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1957-04-19 第26回国会 衆議院 商工委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十九日(金曜日)     午前十一時四分開議  出席委員    委員長 福田 篤泰君    理事 鹿野 彦吉君 理事 小平 久雄君    理事 笹本 一雄君 理事 西村 直己君    理事 加藤 清二君 理事 松平 忠久君       阿左美廣治君    岡崎 英城君       川野 芳滿君    菅  太郎君       佐々木秀世君    鈴木周次郎君       南  好雄君    横井 太郎君       片島  港君    佐竹 新市君       田中 武夫君    多賀谷真稔君       中崎  敏君    永井勝次郎君       帆足  計君    水谷長三郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  水田三喜男君  出席政府委員         通商産業政務次         官       長谷川四郎君         通商産業事務官         (大臣官房長) 松尾 金藏君         通商産業事務官         (通商局長)  松尾泰一郎君         通商産業事務官         (企業局長)  徳永 久次君         通商産業事務官         (重工業局長) 鈴木 義雄君         通商産業事務官        (公益事業局長) 岩武 照彦君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁財政部         理財課長)   山野 幸吉君         農林事務官         (農地局愛知用         水公団監理官) 戸嶋 芳雄君         通商産業事務官         (重工業局車両         管理官)    古河  潤君         建設事務官         (河川局水政課         長)      国宗 正義君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 四月十八日  委員片島港君辞任につき、その補欠として安平  鹿一君が議長指名委員に選任された。 同月十九日  委員安平鹿一辞任につき、その補欠として片  島港君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月十七日  輸出入取引法の一部を改正する法律案内閣提  出第一四八号)(予) 同月十八日  固定抵抗器技術提携反対に関する請願(正力  松太郎紹介)(第二八〇一号)  同(長谷川四郎紹介)(第二八〇二号)  同(楢橋渡紹介)(第二八〇三号)  固定抵抗器技術提携反対に関すろ請願外一件  (早稻田柳右エ門紹介)(第二八五九号)  同(丹羽兵助紹介)(第二八七三号)  同(河野密紹介)(第二八七七号)  同外一件(纐纈彌三君紹介)(第二八九一号)  中小企業団体法制定に関する請願外一件(古島  義英君紹介)(第二八〇四号)  同外一件(阿左美廣治紹介)(第二八〇五  号)  同(福井順一紹介)(第二八〇六号  同(福田篤泰紹介)(第二八〇七号  同(淺香忠雄紹介)(第二八三一号  同(丹羽兵助紹介)(第二八三二号  同(横井太郎紹介)(第二八三三号  同外二件(菅野和太郎紹介)(第一八五八  号)  同外三件(犬養健紹介)(第二八六四号)  同(石坂繁紹介)(第二八六五号)  同外三件(宇都宮徳馬紹介)(第二八六六  号)  同外二件(岡崎英城紹介)(第二八六七号)  同(小枝一雄紹介)(第二八六八号)  同外二件(島村一郎紹介)(第二八六九号)  同外一件(林博紹介)(第二八七〇号)  同外三件(眞鍋儀十君紹介)(第二八七五号)  同(花村四郎紹介)(第二八七二号)  中小企業関係法案早期成立に関する請願  (山下榮二紹介)(第二八三四号)  商業調整法制定に関する請願門司亮紹介)  (第二八四一号)  自転車競技法の一部を改正する法律制定促進に  関する請願荒舩清十郎紹介)(第二八九〇  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  中小企業団体法案外案審査のための委員派遣  承認申請に関する件自転車競技法の一部を改正  する法律案内閣提出第一二〇号)  小型自動車競走法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一二一号)  自転車競技法廃止する法律案永井勝次郎君  外十一名提出衆法第二五号)  小型自動車競走法廃止する法律案永井勝次  郎君外十一名提出衆法第二六号)  貿易に関する件  工業用水に関する件     —————————————
  2. 福田篤泰

    福田委員長 これより会議を開きます。  まず、去る十二日本委員会に付託せられました永井勝次郎君外十一名提出自転車競技法廃止する法律案及び小型自動車競走法廃止する法律案の両案を一括議題とし、審査に入ります。  まず提出者より提案趣旨の説明を求めます。永井勝次郎君。
  3. 永井勝次郎

    永井委員 ただいま提案となりました日本社会党提出自転車競技法廃止する法律案及び小型自動車競走法廃止する法律案提案理由を御説明申し上げます。  この両法律案は、昭和二十三年八月一日成立いたしました自転車競技法及び昭和二十五年五月二十七日成立をみました小型自動車競走法廃止する法律案でありまして、以下両法律案提出趣旨についてその概略を御説明申し上げます。  御承知通り自転車競技法小型自動車競走法の両法は、自転車工業及び小型自動車工業振興に寄与するとともに、地方財政改善をはかるということを目的として、射幸的事業であります競輪オートレースを、公然と行うことができるようにした法律でありますが、両法の立法当初の経緯、及び両法審議中の経過から見ましても、限時的性格を持った臨時措置であったことは否定できないところであります。このことは、昭和二十九年六月九日、当該産業振興に限定せず、広く機械工業振興をはかることをおもな内容として成立いたしました自転車競技法等臨時特例に関する法律が、当初一年間の限時法であったことからも言えるところであります。しかしながら政府は、昭和三十年に至り、その有効期間をさらに当分の間延長することを提案して参りましたので、衆議院において有効期間を二ヵ年間とするとの修正を受け、参議院商工委員会においては「競輪競馬オートレース、モーターボート・レース等一切の射幸的行為現下社会情勢にかんがみ、すみやかに禁止もしくは制限せらるべきである」との附帯決議まで付せられているのであります。今回政府提案しておりますように一部改正をもってこれらの射幸的行為を永久化しようとすることは、立法当初の精神にも反するというのが第一の理由であります。  第二の理由は、これら一切の射幸的事業に対する国民消費は年に一千億円をこえ、年間約百億円が地方財政に寄与し、若干が機械工業振興費その他に充てられているのが現状でありますが、地方財政がこのような不健全な事業にたよらなければならぬことは好ましくないのであります。また機械工業振興にいたしましても、当然国のなさねばならぬ施策でありまして、ギャンブル収益に依存すべき段階は過ぎたのであります。しかも立法当時の戦災都市復興目的も、今やほぼその目的を達成しているとき、もはや存続の意義は全くなくなったと見るべきであります。  第三の理由といたしまして、地方財政寄与に名をかりて、その収益が不当に浪費されることも少くありません。またばくち的事業でありますので、社会に与える影響も好ましくない面が多多ありますことは、ここに御説明申し上げるまでもないところであります。  以上二、三の廃止理由をあげ、自転車競技法廃止する法律案及び小型自動車競走法廃止する法律案提出した次第であります。しかしながら、現下情勢において、即時廃止することは、これらの事業に働く従事員や、選手のその後の生活の問題もありますので、施行は二年後の昭和三十四年四月一日とし、その間自転車競技法及び小型自動車競走法廃止が円滑に行われるよう必要な措置を講ずるため、それぞれに廃止対策審議会を設置して万全を期するよう附則において措置いたしてあります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。     —————————————
  4. 福田篤泰

