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1957-03-23 第26回国会 衆議院 逓信委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十三日(土曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 松井 政吉君    理事 小泉 純也君 理事 竹内 俊吉君 理事 橋本登美三郎君 理事 早稻田柳右エ門君    理事 松前 重義君 理事 森本  靖君       上林山榮吉君    斎藤 憲三君       椎熊 三郎君    濱地 文平君       平野 三郎君    井手 以誠君       佐々木更三君    杉山元治郎君  出席政府委員         郵政政務次官  伊東 岩男君  委員外出席者         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  平山  温君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社理事         (経営調査室         長)      田辺  正君         日本電信電話公         社         (職員局次長) 飯森  実君         日本電信電話公         社理事         (業務局長)  吉沢 武雄君         日本電信電話公         社         (計画局長)  佐々木卓夫君         日本電信電話公         社理事         (施設局長)  米沢  滋君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 三月二十日  鹿児島県における有線放送の二重施設反対に関  する請願伊東隆治紹介)(第二四二一号)  笹森山にテレビジョン放送局誘致に関する請願  (鈴木周次郎紹介)(第二四二二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件  郵政監察に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件     —————————————
  2. 松井政吉

    松井委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。発言の申し出があります。順次これを許します。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 この法案についての質問をしたいと思いますが、まずお聞きしたいのは、PBX自営が許されて以来の直営自営とのパーセンテージと、できればそれを金額に直したらどれくらいになるということを、二十八年から三十一年までのものについてちょっと御説明願いたい。
  4. 平山温

    平山説明員 お答え申し上げます。二十八年度末、二十九年度末、三十年度末の数字について申し上げます。PBX構内交換電話設備施設数の総件数は、二十八年度末は一万五千百五十五、二十九年度末が一万六千三百四十六、三十年度末が一万七千五百九十二でございます。このうち直営の分について申し上げますと、同じく施設数でございますが、二十八年度末が六千二百八十一、二十九年度末が七千三百二十四、三十年度末が八千五百五十六でございます。自営の分を申し上げますと、二十八年度末の施設数が三千四百三十四、二十九年度末が四千三百十七、三十年度末が四千七百九十一でございます。なお直営自営のほかに保守引き受けというのがございますが、これの施設数件数を申し上げますと、二十八年度末が五千四百四十、二十九年度末が四千七百五、三十年度末が四千二百四十五となっております。それから構内交換電話設備内線電話機について、やはり施設数を申し上げますと、二十八年度末の総計が四十五万九千四百六十一、二十九年度末が五十二万三千五百十二、三十年度末が五十七万一千四百三十三でございます。このうち直営のものを申し上げますが、二十八年度末が十五万一千十二、二十九年度来が十八万四千二百九十七、三十年度末が二十一万六千五百九十でございます。自営内線電話数を申し上げますと、二十八年度末が十五万七千百六十一、二十九年度末が十九万六千九百六十二、三十年度末が二十二万三千百四十六でございます。保守引き受けは二十八年度末が十五万千二百八十八、二十九年度末が十四万二千二百五十三、三十年度末が十三万一千六百九十七と相なります。
  5. 森本靖

    森本委員 この間の松田監理官答弁と今の答弁で、その数量は明らかになったわけでありますが、そこで最初に戻りまして、今回の改正についての問題でありますが、これを制定のときに除外しておったということについてのはっきりした理由一つ述べていただきたいと思います。
  6. 平山温

    平山説明員 御承知のように現在構内交換電話設備、すなわちPBXについては自営を認めております。この理由PBX建設保守につきまして、それ以前は公社直営でやっておったわけでありますが、その当時の事情といたしまして、必ずしも加入者要望から見て順調に進んでいなかったということが一つ、それからPBXをつけました場合に、その当時は設備負担金というものを加入者に持っていただくことになっておったのであります。現在はこれが債券に変っておりますが、当時は設備負担金ということになっておりました。これは公社直営のままで設備負担金を持っていただくということにつきまして、やはり負担される方の側からいきますと多少難点がございました。そういったわけで、当時PBX自営を認めてほしいという利用者要望もかなり強いものがあったのであります。それでBPXの自営開放を提案いたしまして、国会の御審議を得て、それが認められて今日に至っておる、かように考えておるわけでございます。そこでなぜ乙増自営も同時にそのときに認めなかったかというのが御質問の御趣旨かと存じますが、乙増につきましては、公社直営でやっておりました当時、先ほど申しました建設保守につきましても加入者の方にそう御迷惑をかけていなかった、従って直営のままで置いても、利用者の方にさして不便はなかろうというような考え方で、当時はPBX自営だけの法案を提案いたしまして、乙増の問題は直営のままでやるということにしておったのであります。ところが今回は御承知のようにこの乙増開放につきまして、法律改正案を提案いたしまして御審議を願っておるわけでありますが、この理由甲増開放後の様子を見ますと、直営自営もかなり順調にこの仕事が進んでおります。それから乙増電話機をつけたいという要望も漸次増加してきております。そこで今後の措置といたしましては、甲増開放後の結果等も考え合せまして、この際直営のほかにPBXと同様に自営も認める、そして両者共存の形で進めていく方が利用者に対しても、あるいは全体の電気通信の発達を期する上からいってもその方がむしろ望ましい、両者共存の形をとって、全体のサービスの向上を期する方が望ましい、かように考えましたので、今回は乙増自営について法律改正をお願いした次第でございます。
  7. 森本靖

    森本委員 その問題はそれくらいにして、公社関係の方が来られましたので、過日いただきました電信事業経営合理化推進委員会結論とその実施要領というものについて、これは電信事業における画期的な改正を含んでおりますので、非常に国民にも関係の深い事項が多いわけでありますから、質問をしておきたいと思います。まず最初にこの電信事業合理化推進委員会というのは、どういう形で行われておりますか。
  8. 田辺正

