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1957-03-14 第26回国会 衆議院 農林水産委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月十四日(木曜日)     午前十一時三十六分開議  出席委員    委員長 小枝 一雄君    理事 笹山茂太郎君 理事 白浜 仁吉君    理事 助川 良平君 理事 田口長治郎君    理事 芳賀  貢君       赤澤 正道君    安藤  覺君       五十嵐吉藏君    石坂  繁君       大石 武一君    大野 市郎君       川村善八郎君    木村 文男君       椎名  隆君    鈴木 善幸君       中馬 辰猪君    永山 忠則君       八田 貞義君    原  捨思君       松浦 東介君    村松 久義君       阿部 五郎君    赤路 友藏君       伊瀬幸太郎君    石山 權作君       川俣 清音君    楯 兼次郎君       細田 綱吉君    山田 長司君       久保田 豊君  出席国務大臣         農 林 大 臣 井出一太郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局次長) 宮川新一郎君         農林事務官         (農林経済局         長)      渡部 伍良君  委員外出席者         農林事務官         (農林経済局金         融課長)    和田 正明君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 三月十四日  委員本名武君及び小川豊明君辞任につき、その  補欠として八田貞義君及び中村英男君が議長の  指名で委員に選任された。     ————————————— 三月十三日  三陸沿岸の波浪による被害漁業者救援に関する  請願愛知揆一君紹介)(第二〇九〇号)  乳牛貸付指定に関する請願山口好一紹介)  (第二一二七号)  韓国抑留船員救済等に関する請願有馬英治  君紹介)(第二一四九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八号)  天災による被害農林漁業者等に対する資金の融  通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一八号)     —————————————
  2. 小枝一雄

    小枝委員長 これより会議を開きます。  農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたし、審査を進めます。質疑を続行いたします。川俣清音君。
  3. 川俣清音

    川俣委員 先般の質疑に続いてお尋ねしたい点が二点ございます。一点は、この法律の施行に伴う政令要綱の配付を受けたのですが、二条四項の経営資金内容と申しますか、経営資金対象になる農機具政令要綱が出ておらないわけです。これは従来政令が出ておるからというので抜いたのであるかどうか。従来の政令はたびたび変更になっておるわけですが、そういう点についての見解をこの際明らかにしていただきたい。
  4. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 お手元に配付いたしております政令規定事項案の五のその他の第二条第四項「貸付対象となる農機具及び漁具指定」、こういうふうになっておりますが、ここのその他の中に分類されております各点は、災害のつどその態様によって政令を個々に出してきめるという趣旨であります。たとえば三十年の八月から十月までの天災についての資金融通のときには政令を出しまして、「第二条第三項の政令で定める農機具は、原動機により運転される農機具以外の農機具とする。」、それからその場合の漁具は、「合成繊維漁網綱以外の漁網綱とする。」、それからまた三十年十二月の天災措置法政令では、「十二月の天災についての法第二条第三項の政令で定める漁具は、漁網綱とする。」、そういうふうにそのときの災害態様によりましてそれぞれ指定することにいたしております。
  5. 川俣清音

    川俣委員 これらの営農資金対象になるものにこそ貸すということをあらかじめ明確にしておく必要があるのではないか。おそらく考え方として、どういうものが借りられるんだということをあらかじめやはり知っておくことが必要であろうと思います。そう思いませんか。とお尋ねするのは、前の被害者であるという算定は、これらのものを除くということになる。あと経営資金の方は、これでなければ貸さない、こういうことです。建前が違っておるわけですね。そうですね。被害者算定の場合には、漁具の場合はこういうものを除く、それ以外のものの被害算定してやる、こういうことになる。ところがそれとは違って貸すのは別だ、こういう建前になっておるんでしょう。これは分離されておるんじゃないですか。被害算定の方は、これこれは被害として算定基礎になるんだ、これこれの品物は五〇%の被害を受けたものは中被害と見る、あるいは七〇%以上被害を受たものは大被害と見る。品物は除いたもの以外算定基礎になる。そうすると、それらのものは被害を受けた場合には借りられるんじゃないかという印象を非常に強く受ける。そうでしょう。被害算定基礎になった品物はこちらで借りられるんじゃないかという印象を非常に強く受ける。ところが貸す方は、これはわずかなものより貸さないんだ、営農資金であるから、ごくわずかのものより貸さないんだ、こういう建前になっておる。そうでしょう。そうじゃないのですか。
  6. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 初めの方の被害算定基礎になる漁具、そのところにカッコ政令で定めるものを除く、こういうふうに書いてあります。その政令内容経営資金規定内容とは違うのであります。初めの方は、要するに、被害程度算定する場合に、いろいろなまぎらわしいものを入れるか入れないかという問題で、市町村長の認定を頼むわけでありますから、内容がはっきりつかめるように、あいまいなものを除いていこう、こういう趣旨であります。そのことは結局被害程度算定する場合に、何と言いますか、全体の財産分被害額、こういうことになるわけでありますから、分母を限定すれば率が上ってくる、そういう含みもあるわけであります。四号の方の経営資金の中の漁具は、これも貸付に際しまして、お話のように網羅的にこれこれと漁具カッコならカッコで書いておく方法もあると思いますが、災害が起きた地域、その地域における漁業態様が違うことによって漁具が変って参りますから、そのつど政令規定した方が便利じゃないか、こういう考えでこういう仕組みにしておるのであります。
  7. 川俣清音

    川俣委員 時間がないのでもっと要点だけ——あなたの今の説明の中に一つ疑念が出てきた点がありますので、これを先に解明していただいて、根本の話に移りたいと思います。一体除くという方があいまいなんです。指定されているものの方が明確なんです。これこれと指定される方が明確で、除くというのは、ほかのものはみな入るということですから、その方が不明確であることは法律上明らかである。明確にするために除くといっても説明にならない。これは言葉じりとして、それにとどめておきますが、本論に入ります。だからあまり変に弁解すると、かえって説明がまずくなるですよ。その意味で明確に御答弁願いたい。  要するに、前段の方は、被害者あるいは被害者が融資を受ける場合の金利の基準である、こういう建前になっておると思うんです。それでよろしいんでしょう。それから四号の方は、それだけの被害は受けたけれども、貸すものはごくわずかなんだ、そんなたくさんの被害を受けたけれども、貸してやるのでなくて、ごくわずかなものより貸さないのだ、こう解釈してよろしいかと聞いている。
  8. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 初めの方は、お話のように四分五厘と三分五厘との地域なり借り入れ資格者をきめる場合の標準で、あとの分はどういうものに貸すかということでございます。これは貸付対象をそのときどきの災害態様に応じて、あるいは災害地域に応じてきめた方が便利じゃないか、こういうつもりからいっておるのであります。先ほど申し上げますように、あるいは今までのように、実際に先ほど例にあげましたような政令内容を一々あげましてそしてそれをカツコの中で漁具(何々)とあげておれば、その地域態様によってそのうちのどれかに該当する、こういうことが言えるかもしれませんが、ただ私の方では、今までの経験だけの種類を拾ったのでは、この資金を貸す場合にかえって工合が悪いのじゃないか、もっとそのときの態様に応じて政令で自由に指定ができる法案にした方がいいのじゃないか、こういう考えであります。
  9. 川俣清音

    川俣委員 それは答弁になりませんよ。従来出たのは限定されるのです。たとえば漁具で言うと、海で大被害にあって漁網が全部流されたときに、その貸付対象となるものはその漁具でなくて、漁網の綱とか、あるいは川につけてあるやなは営農資金対象にする、こういうのですよ。海で漁をとるためにあらしにあって漁網が流失した場合の営農資金は、川のやな、そういうものの場合には貸してやる、従来の例はこういうことなんです。海で魚をとる者が大被害を受けた場合には川のやな——海にはあまりやななど使わないから、これは川のやなだと思う。その営農資金は貸してやる、こういう建前なんです。従来の政令を見てごらんなさい。漁網の綱、やなと指定されて、それ以外には書かないのですよ。それ以外には貸さないのだから、政令で定むるものに限るとなるのです。広範なものがたくさんあるから書かない方がいいのじゃない、書いたものに限るのですから。漁具を全部失って、借りられる対象になるのは漁網の綱とやなだというのです。そういう政令になっているでしょう。
  10. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 三十一年の六月には、漁網綱のほかにやな、はぜ、だからその都度指定種類が違っておるわけであります。ですから今までできてきておるのを拾い、あるいはほんとうにその地方にあるものを拾って入れるのも一つ方法ではないかと思います。限定するために政令でしぼるんですね。文章の書き方がそのものに限るということになっていますけれども、そのときはこれだということでありまして、今までの例を見ても、そのときの態様に応じて必要なものを出しているわけであります。今後、今まで出てこなかったようなものに貸す場合もやはり政令指定する方がいいではないか、もっと言いますと、何々その他政令指定するものに限るという書き方もあるのではないかと思います。しかし、前の法律のときからこういう書き方で運用しておりますから、私の方では、しいて改める必要はないのではないかということでそのまま踏襲しておるわけであります。
  11. 川俣清音

    川俣委員 三十年に出したものは漁網の綱だけですよ。その前はそんなに大きな範囲に延ばしたことはないのです。営農資金だからこういう大きな設備には貸さないんだ、それ以外のものには営農資金として貸すんだ、これならまだ話はわかるのです。「政令で定めるものに限る。」となっていて、指定されないと資金対象にならないのですよ。資金対象になるのはごくわずかだ。損害を受けたものを計算はしてやるけれども、実際は非常な被害であっても貸すものはごくわずかだ。海へ行って魚を取る者が川へ行ってやな、やはぜの設備をするならば貸してやろう、こういうやり方なんです。こういうものは資金対象にはならないんだという書き方ならまだいいと思うのですよ。海で漁網を失ったときに冷蔵庫を作るなどということでは営農資金にならないのである、こういうことなら話はわかるのです。これだと、非常な被害があっても貸すのはごくわずかだということになるのじゃないですか。なるかならないかということなんです。
  12. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 金額の限度は、漁具については一千万円ということで、法律できめることができるようになっております。漁具種類は一体どういうものかということを政令で定める。それからそれに付随する付属品を購入する場合——当然一緒になっていればいいんだけれども、付属品だけを購入する場合に、必ずしも漁具といわないで、四項の経営資金とはこれこれ、「漁具政令で定めるものに限る。、)稚魚、稚貝、餌料、」「その他農林漁業経営に必要な資金」というところで、こまごましたものは経営資金と見たらいいか、漁具と見たらいいかというあれがありますが、少くとも漁具というものは相当まとまった金額になると思いますからそれはやはり限定した方がいいのではないか。あるいは法律書き方を、川俣先生が言うように「限る」に重点を置いて解釈されますと、その当時災害にあっても、こういう漁具、こういう漁具ということに制限的になりますが、そういう意味ではないのであります。私の方では政令で定めるものをいうというくらいにこの「限る」を運用しておるわけでありますので、ある一特定の災害の場合にこれこれの漁具被害を受けた、これこれを全部入れる。今申し上げました三十一年六月から九月の天災法政令では漁網綱、やな及びはぜまで入れる。その前に読み上げましたのは、漁網なら漁網、そういうふうにやっておるわけであります。そのときにほかのものがなかったから入れなかったのでありまして、ほかのものもあればやはり政令で広くしてそういう運用をしておるのでありますから、御心配の点はないじゃないかと思います。
  13. 川俣清音

