○
天城説明員 お
手元に配付いたしました
文部省所管昭和三十二
年度予算要求額事項別表、これに基きまして御
説明いたします。なお別刷りで三十二
年度の
予算事項別内訳を添付いたしましたので、
事項によっては、
内訳を
別紙の方でごらんを願いたいと思います。
第一の
事項は、
義務教育費国庫負担金でございます。
明年度八百四十七億要求いたしておりまして、増七十七億五千万でございます。この
内訳につきまして
別紙の
内訳をごらん願いたいと思いますが、この七十七億の増の大ざっぱな
内訳でございますけれども、まず明年から予定されております
給与改訂に要する
経費が四十四億九千七百万、これは現在のベースに対しまして大体六・二%
アップを見込んでおります。
次は普通の
昇給財源でございます。これが約二十億、この
考え方は、大体従来と同じものを踏襲いたしまして、年間の
昇給率を四%と考えまして、それに要する
財源を二%、こういう計算をいたしております。
給与単価については、別にあとに
資料を載せてございます。
期末手当の
増額、これは昨年末いわゆる〇・一五の
増加がございましたが、これに伴う平
年度化した
経費でございます。
教職員の
増加に伴う
経費が一億五千万、これは別に
資料がございますが、約千四百名の
教員増に見合う増でございます。
次の
学歴是正給与法の
実施、前
国会で
給与法の
改正が行われまして、いわゆる
高額所得者の
給与是正が
実施される段階に至っております。これは大体旧大二号、新大一号の線でございますが、それの
実施が見込んで八千五百万円。
次に
僻地手当の
増額でございますが、これは昨年の
年度中に、従来の
僻地手当の支給が定額から定率に変りましたので、それに対応した増を三千五百万見込んでございます。
薪炭手当の計上も、新しい
給与制度の
費目増加に見合う
経費でございます。
次は
恩給費でございますが、
恩給費は三十一
年度から
実施しておりますが、その
負担金を五千万円
増加いたしております。
教材費でございますが、
児童の
増減がございまして、それに見合った
数字の結果でございまして、三百万円の減になっております。
三番目以下に大体算出の
基礎が載っておりますので、簡単に申し上げますと、明年は
小学校児童におきまして、三十四万八千の
増加が見込まれておるのに対して、
中学校におきましては、逆に二十三万九千の減が見込まれておるわけでございます。その結果
総体といたしましては、若干ふえますけれども、その
基礎数字に基きまして、
学級数を推計し、二枚目に入りますが、
教員数を推計したわけでございますが、
小学校では約五千人の増、逆に
中学校では約三千七百人ばかり減がありまして、プラス、マイナスいたしまして千四百六十五名の
教員の増を見込まれておるわけでございます。
給与単価につきましては、
政令該当の
一般県と非該当の県とありますが、
一般県につきましては、先ほど申しましたように、二%の
昇給財源を見込んでおりますが、
出発点は、昨年の十月一日の現在
給与を
出発点にいたしまして、それに先ほど申しました
給与改訂に伴う
アップ率六・二%を見込み、
昇給財源を二%加える、こういう
考え方で算出いたしましたのが、ここにございます
給与単価の
金額でございます。
第二番目は
教育委員会の
育成強化の
経費でございます。これは前
年度に対しまして、約七百四十万
増加いたしておりますが、その中に新しい
事項が四つ含まれております。
一つは
地方教育行政職員の
研修に要する
経費でございますが、
改正後の
地方教育行政の行き方に対しまして、特に
行政職員の
研修をいたしたい、こう考えまして、大体六週
同程度の
講習会を中央において開催いたしたいと考えておる
経費でございます。
二番目の
市町村教育委員会の
指導調査も、
改正後の
地方教育の
運営を円滑にするために、国からの
指導及び県から
市町村に対する
指導、こういうことが新しく規定されたわけでございますが、これに要します
経費でございます。
それから三番目の
広報波動、これは
従末文師広報を発行いたしておりましたが、これに二百万円ほど
増加いたしまして、たとえば
予算あるいは
法律等の制定に対しまして、広報的な
広報活動をいたしたいというので、新たに
増加いたした
