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1957-02-27 第26回国会 衆議院 法務委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十二年二月二十七日(水曜日) 午前十一時五分
開議
出席委員
委員長
三田村武夫
君
理事
池田 清志君
理事
椎名 隆君
理事
福井
盛太
君
理事
横井 太郎君
理事
菊地養
之輔君 高橋 禎一君 馬場 元治君 花村 四郎君 林 博君 古島 義英君 山口 好一君 神近 市子君 坂本
泰良
君 吉田 賢一君
出席国務大臣
法 務 大 臣 中村 梅吉君
出席政府委員
検 事 (
民事局長
)
村上
朝一君
委員外
の
出席者
専 門 員 小木 貞一君 ――
―――――――――――
二月二十二日 対
政府訴訟
の
判決促進
に関する
陳情書
(第二二五号)
中小企業者
の
債務更生等
に関する
陳情書
(第二四二号) 同月二十五日
岡山地方法務局高梁支局庁舎新築
に関する
陳情
書(第三五二号)
外国人登録法
の一部改正に関する
陳情書
(第三五三号)
土地不法占拠者
の
強制撤去
に関する
法律制定
の
陳情書
(第三五四号)
戦犯者釈放
に関する
陳情書
(第三五五号) を本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の会議に付した案件
滞納処分
と
強制執行等
との
手続
の
調整
に関する
法律案
(
内閣提出
第三五号) ――
―――――――――――
三田村武夫
1
○三田村
委員長
これより
法務委員会
を開会いたします。 本日は、
滞納処分
と
強制執行等
との
手続
の
調整
に関する
法律案
を議題とし、審査を進めます。 まず
政府当局
より
逐条説明
を聴取することといたします。
村上民事局長
。
村上朝一
2
○
村上
(朝)
政府委員
逐条的に御説明申し上げます。 まず第一条でございますが、
本条
は、この
法律
が
滞納処分
と
強制執行
、仮差し押えの
執行
または
競売法
による
競売
とが競合する場合におけるこれらの
手続
を
調整
するために
国税徴収法
、
民事訴訟法
及び
競売法等
の
規定
の
特例
を定めたものであることを明らかにしたものであります。従いまして、この
法律
に
規定
のありません
事項
につきましては当然これらの
法律
が
適用
される、こう考えております。 次に第二条でございますが、
本条
はこの
法律
に用いております用語の
定義
を掲げたものでございます。 第一項に、「
国税徴収法
による
滞納処分
及びその例による
滞納処分
」という
言葉
が使ってございますが、これは
地方団体
の
徴収金
その他各種の
公課等
の
徴収
のためにする
滞納処分
を
意味
するものでございます。これにつきましては、お配りしてございます資料の中に「
国税徴収法規準用法令調
」というのがございまして、この中に「
国税滞納処分
の例により」という
言葉
で同じような
規定
を設けております
法律
が数十ございますので、それらのすべてを包含する
意味
でございます。 次は、第三項で
有体動産
と
不動産
について
定義
を掲げておりますのは、
民事訴訟法
と
国税徴収法
とでは
有体動産
あるいは
不動産
という
言葉
の使い方が必ずしも完全に一致しておりませんので、この
実務
上の
取扱い
の
疑義
をなくすためにこれを明確にしたのでございます。 なお、この
法律
によります
調整措置
の対象となります
財産
の範囲は、いわゆる
有体動産
及び
不動産
のほかに
船舶
を含むわけでございまして、
債権
その他の
財産権
は含んでおりません。また、
有体動産
の中で、
民事訴訟法
の
手続
によらない
動産
、たとえて申しますと、
自動車
、
貨物自動車
あるいは航空機、
建設機械抵当法
によって
登記
された
建設機械等
は、いわゆる
有体動産
の中に含まない考えでございます。 次に第三条ですが、この第一項は、
滞納処分
による差し押えがされております
有体動産
に対して重複して
強制執行
による差し押えをすることができることを明らかにいたしております。 第二項はその差し押えの
方法
でございますが、
滞納処分
が先行しております場合には
有体動産
は
収税官吏
が
占有
しているわけでございますので、重ねて
強制執行
による差し押えをする
方法
としては、
収税官吏
の持っております
占有
を利用して行うことになります。従いまして、
執行吏
がそのものを差し押える旨の
書面
を
収税官吏等
に
交付
して差し押えをするということにしております。 第三項は、