    福田委員長 次に自転車競技法の一部を改正する法律案及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、質疑を継続いたします。佐々木秀世君。
  5. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 先般私は選手待遇改善というようなことについて政府側答弁を求めたのでありますが、そのときの答弁によりましては、私はまだ納得できないのです。御承知通り、五千名からの選手がおります。A級B級と分けまして、B級の中においても百二十五名だったでしょうかの選手などは、月に一本の競技にしか参加できないのであります。御承知通り賞金を見ましても大体一着に入って六千円前後、それから八着、九着となると五百円とか六百円とかというごく少額の賞金になるのであります。それで御答弁によりますと、一人平均四万ないし五万になっているというお話でしたが、その四万、五万というのは、一人当り選手に対する費用全体を言うのでしょうか、それとも選手手取りを言っているのでしょうか。私の考え方では、おそらくその中には旅費とか宿泊料とかいうものを含めて一人当り五万くらいになっているのじゃないかと思われるのですが、賞金だけで一人当り五万になるのか、その点を詳しく御答弁願いたいと思います。
  6. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 先般説明いたしました平均五万円と申しますのは、選手賞金として受け取る額の平均でございます。
  7. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 そうすると、五万円というのは手取りのことでございますね。
  8. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 さようでございます。
  9. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 私はこういうように考えるのです。一流の選手になって相当成績を上げている選手は、あるいは何十万にも、あるいは一年に何百万にもなるかと思われます。しかし往々にして競輪に対して八百長があるということを世間で言っております。私もそういうことはないとは思いますが、しかし必ずないということも言い切れないという点があるのであります。それはなぜならば、やはり選手としての生活ということを考えるときに、最低の線にいる人たち状態を考慮しなくちゃならぬ、私はこう思います。そうすると、どう計算しても、最低の線にある選手が百名にいたしましても二百名にいたしましても、その人たちの受領するいわゆる賞金、あるいはその他の収入から見て、生活が成り立たないということは私はうなづけるのです。そういう立場にある選手を、たとい一人でも置くということは、不正をかもすやはり一つ原因ではないか、こういうように私は考えます。そこで最低の線にいる選手生活の保障ということを考えなくちゃならぬ。ことに今回の法律においては監督を強化するということを書いております。監督を強化するということは競輪万般に対する監督の強化でなければならぬ、私はこう思うのです。ただ今度できます日本自転車振興会そのもの監督を強化するなどということでは、この法律趣旨は生きてこない、こう私は思いますから、そういう点に対して、監督を強化する通産省の立場として、この最下底線にある選手待遇改善を将来どうするかというようなお考えがあるのじゃないかと思いますが、ありましたら一つ伺いたいと思います。
  10. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 御質問の点の選手待遇の問題でありますが、この前も御質問があり、ただいまも御質問がありましたが、最低の非常に受け取り額の少い方についてどういうような措置をとるかということでございます。われわれといたしましても、先ほど御指摘のありました二万円程度の方が選手で百名前後おるというふうなことを従来知っております。その原因を調べますと、実は病気で一年全然出ておられない方もございます。ごく一部には地方施行者、あるいは振興会希望の少いということもあるわけであります。病気の方については、その間の処置を考えなければいけないと思います。それからまたこの希望がないというような方に対しましては、その原因を探究いたしまして、あるいは新しく訓練するとか、いろいろそういうような措置を講じなければならない。そこで再訓練の問題は、先般申し上げました競輪学校を利用して再訓練するとか、あるいは地方選手会、あるいは振興会を通じてそういう選手の再訓練、あるいは教育を十分にするとか、そういうようなことを考えなければならない、かように考えております。同時にまた先生お話のように、待遇改善の問題につきましても、実は賞金制度昭和二十九年に一度検討されまして、そのときはやはり経費等関係も考慮しまして、一二%上げたということがございます。その後実は最近におきましても同じような問題が起っておりまして、現在中央の選手制度改善委員会において施行者選手関係者その他集まりまして、いろいろ今検討しておるところであります。さらにこれを推進してそういった点の賞金の増額、こういった問題について検討しておりまして、その結論を待ちまして善処いたしたい、かように考えます。
  11. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 私はここではっきり申し上げたいことは、競馬競輪もやはり二割五分という金を取っておるのです。二割五分は両方の競技とも同じであります。御承知通り競馬の方ですと、外国から馬を買うとか、あるいは日本で馬を養うにいたしましても、相当費用がかかるのです。名馬であれば二百万、三百万あるいは五百万という馬もあるのです。それを調教するために預けておく。その預けておく金も最近では大体一頭に対して少しいい馬ですと、費用だけで五万円くらいかかります。それに馬と騎手と、それらを総合いたしますと、競馬にかかる費用というものは莫大なものであります。それでさえも二割五分、しかも賞金を見ましても競輪賞金などは及びもつきません。そういうような莫大な費用がかかるところの競技でも二割五分、競輪はやはり二割五分。競輪にかかるということになりますと、選手それから自転車です。自転車の金額などは馬と比較すれば話になりません、どうしても割合からいうと、競輪での実収益が多いということはどなたも否定できないと思う。そういうような状態にありまするときに、選手待遇改善というものは思い切ってやらなければ、自転車競技そのものが向上しない、いつも八百長があるのではないか、あるいはひもつきがいるんじゃないかというようなうわさが出てくるんじゃないかと私は思う。だからただいま局長答弁のように、何とか少し考えましょうという程度待遇改善では、自転車競技選手の素質の向上もなければ、自転車競技そのものに対する国民信頼感も薄らいでいく。そこで五千何百人が多いならば、それを整理するとか、あるいは百何十人が病気であるならその間は、はっきりこれとこれとこれの選手は今何ヵ月間病気なら病気のために出場する権利をあるいは保留させておく、そういうようなことをしなければ、からだがよくなったからといってまた出てきても勝てない。そこでいろいろなひもつきとか、あるいは八百長というものがたとい一人あっても大きな結果を生むのです。競輪場の今日までの騒ぎというものは、八百長ではないかということが大部分なんです。そういうことは非常に私は大事なことだと思いますので、選手待遇改善ということについては積極的にあらゆる方面から検討していく、そうして一つの疑惑もないように、そうして新しく選手を養成するに当りましても厳重な監督のもとに、そうしてりっぱな選手を送り出すということのために、私は努力が必要でないか、こう思います。  そのことにばかり話を集中しておりますと長くなりますから質問を別な方面に移しますが、次は私はこういうことを考えるのです。競馬やそのほかにはないのですが、競輪独特のものとしてトップ制というものをとっております。トップを走った人に対してはトップ賞という賞金を出しております。これはわれわれ一般の車券を買う方からすれば、こんな矛盾したことはないのですね。九人の選手が走るならば、多少の違いはありますけれども、車券というものはほとんどその九人の選手に売れているのです。何のだれがしという選手にとうとい金を投じて車券を買っている、それが、競輪においてはトップに立てば、これは九九%入賞可能性がないのです。むしろ全然ないと言った方がはっきりしていると思います。御承知通り自転車競争においては五〇%か六〇%かの風圧を受けて、先頭に立った者は入賞可能性がほとんどないということは常識である。その、いわば競技敢闘精神を放棄した者に対して賞金をやるという制度は私には納得できないのですが、これはどういう考え方——もちろんこの競輪法は当初は議員提出法律ですが、ずっと政府監督しているのですからもうすでに政府のものになっていると言っても私は間違いないと思うのですが、そういうものに対する監督者としての考え方はどこにあるか、一つ承わりたい。
  12. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 ごもっともな御意見だと思います。実は先頭員固定競争というふうな問題でありますが、東大の理工学研究所の二メートル風洞におきます自転車風圧に関する報告というようなものによりましても、先頭車は二番車の約二倍の風圧を受けるということが立証されておりまして、競争先頭に立った者は高速による風圧を受けて勝利を得ることができない、先生がさっきおっしゃった通りのことになっております。そこで選手発表合図をしましても先頭に出たがらず、競争不能になるおそれがありますので、条件不利にもかかわらず先頭に立った者に先頭賞というものを与えております。先頭車はゴール・ライン及びその反対側にあるバック・ライン先頭で通過した者に一回につき千円ずつ与えておるものでございます。先頭に立つ者の車券も普通に発売されておるわけでございますので、たとえば九車立の場合九人の競争であるべきものが実際には八人で競争されておるということと同じような結果になります。そこでいろいろ問題がありますので、そのような競争方法を改めるために実は三十一年初頭から自転車連合振興会、現在の連合会に命じまして、先頭員をあらかじめ発走前に決定して車券対象から除外する競争方法ということを今研究さしております。今までに二回にわたって実地テストを行わせた結果、この新しい方法は従来の競争に比べて競争スピード感が加わることと、先頭員を事前に決定して車券対象から除外いたしますので、ファン安心感を与える、競争の興味を増加するというような点の長所があるように認められております。従いましてこういうふうなことの研究をさらに進めて早急に結論を出したいというふうにわれわれ考えて、目下さらに研究を進めている段階にあるわけであります。
  13. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 監督官庁としてこのトップ制の問題に対して検討を続けている、最近において二回ばかりテストをやったがいいようだから直す方向に行っていると思う——しかし私はこう思うのです。少くとも競技に出場するメンバーの中に入っている者からその競技入賞希望を失わしめて、トップを引く人をもうその中からきめておくというやり方は、これは合法的なやり方でないと私は思うのです。それなら、私はまあこういうことを考えたのです、いかなる職場におきましてもお互いのいわゆる助け合っていくということは当然考えられる。五千百九名ですか、五千百名前後の選手の中には、もう五年も六年もやって相当の年令に達して、いわゆる選手としての敢闘力の低下しているような人も将来次々と出てくるのじゃないかと思うのです。そういう人たちをいわば救う意味においてもトップを引くという希望者をその選手の中から募って、そしてトップを引かせる、それは全然車券対象にはしないというやり方が最も競技やり方としては合理的じゃないかと思うのです。私は外国に行ったことはありませんが、外国から帰ってきた人たちの話を聞くと、諸外国競輪トップを引く人を専門に雇っているそうです。それでけっこうりっぱな競技をやっているということを聞いておりますが、そういうようなトップ制に対する改善方法考えているかどうか、今のような、九名あればそのうちの一人をトップに指定して競技をやるというようなことにするか、選手はそれの体面にもかかわります。九人ならば九人が全力をもって競技をするのだということでなければ私は非常に選手の面子にもかかわるのじゃないか、こういうふうに考えます半面、私の申し上げるようなトップを引く人を専門にしていくというならば、それが職業です、これは競技をしないのですからね、そういうような改め方の方が私はいいのじゃないかと思いますが、私の考え方に対してはどうお考えになりますか。その点に対しての監督立場から一つ意見を承わりたいと思います。
  14. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 非常にごもっともな御意見と存じます。われわれも今後の研究の過程におきましてそのような御意見を十分考えていきたいと考えております。
  15. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 質問一つ一つ具体的になりますので、あっちにいったりこっちにいったりするかもしれませんが、次に私は、この間二割五分の中からの金銭の各配分を聞きました。そのことに対してはいろいろ異論はありますが、しかし私としても、最終的にこうした方がいいという結論をまだ得ておりませんので、それに対する具体的な質問はやめますが、ただ先般申し上げました通り、どうしても賃貸料等契約が非常にルーズでないか、昭和二十三年当時の競輪売り上げと、今日の売り上げを見ますと、場所によって非常に違いますが、しかし後楽園のごときは毎年相当伸びているのです。しかも予想の倍以上になっているのじゃないかとまで思われます。先般も申し上げました通り、一日一億二千万から三千万の売り上げの四分の歩合、二十三年当時この法律ができたときの考え方とは根底から変ってこなくちゃならぬと私は思います。私は後楽園を敵にするわけじゃありませんが、いわゆる大衆の零細な金によって——大衆のほんとうの百円、二百円を持ってきて楽しんでいる人たちの金だということを考えれば、こういう賃貸料金などというものも、もう実情に即して改めなくちゃならぬし常識考えて、一日五百万ないしは五百数十万になるというような賃貸料なんというのは私はないと思うのです。野球の方を調べてみましたが、野球の一回の使用料は百万に達しないのです。それだと、三十日間野球場を使っても、競輪場を六日間使ったよりも収入は上らない、こういうことはだれがやっても不合理だということははっきりしているのです。しかしこれは四分ときめたんだから、売り上げが幾らになろうと改正できないんだというようなことでなく、監督の任に当っている人としては、実情に即して検討するということは当然だと思うのです。その点に対して役所としては検討して改めるか。私はそれを何分に下げろということは申しません。しかしだれが聞いても納得する賃貸料あるいはまた後楽園やその他の競輪場を持っている人たちの成り立たないようなことでもいけませんから、そういう点に対する検討を進める意思があるかどうか、この間はっきり答弁を承わらなかったので、その点に対する考えを承わりたい。
  16. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 御指摘の点でございますが、先般資料も配ってございますが、われわれとしては、この問題については実情を再検討いたしまして、適正化に沿うような方向へさらに研究を進め、その結果によって措置するように努力いたしたいと考えております。
  17. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 賃貸料のことは先般も質問申し上げましたので、今日はこの程度にしておきますが、ファンもこういうような賃貸料になっているんだというようなことを聞けば相当私は激高するんじゃないかと思う。こういうことについては真剣にしかも常識に基いた契約をするように、あなた方がやるんじゃないですが、監督をしてもらいたい。こういうことを私は強く要望いたしておきます。  それから開催日数のことでありますが、開催日数が今どういうようになっているか、大体の御説明を聞いてから質問に入りたいと思います。
  18. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 開催日数は月六日というふうに法律ではきまっておりますが、現在自粛が行われておりまして、都会密集地の周辺では土、日を中心として四日制、それから地方では三三制、土曜、日曜を中心として三日、三日というふうにできております。従って四日制をとっておる競輪場は十七でございます。それで法律にきめた日数よりも余っている回数が二百をちょっとこえております。
  19. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 自粛ということですが、どういう点から自粛ということでそういうようになったのか、その経緯がわかったら一つ……。
  20. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 三十年の三月に閣議で申し合せがありまして、土曜日曜を中心としてやることが、勤労意欲を阻害しないでいいという観点から、これは競輪競馬同じように措置するということで、各省で相談してそのように措置してきているわけであります。
  21. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 私はこう思うのです。自粛することけっこうです。閣議でそうきまったからそれに従ってやるということは役人の立場としては当然だと思います。ただどうもこの法律を見ると、あっちの方にこういわれたからこうするんだとか、また参議院側の考えがこうだからこうした方が向うのきげんが悪くならないのじゃないかというような、何かこびへつらったような法案のように思えてならないのです。監督官庁としては一つの確固たる信念を持って、競輪のあり方はこうすべきだという信念に基いた改正案を出してもらわなければ困るので、そっちにこびへつらい、こっちのごきげんをとった改正案なんというものは何ら意味がない。そういう点を私は考えるものです。競輪というものはいわゆる大衆の、しかも中産以下の大衆一つのギャンブルではあるが、社交機関といってはおかしいですが、その人たちの趣味でやっている。人間の好みというものを法律や何かで廃止するわけにもいかない。そこで僕はこの質問の当初において長谷川政務次官から競輪を存続する意思があるかどうかということをはっきり承わった。通産省としてはこれは将来ともに競輪というものを廃止する意思がないというはっきりした答弁をいただいたので、その線に基いて質問をしている。今承わりますと、何か信念が欠けているような気がするのであります。そこで通産省は競輪を将来やる以上は、こういう改正をやって国民にも納得せしめ、競輪ファンに不安を与えないで、安心して競輪に行って楽しめるという形を整えることが、私は改正法案の根本的なあり方でなければならない、こう思うのであります。そういう点を基調としてこの法案検討すると、今まで質問をしたような点がたくさん出てくるわけであります。  そこで土曜、日曜をやるということは、私は何ら異論はありません。しかし地方財政に寄与する、あるいは自転車振興のために寄与する、また何十万という人がその職場に働いている、こりいう点を考えれば、日曜、祭日だけやったのでは、採算のとれないことは明らかであります。そこで競輪場を自粛せしめて四日制あるいは三・三制でやっているということですが、そういりような場当り式のものでなく、たとえば東京の後楽園とか川崎というようなところでは、夏なんかはナイターでやってもけっこうじゃないかと思う。昼働いて夕飯を済ましてから、ぶらりとゆかたを着て、百円か二百円持って競輪場競輪を楽しみながら、あわよくば百円が一万円にも三万円にもなるという一つの夢を持って、貧乏人はその中に一つの生きがいを感ずる人もおります。野球でもナイターをやっている。午後六時なら六時からやって、九時なら九時に終っても五レースや六レースはできます。そうすれば商売にも勤めにも影響しない。ただそこで心配されることは、金を扱うものですから、警備という点が考えられると思う。通産省としては将来、こういう競輪なんというものは一つの娯楽機関であり、大衆の遊び場所ですから、仕事か終ってから競輪場に行くんだというような考えを持って——ナイターでもやるということは警備やその設備をよくしさえすれば決してめんどうなことはない。ただ今のままでは不安があります。そういう点に対して検討なさったことがありますか。また将来そういりことに、改めることを目途として検討を進めたいという意思があるかどうが、その点を承わっておきたい。
  22. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 実は私従来そのような問題が取り上げられたかどうか芸体的に存じませんが、聞くところによりますと、夜間の問題は、先生指摘のように、警備の問題、特に金を扱うという警備の点で警察方面で問題がのるというふうに聞いております。今後の問題についてどうするかということは十分研究したいと思っておりますが、そういうような点、設備の点で問題があるように考えております。
  23. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 警備の問題はしろうとにもすぐ考えられますが、その警備に対して自信を持てないとでも警視庁かそこらでおっしゃったのか、それともただそういうふうに考えられるのか、具体的に取締り機関と折衝したことがあるのか、そういう点について承わりたい。
  24. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 具体的に警視庁こかそういうところと話し合いをしたことはないように聞いております。
  25. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 これは外国の例を見ましても、トッグ・レースとかいろいなレースがおもにナイターをやっております。だから警備が必ずできないということじゃないんです。諸外国でやっておるのですから、できましたなりば大事な昼日なかはできるだけ仕事に励むようにして、そうしてこういう娯楽的なものは、それ以外の時間にやるというような方向に、ぜひとも将来一つ研究しておいていただきたいと思います。それから次には競輪場が全国に六カ所ですか六十一カ所あるのですが、必ずしも気候のいいところばかりでははいのです。函館あるいは札幌というような地方では毎月割の開催日数を割り当てられても——承知通り北海道なんかは十一月になると雪です。私のところに家から手紙が来ておりますが、今日なお雪が二、三尺あるそうです。例年の例から見ましても五月二十日過ぎでなければ私らの郷里では桜が咲きません。そうすると六ヵ月ないし七、八ヵ月というのは雪の中です。そういう方面では全国と同じような割当をされたのでは時期的に競技を行う期間がなくなるわけです。それかといって、北海道あたりに対しては多少考慮をされているかもしれませんが、ほとんどこういう競技なんというものは北海道のような特殊事情のあるところ、あるいは東北のようなところは少くとも七、八、九、この三カ月くらいに全日数を使ってしまうというような計画を立てなければ効果がないのじゃないかと思います。私十一月でしたか、札幌の競輪場に行ったことがあります。もうちらほら雪が降っておりまして、人もほとんど少かった。そうすればせっかくやっても赤字だというようなことでは地方財政に寄与するとかなんとかいうようなことが、かえって競輪をやるために気候に災いされて赤字を出すというようなことがなきにしもあらずなのです。そういう点に対して一つ通産省は今のような東北、北海道なんかに対しては新しき割当日数を与えて、そして短時日の間にそれだけのもりを消化してしまうというような改正をやる意思があるかどうか、それを一つ承わりたいと思います。
  26. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 御指摘の寒冷地の競輪場につきましては、実は省令で普通は月に一回というふうになっておりますが、二ヵ月に三回できるというふうにさめておりまして、その特殊性については考慮して認めておるわけでしざいます。
  27. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 二カ月に三回といり考え方が私と違うのです。そうでしょう。とにかくほかのところの三分の一しか能力がないのです。ほとんど雪ですからね。みぞれが降ってからではもうやれませんからね。ほんとうに気候のいいというのはせいぜい七、八、んです。そうすると、厳密に言えば四分の一くらいの考え方でその割当をしてやらぬとその地方に適した割当とは言えないのです。今の三分の二ですが、その考え方でいくことは、地方の気候を考慮した割当には違いありませんが、これを先ほど説明したような北海道、東北の気候の変化による実情をもっと考えて、もう少し実情に即した割当をぜひ一つお願いしたい。私はこれ以上申しません。委員長から次の質問者があるそうで、ぜひ切り上げてくれということですが、大体そういうことで地方の、気候に災いされている競輪場に対しては、今後その実情に即した割当日数を考えてもらいたいということを私は希望いたします。  それから一つこの前競輪場の食堂とか何とかのことを私は申し上げましたが、私はこう考えるのですがどうでしょう、間違っておるのでしょうか。競輪場賃貸料を払って百分の四なら四で借りておるということになると、競輪場全体の施設、あらゆるものが、借りておる間は施行者の権限だと思うのですが、そうじゃないのですか。
  28. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 主たる競輪場の施設は施行者が責任を持つことになっておりますが、売店につきましては施行者契約によってやるということになっております。
  29. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 売店、食堂というものは競輪場という一つの坪数の中に入っておるわけですが、それが施行者競技場を持っている会社と何か契約でもしてやっておるのですか。特例の契約をしていますか。どこかその実例がありましたら一つ示していただきたい。
  30. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 具体例を存じませんが、後楽園の場合等では所有者が売店を持っており、その他の場合では特別な契約ができておるところもあるように聞いております。
  31. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それがおかしいのですね。競輪場を貸しておるのでしょう。賃貸料をとっておるのでしょう。そうしたらその中で何をやろうと借りた人の自由でなければならぬと思うのです。賃貸料をとっておいて、売店や食堂はその貸しておる人がまた別にそれを経営させておくとか、経営をやらしておいてそれから歩合をとるなんていうのは最も不合理な、だれが考えても納得しないやり方だと思うのです。競輪場というものは一切の施設を含めたものが競輪場だと思うのです。走る場所も、あるいはいわゆる車券を買う場所も、払い戻しをするところも、あるいはその他に対する一切の付属、あるいはまたそこに行っている人たちがいろいろ食堂に行くことるあるでしょうが、一切の設備が競輪場だと思うのです。それに対しては、賃貸料を払っておいてその中の売店や食堂の経営は、また賃貸料をとっている後楽園がやっているというようなことは、これはどうも私は合点がいかないのです。それはなぜかというと、私はファン立場から言うのですが、それが他の店よりも勉強しておるなら何をか言わんやです。すべてのものが高いです。高いということは聞いてみると、その食堂は後楽園なら後楽園でやっておるのではないのです。やはり個人の店にやらしておいて、売り上げの三割をとっておるというようなことを聞くから、これは私は憤激せざるを得ない。ことにはっきり言うと、ああいう私ら初め貧乏人の集まっているところです。そういう人たちにサービスするならいざしらず、市価よりも高いものを食わして、そうして不衛生な食べ物を与えて膨大な収益を上げておるということでは、私たちはそれを黙って見ておるわけにいかない。後楽園の実際の会社全体の収入がどこにあるかというと、一番多いのはいわゆる競輪賃貸料なんです。その次は売店と食堂なんですよ。野球場なんてずっと下なんですよ。後楽園球場といって野球場で売っている株式会社後楽園の経理の内容は、第一は競輪場賃貸料であり、第二は食堂、売店なんです。あの野球場なんというのは下の下くらいなんです。そういうような大衆の頭はね、ピンはねをするようなやり方をさしておいて十分な監督をしているとは言われない。それも賃貸している場所以外でやることには何も言いません。そういう点に対しても、私は金というものがだれでも納得するように使われなければならないと思うから、そういうこまかい点まで質問するのです。こういうことは、施行者競技場を借りるならば、施行者後楽園とが別個な契約に基いて、たとえばその場所は百分の四で貸しているが、食堂、売店の分は借りた人にまた逆に後楽園が何がしかの金をもって契約して借りているというなら、私は何も質問したり非難したりする言葉はありません。そういう点を一つ大衆のためですから——あそこでほんとうに勉強して、うまいものを食わして、安くやっているなら何も言いませんが、だれが考えても不衛生的で、そして高いですから、こういう点は一つ十分に施行者なりあるいは今度できる自転車振興会ですか、そういう担当者とよく相談して、私の質問がもし無理でなかったら、そういう点に対する処置をぜひ講じてもらいたい。つけ加えることは、非常に不衛生的であります。ことに人の集まる場所というものはあらゆる面で公衆衛生ということを重んじなければなりません。ことに日本では肺結核が非常に多いのであります。そういうような点に対して、公衆衛生に対する改善のことを私は質問いたしましたが、それに対するあのときから今日まで公衆衛生に対してどういう処置を講じようとなさったか、一つ承わりたい。
  32. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 御指摘の公衆衛生の問題に対しましては、ごもっともな点が多くあると存じます。われわれとしてもそれに対しても、今後できるだけ善処したいと考えておりますが、従来とって参りました考え方は、たとえば便所の問題にいたしましても、あるいは売店の衛生取締りの励行とか、あるいは水飲み場とか接待所の増設とか観客席の施設とか、そういうような問題につきましてできるだけ設備の改善をするように指導をしつつあるわけでございますが、十分でない点もあると存じますので、さらに今後この点については御趣旨に沿って善処いたしたいと考えております。
  33. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 次は払い戻し金の制限の問題ですが、これは第九条ですか、「第九条に次の一項を加える。」となっているところに、「前四項の規定により払戻金を交付する場合において、その金額に一円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。第九条の二を次のように改める。第九条の二前条第一項の払戻金の額が命令で定める払戻金の最高限度額をこえるときは、その最高限度額に相当する額を払戻金の額とする。第九条の三第二項中「その順位で」を削る。第九条の四中「三十日」を「六十日」に改める。」こういうふうに九条の項目が書いてありますが、このことは要するに払い戻しの最高額を法律で定める、あるいはその払い戻しの方法が、今まで言う通り、一着二着に入ったものを裏返しでも払い戻しができるという意味だろうと思うのです。そうするとあなた方どういう考えでこの法律を作ったか、その作った根拠を一つ承わりたい。
  34. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 この問題はわれわれの競輪運営審議会で議論になったところでございますが、競輪を存続させる一方、競輪のギャンブル性というものをある程度ためるというふうな方向考えたい。かような点から出ているわけです。競輪はそもそもギャンブルでございますから、ギャンブルを存続させながらそれをためるということと本質的にどういう関係に立つかということで議論があったわけであります。しかしながら競輪の問題につきましていろいろ社会的批判もあるという状況でございます。そこでわれわれといたしましては、最高限度についてある程度制限できる規定を置き、それから裏表の方が当る確率がよくなる。従来のものですと三十六分の一ですが、裏表にすると二十一分の一というふうになって確率がよくなる。かような方法を併用するという考え方をとったわけでございます。しかしながら競輪運営審議会でも問題になりましたのは、競輪だけが独走してこれをやるということはどうかということで、この法案提案の際に政務次官からも御説明がありましたが、この問題は競馬とかモーター・ボート、オートレースと歩調を合せ、よく相談した後に施行することになっておるわけであります。
  35. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 今聞いてみると何も根拠がないんですね。要するに、正直言うと参議院の方のごきげんとりなんです。こうしておけば参議院でも文句がないだろうというのが、この払い戻し金の制限の問題だと思うのです。そんなばかな話はない。勝負は厳然たるものです。この間も言ったが、一着二着に入ったものを、二着一着の逆も払い戻しをすることができるなどという、そんな勝負の世界はどこにもありません。今の競輪の着差なんというものは、厳密に微差裁定機ですか、何百分の一までの着差を機械でもって判定しているのです。それほど勝負の世界というものは、だれが何と言ってもこれほど厳正なものはないのです。そこに裏表を認めるとか、最高これ以上は払い戻しをしないとかいうような、人の力をもって押えるべきものではありません。少くともこれはばくちであることは間違いありません。しかしばくちといえどもそれを好む大衆がおるのですから、何も自分から卑下する必要はない。おのおのの好みによってギャンブルに興ずる人もたくさんいるのです。そういう点からいって、こんなばかばかしいことは私は法律から削除すべきだと思うのです。しかもこの条項は、競馬やなんかでやったときにやるというようなことを考えているが、競馬の方は歴史が古いのです。ばくちの方は向うが先輩ですよ。先輩がこうするというならいざ知らず、昭和二十三年に新しくできたひょろひょろギャンブルを担当している通産省が、先がけてわれわれの方でこういうような自粛をするなどということはもってのほかです。むしろおこがましいと思う。競馬の方で、深い経験と長い年数ギャンブルに携わってきたが、配当の制限をしなくてはならぬという考え方から生まれたのならいざ知らず、始めて間もない競輪監督し、しかも競輪の内容もあまり知らない通産省の連中が、配当を制限するとか法律でこれを考慮するとか、そんなことはだれが考えたって話にならぬですよ。単に三十六分の一の的中が二十一分の一の的中になれば大衆のためになるんだ、というような考え方でいくと大きな間違いです。それが証拠に、競輪場に行ってごらんなさい。単勝は九人走れば九分の一でしょう。複勝はそれよりもう一つ率がよくて、三着に入ったものの複勝はなおよくなるでしょう。そうすれば何分の一か当る率が多くなる。当る率が多くなればなるほど車券は売れないのですよ。当る率の一番少いフォーカスが一番売れておるという大衆心理は一体どこにあるのですか。ギャンブルはやってみなければだめなんです。百円が、おとといのように三万何千円になるという一つの夢を持ってあそこに行っているのですよ。あの宝くじが売れるのは、あの宝くじの一枚が三百万円になるか五百万円になるかという夢を抱いて買うから、全国であれだけ売れるのですよ。ただ多くの人が払い戻しが受けられるというようなことが大衆に対するサービスだと思ったらとんでもない。サービスというなら、むしろ二五%を二〇%にするのだという、実質の金の払い戻しがよけいになったときは、これはサービスです。実質の金は二五%ぎりぎり一文もまけないでおいて、その七五%の配分される金をただ十人に配分するか十五人に配分すかというような考え方でギャンブルを担当したらとんでもないですよ。あなたは局長なんだから、ギャンブルをそう卑下することはないのです。自転車競技をやっている、競馬をやっている、それに対して全国で何十万、何百万という、それを好むファンがいるのですから、堂々と思い切ってこの監督をし、しかも競輪をやっていることに対して何ら卑下することなくやってもらいたいと思う。そういう点からいって、この払い戻しの制度というものは何ら根拠がない、こういうものは法律で書くべきじゃないと私は思うのですが、私の言っていることがあなたの考え方と違うのか、それとも私の言っていることが正しいのか、しかし諸般の情勢からこの条項をどうしても入れなくちゃならぬのか、削ることになれば相当困難性があるのか、そういう点について御答弁を承わりたい。
  36. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 第九条の問題は、通産省の趣旨としては先ほど局長が申し上げた通りでございまして、通産省としては是なりとして提案いたしたのでございますが、しかし提案をいたすましても、御承知のごとく国会において御承認がいただけないならばこれはやむを得ないことでもありますので、委員会の皆様方の御審議を願って、その結果を待つよりやむを得ない問題だと考えております。
  37. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 政務次官は立場上そう答えるより仕方がないと思いますし、何もこれを非だと思って法律化するとは思っていないが、しかし私が今までいろいろ払い戻しの制限に対して質問している内容を聞いて、あなた方がなるほどなと思っているのじゃないかと私は思う。少くとも法律を出した以上は、あなたの言うことが正しいということは言われないと思いますが、しかしこういうことを法律の条文の中に入れることについては、私は競輪そのものに対する理解がどの程度あるかというようなことまで疑いたくなる。しかし競馬競輪あるいはモーターボート、小型自動車競争一切のギャンブルそのものを統一して政府の方針としてこうするのだというならば、私としては何も言わない。しかしほかのギャンブル性の競技においてはまだこれを改めないのに、競輪を担当する通産省がいち早く、しかも私に言わせれば何ら根拠のないものを、一つの婿態策としてこういうことをするということは、私としては納得できないのであります。こういうことは、ほんとうに各競技が一致しているときでなければ、競輪だけが進んでこういうことをやることに対しては私は反対であります。そういうことをやっちゃならぬと私は思います。しかもそういうことまでやるときには、一切のギャンブルはやめた方がいい、こういうようにも私は考えますが、この点に対してはこの程度にしておきます。  次は、今度新しく生まれる、特殊法人となります日本自転車振興会、それの運営についてでありますが、従来私らが承わっておりますところでは、納得しがたい点が非常にたくさんある。しかもその自転車振興会が受けている金の大半は、自転車振興でなくて、競輪の素質同上と発展のために使うべきだと私は思う。競輪を楽しむ人、競輪を愛好する人たち車券によって得た金ですから、その上り工合から、その金は全部と言っちゃあれですが、その大部分は競輪振興発展のために使うべきだと私はこう思っている。しかし従来はそうじやない、要するに選手の配分とか審判員の養成とかあるいは選手の学校とかいう程度には使われているが、総額にいたしましても、昨年度などは一億数千万しか使われていないのじゃないですか。そうするとほかの金は、自転車振興という意味でしょうか、よその方に使われて、競輪の実体のためにはそれの三分の一かあるいけ半分以下しか使われていないということは、私はいかにも不合理だと思うのですが、今度できる自転車振興会の運営監督に当ってはどういう考えを持っているか、それを承わりたい。
  38. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 新しくできます日本自転車振興会におきましては、先般来御説明申し上げましたように、一つの仕事があるわけでございまして、一つ競輪関係の仕事を公正かつ厳格に実施するために、地方振興会とよく連絡をとり、さつき言った審判員や選手の素質の向上、それから競輪の運用について全国的な統括とか調整とかそういうようなことをいたすわけであります。もう一つの仕事は、これも御説明いたしましたが、競輪でなしに自転車産業あるいは機械産業の振興のために使う金というのがございます。それの配分をやる。この二つでございます。それについて政府としては十分監督をして目的に沿うように努力いたしたい、かように考えております。
  39. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 自転車産業振興、機械産業発展というような点については、私の希望としてはできるならこんな競輪から上った金ではなく、いわゆる政府の通産省の予算として大いにやってもらわなければならぬ、競輪から上った金はほとんど競輪の素質向発展のために使うべきだということをはっきり申し上げておきます。  いろいろありますが、きょうは定刻から本会議が始まりますし、私一人であまり時間をとってもどうかと思いますが、今度できますこの自転車振興会の人事その他についても、通産大臣は非常に権限が強化されたわけであります。それらの人事その他についても一つ世間に変なうわさの立たないように、しかも今までのように自転車振興会連合会はまるで通産省の姥捨山だ、それだから監督を強化するというと、私たちは逆説から監督を強化すれば強化するほど通産省と自転車振興会とはつうつうだ、なお悪くなるのだということをこの前申し上げたが、そういうことのないように——銀座方面にあるところの自転車振興会の事務所は銀座通産省だと言われるほどで、先般私が申し上げたように、まるであなた方の役人の姥捨山を作るような振興会であれば、われわれは断固として反対しなくちゃならぬ。どこまでも競輪から上る収益で運営する自転車振興会そのものは、競輪のために全力を傾注してりっぱな運営をしなければならぬと私は思う。そういう点については将来十分監督をほんとうに強化して、ただつうつう内々でなくて、世間が納得するような監督強化であるならば、私は双手をあげて賛成するものであります。  その値いろいろありますが、いずカまた理事会等においても内容その他についても相談もいたしておりますので、もうあと突っ込んだ質問はいたしませんが、総じて競輪等に対しては監督立場にある通産省そのものが競輪そのものの検討が浅過ぎる、不勉強だということを申し添えておきます。一つ十分卑下することなく、局長先頭に立って競輪のいわゆる発展向上のために努力されんことを私は希望して、とりあえず質問を終ります。
  40. 福田篤泰