    田辺説明員 この委員会委員長経営調査室次長の山下でございます。それから委員保全局その他関係各局から一人ずつ課長をあてて構成いたしております。
  9. 森本靖

    森本委員 そうするとこの電信事業合理化推進委員会性格はどういう性格ですか。
  10. 田辺正

    田辺説明員 この委員会性格は、電信事業合理化につきまして、総裁の命によりまして研究調査をいたすというのでございます。
  11. 森本靖

    森本委員 そうするとこれは電電公社総裁の命令によって、事業経営合理化についての案を立てるという意味ですか。
  12. 田辺正

    田辺説明員 仰せ通りでございます。
  13. 森本靖

    森本委員 この資料は非常に簡単でありますが、なかなかわかりにくい点もあるわけであります。まず最初サービス改善については、「その受付通信配達方法等につき合理化方策を講ずる。」というのがあり、その次に「料金についてある程度値上げをやむを得ないものとする。」という重要な一項目があるわけであります。これは推進委員会としてはそういう意見であるが、公社意見としてはどういうところにあるか、この点について副総裁の方からお聞きしたいと思います。
  14. 靱勉

    靱説明員 今田辺説明員から、これは公社としての案を立てるようにお答えがありましたが、公社としての案を立てるという権限は持っておりません。要するに電信事業経営合理化の諸事項について調査してその結果を報告するというだけのものであります。従いまして推進委員会結論をさらに公社としては検討いたしまして、順次実施していくという考えに立っております。そこである程度料金値上げもやむを得ないというような結論になっておりますが、公社といたしましては、値上げするとも、このままでおくとも、この合理化委員会の答申に対しましていまだ決定いたしておりません。
  15. 森本靖

    森本委員 単なるままごと遊び推進委員会を作ったという意味ではないわけですね。これは一応公社の基本になるものを作ってみて、それをほんとう実施する段階になると、これは非常に重要だから、これが実施方についてはもう少し検討しなければならぬ、こういうことですが、どこか違ったものが委員会を作っておるならば、これは単なる諮問機関という形において意味もわかりますが、同じ公社の内部において合理化推進委員会を作った、しかしそれは公社の方針ではない、こういうことで推進委員会性格というものがはっきりいたしませんが、単なる総裁諮問機関として作っておる、こういう意味ですか。
  16. 靱勉

    靱説明員 今仰せ通りでありまして、もちろんこれはむだな作業をしたというのではございません。しかしながらただいま田辺説明員から御説明申し上げたように、その構成をごらんになれば、経済調査室次長委員長となって、関係各局課長委員であるということでありまして、公社としましては、重要なる事項の決定につきましては、各部局長をもって構成いたしまする幹部会議審議を経なければなりませんし、また郵政省等に認可、あるいはその他法律的措置を要する事項につきましては、もちろん経営委員会審議も経なければならないということであります。しかしながらいずれもそれぞれの専門的な立場から意見を調整いたしまして出た結論でございますから、これの是非を公社として決定する場合におきましては、非常に重要なる結論であるというふうには考えておりますが、公社としましてはもちろんこの結論に拘束されないで別の意見が立つ、こういう性格のものであります。
  17. 森本靖

    森本委員 それでややこの電信事業経営合理化推進委員会というものの意味がわかって参りました。しかしこの推進委員会のきめておる事項は、非常に重要な事項を相当きめておるようでありますが、これを実際に実施をする段階になりますと、この中に出てきます料金値上げ問題等については、かなり重要な問題でありますので、実施に当っては相当慎重にやらなければならぬことが非常に多いわけであります。そこでこの中で料金の問題については、今言ったように一応検討されておるということですが、次にサービス改善について、その受付通信配達等方法について、合理化方策を講ずるということで、ずっと委員会合理化方策を講ずる実施要領というものが、二つに分けてこの資料に載っておりますので、この資料に従って私は質問をしてみたいと思います。  新サービスの提供というところで、贈呈金付慶弔電報実施ということは、これは一応意味がわかりますが、次に慶弔電報文例拡大というのがあります。この中で私は、公社当局が行なっておりますところの今のお祝い電報悔み電報という問題、これはある程度意味はわかりますが、ただ年賀電報については年々増大してきておりますか、それともどういう傾向にありますか。
  18. 吉沢武雄

    吉沢説明員 お答えいたします。大体年々一割程度増加を見ております。
  19. 森本靖

    森本委員 それで将来も年賀電報拡大されて、うんと増収になっていくという見通しですか。
  20. 吉沢武雄

    吉沢説明員 年賀電報につきましては、内容についてまだ検訂の余地が残っておると好じております。かつまたこのような電報を強制的に局に割り当てて、無理な勧誘をするということも考えものでございます。自然にこの電報を喜んで利用される、こういう意味周知宣伝はいたしますけれども、無理に割当制度によって強制的な勧誘をするということは差し控えるべきだ、こう考えております。しかしそのようなやり方におきましても、ただいま申し上げたように年々一割程度増加を見ておる、こういうことでございますが、それでは将来につきましても一割というような増加を見ていくかどうかということにつきましては、そう楽観あるいは増加率を見込むということは考えておりません。
  21. 森本靖

    森本委員 今の局長の御答弁はまことにけっこうなことでして、確かに年賀電報の問題については、今局長が言われたような点が多々ありますので、その点も十分に考慮して、慶弔電報についてもこれを発展させ、拡大させていくというなら、そういう無理な方向のことでなくして、平生慶弔電報についてもっと創意工夫をして、年賀電報を無理に割り当てるということをその方向にさくならば、もっと営業成績が上る慶弔電報やり方もあるのじゃないかというように考えられます。その点は、今の局長答弁には私も全く同感でありますので、その他の方向拡大をしていくように、この実施については十分に考えてもらいたいと思います。  そこで次の電報受付機関拡充については一応出されておりますが、その次の普通公衆電話からの電報の発信であります。これもまことにけっこうな企画でありまして、国民もこれを望んでおると思いますが、これは具体的にどういうふうにやるお考えですか。
  22. 吉沢武雄

    吉沢説明員 まず一般からこのような希望がございまして、早くこの要望に沿いたいというふうに考えておったのであります。そこで大事なのは、公衆電話から電報をかける場合に一体幾ら電報料が要るか。その金を公衆電話の中に入れなければなりません。従って、現在までの公衆電話機械に、貨幣投入口、さらにそれが確実に幾ら入ったかという銭音確認と申しますか、そういうような装置と、さらに電話局における座席の整備、こういうものを考えまして、このような制度実施したいということにきめまして、目下電話機の方は試作が一応終りまして、大体この秋ごろには一部分でもこのようなものを実施したいと考えております。機械の点でどういうところが違うかと申しますと、ただいままでの公衆電話は、御存じのように十円で間に合うわけでございます。ところが電報では五十円あるいは百円というような相当多額な料金を投入していただくために、五十円の貨幣を入れる口を設け、あるいは五円の貨幣を入れる口というようなものを当然機械的に装置しなければならぬ。さらにそれが何回入ったかということを交換座席の方で銭音によりまして確認をする、こういうように交換座席の方の装置も切りかえる、こういうことになるわけであります。
  23. 森本靖

