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1957-05-15 第26回国会 衆議院 逓信委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十五日(水曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長代理 理事 森本  靖君   理事 竹内 俊吉君 理事 橋本登美三郎君  理事 廣瀬 正雄君 理事 早稻田柳右エ門君    理事 松前 重義君       川崎五郎君    上林山榮吉君       齋藤 憲三君    濱地 文平君       平野 三郎君    粟山  博君       井手 以誠君    佐々木更三君       原   茂君  出席政府委員         郵政政務次官  伊東 岩男君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君  委員外出席者         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社理事         (技師長)   中尾 徹夫君         日本電信電話公         社理事         (業務局長)  吉沢 武雄君         日本電信電話公         社計画局長   佐々木卓夫君         日本電信電話公         社理事         (施設局長)  米沢  滋君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社社長) 町田辰次郎君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社専務) 大野 勝三君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社技術部         長)      新堀 正義君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 五月十四日  電話線ケーブル化等に関する請願伊東岩男  君紹介)(第三二〇六号)  祝子川及び松葉部落公衆電話設置請願(伊  東岩男紹介)(第三二〇七号)  都井地区等公衆電話設置請願伊東岩男君  紹介)(第三二〇八号)  笠取地区に無集配特定郵便局設置請願川崎  末五郎紹介)(第三二四五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  電気通信に関する件     —————————————
  2. 松前重義

    松前委員長代理 これより会議を開きます。  電気通信に関する件について調査を進めます。本日は参考人として国際電信電話株式会社社長町田辰次郎君、同じく専務大野勝三君、同じく技術部長新堀正義君、以上の三人の方々が御出席になっておられます。発言の通告がありますのでこれを許します。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 国際電電参考人の方にはお忙しいところを御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。国際電電につきましては、この五月の二十九日に株主総会があるそうでありますが、その総会にかかる議案の内容を見てみまするに、この前の当委員会でやったときから見ましても、かなり営業成績が上っておるようでありでございます。そこで、国際電電営業に関する内容について若干御質問を申し上げたいと思いますが、その前に電気通信監理官の方にお尋ねをいたしたいと思います。何か国際電電の方で機械保守を行うための別途会社設立するというふうな動きがあるやに聞いておりますが、それについて監理官の方としてそういう報告会社の方から受けておりますかどうか、もし受けておるとするならば、その内容についてお聞かせを願いたいと思います。
  4. 松田英一

    松田政府委員 ただいまお尋ねの件につきましては、現在やっております会社がみずからやっておりますテレックスの端末施設あるいは電報送受のための端末施設というようなものの保守につきまして、何か別のものにやらしたらというふうな話をばく然と伺っておりますが、まだ詳細には承知しておりませんので、私どももまだそれを具体的な問題として取り上げて検討しているわけではございません。
  5. 森本靖

    森本委員 そのばく然と伺っておるというのは、どういう形式で伺っておるわけですか。
  6. 松田英一

    松田政府委員 ただ何と申しますか、こういうことを考えているのだがというふうな話を伺っておるわけでございます。それに対して私どもはまだいいとも悪いとも何とも話をしていないわけです。
  7. 森本靖

    森本委員 それは電気通信監理官として聞いておって、大臣政務次官の方にはそういう報告監理官の方からせられておりますか。
  8. 松田英一

    松田政府委員 話がまだそれほど具体的でございませんので、今までその検討の結果としての御報告というものはしておりません。
  9. 森本靖

    森本委員 それから電電公社の副総裁が来ておられますが、電電公社の方についてもこれは若干関係があると思いますが、このことについて若干でも聞いておりますか、どうでしょうか。
  10. 靱勉

    靱説明員 私の方には関係ないと思っておりますし、そのようなことを承わっておりません。
  11. 森本靖

    森本委員 そうすると、電電公社の方はまだ全然何も聞いておらない、こういうことですね。
  12. 靱勉

    靱説明員 公社としまして承わっておりません。
  13. 森本靖

    森本委員 それでは電気通信監理官の方で聞いておるそのばく然としたというのは、それは正規報告ですか、それとも話のついでの言葉ですか。ここで説明ができるような聞き方をしておるのですか、それともここで説明ができぬような話し合いじゃないですか。できるような話し合いでなければ、あなたの方には質問をいたしません。
  14. 松田英一

    松田政府委員 この委員会の席上でこうとお話し申し上げる程度までの話は聞いていないとお答えした方がいいと思います。ただその問題について将来発展して参れば、考えなければならぬというふうなことはあり得ると思うのでございますが、今までの話ではまますが、非常に御同慶にたえないわけだそこまでこちらが立ち入っていないという状況でございます。
  15. 森本靖

    森本委員 そうすると、もしかりにこういう国際電電会社の中に、国際電電が今まで行なっておった業務の一部を別途会社をこしらえて、そういう会社に行わしめるというふうなことが実現をするという場合には、あなたの方の許可が要るわけですね。
  16. 松田英一

    松田政府委員 法律規定の正面から申しまして許可が要るかということになりますと、必ずしもこの規定によって許可を受けなければならないという根拠規定はないように存じます。ただいろいろ法律解釈その他の点で、そういうことはどういうふうに考えなければならないかというふうなことになれば、そういう問題と関連をして私ども話も具体的に伺って判断をしなければならない事態が起るかというふうに考える次第であります。
  17. 森本靖

    森本委員 この会社事業計画を定めて郵政大臣認可を受けなければならないということが、国際電信電話株式会社法の第十二条にあるわけでありますが、そういうことになって参りますと、現在まで国際電信電話株式会社営業しておったものを、国際電信電話株式会社営業せずに、別途会社にその営業を行わしめるということになると、これは営業内容変更ということになるでしょうが、あなたの方は法的にこういうことについてははっきりとした監督権がないのですか。一定の年次営業計画というものはきまっておる。その営業計画はあなたの方の許可を得てやっておる。それが変更せられる場合にはあなたの方の許可は要らぬのですか。
  18. 松田英一

    松田政府委員 事業計画というものは認可しておりますし、またその事業計画変更になれば当然認可を必要とするところでございます。ただ今問題になっておりますような事柄が、一体事業計画変更あるいは事業計画にあがってくるような内容を持つものかどうかというところまでの具体的な内容を承知していないものですから……。
  19. 森本靖

    森本委員 その内容を聞いていないということなら別ですが、ただ現在まで会社機械保守については国際電電自体がこれを行なっておった。しかしそれを今回は別途の第二会社に行わしめるということになると、当然十名なり二十名の保守職員会社として要らなくなる。それから会社直営でやっておったものを第二会社にやらせる。国際電電にはいわゆる掃除を請け負わしておる会社があると思うのですが、そういう形のものにやらせるというならば、一つ事業計画の若干の変更ということになるでしょう。今までやっておったものを会社でやらずに、別途会社でやらせるということになった場合、その別途会社はそういう法規に基いた会社でないわけですから、純然たる民間会社になるわけですが、かりにそういうことになったら、あなたの方の許可が要るということになるでしょう。
  20. 松田英一

    松田政府委員 事業計画認可内容の問題でございますが、何分会社会社でございますので、電電公社のような場合と違います。電電公社の場合には予算というもので私どもこれを調整する権限を持ちまして、相当深く関係しておるわけでございますけれども会社の場合の事業計画認可というものは、そう微に入り細をうがって計画を出させて認可するということでなく、ごく重要なポイントあるいは大きな事柄についての計画を私ども認可しておるわけでございますので、その問題がその計画の中に入ってくるかどうかということは、その問題の取り上げ方いかんによって変るような次第もございますので、今のところそういう問題にはまってくるかどうかということが判定し得るほど、具体的な内容としてまだ話を聞いていないのでございます。
  21. 森本靖

    森本委員 あなたの方は具体的な内容を聞いておらないから、それが事業に入るかどうかわからないということですが、かりに三千人なり千人おる中において、十人なり二十人なりの身分に変動があるということからすれば、これはやはり一部の事業計画変更ということになるのじゃないですか。あなたの方は第十二条は大綱的なごく大ざっぱなことだけしかやらないということですか。
  22. 松田英一

    松田政府委員 現在までの取り運びは大体そういった程度動き方をしておりまして、たとえばただいま御質問にありましたような要員問題も事業計画と関連して、いろいろ実際の様相というものは私ども報告してもらったりあるいは聞かせていただくようにしておりますけれども、具体的に会社としての人間は何人である、この何人をふやすときには変更を必要とするというふうな点までの計画内容としては、認可していないわけでございます。
  23. 森本靖

    森本委員 毎営業年度事業計画を定めて郵政大臣認可を得なければならぬという、その事業計画というのはどのくらいまでの計画ですか。
  24. 松田英一

    松田政府委員 手元事業計画書そのものを持っておりませんので、あるいはお答え漏れするところができると思いますが、大体その年度における新規事業計画、たとえばどこ向けの回線をどういうふうに設定するとか、機械整備等にどういう金が要るとか、厚生施設関係にどういうものが要るとかいうような点を主にして、もちろんそれに対してこういう金がかかるということは付随して伺っているわけであります。
  25. 森本靖

    森本委員 損益計算書に出てくる項目くらいのものは、事業計画であなたの方はポイントポイントとして見ているわけでしょう。どうですか。
  26. 松田英一

    松田政府委員 もちろん計画認可するための資料としてはいろいろと伺っております。しかし損益計算書に出て参るような数字そのもの認可するという格好にはなっておりません。
  27. 森本靖

    森本委員 その事業計画認可というのは、どういう事業計画認可するのですか。
  28. 松田英一

    松田政府委員 先ほどもちょっと申しましたように、新しい回線を作る、それに対してこういう機械が必要である、それから新しい営業所を数カ所に作りたい、あるいは新しい局舎をこういうところに作りたい、そういうのにはこういう金が要る、また研究施設をこういうふうにして整備していきたい、そのためにこういう金がかかる、また厚生施設とかいうようなものについてこういうものを整備したい、それにはこういう金がかかる、そういったような事柄施設内容とそれに必要な金額を計画内容として書いてもらっております。
  29. 森本靖

    森本委員 それはその年度の特殊な問題であって、恒常的な年度計画運用についての大綱的なものが事業計画の中に入るわけでしょう。新規事業というのは入らないはずですよ。新規事業だけを許可をするということですか。そうではないでしょう。国際電電の恒久的なものについても大綱はあなたの方は認可をする、こういうことになるわけでしょう。
  30. 松田英一

    松田政府委員 認可する事業計画内容をどういうふうに考えていくかという問題でございますが、従来の実情を申しますと、大体新規事業計画を中心に事業計画というものを組み立てられていたように、私参ってから承知しております。ただそういうものでいいものかどうか、もっと事業計画については詳細な検討をしなければならないのではないかという問題につきましては、私も参りましてからいろいろ考えさせられるところがございまして、その内容については何とかもっと考える必要があるのじゃないだろうかという検討は進めてきております。
  31. 森本靖

    森本委員 いや、それは重大な問題ですが、国際電信電話株式会社法の第十二条によると、「会社は、毎営業年度事業計画を定め、郵政大臣認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」こう書いてあるわけですね。こう書いてあるのは新規事業だけじゃないのでしょう。この法文を読んだら、私は新規事業だけだとは考えられぬ。平常の恒久的な国際電電電信電話に関する事業計画というものの大綱はあなたの方が承認をする、こういうことになるわけでしょう。もしあなたがそういうことになったらば、大臣を呼んで聞いてみたいと思う。これはこの第十二条から見ていって、新規事業だけだったら、こんな条文は要らぬと思うのですけれども、その点はどうですか。
  32. 松田英一

    松田政府委員 仰せのことまことにごもっともと思いますので、私どもも十分今後の事業計画というものの運用については考慮して参りたいと思います。
  33. 森本靖

    森本委員 そこで電気通信監理官の方にはまたあとでお聞きするといたしまして、せっかく国際電電の方が参考人として来られておりますので、お聞きしたいと思います。社長さんにお聞きしたいと思いますが、今の質疑応答を聞いておりまして、大体私がどういう点を質問しようとしているかについては、一応御理解をいただいたと思いますが、私ども資料としては、いろいろ従業員の方からの資料も出ておりますが、そういう計画があるかどうか。もしそういう保守会社というような計画があるとするならば、その具体的な内容はどういう内容になっているのか。さらにその内容によって会社はどういう利益を受けるのか、そういう点についての一つ説明を願いたいと思います。
  34. 町田辰次郎

    町田参考人 それでは私からお答えを申し上げます。実は当会社におきましては、託送加入社は現在約百四十社ありまして、それぞれその営業所当社から提供のテレプリンターを備えております。そうして直接に送受信をいたしておるのでありますが、これらのテレプリンター油さしなりあるいはまた調整というような仕事は、当社の社員を加入社営業所に巡回をさせまして、そしてやっておるような次第でございます。ところが当社保守要員は、元来多種多様の機械類保守整備に当らなければならないような立場にあるのでありますが、この外回りのプリンターの整備に片寄りますと、自然と何と申しますか、技術がかたわになるおそれがあるのであります。それかというて、輪番に内外の保守に回りますことは、せっかくの技術要員の使い方に不経済を免れない面が十分に考えられまするので、今何かよい方法がないかと、いろいろ工夫をし、また研究をいたしておるような次第であります。そこでサービス会社考え方もこの意味から目下検討をいたしておるというような実情であります。
  35. 森本靖

