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1957-04-10 第26回国会 衆議院 逓信委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十日(水曜日)     午後二時三分開議  出席委員    委員長 松井 政吉君    理事 小泉 純也君 理事 竹内 俊吉君   理事 橋本登美三郎君 理事 廣瀬 正雄君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 森本  靖君       川崎末五郎君    上林山榮吉君       齋藤 憲三君    椎熊 三郎君       中曽根康弘君    平野 三郎君       三木 武夫君    杉山元治郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 平井 太郎君  出席政府委員         郵政事務官         (監察局長)  久保 威夫君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      成松  馨君  委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     大塚  茂君         日本電信電話公         社理事         (技師長)   中尾 徹夫君         日本電信電話公         社理事         (職員局長)  山本 英也君         日本電信電話公         社理事         (業務局長)  吉沢 武雄君         日本電信電話公         社計画局長   佐々木卓夫君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件  郵政監察に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件     —————————————
  2. 松井政吉

    松井委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。発言の申し出がありますので、これを許します。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 まず大臣にお聞きしたいのですが、この間うち新聞報道されておりますけれども、今回の公共企業体等労働委員会仲裁裁定郵政大臣としての取扱い、それから今までの閣議の動き、そういうようなものについて大略の御説明を願いたいと思います。
  4. 平井太郎

    平井国務大臣 お答えいたします。仲裁裁定新聞でも報道された通り、千二百円の増額についての仲裁裁定は決定を見ております。そこでわが郵政省といたしましては、前回からもたびたび申し上げた通り、この千二百円の今回の増額に対しましては、確実に実施するということで態度を決定いたしております。なおこれの財政措置につきましては、いろいろ事務当局に対しまして今検討をさしております。なお閣議におきましても、ただいま申し上げたのと同様、やはり今回三公社五現業のこの仲裁裁定に対しましては、忠実に実行しようという閣議の申し合せがございました。なおこれの財政的措置については、各関係当局において十分検討をいたそうという結論でございます。
  5. 森本靖

    森本委員 そこで、これの財政的な措置というものが一番問題になってくるわけでありますが、過日新聞報道によりますと、大体五十億円の財源が要る。それで約二十三億円程度は現在の増収でまかなうことができる。しかしあとの二十七億円程度というものは郵便料金値上げをしなければ特てない。仲裁裁定を実施するならば郵便料金値上げをしなければならぬ、こういう態度大臣の方では新聞を通じて発表されておりますが、それは事実ですか。
  6. 平井太郎

    平井国務大臣 私が申し上げたのと新聞報道とは多少言葉のあやが少しく相違しておると思います。私はまだ仲裁裁定が出て、財政措置については事務当局において目下検討中でございますので、その財源の出る場所はまだ確実につかんでおらないので、今の段階におきましては、郵便料金値上げを考えてはおりません。
  7. 森本靖

    森本委員 これは事務当局がおらぬとちょっとわからぬと思いますが、この仲裁裁定関係のある事務当局を至急に一つ呼んでもらいたいのですが、もし大臣お答えできるところは一つお答え願いたいと思います。そこで全逓に対する仲裁裁定で何と申しましても一番問題になりますのは、理由書の第二項にありますところの「十月において一七、一五〇円と予算単価を五一〇円上まわっている。したがって、いま予算単価の上にさらに一、二〇〇円を積み上げる」というところが一番問題だろうと思います。そこで今大臣が言われた千二百円を完全に実施するということは、すなわち一万七千四百七十二円プラス千二百円、一万八千六百七十二円というものを完全に実施をするということかどうか、その辺のことでありますが、もし大臣事務当局が来なければお答えができないというならば、あとへ回します。
  8. 平井太郎

    平井国務大臣 事務当局が来るまでしばらくお待ち下さい。
  9. 森本靖

    森本委員 それではこの問題は事務当局が来るまであとへ回しまして、監察局長保険局長が来ておりますのでお聞きしたいのですが、新聞にも報道されておりましたし、それから私の方も情報ルートを通じて一応の資料を持って来ておりますけれども、まだこれは後日の資料でさらに詳細に質問をしたいと思いますが、三重県のある郵便局において従業員保険強制募集に耐えかねて自殺をした、こういう記事が載っておりますが、その真相について一つ事務当局の方からでも御説明を願いたいと思います。
  10. 成松馨

