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1957-05-17 第26回国会 衆議院 大蔵委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十七日(金曜日)     午後七時九分開議  出席委員    委員長 山本 幸一君    理事 有馬 英治君 理事 黒金 泰美君    理事 小山 長規君 理事 高見 三郎君    理事 藤枝 泉介君 理事 平岡忠次郎君    理事 横銭 重吉君       淺香 忠雄君    大平 正芳君       大倉 三郎君    奥村十郎君       加藤 高藏君    上林山榮吉君       吉川 久衛君    小平 久雄君       椎名悦三郎君    島村 一郎君       杉浦 武雄君    高橋 禎一君       竹内 俊吉君    中馬 辰猪君       塚原 俊郎君    内藤 友明君       永山 忠則君    夏堀源三郎君       古川 丈吉君    坊  秀男君       前田房之助君    前尾繁三郎君       三浦 一雄君    森山 欽司君       山下 春江君    山本 勝市君       井手 以誠君    井上 良二君       石野 久男君    石村 英雄君       春日 一幸君    神田 大作君       久保田鶴松君    田万 廣文君       竹谷源太郎君    山田 長司君       横山 利秋君  出席政府委員         大蔵政務次官  足立 篤郎君         大蔵事務官         (管財局長)  正示啓次郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (大臣官房財務         調査官)    市川  晃君         大蔵事務官         (管財局接収貴         金属監理官)  池中  弘君     ――――――――――――― 五月十七日  委員津香忠雄君、遠藤三郎君、奥村十郎君、  小西寅松君、正力松太郎君、高碕達之助竹内  俊吉君、内藤友明君、夏堀源三郎君及び松岡松  平君辞任につき、その補欠として前尾繁三郎君、  塚原俊郎君、中馬辰猪君、椎名脱一郎君、上林  山榮吉君、高橋禎二君、小平久雄君、島村一郎  君、三浦一雄君及び永山忠則君が議長の指名で  委員に選任された。     ――――――――――――― 五月十七日  租税特別措置法の一部を改正する法律案(平岡  忠次郎君外十三名提出衆法第四六号)  恩給法第十一条第一項等の金融機関を定める法  律案田畑金光君外四名提出参法第一一号)(予) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会審査申出の件  委員派遣承認申請に関する件  参考人出頭要求に関する件  接収貴金属等の処理に関する法律案内閣提出、第二十四回国会閣法第一四八号)  請 願   一 ビール税率引下げに関する請願(小金義    照君紹介)(第一四号)   二 同(福田赳夫紹介)(第八七号)   三 こと及び三弦に対する物品税軽減請願    (池田清志紹介)(第一五号)   四 鹿児島県の国民金融公庫資金増額に関す    る請願池田清志紹介)(第一六号)   五 揮発油税率引上げ反対に関する請願外一    件(池田清志紹介)(第一七号)   六 同(石山権作紹介)(第八五号)   七 同外一件(簡牛凡夫君紹介)(第八六    号)   八 国立たばこ試験易設置に関する請願(八    田貞義紹介)(第八二号)   九 燐寸に対する物品税撤廃に関する請願(    阿部正郎紹介)(第八三号)   一〇 機械漉和紙物品税課税反対請願外    五件(石山権作紹介)(第八四号)   一一 元満鉄社員会社に対する債権国家    補償に関する請願外五件(床次徳二君紹    介)(第一五一号)   一二 同(竹谷源太郎紹介)(第一五二    号)   一三 同(齋藤、憲三君紹介)(第一五三    号)   一四 引揚者在外財産補償に関する請願(    松平忠久紹介)(第一七〇号)   一五 生糸課税反対に関する請願松平忠久    君紹介)(一七一号)   一六 原糸課税及び繊維一般課税に関する請    願(田中彰治紹介)(第一七二号)   一七 揮発油税及び地方道路税引上げ反対    に関する請願山本猛夫紹介)(第一七    三号)   一八 機械漉和紙物品税課税反対請願(    西村直己紹介)(第一七四号)   一九 薪炭手当免税措置に関する請願鈴木    善幸君紹介)(第二三六号)   二〇 元満鉄社員会社に対する債権国家    補償に関する請願大高康紹介)(第二    三七号)   二一 同(池田清志紹介)(第二三八号)   二二 揮発油税及び地方道路税引上げ反対    に関する請願笹本一雄紹介)(第二三    九号)   二三 国家公務員等旅費に関する法律の一    部改正に関する請願田子一民紹介)(    第三〇一号)   二四 同(小澤佐重喜紹介)(第三〇二    号)   二五 天然果汁に対する物品税免除請願(    闘谷勝利紹介)(第三四七号)   二六 元満鉄社員会社に対する債権国家    補償に関する請願中馬辰猪紹介)(第    三四八号)   二七 揮発油税及び地方道路税引上げ反対    に関する請願外五件(長谷川四郎紹介)    (第三四九号)   二八 同(福井盛太紹介)(第三五〇号)   二九 同(藤枝泉介紹介)(第三五一号)   三〇 経営伝習農場土地建物無償払下げに    関する請願伊東岩男紹介)(第四〇八    号)   三一 信用保証協会に対する政府出資に関す    る請願愛知揆一君紹介)(第四五〇号)   三二 たばこ耕作反別規制撤廃等に関する    請願池田清志紹介)(第四五一号)   三三 こと及び三弦に対する物品税軽減の請    願(小西寅松紹介)(第四五三号)   三四 プロ野球入場税据置きに関する請願    (鈴木局次郎紹介)(第四五四号)   三五 在外資産補償問題解決促進に関する請    願(山中貞則紹介)(第四五五号)   三六 国民金融公庫資金増額に関する請願(    山中貞則紹介)(第四五六号)   三七 同(池田清志紹介)(第四五七号)   三八 元満鉄社員会社に対する債権国家    補償に関する請願外一件(足立篤郎君紹    介)(第四五八号)   三九 同外一件(池田清心紹介)(第四五    九号)   四〇 同外一件(田中龍夫紹介)    (第四六〇号)   四一 同(原捨思君紹介)(第四六一号)   四二 揮発油税及び軽油引取税引上げ反対に    関する請願外一件(池田溝志君紹介)(第    四六二号)   四三 揮発油税率引上げ反対に関する請願(    池田清志紹介)(第四六三号)   四四 同(鈴木周次郎紹介)(第四六四    号)   四五 揮発油税及び地方道路税引上げ反対    に関する請願鈴木周次郎紹介)(第四    六五号)   四六 国立たばこ試験場設置に関する請願(    粟山博紹介)(第四六六号)   四七 同(鈴木直人紹介)(第四六七号)   四八 元満鉄社員会社に対する債権国家    補償に関する請願外一件(池田清志君紹    介)(第五三八号)   四九 鉄びんに対する物品税免除に関する請    願外一件(黒金泰美紹介)(第五三九    号)   五〇 囲碁、将棋具に対する物品税引下げ等    に関する請願外一件黒金泰美紹介)(第    五四〇号)   五一 揮発油税及び地方道路税上げ反対に    関する請願外一件藤枝泉介紹介)(第五    四一号)   五二 国家公務員等旅費に関する法律の一    部改正に関する請願田中利勝紹介)(第    六〇六号)   五三 揮発油税率引上げ反対に関する請願(    池田清志紹介)(第六三二号)   五四 機械漉和紙物品税課税反対請願(    越智茂紹介)(第六三三号)   五五 国立たばこ試験場設置に関する請願(    山下春江紹介)(第六三四号)   五六 経営伝習農場土地建物無償払下げに    関する請願(片島港君紹介)(第六七四    号)   五七 引揚者在外財産補償に関する請願(    原茂紹介)(第七三二号)   五八 同(吉川久衛紹介)(第七三三号)   五九 生糸課税反対に関す請願吉川久衛君    紹介)(第七三四号)   六〇 機械漉和紙物品税課税反対請願(    堂森芳夫紹介)(第七三五号)   六一 揮発油税及び地方道路税引上げ反対    に関する請願足鹿覺紹介)(第七三六    号)   六二 同(栗原俊夫紹介)(第七三七号)   六三 ビール税率引下げに関する請願(今井    耕君外一名紹介)(第七三八号)   六四 同(小川半次君外一名紹介)(第七三    九号)   六五 同(小平久雄君外三名紹介)(第七四    〇号)   六六 同(田中龍夫紹介)(第七四一号)   六七 同(藤枝泉介紹介)(第七四二号)   六八 同(赤城宗徳君外一名紹介)(第八〇    四号)   六九 同(内田常雄紹介)(第八〇五号)   七〇 同(床次徳二紹介)(第八〇六    号)   七一 国家公務員等旅費に関する法律の一    部改正に関する請願北山愛郎紹介)(    第七九四号)   七二 元満鉄社員会社に対する債権国家    補償に関する請願愛知揆一君紹介)(第八    〇三号)   七三 揮発油税率引上げ反対に関する請願(    平田ヒデ紹介)(第八〇七号)   七四 揮発油税及び地方道路税引上げ、反    対等に関する請願外三件(小澤佐重喜君紹    介)(第八〇八号)   七五 囲碁用兵に対する物品税引下げ請願    (膚澤俊樹紹介)(第八九八号)   七六 ビール税率引下げに関する請願(中勘    茂喜君紹介)(第八九七号)   七七 同(平岡忠次郎紹介)(第八九八    号)   七八 同(神田大作紹介)(第九三一号)   七九 同(高村坂彦君紹介)(第九三二号)   八〇 揮発油税率引上げ反対に関する請願外    十一件(田中利勝紹介)(第八九九号)   八一 公共事業国庫補助金単価引上げに関す    る請願徳田與吉郎紹介)(第九六六    号)   八二 元満鉄社員会社に対する債権国家    補償に関する請願井手以誠君紹介)(第九    七九号)   八三 同(菊池養輔君紹介)(第九八〇    号)   八四 同外一件(佐々木更三君紹介)(第九    八一号)   八五 同(田原春次紹介)(第九八二号)   八六 同(愛知揆一君紹介)(第一〇一六    号)   八七 同(白浜仁吉紹介)(第一四七号)   八八 同(米田吉盛紹介)(第一四八号)   八九 貸金業金利引下げに関する請願(森    三樹二君紹介)(第九八三号)   九〇 揮発油税率引上げ反対に関する請願(    小澤佐重喜紹介)(第九八四号)   九一 同外二件(石山権作紹介)(第一〇    一七号)   九二 同(石山權作君紹介)(第一〇四五    号)   九三 揮発油税及び地方道路税引上げ反対    に関する請願小澤佐重喜紹介)(第九    八五号)   九四 ビール税率引下げに関する請願(薄田    朝君外二名紹介)第九九二号)   九五 同(丹羽兵助君外一名紹介)(第九九    三号)   九六 同(芳賀貢君外一名紹介)(第一〇一    九号)   九七 寒冷地帯農家所得税特別控除に関す    る請願山本猛夫紹介)(第一〇一五    号)   九八 揮発油税及び軽油引取税引上げ反対に    関する請願石山權作君紹介)(第一〇一    八号)   九九 災害地における指定防火帯耐火建築    に対する登録税免除請願櫻井奎夫君紹    介)(第一〇四九号)   一〇〇 租税特別措置法第七条の十及び十一    存置に関する請願池田清志紹介)(第    一一〇一号)   一〇一 永年継続積立貯金に対する相続税及    び所得税免除に関する請願大野市郎君    紹介)(第一一〇二号)   一〇二 こと及び三弦に対する物品税軽減の    請願春日一半紹介)(第一一〇三号)   一〇三 元満鉄社員会社に対する債権の国    家補償に関する請願小林錡君紹介)(第    一一〇四号)   一〇四 同外一件(大坪保雄紹介)(第二    八四号)   一〇五 噸税法廃止に関する請願大矢省三    君紹介)(第一一七五号)   一〇六 揮発油税率引上げ反対に関する請願    (石山權作君紹介)(第一一八〇号)   一〇七 同(五島虎雄紹介)(第一一八一    号)   一〇八 同(門司亮紹介)(第一一八二    号)   一〇九 同(山口丈太郎紹介)(第一一八    三号)   一一〇 国家公務員等旅費に関する法律の    一部改正に関する請願下川儀太郎君紹    介)(第一一八五号)   一一一 政府払下げ財産返還補償促進に関す    る請願勝間田清一紹介)(第一二一三    号)   一一二 ビール税率引下げに関する請願(小    坂善太郎紹介)(第一二一四号)   一二二 揮発油税率引上げ反対に    関する請願井岡大治紹介)(第一二一    五号)   一一四 同(北山愛郎紹介)(第一二一六    号)   一一五 同(佐藤觀次郎紹介)(第一二一    七号)   一一六 薪炭手当免税措置に関する請願(田    子一民紹介)(第一二八五号)   一一七 揮発油税及び軽油引取税引上げ反対    に関する請願西村彰一紹介)(第一二    八六号)   一一八 こと及び三弦に対する物品税軽減の    請願高橋等紹介)(第一三六四号)   一一九 揮発油税率引上げ反対に関する請願    (川村継義紹介)(第一四一五号)   一二〇 同(中井徳次郎紹介)(第一四一    六号)   一二一 日本銀行盛岡事務所昇格に関する請    願(山本猛夫紹介)第一七四八号)   一二二 資産評価税免除に関する請願外    一件(阿左美廣治紹介)(第一八八一    号)   一二三 引揚者在外財産補償に関する請願    (下平正一紹介)(第一八八三号)   一二四 生糸課税反対に関する請願下平正    一君紹介)(第一八八四号)   一二五 在外資産補償問題解決促進に関する    請願堤康次郎紹介)(第一八八五号)   一二六 鹿屋市に国民金融公庫支所設置に関    する請願(三階堂進紹介)(第一八八六    号)   一二七 所得税基礎控除額引上げ等に漢す    る請願横山利秋紹介)(第一八八七    号)   一二八 公認会計士法の一部改正に関する請    願(藤枝泉介紹介)(第二〇一〇号)   一二九 国家公務員等旅費に関する法律の    一部改正に関する請願矢尾喜三郎君紹    介)(第二〇七二号)   一三〇 同(久野忠治紹介)(第二一一四    号)   一三一 仙台市に葉たばこ乾燥場設置に関    する請願愛知揆一君紹介)(第二〇七四    号)   一三二 国鉄職員国家公務員等退職手当暫    定措置法適用除外に関する請願森本靖君    紹介)(第二一三八号)   一三三 元満鉄社員会社に対する債権の国    家補償に関する請願有馬英治紹介)(第    二一五〇号)   一三四 国家公務員等旅費に関する法律の    一部改正に関する請願有馬輝武岩紹介)    (第二一九二号)   一三五 同(矢尾喜三郎紹介)(第二一九    三号)   一三六 百円硬貨鋳造企画中止等に関する請    願(小枝一雄紹介)(第二三〇六号)   一三七 元満鉄社員会社に対する債権の国    家補償に関する請願永山忠則紹介)(    第二三七〇号)   一三八 どぶろく密造防止対策に関する請願    (八田貞義紹介)(第二三七一号)   一三九 同(平田ヒデ紹介)(第二三九一    号)   一四〇 姫路港開港指定に関する請願外一件    (堀川恭平紹介)(第二三三六号)   一四一 国家公務員共済組合及び公共企業体    共済組合に関する特例制定に関する請願(    高瀬博紹介)(第二四六九号)   一四二同外一件(稲永一臣紹介)(第二五    一一号)   一四三 元満鉄社員会社に対する債権の国    家補償に関する請願外一件(有馬輝武君紹    介)(第二四七〇号)   一四四 演劇入場税減免に関する請願有馬    輝武紹介)(第二五〇五号)   一四五 揮発油税率引上げ反対に関する請願    外一件(有馬輝武紹介)(第二五一二    号)   一四六 燐寸に対する物品税撤廃に関する請    願(有馬輝武紹介)第二五一三号)   一四七 機械漉和紙物品税課税反対請願    外三件(有馬輝武紹介)(第二五一四    号)   一四八 前原町の旧鉄道連隊用地払下げに関    する請願臼井莊一君紹介)(第二五四七    号)   一四九 国民金融公庫法による事業資金貸付    の在日朝鮮人適用等に関する請願藤枝    泉介紹介)(第二五八七号)   一五〇 物品税撤廃に関する請願一(小山長    規君外五名紹介)(第二六二八号)   一五一 所得税法改正に関する請願原健    三郎紹介)(第二六五〇号)   一五二 国家公務員等旅費に関する法律の    一部改正に関する請願外一件(八木一郎君    紹介)(第二六五三号)   一五三 酒、たばこ及び砂糖の二重価格制実    施に関する請願原健三郎紹介)(第二    六五四号)   一五四 農業所得税適正化等に関する請願    外十件(栗原俊夫紹介)(第二六八二    号)   一五五 化粧品物品税減免に関する請願(    小山長規紹介)(第二六八三号)   一五六 乳製品用砂糖消費税免税措置存続に    関する請願外一件(田中武夫紹介)(第    二六八四号)   一五七 前原町の旧鉄道連隊用地払下げに関    する請願吉川兼光紹介)(第二七二九    号)   一五八 公益法人収益事業範囲拡張に目す    る請願野原覧紹介)(第二七三〇号)   一五九 大船渡港開港指定に関する請願(鈴    木善幸紹介)(第二七四六号)   一六〇 ラジオ小売店組立ラジオに対する    組立課税撤廃に関する請願荒舩清十郎君    紹介)(第二八一八号)   一六一 冷蔵器物品税撤廃に関する請願(    荒舩清十郎紹介)(第二八一九号)   一六二 乳製品用砂糖消費税免税措置存続に    関する請願加藤清二紹介)(第二八二    〇号)   一六三 国家公務員共済組合及び公共企業体    共済組合に関する特例制定に関する請願(    高岡大輔君紹介)(第二八二一号)   一六四 運動具に対する物品税撤廃に関する    請願櫻内義雄紹介)(第二八五二号)   一六五 同(内藤友明紹介)(第二八六三    号)   一六六 国家公務員等退職手当暫定措置法施    行令の一部を改正する政令の改正に関する    請願今井耕紹介)(第二八八二号)   一六七 運動三八に対する物品税撤廃に関す    る請願古川丈吉紹介)(第二九六〇    号)   一六八 相互銀行法の一部改正に関する請願    (川崎末五郎君紹介)第三〇五〇号)   一六九 鹿屋市に国民金融公庫支所設置に関    する請願二階堂進紹介)(第三〇五一    号)   一七〇同(二階堂進紹介)(第三一〇九    号)   一七一 国家公務員共済組合及び公共企業体    共済組合に関する特例制定に関する請願(    石村英雄紹介)(第三〇八七号)   一七二 特許権譲渡及び分権に対する課税撤    廃に関する訓願(黒金泰美紹介)(第三    〇七九号)   一七三 同(松岡駒吉紹介)(第一一二四    七号)   一七四 同(池田清志紹介)(第三一六六    号)   一七五 相互銀行法の一部改正に関する請願    (内藤友明紹介)第三一六七号)   一七六 不渡防止対策等に関する請願(河野    密君紹介)(第三一六八号)   一七七 国有地無償払下げに関す    る請願徳田與吉郎紹介)(第三一六九    号)   一七八 共同募金に対する法人の寄付金を課    税対象より除外の請願野澤溝人君紹介)    (第三一七〇号)   一七九 同(田子一民紹介)(第三二二一    号)   一八〇 中小企業に対する資産評価税減免    に関する請願徳田與吉郎紹介)(第三    一九九号)   一八一 海外移住者財産譲渡所得に対する    課税免除特別措置に関する請願(小枝一    雄君紹介)(第三二二〇号)   一八二 たばこ耕作面積確保等に関する請願    (星島二郎紹介)(第三二三三号)   一八三 たばこ耕作に関する請願外十四件(    今村等紹介)(第三二五五号)   一八四 同(今村等紹介)(第三二五六    号)   一八五 同(今村等紹介)(第三二五七    号)   一八六 同(今村等紹介)(第三二五八    号)   一八七 入場税減免に関する請願春日一幸    君紹介)(第三二五九号)   一八八 元外地公務員在職期間通算に関す    る請願森本靖紹介)(第三一五六号)   一八九 建物及び土地の所有権に関する請願    (島上善五郎紹介)(第二〇七五号)
  2. 山本幸一

