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1957-04-08 第26回国会 衆議院 社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員昭和三十二年四月二日(火曜日)委員 長の指名で次の通り選任された。       亀山 孝一君    小島 徹三君       田中 正巳君    野澤 清人君       八田 貞義君    亘  四郎君       岡本 隆一君    滝井 義高君       堂森 芳夫君    八木 一男君 同日  小島徹三君が委員長指名で小委員長に選任さ  れた。     ————————————— 会 議 昭和三十二年四月八日(月曜日)     午後二時十六分開議  出席小委員    小委員長         小島 徹三君       田中 正巳君    野澤 清人君       八田 貞義君    滝井 義高君       八木 一男君  出席政府委員         厚生事務官         (医務局長)  小澤  龍君         厚生事務官         (薬務局長)  森本  潔君  小委員外出席者         厚生事務官         (保険局次長) 小山進次郎君         厚 生 技 官         (保険局医療課         長)      館林 宣夫君         専  門  員 川井 章知君     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員長及び理事の互選  診療報酬及び薬価に関する件     —————————————
  2. 小島徹三

    小島委員長 これより会議を開きます。  診療報酬及び薬価に関する件について調査を進めます。発言の通告がありますからこれを許します。滝井義高君。
  3. 滝井義高

    滝井委員 今度、社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会ができることになって、今まで薬価に関する小委員会の上に診療報酬というものがついたのですが、これは私が特に作っていただくことをお願いをしたのは、政府与党において健康保険法が衆議院を通る場合に附帯決議をつけられて、その中で点数単価等改善によって医師待遇改善といいますか、そういうことをやらなければならぬという意味附帯決議をおつけになっております。それから同時に、当委員会で再三にわたって、大蔵大臣厚生大臣もやはり待遇改善をやるんだということをおっしゃっておられます。従ってこれは当然何らかの形で、診療報酬の問題を解決しなければならぬ、こういう気持で、野党のわれわれとして、与党政府がおっしゃるんだからそれは額面通りお受けして、何らかの形でこれを具体化しなければならぬというのが当然国会議員としての任務だろうということで、こういう診療報酬を討議する場を作ってもらわなければならぬということで、ぜひ作っていただくことをお願いしたわけです。与党の皆さん、当然、みずから待遇改善をやるための附帯決議をされたのですから御同意を得たわけです。そうすると、別にそういう診療報酬委員会を作るということになると、今まで薬価に関する委員会を作っておってまたそういうものを作るということは非常に煩埴にもなります。薬価診療報酬というものは非常に密接不可分な関係にあるわけなんです。従ってこの委員会を一本にして、診療報酬薬価と同時にやる委員会にした方がいいだろうということで、診療報酬及び薬価に関する小委員会というものができることになったわけなんです。これは政府側の方々にそのできた故事来歴を一応御説明しておく必要かあろうかと思うのです。  ところが最近新聞を見てみましたら、四月五日の省議か何かで、厚生省国民保険方針というものがきまったということが出ておったのです。その中で四番目くらいに、国民保険を推進するためには国民各階層の支持特に医療関係者協力を求めなければならないので、これを確保するための方策を研究し、特に診療報酬に関する問題について今秋を目途として成案を得るよう努力する、こういう新聞記事ですが、これでまず第一にお開きしておきたいのは、今私が読んだよう省議厚生省でおきまりになったのかどうか、確実なものかどうか、どなたでもけっこうです。
  4. 小山進次郎

    小山説明員 今お尋ねのようなことが、厚生省考え方として確定していることは間違いございませんただ省議を開いて云々というのは、むしろ大臣が、考えをおきめになって、厚生省首脳部を全部集めまして、そこでわしはこういう方針でいくがというお話があって、それではさよう一つ承わりますというふうなことであったわけなのです。
  5. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、ことしの秋を目途にしてやるということは、一応大臣方針としてそう打ち出し、県生省も、省議で決定していないにしても、一応そういう意思を確認をし、そういう準備を進めたことは事実なんですね。
  6. 小山進次郎

    小山説明員 そうでございます。
  7. 滝井義高

    滝井委員 そういうことで、特に診療報酬に関する問題について、今秋を目途として成案を得る、その成案を作る具体的な方計というものを、省はお持ちなのか、これをちょっと御説明願いたい。
  8. 小山進次郎

    小山説明員 方針の点は、まだ外に御説明を申し上げるほど固まったものはございません。ここではむしろ大まかな段取りとでも申しますか、プログラム一つきめようということで、大臣がこういうふうにおきめになったのであります。ただ大まかな方針というか考え方としては、いずれにしても二十六年以降据え置きになっているという事実そのものには非常に無理な点がある、この際一つ従来からもいろいろ研究していることではあるけれども、研究に時間がかかることはやむを得ないとしても、もうそろそろ結論をつけていくべきときなのだから、早急に一つ、今まで各方面で御検討願った問題についてそれぞれ結論をつけて、早くどういうふうに運んでいったらいいかという取りまとめをしようじゃないか、こういうようなことであったわけでありまして、方針そのものはまだ確定しておりません。
  9. 野澤清人