    成松政府委員 ただいま森本委員からお話のありました点については、私どももそういうことがあったということは一応承知いたしておるのでございますが、保険事業部門といたしましては、やはりこういうものの実態調査を行うについては、第三者的な立場から公正に調査してもらう方がよいという見地から、監察方面にもお願いして調べてもらっておる段階でございまして、今のところ詳細にはわかっていないわけでございます。
  11. 森本靖

    森本委員 それでは監察局長がお見になっておりますので、監察局長の方から御説明を願いたいと思います。
  12. 久保威夫

    久保政府委員 ただいまお尋ねの件につきましては、まだ私どもも的確詳細なことを承知しておりませんので、現在わかっております範囲で一応お答え申し上げます。地方新聞にああいう記事が出ましたので、それについて監察の方でも調査いたしたわけでございますが、まだそれが果してお話のような事実があったかどうかということははっきりいたしません。なお本日も東京の新聞にも出ておりましたので、現在さらに重ねて詳細な調査を進めているところでございます。これだけ御報告申し上げておきます。
  13. 森本靖

    森本委員 その郵便局局名局長名、それから従業員の名前、自殺内容、それから原因というようなものについての詳細なものはわからなくても、一通り内容はわかると思います。そういう、調査中であるから全然お答えができぬというような答弁では、私は納得ができない。これはもうすでに三月の一日に起ったことでありまして、きょうは四月の十日でありますので、四十日を経過しております。だからこれが一応の概略についてはお答えができるはずであります。一通り説明も全然できないという調査ですか。
  14. 久保威夫

    久保政府委員 私どもの方におきましては、郵政監察といたしましては郵政犯罪とか、それに関係いたしました郵政関係事故、そういった大きな犯罪、特に大きな事故、こういったものにつきましては詳報がすぐ参ります。その他の事件におきましては依頼その他に応じましての調査をいたしておりまして、今回の事件につきましては、私どもといたしましては新聞に出ましたので特に調査をさせた、こういった段取りでございますので、遺憾ながらその詳細のこと、と申しますのは、今お話のありましたような内容につきましてはまだ確かなことを御報告できない、こういった意味でございます。なお局名、それから局長名といいますことは、私ただいま記憶いたしておりますところでは、三重県の青山局と記憶しております。局長はたしか竹田という方だと思います。
  15. 森本靖

    森本委員 その当該局の総定員は何名ですか、わかりませんか。
  16. 久保威夫

    久保政府委員 現在私は承知しておりません。
  17. 森本靖

    森本委員 これは直接犯罪関係はないかもしれませんけれども、少くとも郵政事業関連して死んだか死なぬかわからぬということをあなたの方ではおっしゃられておるようでありますが、しかしあれだけ問題になるようなことについて、地方紙報道されて以来四十日も経過しておって、まだ調査が来ておらぬということでは、私の方では納得がいきかねるわけであります。特に監察局長犯罪その他につては一応調査をしていると言われますけれども、今年度の郵政省監察局監察方針におきましても例年度監察方針におきましても、一応保険募集成績についても監察局の基本的な方針の重要な内容になっているわけであります。そこでその保険募集関連して自殺したというようなことが一応報道される限りにおいては、その内容を詳細に直ちに知るというのがほんとうではないですか。ここで今責めたところで仕方がないので、次の委員会で詳細に私は質問をしたいと思いますから、この問題は次の委員会に譲りたいと思います。監察局長先ほど来の答弁では、もう少し事を敏速に運ぶ必要があるのではないかということを私は考えるわけであります。それは監察局長は全然関係がないとは言いますものの、募集成績については監察局の基本的な監察方針になっているわけであります。そうなりますと、これとは当然関連が出てきますので、こういう問題については次にはすぐ説明のできるようにお願いしておきたい、こう思います。  そこで大臣にちょっと申し上げておきたいと思いますが、こういう問題は、原因をはっきり追及してみないと、ここでその的確な判断は下せないと思いますけれども、やはり何と申しましても特定局運営という問題と、それから今日の保険募集が非常にやりづらいということも確かにあると思います。だからこのことを契機としまして、本年度の募集状況あるいは将来における募集やり方、そういうものについては相当検討を要するのではないかと思いますので、こういう事件が再び起きないように、十分に一つ督励をし、また注意してもらいたい。なおこれは詳細な資料をもらって、次に質問をしたいと思いますので、大臣の方でも十分に事務当局の方に督励をお願いしておきたい、こう考えます。  まだ事務当局は来ておらぬですか、仲裁裁定についての……。  それでは電電公社の方が来ておられますから、先に電電公社の方に御質問したいと思いますが、まず最初に電電公社責任者に私はその責任を追及したいと思います。この前の当委員会において、私の方から資料要求いたしまして、もうすでに三週間にもなっておるわけでありますが、この資料はまだ出ておらぬわけでありますが、どういうわけですか。
  18. 佐々木卓夫

