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1957-05-07 第26回国会 衆議院 逓信委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月七日(火曜日)     午前十時五十八分開議  出席委員    委員長 松井 政吉君    理事 小泉 純也君 理事 竹内 俊吉君   理事 橋本登美三郎君 理事 廣瀬 正雄君    理事 松前 重義君 理事 森本  靖君       川崎末五郎君    齋藤 憲三君       中曽根康弘君    濱地 文平君       三木 武夫君    佐々木更三君       杉山元治郎君    原   茂君  出席政府委員         郵政政務次官  伊東 岩男君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君  委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房文書         課長)     浅野 賢澄君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社理事         (業務局長)  吉沢 武雄君         専  門  員 吉田 弘苗君     ――――――――――――― 四月二十六日  委員井手以誠君辞任につき、その補欠として淺  沼稻次郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員志村茂治辞任につき、その補欠として勝  間田清一君が議長指名委員に選任された。 五月六日  委員平野三郎辞任につき、その補欠として鈴  木周次郎君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員勝間田清一君及び淺沼稻次郎辞任につ  き、その補欠として志村茂治君及び井手以誠君  が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 四月三十日  マイクロウェーブ松山徳島回線開通促進に  関する請願外二件(關谷勝利紹介)(第二九  二一号)  同外二件(上林山榮吉君紹介)(第三〇一三  号)  旧瓶岩村亀岩地区郵便物配達措置に関する請  願(林讓治紹介)(第二九二二号)  後免町内の通信機関統合に関する請願林讓治  君紹介)(第二九二三号)  電話加入権担保制度確立に関する請願(川野  芳滿紹介)(第二九七四号)  大入島郵便局郵便集配事務開始に関する請願  (村上勇紹介)(第三〇一四号) の審査を本委員会に付託された。 五月六日  NHKテレビ第二放送網設置に関する陳情書外  十三件  (第八五九号)  簡易保険郵便年金加入者保養ホーム設置に関す  る陳情書(第九  〇〇号)  若松市にテレビ中継放送局設置に関する陳情書  (第九一九号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  有線放送電話に関する法律案内閣提出第一五  三号)     ―――――――――――――
  2. 松井政吉

    松井委員長 これより会議を開きます。  有線放送電話に関する法律案を議題とし、審査を行います。本案についてはさき郵政大臣より提案説明を聴取いたしましたが、この際さらに逐条説明を聴取することにいたします。松田政府委員
  3. 松田英一

    松田政府委員 有線放送電話に関する法律につきまして、逐条的に大体の御説明を申し上げたいと思います。  第一条は目的でございまして、「有線放送電話業務の適正な運営を図ることによって、有線電気通信に関する秩序確立に資することを目的とする。」というふうに考えまして、有線電気通信法というものは有線電気通信についての基本的な法律といたしまして、それによる規制は全般的に受ける。それに対しましてこのたび有線放送設備というものを利用いたしまして、簡単な電話を行なっていこうというものにつきまして、特別にこの法律でこの面だけについて規制をするという意味で、有線放送電話に関する法律を作りました。そうしてそれによって有線電気通信秩序確立に資することにしたいという目的であるわけであります。  第二条は定義でありまして、本法律の中に出て参ります言葉のうち、便宜の点から特に有線放送電話役務有線放送電話業務というものを定義したわけであります。有線放送電話役務と申しますものは、ここに書いてありますように有線放送業務を行うための有線電気通信設備と、それに付置して送受話器、その他の有線電気通信設備がございますが、それを用いて他人通信を媒介し、その他これらの有線電気通信設備他人通信の用に供すること、そういうふうに書きますと有線放送も入りますので、有線放送だけは有線放送業務運用規正に関する法律というもので別に規制されておりますので、それは除いて、いわゆる電話部分と申しますか、そういうものについてだけを有線放送電話役務考えていくという考え方になるわけでございます。それを行う業務有線放送電話業務であるというわけでございます。  第三条は、その業務を行う者は郵政大臣許可を受けなければならないということにして、許可制をとることにいたしました。あとの罰則のところでまた問題になりますが、許可を受けないでやります者は、先ほども申し上げましたように、この法律ではなくて、基本法である有線電気通信法に戻りまして、有線電気通信法の第十条によって他人通信を媒介することが禁止されておりますが、それに対する違反として処理されることに相なります。  許可の基準といたしまして第四条に、第一号から第六号まで掲げましたが、これに適合しておる場合には、有線放送電話業務を行うことを郵政大臣許可していくということに相なります。第一号で「その住民が社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有し、かつ、その相互間における電話による連絡不便となっている地域業務区域とするものであること。」と申しますのは、大体この電話の発達の過程から考えまして、主として農山村に発達して参ったわけでございますが、そういったいわば共同社会的と申しますか、その関係が都市のような状況と違って緊密な連絡関係を持っているというふうな点、それからそういう方においては電話による連絡お互い不便になっておるために、こういった施設必要性が生まれてきたという点を考えまして、第一号を設けたわけでございます。それから第二号は、その業務区域二つ以上の市町村にまたがらない、同一の市町村内にあるということでございまして、これは二つ以上の市町村にまたがって広く広がっていくというふうなものは、現在公衆電気通信というものを公社が行うという建前になっております関係上、こういった電話施設が広い範囲にまたがってできるということは、日本における電話に対する政策としてとるべきでないと思いますので、この範囲内に限ったわけでございます。第三号は、またこういった業務営利目的として行われていく、そのために一つ電話事業というものが営利目的に遂行されていく、営利目的に使われていくということは、やはり国としてとるべきでないという考えから、こういう規定を設けたわけでございます。第四号は、これは当然こういった施設でございますので、それを遂行していくだけの能力もないような者は認められないのは当然だと思います。第五号は、これは有線放送設備を利用しているという点をいわば裏から申し上げたような規定でございまして、もっぱら通話の用に供するための線路があるということは、これは純然たる電話施設を中に含んでいるということでございまして、これを認めていこうという趣旨有線放送設備を利用して簡単に電話を行なっていくという趣旨でございますので、そういった施設がない、線路がないということを許可条件の中に入れておるわけでございます。第六号は一般許可の場合に通常ある規定でございまして、こういう業務を行うことが公益上必要であり、かつ適切であるということを許可条件として掲げております。  第五条は、許可有効期間規定でございまして、これは大体五年と定めまして、ほかの一般許可の場合の例、あるいはこの有線放送設備を利用した電話というものが、一般的には、通常その耐用期間と申しますか、そういったものは長く見ても五年であるというのが通常でございますので、そういうことも考えあわせまして、一応五年にしております。しかし第二項あるいは第三項によりましてその延長許可することができるようになっておりますが、ただしその場合も五年以上をこえた長い期間での延長というものは認めていかない。そのかわり何べんも再延長は可能であるということになっております。  次に第六条は、業務区域規定でございまして、第一項は、これは当然でございまして、業務区域外ではこういった有線放送電話役務を提供することはできない。第二項で業務区域を拡張しようとするときには、さき許可をしておりますものとの関連もございまして、郵政大臣許可を要するというわけでございます。  それから第七条は契約約款届出でございまして、一たん許可いたしました業務につきましては、私どもはできるだけ監督については簡素に持って参りまして、特別なむずかしい取扱いをしないことにしておりますが、その基本的なものである有線放送電話役務の料金その他の提供条件、それから同時に行なっている有線放送業務利用条件については、利用者との間にはっきりしたものがなければならないと考えますので、それには契約約款を定めて、それを郵政大臣に届けてもらうということだけを考えております。  第八条は線路規定で、許可条件の中にありますと同様に、そのことは運営の途中においてもそういう状態ができることは、本来の趣旨と反しますので、もっぱら通話の用に供するための線路は設置してはならないということを書いております。  第九条は、相続あるいは合併が有線放送電話業者についてありました場合に、当然その地位が承継されるという規定でございます。  第十条は、この許可を得ました有線放送電話業務というものが順当に行われていない、たとえば第一項にございますように、六カ月以内にその業務を開始しない、あるいはまた六カ月以上も休んでいるという場合には、許可を取り消すことができる。また全般的にこの法律あるいは基本法である有線電気通信法違反した場合に、違反したからといって、いきなり取り消しするわけではございませんが、公共の利益を阻害すると認める場合には、許可を取り消すことができるというふうにしております。  第十一条は、必要な報告をとれるということでございます。  第十二条、第十三条は、郵政大臣は処分をいたします場合に慎重を期しまして、こういった聴聞あるいは異議申立という規定を作っているわけでございます。  それから第十四条で罰則がございますが、これは第八条のもっぱら電話の用に供するための線路を設置してはならないということの違反に対しての罰則でございまして、先ほど申し上げますように基本的に許可を得ないでやった場合については、有線電気通信法の十条違反になりますので、それで処罰されることになります。  第十五条は、届出あるいは報告ということに対して違反した場合の罰則でございます。  第十六条は、法人である場合等の両罰規定でございます。  附則といたしまして、この法律は実施いたしますまでの準備期間といたしまして二カ月というものを考えまして、二カ月を経過した日から施行することにいたしております。  それから最後に、この有線放送電話というものがその地域の必要を満たすという点に着眼いたしまして許可することにしておりますので、それはほかの施設接続するということはその趣旨使命にも逸脱しておりますし、また電電公社等施設に対して与えます影響、妨害というふうなものを考慮いたしまして、接続というものを制限しております。そこで有線電気通信法の第九条の次に第九条の二という規定を加えまして、ここで二つ以上の業務区域について有線放送電話に関する法律第三条の許可を受けた者、有線放送電話業務を行うことについての許可を受けた者が、一つ業務区域内の有線放送電話業務の用に供している設備と、それから他の業務区域内の有線放送電話業務の用に供する設備というものとをお互い接続さしてはならないということ。それから第二項といたしまして、有線放送電話業務の用に供する設備は、公社または会社の設置する有線電気通信設備ともお互い接続さしてはならないということにしております。この規定の前提といたしまして、有線電気通信法によりまして、他人有線電気通信設備接続することは禁止されております。しかし有線電気通信法規定によりますと、自己の設備あるいは公社会社設備との接続ということは何もいっておりませんので、そこでこの第九条の二というものを作りまして、公社会社設備との接続禁止、それから自分の行なっております有線放送電話に関する設備というものにつきましても、この第一項によるような制限を加えておるわけでございます。  それから以下は条文修正による単に技術的な文句修正でございますが、第十条の第五号の次に五の二というのを作りまして、「有線放送電話に関する法律第三条の許可を受けたところに従って有線放送電話業務を行うとき。」と申しますのは、つまり第十条の規定他人使用というものを禁止している規定でございますが、それにつきまして有線放送電話というものを行なっていけば当然これは他人使用するわけでございます。そこで他人使用というものについて禁止の例外というものを並べておりますが、その中にこの五の二というものをつけ加えることによって、それはかまわないのだということにしておるわけでございます。その他の規定は大体条文修正をいたしました結果の文句の書きかえという程度に終っているわけでございます。  以上、大体逐条的に御説明いたしました。
  4. 松井政吉