  41. 永井勝次郎

    永井委員 ただいま同僚佐々木委員からの質問に対して、将来にわたって競輪廃止する考えはない、こういう御答弁であったようでありますが、将来にわたって廃止する考えはないという理由と根拠を明確に個条書でいいからお答え願いたい。
  42. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 競輪を将来にわたって私たち通産省としては廃止する考えは持っておりません、その理由といたしましては、そもそもの出発が議員立法でございまして、その議員立法を尊重する意味において、私たちは継承しておるわけでございます。特に議員の方々、つまり私たちが幾ら法案を出しましても、皆様方議員の賛成が得られなければ通過することもできないのでございまして、ただいま社会党の方からも廃止法案というようなものが出ておりますので、それが是なりとすればそれもしかりであろう、それによってわれわれは行政を行う考えでございます。
  43. 永井勝次郎

    永井委員 民主的に頭数の決定に待つ、こういう答弁でございます。それは存廃を今の段階において決定するという場合の手続であります。しかし将来にわたってこういうものを廃止する考えがないという考え方は、政府はこういう射幸性ギャンブルというものを大いに振興して、そこからの上りで機械工業なり、そのテラ銭で日本自転車振興をはかろう、こういう趣旨であると了承してよろしゅうございますか。
  44. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 こういうようなばくちの上に立ったテラ銭をはねて行政を行おう、政治を行おうなどという考え方は毛頭持っておりません。しかしながら、競輪にいたしましても、競馬にいたしましても、ただ日本だけがこれを営んでいるものではないのであって、こういうような点の、要するに上った金の使途というものがつまり議員の皆さん方の立法によって、そういう方面に使うんだ、使いなさいというような意思のもとにこれが法案となって出ておるのでございます。その後逐次改善をされて、今日では大衆がこれを非常に好むというようにもなってきておるのでございまして、ただこれから上ってくる、たとえば自転車振興に使う金、機械産業振興に使う金というものは、そのうちのほんの部分的なものでありまして、全部テラ銭をこれに向けるという意味ではないのであります。その点につきましては私たちも考えておるのであって、要はこういうものから上ってくる金をそういう面に出すことがいいか悪いか、あるいは政府がみずからの予算においてこれらを組むべきであるかというのは、いろいろ異論のあるところであると私は思います。従って、こういうものから上ってきたテラ銭において行政を行おうとか、政治を行おうというような考え方は持っておらないということを明らかにいたしておきます。
  45. 永井勝次郎

    永井委員 それからもう一つ、これも佐々木委員質問にありましたが、勤労大衆がゆかたがけで行って、そして百円の券を買ってそれで何十万つくか、何百万つくかというような夢をこれにかける。それが生活に対する希望を与えるものである、勤労大衆に夢を与えるものである、こういうような激励の言葉的質問があったわけですが、そういう激励の上に立って腰を据えようというお考えでありますか、お伺いいたします。
  46. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 先ほど、競輪をナイターでどうか、たとえば土曜、日曜というような昼間をなるべく使わないようにして、夜にでもそういう競技をやったらどうか、昼間を使わないようにして夜の休み時間にでもというようなお話がありましたが、これらは十分研究をしてみた上でなければ行うことのできない問題であると思うのでございまして、もしそうしなければならないのであるならば、これらは十分検討をした上においてあらためて皆さんに御相談申し上げなければならない、こう考えております。
  47. 永井勝次郎