    佐々木説明員 お答えいたします。実は私の方から御連絡をとっておいていただいておると思ったのでございますが、先般の委員会で御要求のありました資料につきまして、実は有線放送対策は、御承知のように郵政省の方で基本的にこれをどうするかということを御審議願っておるわけであります。それとの関連もございまして、それと全然切り離した対策は持っておることは持っておるのでございますが、そういう新事態に即応した詳細な計画ということになりますと、現段階におきましてはまだできておらない。従って本日お渡ししておるのではないかと思いますが、全国的にこういう考え方でおる、これは御要求のものは詳細なる計画ということでございましたので、御要求にぴたっと合っていないのではないかと思いますが、そういう事情がございまして、実は延び延びになっておるのであります。
  19. 森本靖

    森本委員 きょう渡されたのは、「農山漁村における電話普及改善対策」ですが、前のときに資材関係から建設関係要求をしたものが出ておらぬように思いますが、これは出ておりますか。——それではこの「農山漁村における電話普及改善対策」は、本日これをもらいましたので、この内容については、またあとでお聞きしたいと思います。  そこで電電公社にお聞きしたいのは、今度四月一日から海外技術連絡室というものを技師長室に設けたようでありますが、この海外技術連絡室というものの目的はどういうところにあるわけでありますか。
  20. 佐々木卓夫

    佐々木説明員 ちょっと今担当の者が参っておりませんので、かわりましてお答えしてよろしゅうございますか。——大体ねらっておりますことは、もうすでに二、三年前からあるのでございますが、たとえばコロンボ・プランで、フィリピンその他の政府から通信技術者の教育をしてもらいたい、これはもちろん外務省経由公社が引き受けておるのでありますが、そういった点を内部的に処理する関係、あるいはさらに進みましては、日本通信技術そのもの海外紹介する。これはいろいろな技術上の参考資料を各通信関係者にお送りする、こういうことも含まれておるわけでございますが、そういったことが最近相当ひんぱんに起って参ってきておりますので、これを処理する事務当局、こういうことでございます。
  21. 森本靖

    森本委員 これは通信技術海外に対する紹介というふうな意味ですか。それともこの電電公社海外技術連絡室というものは、将来海外に対して大きく発展をする意味における一つ準備工作としてのものをやるというふうに考えてもいいのか、あるいはまたこれは単なる体裁に作ったというものか。その壮大なる抱負があれば、一つこの際壮大なる抱負を明らかにしておいてもらいたい。これは当委員会でも前々から通信海外技術の問題については相当論ぜられた問題でありますので、たまたま四月一日にこれが発足をしたということを私の方では聞きましたので、これは非常にいい計画だというふうに考えて、この際委員会を通じてこういうふうに置いたものの内容、構想というものを一つ明らかにしてもらいたい、こう考えて質問しておるわけであります。
  22. 中尾徹夫

    中尾説明員 お答えしますが、実はまだ発足しておらないのでありまして、目下検討中で、発足したとおっしゃいましたけれども発足はしておりませんですから、その点は一つ御了承願いたいと思います。
  23. 森本靖

    森本委員 四月一日から発足するということではないのですか。
  24. 中尾徹夫

    中尾説明員 発足させようと実は考えたのですけれども、いろいろな手続その他がありまして、発足はまだいたしておりません。
  25. 森本靖

    森本委員 これは私は一つも遠慮することはないと思うのですよ。いいことであればやはりいいことで、堂々とやればいいと思うのです。ただそれが各省行政機関を侵すようなことでなければ、私は電電公社自体技術面を担当する意味における海外技術連絡室というようなものについては、電電公社が大っぴらにやってかまわぬと思う。もっともそれが通産省領域とか外務省領域とかいうことになってくるとこれはまた別でありますけれども日本通信業の中心をなしておりますところの電電公社が、こういう面に目をつけて発展をしていくということは、私は何も遠慮する必要はない、こう考えているわけでありますが、四月一日に発足するつもりであったがいろいろな事情によってできないということになりますと、大体いつごろ発足する予定ですか。
  26. 中尾徹夫

    中尾説明員 おそくとも来月の一日ごろには発足させたいと考えておりますが、新しい機構のものですからそれぞれ関係のところの了承も一応求めなければなりませんし、まあそういうような事情で一ヵ月くらいは大体おくれる予定です。
  27. 森本靖