    松井委員長 次に質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
  5. 森本靖

    森本委員 まず最初に過日の大臣提案理由説明で、この法案提案した理由というものが述べられておりますけれども、この法案提案をした理由というものがやはりどうしてものみ込めぬわけであります。この有線放送電話を今回提案をした理由というものは、現在全国で行なっておるところの例の有線放送に関する法律においてでき上っておるところの、いわゆる農村電話というものが、現在の公衆電気通信法並びに有線放送業務運用規正に関する法律違反疑いが非常に濃い。そこでこのままではどうもこれは違反疑いが濃いどころではない。まあ政府当局だからそういうことははっきり言えぬけれども、これは明らかに違反である、こういうことにとれる。しかしそれでは困るので、こういう法案提案をして、一応これを合法的にし、そうして規制をしたい、こういうのがこの提案趣旨ではないのですか。
  6. 松田英一

    松田政府委員 その点につきましては前々から御質問がございまして、確かに現行法規定によりましては相当むずかしい問題がここに生じている。従って大臣提案理由の御説明の中でも申し上げましたように、結局現在の事態というものは、現行有線電気通信法規定によりましては、適正な規律というものが困難な状況になっておる。そこで現在の実情というものはやはり当然必要性というものが認められますので、そういったものと現在の法律体制というものを両方合せて、有線電気通信に対する秩序というものが適正に参るようにということから、この法案提案したわけでございます。
  7. 森本靖

    森本委員 それは大臣説明一緒です。その大臣説明一緒なことを私は聞いておるわけではない。大臣はそういうふうに適正な規律が困難でありますのでということを言っておるわけです。しかしこれは適正な規律が困難であるということのみならず、現在の農村電話といいますか、この有線放送業務運用規正に関する法律においてでき上っているものは、法律違反疑いも十分にある。こういうことからこれを何とか法的に合致さすようにして、そうして規制をしたいというのが一つの大きな眼目でしょう。それをはっきりしておいてもらわぬと、これを審議するのにどうもぼやけた説明でぼやけた質問になるわけなんです。
  8. 松田英一

    松田政府委員 現在の法律体制は、有線放送業務運用規正に関する法律というものと有線電気通信法というものによって、有線放送を行なっていくということは、これは届出でいいということになっておるわけでありますが、一体その範囲がどこら辺まで認められていいものかどうかということについては、現行法規定は、当時いわばそういった状態を予測していなかったということは事実であるわけでありますが、予測していなかった事態が生じまして、その事態というものが、現行法というものを解釈して、その解釈の範囲に入り得るか入り得ないかということは、相当デリケートなところがございまして、あるいは違法の疑いがあるということも多分に考えられますので、そこで何か問題のないように法律体制を整備したいということが、私ども提案した趣旨でございます。
  9. 森本靖

    森本委員 事務当局としてはそのくらいのところしか言えないと思いますが、しかし法律違反疑いがあるということははっきりした問題でありますので、そこで次にお聞きしたいわけであります。  今までこの有線放送業務運用規正に関する法律において行っております有線電話についての管轄は、実際は郵政省管理をし、また指導もするというのがこの法の建前です。しかしこれは届出制になっておりますので、今までこれが法律違反疑いがあってもほおぶりというか、さわらぬ神にたたりなしということで、大体郵政省の方ではそういう考え方で進んできたことは間違いないわけであります。そこで今回こういう法案提案され、これがかりに法律として正式に可決されるということになった場合、この有線放送電話に関する従来の政府当局奨励というものは——郵政省は先ほど言ったように、法律違反疑いがあるけれども、まあまあほおぶりをしておこうということで今日まできた。ところが農林省並びに自治庁の方は、この電話の拡張については補助金まで出して新農村建設ということでやってきた。ここでたまたまこういう法律案提案され、実際にこの法律案が施行されるということになった場合、この電話に関する補助金というものは依然として続くと思う。そういう場合にこの補助金を出す方とそれから許可する方とが、同じ政府部内にあってちぐはぐな格好になるということを私は常に考えるわけですが、その辺のことを政府当局としてはどう考えているわけですか。たとえばこういう法律案を出す以上は、一応新農村建設ということであっても、事電話に関する問題については少くとも郵政省がすべて管理すべきものである、そうなってくると、その補助金運用その他についても当然郵政省所管をしてしかるべき問題である、こう考えるわけです。これは農林省がかりに将来補助金を従来と同じように出そうとしても、この法律によってはっきりと規制されるならば、当然できない問題になるわけです。それからたとえば農林省郵政省に対して、これはそれでは新農村建設の問題であるから、共管にしたいというようなことを言うかもしれぬけれども農村建設の問題とこの電話の問題とはおのずからまた別個である。電話というものは、少くとも郵政省監督指導下にある。そうなった場合に、そういう政策的なことを一元化するという面から考えたら、郵政省の方がすべてそういうものを管理してやった方がいいのではないか、こう考えるのですが、その点についてはどうお考えですか。
  10. 松田英一