    森本委員 検討しておるということでありますが、その検討しておる内容というものは、大体どういうふうな内容でございますか。
  36. 町田辰次郎

    町田参考人 内容は今いろいろ案を出させまして、いろいろ意見を聞いて、それに基いて、結局お得意さんに対するサービスをよりよくする。同時にまた当社従業員をいかによく活用していくかというような見地から、いろいろ検討しておるような次第であります。
  37. 森本靖

    森本委員 非常に雲をつかむような答弁でありまして、さっぱり具体的な内容についてはわからぬわけでありますが、私がお聞きしておりますのは、こういうことについての具体的な内容はどういう方向に進んでおるのか、その具体的な内容を明らかにしてもらいたい、こういうことです。
  38. 町田辰次郎

    町田参考人 ここでまだ具体的な内容を申し上げるところまで行っておりません。
  39. 森本靖

    森本委員 そうすると、その会社設立については、大体いつごろをめどに、この計画を終って設立をするつもりで行なっておるわけですか。
  40. 町田辰次郎

    町田参考人 いいことはできるだけ早くやればいいと思って、いろいろあらゆる角度から材料を取り寄せて、目下検討中であります。
  41. 森本靖

    森本委員 いいことは早くやるべきでありますが、ただこういう問題については、少くとも今日の事業経営のあり方からいくならば、一応こういう問題については私は、そこに働く従業員とも会社経営者とも、お互いが納得した形において運営されていくのが最も理想的である。それを何かあなたの方が官僚的といいますか——あなたは官僚じゃないかもしれませんが、とにかくそういうような考え方で、非常に極秘裏にこれを進めて行って、政府じゃないけれども抜き打ち的にやるというふうなおそれもある。こういうふうな考え方で非常に従業員の方でも心配をしておるのじゃないかと思うのですよ。だからせっかくこういう委員会を通じて、あなた方がそういう計画が正しいと考えるならば、そういう計画については、こういうふうな具体的な内容をもって計画しておるのだということを中外に宣明されて、そしてそれに対して悪いとかいいとかいう意見が出てくるならば、その意見も率直に取り入れて、これを運営していくというのが最も理想的な形じゃないかと思うのです。だからあなたの方でそういう計画があるとするならば、一体その内容についてはどういう内容であるかということをお聞きしておるわけです。もっともあなたの方で、そういう計画についてはまだ具体的に全然何もきまっておらぬ、こういう御回答であるならば、一体この計画はいつごろからあなた方の頭の中で計画されて、いつごろにこの会社が完成する予定であるか、このことをお聞きするわけです。
  42. 町田辰次郎

    町田参考人 前からそういう考え方は自然起ってくるし、また開いておったように、私の就任当時もいろいろそういう話題は出ておりました。それは結局、うちの従業員をもっと有効に能力を十分に使うような意味の働き方をさせるということが一つ、今のようなあっちこっち外回りをして、雑用に相当技術を持っておる人が相当の時間を費すということは、決して会社経営の上からいって適当ではないのじゃないかというような考え方があったようであります。それを聞いております。また私どももそんなような感じも持っておるのでありますが、それから受ける方から見れば、これはやはりぜひそういうふうにきわめて能率的に、いろいろ積極的にやっていただけるということになれば、それは希望されるところであると思います。ただここで組合の人がいろいろ心配しておることが、森本さんあたりをだいぶ刺激しているのじゃないかと思うのですが、このために従業員を整理をしたり、従業員そのものに迷惑をかけることにはならぬのであって、まだ計画途上なものでありますから、そこにいろいろ揣摩臆測があるのではないかというような感じがします。これによって従業員に悪い影響はないはずでありますから、その点はここにはちょうど組合の諸君もおりますので、この前で私ははっきり申し上げておきます。
  43. 森本靖

    森本委員 これは組合の方が傍聴しておろうがおるまいが、本日は委員会の審議でありまして、その点については別に関係ございません。それからなおここにおける発言は、当委員会委員に対してのあなたの方の御説明でありますから、その点は一つよく最初に断わっておきたいと思います。  それでは具体的なその計画というものは、全然進んでおらないわけですね。
  44. 町田辰次郎

    町田参考人 具体的というと、どういう程度をおさしになるかわかりませんが、参考資料をいろいろ整えて話を進めておるのであります。
  45. 森本靖

    森本委員 具体的と申しますのは、たとえばその会社資本金、その会社出資者、さらにその会社従業員の構成、あるいはまた年度営業成績、あるいはまた発足期日、その営業所、それから設立準備委員、そういうものについても何一つきまっておらない、具体的なものはないというわけですね。
  46. 町田辰次郎

    町田参考人 たとえば資本金のごときものも、まあ一つの案として三百万円くらいのサービス会社を作ったらどうかという意見も出ております。人間の数もごく少数ですが、このくらならやれる、そして会社も、託送をやっておられるお得意さんも非常に便利じゃないか、そういうところはだんだん相談の材料に上っています。
  47. 森本靖

    森本委員 そうすると、設立準備委員というものはきまっておるわけですか、どうですか。
  48. 町田辰次郎

    町田参考人 設立準備委員というようなところまでまだ行っておりません。内輪でいろいろ考えていますけれども、そういう具体的に指名が徹底しておるところまでは行っておらないのです。
  49. 森本靖

    森本委員 そうすると、これは会社正規の機関では全然設立準備委員については話が持ち上っておらない、重役会議においてそういう話はない、こういうことですね。
  50. 町田辰次郎

    町田参考人 多少そういうようなことに触れたことはあります。話題に上っていないということではありません。
  51. 森本靖

    森本委員 それは重役会議速記録を見ればわかると思いますが、そこで重役会議において最初にそういう話が出たのはいつごろであって、現在では重役会議においてこの会社を作るために国際電電の中からは、大体どういう人が準備委員の格になって云々というような話はないのですか。
  52. 町田辰次郎

    町田参考人 そういう個々の名前は話題には上っていますけれでも、まだそれが確定したような状況ではありません。また今お話のようなことも詳細お知りの必要があれば、あるいはまた私の方で今までの経過など取りまとめて、お手元に差し上げることもできはせぬかと思います。
  53. 森本靖

    森本委員 そうすると、現在までの経過とそれから将来にわたる見通しというようなものについては、資料として出せますか。
  54. 町田辰次郎

    町田参考人 それはちょっとむずかしいですね。
  55. 森本靖

    森本委員 そうすると、これについては正式に重役会議において話があったことは一ぺんもないわけですか。
  56. 町田辰次郎

    町田参考人 重役会議でいろいろ話題が出ますが、そういう正式なところでこういう決定をしたというようなところまではまだ行っておりません。
  57. 井手以誠

    井手委員 議事進行。ただいま森本君から質問されておりまする国際電電のいわゆる第二会社と申しますか、この問題は、私が前から聞いておりますところでは、計画相当進んでおるように承わっておるわけであります。それは部内の事情はいろいろあるかもしれませんけれども森本君も相当調査の上質問しておると思いますので、特に機密を要する問題ではございませんでしょうから、議事を進める上において、国際電電の方でもよく打ち合されてある程度お示しになった方がよくはないか、こういうふうに考えたものでありますから、議事進行に名をかりて御注意申し上げるわけであります。あなたの方では一部に発表されておるということも承わっておりますので、議事進行の上から一つ御協力の意味構想を御発表願いたいと思う。
  58. 町田辰次郎

    町田参考人 今のお話は、これからわれわれの間で相談して、それを発表せい、こういうことですか。
  59. 井手以誠

    井手委員 私が申し上げておりますのは、あなたの方で計画なさっておる新しい会社構想でございます。どのくらいの資本金で、いつごろ発足して、どういうことをやるか。これについて正式決定でなくとも、大体決定したものもありましよう、今後御相談なさって決定するものもありましょうが、差しつかえない程度はこの際御発表になったらいかがか、こういうことであります。将来決定しよう、そこまできまっていないものまで発表せよということは申し上げません。
  60. 町田辰次郎

    町田参考人 まだ内輪の話の程度でありますから、こういう公式の席上で御発表申し上げるところまで行っておりません。資本金にしても、先ほど申した通り三百万円くらいが適当じゃないか、それから保守の問題は、われわれの方の責任のある問題でありますから、こちらから資本も、あるいは人も出さなければならぬのではないか、こういうようなことがずっと検討されて、従って事務所というような問題もありますが、それもまだ別にどうという具体的なところまで進んでおりません。そういう程度でございます。
  61. 森本靖

    森本委員 それでは、この会社が発足をするという予定はいつごろでございますか。
  62. 町田辰次郎

    町田参考人 まだわかりません。
  63. 森本靖

    森本委員 いいことは早くやるというふうに言われましたが、いいことは早くやるというふうに考えておっても、いつごろになるかということは全然わからぬわけですか。
  64. 町田辰次郎

    町田参考人 その通りでございます。
  65. 森本靖

    森本委員 そうするとこの問題については、会社の方ではまだ正式に話が全然なっていない、こういうことですね。
  66. 町田辰次郎

    町田参考人 会社ではいろいろ話を進めていますが、ただまだ固まったものではありませんから、こういう公式の席で申し上げる程度に進んでいない、こういう事情でございます。
  67. 森本靖

    森本委員 私が聞いておるのは、会社内で話をしているのは、重役会なら重役会において正式に話が出ておるかどうかということを聞いておるわけです。だから正式に話が出ておらぬなら正式に話が出ておらぬと、あなた方が個人的に話をしておる問題だ、正式に話が出てくるということになると、やはり会社としては正式の機関を経てこれをやらなければならぬ、正式に機関を経てやっておるならばここで答弁ができるはずだ。正式の機関を経て全然やっておらぬ、こういうことなら私はここで公式の質問はしません。ただしかし公式の何らかの機関においてあなたの方でそういう話が出ておるならば、その内容を明らかにしてもらいたい、こういうことを言っておるわけです。
  68. 町田辰次郎

    町田参考人 重役会議ではそういう話題も上ったことがありますから、ただいま申し上げたような程度のことは出たことがございます。まだそれがこうこうこういうふうなという具体的なところまで決定を見ておるようなことではないのであります。
  69. 森本靖

    森本委員 そうすると重役会議ではこれが雑談的に出たのであって、まだこれをこしらえるともこしらえないともきまっておらない、こういうことですね。
  70. 町田辰次郎

    町田参考人 雑談ということはどういう御意味か知りませんが、やはり重要な問題の一つでありますから、相当いろいろ真剣に討議がされたことは事実であります。
  71. 森本靖

    森本委員 そうするとこれは一つ会議の議題として上せたわけですか。
  72. 町田辰次郎

    町田参考人 議題という、そういう正式な書いたものの議題じゃありませんが、そういう話題は出て、それについての意見の交換をやりました。
  73. 森本靖

    森本委員 それは重役会議議事録に残っておりますか。
  74. 町田辰次郎

    町田参考人 特に議事録には残っていません。そこまで進んでいません。
  75. 森本靖

    森本委員 そうすると、これはまだ正規の機関においてどうこうするということは全然まだきまっておらぬ、こういうことですね。
  76. 町田辰次郎

    町田参考人 いろいろ仕事の決定は、大体社外重役もまじった重役会議決定するのですが、そういう重役会議にはこの問題はまだ出ておりません。
  77. 森本靖

    森本委員 そうするとこれは、社外重役も含めたところの正規の重役会においてはまだ全然決定をされておらぬ、こういうことですね。
  78. 町田辰次郎

    町田参考人 その通りでございます。
  79. 森本靖

    森本委員 それからなおあなたの方では、その内容についてはそれぞれ研究をしておるというふうにいわれておりますが、そういう研究をしておるということになると、これをもし作るということになると、正規会議、機関にかけて作るということについては、大体どのくらいの目安を置いておりますか。
  80. 町田辰次郎

    町田参考人 そうはっきり目安——もしそれがいいということになれば、できるだけ早く進めることがいいのじゃないかと考えております。十分いろいろの角度から検討して、これならば会社のプラスにもなるし、お得意さんの利用者の立場のプラスにもなるという、あらゆる角度から検討したその結論の結果じゃないというと、そういうふうな具体的な進行を速急にやるというわけにはいかぬものですから、今各種の資料を集めながら検討を加えておるという実情でございます。
  81. 森本靖

    森本委員 その各種の資料を集めて検討を加えておるということはわかりますが、これを具体的にあなたの方が始めるということをそういう正規の機関で決定した場合には、具体的に、発足をするところの期間というものはどのくらいの期間で始まるか、こういうことです。
  82. 町田辰次郎

    町田参考人 今私からそれをちょっと申し上げるということは困難でございます。
  83. 森本靖

    森本委員 どういうわけで困難ですか。
  84. 町田辰次郎

    町田参考人 重役その他と相談してその上でないと、まだいろいろ資料など収集中でありますし、そういうものを見ての結果でありますから、私が今ここでいつごろから始まってどうという、きわめて具体的なお答えを申し上げるということはちょっと困難であります。
  85. 森本靖