    川俣委員 心配の点がないじゃない、漁具とは何かというと、「政令で定めるものに限る。」というのです。政令で定めないものは漁具ではないという。ところが通念として漁網綱などが漁具の全部とはだれも言わない。漁具の一部です。漁具とはいかなるものかといえば、政令で定めるものだという。その政令では漁網綱だという。またはやなだという。ここに生産関係の二人の方がおられますけれども、漁具とは何かと聞いた場合、政令指定する漁網の綱だなんて言う人はおそらくないと思います。漁具とはやなだ、こういう言い方はないだろうと思う。ところが法律漁具とはさようなものだ、こういう解釈です。漁具カッコして「政令で定めるものに限る」ですから、この場合の漁具はやなであるとか漁網綱だ、それ以外の漁具対象にならない、こういう意味でしょう。
  14. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 ですから、繰り返して御説明申し上げますように、そのときここにあげている以外の漁具被害がありますればそれも一緒政令で追加しようというのであります。そのときどきの被害態様によって——その被害は、先ほど申しますように、北海道の場合はどういう漁具を使うか、九州の場合はどういう漁具を使うか、それぞれ態様が違いますから、そこで被害を受けている漁具があればそれは拾ってこれこれということを言おうというわけであります。今の漁網綱と書いてあるのと関連あるようなお話でありますが、それは関係ない。ここに書いたのは、漁網及び綱、一緒になっているのもあるし、綱もあります。漁網の綱というわけではないのです。この漁網綱というのは、これは専門家がおりますから私が申し上げるまでもないと思います。
  15. 川俣清音

    川俣委員 今まで私が指摘した以外  にはないのです。
  16. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 今までありましたのは漁網綱、やな、はぜ、えり……。
  17. 川俣清音

    川俣委員 いろいろあるけれども、従来あげたのは四つでしょう。それ以外はあげてない。その地方損害を起した漁具は全部指定するのだ、こういうけれども、従来天災によるところのいわゆる営農資金として対象にしたものは今あげられたものだけだということです。今あげられた以外のものは対象にならない、こういうのでしょう。だから、私はきのう法制局に聞いた。この漁具は、法律指定するものかと言ったら、そうじゃない、この場合の法律書き方は、これは漁具範囲指定してある、こういうことです。漁具というものは政令で定めるものに限ると、こうなっておるから、漁具全部をさすのじゃなくて、政今で定めるものだけが対象になるというのです。あなたの説明は、いやその他のものも入る、貸付対象になるということになると、この政令書き方がよろしくないということになる。皆の理解と違ったものができている、こういうことになる。
  18. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 食い違ってないと思います。なぜかと申しますと、漁具政令で定めたものに限るということ、その政令災害が起きたごとに指定しますから、その災害が起きたときに、ここに掲げたもの、あるいはそのほかの漁具があればそれを指定いたしまして、そのときに、政令で定めてあるからこの法律でいう漁具になるわけでありますから、全然食い違ってないのであります。
  19. 川俣清音

    川俣委員 くどくは言わないです。どんな災害があった場合においても、漁具の損耗は今あげられたようなものだけが災害を受けたのではないということは明瞭です。災害を受けたもののごく一部であるということは言える。しかし全部じゃないですよ。たとえ全部が受けてもこれこれより貸さない、こういう書き方になっているから、それでは今の経済局長説明法律とは違うじゃないか。経済局長のような説明をするならば、これは変えなければならぬじゃないか、こういうことなんです。
  20. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これはあるいは説明が少し不十分であったかと思います。あととの関連においてお読み願いますと、先ほど申し上げましたように、その他農林漁業経営に必要なる資金ということで全部くくります。その中で漁具は抜き出して、これは経営資金の今までの十五万円とか二十万円というのでは足りないから、漁具だけは別に一千万円まで貸そう、そのかわり対象漁具政令で定める、こういうことでありますから、今の御指摘にありましたような、ここで指定されない漁具に必要な金は、いわゆる経営資金の中で見てもらったらいいのじゃないか、こういうのであります。だから、その経営資金を一定のワクをきめておりますから、その中にそういう大きい漁網綱とかやなとかいうような金のかかるようなものを入れておくと、漁業経営資金については、これを含めた別のワクをきめる方法一つありますが、それではなしに、一般経営資金としては農林漁業の一戸当りの額は最高これだけにしておく、しかし、その中にそういう大きい費目を入れておくと、とてもまかなえないから、漁網綱等を限定して、その部分は一千万円まで貸そう、こういうことになっておるのでありますから、御了承願います。
  21. 小枝一雄

  22. 細田綱吉

    細田委員 これは大臣に伺うことかもしれませんが、当該責任局長にその準備ができておるかということを伺いたいと思うのです。あるいはまたどう考えているかということを伺いたいのです。御承知のように農業災害の補償についての例の共済組合、これは今国会に改正法律案を出すか、その点をお伺いします。
  23. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 農林省としては提出することを決定いたしまして、目下法制月その他と協議をいたしております。
  24. 細田綱吉

    細田委員 大へんけっこうな話ですが、これは出す前ですからあなたの方で答弁にちょっと困ればそれで追及しませんが、どういう点を改正しようと計画されているのですか。
  25. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 まだ今お話のように最後の結論になっておりませんから、そういう前提でお聞き取り願いたいのでありますが、私の方で少くともやりたいという点を申し上げますと、一つは、ただいま一筆反建になっておるのを一筆石建に直す、これが第一点。それから第二は、料率の調整をいたす。第三は、ただいま損害評価が非常に問題になっておりますが、損害評価につきましては法律規定がありません。現在は損害評価は、昨日御説明申し上げましたように、町村組合経験者損害評価委員に任命してそれをやっている。これはすべて行政措置でやっております。これを損害評価委員というものを置かなければならない、そして損害評価委員はこういうことをしなければならないということを法律の中で明示いたしまして、損害評価委員の権威づけをしたい。それからもう一点は、これは非常に今問題になっておりますが、市町村の合併あるいは都市近郊耕地態様が変りまして、米麦重点主義から保険対象以外の作物を作る耕地が非常に多くなった。そういう点から保険組合を独立して運営することが経費その他の関係からむずかしくなっている点がありますから、そういう場合には農家が、保険組合共済組合特別手続をすれば、事業を市町村でやってもらうことができる、そういう点がおもな点であります。そのほか、組合指導にいたしましても、昨日来話がありましたように、現在監督規定が非常にまわりくどくなっておりますから、たとえば行政庁職員組合の会合へ出ていって意見を述べる、あるいは業務の指導監督をもっと積極的にする、そういう規定、その他経過的の規定考えております。おもな点はそういう点でありまして、まだ最後的の結論までは出ておりません。
  26. 細田綱吉

    細田委員 ただいま立案中で、その他関係官庁との関係もありましょうから、あえて追及するという意思はないのですが、あなたの今の御説明の中の、評価委員資格その他を法律で定めるということはけっこうですが、しかし現在の農林省は、現実に、きのうも申し上げましたが、統計事務所調査が中心なのです。評価委員にはちょっとお前たちも民主主義だからやってみよという程度であって、この評価の結果、すなわちこの被害県統計調査事務所との間をあなたの方でコントロールするのですけれども、その基礎は依然統計事務所なのです。そこであなたの方で今の評価委員法律できめる場合、各地にある統計事務所職員をこれに参加させて一本にするというお考えで進んでいないのかどうか。  それからいま一つ、非常に共済組合の盲点になっているのは、これが一様になっていることです。上田も上畑も、毎年災害を受けるところも一様です。もらうところは毎年もらうでしょうが、もらわないところは何十年もただかけている。そういうことでは組合の掛金に対する意欲というものはちっとも出てこない。この段階をどういうふうにあなたの方はお考えになっておるか。さらに極端にいうと、去年、おととしの共済金をまだ払っていない県すらある。これは実際的に訴訟をやるとか何とかいうことだから、ずいぶんおくれているのでしょうが、とにかくこの程度なら農林省が承知するという金額は先に払ってしまわぬと、農家の方では再来年もらったってどうにもしようがない、もらわないよりはいいけれども。だから少くとも農林省でこれだけはという査定された金額はとりあえず払ってしまう。あとの必要なものの金額はこれは若干の時日かかってもやむを得ない。とりあえず何月何日までに払えるというお考え改正法案の中に織り込まれるか、こういう点についてお伺いしたい。
  27. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 まず第一点の組合損害評価委員損害評価統計調査部調査、これとのからみ合いをどうするか、こういうことであります。これは現在統計職員共済組合損害評価委員にする考えはありません。なぜかと申しますと、この統計職員一つは歴史的に米の供出という制度で非常に痛めつけられているわけであります。従って今すぐその職員組合嘱託なら嘱託でやらす、あるいは損害評価委員を置かないで、損害評価統計調査職員だけでやる、こういう考え方もありますが、それも行き過ぎではないか。従って現在は、先ほど申しましたように、共済組合損害評価委員に法的の基礎を与えると同時に、その損害評価調査について、統計調査部坪刈りなり粒数計算なりあるいは見回りなり、そういう評価方法についての現場指導はやっていく。それからまた統計調査部としては、やはり米の収量全体を考えなければなりませんからやりますが、それが調査をやる場合には、やはり町村損害評価委員現場で立ち会ってもらって、実際に統計調査職員がやっておるのを見てもらう、そういうことをいたしますれば、すぐはなかなかむずかしいと思いますが、おのずからこの組合損害評価と、統計調査部職員損害評価の開きがおいおい出てこなくなるのではないか。しかし何と申しましても組合職員評価する場合には、判定する場合に、どうしても身びいきと申しますか、判断が自己に有利になる。これは人情としてある程度やむを得ないことだと思いますが、そこのところの調整もやればいい。今のように極端な例を申し上げますと、三十一年の災害損失の評価で、ある県などは統計調査部調査に相当アローアンスを加えたものの五倍にもなる開きがある。大多数の県が倍くらいになっておる。統計調査部損害評価とほとんど近い県が七、八県、そういうふうになっております。それはどうしてそういうことができるかということは今再検討をしておりますが、やはりこの自己評価の弊害、それから評価方法の不正確さから出ておる点が非常に大きいと思いますので、先ほど申し上げましたような線で調整を加えていきたい、こういうふうに考えております。  それから第二は、低被害農家あるいは低被害地の処分をどうするか、こういう問題であります。現行法は町村では農業共済組合というものはお互いに助け合うという趣旨でありまして、保険にはなっていないわけです。共済組合共済金を支払うとその支払額に対して連合会が保険する。共済組合から上の段階が保険になっておるのでありますが、組合の段階ではお互いに農家が助け合う、こういう趣旨で出ておりますので、その趣旨農家に得心いただかなければ運営はなかなかうまくいかないのであります。これが私どもも一番頭を悩ましておるところであります。この制度を作ったときに理想的に考えまして、お互いに災害のある農家災害のない農家が助けるのは農村の隣保共助の精神のいいところじゃないかということでやってきておりますが、法律施行後十年たっております。十年間の無被害農家あるいは無被害地、これははっきりしておりますから、そこでそういう人はこういう制度は何にも恩恵がないじゃないか、やめたらいいじゃないか、こういう説が相当出ております。この制度そのものが先ほど申し上げましたように、お互いに助け合うという制度できておりますから、その点はやはり従来の制度でいく以外に仕方がないのじゃないか、こういうふうに考えます。  それから第三の共済金の支払いを早くやれ、こういうお話でありますが、これはまた私どもの最も苦心しておるところであります。実収高がきのう申し上げましたように、十二月の年末じゃないとできませんから、それをもとにして計算しますと、どうしても早くても翌年の一月ころになります。だからその実収高の調査をもっと繰り上げる。統計調査部に督励いたしまして、ただいま私どもの結論を出しておりますのは、いわゆる東北に近い早場地帯は実収高の調査をもう半月なり一カ月くらい繰り上げることができるじゃないか、そうすれば年内に払えるじゃないか、西の方はどうしても収穫がおそくなりますから、これは従来通り旧正月を目途として出すということはやむを得ぬじゃないか、こういうことで研究いたしております。  なお紛議があった場合に支払いがおくれているケースが、ただいま高知等であります。それは私の方ではこれだけは払うといっておるのでありますが、不満だからというので保険審査会に提訴する、提訴中は受け取らない、こういうことで私の方が払わぬというよりも、戦術的と申しますか、交渉のかけ引き上受け取らないのが残っておるのでありまして私の方としては、お話のようにとにかく違った結論が出れば、それによって払うのだからとっておいたらどうだ、こういうことを言っておるのでありますが、そうでないケースが一、二あるように承知しております。
  28. 細田綱吉

