○
永井委員 大臣は裏のいろいろな動きや実態やそういうものを知らないで、部下の行政官をかばうということは、大臣の気持としてわかりますが、そういうわからないことを弁解するもんじゃないです。われわれの
質疑の中で真実がどこにあるかということを鋭敏に読み取って、どこに問題がありどこに行政上の欠陥があり、
漁業政策というものはどういうふうにきちっと確立していかなけれなならないかということを、大臣は大臣の
立場で大きくつかんで今後の
対策を確立することが必要なんであって、弁解することはやめたらよろしい。今これはこういうコマーシャル・ベースに当る、これはその他の実績に当るであろう、こういうことを大臣は言っておるが、現に
水産庁長官はその他の実績は相当危険があるからこれはやめたんだ、こう言うのです。それからコマーシャル・ベースはいろいろ問題があるから裏のなににしたのだ、こう言うのです。現実にそう言っているじゃありませんか。いろいろなつじつまを合して弁解してやるあるいは擁護してやるという気持はわかるけれども、わからないことについてやれば善意はわかっても大臣もやはり共犯者ということになるわけです。でありますから、私はこういう問題はやはり真実はどこにあるかということをこの際明確にしていかなけれなならぬと思う。問題は数字が雄弁に物語ると言うけれども、この数字が問題なんです、不確定の
条件です。ライン外でとったものとライン内でとったものをどういうふうに区分するかという問題です。十二万トンという総ワクがきまった、そして母船の方の実績を調べていくと九万三千トン内外よりないわけです。ですから総量が予定よりも減ったにもかかわらず母船の方は実績よりも割当がうんとふえて、それから流し網の方はこれだけの実績を持っておるにかかわらず、この方は実績よりも割当がうんと下回っておるというところにこの数字の割り振りについて問題があるのです。総量が全体にふえて、そしてふえる比率が薄かった厚かったという問題なら別なんです、総量が減ったのです、その中で母船のワクは実績よりふえておるが、流し網の方は予定しておる実績よりもうんと下回っておる。しかも計算が一万トンよりないという計算
基礎に問題があるんだから、問題があれば問題があるほど
関係者を事前に呼んで納得させて、その上で
実行に移さなけれないけませんよ。そして納得しない一方的なことをやったら、これは必ず事後において爆発して、そしてこれは
国内の問題となって、十二万トンというワクを与えて
国内で割り振りの問題で醜態をさらけ出して、それが来年の日ソ
漁業協定の
話し合いの中でまずい結果になってきて、国辱的な醜態をさらす結果になってはいけないから、十分にそういう問題を事前に処理するようにと私はここで懇々と言ったはずである。それにもかかわらず一方的にばんときめて、しかも資料は今日まで事前に発表もしないで、そして事前にわれわれにこの
委員会で約束した配分基準とは全く違った内容によって配分して、それで
説明が通ると思ったら、そういう甘い
委員会をなめてかかったのではわれわれは断じて許しませんよ。きまった問題でありましてもこのけじめはやはりここで明らかにしていかなけれなならない。
ソ連の方は母船式の漁法が問題なんです。でありますから五十二度以北については網の間隔であるとか船の間隔であるとかいろいろな
制限を加えてきておる。その日ソ
漁業協定の上で一番問題になる母船式の方へどんどんふやしておる。昨年だって河野農林大臣が行って、減ることはわかっているにかかわらずオホーツク海の試験船とかなんとか言ってどんどんふやしていって、日ソ
漁業協定のうちの一番問題となる点をどんどんふくらまして、そして問題点をますます悪化させるような
条件を作っておいて、そのしわ寄せを
沿岸漁民の流し網にどんどんしわ寄せしておいて、知らぬ顔の半兵衛でほおかぶりして、母船式の利益擁護だけをはかるような
水産庁であっては、われわれは国民の名において事実を明らかにしていかなけれなならぬ。数字の問題はいろいろ動くでありましょうが、そこにはいろいろ
話し合いをすればお互いが納得のいくあるいはがまんのできる数字の基準というものが出てくるはずなんです。このようなことをして
わが国の
漁業政策の前途に暗い影を残して、ますます圧迫されるような
条件を残しておく、この
措置について大きな誤まりを犯しておるということが一点であります。それからコマーシャル・ベースとかなんとか言うけれども、ふやすだけ船をふやしておいて、その
一つ一つの船が採算の合うような、そういう計算を立てて利益を擁護してやる理由はどこにもない。しかも減船をするという。その
転換資金として一隻に三千万円か四千万円やるんだという、一体それはどこから出るのですか。母船が自分の身銭を切ってふところから出す金ではありません。それは経常費の中に入って消費者にみんな転嫁される金ですよ。国民の非常な努力によって、国民的支持によってこの漁場を契約してとった。それが全く二つか三つの母船式資本家の独占に帰して、そうしてその中で利益の分け前をやり合って、それを全部消費者に転嫁させて、これで一体
日本の
漁業政策というものが正しいやり方であり、国民的支持を受けた結果に対する国民への答えなのか。どんな口はばったいことをやろうといったって、こんなことで国民の前に大きな口がきけますか。私は大臣の意思ではないと思う。ですから大臣は自分のわからないことはわからないとほおかぶりすればいいんです。そして大臣としてとるべき
態度は、これを正しく国民の正義感にこたえるように、間違っておれば是正する、あるいは正しいと思うならば、反対する者に納得させる手続
方法を十分にとらなければいけない。国会に対してももっと誠意をもって、いいかげんにきめてしまえばあとは尻暗観音で済むというような甘っちょろい
考えではなしに、もっとまじめに問題を処理しなければいけない。真実がどこにあるかということを明確にすべきである。私はその意味においていろいろなたくさんの問題がありますが、きょうは時間がありませんので、正確な資料をもらった上で、その資料に基いてさらに検討し、この問題についてはさらに追及するであろうということを留保して、本日はこの程度にしておきます。