滞納処分
の先行するものについてさらに
強制執行
による差し押えが行われました場合には、
債務者
にそれを知らせておく必要がございますので、そのことを
債務者
に
通知
する
義務
を負わせたのでございます。 次に、第四条は
競売手続
の
制限
の
規定
でございますが、二重に差し押えができるといたしましても、二個の
手続
がそれぞれ
進行
いたしますと
混乱
を生じますので、後に行われた
強制執行
による
売却
のための
手続
は、第九条にあります
強制執行続行
の
決定
があった場合を除きましては、先に行われました
滞納処分
による差し押えの
手続
の方を
進行
いたしまして、その差し押えが
解除
になった後でなければ行うことができないことといたしました。後に開始された
手続
が先行する
手続
の
進行
を妨げないこととしたのでございます。 次に、第五条は
滞納処分
による差し押えの
解除
になった場合の処置でありますが、第一項におきまして、二重差し押えが行われた
有体動産
について、先行する
滞納処分
による差し押えを
解除
する場合には、
収税官吏
はこの
占有
しております
有体動産
を
執行吏
に引き渡すべき
義務
があることを定めたのでありまして、
滞納処分
による差し押えが
解除
される時期と
有体動産
に対して
執行吏
が
占有
を取得する時期との間の間隙をなくすることによりまして、
財産
の散逸を防ごうとするものであります。第一項の
ただし書き
の
規定
は、元来
民事訴訟法
におきましては
債権者
及び
債務者
以外の
第三者
の
占有
しております
有体動産
を差し押えるのは
占有者
がものの
提出
をこばまない場合に限って行われることになっておりますので、これと歩調を合わす
意味
で設けたのであります。すなわち、
滞納処分
による差し押えの場合には、かような
制限
がございませんので、
第三者
の
占有
しておる
有体動産
を
収税官吏
が差し押えておる場合があるのでありますが、これを
強制執行
による差し押え
手続
に切りかえるに際しましては、
強制執行
の
一般原則
に従うこととしたのであります。 次に、第二項におきまして、第一項
ただし書き
の
第三者
が
執行吏
に引き渡すことをこばんだ
有体動産
につきまして
滞納処分
による差し押えが
解除
された場合には、第三条第二項の
規定
によって行われた
強制執行
としての差し押えが失効することを明らかにしたものであります。これはむしろ当然のことでありますけれども、
疑義
を避けるためにこの
規定
を設けた次第であります。 第六条は
売却代金
の
残余
の
交付等
の
規定
であります。第一項は、
国税徴収法
の
規定
によりますと
滞納処分
による
売却代金
から
税金等
を控除しましてなお
残余
がある場合にはこれを
滞納者
すなわち
債務者
に返すことになるのでありますが、
滞納処分
による差し押え後に
強制執行
による差し押えが行われておりますときは、
収税官吏等
は後に差し押えをした
執行史
にこの残った
金銭
を
交付
することといたしております。 第二項におきまして、
執行吏
が前項の
規定
によって
交付
を受けた
金銭
を
民事訴訟法
の定める
手続
に従って
債権者
に
配当
することができるようにするために、その
金銭
を
執行史
が
強制執行
のため
当該財産
を
売却
して得た
金銭
とみなすほか、
配当要求
の期限を定めております
民事訴訟法
五百九十二条及び
配当手続
に関する六百二十六条等の
規定
の
適用
につきまして、この
金銭
の
交付
があった日を
競売期日
とみなすことといたしたのであります。すなわち、
民事訴訟法
による
配当要求
は、
競売期日
までにしなければならぬという
規定
になっておりますが、それらの
規定
の
適用
につきまして、この
滞納処分
による
売却金
の
残余
の
交付
のあった日をもって
競売期日
とみなしたのであります。 第三項は、
滞納処分
による差し押え及び
換価
の
手続
がありまして、
売却代金
に
残り
がなかったという場合には、後になされた
強制執行
の
手続
も完結することになるわけでありますが、そのことを知るために、
収税官吏
が
売却代金
の
残余
がなかったことを
執行吏
に
通知
すべきことを定めているのであります。 次の第七条であります。これは、
滞納処分
による差し押え後に
強制執行
によって差し押えた
有体動産
につきまして、後から行われた
強制執行
による差し押えの方を
解除
する
方法
を定めたのであります。第三条の二項によりまして差し押える旨の
書面
を
収税官吏
に
通知
することによって差し押えが行われておりますので、
解除
する場合には