    森本委員 それから次に、これまた問題ですが、託送料及び度数料廃止ということが載っておりますが、現在電報電話で打つ場合には、度数料託送料と両方取っておりますか。
  24. 吉沢武雄

    吉沢説明員 ただいまのところは両方取っております。度数料は七円、託送料は五円、こういうことになっておりますが、この点につきましては、受付機関拡充なりあるいは電報電話で送ることを大いに勧奨する必要がございますが、この案のごとく目下検討をいたしております。
  25. 森本靖

    森本委員 これは目下検討しておると言いますが、われわれもこういう関係利用することが非常に多いわけであります。一般国民電報を打つ場合には電話を通じて打つという率が、統計を見ても、確かにだんだん高くなってきつつあると私は思いますが、電話電報を打つ場合、電報料を取られて、託送料を取られて、度数料を取られるということは、どうもふに落ちないのです。これは今さら検討するということでなしに、すでに全廃されていい問題ではないかということを考えるわけでが、一通の電報を打つのにかりに託送料を取られるということになれば、度数料は一応廃止するということは、今の場合でも考えられるのじゃないですか。たとえば電話番号を聞く場合には度数料を取られぬわけでしょう。
  26. 吉沢武雄

    吉沢説明員 仰せのごとくこの問題についてはやはり研究の必要がございます。従来のいきさつから、実はこのような託送料を取るというものがずっとありまして、さらにそれが度数制になりますと従って度数料、こういうことになったのであります。そこでどちらの方をまず廃止すべきかということで、私ども目下考えておりますのは、託送料の五円というものは廃した方がいいのじゃないか、こういうふうに考えております。そこで、しからば七円まで廃したらどうか、こういう説もなきにしもあらずでありますが、これは従来の電話関係におきまして、特殊の障害の報告とか、特殊な業務上のために申し出をするとかいうものに限りましては無料電話でございますが、このような電報、しかもこの利用方法ということを考え、また設備上の問題から考えまして、度数料の方は存置していきたい、こういうふうに考えております。しかも料金収入におきましても相当な額を占めております。たしか託送料だけでも年間二億円くらいでございまして、電報事業合理化という一線からいく場合におきましても、この赤字の多い電報事業だけを考えてみた場合には、二億円というものは実はばかになりませんけれども、これは全体の利便なり、あるいは料金合理化の点から、一応託送料だけは廃止していきたいというふうな線で研究をいたしております。
  27. 森本靖

    森本委員 度数料の方は、電報を打ったときの度数料においても、やはり電話会計の方になるわけでしょう。
  28. 吉沢武雄

    吉沢説明員 その通りでございます。
  29. 森本靖

    森本委員 そうすると、それはちょっとおかしいのじゃないですか。電信事業合理化ということで、電信事業赤字ということを何とかして埋めていこう、こういうことを考ておる、だからそういう場合には特に電話を通じて電報を託送する、その手間賃を託送料として取る、こういうような考え方託送料を取っておると思うわけです。だから度数料というものは電話通話回数によって取るわけですから、この度数料は一応置いて、それから託送料廃止する、こういうのが大体正しいのじゃないですか。
  30. 吉沢武雄

    吉沢説明員 ただいま私の申し上げたのも全く森本委員同感でございまして、その線で研究をしているわけでございます。
  31. 森本靖

    森本委員 そういうことになれば確かにけっこうでありますが、しかし、できれば電報電話託送については、この度数料についても一応これは廃止をするのがさらに正しいのじゃないかというように私は考えるわけであります。そこで非常に心配になりますのは、そういうことかいいことであって実行しなければならぬということでありますけれども、これは先ほどの全般的な料金合理化の際に検討するということがあるわけであって、先ほどの料金値上げの問題のときにこれは考慮する、こういうことに解釈をせられるわけですね。そうすると電信料金全部を検討する際でなければこれはできぬ、こういうことですか。こういう問題は全般的な電信料金検討するとき以外にさっそく実行に移してもいいことじゃないか、こういうふうに考えるわけですが。
  32. 吉沢武雄

    吉沢説明員 実はこの料金合理化という問題で、全面的な検討を目下進めておるのでございます。その中には直ちにやった方がいいという問題はこれのみならずいろいろございますが、それらを通計いたしまして一体どのくらい収入に響くか、あるいは利用の便益にどれだけ寄与するかというようなことは、これ一つだけを取り上げるわけにもいきませんし、全般を総合的に考えまして権衡のとれた合理化をはかりたい、こういう意味でありまして、時期につきましてはできるだけ早く実施するようにしたい、こういうふうに実は考えておるわけでございます。
  33. 森本靖

    森本委員 こういう問題は、私がここで言うまでもなく、すでに実施をしておってもいい事項でありますので、全般的に検討してやるというようなお役所主義的なことでなくして、公社はいいことはいいことで、どんどん一つ一つでも進めていくということを十分に考えて、こういういいことは早急にやることを私はこの際要望しておきたいと思います。  次に、今電信における合理化で一番進んでおりますのは電報中継機械化でありますが、そこで機械化がだんだん進んできた。しかしそれにおける人間配置等の問題についてはこの前質問のときに行なっておりますので、それは差し控えますが、ここで私が非常に考えます点は、電報中継機械化をやるとするならば、その中継機械化をやって一番合理化されるのは、何と申しましても東京大阪であろうというふうに考えますが、これが一番おくれているということは、やはり人間配置転換の問題によるわけですか。
  34. 佐々木卓夫

    佐々木説明員 お答えいたします。お説のように東京大阪間は、何といいまして電報がここを中継いたしまして全国に疎通するという状態でございますから、確かに大きいところから手をつけた方が全般的に考えますといいということは言えるのでございます。ただ御承知のように、東京中央電報局はいろいろな施設が非常に複雑な形で、なおかつこれに手をつけるということになりますと、局舎の問題その他施工上なかなかいろいろなめんどうな問題もございますので、当初われわれの考えといたしましては東京になるべく早く手をつけたい、こういう考えも持っておったのでございますが、いろいろな関連でやや当初の考え方よりもずれて参っております。
  35. 森本靖