経費でございます。
四番目の
教育委員会運営指導は従来からの
標準経費でございます。
第三の
科学技術教育の
振興という項でございますが、中味はいろいろございます。
最初に
理科教育の
振興、これは
御存じの
理科教育振興法に基きます
地方団体に対する国の
補助金でございます。大体従来の
年次計画に基きまして
予算を積算いたしておりますが、前
年度に比べて約二千二百万ほど
増加いたしております。
次の
産業教育の
振興、これも同じく
産業教育振興法に基く
補助金でございますが、
理科と同様若干
増加いたしまして、七億二千万計上いたしました。この
補助金は
備考欄にございますように分かれておりまして、それぞれの
経費につきましては、従来に比して若干の違いがございます。たとえば
高等学校におきましては、
施設の
補助が
設備に比べて若干おくれておりましたので、
明年度は
施設の方に力を入れまして、二億三千万円、前
年度は一億三千五百万でございます。これに
一つの
重点をおきました。
それから
実習船の
建造費補助金、これは
公立の
水産高等学校の
実習船の建造に要する
経費でございますが、従来
大型船の
計画を進めておりましたが一段落いたしましたので、
明年度は中型、小型大体三隻くらいを見込んでおりますので、
金額的には前
年度の
金額の約半分くらいに落ちております。
これに対しまして四番目の
中学校研究指定校補助金、これは
中学校の
産業教育の
設備につきまして、
研究指定校という形で
補助申請をしておりましたが、これも
高等学校に比べてややおくれておる面がございましたので、
明年度は
中学校に
重点を置きまして、六千万円を計上いたしました。前
年度は二千五百万円でございましたので、約二倍以上の
金額を計上いたしたわけでございます。
第三番目は、
科学研究費等の
拡充でございます。これは
総額におきまして十三億一千四百万円で、七千三百万円の
増加でございますが、これも
備考欄にございますように、
事項が幾つかに分れております。
一つは
科学研究費交付金、前
年度は
科学研究費交付金と
化学研究促進のための
経費と
二つに分れておりましたが、これを一本にいたしまして、約一億の
増加を見込みました。
二番目の
科学試験研究費補助金、これも約二千五百万円ほど前
年度に比べて
増加いたしております。
研究成果刊行費補助金、及び
輸入機械及び
図書購入費補助金、それから
民間学術研究団体補助金、これは東洋文庫とか、あるいは
徳川生物学研究所、あるいは
労働科学研究所等、民間の優秀な
学術団体に対する
補助金でございます。
第四番目は、
在外研究員の派遣でございます。これは
国立大学の
教官の、いわゆる海外の
留学生として派遣する場合の
経費でございますが、従来七千万円
程度で、なかなか伸び悩んでおりました
経費でございますが、特に学問の
国際的交流という面から
増額をいたしまして、一億という
金額になっております。この一億に伴います
派遣人員等につきましては、
大学側の
要望等もございますので、よく打ち合せてなお決定いたしたいと思って、現在のところはまだ確定的にきまっておりません。
第五番目は、
国際地球観測年事業でございます。
御存じのように、三十二年はこの
事業の本
観測の年に該当いたしておりますので、これに必要な
経費を計上いたしたわけでございますが、
総額におきまして八億五千万円、前
年度に対して約一億五千万円ほど減になっておりますが、これは
備考欄の(3)の
南極地域観測の
経費におきまして、前
年度、
観測船宗谷の
改装経費を見込んでおりましたが、それが本
年度は不要になって落ちたために、
総体においては減になっておりますが、
国内観測、
ロケット観測、
南極地域の
観測、それぞれ
観測経費としては必要な分を見込んで、実質的には増を考えたわけでございます。
第六番目の
私立大学研究設備助成、これは従来から継続しておる
経費でございますが、本
年度は五千万円の
増加を見まして、八千八百万円を要求いたしております。これは
大学におきます
基礎研究の
設備費の
補助金でございます。
第七番目は、
私立大学理科特別助成、これは三十一
年度から新たに計上いたした
経費でございますが、前
年度と同額でございます。上の
研究諸