    山本委員長 これより会議を開きます。  閉会審査申し出の件についてお諮りをいたします。御承知の通り委員会は特に議院の会議で付託された案件についてのみ閉会中も審査ができることになっておりますので、当委員会におきましては、次の案件について閉会中も審査ができ得るように議長に対し申し出をいたしておきたいと存じます。すなわち預金保障基金法案金融機関経営保全等のための特別措置に関する法律案物品税法を廃止する法律案酒税法の一部を改正する法律案補助金等に係る予算執行適正化に関する法律の一部を改正する法律案社会福祉事業等の施設に関する措置法案租税特別措置法の一部を改正する法律案財政法の一部を改正する法律案国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案会計法の一部を改正する法律案外資に関する法律の一部を改正する法律案銀行法の一部を改正する法律案税制に関する件、金融に関する件、外国為林に関する件、国有財産に関する件、専売事業に関する件、印刷事業に関する件、造幣事業に関する件、補助金等に係る予算執行適正化に関する件、以上の通りであります。これに御  異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  なお申請書の作成、提出手続等につきましては、委員長に御一任願っておきます。     ―――――――――――――
  4. 山本幸一

    山本委員長 次に、閉会中における小委員会存続並びに委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。ただいま御決定を願いました閉会審査申し出の件が正式に当委員会に付託になりました際には、今会期中において設置いたしました税制に関する小委員会金融に関する小委員会国有財産に関する小委員会及び専売事業に関する小委員会は、閉会中もなお存続せしめ、各小委員及び小委員長は従前通りとして、それぞれ調査を進めることにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  なお、この場合の小委員並びに小委員長の補欠選任につきましては、会期中と同様に、適宜委員長より御指名することに御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     ―――――――――――――
  7. 山本幸一

    山本委員長 また閉会中におきまして必要がありましたならば、各地に委員を派遣して実地に実情を調査いたしたいと存じますので、議長に対し承認方を申請いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  なお派遣委員の選定、期間、派遣地等並びに申請書の作成、提出手続等につきましては、すべて委長長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     ―――――――――――――
  10. 山本幸一

    山本委員長 この際お諮りいたします。国有財産に関する件について、古川委員より、明十八日の委員会に、参考人の出頭を求めて意見を聴取いたしたいとの要求がありますが、さよう取り計らうに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。なお参考人の氏名につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     ―――――――――――――
  13. 山本幸一

    山本委員長 これより請願審査に入ります。今会期中当委員会に付託されました請願は、本日の請願日程にあります通り百八十九件であります。この際、本日の請願日程全部を議題といたします。  お諮りいたします。これら各請願の趣旨は、すでに配付せられておりまする文書表により御承知のことと存じますので、紹介議員の説明並びに政府の意見聴取を省略し、直ちにその採否を決定いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  これより採否の決定をいたします。先ほどの理事会で決定いたしました通り、本日の請願日程中、日程第一ないし第四、第八ないし第一〇、第一五、第一六、第一八、第二三ないし第二五、第三二ないし第三四、第三六、第三七、第四六、第四七、第四九、第五〇、第五二、第五四、第五五、第五九、第六〇、第六主ないし第七一、第七五ないし第七九、第八一、第八九、第九四ないし第九七、第九九、第一〇〇、第一〇二、第一一〇ないし第一一二、第一一八、第一二一、第一二四第一二六、第一二七、第一二九ないし第一三一、第一三四、第一三五、第一三八ないし第一四〇、第一四六ないし第一五二、第一五四ないし第一五七、第一六〇ないし第一六二、第一六四、第一六五、第一六七、第一六九、第一七〇、第一七二ないし第一七四、第一七六、第一七八、第一七九、第一八一ないし第一八七及び第一八九の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、日程第一六六、第一六八、第一七五及び第一八八の各請願はいずれも不採択とすべきものとし、日程第五ないし第七、第一四、第一七、第二二、第二七ないし第三一、第三五、第四二ないし第四五、第五一、第五三、第五六ないし節五八、第六一、第六二、第七三、第七四、第八〇、第九〇ないし第九三、第九八、第一〇五ないし第一〇九、第一一三ないし第一一五、第一一七、第一一九、第一二〇、第一二二、第一二三、第一二五、第一三六、第一四四、第一四五、第一五八及び第一八〇の各請願につきましては、いずれも議決を要しないものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  この際お諮りをいたします。  ただいま議決いたしました各請願の報告書の作成、提出手続等につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異蔵ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     ―――――――――――――
  17. 山本幸一