    野澤委員 そこで今滝井君の方から方針の話が出、プログラムの話があなたの方から出たのですが、いつも切実に感ずる点は、保険局を中心にして、薬務局とか医務局とかの各局長態度というものがきわめて不鮮明だと思う。一体今後の診療報酬などの対策をどうするかということになってくると、最後はいつも保険局長が七転八倒するだけでそれに対する医界局薬務局としての局長自体態度というものが案外横の連絡がないのが厚生省の実態ではないかと思う。私もあの新聞記事を見て、実にすばらしいことを考えたと思ったけれども、今度は二、三日すると、読売か何かの新聞記事を見ると、厚生官僚発表した意見として、健保を通すための報酬の増額をするだけで、あれはから手形だ——これは大臣に強く言っておきましたが、大臣自体とすれば、必ず一点単価を上げるとか点数改正をして診寮報酬を上げて待遇改善するのだ、こういう基本線を出しておきながら、今度は新聞発表を見るというとあれはインチキなのだ、こう書いてある。するとそういうことを大体あなたの部下でもって勝手に放送するとはけしからぬじゃないか、こういうことを大臣に言ったところが、大臣わし記事を見ていないから、さっそく取り調べて厳重に戒告いたしますと——戒告されたかされないか、また発表した者はだれだか知らないけれども、そういう事態を考えてみると、それでなくても、医師会あたりが総辞職までして、政府にだまされるの、ではないかというてみんな悩んでいるのだ、これはインテリゲンチャの悩みだと私は、言うのだが、取り越し苦労をしている、その取り越し苦労をしているところに持っていって、政府自体がそういう発表をすることはけしからぬと思う。そうすると、この際小員会として、滝井君の方から経過を話されたが、薬価の小委員会診療報酬をつけ加えたという目的は、もうこれから先小委員会のあるときには、用があってもなくても三局長くらいは来てもらいたいということと、そしてもっと腹を据えて、調査会審議会を幾らやってもだめだ、五年も三年もかかっても、何も出てこないのだから、そうして都合のいいときには、諮問と称して、いろいろな審議会にかけてしまって、エッセンスだけ拾っていただきたいなんというから、健保みたいに三年も苦労してしまう。この際大筋を立てる以上は、プログラムを作る以上は、せめてこの小委員会くらいで、今度は政府はこういうプログラムで行くんだ、行くについては、秋なら秋までにはこういう段階で行くんだ、そういう方針をきちんと示されたらいいと思う。それをこわがって、ほんとう政府責任を負うべきものが、政府責任を負っていない。従ってわれわれは何をやっていいかわからない。たとえば診療費体系なんかも、もう分業実施になってから一年もたっておる。これなんかだって、もたもたもたもたしておる。そうして専門委員会に追い込んだまま好きなようにやらしているという格好でしょう。いつになったらこれは結末が出るのだかわからない。しかもあの診療費体系というものは、一定のワク内の傑作なんです。そんなことで一生懸命計数をはじいて積み重ねて、でき上ったときは、もう大臣の方では一点単価を上げようとしておるしそうすると、そういうスライドしょうといったって、どうしようもない。みんな調査が無駄になってしまう。そういうことでなしに、もう少ししっかりしたプログラムを組んだら、その通りぐんぐん押していってもらわなければならぬ。それを今度は国会の方として、滝井君もおそらく、野党だからといって、破壊的な気分ではない。建設的に厚生行政を伸ばそうというのだから、そういう意味合いでうんとバツク・アップするから、しっかりした方針をきめて、筋道を立てて一つやってもらって、この小委員会では一応責任を持たせるために速記をとっておるけれども、こう書いてあったから、ああ書いてあったからと言って、あとでいじめるような卑怯なまねはしませんよ。それよりも、どうしたら現実的な対策ができるかということに熱意を持ってもらいたいと思う。普通おざなりの委員会だったらやめた力がいいのですよ。基本方針として、どうしたら今後の診療報酬というものを、赤字を出さずに、しかも国民が喜ぶ、医療担当者協力できるか、こういう段取りになっていくと、もう健保が通ったから、五十億浮くとか、百億浮くとかという希望的観測でなしに、浮こうと浮くまいと、なんぼふやすのだという基本方針をきめて、そうしてそれだけの作業を続けていく。そうして強行突破して、そのかわりそれには医師会も文句言わずについてくるというか、協力するという段階に持っていかなければならぬはずだと思う。そういう意味合いで、おざなりの、しっぽをつかまれないような答弁の必要はないのだ。だからどうか一つ誠心誠意を披瀝してやって下さいよ。どうぞお願いします。
  10. 小山進次郎

    小山説明員 今先先生がおっしゃった点については、全部その通り承わって私どもやるつもりでございます。ただ二、三弁明をさしていただきたいことがあるので申し上げますと、横の連絡の点は、これはもうむしろ外の方に御指摘をいただくことがわれわれとして非常に恥かしいことなんで、特別に気をつけねばならぬと思いますが、いずれにしても、この問題は単に保険局だけでできる性質のことではなくて、省全部がそれぞれの部分を担当しておる仕事でもありますので、当然一体となってやらねばならぬという性質仕事でもありまするし、またこの点の相談は今回は特に十分しまして、そういうことのないようにする、そういうふうなことは中でも気分の交換はいたしておりますので、この点御期待に沿えるようになっておると思っております。  それから新聞記事云々の点は、おそらく読売ではなくて、朝日新聞記事ではなかったかと思います。実は私どももちょっと意外な感をもって、どういうわけでああいうふうな記事が出たのだろうかと、内部をだいぶ調べてみましたけれども内部から出ている事実はございませんでした。ただ外の方にいろいろ単価改訂に対して消極的な考え人々があるようでありまして、そういうよう人々意見を取り入れ  て書いたということだったようでありますが、この単価改訂の問題については私どもほんとうに今回は単価改訂そのままの形でやる、やらぬという点は、もちろん今後論議さしていただかねばならぬ大きな問題でありますけれども医師処遇改善していくということはほんとうに何とかしてやらねばならぬ問題だという態度考えております。  それから基本方針について、あるものを申し上げないということではなくて、基本方針そのものをきめることについて今後十分御相談をしたいという気持で、まだそういうものがない、こういうふうに申し上げているわけでありまして、決してあるものを外の方に一隠しているというよう事情ではございません。ただ、いずれにしても、おっしゃったように、諸般の情勢から見てちょうど時期が熟したとでも申しましょうか、いろいろな条件が熟しておって、この機会にこの問題が解決されないと日本の医療のためにも非常におもしろくない結果になる。またこの問題がまともに取り扱われてなかったということが、いろいろな意味当局医療関係者との間に気持の交流とでも申しましょうか、それを非常に妨げておったという事実は私どもよく感じ取ったわけでありまして、順序としてもちょうどのどにひっかかったような関係になっている健康保険法改正問題というのが片づいたら、今度こそ真剣にというのが私どもの昨年からの考えでありましたが、これは正真正銘、一生懸命に走りまして、秋までには何とか結論つけようではないかという大臣考え方をわれわれ事務当局が追っかけていって解決をつけると、こういうよう考えであります。
  11. 小島徹三

    小島委員長 必要によったら、政府委員なり説明員秘密にしておきたかったら、速記録から除くことを要求して下さい。そうして場合によったら、秘密会議が必要だったら秘密会をしますから、自由に腹蔵なく話をして下さい。
  12. 野澤清人