設備に対しまして、これは
理工系の
教育面の
助成という
意味の
経費でございます。
第四番目の
育英及び
学徒援護事業の
拡充でございますが、まず
育英会の
経費でございます。
育英会の
貸付金は四十一億でございまして、
金額的には前
年度と大差はございませんが、
中身で二、三申し上げておきたいことは、
高等学校の
奨学金が、従来千円口と七百円口と
二つございましたが、
明年度から全部千円にこれをそろえたいと考えております。それに要する
経費の
増加分が約八千八百万円ほど見込まれております。その他
大学の二千円口、三千円口の二口がございますのを、三千円口を
増加していくというようなことを中心に考えておりまして、
採用者の
比率、数等については特に
増減はございません。それからその
事務費補助金でございますが、
返還事務がだんだん忙しくなって参りますと同時に、
返還事務を促進するために必要な
事務費を計上したのでございます。
二番目の
学徒援護会補助金でございますが、これは
学生のアルバイトのあっせん、あるいは
学生の宿舎をやっております
系統団体の
補助金でございますが、
明年度宿舎の修理とか、あるいは神戸に新しい
学生相談所を設けるというようなことを見込んだ
経費でございます。
第五番目の私学の
助成でございますが、これは二ページに移りまして、
中身が四つに分れております。(1)(2)の
私立大学研究設備助成及び
理科特別助成は、それぞれ
科学技術の
振興のところで申し上げまして、
備考としてここに再出した、わけでございます。
(3)の
私立学校教職員共済組合補助でございますが、現在約六万二、三千の
組合員がございますが、この
組合に対する
事業費について給付の百分の十五を国で
補助することになっておりますが、前
年度の実績に基きましてこれを約三千五百万円、それから、その他
事務費で約二千五百万円を計上いたしております。
(4)の
私立学校振興会出資でございますが、これは二十八
年度から
政府が
出資を続けておりまして、三十一
年度までに三十六億五千万円を見込んだのでございますが、一応五十億円というような理想を持っておりますので、なお
出資を続けるわけで、
明年度は前
年度に比べて約五千万円を
増加いたしまして、八億五千万円を
出資する
経費を計上したわけでございます。
第六番目の
教育の機会均等でございますが、これは
内容が主としてそういう面に使われる
経費でございますので、一応こういう名称にいたしましたが、趣旨といたしましては
初等中等教育助成関係の
経費を計上したわけでございます。
最初は
公立養護学校教育費負担金でございます。これは二十四
国会でございましたか、特別な法案がございまして、
公立養護学校の
教員費、それから
生徒の
教材費及び建築の
施設費につきまして国がそれぞれ
助成するという
内容のものでございますが、これに基きまして、ここには
給与と
教材費の
金額を計上いたしました。お
手元に別にお配りいたしました
資料の二ページのところの(2)
養護学校教育費国庫負担金の概要がございますが、
明年度公立養護学校に新しくかわるもの及び設立されるものを見込みまして、大体本校十四校、分校三校というものを
対象にした
経費を計上したものでございます。
内訳は
別紙のところに記載してございます。
その次は準要
保護児童生徒対策で、前
年度一億八千万円に対しまして、二億九千万円を計上いたしました。
備考欄にございますように、
事項は
二つでございまして、
一つは
教科書を
児童生徒に無償で供与いたします
補助金と、
学校給食の
補助金でございます。両方とも前
年度小学縦児童のみを
対象といたしまして発足いたしたわけでございますが、
明年度からは
中学校の
施設をも
対象に加え、かつ
比率を若干ふやしまして、
教科書におきまして一・九%、約三十五万の
児童生徒を
対象に考え、
給食におきましても一%を
対象といたしまして、約七万の
児童生徒をこの
経費によって
補助したい、こう考えております。
第三番目は、
高等学校の
定時制教育関係の
振興経費でございます。
備考欄でごらん願いたいと思いますが、(1)の
定時制教育の
設備費の
補助金と、(2)の
通信教育運営費の
補助金、これは
振興法に基き従来から継続されております
