。その危機にもう一度追い込むような今の状態が、何で自衛の名に値しましょうか。憲法を気にして、アリゲート艦を、船に大砲をのっけたものにすぎないとか、戦車ではなくて特車でありますとか言っていた、いじらしい軍備は、今日の自衛隊にはございません。今日の自衛隊は、いつの間にか変ってしまいました。自衛艦隊などと堂々と名乗っておるではありませんか。しかも、かつての旧軍隊の幹部が隊員の訓練指導に当って、旧日本軍の軍隊精神で青年をたたき直そうとしたのが、死の行進の悲劇であります。(拍手)憲法違反をおそれていた軍隊ならざる軍隊がひそかに政治権力をねらい始めたのが、北海道の豊平町、青森県大湊町の町長選挙や、九州大村の市長選挙に現われている事実であります。憲法に違反することを気づかいながら、ひそかに積み上げた武力をもって憲法を白昼堂々とけ飛ばして進もうという居直り強盗式自衛隊は、今日にして押えなければ、再び五・一五、二・二六の失敗を繰り返すことに必ずきまっているのであります。(拍手)しかも、純真なる青年隊員をロープで電柱にくくりつけたり、青竹で激励したり、げんこつでほおを愛撫したりする訓練の非人道的きびしさをあえてしておきながら、使い切れない予算のかもし出す疑獄、汚職は、この防衛庁、底がしれません。(拍手)  今度はアメリカから兵器の供与を受けない。アメリカが兵器の供与を渋るからといって、防衛産業などと名づけまして、兵器の国産をやろうとしておる。労働力が安いから、輸入品と対抗して、その輸入品と同じ値段で防衛庁に売りつけても十分利潤があると、国産兵器の会社はほくそえんでおります。今日、経理が腐敗し、綱紀が弛緩し切った防衛庁のありさまで、艦艇や航空機に汚職、疑獄が伴うならば、とうてい中古エンジンやボロぐつどころの騒ぎではございません。軍隊がなければ軍需景気が出ない。戦争がなければ戦争成金は出ない。どこにあるかわかりもしない侵略で国民をおどかしておいて、軍需資本家のふところをこやそうとする自衛隊増強のしっぽは見え出しました。青年の血や肉をえさにして軍需資本の防備をはかることは、断じて日本を防衛する道ではないのであります。神武景気とは、今日まさに死の商人の息吹きにほかなりません。国を守らんとするならば、国民あげて国を守る心とならなければなりません。国民を犠牲にし、青年をしいたげて、資本のために兵器を作ることを目標とする自衛隊は、増強すればするほど国を危うくするにすぎず、国民に不安なからしめるなどとは、まさに耳をおおうて鈴を盗むたぐいであります。(拍手)  しかし、国民は聡明である。幾らあせっても、平和憲法を改悪する意図は選挙のたびごとに常に砕かれてきておる事実は、もはや軍備の増強などで国を守れる段階でないということを国民が一番よく知っておる明らかな証拠で、あります。(拍手)武力を背景にして民の声を押えつけんとすれば、最後には必ずクーデターになる。自衛隊の内証に備えるとは、このクーデターを合理化して国民運動を弾圧することにほかなりません。民にそむく者は天にそむく者である、天にそむく者はみずからを滅ぼす者であります。  あえて防衛二法案に反対を表明して、私の討論を終ります。(拍手
  40. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) これにて討論は終局いたしました。  両案を一括して採決いたします。両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  41. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  中小企業信用保険特別会計法の一部を改正する法律案内閣提出)  漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じ   た損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案内閣提出
  42. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案中小企業信用保険特別会計法の一部を改正する法律案、漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案、右三案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  43. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案中小企業信用保険特別会計法の一部を改正する法律案、漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。大蔵委員会理事横銭重吉君。   〔横錢重吉君登壇
  45. 横錢重吉

    ○横錢重吉君 ただいま議題となりました三法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  補助金等臨時特例等に関する法律昭和三十二年三月三十一日限り効力を失うこととなっているのでありますが、政府におきましては、昭和三十二年度予算の編成に当り、補助金等の整理につき検討の結果、同法による特別措置につきましては、国立公園法に基く補助金に関するものを除き、昭和三十二年度においてもなお引き続きおおむね同様の措置を講ずることを妥当と考え、これがため、右の特例法中、国立公園法に基く補助金に関する規定だけを削除いたしまして、その有効期限をさらに昭和三十三年三月三十一日まで一年間延長することといたしております。  本案につきましては、審議の結果、本二十六日討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、起立多数をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、中小企業信用保険特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  今回、政府は、中小企業者に対する金融の円滑化をはかるため、信用保証協会に対して、その業務を充実するために必要な資金を融通することとし、別途、今国会信用保証協会法の一部を改正する法律案提出いたしておりますが、これに伴いまして、中小企業信用保険特別会計法につきましても所要の改正を行おうとするものであります。  次に、この法律案概要について申し上げます。改正の第一点は、この会計保険勘定と融資勘定に区分し、従来の中小企業信用保険に関する経理は保険勘定において、信用保証協会に対する融資に関する経理は融資勘定において行うことといたしております。第二点は、信用保証協会に対する貸付金の原資は、一般会計からこの会計融資勘定に繰り入れることといたしております。第三点は、融資勘定の歳入は、貸付金の回収金及び利子、一般会計からの繰入金並びに付属雑収入とし、歳出は、貸付金事務取扱費及びその他諸費とすることといたしております。  最後に、漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案について申し上げます。  この法律案は、漁船乗組員給与保険法による給与保険の再保険事業にかかる保険事故が異常に発生したことに伴い、漁船再保険特別会計に生じた損失を埋めるため、昭和三十一年度におきまして、九千四百八十万九千円を限度として、一般会計から必要な資金をこの会計給与保険勘定に繰り入れることができることといたそうとするものであります。  以上の二法律業につきましては、審議の結果、本二十六日討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもっていずれも原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  46. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) これより採決に入ります。  まず、補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  47. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。  次に、中小企業信用保険特別会計法の一部を改正する法律案外一案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  49. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十七分散会      ————◇—————  出席国務大臣         労 働 大 臣 松浦周太郎君         建 設 大 臣 南條 徳男君        国 務 大 臣 大久保留次郎君         国 務 大 臣 小滝  彬君         国 務 大 臣 田中伊三次君  出席政府委員         外務政務次官  井上 清一君         大蔵政務次官  足立 篤郎君         厚生政務次官  中垣 國男君         厚生省公衆衛生         局長      山口 正義君         通商産業政務次         官       長谷川四郎君         建設政務次官  小沢久太郎君      ————◇—————