解除
する旨の
書面
を
収税官吏
に
交付
することにいたしております。 次は
強制執行続行
の
決定
の
申請
でありますが、
滞納処分
が
有体動産
を差し押えたまま長く
換価
その他の
手続
に
進行
いたしませんで、その間
一般債権者
が待っていなければならないということが従来非難されておりますので、
本条
は、差し押え
債権者
または
執行力
のある正本によって
配当
を
要求
する
債権者
が、
本条
各号に掲げる場合に、
執行裁判所
に対して、後に行われた
強制執行
を
続行
する旨の
裁判
を求めることができることといたしております。すなわち、二重差し押えがあった場合に、先行する
滞納処分
の
手続
が
財産
の
換価
を見るに至らないで停滞いたしますと、差し押え
債権者等
の
権利
の実現を不当におくらせることになりますので、
換価手続
の
促進
をはかる必要があるからであります。この点は、
強制執行手続
におきましては、差し押え
債権者
の行う
強制執行
が停止されましても、後に
照査手続
をした
債権者
があります場合には
競売手続
の
進行
が停止されないことになっているのと同じ
考慮
に基くものであります。
本条
第一号中「
法令
の
規定
」というのは、たとえば
予定納税額
についての
公売
の
特例
を定めております
所得税法
第二十五条ノ五第二項の
規定等
のように、
一定期間
内の
公売
の
制限
を定めている
法令
の
規定
を指している。それから次に「これに基く
処分
」とありますのは、
国税徴収法
第十二条ノ二第一項、第三十一条ノ二第三項等の
規定
による
滞納処分
の
執行
の猶予または
続行
の
停止等
の
処分
をさしておるのでございます。 第八条による
申請
がありました場合に第九条による
決定
が行われるわけでありますが、第九条第一項におきまして、
執行裁判所
は前条の
申請
があった場合において相当と認めるときは
強制執行
を
続行
する旨の
決定
をしなければならないものといたしております。
申請
があれば必ず
強制執行
を
続行
する、すなわち
滞納処分
の方の
手続
をとめて
強制執行
の方の
手続
を
進行
していくような
決定
をするとは限らないのであります。
裁判所
が相当と認めたときに
強制執行
を
続行
する
決定
をするということになっております。どういう場合に
強制執行
を
続行
することを相当とするかは、
裁判所
が
具体的事件ごと
に、
換価手続
を
促進
することによって生ずるあらゆる
利害得失
を
考慮
いたしまして
決定
することになると思うのであります。たとえば、差し押え物を
換価
いたしましても先行する
滞納処分
による差し押えにかかる
租税等
の
公課
及び
滞納処分手続
において
交付
が求められております
公課
及び
手続費用等
を弁済すると剰余がないというような場合、あるいは
滞納処分手続
が近く
進行
することが明らかである場合、または適当な
見積り価格
が付されている物件について買い受け
希望者
がないために
公売
が遅延しているような場合には、
強制執行
を
続行
することが相当でないと解すべきものと思うのであります。その他、
裁判所
が
強制執行
の
続行
を相当と判断するにつきましては、
国税徴収法
によるいろいろな政策上の
配慮
、
徴税技術
上の
考慮
というものと私
債権者
の
債権
の満足という
要求
との調和を考えるということになろうかと思います。 第二項は、
強制執行続行
の
決定
は
収税官吏
の意見を聞いた上ですることになっております。 第三項は、
続行
の
決定
の
効力発生
の時期を明らかにする必要がございますので、
収税官吏
に告知するときにこの
決定
が
効力
を生じ、自後
強制執行
の
手続
に移るということにいたしたのであります。 第四項は、
手続
の遅延を避けるために、
強制執行
を
続行
するという
決定
に対しては
不服申し立て
を許さないことにしておりますが、第八条の
申請
を却下する
裁判
をした場合には、
民事訴訟法
の
規定
によりまして
即時抗告
が許されることはもちろんでございます。 次の第十条の第一項は、九条による
強制執行続行
の
決定
があった場合の
効果
を定めたものであります。
続行
の
決定
がありますと、この
法律
の
適用
については、
滞納処分
による差し押えは
強制執行
による差し押えの
あと
になされたものとみなされます結果、
強制執行
が先に行われた場合に関する第二十二条から二十七条までの
規定
の
適用
を見ることになるわけであります。 第二項は、この場合現実には
執行吏
が差し押え物を
占有
しておりませんので、
続行
の
決定
がありますと
