○永山
委員 内閣の調査会でございまして、税制に関する問題でございますから、
大蔵省が指導的地位に立たれることはわかりますけれども、その間において、運輸当局の
関係者がやはり幹事になりまして、よく
意見調整をいたして進めるべきであるのでありますが、運輸当局が出した案は、ただ目を通すというだけでございまして、運輸当局は、そういう
利益還元が急速度にくるものではないということで、強く反撃しております。それらの点については目もくれずして、ただ
大蔵省の独走した、独善的な案によって、善良なる調査会の人々を全く欺瞞いたしておるというような
実情であります。私は、ここを大蔵当局に強く反省を促したいのでありまして、大臣に対しても、十分ほんとうの
考え方を伝えることをせずして、ただ自分らの独善をのみこれを伝えて、そして監督官庁であって、
自動車営業の指導的地位に当っておる一番大切なる運輸省の
意見等は、これを大臣に伝えずして、そうしてこの独走案を強引に追い込んでいくということになることによって、大臣なりわが党を傷つける結果になろうとするのでございます。私は、この点を全く遺憾に存じておるのでございます。さらに
大蔵省の三十九億五千万円の
利益が一万円の
ガソリン税引き上げによって三百億円投資されてできるという案に対しまして、運輸省は、それより下回る
数字を出しておるのでありまして、こういうような膨大なる受益還元を言われるということは、
自動車業者の受益を全くオーバーしておる不当なる
数字であるという反駁が手元へいっておると思うのであります。これらの点についても、私が十五人の
委員を歩きましたときでも、たまげている。
道路を直すのは
業者が
利益になるのだから、
業者の
負担も
——業者は
負担能力はあるのである、だからして、これは増税してもいいのだという
大蔵省の
意見を率直に信じておりまして、いろいろ事情を説明いたしましたならば、そういう
負担能力もないのである、その受益はすぐ来るのでなくして、後代の国民がその受益者であるからというような点に対して、全く調査
委員はたまげるような状態でございます。一万円の
ガソリン税引き上げをするという答申を
大蔵省が強引にさせようとあせったのでございますけれども、それに対しまして調査会の方は、
道路を
整備するために、これが増税はまたやむを得ぬという、きわめて微温的なる答申書となってきたのであります。そのことは、いやしくも調査
委員という権威のある地位につかれた方は、きわめて良識ある
考え方において処置をしてもらわねびならぬという強い要望を持っていきまして、初めて調査
委員が、その
考え方の間違っておることに気づくというような結果であるのであります。大蔵当局は、特に広くいろいろの
意見を取り入れられて、独走に走らないようにして、大臣補佐の
責任を全うしてもらいたいと思うのであります。この三十九億が、かりに
利益が還元するという計算を、
大蔵省の言うままにするといたしましても、われわれは、
舗装道路や修理したところだけを走るのではないのでありまして、
舗装道路や修理したところ以外を走る
パーセンテージの方がより以上大きいのでございます。ことに区域営業をいたしておるところのトラック、あるいは
タクシー、
ハイヤーというようなものは、
舗装道路外を走る率が八〇%以上なのである。そういうような点から見ましても、全
道路が
舗装されて受益が還元されるということは、まさに後代国民の受益であって、現在の営
業者がすべてこの
負担をしなければならぬというような、血も涙もない苛酷な増税案をあえて断行しようというその
考え方に、非常なる不満を持つものでございます。かりに
大蔵省が言う答申により
利益率を計算をいたしましても、二百億円、三百億円ずつ毎年出すのでございますから、これを今年
政府が
決定いたしました増税一キロリットル六千五百円に換算いたしますれば、一年目に二百億円投資いたしまして、年間節約分が二十五億六千万円になります。運輸省の方は、まだはっきりした
数字を出しておりませんが、その当時調査会等に持ち寄りましたところの
数字によりますと、運輸省も大幅にこれを認めまして、十九億になると思うのでありますが、この
数字は
決定的なものではございません。私が運輸省のいろいろな
数字から帰納いたしました
数字でございますが、この
大蔵省のいう三十九億五千万円が直ちに還元するといたしましても、毎年二百億ずつ投資するのでございますから、十五年目にその
利益がパーとなって出てくるのであります。それが、運輸省のように十九億に見積ったならば、二十一年目にこれの
利益が出てくる
数字になってくるのでございまして、結局この
舗装道路を全部走ることにいたしましても、十五年ないし二十年目でなければ
利益が還元をして参りません。その間この力の弱い
業者に先に税を
負担せしめて、そうして
利益をあとから還元せしめてやろうという結果になるのでございますから、今日神武以来の好景気に一番浴しているものは
政府である、この力の強い
政府が一番力の弱いものに先取りに税金をとって、十五年も二十年も使って、そうして
利益が還元するというような行き方は、最もとるべからざるものであるというように
考えるのでございますけれども、
政府の
考え方を承わりたいのであります。