補助金でございますが、大体前
年度と同じ
程度の
経費でございます。それから(3)の
給食施設設備の
整備、これは前
国会におきまして立法がございましたが、それに基きまして本
年度から
実施する
経費でございます。大体
整備計画といたしましては、この
内訳表の四枚目にございますが、二百校を
対象といたしまして、
給食の
施設及び
設備を
整備したい、こういう
経費でございます。(4)の
定時制高等学校の
施設の
整備でございますが、これは五千万円このたび新たに計上いたした
補助金でございます。
備考といたしましては、
予算書の上では
公立文教施設に計上されてございます。
それから
事項の(4)に戻りまして、
学校図書館設備の
整備でございますが、これも
学校図書館法に基きます国の小、
中学校に対する
助成でございますけれども、これは
年次計画を若干延ばされまして、
経費が前
年度に比べて六千万円ほど落ちております。その他については特に変りはございません。
それから
事項の(5)の
特殊教育の
振興の
経費でございますが、
備考欄にございますように、(1)は
盲ろう養護学校の
児童生徒の
就学奨励費でございます。先ほど申し上げましたように、
養護学校につきましても、
就学奨励費の
対象に加えることが
法律に規定されましたので、新たに
養護学校分をこれに加えております。それから(2)の
特殊学級の
設備の
整備でございますが、これは
小中学校に
特殊学級が付設されておりますが、その
特殊学級の
充実をはかりたいという考えで、
設備費を
補助したい、これも新たに計上いたした
経費でございまして、八百万円で、大体百
学級を
対象にいたしております。それから(3)の
特殊教育施設整備費補助金でございますが、
数字をカッコしてございますように、これも
事項といたしましては、
公立文教施設に計上されてございますが、前に申し上げたと同じく
公立養護学校の
施設の
補助金を国で出すように
法律化されておりますので、それに伴う
経費を含めて、これは前
年度より
増額して計上してあります。
事項の(6)の
僻地教育の
振興関係の
経費、
備考をごらん願いたいと思いますが、(1)の
小学校教員の
臨時養成所、それから
小中学校教員住宅の
建設費等は、従来から継続して参った
経費でございまして、それぞれ若干
単価の
増額をいたしておる
程度でございます。(3)の
僻地教育充実費の
補助といたしまして、新たに一千万円を計上いたしましたが、これはいわゆる
僻地校で、無
電灯地帯に存在する
学校がたくさんございまして、
学校に電灯がつきません。こういうところに簡単な
自家発電装置をいたしますと、
視聴覚教材の拡張その他において、非常に
教育上利するところがあるというので、従来から考えておった
経費でございますが、
明年度大体四十カ所を
対象にいたしまして、水力ないしは火力の
自家発電の装置を
施設する
補助金を計上いたしたわけでございます。これも
備考といたしましては、
公立文教施設の
僻地関係のところに計上いたしてあります。(4)の
僻地における
集会室等の
整備費補助金でございますが、これも従来から計上しておった
経費でございます。
事項の(7)の
教科書センターの
運営費でございますが、これは大体全国六百カ所ほどに、前
年度三千万円の
経費を計上いたしまして、
教科書センターを設置する
設備費を
補助したわけでございます。これによりまして、
教科書センターが設置されたわけでございますが、これに伴います
運営費を本
年度は
補助したい、こう考えまして、
金額的には三百万円でございますけれども計上いたしました。二千七百万円の減になっておりますけれども、前
年度の三千万円と今
年度の三百万円とは
中身が異なっております。
事項(8)の
学校給食の
施設及び
設備の
経費でございますが、これは
内訳表の最後のページの(8)に
中身がございますが、
小学校四百五十校、
中学校百五十校を
対象にいたしまして、
施設及び
設備の
補助をいたす
経費でございます。これは前
年度に比べまして
数字の面で落ちておりますが、前
年度には
学校給食用の牛乳の殺菌
施設というものを、集約酪農地域に設置するという特別なものを加えておりましたので、それが前
年度限りで落ちたために、
