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松尾(泰)
政府委員 中国向けの毛織物のクレームについてでございますが、われわれの
調査によりますと、中国の検験局の単なる誤解というふうに考えております。それは綿・スフ織物の収縮率三%、毛織物の収縮率六%、それまでは大体よろしいということになっておるわけであります。ところが中国の検験局では綿・スフ織物も毛織物も同じ収縮率いわゆる三%の方だ、こういうふうに誤解しておったことから問題が起ったようでありまして、その後事情がわかって大体解決の
方向に向っておると聞いております。またわれわれの
調査によりますと、織物類については中国の検験局にははっきりした
検査基準はないように伺っている。これはあるいは
調査不十分かもしれませんが、そういうように伺っておるのであります。
それから第二点の、今後の
日本の
検査基準を世界共通の基準にというお話でございますが、これは中国のような国営貿易をやっておるところにおいては
検査機関も単一であってはっきりはしておると思いますが、ほかの国々においては別段輸入する場合の
検査基準がどうだというはっきりしたものはないわけでありまして、個々の取引の契約の中でうたわれておるというのが
実情かとも思うのであります。もっとも世界的な、いわゆる行政的な
検査機関ではない取引上の
検査機関というものもありますが、そういうふうな機関の採用しておる
検査基準なり検量
方法はこれを参考にしてわれわれの
検査基準の中にも取り入れるべきかとは思いますが、世界的共通の
検査基準の発見は実際問題としてむずかしいのでありまして、われわれはもちろんそういうことも
研究をし参考にしていかなければならぬとは思いますが、それよりも
日本品が
海外に出た場合に率直にいいましてあまりみっともないものが出ないようにというのがまず最初の目標ではなかろうかとも思うのであります。実際問題として雑貨にしても、あるいは先生御指摘のような
中小企業の織物類にしましても、百のうち若干の件数ではありますが、悪い品種のものが出ていく。全般的には
日本のものはむろんかなり
品質もよくなったといわれてはおるのでありますが、中には、不心得というか、不注意のために若干の不良品が出ることによって、全体の
声価を傷つける場合が多いのであります。こういう強制
検査方法によって全部
検査にかけてそういうことのないようにやりたい、こういうわけであります。
検査基準についてはわれわれも今後
研究をいたしますが、実際問題として世界共通のものということはなかなかむずかしいのではないかと考えております。