    野澤委員 決して言葉じりをとるわけではないが、基本方針はこれからきめるんだ、これはそれでけっこうです。けっこうですが、国会審議過程で少くとも国務大臣基本方針というものをもうすでに打ち出しているのです。二月からずっと健康保険改正の問題にタッチして、医者の待遇改善はいたします、医療担当者協力で夫るようにいたします、そうしてそれのねらいは一点単価値上げです、ということを再三再四言うているのです。ところが最初は一点単価値上げ’いったものが、これはもう滝井君の方でもよく御承知だと思うのだが、途中から一点単価点数改訂というものがからまってきた。最後へ来たときにはもう単価も一応上げることに考えてはいきますが、一応点数改訂にします、こういうふうになって、これが非常にうまくすべり込んできているのです。ですから私は最後のときにもこの点は強く追及しておいたのですが、今さらになって今度は基本方針がきまらないということは言えないと思う。これは基本方針じゃないかもしれない、重点事項かもしれないが、少くとも厚生大臣があれだけのことを意思発表する以上は、省内でそうしたことの話し合いが当然ついておって、そうして大蔵省との折衝だけが今後残るのだというならはっきりわかるのです。ところが健保が通っちまったらああいう新聞記事が出る、外部から出したんだろうということだけでは国民は納得せぬと思う。、厚生官僚内部の推測においてということがちゃんと入っておる。しかも朝日という権威のある新聞がそういうことを書いている。書いてあるものに対して、それでは厚生省がなぜ抗議しないのか、それで厚生省態度を見てみれば、今後は待遇改善するというようなことは、さっき滝井君が指摘したように、新聞記事が出ている。こういう状態で、少くともこれから方針考えるのではなくて、重点事項としてわれわれとしても一応これを拾い上げてそれを肉づけをし、今後の審議過程において早くこれを改訂するにはどういう方針をとったらいいか、どういう対策をとったらいいかということについての方法論審議をしていくということならまだわかるのです。ところがこれからの方針を立てて、もしその方針に通行したらどうなるかということです。単価を上げるつもりでしたが家庭の事情で上りません。これではとても国民大衆に対して申しわけがないと思う。だからこの小委員会に臨まれる際には、各局長はもう少し腹をきめて、どうやったらいいのだ。さっき言うたように各局長連絡ついてないという一つの実例をあげると、昨年参私は健保赤字対策として論議した当時から、小委員会が始まって、それ以来健保薬物というものが多過ぎるのだということを再三再四言うておる、この品種をごく少くするようにということを言うておるにもかかわらず、新しい薬品がどんどん許可になっておる。業務局あたりの話をに聞くと品種を減らされたら大へんだという。今度は保険局長の話を聞くと、減らさなければとてもしょうがない。一年に一回使うか使わないかわからないものがある。こういうふうに局長々々の意見を聞くとみなばらばらなのです。それでこの間の四日の新聞記事を見ると、薬物というものは極力狭まるような雰囲気で書かれておる。そういうふうに現在のところつかみどころがない。ふやすのか減らすのか議論しておる最中に、どんどんふえていってしまう。そうして整理をしますということが書いてあります。これは一つの例ですが、過去のことをああだこうだといって追及するよりも、今後に対する態度というものを三局長ともしっかりして出発してもらわぬと、われわれ忙しい中で一生懸命議論しても、あぶはちとらずになる、そういう考え審議を続けていきたいと思いますから、ぜひ御協力を願いたいと思います。
  13. 八田貞義

    八田委員 今厚生省内では診療報酬改訂というか、そういう問題についてプログラムを作ったのだ、こういうのですが、私は厚生省内でプログラムの作成に現在入ったのだということはわかったのです。ところが診療報酬問題を審議する機関としては、社会保険医療協議会というものが現存しておる。社会保険医療協議会というのは保険医療指導監督に関する事項、それから適正なる診療報酬審議し勧告する機関だ、こうなっておるのです。これに対する社会保険医療協議会に対して諮問されておるか、あるいはまた社会保険医療協議会においてすでにこの問題について協議を開始しておるかどうか、この点についてちょっと教えていただきたい。
  14. 野澤清人

    野澤委員 まだプログラムを作っただけというのだからだめだろう。
  15. 八田貞義

    八田委員 プログラムだけでも、外部諮問機関があるのだから……。
  16. 野澤清人

    野澤委員 そこまでいかぬだろう。
  17. 小山進次郎

    小山説明員 それはしごくごもっともな御疑問で、いずれにしてもこの問題をまとめあげていくためには今おっしゃった審議会と、もう一つ、おそらく同じようなものということでおあげにならなかったものと思うのですが、臨時医療審議会、この結論を早急に出してもらうということが必要なわけでして、従来はとかくその結論を出すということが問題を促進するための材料にならずに、ともすれば問題の解決を少しずつ時期的先に延ばすということの事情になっておったわけですけれども、この点は今回ぜひとも審議を促進して早く結論を出してもらわなくちゃならぬ。形からいいますと中央社会保険医療協議会もこういった問題を包括的に現在諮問はしておるわけでありますけれども、すでによく御存じのように是が非でも結論をこういう時期ぐらいまでに出していただきたいという事情に非常なだめをつけた格好で、お話をしていないのでいろいろな事情が一日延び二日延びておるという状況なので、これはぜひ一つ今度は全体の結論が秋ぐらいに出るのに速度を合せてやってもらいたい、実はこれは一昨日私どもの方からそれぞれの会長にお願いをして、それじゃ近くそれぞれの会合を開く機会があるから、そこで今後の段取りについて相談よう、こういうことになっておるわけであります。
  18. 八田貞義

    八田委員 今までの中央社会保険医療協議会のあり方、診療報酬に関する会合百というのは、年一回やることになっているんですね、ほんとはそういう規定になっているんですね、ところが今までやっていないんですよ。
  19. 野澤清人

    野澤委員 やっているでしょう、諮問事項については出ていますよ。
  20. 八田貞義

    八田委員 やっているけれども結論を出さない。やっておるという格好では出してきていない。今お話しになったように、非常に押えるような結果の結論が出てきたというお話があったが、今度はそういったことについては改めて、歩調を合せるよう審議をやってほしいということをこの前やられたの、で、その趣旨を十分にお伝え下さいまして、今までのような、全くあってもなくても同じよう状態では困ると思うのです。そこで一つこの中央社会保険医療協議会診療報酬に関する協議と申しますか、それを促進させていただようお願いいたします。
  21. 小山進次郎

    小山説明員 この点は、私どもとしても非常に強く依頼したし、またそのことを重要な問題として審議を促進してもらうということを、いかに重要な問題として事務当局考えておったかということは、ここに一緒に出てきておられる両局長も当日の模様を聞いておられてよくわかっておられるわけで、これは非常に促進しておるわけです。
  22. 滝井義高

    滝井委員 今の点は私は意見が偉うんだ。少し前に進み過ぎたから少し戻しますが、今プログラムの大まかだ方針ができた、二十六年以来据え置いておった単価の問題を各方面で、いろいろ検討して、大体結論が出たようでおる、それをまとめたい、こう小山さんはおっしゃったんだが、その大まかだ方針というのは、各方面から出た結論をまとめるということでしょうか。
  23. 小山進次郎

    小山説明員 私は出たというふうに申し上げたつもりはなかったのです。もしそういうふうにお聞き取りになったとすれば、その点は訂正させていただきたいと思います。もうそろそろ出せるくらいまでに少くとも審議としては進んでいる、こう見てよろしい、こういう気持なんです。  それから、いずれにしても、今度けその審議をしてもらう場合に一つの前提があるわけですね。現在の報酬が妥当かどうかというようなところから、ゆっくりやってくれという態度じゃたくて、そこいらの点は今までの審議の結果である程度結論がついてもいるの下す。だからとにかく全体として医師処遇改善するという基本的な方向に沿って問題を検討してもらいたいということになるだろうと思います。そうするとしても、なかなか結論を出されるのが、そう一カ月や二ヵ月じゃいかぬだろうと思いますけれども、これはうんと促進していただいて、そうして秋ごろまでに厚生省として、少くとも厚生省だけの意見だけでもまとまるというところまで持っていきたい、こういうふうな考えでいるということを申し上げたつもりなんです。
  24. 滝井義高