総額においては減になっておりますが、
事業計画といたしまして、
給食関係そのものについては特別な減は見ておりません。
それから(9)の
日本学校給食会の
補助金でございますが、これは
事務費、あるいは
給与費の改訂等に伴うものを直した
程度でございます。
事項の第七番目の
文教施設の
整備でございますが、
中身は大きく国立
文教と
公立文教に分れております。国立
文教といたしましては、前
年度に比しまして七億ほど
増額されておりまして、約三十億を要求いたしました。これは
大学における
科学技術の
基礎研究の
充実というようなことと関連いたしまして、特に
重点を置いた
経費でありますが、増のおもなものは戦災復旧
関係で約二億ほど、それから
研究所の
整備で約二億、それから一般
施設の
整備といたしまして一億、こういうようなものがおもな
事項になっております。
それから
公立文教施設の
整備につきましては、
内訳表の最後に一覧表を貼付いたしてあります。それでごらんいただきたいと思いますが、若干御
説明いたしますと、
重点的に考えて参りました
経費は、第四番目の
学校統合特別
助成費
補助金でございますが、前
年度三億を計上いたしまして発足した
経費でございますが、町村合併等の進行に伴いまして特にこれを
重点に考えまして、七億一千四百万円、従って四億一千四百万円の増を見込みました。
その次は六番目の、
小学校不
正常授業解消のための
経費でございます。これも
御存じのような事情で非常に必要な
経費と考えまして、本
年度六億を見込みまして、前
年度に対して二億六千万ほどの
増加でございます。
その他、
金額的には大きな線は出ておりませんが、義務
教育年限延長に伴う建設費
負担金等につきましては、従来の線に続きまして、それぞれ
重点を置いて考えたわけでございます。
なお、△印がございますが、減は、3の戦災復旧費の
補助で、特に
小学校の一般校舎、前
年度三億七千六百万を本
年度は計上いたしてございません。これは戦後十年余を経まして、一応
小学校一般校舎の戦災としての復旧は終ってきたわけでございまして、なお若干のものは残っておりますが、これは主として都市の
関係でございますので、不正常の
経費その他で補っていくことにいたしまして、
事項としてはこれを削除いたしたわけでございます。
それと、十三番目の、災害復旧
関係の
経費、三十一年は発生災害が幸いに非常に少なかったので、本
年度に持ち越す分が非常に減ったということで、減が出ております。従って
総額におきましては大体前
年度と同額でございます。必要な面においては
重点的にいたしたつもりでございます。
事項別表に戻りまして、第八番目の、
社会教育の
助成の
経費でございます。これは
事項が六つほどあがっておりますが、一番目の青年
学級の
充実費、二番目の
社会教育施設の
設備の
充実費、この
二つにつきましては前年と同額でございます。
それから三番目の、
社会教育特別
助成でございますが、
金額的には前年と同様七千万円を計上してございますが、前
年度の七千万のうち、二千万は芸術院会館の建設の
経費という、いわばひもつきの形の固定した
経費でございましたので、純粋な特別
助成としては五千万円でございます。本
年度はそれが終っておりますので、実質的には七千万円まるまる特別
助成として使える形になっております。この
経費は、この言葉にあります通り、
社会教育についての特に必要な面での特別
助成という
意味でございますので、ある
程度弾力性を持って
実施いたしたいと考えております。
中身におきましては、現在のところ
青少年に対する対策費、あるいは映画、演劇、音楽の
振興費、あるいは
青少年キャンプ
事業、それから婦人
教育の
振興等を
中身に入れておりますけれども、それぞれの
経費の細部につきましては今申し上げたような趣旨で、なお検討中でございます。
四番目の、芸術祭の
運営経費、これは従来通りでございますけれども、今
年度、
外国映画のコンクールをいたしたのを特別に計上したのでございますが、
明年度はそれをいたさないで減額をいたしております。
社会教育施設の
整備費、これは御承知の公民館、図書館等の
施設の
補助でございます。
公立文教の中にもなるわけでございますが、前
年度八百万に対しまして二百万