収税官吏
はその
有体動産
を
執行吏
に引き渡さなければならないということを定めたものであります。 第三項は、
続行
の
決定
がありました場合には、
滞納処分
による差し押えのもとになりました
租税
その他の
公課
は、その
滞納処分手続
において
徴収
することはできなくなるのでありますが、他面、
続行
される
強制執行
の方でも当然には顧慮をされることにはなりませんので、
換価金
から
租税等
の
交付
を受けようとするときには、
一般
の場合と
同様交付要求
の
手続
が必要であることを定めた注意的な
規定
でございます。 第四項は、
国税徴収法
の第二条第二項あるいは
地方税法
の第十一五条第二項等によりましては、
国税
、
地方税
その他の
公課等
の
相互
の間では、いわゆる
先着手主義
をとっておりまして、先に
滞納処分
に着手した基本たる
租税
または
徴収金
は先立つことになっておるのでありますが、
強制執行続行
の
決定
がありました場合に、これらの
租税
または
公課
の
交付要求相互
間の
順位
につきまして、その優劣の
順位
を変更することは適当でございませんので、そのままの
順位
を保つことといたしたのであります。 第十一条は、先に
滞納処分
による差し押えがされておる場合に、後に仮差し押えがありました場合の
執行
につきましても、
強制執行
による差し押えをする場合に準じて取り扱うことを定めたものであります。仮差し押えの
執行手続
におきましては、
原則
として仮差し押えの
目的物
を
換価
いたしませんで、従いまして、
執行吏
が
収税官吏等
から
交付
を受けた
公売代金等
の
残余
の
取扱い
は、六条の第二項の
規定
によることができませんので、この
残余金
を、仮差し押えの
執行
がされている
有体動産
を他の
債権
に基く本
執行
によって
換価
して得た場合の
売得金
と同様に取り扱いまして、仮差し押え
債権者
に
配当
すべき額はこれを供託し、なお
残り
があれば
債務者
に返還するということになるわけであります。 次の第十二条以下は、
不動産
または
船舶
に対する
強制執行
でありますが、これもやはり
滞納処分
が先行する場合の
規定
でございます。 まず第十二条でありますが、第一項は、
滞納処分
が行われておる
不動産
に対し重複して
強制競売
の
開始決定
をし
強制執行
による差し押えの
効力
を生じさせることができることを明らかにいたしております。 第二項は、
収税官吏等
が
滞納処分
による差し押え後に
競売手続開始
の
決定
があったことを知る必要がありますので、
執行裁判所
からその
通知
をすることを定めております。 次に第十三条でありますが、これも、
動産
の場合と同様に、二重の差し押えがありました場合に、それぞれの
手続
を別個に
進行
することは
混乱
を生じますので、後に行われた
強制執行
の
手続
は
進行
をとどめるということになるわけでございます。 次の第十四条、これも、
動産
の場合と同様、
滞納処分
による差し押えが
解除
された場合に、そのことを
執行裁判所
に
通知
する旨を定めております。 第十五条、これもまた、
滞納処分
後に行われました
不動産
に対する
強制執行
が
申し立て
の
取り下げ等
によりまして完結いたしましたときに、その旨を
収税官吏
に
通知
することを定めたものであります。
動産
の場合の
規定
と照応するものでございます。 次の第十六条は、
公売処分
が
進行
いたしまして、
不動産
を
換価
し
権利移転
の
登記
をいたします場合には、
登記官吏
は
競売
の
申し立て
があったことの
登記
を
職権
で抹消すべきことを定めたのであります。二重に差し押えいたしましても、
滞納処分
の方は
進行
して
目的物
が
公売
により
売却
されてしまった後には、差し押えは当然終了するわけでありまして、差し押えの
登記
を残しておくことは無
意味
でありますから、これを
職権
で抹消することといたしたのであります。 次の第十七条でありますが、これも、
動産
の場合と同様に、
滞納処分
による差し押え後に
強制執行
による差し押えが行われた場合、
公売代金
の
残り
があれば
執行裁判所
にこれを
交付
すること、また
滞納処分
が先行するにかかわらず
強制執行
の方を
続行
する場合の八条から十条までの
規定
を
不動産
に準用いたしております。 次の第十八条は、
滞納処分
の後に仮差し押えが行われた場合の
規定
でありますが、第一項におきまして、仮差し押えの
執行
をした
裁判所
はこの旨を
収税官吏
に
通知
することを定めております。また、第二項は、
滞納処分
による
売却代金
の
残余
の
交付