    滝井委員 どうもそれがなまぬるい。あなたの方の諮問機関はあなたの方の御自由でよろしいと思います。私どもは立場が違うのです。もう臨時医療保険審議会とか、中央社会保険医療協議会にまかせておっては解決ができない、もう六カ年の経過を経ておる、この問題を解決するのは、国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会がこの問題に乗り出す段階がきたというのが、私がこの委員会を作る主張をした段階なんです。従ってあなたの方の諮問機関はあなたの方で御自由にやっていただきたい。国会国会として独自に医療協議会委員意見も聞こうし、医師会歯科医師会薬剤師会、あるいは製薬企業意見も聞いて独自の案をずばり出していく、これが国会態度でなくちゃならぬと思います。臨時医療保険審議会なんというものは、今までずいぶん論議している。過去の論議を見ると、今まで十何回もやっていますね、しかし昔の三原則というようなことにとらわれて、やはり結論は出ていません。中央社会保険医療協議会、これはこの問点数の問題で、もはや迷路に入っていますね。専門委員制度迷路に入っておる。これはすでに参議院においては、大体単価結論の出るのは二、三ヵ月後だということを答弁した。私は傍聴して聞いておった。山下義信さんに対してそう答弁しておる二、三カ月は間違いないかというと、私は二、三ヵ月くらいだろうと思っていたが、それが夏になり、秋になり、それではやがては冬になる、冬来たりなば春遠からじということになって来年になってしまう。そうすると結論が出ないことになる。だからあなたの方で秋に出すというから、一つ秋までに国会でやろう、そのためには全責任を持って政府である厚生省と会計を握っておる大蔵省の人に来てもらって、今後のわれわれのこの委員会の運営に助言してもらわなければならぬ。あなた方の助言は、あなたの方は国家の諮問機関ではなく厚生大臣諮問機関なんだから、助言は自由にやっていただいて、その諮問機関意見を聞いて、われわれは独自の立場で意見を出していきたい。この諮問機関国会とは、国会の方がはるかに比重が問いのだから、ごっちゃにしないようにしていただきたい。今までは諮問機関があたかも国会の上に君臨するがごとき観を呈しておった、従ってあなた方は、諮問機関結論が出ないからということでわれわれに対する答弁を遷延し、その実施というものをおくらせてきた。もう臨時医療保険審議会とか中央社会保険医療協議会というものは単価の問題について結論を出す能力が欠除しておるのです。過去六カ年の長い間、二十六年以来国会にこの問題が出てから論議しておるのです。あなた方の方はいつでも、いや五、六月ごろ出す、秋までには出すというようなことばかり言っておって、そういうことを何度聞かされたかわからないが一向出てこない。きょうもまた同じようなことを聞くのです。参議院でもこの前の最終の段階になったときに、二、三ヵ月で医療費体系の結論が出ると言っておりますが、一体二、三カ月で出ますか。
  25. 小山進次郎

    小山説明員 私は今まで政府委員としてここに出てきておりませんでしたの、で、こういうところで申し上げたことはありませんが、少くとも私どもに関する限り、きょうくらいはっきりものを言ったことはないと思います。
  26. 滝井義高

    滝井委員 一つ一つ尋ねて参りますが、まず中央社会保険医療協議会臨時医療保険審議会との関係はどうですか。
  27. 小山進次郎

    小山説明員 分担区分ということですか。臨時医療保険審議会の方は、医師診療報酬に関する基本的な原則とか、あるいはそういう基本的な原則の上に立つものとしたならば現在の報酬はどうなっておるかというようなことの分析と、それからそういう分析に基いてどういうふうにしたらよいかということを研究して結論を出してもらう。これは御承知のように、もともと主としてお医者さん側の要望に基いてできた審議会です。一方の中央社会保険医療協議会は四者構成であるので、そういうような問題を論議するには必ずしもすぐに関係してもらわなくともよいという人が相当におるために、問題が純粋な形で検討されがたい、従って別にそういうようなものを作ってそこで検討してほしいというような要望があってできた審議会です。それで中央社会保険医療協議会の方は、大体臨時医療保険審議会の方で出ました結論連絡をとりつつ、今度は実施するものとしてどういう案がよいかということで最終的な仕上げをするというような役割を持っておる。大体こういうふうなことに両者の分担はなってくるだろうと思います。私どもの見当では、終りごろの段階になって参りまして実際がどうなるかという問題は、さらにそれぞれの審議会のお考えによることでありますから、両方の連絡会合を持っていただいて、同じ結論を目指して、それぞれ審議を進めていただくということになるかもしれぬ、こんな見当をつけております。
  28. 滝井義高

    滝井委員 臨時医療保険審議会の方は、久下さんに私が、両者の関係はどうだ、これは両方意見が対立して、何にもできぬようになりはせぬかという質問を発したことがある。ところがそのとき久下さんの答弁がどういうことであったかというと、臨時医療保険審議会は、社会保険診療報酬の大綱をきめるということであった。従ってこれは大綱だけをきめていただけばよろしいところでございます、こういうことを言われておるのです。あなたが臨時医療保険審議会結論というものは早く出す、そういう大綱をやっぱり出すところなんですか。
  29. 小山進次郎

    小山説明員 少くとも大綱は、臨時医療保険審議会で出してもらうということは必要ですね。
  30. 滝井義高

    滝井委員 そうすると、四者構成である協議会の意見の一致を見るとは限らないのですね。四者構成の医療協議会というのは、それぞれ利害相反する国民健康保険なり、健保連の力というものが相当強いのですね。そうすると中央社会保険医療協議会の方は、今あなたの御意見ように、主として日経連で多く縛られるということになると、出てくる結論が違うわけです。というのは今の医師待遇改善の問題で、反対ののろしをあげている日経連を中心とする国保連なり健保連というようなスポンサーというものが今度あるのですから、健康保険と違う。背後に強力な日経連というスポンサーがつ適を改善するんだ、こういう方向で大綱を作っていく、そうして案ができたとすると、最終的に結論を出すというのは——臨時医療保険審議会というものは法律に基くものではないと私は考えている。法律に基く中央社会保険医療協議会というのは、これは法律でもって、指定取り消しのほかに、診療報酬を決定する。ここに大臣諮問をしないと、やはり厚生省内部で、国会は一応関係ないにしても、あなたの方では諮問をにしてこなければ、大へんな法律上の問題になる。そうするとその問の調整というものは、今言ったように、今度は両者が一緒になってやるんだということになるので、医療協議会の方は単価問題をやると同時に、点数の問題も現在やっている。専門委員の問題もやっている。こうなると、ハチの巣をつついたようになる。今の私の見通しでは、そういう情勢が非常に濃厚です。今あなたはきわめて簡単に、両者一緒になってやればすぐ結論が出るような御意見を言ったのですが、どうも私の見通しではそうならぬ。私の言ったことが間違いならば、そういう点は間違いであると御指摘願えれば、今後の討議の参考に非常に役立つと思うが、私はそういう感じがしてしょうがない。その点はどうです。
  31. 小山進次郎