    松田政府委員 私ども考えでは、電話に関する法律といいますか、規律といいますか、法律による規律というものは、これは郵政省が当然やるものでございまして、従ってこの意味において私ども郵政省というものが単独の監督官庁であるというふうに考えております。ただ農林省、あるいは自治庁関係するわけでございますが、そういうのは、たとえば農山漁村に対する一つの実質的な地位あるいは状態を改善する使命、あるいは自治庁の方でいいますれば、市町村というものの動きについての一つ考えを持っているわけでございまして、その意味でそれぞれ適当な施策に従った補助金等も出すという建前になっているわけでございます。その場合に、私どもとしましては、実際にその結果申請をして参るもの、そういうものはいわば有線放送電話というものの態勢から見ますれば、一つ申請者であり、あるいは利用者と申しますか、そういったものでございますので、そういった立場で私どもはものを考えていかざるを得ない。もちろんその場合に、農林省あるいは自治庁考えております施策と私ども許可しておりますものとの関係において妙な矛盾が生じた場合には、これは政府としてはまずいと思いますので、十分な連絡はとっていきたいと思いますし、またとらざるを得ないと思いますが、建前といたしましては、私ども電話に関する法律執行者であり、向うの方はそれを利用していくという面からのこれに対する態度ということになってくると思います。
  11. 森本靖

    森本委員 それは官僚的な分け方であって、農村のたとえば農地改良とか、灌漑とか、用水とか、そういうものであるならば、それは一応私は別だと思う。しかし事電話ということについては、農村電話であろうと都会電話であろうと、電話行政ということは一元的にやるべきなんです。そういう観点からいくならば、そういうところに対してたとえば農林省補助金を出す、ところがこの法律から見た場合にはそれはちょっとおかしい、こういうことになることが往々にして出てくるのじゃないか、すでに現在まで出てまているわけです。現在までも農林省自治庁が、そういう予算を出す際に郵政省とよく相談をしてやるならば、この問題についてはもっと早く解決がついておったはずです。それを農林省自治庁がどんどん新農村建設計画ということでやっていく、そして法律違反疑いがだんだん濃くなって、どうにもほうっておくわけにはいかぬということから、この法案提案しなければならぬ、こういうことになったわけです。そういう問題はむろん事務当局の問題ではないから、事務当局に聞くのはちょっと酷だと思いますけれども、何でしたら政務次官がおいでですから、この点について政務次官の方からはっきり御返答願いたいと思います。新農村建設計画というものは、それはそれで農林省がおやりになっててもけっこうだけれども事農村における電話普及ということになってくると、これは農村だけに限らず、都会農村すべての電話普及ということを考えての行政施策でなければならぬ。そういうことになってくると、その農村における電話普及奨励ということも、これは当然郵政省の責任としてやるべきじゃないか。そうなってくるならば、この予算執行方法等についても、当然郵政省管理をしてしかるべきじゃないかというように私は考えるわけですが、その点どうですか、政務次官
  12. 伊東岩男

    伊東政府委員 ただいま森本委員のおっしゃることは、御意見としては当然でございます。ですからこの法律が成立したならばどうするかということを明らかにしておくことも、非常に大事なことであります。しかるにこの農村における有線放送農林省施策によって推進され、盛んになっておるのであります。なお今後も全国的に普及される傾向を持っておるのであります。そこでそのことは、農村通信電話不便から出た必然的な現象でございまして、農村立場からいえば当然なことだと、こう思うのでございます。そこでそれに強力なる規制をするということは、農村立場からいえばよくないのでございますけれども事電話に関する問題は、やはり郵政省所管でございますから、違法を知れば、これを規制せざるを得ないのであります。そこでやはり郵政省及び電電公社は、どうしても農村考えておる——そうして農村不便を緩和するためには、ただいまも農村電話は、別個に公衆電話をかけてやるということは、非常に農村では歓迎されておるわけでございます。  さらに私は電電公社としても他の方面からももう少し考えていただかなければならないと思います。電話には電話区域がございまして、電話区域外はかけてくれないばかりでなく、電話区域内でさえも今のところでは十分に需要を満たしておらないのでございまして、この点についてはやはり電電公社としてもほんとうに農村不便を緩和するために、他の方面からも考えてもらわなければならない。そこで今度有線放送電話が使えるということ、いま一つ農村における公衆電話普及するということ、もう一つ電話区域における電電公社としての立場から電話を十分に普及してもらうという、この三つの問題を推進して、農村電話という業務は、非常に農村不便な人のための緩和ができ得ると、こう考えておるのでございます。この点についても私ども電電公社に対してもぜひ一つ御考慮を願いたいということを言っておるわけでございます。  そこで問題は、この法案の問題でございまするが、森本委員は、これはどこまでも一本化して、そうして農林省の出しておる補助金のごときも何とかやはり考えるべきことじゃないかという御議論に対しては、一応その通りに考えますけれども農林省考え方は、やはり新農村建設立場から、新農村を作るという意味合いにおける新しい通信組織網を建設する、こういうことは新農村建設の当然なことだと思うのでございます。そこで意見がどうしても対立せざるを得ないのでございまするから、その対立することが、将来の電話業務の上に適切でないと考えますので、やはりこの点は思想を統一しておくことは御意見の通りだと、こう考えまするが、しからばそれを具体的にどういう工合にその思想を統一していくかということになると、非常にむずかしい問題のように考えられます。しかしやはり監督だけは郵政省が一本となって推進すべきものだと考えております。
  13. 森本靖

    森本委員 この法律で、完全に一本になって指導監督はすることになっておるわけです。それで今言われた農村電話について、これは当然電電公社がやるべきものであるけれども、やらないから、こういうふうなものが農林省その他において計画をされ、また農民の声として出てきた、それは確かに政務次官がおっしゃられる通りであります。ところがこれは電電公社でもどこの責任でもない。やはり政府の責任なのです。政府がそういうところの総合的な電話政策というものを持って——電電公社予算は、提案をする場合には当然政府部内において決定をする権限があるわけですから、農林省考えておるそういう問題については、農林省はそういうことをやらなくてもけっこうだ、われわれの方で十分に考えてやっていくのだということの一つの強力な施策郵政省がとっておれば、こういうことは起きなかったわけです。しかし過去のことを言ったところで仕方がないわけであります。  そこで、これから先の農村電話をいかに復興さすかという問題については、今ここにかかっておりますところの有線放送電話に関する法律によるところの電話と、今電電公社考えてすでに着手をしておりますところの無電話部落への設置と、それからさらに今回新しく考えておりますもので、詳細に質疑応答をやって明らかにしてみなければまだわからないが、大体の輪郭が提示されておりますところの農村等の地域団体の加入電話、この三つを総合した観点から見ていかなければ、農村電話普及はあり得ない。そういうことを考えた場合には、当然郵政省としては電電公社に対する指揮命令権ははっきりあるわけですから、これはできるとして、実際に監督だけを握るいわゆる有線放送電話に関する法律だけでは、非常に心もとない気がするわけです。そういう点で郵政省としても、特にこれは政務次官大臣の責任でありますが、この補助金等の問題については、この法律案がかりに通過をすることになった場合には、いま少し合理的に解決をすることを一つぜひ考えてもらいたい。このことなくしては、農村における電話行政の一元的な、完全な、有機的な連携というものはあり得ないというふうに私は考えておるわけです。その点を一つ政務次官大臣としては十分に今後努力するなり、その方向を明らかにしておいてもらいたい、こういうことをまず最初に聞いておるわけです。
  14. 伊東岩男