    山本委員長 なおこの際御報告をいたします。  今会期中当委員会に参考送付されました陳情書は、ただいまお手元にその件名を印刷配付いたしました通り、全部で百三十八件でありますので、御報告をいたしておきます。  以上であります。     ―――――――――――――
  18. 山本幸一

    山本委員長 次に接収貴金属等の処理に関する法律案を議題といたします。  この際御報告をいたします。本法律案に対し、小山長短君外二十五名提出の修正案及び平岡忠次郎君外土三名提出の修正案が、それぞれ提出されておりますので、これを印刷してお手元に配付いたしておきましたが、これより両修正案について、それぞれ提出者より趣旨の説明を聴取いたします。小山長矩君。     ―――――――――――――   接収貴金属等の処理に関する法律案に対する修正案  接収貴金属等の処理に関する法律案の一部を次のように修正する。  附則第七項のうち、第十一条の改正に関する部分中第十五号を第十六号とし、第十四号を第十五号とし、「第十四号及び第十五号」を「第十五号及び第十六号」に改め、第十七条第一項の表の改正に関する部分中「(昭和三十一年法律第   号)」を「(昭和三十二年法律第   号)」に改める。     ―――――――――――――
  19. 小山長規

    小山(長)委員 修正の案文につきましては、配付されておりますので、朗読を省略いたします。  提案の理由を申し上げますと、国有財産特殊整理資金特別会計法という法律が先般国会を通過いたしたのでありますが、御承知のように、接収貴金属等の処理に関する法律案は、前々国会よりの継続審議になっておりましたために、このあとから出た法律案が先に通った関係で、ただいまお手元に配付してあるようなふうに、この項をずらす必要が生じたわけであります。  もう一つは、第十七条第一項の表の改正に関する部分中に、「(昭和三十一年法律第   号」とありますのを、これもまた継続審議をする関係上、今回これを「(昭和三十二年法律第号)」に改める必要が生じたからであります。  以上が修正案の提案の理由であります。
  20. 山本幸一

    山本委員長 引き続いて平岡君からの趣旨の説明を聴取いたします。平岡忠次郎君。
  21. 平岡忠次郎

    平岡委員 ただいま議題となりました接収貴金属等の処理に関する法律案に対する修正案について、趣旨弁明をいたします。案文につきましては、お手元に配付いたしましたので、朗読は省略いたします。提案の趣旨は、約七百三十億円に上る日銀地下倉庫に眠る接収貴金属等をこの際すみやかに活用すべき点については、われわれも異議のないところでありますが、政府原案の力点は、いずれかというに返還中心に置かれているのに対しまして、われわれは、国民感情を尊重し、その大部分を国庫に帰属せしむべしとする立場に立ち、かつこれが売払代価をもって基金を設定し、社会保障、科学その他学術の振興等に充てようとするものであります。  次に、修正のおもなる点を御説明いたしますと、第一に、不特定の場合の請求の棄却を規定いたしました。  第二は、返還を受ける者の国に対する納付金を百分の八十と、大幅に引き上げることといたしました。  最後に、第三点といたしましては、国に帰属せしめた貴金属等の売払代金をもって基金を設定し、その果実により、社会保障、科学その他学術の振興等に恒常的に寄与せしめようと、その用途指定の規定を設けたことであります。  以上が、本修正案の趣旨並びに内容の概略であります。何とぞ御賛成あらんことを願います。
  22. 山本幸一

    山本委員長 これにて両修正案の説明は終りました。  これより原案及び両修正場案について、一括質疑を続行いたします。横山利秋君。
  23. 横山利秋

    横山委員 きのうの晩、正示さんに、接収前後をめぐり、行政監察委員会におきまして疑惑の生じた点について、その後の実情を調べてもらいたいとお願いしておきましたが、その結果をまず御報告願います。
  24. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 それでは、昨晩横山委員から御質問のありました点につきまして、お答え申し上げます。  まず第一に、昭和二十八年二月、第十五国会行政監察特別委員会で御質疑のありました、お下げ渡しダイヤモンドの点であります。当時証人として喚問せられました、宇佐美現宮内庁長官に確かめたのでございますが、行政監察特別委員会でこのことが問題となりました当時におきまして、当時この事務を担当いたしました宮内省小林属は、すでに死亡していたのでありますし、また宮内省の当時の最高事務責任者でありました白根次官も、すでに退官をいたしておったのであります。本件は宮内省時代の問題でございまして、その後宮中、府中を厳格に区別する等の機構改革がございまして、現在宮内庁といたしましては、国の事務だけを処理する機関となっております等の関係から、宮内庁におきましては、別段の処分を行なっていないというのが実情でございます。  第二に、中央物資活用協会の貴金属等疎開の点について御説明いたします。昭和二十七年六月、大蔵委員会に証人として喚問せられました、現衆議院議員青木正氏に事情を照会いたしましたところ、本件は、終戦当時中央物資活用協会の金、白金及びダイヤモンドを安全に保管するために疎開したのでございますが、その後連合国占領軍に接収せられたものでございます。接収せられました数量は、接収貴金属等の数量等の報告に関する法律、昭和二十七年法律第二百九十八号に塞ぎまして、中央物資活用協会が報告しておる通りでございます。  第三に、接収貴金属等の解除を受けました以後における大蔵省の管理について申し上げます。日本政府が連合国占領軍から接収貴金属等の引き渡しを受けた以後における大蔵省の管理につきましては、何らの不正もないものと確信をしているのでございますが、念のために、理財局におきます管理状況について、当時の担当官に確かめましたところ、管理は厳正に行われておりまして、何らの不正はなかったということでございます。  また、大蔵省から日本銀行に十一名の派遣係官名簿を送付しておきながら、日本銀行で捺印をしている者は六名だけであったという件につきましては、大蔵省の長期計画として、十一名の名簿を日本銀行に送付したのでありますが、問題となりました当日、現実に日本銀行の金庫に入庫した者は六名であったという事情でございました。  以上、お答えを申し上げます。
  25. 横山利秋

    横山委員 私は前段としてあなたにお願いをしておいたことは、行政監察委員会が、疑惑を持って指摘をした問題について、その結果をすべて報告してもらいたいということであったのでありますが、私の賛同をした点のみの御回答がありました。まず第一に、このお下げ渡しの大粒のダイヤ五個の問題については、行政監察委員会はこういうふうに締めくくっておるのです。「御下渡の大粒ダイヤ五個が、宮内省の金庫のなかで紛失してしまったことを徹底的に捜査していないこと。また終戦直後、東京第一陸軍造兵廠が隠匿のために持参したと想像し得る多量のダイヤ、白金などを大金次官の独存で一年以上も預っていたことなどは、皇室の思召と宮内官の在り方にもどるものであって、宮内当局の責任は看過し難いところである。」この指摘がありましてから、今のあなたのお話を聞きますと、当時の担当者はすでに死んでおったし、その後白根次官も退官しておる、機構改革もあったから、これは宮内庁としてやる仕事ではない、従って別段の処分も行なっていない状況にあるという話です。これでは、何のために行政監察委員会が指摘をしたか、どうも話がおかしくなると思うのです。国会が指摘をいたしました点については、政府の何かの機関があり、政府の責任においてこれを調査をし、その処分を明らかにする必要があったのではないか。あなたは今管財局長として、宮内庁の話を聞いたら、別段処分も行なっていない状況にあるということで、それを御報告なさったけれども、足立さんにお伺いをいたしますが、この問題については、行政監察委員会の事務局の職員が、大阪の心斉橋においてその現品を発見をした、従って、こりお下げ渡しの大粒のダイヤ五個は、宮内省の保管中に紛失をして、だれかが売り払って、大阪の心斎橋で発見をされた、そうしてそれがまた消えてなくなったという犯罪事実が、牢固として存在しておるのであります。その犯罪事実を知っておりながら、その後別段の処分も行なっていない状況で、死んでしまったからわからないではこれは済まないと思うのでありますが、足立さんの御意見をお伺いしたい。
  26. 足立篤郎

    足立政府委員 私も、具体的な経過につきましてはよく存じませんので、的確なお答えを申し上げることができないことは、まことに遺憾に思います。横山委員御指摘のようなうわさは、私どもも、国会におきましてちらほら耳に入ったことがあるわけでございますが、これは、昨日もお答え申し上げた通り、絶対の権力を持っておった占領軍の接収中に起った間違いではないかというふうに想像いたしておるのでございます。しかしながら、これは昨日来正示管財局長からも申し上げております通り、いかんせん、日本政府としては全然手の届かなかった時代の、その空白の期間中のできごとではないか。従いまして、政府としては、先ほど管財局長からお答え申し上げた通り、決して国会の御意思をないがしろにして手をこまねいておったというわけではございません。いかんせん、手の届かない時代のことでございまして、今日におきましては、実は調べようがないというのが実相ではないかというふうに、私としては考えておる次第でございます。
  27. 山田長司

    ○山田委員 関連いたしまして伺いたいと思うのです。私は当時行政監察委員といたしまして、この取調べの衝に当ったものでありますが、ただいまの次官の答弁ではどうしても満足できないのです。それはどうしてかといいますと、当時の軍に所属いたしました森賢という中佐を行政監察委員会へ呼びまして、それで森賢という証人から伺ったことによりますと、宮内省に持っていった当時の目方というものはかなりの目方のものです。それで行監で当時大金次官を証人として喚問いたしたのでありますが、何としても大金次官は、病気を理由にして国会に出てこなかったのです。ここに問題があるのです。この点その後大金次官の取調べをいかようにいたしたか、大蔵当局に一応伺いたいと思うのです。
  28. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 お答えを申し上げます。先ほど現宮内庁長官の宇佐美氏から確かめましてお答えを申し上げました通り、これは宮内省当時の問題でございまして、もとより処分はしていないということでございますが、宮内庁当局といたしましては、当時の行政監察委員会のいろいろの取調べに対しまして、できる限りその後実情を調べたことは事実であります。しかしながら、先ほども宇佐美長官からの言といたしましてお伝えを申し上げました通り、関係者は、すでに面接の責任者は死亡をいたしておりまして、また宮内省当時の旧取高事務責任者は退官をいたしておるというようなことでございまして、これは結局処分をしていないというのが実情であります。  なお、言つけ加えて申し上げますが、大阪心斎橋云々というお話は、昨日も横山委員にお答えを申し上げました通り、行政監察委員会の事務の方がこれを発見されたということでございましたので、政府といたしましては、直ちに大阪警視庁において取調べをさしたわけでありますが、これまたそのときは、すでに現物はなくなっていたということにおきまして、その現物が、果してそれが宮内庁の持っておったものであったかどうかということについて確定をしていないという実情でございます。
  29. 山田長司

    ○山田委員 そうしますと、当時の大金次官、大蔵当局ではどういう取り調べをしたのですか。とにかく森賢という当時陸軍の中佐を行政監察委員会で朝から夕刻に至るまで調べて、その結果絶対に間違いないと証言しているのです。大金次官は、その後一度も行監として取調べをする機会に接しなかったのですが、大蔵当局でこの調べは全然しなかったのですか、したのですか。
  30. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 山田委員は、昨日おいでをいただかなかったのでございますが、大蔵省が直接この管理をいたしておりますのは、接収をせられましたダイヤでございまして、それ以外のダイヤモンド等につきましては、何らの権限もございません。遺憾ながら、宮内省の問題につきまして、大蔵省といたしましては取調べをする立場になかったということを昨日もお答え申し上げました。  なおただいまも御指摘のございました大金元宮内次官の問題は、これは私どもの方で接収ダイヤモンドといたしまして調べました結果、大体それに該当するものが、今接収中のものであるということを確認いたしております。
  31. 横山利秋