    森本委員 そこで、この海外技術連絡室を一ヵ月あとに置くにいたしましても、一応の目的があると思うわけであります。その目的を一応大綱別にここで発表願いたいと思います。
  28. 中尾徹夫

    中尾説明員 詳細なことは実はここに資料も持っておりませんが、先ほど話がありましたように、日本技術東南アジアあるいはその他の方面につきまして連絡したり、また紹介したり、大体そういったことをやりたいということが一番大きな目的であります。
  29. 森本靖

    森本委員 この問題は、それ以上は公社事務当局ではなかなか答弁がしにくいと思いますが、この問題は重要でありますので、私は大臣に特に要請をしておきたいと思います。  電電公社が初めてこういう海外技術連絡室というものを作って、東南アジア、広くアジア各国に対して日本通信技術紹介をし、また向うさんの通信のあり方その他についても日本がよく知って、そうして海外における通信技術交換、ひいては最終的には、これはやはり日本通信技術海外にどしどし出ていくことではなかろうか、こういうことまで私は考えるわけでありますが、これは今非常に重要な問題でありますし、単に電電公社事務当局だけにまかしておくべき問題ではないのであります。こういう問題については、むろん技術面については電電公社が主体になっておりますけれども、実際の外務省との問題あるいはまた通産省との問題、こういう問題があるわけでありますが、日本通信技術というものを広く東南アジア各国に対して紹介もしまた輸出もする、こういう大方針のもとに進んでいくならば、これは郵政大臣自体が積極的に今言った各省とも話し合いをして、そうして広くこの方面に手を伸ばす、こういうことをやっていかなければならぬ、こう考えておるわけでありますが、大臣のこの点についての見解はどうですか。
  30. 平井太郎

    平井国務大臣 御指摘通り私といたしましても海外に向っての技術交換技術の指導、またお互いの有無相通ずる問題につきましては当然考えておりまして、現在郵政省といたしましても、通産省並びに関係当局ともその問題については検討をいたしております。必ず御期待に沿う線でできるものと考えております。
  31. 森本靖

    森本委員 まあ大がいのことは検討しておるという答弁でありますが、その問題は実際はわれわれ当委員会委員としても非常に大きな関心を持っておる問題であります。若干外国のことなんかもひもといて見ますと、外国なんかにおいては直接技術者外務省の出先の役人みたいな格好において、相当進出をしておるという余地もあるわけであります。ところが日本では、そういうようなことは全然なしに、外交方面は今までの外交一つも変らぬというような実際のやり方であって、通信技術を広く海外紹介もしまた重要な輸出品目にもなると思いますが、そういう点の努力が日本の今までの政府には非常に欠けておるというところが指摘されるわけであります。これはアジア各国を見ても、通信の未開発地域は非常に多いわけでありまして、日本進出をする余地は多分にあるわけであります。そういう点については、単なる検討だけでなくして、実行段階として具体的にどういうふうにやっていけばこれが実行できるのか、そういうところまで具体的に検討して、せっかく郵政省電電公社という大きな一つ企業体をかかえておるのでありますから、その技術最高度に発揮をし、そしてそれを行政面に生かす、それは何と申しましてもその監督権限を持っておりますところの郵政大臣がやらなければならぬ、こういうことになってくるわけでありますので、これは大臣も単なる口先だけではなくして、具体的によく電電公社の意向も聞いて、さらに業界等の意見もあろうと思いますが、これは単なる業界の利潤とかなんとかいうことでなくして、広く日本対外貿易という見地から見ましても、また将来の百年のアジアにおける通信業界ということを考えても、非常に重要な段階であろうと思う。そういう点を十分に考えて、大臣はもう少し熱意を持った検討をしないと、今電波監理局長がちょっと検討しておると答えたらどうかというようなことで、検討しておりますといったような答弁だったような気がするわけでありますので、そういうことでなくして、ほんとうに今言った内容の趣旨からして、真剣に郵政省電電公社もこの問題について取り組んでいく、そういう気魄をはっきり示してもらいたい、こう考えておるわけです。
  32. 平井太郎

    平井国務大臣 お話の件は私といたしましてもまことに尊重すべき事柄であると考えます。そこで御指摘のようにこれは確実に実行に移すべきものである、かように存じます。従いまして今後事務当局並びに外務省通産省その他関係各省とも密接な連絡をとりまして、実行に向って努力いたします。
  33. 森本靖