    森本委員 それは正確に、こうなるこうなると言うことは困難なことは事実です。しかし社長としてこの会社の運営に当るについては、そういう計画は具体的内容については検討しておるということであれば、一応そういうものについては大体の目安を立てて、その目安は社外重役を含めたところの重役会議でどうなるかわからないが、しかしあなたの考え方というものはあるはずなのです。そういう考え方についてはどのくらいの目安を置いて考えておるかということなのです。
  86. 町田辰次郎

    町田参考人 こういう公けの、しかも国会の席上で、私個人の意見なり見通しを申し上げることは危険じゃないかと思いますから、私は御遠慮申し上げます。
  87. 森本靖

    森本委員 そうすると今までの、大体資本金が三百万円くらいのことであって、技術要員についてはこういうことであるからということも、これは正規にきまったものじゃないでしょう。この問題についてもあなたの一つの目安として考えた問題でしょう。技術要員についてもこういうふうに巡回をしていくということよりも、こういうふうな会社を置いた方がよろしいという考え方に立って検討しておるということについても、これは正規の機関を経てやったわけじゃない、あなたの方の考え方を述べたわけでしょう。だからそういう考え方に基いたところのこの設立その他についての考え方を聞いておるわけなのです。
  88. 町田辰次郎

    町田参考人 それは重役の間にそういう話題が上っておるということで、それは今御質問の、社長として私から見通しなり何なりお話をせい、こういうのとちょっと性質が違いまして、それは今まで重役間においてかような問題が話題に上っておるのだ、ただ見通しということになりますと、それについては各重役の意見も十分聞きながら、そうして責任のある御答弁を申し上げることが実質的じゃないか、かように考えております。
  89. 森本靖

    森本委員 だからいわゆるこの技術要員というものは、こういうように回らしておくよりも、これを請け負わしておいて片方で純粋にやらした方がよろしいということについても、これは正規の機関できまったことじゃないのでしょう。だから重役間においていろいろな話し合いをするという場合においては、資金もこのくらいで大体こういうふうな考え方でやるということになれば、大体これはどういうふうなものによって資本構成をし、それから大体いつごろこれが発足されるということも、こういう三百万円というような話が出るときには出てくるわけでしょう。その話の三分の一をここで発表して、三分の二はまだ正式にきまっておらぬからというなら、初めに発表した三分の一もまだ正式にきまっておらぬわけでしょう。だから一切がっさいそういう話し合いをしたところの具体的な内容説明願いたい。その説明によってどうこうするというわけじゃないのですから、その説明をしてもらいたい、こういうことを言っておるわけです。
  90. 町田辰次郎

    町田参考人 今までお話した程度以外に、ここでそれにつけ加えて申し上げるような点はないと思います。
  91. 森本靖

    森本委員 そうすると話題に上ったというのは、テレタイプの保守についてはこれを巡回をしていくということよりも、これは一つ会社にしてやった方がいいのではないかということ、それからまあ大体それをもしこしらえるならば、三百万円くらいの資本金においてやったらよくはないか、このくらいのことが話題に上った、こういうことですか。
  92. 町田辰次郎

    町田参考人 そういう程度のことは話題に上りました。
  93. 森本靖

    森本委員 そうすると、そのくらいのことが話題に上ったのであって、そこから先の具体的なことについては全然話題に上っておらぬ、こういうことですね。
  94. 町田辰次郎

    町田参考人 それはこまかいことでもあったり大きなことでもあったりして、上ったことはあるかもしれませんが、こういう公式の席上で社長の立場で申し上げる程度はこの程度であります。
  95. 森本靖

    森本委員 それでは最初に返ってもう一回おききしますが、技術要員というものを具体的な合理的な使い方にするならば、これはこの者を社内の保守だけにしたらよろしいという意味はどういう意味になりますか。
  96. 町田辰次郎

    町田参考人 御承知の通りテレプリンター保守なり油さしというものは、外を回りまして一種の雑用に近いような面もやっておるようなわけですが、うちの比較的高級な技術を持っておる人には、もっと多種多様ないろいろ技術上の方面に従事してもらわなければならぬので、そういう人をそういう単純な方面に向けるということは決して人を能率的に、有効に働いてもらうゆえんではないのじゃないか、こういうふうに考えております。
  97. 森本靖

    森本委員 これは油さしだけではないと思うのです。機械保守も一緒に行なって、常時点検していかなければならぬという責任があるわけです。この保守要員については、だから必ずしもあなたが考えているほどしごく簡単な仕事ではないのです。それから人間を使うことは、その保守だけに当らさぬでも、勤務交代をすればよろしい。そうしてその他の機械にもなれるような格好の保守要員を作ることが望ましい。こういうようなことを考えた場合に、これを切り離したら技術要員をもっと効率的に使えるということは、もうちょっと具体的に御説明願いたせのです。これは私も自分でやったことがありますのでよくわかりますが、これを他にまかせて、それからこの者を中に入れてしまったら効率的に使えるということよりも、巡回勤務にしてやった方が、技術要員が広範に物事がわかっていいと私は思うのですが、その点もうちょっと具体的に御説明を願いたいと思います。
  98. 町田辰次郎

    町田参考人 そういう専門のことになりますと、森本さんの方がお詳しいようでありますから、技術部長がおりますので、技術部長に答弁いたさせます。
  99. 新堀正義

    新堀参考人 お答えいたします。ただいまお話がございましたけれども、社内の機器その他に関しましては、相当多種多様の機器が現在社内で使われておりまして、託送利用者の方に使われております機械は一、二種類のものに限定されております。そんな関係から申しまして、一、二の機械よりむしろいろいろな方面の、最近のごく新しい機械をいじってもらうという方が、最も能率的にできるという意味のことをただいま社長が申し上げたことと存じます。なおこの表を回るということによりますと、あるいは往復時間あるいは利用の宅においてしばらく待ってほしいというようないわゆる待ち時間、そういうようなむだというものも相当あるやに聞いております。でありますので、こういうむだをなくしまして、特に社内におきます通信機器の点検あるいは改良ということに専心にやってもらう方が、会社としてはもっと能率的に動くことと存じます。
  100. 森本靖

    森本委員 技術部長も実際の仕事をいられたことがあると思いますが、今の答弁ではどうもこれを切り離してやった方がいいというふうにはとれぬのです。今度切り離す保守というのは、その機械だけを保守するという意味ですか。
  101. 新堀正義

    新堀参考人 その機械だけと申しますのは、利用者の宅内の機械のことだと思いますが、お説の通りでございます。
  102. 森本靖

    森本委員 そうすると、現在のあなたの方のこの宅内のものについての保守要員というものは、どういう服務状態となっておるわけですか。
  103. 新堀正義

    新堀参考人 服務状態は現在東京におきまして約九人くらいの人がおります。それからまた大阪では三人くらいの人が表の方の関係の仕事に当っておられます。
  104. 森本靖

    森本委員 この九人、三人というのは、専門でずっと回っておるわけですか。
  105. 新堀正義

    新堀参考人 大体専門化されて回っております。
  106. 森本靖

    森本委員 あなたの方ではそういう人間の使い方をせずに、もっと現在のままで効率的に技術者を使うという方法が、その他の機器の保守と合して考えられぬですか。それからこのテレタイプにしても、おそらくこれはこの機械保守だけというよりも、これは回線とも非常に密接な関係が出てくると思うのですが、この回線保守は一体だれがやるのですか。これは別途の線路保守要員がやるわけですか。
  107. 新堀正義

    新堀参考人 回線に関しましては社として全部見て参ります。それから機械保守云々の問題でございますが、これがどんな形になりますかわからないのですが、最後は必ず会社が責任を持たなければならないということははっきりしております。
  108. 森本靖

    森本委員 そうするとかりにそういう会社ができても、それは油をさすだけであって、機械と線路については全部国際電電が責任を持つ、こういうことになるわけですか。
  109. 新堀正義

    新堀参考人 責任は会社が持たなければならないと思います。
  110. 森本靖

    森本委員 そういうことになると、第二会社設立するという意味技術的には立証できぬというふうに考えるわけです。もっとも退職者をこの中に入れるという考え方で第二会社を作るなら別ですが、技術的な観点からいくならば、この第二会社設立するということはあまり意味がないように考えるのですが、どうですか。もっとその他に政治的——政治的と言うほどのこともないが、あなたの方で年がいって——これは郵政省も電電公社も同じですが、相当の年令に達して退職する、どこも雇ってくれないので、あっちこっちの会社に入れるのに苦労をするわけですが、そういう場合のはけ口をこしらえるというのなら相当意味も出てきます。そういう意味が大体五〇%以上含まれるのではないかと思うのですがいかがですか。
  111. 町田辰次郎

    町田参考人 結果的にはそういうことも出てくるかもしれませんが、根本は利用者の便利、会社人間の活用、こういう見地から考えたわけであります。
  112. 森本靖

    森本委員 利用者の便利というのはどういうところが便利になりますか。こうやったら利用者はかえって不便になるのじゃないですか。
  113. 町田辰次郎

    町田参考人 この問題は利用者からもそういう希望が出ておるのであります。というのは、便利を感ずるから出ておるのだと思います。
  114. 森本靖

    森本委員 私もこれについては大阪におってやっておったので気づいておるわけですが、こうやったことによって具体的にどういうところが利便になるのですか。
  115. 町田辰次郎

    町田参考人 利益にならないようなことは会社というものは考えるものじゃありません。会社はやはり会社経営のためにプラスになり、従業員のためになるから考えるので、会社にもプラスにならぬし、お得意さんにもプラスにならぬものを考えるような、そんなあほうな経営者はいまだかつてないでしょう。
  116. 森本靖

    森本委員 それはその通りなんです。その通りだけれども、利便になると言うならどういう理由で利便になるかということを私は聞いておるわけです。私は現実に船場におって知っておるのです。だからそういうことをやった場合に、加入者の方は具体的にどういう利便になるのか。私はかえって不便になると思う。国際電電の方は回線もその他の保守も一切の責任を持つ。しかしその点の油さしだけを一般の会社にやらすということになった場合に、油さし会社が、ここから先は私の方では責任がございませんという答弁をしたときに、一体加入者はどれだけの利便を受けるか、かえって加入者は不便を受けると思う。利便にならないことはやらないという理屈は了承いたしますが、どういうところが利便になるかということを聞いているのです。
  117. 町田辰次郎

    町田参考人 こまかいことをここで一つ一つ私からは御答弁はできませんけれども、ただ利用者の方は、そういう下請の会社の人が来て、そうして割合に遠慮なくどんどんものを頼んだり、また何といいますか非常に取扱いも簡単で便利だ、これは私はあまりその道の専門家じゃありませんから、少しピントがはずれているかもしれませんが、少くともこういうことを考えるのにはそれだけの利益があるから考えておるので、それのこまかいことは、私からということになれば、こまかいところをもう少しよく聞いて、別途個人的にお答えをしたいと思います。
  118. 森本靖

    森本委員 私は個人的に聞いておるわけじゃないのですよ。あなた方は利便になると言うが、退職者を入れるという政治的な意味で第二会社を作るということをはっきり言うなら、その意味においては了承できる。ただ技術的にこれをこういうふうにやった方が、加入者の方にも便利になるということを強調せられるから、私は聞いておる。加入者の方が物事を簡単に頼めるなんということを言っておるけれども、物事を簡単に頼んだり、官庁よりももっとやりやすいようにせんがために、国際電信電話株式会社という組織にしたのですよ。その会社が今まで官庁と同じようなことをやっておるなら、電信電話株式会社にした理由がない。せっかくそうやって会社になって、サービスを徹底してやろうということになっておるのにもかかわらず、こういう第二会社を作って、そうしてその交渉が便利になるという。その便利になるという理由をはっきりしてもらいたい、こういうことを言っておるわけです。
  119. 町田辰次郎

    町田参考人 今おっしゃったように、電信電話公社から国際電信電話株式会社になった、それはやはり便利を考えたわけでありますが、今の下請になりますと非常に手軽にサービスに行く、また頼む方も、電電公社よりは国際電信電話の方が民間的になったと同じように、下請になれば、それはまたもっとサービスが違いますぞ。
  120. 森本靖

    森本委員 そこまで逸脱をした答弁になると、私は何をか言わんやであるが、国際電信電話株式会社というものができるときには、与野党を通じて相当論争の種になったのです。しかしこの国際電信電話の使命からいって、一般の公衆に対するサービスの徹底ということがまず第一条件としてあげられて、そしてこの国際電信電話株式会社法という法律ができ上ったのです。それがいまだに民間会社よりも悪いなんということはないと思う。今日の国際電信電話株式会社は下請会社よりもサービスが悪いなんという答弁を、社長ともあろう者がするはずはないと思う。そんなおかしげな答弁は差し控えてもらいたいと思う。これは会社設立の趣旨からしておかしいのです。だからそういうことでなしに、もっと技術的な理由をくっつけなければ、今言った理由は成り立たぬですよ。ところが技術的には、それから加入者のサービスの面を考えた場合でも、これは今のように国際電電が一元的にやった方がもっと合理的だということは、今の私の質問であなたもだんだんわかってきたと思う。その質問に対して、そうじゃない、こうだということがはっきり言えるなら、そう言ってもらえば私は納得するけれども、あなたの方からは、利便になるということについてのはっきりした回答がない。こういう点で私が追及しても、あなたの方ではそういうことですが、この第二会社を作ることについてももっと深く検討してみて、そうしてあなたの方としては、この問題についてはもう一回もとに返して再考してみる。こういう問題については従業員組合従業員といえどもやはり、国民へのサービスという観点からかなり大きな関心を持つと思う。それから現実にその回線保守、実際の責任ということになってくると、国際電信電話株式会社従業員になってくるわけです。そういうことを考えた場合には、あなたの方としても虚心たんかいにこの問題についてはもう一回従業員とも話をし、また私が今言ったような問題についてももう一回再考する考えはないのですか。
  121. 町田辰次郎