    小山説明員 私は問題を単純に考えて申し上げているわけでして、今先生がおっしゃったような困難性というものは、十分われわれとしては計算の中に入れて、それだからこそ、秋に結論を出すということを大臣が内外に向って言明する、厚生省事務当局がそれをつつしんで承わって、それで走るということは容易ならぬことだということを含んで申し上げているわけなんでして、その点は、いろいろむずかしいことを申し上げますれば、幾らも申し上げられますけれども、それはしょせん結論を出すまでの過程ということで申し上げなかったので、これは当然のこととして御了解願いたいと思うのです。  それから医療審議会関係については、少くともこれだけのことは、それぞれの審議会においてはっきり考えていただかなければいかぬと思うのですが、それは中央社会保険医療協議会段階になれば、いろいろ負担問題ということで反対意見が出てくるということは当然考えられる性質のものであろうと思うのであります。しかしその場合でも、臨時医療保険審議会で検討が進んで、一つ結論が出ておれば、少くともその診療報酬なら診療報酬というものは、そういうふうな基礎の上に立って、あとその負担関係をどうするかということで議論さるべき性質のものだというところまで、議論としては整理される。もちろんそうはいっても、負担関係と離れてあまりに抽象的に議論することのできる性質のものじゃありませんけれども性質からいえば、それはそれとして、現在の事情のもとにおいてどういったよう報酬を受けることが必要かという問題は、一応それはそれで論議できる性質のものだ、ただそういうよう報酬保険経済においてどういうやりくりをしてまかなっていくかという問題は、また別個の問題として考えなければならぬ、こういうことになるだろうと思います。全体の点については中央社会保険医療協議会といえども、もちろん論議されることは自由なことではあるけれども、それに根本的な疑義を差しはさむというのであれば、それはそれなりの相当権威ある根拠に基いて議論しなければならぬ性質のものだということだけは、両者の関係について言えるだろうと思います。
  32. 野澤清人

    野澤委員 さっき滝井君から独自の立場で今後国会は誘導していごうというような極端な表現をされたんだが、これは社会党としては当然だと思う。それでそこのところを誤解されると困るのは、自民党の方で滝井提案について診療報酬というものをここに入れるということは、極端にいえば滝井君の表現の通りかもしれぬ。しかし少くとも自民党としては政府の意思決定をするのに便宜なために、われわれは協力よう政府の意志がどうあろうと、審議会の意志がどうあろうと、独自に突っ走っていこうという考え方ではない。それは今までの諮問事項が実際に臨時医療保険審議会なり、あるいは中央社会保険医療協議会なり、諮問事項として出されて結論を得て、そうして政府の案というものが当然出てくる、あるいは政府の案ができて初めて中央社会保険医療協議会に、これは法律に基ぐ審議会だから、その方にかけるとか、そういう法律上の所作についてわれわれはとやかく言うのじゃなく、その大本となる厚生省の決意というものがきわめて緩慢だということ、そうしてあちらの意見が出ない、こちらの意見が出ないということでお茶を濁しておる。小山君自身、前代未聞のはっきりしたことを言うているとほらを吹くくらいだから、秋ということを滝井君に抑えられて非常に困るかもしれぬが、私は秋であろうと夏であろうと、春夏秋冬は毎年あるから、ことしの秋なら秋と決心した以上は、これからプログラムを作るんですとか、方針をきめるんですということでは、医療担当者はついてきません。それよりも大臣を中心に毎日でも省議を開いて、そうしてどういうところを根本にするかという点については審議会なり協議会なりの意見を聞く。聞いただけでは何にもならない。決心しなければならぬ決心する場合は、滝井君の言うように、われわれはバツク・アップしようじゃないか。そうしてりっぱな成案が出て法律化するときに、初めて立法その他の権能というものが生まれてくる。権威ある答申を得てというようなのんびりしたことを言わないで、一応政府の決意を促進するために協力する。そのための小委員会だから、滝井君の表現は極端な表現だが、自民党としては終局はそういう考え方を持ってもよろしいが、過程としては早く厚生省の意志決定をしてもらいたい、そういうつもり、ですから誤解のないようお願いしたい。
  33. 滝井義高

    滝井委員 その点は私の舌足らずであったが、あとでもう少し尋ねますか、政府は二十六年以来単価問題を放置しておったということは、これはやはりいけなかった。この際やはり医師待遇改善は必要なんだ、こういう認識を持った根拠は、それだけの待遇改善をしなければならない科学的根拠があったからこそ、そういう表現がされておると思う。一体そういう科学的根拠がどこにあるかということを質問したいのです。これはあとで伺いたい。その前に、そういう科学的な根拠があるからこそ、われわれはこういう委員会を作っている。そうしますと、何も国会が独自の立場で、たとえば現在の単価——私は単価で出すことは必ずしも了承しないが、単価二十円である。これはだれが見ても科学的な客観的根拠があるならば、厚生省であろうと、中央社会保険医療協議会であろうと、臨時医療保険審議会であろうと、国会が出そうが、あなた方が出そうが、もし二十円というものが統計資料その他が科学的に精密にお互いが一致しておれば出てくるはずです。だから、私は、そういう上げなければならぬという根拠を国会が独自、で見つけていこうというのです。これは何も臨時医療保険審議会結論をわれわれはもらわなくても、あるいは中央社会保険医療協議会結論をもらわなくても、厚生省結論をもらわなくても、厚生省が現実に調査しているもの、あるいは協議会なり審議会でやっているものを聞きながら、同時に国会独自の立場で科学的な根拠を把握し、それを客観つけることができるはずです。私は今度は司会が独自でやるべきだという主張です。その点は誤解のないように。そのための協力と助力を大蔵省なり厚生省にもお願いしたい。あなた方がわれわれに助力をし、いろいろな資料を集めること、あなた方の諮問機関の全機能を動員し、全能力を動員してやってくれることについては、われわれのちっとも干渉するところではない。従って科学的な根拠というものはお互いに数字その他が一致しておれば共通のものが出てくるだろうということです。二十六年以来、出す出すと言って一向に出してくれない。今度は一つわれわれの方から科学的な根拠について出しましょう、こういうことは与党であろうと、野与であろうと、そういうことは超越してやらなければならぬ当然のことでしょう。従ってあなた方が待遇改善をしなければならぬという認識に到達をした科学的根拠は一体どこにあるかということを、私はまずお伺いしたい。今までは適正だとは思いませんが、不適正だとはまだ考えていないというのがあなた方の答弁だ。しかし、今度は待遇改善をしなければならないとずばりとおっしゃった、しからば、その待遇改善をしなければならぬという科学的な根拠は、今のこが悪いからやらなければならぬということになってきたか。
  34. 小島徹三

    小島委員長 滝井君そういうことを政府に質問するのも一つの方法かもしれぬけれども政府はどう考えよ、うと、われわれはわれわれで考えていくということでやるという方針にしたらどうか。何も政府の科学的な根拠を附いてわれわれは考えるわけではないのだから、資料を提供させることは政府に要求してもいいが、その根拠について問い詰めることはどうでしょうか。
  35. 滝井義高

    滝井委員 そこが一番大平な点です。今までの政府方針は、適正であるとは思わないという、それかといって、それは不適正だと断定するというものでもない、こういうことなんでしょう。しかし今度は百八十反転換をして、待遇改善しなければならぬ時期が熱したということです。だから、時期が熟したという認定をするに至ったのには、何かそこに根拠があるはずです。それはわれわれが今度やる上にきわめて参考になる一番。ポイントであるのです。
  36. 八田貞義