    細田委員 あなたの方は掛金に段階をつけるということにお考えが及んでいないようだが、実際問題として全国の農家でほんとうに掛金をかけているのはあなたの方は何%と踏んでいるのか、実際かけていないところが多いのです。というのはいろいろほかにも不満があるけれども、今の掛金があまりにも平等過ぎるということです。火災保険だってお湯屋の近所はちょっと高くてお湯屋に遠ければ低いということは当然ある、また今までの統計で火災の多いところは高いというようなことは当然あるので、あなたの方はもう十年の経験をもってはっきりしているのだから、災害のないところとしょっちゅう災害を受けるところと、お前これはともに助け合う制度だぞと農家に言っても、これは農家の方で納得しないと思う。共済の制度であるということは農家にもわかっているけれども、だからといって最悪な条件のもとにおける人と、最良の条件の人とを一緒にするということは、われわれが見てもおかしいと思う。これであなたの方は将来法律を改正して、ほんとうに組合費を納める充実した共済組合の経営ができる自信を持っておるのかどうか。  それからその支払い期日ですが、農林省としては最後まで片づかぬ限りは払わぬという建前をとっているから相手方が取らないのです。おととしのものをまだ払っていないというところは少いけれども、県によってはあなたの方でお前の県はこれこれだ、おれの方の査定はこうだといって県の方でのまないと何回でも往復しているでしょう。それでずいぶんおそくなる。だからあなたの方へきたら、とりあえずあなたの方で査定した金額は、これは払うから農家の方に先に払ってくれ、あとは払わぬというのではなく、また払うという意味でもないが、その残ったケースは一つあと慎重審議しようじゃないか、こういう規定がないと、県によってはずいぶんあなたの方の査定を不漁に思って何回も往復するのです。これはまた農家に対してきわめて忠実な態度であるけれども、忠実な態度の結果だんだんおくれる。それだけではない。不心得者というよりも、むしろそういうことが多いかもしれないが、共済連によってはあなたの方からもらった金を、今度は銀行に預けておいて利息をかせぐ。利息かせぎです。これもあなたの方がこれだけ問題がある共済組合の支払い期日を考えないというのは、私は画龍点睛を欠くと思うのです。特にあなたの方でよくわかっておるでしょうが、行政管理庁の調べだって、あるいは決算について会計検査院のついたところも、あなたのところは補助金が多過ぎる。それから支払いの期間がでたらめだ、そしてずいぶんおくれるのだということを指摘されておるではありませんか。これはこういうことを先輩の諸兄に言っては失礼だけれども、農林委員会では予算をとることだけはきわめて熱心だけれども、金の行方だとか、予算の実行の過程というものに対して、ちっともといってはこれはちと言い過ぎだが、きわめて熱心でない場合も相当あると僕は思う。けれどもあなたの方で何億、何十億ふやしたってそれが十分生かされていない、効果がちっとも上らないということです。そこであなたの方は行政管理庁からもあれだけ指摘され、会計検査院からもあれだけ批難されている。あなたの方の省の中でも、共済組合の掛金がおくれるということがもう天下の世論になっておるにかかわらず、これが全然考えられていないというのはどういうわけですか。この二点についてさらにお答えをいただきたい。
  29. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 第一点の掛金の差がついていない、これはっけておるのであります。従来もつけておりますし、今度もつけておるのであります。ところが従来はいわゆる反建てでありますので、村別にランクをつけまして、この村は反当何石地、何石地と三段階に分けております。従ってその村の中では四石とれるのも、二石とれるのも一反歩同じの共済金だ。今度それが不当だというので、石建てに合せまして、一石幾ら——これにつきましても一石の共済金は七、五、三、二、四つの種類に石当りの共済金をきめて村別に選定をさすのと同時に、今度は石別に、今の反当の損害を出すのでなしに、石当りの損害を出す。従って少しこまかくなりますが、三割は従来通り見ないのですから、三石ならば、その分の七割、二石一斗分について見る。二石一斗分について各村で石当り何ばかげようかきめてある、何銭何銭ときめてあるのが、全滅ならばそれを見る。たんぼによって共済金が違ってくる、こういう制度になりますからお説のようなことは全部解決することになると思います。  それから第二の支払いの問題は、お話によると、連合会の言うことが正しくて、農林省の言うことが正しくないというような前提であるようにも受けとれたのでありますが、これは御承知でもあると思いますが、相当の何といいますか水増し申請といいますか、かけ値申請がなされておりますから、それを私の方で調査しておるのを詳細に説明して得心していただくためには、なかなかひまがかかるのであります。今も三十一年度の数字について各県とやっておりますが、各県から持ってこられると、資料を出させて説明しっぱなしで、これでなければ困ると言いっぱなしで、これはどうだ、これはどうだといってもよくわからない。そういうようなことで手数がかかっておりますが、私の方としては、とにかく私の方が払うというのをそのまま受け取ってくれるなら、それは争議はあとに残して、その通りお渡しするわけであります。ただお話のように、分ける場合にやはり総額がきまらないと、なかなか困難があるということは連合会としても考えておりますから(「第一次の支払いです」と呼ぶ者あり)いや第一次の支払いというのは、そう簡単にいかないのであります。これはよく実際の事務を見ていただけばおわかり願えると思います。
  30. 小枝一雄

    小枝委員長 細田委員にお願いいたしますが、共済制度は別にあらためて質疑の機会もございますので、一つ法案に限って御質問願いたいと思います。
  31. 山田長司

    ○山田委員 局長に伺いますが、今度の天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法、この法規の中の第一条にどうして旱魃を入れないのか、旱魃を入れない理由を一つ聞きたいのです。
  32. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 等で読んでおるのでありまして、現に旱魃の場合に今度も出しております。
  33. 山田長司

    ○山田委員 等で旱魃が入っているということでは、ちょっと明瞭を欠いておると思うのです。やはり旱魃ということをはっきり私はうたっていただきたいと思うのです。それが一つ。それからきのう私はこの査定のことについて検査官の問題を持ち出してお話ししたわけですが、どうしてもこの法規の中から私が申し上げたいことは、やはり査定の問題が明瞭を欠く点があると思うのですけれども、査定について何か強い項目を設ける必要はないのですか。
  34. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 天災融資法では、検査は昨日お話し申し上げましたように、この法律に準拠して貸付が行われておるかどうか、会計検査院で指摘されておるような事態が起るか起らないかということを検査するのでありまして、査定という問題は、たとえば三分五厘の地域と六分五厘の地域市町村長の、災害が著しいという例で申し上げますと、その認定が誤まっておるか誤まってないか、そういう点も一つ問題になってきますが、そういう点については農林省も随時回っておりますし、府県において指導を願っておるのであります。
  35. 山田長司

    ○山田委員 なぜ私は査定の問題を、ただこういう法規だけでなくて、設けなければならないと言うかというと、天災というものがややもすると惰農を作り出す危険があるからです。たとえば旱魃の場合に、陸稲が今にも枯れかけんとしているときに、精農の人は、たとえばその畑のまわりにポンプをこしらえるとか、あるいは夕方水を汲んでいってその陸稲にやるとかいう場合があるけれども、惰農の場合は、これはとても助からないおかぼであるということから、ほうってしまって、そうして完全に枯らしてしまっているという例があると思うのです。ところが枯らしてしまった方は、この資金融通を受けて、一生懸命水を汲んだり、あるいはポンプをまわりにこしらえたりして水をやった人は、融通資金を受けない。これじゃちょっと惰農を奨励する形になる危険があると思う。そこで私の申し上げたいことは、やはり損害評価員とか査定員とかいう人は、ただ査定をするだけでなくして、見識ある人が指導の面に携わるというふうにしなければ、完全な資金融通に当てはまらなくなるのではないかという気がする。ただ融資するという法規だけをこしらえていくことは、結果において悪い結果が生まれると思う。この点どういうふうにお考えになりますか。
  36. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 その問題、一番極端に出ますのは、三分五厘の低利で金を借りる場合に出てくると思うのであります。金を借りるのでありますから、そうむやみに金は借りたがらないのであります。三分五厘の金ということになりますから、非常な魅力が出てくるわけです。それで会計検査院の指摘等でも、ほとんどその地域の問題が多いようであります。そこで、前の法律では、その三分五厘の金を貸す地域なり、貸す対象農家の限定が市町村長の認定にまかされておった。そのことが、まあ災害を受けたのでありますし、市町村の中のことであるから、市町村長に頼み込んで、ただいまお話のような事態が起ってきている。それをできるだけ防ぎたい。こういう点から、市町村長が認定する場合の基準を、被害の五〇%以上の場合とか、いろいろな標準を法律で示しまして、一応の基準を出しているわけであります。従って前は町村指定されますと、その町村の中では、一定の被害以上のものは、全滅であろうが、五割であろうが、三分五厘で借りる資格ができた。今度は各農家ごとに市町村長が認定する場合の基準を与えておりますから、そういう弊害は一応除けることになるのではないか、こういうように考えます。ただ共済組合の場合とか、あるいは補助金の場合等とは多少違いまして、やはりこの金を返すのでありますから、基準については、先般来いろいろ御議論のありましたように、非常な厳密な規定はいたさない、あとの認定は基準に基く市町村長の常識判断、こういうところにまかしておるのであります。
  37. 山田長司

