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小滝国務大臣 詳細は係の
局長から
説明さした方がいいかと思いますが、先ほど
加藤局長も申しましたように、今回の
事件に対しましては、特に
衛生関係の者が
手不足であったからこういうことになったのだというようには、私どもは判断いたしておらないのであります。しかしながら、辻さんがおっしゃいますように、
衛生関係を
充実するということの必要は十分痛感いたしておるものでありますので、こういう
事件もありました際でありますから、われわれ
防衛庁の方では従来からこの
衛生関係を強化するということを希望しておったのですが、ぜひその希望を達成するように
皆様からも御支援をお願いいたしたいと
考えておるのであります。
それから
処罰について不公正であるということでありましたが、これにつきましては、詳細
説明すればおわかり下さるだろうと思います。なるほどこれを立案いたしました者の
責任は重大でありまするが、しかし立案者におきましては、従来もこれを実行しておったし、現地も監査いたしております。そうして雨が降ったら場合によってはやめてよろしいということも指令をしておる。そうして規律を一番大事にするのだ、速度が大事ではないのだということも指令いたしておるのであります。ところで、それではなぜこの
幕僚長の方が重い
処罰を受けたかと申しますると、
幕僚長はこの相談に乗ったというだけでなしに、事実統裁官としてこれに加わったのであります。事故のために
総監が来られないので、統裁官になったのは
幕僚長であります。そこで私どもも、この冬やったというような点とかいろいろなことを
考えまして、またこの
計画についても必ずしも
計画が万全であったとは
考えないけれども、あの
計画というものが
総監の方で
計画した通りに、そうして
指示の通りに行われたら、あるいはそういう問題も起さなかっただろうと思います。昨年も起しております。ただ競争の形であって、また昨年と違いまして、選抜の
大隊を出したのがおもしろくなかったのではないか、こういうような点を
考えまして、もちろん
計画者にも
責任を負わせ、しかもこれは第三管区の
総監から
陸上幕僚監部にかわってくるというような処置もとっておるのであります。ところがこの
幕僚長の方が重かったのは、今申しましたようこ、現場におって事実を見ておる。雨も降るし、寒くなるし、途中で
行軍を一時休もうかとした際に、できる——その判断は、情勢としてできると
考えたのでありましょう。必ずしも間違ったとは申しませんが、その際に、いろいろな
部隊を統裁官として見て十分注意をしたら、あるいはもう少し円満にこの
行進が実行できたのではないか。少くとも最初の
部隊、その次の
部隊は一人の犠牲者もなく行なっております。ことに最初の
部隊は、速度は最後の問題を起しました
部隊より二時間くらいおそいけれども、非常に規律正しく入ってきておる。そうして落後者も一人も出していない。その次の方は、少しスピードは早かったが、しかし
部隊長が回ってみて、むしる勧めて、お前は悪そうだからというので、落後者は十人も出したけれども、とにかくきちんと目的地に到達いたしておるのであります。ただ問題は最後の
部隊です。そこに相当実施面に無理があったのではないかということが感じられる。しかし全体の実施面につきまして、統裁官として
幕僚長は加わっておったのですから、そういう意味におきましては、実施面においても
責任を負うべき人ではなかろうか、こういうような判断をいたしたものであります。下の方に過酷だとおっしゃいますが、なるほど上と下では、下の方に
処罰が重くなっておりまするけれども、この実況につきましては、社会党の議員の方からもいろいろ私どもに御
指摘になりました。私ども、単に監察隊のみならず、警務隊も派遣いたしまして、詳細
調査いたしました。気持といたしましては、あくまで激励の気持であったでありましょうが、いろいろその実況について
調査したところによりますると、特に最後の
大隊というものが、もし
ほんとうの
計画通りの気持でやったならば、こういうことにならないで済んだかもわからないものを、相当無理なことをやっておる。これは
新聞なども書いておって、辻さんも御承知だろうと思います。そういう点から、特に明らかに刑法上にいう暴行罪に該当するとは私どもは
考えませんけれども、とにかく激励の気持はよかったかもしれないが、相当行き過ぎた激励の方法を
大隊長みずからとったということも、これは明らかであります。しかりとすれば、私どもの決定いたしました
処罰が特に
大隊長、また現場の最後の
大隊の人に対して重かっとたいうようには
考えない。最も公正を期してこれを処断いたしたつもりでございます。