    永井委員 先ほど政務次官は、これは議員立法であるから特にその趣旨を尊重してということでありましたので、つけ加えてお尋ねをいたしたいのでありますが、競輪法及び地方競馬法、こういうものが議会で決議せられましたときは、われわれこの決議に参加したわけでありますが、当時は終戦後の非常な混乱期でありまして、神奈川県下において第三国人が勝手に競馬をやって、そして主催者が非常なもうけをした。これをほうっておくと、第三国人によるこういうものがどんどん起ってくる危険性があるから、これを取り締まる目的をもって地方競馬を制限しなければいけない、県下一カ所ということで制限して、だれでも勝手にやれないようにしたのが当時の地方競馬法です。しかもその地方競馬は、決してサラブレッドの競走馬による競走を奨励するものではなくして、農耕馬による競馬、こういうことに当初は制限したのが立法趣旨であります。競輪についても、第三国人等が出願をして、競輪をやらしてくれという願書がすでに出てきた。これを放任すれば地方競馬のような状態に陥るから、やはりこれを制限する必要がある、法制化する必要がある、こういうところからこの競輪法が出たわけであります。従って、今日のようにこれを奨励してその収入によって地方財源を潤すとか、あるいはそこから上るテラ銭の頭をはねてこれを合理化する、あるいは正当化するような仮装をする、こういうことはその自後に起ってきた——社会環境がずっと安定してきた、そしてこのギャンブル行為に批判が出てきた、この非難にこたえるために表面上ごまかす手段としてこういうことをやってきておるというふうにわれわれは考えておるので、立法趣旨とは非常に違った方向にそれてきた、また立法の当時と社会環境、背景が非常に違ってきておる、こういうふうにわれわれは考えておる。従ってこのような安定した社会環境の中においては、こういう問題は新たな立場検討する必要があるのではないか、また遠い将来を見て、民族の健康な発展、それから精神面、物質面あるいは文化面、こういう面から見て、日本民族の文化的水準、教養水準というものを高めていくという角度から、こういうものが望ましいか望ましくないかという立場検討しなければならない段階が来ておるとわれわれは考えるのでありますが、先ほど来の御答弁を拝聴いたしておりますと、何かこういう事業希望をかけておる、あるいはこれが第二義的にいろいろ地方財源を潤すのだ、あるいは機械産業に幾らかの貢献をしておるんだ、あるいはオリンピックに貢献しておるんだというように、逆算的に競輪の非常なギャンブル性あるいは社会風教に与えておる非常な悪影響というものを正当化するような答弁がなされておるように思うのでありますが、そういう点についてしっかりした一つ——この法案をあらためて出すというからには、現在の社会環境をどう見ておるか、この影響をどういうふうに見ておるか、それから民族生活の理想に向って、どういう理想の上からこういうものを廃止しないというふうに考えておるか。これは議員立法であるから議員にまかせる、尊重してというような、責任を他に転嫁しないで、これは政府提案でありますから、政府提案立場において、政府の責任ある一つ答弁をわずらわしたいと思います。
  48. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 競輪をより以上奨励するという意味ではないのでございまして、御承知のように競輪を新たに認可するとか許可をするというようなところは一個所もないのであります。現在あるところの、今日まで経営してきたその競輪場と、競輪をまず健全なものに仕立てていこう、こういう考え方でございまして、新たに新しい希望を持ってやらせるとか、あるいはお言葉のような奨励をさせるとか、そういう意味ではなく、要するに現在あるものをより以上健全化していこうというのが考え方でございまして、従ってこれは一つのギャンブルではあるけれども、一つのスポーツでございまして、その点も御理解を願わなければならぬと思うのであります。
  49. 福田篤泰

  50. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 自治庁の方が時間が制限されておるそうでありますから、まず自治庁にお尋ねいたしたいと思います。公営競輪場の場合に、その収入地方交付税の基準財政収入額の対象に入りますかどうか、まずこれを伺いたい。
  51. 山野幸吉

    ○山野説明員 普通交付税の場合には、競輪収入対象にしておりません。しかし特別交付税の場合に、競輪収入が著しく多額に上る場合においては、ある程度勘案することになっております。
  52. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 地方交付税の額と、それから特別交付税の額のパーセンテージはどのくらいですか。
  53. 山野幸吉

    ○山野説明員 普通交付税の百分の八が特別交付税でございます。
  54. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 現在公営競輪場をやっておるところで地方交付税の不交付団体はどの程度あるか、これをお知らせ願いたい。
  55. 山野幸吉

    ○山野説明員 不交付団体の数は府県におきまして二府県、市町村におきまして二十九、合計三十一であります。それが不交付団体でございまして、交付団体は府県が十六、市町村が百五十九、合計しまして百七十五団体であります。
  56. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 これは競輪を開催しているところですか。
  57. 山野幸吉

    ○山野説明員 はい。
  58. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 次に通産省にお尋ねいたしますが、あなたの方で現在の競輪施設で償却はどの程度行なっておるか、これをお伺いしたい。
  59. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 現在使用に供されております競輪場総数六十のうち、地方公共団体の所有のものが四十九、民有のものが十二でございますが、公有のものは官公庁会計処理の特質として、通常の意味における償却は行なっておりません。建設あるいは改修を行なった年度の歳出として処理しているような場合が多いのが実情でございます。民有のもの十二個所につきましては、税法上の規定によって処理されておりまして、これは昭和二十九年十二月末現在で、ちょっと古いのでございますが、調査によりますと、全体で約三割弱の償却をしておるようであります。
  60. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 財政支出でもけっこうですが、大体償却はどの程度公有の場合行なっておりますか、これをお聞かせ願いたい。
  61. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 公有の場合は、昭和二十九年十二月末現在の調査では、施設が三十億に対して二十五億程度の償却がなされております。ただしこれは、通常の意味における償却でないことは、先ほど申し上げた通りでございます。
  62. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そうすると、八五%程度償却済みである、こう考えてよろしいですか。
  63. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 先ほど申し上げました通り、公有の場合は通常の意味の償却ではないので、合計いたしましてパーセンテージを出すことは、ちょっとどうかという感じがいたしますのですが、形式的に両方合計しましてお出しいたしますと、昭和二十九年十二月末現在の調査によりますと、公有、民有両方合せまして四十五億に対して、償却額は大体三十億という程度でございます。
  64. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 私は公有を聞いておるのですが、三十億に対して二十五億九千万円、これは三十年の八月十三日振興会が発表した数字です。あれからすでに一年半たっておりますから、かなり償却が進んだ。もっともこれは全部償却のところと償却してないところがありますけれども、これは形式的には累計をすれば一応そういうふうになる、こういうように判断をするわけです。  そこで自治庁にお尋ねしたいのですが、今あなたの方は開催個所の話をされましたけれども、要するに競輪場を所有しておる地区ということになりますと、また変った数字が出ると思うんですが、私が調査いたしたところによりますと、かなり不交付団体がある。それでこの競輪場は戦災都市だということで、競輪開催場については主としてそういう条件があったと思いますけれども、すでに戦後十数年を経ておる。そしてむしろ現在は競輪をやっておるところ、これはいろいろあるのですから問題がありますけれども、大体におきまして競輪をやっておる都市の方が財政状態がいい。それは交付団体、不交付団体の率を見てもそういうことが言い得る。ことに大企業があり、そして殷賑な産業が興っておる、こういう地区に競輪場がある。そしてそれは一般的には地方交付税の対象の財政収入の算定の基礎になされていない。これは特別交付税の場合は、まだいろいろな要素を入れるのですから当りまえです。しかもこれが非常に問題なのは、その競輪を行なっておる市の市民だけが来るのならばともかくとして、そういう都市は商業都市の形を形成しておりますから、必ず周囲からその競輪に来ることは明らかであります。ところがその周辺にある町村の住民は、その競輪を開催しておりますAならAという都市に行って金を捨てるけれども、その住民が住んでおりますところの町村には何ら潤わぬ。これは財政計画から見ても非常に矛盾がありはしないか。こう思うんですが、自治庁ではどういうようにお考えですか。
  65. 山野幸吉

    ○山野説明員 競輪地方財政に寄与する問題でございますが、これは現在競輪収入として約五十億程度のものが上げられておりますが、そのうち大体六割は不交付団体になっております。特別な都市におきまして不交付団体の競輪等もありますが、数から言いますと、交付団体の方が非常に多いわけでございます。そこで本来こういう収入によって地方財政をカバーすること自体に私は根本的には問題があると思うわけでございますが、その五十億程度の財源をもって現状においては失対事業とかあるいは都市計画事業とかあるいは公共土木事業等に充当して、現実に事業をやっておる状況でございますのと、それから終戦後ずっと苦しい地方財政の実態が継続して参っておりまして、現段階においては地方財源の問題としても非常に大きな地位を占めておるというのが実情でございます。個個的にはいろいろ財源調整の問題等で不合理な問題もあるかと思います。しかしそれは全般的な地方財政に対する寄与の問題を改正していくという問題にまでは影響しない程度のものじゃないかと思うわけでございます。
  66. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 私は財政的に一般的に寄与しておるということを聞いておるのじゃない。財政調整の面において非常に不合理ではないか、こういうことを聞いておるのです。Aという市の周辺にBなりCなりという町村がある。そこの住民はAという市に行って金を捨てるのですから、Aの市の財政には寄与しておるかもしれない。ところがその周囲は大いに迷惑しておるのじゃないか。この競輪に落す金というのはどこからも降ってはこないのです、そこの住民がみずからの収入をそこで捨てるのですから……。そうすると、BなりCなりの周辺の町村は住民税の徴収にしてもその他にしてもこれは非常に影響があると思うのです。そこは全然潤わない。こういうような財政の徴収の仕方というものが果して妥当であるかどうか、これを聞いておるわけです。
  67. 山野幸吉

    ○山野説明員 先ほど申し上げましたのは、競輪収入を本来地方財政計画の中に見ていくということがおかしいという意味で申し上げたわけでございます。従って競輪のある近隣市町村等で車券を買いに出られる。従ってそこはむしろ消費の格好になって、市に財源が増すということになりますが、地方財政の財源問題としては、むしろ財政計画の外に置かるべきものだという工合に考えて申し上げたわけでございます。
  68. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 財政計画の外に置くといっても、実際の収入になっているんでしょう。あなたの方は知らぬ顔をしておると言われますけれども、地方交付税、特別交付税については見ている、こう言えばやはり財政計画ですよし起債を一つ許すにしてもそういう点を考慮されるでしょう、かつて入場祝がありました。入場税はこれは市町村にあったわけですね。ところが入場祝は市町村にあるのはおかしいじゃないか、ことにその周辺の町村は非常に迷惑をする、こういうことで入場税はこの徴税の関係上一市町村にまかしておくのは、周辺からその町村に見に行くんですから不合理だ、そういうことで入場税を県税にされた、さらに県税を国税にされた。国税にするについては、これはまた別の観点がありましたけれども、少くとも府県税にするについてはそういう議論をお立てになった。ところが今度の競輪の問題については、戦争直後ならわかりますけれども、今日においてむしろ財政収入がいい——全部がいいとは言いませんけれども、比較的裕福な市がそういうような開催場所になってそこへ金が落ちてくる。こういうことは財政計画上非常に矛盾がありゃしないかと思うのですが、この点をどうお考えですか。
  69. 山野幸吉

    ○山野説明員 非常にむずかしい問題ですが、かりに不交付団体をとらえてみても、不交付団体は不交付団体なりにそれだけ財政需要があるわけでございます。たとえば下水事業にしても都市計画事業にしても、都市は都市としての財政需要がそれぞれあるわけでございますから、従って一般論として論ずるわけにはいかないと思います。しかし今お話になりましたのは、近隣の町村の場合は個人経済としては問題かもしれませんが、交付税の立場からいきますと、団体の基準財政収入と基準財政需要を見まして、その差額を交付税で補てんする建前になっております。従いまして近隣の町村の財政収入の少いところは、それだけ交付税が多くいく建前になっておるわけでございます。それからまた都市においては、先ほど申し上げたような都市で競輪を開催しておるところは、その分は特別交付税で調整する考え方に立っておりますから、そういう意味で、先ほど申し上げたように、財政調整の問題としても問題がない。しかし本来そういう競輪収入というものを地方財源として当てにするということについては、根本的には問題があると思います。
  70. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 私は入場税の場合で今話しているので、入場税をとるけれども、それは基準財政収入額として見てやる、そうして基準財政需要額と見合って勘案する、こういうことなら少しはわかる、大体はこれが財政計画の外にあるのでしょう。財政計画の外にあるということなら、開催した地区だけが得ですよ。早い話が、税金は少い、その他の収入も少いけれども、競輪だけはものすごくもうけている。これは交付団体になりますよ、そうでしょう。極端な話をすれば、そういうことになる。そうするとあなたの話は矛盾があるのではないか。
  71. 山野幸吉

    ○山野説明員 私は地方財政計画の外にあるべきであるということを申し上げたのであります。(「現実にあるんだ」と呼ぶ者あり)現実には競輪収入については特別交付税のときに調整いたしますから、ある程度財政計画の中に入っておるわけであります。
  72. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 実は自治庁で来ておらぬと思って失礼しました。多賀谷君のお話はごもっともだと思います。終戦後十一、二年たてば、戦災をこうむった都市でも、競輪をやっているところは財政的によくなっているということは事実なんです。これは確かによくなっておる。それで多賀谷君の質問そのままを言うのではないが別な角度から、今自粛されているという、日数の余っているのがあるが、そうしたら今まで開催している都市以外の近隣の都市でも——やはり何といっても競輪は二割五分とるんですから、実収を上げるには手っとり早いんです。交付金とか特別交付税をいただくについてはあなた方の方に何回も頭を下げてやっとわずかもらっておる。少し上げてもらうより競輪をやった方が収入は手つとり早い。事実もうかるんです。そして地方財政には寄与する。そういう意味からいえば、好ましいとか好ましくないとかいっても、事実金の入ることは間違いない。そこで私は戦災都市以外で、現在開催している都市以外で地方財政の非常に苦しいところは競輪をやれば、確かにこれだけの実収を上げることができるというところがあると思う。そういうところがあなた方の方に競輪をやりたいという場合に、現在ワクが余っておるということなら、そういうものを活用する考えがあるかないか、それを承わりたい。
  73. 山野幸吉

    ○山野説明員 競輪収入地方財源として当てにすべきではないという意味からいたしましても、現在の競輪収入が非常に集中しているのを均霑化さすような行政措置は今後とっていきたいと思います。
  74. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 関連して、あなたの答弁は、先ほどから聞いておりますと、どうも競輪施行している都市はさほど有利でないというように聞えます。なるほど終戦直後は非常にお気の毒であったけれども、競輪のおかげだけとは言いませんけれども、明らかに競輪のおかげでだんだんと黒字になってきた。おかげで市庁舎もできた、学校もできたという具体的事実があるのです。ところが周辺の町村ではそれと同じような経済状態にありながら、相違は何かというと、競輪をやるかやらないかというだけの相違でもって赤字があることは、あなたはよく御存じでしょう。そしてその周辺の町村からぜひ一つおれの方にもやらさしてくれないか、こういう希望が出ているのだが、それをやらせないものだから今度は別の町村ではどうかというと、それではおれの方じゃモーターボートをやろうじゃないか、別なものをやろうじゃないかということで、ギャンブリングがだんだんと蔓延していったというのが実情なんです。そこでなぜそうなったかといえば、あなたの方の行政の仕方あるいは財政収入の仕方に結果として甲乙があったからなんだ。最初からあなたはこういうものを財政収入にすることは思わしくない、芳ばしくないというならば、はっきりと入場税と同じようにまんべんなく均等に割り当てられるよううにすべきじゃないか、それが行政官として守るべき任務じゃないか、こう思うのですがあなたはどう思われますか。
  75. 山野幸吉

