○稲富
委員 それでは農政の基本的な問題についてはまた後の機会に譲ることにいたしまして、私は本日はさらに食糧問題についてお尋ねいたしたいと思います。
食糧管理特別会計
予算案の編成に関する基本
方針は、私
たちの知るところによりますと、当初一月八日の閣議においては
消費者米価の引き上げを行うとともに、国内産麦の
価格体系を調整して食糧管理を合理化する、こういう決定されたように記憶しております。この基本
方針に基いて三十二年度においては米価を一升八円五十銭程度引き上げることとし、三十一年度までは食管の赤字は一般会計より補てんし、三十二年度以降は均衡
予算を組むという予定であったようであります。ところがその後一般世論及び与党内部よりの
反対にあって急速この
方針を変更することのやむなき状態に立ち至り、食管会計については特別
調査会を設置し、食管
制度の合理化について全面的に
検討し、米価その他の基本問題を処理することとして、食糧の管理に関するこの重要問題は、すべてこの
調査会の
方針の決定を待ってあとに回すというような事態になったのであります。従って食糧管理に関する一般会計及び特別会計の
予算案は非常に重要な問題であるにもかかわらず、当分これをたな上げして
予算の編成をするという醜態をさらけ出したというような実情であるのであります。
すなわち、三十一年度までの赤字は、実に百九十四億八千八百八十二万七千九十一円に及んでおる。すなわち三十一年度の赤字は約百六十一億円であり、三十年度の赤字は二億七千万円、さらにそれ以前の赤字は約三十一億円であるのであります。さらに三十二年度の赤字は百四十一億八千二百九十六万七千円と推定されておる。こういうような問題を一切未処理のままという、実に前代未聞の
予算案が今日提出されております。ところが従来の例によりますると、当年度の損失は補正
予算で一般会計から繰り入れる。また翌年度の損失予定は通常
予算で一般会計から繰り入れて補てんするというような建前になっておったように記憶しております。しかるに最近における食管のあり方というものは、非常に決算があいまいであるといわれ、経理は乱脈をきわめておるといわれ、
運営は混乱の極に達しておるといわれております。すなわち三十年度の食管特別会計についてこれを見ますると、六十七億円を赤字補てんのため一般会計より繰り入れ、さらに百億のインベントリーの取りこわしを行なって財政の整理を行なったばかりであります。ところがいろいろ調べますと、二十九年度までに約三十億円の赤字を背負っておることが明らかになっておる。今日までこの二十九年度までの赤字を放任いたしておった理由はどういうわけであるか、まずこの点を伺っておきたいと思います。