    横山委員 私がきのうから言っております点は、やはります第一に疑惑を解かなければいかぬ。その中の第一点として、とにかく政府部内における責任の所在を明らかにする、これが一つの点であります。行政監察委員会が政府部内の責任問題として言っていますのは、たとえば「買上げについては、関係官庁、交易営団、中央物資活用協会のいずれもが、記録を焼却、焼失、散逸したといい、従ってその真否を質す方法がないが。少なくとも今日の眼より見れば、鑑定、保管、運輸導において、相当慎重さを欠き特に空襲時や桐生疎開先にての取扱には、遺憾の点が多いことを認め得るが故に、戦争中においては国民の誰もが犠牲的精神で、己を捨てて仕事をしたものとは考えらるるものの、不正を働かんとする非国民があったとしたら、容易に私腹を肥し得る余地が全然なかったとは言い切れない。故に終戦直後の混乱時に、これを隠匿、或は横領したものがあるやの疑いは、相当濃厚であり、殊に陸海軍関係のダイヤが市井に横流した事実は明かであるから、これが捜査を検察当局に依頼すべきであると考える。」これが第一点であります。それから第二番目は「接収解除によって返還せられてからの大蔵省の取扱について、国有財産であるいわゆるじゅっ兵品を無償で旧交易営団に引き渡したこと、解除ダイヤの再鑑定にあたり鑑定人の選定が適当でなかったこと、きわめて低廉な評価をしていることなどは、適正な行政措置とは言い難い。又国会に対する報告中原簿よりその一部を削除したことは重大な問題で、これに対しては告発すべきであるという強い意見もある。」第三に「御下渡の大粒ダイヤ五個が、宮内省の金庫のなかで紛失してしまったことを徹底的に捜査していないこと。また終戦直後、東京第一陸軍造兵廠が隠匿のために持参したと想像し得る多量のダイヤ、白金などを大金次官の独存で一年以上も預っていたことなどは、皇室の思召と宮内官の在り方にもどるものであって、宮内当局の責任は看過し難いところである。」そのほかいろいろな問題がありますが、結論の中ですぐ目に当るところをひろってみましても、この三点は政府として行政監察委員会の結論に基いて、何らかの措置があったはずだと私は言っているのです。この当然なすべき義務と責任を政府は遂行したかいなかということが私の聞きたい焦点になっている。それをあなたは、私は管財局長です、従って私の管轄範囲のことだけお答えをいたします。あとは知りませんとはいわぬけれども、お答えする能力を持ちませんといいますか、そういうことでは困りますときのうも言っておいたのですから、この辺足立さんも、もう十分お話を聞かれたと思うのであります。政府として行政監察委員会が指摘したこの三点について、いかなる措置をとったか、お伺いしたいと思います。
  32. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 昨日の委員会におきまして御注意をいただきました点につきましては、時間の許します限り取調べをいたしまして、先ほどお答え申し上げたのであります。この行政監察委員会がおとりまとめになりました御報告の趣旨につきましては、先ほども山田委員にお答え申し上げました通り、当時の関係者といたしまして、最善を尽したというふうにわれわれは報告を受けております。問題はその結果の処分等でございますが、これらにつきましては、先ほどお答え申し上げた通りでございます。この刑事告発等を行うべきであるというような御意見につきましては、一部は、すでに御承知のように、刑事事件にもなったのでありますが、その結果は、昨日もお答え申し上げましたように、証拠不十分等のために起訴にならなかったようなケースがございます。なおまた大蔵省の鑑定等につきましてでございますが、これは昨日もお答え申し上げましたので重複を避けますが、ダイヤモンドの鑑定をなし得る能力のある方は、非常に限られておるというふうな関係から、さような疑惑がありたようでございますが、しかしながらこの点につきましては、われわれといたしまして、少くともただいま接収をせられておりますところのダイヤの処分につきましては、さような御意見をさらによく参考といたしまして、万全を期して参りたいと考えております。なお最後に恤兵品等で交易営団に一たん返還せられる手続のありましたものにつきましては、行政監察委員会の御意見通りに、これを国に回収をいたしておることは、昨日もお答え申し上げた通りであります。
  33. 横山利秋

    横山委員 答えがきわめて不明瞭でありますが、第一点の捜査を検察当局に依頼したかしなかったか、これをまずお伺いします。
  34. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 一部は、刑事事件になって不起訴になったということにつきましては、昨日お答え申し上げた通りであります。
  35. 山田長司

    ○山田委員 昨日私出なかったので、よく昨日のことの究明ができないので残念でございますが、刑事事件になった中に、マレーというアメリカの大佐がポケットへ入れて盗んでいったという事件は承知しているのですが、今あなたの言われる刑事事件というのは、どういうのですか。
  36. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 マレー大佐事件のほかに、御承知のように、日本の軍人がドイツから持って帰ったと称しました問題につきまして、警視庁当局においてお調べを受けたのであります。
  37. 山田長司

    ○山田委員 それはだれです。
  38. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 佐竹何がしと申します。
  39. 山田長司

    ○山田委員 今のはとにかく不明確ですが、大蔵省の今度の接収貴金属返還見込み調べによりますと、七百三十億という金額を発表しています。私たちが四、五年前に行監で調べたときに――ちょうどここに当時の塚原委員長もおりますが、当時大蔵当局で発表した金額と現在の七百三十億とははるかに金額に相違がある。当時は千二百九十七億の見込だった。この開きはどこに原因があるのです。
  40. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 これは、数字のことでございますから正確に申し上げますが、第一に、評価の点が違っておるという点でございます。私どもが今回作成をいたしました資料におきましては、戦時中の単価並びに今日評価をいたしております単価を明白に示しておりますが、当時お出しをいたしました資料におきましては、それらの点につきまして、単価の見方が違っておったということが第一であります。なお、第二といたしましては、報告等の数字をそのまま集計をいたしておったような点がありまして、これらの点につきましては、今回お出しをしております資料におきましては、それらの重複部分は一切整理をいたしておるということを申し上げなければならぬと思います。これらにつきましては、なお詳しく数字によって御説明いたしたいと思います。
  41. 山田長司

    ○山田委員 あなた方の言われるグラムとキロの差における金額は、いずれこれは突き合せればわかることですからそれでいいとして、なぜ前回の報告書と違って、今度の報告書の中に合金を落しておるのですか。合金の金額は三十二億十五万円になっておりますが、何のためにごの報告書の中に落してあるのですか。
  42. 市川晃

    ○市川説明員 今回提出いたしましたものは、ごらんの通り、金、銀、白金というふうに分類いたしております。たとえば銀一つを例にいたしましても、それぞれ八〇%、九〇%というふうに純分の異なるものがございますし、また金塊、銀塊というかたまりになっているものと、昔の通貨の形をとっているものとございます。それらをすべて純量によりまして、できるだけ分数を師弟にいたしまして整理いたしましたのがこれでございます。御指摘になりました合金につきましては、これを分析いたしますと、金、銀、白金、その他白金族と称する若干のものに分類できますので、それらを分類いたしまして、金の部分は金全体の中に包含せしめる、こういうような数字的な処理をいたしまして、合金をそれぞれの金、銀、白金、白金族に分類いたしまして、総体の数字を今ごらんのものの中に織り込んで提出しておる次第でございます。
  43. 山田長司

    ○山田委員 どうも不明確なんですが、白金族というのはどういうのですか。
  44. 市川晃

    ○市川説明員 白金族と申しますのは、パラジウムとか、イリドスミンとか、非常に変りた種類のものでございます。
  45. 山田長司

    ○山田委員 まずこの点の疑惑がまだ一つあるということを申し上げておきます。  次に伺いたいことは、つじつまを合せるために、買い上げ数量を少くしたり、接収量を多くせんとした傾向が当時あったのです。それで、工業用のものと見せかけてもよいもの等で不明確なものがあった、その名古屋における買い上げ数量の疑義です。私は、この点が刑事問題として告発してお調べをいただきたいと思った一つなんですが、名古屋における買い上げ数量を清算人は十万百六十三カラット三十一と報告しております。しかるに清算人が法律に基いて大蔵省に報告した数量というものは十万三百四十八カラット三十六とあります。それだから当時の行政監察委員会に報告した数量は百八十五カラット五、こういう差があるのです。しかもこの分は、二十年の十月十八日に東京における三井銀行の魔法びんの中で接収したと当時報告しておるのです。しかるに清算人は、二十一年二月十五日に、名古屋の帝銀より三千四百十七カラット七十八を接収されたと大蔵省に対し、それから当時の行政監察委員会に対し報告しておる。しからば名古屋における買い上げ数量十万百六十三カラット三十一を超過すること、一千六百二カラット八十三となる、この数字は、買い上げ数量の報告に間違いがあるのか、接収数量に間違いがあるのか、それとも他から名古屋の帝銀に移動してきたものか、清算人自体がこれは調べてくれと戒告してきておるのです。この点、大蔵当局はどういうような方法でこれを明確化したかということなんです。
  46. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 先ほど申し上げましたように、大蔵省の権限といたしまして取調べのできましたのは、接収を受けました数量につきまして、接収目録と現品との突き合せをいたしました。その結果、われわれといたしましては、先ほど来お答えを申し上げます通りに、現品と目録との照合は大体において完了いたしておる、またその間大きな狂いはない。この点につきましては、大蔵省といたしましては、全責任をもって処理をいたしたわけであります。そのほかに元軍需省の監督下にありました機関等につきまして、接収を受ける前の問題等につきましては、これは大蔵省の権限外の問題でございますので、御意見のように、行政監察委員会におきましてはその問題が取り上げられまして、先ほど横山委員からも御指摘のように、要するに、検察当局の活動に依頼すべきであるというふうな御意見のあったことも記録に明らかなところでありますが、これは、それぞれの責任者におきまして、行政監察委員会の御議論を十分尊重いたしまして、最善を尽しましたということでございます。
  47. 横山利秋

    横山委員 今話が出た三井信託からの、タイヤ十万六千五百三十三カラット、これはどういうことなんですか。この領収書をアメリカ軍が渡さずして持っていったというのです。そうすると、この三井信託から九つの魔法びんに入れてあったと称しておるこのダイヤモンドは、一体この法律案でいきますとだれの所有になるのですか。
  48. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 交易営団のことを御指摘でございますが、交易営団におきましては、当時保管をいたしておりましたものが接収を受けて、今回の法律案におきましては、これらのものは第二十条によりまして国に帰属させることにいたしております。
  49. 横山利秋

    横山委員 それでは、先ほどの質問の中心に戻りますが、政府が行政監察委員会に指摘をされた点について、あなたの方の先ほどの答弁からすると、第一の捜査を検察当局に依頼すべきであると考える、この処置については、結果として検察当局がこれを摘発し処分をしたことはない、こういう結果になるわけでありますが、間違いはないか。それから第二番目に、国有財産の大蔵省の取扱いについては、適正な行政処置とは言いがたい、また国会における報告中一部を削除したことは重大で、告発すべきであるという意見についての措置はしなかった。第三番目に、宮内庁当局の責任は看過しがたいところである、この点についても措置をしなかった。以上総合して、このいろいろな疑惑の中で、処分を受けたのはアメリカ人であるマレー大佐一人である、こういうことになると思うのでありますが、いかがでありますか。
  50. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 ただいまの横山委員の御指摘については、行政監察委員員会におきまして喚問を受けました幾多の証人について調査した行政監察委員会としての御要請について、どういうことをしたかという点、たとえば検察当局に拙査を依頼すべきであるというふうな点について、何もしなかったのかという点が第一でありますが、これは先ほども申し上げましたように、それぞれの責任の省庁におきまして最善を尽してやりましたということをお答えしたわけです。大蔵省が全部をやる立場にはなかったということを繰り返して申し上げます。  それから第二といたしまして、大蔵省における問題につきましての御指摘でございますが、この点につきましても、お答えを申し上げました通り、取調べをいたしました結果、さような必要を認めずしてこれを処分をしていない、こういうことであります。  第三の問題といたしまして、国有財産の問題でございますが、これらにつきましては、冒頭お答え申し上げましたように、相当注意を払っておりまして、なお御指摘等がございましたので、一そうそれらの点について疑惑を受けないように、さらに注意をいたして参った、こういうことになるわけでございます。
  51. 横山利秋

    横山委員 あなたの答弁は、言葉は非常に丁寧であると思いますが、実際問題としては、きのうからきょうにかけて、政府としてなさるべき措置については、結果としては一人の犯罪者もないということは、一つの不正事実もなかった、こういう結果のようにあなたとしては答弁をされるわけでありますが、いやしくも行政監察委員会が膨大な資料、たくさんの証人、そうして結論として出した政府の責任追及の非難に対して、あなたの抽象的な御答弁で、犯罪事実はない、責任者を出す必要はないということは、何としても承服しかねることだと思うのであります。この点については、あなたがきのうおっしゃっておった、私は管財局長であるからそういう権限はないという点については、私は了承いたします。従って、あなたでなく、政府の本問題についてほんとうの責任をとり得る人、そうして責任を持って答弁し得る人の出席を私は求めておるのです。きょうになってあなたは、あちらに聞いた、こちらに開いた、聞いたところが宮内庁では別段の処分を行なっていない状況だそうだという話で、単にお取り次ぎをして答弁をされたにすぎない。ですから、私は先ほどから足立さんに、正示さんはそう言っておるけれども、足立政務次官としては、政府を代弁して、一体どういうような責任ある答弁をなさるか、それを先ほどから執拗に聞いておるのでありますから、政府を代表して、この問題についての責任ある答弁をお伺いしたいと思います。
  52. 足立篤郎

