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横錢委員 そうではなくて、私の聞かんとしていることは、もう少しこの
経営の指導ということも、根本的に大蔵省としての
対策が必要なんじゃないか。それがない限りは、
取締り法規だけではだめなんではないか、こう思っておる。というのは、たとえば、今は
信用組合は府県知事の
免許である、その他は大蔵大臣の
免許である、その差はありますが、しかし
免許した事業がゼロから出発をして、
預金量も大きくふえていく。この段階において順調に伸びていくものはそれで差しつかえないが、順調に伸びなかった場合の方、そういうものに対しては何ら手がないでしょう。今の大蔵省のやり方としてです。これは、たとえば
預金量が大きくなってきた、もうこの金庫なら金庫は大丈夫だ、そういうふうな段階になると、これは金融公庫あるいは何々金庫の代理店というものもやらせる。いろいろの
信用価値はふえてくる。これがまた伸びなかった非常に弱小の場合においては、全然見向きもしない。だからいわゆる植木を植えても、この植木を植えたばかりの一番大事なときにつっかえ棒をしないで、すっかり木が植えついて、もう動くことがないようになってきてからささえ棒をしようというのが今の大蔵省のやり方なんです。問題はそうではなしに、植木を植えた場合に、まだつくかつかぬかわからない、この時代にささえ棒がほしいという、これが大蔵省の中に指導理論として入ってきて、それが具体的に実現されなかったならば、私は
取締り法規のみでは、不足なんではないか、こう考えておる。
現実の
信用金庫や
信用組合がみなそうでしょう。小さくて伸び悩んでおるものに対しては、今解決する
方法としては、これを指導して合併させる以外にはほとんどない。解散ということ、あるいは営業停止ということは最悪の事態であります。そういうようなものに対しては、合併を勧める以外には
方法がない。これを伸ばしてやるときには、具体的な
方法をとっておらない、こういうことなんですが、そうではなしに、もっとこの際、そういうふうなものに対する
対策といりものを立てるべきじゃないか。これは、官吏としてはきわめて危険なものに足をつつ込むということになるだろうと思う。そんなところに足をつっ込んで金を出したならば、大へんなことになるからして、今までの人はみなやらないわけなんですが、しかしそれをやる考え方というものが出なかったなら、ほんとうの指導監督行政というものは私は伸びないと思う。今言ってもこれは
答弁として引き出せないと思うのですが、これはやはり考えてほしいと思う。
それからこの
導入預金の問題をいろいろ考えるならば、この
導入預金の根拠は何からきたかというならば、これは貸金業からきておる。その前が保全経済会であり、あるいはいろいろなやみ金融がばっこして一時これが倒れた。倒れたものがどこへ行くかということを見ていたところが、これがみな安全投資の世界を求めて、
導入預金となって三流
金融機関に入り込んできた。このときに、やみ金融が倒れたときには、大蔵省の態度というものは、ほとんど手を打っておらない。これがほとんど倒れてしまって、もう大体社会的に葬り去られて解決がついたというころになってから一応の手を打っておる。今度もまた、この
導入預金という問題も世間的に批判をされて、社会の
常識となって、一般的にはもう
導入預金というものは通用しなくなったときになってきてから、この一種の死文にひとしいところの
法律を出してきておる。これは
法律のあり方が二年も三年も手おくれなんだ。これは今は議題とされていないが、
準備預金制度は、昨年日銀の
貸し出しが二百億台になって、もう日銀がこのままでは操作力を失うからして、ここで支払い
準備預金制度を作らなければならぬということになった。ことしになってくると、そんな
法律は必要でない、去年のときは必要だった。必要なときには
法律が出ない。必要でなくなったときになってから
法律が出てくる。大蔵行政というのは、一年も二年も常におくれておる。ここに問題があるのであります。それから今
導入預金の問題について考えてみても、貸金業に対してはやはり放置したまま。この
導入預金の問題がどこにいくか、これについての見きわめ方あるいは見通しの立て方、これをあなた方はどう持っておるか、この点を
一つ承わりたい。
〔
黒金委員長代理退席、
委員長着席〕