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1957-04-12 第26回国会 衆議院 農林水産委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十二日(金曜日)     午後零時十八分開議  出席委員    委員長代理 理事 笹山茂太郎君    理事 白浜 仁吉君 理事 助川 良平君    理事 芳賀  貢君       五十嵐吉藏君    石坂  繁君       川村善八郎君    木村 文男君       椎名  隆君    鈴木 善幸君       中馬 辰猪君    永山 忠則君       原  捨思君    松浦 東介君       松田 鐵藏君    松野 頼三君       赤路 友藏君    楯 兼次郎君       永井勝次郎君    日野 吉夫君       細田 綱吉君    山田 長司君  出席政府委員         水産庁長官   岡井 正男君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁生産部         長)      坂村 吉正君         農林事務官         (水産庁生産部         海洋第一課長) 木田  繁君     ————————————— 四月十二日  委員山田長司辞任につき、その補欠として風  見章君が議長指名委員に選任された。 同日  委員風見章辞任につき、その補欠として山田  長司君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月十日  農産物の価格安定に関する請願原茂紹介)  (第二六八七号)  自作農維持創設資金制度拡充強化に関する請  願(原茂紹介)(第二六八八号)  新農山漁村建設総合対策に関する請願原茂君  紹介)(第二六八九号)  農地転用基準確立強化に関する請願原茂君  紹介)(第二六九〇号)  自作農貯蓄組合法制化に関する請願古井喜  實君紹介)(第二七〇四号)  北太平洋のおつとせい保存に関する暫定条約締  結に伴う関連漁業措置に関する請願鈴木善幸  君紹介)(第二七四五号)  岩手県下漁港施設等暴風浪被害対策に関する  請願鈴木善幸紹介)(第二七四七号)  菱太良土地改良区連合の県営事業促進に関する  請願中馬辰猪紹介)(第二七四八号)  宇治群島周辺海域機船底びき網漁業の進出反  対に関する請願中馬辰猪紹介)(第二七四  九号)  漁港法に特別第三種漁港追加指定に関する請願  (田中龍夫紹介)(第二七七三号)  野生鳥獣の保護及び捕獲に関する法律案に関す  る請願大矢省三紹介)(第二七七五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  鮭鱒延縄漁業許可方針に関する件について、水  産に関する小委員長より報告聴取     —————————————
  2. 笹山茂太郎

    笹山委員長代理 それではただいまから会議を開きます。  まず鮭鱒はえなわ漁業許可方針について、水産に関する小委員長より発言を求められておりますので、この際これを許します。鈴木委員長
  3. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 昭和三十二年度におきまするサケマスはえなわ漁業許可に関する件につきまして、水産に関する小委員会が三回にわたりまして慎重に審議をいたしました結果、次のような決定を見た次第でございます。その内容を朗読いたしまして御報告を申し上げます。   昭和三十二年度さけます延縄漁業許可方針に関する件  一、昨年漁業許可を受けた漁船については、全船を許可すること。  二、各県の試験船は、全船を正規許可船とすること。  三、操業区域規制区域外にして、前年度と同一の水域とすること。  四、四十屯の範囲内において代船を認めること。  五、許可有効期限さけます流綱漁業取締規則第八条に基き三ケ年とすること。  六、操業期間は、三月一日から七月三十一日までとすること。  七、昨年の許可総枠内において、今後補充許可に際しては道県間の不均衡を是正すること。  ただいま朗読いたしましたように小委員会決定を見た次第でございますが、本委員会におきましてはこの小委員会決定を御審議の上、政府に対しましてこれが実施につきまして、善処方委員長から申し入れをしていただきたい、かように御報告を兼ねて処理方をお願いする次第であります。
  4. 笹山茂太郎