    伊東政府委員 非常に大事なことでございまするが、やはりこの法律が出ましても、有線放送電話をさらに使わせるということになることは、よほど考えておかなければならぬことだと私は考えております。むろん区域外の通話はできないと制限しておりますけれども、将来やはり有線放送区域ができて、電電公社電話は別として、制限はしておるけれども、やはり区域同士の通話をするようになるのだということをおそれておるのであります。むろんこの法律では制限をいたしております。もう一つは、監督はするけれども、やはり指導権を郵政省が握らなければならぬ。農村はただいまの有線放送でも、すべての設備において粗末なものが多いようでございまするが、少くとも現在やっておるところは、村によって違いますけれども、五百万円なり千万円の金をかけておる。それが数年も耐久力がないということになると、農村では、最初は非常に歓迎されるけれども、あとでは困るのじゃないかという点であります。こういったような点は、やはり指導していく機関がございません。そうすると 農林省あたりにこれを指導するために、もしも有線放送課というような一つの課でもこしらえるというような時代が来たときには、そこに郵政省農林省の対立ができることを今から予測しなければならないのでございますから、私はただ監督だけでなくて、監督指導の面をどうするかということを、やはりこの機会に一つはっきりしておかなければならないと思うのでございまするが、その点については大臣にもお考えがありましょうし、さらにこれは電電公社との関連もございますので、よく検討いたしまして、やはりこの機会にはっきりしておく必要があるということだけを申し上げておきたいのであります
  15. 森本靖

    森本委員 私が心配している点も、今政務次官が言われた点と大体似ておるわけでありますが、実際に農林省がこの補助金を出す場合には、事電話に関してはしろうとなんです。だから、とにかく当面電話が便利になりさえすればいいという考え方でこの補助金を出しているわけです。そうすると三年、四年、五年あるいは十年後における耐久力とか、将来の問題とかいうところまで考えて、これは農林省は出しておらぬわけです。だからそういう将来の五年、十年の先のことを考えてやろうとするならば、どうしても郵政省が一元的にやらなければ、そこに不合理が出てくるわけですよ。これはいかに農林省が、その有線放送電話課というような課を一課くらいこしらえてみたところが、そこまで十分に研究してやるという余地はないと思う。そういうことを考えた場合には、これは郵政省というものが、やはり正式に一元的に補助金その他の問題についてもやっていくべきだということは、これは郵政省政務次官としては当然異論がないと私は思う。ただそこに各省のなわ張り争いとか、あるいはまた政府部内における閣僚の、いわゆる面子と申しますか、そういうところでなかなかやりにくい点はあると思いますけれども、しかしこれをどうしてもやらなければ、将来直ちに問題が起ってくるということも、これは火を見るよりも明らかであります。だからこの点については——まあ政務次官の答弁としてはそれ以上のことはなかなかむずかしいと思いますので、あとで大臣が来たときに、やはりこの問題については明らかにしておいてもらいたいと思いますので、一つあなたの方から大臣にも、この問題についてははっきり連絡をしておいてもらって、あしたの質疑応答あたりでも明らかにしてもらうようにお願いしたいと思います。  それでは、この条項の具体的な内容に入って、若干御質問をしたいと思いますが、第三条に「郵政大臣許可を受けなければならない。」こういうことになっているわけでありますが、この許可を受けなければならないという点については、これは現在すでに実施されているものについても全部許可を受けなければならぬ、こういうことになるわけですね。
  16. 松田英一

    松田政府委員 その通りであります。
  17. 森本靖

    森本委員 そうすると、現在やっているところでも、かりにこの許可基準に合致しないということになれば、これは遠慮会釈もなしに不許可、こういうことになると、そこのところはやめなければならぬということになるわけですね。
  18. 松田英一

    松田政府委員 建前の上で申し上げますと、こういった制度は今度初めて認められますので、現在、これはいわば無であって、それから許可申請があって、許可されて初めてできる、法律論でございますがそういうことになりますので、認められなければ、おっしゃる通りの結果になるわけであります。ただ実情をいろいろ勘案いたしますと、そうひどい結果にもならないのではないかというふうに私ども予測いたしております。
  19. 森本靖

    森本委員 ひどい結果にならぬということは想像であって、あなたの方の資料をいろいろ見ても、全国的な内容をつぶさにつかんでいるとはとれません。かりにこの第四条の許可の基準に合致しないということが明らかになった場合は、これは現在やっておるものでも、やはり不許可ということは当然あり得るわけでしょう。
  20. 松田英一

    松田政府委員 法律上の建前からいたしますと、その通りでございます。
  21. 森本靖

    森本委員 法律建前からいけばそういう不許可ということになる。その場合に、それでは補助金を出したところの農林省並びに自治庁の責任は一体どういうことになるかということについても、非常に疑問がありますが、これは農林省自治庁の問題でありますのでここでは質問をいたしません。しかしそういう問題も当然この第三条から出てくるということを、私はこの際指摘しておきたいと思うのです。郵政省の電気通信監理官の方では、具体的に全国的な内容というものをつぶさにつかんでおりますか。たとえば現在の経営方法、それからその経営者、実際の運用方法、そういうものを全部つぶさにつかんでおって、大体この条項からはみ出るものはないという確信を持っておりますか。
  22. 松田英一

    松田政府委員 実は今の態勢からいたしましても、一つ一つの事例について詳細にかくのごとくなっておってこうだというところまではつかんでいないわけでございますが、大体の事情というものは、各地の電波監理局を通じていろいろ話も聞いておりますし、まあまあそうひどいことにもならぬという見通しを立てております。
  23. 森本靖

    森本委員 まあまあ大体できるだろうということを頭の中で考えておる程度であるが、私に言わすならど、この第四条の三または四に適合するかどうかという点については、全国的に非常に疑問なものがあるということなんです。私の調査した範囲内においても、若干疑義の出てくるところが二、三あるわけであります。あなたの方は、大体この法律ならよかろう、これならはみ出るものはないだろうという想定のもとに出しておると思うのです。  それはそれとして、第四条の一号の問題でありますが、これがしごくぼやけた表現であります。「その住民が社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有し、かつ、その相互間における電話による連絡不便となっている地域業務区域とするものであること。」そういうことを認定するのは結局郵政省の係官ということになるわけでありますが、これは一体どういうことですか。
  24. 松田英一

    松田政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、この法の前段の規定はなかなか書き方がむずかしいので、わかりにくいところがあるようにも存じますが、私ども農村共同体と申しますか、一種の共同社会と見られるような地域、都市的な関係が散漫になっているといものではなくて、比較的緊密な関係に立っているという地域を予測しているわけでございます。  後段の方は、その地域の住民相互間の電話連絡というものが、現在の状態では非常に不便になっているという状況、その両方から考えて、そういう団体ならこの有線放送利用の電話というものの必要性が非常に認められるし、認めていくのが妥当ではないかという見地から書いておるわけでございまして、その場合にどの程度のことが一体これに入るのかということになると、これは具体的にいろいろな事態考えてきめていかなければならないわけであります。電話普及度合いということももちろん判断の資料になるのでございますけれども、そればかりではなくて、あるいは電話に対する必要の程度とか、住民の密度とか、地況とか、いろいろ考え合わせて結論を得なければならないと思っております。
  25. 森本靖

    森本委員 今の説明ではさっぱりわからぬのです。それでは具体的にお聞きしたいと思います。今電電公社電話の加入区域というようなものはどうなっておりますか。
  26. 松田英一

    松田政府委員 加入区域というものとの関連はここに明言してございませんが、加入区域というものよりもむしろある意味で言えば、現在の電話が実際どのように設置されているかということを考え合せまして、それによってきめていかなければならないのでございますけれども、加入区域というものは、公社電話をつけなければならないところでございますので、ここはある程度公社電話がついていくというものがその前提としてあるわけでございますから、そういったものもある程度考慮の要素には入ると思います。しかし主としては実際の電話がどういう状況にあるかということから、やはり考慮していく必要があると考えております。
  27. 森本靖

    森本委員 私の質問より先走って答弁をせられたのですが、私の言うのは、今の電電公社の加入区域というものはどうなっておるか、こういうことです。もし電話の加入その他についての規定をあなたの方で御承知なければ、公社当局の方から御回答願ってけっこうです。
  28. 松田英一