    ○山田委員 さらに伺いますが、もしこういう場合に、旱魃等で精農の人がポンプの用意をして旱魃を避けたというような場合に、あるいはまた少し手数をかけて小さな川をこしらえて、水を持ってきて旱魃を避けた、こういうような例があった、こういう場合、そのときにポンプの設備とか、川をこしらえた人に対する融資というものはどうなっていますか。
  38. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 いろいろなケースがありますが、たとえばポンプを買ったような設例の場合でありますが、その金は農林漁業金融公庫資金対象にいたしておるわけであります。しかし石測代がよけい要ったとか、あるいは農薬代がよけいに要ったとか、こういうような場合に、それを使うことによって収量が保持された場合にはその努力代が見てないじゃないか、こういう御議論になると思いますが、私の方では、一応その人はそれによって収量を得ておるのであるから、金を借りないでも物を売却できますから必要が少いのではないか、それが努力にもかかわらず減収になった場合にはこの法律による。しかしどうしても、そういう人が努力の結果の収穫だけで諸経費がまかなえないという場合には、協同組合の系統資金で見ることになっておりますから、一応まかなえていくのではないか、こういうふうに考えます。ただお話のように努力賞を出せという問題が出ますと、これは今のところそういうものはないのであります。
  39. 山田長司

    ○山田委員 私が聞こうと思っていたことを局長が努力賞の話をみずからしてしまったので言えなくなったのですが、実は果樹の場合にもそうだと思うのです。たとえば霜をよける場合に、あしたの朝霜があるということが気象台の速報等で、最近はラジオがニュースを出しますから大体わかるにかかわらず、惰農がこの霜をよける工夫を何もしない、こういう例があると思うのです。こういう場合やはり片方は非常に努力をしてこれを避けて、そうして霜の被害からのがれたという人がかりにあるとして、こういう場合に何らかの形で報いる方法が、査定をする人なり、評価をする人なりが、農林省と連絡をとってなされることがなければ、わざわざ巨額な経費を国家で出さなければならぬ結果になると思うのです。こういう場合における査定官及び指導等の仕事に携わっている人あるいは鑑定の衝に当っておる人たちは、ただ報告を聞き、ろくな調査もしないで被害を出すということでは、国家に及ぼす損害というものは非常に大きくなると思うのです。この点について私はやはり何らかの処置が講ぜられてしかるべきだと思うのですが、その点どうなんですか。
  40. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 お説の通りであります。一つの見方から言えば、努力して費用がよけいにかかったけれども、損害を受けたよりはいい結果であるからそれで満足してもらいたい、こういうことも言えますが、たとえば共済の場合におきましても、農薬をうんとかけることによって共済の対象にならなかった、こういうような場合には、経費をかけて努力したことはむだだ、それで遊んでおったやつは共済金をもらっておる、こういうことになるので、農薬をかけたことを共済の対象にしたらいいじゃないか、こういう議論も出ているわけなんです。費用を使ったことを共済の対象にしたらいい。しかしそれにはまたいろいろな問題がありますし、まだ結論が出ておりませんが、この点は私の方でもさらに検討を加えていかなければならない問題である、こういうふうに考えております。
  41. 小枝一雄

    小枝委員長 山田委員に申し上げます。大臣に対する質疑がありますので、大臣お急ぎのようですから……。
  42. 山田長司

    ○山田委員 それでは局長に対する質問は途中でやめまして、大臣に伺います。実はかなり前に書類の提出を要求していたものがきょうできてきたのです。農林省の外郭団体の調べの報告をいただいたのですが、ちょっとこの報告を見ましただけで、補助金と委託費が大体一億七千万ばかり出ています。この報告の中に理解のできないような巨額の経費が出ておるようなところがあります。一体外郭団体に対して大臣は……。
  43. 小枝一雄

    小枝委員長 山田委員、大臣は参議院の予算委員会関係があるのですが、芳賀委員から出席の要求があって見えているのでありますが……。
  44. 山田長司

    ○山田委員 これだけ聞いてあと譲りますから……。
  45. 小枝一雄

    小枝委員長 それじゃ簡単に。
  46. 山田長司

    ○山田委員 この中にはもう存在価値がなくなっているようなものがあるわけですが、こういうものについて、大臣は何らの御意向もお持ちになりませんか。
  47. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 資料をもってお示しをいたしました関係団体につきましての山田委員の御発言は、この中にはもはやその必要もなかろうではないか。さようなものも入っておるというふうに御認識になっての御質問でございますが、私も今この資料をここで拝見をするというような始末でございますので、よく取り調べました上で、またの機会に申し上げるということで御了承をいただきたいと思います。
  48. 山田長司

    ○山田委員 それじゃよいでしょう。
  49. 小枝一雄

    小枝委員長 芳賀貢君。
  50. 芳賀貢

    ○芳賀委員 実はこの機会に農林大臣から農林金融に対する基本的な構想等を具体的にお伺いしたがったのですが、きょうは時間の都合でそういうゆとりがないようですから、ごくしぼって、当委員会で今審議中の天災融資法と、それから農林漁業金融公庫関係の改正案が政府から出されておる、この点に限っての質問にとどめておきたいと思うわけでありまして、農林金融全体の問題に対しては次の機会に大臣からゆっくり聞きたいと思うのであります。  まずお伺いしたい点は、特に天災融資法の問題でありますが、これは井出大臣がかつて当委員会委員長をなさっておられた時代から出た災害融資法でありますが、今度の改正は改正案全体としては相当われわれとしても努力の跡を見ることができるのでありますが、ただその中で問題となる点は、国と地方公共団体の利子負担の区分の問題に対しましては、なかなか了承できがたい点があるわけです。この利子負担の区分を今回改めるという原因は、昨年度から中金等の利子の引き下げが行われまして、その結果、この天災法による融資の場合にも従来は一割一分五厘であった金利が一分下って一割五厘ということになってまた今年度の見通し等については、さらに五厘下って一割になるというような一つの趨勢をたどっておるわけです。そういう場合に問題になるのは、金利の引き下げに伴って、しからば金利の下った分を、被害農家に対して条件を緩和さすべきか、あるいは地方公共団体の重い負担を軽減さすべきか、あるいは国の負担を軽くするかという、この三つの点になると思うわけです。ところが今回の改正法律案によりますと、被害者に対しては今まで通り六分五厘ないし三分六厘の利子はそのまま継続していくということになりまして、結局この負担区分は国と地方公共団体の面に対しての軽減になるということなんですね。  それで私どもとしてお伺いしたい点は、この災害融資法に伴って、災害を受けた地域地方公共団体は、これらの金融面に対しては相当重い利子負相あるいは損失の補償を義務づけられておるわけですね。ですからこの点に対してはやはり国家財政が、特に今年度の予算等を見ても相当ゆとりを持ってきておるという段階に達しておりますので、この法律の改正をやる場合においては、今まで重かった地方公共団体の利子負担等に対して重点的に軽減の措置を講ずべきでないかというのが私どもの一つの期待であったわけでありますが、特に被害激甚の地帯に対する利子負担の面に対しては、何ら地方公共団体の面に対してはその配慮が行われておらないわけなんです。この点はやはり農政の上からも相当問題になると思いますので、特に農林大臣の見解を明らかにしてもらいたいわけであります。
  51. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 天災融資法に関しましては幾たびかの改正がなされまして歩一歩前進をして参っておることは芳賀委員もお認めいだだいておる次第でございます。そこで系統金融の金利が下った、また今後も下る傾向にあるであろう、こういう段階において国と地方との負担区分を、災害の激甚であった地方に大きく負担させることなく、国がこれをしょったらどうかという御趣意でございましょう。これにも私は十分理由はあると思うのでありますが、今回の改正案というものは、御案内のように国と地方との負担区分が大体バランスがとれておるというふうに考える次第でございまして、これを御趣旨の線のように再修正をいたしまする場合も、既往にさかのぼって適用するというわけには参らないと思うのでございまして、今後の金利趨勢ともにらみ合せまして、御趣旨の線はわれわれとしても十分に含んで参るつもりでございますが、当面は政府としましては、改正案の方向で諸般の打ち合せも完了をいたし、こういう線でぜひ御承認を得たいということで提出しておる次第でありまするから、御不満の点もございましょうが、このところは一つごしんぼうをいただきまして、今後さらに相ともに研究をして参るということで御了承をいただきたいと存じます。
  52. 芳賀貢