    森本委員 これは東京大阪の場合、電報中継機械化をやった場合に人員にはどれくらい影響がございますか。つまり東京中電大阪中電等における配置転換の点ですね。
  36. 吉沢武雄

    吉沢説明員 ただいまの見込みでございますが、かりに東京を自動化した場合にはどのくらいの減員が生じるか、こういうことでございますが、大体五、六百人くらい減員があるのじゃないか。ただし、この運用の方の減員はそのような数字になりますが、保守の方はやはりふえるわけでございます。そのようなわけで、差し引きいたしますと、その数はまた減る、こういうふうに考えます。大阪の方はそれよりも少うございまして、三百名程度というふうに考えます。
  37. 森本靖

    森本委員 それだけの人員が移動しなければならぬということになると、相当の大問題でありますので、そういう点から私もこれは強く言えないわけでありますが、そういう面と、それから電信事業ほんとう合理化するという場合には、やはり東京大阪というものを中心にして考えていかなければ、事実問題として当然できないと思う。だからその両面をかみ合せた方策というものを早急に立てていかなければ、肝心のところがなかなか困難だろうと思う。しかしそれかといって、今言ったように保守の方がふえるということになりますと、運用面におけるものが保守配置転換するということは非常に困難な問題もあると思います。だから、そういう困難な問題をどういうように克服していくかということが、一番大きなポイントになると思いますので、こういう問題についてはさらに積極的に十分の検討をお願いをしておきたいと思うわけであります。  そこで、この電報中継機械化について特に重要視されるのは日本でもモールス通信廃止を行なった電信事業というものは、非常に画期的なことになるわけでありますが、そこでモールス通信廃止を行なうということになりますと、これは全部機械化とそれからあとは電信通信ということになるわけですか。
  38. 吉沢武雄

    吉沢説明員 全部機械化中心の局は全国に三十局ございます。そこの端末の電報局はほとんど機械化加入局になっております。そういうようになりますと、モールスはその局には要らないわけであります。それから先は電話通信、あるいは特殊の場合におきましては、小局においてはモールスも多少残る、こういうような形になるわけであります。
  39. 森本靖

    森本委員 そうすると、これは末端の局に至るまで大体この有線におけるモールス通信は全廃する、そういう方針ですね。
  40. 吉沢武雄

    吉沢説明員 大体そういうふうになる方針でございます。
  41. 森本靖

    森本委員 そういうことになりますと最初に出ております今日までの電信事業に携わる者の教育というものは、ほとんどモールス通信中心にして行われておったわけでありまして、将来の学生それから要員の育成については、モールス通信にかわるものの別途の教育を、あれだけの時間打ち込んでやるということになりますと、これは相当の時間を教育に打ち込むことができるわけであります。そういうことについては、このモールス通信にかわるもの、たとえば今では大体一分間七十五か八十五くらいの卒業成績だろうと思いますが、しかし一応モールス通信廃止することになっても、そういう基礎教育としては、やはり四、五十程度のものは行うのではないのですか、そういう場合はどうなるのですか。
  42. 吉沢武雄

    吉沢説明員 これは三十七年度を私ども完成の目途としておりますが、その間におきましては、まだモールス符号が存在する局が相当あるわけであります。そこで将来の目標は三十七年度を目途として、先ほど申したように全般的にほとんどモールスが要らなくなりますが、その間におきましては、地方的にやはりモールスが要るという場合には、現在でも職種転換でありますとか、あるいは職種転換の困難の場合は、やむを得ず新規の訓練をしております。しかしこの二、三年来将来の態勢を考えますと、そのような訓練の新規採用はできるだけ抑制する、こういう方針でやっておるわけであります。
  43. 森本靖

    森本委員 そうすると、これは将来の職員の教育のあり方についても、相当画期的な改正ということになるわけですね。
  44. 吉沢武雄

    吉沢説明員 さようでございまして、すでにそのような教育は行なっております。すでにもう十三ヵ所自動中継いたしまして、その結果にちなみまして、十分なる今後の要員についての数なりあるいは訓練内容なりを適用するようにいたしまして、着々進んでおるわけであります。
  45. 森本靖

    森本委員 その場合に、私は特に今後の電信のあり方について、一つ要望しておきたいと思います。今までの教育というものは非常に通信中心にして、電気工学といいますか、そういう方面の教育というものが非常に少かった。ところが将来は通信者あるいはまたそういう運用の要員でありましても、一応技術の根本がなされておらぬと、将来については非常に憂慮する状態ができてくるのではないか。だからモールス通信廃止によって浮いてくる時間が相当ある。そうなって参りますと、こういう通信の技術ということでなしに、いわゆる工学方面の技術を、その技術者でなくてもたたき込むというような方法が、非常に必要ではないかということを考えるわけでありますが、これは一つ相当画期的な問題になると思います。それで公社当局の幹部においても、そういうことは十分に御承知であろうと思いますので参考にしていただいて、そういう方向の教育に重点を置いて、考えていただきたいと思います。そういうことで一般の教育に打ち込むことよりも、そういう技術関係の教育に打ち込む方が将来にとって非常に有利ではないかということが考えられますので、その点も特に要望しておきたいと思います。  次に配達請負制度拡大でありますが、これは現在請負制になっておるところもありますが、さらにこの請負制にしなければならぬというところがあるというようにこれを受け取るのですが、それは何局くらいあるようにお考えでありますか。
  46. 吉沢武雄

    吉沢説明員 この請負制を直ちに実行するということについての方針はありましても、この実行の時期なり、あるいは局情というということを十分考えまして、さらにサービスの低下ということもなるべく避けるようにしたい、こういう諸般の状況を考え実施局をきめておるわけであります。そこで、大体この請負制の基準はどうかということでございますが、一応請負わしてもよろしいという最高の通数を扱う局といいますか、そういうものをどんなふうに見ておるかと申しますと、月に三万通以下であれば請負がいいのではないか、こういうような基準を立てております。しかし実際は、そのような数の多い電報を取り扱っている局については、まだそこまで請負はやっておりません。従って、現在は大体特定局あるいは直轄局の扱いの少いところ、こういうところを実施しておりますが、局数につきましては、将来の数を予想しますと、相当な局になるわけでございます。直営配達局が今八百局ございます。そこで今申し上げたような基準で参りまして、現在実施局が相当な数でありますが、大体基準から見ますと五百六十局くらいが請負にしてもいいのではないか、こういうふうに考えております。
  47. 森本靖