    足立政府委員 横山委員の御質問の御趣旨はよく了解いたしましたし、昨日の御質問の内容につきましても、管財局長から聞いておるのでありますが、先ほど来管財局長も申し上げております通り、行政監察委員会におきましてそれぞれ問題になりました点につきましては、政府におきましてできるだけの調査をいたしたことは事実でございます。しかしながら、結果としてネズミが一匹も出ないじゃないかという御指摘の点につきましては、先ほど山田委員の御質問に対して、私も抽象的ではございましたけれどもお答え申し上げた通り、いかんせん、接収貴金属として今日政府に渡って参りましたものにつきましては、突き合せもできますし、内容の調査もできるわけでございますが、いろいろと過去において疑惑に包まれておりました問題については、検察当局あるいは警察等において調査いたしたものにつきましても、遺憾ながらはっきりとした証拠が出ないというのが実情でございます。
  53. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 関連しまして。昨日から正示さんなり、あるいは足立さんの答弁を聞いておりますと、いかにもすべてを調査して、しかも知っているかのごとく答弁されておりますけれども、みんなこれは間違いであります。そのことは、私はあなた方に申し上げておる。お出しになったこの資料等は、何によってお作りになったかと申しますると、大体行政監察委員会において作られたものから、その数字等から想像して作ったものだ、こう申しておられる。しごくでたらめなんです。従ってこの問題等について、一応結論を出上ます前に、総理にここへ来てもらってたださなければならぬと私は思う。なぜかと申しますると、国民に対しまして、戦争を勝つためにということから強制して、国民にとっては非常に、特に婦人の方々が愛しておりますダイヤモンドであるとか、あるいはかんざしであるとか、帯どめであるとか、そうしたものは、岸さんが東條さんの片棒をかついで、しかもそのときの商工大臣として、これを出させるべく非常に骨を折った人なんです。その人が総理になられて、またこの問題が出てきた。そこで同時に私が向いたいのは、行政監婆委員会において、塚原君もここにおられましてよく御存じですが、この問題について結論を出しております。その結論は、ここでこうした審議をいたしますることは、これは院議を無視したことになるのです。なぜかと申しますると、正示さんや足立さんもお読みになったと思いますが、この行政監察委員会において接収解除貴金属及びダイヤモンドに関する報告書、これは本会議において委員長が報告されておるのでありますが、その報告の内容は、接収解除ダイヤモンド、あるいは白金等の所有権国家に帰属せしめることである、こういうことになっております。そういうことで行政監察委員会が決議をして、その決議の結果――決議は満場一致です。それを本会議において委員長が報告しておる。全部が国に帰属するものであるということを報告されて、それを承認しているにもかかわらず、ここに四十三億の数字を出してこられて――これは作ったものです。あなた方が想像でお作りになったものを、これをまた民間に返してやる、こういうようなことを言っておられる。そして大蔵省としては、これは一つも間違いない、不正もなかった。とんでもない。阪田理財局長当時の書類をお読みになったらわかる。間違いがございました、取り消します。あやまっておることもあるでしょう。これはお読みになったでしょう。なぜのうのうとうそをつくのか。そういう事実がある。そういうようなことについてあなた方は十分御存じでないのに、ここにでたらめな答弁をして、そうしてごまかそうとしている。そういうごまがしでなくして、特に国民が関心を持ってこの問題については見ているのでありますから、一つまじめな答弁を私はしてもらいたい。それによって、われわれは慎重にこの問題は審議をしていきたい、こう思うのです。
  54. 足立篤郎

    足立政府委員 ただいまの御質問の中に、私どもがお出しいたしました資料につきまして、想像によって作ったものであるというような御指摘がございました。今まで非公式に、皆様にも内容についてざっくばらんに御説明を申し上げて参りました通り、政府といたしましては、接収が解除になりまして、今日大蔵省の管財局が現物の管理に任じておるわけでございます。従いまして、法律に基いてとりました報告書と現物との対照もできるだけいたしまして、なるべく正確を期しておるわけでございまして、決して想像や憶測によりましてでっち上げた報告ではない。しかし細部にわたりましては、この法案が通過いたしました場合には審議会が設けられ、現実に現物に当り、具体的に今後の仕訳をしたり処置をつけるわけでございます。今のところは、政府としても、この数字が一銭一厘間違いないということは、これは自信がございません。しかしながら、想像でこれを作ったというふうな御指摘は、私ども断じてさようなことはないのでありまして、なるべく正確を期して、現物に当るべきものは当り、これを作り上げてお出ししたということだけ私から申し上げます。なお残余の具体的な問題につきましては、管財局長からお答えをいたします。
  55. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 ここにいらっしゃる各位はよく御存じないと思うのですが、大体金が百八トンで、私どもこれを評価すると五百五十億、銀が二千二百七十六トン、これが大体二千億と見ております。それから白金が一グラム千百五十円、一トンとして十億、ダイヤモンドが十六万一千カラット、一カラット二十万円といたしまして、これが三百二十億、それから合金が三十一億、合せて二千九百十九億になるのです。皆さん、なかなかそう簡単にここでそうかというて、この問題を番成して片づける問題ではございません。そこで私はこの問題について、一体この財源をどこに使おうとされるのか、これを一応聞きたい。
  56. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 ただいま久保田委員がおあげになりました数字、まずこの数量におきまして、純量と総量との違いがございます。総量を純量のごとくおあげになった点がわれわれの点と違うわけであります。第二に単価が違っています。私どもは、金につきましては、IMFに加盟いたしております日本といたしまして、グラム四百五円という単価をもって評価をいたしておりますことは、かねて御高覧を賜わりました資料において明らかにしておるところであります。もとより金のマーケット・プライスは、ある場合には五百七十円というふうなところもございますが、これはIMFの関係から四百五円という半価をもって評価をいたしておるわけでございます。ダイヤモンドにつきましても、先ほど申し上げましたように、一応占領中及び占領解除後におきまして、鑑定人を雇いまして鑑定しました価格、すなわち一カラット四万五千円という草価によっております。これまた現夫に処分をいたします場合におきましては、世界の最も有利な市場に輸出をすることによりまして、もっと高く処分をすることをすべきことは当然でございます。しかしながら一応の評価といたしましては、最も確実なる単価をもりて評価をしておる、そういう点において煙っておるということを申し上げます。  なお先ほど久保田委員から、われわれが行政監察委員会の、本会議にかけられました報告を尊重していないではないかという御趣旨でございましたが、この点につきましては、お読み上げになりました条項につきまして、われわれといたしましては、一回、二回、三回の政府案におきまして、でき得る限りこの行政監察委員会の御趣旨に沿うべく、たとえば第一回の案におきましては、軍需会社の分は返還するということになっておりましたのを、第二回におきましては返還しないことにいたしました。また交易営団その他につきましては、憲法二十九条との関係から見ましても、これは立法論といたしまして当然国に帰属せしめることができるという見解をとりまして、さようなことにいたしておることは、先ほどお答え申し上げた通りであります。その他どうしても憲法二十九条等の関係等におきまして、民間に返さなければならぬ分につきましても、納付金というふうな法律構成をとることによりまして、相当額を国にちょうだいするようなことにいたしておることは、御承知の通りでございます。これらは、いずれも行政監察委員会の御結論を尊重すべく鋭意努めた結果でございます。  財源についてでございますが、これは、一応私からは法律の規定するところだけを申し上げまして、あとは、政務次官に政策的にお話を願う方が適当かと存じます。私どもの御提案を申し上げております法律におきましては、これまた行政監察委員会の御議論等に立脚をいたしまして、一回、二回の政府案におきましては、いきなり一般会計の歳入にするという案になっておったことは、御承知の通りでございます。これを第三回の、現在御審議中の案におきましては、いきなり一般会計の歳入にすることなく、一応すべての一般会計及び交易営団等の分で国に帰属する分につきましては、その価格、われわれの評価によりまして約二百四十九億でございますが、これはすべて貴金属特別会計に所属させまして、貴金属特別会計の歳入としてブロックする、そこに閉じ込めておきまして、その使途につきましては、あらためて国会においておきめ願うという考え方をとっておるわけであります。
  57. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 ただいまお答えになりましたけれども、行政監察委員会が、これの財源等に対しては、戦争犠牲者もしくは社会保障費に使う、こういうことに決議いたしております。それからその次に出されました数字でございますが、私が申し上げましたのとその数字の食い違いのことと、それからここに四十億を民間に返す、あるいは国の金杯、金宝船、金茶がま、美術品等、こうしたものを持ち主に返してやる、こういうふうな数字を出しておられますが、ところがダイヤモンド等につきましては、一粒のダイヤも民間に返すものはございません、これは行政監察委員会で十分調査いたしまして、そうして一粒のダイヤも返すものはないのだ。ところが全体の中から二%これを返してやるというような数字をここに出しておられますが、これは、一体どういうようなものをどうして返すというのですか、その点を一ぺん聞かしてもらいたい。
  58. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 先ほどもお答えを申し上げました通り、行政監察委員会の御結論には、鋭意順守すべく努めたのでございますが、結局お述べのように、民間に若干のものが返ることになります。そのうちに四千カラット、二億円のダイヤモンドがあるわけでございますが、これを申し上げます。このダイヤモンドは、久保田委員お詳しいのでございますが、昭和十九年になりまして初めて回収をいたしておりまして、最後に回収をいたしております。それまでは回収ということをいたしておりません。従いまして、その前におきましてすでに軍需の生産等は充てるべく、それぞれ自由に手に入れたものがございまして、それがすでに機械の部分品等の形になっておったものがあるわけでございます。これはそういうたぐいのものでございまして、そういう民間の工場の器具等になっておりました分が約四千八百九十二カラット、これを四千カラットと、先般の表においては、ラウンド・ナンバーで表示いたしたのでありますが、この内訳は、三つの個人の分でございまして、それらは、今申し上げた通りの、いわばフリー・マーケットにおいて入手をいたしまして、すでにそれらの軍需の生産等に役立っておったようなものについては、先ほど申し上げたように、法律構成といたしまして、どうしても国にこれを帰属させるということが、憲法二十九条との関係等から不可能でございますので、これらは、われわれとしましても、実は何だか涙をのんで返すようた感じなんです。何とかしてこれを合法的に国に帰属させるべく努力したのでございますが、どうしてもできなかった。法律的な制約がございます。るので、さような結果にな、ておるのでございます。
  59. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 私が今聞きました、あなたが返すという分に対する返し方――ダイヤは戦争中に供出させたもので、それがまじってしまって、今日本銀行にあるものもずいぶん変っています。大蔵省の偉い人たちは不正はなかったと申されますが、不正はあったのです。その不正に基いて――石田さんなりあるいは阪田理財局長当時のことをよくお調べになったらおわかりになる。あの日本銀行の地下には、大蔵省の役人の方は自由に出入りできるようになっているのです。日本銀行の地下において保管されておりますけれども、あれはただかぎを預かっておるだけなんです。大蔵省の理財局の方が認めを一つお押しになるならば、これは自由に出入りできるのです。そういうことで、このダイヤというものはすりかえられたり、盗まれたり、いろいろの問題が起きておる。そういうようなことと同時に、まじってしまっているこのダイヤをどうして返すかということを私は聞いているのです。また、返すダイヤは一粒もございませんよ。そもそもそこらがおかしい、そこらがくさい。
  60. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 先ほどお答え漏れになっておるようでございますが、行政監察委員会の御指摘を受けまして、是正措置を講じたのであります。わび状云々というお言葉もございましたが、これはわれわれも承知をいたしておりまして、先ほど横山委員にお答えをしたのでございますが、これは恤兵品でありましたものを――宝石類でございますが、一たん交易営団に返すという措置を講じておりましたが、それはあやまちである、よってこれを是正すべきであるという御指摘でございました。これは直ちに是正をいたしたのであります。なお、日本銀行の地下金庫には、大蔵省の官吏は自由に立ち入りができたのであるというお言葉でございましたが、これは、先ほど横山委員にお答えを申し上げました通り、厳重に、その立ち入りにつきましては、理財局長あるいは管財局長におきまして必要なる者を指名をいたしまして、しかも入りました場合は、必ず署名捺印をさせるという方式をとったのであります。なお金庫のかぎにつきましては、日本銀行がこれを預かっておりまして、その金庫の中に入れておりまする小箱のところにつきましては、大蔵省の役人がサインをするというふうに、一種のダブル・チェック・システムをとりまして、厳重に保管をいたしておりましたことをお答え申し上げておきます。
  61. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 それでは大まかな点をざっと尋ねて、あとからこまかく聞いていこうと思うのですが、私が先ほど申し上げました数字の中から、四十三億を民間に返してやる、こういうことですが、戦争中に出しました金、銀、白金、ダイヤ等は、戦争に勝つために出してそれからその中のダイヤあるいは白金、金等については、陸軍、海軍、航峯、これらの指定工場にこれを出していたものです。その指定工場にありたものを、アメリカの兵隊が没収というか、あるいは軍が接収してこれを持っていった。民間のものではない。今申し止した意味合いにおいて、これは全部買い上げたものである。それを、法人はなんぼ、個人はなんぼというようなことの数字を出しておる。なかなかうまく作られましたね。これは私は感心しておるが、こんなものはございません。それを私は申し上げておる。そこにおいて、行監でいろいろ調査いたしました結果、一粒のダイヤも返すものはない、全都これは国に帰属すべきだ、これを全部国に帰属して――日本銀行の地下にこれだけのものを眠らせておくということは大反対です。早く国のものに帰属して、そうして有効に国のためここの財源を使わなければなりま千。そこで先ほど申しましたように、池田さんが大蔵大臣をやっておられた当時非常にやかましく、池田さんが大蔵大臣をやめられてしばらくじっとしておったが、また池田さんが出てこられたら、池田さんの手先である元大蔵官僚の人たちが、この大蔵委員会理事になっていらっしゃる。そういう人たちが……(発言する者多し)そういうことでこういう問題がここにやかましく出てきておるというのが事実なんです。(発言する者あり)そういうようなことで、私はこの問題に対しまして、一応岸さんに来てもらわなければならない、こういうことを私は申し上げておるのです。と同時に、私はなお聞きたいのは、先ほど山田君が伺いました合金の問題ですが、この合金は、日本銀行の地下に行かれた方々、大蔵委員の方々も行かれたでしょう、当時行政監察委員をやっておられた方々も行かれて、よく御承知です。この合金は、この書類の上においては消えていますけれども、実際あるのですか、どうなんです。
  62. 市川晃

