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山口説明員 今回のインフルエンザの
学校における流行の状況は、先ほど
文部省から御報告があった通りでございまして、非常に多数の
学校が休校のやむなきに至ったということでございますが、これらに対する対策といたしましては、今回の流行が五月の十日ごろから東京
地方に多く発生いたしましたことに始まっておるのでございますが、詳しく調べますと、その前からも出ていたようでございます。いずれにいたしましても、流行が始まると同時に、私
どもの方は
文部省と連絡をとりながら、
学校に対する対策をいろいろ御相談をしながら手を打って参ったわけでございます。それにつきまして、先ほど河野先生から、不徹底の点が多かったという御
指摘を受けたのでございましたが、私
どもの方では、再三
文部省からも来ていただき、また私
どもの方からも電話その他によって連絡をして対策を進めて参ったわけでございます。今後の問題におきましても、先ほど文都省からお答えになりましたように、緊密に連絡をしながらやって参りたいと存じておりまして、具体的には厚生省に伝染病予防調査会というものを設けてございますが、その中にインフルエンザ特別部会を設けまして、先月の二十一日と二十八日、これは今後の対策についての問題でございますが、協議をいたしまして、さらに今月の十二日と十八日に
会議を持つ予定にいたしているわけでございます。先ほど御
指摘の、ことしの秋の流行を見越してかかった方がいいという学者の発言があって、それに対して各
地方では非常に混乱を来たしているという御
指摘があったのでございます。この問題につきましては、私
どもも、ああいう新聞記事が出ましてから、たびたび御
指摘を受けているわけでございます。横浜医大の学長の高木先生の御意見が発表され、また小島衛生
研究所長と共同で声明書を出されたというようなことが新聞に出まして、非常に事が重大だというふうに
考えたわけでございますが、私直接その後高木学長、あるいは小島所長にお会いをいたしまして、そうしてその真意を
お尋ねしたのでありますが、その新聞に出ました声明書というようなものは別に出しておられないということでございました。ただ、ただいま河野先生からも御
指摘がございましたように、理論的には軽微の感染によって免疫が得られる、そういうことが
考えられるということは、高木先生も小島先生も
考えてはおられるようでございます。しかしながら、それを実際に
行政に移します場合に、そういう論拠に立って、かかった方がいいというふうに積極的に
考えることは当を得ないことであるというふうに、お二人とも言っておられるわけでございまして、高木先生は、特にあのときの状態で
学校全体を休ませる必要があるかどうかということに疑問を持っておる、学級閉鎖ということで逐次進んでいったらどうだろうというような
考えを持っていられたわけであります。
文部省から先ほどお答えがございましたように、大体四日間くらい休校期間をきめて休校さした方がいいだろうというように、期間までもきめて通達が出ましたのはその後の問題でございます。
関係の学者の
方々も、決して
行政的にそういうふうにやった方がいいということは
考えていないというような釈明もございまして、御
指摘のように秋に流行するかどうかということにつきましては、私
どもの方で開いております伝染病予防調査会におきましては、大部分の
方々が、大体ことしの秋から冬にかけて流行する可能性が多いということはおっしゃっているのでございますが、それも仮定の問題でございます。また、たとい軽い免疫を得られるにいたしましても、それから、たとい二日間、三日間という短期間でございましても、
相当の高熱を出します
関係から、かかるということが全然
影響のないという問題でもございません。これは私
ども行政当局といたしましては、
文部省も厚生省も、あるいは各
地方庁もともに、何とかして罹患をしないような方策を講ずる、そのために必要とあらば、
学校においては学級閉鎖なり休校というような措置をとっていただくことが必要であるというふうに
考えております。そういうことが問題になりましたことは私
ども承知をいたしておりますし、また先月の十日に参議院の社会労働
委員会においても、小島先生が初めややそういう発言をされまして問題になったのでございますが、小島先生がはっきりそれを取り消しておられますので、その点今後は、
地方に混乱を起させないように、
文部省と連絡をとって
指導して参りたい、そういうふうに
考えます。