○伊藤
参考人 ただいま
委員長から御
指名いただきました伊藤でございます。公団発足以来現在までにやって参りましたことにつきまして、ごく簡単に御説明を申し上げたいと思います。その前にただいま
委員長から
お話のございましたごとく、総裁が健康上の理由で、先ほど参りましたが退席をいたしましたことを深くおわびを申し上げます。
公団が発足いたしましたのは
昭和三十年十月十日でございました。その発足直後におきまして
農林大臣から、愛知用水事業の基本計画を示されまして、その基本計画に基きまして
実施計画の樹立を命ぜられたのでございます。これは
愛知用水公団法に基いて命ぜられた次第でございます。自来
実施計画の作成、大きく申しますと工事着工のための諸
準備をただいままでやって参ったわけでございます。その
準備の点を大きくわけますと、
一つは
国内的のものでございまして、もう
一つは対外的のものになるわけでございます。
国内的の問題といたしましては、先ほど申し上げました基本計画に基きまして工事の
実施計画の樹立をやって参ったのでございますが、何分にも三県にまたがりまする非常に広い
範囲にわたるものでございます。ダムありまた水路ありということでありますので、一時に
実施計画の樹立ということはなかなか困難でございますので、まず最初にダムの面の
実施計画の樹立に力をそそぎまして、昨年の十月にダムの
実施計画を完成いたしたのでございます。それに並行をいたしまして水路の
関係のものを
調査、測量をいたし、
実施計画の樹立の
準備をいたして参ったのでございますが、大体におきましてただいままでに水路を二分いたしまして、上流部分につきましてのまず公団としての原案的なものは大体
準備完了いたしておるのでございます。なお続きまして下流部におきまする
実施計画をただいま作成をいたしておるような次第でございます。なお
実施計画の作成に当りまして、御承知のようにこの事業は農業用水を主といたしまするけれ
ども、そのほかに発電の
関係がございます。なお水道の用水あるいは工業用水というふうな
関係がございますので、農林省時代から引き継ぎました計画に基きまして、発電
関係におきましては関西電力、それから水道、工業用水につきましては愛知県と、それぞれ事業
実施に必要な協定をいたして参ったのでございます。
それから対外的の
関係といたしましては、これは世界銀行の借款を目的とするものでございますが、その世界銀行の借款の前提といたしまして世界銀行の方で信頼をする外国の技術者のアドヴァイスを受けてやるということに、農林省時代からの世界銀行との約束と申しますか、そういう条件がございますので、それに基きましてこれまた農林省時代にきっかけを作っていただきましたアメリカに本社を持っておりますエリック・フロア会社との協定を昨年の五月に結びまして、昨年七月以来現地の方にエリック・フロア社からそれぞれ技術者が参りまして、その技術者と公団の技術陣営とが一緒になりまして
調査をいたし、測量をいたし、計画を立てて参ったのでございますが、先ほど申し上げましたように
実施計画につきましては、ダムについては十月半ばにでき上りました。なお水路につきましては、幹線水路につきましては一応のものを昨年の十一月の初めまでに作りました。それらのものを一括しいたしまして世界銀行に対する説明の資料といたしまして昨年の暮れに公団の技術を担当いたしております桜井
理事以下の者がアメリカの方へ参りまして世界銀行の方と折衝をいたしたのでございます。技術の面につきましてはすべて了解をつけて参ったのでございます。たまたま向うに行っております途中におきまして、
資金の計画の面におきまして去る一月中旬に
政府の方針が変りまして、余剰農産物の第三次分の受け入れが中止される結果になりましたために、公団の従来の
資金計画に変更を及ぼさねばならぬということになりまして、その点につきましては農林省が主となっていろいろと
資金計画の変更につきまして御配慮いただいておるような次第でございます。
大体におきまして公団発足以来今日までやって参りましたことは、ただいま申し上げたようなことでありますが、要するに
農林大臣から示されました愛知用水事業の基本計画に基きまして、工事を始めるための
実施計画並びに世界銀行に説明をいたしまする計画の作成をやって参って、今日まで至った次第であります。