    森本委員 これは公社合理化という面から考えると、のどから手が出るほどやりたいことはよくわかりますけれども、しかし電報の公共性ということから考えてみると、この面は相当慎重な検討を要する、また慎重検討しなければならぬところであるというふうに考えております。公社の方は、こういう直営配達ということを、いわゆる請負にすることをいつも考えているようでありますが、特にここで私が公社当局にお聞きをしておきたいことは、こういうことよりも、今の配達における料金制度というものは、もう少し考究する点がありはしないか。たとえば別使配達についても、私がこの前も質問したように、雪の降るところでは、駅から自分の家へ電報を打っておく、そうするとその局で電報配達一般の人から雇ってくる、その電報配達がその電報を持って配達に行く、その電報配達と一緒について雪道を行く、そうすると道がきれいにわかって完全であるからいく、これは笑い話じゃない、事実こういうことが雪国ではあるわけです。そういうことを考えてみると、この別使配達については非常に安いじゃないかという点が考えられるわけですが、そういう点はどうお考えですか。
  48. 吉沢武雄

    吉沢説明員 電報料金の合理化につきまして、やはり研究題目の一つとして、実は特に一般よりも金がかかるというものについての配達料の検討、並びに配達料を設けるかどうかということについて、目下研究いたしておりますが、しかし電報の本来の性格からいいまして、配達料だけ別に取るということはあまり好ましくない。従って特に一般よりも余分な配達を要するというものについての配達料は、特別にきめてあるわけであります。そこで今お示しのように現在特殊配達、こういうものがございますが、この料金も、実は原価的に見ると相当安くなっております。しかしこれをまた原価的に相当上げるということも程度問題でございまして、よく慎重に研究すべきだというので、以上の点から目下研究をいたしまして、電報料金制度の問題の一つとして適切な案を出したいと、こういうふうに考えております。
  49. 森本靖

    森本委員 何でも慎重に検討するということになると、それで済みましても、この別使配達料金だけについては慎重に検討しなくても、あの料金が非常に安いということは、もう周知の事実であって、この問題については私はある程度上げても、配達をしてもらう方も、これは感謝してくれるのじゃないかと思うのですよ。今でもいなかにいったら、晩に配達に行って、朝の一時ごろ着いて、それで向うで一ぱい酒をごちそうになって、朝帰ってくるというところが多々あるわけです。私のところの選挙区なんかでも、そういうところが非常に多いわけですよ。だからこの料金については、ある程度考えてみる必要があるのじゃないかということを私は言っているわけであります。  それからこの配達請負制の拡大についても、夜間の電報配達の請負制ということについては、これはある程度私は少いところはやむを得ないと思う。しかし昼間においても一人配置を必要としない局については慎重に検討しなければならぬという点がうたわれておりますけれども、これは公社サービスとしてはかなり十分に私は検討してみなければ、必ずしもそれを実現するということについては賛成できません。この点については十分によい方法検討をお願いをしたいというふうに考えるわけであります。  それから次の技術関係について、特に私は、この中の搬送電信の従来の十二チャンネルを十八通信路もしくは二十四チャンネルに直すということの改善方の検討中ということが出ておるわけでありますが、これは確かにいいことでありまして、もう十二チャンネルの問題については相当昔からあるわけでありまして、これを二十四チャネルにするということについて非常にこれはいいことでありますけれども、私も技術関係を遠ざかっておって今日わかりませんが、今の十二チャンネ方式を二十四チャンネル方式に直すという場合には、大改造が機械的に要るということになりますか、それとも別途に機械装置を変えなければならぬ、こういうことになるわけですか、ちょっと参考までに聞いておきたいと思いますが。
  50. 米沢滋

    ○米沢説明員 それは現在使っております搬送電信の周波数の幅を狭くするという方法によって解決するわけであります。結局端局装置の濾波器その他を改良するということになっております。
  51. 森本靖

    森本委員 それから私はこれは一つ一つやっていくつもりでありましたが、だいぶ同僚の委員があわてておりますので、それでは次のサービスの件の第三項の同文電報及び市内電報配達区域の限定ということでありますが、これは非常に退屈であろうと思いますけれども、国民にとっては料金改正問題にからんでくることでありまして、非常に関係の深い事項です。この同文電報及び市内電報配達区域の限定ということになりますと、今日の市内電報というものが高くなることが現実に出てくるわけです。
  52. 吉沢武雄

    吉沢説明員 まだ検討中でありまして、必ずしも高くなるという結論には達しないと思います。
  53. 森本靖

    森本委員 そうすると市内電報配達区域、これは大事なことですから、はっきりしておいてもらいたいのですが、市内電報配達区域の限定を行なったにいたしましても、今の同一市内としての電報料金を取る、こういうことになるわけですね。それならこれは別に差しつかえないわけでありますが、しかし市内電報についての配達区域を限定をして、そうすると同一市内、たとえば東京都内においても、今までは市内電報で行っておったものが、今度は市内電報で行かない、そういうことにはこの項はならぬわけですね。
  54. 吉沢武雄

    吉沢説明員 東京のような例はこういうふうには考えておりません。大体町村合併というので非常に大きくなりまして、それが同一行政区域になったというところから、このような問題を検討する必要が出てきたのであります。従来同一市内であったものが市外になり、従来のものが非常に不利を招くということは、この案を実施する際には避けるように考えて参りたいと思います。
  55. 森本靖

    森本委員 そうすると従来の同一市内については、これは従来の方法と同様である、市内電報については、こう解釈していいわけですね。それで新しく町村合併をしたところについては、この問題については考え直さなければならぬ、こういうことですか。
  56. 米沢滋