について、
有体動産
に対する仮差し押えの
執行
の場合の六条第一項と同
趣旨
の
規定
を設けております。第三項は、この
規定
によって
裁判所
が
交付
を受けました
公売代金
の
残余
を
民事訴訟法
の
一般
の
取扱い
に従って仮差し押え
債権者
のために処理することができるようにするための
規定
でありまして、
動産
の場合の十一条二項と同
趣旨
のものでございます。第四項も十五条と同
趣旨
の
規定
でございます。 次に、第十九条は、
滞納処分
による差し押えがされている
船舶
で
登記
されるものに対する
強制執行
または仮差し押えの
執行
に関する
規定
でございます、ここに申します
登記
される
船舶
とは、
船舶
の中で、商法に
規定
しております
はしけ
その他
推進機
によらない小さな船あるいは総トン数二十トン
未満
、石数二百石
未満
の
船舶等
は除外されることになるわけであります。これらの
船舶
のうち、
はしけ等民事訴訟法
上
有体動産
として取り扱われるものにつきましては、この
法律
のうちの
有体動産
に関する
調整
の
規定
が
適用
になるわけでございます。 第二十条は
競売法
による
競売
の
手続
であります。これも、
滞納処分
が行われました後に
不動産
または
船舶
について
競売法
による
競売
の
手続
をいたします場合には、後に
強制執行
する場合の
規定
を準用いたしております。 次に、第三章、第二十一条以下は
強制執行
の方が先行する場合の
規定
でございまして、まず第二十一条で
強制執行
による差し押えが先行しておる
有体動産
に対する
滞納処分
の差し押えの
方法
を定めております。これは第三条の
滞納処分
が先行する場合に照応して
規定
が設けられておるわけであります。 次の第二十二条は
公売手続
の
制限
の
規定
でございまして、これも
同様二つ
の
手続
を同時に
進行
することがないようにという
配慮
でございます。 第二十三条は、
強制執行
の後に
滞納処分
の差し押えがありました場合に、
強制執行
による差し押えを
解除
すべきときは
有体動産
は
収税官吏
に引き渡すということを定めたものであります。第五条第一項の本文に対応する
規定
でございます。 次の第二十四条は、
滞納処分
による差し押えの
解除
の
方法
でございます。これも第七条に対応する
規定
であります。 次の第二十五条は、
滞納処分
が先行いたします場合に、第八条、第九条において、
強制執行
を
続行
する、言いかえますと、
滞納処分
の方をとめて、
あと
で行われた
強制執行
の方を
進行
させるという
手続
を設けたのに照応いたしまして、
強制執行
が先に行われております場合にも、
裁判所
の
決定
によりまして
滞納処分
の方の
手続
を
進行
することができるという余地を認めたのであります。これは、特に、悪質な
債務
君が
債権者
と通謀いたしまして仮装の
裁判
で差し押えをしたり、いわゆる三
者執行
その他の
執行妨害
が行われておりますような場合による
規定
だと存じます。 第二十六条は、ただいま申し上げました
滞納処分続行承認
の
決定
についての
規定
でございまして、
強制執行続行
の場合の第九条に対応し、ほぼ同
趣旨
の
規定
を設けておるわけであります。 第二十七条は、
滞納処分続行承認
の
決定
がありました場合の
効果
を定めたものであります。
強制執行続行
の
決定
についての順序に照応する
規定
でございます。 次の第二十八条は、仮差し押えの
目的物
に対して
滞納処分
が行われた場合の
規定
であります。
滞納処分
による差し押えは、
国税徴収法
第十九条によりまして、先行する仮差し押えにかかわらず実施することができることになっております関係から、仮差し押えの
目的物
に対して
滞納処分
が行われました場合を、
滞納処分
による差し押え後に仮差し押えの
執行
が行われた場合と同様に取り扱うことと定めたのでございます。 次の第二十九条以下は、
不動産
または
船舶
に対する
滞納処分
でありまして、これも
同様強制執行
の方が先行する場合の
規定
でございます。 第二十九条は、
収税官吏等
が
執行裁判所
に
競売手続開始
後に
滞納処分
による差し押えをしたことを
通知
すべきことを定めたものでありまして、第十二条に対応する
規定
であります。 次に、第三十条、
公売手続
の
制限
、これも
有体動産
についての第二十二条と同
趣旨
の
規定
でございます。 第三十一条、
競売手続完結
の
通知
、これも、先行する
競売手続
が
換価
に至らないで完結したことを
通知
すべき旨の
規定
でございまして、第十四条に対応するわけであります。 第三十二条は、