    ○山野説明員 競輪収入の均霑北の問題につきましては今後私ども十分配慮して参りたいと思っております。
  76. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 私は競輪廃止するという立場に立って質問をしておるので、競輪をどんどんやってもらいたいという関連質問が出てちょっと困っておるわけでありますが、(加藤(清)委員「やってもらいたいと言ってるんじゃないよ」と呼ぶ)いや、そうじやない、あなたじゃない。(笑声)  それはともかくとしまして、今質問が出ましたように非常に苦労しておる。ですから入場税の場合には、とにかく非常にもうかるといって市町村で映画館を作ったところさえあるのですけれども、作ったとたんに県税になってしまって、その町長は責任問題が起ったという例もあるのです。しかしこういう片寄った財政収入というものはやはりもう少し普遍化すべきだ、こういうふうに考えるわけです。  自治庁はこの程度にしまして、次に通産省にお尋ねしたいのですが、参議院の商工委員会において附帯決議で、競輪競馬オートレース、モーターボート・レース等一切の射幸的行為現下社会情勢にかんがみ、すみやかに禁止もしくは制限されるべきである、こういう附帯決議昭和二十九年につけられておるのですが、この廃止もしくは制限ということに対してどういう努力を主管省である通産省はおやりになったか、これをお聞かせ願いたい。
  77. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 御指摘の参議院の附帯決議は、そういう趣旨において通産省で研究して適切な措置を講じて国会に改正法案を出せ、こういう趣旨でありまして、実は通産省としましては、過去二年間通産大臣の諮問機関であります競輪の運営審議会にこの問題を諮り、その結論によって今回の改正法律案を出したわけでございます。さようなことになっております。ただその間通産省といたしましては、たとえば競輪場の新規の許可は認めないとか、あるいは競輪場の開催は各省申し合せによって自粛措置をとる、かような措置をとってきておるわけであります。
  78. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 その審議会は存続することについての審議をやったのか、廃止という前提のもとにどうしたら廃止が円滑に行われるかということを審議したのか、どうですか。
  79. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 もちろんこの審議会におきましては、禁止もしくは制限というふうな問題について審議したわけであります。その結論はあるいは提案の際に説明をしたかとも存じますが、その結論が今日のような改正法案になっておるわけであります。
  80. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それは私は行政の運用として院の決議を尊重していないと思うのです。これは廃止もしくは制限をするということを前提として一つ御協議を願いたい、こういうことではいけないと思うのです。やはり廃止もしくは制限という観点に立って、どうしたらそういうことが円滑にできるかという審議をすべきものであって、それを何とかして存続するような決議を答申するなんということは、これは院の決議を無視した行政官庁のやり方だと思う。それであなたの方の、この審議会はどういう目的でやるかという前提、それはどうなのですか、
  81. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 もちろんこの審議会を開きました最初に参議院のこの附帯決議を説明いたしまして、それでこの審議会では十数回にわたって議論をしたわけでございます。そこでこれはその審議会の最終的な結論が中間答申として昨年の五月に出まして、それを参議院、衆議院の商工委員会にも御説明したかと存じます。この結論ではギャンブルというのは弊害が多い、しかしながら現在の情勢競輪廃止ということについては、地方財政の問題あるいはほかの同種競技との均衡もあって、にわかにこれを行うことは実際問題として困難だ、そこで競輪の弊害をできるだけ最小限度にとどめるような措置を講じて存続していく、かような結論で、それによりましてこの改正法案を出しておるわけであります。
  82. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 何を最小限度にするのですか。
  83. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 競輪の弊害を最小限度にとどめてこれを健全化する方針というようなことで答申が出ております。
  84. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そういうことを附帯決議にしておるのじゃないのです。附帯決議は、現在の射幸的行為現下社会情勢にかんがみ、すみやかに禁止もしくは制限されるべきである、こうちゃんと行くべき方向を示しておるのです。それをあなたの方ではなるべく射幸心を——射幸心の制限じゃないのですよ、モーターボートあるいはオートレースあるいは競馬競輪の制限なんですよ。ですからまるっきり違うような方向審議会を持っていっておるというのは、これは院の決議を無視した行政官庁のやり方だと思う。少くともこの附帯決議に基いて審議会ができたならば、この目標に向って行かれるのが議会尊重の行政官庁でなくてはならぬと思うのですが、この点はどうなのですか。
  85. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 ここに禁止もしくは制限と書いてありまして、禁止の問題、それから存続する場合にいかに制限するかという二つの問題でございます。この考え方は、競輪は存続せしめるが競輪の弊害を最小限度にとどめてこれを健全化していく、従いまして先ほど説明いたしました通り新しい競輪場の今後の許可は一切しないとか、存続するものでもある期間やめたり休止をしている場合には取り消しができるとか、あるいは業務停止命令に違反した悪い場合には許可を取り消すことができるという意味で、むしろある意味では制限ととられるような処置になっておるわけでございます。
  86. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そういう趣旨ではないのです。趣旨を誤解をして、いな誤解でなくてよく意思を知っておるけれども、故意に曲げられて運用されたら困ると思うのです。たとえば地方財政の問題にいたしましても、地方財政の点を勘案する云々とおっしゃいましたけれども、しからばどうすれば廃止するについて地方財政の圧迫にならないようにできるか、こういう研究をすべきだと思うのです。それについてどういうふうにされましたか。
  87. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 地方財政の問題は、実はわれわれの方の問題ではございませんが、競輪の運営審議会におきましては、もちろん地方自治庁の方も出ていただきまして、われわれといたしましてはいろいろな角度から検討をいたしたわけであります。
  88. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 通産政務次官は参議院のこの決議をどういうふうに解釈なさっておられますか。
  89. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 禁止もしくは制限をせられるべきでありということなのです。従って客観の情勢、国内のいろいろな国民意欲、またすべての点から判断をいたす、というのは要するに通産省がこれの判断を下す前に、分けにこれを審議をした結果これは禁止をしないでもっと健全化していくべきであるという結論が出ました。その諮問機関から出ました以上は尊重いたしまして、その方向に進む、従ってその尊重したということは、先ほど申し上げました通りなるべく健全化していこう、そしてなるべく制限も加えていこう、そしてギャンブルではあるけれども、そのギャンブル性はなるべく押えていくべきであろう、こういう角度から、さらに検討をしてこの法案提案したわけでございます。
  90. 片島港

    片島委員 今のに関連して……。そこでその審議をされる場合に、私は伺いたいのですが、今国民的意欲とか、大衆が好むと言ったが、今かりに娯楽としても、映画をやめると言ったら、それは一般大衆がたすきがけで怒ってきますよ。ところがこれだけ大衆が好んで、非常に国民的な意欲もあり、大衆娯楽化したというが、そういう審議会に、これをどうしても存続してもらいたいといって来た者に、競輪を見物に行く人たちの団体なり個人があったでしょうか。一般の行きたい人がこれを廃止したら困ると言ってたすきがけをしてあなたの方にデモでもかけてくるという危険でも感じなさったかどうか、その点を一つお伺いしたいのです。(「今来ている」と呼ぶ者あり)今来ておるのは、これは競輪をやめたならば生活に困るという、いわゆる競輪をやっておる人たちなんです。見に来る人たちはそれの何百倍、何千倍という人たちがおるわけなんだが、それが国民的意欲だというが、その団体なり個人があなたの方に陳情に来ましたか。存続しておいてくれと、あるいはこれをやめたならば私は承知せぬと言って、あなた方に危険を感じるくらいに陳情して来ましたか。今ちょっとした法律改正するのでも、ごらんなさい、会館に押しかけて来る。競輪を見に行った人でたった一人も通産省に行かぬと思うのだが、ありましたか。
  91. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 審議会の節に、そういう一般の人が廃止されては困るという陳情があったかということですが、これはないそうでございます。今日では、これらはやめては困るという方々はたくさん私どものところには来ております。
  92. 片島港

    片島委員 私は競輪関係者には見て楽しむ人と、それからやってもうける人と二つあると思うのです。見る人は、さっきから佐々木君が言われたように、二割五分のピンを先にはねてとってしまったあとの七割五分でやるのだから、どうせ全部合計してみれば損なことはさまっておる。その大観衆の中からあなたの方に圧力をかけて、ぜひともやってくれ、損してもいいのだ、たまにもうけることもあるから、そういうふうにしてあなたの方に相当圧力がかかったか、あるいはそうでなくして、それを今やっていることによって生活をしている人の圧力によったのか、こういう点を伺いたい。
  93. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 身に危険を感ずるほどの圧力を受けた覚えはございません。
  94. 片島港

    片島委員 これはさっき自治庁の方も言われたように、地方財政の問題としてはこれは問題があると言っておる、これによって地方財政を潤していこうという計画は自治庁自体も持たないし、またこういうものによって地方財政を何とか立て直そうというのは邪道ですから、それは私は別問題だと思う。そうすれば他の射幸的娯楽との均衡、それから大衆が好んでおる、これだけの理由しかあなた方にはないのだが、私が言うのは、実はそういうことはあなた方の言いわけであって、これによって生活をし、これによって財政的に潤っておる市町村と、こういうことになるのです。だからこれを実施して生活をしておる人たちをどういうふうにして見ていくかということと、これによって潤っておる地方財政は、廃止をすれば損をしますから、それをどういうふうにして地方財政的に見ていくかという、これが二つの大きな問題であって、それ以外にあなた方が掲げておる理由というのはすでに議論の中から消えてしまっておる、それを私は言っておるのです。どうですか。
  95. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 先ほど多賀谷委員からの御指摘もありました通り、通産省だとか、あるいは自治庁だとかいうことでなく、公平に見て均衡を欠くということについては、私はそうなすべきであるという考え方を持っております。従ってまた、たとえば競輪とかオートレースとか、あるいは競馬とか、こういうものを果して各省が持っていくべきものであるかどうかという点について、私も疑問を持っております。もしこれを継続させるというならば、これは私個人の考えでございますが、そういうような性格を持ったものをどこか一ヵ所に、たとえば自治庁なら自治庁で持って、そうしてその運営に当る、さもなければ新たにこういうものを別個のところに置いた上に立って運営に当るべきである、こういうように私は考えます。
  96. 小平久雄

    ○小平(久)委員 今たまたま政務次官から競輪だとか、オートレースだとか、そういうものを存続するとすれば、どこかにその中心の機関を作ったらいいじゃないかという発言があったのですが、実は私もかねがねそういう考えを持っておったわけです。先般来同僚佐々木委員のうんちくに富んだ質問をわれわれも拝聴しておったのですが、それに答えられる重工業局長は、はなはだ気の毒だと実は私は思っている。競輪のために重工業局長が頭を使うということはばかばかしいことだ、しかも収入の恩典に浴する点からいえば、各地方公共団体の方が十倍も多い。それなのに通産省、特に重工業局の主管でこの競輪をやっている。自転車を作る方に頭を使うのはけっこうだが、競技方法をどうするの、衛生をどうするのと、そんなことまで重工業局長の所管でないとわれわれは考えている。もちろん今法律がたまたまそうできているから、やむを得ずこれは局長がやっているのだと思う。そこで賢明なる政務次官はすでにそういう今の状況が適当でないという見解を示されたのですが、どうですか、両事務当局として、私はむしろ自治庁あたりにやったらいいと思うのだが、何が何でも今のような建前で、競輪場の運営は直接通産省が監督している、しかもどこでやるかは自治庁がやる。これも先ほど来言われているように、地方財政に対する寄与と均衡、これは再三国会でその論が出ているが一向実現していないようだが、それらの点を勘案して事務当局としては今のやり方をどう考えているか、これを一つ両事務当局から伺っておきたい。同時に政務次官には、今の政務次官の発言というものをどうか大臣ともよく相談なさって、政府としても何か適当なところに集中してやるようにして、重工業局長などにこんなつまらない——つまらないと言っては、おこられるかもしれませんが、あまりこんなことに頭を使わせないように、もっと大切な仕事に頭を使わせるように御努力を願いたいと思います。
  97. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 先ほど加藤君の質問がありました通り競輪をたとえば一個所にやると、均衡してないから、させないなら私の方はオートレースをやろう、モーターボート・レースをやろう、こういうことになって参りますので、ギャンブル性というものは私はますます蔓延していくであろう。であるから、先ほど申し上げたように、健全なものにしていくというのは、ひとり競輪のみではないと思う。金額の大小があって競輪というものがあげられるかしれませんが、金額の大小によって解決すべき問題でないと思う。少くとも政治を行う以上は、全般を見た上においてその均衡をとらなければならない、こういうように私は考えます。こういう点から考えるならば、同種類のようなものは一つの、たとえば自治庁の監督下におくならば別個のものにして、これは収入とするなら収入とするはっきりした道を立てるべきであろう、こういうふうに考える。たとえば通産省でやって年間六億円余りの金が入ってくる。この問題について今日皆さんの御審議をわずらわしておるということは、これは一つには、それがいけないという意味でない。日本全体の政治の上に立って均衡という点から見て、皆さんの御指摘しかりであろうと考えますので、ただいま小平委員の御質問通り、十分これは、私たち各省において考えたというのではなく、議員全般の問題として考えるべきであろう、すなわちこれがそもそも誕生すると同様な観点に立ってこれから考えていくべきであろう、こういうふうに私は考えます。
  98. 田中武夫

    ○田中(武)委員 最後に一言だけ長谷川次官に確かめておきたいと思います。長谷川次官は先ほど、通産省としては競輪は将来廃止する考えを持っていない、こう言明せられました。そこで先ほど来問題になっております参議院の商工委員会附帯決議、すなわちすみやかに禁止もしくは制限せらるべきであるという附帯決議に対して、長谷川次官の先ほどの発言は、この参議院の附帯決議を無視していないかということだけを確かめておきます。
  99. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 私は参議院の附帯決議というものは無視しておらないと考えております。ということは、禁止もしくは制限をするということでございまして、りっぱに附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、趣旨を尊重した上に立って制限をし、そうしてその健全性を保とうというところにあるのでございますから、附帯決議は私は滅却をしていない、こう考えております。尊重していると考えております。
  100. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 私はこれはわが党も出しておりますから、質問しようと思ったのでありますが、質問せぬことにして、ただ一つ申し上げたいのは、ほかに運輸委員会の方に出ているボートレース法案審議未了になるやに承わっておるのであります。こういうことでは同じ政府で同じ競走に関係のある法案の扱いとしては私はどうもおかしいと思う。だからよく連絡をとられて、そうしてボートレース競輪が、あるところではこれが同じ日になってみたりして競輪の方がいろいろ圧迫を受けるというようなこともあり、非常に運動が行われている。これを審議未了にするというような考え方があるらしいのです。そこでこういう問題については野党へも話してもらって、なるべく通すなら通すように、廃止するなら廃止するようにしたらどうかと思います。  それからもう一つは、何か与党の方ではドッグレースをまたやるというような話が出ているそうです。こういうことは競輪が問題になっているときですから、これもまた長谷川政務次官は政府の方で一つよくお考えになっていただきたい。
  101. 山野幸吉

    ○山野説明員 ただいまの小平議員の御質問にお答えいたします。ただいま通産政務次官の方からお話がございました通りでございまして、今後自治庁と通産省とよく話して参りたいと思います。
  102. 福田篤泰

    福田委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。  この際委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。内閣提出中小企業団体法案並びに水谷長三郎君外二十三名提出中小企業組織法案、中小企業の産業分野の確保に関する法律案及び商業調整法案、以上各案審査のため、現地に委員を派遣いたしたいと存じますが、衆議院規則第五十五条により、議長委員派遣承認を求めることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 福田篤泰

    福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。なお開会中のことでもあり、航空機往復利用についても議長にあわせて承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 福田篤泰

    福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  委員派遣承認申請書に記載する派遣の目的、派遣委員の氏名、派遣の期間、派遣地名等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 福田篤泰

