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春日委員 わかりました。いずれにいたしましても、その公租公課の対象となりますものは、固定資産税をさしておると思うわけであります。これは明らかに、その原価計算の中で、すなわち公団住宅の原価、コストが幾らになることが適正であるかという算出の当時に、そういうものを含めて計算するということであろうと思うわけでありますが、しかしながらそのことは、少くともその固定資産税とうい税課目を所有者でない者に負担せしめるという表現は、これは明らかに
地方税法違反であろうと思うわけであります。これはどういう事情でありましょうとも、その所有者が払うべきものであって、所有者が負担すべきものであって、これを
法律が定めていないところの第三者に転嫁せしめるというあり方は、しかもそういう表現でもって行うということはいけないと思います。私は、今大臣がお話しになりましたように、これは民事契約でなされておるということでありますけれ
ども、しかし、入ります当時これらの諸君がかりそめにそういうような取りきめを行なっておったといたしましても、これは今大臣が御
答弁になりましたような高度の政策的
立場から
考えましても、現に他の公的住宅の家賃は、国営の公務員住宅は五百円から千八百円というような低家賃であり、公営
関係は千八百円から二千八百円、最高といえ
ども二千八百円、そこにもってきて同じ住宅政策で生まれたところのこの公団住宅は、それは中身はりっぱでもありましょう、けれ
ども、これは四千円から六千円という、すでに非常に高い家賃になっておるわけです。そこにもってきて、さらにプラス固定資産税という形で付加していくという形になりますと、これは何といっても大へんなことになってくるのです。こういう住宅政策が、果して鳩山内閣当時からずっと石橋さん、岸さんと続けて参りましたあなた方の党の国民に約束をされた住宅政策の中身であるか、こういう点を
考えますると、これは
政府としても慎重に御検討を要すべき事柄ではないかと存ずるわけであります。僕は特にこの際、大臣に御検討願いたいのでありますが、全国でこれを一万五千戸と
考えまして、今各
地方公共
団体とそれぞれの居住者との間で、さらに公団当局もまじえて、その税額の交渉が行われておる様子でありますが、ある
地方において妥結したところでは、大体三百円くらいで話がまとまっておるところもある様子であります。一戸当り三百円といたしますと、一万五千戸にしても年額約四千五百万円ではありませんか。全国の
地方財政の中においてこれだけのものをとったところでとらなかったところで、言うならばこんなものは金魚のふんなんです。私は、
地方財政の中に四千五百万円入ろうと入るまいとこれによって
地方財政が破綻するとかこれによって健全化されるとかいうような要素たり得べきものではないと
考えるわけであります。
地方公共
団体全部に対して四千五百万円は金魚のふんである、それが六千万円だって同じことなんです。ところが四千円から六千円払っておる一万五千戸の世帯は、これがかけられるかけられないということは、それこそ起死回生とでも申しましょうか、ほんとうに重大な影響力を持つ、実際的な影響力を持つ生活上の重大問題であるわけなんであります。でありますから私は、これら一万五千世帯の諸君が、すでに御
承知の
通り大臣にも何回か陳情されておりまするし、過日近畿において、この関東において、福岡
地方において、中部におきましてそれぞれの諸君がこの負担から軽減されたいというやむにやまれない生活上の負担から大会を持って、強く
国会にも
政府にも陳情しておるのでありますから、私はこの際大臣の英断をもって、特に公営住宅も本年度においては特別の宥恕をされておるのでありますから、同じ公的性格を有しておる、しかも彼らの家賃は高いのであるからこれ以上負担をかけないためにも政治的、政策的
措置、こういう意味で、本年度宥恕されておるものがあるならば、これらの諸君に対しても本年度は特別に宥恕をしてやってもらいたいと思うのです。しかしながら今
国会はすでに閉会でありまして法的
措置を講ずることができ得ないでありましょう。しかしあなたは法学博士として
法律の各
関係においても非常にくろうとであられるし、特にこの
地方行政の問題については格別の情熱を持って対処せられておるのでありますから、やり方はあなたの才慮をもってすれば、幾つも方法があるのではないかと私は
考えるのであります。先般私はプライベートに
意見を申し述べたのでありますが、たとえばこういうような固定資産税の徴収方を、
関係地方公共
団体が本年度に限って特に目をつぶって徴収せざる場合ありといえ
ども、交付税
関係においてはこれを問責
事項としないとかなんとかいうような事柄で、各
地方公共
団体の良識ある
措置によって現実的には居住者の要望がかなえられ、そして政策目的がそごに均衡がとれていくという、こういうような方法もとれるのではないかと
考えるわけであります。この問題は全国の一万五千の諸君が真実に何べんも何べんも会合をして、
考えてみればまことに気の毒な問題でありますから、すべてはこの際本
委員会の権威と責任において実際的効果のあり得る
措置をおとり願うための善処が願いたいのでありますが、大臣の御
見解をお伺いいたしたいと思います。