増額いたしまして一千万を計上いたしてあります。
六番目の国立西洋美術館の創設費でございますが、これは旧松方コレクションをフランスから受け入れるということに関連いたしまして、国でもって美術館を創設する
計画が進められてきております。設計もほぼ完成いたしまして、
明年度一億五千万をもって上野に美術館を創設することにきめたわけでございますが、それに伴う
経費でございます。
事項の第九番目といたしましては
スポーツの
振興経費でございます。これは先ほどの
大臣のお話にもございました通り、いろいろな面で力を入れた
経費でございますが、まず
地方スポーツの
指導という
経費に二千万円を
明年度計上いたしました。これは国民の各層に
スポーツを浸透し、
地方の
スポーツの
振興をはかりたいという目的の
経費でございまして、大体
中身といたしましては
地方に
スポーツの優秀な
指導員
制度を定めたい。それから
スポーツ指導者の
講習会あるいは
研修会というようなものを開催したい、また
市町村等で、独自でいろいろな地域
社会を中心とした運動会その他の
スポーツの行事が行われておるのに対して、これを
指導していきたいというようなものを
内容にいたしまして、大体一県当り四十万ほどの
経費を計上いたしたわけでございます。
それからその次は、国際試合に対しまして選手を派遣する
経費でございますが、
備考欄にございますように、デビス・カップに百五十万円、それと第五回国際
学生週間競技大会、これは普通
学生オリンピックといわれる
学生だけの国際競技でございますが、たしか四年に一ぺんずつ開催予定でございます。明年はロンドン開催が予定されておりまして、それに派遣する
経費でございます。
それから
国立競技場の設置、これも御承知の通り、明後年
日本におきましてアジア・オリンピック大会が開催される運びになっておりますが、それに備えまして主競技場を作る案でございます。明治神宮の外苑競技場をそれに充て、開催するための
経費でございます。十二億七千六百万円という
経費を計上いたしております。
四番目は国民
体育大会の
補助金で、これは従来もあった
経費でございます。明年は静岡県で開催を予定されております。
次の一ページに入りまして、五番目に
日本体育協会の
補助金でございますが、体協に対しまする
補助金は戦後わずかな期間行われたことがございますが、その後ずっと継続的な
補助が行われてきておりませんでした。
体育団体の
整備という観点から、体協に
補助を与えて、これの
整備を図りたいという趣旨で新たに計上いたしたわけでございます。
第十番目は
国際文化交流という項目でございますが、
備考欄に書いてございますように、幾つかの項目がございます。
一番目の琉球派遣
研究教員制度の
実施、これは琉球から現職の小、
中学校の先生方が来られて実地
研修をするという
経費でございます。
二番目は、
学生がこちらの
大学に入学した場合の援助をするという
経費でございます。これは従来から計上しておる
経費をそのまま続けておるわけでございます。
備考欄の(3)(4)(5)が、先ほどお話のございました国費
留学生の
補助に関する
経費でございまして、特に東南アジアの
関係の
留学生を
対象に考えました。(3)の方は、
学生の増募を考えております。これは当初相当数の募集を考えたのでございますけれども、
受け入れ態勢の万全を期することが前提であると考えまして、
明年度増募は四十名にとどめております。今
年度まで三十名できておりますが、
明年度は四十名という
考え方でおります。これに関連いたしまして、(4)にございますように、
受け入れ態勢として、これら
留学生のために宿舎を建設する
考え方でおります。(5)は、この宿舎の維持、管理を中心に、
留学生の
指導に当るために、財団法人
日本国際
教育協会を設立いたしまして、これに必要な
補助を与える、こういう一連の構想で必要
経費を計上したわけでございます。(6)は、
国際文化事業団体等への
補助でございますが、
内訳は日仏会館、日独協会、日伊協会の三つでございます。(7)国際
会議の出席旅費、これも毎年定期的に開かれて出席の必要な国際
会議への旅費であります。(8)の国際分担金は、
日本の加盟しております国際
会議に対する分担金で、特に