    町田参考人 今のお話、再出発というふうな意味のことがありましたが、ちょっとそういうことを新たに考えるということは困難だと思います。
  122. 森本靖

    森本委員 私が言ったのは、今言ったような公衆に対する利便という観点から考えても、まだ考えてみる余地が相当あるのではないか、つまりそういうものも含めて、さらに従業員側としてもこれに対してはかなり重大な関心を持っていると思うので、そういう方面とも、団交権とかなんとかいうことではなしに、もっと虚心たんかいに話をしてやるならば、これは片がつく問題だと思う。だからあなたの方は、もっとそういう方面については虚心たんかいに従業員の方とも話をするし、さらに今言ったような不明の点についてはもう一回再考してみる、こういうことはどうかということを聞いているわけです。
  123. 町田辰次郎

    町田参考人 再考してみるということはいかがかと存じます。
  124. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 森本委員質問に関連して、政府当局にちょっと簡単に一、二お伺いしておきます。  第二会社を作る作らぬの問題はまだ決定しておらぬようでありますから、仮定的な話になりますが、先ほど来の仮定的な質疑応答を聞いておりますと、会社が第二会社の資金といいましょうか、まるがかえ、もしくは大部分の金を出資して第二会社を作り、サービス会社を作ろう、こういうことでございますが、その場合に国際電信電話株式会社法の法律の上におけるところのそういう出資に対しては、郵政大臣認可を必要とするとか、何かこれに触れるといいましょうか、関連する事項がありますかどうか、その点ちょっと政府当局の御見解を伺いたい。
  125. 松田英一

    松田政府委員 その点は問題が非常にデリケートになってくる点だと思いますが、国際電信電話株式会社法第二条に「国際公衆電気通信事業を営む外、郵政大臣認可を受けて、これに附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務を営むことができる。」という条項がございまして、附帯する業務あるいは前条の目的を達するために必要な業務というふうな見地でとらえなければならないものは、郵政大臣認可を必要といたしますので、当然やってこなければならぬ。ただその場合に、今言ったようなものが、国際電信電話株式会社との関連性が非常に薄いというような見地で事柄が起って参りますれば、この範囲内に入らないで、会社が勝手にできるというふうにもなるかと思いますので、やはり具体的な会社のこれに対する当り方によると思います。
  126. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 私も第二条が問題だと思います。第二条は「国際電信電話株式会社(以下「会社」という。)は、国際公衆電気通信事業を営む外、郵政大臣認可を受けて、これに附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務を営むことができる。」ただしかし平板な解釈からいいますと、今言ったテレタイプのようなものは国際公衆電気通信事業という中に入るのか、それともこれの附帯業務という中に入るのか、ここにやはり少し解釈の問題があろうと思います。厳格に言えば私は、電気通信事業そのものの中に入ってくるのじゃないか、しかし広く解釈すれば附帯する業務ということになりはしないか、こういう二つの解釈の方法があろうと思います。かつまたいま一つは、ここでいうところの「附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務を営むことができる。」というのは、国際電信電話会社それ自体が業務を行うとここの第二条は解釈するのか、それとも先ほど新堀参考人からお話があったように、この事業は、第二会社を作るけれども、最終責任は国際電信電話会社にあるのだ、こう言明された。最終責任は国際電信電話会社にあるということになれば、会社自体がその業務を行うというのと精神的には変りがない。こういうことになってくれば当然郵政大臣認可を受けて出資を行わなくちゃならない、こういう建前に解釈がなるだろうと思う。そうでなくして最終的責任もあえて負わないのだ、それは第二会社が当然負っていいのだという解釈であれば別ですが、先ほど来の参考人の陳述を聞いておりますと、最終責任はやはり負うのだ、そういうような答弁でありましたので、最終責任を負うということになれば、これは当然この第二条の解釈からいっても、その他の前条の目的を達成するために必要な業務を自分が行う、この自分が行うべきものを、先ほど来の便宜的な建前からして、第二会社をしてやらしめるのだ、こういうようなことでありますれば、当然郵政大臣認可を受ける性質になると思うのですが、もう少し郵政当局はこの点について明確な答弁をしてもらいたい。
  127. 松田英一

    松田政府委員 お答え申し上げます。私が申し上げました意味は、もちろん現在会社でやっておりますテレプリンター等の機器の保守、これは私もここで最終的に郵政省の見解はこうであるということで打ち合せして申し上げるわけではありませんので、やや個人的な見解が入るかと思いますが、むしろどちらかといえば、それは公衆電気通信事業というものの中に入ってくるのであって、必要な業務とか、附帯業務というふうに考えるべき性格のものではないのじゃないかというふうに考えるわけであります。かりに附帯業務の方に考えるといたしましても、つまり外に出ているものは附帯業務というように考えるにいたしましても、どちらにしろ会社がやる仕事というものをここに書いているわけでございます。ちょっと今のにつけ加えて申し上げますが、むしろ私どもの郵政省の解釈といたしましては、附帯業務とは考えていないと御答弁申し上げるべきだと思います。といいますのは、私どもは現在国際電信電話会社が各利用者のところでやっておりますサービスの仕事そのものを、ここの意味での認可を受けさして附帯業務として扱っているわけではございませんので、当然会社の仕事としてやっておるわけでございますから、それでなくてむしろ前段の方だと思います。ただ私が先ほど申し上げましたのは、そういう仕事をみずからやる場合には問題がないのでございますけれども、ただいま話が出ましたような工合に、別に会社を設けて、そこへ出資をするというふうな問題になれば、そういった事柄がこの附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務というものの中に入るか、入らないのかという点、若干デリケートな問題がある。従って入るとすれば認可を受けるべきでしょうし、そういった問題はこの条文外で、いわば会社が自分の仕事をするために必要なところには出資をするということは、この条文以外に当然会社というものがある以上は、そういった活動というものは、会社の法人としての活動上当然なんだというふうな解釈の余地もあると思いますので、それがどちらの方へいくかということは相当検討を必要とするだろうということであります。
  128. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 私も先ほど来問題になっておる業務は、国際公衆電気通信事業の中に含まれるものだと思うのです。そうなると、国際電信電話株式会社法というのは、その会社にやらせるための法律ですから、第二会社を作るなんということは全然考えられないことになってしまう。会社の方でもまだ正式にきまってはいないようでありますが、私の法律解釈からいいますと、国際公衆電気通信事業の中にその事業が入ってきておる、そういうような業務を第二会社をもってやらせることは法律違反になりはしないか。そういたしますれば今度は国政調査のわれわれの建前からいいますと、それを取り上げて問題にしなければならぬことになるから、このやろうとなさっておる仕事、内容は大へんけっこうだと思いますけれども、こういう法律がある以上は、もう一度郵政省当局と十分お打ち合せ願って、法律上から解釈しても、これはは差しつかえなく出資して行える、こういう点を確かめておやりになることが妥当ではないか。特に私は、この法律の条文の解釈からすれば、これに附帯する業務というものは、たとえば真空管を作るとかあるいはテレプリンターを作るとか、こういう事業さしておると思う。その仕事の末端までが国際公衆電気通信なんですから、その末端まで当然国際電信電話会社法によってその会社がやらなければならぬ、こういう建前にこの法律はできておると思います。従ってその点を十分一つ研究の上、疑念を残さないように御注意といいますか、この法律から見た私の解釈でございますが、その点御見解を伺いたいと思います。
  129. 町田辰次郎

    町田参考人 いろいろ議員の方から大へん有益な御意見なり御注意がありまして、私どももいろいろと教えられるところが多かったのでありますけれども、なお会社におきましても十分に研究をし、検討を加えまして、結論を出すようにいたしたいと思います。   〔松前委員長代理退席、森本委員   長代理着席〕
  130. 森本靖

  131. 松前重義

    松前委員 私は電電公社に一言、大西洋横断の電話ケーブルについての模様をちょっと伺いたいと思います。その技術的な内容と、もう一つ経営の形態、どういうお金を出し合って作ったのか、その辺を御調査がありましたら伺いたいと思います。
  132. 中尾徹夫

    ○中尾説明員 お答え申し上げます。大西洋横断のケーブルにつきまして、詳細なことはここでは実は答弁しかねるのでありあすが、一応ケーブルは特殊なケーブルを引きまして、その中のアンプリファイヤーを挿入し、そしてまた電力の輸送も実際にはやりまして、それに使用しておりまする真空管は、大体二十年程度は全然障害が起きないというようなものが布設されておるのでありまして、その他の詳細なデータにつきましては、ある程度は私の方でも調査しておりますが、ここには全然持っておりませんのでお答えができないのであります。それからもう一つは、どういうような経営形態でというお話であったのですが、この点につきましてもあまりはっきりしたデータを実は持っておりませんので、あとで調べましてお答え申し上げたいと思います。
  133. 松前重義

    松前委員 国際電電では、会社の使命上お調べになっておられると思いますが、伺いたいと思います。
  134. 町田辰次郎

    町田参考人 実は先般ケーブルの問題については、国際電信電話の将来の経営の上にも非常に大きな影響があると存じまして、特に会社にケーブル班を設けまして、這般の事情をこれから検討を加えて対処したい、こういうような状況でして、今ここには用意をしてきておりません。
  135. 松前重義

    松前委員 関係の方がおいでになりますが、国際電電としては、最も注意なさっておかなければならぬ問題であるとともに、将来の事業としては、国際がこれを引き受けなければならぬ。もう会社ができてからだいぶになりますので、おそらく相当詳しいデータがあるのではないかと思いますので、伺いたいと思います。
  136. 大野勝三

    大野参考人 ただいまお尋ねのありました大西洋横断の電話のケーブルでございますが、はなはだ実は私ども資料が乏しいもので、まだ十分な知識を持っておらないのでございますが、いろいろ向うの雑誌などに発表されたものをただいま取り寄せまして、だんだんと調査を進めている状態でございます。しかし御承知の通りすでに昨年の秋でございましたが、これは開通いたしまして、経営はアメリカのATTとそれからカナダの政府、イギリスの政府、この三者の共同事業で、すでに運転が始められておりまするし、将来の問題といたしましては、さらにハワイにも米国本土から海底ケーブルが延び、近くそれが竣工するという情報もありまするし、まただんだんとそういう方面から日本の方にも影響が深くなって参るかと存じます。当面の問題といたしましても、今国際電信電話株式会社がカナダとの間に、これはラジオでありますけれども、無線で直通の電信あるいは電話のルートを開く準備を進めておりますが、これがうまくできますれば、カナダの大陸を横断しまして、これはおそらくマイクロウエーブになるらしいと思いますが、それが大西洋岸に延び、大西洋はただいま申しました例の海底ケーブルによりましてイギリス、さらに延びて大陸というふうに、つまりヨーロッパと日本との連絡に別のルートが開かれる可能性もございますし、そういう意味でも非常に当社の仕事にも関係がございますので、お説の通り調査を進めていきたいと考えておるところでございます。
  137. 松前重義

    松前委員 これ以上お尋ねいたしませんが、この問題はずっと前に、町田社長御就任のときに私は伺ったかと思います。それで非常に大事な問題でありまして、政府としては、一体国際電電の今の御答弁に満足しておられるのですか。その使命の立場から国際電電は国際通信を引き受けなければならぬ会社なんです。ただ無線だけじゃありません。ことに大西洋横断の電話ケーブルができたということは、ただ通信がつながったということでなくて、ヨーロッパとアメリカとがつながって、その通信が非常に速くできるということになるのでありまして、そういう密接な関係を持ち得るようにならしめるのは、どうしてもケーブルでなければいかぬということでありまして、カナダとの間の電話の一回線くらいつなぐようなことは、これはやらぬよりもやった方がいいのでありますが、そういう目標と目的が違うのです。ですからアジア全体を考えても、これは大へんな問題でございまして、日本がもしアジアに対して相当経済的あるいは政治的、文化的な影響を与えようというならば、これは少くとも通信を先駆者こして出発しなければならぬと思います。それに対して政府は一体どういう考え方を持って、国際電電にこれをやらしめようとしておられるのか、そこのところがどうも最近非常に欠けておるような感じがいたしますから、一つ政府の所見を伺いたいと思います。
  138. 伊東岩男

    伊東政府委員 国際電電業務推進の上において非常に重大な御発言がございまして、私どももごもっとものことだと考えます。そこで国際電電におきましてもこのことは早くから調査さるべきものでもあり、しかし御答弁の通りでございまするので、今後国際電電ともよく打ち合せいたしまして、このことの的確な調査がすみやかにでき、そうして方針がすみやかに策定されることを希望いたしております。
  139. 松前重義

