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鈴木(善)小
委員 長官は非常に大事をとっての御
答弁で、まあ今の
段階では、
長官としてのお
立場から一応了承されるわけなのですが、御
答弁がございませんから、私から
意見を申し上げて御参考にしたいと思います。この自主的な転換なり
整理なりという場合、いろいろの原因があると思います。それは資源が逐次減少して参りまして、どうしてもこれだけの
独航船の稼働ができない、自然的に資源の
関係で、
減船整理やむなしというような場合は、これは
行政上政府の関与できないような自然条件でそうなったのでありますから、これは政府には責任もない。しかしこれをできるだけ援助するという
立場は、やはり政府にはある、こう思うのであります。しかるに今回の経過を見ておりますと、河野農林
大臣が御就任になりまして以来、二回にわたりまして飛躍的な船団の増強をやっている。それまでの
岡井長官が次長時代、非常に政府は慎重に、日ソの
関係を考慮されまして、ソ連の動向を注視しながら非常に慎重な態度でもってやって参った。ところが河野氏が農林
大臣に就任されてから、一挙に倍増するような勢いで船団数をふやしてきた。それがいたくソ連を刺激したと私
たちは思っております。特に今回の日ソ
漁業委員会でも出て参りましたように、でき得べくんばオホーツク海を禁漁区にしたい。これはことし初めてソ連が思いついたことではないと思う。これは前々からそういう
考え方を持っておったでありましょうが、それを二船団から一挙に七船団にふやそうとしたことが、ソ連を非常に刺激いたしまして、ブルガーニン・ライン等の設定として現われてきた、私はこう思うのであります。こう
考えて参りますと、今日の一五百隻の
独航船というものに許可をされましたこと、これはやはり政府の
見通しの上に立っての
措置であったが、それがその十九船団、五百隻というものを
整理せざるを得ない。今回特に
条約区域で十二万トンということになりますと、これは政府の政治上、
行政上の責任は、全然なしとはわれわれは言
えないと思う。これは私ども与党の
立場にありましても、率直に言えば、政治的な
見通しを甘く見た、こう指摘せざるを得ない。そう
考えますと、やはりこれは政府も民間も虚心たんかい、
ほんとうに率直な態度でもってこの事態に対処して、
減船すべきものは
減船をして、そして
北洋の安定操業がなされるようにすべきである。それを、これは五百隻でとろうが四百隻でとろうが、それは民間の勝手だというような
考え方は、私は許されないと思うのであります。特に私どもは
行政上非常に異例の
措置として
考えているのでありますが、
独航船の許可に当りまして、底びきあるいは
流し網の許可を五〇%アップでもって捨ててきなさい、そうするならば
北洋の
独航船として許可を与える、こういうような
措置までとらせて、そうして
独航船を五百隻許可した。それが日ソの規制
漁獲量によって安定操業ができないで、これを
整理せざるを得ないというようなことになるといたしますならば、これは政府もやはり重大な責任を負わざるを得ないものと思うのであります。そういう意味からいって、民間ベースで
整理するのだから、政府はそういうことの跡始末はあずかり知らぬというような、そういうてん然たる態度は、私は情味ある
岡井行政としては、これはとるべきでもないし、おそらくおとりにならないだろう、こう思っている。その点は、必ず業界も納得するような御
措置をとるものと確信いたしておるのであります。ただ、まだ具体的にそういう
段階に入っておりませんから、
長官が御
答弁にならぬのもこれはやむを得ないと思いますが、そういうことは、これは業界全体の声である、またわれわれもそれは当然のことだ、こういう工合に
考えておりますから、そういう強い
要望が業界の声であるということを
一つ御了察おきを願いたい、こう思うわけであります。
それからもう
一つ、これもやはり
川村委員が触れた点でありますが、各
母船の船団に所属しておりますところの
独航船の隻数が、非常に不均衡になっています。おそらくこの点は
役所も当初、大体きちんと
平均にはならないにしても、おおむねならされた
独航船の数がそれぞれの船団に配置されるということを所期しておられたと私は記憶いたしております。もとより
母船には大きさと性能、処理の設備などの差がございますから、Aクラス、Bクラスというようなものに分けると思うのでありますが、そういたしますと、この
母船の大きさ及び処理能力からいたしまして、三十隻
程度を適当とする船団あるいは二十五隻
程度を適当とする船団、二つくらいに区分ができるのではないか、こう思うわけでありますが、今回の特に
整理に当りましては、この機会こそ各
母船の設備能力に応じて適正な
独航船の再配分をすべきだ、私はこう
考えます。と申しますことは、魚価の値ぎめに当りまして、その船団の不合理な経営がなされておる
——母船の設備と
独航船の数とのアンバランスのために、不均衡のために、合理的な
採算ベースになっていないとしますと、その一番もうからない船団が結局漁価交渉の基準になって折衝される、こういうことです。そうしますと、それだけ
独航船の魚価にしわ寄せされてくるということに相なるわけでありまして、私は今回
独航船の
整理がなされるというこういう機会こそ、各
母船間の
独航船配属隻数のアンバランスを是正すべきものである。これは
行政として当然そうすることが妥当だ、私はこう
考えるのですが、この点
長官はどういう工合に
考えておりますか。