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中村国務大臣 実は、今朝の
朝日新聞に報道されました
記事に関連いたしまして私の
立場として釈明いたしておきたいと思い、
発言を求めた次第でございます。
朝日新聞の
記事によりますと、二十七日午後、
豊島区
椎名町五丁目の
西村甲子蔵という人の
葬儀に私の
花輪が出ておった、——この
西村甲子蔵という人は、
新聞の
記事によると、
博徒の
幸平一家の子分で、何か
博徒仲間の争いから起った
事件で殺された人間のようであります。そういう
葬儀に
法務大臣たる私の
花輪が出たことは非常に穏やかでない、こういう
趣旨が
新聞の
記事でございます。実は、昨晩、
豊島区の
弁護士会の会合がございまして、私もその席へ出るためにちょうどそこへ参りましたら、
朝日新聞の記者が来ておりまして、入口で、聞きたいことがあるということでありました。話すところもありませんから、車の中へ入りまして、何用であるかをこちらから聞きましたら、きょう
椎名町五丁目にこういう
葬式があったのを知っておるという話でありました。私は、全然知りませんでしたので、そういうことは毛頭知らないが、何のことだと言いましたら、それは
博徒の
けんかで死んだ人の
葬儀であって、そういうところへ
法務大臣の
花輪が出ておったのを知って非常に不思議に思ったからお尋ねするんだ、こういうことでありました。私は、全然関知しておりませんし、
幸平一家とか、あるいはこういう
博徒仲間で
交際を持っておる者はただの一人もございません。思い当る節もございませんので、その旨を答えて表に出ました。
秘書官もそこへ来ておりましたから、
秘書官を呼んで、君は知っておるかと聞いたところが、
秘書官は
花輪が出たことを知っておるようであります。なお、その後
実情を確かめてみましたら、この
椎名町五丁目の
町内に白石という
かじ屋がおりまして、この人は私
どもとは長い間の
交際があるのであります。この人が、
町内のお
葬式へぜひ
一つ花輪を出してほしいということを、再三再四にわたり、私の
秘書官でない方の人、
留守番をしている若い
内川という者のところへ
電話をかけてきたそうであります。その結果、
秘書官もそれを伝え聞いて、やむを得ないからしかるべく取り計らうようにという返事をしたのだということが明確になりました。従いまして、私といたしましては、こういう
博徒の
仲間の
葬儀、ことに
けんかで起きた
被害者の
葬儀に私の名前の
花輪が出ておるというような、弔意を表する、そういうものが出ておったということは、われわれ、かねてから暴力の取締りについては大いにその
徹底方を期すべく決意も持っておりますし、またあらゆる機会にそういうことを申しております
立場から、まことに不穏当な
できごとで、この点非常に恐縮をいたしております。私としては全然周知しません。全然つき合いもございませんし、知り会いも全然ないのでございますが、
町内におります白石いう人の数回にわたる督促で、長い間の
関係もありますし、知っている間でありますから、断わり切れないで、しかるべき取り計らい方を家の
留守番をしております
内川が回答をいたした結果生じたことでございます。なお、この
新聞にもどこにかありますが、板橋におります
横山英一という人からも一回
電話があったそうですが、
横山という人には、一回でありましたから、そういうことはできないと答えておったのでございます。何か、この
新聞によりますと、
横山からの依頼によってというようなことがあったような気がいたしますが、これとは直接の
関係が事実上はないようでございます。
さような次第で、ことに
国会における
法務委員として
法務行政に深い御関心を持っておる
方々には非常な御心配をおかけしたわけですが、事の次第はさようでございますので、何とぞ御了承下さいますようお願い申し上げます。