    笹山委員長代理 この件に関して永井委員より発言を求められております。これを許します。永井委員
  5. 永井勝次郎

    永井委員 ただいまの小委員長報告について、小委員長にちょっとお尋ねいたします。この第一の点でありますが、昨年漁業許可を受けた漁船については、全船を許可する。二の、各県の試験船は全船を正規許可船とする。こういうことによって、正規許可船というのは、本年どのくらい前年に比べてふえることになるのか、数字をお示し願いたい。
  6. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 第一の昨年の許可船でございますが、このうち当然休漁船でございますとか、あるいは違反船でございますとか、そういうものは行政上の処分を受けまして、結局不許可に相なるかと思うのでありますが、その隻数は二十数隻に及んでおります。そこで一による許可船数はそれだけ減船に相なるわけでありますが、二におきまして、昨年各県の試験船として五十数隻のものが操業いたしておるわけであります。これが今度は許可船として許可を受けることに相なるわけでございますから、結局一と二の結果、隻数許可面で二十数隻増加をするということに相なるわけでございますが、昨年の稼働隻数から見れば、違反船休漁船隻数だけ減るということに相なるわけであります。
  7. 永井勝次郎

    永井委員 政府当局の意向がどうであるか、わからぬが、委員会としてこういう決議をしたということになりますと、許可船——これは許可母船はこういう形で全船許可ということになっておる。それから漁獲すべき数量は、本年は一応十二万トンというのでありますが、これは本年限りであって、来年はどうなるかわからぬ、こういうような非常に漁獲する総量が動いていく条件にある。その動き方がどんどんふえていくという見通しよりは、ずっと減っていく公算が多いではないかという、こういう見通しの上に立って、総量は減っていく、許可船はどんどんふやしていくということによるその操業経済的な条件について、この委員会がその責任を負わなければならないという結果に、これはなるだろうと思うのでありますが、その関係に対する今後の操業、それから経営上の採算、それによって安定していく、あるいはそのことが北洋漁業合理化を推進していくという、そういう条件がどういうところにどういうような具体的な形であるかということを、一つ明確にしていただきたい。
  8. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 この小委員会決定を見ました内容につきましては、社会党におかれましても、自民党側からの提案によりまして、自民党の一応の案を社会党の方で御検討いただきまして、———————————————————————————————————————さような観点で小委員会では、このように決定を見た次第でございます。  なお永井委員からお尋ねがございましたから、私からその点につきましてお答えを申し上げておくわけでありますが、このサケマスはえなわ漁業は、ここにも書いてございますように、日ソ漁業条約規制区域外、つまり北緯四十五度以南海域操業をさせるということでございまして、ただいま永井委員が御指摘になりました規制区域内の総漁獲量十二万トンの外、十二万トンに関係のない規制区域外でこのはえなわ漁業操業させる、こういうことに相なっているわけであります。なおこのはえなわ漁業流し網漁業その他との関係でございますが、私どもこのはえなわ漁業沿岸性漁業沿岸漁業を基盤としたところのサケマス漁業として今後育成して参りたい、こう考えているわけであります。流し網漁業等に比しましてその漁業経営費は非常に低廉でございまして、おそらく流し網の経費に比較いたしますと、二割程度にとどまるものと考えます。従いまして流し網が八万尾あるいは十万尾の漁獲をしなければ漁業採算上おもしろくないというような状況にありましても、このはえなわ漁業におきましては、その半分の漁獲量でも十分漁業採算がとれる、こういうような非常に経営費のかからない漁業でございます。資源が非常に限界がありますようなサケマス漁業等におきましては、経営費のかからない、そうして少い漁獲量でも十分漁業採算のとれる漁業、こういうような漁業方式によりまして、たくさんの漁船とたくさんの漁業者稼働させていくことが当面わが国の沿岸漁業なり、日本の漁業事情からいきましてきわめて適当なる漁業であって、私どもは今後サケマス漁業に関する沿岸漁業として育成して参りたい、政府もそうあるべきである、こういう工合に考えておる次第でございます。
  9. 芳賀貢

