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中村(高)
委員 関連して。今御
答弁によりますと、何か自分の方で使用権はあるのだけれ
ども、訴訟を起されたら土地収用
委員会にかけると言われる。
防衛庁の諸君の考えというものは実にあいまいである。使用権があるということをあなた方が考えるならばそれでいいのです。訴訟を起されたからといってあわてて土地測量を始める。長官は御存じないかもしれませんけれ
ども、
防衛庁の事務当局の諸君は法律の解釈を誤まって、あわててああいうことをやっておると私は思う。幾ら訴訟を起されてもあなた方が御承知の
通り、訴訟は一審で負けても、控訴があり、さらに上告があり、
日本の
裁判というものはなかなからちのあかない訴訟方式であって、五年も十年もかかるのです。これは皆さんも御承知だと思う。せめて一審の
裁判で
政府が負けたというならば、これは危ないぞ、
一つ何か考えねばいかぬということをお考えになることはあり得るかもしれぬが、まだ訴訟を起しただけで、第一回の
裁判もやっていないうちにあわててこれは何かしなければいかぬということは、全く平地に波を起したのは私は
防衛庁の諸君のやり方だと思う。まだまだ訴訟が片ずくまで、普通の私たちの常識からいきまするならば、五年や十年かかるのが幾らもある。それをまだ訴訟を起しただけで、あわててやってあんなことを始めた。あの当時長官がまだ変られておられないのでありまするけれ
ども、小瀧長官に私が大ぜいの者と行って、なぜこんなことをするのですか、あのへいの中であって、しかもMPがおって、そして腰にピストルをさげたMPが歩いておるところに何で一体入れますか。かりに訴訟を起したとしても、これから第一審、第二審、第三審とやる、それで勝って初めて強制執行して農民の手に戻るという場合もあり得るかもしれないが、まだ訴訟を起しただけで第一回の
裁判もやっていない、なぜそんなことであわてるのですかと小瀧長官に聞いてみたところが、どうもおれにもわからない、私が考えてみましても、どういうわけで基地の中の測量を急がなければならぬのかよくわからないから事務当局の者に聞いてみたところでは、方針がこういうことに決定しているからやるのですという答えだった。私はあの当時
防衛庁の長官に聞いておるのですが、方針だというのです。方針はいいのです。方針は結局はあそこを取られては困るから使うという方針はいいのですけれ
ども、今あわててやらなければならないという方針かどこから出てきたかというと、これは
防衛庁の事務当局が全く法律の解釈と
裁判の実情も考えないであわてた結果ああなっておるのだと思う。今上村さんの御
答弁を聞いても、私法上の権利と公法上の使用権とがあって、公法上の権利、使用権を取りたいのだという、こういう意味だと思うのです。けれ
ども、使用権のあるということは、公法上の権利があるということを
防衛庁の諸君は常に言っておるのです。契約の上から
発生をしてくるけれ
ども、とにかくここを公けに使い得るところの権利があるということを言っておるのでありますから、私たちはあの当時も小瀧長官とも話しをして、こんな平地に波乱を起すようなことはおやめになった方がいいじゃないですかと言うたのでありますけれ
ども、何か訴訟を起されたからというだけの
理由であんなことを起してしまっておるのです。もっと私は冷静に事態をお考えになって、そしてこれが使えなくなる危険が
発生したというような場合に初めてやるならば、
防衛庁が使用権のあるというその前提と一致するのです。ところがまるであわてまして、使用権はあるとはいうけれ
ども、どうもこれはあるのかないのかわからないというようなあやふやな態度であり、その上に訴訟を起されたというだけであんなことをやっておりますけれ
ども、おそらくどこにもこんなことはないと思う。あの基地の中にだれが入っていけますか、撃ち殺されますよ。MPがピストルを持っておるところへ取りになんかいけはしません。だからこそ
裁判を起して
裁判の結果を待とうとしておるのに、ああいうようなあわてたことをやっておるのでありますけれ
ども、私はちょうどいい
機会でありますから事務当局が何によって一体あんな不必要な測量をやって、そして犠牲者を出して、そして警視庁なんかに命じて、問題が起ってから三月も四月もたってから検挙して二十三名か何名か引っぱったって、たった七名しか
起訴しないじゃないですか、いずれまた
検察庁の諸君なり警視庁の諸君にも聞いてみるつもりでありますが、もっと冷静に考えてやらなければならぬことだと思うのでありますけれ
ども、事務当局は何で一体あんなことをやらなければならなかったのか、もう一度はっきりこの
機会にしていただきたいと思います。