    松前委員 抽象的な御答弁で、すみやかにという言葉を承わりましたけれども、これはいろいろ解釈があります。大体この話をしましたのは、あなたが御就任にならないずっと前でありまして、町田さんが御就任になってすぐであります。すでに国際電電ができてから今日まで二年以上たっております。当然このくらいのことは考えなければならないものであると考えるだけでなく、具体的にもう着手しなければならない、あるいは政府に対して何らかの予算措置その他についても要求しなければならない立場であったと思う。しかし今日まで全然そういう案も出ないというところに、どうも私はたよりなさを感じている。町田さんを前にしてこういうことを申し上げては失礼でありますが、正直な話何だかたよりなさを感ずるのであります。政府は一体この状態でいいとお思いになるかどうか。おざなりな答弁でなく、国全体の問題でありますから、今後郵政省としてまじめにどういう政策をもって臨まれるのか、具体的な御答弁を願いたいと思うのです。これは技術力は電電公社にあると思う。総合的に考えてみて電電公社にやらせるということではないが、こういうインターナショナルな幹線となるものは一体今後どうするのか、この根本問題が特にアジアに残されている。これを政府は真剣に考えて取っ組んでもらわなければならないと思う。政府の覚悟のほどを伺いたいと思うのです。
  140. 伊東岩男

    伊東政府委員 非常に重大な問題だけに、ここに的確なお答えのできないことを遺憾に思いまするが、しかし事が国際的であり、また国際電電といたしましてもこれは十分考えていただいておることと思いまするし、政府といたしましてもこの点に向っては非常に責任を感ずるわけでございまするから、今の御質問によって特に私はその思いを深くするものでございます。よって国際電電ともよく話し合いをし、でき得るならばこの問題を早急に調査するための、国際電電電電公社及び郵政省内において衆知を集めて、この問題が早急にできるような方針でもとりたいものだと考えておりまするので、具体的の問題をお答えできないことを遺憾に存じます。
  141. 松前重義

    松前委員 だんだん誠意ある御答弁をいただいたのでありますが、私一つ政府の御所見を伺いたいのは、こういう政策を審議する機関をお作りになったらどうだろうか。民間の人もおりまするから、そういう総合的な立場から見て、政治、経済、文化の立場、また通信自体の技術的な立場、あるいは事業的な立場から見るような人たちを一堂に会してもらう通信政策審議会のようなものを郵政省に作られてそうしてそれに諮問した結論に基いて、政府はこれを参考として政策の立案に当る、こういうふうな機関を作られた方がいいのじゃないか、そうして前進された方が、これは具体化してくる可能性が非常に強い、こう思うのでありまして、現在のところは、監理官室は置いてありますけれども、しかし少くとも通信政策の立案という問題につきましては、監督の立場でありますから、必ずしもその使命とするところではないと思う。いずれにいたしましても、こういう審議会のようなものを早急にお作りになる御意思があるかどうか、これを伺いたいと思います。
  142. 伊東岩男

    伊東政府委員 ただいま御進言の、重要なる通信機関の万全を期するために、衆知を集めて、あるいは郵政省が中心になって民間の有力者等を集めて、これを検討研究して、その政策の策定に当るようにという御意見については、私、心から賛成をいたしますので、直ちにこの問題については、大臣などとも打ち合せをいたしまして、その実現に努力したいと考えております。
  143. 松前重義

    松前委員 御答弁に満足いたします。国際の問題はこれで終ります。  電電公社に二、三御質問を申し上げたいと思います。それは最近において自動交換あるいは電信交換等の進行に伴って、従業員の配置転換とか、あるいはまた首切りが行われております。電信電話事業のようなものが自動化、機械化等によって事業がインプルーヴされる、すなわち改善されていくということは、これは当然のことでございまして、私どもこの事実を、こういうふうに進むことを否定するわけではございません。けれどもこの中にいろいろ臨時者の首切りとか、あるいは現在の公社従業員に対して相当無理な配置転換等が行われる、こういう場面が現在相次いで現われてきております。この点につきまして、全般的な立場から配置転換あるいは首切り等に対しましての現状について、簡単に一つお知らせ願いたいと思います。
  144. 靱勉

    靱説明員 御質問の点、確かに自動化、機械化の推進によりまして、要員配置の問題が、公社としましてもきわめて重大な問題として現在当面いたしております。これに備えまして、実は組合との間にすでに配転協約というものを二十九年十二月に締結いたした次第でありますが、それは配置転換に関していろいろ不利な条件にならないように、いろいろ条件をきめております。と同時にさらにそれに対しまして覚書を作りまして、そういう機械化、自動化に伴って強制的な解雇はしないという方針を公社としては組合側に明示いたしておる次第であります。しかしながらこれは全体的といたしましては、要員計画として私ども、今後第一次五カ年計画を完了いたしまして、さらに第二次、第三次という計画を考えてみますと、要員の縮減ということは考えられない。しかし局所的にはなかなかこの問題がそう簡単に処理できるものではないのであります。計画を策定する場合に、要員の事情というものを本質的に考えまして、できるだけ円滑に、配置転換等もそう職員に大きな不利を与えないような状況でできるように、計画自体も調整するという方針で進んできたわけであります。ただいまの御質問、全般的に在来の実際の例はどうかというような御趣旨に聞きましたのでお答え申し上げますと、ごく最近の例としましては、中国地方の三原の問題がございましたが、これは大体におきまして円満に解決を見た。そこで臨時作業員の問題が社員外といたしまして問題になってくるわけでございますが、これにつきましても、最近におきまして組合との間に臨時作業員の取扱いにつきまして基本的な協約を締結いたしまして、そこで時間的に、あるいはすでにもう自動化の計画が進んでいるというところに就職される人たちにつきましても、将来やはり欠員その他の事情によりまして社員に採用されるというような期待のもとに来られた人、あるいはこちらとしてもそういうことを当然考えなければならぬというような人たち、あるいは全く臨時的な人たちとして第三者的に見ましても当然純然たる臨時的な人、そういうようなものを数段階に区別しまして、それぞれそういう事態に当面した場合の措置というものを合理的に解決するということにつきまして、基本的な協力を締結した次第であります。三原におきまして、若干臨時作業員につきまして他に就職をあっせんする等の問題もございましたが、これらはほぼ円滑に解決がつきました。今当面いたしておる大きな問題といたしましては、北九州地区におきます自動化、あるいは市内の集中化というようなことに伴いまして、三百人に余る人の配置転換には若干の人に他に転職していただかなければならぬ、こういうような問題が起っておりまして九州通信局を中心としまして本社とも連絡の上、これらの対策案と申しますか、それの決定を急いでおったような次第でございますが、これも大体の解決案を得まして、ごく最近に円満に解決するという見通しを現在持っている次第でございます。それ以前におきまして、たとえば静岡地区におきまして、静岡、焼津が一挙に自動化になる、そういうような形になっおります。その措置につきましても、強制的に社員を解雇するというような事態は現在までには起ってないような次第でございます。なお具体的な詳細につきましては、職員局長からさらに御質問に応じてお答え申し上げます。
  145. 松前重義

    松前委員 御説明を承わりましたのでありますが、私はこの間長崎方面、佐賀方面を歩いてみたのです。そのとき、従業員の異常な恐怖というものが起っておった。それはすなわち機械化によりまして相当要員が減るという問題であります。もちろん機械化して能率を向上せしめるのは必要なことであり、やらなくちゃならぬと思いまするが、何と申しましてもやはり日本はアメリカと国情が違いますし、人間はたくさんおりまして、首切りとか、あるいはまた配置転換で勤務場所が変るというようなことも、非常に問題になるのであります。そういう特殊な日本の国情に適応するように一切のものをやっていかなくちゃならぬのが、すべての事業の日本的な性格だろうと私は思う。外国でやっておるから自分もやるのだという機械的なやり方では、これは極端な資本だけを擁護する立場ならばそれでもいいかもしらぬが、国全体はそれで非常に危うくなってくる可能性がありますので、従ってそこまでの配慮を前提として、この事業経営をやらなくちゃいけないのじゃないかという感じを私は持っております。  そこでこのような機械化をどの程度まで進行せしめるのであるか、すなわち小さな手動局まで全部やはり機械化してしまうのか。そうすればもう女子要員というのはほとんど首になってしまう。大体要らないのでありますから、首になる。もちろん市外台とか案内台とか、あるいは市外受付とか監査とかには女子要員は多少要りますが、いわゆる交換に必要であった要員のすべてをこれに吸収することはできないのであります。こういうふうになって参りますと、やはり先ほどのような、女子でありますからあまり問題は起らぬかもしらぬが、とにかくここに一つの大きな社会問題が起る可能性があります。従って一体どの辺のところまで自動化されるつもりか、いわゆる小さないなかの局まで全部自動化してしまうつもりか。スエーデンあたりはそうなっております。それは非常に理想的でいいのでありますが、何といってもこれは人口が非常に少い。だから日本の国情を考えてみて、一体どの点まで自動化を進めようとされるのか。これが今後における大きな問題であると思うのでありますが、その辺に対して大体の基準をお考えになっておられるならば伺ってみたいと思うのです。どこもここも自動化されるつもりか、それともある限度を設けられるつもりか、限度があるならばどの程度であるか、その辺をちょっと伺いたい。
  146. 靱勉

    靱説明員 まことにごもっともな御意見でございまして、私どもやはりわが国の国情というものも十分に考えなければならない。こういう点につきましては、計画の調整に当りましてそれを基本的な観念として持っております。しかしながら、ことに女子の問題につきましても、公社としましては非常に多数の女子職員を必要といたしますし、またその人たちは、通信業務としてはきわめて重要なる業務に従事いたしておりますので、今後の機械化、自動化の問題につきましては、計画局長から詳しくその基準について御説明申し上げますが、私ども、職員の数としましては、当分の問題としましては先ほど申したようにむしろ増加の傾向にあることと、なお現在やっております公社サービスといたしまして、人によるサービスにおいて経営上十分人が得られるならば、新たに起したいサービスもまだ相当あるわけであります。もうすでに東京、大阪あるいは福岡まで即時通話になって参りますれば、やはり指名通話制度というものも当然ないと、電話としましては、呼んだ相手方と話をしなければほんとうの効用を発揮できない、その他いろいろ人を要するサービスもございますので、それらもあわせて並行して行うことによりまして、できるだけ無理な解雇というものがないように努めていきたい。基本的な考え方としましては、そういう国情ということもやはり十分考えていかなければならぬということは、全く御指摘の通りだと考える次第であります。
  147. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 ただいまの説明にちょっと付加いたしたいと思います。電電公社で目下第二次五カ年計画の作業中でございますが、御指摘の交換方式を自動に変えるというケースは、現段階におきましては設備が行き詰まっているか、あるいは交換方式としてこれ以上加入者を収容できないという局舎しか、第二次五カ年計画には含まれておりません。ただ問題になりますのは、小局の場合、特に加入者が数百名以内の小局の場合に、現在多くの場合磁石式を使っているわけでありますが、方式としては八百程度まではいける。ただ部屋の増築はできない、あるいは模様がえが困難であるといった事情で、事実上加入者の増設ができない、こういうケースがしばしば起るのでありまして、この点につきましては、最近の先生からの御指摘の点もございますので、できるだけ局舎の増築あるいは模様がえ等をやりまして、磁石式の方式限度まではどこでも持っていくということにして、要員異動の調整をはかっていきたい、こういうふうに考えております。そういった考え方でずっと参りまして、これはまだ最終決定に至っておりませんが、第二次五カ年計画末、つまり昭和三十七年度末に、全体の加入者のうちで自動方式の加入者の率を表わしております自動化率が約七七、八%、第一次五カ年計画末、つまり本年度末で自動化率五七、八%のものが大体七七、八%まで自動化されるだろう、こういう見込みでございます。
  148. 松前重義

    松前委員 数百名という話でありますが、その数百名というのは的確な数字ではどのくらい……。
  149. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 これは磁石方式の方式限度までは何とか食いつなぎをやっていくような方策、増築をするか、さもなければ、場合によりますれば磁石方式のままで——現方式移転と言っておりますが、そういう方式で何とか食いつなぎをやっていきたい、こういう考え方をしております。だから厳密に申し上げますと八百名——これはコーリング・レートの関係で八百名を下回ることもございますが、大体八百名程度とお考え下さればけっこうと思います。
  150. 松前重義

    松前委員 八百名を超過するときにはこれを自動化されますか。
  151. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 その場合の考え方といたしましては、われわれの方では将来の通信網のあり方と申しますか、市外通話を接続する場合に苦心する局でございますが、われわれの方で申しております集中局に該当する場合におきましては、なるべくそこの交換装置というものの自動化を考え、市外接続の場合にいろいろなサービス改善の面にメリットがございますので、まず第一としましては、そういった該当の局で、その局がわれわれの市外帯域制上集中局に該当する局におきましては、なるべく自動に変えていきたい。それから端末局の場合におきましては、非常に隔離された地域である。大都市の近郊でもない。こういう場合はある程度手動方式を織り込んでいきたい、こう考えております。
  152. 松前重義