    福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際午後二時まで休憩いたします。    午後一時五分休憩      ————◇—————    午後二時十七分開議
  106. 福田篤泰

    福田委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  まず貿易に関する問題について調査を進めます。質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。帆足計君。
  107. 帆足計

    ○帆足委員 新聞その他で伝えられておりますように、中国との第四次民間貿易協定を結ばねばならぬ日取りが迫っておるわけでございます。五月の三日に満期になりますから……。民間協定でありますけれども、両国民間の信義、あるいは国際礼儀上から、われわれとしてもまじめな態度で期限の参ります前に適当な意思表示をすることがきわめて重要であると思われますが、この第四次協定の準備に際しまして、政府が国際情勢の面を善処しつつ良識をもってこれに協力するという合理的態度を示されておることに対して、私たちはこれを了とし、感謝しておるものでございます。特に新聞等の伝うるところによりますと、前の石橋通産大臣の言葉に従えば、すでにオブソレートになった、時代に適合しなくなったチンコム制限を修正するという方向に諸般の情勢は進んでおり、アイゼンハワー大統領からもこれに対して適切な発言があったような状況になっております。もちろんそれが適当な形で実現するまでには、諸外国との歩調も考え、アメリカ政府のいろいろな事情も考慮いたしまして、通産大臣としては外務大臣とともに善処されておることと存じますので、この際あまり立ち入ったことをお尋ねいたそうとは存じませんけれども、今日のところ民間では、国際貿易協会の会長であった村田さんという非常に有力な財界の指導者を失ったりいたしましたので、多少第四次協定の進行が停滞しておるような状況も見えるのであります。また民間協定ではございますけれども、両国民間団体相互間の相談を東京でやったがよいか、北京でやる方が有利であるか、両国の貿易増進のためにいずれが適切であるかというようなことについても、これは別にイデオロギーの問題ではありません、便宜上の問題でありますから、関係方面で相談が進められておりますけれども、多少連絡不十分なところもありまして、いまだに結論に至っていないような状況でございます。従いまして、この問題についての指導、協力の任にある通産大臣といたしましては、一つ与党内の意見をおまとめ下さって、また産業界の意見をも十分に徴されて、今日最後の御決断を今この席で承わりたいとは申しませんけれども、一両日くらいに意思表示ができますように取りまとめまして、一つ御協力、ごあっせんをお願いしたいと思います。まずこの点につきまして、通産大臣のお心持のほどを承わりたいと思います。
  108. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 今度の協定にどういう態度をもって臨もうかという問題につきましては、民間のいわゆる三団体が、今いろいろ協議をしておるときでございます。   〔委員長退席、鹿野委員長代理着席〕 また交渉を北京でするか東京でするかというような問題も、三団体の間でいろいろ話し合いが進んでおると聞いておりますが、政府は必要に応じて政府考え方なり、そういうものは、団体側と連絡して、政府考えも随時述べるというようなことで連絡をとってやっていきたいと私は考えておりますが、まだ開催地の問題につきましても、正式に三団体側から政府に連絡があり、政府の意向を徴するというところまで参っておりませんので、そういう問題が出てきましてから、政府としては適当に善処したいと考えております。
  109. 帆足計

    ○帆足委員 実は第三次協定の満期があと十日内外に迫っておりますので、従いまして一両日中にきめませんと、時期的にも間に合わない状況になります。私どもが承わっておることによりますと、与党及び政府の問で多少意見の食い違いもあるように承わっておりますが、一つ至急通産大臣にごあっせん願って、お取りまとめの御協力をお願いしたいと思います。社会党といたしましては、今日未解決の諸懸案が錯綜いたしておるようでございましたならば、東京で会談を開くことを希望いたしております。またもしどうしても北京で開く方が両方の国にとって都合がいいという結論が業界または政府の方でお出になります場合には、それは各重要項目につきまして、大体こういうラインに沿うて数歩前進の解決策を持つということを御内示下さらなければ、これは超党派の実を上げることは困難と思いますから、いずれにいたしましても、問題を合理的に明確にして貿易増進に時期を失しないようにお願いしたいと思います。岸さんが六月中旬にアメリカに行かれますから、本来ならば、そのあととなれば一そうすべてが明確になってよろしいのでございますけれども、国際情勢は英国を中心としてこの問題について急転回いたしまして、英国はわれわれの商業上の有力なる競争相手でもありますし、協定の期限は五月三日で切れますし、また岸さんの渡米前に国際情勢はある程度まで落ちつくところに落ちつくというような点もありまして、現在懸案になっております諸般のことは、今日の国際常識を逸脱するほどのあまり急激な変化というほどのことは、今課題になっておりません。大体において穏当な、合理主義的な常識によって、一歩々々問題を、平和並びに貿易増進の方向に解決していくということが課題になっておるのでありますから、私はこの際、速急に問題の所在を明らかにして、それについて政府の善処される最終的態度をぼつぼつおきめになるということも、六月、七月になってからでは時期的におそうございますから、七月になってのことはまたその後のことにいたしまして、現在の諸情勢下において取りきめし得る諸般の問題について、多少結論を急いでいただきたい。この一両日中くらいに大体の方針をきめていただかなければ——政府関係のお考えと与党の間で十分な懇談がまだなされてないということでは、われわれとしてもまことに迷惑でありまして、何か社会党が格別の意見を持っておるからまた問題が一そう複雑になるかのごとく伝える向きも一部にありますけれども、必ずしもそういうことではございません。これは超党派的な考え方であって、合理的に漸を追うて解決すべき課題であるということを、私どもも十分了承いたしておりますから、大臣は御多忙でしょうけれども、——財界はもう大阪の財界までこぞって、次の協定をもっと手がたい、実際的な、時勢の要求に沿うた協定にしたいという、財界の世論、新聞社説の論調、それから各新聞経済面の解説記事などは、こぞってこの問題を論じておるわけでありまして、私ども衝に当っておる者の方が多少立ちおくれして、せっかくの貿易推進に熱意のある議員たちの行動が逆に貿易の阻害になるのではないかというような非難すら一部に起り始めておるような状況でございますから、どうかその辺のところを主管官庁としておくみとり下さって、通産大臣として積極的に御善処のほどをお願いしたいと思います。
  110. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 御希望に沿うように十分努力いたします。
  111. 帆足計

    ○帆足委員 それから今後の問題点につきましては、外務、商工、その他関係委員会で論じ尽されておりますから重ねては申しませんけれども、昨年の秋、実は中国側も漸を追うて進もうという態度に、これは池田正之輔君、勝間田清一君の非常な努力によって了解いたしまして、お互いに国際情勢の許す範囲で一歩々々通商を拡大していくという趣旨に同じであるから、その通商あっせんとか調査とかの仕事のために経済の専門家を交換しようではないかという話のときも、直ちに政府の公的代表を交換するということになると今日角が立つから、民間的性格の駐在員の交換でまず出発しようではないか、こういうふうに話が進みましたし、また今日の為替決済の問題も、現物商品の取引が行われておるわけでありますから、それに即して為替決済をできるだけ経済的にまた敏速に行うようにしたい。しかしそれも政府間のオープン・アカウントとか中央銀行間の相談ということになると、まだ現在直ちに実現することは困難であるから、民間の為替銀行がお互いに業務上いろいろな支障をなくすように話を進めたらいいではないか。私はまことに昨年の秋の話し合いはきわめて実際的であって、政府当局も双手をあげて賛成なさるような点で話がまとまったと思います。この話し合いは第四次協定に移るまでに実現しておいて、そして第四次協定を能率的にやろうという話し合いになっているわけでございます。これは政府当局も御存じで、そして大体これは穏当な線であるから、その実現には政府としてもこれを了としょうというふうに従来承わっておりますが、あと十日に迫りまして、私どもが誠意ある態度を示しませんと、どうも日本国民外国に参りまして体裁のいい言葉だけをつくろいますけれども、責任感が少し足らないのではあるまいか、道徳的に少しインフレートしておりはしないかという感じを与えることはまことにまずいことと思いますので、誠実に話し合って先方も譲歩し、こちらも譲歩して話し合いましたことで、それがまずおよそ合理的であり、実際的であるという問題に対しては、誠意ある態度を示すことが私は日本のためにまた両国の経済交流増進のためにこれは有利であると存じますから、この問題につきましても至急事務的な研究及び結論を急いでいただきたい。また民間駐在員といたしましても、業務のどういう仕事をするか、それから国際慣例に従いまして、民間と申しますもののやはり生命、財産の安全等につきまして責任ある考慮もしてあげねばなりませんでしょうし、またこれは相互主義であって、日本の方からも向うへ駐在員を置くとすれば、それに対するいろいろこちらから要望があります。同じように先方からも希望がありましょうし、そういうことも早く外務省当局並びに通産省当局において意見の交換をして、貿易国でございますから、海の国でございますから、できるだけ良識に従った措置が講じ得られますように、その御相談も急いでいただきたいと存じます。それにつきまして通産大臣の、これも最後の結論とあえて申しませんが、お心組みのほどをしかと承わっておきたい。
  112. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 政府としましてはやはり御意見のようにしたい、こういう考えで今事務当局においてもいろいろな検討をしておりますし、必要に応じて関係省の相談をしたいと思っておりますので、従来言われていました通り、今次の交渉におきまして、日本側にとっても有利な、また両国の貿易を拡大するために必要な、合理的な協定をやりたいと政府も望んでおりますので、その線に沿った努力をしたいと存じております。
  113. 帆足計

    ○帆足委員 それでは、従来、新聞にも十分伝えられており、国際世論の各国の記事を見ましてもまず妥当なところであろうという支持を受けております民間駐在員の交換、それから業務上の観点からする為替上の取りきめ、その細目のことは研究課題がまだ多少ございますが、大綱においてはその実現に政府は御協力下さる、そしてそれを実現することが実際的であるという御熱意をお持ちであるかどうか。それをお持ちであるならば、これは小さなことは技術上の問題でありますから、また運用上の問題で私は大部分解決すると思うのです、従いましてこの二つの問題を実現せられるお考えを有せられるかどうか、それだけを承わっておきます。
  114. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 そういう考えでございます。
  115. 帆足計

    ○帆足委員 そういう基本的問題が解決いたしますれば、さらに次の問題といたしましては、何といっても重要なのは中国側からの輸入原料の買付でございます。これは日本側がある意味で有利な点でありまして、輸出にとってもこのために非常に有利でございます。たとえば大英帝国は特免によってブルドーザーを多少見本輸出いたしましたが、その見返りで買うものは何かといえば卵を買う。卵を買ってブルドーザーを輸出する。これは極端な例ですけれども、そういうような方程式になりがちでありますが、日本としては中国から工業塩を買う、粘結炭を買う、原料炭を買う、マグネシア・クリンカーを買う、ホタル石を買う、大豆を買う、こういうような日本の工業及び国民生活の維持にとって、きわめて重要な関係にある相当量の資材を買うことができるわけであります。ただこれが従来のようにスポット買いにいたしておりますと、向うも運賃の高いときは高い運賃、国際値段の上ったときは上った値段でふっかけてきまして、こちらも買付に非常に支障を来たす。そうしてそこに近接距離であるという有利な点はむしろ消えてしまって、ただお互いにその場その場で瞬間の利益を得ようとする。これは両国貿易円滑化のために、非常に得策でないことは大臣の御承知通りであります。従ってこれらの商品につきまして品質と値段がわれわれに満足なものであり、近距離ということをお互いに考慮して、できるだけ他に比べて若干サービスし合うというような精神で話し合うならば、ある程度安定した、品質の適合し、かつ平均した商品を日本に入れることができ、それは日本の原料高を緩和することに多少なりとも稗益することになると思うのです。従いましてそれらの買付ということになると、しかしやはり輸入計画、為替計画、またバーター計画等と連関いたしまして、政府の積極的な御理解と御指導がなければ、業界は成果を上げることに困難であろうかと思います。また政府のそういう御理解、御指導のもとに中国側と話を進めて、一歩進んで品質、価格その他の問題について長期にわたるよい相互の了解を取りつけるということも、そうしてのみ可能でございます。そういうことにつきまして、今後協定は専門委員会ができて、分科会で各業種別の専門家の結論を出すに当って十分な、実際的な検討が行われると思いますが、それに対しまして政府当局は積極的に、これに直接または間接に参加していただいて、また資料の提供その他の便宜をはかっていただいて、それがきわめて実際的見地の上で話が進みますように御協力をいただきたい。また見返りの輸出品につきましても、できる限り同様の見地で、政府当局の好意ある協力、あっせんをお願いしたい。これが業界及び両党議員連盟共通の要望でありますけれども、大臣といたしまして正式に本日この席で、大臣のお考えのほどを承わっておきたいと思います。
  116. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 今お話しのように、たとえば石炭とかあるいは鉄鉱石——鉄鉱石の輸入は今やっておりませんが、こういう日本の基本産業に必要とする物資というようなものは、条件が折り合う限り、やはり私どもとしては長期契約というようなものが望ましいと考えておりますので、交渉の過程におきまして、国策に沿う線の取引につきましては十分協力いたしたいと思います。
  117. 帆足計