    松田政府委員 現在加入区域の設定は実は公社がやることになっておりますが、大体観念といたしましては、公社電話局から若干の距離で、その間は少々近くても遠くても同一の料金でまかなうべきだというふうに考えられる程度を、一つの加入区域と考えて設定しております。その設定の基準につきましては公社の方から答弁してもらいます。
  29. 吉沢武雄

    ○吉沢説明員 加入区域設定の基準ですが、ただいま監理官の方から概略の御説明があったように、大体電話局を中心といたしまして、その電話局に入る加入者をどの区域に置くか、こういうのが概念でございます。この区域の設定に当りまして、大事な要素は、やはりその電話局を中心といたしました経済的あるいは社会的な関係や行政区域で、かつまた設備、局舎、線路、こういうものは相当な投資が要るので、この点から年経費と収入とのある程度のバランス、人口密度、あるいは五年先にどのくらい電話の需要が起るか、こういうことを総合的に考慮しまして、個々の実情に沿うようにやっていくわけでありまして、ただいまの基準といたしましては、電話局を中心として半径一キロくらいが一番少いのでございます。多くなりますと四キロくらい、こういうのが普通でございます。六大都市のように、同じ加入区域内にたくさんの電話局があるところは、また別の考慮をしてやっておるわけでありますが、以上のような点におきまして、大体何級局はどういうような基準によって、電話局を中心として何キロくらいにするかというような一応の基準はございますが、実情に適するように、その基準を当てはめていく、こういうのが現在の方法でございます。
  30. 森本靖

    森本委員 第四条の第一号というのは、今電電公社から説明があった加入区域と加入区域外とについて非常に関係があるわけですが、ちょっと公社の方にお聞きしますが、加入区域内であれば住民の方が電話をつけようという意思があるならば、今のところ大体つけ得るという可能性がありますか。
  31. 吉沢武雄

    ○吉沢説明員 実はこの点につきましては、普通加入区域は設備費の負担が要らずにどこへでもつけるべき義務がある、こういうことになっております。ところが御存じのごとく建設資金が十分ないのでありまして、ことに今日全国的に見ますと、一個も電話のつかないというような局、いわゆる行き詰まりの局が相当あるのであります。従ってそういう点になりますと局舎をこしらえる、かつまた線路施設するということでないと、公社としては希望があればいつでもつけるという状態でないところが相当ございます。しかしこれは行く行くは少くとも普通加入区域はそのような架設不能な点がないようにということで、五カ年計画またはさらに第二次、第三次の五カ年計画をもって、その目標に到達するように努力しております。
  32. 森本靖

    森本委員 そこで監理官の方にお尋ねいたしますが、第一号は、電話加入区域と加入区域外というふうに概念を分けて、今回の有線放送電話の第四条第一号の初めの方の趣旨からいきますならば、これは電話の、現在の公社における加入区域外というふうな概念をはっきりきめた方がいいのじゃないですか。
  33. 松田英一

    松田政府委員 この点につきましてはもちろんはっきりするという意味においては、区域外とか区域内とかいうことでもっていえば明瞭にはなるのでございますけれども、先ほども申し上げたように、現在の電話状況が、全般ではございませんで、地域的に考えて、区域内であってもできているところもあればできていないところもある。そこでそういったこともいろいろ考えますと、もちろん大部分が区域外にあるというふうなものはこれは当然いいと思うのでございますが、区域内に入っておっても状況によっては不便となっている地域ということで、認めなければならぬ地域もあるのではないかというところから、区域内、区域外ということをはっきり出さなかったわけであります。
  34. 森本靖

    森本委員 そういう考え方でこの条項を運用すると、私は将来運用に当って非常に混乱を来たすのではないかということを考えておるわけです。だからこの条文条文としても、この第一号の考え方というものは、ほとんど主として現在の電話加入区域外である。電話加入区域内にたまたま入るということは特殊な地域であって、そうしてそれが場合によっては五軒ないし六軒というふうなもの、地理的にそういうことが考えられるということがあるにしても、実際問題としてはほとんどここにいうところの地域は、現在の電話の加入区域外であるという考え方をお持ちじゃないですか。
  35. 松田英一

    松田政府委員 加入区域外が主としてされているものはもちろん問題ないわけでございましょうが、主としてそういうものでなければならないということは私どもとしては考えてないわけであります。
  36. 森本靖

    森本委員 主としてというか常識ですよ。先ほど説明があったように、区域内というのは一キロから大体四キロ程度だ。電話局の所在地の四キロ以内にこういう電話をつけるなんというのはおかしいのですよ。しかしたまたまそういうどうしても特殊な地域があるならばこれは別です。だからこの第一号は主として電話加入区域外を考えるけれども、その特殊なケースとしては区域内もあり得る、こういうように解釈するのが正当ではないか。これは将来の法律運用に当っての法の解釈の問題になるので、私は執拗にあなたの回答を求めておるわけです。そういうことを考えるのが電話行政運営に当っては常識じゃないのですか。私はすべて電話加入区域内、加入区域外とぴったり分けろということを言っているのじゃない。しかし概念的には一応この第一号の趣旨というものは、ほとんどが電話加入区域外である。こう考えるけれども、たまたま特殊なケース、特殊な地帯、特殊な地理的な条件というものがあり得るので、そういう場合はまた別である。こう解釈するのがよいかどうかということを聞いておるわけです。
  37. 松田英一

    松田政府委員 区域外だけの問題でございますと、現在の有線電気通信法の中にも区域外だけの電話をつける方法は残されておるわけでございまして、いわば区域外というのは、もちろん公社使命としてはそういうところも将来達成しなければならないわけでございますけれども、現在のところは公社としてはこれをやることができないとしてきめられておるような地域でございますので、そういうところについての例外規定は現在有線電気通信法にもあるわけであります。それだけでまかない切れないというところでもって、実際こういう事態が生まれてきておるわけでございますので、もちろんそういった地域は差しつかえないのでございますけれども、問題が生じてきたのは区域内との関連において生まれてきておるという点が、この有線放送電話の実際の問題の起ってきたゆえんでございます。そこで私どもとしましては区域内、区域外ということをあえて言わないで、実際の電話状況によってそこを考えていく必要があるだろうというふうに考えております。
  38. 森本靖

    森本委員 たとえばここに一つ電話局があって、この一キロ半以内は一つの町の形式を整えておる。そういう場合、その電話局の電話交換が一ぱいであって、当分つかない。しかしあと一年もすれば、その電話局に新しい局舎が建築されて、交換台もふえ、十分につくが、それまで待てないというところで、その電話局が一キロ以内の範囲で、たとえば現在の有線放送電話業務に関する法律において作っておるところもあるわけです。そうなった場合、私は加入者のことを考えて言っておるわけですが、現実にその電話局が一年先にできて、電話がつくことになるのであって、片方の農村電話の場合は四年か五年あとには耐久力がなくなって、またやりかえなければならない。そういうことになるよりは、電電公社の加入公衆電話として一年待って入った方がましなのです。それが十キロも二十キロもということになれば別でありますけれども電話加入区域内で、一キロから四キロということになるとすれば、これは将来電電公社電話において解決がつくところなのです。そういうことを考えた場合には、農村電話をこしらえること自体の人のことを考えてみても、この地域電話加入区域内、加入区域外という概念は、許可する方にすれば、私は持っていいのではないか。そういうことまで考えてやるのが、許可する方の老婆心ではないかと思うのです。私は加入区域外、区域内をぴったり分けろということをいつまでも言っておるのではない。この第一号の問題は、原則として電話加入区域外である、こういう概念に立って施行していきたい。しかし特殊な地理的な条件として、あるいは特殊なケースがあって、どうしてもそこはやらなければならぬ、そういう場合には加入区域内でやる場合もあり得る。しかしそれはほとんど例外的な問題である、こういうことを一つの前提条件としてこの一号を解釈をし、運用していったらどうか。それは農村電話を行おうとする考え方に対しての老婆心ではないか。それは将来必ず起ってきます。どんどん電電公社電話普及されていって、そうした場合に、その他にもつなぐことはできない。それからこれは、一般公衆電話から見たら非常に不便電話だ、その場合、その加入者にしてもいつまでも経済的な条件がそんなに低いとは考えられない。そうなった場合には、やはり公衆電話に入りたいと考えるのは当然だろうと思うのです。その場合はやはり公衆電話に切りかえていくということを考えるので、できるなら電話というものは農村電話的なものをこしらえるよりも、本来言うならば電電公社公衆電話をつけるのが一番望ましいわけです。それができないからこういうことを考えておるわけでしょう。この第一号の条件というものは、私が言うようにぴったり分けろということを言っておるわけじゃない。現在すでにやっているもので、電話加入区域内のものも相当あるわけです。そんなことを言っては困るから、そんなことをここではっきり言えと言っているのじゃない。ただこれを解釈する場合に、この解釈というものは主として電話の加入区域外を考えるべきものだ、しかし例外的には加入区域内のものもあり得る、こういう解釈でどうか、こう聞いておるわけですよ。それでいいでしょう。
  39. 松田英一