    松前委員 自動化されるときには、要員の問題等について具体的に職員局と話し合った上でやっておられるのでありますか。それとも単独に計画局だけでやっておられますか。
  153. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 最近の情勢を反映いたしまして、全部計画を作りまして、一応計画局の方で、自動化が完了した場合の要員過不足を計算し、それを職員局で内容検討していただきまして、そういう角度から、たとえば、片一方で電報の機械化中継をする場合には、二、三年先に必要となるその都市の自動改式を逆に繰り上げる、こういったことをいたしまして、要員事情の調整を、内容的にやっておるようなわけであります。
  154. 松前重義

    松前委員 だいぶ考慮しておられるようでありますが、しかし回ってみますと、その計画はどうも今説明の通りになっていない場合が非常に多い。たとえば電信の機械化中継というものと自動とが同時にいくところがあります。長崎あたりもそうらしいのですが、お調べになっていただきたいと思います。その人員の問題に対して、非常な恐怖心を持っております。そういうものも相当あるようでありますから、その点は一つ十分気をつけてやっていただく。そればかりでなく、自動化する場合に当然要員はそのままでは余りますので、余った人たちをどこへ一体配置するかという問題が起ってくると思うのです。それに対しては、自動化と同時に、やはり市外線の増設とかあるいはサービスの改善のための案内台、あるいは市外の受付、監査その他の座席をふやすとか、そういうふうな方向に大体やっておられるのではないかと思うのです。私はあまり詳しくこの辺は存じませんけれども、こういうことを考慮してやっておられるかどうか、これを承わりたい。
  155. 佐々木卓夫

    ○佐々木説明員 ただいまの御指摘の通りのことを実はやっておるのでございます。大体ある都市が自動化されます場合には、その周辺の都市との相互間の市外通話の即時化ということとあわせ考慮いたしまして、即時化のために一方には市外取扱いのオペレーターが増加している、こういうことで要員の調整を極力はかっていく、こういうことに考えております。それから雑台関係につきましては、逐次こういうように全般の市外接続が機械化されて参りますと、案内サービスと申しますか、そういった面が当然将来ふえていく。さらに将来の問題になりますと、現在やっておる以外の新しい交換手が入った新規サービスと申しますか、たとえばパーソン・ツー・サービスあるいはアブセント・サービス、こういうものは一方将来には当然必要になってくるだろう。そういうふうに機械化によって余ってくる人間、あるいは将来われわれが始めようとしておる新規サービスに対応する必要な人間、こういうものを総合的に考えまして、その間の調整を今後はかっていきたい、こういうようなことを考えております。
  156. 松前重義

    松前委員 非常に御趣旨はけっこうでありますけれども、現実にはそれがなかなかうまくいっていないところが非常に多いのです。特に第二次五カ年計画の前には緻密にこの点はお調べになって、そしてそう無理な配置転換がないように、事業の自動化によってサービスが改善される、そうしてまた要員が多少これで浮いてくるならば、その浮いてきた要員を、今度はサービスの改善の方に徹底的に向けるというような方向に向っての計画一つお立てになりまして、そしてみなが安心してやっていく。初めは多少一人当りの労働は軽過ぎても、それは一年もたてば間もなく一人前の労働になってきますから、その辺のところを特にお考えになっていただきたいと思います。  具体的な例を申し上げれば、これはここにおられる井手さんの選挙区でありますけれども、実はこの間あすこに行きまして、あすこの委員長から陳情を受けたのでありますが、唐津あたりの計画はどうもなかなか辛い。唐津だから辛いかもしれませんけれども、非常に辛い。要員の点が特に辛い。特に案内台やその他市外の受付等に対しても、一人当りの労働を非常に重く見てある。しかも自動化するというようなことでありますから、いよいよもって要員は余ってしまう。どうも今の御説明と逆のようなことがあすこにあるのです。これはあすこだけではないかもしれません。ここで私副総裁に特に実情を訴えなければならぬと思いますことは、唐津の問題のときに通信局に行って、これではどうしてもやれないのだということを言っても、それはもう本社で決定したのだからだめだ、言うなら本社に言えというわけで、みな本社の仕事になっているということであります。従って現在下情が通信局を通じてなかなか本社まで上ってこないじゃないか、あまりにも電電公社の現在の指導者諸君が偉くて、下は押えつけれらて、そしてとんと下の事情がどんどん上ってこなじゃないか、こういう感じを私は今持っているのです。ことに唐津のごときはその一例でありまして、通信局あたりでも、本社に行って、いろいろなにしてしかられるとめんどうくさいから、言うままにしておけというような傾向が、どうも全般的にあるような感じがして仕方がない。従ってそういうふうな要員の問題にしても、局長さんが直接筆をとられたようなわけじゃないだろうが、下の方の方々は、なるべく要員を減らすように、減らすようにというような気持が、計画をやる事務の方々の頭の中を支配しているのじゃないだろうか、そして経営を楽にしようというような考え方が、どうも総合的に電電公社の上下を通じて流れている思想じゃないだろうかという感じがしてならないのです。あなた方はそういうふうに御指導はなさらなかったにしても、やはり採算ということばかり考えるとそういうことになってくる。採算を考えることは非常にいいことでありますけれども、一面において、今のようにいろいろ従業員にしわ寄せされてくるこの現状、しかも日本の国情に照らして、やはり一つかまの飯を食った人間を、あまり大きな変動がないようにすることは、これは私は経営者の使命だろうと思います。従って、もう少し下情を吸い上げるような方向に向って、しかも下の諸君には、思い切ってものを言わせるような格好に御指導願ったらどうかと思うのであります。第二次五カ年計画の設定に当っては、特にこのことを御注意願いたいと思うのでありますが、公社当局のお考えを伺いたい。
  157. 靱勉

    靱説明員 ごもっともな御注意でございまして、若干そういうことも私は聞いたことがございます。ただし私どもとしましては、通信局長会議を年に三回ないし四回開きますし、ことに計画要員の問題につきましては、通信局あるいは通信部という現場が具体的に一番よくわかるわけであります。従いまして、それに対しては十分意見を通信局で出していただきたいということを、かってから通信局長にもよく申している次第であります。今のようなことが現実に起らぬように——最近局長会議がございますので、そういう点はよく徹底いたしますと同時に、本社の各局、課長その他の人たちにもその趣旨が徹底するように処置いたしたいと思っております。公社としまして、そういう技術的な進歩あるいは経営の合理化ということで、全体にそういう考え方がしみ渡ってきたことは、一方においては非常に慶賀すべきことだと私ども存じておりますが、そのために要員の非常な合理化と申しますか、予算定員を実行定員に直す場合に、非常に努力して参ったわけでございますが、それがから定員といわれるのは、はなはだ私どもとしまして、先般の機会において、遺憾であります。ようやく一般の方々にもそういう実態を御理解願っておりますので、今後私どもとしましては、やはり職員の給与の改善、また職員が安定して事業に従事できるような措置を講じますとともに、経営の合理化、経済化というものを一つ推進していきたい。なかなかむずかしい要請でありますが、今後いろいろ御指導いただきまして、さらにこの事業の発展を期したいというように考えておる次第であります。
  158. 松前重義

    松前委員 幹部の皆さん方に伺いますと、いつも私どもはその御答弁に対して満足せざるを得ません。しかしやはり世の中の常であって、なかなか皆さん方の考え方が下部に浸透しない。大きな世帯ですから、そう簡単に浸透するものではないとは思いますけれども、現在のところ、経営の合理化、採算という面をあまり重く考え過ぎたために、今のような従業員の問題その他については、ないがしろになる傾向が過分に私はあると思う。従って実情が下の方から吸い上げかねるような傾向になっておるのではないかと思います。この点は九州だけの問題ではなく、特に最近の著しい傾向のように思います。従ってこれをできるだけ皆さん方の指導精神として浸透していただきたい。ことに第二次五カ年計画の策定に当っては、下部における現場の空気を特に反映して作っていただきたい。要員の問題を特に考えていただきたい。その要員が余ったら、サービスの改善の方向に振り向けていただきたい、こういうことを私は要望いたす次第であります。  そこでもう一つ伺いたいのは、これは要員の問題に関連いたしまするが、請負工事の範囲の問題です。最近はだいぶ請負工事が多いそうでありまして、なかなか消化し切れぬくらいあるような話を聞きます。昔は請負工事というものはありませんでした。みんな直営でやっておった。もしこれを直営でやるならば、相当に人が配置転換と申しますか、首切られなくてもよろしい。臨時作業員にしても吸収できると私は思う。けれどもこれを請負に出してあるがゆえに、比較的こちらの方を切って、そうしてその分を請負にやらせるというような格好になっておる。けれども相当多量の請負が最近あるということになれば、平時における請負の量とそれから現在の量とに相当な差があるならば、その差だけは電電公社の直営にするというお考えはありませんか、これを伺いたいと思います。そうしてこれらの要員のはけ口にこれを求めるというようなことも考え得ると思いますが、この点に対する御意見一つ承わりたい。
  159. 米沢滋

    ○米沢説明員 請負工事につきましては、われわれといたしまして直営要員を極力活用いたした上で、そのあぶれた分について請負にするということを従来から考えておりました。大体その工事量を考えてみますと、年によって多少違いますが、口数といいますか、直営の方にはたとえば回線の切りかえであるとか、あるいは宅内の施設であるとかいったふうに、割合骨の折れる、何と申しますか、現場そのものに関係の深いものを直営でやるという傾向がありますので、大体その割合は一対一くらいになっております。もっとも年によりましては請負工事の方が非常にふえた年もありますが、そういう場合でも現場の保全要員なり建設要員というものを最も能率よく動かすということでやっております。それで今のお話で、今後請負の一部を直営の方に回す範囲はないかという御質問でありますが、これにつきましては工事の質のあり方、すなわち本質的にこういったものは直営にした方がいいとか、あるいはこういった工事は請負にした方がいいとかという工事の質の状態その他も見て参りますが、われわれといたしまして、現在の割合をそう大幅に変えるということは今のところ考えておりません。
  160. 松前重義

    松前委員 詳しいことはお聞きいたしませんけれども、今質問しておりまする趣旨は、いろいろ機械化 自動化等によって人間が余る。それで配置転換したり、首を切ったり、それでは困るので、何とかそのはけ口をどっかに求める。そういうような計画をもって第二次五カ年計画を進めてもらいたい、こういうつもりでありますけれども、その中にプラス・アルファいたしまして、請負に対する要員にこれを回すということもできるのではないかという意味を申し上げておるのであります。ですから政策全体の問題として考えなくてはならないので、この点は副総裁からそういう考え方に対して何らかの考慮を払っておられるかどうかを伺いたいと思う。
  161. 靱勉

    靱説明員 先ほどからこの問題についていろいろ御意見を拝聴しているわけでありますが、私どもも先ほどお答えしたように、全く同じように考えておる次第でございますが、この機械化、自動化に伴いまして一番影響を受けるのは、率直に申しまして女子職員なんでございます。そういう女子職員が試験、保全に回る、あるいはその他の事務に回るといいましても、さらにそこの人を今度建設要員に転換していく、そういうことが量として必ずしもそう多くできないのではないかというふうに私ども考えておるのであります。男子の面につきましては、若い人たちについては特に訓練を強化して、せっかく電電公社従業員として入っておりますので、ごく一つの専門的な現業事務だけにその人の能力を限定しないで、できるだけ訓練施設を利用して、広い技術の分野、技能の分野を持つように積極的に養成する。そうして配置転換ができ、しかもその人たちは将来広い面に出ていかれる、こういうことを考えるわけであります。ただいま御指摘のように、一定の幅以上の工事量が出た場合に、それを直営に回して、人を吸収できるかできないかということについては、もう少し検討させていただきたいと思います。
  162. 松前重義

    松前委員 請負の方に女子職員を回せというつもりで私は申し上げたのではない。女子職員の問題はまだほかに相当考え方はあるかと思います。  そこで次に工作工場の問題です。工作工場はかって通信機のメーカーが、陸軍、海軍の仕事以外になかなか逓信省の仕事を引き受けなかったという、あの軍全盛時代において、どうしても場合によっては逓信省自体が工場を持って、生産までもやろうというような心組みをもって、工作工場の拡充をやったのであります。ところがその後だんだん平和が回復した後においては、民間工場が整備されて参りましたので、だんだん工作工場を縮小して、いわゆる修理だけにしてしまった、こういうのが現状であると思います。ところがこの工作工場のごときは、特に要員の転換その他については非常に格好なところであると同時に、民間の会社などがだんだん——先ほど来保守請負会社というようなことが国際電信電話会社の場合にいろいろ論議されておりましたが、ああいうふうにだんだん民間にこういう修理その他を持っていきまして、そして自分でなるべくやらなくするというような傾向をたどっておるようでありまして、現在電電公社が、たとえば大型の搬送などももう工作工場ではやらない。それはやはり民間にやらせるというような話のようであって、だんだん要員は減っていく一方である。民間の運動に押されてこういう工作工場そのものが衰微していく、しかもだんだん電話の機械などは新しくなっていきますれば、修理するものが非常に少くなる、こういうような状態で工作工場というものの将来について、非常な不安を修理工場関係者は持っておるようです。ことに臨時作業員などは相当にここには入っておるのでありまして、私はこの要員の将来のさばけ口ということを考えてみるときに、工作工場の方向というものは非常に重大ではないか、こういう感じを持つのでありますが、これに対して当局はどういうふうにお考えであるか伺います。
  163. 靱勉