    ○帆足委員 政府の方でそのように積極的な御協力がありますならば、中国との貿易は、世間の一部で過大に評価されているほど大きなものではないが、また一部で過小に評価されているほど小さなものでもない。かりに日本貿易の総額の二割とすれば輸出入合計十二億ドルになります。しかし二割までいくことは容易なことではありませんが、一割になることは当然なことだと私は思うのです。しかし一割としましても三億ドル、輸出入合計六億ドルというわけでありますから、これは非常に大きな数量でございます。また三億ドルといえば、非常に大きな人口を養うだけの数量で、三千万ドルで百万人養うとすれば、七百万人養うほどの貿易でございます。子供に換算すれば一千万人近くの子供を養い得る貿易額でありますから、やはり非常に熱意を持ってやらなければならぬ。最小限の熱意と誠意をもってやらなければならぬ日本国民の課題であると思います。中国貿易のことのみ考えて、東南アジア貿易の重要性とか、また今輸送機関が非常に進歩しましたから、ヨーロッパ、中南米、アメリカとの貿易の重大性を忘れる人が一部におることも私は存じておりますが、そういう考えは間違っております。日本は海の国であって、アメリカ、中南米、遠くはアフリカ、ヨーロッパ貿易まで非常に重要である。そして東南アジア貿易もさらに重要である。たとえていえば、アメリカその他の貿易を三割とすれば、東南アジア貿易は三割、北アジアの貿易が朝鮮台湾を含めて三割くらいになれば、それは三、三、三その他一で理想的均衡状況であろうと思います。しかし大臣も御承知のように、原爆は水爆の時代に移りましたし、ことしからジェット機はもはや誘導弾に移っております。これは驚くべき歴史の変化です。私は五年前に、世界の陸軍は、大体その存在は消えていると思っていましたが、二年前に世界の海軍はほぼ消えた。そしてことしになって世界の空軍はほぼ消えてしまって、今残っているのはロケット砲と水爆だけです。日本の四百万の軍隊が消えたと言いますけれども、あれは原爆のショックで消えましたが、世界の軍隊が消えておること、あたかも何百光年前に消えた恒星の光の影を私たちは見ているだけであって、現在世界の軍隊というものはほとんどなくなっておる。そしてその影を見て、残務処理をしておるにすぎない。やがて私の言ったことが真理であるかどうか、五年後、十年後には私どもの網膜に映る、手にさわるような形に現われてくると私は思うのです。なぜこういうことを申し上げるかというと、世界の経済は、軍事費というもの、それから軍需経済、兵器工業というものが相当の部分を占めておりました。それは経済循環の大きな要因であったわけです。しかし天下の大勢は、すでに聡明な英国がこれを示しておりますように、やはり軍備縮小の方向にいき、最後に残るのはレーダー、ロケット砲、原爆、そしてそれはある段階がくると思ったほどコストがかかるものではありません。そしてその均衡のために世界は恒久平和の方向に向うであろう、これはだれしも予想しつつあることです。そうなるとすれば、その平和に向いつつある世界において最も重要なのは、やはり平和貿易ということになる。今日貿易に対して必要な手を打たない国民は国際場裏において取り残される。いわんや、原料の大部分がなく、食糧の三割が足らぬ小さな島の中に非常に多くの一億近くの人口を擁しておる日本としましては、貿易に対しては私はさらにさらに大きな関心と積極的態度を寄せる必要があると思う。これは一つは北アジア、一つは東南アジアの二つに課題があるわけであります。決して中国貿易だけではなくて、東南アジアにもっと大きな手を打たなければならぬ。東南アジア貿易に対してこそ超党派的な議員連盟のようなものが必要ではあるまいか。これらの国の何割かは、御承知通り社会主義政権でございます。また長い問貧乏をし苦しんでおった政権でありますから、保守党の諸君よりか社会党に感覚的に近いものがあることは諸兄の御存じの通りであります。従いまして、東南アジアの貿易について社会党の発言やその特殊の時代感覚などを大いに超党派的に活用していくということは、これは国民的に見まして有利な点であるので、今後は日印協会とか、インドネシア協会とか、ビルマ協会などに、単に保守党の方々のみではなくて、合理的な革新政党の人も積極的に参加して、両々相待って東南アジアに対して目を開く必要がある。もっと適切な手を打ち、もっと日本を理解してもらい、彼らの国を理解する必要があることを、私は数次にわたる東南アジアの旅行で一段と痛感をいたしたのであります。それとともに中国に対しても合理的な手を打たねばならぬということでありまして、私ども口を開けばいつも中国貿易、中国貿易と、その万能を言っているわけでは決してないのでございます。その点は大臣におかれてもよく御理解を願いまして、必要にして適切な実際的な手を、今後とも打つことに御協力を願いたいと思う次第でございます。  最後に武漢、広州で今年の暮れ見本市を開くことになっておりますが、昨年は六千万円の補助金をいただきましてかろうじて経費をまかなった由で、これは厳重な監査を通産省当局にしていただくように、私は最初からお願いしておきましたが、幸いに収支つぐなって、予期以上の成果をおさめたということは御同慶の至りでありますが、それでも中国側から金にして六、七千万円くらいの労力出資または事務所等の協力があったわけでございます。今年は広州と漢口でいたしますが、秋には英国もまた大展覧会を開くことになっておりますので、私は英国に負けないように一つお願いしたいと思うのです。経費などの点でこれでは多少苦しいのではないかと思います。と申しまして通産省の予算を急にふやすということも困難でございましょうから、各地方庁で昨年も非常に出品を助けたのでございますから、通産省当局としましては、地方庁とも密接な御連絡をせられまして、適当な費目で地方産業奨励の若干の補助金などもお考え下さいまして、そうしますれば通産省がそれほど熱心であるならば英国その他の国、チェコスロバキア等の展覧会に負けないように協力しようということで、政府の方で御奨励になった金額のまた何倍かを、地方では特に産業を尊重する府県では、支給することもできる、こういうふうに議員連盟の方たちも申しておりますから、その辺のところを御研究下さって、各地方庁と十分御連携下さって、世界に誇るべき、中国にぜひ見せたいというようなよい商品を御発見下さって、欧州並びに東欧諸国に負けないような展覧会にしていただきたいと思います。それにつきまして通産大臣の御所見を承わりたい。
  118. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 政府の方の予算は今おっしゃられたように六千万円しかございませんが、各地方庁とのいろいろな話し合いによりまして、そういう余地のある限りは協力してもらって、りっぱな展覧会にしたいと考えております。
  119. 帆足計

    ○帆足委員 最後に一言お耳に入れておきたいのでございます。私は第一回目の日中貿易協定以来三回にわたりてずっと引き続いてこの交渉の任に当りました一人でありますが、中国側といたしましては、同類物資交換の法則ということを大へんやかましく申します。たとえて申しますならば粘結炭を輸入して中華どんぶりとシイタケを輸出するというようなことでは中国建設に支障を来たす、日本の必要とする粘結炭を年に百万トンよい品質のものを提供しようと思えば、その石炭の山に必要な資材、設備、労働力を投下せねばならぬ、安んじてそれを投下するならば、日本側から安定した形で買い付けていただくと同時に、見返りの品物を中国の平和建設に必要なものをいただけるならば、自分の方としては安心して石炭の開発の方に日本向けとして設備なり労働力を投下することができる、ところが従来のように、諸般の制限があって、石炭を買い付けてそのかわりに砂糖を買ってくれとか、シイタケを買ってくれというのだけでは困る。そこでそういう意味で等価交換をしたい。これは御承知のように、昔植民地または半植民地の時代には、農村と都会のような関係が植民地経済には支配しておりまして、不等価交換になっておりました苦い経験が植民地にあることは博学の大臣のよく知られる通りです。そういう点も考慮して先方は言っておるのでございますから、私は中国側の言う言葉の中で、お互いに相手の立場に立ってみて合理的な要求に対してはやはり理解ある態度を示さねばならぬと思います。しかし第一次から第三次までの協定において、その原則に従って甲、乙、丙を分けましたけれどもその具体的実行におきましては必ずしも今日の情勢に適応するような状況になっていなくて、その分類の仕方のためにかえって進むべき貿易が阻害されているというような実情が多多あることは御承知通りでございます。昨年の秋このことを私ども強く主張いたしましたところが、先方もその事実に対しては了としまして、その点については技術上の観点から再検討しょうということになっております。私どもの見通しとしては、一挙に全部のカテゴリーを撤廃することが可能であるか、合理的であるか、これはまだお互いに意見を交換する余地があろうと思いますけれども、しかしこれを実情に即して修正する、そうして過去の植民地貿易のような不等価交換でなくて、向うから言うような最高度の有用なものを買うときは、こちらからも制限の許されております範囲であっても、その範囲でよいものを相当出す、また向うからぜいたく品や不急不要の品を入れますときは、こちらからもぜいたく品や不急不要の品物でもまた別な意味では有用でありますから買ってもらう、こういう意味の理解は私は相互に必要だと思うのです。ですから、世間の一部でこのカテゴリーのことが論議されておりますけれども、中国側の要求の中にも了とすべき要求もあるということ、また私どもがこれを相当改正する必要があると考えておりますことも実情に即しておるということ等もお考え下さいまして、この問題についても十分な事前の御調査と御理解をお願いしたいと思います。  最後に、今日協定満了を十日前に控えまして、まだ先方に電報を打つことができないという状況はまことに遺憾なことでありまして、これにはたれに責任があるかなどということも私どもはあえて申しません。新聞ではいろいろのことを申しておりますけれども、われわれ不徳のいたすところだと思います。しかし少くとも政府と与党の間に十分な意思の疎通が、お忙しいからでございましょうが、ないということは私どもとしてまことに遺憾なことでございます。別に責めるわけではございませんが、そのため大へん困っておるわけでございます。従いまして、先ほど通産大臣から意見もありましたけれども、本日宇田国務大臣にも私申しておきましたから、至急政府与党間において意見をお取りまとめ下さいますようこの点を重ねて要望いたしまして質疑を終りますが、大臣の所見を伺います。
  120. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 ただいまの御趣旨の点は十分了承いたしました。
  121. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員長代理 次に工業用水に関する件について調査を進めたいと思います。  質疑に入りますが、質疑の通告がありますので、これを許します。加藤清二君。
  122. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 再三のお呼び出しで恐縮でございます。  御承知通り、わが国におきましては、工業の発展に伴いまして非常に電力の不足を訴えておりまするが、それと同様に、工業用水の不足に伴うところのあまたの悪影響が散見されるのでございます。これについて一体通産大臣はどのような御計画をもって対処されようとなさっていらっしゃるのか、まずその点を伺います。
  123. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 工業地帯の育成のために、御承知のように政府の中では関係官庁で計画を立てて、そうして道路、港湾、工業用水総合計画のもとに、工業地帯の育成をしようということでただいまやっておりますが、従来は工業用水の問題にしますと、沈下地帯に対して政府が補助金を出すということしかやっておりませんでしたが、さらに今年度から工業用水計画におきまして、一定の程度より高い水になるようなものについては国が補助をするという方向に踏み切りまして、今年度から新たに北九州その他をそういう形にして工業用水の整備をはかるという方針にしたのでございますが、引き続いてさらに各地点を選びまして、来年から工業用水の補助及び国が補助金を出さないでも低利資金をあっせんすればそれによって安い水が得られるという地帯については資金のあっせんをやるというようなことで、逐次解決していきたいと考えております。
  124. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 そこで、すでに御承知通り、本委員会においてさきに工業用水法なるものが上程審議されましてこれが通過を見ているのでございますが、これが審議されます折に、これはほんの序の口であって、逐次この地域を拡大していくのだ、こういうことに相なっておったと記憶しております。その後本省におきましてはどのように工業用水法の適用の範囲を広げられているのか、あるいはその内容をも拡充する旨の答弁が重々なされておったわけでございますが、この工業用水法の内容の改善等々どういうふうになっておりますか。
  125. 徳永久次

    ○徳永政府委員 前国会で御承認いただきました工業用水法につきましては、その後その適用地帯をそれぞれ調査いたしまして、前年度の予算できまっております工業用水道の設置地点につきましては、おおむね調査もできまして、地域指定もできておりますが、ただお話の、工業用水法は産業立地行政のはしりでございまして、もっと充実強化したいというようなことを申し上げたかと思いますが、その後工業用水道に関します行政につきまして関係省との間に話がつきまして、通産省の専管となり、さような関係もございまして、工業用水道に関します基本法というようなものを用意しなければならない責任も生じてきたわけであります。来国会におきましては作らなければということで、今勉強を始めているという段階でございます。
  126. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 大臣が閣議に御出席の趣きでございますので、それでは委員長、閣議出席を私はじゃましたくございませんから、大臣に対する質問は保留ということにして質疑を続行させていただきたいと思います。いかがでございますか。——それでは、せっかく御勉強中の内訳でございますが、内容の変更及び地域の拡大ということが考えられるわけでございますが、一体どの地区に適用範囲を拡大されようとしているのか、内容の変更は、どう変るのか、その基本骨子なりともできておりましたら御発表願いたい。
  127. 徳永久次

    ○徳永政府委員 まだ研究中でございまして、中身を申し上げるほどまでに至っておりませんが、ただお尋ねの点と少し違うかもしれませんが、こういう趣旨のものだということをおわかりいただく意味で申し上げますと、工業用水道を設置します場合に、工業用水道には技術上のいろいろな条件もございますし、そういう技術上の条件で施設の内容の最低限度というようなこともきめるようなことをしなければいけませんし、あるいは今のお尋ねのような補助金制度考えるとしまして、補助金制度考え方の一般原則というようなものも織り込むというようなことが研究事項になろうかと思います。あるいは工業用水につきましては料金がやはり一番ポイントになる点でございますので、それにつきましての認可制と申しますか、そういうことも規定が要るのではないかというようなことも考えておるわけであります。現在の工業用水法と申しますのは、御承知のように地下水をくみ上げます場所を制限するための法律といいますか、極端に申しますれば、そういう内容の法律でございますので、そうじやなしに、工業用水道の設置から管理から運用、それから国家の側からの助成といいますか、そういう全般にわたる法律にしたい。ちょうど、たとえて言いますれば、電気事業法といいますか、そういうふうなものにしたいというつもりで勉強を始めております。
  128. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 その際に、今お触れになりましたところの水道料金の問題と、それから受益者の負担の問題でございますが、これは本省としては、たとえば料金は一立方メートルについていかほどが適当であるか、あるいはまた受益者の負担については、どの部分は補助金、どの部分は受益者負担ということが、大体基本として考えらるべきだと思いますが、その点はいかがでございますか。
  129. 徳永久次

    ○徳永政府委員 その点につきましては、前回の国会の際にも申し上げたかと思いますが、私どもの産業行政の立場から見ました場合に、最終の料金としては四円見当、四円が四円五十銭になったらだめだというようなこともありませんが、その辺が最終価格になるようなことを考えておる。ところで今お尋ねの国の補助金とか、受益者の負担とかいうような問題につきましては、水道を設置します場所によりまして、自然の条件というものが非常に支配いたしますので、近くに豊富な水源がありまして、水道の距離も短かい。それから地形も単純である。非常に好都合にできておるというようなことになりますれば、何も補助金なしでも四円以下で、三円でもできますし、二円でもできるというようなところもございますし、それが地形その他の条件で高くなる際に、四円以上こすということになれば、これをどうやって四円にしなければならぬかという問題としまして、低利資金を出すことで解決することもありましょうし、あるいは補助金まで出さなければ解決しないということも起りますし、補助金を出します以上、受益者にも幾らか負担してもらわなければ困るというような考え方でよろしいのではなかろうかというように考えております。
  130. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 この工業用水法を通しまする折の政府側答弁は、大体一円五十銭程度でとどめたい、またそうなければコストが引き合わないという趣きがあったと記憶しておりますが、それは私の記憶違いですか。
  131. 徳永久次

    ○徳永政府委員 そういう数字は私ども考えたことはございませんので……。
  132. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 じゃ、この工業用水法のときは幾らでした。
  133. 徳永久次

    ○徳永政府委員 ただいま私が申し上げましたように、四円見当で申し上げたと思います。
  134. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 それでは建設省のお方が来ていらっしゃるようですから承わりますが、建設省でこのたび特定多目的ダム法案なるものが通過したはずでございます。私も質問に出る予定でおりましたところ、早く通してくれ、早く通してくれというてわが党の理事からせがまれて、ついつい出席することができなくて質問を後に保留したわけなんです。  そこで承わりまするが、この特定多目的ダムというものは、多目的でございますから、この中に電源とかあるいは工業用水とかいうものが含まれているのかいないのか。もしいるとすれば、一体どの程度で供給できるのでございますか。その水の料金をまずこれに関連して最初に承わります。
  135. 国宗正義

    国宗説明員 ただいまの御質問の点でございますが、まず今期国会に成立いたしました特定多目的ダム法の中には、工業用水というのを特定の用途といたしまして、多目的ダムの特定用途の中に含まれておるわけでございます。そのような場合の工業用水のトン当り単価が幾らであろうかという点につきましては、ただいま基本計画の案をこしらえておりまして、そのこしらえます際には関係の各省、特に通産省の担当局とは十分協議申し上げるはずでございますが、単価の具体的問題につきましては基本計画の際にはまだ決定いたしておらないわけでございます。
  136. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 その基本計画ができ上る時期及び今日では想像だにもできないのか、大体この程度ならばできるというめどがあるはずだと思いますが、そのめどもわからないのか、まるでやみくもでございますか、いずれでございますか。
  137. 国宗正義