    芳賀委員 ちょっと議事進行について申し上げますが、ただいまわが党の永井委員質問に対して、鈴木委員長から答弁がありましたが、その中でたまたま—————————————————————————————————————————昨日もこの問題を当初小委員会において打ち合せしたときには、懇談会の席上においてこれらの問題に対する話し合いが行われたのでありまして、最終的には速記をとったのは、ただ単にこの案を小委員会決定にするということだけで、昨日の小委員会はおそらく速記はとっていないと思う。おそらくこういうような経過がありますので、——————————————————————————————————
  10. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 芳賀君は誤解があるようでありますが、私はただ報告を申し上げて、そうして本委員会における御承認を得るつもりであったのでありますが、たまたま社会党委員永井君からこの内容につきましていろいろお尋ねがあったわけであります。そこで私は、それはちょっと話が違うのではないか、ここへ至るまでに社会党自民党各党でも、それぞれ十分検討をし、そして小委員会の墾談会でも話し合いをして、そうしてこの結論に至っておるわけなんです。—————————————————————————————————————————こういう経過でございますから、決して特別な意味で申し上げておるのではないということを御了承願いたいと思います。
  11. 笹山茂太郎

    笹山委員長代理 ちょっと速記をやめて……。     〔速記中止
  12. 笹山茂太郎

    笹山委員長代理 先ほど鈴木委員長から永井委員に対するお答えがありました際におきまして、党の問題に触れまして説明があったようでございますが、その点については、鈴木委員長から取り消すとの申し出がありましたので、速記録を取り調べの上委員長において善処いたします。  それではこの問題について、ほかに御質疑はございませんか。——それではただいまの鈴木委員長より説明のありました小委員会結論を本委員会としまして承認いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 笹山茂太郎

    笹山委員長代理 御異議なしと認めます。さよう決定いたしました。  なおこれに対しまして政府の所見を求めます。岡井水産庁長官
  14. 岡井正男

    岡井政府委員 委員会の方で御決定になりました事項については、行政措置といたしまして貴重な御示唆といたしまして、慎重にこれを取り扱って万全を期したいと心得ております。
  15. 川村善八郎

    川村(善)委員 私は本問題とさらに北洋サケマス漁業問題の一端であります流し網の問題につきまして、関連のある北洋独航船の問題も付随して質問を申し上げたいと存じます。  ただいまサケマスはえなわ漁業許司については満場一致で決定されたのでございますから、これについては私は異論がございません。ただ慎重に行政を行いますという長官発言がありましたので、この問題二点についてお伺い申し上げたいと思います。第二項の問題でありますが、「各県の試験船は、全船を正規許可船とすること。」この問題でだいぶ長官考え方とは差があるようでございます。この決定に基いて全船を許可するといたしましても、御承知のように試験船は四十トン以上八十トンクラスのものであります。これをこのままにして、将来ともトン数の圧縮といいましょうか、四十トン未満にしないで許可を続けるという気持で御答弁いたしたのかどうか、まずこの一点をお伺いいたします。
  16. 岡井正男

    岡井政府委員 ただいま私から慎重にかつ貴重な御示唆として措置いたしたいとお答えしたのは、大体御質問のあったこの第二項の問題でございまして、従来の事務当局考え方と、今回御決議になった事項と若干ずれがあることは間違いございません。それでいかにして将来禍根を残さぬように、なおかつ直接のつながりはございませんが、鮭鱒規制区域内における漁獲並びに将来の資源的なつながり等も勘案いたしますし、同時に対ソ関係における将来のあり方にも思いをいたしまして、この点は国としても損のいかぬように、また国内的に沿岸漁民はえなわの方へどういうふうな形で推進していくか、あるいは適当な規制をどの程度に加えるべきかというようなこともあわせて考えまして、一つ適当にかつ迅速な決定を持ちたいと思いますので、今すぐにこうしますというお答えはちょっといたしかねるのでございます。
  17. 川村善八郎