    松田政府委員 実は今森本先生のおっしゃいましたような事柄は、この有線放送電話というものをつけようとする場合には、いろいろと検討されなければならない問題だと思います。従ってむしろ地元におきましては、あるいは電電公社の将来の見通しあるいはその地域の人たちのそれに対する考え、そういうものは事前にいろいろ相談をできるだけしてもらって、そうして地元の人が公社電話というものの計画がそういうことであれば、それではそれによっていこう、あるいはそうじゃなくて自分の方でつけていこうというふうな、考え方をきめるときにはやはり将来の問題も考えて、十分相談した上で出てきてもらいたいとは思っておりますが、しかしここで一つ要素として考えなければならない事柄は、結局これでもって行われております状況というものが、有線放送というものが有線放送設備というものを利用してこれが行われている。従って前段に言ってありますように、いわば共同社会的というふうな意味から有線放送必要性というものが非常にあって、それにちょっとくっつけてやりたいのだ、しかも金はそんなに出せないというふうな状況必要性が起っている場合には、これは将来電話がつくぞ、こう言いましても、その電話が一体どの範囲につくか、どの限度にそれが利用されるかということを考え合せますと、必ずしもそれができるからこの有線放送電話は要らないということになるかどうかは、その地域の住民の判断によるわけでありまして、その電話電話として別につけてほしいが、これはこれとしてやはりほしいのだという場合も考えられます。しかしそうかといって、それが都市のようなところへどんどんできていくことは、私どもは政策としては感心したことではないと思いますので、この限度に押えたいと思っておるわけでありますけれども、そういうものを全部押えて電電公社電話がつくからやめなさいというところまでは言えないのじゃないか、こういうふうに考えております。
  40. 森本靖

    森本委員 そういう論理を持ってくると、これはもとへ戻らなければいかぬのですよ。この法律案そのものを考えたのは、いわゆる有線放送業務として始めたけれども、その実態はすでに放送業務じゃないのだ。その実態はすでに通話にあるのだというところまで来ておるわけですね。現にあなたと私が一緒に視察に行って、そういうことであったじゃないですか。現にそこまで来ておるから、だから現実にその電話というものを何とか規制をしなければならぬというところから、この法律が出てきたわけでしょう。そういうことを考えると、なるほど第五の項に、「もっぱら通話の用に供するための線路がないこと。」ということはうたってある。うたってあるけれども実際にこれが運用されてきた場合には、その有線放送というものは、これは午前と午後とにかなりの時間が費されるとしても、実際問題として半分は電話に使えると思う。私は架空の論戦をしているわけではない。現実の問題として、半分以上は電話に使われていることは事実なんですよ。それでこれをつけたいという希望を持つ者は、これはやはり電話が利用されるということが大きな魅力なんです。そうでなければ、あの電話送受話器をつけたものをつける必要はない。放送だけ聞いておればいい。わざわざラジオをつけて、それから電話をつけて、その上に公衆電話をつけるなんというばかな人はおりませんよ。現実の問題として、公衆電話をつけてラジオをつける、こんな人はおりませんよ。それは農協の特殊なものだけ聞くという場合は便利ですけれども、そうなってくると農協自体もまた考えなければならぬ問題になってくると思う。そうすると実際につける農村の方々は、やはり電話というものを主として考えているわけですよ。そうなってくると、やはり私が言うたようにその電話使命の将来も考えてやるのがわれわれの老婆心ではないか。電話行政をつかさどる者としては、そういう観点からいくならば、やはりこれを言ってきたからどこにでもつけてやるということではなくして、そこは争うだけれども将来はこっちの方の電話がつきますよ、やるなら有線放送だけにしなさい、こう言ってやるのが老波心でしょう。有線放送だけならばこの法律でなくてもいいわけでしょう。前の法律でいいわけだ。これは電話の!とを言っているわけだから、そう言っているわけだ。有線放送だけなら、それは加入区域だけれどもあなたはそこに送受話器をつけてやれば、あと一年もすれば電話局が開設されて電話がつぐから、それは有線放送業務運用の甜正に関する法律届出だけでやった円いい、こう言えば私は親切になると思う。だからこの電話については第四条の第一号の考え方、やはりその許可をする方の概念的な頭としては、今言ったように加入区域内、区域外というものを一応頭に持って当るべきではないか、こういうことを言っているわけですよ。そこでちょっと質問をそらして、この有線放送業務電話とは全然別個のものである、それはむろん別個の考え方ですよ。しかしつける方の人としては、これはやはり電話を利用するということが大きな魅力で現在つけておる。そのことを忘れてはいかぬですよ。そこで私は第四条の第一号に戻って、今言ったこうな考え方でこの法律運用せられたらどうか、こう言っているわけです。
  41. 伊東岩男

    伊東政府委員 ただいま森本委員の意見には賛成であります。やはり原則的にはこれは電話区域以外に適用すべきものであって、区域内にどんどんこういうことをやらせれば、いよいよもって混乱することはもう当然でございます。しかし電電公社がみんなの要望に沿わず架設してくれないから、農村不便であるから、やむにやまれず起った現象でございます。その点を電電公社もよく考えていただかなければならぬのでございまして、私はこの際、やはり電電公社の意見を農村の人たちにはっきり示していただきたい、こう思うのでございます。これは私の口から申し上げるよりも、電電公社の副総裁がおいでになっておりますから、その農村通信電話不便を緩和するために、無電話部落を解消する六カ年計画ができ上っておりますることが一つと、もう一つは区域外といえども団体加入も計画してもらうとか、あるいは多数加入の計画をしていただく、どんどんこれを推進して実行に移していただくならば、今森本委員のおっしゃるようなことも従って農民の人たちによくわかってくれまするから、この完全でない放送電話の利用よりも、ほんとうに電電公社がりっぱな公衆電話を無電話部落に徹底的にここ数年のうちにやっていただくというようなことを声明してもらうと、農村の人たちも非常に歓迎するばかりでなく、この有線放送電話法に対する認識ができると思いますから、一つ電電公社の意見をこの際御発表願いたいと思います。いかがでございましょうか。
  42. 森本靖