教育関係のもので、国際版権保護同盟と国際計数センターと国際
教育局に対する分担金でございます。
その次のユネスコ活動でございますが、この
経費の
増額は従来やっておりました
外国人のための
日本辞典というものがいよいよ
明年度に完成いたしますので、その最後の
経費と、ユネスコの主催で明年
日本で
二つほどの国際
会議が予定されております、それらに必要な
経費を見込んだわけでございます。
それから第十一番目の文化財保護
事業の強化に伴う
経費でございますが、この第一としまして国立劇場の設立準備費でございます。これは
金額といたしましては前
年度と同額、千七百万を計上いたしておりますが、これは土地を決定することが先決条件になっておりまして、実はまだ土地が最終的に決定いたしておりません。
明年度は早急に土地を決定するという前提のもとに懸賞募集をして基本設計を立てるというところまでの
経費を見込んで、千七百万を計上したわけでございます。それから次は文化財保存
事業の
経費でございますが、これは
備考にも書いてございますように、保存修理
関係の
経費と、それから防災
施設の
経費に特に
重点を置きまして計上したわけでございます。たとえば昨年から始まりました姫路城の解体修理の
経費、これが七千万円、あるいは新たに岡山の高梁城の解体修理というようなものを見込んで一おります。それから防災
施設の
補助といたしましては建造物あるいは国宝の保護をはかるためのいろいろな支出でございますが、新たに高野山の収蔵庫、あるいは観世音寺の収蔵庫等を作るところの
経費を見込んでおります。(3)の法隆寺の文化財管理費の
補助でございますが、これも新しい
経費でございます。約二十年間ほとんど国費でもって直して参りました法隆孝の文化財の保護を完全にするために、新たに、宗教活動をいたします寺務所とは別に管理機関が法隆寺に設けられまして、これに国も
補助を与えて管理の万全を期そうという
意味でありまして、文化財保護法に基く措置でございます。
それからその次は文化功労者年金で、
明年度は大体八人を見込んで四千百万円を計上いたしております。
それから第十三番目は北海道冷害対策
経費でございますが、これは三十一
年度予備費におきまして
給食費に約二千万円、
教科書につきまして約九百三十万円ほど計上いたしておりますが、明年の七月の端境期まで同じように
給食と
教科書の
補助を続けるための
経費を計上したわけであります。
その他の
経費、これは本省、所轄機関、文化財保護
委員会を通じまして、標準
予算系統の
経費、それから
給与改訂に伴う人件費などを計上したわけでございます。
なお
事業費の文部本省のところに△印が大きく出ておりますが、これは前
年度行なって参りました
事業で打ち切りになったものがございます。たとえばオリンピック派遣費の二千万円とかあるいは
学生寮の建設費三千万とかいうものが打ち切りになっておりますためのものでございます。
それから第十五番目に国立
学校運営費でございます。これは最後のページにありますが、前
年度三百三十三億に対しまして約三十五億の増を見込みまして三百六十九億を計上いたしております。この
内訳は
給与費の改訂が非常に大きな量を占めまして、約二十三億は
学校、病院、
大学付置
研究所費としまして見込まれております。そのほか
科学技術の
振興という観点から講座
研究費及び
教官研究費につきまして一割の基準増をいたしますが、それに要する
経費が約三億一千七百万、それから
学生経費も一律に二割増をいたしまして、これに伴う
経費が約一億七千万でございます。その他病院の患者医療費の四億の
増加、
設備費の一億七千万の
増加というようなものを大体見込んでおります。
そのほか新しい
経費といたしまして
科学技術の
振興あるいは技術者の養成等の観点から学科あるいは講座、
研究所の部門の増設等がありますが、それらにつきましては別の機会に
事項別に申し上げたいと思っております。
総計といたしまして文部省の要求額が千四百四十四億でございまして、前
年度千三百億に対しまして百三十九億増でございます。一般会計の
総額が一兆一千三百七十四億でございますので、大体一三%弱くらいの率になろうかと思っております。
だいぶ簡単でございましたが以上補足御
説明を終りたいと思います。