    川村(善)委員 次に第七項の問題でございますが、第七項には「昨年の許可総枠内において、今後補充許可に際しては道県間の不均衡を是正すること。」こうなっております。そこで小委員会話し合いでは、大体ワク内というのは試験船と、それから昨年の許可船を合せたワク内であるというふうに話し合いが進んでおったように承知しております。そこで二十七隻ばかりの違反船があるということでありますが、この総ワク内で、二十七隻というものは違反船であるから当然切らなければならぬが、その二十七隻というもので各府県間の不均衡を是正するというような話し合いをしたことも承知しておるのでありますが、具体的に不均衡という点をあげますと、北海道はわずかに五隻でございます。これは事情があったことは私承知しております。従って北海道にも相当要望もあったことは事実でありますが、われわれもはえなわ漁業というもののあり方がわかっているだけにできるだけ押えて参ったのでございます。ところでこの試験船も全部許可をするということになりますというと、北海道としても昨年の五隻でがまんしろという押えが当然ききません。従って北海道からも今世論となって起きており、あるいは具体的に北海道水産部から相当強い要求があるはずであります。これらについて長官は、ただいま尊重をして慎重にやりますという御発言がありましたので、北海道のこの不均衡、各県との間の不均衡は明らかでありますので、隻数については私は何隻ということは申し上げません。申し上げませんけれども北海道水産部からの強い要求に対しては、これに答えをする義務が生じたものと私は了承しておるのでございます。従ってこれに対する長官の今後の態度をどうおとりなさるか、これを具体的に長官からお答え願いたいと思います。
  18. 岡井正男

    岡井政府委員 これは北海道のみでなく、内地側にも二、三そういうようなところがあろうかと思いますが、この七項目の御決議の御趣旨がそういうふうなところまで拡大していいようにも文面ではとれるのでございますが、なおこれは小委員長にも適当なもよりの機会に一つ御懇談申し上げて、御意思のほどを十二分に勉強させてもらいまして、今後適当に処置いたしたいと考えております。
  19. 川村善八郎

    川村(善)委員 次にお伺い申し上げたいことは、やはり北洋サケマス漁業に関する問題でございますが、先般来十二万トンの配分においてあまり好ましからざる争いと申しましょうか、議論が起きておるようでございます。四十八度線の減船ということは話には上っておりまするけれども独航船減船は必至であるということで、母船側考えておるようでありますし、独航船側考えておるようであります。ところが水産庁では全船稼働というような線で進んでおるようでございますが、役所は、いやしくも許可をするに当っては、経済の成り立たないような無理な許可をするということはあり得べきじゃないと思う。従って業者の意見というものをやはり相当に尊重し、慎重な態度で臨まなければならぬと思うのであります。  そこで減船された独航船をどこへやるか、一体どういう漁業を行わしめるか、こういうことをお伺いしたいのであります。もっと具体的に申し上げますと、北洋独航船以東底びき網の転換と、四十八度以南サケマス流し網から繰り上っていた船であります。こうした二つの漁業から上っていた船でありますので、もちろんいろいろな漁業がございましょうけれども独航船は網も持っており、設備も十分である、技術も備えております。これらを釣漁業なりあるいは流し網漁業に繰り下げをするということは転換に一番手っとり早い方途ではないかと考えておるのでございますが、こうした転換漁船漁業あり方について長官はお考えを持っておるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  20. 岡井正男

    岡井政府委員 独航船と四十八度以南割当も今まだ決定しておるわけではございませんが、事務当局といたしましては、独航船側におかれまして減船すでに必至であるというように即断されておるようなのは少し気が早過ぎるようにも思われるのでございまして、われわれとしては、利潤は非常にかぼそい利潤になるかとは思われますが、できれば皆さんに稼働していただきたいという気持を持っておるわけです。とはいうものの見方もありますので、独航船側から見まして、いささかの利潤があっても従来のいろいろな負債その他の関係も一ころより非常に窮屈である、あるいは船が必ずしも今後の操業に適当でないというように自分自身で危ぶまれておるような向きとか、あるいはいろいろな事情でやめたいという人がある分につきましては、そういう人が今後独航船をやめて他の漁業転換すというような事態が起りました節は、われわれとしては御相談に応じまして、適当に御指導申し上げるつもりでございます。ただ独航船側自体で自主的におやめになる船が何ぼあるか、あるいはまたそれがどういうふうな希望をされるかという具体的な御希望がまだ私どもの方には参っておりません。しかし万一そういうことがある場合には十分御相談に応ずるという気持でおります。
  21. 川村善八郎