    森本委員 これは政務次官、十分考えてもらいたいのですが、電電公社に対する施策その他については、郵政省がその監督をもって電電公社に対して予算を出してきた場合に、この予算については農村の方が足らぬじゃないか、お前の方はもっと農村の方の普及考えたらどうだという責任はすべて政府当局にあるわけですから、電電公社がやらぬからおれの方は知っちゃいないということはないわけです。今までの電電公社のやり方についても、財政的にやむを得ない点があったと思いますけれども、私は昭和三十年の二十二国会にここに出てきて以来、この電電公社の問題については絶えず叱咤激励してきたつもりなんです。今までは大体都会中心であった。これからはそろそろ電電公社の財政的な規模もきまったので、農村等についても十分に考えていかなければならぬじゃないかということを、われわれの方からも強く要請して、去年から初めてこの無電話部落の解消ということをようやく電電公社は始めることになったわけです。しかしこれは電電公社当局の責任もありますけれども、何といってもこれは政府です。政府がそういう方向にやらそうと考えるならば、これは十分やらせ得たと思うのです。その点政務次官はりっぱな方でありますので一つ誤解のないように、今の答弁を聞いておりますと、電電公社政府とは全然別個であって、電電公社一つやってくれんかいなという陳情みたいな格好にもとれます。これは非常にみっともない格好になりますので、その点はあえて申し上げておきたいと思います。そこで政務次官もそういうふうにおっしゃっておられますし、副総裁も来ておりますので、せっかくの機会でありますから、副総裁からこの第四条の第一号にもからんで、将来における農村電話の問題を一つ説明願いたいと思います。
  43. 伊東岩男

    伊東政府委員 ただいま森本委員からいろいろお話を聞いたのでありますが、私は農村電話ということに対しては非常な熱意を以前から持っておったわけでございます。そこで有線放送電話の問題についても、この法律を出すのがいいのか悪いのかということについては、非常に熟慮したのであります。せっかく農林省奨励金まで出してやらせるのを、ここで規制するというのはどうかということについては、相当苦心したのであります。しかしだんだんこの法案が緩和されて、かえって農村立場から有線放送電話を兼用することがいいという確信のもとに成案し、今御審議を仰ぐわけでございます。この有線放送電話だけでは農村電話問題は解決いたしませんから、どうしても電電公社がやらなければ、郵政省がそういうことを推進したらいいのじゃないかというわけでございますが、これは独立採算制でもありますし、そろばんを握っておるから、農村のような金のかかるところには電話をかけないという立場であるし、また区域内でも滞積数も非常に多いのであります。それで解決できない点については、財政上の事情があることは当然でございます。そこで私ども郵政省といたしましても、これを電電公社にこういう方法でやらしたいということの熱意に対しては、森本委員と同様の熱意を持っておるわけでありまして、電電公社としてもいろいろ相談いたしました結果、ただいま有力なる構想を持っておるようでございますから、その構想を発表してもらえば、農村の人たちも有線放送に対する認識、あるいは電電公社考えておる将来の農村電話建設についての考え方を認識してもらうことによって、この法案がうまくいくのじゃないか、こういう意味で、私が説明するよりも電電公社から説明してもらう方がいいという意味で、さっきお答えしたようなわけでございます。
  44. 靱勉

    ○靱説明員 それでは農山漁村等における電話普及改善対策について、公社において本年度より実施することにいたしております案について簡単に御説明申し上げます。  もうすでに御指摘を受けておりますように、農山漁村等におきます電話普及は相当低位にございます。二十年前ころのものを読んでみましても、当時農村が非常に疲弊していた。どうしても産業を興さなければいかぬというので、農村に簡易な電話普及する、あるいは加入区域についても考え、料金制度についても考えるというような施策が、かつて当時の逓信省において作られたのであります。その後御案内の事変から戦争になり敗戦ということで、その案が実施されなかった。二十年後の今日考えまして、私ども農村等におきます電話普及の悪い点については、非常な責任を感じているわけでございますが、何と申しましても非常な災害を受け、しかもわが国の復興は、一面から言えばおそいと言われたのでございますが、なかなかのスピードで復興してきた。従って都市等におきまする電話の需要が、戦前に比べまして非常に強くなった。敗戦当時の電話に比しまして今日五倍、六倍という数を見ましたが、それでもなお追いつけないという状況で、勢い農山村に対する電話がおくれておりました。しかしながらこれは一日もそのままに放置できませんので、さらに予節等についても政府の御配慮によりまして、今年度からなお本格的に改善実施をいたしたいという考えであったわけであります。こういう方面につきましても、まず加入区域外についての対策、この付近におきましてはほとんど電話はないのでありまして、私どもは無電話部落の解消ということにつきまして六カ年計画を今年度から立てまして、公衆電話一万八千個を六年間に作りまして、電話のない部落というものは全くないようにいたしたい。それから電話の需要の相当高まっておりますところについては、できるだけ経費が安く引けるように、多数共同電話あるいは群集電話というものを設置して参りますが、在来こういう制度もございましたけれども、区域外にわたる線路建設等は加入者の方に負担していただくというような形になっておりましたが、これではとうてい負担にたえないということで、公社としましては公衆電話線路をつけますと同時に、それを利用いたしまして、その線路の負担を全く除外いたしまして、割合に経費を安くつけられるようにします。こういうふうにしますと、かなり農村等に電話をつけることが可能になって参ります。在来ある制度でございますが、この経費の点で普及してなかったという点をこの際改めたい、こういう考えでございます。同時に新しい電話の設置をやりませんと、遠距離につきましては不経済でございますので、小さな交換機を置きまして簡易な交換事務を開始していきたい。そうしますと、それらの経費は一切公社の負担になりますので、一加入区域内の電話となって、区域外が区域内の電話ということになりまして、電話が安くついていくという形になるわけであります。在来飛び地加入と申しまして、相当距離が既設の電話局から離れておりますところでも、相当まとまって電話の需要のあるところにつきましては、これは飛び地加入区域としまして、特別の加入区域を設定いたしておりますので、長距離の線路経費は一切御負担願わないというようなことにいたしております。  さらに先般来若干御説明申し上げておりまする団体加入電話を、一つ新たに本年度から施行してみたい。これは加入者の方の自営も認めるということで、企画等も農村の負担にたえるような程度に考えまして、できるだけ安い経費で電話がつけられる。これは直営と自営を認めていきたいという考えに立っております。大体これらの総経費は私どもはできるだけ多くを欲するのでありますが、六カ年間に団体加入電話を別にいたしまして、公社直営の分として百五十億程度を予定いたしておりまして、本年度一部その予算化が行われておるような次第でございます。  それからただいま森本委員からいろいろ御質問がありました加入区域内におきましても、農山漁村等においては申し込んでもつかないじゃないか、またあるいは有線放送電話との混合というような問題もあるという御指摘があった。私どもこれも六カ年計画におきまして、大体八割程度の需要は完全に消化できるようにいたしたい、原則としましては、加入区域内におきましては、当然直ちに電話がつかなければならぬ、これは都市といわず農村といわず、毎年四、五十万の電話の申し込みをそのまま残しておくような現状におきまして一挙には解決できませんが、六カ年間におきまして、大体新規の申し込みの八割は解消いたしたいという計画希望を持っております。それから市外通話につきましても、現在割合に近距離で、場合によっては、自転車、スクーターで行った方が早いという通話の悪い状況がございます。これらにつきましては、できるだけ早くサービスを改善いたしまして、即時通話でつなぐような方式にいたしたいという考えに立っております。  これがいわゆる加入区域内外の一応の対策でございますが、さらにこれ以外に、町村合併促進法に伴うところの町村電話の改善対策というものを持っておりまして、これは在来御説明申し上げておる通りでございますが、大体同一行政区域内におきまして、六キロ未満の局は全部一加入区域といたして統合いたしていきたい、それから六キロ以上にわたるものにつきましては、その相互間の通話をほとんど市内サービス同様に改善する、これに要する経費は約三百億円でございます。こういうような対策を持っております。さらに第一次計画の基本計画といたしましては、単に大都市中心でなくて、かなり地方の都市の通信施設の改善を行なって参りまして、三十二年度計画におきましても、百数十局の局を新設するということになっておりますので、そこに新たに局ができます場合には、付近の農村等の電話も統合いたすとか、あるいは相互通話を改善するというようなことによりまして、他のいわゆる基本計画からも相当の予算をもちまして、あわせて町村等の電話の改善もはかるという計画になっております。  これをもって十分とは申し上げられませんが、わが国全体の電話施設といたしまして、都市、農村を通じまして、緊急なる電話需要に対しては対処できるような態勢にいたしまして、相互権衡のとれた普及発達をはかりたい、こういう考えを持っておる次第でございます。
  45. 森本靖