    ○米沢説明員 原則的にはそういうことになります。
  57. 森本靖

    森本委員 そこで町村合併をしたところについては考え直さなければならぬということですが、しかし町村合併をするときには電信電話、郵便その他についても便利になるから、こういうこともあの町村合併の促進の中には一項目入っておるわけです。だからせっかく町村合併をして、それで市内電報でいくと安くなるというのが、またもとのように高くなるということではつまらぬと思うのです。だからこの同文電報及び市内電報配達区域の限定ということについては、一つそういう点を十分に考慮して、簡単に機械的にこの料金というものは制定しないように、私は特に要望しておきたいと思う次第でありますが、一つきょうのこの質疑応答については、この問題が実際に俎上になるのは、おそらく六月か七月ごろには上ってくると思いますので、そのときには十分に意向をくんでやってもらいたいと思います。  次に委託制度のことで「委託費、簡易な取扱、請負方法合理化する」これは毎年々々郵政省と電電公社との間において論争してきまることでありますが、もっともこれは非常に不合理な点もあるわけであります。郵政省は電電公社を監督する立場にあるわけであります。ところがこの委託制度についてだけは、これは対等の立場に立って交渉しなければならぬ。ところが一方は監督官庁である。こういう点のまず基本的な不合理な点については、これは電電公社でなしに、私は郵政省の方にお聞きしたいと思うのですが、郵政省の方ではこの点についてはどうお考えですか。
  58. 平山温

    平山説明員 今先生からお話がありましたように、郵政省としては公社から委託を受けて電信電話の仕事をやっております。一方また公社の監督もいたしておるわけでございますが、監督の方の関係は、郵政省といたしましては監理官室の所管の仕事としてやっております。それから委託関係の仕事は郵務局の所管でやっております。従いましてこの委託関係の仕事につきましては、監督関係の仕事をやっております監理官室がこの問題にタッチするということでなしに、郵務局と公社と対等の立場で直接の話し合いをやって、その結果によって現在話し合いが進められており、また取りきめられた線に従って実施されているという実情でございます。
  59. 森本靖

    森本委員 事務的な問題は私はここで聞かなくとも、それはわかっておるわけですよ。しかし郵務局と電電公社が交渉して、その予算の単価、それから単金の設定等についてきまったら、それは郵務局だけの問題ではない。一応郵政省の方は部局長会議なり省議に最終的な問題についてはかけると思う。その場合に電気通信監理官は省議には出るのですか。
  60. 平山温

    平山説明員 もちろん電気通信監理官も省議には出ますけれども、先ほど申しましたように郵政当局と公社との話し合いがきまった問題につきまして省議で再検討されるわけですけれども、両者が大体了承した点につきましては、従来省議においても大体その点が認められていっておるというような実情にございます。
  61. 森本靖

    森本委員 それは形式はそうなっておるけれども、省議に出るのはみなそういうふうに出るわけですよ。たとえば放送電波についても、全然関係のない簡易保険局長なり郵務局長がそれは反対であるということの発言もできるわけでしょうが、そうなってくると、電気通信監理官の方だって、この問題について、それはどうだ、これはああだという発言は一応できると思うのですよ。だからそういうふうに公社が委託をするこういう問題について、一方で対等の立場に立って交渉する、しかし一方では一応監督をする場面にある。このいわゆる不合理な点を一体どう考えておるのか。具体的にこれは現実の問題としては、今までそう大して支障がなかったという監理官の説明でありますけれども、しかしこれは何か意地くその悪い監理官がおって、特に公社の方でこれを聞かなかった、こっちの方でやってやろうということを考えるならば、これはあえて不可能じゃないわけですよ。こういう不合理なあり方については、一体将来どういうふうに改正をしていこうと考えておるかということを聞いておるわけです。
  62. 平山温

    平山説明員 確かに森本先生がおっしゃいましたように、郵政省といたしましては監督の立場にもあり、また委託を受ける立場にもある、そこでやりにくいのじゃないかというお話につきましては、あるいは見方によってはそういう点もあるという考え方も成り立つかと思います。しかしながら先ほど申しましたように担当部局が分れておりますし、それからこの話し合いが、共同調査をしたり、郵政省といたしましても委託の問題と一般の監督の問題とは切り離して進めておりますので、現在の機構のもとにおいては考えられる最善の方法を尽してこの仕事を進めておる、かように考えております。
  63. 森本靖

    森本委員 私は現在うまくいっておらぬということを言っておるわけではない。機構そのものについてはこれはおかしいのじゃないか。たとえば電気通信監理官としては有線についての監督権を持っている。ところが無線の方の電波そのものについては、これは電波監理局長ということになっておる。ところが重大な問題のときには郵政省の省議において、いわゆる全然関係のない保険局長も貯金局長もそれから郵務局長も、これに対して一応発言をしている。そういうところの不合理と、今言った委託業務の不合理ということについても考えておるべき点があるのじゃないか。私は必ずしも郵政省を公社制にするということについては賛成をしておりませんけれども、前に橋本委員がちよっと言っておったように、郵政の現業面を公社にしたらどうか、そういう意見が出てくるのも、こういうところに一つの原因があるのじゃないかということを私は言っておるわけであります。だからそういう点については、今簡単にいっておるから、うまいこといっておるからどうこうということじゃなしに、やはりこういう根本的な問題については、郵政省自体としてもある程度考えてみる必要があるのじゃないかということを、私は論点の中心として言っておるわけであります。先ほど言ったように、郵政省の機構そのものについて、こういう点でも若干のおかしなところがあることを考えてみる必要があるということを私は言っておるわけであります。  そこで電電公社としてはこの中で「郵政委託費については郵政省と協議のうえ暫定的に新単金を設定し通数の少ない局の取扱については簡易な方法を採択したが、なお委託制度全般について検討する。」これはだれが書いた文章か知らないが非常に名文でありまして、この文章を見るとどういうところを検討するのかさっぱりわからぬわけでありますが、この「委託制度全般について検討する。」ということはどういうことをさしておるのか、具体的に一つ御説明を願いたいと思います。
  64. 吉沢武雄