強制競売
による
権利移転
の
登記
が行われます場合、すなわち、
競売手続
が終りまして
不動産
または
船舶
が
競落人
の
所有
になりますと
競売
による
所有権移転
の
登記
をするわけでありますが、その場合には、
国税徴収法
の
規定
によってした
滞納処分
に関する差し押えの
登記
を残しておくことは無
意味
でありますので、
登記官吏
が
職権
で抹消することといたしております。 第三十三条は、
競売手続開始
の
決定
後に
滞納処分
による差し押えをした
不動産
について、
強制執行
による差し押えが先行しております
有体動産
に関する
規定
のうち
滞納処分続行承認
の
決定等
に関する
規定
を準用することといたしております。 次の第三十四条でありますが、これは仮差し押えの
執行
がありました後に
滞納処分
による差し押えをした場合の
有体動産
に関する二十八条と同
趣旨
の
規定
でありまして 第十八条の
規定
を準用しておるのであります。 次の三十五条は
船舶
に対する
滞納処分
であります。
強制執行
または仮差し押えの
執行
が先行しております
船舶
で
登記
することのできるものに対して
滞納処分
による差し押えをした場合の
取扱い
を、
強制執行
または仮差し押えの
執行
がされている
不動産
に対して
滞納処分
による差し押えをした場合の
取扱い
と同様にするごとといたしまして、二十九条から三十四条までの
規定
を準用いたしております。 次の三十六条は、
競売法
による
競売手続開始
の
決定
があった
不動産
または
船舶
に対して
滞納処分
による差し押えが後に行われた場合の
規定
でございまして、
強制執行
が先行しておる場合に準じて取り扱うことといたしたのであります。 第三十七条は
政令等
への委任の
規定
でございまして この
法律
の実施のために必要な
細目
を
政令
または
最高裁判所規則
の定めるところに委任するごとといたしております。すなわち、
滞納処分
に関する
事項
は
政令
で定め、また
強制執行
、仮差し押えの
執行
及び
競売
に関する
事項
の
細目
は
最高裁判所規則
で定めるということにいたしております。
附則
の第一項は
施行期日
でありまして、これは相当な
周知期間
が必要でございますので、
施行期日
を本年の十月一日からと定めております。 次の
附則
の第二項は、
不動産
または
登記
される
船舶
に対しましては、現在の
実務
の上では、
滞納処分
による差し押えが先行しておりましても仮差し押えの
執行
を認める
取扱い
をしておりますので、この
法律施行
の際にこのような仮差し押えの
執行
がされております場合にも、この
法律施行
後仮差し押えが行われた場合と同様の
取扱い
をしようとするものであります。 第三項は、この
法律施行
の際に
有体動産
、
不動産
または
登記
される
船舶
に対して仮差し押えの
執行
後に
滞納処分
による差し押えがされている場合につきましても、その
滞納処分
による差し押えがこの
法律施行
後にされた場合と同様に扱うという
趣旨
でございます。 以上をもちまして逐条的な御説明を終ります。
三田村武夫
3
○三田村
委員長
以上で
逐条説明
は終りました。 質疑に入ります。椎名隆君。
椎名隆
4
○椎名(隆)委員 大ざっぱに二、三お伺いしたいと思いますが、
滞納処分
と
強制執行等
との
手続
の
調整
に関する
法律案
の目的はどこにあるのですか。
村上朝一
5
○
村上
(朝)
政府委員
従来
滞納処分
の
手続
と
強制執行
の
手続
とを同一の
財産
に対して同時に行うことはできないという解釈が広く行われておるのでありまして、一部には二重に差し押えができるという下級
裁判所
の判例等もございますけれども、
一般
的にはできないという解釈が広く行われております。そのことが私
債権
の迅速な満足を得る上に大きな障害になっておるということが
一般
に言われております。これは、
滞納処分
が行われますと二重に差し押えができないということでありまして、
滞納処分
による差し押えがあります間は、
債権者
は
強制執行
の
手続
あるいは
競売法
による
競売
の
手続
を差し控えて、
滞納処分
の
解除
になるのを待っておるわけでありますが、
解除
になりましたとたんに
債務者
は
目的物
を
処分
してしまう、そのことによって
債権者
はその
財産
から
債権
の満足を受けることができないということがございますし、また、
滞納処分
が
進行
いたしまして
目的物
が
換価
されました場合にも、現行法上その
売得金
に余裕がありますと
滞納者
に返されてしまうのでありまして、
債権者
が直ちにその
残余