    森本委員 郵政省人事当局がまだ来ておりませんので、今度はさらに公社事務当局にお聞きしたいと思います。この間私が電報の問題について非常に詳しく質問をいたしましたが、今度公社の方で何か新しい電報をやるようであります。何か新聞には慶弔電報花輪電報をやるというようなことも載っておりましたが、電報増収についてそこまで考えると、ちょっと行き過ぎではないかというふうに考える点もあるわけでありますが、今回の新しい電報制度というものを一通り説明を願いたいと思います。
  34. 吉沢武雄

    吉沢説明員 今御質問花輪電報のことでございますが、実はかつてそういう花輪電報というのがどのぐらい利用され、あるいは一体需要があるものかというような調査をしたことがございます。現段階におきまして私ども見解といたしましては、利用の面におきましてもごく限られた範囲でございますし、非常な手数その他から見ても、とうていこれは公社が今やるサービスでない、こういう見解でございまして、別にやるというようなことを発表したことではございません。なおその他につきましては、おっしゃるように電報を無理やりに勧誘する、こういう考え方でなく、一般に利用される電報であってまだ非常に便利なものがあるというものにつきましては、目下調査をいたしております。いづれ確定いたしましたらそのときに公表いたしたい、こういうように考えております。
  35. 森本靖

    森本委員 それではこういう慶弔贈呈電報で新しくできるというものは現在のところはないわけですね。
  36. 吉沢武雄

    吉沢説明員 慶弔電報そのものにつきましては、別に新しい追加を考えておりません。ただ最近の新しい書体とかあるいは文句、こういうものがだいぶ変っておりますから、時代に応じた文例に改革したい、これは目下研究しております。その他におきましては、案内電報という言葉で最近世間に知られておりますが、これは別に慶弔電報の別の形態ではございません。どういうことかと申しますと、商店とかあるいは百貨店、こういうところで子供さんの入学とか誕生日電報を打って祝意を表したい、ついてはその祝意の際に、弊店に来れば割引をする、こういう考えで、実は電報頼信紙そのものに一緒にビラを配った例があったのであります。私どもの方としましては、これはやるべきでない、電報ビラを配るということは行き過ぎであるということによりましてただいまは廃止しております。そこでその案内電報というのは別にビラを配らずして、そのような市内の電報で一括して祝意を表する、こういう電報については、慶弔電報として特別な送達紙を用いてやる、それだけの差でございます。料金その他も別に割引ということも考えておりません。ただそれだけの問題であろうと考えております。
  37. 森本靖

    森本委員 それで大体わかりました。公社も良識ある方々が運営をしておりますので、まさか花輪電報までやるとは思わなかったわけでありますが、過日新聞電報一本打てば電報局花輪を持っていく制度が近くでき上る、こういうことが報道されたので、これはちょっとおかしなところまで進行するなと思って、老婆心ながら聞いたわけであります。幸い良識ある当局ではそういうことはやらない、こういうことでありますので安心をいたしました。  それでは次に、電電公社は次々と新しいことを考えるようでありますが、ニュース電話というものを考えているようであります。それはどういう内容ですか。
  38. 吉沢武雄

    吉沢説明員 ニュース電話というのは一般の俗語でございまして、それはこういう種類のサービスではなかろうかというふうに考えております。それはニュースなりあるいはスポーツの結果なり、こういうものをある特定の番号で新聞社なりのところにかけますと、それが録音によりまして、何分かの間にそのときの新しいニュースあるいはスポーツの結果を流す、こういうサービスがございます。これにつきましては私ども慎重に設備状況を考えまして、現在の設備から見まして、そのように多数の通話が一ときに殺到する場合に、一般の加入者の通話の疎通に支障を来たさない、こういう前提でどの辺までできるものかという程度の研究を今しておる次第であります。
  39. 森本靖