    吉沢説明員 今の御質問に対してお答え申し上げます。先の御質問一つに、郵政との委託の取扱いについて非常にもめているのではないか、あるいは意見が非常に分れて困っておるのではないか、こういうお話がございましたが、もちろんこの協定の精神、かつまた郵政省としても独立採算の建前がございます。また公社といたしましても経営上から経費の節減ということを当然考えなければいけません。その意味では両者が十分に主張をいたしまして、納得できる線で単金を設定していこう、こういう方針でやっております。二、三年来問題がございました点につきましては、昨年の十一月に一応暫定的ながら新単金を設けました。その趣旨は、従来の単金におきまして、その内容であります人件費というものについて、要員がどのくらいであれば適当であるかという点につきましての、要員の数の点で両者の話し合いの一つの基準を設けました。それから昇給あるいは昇格、さらに勤務時間の変更、こういう点に生じるところの当然の経費の増というものは増加として考え、また従来経費の中にありますものでも、これは全然要らぬものであるというものにつきましては、それを取り除きまして、一応の形といたしましては両者が新単金を設けたのでありますが、なお細部にわたりましては問題が残っておりますために、引き続きまして郵政省並びに電電公社の職員からなるところの実地調査委員会を設けまして、現実の調査をして納得のいく料金改訂に進もう、こういう話し合いでやっておるわけです。これが郵政省の単金の問題でございます。  今御質問の「委託制度全般について検訂する。」この問題はもちろん郵政委託の問題にも関係を持っておりますが、それ以外といたしまして、農村なりあるいはへんぴなところに交換局がない、あるいは交換事務開始ができないという場合に、何か簡易な委託制度がとれないか、こういうような点も委託制度の一環といたしまして考えていきたい。あるいは電報配達にいたしましても、必ずしも郵便局のみでなくて、へんぴなところに赤電話でもかりにあったとする場合に、赤電話の受託者が特殊な範囲にだけ電報でも配達できるような何か考え方はないか、現実にそのような考え方は相当強く要望されている向きもございますから、今後そのようなものを取り上げまして、委託制度の内容としまして比較検討していきたい。もちろんこれには国鉄の問題もございます。あるいは船舶に対する無線電報の委託の問題もすべて含めました委託として考えていこうというのが、この制度の内容であります。
  65. 森本靖

    森本委員 私はここでは特にその船舶と国鉄のことを言っておるわけじゃなしに、郵政省との間の委託問題を言っておるわけでありますが、今言ったようななお委託制度全般について相当突っ込んだ研究をしたいと考えておるということについて、たとえばこれは具体的な問題ですが、こういう点についてはどう考えるのですか。公社当局にも郵政省にも関係があるわけですが、いなかの方で大きいところになりますと、加入者が百五十くらい加入しておるところでは、特定郵便局長が管理するところがある。それで実際問題としてその電話の故障等については、その郵便局にどんどん言ってくる。しかし郵便局長としてはその修理を命ずるところの権限は全然ない。これは公社の方にその修理の指揮命令系統がある。そういうちぐはぐな点が相当あるわけでありますが、そういう点についても検訂してみた点はないのか。これは現場の加入者からの直接の不平を受ける局長としては、確かにもっともな意見であります。これは国民に直接関係する指揮命令系統の点でありますが、そういう点について検討してみたことはないのですか。
  66. 吉沢武雄

    吉沢説明員 実は公社内の組織といたしまして、検討を当然要するものであります。今お示しのような地域におきましては御承知施設区というものがございまして、施設区の職員が派遣される、こういう形になっておりますために、障害あるいは故障の申告をいたしましても、なかなかすぐ来てくれない。郵便局長に言っても、その間徹底しないというような向きが相当あることも私ども存じております。公社内部の組織として積極的にそのようなサービスを完全にするということがまず第一であります。それとともに郵政に対する委託の内容に、そういうものをどういうふうに織り込むかというような問題も、実は関連いたしまして研究をいたしていきたいと思っております。
  67. 森本靖

    森本委員 私はこの内容についてもまだ非常にわからぬ点がありますので質問をしたいと思いますが、次会に譲りまして、この電信事業の問題については一応これで終ります。なおこの間要求してあった別の資料を早急に出していただきたいと思います。その資料による質問をこの次あわせて行いたいと思います。  ここでらょっと簡単に輪廓だけを説明してもらっておいて、次の委員会にお聞きしたいことがあります。今北九州の門司、八幡、折尾のこの三つの電話の自動化の問題について、何か公社当局と従業員との間において若干の紛争を来たしておるようでありますがその内容についてちょっとここで説明を願っておきたいと思います。
  68. 飯森実

    ○飯森説明員 お答えいたします。大体組合との関係で今紛争になっておるというお話でございましたので、その点について御説明をいたします。施設の方は一応抜きにして、特に定員関係配置転換関係でございますので、その点を御説明いたします。  小倉、門司、八幡、折尾で現在本社員、時間制合せて七百八十六名の定員のところに、本社員、臨時者、時間制を合せて、昨年九月末におきまして七百八十七名の現在員がおるわけでございます。これが改式時所要見込みの人員は本社員と時間制を合せて三百九十四名といたしたのでございます。これを差し引きますと、差引欠過員が三百九十三名ということになるわけでござまして、これをそれぞれ北九州において配置転換なりその他をしなくてはならないということで、この計画を組合に説明しているわけでございます。その中身については、福岡電話局配置転換をしたいというのが九十名、筑豊地区へ七十名、サービスステーションを新たに作ることによる要員が二十二名、熊本、久留米地区手動即時を開始いたしますので、これに十九名を増員し、それから行橋、田川の手動即時開始の増員が十六名、退職がこの程度ありはしないかという見込みが四十名、それから管外その他が九名、今まで職員がやや足りなかったところを時間制でやっておったわけでありますが、これを本社員が充足することによって三十五名、こういう配置転換をいたしますと、三百一名の本社員の過員は大体はける見込みでございます。それであと問題になるのは臨時作業員がおるわけでございますが、これは雇用のときの状況によって、過員の就職については十分あっせんしながらこの際やめていただきたい、こういうことでございます。
  69. 森本靖

    森本委員 その臨時作業員というのは何人ですか。
  70. 飯森実

    ○飯森説明員 百二十七名でございます。
  71. 森本靖

    森本委員 それから退職予定四十名というものの年令はどのくらいになっていますか。
  72. 飯森実

    ○飯森説明員 お答えいたします。年令のことは実は詳しくないのでございますが、電話交換手でございますので、そう多い年令ではないと思います。
  73. 森本靖

    森本委員 これは相当重要な問題でありますので、私の方もなお資料を整えまして次会にいろいろ質問をしたいと思います。  それから次に広島県三原の電報電話局においてこれと同じようなことが起っている、こういうことでありますので、これについても概略説明願いたいと思います。
  74. 飯森実

