○
判治参考人 まず第一に池田さんからお活のあった点でありますが、池田さんが今おっしゃった
通り、親しく
お話ししたこともないのであります。池田さんが
理事長になられたのは、先ほどおっしゃった
通り、組合品の総会で
理事長になられた。その間の事情を知られぬと言われればもっともです。それから今の
三井部長さんからの
お話は、暫定煎熬契約、これは暫定煎熬をやらしてもらうことによってわれわれ満足する、それだけのものじゃないわけです。とにかく暫定煎熬でもうけさしてやる、そういうことを前提として、
公社の方でも
考えておられた、こういうことですが、実は暫定煎熬をやるについては、鹹水の
価格が非常に高い。そういうことで、これじゃとてもやってみたって何の効力もないのだ、こういうことを再三古田出張所長を通じて、いろいろ
お話してもらったわけです。当事主張所長を通じて組合の
お話を聞くと、組合の専務さんは、とにかく鹹水代をかりにただにしてやったところで解決できない、愛知製塩のめんどうは最後まで見なければならない、今一応鹹水代は高いかもしれぬけれ
ども、塩業組合としては農林中金から何億という金を借りなければならないから、一応金のもうかるような、そういう目論見書を作らなければ金は借りられぬから、これは無理だろうけれ
ども、この契約書に判をついてくれ。しかし、そういうことをいっても、われわれがっかなければいいということですが、われわれとしては、先祖伝来の塩
業者でありまして、もともと百姓でありますから、教育も高等教育た受けたわけではない、小学校を卒業しておるだけです。今までの例からいいまして、専売局時代から、塩
業者というものは、専売局の言われることは、どんなことでも御無理ごもっともと聞いてきたわけです。それですから、今度の出張所長が、あなた方は決して犠牲にせぬから、何とか
一つ協力してくれ、そう言われる。そこで書類をもらってくるのは当然かもしれぬけれ
ども、われわれの今までの常識から
考えて、
公社の所長の言われることは、実行してもらえるものだ。それからまたわれわれの
考えとしては戦時中にあった、たとえば米屋さんの企業整備にしても、五十軒の米屋さんが二十五軒になった、必ずや五十人の人は二十五の配給所で働くか、もしくは働けぬような場合には、転業資金をもらうということが、社会の通例として行われておった。そういうことから見てたとい口約束であってもこれは企業幣備だ。これは甘い
考えだったかもしれぬけれ
ども、そういう
考えから、何とか犠牲を出さぬようによくめんどうを見てもらえる、こういうわけでやったわけです。
それから
三井塩脳部長さんの言われた、地元から陳情があって塩業組合品を設立した、そういう
お話ですが、それは本社としてはそうかもしれません。しかし
実情は、当時の名古屋地方局の
塩脳部長、本社におられる福永さん、それから次長の降旗さん、課長の吉田さん、または臼井さん、そういった名古屋地方の塩に対する最高幹部の人が、再三にわたって現地の吉田に来て、そうして勧められた。それでも非常に反対が多かった。それはさっき申し上げたことと同じですから、もう言いませんが、とにかく協力してくれということでやった。
それからまたさっき池田
理事長から言われた本浜要するに愛知製塩と東海地産の
関係で完成したときに、塩業組合の脱退問題、こういうことはわれわれは何も知らないのです。何も知らないが、とにかくもともと作るときに、塩
業者としては非常に不安を持っておった。それだから、ああいう問題が起きたということで、よく聞いてみると、池田さんとしても、われわれがあれを指導してやったように誤解されておるように思ったわけですが、そういう問題は私らは全然知らぬのです。あくまでもわれわれは塩
業者で、百姓であっても組合品の役員をしておって、実地にいろいろな方面の視察をよくしておりますので、塩業の将来というものは大きな設備でなければやれぬ、それが国家の要請である、そういうことを
考えて、塩業組合設立については双手をあげて賛成した。しかしながら、いかに国家的見地から見て塩業の開発をするのがいいといっても、われわれは、とにかく五百十万の資本金の
会社を塩業組合――いわゆる株主から預かって、それがこの一大改革によってつぶれるようなことを、
会社の責任者としては、いかに国家としてそれがいいと信じても、そういうことをやれたわけじゃない、かように思っておるわけです。それを、こんなことでえらそうなことを言ってみたところで、結論において契約書に判がついてあるのだから、それがいけぬということでしょうが、しかし契約書を作るにも、名古屋地方局から見えて、相当無理に勧められて作った。そういうことであって、六社の方々の
考えておられることと、直接名古盛地方局または吉田出張所長のやられたこととは、相当大きな開きがある、かように思うわけです。