    森本委員 研究段階ですから私はあえてこれ以上の質問はしたくないわけでありますが、これもやはり花輪電報の形式になっては困りますので、老婆心ながら質問の形式で若干の意見も申し上げておきたいと思います。ニュース電話ということになりますと、今申しました電話の回線の利用度数と、それから市内電話の回線数というものとを十分考慮する。さらにそのニュース源の問題についても、これは今度のテレビ・チャンネル・プランを見てもわかるように、各新聞社の競争というものは非常に激烈なものがある。しかもこれがNHK、民放または新聞社等、ニュース・マンというものは、ニュースを提供するということについては非常に競争心があるし、また敏感であります。それをどこかの一社ということになりますと、あとの社はとうてい黙ってはおらないであろう、こういうことにもなりかねないのであります。そうなりますとこれは非常に電話回線の問題も起ってくるわけでありますので、その辺を十分慎重に考えてやらないと、かえってこれは非常に危惧せられる面があります。案そのものは非常にいいわけでありますが、実行面においては相当慎重に考えなければならぬ。たとえばニュース源についても大きな新聞等から平等にやるとかいうふうな方法を考えるなり、あるいはNHKと民放との間においても、もしそういうことになればこれを平等に扱うというようなことを考えなければできない。しかしそうなりますと回線数の問題も出てくる。そういう点について若干私は疑義を持っておるものでありますが、どこがどう、何がどうということでなくして、そういう問題についてはいわゆる表面的にどうこれを解決つけていこうと考えておりますか。
  40. 吉沢武雄

    吉沢説明員 おっしゃるように特別な考慮を払わなければいかぬサービスであると思います。申すまでもなく、現在の東京にいたしましてもなかなか電話が通じないというところが相当あるわけです。特に今のようなサービスになりますと、一社に対しまして相当な回線を一時に提供しなければならぬ、のみならずその回線の提供によりまして、そのグループに入っております一般加入者の通話も話中になる、こういうようなことで疎通上の問題に多分に研究を要するものがあるのであります。従ってもしもこれがほんとうにいいサービスということを考えますならば、いずれそのような調査をいたしまして、あるいは実施なり試験をした結果によりまして、本格的なことを考えるべきだ。今日かりに現在の設備状況でやるならば、いろいろな制限のもとに御心配のような点がないようにしてやるべきであろうという意味で目下考えております。なお御指摘のように公平にそういうサービスを提供すべきだという観念につきましては、私どもも全くそのように考えていきたいというふうに存じております。
  41. 森本靖

    森本委員 私がしろうと目に考えてみましても、これを実行段階に移す場合には、今言った電話回線の問題とニュース源の問題と提供者の問題ということで、非常に問題があろうかと考えます。しかし制度としては、これはだれが考えたか知りませんけれども、一応いい制度であるというような気も私はするわけであります。従ってそれを研究してやるということについては私は何ら差しつかえないように思いますが、そのやる過程のものに十分気をつけなければこれは問題になると思いますので、その辺の運営については公社当局あとあとどこからも文句を突っ込まれないように十分考えた上において実行せられることを特に望んでおきたいと思う次第であります。  郵政省事務当局が来られましたが、その前に電電公社の方を全部済ましておきたいと思います。電電公社の方の今度の仲裁裁定については、公社当局の方としてはおそらく仲裁裁定通り実施をする、こういうことであろうと思いますが、公社当局の方から言明を願いたいと思います。
  42. 山本英也

    ○山本説明員 お答えを申し上げます。電電公社には御承知のように六日に仲裁裁定が出まして、目下私どもこの仲裁裁定のおっしゃっておりますところを正確に把握しようと努めております。
  43. 森本靖

    森本委員 ちょっと大きい声で言ってもらいたいと思いますが、仲裁裁定を完全に実施するような措置をとるべく検討しておる、こういうことですか。
  44. 山本英也

    ○山本説明員 仲裁裁定は、私ども公社といたしましては、実施をしなくてはならないというふうなことでございますので、仲裁裁定で裁定のありました趣旨に従って、実施をしたいとは考えております。
  45. 森本靖

    森本委員 それで、この予算措置その他についてはどういう考え方ですか。
  46. 山本英也

    ○山本説明員 お答えを申し上げますが、予算措置その他につきましては、まだどういうことということを御説明申し上げますまでには至っておりませんので、御了承願います。
  47. 森本靖

    森本委員 あえてそれ以上聞く必要はないと思いますけれども、しかし実施をすることになりますと、当然予算問題をどうするかということにも考えを及ぼしていかなければならぬわけでありますので、その点についても万遺憾がないと思いますが、今回の仲裁裁定については、電電公社の場合には、財政的には比較的やりやすい面があるのではないかということも若干考えられますが、とにかくこの点については完全に実施をするべく、予算措置その他についても検討しておる、こういうことでしょう。
  48. 山本英也

    ○山本説明員 おっしゃいます通り仲裁裁定の趣旨を実施するように努力をしたい考えで、目下せっかく関係の御当局その他と折衝を進めておる最中でございます。
  49. 森本靖