    靱説明員 工作工場の問題につきましても、しばしば問題になっております。ことにただいま御指摘のような点、全くそういう傾向にありまして、一時はもう民間企業でもできませんので、公社自身が工作工場整備の方針で参ったのでありますが、だんだんとここ二、三年来当局の考え方の方向も変って参りまして、ことに今御指摘のようにあらゆる機械が非常に優秀になってきて、その故障の生じないというようなことで、最近修理工場の事業量というものが、今後ますます増大するというようなことは考えられないようなことになっております。そこで公社としまして工作工場がいずこにいくか、この点についてはしばしば幹部会議において議論をいたしておるところでございます。これはいろいろ意見が立つのでありますけれども、ただいまの方向としましては、現状を拡大強化するという方向はとれない。しかしながらこれを縮小して廃止するということも直ちに考える必要もないという、きわめて宙ぶらりんの状態で申しわけないのでありますが、ともかく現在の設備はできるだけ維持していくというだけの考え方であるわけであります。いろいろそれにつきましてはなお検討を要する段階に私どもは立っておりまして、最終結論はまだ出してくるわけではないのであります。大体の思想としましてはただいま申し上げたようなところでありまして、これを拡大いたしまして、配置転換等でそういう職場に人を充員していくというような方向には考えておりません。
  164. 松前重義

    松前委員 電電公社はメーカーに機械を作らせて、それを検査して、受け入れて、工専に請負業者にやらせる、それを取り扱う仕事をやる、そして通話料金で事業経営していく、こういうことなんです。一方また電気通信研究所を持って、そこで相当に深い研究をやっておられる。その深い研究の成果については、あすこの試作工場において試作をされて、大体試作ができてこれでよいということになったら、これをまたメーカーに委譲される、こういうことになりますと、一体この現場におります技術者というものは訓練の場所がなくなる。それはあの通信学園で訓練するといえばそれだけですが、やはり不断に事業を通じて訓練を受けなければならないのではないかと私は思うのです。昔のように請負にも出さぬで自分で全部やっておるときは、少くとも工事だけは自分でやりますから、その技術だけは一応修得いたします。けれども請負に出して検査をしてそれを受け入れて、請負で工事をさせて、あとはただスイッチを動かすだけの話だという形になってしまうとすると、私は一般の運営技術者なるものの技術の低下を非常に憂えるのです。そういうところに工作工場というものの技術保存、修得の一つの場所があるのであって、通信学園という特殊な機関で教育するのも、これは一つの教育ではありましょうけれども、やはり工場を通じて教育するという面があってしかるべきではないか。これをいわゆる独立会計にしてやらせるというようなことをやっておられるようでありますが、そういうような考え方で工作工場を利用するというのは、工作工場を使う精神において多少方向が違うのではないか。どうしてもやはり要員の養成、技術の保存、育成というようなところ、現場技術者の育成というところに着目される必要があるのではないかという感じを私は持つ。そういう意味においては工作工場をもう少し拡大強化というよりも、内容を豊かにいたしまして、やはり大型搬送にしましても、あるいは無装荷の搬送にいたしましても、マイクロウェーブにいたしましても、やはりあすこで修理するような方向に持っていく、その能力が今のところないならば、人を増してその修理をやる、そうしてみずからの技術の修練の場所にするということが必要ではないかという感じを私は持つ。こういう考え方については御答弁を承わろうとは思いませんけれども、こういうふうにいろいろ方々見まして感じておりますから、御参考までに申し上げておきます。  そこで工作工場が外注しております金額、工作工場自体が自分でやらないで外注をしておるその金額等を、一つ外注先別に資料として出していただきたい、これを一つお願いいたします。ただいまの問題についてもし何ならちょっと御意見を承わりたい。
  165. 靱勉

    靱説明員 公社の役員をしておりましてそう言っては申しわけないのですが、私技術についてはきわめて経験がない者であります。しかし今おっしゃったような考えは、実は私ども新潟の工作工場について非常に心配しまして、やはりこれだけの独占体企業で、しかも電話の普及率は悪いにいたしましても、世界の五番目か六番目の電話加入者数を持っておるわが国でございますから、その独占企業形態としまして、やはり通信技能の中心であってもいいのじゃないかという考えで、工作工場を何とかただいまおっしゃったような方向に向けていけないだろうかという意見は、実は私も提案いたしておるような次第であります。しかしこれは現実の問題として、直ちにその方に向けるという結論にまだなっていないのでございます。これはもちろん各メーカーにおきまして優秀な技能者を作っておる点は、私どもも率直に認めなければなりませんが、一方におきまして、やはりさらにそういう非常に高度の技能、あらゆる技能につきまして公社一つの養成の機関を持ち、さらに供給もできるというような態勢がいいのかどうか、もちろんドイツのジーメンのような自分の会社の技能者だけではなく、他の方面に進出していくような技能者も養成するというような形態に、直ちに公社がいくのがいいかどうかは非常に問題がございますが、ただいまの御意見につきましては、なお公社としましても十分検討いたしたいと考えます。
  166. 松前重義

    松前委員 ただいま私の言ったのは、何でもかんでも自給するというような広範な意味を言っているのじゃありません。やはり大型搬送その他のマイクロウエーブくらいのところの修理くらいはやらせるようにして、だんだん技術の訓練をやっていったらどうか、そうして要員というものをある程度こういうところに確保するというようなつもりで言っておるのでありますから、誤解ないように願います。  そこでもう一つお尋ねしたいのは、サービス・ステーションの問題です。私ども自分のうちにおれば市外通話は自分のうちからできますし、また勤務先においては市外通話はそこからできます。けれども、町を歩いておって市外通話をやらなければならぬ場合がある。ある都市を訪問してみると、市外通話をどうしてもやらなければならぬ。そうすると、市外通話のやる場所がない。赤電話はまことに普及して、最近は便利になって参りましたけれども、しかし市外通話に関しては非常に隘路になっております。この間大阪へ参って神戸にどうしても電話しなくちゃならなかったので、しようとしたのですが、朝早かったものだから、九時から開きますと書いてあるだけで、ぴしゃっとドアを閉ざしてサービスはいたしませんで、市外通話はできませんでした。非常に困りまして、タクシーに乗って電話局まで行ってお願いして、実は話をしたくらいであります。とにかくスイスなど外国に行ってみますると、市外通話に対して非常に親切なサービスをやっている。私どももチューリッヒの飛行場にでも行くと、すぐあそこのサービス・ステーションに行きまして、旅先その他にずっと電話をかけて大体連絡をすぐとるのであります。そういう飛行場ばかりでなく、あらゆるところにサービス・ステーションがあり、市外通話ができる。私はこれは電電公社として多少今日までまだ不足しておる部分じゃなかったろうか、こういうふうに感ずるのでありますが、こういう点をもう少し積極的におやりになるならば、しかも午前九時から五時までしかサービスしないというのでは、これはサービスではありませんから、やはり四六時中サービスをするという態勢をおとりになれば、相当要員というものは必要じゃないだろうか、こういう感じがいたします。配置転換その他がどうしても機械化によって、自動化によって起るという場合において、婦人の職場のごときものとしては最も適当でありますので、こういう点を、いわゆる民間の機関にまかせることなく、みずからの手によってほんとうに親切にやってやる、こういうことが必要ではないかと私は思うのであります。この点についてちょっと伺いたいと思います。
  167. 吉沢武雄

    ○吉沢説明員 お答え申し上げます。お説まことにごもっともでございまして、夜間あるいは早朝においても電話がかけられるという機関を設けたいということは、われわれ考究しておる次第でございます。御存じのように、ただいま赤電話がございますが、この赤電話は自由に市外通話もできるのであります。お説のごとく、開店前とかあるいは夜間とかは締めてしまう。その場合において、現在における唯一の機関といたしましては、街頭あるいは駅にありますボックスでございます。これにつきまして、実は年来研究をいたしておりまして、市外通話ができるような街頭公衆電話あるいは屋内公衆電話ということで、一応研究はできました。近く街頭のボックスから市外通話もある程度できるように改造いたしまして、一般に実施できるような段階になっております。おそくともこの秋ごろかと存じますが、その面で一応街頭公衆電話、いわゆる普通公衆電話からの市外通話の道があるわけであります。さらにお示しのごとくサービス・ステーションという事務の人がおるなり、あるいはだれかそこにいつでもおりまして、そういうようなサービスを受けるという機関についての問題でございますが、実は必要を感じておるのでございます。従ってただいまのサービス・ステーション、公衆電話を中心といたしましてやはりある程度勤務時間を設けております。しかしこれなどもサービスの要求、あるいは一般の御要求に沿うようにそれらの数をふやすとともに、また勤務時間についても考えてみたいというふうに今考究中でございますが、場所あるいは要員の問題というようなことも、これに対しまして適当に考慮する必要がございますので、今直ちに大規模な、あるいは数の多い点はむずかしいと思いますが、一応そのような意味で考究しております。
  168. 松前重義

    松前委員 特に市外通話についてはお考え願うと同時に、加入の申し込みその他についても、書類の書き方等について多少指導するようなところがほしいわけでありますから、その点は、一つ御考究願いたいと思います。  それから、次は、これは私が個人的に痛切に感じた点ですが、二、三日前私の家の電話がちょん切られた、通話ができぬ。それから隣の電話から聞いてみたら、あなたのところは電話料を払ってないという、それから通知を出したのになお払わぬというのです。ところが通知は来ておらぬのです。通知は来ておらぬけれどもちょん切られてしまった。通知が来ぬならこっちは支払うはずはないのです。別に私も電話料を払えぬくらい今貧乏はしていないつもりですが、とにかくこういう事態が一つ起ったのはどういうことを意味するかといえば、それは通知を出さぬでちょん切るのはけしからぬといえばそれまででありますが、それはちょん切るという制度があるのですから、通知を出さないでちょん切るということはあり得る。これはあとでわかりましたから別にとがめるわけじゃありません。それでうちでは急いで電話局へ行って払い込んであけてもらった。こういうことがありまするが、とにかく電灯会社にしても、ラジオのNHKにしても、集金人というものはおるわけです。ところが電電公社に関する限り、ちょん切りさえすればすぐ払いに来るものだから、ちょん切る武器を持って集金しようという、実にどうもサービスどころでなくて、非常に暴力的なやり方をしておる。この点について、もし集金人の制度をおとりになれば、これは従業員の問題等もある程度豊かになるわけです。国民もそうあわてて電話局へ払い込みに行かぬでも、取りにさえ来ればちょん切られぬでもいいということでありますので、この集金という問題について将来どういうふうにお考えであるか伺いたい。今まで私はこんなことを考えたことはなかったけれども、ちょん切られて初めてこのことを痛切に感じたわけです。
  169. 吉沢武雄

    ○吉沢説明員 手違いがあるやに私ども存じまして、その点はまことに申しわけございません。実は料金の問題につきまして通話停止をするというのは、あらゆる過程を経まして、それから通話停止のやむを得ない処置に出る、こういうことになっておるのでございます。と申しますのは、一応支払い期限がございます。それから支払い期限が過ぎまして十一日目に、いろいろ督促をいたしましてもなおかつお払いがないという場合に、やむを得ず通話停止をする、こういうことになりまして、その間の加入者に対する督促の仕方があらゆる方法を講じることになっておるのでございますが、とかく現場におきまして、ついミスがあるような次第でございまして、その点について何らあいさつなくやったということについては、以後十分に注意いたしたい、こう存じております。  次の問題は料金の集金制の問題でございます。これは実は一般的にもそういう問題がございます。かつまた料金の集金ということが果して一般に受けがいいのか、あるいはその成績がいいのかということを試験的にやってみる必要を感じまして、三年ほど前に中国及び札幌管内で数カ所を選んでやったのでございます。その結果を実は数学的に調べましたところが、まず料金の収納成績はどうかという結果でございますが、収納成績は残念ながら非常に落ちております。しかし収納成績のみを論じてこの問題を決定すべきものではありません。一般の加入者のお気持はどうかということをさらにアンケートをしまして、その結果を徴しますと、希望するのが四二、三%、あとはその必要を感じないというような結果が現われております。しかし私どもそのようなことでこの問題を解決すべきにあらずということで、なお集金制について研究を続けておるのですが、一面この集金にかわるべき方法といたしまして、中小企業あるいは商売人の方方は銀行を大てい利用しております。従って銀行の振替による制度というものは手数もかかりませんし、かつまた御便宜であろうというので、全国的にこの銀行、すなわち取引銀行を対象といたしまして、そこへ電話局から支払い請求書を差し上げる。そうするとその口座を振りかえて、その方に私どもの口座がございますから支払いを受ける、この方法が非常に受けまして、最近は相当増加を見ております。しかしこれだけではまだ一般の集金制に対するお気持について満足なものがいかない。かつまたお示しのごとく最近におきまして、オートメーション化に伴いまして剰員、過員を生ずる、こういう面でサービスをよくしようという新たな面が出ておるということは私どもも考えておりまして、その意味におきまして集金制をさらに検討いたしたいと考えます。これは大都市あるいは中小都市、地方によって事情をおのずから異にいたしますので、十分検討した上実行いたしたい、こういうように考えております。
  170. 松前重義