    八田委員 滝井さん、私は政府に対してそういった科学的な見解を問い詰めることはいいと思う。しかし問題は、自分らも医療報酬というものが今日の状態では不適当だという概念のもとに立ったのですから、われわれもそれに対する科学的な裏づけというものをはっきりしなければならぬわけです。適当でないということは概念的には両方がつかんでいる。しかし資料は互いに出してもらってこれからやっていかなければならぬ。それからもう一つ、私は滝井さんが……。
  37. 滝井義高

    滝井委員 ちょっと待って下さい。今のところをそうぼやかしてはいかぬ。これは小委員会だから、何も遠慮する必要はない。政府が今までと百八十度転換した理由を聞かしてもらわなければならぬ、それは当然のことですよ。
  38. 野澤清人

    野澤委員 滝井君の要求はその通りだと思う。ただし今の段階としてあなた方が考えている以上に滝井先生あたりは考えているかもしれない。それから理論的な根拠もちゃんと究明して把握しているんだけれども……。
  39. 滝井義高

    滝井委員 してないよ。
  40. 野澤清人

    野澤委員 だからしている、していないは水かけ論だよ。今小委員長に頼んだのは、臨時医療保険審議会審議経過、あるいは新医療費体系を小委員会専門委員会にしょい込ませる状況、こういうことを一応次の機会にでもいいから聞かせてほしい。  それから中央社会保険医療協議会の実態というものが最近はどういう経過になっているか、その経過の実際を示してもらいたい。  もう一つは昨年からずっと検討を加えていた薬価の小委員会時代に問題になっていた薬価基準の審議経過、これは昨年までは薬価基準というものを厚生省がきめる場合に、しっかりした審議機関というものがなくて、そのままやってきた。たまたまおととしの暮れに追及したので、今度は厚生省内でこういう委員会でやりますということを言ってきた。それを招集したことがあるかというと、まだないんだという一昨年の説明である。その後もまた点数改訂があったり、新たに収載されるものも出てきたりしている状況ですから、厚生省自体としては薬価基準に対する根本方針というものがもう確立していなければならぬと思う。これに対する経過というか、措置というか、実際の状況を示してはしい。同時に将来に対して保険局薬務局との話し合いが、保険薬物というものを家庭薬に類するものまで依然として許可していく方針なのか、この際一応整理するという方針なのかということもしっかりした話し合いの上でこの委員会に報告してもらいたいと思う。ですから、査定をしていきます上における最近の資料等があったならば一応示して下さい。どういう要求により、どういう機関から、どういうふうにしてそれが査定されていくか、またどういうものが収載されていくか、また三段階方式の薬価基準をきめるといううわさも聞いたが、一時取りやめにしますということを局長からも話を聞いているのでありますが、その後どういうふうな作業を続けているのか、これらについての三つの資料ですが、今小委員長の方に提出しておきましたから、できれば次会にでも、その次にでもけっこうですから、その資料を提出してもらえばいいと思う。
  41. 八田貞義

    八田委員 今野澤さんも言われたが、中央社会保険医療協議会の実態というものが、大事な諮問機関でありながら、診療報酬を決定するよう機関としての機能を発揮できないようになっている。だから機関の性格とか構成については十分に検討しなければならぬ。私が考えるには、中央社会保険医療協議会の中に診療報酬額を審議する専門部会、それから保険診療に対する指導監督、診療指針の作成、紛議の調停などを審議する委員会というような二つくらいに分けないと、ほんとう意味大臣諮問機関の機能を発揮できないと思う。この点について野澤さんは、実態という言葉で表現をされましたが、今までの構成ではだめだと思うので、実態をお知らせ願うとともに、こういうことについても厚生当局において十分に考えられて、大切な診療報酬の決定にあずかれるよう機関に性格を変える必要があるというのが私の希望条件です。
  42. 野澤清人

    野澤委員 大へんけっこうな希望条件です。ただお互いに整理しなければいかぬことは、今のよう厚生大臣が法律に基く諮問機関として設けられているものと、七人委員会とか五人委員会と同じよう意味で大医の諮問機関として厚生省自体が勝手に作っている審議会とは分けなければならない。そういうものについて、実際的に効率的な結果が生まれるかとか生まれないかとかいうようなことは、われわれが審議すべきことじゃないんだよ。運用する人自体がこれをどう取り上げるかということによって効果もあるし、効果もなくなってくる。だからどういう機関があってもいい、大臣はやると言っているんだからいい。それよりもこっちは早く決心できるような方向に誘導していかなくちゃならぬ。だから一応今とまでの小委員会等でやっているものとか、新医療費体系の委員会とかいうものの実際の状況等を聞かせてもらえれば、一定のワク内で新医療費体系のどういう作業をやっているかということの実態がわれわれにわかる。そうするとこれから一定のワクの中で操作するということじゃないんだから——厚生大臣は上げてやろうということを言っているんだ。ところが単価を上げるとか点数を上げるとかいう論議を今後われわれがしていくについて資料がないんだよ。だから実態を聞かしてもらいたいということなんだな。
  43. 八田貞義

    八田委員 実態は今申し上げたように動けないというんだ。
  44. 野澤清人

    野澤委員 動ける動けないはわれわれが法律で設けたものならば、法律を改正してということもあるけれども大臣が勝手に作っている審議会に干渉する必要はないよ。
  45. 八田貞義

    八田委員 諮問機関だから、おれたちの国会の意思として、運営の面においてこう改善されるのが適当だという意思表示はやらなければならぬ。
  46. 野澤清人

    野澤委員 法律できめられた審議会なり協議会なり、あるいは内閣で設けられている社会保障制度審議会の運営の仕方が国家のためにならぬ、こういうことなら法律を改正すればいいんだけれども、法律に基かない厚生省自体のプライベートなものに対してわれわれがくちばしを入れることは——希望を言うことはいいよ、しかしそこまで干渉することはどうかな。
  47. 八田貞義

    八田委員 干渉じゃないんだよ。希望条件というのは……。
  48. 小島徹三

    小島委員長 小山君、さっきの滝井君のあれに返事しますか。
  49. 小山進次郎

    小山説明員 滝井先生のお話は、実を言うと私はここであんまりその問題を突き詰めていただきたくないという気持があるわけなんです。とにかく一般の生活水準も上っていることだし、かねてから懸案として考えられておったことだから、時期が相当熟したのじゃないか、この機会にという大局論で御了解願いたいと思うのです。もしここでどういう根拠でどういう妥当性を持つかということをあまり論議することになると、ほぼ結論を出すにひとしい結果になるので、私ども考えもそこまではまだ整理し切っておりませんから、ここのところはもう少し勉強させていただくということにしていただきたいと思うんですが……。
  50. 滝井義高