    ○市川説明員 ございます。
  63. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 ある。なぜここに書かないのだろう。なぜ隠しているのだ。
  64. 市川晃

    ○市川説明員 先ほど申し上げましたように、いろいろお話をいたしますときに、金は幾らだ、銀は幾らだという御質問が絶えずございます。そのときに、金はかたまりはこれだけでございます、貨幣はこれだけでございます、合計はできませんということが当然に出て参りますので、それぞれの純分によって合計した数字を出すために、合金をそれぞれ分析してやったのでございます。
  65. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 あなたは、私はよく知っています。大阪国税局の総務部長をしておられた。その当時のことは何も知りは上ない。正示さんにしたって、何も知りゃへんのだが、何も知らぬ人が作られたこうしたものをもって、手先の人たちが寄ってごまかそうとしておる。私はこういうような意味において、この問題について、もっとどうですか、わからぬならわからぬでよろしいがな。もっと率直に正直に、ありのままのことを言えませんか。この出し方にしても、もう合金を隠しておる。合金はこうしてありますけれども、分類してこういうふうになるのですということを、この書類の上になぜ書かないのです。
  66. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 お答えを申し上げますが、この表は、先ほど市川調査官からお答え申し上げましたように、一つの考え方、すなわち金、銀、白金、ダイヤというふうに分類をするならばどうかという表でございます。よって合金幾らということを、その見地から分数を申し上げたのであります。
  67. 池中弘

    ○池中説明員 合金は、三十八トン二百八十八キログラムの合金が現在あるわけでございます。それを分析しました結果、金が八トン六百十九キロ、銀が二十九トン六百六十五キロ、プラチナが二キロ、それからロジウムが十九グラム、イリジウムが一グラム、パラジウムが二百三十八グラム、こういう数字が出ておりまして、それを、今局長の御説明になりましたような趣旨に基きまして、それぞれ金のところ、銀のところ、白金のところというのに加えて出した数字でございます。
  68. 山本幸一

  69. 神田大作

    神田(大)委員 金が百二トンというような報告がありますね。当時のこの報告では百八トンとある。そうすると、あなたが合金を分けると、ほんとうは百二トンというものは、もっとふえなければならない、なぜ減っているのですか。
  70. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 神田先生にお答えを申し上げます。最初に申し上げたように、一番大きな食い違いは、前の数字は総量である、今度は純量、まじりけのない上であります。総量と純量との食い違いであります。それからもう一つは、御承知のようにIMFに出資をいたしました場合、これは法律でお認めをいただいたのでございますが、十五トンの金を一部解除していただいて現物出資をいたしております。その点におきまして食い違いがあります。
  71. 神田大作

    神田(大)委員 そうすると、純のもの、不純のもの、どこかに数字が出ているのですか。
  72. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 純量で金がどのくらいあるかということを数量で表わしまして、それに対しましてグラム当り幾らという単価をかけておる、かように御了承願いたいと思います。
  73. 神田大作

    神田(大)委員 銀の場合は、この報告によりますと二千百四十トン、しかし当時の報告は二千三百六十五トンです。この数字も違っているし、合金の分が含まれればもっとふえなければならない。その点はどうなんですか。
  74. 池中弘

    ○池中説明員 ただいま正長が説明しました通りでございまして、最初の二千三百六十五トンというのは総量でございます。それを純量に分析いたしました結果を出しておるわけでございます。
  75. 神田大作

    神田(大)委員 純量とか総量とかいうことは、一体どういうことなんですか。
  76. 池中弘

    ○池中説明員 お答えいたします。接収されて、連合国占領軍から政府に引き渡しを受けました銀にいたしましても、金にしましても、十八金もあれは、十六金もあれば、十四金もあるというわけでございます。そうすると、全体で幾らの価値を持っているかということがわかりませんので、造幣局に頼みまして、これは十四金である、これは十六金であるということを分析いたしまして、その純粋の金の分を出したのが純分でございます。
  77. 山田長司

    ○山田委員 先ほどからの大蔵当局の御答弁を伺っておりますと、やはり当時行監で幾つか問題にしておりました大阪の帝銀の西支店に起った事件、それから大阪の帝銀の船場の支店に起った事件、そのほかいろいろありますが、今ここでこれらについてのあなた方の明確な答弁を私はもう聞こうとはしません。あなた方はさっぱりこれを調べていないのです。そこで私は伺いますが、あなた方は、この調べというものが正確だと今でも思っているのですか。昭和二十七年に、当時の石田理財局長が出したいわゆる記載漏れという問題について、ほとんど誤まったような書類が出ておるのをあなた方は知っておると思う。当時中野四郎、世耕弘一両議員が行政監察委員会で、この調べは間違っている、記載漏れの個所がある、どうなんだと聞いた。そのときに、係員がほとんど意識的に削除しているんじゃないかと思われるような言があったのです。そのときのことを私が申し上げますと、金と白金が五十キログラムのが五箱、それからダイヤモンドと白金の混入した箱が約百四十キロ、それが十四箱あったのです。それが記載漏れとして出てきたのです。そういうふうに、金額にすると何億というものが記載漏れで平気で出てきているのです。こういうことがあったものですから、私はこれらのことについての調べが間違っているんじゃないかと今でも思うのです。当時大蔵省に小野事務官という中央物資活用協会から回ってきた人がいました。この人に調査費を二十四年度に十二万円、二十五年度に十二万円、二十六年度に十二万円、二十七年度に六万円と出して、この調査をさせたことがあるのですが、ほとんどこれについての何らの回答がなかった。そこで行監ではけしからぬじゃないかということで、これもやはり問題にして、当時のあなた方にこのことについての黒白をつけろということを言っておるはずですが、一体これはどうしたのですか。
  78. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 この点は、昨日山田委員が御出席下さいませんでしたが、横山委員からの御質問にお答えをいたしたのでありますが、中央物資活用協会の清算人に対しまして調査委託をいたしまして、それがあまり報告をしていないにもかかわらず、これに給与を出しておったということは、行政監察委員会において御指摘を受けましたので、直ちにそのことにつきましてはその御意見に従いまして、そういう委嘱は取り消したわけであります。  なお、大蔵省の係官が行政監察委員会に出しました書類の中に不備があって、おしかりを受けたという点につきましては、これは実は注意書き、フットノートの注を落しておりました。そのことにつきまして、その当時理財局長は非常に遺憾であったということであったのでありますが、これは接収貴金属の実体には何らの影響のないことでございまして、注意書きを記入することを不注意にも落した、こういう事実であったというふうに承知をいたしております。
  79. 山田長司

    ○山田委員 注意書きがあったのではなくて、これはほんとうに意識的に落していたということが当時やはり問題になったのです。そういう点が、あなた方の報告の書類上における調査の疎漏が、われわれはどうしても了解できない点がたくさんあるわけです。そこで、当時われわれが日銀の地下室に行ったときに、案内してくれた大蔵省の役人はここにおりますか。
  80. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 行政監察委員会にお調べをいただきました当時におきまして、御案内をしました者は今日はおりません。しかしながら、先ほど山田委員が御指摘になりました小野事務官は、まだ理財局の事務官といたしまして現に執務を続行いたしております。われわれは、常に前からのいきさつ等につきましては、小野事務官その他これらの関係をよく熟知いたしました者からそれぞれ調べまして、お答えをしておるわけであります。
  81. 山田長司

    ○山田委員 私は、当時の日銀の地下室へ行って見られたときに、案内なした大蔵省の人がだれであったかということを今名前を覚えておりませんが、そのときの記録を見れば、日銀の地下室を見た人の名前が書いてあるから、これは明確になるはずだと思います。そこで、私は明らかにしていただきたいと思いますことは、あの日銀の地下室に入っていって、一番奥の右の金庫の中の金塊の入っていた箱です。その箱の三本の中は、これは白金であったわけですが、あんなに厳重に封印して、判まで押して密閉して、白金のかたまりが入っていたはずのものが、それが開いてみたら金が入っておった。その係の人の名前を知りたいのですが、あのときの記録を見ればわかると思います。ぜひ日銀の地下室の記録を見ていただきたいと思います。あの中に白金が入っているというしるしがしてあったのが、箱をあけてみたら、金であった。その係官の人にただしましたところが、こんなはずではなかったけれども、とにかくこれは白金ではないといって、非常に疑問を持たれたわけなんです。そのとき、これはどういう間違いだろうと聞きましたら、封印及び記録は白金となっておったことは間違いない、しかし中身は金になっているので、どうも理解ができないと言って、そのとき実に感慨無量な顔をしておったので、そのときの書類を見ていただけばわかると思います。これは当時の記録、二十八年ころでありますけれども、一つお調べをいただきたいと思います。そうすれば、いかに日銀の地下室に入っていたものといえども、ごまかしがあったものがあればわかると思うのです。  それからもう一つは、当時進駐軍が白金をたくさんアメリカへ持っていきました。この白金のかわりに金が来ていると思うのです。これらの数量について明確にわかっているかどうか、この二つ伺います。
  82. 池中弘

    ○池中説明員 あとでおっしゃいました連合国占領軍のアメリカ内部で処分いたしました、あるいはCPOで処分をいたしましたものについて、かわりのものをよこしております。その数量はわかっております。アメリカで処分いたしましたのは白金が三トン四百十九キロでございますが、それのかわりといたしまして、金六トン六百キロとドル小切下五万九千ドルをよこしております。それからCPOで――これは第八軍の中央購買局でございますが、ここで金と銀を売っております。金は百二キロ売っております。それに対しまして十一万五千ドルのドル・チェックをよこしております。それから銀は十三トン百七十五キロのものを売っております。そのかわりといたしまして四十万ドルのドル小切手をよこしております。
  83. 山田長司

    ○山田委員 前のもう一つの答えは。
  84. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 最初の御質問でございますが、昨日伺えばさっそく当時の名簿等をお調べするのでございましたが、さっそく取り調べまして、そのいきさつ等については、私どもとして調査をいたしますが、私どもとしては、先ほどもお答えを申し上げましたように、何月何日に入った者はだれであるか、これははっきりと記録に残っておりますので、責任の所在は明確であるということだけははっきり申し上げます。
  85. 山田長司