    森本委員 それでは電電公社の方を終りまして、今回の仲裁裁定で一番問題のありますのは、何と申しましても財源的には国鉄と全逓ということになりますが、その中でも郵政省の場合は非常に財政的にゆとりがなくしてやりにくいということになるわけでありますが、今回の仲裁裁定を完全に実施するということは、この郵政省仲裁裁定の場合には一万七千四百七十二円プラス千二百円で一万八千六百七十二円ということを、仲裁裁定の完全実施ということでさしておるのかどうか、この点を一つ質問したいわけであります。
  50. 大塚茂

    ○大塚説明員 基準内賃金の増額については、予算上おっしゃる通りでございます。
  51. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、一万七千四百七十二円プラス千二百円で一万八千六百七十二円ということになった場合には、予算単価としてはそれが実施をせられる、こういうことになるわけですね。
  52. 大塚茂

    ○大塚説明員 そう解釈をいたしておりおります。
  53. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、仲裁裁定の中に出てきますところの「予算単価を五一〇円上まわっている。したがって、いま予算単価の上にさらに」云々と、こういうことがあって、これが若干ひっかかると思いますが、ここでこの問題をさらに突っ込んで質問をしようとは思いませんけれども、一万七千四百七十二円プラス千二百円の一万八千六百七十二円というものが予算単価で、これは動かせない数字である、こういうことになった場合には、この一万八千六百七十二円のワク内において郵政省がやるということについては、これはどうやっても、従来通り差しつかえない、こういうことになるわけですね。
  54. 大塚茂

    ○大塚説明員 予算単価を千二百円ふやしていただいた範囲内において、仲裁裁定で示されておりますように、団体交渉によってきめるということになろうと思います。
  55. 森本靖

    森本委員 実際問題としての具体的な——たとえはこの中でそういう予算単価が一万八千六百七十二円と出ましても、具体的にそれを実行に移す場合に、大蔵省の方からどうだこうだというふうなひもは結局何もつかぬということになるわけですね。
  56. 大塚茂

    ○大塚説明員 そこまでわれわれはまだはっきりいたしておりませんが、とにかく一万八千何がしという予算単価になりますので、そこまでは年間の平均ベースとしていき得る、こういうふうに考えております。
  57. 森本靖

    森本委員 そうすると、ここにありますところの「一七、一五〇円と予算単価を五一〇円上まわっている。」ということで、これを通常いうところのやみ給与というふうに大蔵当局は言っておるのじゃないかということが想像されるわけでありますが、これは決してやみ給与ではないというふうにわれわれとしては見えるわけでありますが、この点の見解はどうですか。これは一つ大臣に聞いておきたいと思いますが、どうですか。
  58. 平井太郎

    平井国務大臣 現在の段階においてはさようなことはございません。
  59. 森本靖

    森本委員 それで安心いたしました。一つこの問題についてもこの仲裁裁定にあるように早急に完全に実施をする。それから予算措置についても、一番難関は郵政省でありますので、あとで問題にならないような完全なる予算措置を講ずるということも、これは非常に重要な問題でありますので、その点を早急にやられることを望みまして、私の質問を一応終ります。
  60. 松井政吉

    松井委員長 それでは委員長の方から申しますが、きょう「農山漁村における電話普及改善対策」という資料をいただきましたが、そのうちの普及対策方針の項だけでも、資料だけでなくて若干説明をしていただいた方が、委員諸君の研究にいいのじゃないかと思いますが、簡単に要点だけでけっこうですから御説明願いたい。
  61. 佐々木卓夫