    ○芳賀委員 ただいまの大臣の答弁でありますが、実は今度の改正によって国と地方公共団体の負担区分がむしろアンバランスになってきているわけですね。この点は大臣が十分のみ込んでおらぬかもしれぬが、今度の改正案によると、特に特別被害地域の特別被害農林漁業者に対する融資条件は、被害者に対しましては三分五厘ということに従来通りなっておるわけですが、残余の利子の負担区分は、今度は国が自分の六十五、地方公共団体が百分の三十五ということになっているわけです。これは今後金利が上る場合も下る場合も経済情勢の変化によって当然あるわけです。だからいかなる変化に対しても国と地方公共団体の区分を数字の上において明らかにしておくというのが改正の意図なんですね。ですからこの改正の意図を当てはめた場合は、現在まで行われておった災害融資の金利は一割一分五厘で、被害者が三分五厘を負担しますから残余の利子負担分は八分になる。八分の利子負担に対して国が六五%、地方公共団体が三五%ということになると、従来までは原則として地方公共団体には、普通災害の場合も特別災害の場合にも二分五厘以上の負担をさせないということになっておったわけです。ところがこの六五%を適用すると、むしろ二分八厘ということになるのです。八分の利子負担分を地方公共団体が三五%ということになれば、当然これは二分八厘ということになります。そうして国が五分二厘ということになって、むしろ国の負担が従来より三厘下って、地方公共団体の負担が三厘上るという結果が出てきているわけです。これは大臣の言われるバランスをとったということではなくて、逆にアンバランスをとるためにこの改正がなされたということになるのでございまして、この点は私どもとしては絶対に了承することのできない点であります。これは全く大臣の意図とも違っていると私は思うので、この際農林大臣としての明らかな見解と、かかる百分の六十五というものの持つ意義を明瞭にしてもらいたいわけです。
  53. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 御趣旨はよくわかるのでございますが、将来利子がさらに上ったというような場合には、芳賀委員の御指摘のような場面が生ずるでございましょう。現状においてはなお従前の例によるということでございますので、当面はこれで進行させていただきまして、将来利子が上るというふうな場合には当然今おっしゃるような問題が取り上げられるのでございますから、そのときは一つ十分考慮いたすということにして、この際は政府の改正案をぜひお認めをいただきたいと存じます。
  54. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これは改悪なんですからだめですよ。今までは地方は二分五厘でよかった。それが二分八厘持たなければならぬという根拠はない。むしろ現在国家財政が豊かになって、神武以来と称して自慢しておられるのです。地方公共団体の財政はむしろ逆に苦しくなっているのですよ。その場合、現在までの一割一分五厘の場合においては——地方公共団体の負担が三厘高くなって国の負担が三厘安くなるという、そういうばかげた改正を今やる必要は一体どこにある。幸いにして一分下って今日は一割五厘になっているから、それで今度計算した場合においては地方公共団体はわずかに五耗です。国の方は九厘五耗特別災害の場合には安くなるという仕組みになっておるわわけです。ですからそれ以下にだんだん金利が低減すれば、地方公共団体の負担というものは二分五厘以下になるけれども、とにかく三十一年までに扱った災害の金利負担というものを現実にとった場合においては、特別ひどい災害地域に対しては地方公共団体の負担が重くなるというのが百分の六十五の内容なのです。今度の場合はこれでがまんしてくれなんということは言えた義理ではないと思う。この点は非常に大事だと思うわけです。しかも農政を担当する井出農林大臣が、これでがまんしてくれなんというばかげたことはないと思う。率直にこの欠点をお認めになるならば、われわれは修正をするにやぶさかでないのですから、その点の所信を明らかにしてもらえばいいわけです。
  55. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 ただいまのお話は、今までに課したものに六五%が適用になる、こういうふうに御理解になっておるようにも受け取れるのです。将来また一割一分五厘でなければ金が借りられないという場合があるとすれば、御説の通りの計算になります。しかし私の方では今金利低下を大いに慫慂し、少しずつ下げていっておるわけでありますから、非常に早く金利が上るということは予想していないわけでありますから、先ほど大臣が申し上げましたように、金利の趨勢がまたもとに返らなければいかぬというような場合が予想されたときには、あらためて法律を出しまして、そこで手直せばいいのではないか、かように考えております。
  56. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これは本来ならば国が全額負担すべきなのですよ。このことについては、昨日田中自治庁長官が当委員会に参って、本来は当然災害に対する利子負担というものは国庫が全額負担すべきであるにもかかわらず、地方公共団体に迷惑をかけておるのはまことに申しわけない、しかもこの地方利子負担分に対しては、明確な根拠をもって地方に対する普通交付税あるいは特別交付税の交付を行うということができがたいような実情の中に置かれておる場合においては、全く矛盾であり、政府の責任であるということを率直に認めておるわけです。政府部内においてもそういうような良心的な反省をしておる向きもあるわけですから、やはり改正する機会には、その方向は、地方負担をできるだけ軽くしてやろうというところに改正の重点を置くべきだと思うのです。それを改正に名をかりてできるだけ国の負担を軽くして、しかも最も激甚な災害を受けた場合には、なおさらその負担が重くなるような方式を採用しなければならぬという点に了承に苦しむのです。これが現政府の性格であれば別ですよ。そうであればこの点は天下国民の前に明らかにして、岸内閣はこういう性格で、災害地に対する金融措置をやる場合においては、災害を受けたところの責任において利子負担をよけいやらすのかという宣伝をする御意思であればかまわないわけです。しかしそうでないとすれば、この改正の機会に、全免しろとまでは言いませんけれども、もう少し現在よりも積極的に地方公共団体の利子負担等の責任を軽くしてやるという方向を打ち出すべきだと私は考えるわけでありますが、もう一度農林大臣の責任ある答弁をお願いする次第です。
  57. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 田中長官が当委員会にこられまして御答弁されたということは、今芳賀委員から伺ったわけでございます。これに関する芳賀さんの御見解は、私としても決してわからないわけではございません。従いまして、先ほども申したように、今後金利が高まるような場合は、これは当然考えなければならぬであろうと思いますが、この場合は府県の負担が従来よりも決して重くなっているわけではない。ただ国との比較において御不満の模様でございますが、既往の資金に対してこれが影響するということはないのでございますから、一つ今後の課題として十分御趣旨を尊重して手直しをする機会がある。従ってこの改正案は一つこの姿でぜひお認めをいただきたいと存ずるわけであります。
  58. 芳賀貢

    ○芳賀委員 もう一点は、内閣提出法案の場合は、当然閣議等において方針がきまるわけだと思いますけれども、欠陥といたしましては、かかる法律をもって国が一部の利子補給をし、地方がまた一部の利子の負担をしなければならぬというような場合も、地方財政法や地方交付税法においても、この分に対する地方財政の基準需要にこたえるような法律的根拠は全然ないわけです。特に昨年の場合は異例の措置であったかもしれませんが、ただ特別交付税として、災害が発生した当年度に限って四七・五%の特別交付税の支給を行うというような措置がとられたのであります。それ以前におきましては、わずかに二八・五%だけの分が災害発生の当年度だけに限って認められたような取扱いであった。ですから三年資金、五年資金の場合は、後年度においては何らこの措置が地方財政の面では講ぜられることがないままに放置されておった。これに対しましても、田中自治庁長官は、今後法律の改正を行なって充足しなければならぬということを言明しておりましたが、この法案関係のあるのは農林省でありますから、農林大臣としても、これは政府全体の連帯責任の中において、地方財政に関する法律の改正とか適切な行政的な措置等に対しましては積極的に行動されて特に財政当局の大蔵省に対しては十分な注意を喚起する必要があるのですが、その点はいかがですか。
  59. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 この災害の発生いたしましたその年度については、特別交付税その他の措置をもってめんどうを見るといいましょうか、そういうことは従来あり得るけれども、それがこういった金融措置のごとく後年度に影響いたしますものは、その後における配慮がなされておらぬ、これは私もさようかと存ずるのでございます。田中長官がここで御答弁されました趣旨というものは私も了承をいたす点でございまして、これらは今御指摘のように自治庁当局とも十分連絡をいたしまして御期待にこたえるように取り運びたい、かように考えております。
  60. 芳賀貢

    ○芳賀委員 本会議の開会が迫っておりますので大臣に対する質疑、それから大蔵当局にもおいで願っておるわけですが、それらに対する質疑は本会議終了後に保留します。
  61. 小枝一雄

    小枝委員長 川村委員
  62. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 農林大臣に一点だけお伺いというか勧告というか申し上げておきますが、先般の当委員会におきまして私は北洋漁業問題に触れて質問をしておりますけれども、末端まで掘り下げずにむしろ一般的質問をしたのであります。その際に、私は大体今行き詰まっておるようであるから国会としては黙視するわけにいかぬ、であるから適当な時期に取り上げられなければならぬと思うがどうかという質問に対しまして、適当な時期に皆さんに報告もし、お諮らいもするという答弁があったのでございます。ところがその後新提案がされたということが伝わっております。この問題につきましては予算委員会において横路君から質問がありましたが、それに対する御答弁を聞いてみますと、この問題は対外的の問題もありますので内容答弁はお許しを願いたいということで終っておりますが、その後新聞やなんかにどんどん書いております。またいろいろな会合においても発表されておるようでありますが、国会は何ら御相談も受けておりません。いわゆるつんぼさじきにされているような感じがございます。そこで私聞くところによりますと、十四万五千トンという新提案をされて、その中に区域を拡張しておるということが伝わっておるのでありますが、それが事実かどうか。もし区域が拡張されたということになりますと、今まで制約を受けないところのサケ、マスの釣漁業も流し網漁業もその中に入りまして、やはりソ連から監視もされることになりましょうし、さらにまた国としての取扱いにも相当めんどうな問題ができるし、漁民は相当にこれを心配しておるようでございます。さらにまた条約の内容について若干調べてみますと、たしか第二条だと思いますが、いわゆる漁業条約の付属議定書は漁業条約と不可分の関係があって議定書はその一部である、こういうふうに明記しておるようでございます。従ってそういう場合になりますと、国会で批准をいたしました条約の改訂の場合はやはり国会にもかけなければならぬという場合も出てくるだろうと思います。その問題はその問題といたしまして、漁民も何かつんぼさじきにされており、さらに国会がつんぼさじきにされておるということになりますと、国会もおそらく黙っていないのじゃないか、また漁民も黙っていないのじゃないか、それで問題が非常に輻輳いたしまして大きくなるんじゃなかろうか、私はかように考えておるのでございますが、その事実はどうか。内容は御答弁しなくてもけっこうでございますが、いわゆる国会に諮る、あるいは報告をするという時期等については適当な時期ということでございますが、もう今ごろになったならば国会にも報告し、そして国会で取り上げるべきものはかように取り上げてもらいたいといったような考えも浮んできても差しつかえないのじゃないかと思いますが、この点について農林大臣はいつ一体いかなる方法で国会に諮り、あるいは国会の力も一部貸してもらうという挙に出るかどうか、この点を一つ答弁を願いたいと思います。
  63. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 ただいまの御質問に関しましては、私も先般川村委員の御発言に対しまして、いずれしかるべき機会に御報告も申し上げ御相談もいたしたい、このようにお答えをいたした次第でございます。その時期と申しましょうか、これは相手方もある交渉でございまするので、まあ一応あの際はおまかせいただいたように私了承をしておるのでありますが、ただいま御指摘のようにそろそろその時期ではないかというお考えもごもっともでございます。従いまして、これらの点は委員長とも十分に相談をいたしまして、その時期あるいは方法等もございましょうから、その上で御質問にお答えする措置をとりたい、かように存じておる次第でございます。
  64. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 いわゆる関係委員の中から一部関係の者に報告したと私は解釈しておりますが、ほとんど内容を知っておるようであります。ところが、日ソ漁業委員会のいわゆる外郭団体といいましょうか、漁業諮問委員会の方々に聞いてみましたところが、諮問委員会にも何ら諮問をしておらない。昨日岡井水産庁長官に会ったところが、長官もその内容については私は何も相談を受けておらないという。そうすると、大臣一人で新提案をされたのか、ほかに相談をしてやられたのか、私はちょっととまどいしております。こういうことが広がると大臣の不信の声が上らないでもないと私は考えております。しかし、井出農林大臣は先般も申し上げた通り非常に熱心な人であり、温厚な人であり、その道には相当精励もされておる人であるから、間違いがないだろうと思いますけれども、少くとも水産庁長官は委員でもありますので知っておかなければならないのに知らないということをいわれておりますが、私は全く不可解でございます。ところで新聞の方ではどんどん内容を発表しておる。今度の区域は襟裳岬から東経百七十五度ですかそれまでの線を引く、一番いいところも区域に入るといったようなことも伝わっております。こういうことで、それは日ソ漁業交渉は秘密でやらなければならぬし、またいろいろな外交問題その他の問題もございますので、それは世間にあまりに発表するということは避けなければなりませんけれども、他のものには発表し、そして肝心の国会なりあるいは漁業諮問委員会なりあるいは岡井水産庁長官にも知らしめないということは、何か私らは井出農林大臣のやり方に不審を抱かざるを得ないということが、もうこれは私ばかりでなく一般の漁民の方も、少くも日ソ漁業交渉に関心を持っておる人々はみなその不信の念を抱いておるのでございます。従ってもうこの時期になりましたら、大臣みずからが進んで当委員会にも諮り、あるいは取り上げなければならぬ問題については、るるわれわれと相談してやるべきじゃないかということを私は考えております。近くといっても、十日も近いし、五日も近いし、三日も近いのですが、一体いつごろ当委員会に諮るのか。これは秘密会でもけっこうでございます。事重大でありますから公表すべき問題でないと思いますが、そういうふうに出ても何も差しつかえないと思います。この点をどうか早くやっていただくように私から御勧告申し上げて、私の質問を終る次第であります。
  65. 小枝一雄