    ○山田委員 そうしますと、当時の係の人に聞けば、当時の白金が入っていたはずのやつが金になっておった事情はわかるというわけですか。
  86. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 これは私自身ではございませんので、わかるかわからないかを断言することはできませんが、だれがそのとき入った人であるかということは、記録上明確であるということを申し上げるわけであります。
  87. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 先ほどから私が申し上げておりますように、大体出された数字が作りものであって、でたらめな数量を出しておられる。そこで四十三億民同等に返してやる。そういうものはないのである、こういうことを私は申し上げましたね。これは全部戦争に勝つためにということから供出をさせたものであります。これをいろいろの理由によって、民間の人たちが頼んでおることでしょうが、またいろいろその報告をとった、こう正示さんはおっしゃいますが、その報告を出せというような話し合いもされたのであろうと私は想像しますけれども、しかしながら、そうしたことでこういうものを民間にお返しになるのなら、戦争のために犠牲になった人たち、死んだ人とか戦死した人、この人たちはどうされる、あなたは返しますか。片腕なくした人の片腕を返しますか、片足を返しますか、私はこれと同じことだと思う。そんなことはできないでしょう。私は死んだ人を返してやれとむちゃなことは申しません。だから、これは行監の決議に基いて国の帰属にして、この財源は戦争犠牲者に、あるいは社会保障等に使うべきである、こういうことになさるかということを私聞いている。どうなんですか、それをはっきり答えて下さい。
  88. 足立篤郎

    足立政府委員 お答えいたします。昨日横山委員の同じような御質問に対しまして、私の見解を申し上げたのでございますが、久保田委員ただいま御指摘の点は、いわゆる庶民感情といいますか、そういう点からは私もよくわかる御議論でございます。しかしながら、今回の法案におきましては、政府といたしまして、現在の憲法下におきまして法理論的に検討いたしまして、この分だけはどうも返さなければならないという結論になったものだけ、いわばぎりぎりの線を出しておるわけでございます。と申しますのは、久保田委員の御質問の中に、今度法案の中で返そうといたしておりますものが、あたかも戦争中に供出されたものであるかのごとき御発言がございましたが、進駐軍に接収を受けましたのは終戦後でございまして、現在の憲法下におきまして接収をされた。もちろんこれは、進駐軍のオールマイティといいますか、権力によって押えられたものでございます。従いまして、私ども、これが返ってきた場合には、所有権は依然としてつながっておるもの、しかも現在の憲法における私有権尊重の建前からいたしまして、これをゆえなくして国家に没収するということは、やはり憲法違反になるわけであります。従いまして、戦争中にいろいろな形で政府に供出されたもの、あるいは売り渡されたもの、こういうものにつきましては一切没収する、ただ日銀に契約で、売り戻し条件づきで供出されたものは、やはり契約を尊重しなければならぬ。この限度にとどめておるような次第でございまして、私どもとしては、先ほど来管財局長がお答え申し上げた通り、行政監察委員会において御熱心に御研究なり御議論になりました結論をできるだけ尊重し、また国民感情といいますか、庶民感情といいますか、この気持も十分考慮いたし、なおまた法理論的に許されるぎりぎりの線というのでこの法案を提案いたしておる次第でございます。  なお先ほど御質問が、ございまして、政治的な問題については私からということで、管財局長から答弁を留保いたしております問題は、この売り上げ代金を政府はどう使うつもりかという御質問でございますが、政府といたしましては、先ほど管財局長がお答えいたしました通り、この法案におきましては特別会計を一応設定して、これに全部入れるというところまで出しておるわけでございます。もちろんこの法案が通過いたしますれば審議会ができ、返すべきか返すべきでないかという具体的な証拠とつき合せまして、個人個人審査をいたしまして決定をいたしますので、あるいは先ほど来御指摘のダイヤが相当数あるじゃないかという御質問がございますが、個々のケースを審議会で審査いたしました結果、あるいはこの数字は変更されるかもしらぬ。変更されるとすれば、数字は減ってくると思います。ふえることはあるまいと思います。証拠不十分等で、これはむしろ国に没収すべきだというものがふえるかもしれません。いずれにいたしましても、相当な金額のものが特別会計に入るわけでございますが、この法案の取扱いにつきまして、今日まで与野党間におきまして、非公式ではございますが、たびたびの話し合いが持たれたわけであります。私も出席をいたしまして、いろいろ関係者の御意見等も伺って参りました。この法案には、今申し上げた通り、特別会計に入れるというところまでしか載っておりませんけれども、その後与野党各位の御意見等も十分拝聴いたし、政府といたしましても、国会の御意思がそこに御決定になるならば、この使い道については十分考慮をいたすべきであるというふうに考えております。ただ大蔵省として、今内部的に研究をしました結果をそのまま申し上げますと、かって国が一般会計あるいは特別会計で買い上げました、言いかえれば当時の必要に基きまして国民の税金で、国の財政で買い取られたもの、これにつきましては、やはり一般会計で将来とも使うべきものではないかというふうに考えております。しかしながら……。
  89. 小山長規

    小山(長)委員 動議を提出します。
  90. 山本幸一

    山本委員長 議事進行ですか。
  91. 小山長規

    小山(長)委員 議事進行について動議を……。(発言する者多し)許可を得ました。ただいま緊急動議を提出いたします。本案及び両修正案については、質疑を打ち切り、討論採決に入られんことを動議として提出いたします。   〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
  92. 山本幸一

    山本委員長 ただいま小山君から動議が出ましたが、委員長はこの動議の扱い方につきまして育ちに御相談を申し上げたいと存じますので、理事会を開きます。  暫時休憩をいたします。    午後八時四十一分休憩      ――――◇―――――    午後九時十九分開議
  93. 山本幸一

    山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  小山君。
  94. 小山長規

    小山(長)委員 ただいまの理事会の申し合せもありまするので、先刻私が出しました動議は一応撤回いたします。
  95. 山本幸一

    山本委員長 ただいま小山君の御発言の通り、動議が撤回になりましたので、接収貴金属等の処理に関する法律案及び両修正案について質疑を続行いたします。山田長司君。
  96. 山田長司

    ○山田委員 この重大な問題については、実はかなり多くの部門にわたって伺いたいのでありますが、時間の関係等もありますので、残念でありますけれども、あと二、三点にとどめたいと思うのです。  そこで大蔵省は、接収ダイヤの領収書についてあるかのごときことを言われているようでありますが、十六万一千カラットのダイヤの領収書については、政府が当時の占領軍に対して、接収当時の記録についての答弁を求めたのでありますが、この回答は全然なかったのです。こういう点で、領収書がいかにも今日あるかのごとく流布されておるという点については、まことに不可解であるという点です。こういう点について、領収書がどうして明確に今日になってあったと言われておるのかということが、まず最初伺いたい一点です。
  97. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 お答え申し上げます。山田委員の仰せの通り、行政監察委員会におきまして、ダイヤモンドの大部分は交易営団から接収されたものでございますが、交易営団の分につきまして領収書がないということの御議論のあることは、私も十分承知いたしております。御承知の通り、交易営団の分は、国に帰属することに法律案はいたしておるのであります。先ほどお答えいたしましたように、民間に返る分、これはわずか四千カラットあまりのものでありますが、これにつきましては、一応われわれといたしましても、この法律に基く報告その他から、これは憲法二十九条等の関係もあって、国に帰属させることは無理であるという解釈はいたしておりますが、現実にこれが返還につきましては、返還請求に十分なる証拠をつけまして請求せられるのであります。この請求に対しましては、法律の条文にも明らかにございますように、この処理審議会におきまして十分検討を加えまして、それが正当なる証拠であるということを認定したる場合に、初めて返還ということに相なる次第でございます。
  98. 山田長司

    ○山田委員 そこで問題になりますのは、処理審議会のことですが、その処理審議会でもしも――まだ私が伺いたいことは、幾多の事例をもって不明確な点が申し上げられるのですが、処理審議会における審議委員の任命、これについてもしも明確性を欠くような事態があるとすれば、せっかくの処理という問題が、これが明朗な線が出てこないという感じがするのです。そこで、法的な根拠は、この審議会はいかなる線で作り出そうとしておるのか。
  99. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 法案二十四条に明記をいたしております通りに、審議会は、関係各省庁の次官または次長、日本銀行副総裁、その他学識経験者六人以内をもちましてこれを構成することにいたしましております。なお学識経験者につきましては、大蔵大臣におきまして厳正なる基準に基きまして人選をいたすことはもとよりでございます。
  100. 山田長司

    ○山田委員 先ほど私が質問した範囲で明瞭なお答えがなくて、私が、これはいずれあらためてというふうな意味のことで打ち切っておる問題は、前回の行政監察委員会のときに千二百九十七億の見込みといわれていた点、それが七百三十億と最近発表された点について、グラムの面、あるいはキロの相違、いろいろ当局は国際価格及び国内価格の差、こういう意味で相違があるかのごときことを申されたのでありますが、この点についてどうしても明瞭性を欠く点は、この報告されておる見込み調べの書類と、今から数年前にわれわれが衝に当ったときの金額との差があまりにも大きいという点です。こういう点について、簡潔な答弁をいただくわけですが、その答弁においてもなおかつ私には理解ができない点があると思うのです。この点については、もしきょう了解ができなかったならば、あとで明細な、一つ記録に残るものをいただきたいと思うのですが、今の私の伺った点についてのお答えを願いたいと思います。
  101. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 先ほど申し上げましたように、山田委員あるいは久保田委員からお示しの趣旨は、数量において、まず純量と総量との食い違いがあるということを申し上げたわけであります。また価格におきまして、IMF加入国としての金につきましての評価、その他マーケットの価格のどれをとるかというような点、ダイヤモンドにつきましては、鑑定価格をとっておるというふうな点において、相当の開きのあることは申し上げた通りであります。  なお御要望によりまして、私が今答弁をいたしましたことを数字的に裏づけることの御報告をいたしますことを約束いたします。
  102. 山田長司

    ○山田委員 もう一点申し上げておきたいことは、やはりかっての行監のときの調査のときに、白金の入っていた箱を開いて見た結果、金塊が出てきたという点についての明瞭性を、やはり当時の案内者をお調べを願って、これもつけ加えてお答えを願いたいのです。
  103. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 その点につきましても、先ほど申し上げましたように、記録を調べまして、その本人につきまして調査をいたしたいと思います。
  104. 足立篤郎

    足立政府委員 先ほど久保田委員の御質問に対しまして、私が答弁中に質疑打ち切りの動議が出ましたので、答弁を途中で中止いたしておりますから、残余の分につきまして御答弁申し上げます。  問題は、政府のこの金をどう使うかということでございます。先ほど申し上げました通り、この法案の審査に当りまして、与野党間で取扱いについていろいろと打ち合せがございました。私もたびたび出席いたしまして拝聴いたしました。御意見のあるところは十分拝聴いたしましたので、政府といたしましても、国会側の御意思のあるところを十分尊重いたしまして、それぞれ合理的な処置をいたしたいと思いますが、なかんずく科学技術の振興、あるいは社会保障等につきましては、行政監察委員会における御決議もございますし、なおただいま申し上げた通り、最近における経過もございますので、国会の御意思の御表明がありますれば、これに従いまして、できるだけ善処をいたしたいと存じております。
  105. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 もう一点ただしておきたいと思います点は、この法案についての結果、審議会というものをお作りになる。その審議会委員というものが大蔵大臣の指名によってきめられるかのごとく法案の中に記載されておるのであります。私は先ほどからたびたび申し上げておりますように、今の大蔵官僚の人たちは信用いたしておりません。従って、その大蔵大臣指名される審議会というものは、なおこれは困る。国民もそういう点は非常に関心をもって見ておると思う。こういう点に対しまして、その審議会の委員の問題等について、それを修正と申しましょうか、国会の指名と申しましょうか、国会によってきめられるというようなことにしなければ私はならぬと思うのであります。それをお答え願いたい。
  106. 足立篤郎