    佐々木説明員 それでは簡単に説明させていただきます。この資料にも書いてございますように、電電公社でこういった地域の電話整備対策として考えておりますのは、比較的民家の密集しております地域をさしあたりの対象に考えております。その考え方といたしまして、この初めの一ページに書いてございますように、半径一キロないし二キロの範囲一つの聚落を形成しておる、こういうもののうち、全国で電話の全然ない聚落の数が一万二千あります。電話がごく少いところ、これは特別加入、区域外加入とか、いろいろな形で電話があることはあるけれども、非常に少いといったような種類の聚落の数が一万三千、従いまして、差し向き私どもの方で考えておりますのは、この両方合せて二万五千ヵ所くらいを対象にして、電話の整備を考えておるわけでございます。それでそのやり方といたしましてまず第一に考えておりますのは、これは先年度からすでに手をつけておるわけでございますが、無電話部落に対して公衆電話を少くとも一つつけようということで、先年度から着手いたしておるわけでございますが、その数が、ここに書いてございますように、全国で一万八千ヵ所、一万八千個と言っていいかもしれませんが、この計算といたしましては電話の全然ない集落一万二千に、電話のごく少い聚落の一万三千の約半分くらいは公衆電話を必要とするであろう、きわめて概算的な考え方でございますが、そういうめどで一応一万八千を考えております。  その次に考えております対策といたしましては、別途制度的に多数共同電話を——これはいなかの場合におきましては十共同まで共同電話をやるという制度を持っておるわけでございますが、こういう制度を適用いたしましてこの多数共同、あるいはここに群集電話と書いてございますが、これは最近公社の方で主として加入者線路設備を節約いたしますために、自動交換装置を線路の両端に置きまして一台の線路費用を節約する、こういうことによりまして電話を架設するための創設費を軽減いたしまして、そういう方法でなるべく広く電話を利用していただこう、こういうことも別途考えておるわけでございます。  次の3の需要の多いしう落で、もより電話局に比較的遠距離にある聚落に対しては小交換機、これは十回線とか十五回線あるいは二十五回線といったような、非常に容量の少い簡易な交換機がございますので、そういうものによりまして簡易な交換事務開始をやっていきたい、こういうふうに考えております。  もう一つ対策といたしましては、これは先般来問題になっているところでございますが、有線放送との関連を考えまして、新たに団体加入電話制度ということを考えておりますので、そういう方法である程度電話の普及をはかっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  そこで以上のようないろいろな具体的なやり方が地域その他によりまして違うわけでありますが、大体六ヵ年計画をもちまして、総額約百五十億でいわゆる現在無電話部落と称せられておる比較的人家の密集した地域について、ほとんどこの電話のないところをなくしよう、こういうことを考えておるわけでございます。  なおこの説明書にも書いてございますように団体加入制度、すなわち現在の有線放送との関連の問題につきましては、有線の方で御審議願っておりますところの方針が確立せられましたならば、それに対応して公社の方でもしかるべく対策を確立したいというふうに考えておりますので、この説明書には出ておりません。  それから以上のような対策で、経費は六ヵ年で百五十億ということを考えておりますが、電話の普及率という見方をした場合に、しからばどういうふうになるかということをちょっとつけ加えますと、現在こういう農山漁村の電話の普及状況といったものは、人口百人当り大体一・〇八くらいだと思います。従いまして以上申し上げましたような百五十億の予算でもって、今後六ヵ年やりました場合の終極的な形というものは、大体現在われわれの方で八級局と言っておりますが、それと同程度の普及になるところまで持っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。簡単でございますが御説明を終ります。
  62. 竹内俊吉

    ○竹内委員 ただいまの電電公社農山漁村における電話普及改善対策については、今簡単な御説明を伺っただけでありますから、いずれ詳しいことはお尋ねしたいと思いますが、その前に今御説明がありました電話のない地域の聚落という言葉で表現しておりますが、人家の密集した、こういう御説明でございますが、この聚落という概念の御説明一つお願いしたい。
  63. 佐々木卓夫

    佐々木説明員 大体これはここに書いてございますように、半径一キロないし二キロの地帯内に民家が少くとも百戸以上くらいある地域、こういう個所をあげてあります。
  64. 竹内俊吉

    ○竹内委員 これが大へん問題なのでありまして、半径一キロないし二キロでは大へんな違いなのです。現在の電電公社でやっております農村電話の問題も、このエリアの取り方をどうとるかということが、実際的には非常に大きい影響をしておると思います。北海道ではおそらくこれは半径二キロでしょう。
  65. 佐々木卓夫

    佐々木説明員 さようでございます。
  66. 竹内俊吉

    ○竹内委員 北海道以外の地域は一キロでしょう。ところが東北においてはほとんど北海道よりも、そういう意味ではもっと二キロぐらいのエリアをとらなければ適用されない土地が非常に多いのであります。土地があんなに広いのに、人口が五分の一くらいしかない、こういう地域がさらにこの規定で当てはめられると、東北——あるいは北陸地帯もそうですが、非常に恩恵にあずからないという事態が出てくるわけでありますから、このエリアの取り方を、今日までやりました農村の無電話部落の実績にかんがみまして、もう少し詳しく地域的に分けて一つ資料でけっこうですが、この次お出し願って、それによってまたさらに質問したいと思いますが、エリアの取り方についてはもう少し実態に即した詳しい措置をお考え願いたいということを特に要望して、詳しいことはいずれまたお尋ねいたします。
  67. 松井政吉

    松井委員長 ただいまの資料に基く質疑等は次会に譲りまして、次会は十八日午前十時三十分より開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十八分散会