について弁済を受けることができないというようなことになるわけでございます。また、
租税
の
徴収
の立場から申しましても、
債務者
が差し押えを受けております間は
滞納処分
が実施できない、差し押えが
解除
された直後それが
処分
されてしまうというようなことがございます。ただ、
租税
の方は、
強制執行
によって
換価
が行われました場合にも、
原則
として優先的に
交付
を受けることができることになっておりますので、
滞納処分
についての
収税官吏
の立場からする不満はそう大きくなかったように思いますが、
一般債権者
の側からする不満はかなり古くから強くその改善を要望する声となっておったのであります。主としてかような
意味
から、重復して
執行
することができないということに上る私
債権
の実行の障害を取り除くことが、この
法律案
の目的でございます。
椎名隆
6
○椎名(隆)委員 そうすると、この
規定
は私
債権者
保護のための
規定
でございますか。
村上朝一
7
○
村上
(朝)
政府委員
法律
によって与えられております私法上の
権利
というものは、できるだけすみやかに国家機関による保護が与えられる、判決
手続
なり
執行手続
によって適正迅速な保護が与えられるということが、司法秩序を維持する上におきまして、法治国として最も望ましいことなのでありますが、遺憾ながら、いろいろな障害がございまして、
権利
の実現ということが迅速に能率的に行われているとは申しがたい実情にございますが、それらの障害の一つを取り除くという
意味
でございまして、
債権者
を保護すると申しますと、やや
債務者
の犠牲において
債権者
を保護するというような感じを受けるのでありますが、そういう
意味
ではないのであります。本来あるべき
権利
の国家機関による実現というものを、なるべくすみやかに能率的に行うということがねらいでございます。
椎名隆
8
○椎名(隆)委員 本法の
適用
せられるものは、大企業ではなくて大体が
中小企業者
であろうと思います。その
中小企業者
は保護育成していかなければならない。ところが、今までは
強制執行
なら
強制執行
だけ、
滞納処分
なら
滞納処分
だけを受けていたとするならば、その
中小企業者
も、あるいは
債権
の取り立てもより適当な時期さえ与えてもらえさえするなれば生き返ることができたにもかかわらず、
滞納処分
あるいは
強制執行
を受けているところへ、さらにまた
強制執行
、
滞納処分
を受けるとするなれば、その
中小企業者
は今度永久に破産状態にならざるを得ないと私は思う。今までは、この
規定
のない限りにおきましては、ある程度まで生き返られたにもかかわらず、この
規定
ができたために、
中小企業者
が回復すべからざる窮地に追いやられるというふうになると思われますが、どんなものでございましょう。
村上朝一
9
○
村上
(朝)
政府委員
この
法律
が実施されますと中小企業が窮地に追い込まれるおそれはないかという御質問でございますが、中小企業といえども、ある営業をやっております者は、
債務
だけ負担しているわけではないのでありまして
債務
を負担する反面、
債権
も持っており、その
債権
の取り立てができないために困っている中小企業も多数あるのでございます。
権利
というものはできるだけすみやかに国家機関による実現がはかられるということは、中小企業、大企業を問わず、
法律
秩序を維持し、経済を健全にするゆえんではないかと考えるのでございます。中小企業が抵当権を設定して金融を受けるというような場合にも、抵当権実行上いろいろ障害がございますと金融を受けることが困難になるわけでありましてそれらの障害が除かれますことは金融を受ける便宜を増加することになるわけでございます。この
法律
の実施によりまして特に中小企業が不利益な立場に追い込まれるというふうには考えておりません。
椎名隆
10
○椎名(隆)委員 それは、御答弁の通り、
債務
もあれば
債権
もあります。では、この差し押え
目的物
件の中に、
動産
、
不動産
、
船舶
だけを入れて、
債権
も除外されていれば、あるいは
自動車
抵当、工場
財産
等も除外されておりますが、なぜ除外されましたか。
村上朝一
11
○
村上
(朝)
政府委員
債権
、特に
金銭
債権
につきましては、
債権
が差し押えの
目的物
になる場合には、
一般
私
債権者
が差し押えする場合でも、また
収税官吏
が差し押えする場合におきましても、取り立てる必要のある額の限度で差し押えるのでございまして、特に重複差し押えというような問題が起きる余地は少いのであります。この
法律案
は特に
滞納処分手続
と
強制執行手続
との
調整
の必要の多いものにつきまして
規定