    足立政府委員 先ほど管財局長からお答え申し上げました通り、この法案の第二十四条に、審議会の委員は明記いたしております。御指摘の大蔵官僚はたった一人しか参加をいたしておりません。あとは法制局次長、法務事務次官、通商産業事務次官、日本銀行副総裁、以上官僚なりこれに準ずるものは五名でございます。なお学識経験者六人が大蔵大臣の任命ということに法案は相なっておるわけでございます。先ほども管財局長から申し上げました通り、その人選等につきましては、御意見のあるところを十分参酌いたしまして、これは言い過ぎかもしれませんが、疑いを受けるような方がこの審議会委員になるということは、政府としては避けるべく善処いたしたいと考えております。
  107. 山田長司

    ○山田委員 もう一点今の問題について許していただきたいと思います。それは、ダイヤモンドの鑑定の場合は、全くしろうとが鑑定したのではわかりません。しかもかつての鑑定の場合は服部の人、ただ一個所の人に鑑定を許しておった。少くともこの鑑定の場合においては、一人なんという数字でなくて、最も権威ある数人の人たちを私は必要とすると思う。その点どうです。
  108. 足立篤郎

    足立政府委員 仰せの通り、複数の鑑定人を選びまして、間違いなきを期したいと考えております。
  109. 石村英雄

    石村委員 ごく簡単にお尋ねしておきます。それで、御答弁も簡単にお願いしたいのですが、この接収貴金属は、米軍が接収した総量というものがわかっておって、その通りの数字が一応あるのですか、その総量はわからないのでございますか、最初接収したときの。
  110. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 接収目録というものを占領軍からいただいております。それから御承知のように、法律に基く被接収者からの報告も出ております。従いまして、大体におきましてその数量というものはわかっておる。なお接収目録に基くその後の移動もわかっております。
  111. 石村英雄

    石村委員 マレー大佐事件とかなんとかいう事件もあったようですが、完全に接収されたものが、少くともものによって変っているものもありましょうが、向うへ預金にしたとかというようなこともあり、またIMFの方へ出したということもあるのですが、総体の数量においての変化はないのですか。
  112. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 お答え申し上げます。接収せられましたものの中から一番大きく移動いたしましたのは、旧日本軍が占領地におきまして略奪いたしましたものを返還いたした、この点が一番大きく変っております。それから石村委員がおあげになりましたように、米国において買却したり、あるいは日本のCPOにおいて買却したものということが、それぞれわかっております。またマレー大佐事件といわれるものも、返還を受けているということもわかっております。
  113. 石村英雄

    石村委員 完全に返っているのですか。この間からの御説明を聞きますと、管財局長は、接収せられたものが日本政府に引き渡されたあとのことなら間違いありません、こういうことですが接収されたときから引き渡されるまでのことはわからないような御説明だった。それがただいまの説明だと、完全に移動はないというようなことですが、これはおかしいと思うのです。
  114. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 私が昨日来お答え申し上げたのは、接収せられるまでにいろいろの事案がございまして、これらの事案が行政監察委員会において取り上げられておったということにつきましては、接収せられた後の問題についてわれわれは記録をもって明らかにでき得るものについてお答えができるという意味におきまして、接収前のことは、私たちはよく存じませんということを申したわけであります。接収後につきまして、今お答えを申し上げましたように、記録及び報告等によって明らかなところは、十分責任を持ってお答えできるわけであります。
  115. 石村英雄

    石村委員 そこでお尋ねいたしますが、九条の不特定物の問題であります。今度お返しになるというのが、この接収が没収でない、そういう考え方に立つ以上、あるいは憲法論で返さなければならぬということも起るかと思うのです。それは一つの考え方だと思います。しかしそれは、特定物ならお説の通りに、はっきり返さなければならぬが、不特定物をとして返さなければならぬか、九条には一号、二号、三号、四月とありまして、その中の不特定物といっても、また程度の差がそれぞれだいぶんあるにはあるのですが、総体において、不特定物をなぜ返さなければ憲法違反になるのか、この点答弁願います。
  116. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 お尋ねの御趣旨は、現在の民法等の規定によりまして、特定物については、民法上の所有権に基く返還の要求が成り立つ、従ってこれをそのまま返すべきである、しかしながら不特定物について何ゆえに所有権の主張ができるかという御趣旨でございますが、これは、民法の現在の規定においては、これをいかに処理するかという規定を欠いておるのであります。しかしながら、所有権を否認する規定はないわけであります。そこで、この所有権につきましては、学者の間に処理の方法についていろいろ御意見があったのでありますが、われわれは、ただいまおあげのように、第九条に定めるがごとき方法が最も公正妥当な方法であるという判断のもとに、この所有権に基く処理方法を規定したわけであります。
  117. 石村英雄

    石村委員 所有権があるといっても、この所有物を確認できない場合は返しようがないのじゃないかと思うのです。第一、この九条でも、一号の方は、中でもまだ形状あるいは品位、重量が同じものがあるというので、ほぼそのものであったろうという想像がつきますが、二号、三号になると、重量や品位の認定はできない、これは向うの申し立てにはあるが、審議会が認定できない、その通りの品位であったか、重量であったか、認定のできないそのものを、さらにいろいろめんどうなことが書いてはあるのですが、それによって返す、こういうのですが、それは品位も重量もわからないものを、果してそのものになるかならぬか、そのものがあると判断すべきかどうか、相当疑問だと思うのです。一号の方は、まだ常識上と申しますか、同じものだろうという推定ができますが、一号は譲るといたしましても、二号、三号は、品位も重量も認定できない、そのものを最低の品位で換算する、こういうような規定になっておるのですが、これはさっきのあなたの御説明では、接収せられて政府に引き渡されるまでのことも記録によって明らかだということです。その間どんなことが行われたかということは、政府はわからないわけであります。アメリカ軍が管理しておったのですから、その間どんなことがあったか、正示さんも絶対に間違にはございませんという御答弁はおそらくできないと思うのです。そういたしますと、この不特定物の、しかも二号、三号のようなものは、あるいはそのものは持ち出されておるかもしれぬ、そのものを返すというなら、これは一種の何ですか、接収という行為に対して、政府が損等賠償するという答え方が入っておるわけなんですか。
  118. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 九条の一号から各号におきまして、それぞれの方法を規定しておることについての点は、これはほかにも方法があるという御議論はあり得ると思います。仰せの通りに、品物を返さずして金銭で補償するという方法もあろうかと存じます。しかしながら、先ほどもお答えを申し上げましたように、所有権の規定がないからといって消滅したということは言えない、これが第一であります。次に私どもは、何もこの明確なる証拠がないものを返そうと言っておるのではありません。明確な証拠があって、この貴金属の中に……。(「証拠はない」と呼ぶ者あり)証拠がなけれ、は返しません。証拠がなければ、返さないのであります。明確なる証拠があって、どうしてもこの中にあるということが立証せられるものにつきまして、かような方法で返還する、こういう意味であります。
  119. 石村英雄

    石村委員 明確な証拠がある、こういうことですが、貴金属で品位や重量が認定できなくて、どうしてそれが接収されたものである、こういう判断ができますか。貴金属のようなもので、品位、重量というものはきわめて大事な一つの性格だと思う。それから所有権が消滅したとはいえないということですが、消滅しないとも絶対に言えないと思うのです。消滅したか、しないか、それは不時定物ではさっぱりわからないということになるのですが……。
  120. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 所有権論につきましては、昨日横山委員にお答えした通り、接収という行為の法律的性格からきておるわけであります。次に返還をいたす場合におきまして、認定ができないのではないかというお話でございますが、それは、この中にあるということが確実だけれども、占領軍が溶解をした、混合したために品位、重量が認定できない、現在あるものについてそれができないというものを法律で規定しておるのでありまして、それが確実に接収せられたものであって、この中にあるということ、すなわち略奪品でなかった、そういういろいろな条件から見まして、この中にあるということが確実なものについて、このような手続でやるということを規定いたしておるわけであります。
  121. 小山長規

    小山(長)委員 委員長……。   〔発言する者あり〕
  122. 山本幸一

    山本委員長 小山君、議事進行についての発言を許します。
  123. 小山長規

    小山(長)委員 議事進行について…点。動議を提出いたします。本案及び両修正案につきましては、質疑を打ち切りまして、直ちに討論採決に入られんことを動議として提出いたします。
  124. 山本幸一

    山本委員長 ただいま小山君から提出せられました動議につきましては、委員長が先ほどから伺っておりますと、社会党側にはなお御不満な点が多々あろうと思いますが、手続によって出された動議でございますので、やむなく動議についての採決をいたします。  ただいまの動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  125. 山本幸一

    山本委員長 起立多数。よって小山委員の動議のごとく決しました。これより原案及び両修正案を一一括して討論に付します。神田大作君。
  126. 神田大作

    神田(大)委員 私は、ただいま議題しなりました接収貴金属等の処理に関する法律案に対しまして、日本社会党を代表して、原案に反対、修正案に賛所の討論を行うものであります。この法律案によって処理される金四百十六億、銀二百二十四億、白金十四億、白金属四百万円、ダイヤモンド七十二億円、その他二億円等合計七百三十億円のうちには、昭和十四年から昭和二十年まで、第二次世界大機遂行に必要として戦時物資活用協会、交易営団等の強圧によって、血のにじむような一般国民の貴金属が含まれているのであります。代償を出したとはいえ、りまりに安い金額で買い上げられた一般庶民の貴金属は国民の手に帰属せず、戦後隠匿していた特定の人にのみ四十三億円という多額の貴金属を返還することは、あまりにも不公平な、ま不明朗な処理の方法であると思うのであります。  接収貴金属については、本院におい昭和二十七年の第十五国会、昭和二十八年の第十六国会、同じく昭和二十八年の第十七国会において、行政監察特別委員会で調査し、その結論を第十六国会で報告しているのであります。その結論を申しますと、この接収貫金属の帰属の問題には多くの疑惑があるが、全部国の帰属すべきであるという結論であります。これは本院の院議であって、今度の法律案はその院議を無視するものであり、わが党の断じて承認し得ないところであります。(拍手)  次に、本法律案に基いて民間に帰属する四十三億円の貴金属をめぐって、芳ばしからぬ風評のあるのはまことに遺憾であって、もっと明朗にして、世人のすべてが納得する法律案にしなければならないという点であります。接収貴金属を調査した行政監察特別委員会の報告書にある多くの疑惑は、その後何らの解決も見ていないのでありまます。これらの疑点が明らかにならない限り、この接収貴金属をやみからやみに葬ってしまうことは、断じて許すことはできません。(「その通り」)  われわれは、政府案に対し右のような強い反対の意見を持っているのでありますが、この批判の上に、次のような修正案を提出いたしました。すなわち、七一三十億円に上る接収貴金属の帰属は、原則として全部国に帰属せしめることとし、具体的には、民間に返還するものから八〇%を国庫に納付することによって、事実上これを国に帰属せしめるようにしたいと思うものであります。  政府案では、接収貴金属で国庫に入れる金の使途が不明確でありますが、これを社会保障、特に戦争犠牲者の救済、また学術研究、特に科学技術の振興に使うことを明らかにいたしました。以上の修正案には、自民党の諸君も御賛同をされることとわれわれは思うものでございます。  われわれは、最後に、この接収貴金属処理法案が国民に深い疑念を与え、また国民大衆の利益に反する法律案であることを指摘いたしまして、簡単でありますが、反対の討論を終ります。(拍手)
  127. 山本幸一

    山本委員長 以上をもちまして討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず修正案について採決するのでありますが、小山長規君外二十五名提出の修正案は、平岡忠次郎君外十三名提出の修正案にも含まれておりますので、まずこの共通部分について採決をし、次に平岡忠次郎君外十三名提出の修正案中、共通部分を除く部分について採決し、しかる後原案を採決することにいたします。  それでは、まず小山長規君外二十五名提出の修正案及び平岡忠次郎君外十三名提出の修正案の共通部分について採決いたします。これを可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よって共通部分は可決いたしました。  次に、ただいま議決いたしました共通部分を除いた平岡忠次郎君外十三名提出の修正案について採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  129. 山本幸一

    山本委員長 起立少数。よってこの修正案は否決されました。  次に、先ほど議決いたしました共通部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  130. 山本幸一

    山本委員長 起立多数。よって本法律案は修正議決をいたしました。  この際お諮りを申し上げます。ただいま議決いたしました法律案に関する委員会の報告書及びその提出手続等につきましては、先例によって委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 山本幸一

    山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  この際申し上げますが、ただいま本会議が待機中でございます。私も報告をしなければなりませんし、時間も相当おくれております。  従って、明日は午前十時半より開会することといたしまして、本日はこれをもって散会いたします。    午後九時四十八分散会      ――――◇―――――