    森本委員 今公社当局の副総裁の方から詳細な説明がありましたがその問題については、内容について質疑応答で明らかにしたいことがありますので、日をあらためて質問を行いたいと思いますが、ただここで政務次官にも言っておきたいことは、先ほど来の質疑応答で、政務次官と私とは農村電話普及ということについては、ほとんど完全に意見が一致すると思います。だいぶ前からわれわれが農村の問題について非常にやかましく言っておって、今ようやくこういう全貌が公社当局においてもでき上った。政府としても予算的な措置としては、こういう法案を出してこういうことになった以上は、援助しなければならぬという責任と義務が当然出てくるわけですが、そういう点を考えてみると、こういう有線放送電話というものが、私用であったにしろ何であったにしろ、一つの大きな電電公社に対しても刺激剤になったことは、私は一つの効果だろうと考えているわけです。確かにその点はどなたが言ってもはっきり言えると思います。しかし公社当局としてもこういう刺激剤がなければやらないということではなくて、一つ将来もこの問題については十分に考えてやってもらいたい、こう考えているわけですが、そういう意味から考えると、このいわゆる農村電話というものも大きな意義があったということが考えられるわけであります。  そこでもとに戻りまして、第四条の第一号でありますが、監理官、先ほど政務次官が答弁したように、これは原則的にはやはり加入区域外を主としてやっていくべきものであるけれども、しかし加入区域内についても、その地理的な条件あるいは経済的な条件その他の特殊なことから考えるべき場合もある、こういう工合に事務的に解釈をしてもいいでしょう。
  46. 松田英一

    松田政府委員 事務的の解釈として申し上げますと、もちろん区域外のものは問題なくこれに入っていくべきものと思いますが、区域内としても、いろいろな条件のもとに相当こういう必要性考えられていくというふうに考えられると思います。
  47. 森本靖

    森本委員 政務次官が一応原則的な問題をはっきり言っているので、私はあえてこれ以上追及いたしませんが、あんまりえこじな答弁をするものではないですよ。原則的にはそういうことだけれども、一応例外として特殊な状況としては、そういうことがあり得ると解釈するのが当然なんです。この法からいっても、それから今電電公社説明した方向からいっても、政務次官説明した方向からいってもそういうことです。これはもう一ぺんなお繰り返してはっきりやっていきたいと思いますから、あなたも一晩考えておいて下さい。  時間も相当迫りましたが、次に区切りをつける意味において第四条だけを済ましておきたいと思います。第二号は問題はありませんが、第三号の「その業務及び当該有線放送業務営利目的として行うものでないこと。」こういうことになりますと、現在やっておりますところの農協あるいはまた地方公共団体、こういうふうに考えられますし、またこれをやるところの現在起きておりますところの協会、こういうようなものも考えられるわけでありますが、具体的にこの法案提案をしておりますところのあなた方では、実質的にどういうものを考えているわけですか。
  48. 松田英一

    松田政府委員 ただいま森本先生のおっしゃいましたように一農協あるいは地方公共団体というものが、かなり多数を占めるだろうということは私ども予想しております。ただここで営利目的として行うものでないということだけに限定しておりますので、そのほかのものにいたしましても営利目的として行うものでないということで、ある特別な団体なりあるいは個人なりがその地方の要望といいますか、そういうものに沿って出て参りました場合には、やはり許可はしなければならないというふうに考えておりますが、実際問題として考えますと、そういうものはおそらく少数ではないかというふうに予想しております。
  49. 森本靖

    森本委員 これは農協とか地方公共団体がやれば一番問題がないと思いますが、個人あるいは団体が営利目的としないで行うという場合でも、個人が行うとなりますと非常に危険性があると思います。そこで営利目的として行うものでないということについては、あなたの方ではどこでそういうことを解釈し、判断をするか、この点について一つ明らかにしてもらいたいと思います。これは相撲茶屋みたいになっても困ると思いますから。
  50. 松田英一

    松田政府委員 もちろんこの申請を出してもらいます場合に、その次の第四号にありますようにその業務を適確に遂行するに足りる経理的基礎があるという意味でも、これの判定せられるような資料というものは許可の材料として、いろいろ出していただかなければならないというふうにも考えておりますので、そういった資料その他を全部調べまして、その運営目的というものが営利をはかるにあるかどうかということを判定することにしたいと思っております。
  51. 森本靖

    森本委員 それは優秀な係官が認定するのだから間違いはないと思いますけれども、これは個人がやっても事実問題として十分採算がとれるのです。だから営利目的として行うものでないということについて、法律ではっきりうたうことはいいですよ。ただそれをどういう具体的な基準をもって当てはめるのかということのあなたの方の考え方を、一つ明らかにしていただきたいということなのです。具体的にそれぞれの計画があがってくる、それを個々に検討してどうこうということでなくして、たとえば利潤がどうだ、その場合には利潤がどれくらい上る、そうした場合には実際にはその加入料を取らなければ取らない、下げるなら下げる、そういう一つの基準が要るのじゃないですか。そうしないと一方では加入料をたとえば月百円なら百円、一方では二百円取るという場合も出てきましょうし、また上ってくる利潤についても違ってくる。そこでそういうものの具体的な一つの基準を作る必要はないか、こういうことを聞いているわけです。
  52. 松田英一

    松田政府委員 基準と申しましても、実はここで書いてございますように一つには有線放送電話業務と、同時に有線放送を行なっておりますので、有線放送業務の両方をここで考えることにしております。その場合に利潤追求の目的でやるかどうかというようなことは結局両方考え合せて、たとえば施設に最初に投下された資金とか、あるいはその後のこれに対する償却の関係とか、その場合に取って参ります料金について、そういったものは全部この材料として提供していただきまして、そういうものによって利益を生むことを目的としておるというふうに見られるものは、この条項によって許可することができませんし、そうでないと考えられるものは当然許可していく。またその実際の動きから考えましても、第七条によりまして契約約款というものの届出もしてもらうことにしておりますから、もし初め言ってきたことと違うようなことを言ってくるようなことがあれば、相当私どもも注意しなければならぬと思っております。そういう点を基準としてきめるというよりも、むしろそういった考慮要素はある意味では理論的にはっきりしてくるものでございますから、そういうものを全体判定の要素といたしまして、営利を追求するものかどうかということをきめたいと思います。もちろん地方の機関に対しましては、そういった判定の要素は当然とはいうもののいろいろ考慮するようにということは、通達によって十分示したいとは考えております。
  53. 森本靖

    森本委員 これは七条の契約その他を定める場合の問題のときにも出てきますので、今の答弁ではまだ若干不満足でありますから、そのときに一緒にやることにいたします。  次の第四号の経理的基礎があることということについても、第七条に関連をしてくるわけでありますが、これは一体どういう程度の認定をし、またどういう程度を一応の基準に考えるかということも明らかにしてもらわなければならぬと思います。しかし第七条とも相当関連がありますのでそのとき一緒にやりたいと思いますが、もしこの第四号の問題についても、あなたの方でお考えになっている基準あるいはまた判断の方法というものについてのお考えがあれば、明示願いたいと思います。
  54. 松田英一

    松田政府委員 この点も先ほどの第三号の問題とも関連いたしますし、もちろん森本先生のおっしゃいましたようにあとの問題とも関連してくるわけであります。ただ経理的基礎と書きましたのは、要するにある資金が場合によったらよそから供給されている、従ってその事業の運営によって出てくる収入のみでまかなっていくということでなくても、とにかくその事業は続けていけることが経理的に明らかになっているということであれば、この条項は満たされていくと考えております。
  55. 森本靖

    森本委員 私の質問はまだあとずっと各条項を追っていたしますけれども、時間がきておりますので明日に譲りまして、本日の私の質問はこれで終ります。
  56. 松井政吉

    松井委員長 次会は明八日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。   午後零時三十九分散会