    小枝委員長 暫時休憩いたします。    午後一時二十一分休憩      ————◇—————    午後三時四十八分開議
  66. 小枝一雄

    小枝委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。芳賀貢君。
  67. 芳賀貢

    ○芳賀委員 大蔵省の主計局次長にお尋ねいたします。  お尋ねしたい第一点は天災融資法の改正点についてですが、これは内閣提出になっているので、おそらくこの改正案が出される以前に大蔵当局も合議されたと思う。一番問題になるのは系統金融を行う場合に、国と地方公共団体がその区分を設けて利子補給をやっておる。御承知の通り昨年から中金の金利が一分引き下げになった関係があって、それが今度の改正案の中にも現われている。当委員会におきましてもしばしばこの問題に対して論議したわけでありますが、その際、金利の引き下げが行われる場合には、災害地の地方公共団体の負担が、非常に災害を受けたことによっていろいろな面から圧迫を受けているので、金利引き下げの場合には地方公共団体の利子負担をできるだけ引き下ぐべきである、そういう意見が非常に支配的であったのです。今回の改正法律案を見ると、その点が十分織り込まれていないですね。そういうことは農林省としては当委員会の意向等を十分認識しているわけだと思うのですが、財政当局とそれを協議等をする場合は、やはり大蔵当局の意見が非常に強いというようにわれわれは考えているので、この点に対して御意見を承わりたいわけであります。
  68. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 午前中芳賀委員の御質問に対しまして農林大臣から御答弁があったのを拝聴いたしましたが、天災融資法に基きます利子補給につきましては、大蔵省といたしましても農林省とも十分協議いたしまして、できるだけ地方の金利負担を少くするような配慮を持っているわけであります。御承知のように一般の営農資金につきましては、四分の差につきまして国と地方が半々、開拓民に対する利子負担につきましても国と地方は半分々々持つ。ところが被害激甚地に対しましては、従来は国が四分五厘持ち、地方が二分五厘持つというふうに負担割合を異にしているわけであります。今回法律改正に当りまして農林省からも御相談がございまして、できるだけ一つ地方の負担分が軽減されるようにしたいという御要請がございました。具体的な計数は別といたしまして、被害激甚地の農民に対する利子の軽減につきましても、一体どの程度の負担になればいいかという問題がまず第一にあると思います。三分五厘がいいのか、三分がいいのか、あるいはそれ以上がいいのかというような問題があると思います。ただいま国がいろいろな貸付——政府あるいは政府機関におきまして貸付を行なっております他の方面との金利のバランスを考えてみますと、三分五厘というのは非常に低利でありまして、今日の金利情勢におきまして国が地方一緒になって利子補給をする限度は三分五厘程度に据え置いていいのじゃないか、かように考えまして、農民の負担の率につきましては従来通り据え置いたわけであります。それから国と地方の負担分につきましては、わずかでありますが今回国の負担分を上げるように配意いたしました。御趣旨の点はよくわかるのでありますが、財政的にそういう改善の方法をはかっていきたい、かように考えております。
  69. 芳賀貢

    ○芳賀委員 ただいまの天災を受けた被害者に対して直接負担させる金利の場合は、激甚地が三分五厘ということは、同じ農林関係の金融の中では自作農維持創設金融が大体三分五厘の長期資金になっているが、これらと比較した場合、被害を受けた農家だけ極端に下げることも問題があると思うわけですが、とにかく現在の地方公共団体の財政的実情から考えた場合には、金利が低減の方向をたどるという場合には、まず地方公共団体の負担を軽減さしてやるというところにやはり国の施策の方向は向うべきだというように考えておるのです。今次長から話がありましたが、現在国の激甚地に対する負担が四分五厘だということを言われましたが、これは昨年中金の金利が一分下って、一割五厘で貸し出しをする場合には、現在の法律によると、地方は二分五厘以下に下げることができませんから、それで国の負担分だけが一分低くなるという結果になったと思うのです。実はこの点に対しても昨年の北海道の冷害等を中心にして当委員会が審議した場合にも、中金の金利が一分下ったことによる分はどうするかということが論議されたのです。そのときの農林当局の大体の意向は、その分に対しては法律の改正等を行なって、地方公共団体に重点を置いた引き下げをするというような意思表明が行われておるわけです。ですから今までの実情に立ってこれを論ずる場合には、国が五分五厘の負担の場合に、地方公共団体が二分五厘、こういう負担区分が一つ基礎になって、その後金利低減の傾向に対して、これをどうするかということになってきておると思うし、その点に改正案が出された一つ趣旨もあるというふうに考えるわけです。ですから現在が四分五厘だということは当を得ないと思うのですが、その点はいかがですか。
  70. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 昨年の北海道の冷害に当りまして、ただいま芳賀委員の御指摘のありました農林当局の御説明は、私承知しておらなかったわけでありますが、金利が下りました場合に、その金利が下っただけの分をどの程度地方の負担の軽減に充てるかというような場合に、一分下りました場合に、全部地方の負担の軽減に充てる、あるいはこれを半々で国がとるか、どの程度国と地方との負担割合を減らすかということは、地方財政の問題と国家財政全体との関係で総合的に考えるべき問題であると思うのであります。国は、国民の税金によりましてこういう気の毒な農民に対する利子補給を負相しておるわけでございますので、いろいろな財政経済上の施策によりまして金利が下りました場合には、その分を全部地方財政の方の負担の軽減に充てて、国の方の負担の軽減に充てないというのも私適当でないと思うのであります。そういうことから考えまして今回御審議願っております法律案におきまして、国の負担割合を六五%に崇めておりますことは、いろいろ御不満もございましょうが、まず当面の措管として適当なところではないか、かように考えまして、大蔵省といたしましても同意いたしておる次第でございます。
  71. 芳賀貢

    ○芳賀委員 現在までは、被害を区分して普通災害の場合には地方公共団体と国の負担が二分の一ずつで、二分五厘ずつですね。それから災害を受けた開拓者の場合には、国と地方公共団体が三分ずつ負担しておる。それから被害激甚地に対しては地方が二分五厘、国が五分五厘、こういう区分だったわけですね。今回の改正案に対しても普通災害地域と開拓の災害に対してはいずれも五厘ずつ負担が軽減されているわけです。ところが一番問題になる特別災害を受けた場合の負担区分は、繰り返して言うようですが、国と地方公共団体の割合は非常に違っているわけです。地方公共団体の方はわずかに二分五厘に対して五毛しか軽くなっていない。国の方は九厘五毛軽くなっているということになるわけですね。ですから今次長の言われたように、一分引き下げが行われた際において全部を地方公共団体の負担軽減に用いないとしても、たとえば折半するとしても、やはり五厘ずつの負担軽減が行われてもいいんじゃないか、こういう常識的な判断も行われるわけです。特に被害の激甚な地域における地方公共団体の負担力は、それよりも被害の軽微な普通災害地域にあるところの地方公共団体よりも財政的な能力というものは非常に低下するわけですね。財政面の歳入もそのことによって非常に減るわけですから、むしろ被害の激甚地帯に対しては国の配慮がふえるという方にいかなければならぬと思う。ところがこの改正法律案によりますと、被害激甚の場合はあたかも地方公共団体の故意に起した災害のような考え方の上に立って、この分は今まで通りでいいんじゃないかというようなそういう意識が働いているわけです。ですからこの点に対しては了承できがたいわけです。それで、これはぜひ大蔵当局の的確な正しい判断を聞いておきたいのです。なぜ被害激甚地に対しては従来と同じような二分五厘の負担をさせなければならぬかという理論的な根拠があれば示していただきたい。
  72. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、現在全体の金利が一割五厘。それで三分五厘との差の七分を、国が四分五厘、地方が二分五厘負担しておる、これを御指摘のように五厘ずつ国が多く持って、地方が少く持つ。非常にわずかではありますが、国の負担部分を多くしておるという配慮を加えておる次第でございまして、御了承願いたいと思います。
  73. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そうじゃないのですよ。あなたはよく知らないかもしれないけれども、これは昭和二十八年から災害ごとに臨時立法ができてこういう取扱いをしてきたのでありますが、それが最後に天災融資法というものに形が整ったわけです。ですから今日まで負担された利子負担というものは国が五分五厘、地方が二分五厘、こういう形で行われた。昨年は商工中金の金利が一分下ったのを、それをひそかに国の負担だけの軽減に充てておったのです。まことにこれはけしからぬ話なのですよ。それをあたかも既成事実のごとく、最初からそうであったかのごとく、四分五厘であったというのは大きな間違いなのですよ。根拠というものは二分五厘と五分五厘の上に立っておるわけです。去年国だけが一分低くしていたのですよ。実際は四分五厘だから国の方がふえたというのは全く当を得ない答弁なのです。ですから、今までは国が五分五厘負担しておったのを今度は一分の金利低下によってこれをどういうふうにするのがいいかという、そこに論点を持っていってもらわないとなかなか期待に沿ったような答弁にならぬのです。
  74. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 御指摘のように三十年の一月でございますか二月でございますか、金利が一分下った際に、従来の国の負担割合五分五厘を四分五厘とし、地方の負担部分の二分五厘を据え置いたことは事実でございまして、これにつきましておしかりを受けましたが、私よく法律を存じませんが、たしか法律の上におきましては、いずれか低い方ということになっておりまして、国が四分五厘を負担することは決して違法でないと考えておるのでございます。ただ政策の問題といたしまして今仰せになりましたように現在の四分五厘、二分五厘をベースにして考えるのが是か、あるいは過去の五分五厘、二分五厘をベースにいたしましてどう持っていくかということが是か、こういう政策問題があろうかと存じます。そこで私どもといたしましては、必ずしも過去の五分五厘、二分五厘の比率をばベースとして考える必要はないのであって、現在の四分五厘、二分五厘の率に調整を加えて若干地方の負担割合を軽減する方向で考えてみてもいいのじゃないか、こういう判断に基きまして今回の措置に相なった次第でございます。
  75. 芳賀貢