をいたしたのでありまして、理論的にこれを一貫するということになりますと、あらゆる
財産
に対する
執行
について
規定
を設けるということになりますけれども、比較的必要の乏しいものにつきましてはこの際見送るという
趣旨
で、必要の強いものだけについて
規定
したのでございます。
椎名隆
12
○椎名(隆)委員 ことにこの第八条でございますが、
滞納処分
をやり、そうして今度
あと
から
強制執行
をやった場合、おそらく
強制執行
をなした者は
続行
の
申し立て
をどんどんするだろうと思う。
強制執行
の
続行
の
申し立て
をすると、いわゆる
滞納処分
に先んじてやる。これは、かりに弁護士さんなら弁護士さんがこの事件を受け合ったとするならば、少くとも
強制執行続行
の
申請
ということは当然その中に含まれる。そうして結局は
続行
の
申請
をすることによって
中小企業者
の死期を早めるのではないかというふうに考えるのです。なるほどそれに対しては
裁判所
はある程度の裁量をする余地はありますが、ここのところは許すことになるだろうと思うのです。そうすると、
滞納処分
されている連中は、
強制執行
があれば
強制執行
の
続行
の
申請
によってでき得る限り死期を早めるような
方法
になると考えるのですが、どんなものですか。それは必ず
続行
の
申請
が私は出ると思います。
村上朝一
13
○
村上
(朝)
政府委員
続行
の
申請
がありました場合に、
裁判所
が必ず
続行
決定
をするわけではないのでございまして、第九条の第一項にありますように、相当と認めた場合に
続行
の
決定
をするということになっておりますので、この
規定
によって不当に
債務者
を苦しめるというおそれはないものと考えますが、ただ、
租税
の滞納をしない、従って
滞納処分
の行われていない
債務者
につきましては、
債務者
自身にどんな苦しい事情がありましても
強制執行
は進められていくのでございましてたまたま
滞納処分
を受けていた
債務者
だけについて
強制執行
の方をとめておくということは理論的な
意味
に乏しいのではないか、かように考えるわけであります。
椎名隆
14
○椎名(隆)委員 それから、
収税官吏
によって差し押え物件はおそらく価額の見積りが出てくるだろうと思います。それと同時に、
収税官吏
の
競売
価額の見積りは、後に押えた
強制執行
の場合において、
執行吏
も
収税官吏
が見積った価額に縛られますか、それとも
収税官吏
が見積った見積り価額と
執行吏
が見積った見積り価額とは違う場合があるか、どうなんでございましょうか。
村上朝一
15
○
村上
(朝)
政府委員
滞納処分
が先行いたしまして、
収税官吏
が
目的物
の見積りをした後に
裁判所
の
続行
決定
がありまして、その
強制執行
の
手続
の方を
進行
をいたします場合には、
目的物
の
換価
は
強制執行手続
の
規定
によってやるわけでありまして、従いまして、
不動産
なら
裁判所
が新たに鑑定人を選任いたしまして評価をさせまして、その評価額が最低
競売
価額として
手続
が進められるということになるわけであります。
椎名隆
16
○椎名(隆)委員 最近新聞等においてもよく現われておりますが、差し押え物件の
競売
の場合、いわゆる競落ボスという連中が非常におりまして、
債務者
は財政上苦しんでいるにもかかわらず、なお競落ボスによって苦しめられるという現状がしばしば発見されております。こういうような点について何か御
考慮
はありませんか。
村上朝一
17
○
村上
(朝)
政府委員
強制執行
あるいは
競売
の
手続
におきましても、また
国税徴収法
による
滞納処分
の
手続
におきましても、
競売
あるいは
公売
、すなわち
換価
の
手続
が円滑に理想通り行われていないことは御承知の通りでありまして、
競売
ボスと申しますか、職業的に
競売
場にもっぱら出入りする者がおりまして、そのために
一般
人の競落が容易ではない、従って
売却
価格も不当に低兼な場合が少くないということは聞いておるのでございますが、これらにつきましては、現行
規定
の運用上もいろいろ改善の余地があろうかと存じますが、制度といたしましても、この
換価
をもっと能率的に円滑にするということは検討を加える必要があると存じまして、ただいま法務省におきましても法制審議会が、
強制執行
部会におきまして、重要な問題点の一つとして取り上げて検討中でございます。また大蔵省におきましても
租税
徴収
制度調査会におきましてこの問題を検討中でございます。
三田村武夫
18
○三田村
委員長
本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二分散会