    滝井委員 私はそこまで言っておるわけじゃないんですよ。そういうことを言うと神田さんに来てもらわなきゃならぬことになる。私がこの前も委員会で言ったように、今までの大臣で、真正面から医師の現在の単価は不適当でございます、従って待遇改善をやらなければならない、医師会厚生省の感情が全くそごを来たしていることは日本の医療行政がうまくいかない大きな原因だ、こんなことをずばりと言い切った大臣はおりませんよ。そこまで言うについては、当然事務当局大臣を補佐しているわけで、大臣一人が勝手にばっぱ言うはずはないでしょうし大臣が一人で言ったというのなら、私は神田さんにここに来てもらわなければならぬ。ここは一番大事な点なんだ。何も科学的な根拠なくして待遇改善をやるんだ、それがあなたの言われるように、腰だめ的に生活水準が上ったから、時期が熟したから、これだけの簡単なことだったら、先にいってまた再度変更しなければならぬことになる。だから百八十度転換するについては、こういう大きなポイントをわれわれは見よっておったからとか何とかいう理由がなくちゃならぬ。待遇改善をする、単価を上げるという結論は出ているのです。ただ上げるに何ぼ上げるか、どういう形で上げるかということが出ていない。そうでしょう。今あなた方は秋までに結論を出すという、われわれも秋までにやらなければならぬということは、具体的に単価を十円にするか、十三円にするか、十五円にするか、二十円にきめるかという問題なんだ、待遇改善という目標はきまっているわけでしょう。大臣はやりますと言っているんだからね。あれは言葉のあやだ、だから待遇改善は秋になってと言われると、久下さんが今から五年前に言ったように、私は適正だとは思いません、しかしそれが適正でないということはまだ断言できません、こういうことになってしまう。それならば一歩も推し進まない。今から五年前に議論か返ってしまう。今科学的根拠に基いて待遇改善をやる、単価を上げる必要があるのだという結論が出たからこそ薬価の上に診療報酬をつけ加えてやろう、そこまで大臣を百八十度転換せしめるには、一つか二つか三つか知らないけれども転換せしめるだけの大きな契機がなくてはならぬ。契機のないのに厚生行政が百八十度転換することは考えられない。もし科学的根拠に基いて厚生行政が行われ、一般生活水準が上ったから腰だめ的に上げなければいかぬだろうということであの大上投的な答弁が出ているならば、これは大へんだからこの次に大臣に来てもらわなければならぬと思う。
  51. 小島徹三

    小島委員長 滝井君どうだね、この問題は。今突き詰めて聞いたら、その言ったことによって単価を上げるにしてもその限度などについていろいろ影響するところがあるだろうと思うので、もう少し厚生省が固まるまで科学的根拠を聞くことは——大臣がやると言ったのだから、それ以上はもうしばらく時間をかけてやったらどうか。秋までというのだから、それはいずれ二、三カ月たったら結論が出なきゃいかぬのだから、その辺にして先に進行しようじゃないか。
  52. 八田貞義

    八田委員 科学的根拠を裏づけにして理論構成を行なっていくことは、これは先になってもあとになってもいいと思う。結局、大臣が言った言葉については、科学的根拠があるなしにかかわらずわれわれとぴったりしたのだから、科学的根拠を裏づけるように検討をやっていく、それは秋までに完成するということの申し合せでいいと思うのだ。この前提に立ってやったらどうか科学的根拠に基く理論は全然なくて、あとでこれを科学的に裏づけるような理論構成をやっていく、どっちを先にするかという問題になるけれども、私はこの問題はせっぱ詰まった緊急な問題だから、これから科学的根拠を裏づけるような資料並びにその検討に入っていくのが正しいと思うのです。
  53. 野澤清人

    野澤委員 私はこう思うのだ。これはいろいろ議論もあるだろうが、今の科学的な根拠というような問題も必要だろうと思う。それよりも手っ取り早いことは、政府だけに圧力を加えていじめるよりも、政府政府として待遇改善の筋は何本あるんだと、まずその柱を羅列してみる必要があるのじゃないか。もう一つは、滝井君、八田君はエキスパートだから、あなた方が見た筋を一応出してみた方がいいと思う。私も野澤案として一応筋は出しますよ、そして政府案とわれわれの考えているポイントをずっと広げてみて、どれとどれまでが共通の広場かとしぼっていって、待遇改善ということは単価を上げることなのか、税制措置をしてやることなのか、あるいはまた点数改正をすることなのか、あらゆる角度から検討する必要があると思うのです。とにかくだれの気持も、滝井君の言っている通りワク内操作でなくて一歩出るんだということは、これは観念的にわかり切っているのだから……。そうすると、それにどう手をつけるかということは、これは厚生省が今作りつつあるプログラムの一針だと思うのです。きょうはこの程度にしてもらって、滝井君なり八田君なりから一つ筋を出してもらうと同時に、政府の方で次会までにくい棒を立ててもらいたい。くい打ちをしてもらってそれについて逐条話し合ってみて、その上で理論構成をするならする——理論だけ先に作ってみたって実体が伴わない理論なんて何にもならないのだからね。われわれが医師会あたりと座談会をやっても、いつも追及されることは、国会はそんな体裁のいいことを言ったり、自民党や厚生省は勝手な熱を上げるけれども、またわれわれはだまされるのじゃないかと言う。絶対だまさないと言っても理論構成でいったら元へ戻って単価は上らない、税金措置もとられないでしまったということでは何にもならない。だからどういうところが待遇改善かということを一つわれわれも考えてみようじゃないか。
  54. 小島徹三

    小島委員長 ただ滝井君の質問に対して突き詰めた答弁をしてしまえば、厚生省としてはそれによって数字は出てくるのです。そうなってくるとどうにもならない。
  55. 野澤清人

    野澤委員 そう神経質にならなくても……。
  56. 滝井義高

    滝井委員 出てくるものが出たら秋まで待つ必要はない。早ければ早い方がいい。だからそういうことが日本の政治家は大衆をごまかすことでいっている。少くとも大臣が今から三ヵ月も四カ月も前に、歴代の大臣が言っていたこととまるつきり違ったことを言っているのだから、その理論的根拠を政治家が突き詰めずに、くさいものにふたをするようなことはいかぬ、科学的根拠がなければならぬ。厚生省省議じゃなかったというが、全部の者が集まってきめたというときに、特に診療報酬に関する問題については、今秋を目途として成案を得るようにするということは、待遇改暫をする具体的なものであろうと思う。何となれば、国民保険を推進するためには、特に医療関係者協力を求めなければならない。そのためには診療報酬をやるのだと言っている。
  57. 小島徹三

    小島委員長 突き詰めていくということは悪いことではない。われわれ国会国会一つの案を出す考えを持って科学的根拠に基、いて案を出す。厚生省は秋まで出すといっているのだから、秋まで相当日数もあるのだから、その問いろいろ議論した上で、そうして突き詰めたものができて、それに基いて秋に決定するのだと思うから、今ここで議論しているうちにどう変るとも限らぬのだし、もう少し期間を与えた方が穏当だろうと思う。今ここ一、二ヵ月はしばらくこちらはこちらで仕事をしていって、そうしてその間に厚生省厚生省の相当自信を持った、これならばという科学的根拠に基いた案というものを示してもらう力がいい。今突き詰めてしまったらにっちもさっちもいかないだろうと思う。
  58. 滝井義高