    ○芳賀委員 この点については、昨年の秋の災害対策の審議をした場合に、現行法によっては法律を改正しない限り今次長の言われたようなことになるのですよ、金利が幾ら下っても。ですからこれは当を得ないのです。この際法律改正を行なって、そうして金利が下ったことによるその処理を、国と地方公共団体の負担に見合った上に立って是正すべきでないか、われわれはこういう指摘を行なっておるわけです。その場合に、農林当局としては、方向としては、この金利の下った分については地方公共団体の負担を軽減する考えに基いて適当な機会にこの天災融資法の改正を行うということを言明しておるわけです。そういうことであれば、当然昨年のうちにこの法律改正を行なって昨年の災害融資からそれに適合させるということにすればよかったのですが、われわれは当局の言明を信頼して今日まで政府が提案しますというので待っておったようなわけなんですね。ですから、今までの経過というものはおのずから明白なんですよ。もう一つの理由は、普通災害の場合には地方公共団体の負担が今度は二分でいい、被害激甚の地域の公共団体の負担が従前と同じようでなければならぬというその根拠というものは、どうしても了解に苦しむのです。被害の軽い地域の公共団体はまだ負担力があるとすれば、被害の激甚な地域地方公共団体はそれよりも負担力というものは極端に低下しておるはずなんです。そういう地方公共団体に対してむしろ強い負担をしいるということは筋が通らないと思うのです。その点はいかがですか。金の出し惜しみという事柄でなくて、すなおな理論的に考えた場合の判断というものがあると思うのです。
  76. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 金の出し惜しみの観点から申し上げるわけでございません。芳賀委員よく御承知のように、災害の普通の場合と激甚の場合との利子補給額が違うわけであります。御指摘のように普通の場合二分でございますけれども、同時に地方の方に二分国の方の負担も二分でございますけれども、ところが、被害激甚の場合、国の負担が二分じゃございませんで、四分五厘以上になるわけでございます。そういう国の負担のことも考えますと、被害激甚の場合になるほどその当該地方団体も財政状態その他においてお困りの面もありましょうが、そういう被害激甚のために困っておる農民の救済のために施策するといたしますれば、国も一般の場合よりも負担が多いことを忍ぶべきであるし、地方の方もある程度負担が高くなるのを忍ぶべきじゃないか、私はかように考えます。
  77. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これは国の法律によってやっているのですから、やはり主体は国にあるわけなのです。どのような災害が起きても地方の負担能力は一つの限界があると思うのです。ですから今までも原則を二分五厘に置いたということは、いかなる災害の場合においても、その形がどうであっても、やはり地方公共団体のこれに対する利子負担の限界はおおむね二分五厘程度が最高の限界であるという、そういう判断の上に立っておると思うのです。ですから被害が多いからその割合に応じて地方負担がふえてもそれは当りまえだということにはならぬと思うのです。負担能力の限界を二分五厘なら二分五厘に置いてこの立法が行われておるということを考えた場合、その当時よりも金利が下った場合にはやはり地方公共団体の負担も国と同じような度合いに軽減させるということは当然なことかと思うのですが、そういう考えはお持ちになりませんか。
  78. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 非常にむずかしい問題でございまして、こういう利子補給に対しまして地方公共団体の負担限度は二分五厘が一ぱいである、こういう御解釈でございますが、地方団体といたしまして非常に多額のその他の財政需要があり、またこれに見合いまして財源として歳入があります場合、こういう天災融資法に基きまして利子補給いたします場合に、地方が二分五厘しか負担できないと断定することも私はいかがかと思うのでございます。御指摘の点は、やはり地方財政全体を通じまして、こういう災害が起りました場合の措置といたしまして、利子補給の負担割合を、たとえば金利が下った場合にその多くを地方公共団体の負担軽減に充てるという策よりも、むしろ交付税の算定方法におきまして、そういう災害地に対する地方財政の窮乏を救うという手段をとることが適当な措置ではないか、かように考える次第でございます。
  79. 芳賀貢

    ○芳賀委員 この法律を作ったときの負担区分の判断というものは、国と地方負担の場合は、やはり地方は二分五厘なら二分五厘、そういうわけで、これは二分五厘をどこにでも適用できるというのではないのですよ。天災融資法のワク内における限度はこの程度が最高限度であるというふうに考えられるわけなんです。もう一つは、不可抗力の天災というものは、その地域地方公共団体の責めにおいて起きた災害じゃないのです。しかも災害を受けるところは毎年のように受けておるのですから、そういう地域に対してはできるだけ国の親心を施策の上に示すということは大事じゃないかと思うのです。ですからそういう考慮を具体的に現わす場合においては、こういう改正等を行う場合には、普通災害の負担が二分に下ったときには、特別災害の方もやはりそれと同率程度地方負担にとどめるということがむしろ適正ではないかというふうに考えられるので、この点に対して大蔵当局の見解を聞いておるわけであります。
  80. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 先ほど御答弁申し上げた通りでございまして、ただいまのところ今回の改正案程度でごしんぼういただきまして、なお今後諸般の施策によりまして金利が低下した場合におきましては、十分その辺のところを織り込んで参るようにいたしたいと考えております。
  81. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次にお伺いいたしたい点は、今も次長から、利子負担の面だけ配慮するというよりも、むしろ地方交付税等の交付の中において配慮する方がむしろいいかもしれぬというような答弁がありましたが、実は今日まで地方交付税とかあるいは特別交付税において、こういう地方公共団体の利子負担に対する配慮というものは全く行われていなかった。昭和三十年度まではわずかに災害の発生した当年度分だけに対して二八・五%ぐらいの考慮が用いられておった。それで昨年度の場合には、これは特別の措置かもしれませんが、二七・五%を特別交付税で災害の発生した年度だけを見るということで終ったのですが、ただ問題はこの融資法というものは返済期限が三年資金あるいは五年資金ということになっておるのです。災害が生じた当年度だけにとどまるわけではないのですね。毎年のように風水害であるとか冷害であるとかそういう災害が生ずる場合においては、毎年々々地方公共団体の金利に対する負担というものは相当のパーセンテージを占めておると思うのです。そういう場合にはいわゆる後年度においては、地方交付税法等に準じた配慮というものは全く行われておらないのです。これは大蔵当局としてもそうであるということは十分承知されておると思うのです。そういう交付税等で考慮するのが妥当であるとすれば、今後はどういう形でこれを是正して、交付税の中にこれを算入するとか何とかいうことにするお考えであるか。財政当局としての考え方を明らかにしてもらいたいと思います。
  82. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 この問題は、主管は自治庁でございまして、自治庁ともよく御相談を申し上げなければならぬ問題でございますが、大蔵省としての考え方を申し上げますと、御指摘のように過去の例は私も詳しいことは存じませんが、三十一年度におきましては法律によりますと、地方交付税法の第十五条でございますか特別交付税の規定がございまして、当初作った財政計画におきまして需要額がふえたりあるいは収入額が減ったり、あるいは災害その他特別の事情がある場合には計算をし直して特別交付税として交付することができるという規定に基きまして総理府令を出しまして、特別交付税を出したわけでございますが、非常にいろいろな要因がございましてそれに御承知のように交付税のうちの百分の八しか特別交付税として配賦されませんので、総体の金額が足らぬ関係もありましょう、そういう関係ですべてのアイテムにつきましてある程度の歩掛けをいたしまして減らしております。そのうちで天災融資法に基く利子補給の地方負担分につきましては、たしか四割八分くらいの分を計算いたしまして、これを特別交付税の配賦の基準になる財政需要額として算定をいたしております。御指摘のそれは三十一年度の分はそうかもしれぬが、三十一年度で災害が起って天災融資法に基く融資が行われる、それに対して地方公共団体が利子分を負担した場合に、三十一年度の分はそれでいいかもしれぬが、三十二年度以降はどうなるという御心配でありますけれども、これは三十二年度以降におきましても、やはり総理府令によりまして当該公共団体の、一つの例を申し上げますと天災融資法に基く利子補給分の所要金額、これを三十一年度に発生いたしました災害に基きまして補給することになった金額並びに、かりに三十二年度にまた新しく災害が発生いたしまして、同じく天災融資法が発動されて利子補給分が加わりますならば、その金額も合せまして所要の金額を計上いたすつもりでございます。その点はおそらく自治庁といえども私反対でないと考えます。
  83. 芳賀貢

    ○芳賀委員 この点は非常に大事な発言でありますので、もう一回確認しておきますが、そうすると総理府令に基いて、たとえば三十一年度に発生した災害であっても、この利子補給が後年度にわたっていく場合においては、三十二年度以降においても四八・五%の特別交付税の支給をやるようにする、そういう意味答弁ですか。
  84. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 さようでございます。
  85. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次にもう一つお伺いしたい点は、この改正法律案の付則によると四月一日からの施行ということになっておるのでありますが、これによりますと昭和三十二年度以降において発生した災害の場合には、この改正された法律が適用になるというふうにとれるわけですね。ところが三十一年度の災害の場合は、この金融措置は三十二年七月三十一日までという期限になっておりますね。ですから今後の三十一年度の災害の融資というものは行われていくわけですが、その場合の適用の範囲というものが、昨日の答弁等によるとなかなか明確でないわけです。これは特に財務当局としてこの判断というものは同じとは思いますけれども、念のためにお尋ねしておきます。
  86. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは四月一日以前に暫定措置法の第二条第一項の規定によって指定した災害はなお従前の例による、こういうことでありますから、三十一年度災害はもうすでに指定いたしておりますから、従前の例に上ることになります。
  87. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そうじゃないのですよ。あなたの前の答弁は、借りかえ等の措置が行われておる分があるんで、その分に対しては今度の改正に準じた取扱いができるということをあなたは言っておるのですよ。しかし附則を読んでみると、そういうことになっておらないので、私は特に主計局次長にそういう見解が成り立つものであるかどうかという意味で尋ねた。あなたは大丈夫だと今まで言っている。
  88. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 あるいは誤解があったか、私の説明が不十分であったかと思いますが、今度新しい制度では借りかえを認めることにいたしておりますから、借りかえがあった場合には新した改正法を適用するということになります。従って昨日説明したところで、私の説明が不十分で、もうすでに指定のあったものがそのまま適用になるというふうに受け取っていただいたとすれば、それは訂正しなければならないと思っています。
  89. 芳賀貢