    川村(善)委員 長官漁業経済問題を何も考えずに全船出したい、利益はないだろうけれどもがまんをしてくれというふうな腹がまえで私にお答えになっておるように解釈いたしますが、一体どのくらい割り当てて、どのくらいあれば間に合うかということを長官はつかまえていますか。あなたの議論あとの灰をかぶることいやさに全船出ろと言っておると私は思いますが、私らは専門家であるだけに、それは甲乙丙丁がございますので、採算がとれない、借金もしなければならない船もあるでしょうし、どうにかやっていけるという人もあるでしょう。種々雑多ではありますけれども、大体においてみんなが満足できるという線でいけというのであれば私は承服いたしますが、ただ単にみんな出ていけということでわれわれ満足できますか。あと大臣も出席されることであり、各委員からも質問があると思いますからその数字にはわたりません。これでは満足するだけの割当ができないものとわれわれは断言してはばかりません。業者減船やむなしという線を打ち出しておる。みんな相談して、自主的にやめるものならやめたいという希望者もある。しかしやめたいという希望者ほんとうにやめたいのではなくて、金が出ればやめるということです。一体一銭の金ももらわずにやめる人がありますか、ないでしょう。(赤路委員河野責任だ、政府責任だ」と呼ぶ)そうしたならば金が問題になる。金が問題になると、自主的にやれ自主的にやれと言って、負担は全部漁民にかけて責任を負わないということになったならば、われわれは承服することはできません。今赤路君から河野責任だ、政府責任だと言われたがまさにその通り。もともと昨年十七船団を出すという計画を立てたためにソ連の心証を害してああいうふうになった。そこで今年は十四万五千トンならばどうだということで第二案を出したがけとばされて十二万トンになった。従って一隻当りの漁獲量の減ることは当然であります。漁獲量が減ると経済が成り立たないということも当然なんです。成り立たなかったとするならば、行政庁である水産庁がどのくらい減船してどうするとか、指導行政をすべきであるにもかかわらず、自主的々々々と言っている。その自主的にやることが政府責任を持たないということであるとするならば、やめる人がありますか。大臣質問しようと思ったけれどもよけいなことを答えるから言わざるを得ない。何隻出せばどれだけの計算になるか言ってごらんなさい。それくらいのことは答えていいでしょう。しかしいずれにしても減船をしなければならないことになったのですから、たとい自主的に減船計画を立てるにしても、大体の今までの実績から見て、減船した場合にはどの漁業にどういうふうに転換をさせるということぐらいは水産庁考えておかなければならぬのは当然であります。このはえなわの問題あるいは四十八度以南の場合でも、独航船だけに犠牲を払わせて、あとのものを満足させるという一方的な考えでは真の行政庁だとは言えないということをはっきり申し上げて、御答弁願いたいのです。ただ県あるいは業界から、これこれの漁業転換するという希望があった場合、その希望に沿うて転換させる。転換させるからには必ず金がつきものであります。その金等の問題も全部とは申し上げませんけれども、できれば国家補償国家補償ができなかったならば金融措置利子補給考えているかどうか。また長官ほんとうに地方庁あるいは業界要望に沿うて、その要望通り他漁業転換をさせるという意思があるかどうか、この点を伺います。
  22. 岡井正男

    岡井政府委員 割当をやって後に独航船側あるいはまた四十八度以南の方、それぞれから相当要望、御不満が出ることと思いますが、われわれの持っております数字によりますれば、適正に割り当てた暁において利潤は非常に乏しいがどうにか稼働はできるのではあるまいかというような最小限度のぎりぎり一ぱいの経営ベースには乗るものだと私は見ておるのでございます。川村先生の方の御計算とは相当隔たりがあるかもしれませんが、われわれはそう見ておるわけで、割当以後においてそれはよく御説明申し上げるつもりでおります。
  23. 川村善八郎

    川村(善)委員 本会議の時間になりましたから、質問はこの程度にとどめておきますが、あと農林大臣が出席されたら農林大臣質問し、再び長官にも細部にわたって質問をするということを申し上げまして、私の質問を打ち切っておきます。
  24. 笹山茂太郎

    笹山委員長代理 それではここで休憩いたします。     午後一時一分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかった〕