    国宗説明員 今の基本計画ができますまでは、正式には言うわけには参りません。そしてこれは企業局の御意見を大いに尊重いたしまして、計画が成り立つということで基本計画はこしらえられるわけでございますので、それまで言えないわけでございます。なおてんで想像もつかないかと言われます点につきましては、その通りなんでございますが、ただいまの通産省の局長からの御答弁と遠くない数字になるのじゃないかと想像されるわけでございます。
  138. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 それでは農林省から御出席のようでございまするので承わりまするが、農林省と建設省、大蔵省、通産省との共同審議をいたしまして、一昨年通過させましたところの愛知用水公団法でございまするが、すでにあれ以来約二年をけみしておりまするが、いまだ何ら実施に移されておりません。一体この理由がどこにあるかは農林大臣でなければわからないかもしれませんが、同時にここから生ずる工業用水は、これは想像では困りますので、すでに法律も行われ受益者負担等々も考えられておりまする最中でございますから、一体これはいかほどに相なりまするか、この点を伺いたい。
  139. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 まず最初の点でございますが、御承知のように愛知用水公団は一昨年の十月十日に設立の登記をしまして、その後まず世銀の借款の前提になります工事計画の内容を固めるために、農林省が基本的な計画として公団に示しました線に沿いまして、これを現実に事業の実施に移すための、たとえばボーリングをやるとか、あるいは地質の調査をやるとか、実施設計に必要な諸調査をやって参りました。なおその際技術についていろいろ新しい方式、たとえば堰堤につきましてはロックフィル・ダムというような形式をとりますので、そこでアメリカの技術会社でありますエリック・フロアという会社の技術上の援助を受けるために、技術契約締結についての交渉を始めたわけでございます。それが、昨年の十二月に大体工事計画ができ上りまして、そうして公団の理事が世銀の方にその説明をするために持って参りまして、本年の二月半ばに帰って参りました。そうしてあと国内的な手続として一つ残っておりますのは、法律の二十一条に基きまして実施計画の告示ということが残っておりますが、その告示をいたしますと、いよいよ工事に着手するという段取りになるわけであります。間もなく着手する段取りになると思います。  それから第二点でございますが、われわれの方で当初この計画を立てました場合には、一応販売単価を六円五十銭ということで見当をつけたわけでございます。
  140. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 実は私も今のロックフィルの問題から何からみな知っておるから聞くのですから、要点だけを答えて下さい。おくれている原因はそんなことではありません。それで承わりまするが、それでは公団の方から、事業の実施計画書それから施設の管理規程等々を農林省に提出されておりますか、おりませんか。
  141. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 公団からは事業実施計画が昨年の十二月十八日付で参っております。
  142. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 管理規程は。
  143. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 管理規程は、建設が済んでからの施設の維持管理をやる規定でございますので……。
  144. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 わかりました。それではあなたの方で作らねばならぬところの事業基本計画書はどうなっておりますか。
  145. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 基本計画は、公団が一昨年出発しました一カ月か二カ月後くらいに公団に示してございます。
  146. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 その書類を受け取ってからもう一年の余もほうっておいて——もういいかげん工事しなければならぬはずじゃないですか。工事するまでにどうしてそんなに日にちがかかるのですか、その理由を承わりたい。
  147. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 事業実施計画につきましては、いろいろ技術上の問題かありますとともに、一方において水没地の補償という問題もありますので、ある程度補償の見通しをつけるということも必要なわけでございます。
  148. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 通産省は、公団から提出された事業実施計画並びに農林省が作ったところの事業基本計画書なるものを見て知っておられますか、知っておられませんか。
  149. 徳永久次

    ○徳永政府委員 存じております。
  150. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 それでは今の答弁の六円五十銭というものは間違いであるということをあなた認めますか、認めませんか。
  151. 徳永久次

    ○徳永政府委員 六円五十銭は違っておりません。
  152. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 もとの計画はそうなんだ。
  153. 徳永久次

    ○徳永政府委員 まだ問題は残っておりまして、愛知用水公団は水の大もとを作るのでありまして、工業用水道となれば、県がその水をもらってやるというような段取りになっておりますので、県が工業用水道を愛知用水公団からもらってやりますそれがわれわれの仕事の対象になりまして、その支払い料金をどういう工合にしなければならないか。そのために国としてどうしなければならないか、あるいは受益者としてどうしてもらわなければならないかという問題があります。
  154. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 その県から工業者が受けるところの工業用水は幾らになりますか。あなたの手元の書類はどれだけになっておりますか。
  155. 徳永久次

    ○徳永政府委員 県側としましての計画は、まだ固まってないように私承知しておりますが、お尋ねの御趣旨は、私が申し上げました、四円くらいの工業用水でなければギャップが出るのだが、それをどうするかということであろうと思いますが、これは地元でも問題にいたしておりますし、私の方としても問題にしておりまして、これをどういうふうにやりますかが、来年あたり問題にしなければならない私どもの課題だと考えております。
  156. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 六円五十銭じゃないのですよ。十円なのです。その計画書をあなたが知らぬとおっしゃれば、私は言わぬつもりでおったけれども、知っていると言うから……。これは十円になっているのですよ。もしそれがうそであるというならば、公団なり愛知県なりが、うその指示書を各地に出しているというこになる。すでに新聞にも出ている。読みましょうか。十円なのですよ。あなたは知らぬとおっしゃいますけれども、あの受益地帯の各市、名古屋市でも、半田でも、常滑でも刈谷でも、みんな通産省の傘下の大きな工場のあるところなのです。そこが、十円ではとてもやりきれません、これじゃ困りまするという陳情書を提出してから、すでに八カ月の余もたっているはずなのです。それであなたが知らぬはずはない。つまり愛知用水公団が農林省へ最初の計画を提出してしばらくたった後に、県がこれに付加して、大体これほどになります、工業用水はこれこれ、飲料用水はこれこれというものが、あなたの手元にも渡っているはずです。六円五十銭だなんてしらを切ってくれちゃ困る。いやその後、計画はそうであったけれども、努力した結果そのように引き下げたと、こういうことなら話はわかるのです。私は今計画の方を聞いているのですからね。十円ということでは困るのだ、これじゃとっても工場誘致もできなければ、今日の工場を増設することもできませんと、こういうことになっている事実をあなたは知っておられますか、知っておられませんか。
  157. 徳永久次

    ○徳永政府委員 工業用水としまして、工業的に、値段からいったら使いものにならない水の計画であるということで地元が騒いでおる、これは十分承知いたしております。ただ私先ほど申しましたように、計画そのものがまだ確定もいたしておりませんし、アウトラインがそのままならそうなるということでもありますし、現実のわれわれの仕事のテーマとしますと、やります時期というか、いよいよ事業に具体的に取りかからねばならないときにものをきめなければならぬ、そういう問題でございます。しかし今のお話のように、非常に問題があるということは、私も先ほど申し上げたつもりでございますが、来年くらいには、来年度の予算折衝等に関連して、問題にしなければならぬわれわれの課題であるということは、重々頭に置いておるつもりでございます。
  158. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 特定多目的ダムあるいは愛知用水、みなしかりでございまするが、その所管の省がかりに農林でありあるいは建設であったとしても、利用者はどうかというと、通産省関係の方が多いわけなのです。また法律に規定された条項の趣旨から参りましても、当然通産省はこれと協議ないしは通産省の同意を得なければ、実行に移すことができないことに相なっているはずでございます。従いまして通産省としては、かりに所管が別な省でありましても、常にこの問題については御留意願いたいと思うわけでございます。  そこで承わりますが、この愛知用水公団法を通過させます折に、十項目の附帯決議があったはずでございます。その附帯決議は、今やすでに実行に移さなければならない各項目がたくさんございまするが、それを農林省及び通産省は実行に移しておられますかおられませんか、まず農林省の方から承わります。——答弁がないようですから、ヒントを申し上げますが、この附帯決議の一軸重要な問題は、受益者の負担の軽減ということでございます。受益者の負担が、当初審議されておりました折には、これは農民の方ですが、反当三千円とか六千円とかいうことでございましたが、だんだん土地改良区、あるいは期成同盟、あるいは支線等々の費用を入れてみますと、反当三万五千円の余かかるようでございます。反当三万五千円ということは、この土地は買うより高い値段に相なるのでございまして、これではとうてい水は引けない、こういうことでございます。また工業者がこれを使いまする場合に、ただいまあなたは六円五十銭とおっしゃられましたが、それでもなお高過ぎるのでございまして、しかしこれを県が受け取り、県が負担金その他の減価償却等々を勘案いたしましてそろばんをはじきますと、十円の余になるのでございます。十円五十四銭ということに相なっております。こうなりますれば、工業者もこれは使えない水を引いてもらったということになるわけでございまして、こういう点は審議の折にすでに出ておりましたればこそ、附帯決議につけられておったわけでございます。それを、延びた理由が、アメリカから技術を導入するからだというような御答弁では、全く承服できないのでございまして、そういう受益者負担の軽減のために、資金を別途考慮しなければならなかった、それでおそくなったというならば、まだ話はわかります。しかし事実は今や愛知用水のダム建設くらいで、何もアメリカあたりから受けなければならぬ理由はさらにない。アメリカから機械、技術を導入したり、外資を導入しなければならないところの理由は別途にあるのです。全然別個にある。しかしそれは農林大臣と話し合う問題であって、あなたにそれを突っ込もうとは思いません。そこでこの受益者負担の軽減が、どのようにこの計画書の中に組まれるか、それから企業の簡素化の中に、経費の節約をしてもらいたい——これは一番おしまいの方にあります。附帯決議を見て下さい十項目のところにあるはずです。それから国内技術の活用と国産機械の愛用、必ずしも外国の機械は買わなくてもやれるということになっているのです。と、あなたの最初おっしゃいましたおくれている理由というのは、これは附帯決議に違反をしてなお遅延させる、遅延はやがて一そう地元の経費負担の増額と、こういうことになりまして、ますます悪影響を倍加させているという結果に相なっておりますが、一体農林、通産両省とも、どのようにこの問題について御努力していらっしゃるか、また過去はさることながら、将来どうしようとなさいますか。事務当局の答弁を承わりたい。
  159. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 まず受益者負担の軽減の問題でございます。結局水道の方にも農民の負担にも一番大きく響きますのは、工事費が上る、ダムと幹線水路が共用施設になっておりますので、そこでこの工事費の節約に努めまして工事費をできるだけ少くしていくということが一番大きな問題だと思います。そこでわれわれといたしましても、公団のこれらダム幹線水路の工事費をできるだけ下げさせるように今後持って参りたい、こう考えております。  それからなお外国機械の輸入をできるだけ少くして、国産の機械で用が足りるものはそれでやるようにという附帯決議でございましたが、われわれはできるだけその通り趣旨でやっていきたい、当初世銀からの借入額を三十六億程度に見込んでおりましたのを、現在のところは大体二十四億程度で押えていきたい、こういうようなつもりであります。
  160. 徳永久次

    ○徳永政府委員 ただいまお尋ねがございました国産機械をなるべく使って輸入機械を節減するというようなことにつきましては、私の方の直接の所管ではございませんが、重工業局におきまして農林省とも十分御相談申し上げて、この線に沿ってやっておるように心得ております。
  161. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 これ以上の問題、何がゆえにアメリカの技術をここへ導入しなければならないのか、そういう人間を何がゆえに愛知公団の中に住まわせて高い月給を払って、さなきだに高い施設費をより高くしなければならないのかの問題につきましては、これはもう大臣でないとだめなんです。そこで本日は、私はこの審議をより正確にしこの法律目的をよりょく達成するために協力をしたいと存じます。その協力をする前提条件として資料の提出をお願いしたいのでございます。  第一は、公団から農林省に提出されました事業実施計画書でございます。すでに施設の管理規程も公団においてはできておることと存じます。なぜかならば、六百有余人の月給取りが二年間もただで遊んでおるということでございますからすでにできているはずでございます。これも一つぜひ御提出願いたい。  これと相呼応して農林省から公団に向って発せられたところの事業の基本計画書、この基本計画書は大蔵、厚生、通産、建設。自治庁、経企庁の同意が要ることになっておるのでございます。ただしいまだこの委員会にかけられた記憶がございません、そこでぜひこの事業計画書を、あなたが可及的すみやかに実施するとおっしゃるならば、可及的すみやかに同意を得るためにもこの事業基本計画書なるものを本委員会提出されんことを望むものでございます。  第三は、あまた行われておりまする附帯決議のうち、違反していると見られる向きのものがございます。その一例を私は、日本の技術と日本の機械で間に合うにもかかわりませず、なぜにアメリカの技術、アメリカの機械を導入しなければならないのかという点でお尋ねしたわけでございます。つまりこの附帯決議を最初から違反されておるということは、言われる方もまことに遺憾でしょうし、言う方も悲しい事実でございますので、その理由を明らかにしていただくための資料を御提出願いたいのでございます。  同時に、通産省としては牧尾橋ダム程度のダムが日本で作られる場合に、外国の技術を導入しなければできないのか、ほかにはもっとあれ以上の大きなダムがすでにたくさん建設されておる、日本の技術だけでできるはずでございます。果して牧尾橋ダムは日本の技術でできるかできないか。もしできないとするならば、今後の電源開発に大きな支障と影響を与えるので、電源開発の必要に迫られた今日、憂うべき現象でございますから、そういう建設は日本の技術でできるかできないのか。私はできると思うておる。中国にさえも、外国にさえもこのダム建設の技術をプラント輸出しよう、フィリピンのごときは賠償にもこれを充てようという時期に、なお牧尾橋ダム程度の小さいものになぜそれを受けなければならないのか、その理由と、それから日本の技術でできるかできないかというところのデータを通産省の方から至急今国会中に審議のできまするよう御提出方をお願いするわけでございます。  自余の問題については両省の責任者のおられます機会に質問いたすつもりであります。
  162. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 今御要求のございましたうちで、管理規程というのは、農林大臣が事業の実施の計画を承認しまして告示をいたしまして、それに基いて公団がやるという態勢になりませんと、施設自身がきまっておりませんので、これは公団も現在考え方としてはいろいろ考えておると思いますが、公団の方でもまだ作っておらないと思います。
  163. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 あなたのおっしゃる通りでございます。それも承知の上で要求しておるのでございます。と申しますのは、それは時間的経過からいけばあなたのおっしゃる通りでございますが、実はそのでき上った将来を予想されまして、すでにいわゆる実施計画書なるものができ上っておるはずでございます。それが出てくればよろしゅうございますが、もしもそれが出てこないということになりますと、最初から六百人もの多くの月給取りをなぜあそこに雇っておるか、このことは地元の人間にとっては非常な怒りの的になっておる。しかも二年余も何もせぬでおる。公団の総裁はどこにいるかといえば、総裁でありながら東京におって、自分のうちへしょっちゅう帰ってばかりおりながら、出張旅費と宿泊料をもらっておる、けしからぬ、こういうことなんです。それがやがてコストを高うする原因になる、こういうことなんです。だから、いや、実はこういう仕事もやっている、ああいう仕事もやっているというものが出れば、この期成同盟なり土地改良区なりの反対を押えることができる。あなたは御存じかどうか知りませんが、今やもう土地改良区においても期成同盟においても、かかるものを出すことはごめんであるというので、町村会で決議して出さぬようになっているところがたくさんありますよ。私の村などは——県会議長などもしているが、困り抜いているのです。だから愛知公団では技術者が同盟まで結んで、幹部排斥ということを行うようになってくるのです。新聞がでかでかと書いているのです。私はみえや酔狂で言っているのではありません。だから、これもやっている、あれもやっている、こういうものも必要だということをあまねく知らすれば、向うを向いておった非協力者に再びこちらを向いてもらうことができるので、その目的のためにやっておるのです。そんなしゃくし定木のことを言われるならば、私ももっとしゃくし定木のことを言います。お互いにせっかく生んだ愛知用水はなるべく早く、なるべく利益者に負担をかけずにその目的を達成して地元が発展するように努力すべきではないか、こういう観点に立ってお尋ねしておるのでございますから、一つその点御了承をいただいて御協力を願いたいのであります。
  164. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員長代理 本日はこの程度にとどめておくことにいたします。次会は来たる二十二日午前十時より開会することにいたします。  これにて散会いたします。    午後三時四十二分散会