    ○芳賀委員 だからそうなると問題でしょう。この次に今後予見されないこの法律に当てはまる災害が起きなければ借りかえというものはできないのでしょう。そうじゃないですか。何月何日に災害が起きるということがわかっておれば、その日まで待っておって借りかえができるけれども、天災というのは全く予見できないんだから、三年とか五年後であれば今までの借金が終った後に災害が起るので、それは望ましいことではあるけれども、特に三十一年度の災害融資を行う場合は、国の負担分というのは一分安くなっているんでしょう。国の負担は一分少くて、地方財政あるいは被害者自身に対しては何ら金利の軽減が行われない形で七月まで貸す分に対しては、このままで終っているんです。そういうのはやはり一つの矛盾でもあるし、政府としては非常に熱意のないやり方なんだから、こういうような附則ではずいぶん変なものだというように考えられるので、特にこの点繰り返して聞いておるわけです。
  90. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、将来被害が起った場合に法律を適用するということになります。昨日の私の説明は不十分なところがあったと思います。
  91. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それではお尋ねいたします。昨年から中金の金利は一分安くなっておる。改正以前の法律によると、その一分安くなった分は、国の負担がそれだけ減ったということで終っておるわけです。そういう現実の上に立って昨年度の被害をこの法律に適用しようとする場合には、この附則をどう書けば当てはまるのか、その場合の書き方をお伺いします。
  92. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 現在の中金の金利は九分で、単協は一割五厘になつております。従って従前の例によるということになりますれば、三分五厘の資金の場合は、国の負担割合が四分五厘、地方が二分五厘ということになっおります。それを現行制度のままでもう五厘下げた場合には、四分と二分五厘ということになるわけでございます。この附則のままで従前の例によるということでは、四分と二分五厘が適用される、こういうことになります。
  93. 芳賀貢

    ○芳賀委員 だから、昨年は中金の金利が下ってから災害融資の行われた総額というものはおそらく百八十億くらいになるでしょう。その分だけは被害者地方公共団体も一分下ったということは何ら影響を受けていない。この分だけについて国はこの資金が完済されるまでの間利子補給は一分少く済むわけです。そういう現実というものがあるから、現にこれからも七月一ぱいまでの貸付が行われるのであるから、この改正の意図に沿うような適用をする場合には、このような附則では当てはまらぬのだから、それをもし当てはめるとすれば、どういうふうに附則を書けばいいかということを聞いているんです。
  94. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは三十一年度以降に貸し付けた金についての利子一割合はこれこれということを書かなければだめだと思います。
  95. 芳賀貢

    ○芳賀委員 結局、そう書けばいいわけですね。  委員長に申し上げますが、大蔵当局に対する質問は、これ以上進めてもどうかと思いますので、これで打ち切っておき・ます。
  96. 小枝一雄

  97. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 渡部経済局長にもう一回繰り返して御質問いたします。局長は、天災融資法を拡大する御意思があるというような御答弁をいつでもするのでございます。ところが実際は政令で縛って、範囲を縮めるという法律内容になっております。その点は川俣君がずいぶん突いておりますけれども、徹底しないままで質問を終りました。具体的にお伺いいたしますが、政令規定事項を見ますと、「(政令で定める漁船)(1)被害漁業者の営む漁業に主として使われる漁船以外の付属漁船(例えば漁船漁業者の所有する磯船等)」となっております。それではこの対象になる漁船というのは機械船すなわち動力船のみを考えて、いわゆるいそ船魚船というものを考えておらないのか。いわゆる無動力船を考えておらないのか、こういう私の質問でございます。そこで私は内容について少しく申し上げてみますると、いそ船で漁業をやるほんとうの沿岸漁業者、海藻漁業者とかそういうものは大きな船でやっておりません。動力船などでやっておるのはまれでございます。いそ船の漁業は付属漁船でなくて漁船漁業一つだと解釈しておるのだが、この点の解釈が違うのですが、これもはっきりしていただきたい。私はこの場合の付属船というのは伝馬船等の小さい船をさしているのではないかというように善意に解釈しておりますが、その通りかどうかという問題と、それから漁業者が魚類の運搬をする、大きなものは冷蔵船、小さいものでも近くの消費地の市場に運搬する場合は氷を積んで魚介類を運搬しております。これが一体政令に入るのかどうか。まずこの二点をお伺いします。
  98. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 政令で定める漁船の中のこの案の(1)の方でありますが、「被害漁業者の営む漁業に主として使われる漁船以外の付属漁船(例えば漁船漁業者の所有する磯船等)」水産用語はよく知りませんが、御指摘のように伝馬船、つまり本船でなくそれに付随して小さい船がありますが、それのことではないかと思います。小渡りの船といいますか……。それからあとの氷を運んだりする船を付属船とした方がいいのかあるいは主として使われる漁船に入れた方がいいのか、これはもう少し水産庁と検討した方がいいと思います。これは先ほど御説明しましたように、被害の割合を計算するための割る方の数になるわけでございますから、割る方の数がなるべく小さければ五〇%というものがゆるくなるわけでございますから、もう少し実際政令を出すまでに水産庁とよく相談しなければいけないだろうと思います。
  99. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 私は魚介類の運搬船は、たとい大きな冷蔵船でなくとも、これは政令に入れて付属漁船とすべきだというふうに思います。なお研究していただきたいと思います。  次に「(政令で定める漁具)」これも先ほど川俣君がずいぶん議論いたしましたが、漁網綱以外に(2)のところに、「著しく少額な価額の漁具(例えば手製の釣竿等)」と書いてありますが、これは相当下げて政令を定めるという御意思だと思っております。ところが最近流し網や釣漁業にラジオ・ブイを使います。これはおそらく去年あたりから始まったものでございますから、水産庁もあまり気がついておらないでしょうし、もちろん経済局等は気がついておらないと思いますが、これらも当然付属漁具として入れるべきだと思う。これらも御研究の上ぜひ政令に入れるように私の方からお願いを申し上げておきます。   それから最後に、私質問した問題でございますが、先ほど山田委員の御質問の第一条に関連して、これも「等」という字句で適用を受けるのだということでありましたが、私はさらにはっきりするために御質問を申し上げますが、干拓による漁業被害と水産関係の豪雨または融雪等の出水により堤防の決壊あるいは土砂の流出等の影響を受け、海流に異変を生じて魚類、貝類及び海藻類が著しく被害を受けた場合、これは漁業者の損失となるのでございますから、この場合はこの天災融資法の適用を受けられるかどうか。この点をはっきりしていただきたいのであります。
  100. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 その点ははっきり入ると思います。ただ二条の天災カッコの中の説明に「被害が著しくかつその国民経済に及ぼす影響が大であると認めて」とこういうところがありますから、いかなる小さいものもこの法律がすぐ適用になるということにはなりませんが、第一条の天災の中には入ります。これは実際運用する場合にそれを一つ一つ指定してやっていく、こういうことになります。
  101. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 私の質問の中にも著しく被害を受けて漁業者の損失のあった場合、こう質問しておりますから、小さいものまでも融資をさせようという考えはございませんが、できるならば一部落的な損害でも漁業者にとっては大きな問題でありますので、これは入れるべきだという考えを持っております。ともかくこの天災法の適用になるということだけはっきりいたしましたので、私の質問はこの程度にいたします。
  102. 小枝一雄

    小枝委員長 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について質疑はありませんか。
  103. 赤路友藏

    赤路委員 公庫法の審議を今日までやって参ったのでありますが、その過程でほぼ当局の方の意見は了承されるのでありますが、この際なお念のためにここではっきりと再確認をいたしておきたいと思います。  そのまず第一点は、公庫の政府機関としての正常な運営をやっていくことのためには、現在のような政府出資と借入金のアンバランスの状態はすみやかな機会にこれを是正しなければならぬ。この点が第一点。第二点は産投借入金を出資の方に振りかえるべきである。乙の点が第二点。第三点は、現在の運営の状況では、金利高のために逆ざやであるという線が相当出ておると思う。従って政府からの借入金に対する金利の引き下げ、この点に対しては当然善処されなければならぬ、これが第三点。第四点は、復金の融資の承継分、これの未回収のものは、これはそのまま大きな穴になる。従ってこれに対する穴埋めの対策を考えなければならぬ。この四点に対して、もう一度意見をはっきりと再確認しておきたい。
  104. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 第一、第二の点は、政府出資の割合を増加するという結論になります。これは今までもやってきましたが、今後もさらに努力いたしたいと思います。それから第三の点は……
  105. 赤路友藏

    赤路委員 第二はどうしたか。
  106. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 第一、第二は一緒にしました。第一の点は、政府出資と借入金の割合が不均衡であるから、その不均衡を直す、第二の点は産投借入金を出資に振りかえる、こういうことでありますから、その結論は両方とも出資を増加せよ、こういうことになる、こういう意味で二つをひっくるめたのであります。いずれも私ども従来から努力しておるのであります。今後もさらに努力いたしたいと思います。  それから第三の点は、これも政府からの借入金の金利を引き下げるように努力せよ、こういう問題であります。ただこの点は、預金部資金なり国民健康保険資金あるいは郵便年金の資金というものでありまして、これだけを下げるということはあるいは困難かと思いますが、結局は政府の出資割合が増加することによって同じ効果ができますから、私の方では一般金利が低下する傾向に従って公庫の金利の低下も当然はかるべきだ、こういう観点に立っております。ことしは出資割合を増加して積立金ができるのを従来の線に戻して、さらに進んで金利低下まではまだ行けない、一挙にそこまで行けなかったのでありますが、次の機会にはこれもぜひ実現するように努力いたしたいと思います。  それから復金の借りかえ出資の穴埋めでありますが、これはさらに具体的に残額の実情をよく洗いまして、結局これもまた公庫の資金運用あるいは貸付に影響する原因になっておるのでありますから、思い切って減資してその分を政府出資あるいは借入金で埋めてやるなり、とにかく努力をいたしたいと考えております。
  107. 小枝一雄

    小枝委員長 農林漁業公庫法の一部を改正する法律案について質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 小枝一雄

    小枝委員長 なければ本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。  次に討論に入ります。討論はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 小枝一雄

    小枝委員長 なければ採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  110. 小枝一雄

    小枝委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 小枝一雄

    小枝委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会      ————◇—————