    松前委員 これは非常に新しい問題でありますから御検討いただいて、私はどっちがいいということは今頭にありませんが、なるべく一つ無警告に切らぬようにお願いしたいと思います。  それから全般といたしまして一つ計画局、職員局あるいはまた業務局等の総合的な連携の上に、第二次五カ年計画に対しては特に現場の事情もよくお調べの上、またそれらの意見を十分取り入れられまして、そうして今のようなオートメーションによるいろいろな人間の生活に及ぼす犠牲、これをなくするために全面的な努力を払われまして、総合計画を立てられんことを希望いたします。  そこで最後に一言伺いたいことは、この間電電公社で示されましたあの農村の僻地の有線放送に対抗する電話の——電話ではないが、有線放送と電話とのチャンポンのような案であります。しかもああいう特殊な団体加入を認められるということに対しても、私はまだ勉強不足で納得がいかぬのでありますが、そのとき私はこういう場合を想定するのです。それはまれであるといえばそれっきりでありましょうけれども、こういう場合はどういうふうになるか、お考えになったのかどうか、一つ伺いたいと思うのです。あるいなかの非常に僻遠の地、山の中にこういう団体加入電話ができたと仮定します。相当多数の電話がこれにぶら下った。これがこの前の御説明では、ある距離を制限して市外通話もできるのだというようなお話でございました。その初めの案を土台にして考えてみますときに、この団体加入なるものが、その土地が何かの変動が起って相当繁栄してきたと仮定します。たとえば佐久間ダムなら佐久間ダムは、もとは何でもない僻遠の地であって、家なんかほとんどないというところ、あの辺に団体加入があったと仮定します。ところがダムを作ってみたら、あすこに一種の小都市ができてしまった。場合によっては中都市に発展する。電気が起きてそこに化学工業が起れば、人口がまたどんどんふえてくる。こういう事態になれば、これが団体加入で、どんどん発展してだんだん加入者も増加していくということになりますと、私は問題が起ってくるだろうと思うのです。鉱山にいたしましても、山の奥で何かウラニウムが発掘されてえらいにぎやかになった、こういうことになると、今度はそこが都市になってしまう。都市になればそれを団体加入でそのまま置いてもいいのか悪いのか、そういうことを一体想定しておったのかどうか。もしもそういうところが団体加入が許されておるならば、ほかのところも、おれのところも同じような都市であるのに公社に直接であって、われわれは、団体加入の方が便利かどうかは別問題といたしまして、とにかく団体加入になる資格があるということも言い得るのです。こういう場合、そういうことを想定してこれをおやりになったのかどうかを伺いたいと思います。こういう意味において、私は今の歴史の瞬間と断面においては、そういう考え方は一応首肯し得ると思います。けれども、やはりだんだん発展していくところも衰微していくところもありますから変化します。その場合において十分対応し得るのかどうか。一時的な案だから、来年度また変えますといえば別問題だが、これがもし恒久的な考え方であるとするならば、公社事業全体に何か変なところが残るのじゃないか、そうして将来において矛盾なり困難を生じてくる面があるのではないか、こういうことを直感したのでありますが、この点についてどういう考えを持っておるか伺いたいと思います。
  171. 靱勉

    靱説明員 お答え申し上げます。今度団体加入につきましては直営と自営と両方考えておりまして、直営の場合には、公社が現にやっておる規格をA規格と申しておりますが、A規格で実行していきたい。と申しますのは、将来そこが発展して参りまして転換する場合に、既設の設備がむだにならないようにという考え方と、公衆通信系に接続する場合にりっぱなサービスがある程度提供できるようにという考え、しかしながら普通の電話あるいは交換事務開始と異なっておる点は、原則として多数共同加入であるということと、その交換業務を団体に委託しておるという点において非常に違っておるわけでございます、自営の場合にはB規格と申しまして、あるいは鉄線も認めるということになっております。これは松前先生御案内のように、必ずしも長く持たない。電柱にしましても、不注入でありますとやはり生命が短かい。長い目で見まするとあまり感心した方法ではないのでございますが、農村等における電話の必要性というものも十分考えてみなければなりませんし、さればといってこの際五年お待ちを願えれば公社の電話をつけるといっても、五年間の空白を置くことは村落における経済利益から考えてみまして非常な損失になる。従ってやむを得ず低い規格のものも考えていこうということになったわけでございます。一般の有線放送電話施設も非常な施設も非常な勢いで普及しておるという現実の事態、またB規格ならばさらにそれがA規格に変れるという態勢も考え合せまして、市外通話もできるということをめどにして、しかも建設費も比較的安く、運用の維持経費というものも、有線放送電話と同じように、普通の通信あるいは交換事務開始を特定局に委託しておるようなものに比べますれば、非常に低額になってくる。そこらをねらった次第でございまして、ある非常に僻遠の地にダム等ができて発展するというような場合には、やはり普通の公衆電話系というものをそこに設備していかなければならぬ。その際、既存のものはどうなるか。A規格でありますならばそれはそれとして転換が可能でありますが、B規格だと直ちに全部が転換できません。しかしそういう発展の地域というものが、一年の期間もなくこつ然として起ることもありませんので、その間の問題というものは必ずしもそう重大視して考えなくてもいいと思います。しかし直営でやっておって将来その親局になる局が、自動化も近くある、あるいはその付近に相当施設の充実をやるというところについては、できるだけそれらの計画を調整して、直営の団体加入電話を施設しよう、こういうことは十分考慮に入れておる次第でございます。
  172. 松前重義

    松前委員 私が心配するのは直営のものではないのです。民営のものがどうかなと思うのです。そうすみやかに発展することはないというのもわかりますけれども、しかし発展し得る可能性がある。突如として発展する場合もある。一年、二年の間にどんどん家ができてくる場合もありますので、この辺のことを考えると、何だか民営の形というものは、技術上の問題など、制度として割り切れないような感じがして仕方がない。どこかにしこりがあるような感じがする。電話の経営形態全体に、何か大きな変革を及ぼすきざしがあるような感じがして仕方がない。これは私の感じですが、一つ御考究になって——今の御答弁では私はまだ満足しません。もう少しいい答弁を聞かしていただきたいと思います。  大体、私の質問したいことは終りました。電信電話事業が、いろいろな問題を宿しながらも、相当に積極性をもって、プログレッシヴなルートを進行しつつあるということに対しては、私ども喜んでおります。けれども、今のような機械化というけっこうな目標ではあるが、反面にある人間に非常な悲劇がおおいかぶさってきている。この問題について特に一つお考えを願いたいと思います。それからまた団体加入の問題等につきましても、何かガンが崩壊するような、胃かいようの最初みたいな感じがして仕方がないので、そういうのを今作るのはどうかな、もう少し名案はないかという感じも直感的に実は持っております。  最後に一言伺いたいのは、先ほど質問しました国際ケーブルの問題です。実は国際電信電話会社は今まで無線だけをやっておって、有線のことはほとんど考えておられなかった。またそういう陣容もお持ちではない。やはり国際ケーブルをやるということになると、電電公社以外にはないだろうと思う。そういうふうな現実の上に立って、郵政省は一体どういうふうな考えをお持ちであるか。国際ケーブルの将来性。朝鮮海峡に日本で布設したケーブルがあります。あれは日本のケーブルでありましたが、今は国際ケーブルである。また樺太との間にも海底ケーブルが通っておりますが、やはり国際ケーブルです。あれを一体どうなさるつもりか。これだけを国際電信電話会社にちょん切ってやらせるわけにも参りますまいし、一体その辺を政府はどういうふうにお考えになっておるのか。台湾あるいは中共等の関係もまたやらなければならないが、こういう問題をだれが解決するか、その実力はだれが持っておるか、こういう問題は特に今後着目しなければならぬ。審議会等ができれば、当然そこでやるべきであると思いますけれども、これらの国際通信線の拡充に対して、電電公社国際電電とどちらに使命を重く持たせようと思っているか、その辺のところを郵政省の方々に伺いたいと思います。
  173. 伊東岩男

    伊東政府委員 国際ケーブルの問題については、先刻もいろいろ御意見を拝聴いたしたのでございます。今お話の朝鮮海峡及び樺太海峡のものは、特に直接重大な関係もございますので、この問題をどうするかということについては、国際電電電電公社いずれが持つべきかといったようなことについても、やはり省内に調査会を設け、あるいはお話のような衆知を集める審議会をこしらえて、その上で十分検討しなければなりませんけれども、これは相当急いでおる問題でございますので、やはりなるべく早く衆知を集めて検討をし、結論の出るような方向に進みたい、こう考えております。
  174. 松前重義

    松前委員 なるべく早く審議会を設立になりまして、今の御答弁のような方向に向って進まれることを希望いたしまして、私の質問を終ります。
  175. 森本靖

    森本委員長代理 原茂君。
  176. 原茂

    ○原(茂)委員 もう時間がありませんので、一問だけ公社にお伺いしたいのですが、戦争中にわからなくなった電話の復旧状況、完全に復旧しているのかどうか。例を言いますと、戦争前に持っていて戦災でなくなった。今日まで本人はそれを権利だと考えておるのですが。復旧しないといいますか、自分のものに更生してこないというのがまだあるようですが、その点どうでしょうか。
  177. 吉沢武雄

    ○吉沢説明員 戦争中焼けた電話は、一括しまして戦災電話と言っております。これにつきまして、実はその後の復旧につきましては、優先順位で復旧をやっておったのであります。ことにある期間を置きまして、旧所有者ができるだけ早く確実に新しい設置場所をきめて請求してもらいたい、あるいはそうでなければ一応権利の所在を申告してもらいたいということで、各電話局におきましてはその措置をとったのであります。その結果、そのような申告のないあいまいなままにあるものが相当数あったわけであります。しかしはっきり電話局に請求をしたものにつきましては、今申しましたように復旧に当りましては優先的に復旧いたしております。ほとんど大半戦災電話は架設をみた、こういうふうに考えております。ただ場所によりましては、戦災電話を優先いたしたいのでございますが、いかんせん設備的にできないというような場所はございます。それを除きましては各都市ともほとんど大半ついた、こういうふうに私は存じております。
  178. 原茂

    ○原(茂)委員 申告をしなさいという通知は、どういう方法でやったのでしょうか。
  179. 吉沢武雄

    ○吉沢説明員 当時いろいろの方法がございましたが、もちろん電話局において掲示をするような方法は常にとらしたわけであります。たしか官報その他で公告し、申告を求めた例もございます。当時の官報と申しましても終戦直後のことで、必ずしも一般に対する周知の万全の措置ではありませんが、一応はそのような形式的な手段を踏むことも大事なものですから、そのような方法もとり、なおかつわかっている限りは、積極的に電話局の方から、加入者名簿を調べまして、早く申し出て下さい、こういう措置をとっておりました。
  180. 原茂

    ○原(茂)委員 その申告をしろという通知をラジオか新聞でよくやらないと、知らないでいる者がまだあるようです。私のところへ最近来ているのが一つあります。それからもう一つ、一度申告をして、その次に何か再申告をするのですか。ようやく局ができて開設できるようになったから、ほんとうに必要ならばもう一度言ってこいというようなことを何か言うのじゃないですか。そういうときにその通告の仕方も掲示をしたか。何か本人のところへは直接郵便物が行かないために、一度申告をしたのだが、その次にもう一度再告——いよいよ引けるようになったから、お前のところでほんとうに要るのかどうかといってくるのをまだもらわなかったというために、全然手続をしないでいた。ところが局に行って、あまり長いがどうしたのだと聞いたら、いやその電話に関しては先々月のいつ幾日までにちゃんと申し出がない限りはもうできないことになった、締め切りになってしまったんだ、だからだめだ、こう言われておるのがあるそうですが、そういう事実はありますか。
  181. 吉沢武雄

    ○吉沢説明員 一般に電話を申し込まれまして、いよいよつくということになりますと、あらためて意見を照会することになっております。たとえば、かねてお申し込みの電話につきまして、だいぶ時期がおくれましたが、電話局ができましたためにお引き受けできます。ついては御希望がそのままあるならば、いつ幾日までにこれこれの手続とお金を納めていただきたい、これが普通のやり方であります。従って戦災電話につきましては、電話局に記録のある限りはその希望者、請求者につきましてそのようなふうに、いよいよつくことになりましたから、設置場所あるいはお金なりをこのような方法でお届け下さい、これは当然やるべきでございます。それをやっておるのでございます。ただ今御指摘のような場合は、おそらく請求のときの御住所と、さらにいよいよ架設ができるというときに通知を申し上げるときの住所が変っておるのじゃないかと存じます。従ってそれらは一応形式論として、直ちにそれがために権利が消滅するような措置はとりません。一応はやはり電話局の工事の都合あるいはその他の関係がございますから、期間的には締め切るということはやむを得ません。しかしその次の機会においておつけする、こういう手段は必ずとることにいたします。
  182. 森本靖

    森本委員長代理 他に御発言ございませんか。——次会は明十六日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することにいたします。本日はこれにて散会いたします。   午後一時三十六分散会