    ○飯森説明員 お答えいたします。三原におきましては、三原局の市外を尾道に市外集中するということによっての剰員問題でございますが、現在は社員が四十四名で臨時作業員が三原に一名、こういうことになっております。それで最初に三原の局において職種転換その他によってはけるのが五名、これは営業へ行ったり電信の内勤に行ったりするのが五名であります。尾道電話局へ十一名、松永という局がありますが、それに六名、福山電話局に九名、それから三原に残るのが十九名というようなことで一応組合に説明したわけでございますが、その後いろいろ折衝の結果、さらに三原の局に一名ふやし、尾道電話に三名ふやし、電報へ五名新しくし、松永に一名ふやすとか、海田に一名ふやすとか、福山電話の方はやめるというようなこと、なおそのほかに臨時作業員がおるわけでありますが、これは雇用のときにはっきりきまっておりますので、やめていただくということで、職員の配置転換は大体この点で、まだ了承とはいっておりませんが、最初から見ますると、組合の方の印象もだいぶよくなっておるというふうに聞いております。
  75. 森本靖

    森本委員 この問題についても次の委員会質問することにして、私の本日の質問を打ち切ります。
  76. 井手以誠

    ○井手委員 関連。今の北九州の統合の問題でございます。ただいま臨時作業員は採用のときに約束があるからやめてもらうというあっさりしたお話でございますが、なるほど約束はあったかもしれませんが、そう簡単に整理されてはたまらぬと思う。なおその点については後日森本委員からいろいろ質問があるだろうと思いますが、組合側から何かそれにかわる増収も考えた。たとえばサービス・ステーションというものの設置によって、無理のない解決ができるというふうなものが提示されているとも承わっておりますが、組合側の希望はどんなものでございますか。
  77. 飯森実

    ○飯森説明員 組合の方でいろいろ言っておることは、実は今持っておりませんのでつまびらかに存じませんが、たとえばサービス・ステーションにつきましても、あの地区で組合側の言うようなものはとうていできがたい。今十一ヵ所ございますが、それ以外にはとても作れないような状況でございまして、なお組合の要求については検討はいたしますけれども、現在のところはその程度でございます。
  78. 井手以誠

    ○井手委員 この問題については、森本委員から後日質問があるでしょうから多くは申しません。ただあまり簡単に整理するとか、退職してもらうということでなく、公社の経営に重大な支障のない限り、新たな構想のもとにそういったサービス・ステーションのようなものを多く作って吸収し、自然減耗によって解決していくというふうに、もう一段と御考慮になって、委員会でも御提示願いたいと思います。希望を申し上げて、関連質問でございますから、これで終ります。
  79. 松井政吉

    松井委員長 ちょっと伺いますが、それは市外集中合理化の結果、生まれてきたものでございますか。
  80. 佐々木卓夫

    佐々木説明員 実は市外通話の疎通の改善ということを全国的に考えております。そこでまず第一に日本全体として問題になるのは、何と申しましても東京中心とする地区、次に京阪神、名古屋地区、北九州五大市、これが日本の産業経済の中心でもありますので、それの近郊の諸都市相互間の市外通話のサービス改善、こういうことにわれわれとしては一番重点を置いておるわけであります。ただいま御指摘の北九州の問題は、市外集中ということはそのまま当てはまらないと思いますが、要するに小倉を中心として近郊の諸都市との市外扱いは、手動扱いとして小倉に集めてはおりますが、たとえば八幡から福岡までのごとく、加入者のダイヤルでつながるような機械設備に逐次置きかえていくことを考えております。手動扱いになる部分は、御指摘のように小倉に集まっておる。それ以外に、距離でおおむね六十キロ程度でございますが、あの近郊の諸都市相互間は即時ダイヤルで市外通話がつながる、こういう形に逐次かえて参る計画になっております。
  81. 松井政吉

    松井委員長 ちょっとお伺いしますが、その基本的な考え方は、そこにおいて一地域の一角で四百人近くの配置転換をやらないような時間的な合理化の速度というのを考えて、向う三年なら三年は、小倉と門司というようなところは、市外は手動にする、こういうような構想というか、計画変更といいますか、そういう形になってくれば、家族持ちの従業員も大ぜいおりましょうし、お子さんをかかえておる従業員も大ぜいおりましょうから、必然的に一ぺんに四百何名の整理をするという形でなしに、合理化の促進こいうことがうまくいくのじゃないですか。そういうことはお考えにならないですか。
  82. 佐々木卓夫

    佐々木説明員 御承知のように、われわれといたしましてはサービス改善に並行いたしまして、要員問題というものに相当重点を置いておるわけでございまして、ただいまの北九州の問題につきましては、松井先生の御指摘のように、一方サービス・ステーションについての新たなサービスももちろん考えておりますし、それからもう一つ機械装置の面からいいますと、たとえばあの近郊に直方、飯塚といったような関連都市がございます。それでこれを同時にダイヤルで五都市相互間の市外通話がつながるようにさえすれば、新たな装置を加えないで、五都市とそれ以外の近郊諸都市との間も、きわめて容易にダイヤルによって相互に市外通話の接続が可能になるのであります。しかしいろいろ要員計画とにらみ合いまして、この二都市はたとえば交換台を——これは将来はこの交換台は要らなくなるのでございますが、要員問題を緩和するために、わざわざ小倉及びその両都市に手動台を置きまして、手動即時に暫定的にやっておる、こういうこと、それからもう一つは、将来これは当然問題になるのでございますが、福岡を中心とした対久留米、対熊本というようなものは、即時化を何年か先にやろうという計画を持っております。そういうものをある程度繰り上げまして、即時化のために必要な要員の需要をそこに起しまして、そっちの方に充当する。そうしたいろいろな対策でもって、サービス改善と要員問題の食い違いを極力緩和するように、総合的に考えております。
  83. 松井政吉

    松井委員長 ちょっとお願いしておきますが、次会は二十六日の午前十時から当委員会を開くことに、理事会の申し合せでなっております。その二十六日までに、北九州の問題に対する資料をいただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。それでは次会は来たる二十六日午前十時より開会することとし、本会はこれにて散会いたします。    午後零時五分散会