    滝井委員 あなた方が突き詰めているので、私は突き詰めて考えているのではない。たとえばいろいろ厚生省で研究して見た結果が、どうも十三円にしなければならぬその具体的根拠というものは、これこれの結果である、これは結局待遇改善だ、十三円と言っちゃ工合が悪いから待遇改善という意味のことを言っている、厚生省の琴線に触れたものがあるはずだ。たとえば健康保険と引きかえでやると言ったらいいので、これ以外に理由がありません。健康保険と引きかえでやりましたと言うなら厚生省の琴線に触れたものになる。
  59. 田中正巳

    田中(正)小委員 今言うような理由だけじゃなしに、おれは完全にそう思っておったのだという話かもしれぬ、それだったら琴線に触れたものだ。
  60. 小島徹三

    小島委員長 そこまで突き詰めて聞くことはない。
  61. 八田貞義

    八田委員 おれたちが大臣の言明をバツク・アップするような方向にいきましょう。われわれ厚生省から資料をもらって突き詰めていきましょう。
  62. 滝井義高

    滝井委員 それは当然やります。たとえば閣議了解事項として決定されたら、時の大蔵大臣が時の内閣総理大臣に文書をもって関係各省にすみやかにやれ、そしてそれがみなに了解されているものがやられないできておる。厚生省は今までのものと違った転換をするについては、何かそこに契機というものがなくてはならぬ。人間は何もぼやっと夢遊病者のように左、右ふらふらする必要はない。
  63. 野澤清人

    野澤委員 滝井君の言うことを委員長もそう心配する必要はない。滝井君の言う意味が理論的根拠なり科学的根拠があるならば説明しなさい。省の方は言いっこない。そう極端なところまでは……。滝井君は今までの審議過程から見たって、とことんまで追及する男ではない。あなたの方も誠意をもって三局長相談して柱を建てて出して下さい。委員長もそうおそれることはないから……。
  64. 小島徹三

    小島委員長 ちょっと速記をやめて。     〔速記中止〕
  65. 小島徹三

    小島委員長 速記を始めて。
  66. 滝井義高

    滝井委員 きょうの一時間ばかりの問題で大体アウトラインは出た。そうしますと今後具体的にどういう工合に政府に激励をしていくかということ。あなたの言うように、ただわれわれはここで単に検討するというのではなく、国会は国権の最高機関ですから、権威を持っていい。国会国会の独自の立場で、もはやあんたら与党として附帯決議をつけておるから……。
  67. 田中正巳

    田中(正)小委員 これは根本的に行政権の問題だ。法律的に考えると立法権の問題じゃない。そこでわれわれとしてはそういう態度で臨む議事運営の方法もあろうと思う。われわれはわれわれで作るんだけれども、法律的に作るんじゃない。研究をしながらお互いに意思の疎通をしていくという態度でなければだめです。
  68. 滝井義高

    滝井委員 行政権の問題というけれども健康保険法で削除してしまっておる。そうするとこれは今後の厚生省の運営の上において相当関係が出てくる。同町に今までの臨時医療保険審議会等とあるいは中央社会保険医療協議会との関係医療保険法は閣議了解
  69. 田中正巳

    田中(正)小委員 究極の待遇改善という問題は、総じて言うならば行政権の問題で、従って行政権にわれわれがいかようにして参与していくか、関係していくかというそのあり方についても、よほど慎重に考えないと、この小委員会の目的と遠いものになるということをおそれるから私は言う。
  70. 小島徹三

    小島委員長 この程度にしておきたいと思いますけれども、要するに厚生省としても大臣の言明もあり、そして新聞に出たことではっきりわかりませんけれども、とにかく診療の報酬等についても改善したいという考え方で動きつつあるということもはっきりしているのだから、とにかく一、二カ月のうちに、こちらも仕事をするうちに向うも仕事をしてきて相当はっきり確定的根拠というものも発表できるじゃないかと思う。だから、先ほどの君の質問に対する小山君の答弁はあの程度に承わっておいて、おそらくあれがほんとうのことじゃないと思う。一つのアウトラインであって、もっとはっきりしたものを握っているかもしれないけれども、それを実際言ってしまったらにっちもさっちも動かぬことになるからあの程度にしていると思うから、それはそれにして、しばらく厚生省に町をかして、こちらはこちらで一つこちら独自の考え方で進行することにしょうじゃないですか、大体きょうはこの程度にしたらどうですか。
  71. 滝井義高

    滝井委員 次会は何をやりますか。
  72. 小島徹三

    小島委員長 資料をまず提供してもらう。今野澤君から、臨時医療保険審議会の今までの経過を書いたもの、現在の中央保険医療審議会の今までの経過についての資料……。
  73. 野澤清人

    野澤委員 それから薬価の基準。
  74. 滝井義高

    滝井委員 資料といっても、これは臨時医療保険審議会の資料は僕ももらったけれども、膨大なものでそれは読めやせぬ。しかもその中に論議されておることは、単価の本質論なんかやっていない。ずっと初めと何冊かあと、沈んでみましたが、核心にも何も触れていない。いわば今井メモというものをむしろ今井さんに言って出してもらう方がいい、それが核心なんです。それで、これを資料として出すというよりか、むしろ私は中央社会保険医療協議会の最近の運営や経過、それから臨時医が保険審議会の最近の運営や経過厚生省当局から説明してもらう、同時に中央社会保険医療協議会の会長、臨時医療保険審議会の会長を呼んだらいい。そして今までの運営の方向をその人たちの口からも聞く。
  75. 小島徹三

    小島委員長 次会はどういうように進行するかは、あとで相談しましょう。
  76. 八田貞義

    八田委員 単価の適正化という問題がどうしても議論の中心になると思いますが、昭和二十七年の三月に、厚生省で行なった医療実態調査の結果がある。これに基いて検討して単価を出していくということが、私は適正化への道と思う。ところが今までやられてきた単価厚生省で出している方法、これはやはり私は一つの公式をもって示してもらいたい。今は収入支出のワクの中でもって単価を出してきているのです簡単に言うならば事務単価、ワクの中でもって単価の問題を操作してきたからいろいろと問題が起ってきているのですから、厚生省が今までとってきた単価の出し方の公式、これについてやはり詳しく知らしてほしい。
  77. 小島徹三

    小島委員長 そういうものは、いずれまた相談した上で正式に小委員長の名前で厚生省に要求することにして、どうです今日はこの程度で……。
  78. 野澤清人

    野澤委員 局長連中は、そのたびに呼び出されて協力してくれるかどうなんですか。
  79. 小澤龍

    ○小澤政府委員 できるだけ最善の努力をして協力しなければならないと思います。
  80. 野澤清人

    野澤委員 ぜひ一つ局長が都合が悪いなら次長でも来てもらって、大体の空気を知ってもらわないと、していない関連していないといつも言われては困るので、これはお互いに協力するようにしょうじゃないですか。
  81. 小島徹三

    小島委員長 本日はこの程度にして、次会は公報をもってお知らせいたすことにして、本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十五分散会